JP6103048B2 - ガラス板の製造装置、及びガラス板の製造方法 - Google Patents

ガラス板の製造装置、及びガラス板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明はガラス板の製造装置、及びガラス板の製造方法に関する。
ガラス板の成形方法として、フロート法が広く用いられている。フロート法は、浴槽内に収容される溶融金属(例えば、溶融スズ)上に導入された溶融ガラスを所定方向に流動させ、帯板状のガラスリボンとする方法である。ガラスリボンは、水平方向に流動する過程で徐々に冷却された後、リフトアウトロールによって溶融金属から引き上げられ、徐冷炉内で徐冷され、板状ガラスとなる。板状ガラスは、徐冷炉から搬出された後、切断機によって所定の寸法形状に切断され、製品であるガラス板となる。
ところで、平衡厚さより薄い状態にあるガラスリボンは、幅方向に収縮しようとする。収縮が過大であると、製品であるガラス板の厚さが目標の厚さよりも厚くなってしまう。
そこで、従来から、ガラスリボンの幅方向の収縮を抑制するため、ガラスリボンを支持する支持ロールが用いられている(例えば、特許文献1参照)。支持ロールは、ガラスリボンの幅方向両側に複数対配置され、ガラスリボンに対し幅方向に張力を加える。
支持ロールは、ガラスリボンの表面と接触する回転部材を先端部に有する。回転部材は、例えば円盤状であって、外周に、歯車状の凹凸部を有する。凹凸部の凸部がガラスリボンに食い込むことにより、ガラスリボンの収縮が抑制される。
ガラス板の製造装置においては、溶融ガラスをフロートバス内に貯留された溶融金属上を流動するガラスリボンを所定の厚さに成形している。
特開2011−225386号公報
ところで、近年、ガラス板の厚さをより薄くすることが要望されており、特にディスプレイ基板用ガラス板の場合、好ましくは0.7mm以下、より好ましくは0.5mm以下、さらに好ましくは0.3mm以下、特には0.2mm以下、さらには0.1mm以下のガラス板が要望されている。
ガラスリボンは、フロートバスの出口より後方に配置されたリフトアウトロール及び搬送ロールの回転により下流へ搬送される。そのため、フロートバス内においては、リフトアウトロール及び搬送ロールにより下流方向への引張り力をガラスリボンに作用させて搬送している。
一方、上記ガラス板の製造装置においては、フロートバスから引き出されるガラスリボンの移動速度とリフトアウトロールによるガラスリボンの搬送速度との間で相対的な速度差が生じた場合、ガラスリボンの下面にリフトアウトロールと接触する疵が発生する問題が生じやすかった。
フロートバスから引き出されるガラスリボンの移動速度に対してリフトアウトロールの回転速度が低下した場合には、フロートバスの出口付近でガラスリボンに波形変形が発生するおそれがあった。
フロートバスの出口付近において、ガラスリボンがリフトアウトロールの高さ位置に引き上げられる過程で幅方向のクラックが発生した場合には、ガラスリボンが切断されてガラスリボンを連続的に引出すことができなくなるという問題が発生する。
これら現象は、ガラス板を薄く成形する場合に発生しやすくなる。
そこで、本発明は上記課題を解決するガラス板の製造装置、及びガラス板の製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
一つの形態によれば、溶融ガラスをフロートバスの流入口からフロートバス内の溶融金属上に供給し、前記フロートバスの成形領域において、支持ロールによりガラスリボンを幅方向に広げて所定の厚さに成形するガラス板の製造装置において、
前記成形領域とフロートバス出口との間の徐冷領域に前記ガラスリボンを下流方向へ送り出すための駆動ロールを有するガラスリボン送出手段を設け、
前記ガラスリボン送出手段は、前記駆動ロールを前記ガラスリボンの幅方向の両側縁部に接触させ、前記両側縁部を下流方向に送り出すように駆動させることを特徴とするガラス板の製造装置が提供される。
本発明によれば、高品質なガラス板を安定して得ることできる。
実施形態1におけるガラス板の製造装置の概略構成の一例を上方からみた横断面図である。 実施形態1におけるガラス板の製造装置の概略構成の一例を側方からみた縦断面図である。 支持ロールの取付構造を示す一部縦断面図である。 駆動ロールの取付構造を示す一部縦断面図である。 駆動ロールのセラミックス製回転部材を軸方向から見た図である。 セラミックス製回転部材の断面形状を示す縦断面図である。 回転部材の取付構造を拡大して示す図である。 ガラスリボン送出機構の変形例を示す図である。 駆動ロールの工具鋼回転部材を軸方向から見た図である。 図9中X−X線に沿う工具鋼回転部材の断面形状を示す縦断面図である。 回転部材の凸部を説明する図である。 凸部の先細り状部分の形状を説明するための図である。 実施形態2におけるガラス板の製造装置の概略構成の一例を上方からみた横断面図である。 実施形態2におけるガラス板の製造装置の概略構成の一例を側方からみた縦断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。以下の図面において、同一のまたは対応する構成には、同一のまたは対応する符号を付して、説明を省略する。
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1におけるガラス板の製造装置10の概略構成の一例を上方からみた横断面図である。図2は、実施形態1におけるガラス板の製造装置10の概略構成の一例を側方からみた縦断面図である。
図1〜2に示されるように、ガラス板の製造装置10は、フロート法によりガラス板を製造する装置であり、溶融ガラスを溶融錫浴に導入してガラスリボンGに成形した後、ガラスリボンGの温度を徐々に下げる徐冷を行うように構成されている。
ガラス板の製造装置10の上流側には、溶融ガラスを生成する溶融窯が設けられている。
ガラス板の製造装置10は、フロートバス20を有する。フロートバス20は、溶融金属(例えば、溶融スズ)Sを収容する浴槽22、浴槽22の外周上縁に沿って設置される側壁24、および側壁24に連結され、浴槽22の上方を覆う天井26などで構成される。天井26には、浴槽22と天井26との間に形成される空間28に、還元性ガスを供給するガス供給路30が設けられている。また、ガス供給路30には、加熱源としてのヒータ32が挿通されており、ヒータ32の発熱部32aが溶融金属S、ガラスリボンGの上方に配置されている。
上記製造装置10を用いた成形方法は、フロートバス20の流入口から溶融金属S上に導入された溶融ガラスを所定方向に流動させることにより、帯板状のガラスリボンGとする方法である。ガラスリボンGは、下流方向(図1、図2中、X方向)に流動する過程で冷却された後、リフトアウトロールによって溶融金属Sから引き上げられ、徐冷炉内で徐冷され、徐冷炉から搬出された後、切断機によって所定の寸法形状に切断され、製品であるガラス板となる。
フロートバス20内の空間28は、溶融金属Sの酸化を防止するため、ガス供給路30から供給される還元性ガスで満たされている。還元性ガスは、例えば、水素ガスを1〜15体積%、窒素ガスを85〜99体積%含んでいる。フロートバス20内の空間28は、側壁24の隙間などから大気が混入するのを防止するため、大気圧よりも高い気圧に設定されている。
フロートバス20内の温度分布を調節するため、ヒータ32は、例えば、ガラスリボンGの流動方向(X方向)および幅方向(Y方向)に間隔をおいて複数設けられ、格子状に配置されている。ヒータ32の出力は、ガラスリボンGの流動方向(X方向)上流側ほど、ガラスリボンGの温度が高くなるように制御される。また、ヒータ32の出力は、ガラスリボンGの板厚が幅方向(Y方向)に均一になるように制御される。
フロートバス20の内部は、上記のように供給される低粘性領域である供給領域L1と、その下流側に溶融金属S上を流動するガラスリボンGを左右両側(幅方向)に広げて所定の厚さに成形する成形領域L2と、成形領域L2とフロートバス20の出口29との間にガラスリボンGを徐冷する徐冷領域L3とを有する。各領域L1〜L3の天井26には、複数のヒータ32が配置されている。そして、各領域に各ヒータ32による加熱量が制御されており、各領域L1〜L3を通過するガラスリボンGの温度を調整することで、ガラスリボンGの粘性を制御している。また、徐冷領域L3は、ガラスリボンGの軟化点より温度が低い領域であることが好ましい。
供給領域L1に供給される溶融ガラスの粘度は、例えば、10dPa・sである。
成形領域L2は、ガラスリボンGの粘度が、例えば104.5〜107.5dPa・sになる。
成形領域L2において、フロートバス20内のガラスリボンGが幅方向に収縮するのを抑制するため、ガラスリボンGの幅方向の収縮を抑制する複数の支持ロール40を有する。
図3は、支持ロールの取付構造を示す一部縦断面図である。図3に示すように、支持ロール40は、主に、回転部材50と、連結部材60と、軸部材65とにより構成される。軸部材65は、先端が浴槽22の側壁24を貫通してフロートバス20内に挿入されており、基端が側壁24の外側に配置された駆動装置34に接続されている。駆動装置34は、駆動モータと減速機構などからなり、回転部材50をガラスリボンGの進行方向に回転する。回転部材50は、外周の凸部がガラスリボンGの上面に食い込み、ガラスリボンGが幅方向に収縮しないように、ガラスリボンGの幅方向端部に張力を加える。
徐冷領域L3におけるガラスリボンGの温度は、ソーダライム(ソーダ石灰ガラス)の場合、例えば736°C以下、無アルカリガラスの場合、例えば937°C以下に調整される。上記ヒータ制御の温度管理による徐冷領域L3におけるガラスリボンGの粘度は、例えば107.65dPa・s超に調整される。この徐冷領域L3におけるガラスリボンGの粘度は、成形領域L2を通過するときよりも硬くなっている。後述するガラスリボン送出機構70の駆動ロール71A〜71CはガラスリボンGを下流方向(X方向)へ送り出せるように構成されている。
徐冷領域L3におけるガラスリボンGの温度は、ガラスリボン幅が縮小されない領域の温度、具体的にはガラス軟化点(ガラス粘度が107.65dPa・sとなる温度)よりも低い温度であることが好ましい。徐冷領域L3におけるガラスリボンの粘度は、107.65dPa・s超が好ましく、108.3dPa・s以上がより好ましく、109.3dPa・s以上がさらに好ましい。
徐冷領域L3には、ガラスリボンGを下流方向(X方向)に送り出すためのガラスリボン送出機構(ガラスリボン送出手段)70が配置されている。このガラスリボン送出機構70は、ガラスリボンGを所定の移動速度で送り出すようにガラスリボンGを下流方向へ駆動する複数の駆動ロール71A〜71Cと、駆動装置78とを有する。
〔ガラスリボン送出機構70、ドロスボックス80、徐冷炉90〕
図4は駆動ロールの取付構造を示す一部縦断面図である。図4に示されるように、ガラスリボン送出機構70は、複数の駆動ロール71A〜71Cと、駆動装置78とを有する。駆動ロール71A〜71Cは、セラミックス製又は金属製の回転部材120と、連結部材74と、軸部材76とにより構成される。前記金属製とは、例えば炭素鋼、ステンレス鋼などである。
ガラスリボン送出機構70の駆動装置78は、それぞれ軸部材76を回転駆動する駆動モータを有する。駆動装置78は、駆動モータと減速機構などからなり、制御装置100によりガラスリボンGの移動速度に応じた回転数に制御され、駆動ロール71A〜71Cの軸部材76、連結部材74を介して回転部材120の回転駆動力をガラスリボンGに伝達する。それにより、ガラスリボンGを所定の移動速度でフロートバス出口へ送り出す。
図1及び図2に示されるように、フロートバス20の出口29より下流には、ドロスボックス80及び、徐冷炉90が設けられている。ドロスボックス80には、フロートバス20の出口29より流出するガラスリボンGを引き上げて搬送する複数のリフトアウトロール82A〜82Cが設けられている。ドロスボックス80は、リフトアウトロール82A〜82Cを回転駆動する駆動装置84を有する。駆動装置84は、駆動モータと減速機構などからなり、制御装置100から出力される制御信号により各リフトアウトロール82A〜82Cを所定の回転数で回転駆動する。
制御装置100は、駆動ロール71A〜71CによるガラスリボンGの搬送速度が、リフトアウトロール82A〜82CによるガラスリボンGの搬送速度と同じになるように、駆動装置78を駆動制御する。そのため、フロートバス20から流出されるガラスリボンGの移動速度とリフトアウトロール82A〜82CによるガラスリボンGの搬送速度との間で相対的な速度差が生じなくなる。その結果、リフトアウトロール82A〜82C及び徐冷炉90の各搬送ロール92A〜92Nに接触するガラスリボンGの表面に疵が付かず、またガラスリボンGの波形変形やガラスリボンGのクラック発生による切断などを防止できる。
尚、複数のリフトアウトロール82A〜82Cのうち、少なくともフロートバス20の出口29に近接配置された1番目のリフトアウトロール82Aを自由回転ロールとしても良い。
徐冷炉90は、複数の搬送ロール92A〜92Nと、各搬送ロール92A〜92Nを回転駆動する駆動装置94とを有する。駆動装置94は、駆動モータと減速機構などからなり、制御装置100から出力される制御信号により各搬送ロール92A〜92Nを所定の回転数で回転駆動する。尚、徐冷炉90は、下流に延長されているが、図1及び図2では搬送ロール92A、92Bのみを図示し、その他の搬送ロールは便宜上省略している。
〔回転部材120〕
図5は、駆動ロール71A〜71Cの回転部材120を示す正面図である。図6(a)〜(c)は、図5のVI−VI線に沿った断面図の例である。図7は回転部材120の取付構造を拡大して示す図である。
図5に示す回転部材120は、外周面122が、例えば図6(a)に示すように、全周にわたって、断面形状が径方向外方に凸の湾曲状である。回転部材120の外周面122は、軸方向中央部が軸方向両端部よりも径方向外方に突出する。回転部材120は外周面122に歯車状の凹凸を有さない。歯車状の凹凸がなくても、回転部材120は、セラミックス製のため、ガラスリボンGの表面に摩擦力が生じる。
回転部材120の外周面122に高さ0.1〜10mmの突起を複数設けても良いし、回転部材120の外周面122に深さ0.1〜10mmの溝を複数設けてもよい。また、回転部材120の外周面122に突起と溝とを両方設けても良い。突起の高さや溝の深さは、回転部材120の外周面122を基準として計測される。突起の高さや溝の深さは、図6(a)に示す半径r、図6(b)に示す曲率半径Ra、及び図6(c)に示すRb、Rcに比べて小さい。このように、外周面122に小さな突起、溝を設けることでガラスリボンGの表面に摩擦力が生じる。
回転部材120は、セラミックス製及び金属製のどちらも内部に冷媒が流れていないので、回転部材120の近傍において、ガラスリボンGが強く冷却されず、ガラスリボンGに対して滑りにくい。
例えば、図6(b)に示すように、前記凸の湾曲状の曲率半径Raは、ガラスリボンGとのグリップ力を考慮すると、R1〜R100mmが好ましく、R3〜R50mmがより好ましく、R5〜R30mmがさらに好ましく、R10〜R20mmが特に好ましい。また前記凸の湾曲状において、例えば図6(c)に示すように、前記軸方向中央部の曲率半径Rbと前記軸方向両端部の曲率半径Rcとが複合Rであってもよい。このとき曲率半径Rb、RcともR1〜R100mmが好ましく、R3〜R50mmがより好ましく、R5〜R30mmがさらに好ましく、R10〜R20mmが特に好ましい。また前記凸の湾曲状において、一部に平坦部を有していてもよいが、平坦部を有していない方がガラスリボンGとのグリップ力が安定するので好ましい。
ガラスリボンGとのグリップ力を考慮すると、図6(b)に示す前記凸の湾曲状における回転部材120の半径方向の幅dは、0.5mm以上が好ましく、1mm以上がより好ましく、2mm以上がさらに好ましい。同様に、前記凸の湾曲状における回転部材120の半径方向の幅dは、5mm以下が好ましく、4mm以下がより好ましい。
図6(b)に示す回転部材120の半径rは、連結部材74とガラスリボンGとの接触防止や軸部材76の水平性を考慮すると、100mm以上が好ましく、150mm以上がより好ましく、180mm以上がさらに好ましく、回転部材120とガラスリボンGとの位置調整や回転部材120の回転速度の微調整を考慮すると350mm以下が好ましく、300mm以下がより好ましく、270mm以下がさらに好ましい。
回転部材120の厚さwは、ガラスリボンGとのグリップ力を考慮すると、5mm以上が好ましく、10mm以上がより好ましく、15mm以上がさらに好ましく、30mm以上が特に好ましく、ガラスリボンGの平坦性向上や不要なグリップ幅の拡大防止を考慮すると120mm以下ガ好ましく、100mm以下がより好ましく、80mm以下がさらに好ましく、60mm以下がよりさらに好ましく、40mm以下が特に好ましい。
このように、回転部材120の外周面122は、図5(a)〜(c)に示すように、全周にわたって、断面形状が径方向外方に凸の湾曲状であり、歯車状の凹凸がないので、破損し難く、成形や加工コストが低減される。また図5(a)〜(c)のような構造の場合、ガラスリボンGを安定して板状ガラスに成形できるため好ましい。但し、回転部材120の外周面122に小さな凹凸を設けることはできる。この小さな凹凸を外周面122に設けた場合、ガラスリボンGの表面に対する摩擦力がより得られる。
図4に示した回転部材120は、内部に冷媒流路を有しておらず、セラミックスで形成される。セラミックスは、従来の鋼や耐熱合金などの金属に比べて高温強度が高いので、従来必要であった冷媒流路が不要になる。よって、冷媒が回転部材120の内部を流れないので、回転部材120の近傍において、ガラスリボンGが強く冷却され難い。その結果、ガラスリボンGの温度、ひいては、ガラスリボンGの厚さが安定化するので、製品であるガラス板の平坦性が向上する。また、回転部材120の近傍において、ガラスリボンGが強く冷却され難く、硬くなり難いので、前述したガラス温度が低下してガラス表面が硬くなった徐冷領域L3においても回転部材120のガラスリボンGに対するグリップ性が向上する。この効果は、ガラスリボンGの温度が低くなる、流動方向下流側において顕著である。
セラミックスとしては、特に限定されないが、例えば、炭化ケイ素(SiC)質セラミックス、窒化ケイ素(Si)質セラミックスなどが用いられる。炭化ケイ素や窒化ケイ素は、溶融金属Sの飛沫や溶融金属Sの蒸気に対する耐性が高く、また、高温強度やクリープ特性に優れている。
セラミックスの種類は、製品であるガラス板(即ち、ガラスリボンGを徐冷および冷却したもの)の種類などに応じて選定される。例えば、ガラス板が無アルカリガラスの場合、耐熱衝撃性に優れた窒化ケイ素質セラミックスが好適である。無アルカリガラスの場合、フロートバス20内の温度が高い傾向にあるので、耐熱衝撃性が高い方が操業操作の自由度が高くなるからである。さらに、高温であるほど、ガラスリボンGや溶融スズSとの反応性が問題となりやすいが、窒化ケイ素質セラミックスは反応性についても低い傾向にあるからである。また、ガラス板の種類がソーダライムガラスの場合、窒化ケイ素質セラミックスの他、炭化ケイ素質セラミックスやアルミナ系セラミックスを用いることができる。
本実施形態で用いられるガラス板の組成は、例えば、酸化物基準の質量百分率表示で、SiOを50〜75%、Alを0.1〜24%、Bを0〜12%、MgOを0〜10%、CaOを0〜14.5%、SrOを0〜24%、BaOを0〜13.5%、NaOを0〜20%、KOを0〜20%、ZrOを0〜5%、MgO+CaO+SrO+BaOを5〜29.5%、NaO+KOを0〜20%を含有するものである。
無アルカリガラスは、アルカリ金属酸化物(NaO、KO、LiO)を実質的に含有しないガラスである。無アルカリガラス中のアルカリ金属酸化物の含有量の合量(NaO+KO+LiO)は、例えば0.1%以下であってよい。
無アルカリガラスは、例えば、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO:50〜70%、好ましくは50〜66%、Al:10.5〜24%、B:0〜12%、MgO:0〜10%、好ましくは0〜8%、CaO:0〜14.5%、SrO:0〜24%、BaO:0〜13.5%、ZrO:0〜5%を含有し、MgO+CaO+SrO+BaO:8〜29.5%、好ましくは9〜29.5%を含有するものである。
無アルカリガラスは、歪点が高く溶解性を考慮する場合は好ましくは、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO:58〜66%、Al:15〜22%、B:5〜12%、MgO:0〜8%、CaO:0〜9%、SrO:3〜12.5%、BaO:0〜2%を含有し、MgO+CaO+SrO+BaO:9〜18%を含有するものである。
無アルカリガラスは、高歪点を考慮する場合は好ましくは、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO:54〜73%、Al:10.5〜22.5%、B:0〜5.5%、MgO:0〜10%、CaO:0〜9%、SrO:0〜16%、BaO:0〜2.5%、MgO+CaO+SrO+BaO:8〜26%を含有するものである。
ガラス板の種類が無アルカリガラスの場合、回転部材120のうち、少なくとも、ガラスリボンGと接触する部分が、窒化ケイ素質セラミックスであってよく、回転部材120の全体が窒化ケイ素質セラミックスでなくてもよい。例えば、金属、カーボンまたは他のセラミックスからなる基材上に、窒化ケイ素質セラミックスの層が成膜、接合または嵌合等によって形成されていてもよい。このように、回転部材120の部位毎に、異なる種類のセラミックスが用いられてもよい。なお、本実施形態では、回転部材120の全体が窒化ケイ素質セラミックスで形成されている。
窒化ケイ素質セラミックスは、窒化ケイ素の粉末と、焼結助剤の粉末とを含む混合粉末で作製した成形体を焼結した焼結体であってよい。焼結方法としては、常圧焼結法、加圧焼結法(ホットプレス焼結、ガス圧焼結を含む)などがある。焼結助剤としては、例えば、アルミナ(Al)、マグネシア(MgO)、チタニア(TiO)、ジルコニア(ZrO)、およびイットリア(Y)から選ばれる少なくとも1種類が用いられる。
窒化ケイ素質セラミックスは、アルミニウム(Al)の含有量が0.1質量%以下、好ましくは1質量%未満、マグネシウム(Mg)の含有量が0.7質量%以下、好ましくは0.7質量%未満、チタン(Ti)の含有量が0.9質量%以下、好ましくは0.9質量%未満であることが好ましい。Al含有量、Mg含有量、およびTi含有量が上記の範囲であると、ガラスリボンGと反応し難く、また、ガラスリボンGが付着し難いので、良好な耐久性が得られる。なお、Al含有量、Mg含有量、およびTi含有量は、それぞれ、0質量%であってもよい。
窒化ケイ素質セラミックスは、ジルコニウム(Zr)の含有量が3.5質量%以下、好ましくは3.5質量%未満、イットリウム(Y)の含有量が0.5質量%以上、好ましくは0.5質量%超、10質量%以下、好ましくは10質量%未満であることが好ましい。ZrやYは、AlやMg、Tiに比べて、ガラスリボンGと相互拡散し難い成分であるので、上記の範囲で含有されてよい。上記の範囲で含有されることによって、窒化ケイ素粉末の焼結を促進することができる。なお、Zrは任意成分であって、Zr含有量は0質量%であってもよい。
尚、本実施形態の窒化ケイ素質セラミックスは、常圧焼結法または加圧焼結法により得られる焼結体であるとしたが、反応焼結法により得られる焼結体であってもよい。反応焼結法は、金属ケイ素(Si)の粉末で成形された成形体を窒素雰囲気中で加熱する方法である。反応焼結法は、焼結助剤を使用しないので、高純度の焼結体が得られ、焼結体のガラスリボンGに対する耐久性を向上できる。
回転部材120の中心には、円孔124が貫通形成されている。円孔124には、ロッド部74cが挿通される。円孔124の内径は、ロッド部74cの外径よりも大きい。
図7に示されるように、回転部材120には、一対の挿通孔126が貫通形成されている。各挿通孔126には、軸部75、75が挿通される。各挿通孔の内径は、対応する軸部75、75の外径よりも大きい。
〔軸部材76〕
図7に示されるように、軸部材76は、ステンレス鋼(日本工業規格(JIS)でSUSと表される鋼材)や炭素鋼(日本工業規格(JIS)でSCと表される鋼材)などの金属材料で形成されてよい。軸部材76の外周には、断熱材等を巻き付けてもよい。
軸部材76は、図4に示すように、側壁24を貫通しており、フロートバス20の外部において、モータや減速機などで構成される駆動装置78に接続されている。駆動装置78が作動することによって、軸部材76の中心軸線を中心に、軸部材76、連結部材74、および回転部材120が一体的に回転する。
連結部材74は、軸部材76と回転部材120とを連結する部材である。連結部材74は、例えば筒状であって、連結部材74の軸部材76側の端部の外径および内径が、それぞれ、軸部材76の外管の外径および内径と同じである。連結部材74は、軸部材76の外管と突き合わされ、例えば溶接によって、同軸的に連結されている。連結部材74は軸部材76と溶接が容易な材質であることが好ましく、同一材料で形成されることがより好ましい。
〔連結部材74〕
連結部材74は、軸部材76と一体化されており、鋼や耐熱合金などの金属材料で形成されてよい。連結部材74には、回転部材120が取り外し可能に取り付けられる。
連結部材74は、軸部材76と一体化されるシャフト部74aと、シャフト部74aの先端部から、シャフト部74aの径方向外方に突出する環状のフランジ部74bと、シャフト部74aの先端部から、シャフト部74aと同軸的に延びるロッド部74cとを一体的に有する。
シャフト部74aは、軸部材76と突き合わされ、例えば溶接によって一体化されている。フランジ部74bは、シャフト部74aの先端部(軸部材76と反対側の端部)から、シャフト部74aの径方向外方に突出している。
ロッド部74cは、シャフト部74aの先端部から、シャフト部74aと同軸的に延びている。ロッド部74cは、回転部材120を貫通しており、先端部に雄ネジ部を有している。雄ネジ部にネジ止めされるナット73と、フランジ部74bとによって、回転部材120の軸方向の移動が制限される。ナット73を雄ネジ部から取り外すことにより、回転部材120の取り外しが可能となる。
連結部材74は、フランジ部74bの先端側の面に固定され、ロッド部74cの中心軸線と平行な軸部67及び68を有している。軸部75と、ロッド部74cとによって連結部材74と回転部材120が一体的に回転可能となる。
軸部75は、図7に示すように、それぞれ、回転部材120を貫通しており、先端部に雄ネジ部を有している。雄ネジ部にネジ止めされるナット77と、フランジ部74bとによって、回転部材120の軸方向の移動が制限される。ナット77を雄ネジ部から取り外すことにより、回転部材120の取り外しが可能となる。
〔ガラスリボン送出機構の変形例〕
図8はガラスリボン送出機構の変形例を示す図である。図8に示されるように、変形例のガラスリボン送出機構70Aは、複数の駆動ロール71A〜71Cと、駆動装置78とを有する。駆動ロール71A〜71Cは、工具鋼製の回転部材72と、連結部材74Aと、軸部材76Aとにより構成される。
〔軸部材76A〕
軸部材76Aは、冷媒流路を内部に有しており、冷媒流路を流れる冷媒によって冷却され、ステンレス鋼(日本工業規格(JIS)でSUSと表される鋼材)や炭素鋼(日本工業規格(JIS)でSCと表される鋼材)などの金属材料で形成されてよい。軸部材76Aの外周には、断熱材等を巻き付けてもよい。
軸部材76Aは、例えば、2重管であって、内管および外管で構成される。内管の内側空間と、内管の外周面と外管の内周面との間に形成される空間とで冷媒流路が構成される。
冷媒としては、水などの液体、または、空気などの気体が用いられる。冷媒は、内管の内側空間を通り、連結部材74Aおよび回転部材72の内側空間に供給された後、内管の外周面と外管の内周面との間に形成される空間を通り、外部に排出される。外部に排出された冷媒は、冷却器で冷却され、再び、内管の内側空間に還流されてもよい。なお、冷媒の流れ方向は逆方向であってもよい。
軸部材76Aは、図8に示すように、側壁24を貫通しており、フロートバス20の外部において、モータや減速機などで構成される駆動装置34に接続されている。駆動装置34が作動することによって、軸部材76Aの中心軸線を中心に、軸部材76A、連結部材74、および回転部材72が一体的に回転する。
連結部材74Aは、軸部材76Aと回転部材72を連結する部材である。連結部材74Aは、軸部材76Aの冷媒流路と連通する内側空間を内部に有している。連結部材74Aは、例えば筒状であって、連結部材74Aの軸部材76A側の端部の外径および内径が、それぞれ、軸部材76Aの外管の外径および内径と同じである。連結部材74Aは、軸部材76Aの外管と突き合わされ、例えば溶接によって、同軸的に連結されている。連結部材74Aは軸部材76Aと溶接が容易な材質であることが好ましく、同一材料で形成されることがより好ましい。
〔駆動ロールの回転部材72〕
図9は、変形例の回転部材を示す正面図である。図10は、図9のX−X線に沿った断面の一部拡大図である。図11は、回転部材72の凸部を説明する図であり、図12(a)は凸部の先細り状部分の断面を示し、図12(b)は凸部のピッチと高さを示す。
回転部材72は、図9に示すように、円盤状であって、回転部材72の中心軸線と軸部材76の中心軸線とは同一直線上にある。また、回転部材72は、外周にて、ガラスリボンGの表面(本実施形態では、上面)と接触する。回転部材72が回転することによって、ガラスリボンGが所定方向(X方向)に送り出される。
回転部材72は、例えば図9に示すように、円盤状の本体部72aと、本体部72aの外周に沿って設けられる複数の凸部72bとを一体的に有する。
回転部材72は、図10及び図11に示すように、内部に、冷媒流路としての内側空間72cを有する。この内側空間72cは、回転部材72の背面側に形成される開口部を介して、連結部材74Aの内側空間と連通している。
複数の凸部72bは、周方向に等間隔で設けられている。凸部72bによって、前述したガラス温度が低下してガラス表面が硬くなった徐冷領域L3においても回転部材72がガラスリボンGの両側縁部と滑りにくくなる。また歯車状の凸部72bは、図10に示すように、本体部72aの外周に二列形成されているが、3列以上形成されてもよいし、1列のみ形成されてもよい。尚、ガラスリボンGの冷却防止を考慮すると、凸部72bは1〜2列形成されるのが好ましい。
各凸部72bは、ガラスリボンGに食い込みやすいように、先細り状(例えば、四角錐状)であってよい。
凸部72bの前記先細り状部分の軸部材76Aに垂直な面に対する角度AまたはB(図12(a)参照)は、ガラスリボンGに対するグリップ力を考慮すると45°以下が好ましく、30°以下がより好ましく、25°以下がさらに好ましい。また前記先細り状部分の強度を考慮すると、角度A又はBは15°以上が好ましい。
凸部72bの前記先細り状部分の先端部の幅C(図12(a)参照)は、ガラスリボンGに対するグリップ力を考慮すると2mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、0.5mm以下がさらに好ましい。前記先端部は必ずしも直線状である必要はなく、曲線状あるいは複合形状を呈していてもよい。
凸部72bのピッチD(図12(b)参照)は、ガラスリボンGに対するグリップ力を考慮すると6.5mm以下が好ましく、5.5mm以下がより好ましい。また前記先細り状部分の強度や加工性を考慮すると、ピッチDは1.5mm以上が好ましく、2.5mm以上がより好ましい。
凸部72bの高さE(図12(b)参照)は、ガラスリボンGに対するグリップ力を考慮すると4mm以上が好ましく、5mm以上がより好ましい。また前記先細り状部分の強度や加工性を考慮すると、高さEは8mm以下が好ましく、7mm以下がより好ましい。
回転部材72の半径は、連結部材74とガラスリボンGとの接触防止や軸部材76の水平性を考慮すると、100mm以上が好ましく、150mm以上がより好ましく、180mm以上がさらに好ましく、回転部材72とガラスリボンGとの位置調整や回転部材72の回転速度の微調整を考慮すると350mm以下が好ましく、300mm以下がより好ましく、270mm以下がさらに好ましい。
回転部材72のうち少なくとも凸部72bが工具鋼、好ましくは熱間ダイス鋼で形成される。なお、本実施形態では、本体部72aも工具鋼で形成されている。
ここで、「熱間ダイス鋼」とは、JIS G4404に記載の「SKD」のうち、「熱間金型用」の合金工具鋼を意味する。
工具鋼としては、特に限定はなく、例えば日本工業規格(JIS)でSKS、SKD、SKT、SKHと表される鋼材等を使用できる。工具鋼には、例えばSKS4、SKS41、SKS42、SKS43、SKS44、SKS1、SKS11、SKS2、SK21、SKS5、SKS51、SKS7、SKS8、SKS3、SKS31、SKS93、SKD1、SKD11、SKD12、SKD2、SKD4、SKD5、SKD6、SKD61、SKT1、SKT2、SKT3、SKT4、SKT5、SKT6、SKH2、SKH3,SKH4A、SKH4B、SKH40、SKH5、SKH51、SKH52、SKH53、SKH54、SKH55,SKH56、SKH57、SKH58、SKH59、SKH10等やこれらの材種から改良された各社の開発鋼が使用できる。このような開発鋼は、Feを主成分とし、好ましくはCの含有量が0.3〜2.5質量%、Siの含有量が0〜1.1質量%、Mnの含有量が0〜1.1質量%、Niの含有量が0〜2.0質量%、Crの含有量が0〜13.5質量%、Moの含有量が0〜5.0質量%、Vの含有量が0〜4.0質量%、Wの含有量が0〜10.0質量%、Coの含有量が0〜10.0質量%である。熱間ダイス鋼としては、特に限定されなく、SKD61や各社の改良鋼材が使用できる。このような熱間ダイス鋼は、Feを主成分とし、好ましくはCの含有量が0.3〜0.5質量%、Siの含有量が0.3〜1.20質量%、Mnの含有量が0.4〜0.9質量%、Niの含有量が0〜1.8質量%、Crの含有量が1.3〜5.50質量%、Moの含有量が0.4〜2.7質量%、Vの含有量が0.2〜1.7質量である。加工性やコストの観点から、熱間ダイス鋼はSKD61であることが好ましい。SKD61は、Feを主成分とし、日本工業規格(JIS)に規定されているように、Cの含有量が0.35〜0.42質量%、Siの含有量が0.80〜1.20質量%、Mnの含有量が0.25〜0.50質量%、Pの含有量が0〜0.030質量%、Sの含有量が0〜0.020質量%、Crの含有量が4.80〜5.50質量%、Moの含有量が1.00〜1.50質量%、Vの含有量が0.80〜1.15質量%の鋼材であり、不可避的に含有される不純物を更に含んでも良い。SKD61は、国際規格(ISO 4957:1999)においてX40CrMoV5−1と表されることもある。
工具鋼は、SUSやSCなどの従来の材料に比べて、高温強度が高いので、ガラスリボンGに食い込む凸部72bの変形を抑制でき、回転部材72の耐久性を向上できる。
工具鋼は、SUSやSCなどの従来の材料に比べて、高温強度が高いので、凸部72bがガラスリボンGに食い込みやすくなるよう、凸部72bを尖鋭化できる。この効果は、フロートバス20内の下流側ほど、ガラスリボンGが冷えて硬くなるので、顕著であり、従来使用できなかった温度領域において、駆動ロール71A〜71Cの使用が可能となる。
回転部材72は、図11に示すように、外表面の少なくとも一部に、耐食性に優れた保護膜72dを有してもよい。特にクロム窒化物または金属クロムを含む保護膜72dを有することが好ましい。クロム窒化物および金属クロムは、溶融スズSの飛沫や蒸気に対する耐食性が熱間ダイス鋼よりも高いので、回転部材72の耐スズ性を向上できる。
保護膜72dは、凸部72bの外表面を覆っており、本体部72aの外表面の一部を覆っている。
保護膜72dの成膜方法としては、例えば、メッキ法、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンコーティング法、溶射法などがあり、凸部72bの形状などに応じて適宜選択される。例えば、凸部72bを尖鋭化する場合、蒸着法やスパッタリング法やイオンコーティング法などのドライコーティング法が好ましい。
〔実施形態2〕
図13は、実施形態2におけるガラス板の製造装置10Aの概略構成の一例を上方からみた横断面図である。図14は、実施形態2におけるガラス板の製造装置10Aの概略構成の一例を側方からみた縦断面図である。尚、図13及び図14において、実施形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
図13及び図14に示されるように、実施形態2のガラス板の製造装置10Aは、フロートバス20の出口29の下流に配置されたリフトアウトロール82A〜82Cの上方にガラスリボン押え機構(ガラスリボン押え手段)170の押えロール171A〜171Cと、各押えロール171A〜171Cを回転駆動する駆動装置178と有する。駆動装置178は、駆動モータと減速機構などからなり、制御装置100によりガラスリボンGの移動速度に応じた回転数に制御される。
このガラスリボン押え機構170の押えロール171A〜171Cは、フロートバス出口の下流に配置されたリフトアウトロール82A〜82Cのそれぞれに対向する上方に配置されている。
押えロール171A〜171Cは、前述した駆動ロール71A〜71Cと同様に、セラミックス製又は金属製の回転部材120と、連結部材74と、軸部材76とにより構成される。押えロール171A〜171Cは、ガラスリボンGの幅方向の両側縁部に接触し、ガラスリボンGの両側縁部を下流方向に送り出すようにリフトアウトロール82A〜82Cに押圧する。そして、駆動ロール71A〜71Cの回転によりフロートバス20の出口29から送り出されたガラスリボンGは、さらに押えロール171A〜171C及びリフトアウトロール82A〜82Cの回転により下流方向へ送り出される。
押えロール171A〜171Cの回転部材120は、前述したようにセラミックス製又は金属製の外周面122が、例えば図6(a)に示すように、全周にわたって、断面形状が径方向外方に凸の湾曲状である。また、セラミックス製及び金属製の回転部材120の内部に冷媒が流れていないので、回転部材120の近傍において、ガラスリボンGが強く冷却されず、ガラスリボンGに対して滑りにくい。
押えロール171A〜171Cの軸部材76は、ドロスボックス80の外側に延在しており、ドロスボックス80の外側に配置された駆動装置178に接続されている。駆動装置178は、制御装置100から出力される制御信号により、リフトアウトロール82A〜82Cと同じ搬送速度となるように回転制御される。
上記セラミックス製又は金属製の回転部材120の代わりに工具鋼製の回転部材72を用いて良い。回転部材72は、例えば図8及び図9に示すように、外周に、歯車状の凹凸72bを有する回転部材72をしており、ガラスリボンGの表面と滑りにくい。尚、押えロール171A〜171Cは、フロートバス20の外部に設けられるため、前述した冷却器及び冷媒の通路を設けなくて良い。
尚、上記押えロール171A〜171Cのうち何れか1つ又は何れか2つを設ける構成としても良い。
押えロール171A〜171Cは、リフトアウトロール82A〜82Cの配置数に応じた数を設けても良いし、あるいはリフトアウトロール82A〜82Cの配置数より少ない数を配置しても良い。
少なくともフロートバス20の出口29に近接した1番目の押えロール171A及びリフトアウトロール82Aを自由回転ロールとしても良い。
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について詳述したが、本発明は上記した特定の実施形態及び実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能なものである。
本国際出願は2013年5月16日に出願された日本国特許出願2013−104537号に基づく優先権を主張するものであり、その全内容をここに援用する。
10、10A ガラス板の製造装置
20 フロートバス
22 浴槽
24 側壁
26 天井
28 空間
29 出口
30 ガス供給路
32 ヒータ
32a 発熱部
34、78、84、94、178 駆動装置
40 支持ロール
50、72、120 回転部材
60、74、74A 連結部材
65、76、76A 軸部材
67、68、75 軸部
70、70A ガラスリボン送出機構
71A〜71C 駆動ロール
72a 本体部
72b 凸部
72c 内側空間
72d 保護膜
73、77 ナット
74a シャフト部
74b フランジ部
74c ロッド部
80 ドロスボックス
82A〜82C リフトアウトロール
90 徐冷炉
92A〜92N 搬送ロール
100 制御装置
122 外周面
124 円孔
126 挿通孔
170 ガラスリボン押え機構
171A〜171C 押えロール
G ガラスリボン
S 溶融金属
L1 供給領域
L2 成形領域
L3 徐冷領域

Claims (10)

  1. 溶融ガラスをフロートバスの流入口からフロートバス内の溶融金属上に供給し、前記フロートバスの成形領域において、支持ロールによりガラスリボンを幅方向に広げて所定の厚さに成形するガラス板の製造装置において、
    前記成形領域とフロートバス出口との間の徐冷領域に前記ガラスリボンを下流方向へ送り出すための駆動ロールを有するガラスリボン送出手段を設け、
    前記ガラスリボン送出手段は、前記駆動ロールを前記ガラスリボンの幅方向の両側縁部に接触させ、前記両側縁部を下流方向に送り出すように駆動させることを特徴とするガラス板の製造装置。
  2. 前記徐冷領域が、前記ガラスリボンの温度がガラスリボンの軟化点より低い領域である請求項1に記載のガラス板の製造装置。
  3. 前記駆動ロールは、セラミックスにより形成された回転部材を有する請求項1又は2に記載のガラス板の製造装置。
  4. 前記駆動ロールは、金属により形成された回転部材を有する請求項1又は2に記載のガラス板の製造装置。
  5. 前記駆動ロールは、複数の凸部が外周に形成された回転部材を有し、少なくとも前記凸部が工具鋼により形成される請求項1又は2に記載のガラス板の製造装置。
  6. 前記ガラスリボンを前記フロートバスから引き出すためのリフトアウトロールと同じガラス搬送速度で前記駆動ロールを駆動する請求項1〜5の何れか一項に記載のガラス板の製造装置。
  7. 少なくとも前記出口に隣接するリフトアウトロールは、前記ガラスリボンとの接触により自由回転する請求項6に記載のガラス板の製造装置。
  8. 前記ガラスリボンを挟んで前記リフトアウトロールと対向する位置に、前記ガラスリボンを下流方向へ送り出すための押えロールを有するガラスリボン押え手段が設けられた請求項1〜7のいずれか一項に記載のガラス板の製造装置。
  9. 溶融ガラスをフロートバスの流入口からフロートバス内の溶融金属上に供給し、前記フロートバスの成形領域において、支持ロールによりガラスリボンを幅方向に広げて所定の厚さに成形するガラス板の製造方法において、
    前記成形領域とフロートバス出口との間の徐冷領域に前記ガラスリボンを下流方向へ送り出すための駆動ロールを有するガラスリボン送出手段を設け、前記ガラスリボン送出手段は、前記駆動ロールを前記ガラスリボンの幅方向の両側縁部に接触させ、前記両側縁部を下流方向に送り出すように駆動することを特徴とするガラス板の製造方法。
  10. 前記駆動ロールによって送出された前記ガラスリボンを徐冷し、切断する工程を有する、請求項9に記載のガラス板の製造方法。
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