JP6102710B2 - 受液器の乾燥剤収納袋 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用空調装置の冷凍サイクルにおいて、液化凝縮された冷媒を気液分離する受液器の乾燥剤収納袋に関するものである。この乾燥剤収納袋は、例えば、車両用空調装置の凝縮器を構成する受液器一体型熱交換器における受液器内のパイプ状の受液タンクに挿入されて使用される。
従来、特許文献1に記載の乾燥剤収納袋が知られている。この乾燥剤収納袋は、フェルト製袋の中に粒状の乾燥剤が封入されており、ドライヤとも称されている。フェルト製袋は製作の容易さから、長方形のフェルトの中央に折り曲げ線を形成して、二つ折りに折り返している。折り返されたフェルトは、少なくとも周辺の三辺に接合部が形成されている。完全に袋状に封止される前にフェルト製袋の中に粒状の乾燥剤が封入され、乾燥剤収納袋が完成する。従って、乾燥剤収納袋は、全体として長方形の平面形状を持つ枕状の袋である。
特開2002−228305号公報
受液器内の受液タンクには、乾燥剤が収納されたフェルト製袋である乾燥剤収納袋を挿入しなければならないが、全体として長方形の平面形状を持つ袋から成る乾燥剤収納袋は、パイプ状の受液タンクの中に挿入し難いという問題が有る。その理由は、接合部で硬化した角部が抵抗になり受液タンクの端部に入り難いからである。
本発明は、上記問題点に鑑み、乾燥剤が収納されたフェルト製袋である乾燥剤収納袋が受液器内の受液タンクに挿入しやすい受液器の乾燥剤収納袋を提供することを目的とする。
従来技術として列挙された特許文献の記載内容は、この明細書に記載された技術的要素の説明として、参照によって導入ないし援用することができる。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、本発明の一つでは、受液器の乾燥剤収納袋は、長方形のフェルトシート(1b)を二つ折りして形成されたフェルト製袋(1a)と、フェルト製袋(1a)の中に充填された乾燥剤(5)とを備える。フェルト製袋(1a)は、少なくとも三辺に夫々形成された第1接合部(21)と、第2接合部(22)と、第3接合部(23)とを備える。第1接合部(21)は、二つ折りの折り曲げ線(1d)に対向しフェルト製袋(1a)の長手方向に延在する。第2接合部(22)は、第1接合部(21)の一方側から延在する。第3接合部(23)は、第1接合部(21)の他方側から延在し、第2接合部(22)の方向に第1接合部(21)に対して傾斜して延在する傾斜部分を有し、傾斜部分の他方側に突出部(27)を有する。突出部は、第1接合部、第2接合部、第3接合部、及び折り曲げ線で囲まれた乾燥剤の充填部の外側に、フェルトシートの一部を残した状態である。
この発明によれば、第1接合部の他方側から延在し、フェルト製袋の突出部を形成する第3接合部を備えている。よって、突出部から受液器の受液タンクの中に乾燥剤収納袋を挿入し易い。また、この際にフェルト形状は二つ折りの長方形状のままですみ、追加の加工又は異形による廃材の発生が無い。
次に、本発明の一つでは、第3接合部(23)は、第1接合部(21)から第2接合部(22)の方向に向けて傾斜して延在し、第1接合部(21)と第3接合部(23)との交点に突出部(27)が形成される。この発明によれば、第3接合部の第2接合部方向に向けて延在し始める端部に突出部が形成されているから、受液器の受液タンクの中に乾燥剤収納袋を挿入し易い。
次に、本発明の一つでは、第3接合部(23)は、第1接合部(21)から第2接合部(22)とは反対方向に延在する第1部分(231)と、第1部分(231)から第2接合部(22)に向けて延在する傾斜部分を成す第2部分(232)を有する。そして、第1部分(231)と、第2部分(232)との交点に突出部(27)が形成される。
この発明によれば、第3接合部は、第1接合部から第2接合部とは反対方向に延在する第1部分と第2接合部に方向に向けて延在する第2部分とを有する。第2接合部に向けて延在し始める第2部分の端部に突出部を形成することができ、受液器の受液タンクの中に乾燥剤収納袋を挿入し易い。
次に、本発明の一つでは、第2接合部(22)は、第1接合部(21)から第3接合部(23)に対し平行方向に延在している。この発明によれば、第2接合部と同様の接合方法にて第3接合部を形成することができ、連続して同じ工具を使用して生産する場合の効率が良く、製作が容易である。
なお、特許請求の範囲及び上記各手段に記載の括弧内の符号ないし説明は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を分かり易く示す一例であり、発明の内容を限定するものではない。
本発明の乾燥剤収納袋を車両用空調装置の受液器一体型熱交換器における受液器の中に挿入する状態を示す説明図である。 上記実施形態に使用するフェルト製袋の製造方法及び構成を示す説明図である。 上記実施形態に対する比較例における乾燥剤収納袋の受液器内への挿入を説明する説明図である。 本発明の第2実施形態を示す乾燥剤収納袋の正面図である。 本発明の第3実施形態を示す乾燥剤収納袋の正面図である。 本発明のその他の実施形態を示す乾燥剤収納袋の正面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部を説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。
各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1及び図2を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の乾燥剤収納袋1を車両用空調装置の凝縮器を構成する受液器一体型熱交換器における受液器3内の受液タンク4に挿入する状態を示している。
なお、図1において矢印にて示す天地方向は、車両搭載時における天(車両天井側)地(車両床側)方向である。乾燥剤収納袋1を受液器一体型熱交換器(凝縮器2)における受液器3内の受液タンク4に挿入する場合は、車両搭載時の凝縮器2の天方向が地方向と成り、車両搭載時の凝縮器2の地方向が天方向と成るように逆さにする。その上で、上から乾燥剤収納袋1を受液タンク4に挿入する。
図1において、工場製造時等での乾燥剤収納袋1の受液タンク4への挿入性を向上させるために、乾燥剤収納袋1の封止形状を工夫した。具体的には、乾燥剤収納袋1の内蔵物となる合成ゼオライトから成る乾燥剤5をフェルト製袋1aに充填するが、その充填後に施す封止形状、例えば溶着形状を工夫し挿入性の向上を図ったものである。
図示しない冷凍サイクルは、周知のごとく圧縮機、凝縮器2、膨張弁及び蒸発器等を冷媒配管によって順次接続した閉回路より構成されている。凝縮器2は、自動車のエンジンルーム内の走行風を受け易い場所、通常はエンジン冷却水冷却用ラジエータの前方側に位置するように取付けブラケット(図示せず)を介して車体に取り付けられる。
凝縮器2は、圧縮機から吐出された高温高圧のガス冷媒を室外空気と熱交換させて凝縮、過冷却させるものであり、冷媒流れの上流側から凝縮部7、受液器3、及び仕切り板6より車両内では地方向に位置する過冷却部8を一体に設けている。
そして、これら各部の構成部品(受液器3内の乾燥剤収納袋1、図示しないフィルタ、蓋部材は除く)はすべてアルミニウムで形成され、炉中にて一体ロウ付けして製造される。
凝縮器2の熱交換部は、上記の凝縮部7及び過冷却部8より成り、図1では下側になる車両量搭載時天側に凝縮部7を配置し、車両量搭載時地側に過冷却部8を配置している。この凝縮部7及び過冷却部8は水平方向に延びる複数のチューブ11とコルゲートフィンより成り、これらはロウ付けにより接合されている。
コルゲートフィンはチューブ11相互間に設けられているが図示が省略されている。複数のチューブ11は、アルミニウムを押出し加工することによって断面形状が偏平な長円形状に形成され、かつ内部には複数の冷媒流路が並列に形成されている。
ヘッダタンク10は、凝縮部7と過冷却部8から成る熱交換部の側部において上下方向に延びる略円筒形状のものであって、複数のチューブ11の側端部が開口している。なお、図示しないが、凝縮部7と過冷却部8から成る熱交換部の反対側の側部にも、同様のヘッダタンクが配置され、複数のチューブ11の側端部が開口している。
ヘッダタンク10の内部には仕切り板6が配置され、この仕切り板6によりヘッダタンク10の内部空間が上下方向に仕切られている。凝縮部7と過冷却部8から成る熱交換部のうち、仕切り板6より図中下方側に凝縮部7が形成され、仕切り板6より図中上方側に過冷却部8が形成される。なお、図示しない反対側の側端部のヘッダタンクにも、上記仕切り板6と同一位置に仕切り板が配置され、凝縮部7と過冷却部8とを仕切っている。
ヘッダタンク10において、仕切り板6より図中下方の部位には、第1連通孔(冷媒入口)12が開口しており、この第1連通孔12により凝縮部7のチューブ11がヘッダタンク10を介して後述する受液器3の中に連通するようにしている。矢印Y11は凝縮部7から第1連通孔12を通って受液器3の中に流入し第2連通孔13から流出する冷媒流れを示す。
受液器3は、冷凍サイクル内を流通する冷媒を貯留する貯留手段、及び凝縮部7から内部に流入した冷媒をガス冷媒と液冷媒とに気液分離して、液冷媒を過冷却部8に供給する気液分離手段として機能するものである。
そのため、ヘッダタンク10において、仕切り板6より図中上方(車両量搭載時地方向)で、受液器3内の底部近くに位置する部位に第2連通孔(冷媒出口)13が開口している。そして、この第2連通孔13により受液器3内の底部近くの部位がヘッダタンク10を介して過冷却部8に連通する。
そして、この受液器3は、受液タンク4及び円筒部材15がヘッダタンク10に一体でロウ付けされ、内部には後述する乾燥剤収納袋1及び図示しないフィルタが配設される。また、図示しない蓋部材によって、乾燥剤収納袋1が挿入された後の受液器3の図中上側の開口部が密封される。受液タンク4は、ヘッダタンク10に沿って天地方向に延びる円筒状の部材から成る。
円筒部材15の図中上方から乾燥剤収納袋1と、図示しないフィルタとが順に挿入され、外周部に雄ネジ部が設けられた円盤状の蓋部材が、円筒部材15の雌ネジ部に図示しないOリングを介在して螺合するようにしている。
フィルタは、冷媒中の塵等の異物を除去するものであり、冷媒とともに冷凍サイクル内を流通する圧縮機潤滑オイル及び冷媒に対する耐劣化性、及び耐熱性に優れた樹脂、例えばナイロン、ポリエステル等から成り、全体形状としては略円筒状に成形されている。
この円筒状のフィルタの内部空間は円周方向に複数分割され、円周面は冷媒中の塵等の異物を除去するためのフィルタ面を構成する細かい網目状部材(メッシュ部材)が備えられている。
受液タンク4の第1連通孔12から流入する冷媒は、フィルタの図中下側から複数の内部空間に入り、半径方向に分流して円周面の網目状部材を通り、異物が除去され、第2連通孔13に流入するようにしている。
冷凍サイクル内の圧縮機から吐出される高温高圧のガス冷媒は、凝縮器2の凝縮部7に流入し、冷却空気と熱交換して冷却されて凝縮し、ガス冷媒を一部含む飽和液冷媒となる。この飽和液冷媒は矢印Y11のごとくヘッダタンク10を介して第1連通孔12を通って、受液器3の中に流入し、気液分離される。
これと同時に、フェルト製袋1aの中に収納された乾燥剤5によって、冷媒中の水分が吸収される。更にフィルタによって冷媒中の塵等の異物が除去され、気液分離された液冷媒が矢印Y11のごとく第2連通孔13から過冷却部8に流入して過冷却され、凝縮器2から流出する。
次に、乾燥剤収納袋1の詳細について説明する。乾燥剤収納袋1は、フェルト製袋1aの内部に粒状の合成ゼオライトから成る吸水用の乾燥剤が収納されたものであり、冷媒中の水分を吸収するように機能する。これは、冷媒中の水分により冷凍サイクルを構成する各機能部品が腐食したり、膨張弁の細孔で凍結して冷媒流れが滞ったりするのを防止するためのものである。
図2は、第1実施形態に使用するフェルト製袋1aの製造方法及び構成を示している。このフェルト製袋1aは、通気性を有し、圧縮機潤滑オイル及び冷媒に対する耐劣化性、及び耐熱性に優れた樹脂、例えばポリエステルあるいはポリエチレン等から成る。
図2に示すように、縦長の長方形のシート状部材をなすフェルトシート1bが、短手方向の中央1cで二つ折りに折り曲げられて(折り曲げ線1d)、三辺の重なり合う端部の同士を糸縫いあるいは超音波等の溶着により接合されている。それによって、第1接合部21〜第4接合部24が形成されている。図中のフェルトシート1bを示す2点鎖線は、2つ折り前のフェルトシート展開状態を表す。なお、糸縫いあるいは溶着による第1接合部21〜第4接合部24の位置は、フェルトシート1bの端部1b1から内側に略4mmとしている。
この第1接合部21〜第4接合部24には、二つ折りの折り曲げ線1dに対向しフェルトシート1bの長手方向に延在する第1接合部21を有する。また、第1接合部21〜第4接合部24には、第1接合部21の一方側から延在する第2接合部22と、第1接合部21の他方側から延在し、フェルト製袋1aの外側に向けて突出する鋭角状の突出部27を形成する第3接合部23とを備えている。なお、第2接合部22から折り曲げ線1dに沿って第4接合部24が形成されているが、この第4接合部24は必須ではない。
上記乾燥剤収納袋の製造方法及び構成について説明する。合成ゼオライトを封入するフェルトシート1b(ポリエステル製不織布等)を矢印Y21のように2つ折りして、第1接合部21と、第2接合部22と、第4接合部24を溶着又は糸縫いで形成し、フェルト製袋1aを形成する。その後、乾燥剤5として合成ゼオライトを封入する。その後、残る1辺の第3接合部23を溶着あるいは糸縫いで閉じる。そして、この第1実施形態では、少なくとも挿入方向で先端側となる一辺の第3接合部23と第1接合部21との間の角度αが鋭角となる。
図3は、比較例として示す乾燥剤収納袋1の受液器3内への挿入を示す。この比較例の場合は、乾燥剤収納袋1の受液器3内への挿入側に第1接合部21から直角方向に延在する幅が広い第3接合部23を有する。このため、乾燥剤収納袋が受液タンク内へ挿入されるとき、先端部の接合硬化部となる第3接合部23が受液タンク4の端部に引っ掛かる。そのため、挿入性改善のガイド用治具26が必要となり、作業性が悪化する。
(第1実施形態の作用効果)
上記第1実施形態においては、長方形のフェルトシート1bを二つ折りして形成されたフェルト製袋1aと、フェルト製袋1aの中に充填された乾燥剤5とを備える。フェルト製袋1aは、少なくとも三辺に夫々形成された第1接合部21と、第2接合部22と、第3接合部23とを備える。第1接合部21は、二つ折りの折り曲げ線1dに対向しフェルト製袋1aの長手方向に延在する。第2接合部22は、第1接合部21の一方側から延在する。第3接合部23は、第1接合部21の他方側から延在し、第2接合部22の方向に第1接合部21に対して傾斜して延在する傾斜部分を有し、傾斜部分の他方側に突出部27を有する。
これによれば、第1接合部の他方側から延在し、フェルト製袋の突出部を形成する第3接合部を備えている。よって、突出部から受液器の受液タンクの中に乾燥剤収納袋を挿入し易い。また、この際にフェルト形状は二つ折りの長方形状のままですみ、追加の加工又は異形による廃材の発生が無い。
また、第3接合部23は、第1接合部21から第2接合部22の方向に向けて傾斜して延在し、第1接合部21と第3接合部23との交点に突出部27が形成される。これによれば、第3接合部の第2接合部方向に向けて延在し始める端部に突出部を形成することができる。
更に、第2接合部22は、第1接合部21から直角方向に延在している。これによれば、受液器3の振動時の受液タンク4内の乾燥剤収納袋1の保持ができ、従来と同様に乾燥剤収納袋1の摩耗を防ぐことができる。
また、この実施形態によれば、フェルト形状は二つ折りの長方形状のままで、追加の加工、異形による廃材の発生が無い。また、挿入時に従来使用していた挿入性改善のガイド用治具が不要となり、作業性が向上する。加えて、引っ掛かりが無くなり挿入力が低減され安定するため、機械による挿入が可能となる。更に、フェルト製袋製造設備が簡単で異形のカット工程と廃材回収工程とが不要となり安価である。
かつ、第2接合部22は、第1接合部21から直角方向に延在していることで、フェルト製袋1aの中に乾燥剤5を多く充填することができる。また、挿入方向先端側に角度αを持たせた溶着又は糸縫いからなる第3接合部23とし、挿入方向反先端側は従来どおりの構造とすることで、受液器3内での搖動を最小限に抑えることができる。
即ち、車両振動で揺れ動いた場合に受ける受液器3内でのフェルト製袋1aの搖動を抑えることができ乾燥剤5を内蔵するフェルト製袋1aの損傷を回避できる。更に、挿入方向反先端側は従来どおりの構造とすることで、フェルト製袋1a自体の形状は長方形のままである。このように、第2接合部22は角度αを持たせた溶着又は糸縫いに沿ったフェルト製袋1aの形状にしないことで、廃材の発生を防ぎ、無駄な費用の削減ができる。かつ、フェルト製袋1a自体の形状は長方形のままであるため、受液器3へ挿入後には、内部でのフェルト製袋1aの搖動を抑える働きをする。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以降の各実施形態においては、上記した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について説明する。なお、第2実施形態以下については、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明が援用される。
図4は、本発明の第2実施形態を示す乾燥剤収納袋1を示している。図4において、第3接合部23は、第1接合部21から傾斜してフェルト製袋1aの端部に向けて延在する第1部分231を有する。つまり、第1部分231は、第2接合部22とは反対方向に延在する。
また、第3接合部23は、上記第1部分231からフェルト製袋1aの端部にて折り返してフェルト製袋1aの折り曲げ線1dに向かう第2部分232を有する。これにより、フェルト製袋1aの端部における折り返し部分に鋭角状の突出部27が形成される。換言すれば、第1部分231と、第2部分232との交点に突出部27が形成されている。
(第2実施形態の作用効果)
上記第2実施形態においては、第3接合部23は、第1接合部21から第2接合部22の方向に向けて傾斜して延在している。第1接合部21と第3接合部23との交点に突出部27が形成される。これによれば、第3接合部の第2接合部方向に向けて延在し始める端部に突出部を形成することで、突出部から受液器の受液タンクの中に乾燥剤収納袋を挿入し易い。更に、第2接合部22は、第1接合部21から直角方向に延在している。これによれば、フェルト製袋1aの中に乾燥剤5を多く充填することができ、フェルト製袋1aの揺動を抑えることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。上記した実施形態と異なる部分を説明する。図5は、本発明の第3実施形態を示す乾燥剤収納袋1を示している。図5において、第3接合部23は、第1接合部21から傾斜してフェルト製袋1aの折り曲げ線1d方向に延在している。そして、第1接合部21と第3接合部23の延長線との間に、鋭角の角度αが設定される。これにより、フェルト製袋1aの端部における折り返し部分に突出部27が形成される。
(第3実施形態の作用効果)
換言すれば、上記第3実施形態においては、第3接合部23が、第1接合部21から第2接合部22方向に向けて延在する部分を有する。これによれば、第3接合部23の第2接合部22方向に向けて延在し始める端部に鋭角状の突出部27を形成することができる。
また、第2接合部22は、第1接合部21から第3接合部23に対して平行方向に延在している。これによれば、第2接合部22と同様の接合方法にて第3接合部23を形成することができ、製作が容易である。
(他の実施形態)
上記の実施形態では、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、更に特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
上記第1実施形態では、乾燥剤収納袋1を受液器一体型の凝縮器2に配設するものとして説明したが、これに限らず凝縮器2から分離して設けられる受液器であるレシーバタンクの中に配設されるものに適用しても良い。
また、図1の第1接合部21と、第2接合部22と、第3接合部23とに限らず、第4接合部24を設けても良いことは勿論である。更に、特許文献1と同様に、図2の一点鎖線のように折り曲げ線1d側には、折り曲げ線1dにより分割されるフェルトシート1bの2つの向かい合う面が互いに接合される第5接合部25を設けるようにしてもよい。
また、接合部は、溶着又は糸縫いに限らずプリプレグ等の接着部材を介在する接着又は接着材の塗布による接着でも良い。また、作業性を考慮すると接合部の形状は、上記実施形態に示すように、直線状形状であること製作の迅速化のために望ましい。しかし、直線形状であることは必須ではない。
更に、図6に示す形態で、第3接合部23が、第1接合部21の他方側から延在し、フェルト製袋1aの外側に向けて突出する突出部27を形成しても良い。また、図6に示す形態で、第3接合部23が、第1接合部21から第2接合部22方向に向けて延在する部分を有していてもよい。
1a フェルト製袋
1b フェルトシート
5 乾燥剤
7 凝縮部
8 過冷却部
21 第1接合部
22 第2接合部
23 第3接合部
21〜23 第1〜第3接合部
27 突出部

Claims (7)

  1. 長方形のフェルトシート(1b)を二つ折りして形成されたフェルト製袋(1a)と、前記フェルト製袋(1a)の中に充填された乾燥剤(5)とを備え、
    前記フェルト製袋(1a)は、少なくとも三辺に夫々形成された第1接合部(21)と、第2接合部(22)と、第3接合部(23)とを備え、
    前記第1接合部(21)は、前記二つ折りの折り曲げ線(1d)に対向し前記フェルト製袋(1a)の長手方向に延在し、
    前記第2接合部(22)は、前記第1接合部(21)の一方側から延在し、
    前記第3接合部(23)は、前記第1接合部(21)の他方側から延在し、前記第2接合部(22)の方向に前記第1接合部(21)に対して傾斜して延在する傾斜部分を有し、前記傾斜部分の他方側に突出部(27)を有しており、
    前記突出部は、前記第1接合部、前記第2接合部、前記第3接合部、及び前記折り曲げ線で囲まれた前記乾燥剤の充填部の外側に、前記フェルトシートの一部を残した状態であることを特徴とする受液器の乾燥剤収納袋。
  2. 前記第3接合部(23)は、前記第1接合部(21)から前記第2接合部(22)の方向に向けて傾斜して延在し、前記第1接合部(21)と前記第3接合部(23)との交点に前記突出部(27)が形成されることを特徴とする請求項1に記載の受液器の乾燥剤収納袋。
  3. 前記第3接合部(23)は、前記第1接合部(21)から前記第2接合部(22)とは反対方向に延在する第1部分(231)と、前記第1部分(231)から前記第2接合部(22)に向けて延在する前記傾斜部分を成す第2部分(232)を有し、
    前記第1部分(231)と、前記第2部分(232)との交点に前記突出部(27)が形成されることを特徴とする請求項1に記載の受液器の乾燥剤収納袋。
  4. 前記第2接合部(22)は、前記第1接合部(21)から前記第3接合部(23)に対し平行方向に延在していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の受液器の乾燥剤収納袋。
  5. 前記第2接合部(22)は、前記第1接合部(21)から直角方向に延在していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の受液器の乾燥剤収納袋。
  6. 前記第1接合部(21)と、前記第2接合部(22)と、前記第3接合部(23)とは、接着と、溶着と、糸縫いとのいずれかからなる直線状形状を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の受液器の乾燥剤収納袋。
  7. 前記フェルト製袋の平面視形状が長方形状である請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の受液器の乾燥剤収納袋。
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