JP6101120B2 - 真直度測定装置、及び真直度測定方法 - Google Patents
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また、かかる構成によれば、真直度測定装置は、端部の外周面の位置を表した第1波形と中央部の外周面の位置を表した第2波形とが交差するか否かを判定することができる。したがって、本発明に係る真直度測定装置によれば、第1波形と第2波形とが交差するか否かにより、真直度を判定するための適切な検査値を算出することができる。
また、かかる構成によれば、真直度測定装置は、管・棒状材の中央部に近接する部分及び他方の端部における回転角度毎の外周面の位置をさらに取得することができる。したがって、本発明に係る真直度測定装置によれば、管・棒状材の一方の端部を基準とした中央部に近接する部分の変位量及び他方の端部の変位量を回転角度毎に算出することが可能であり、算出した変位量から管・棒状材の真直度を判定することができる。その為、管・棒状材の曲がり量が一般的に最も出やすい中央部のみならず、チャックで掴まれやすい部分の曲がり量が測定できるので、前後の工程を考慮した真直度の判定を行える。
また、かかる構成によれば、真直度測定装置は、中央部に近接する部分の外周面の位置を表した第3波形と他方の端部の外周面の位置を表した第4波形とが交差するか否かを判定することができる。したがって、本発明に係る真直度測定装置によれば、第1波形と第3波形及び第4波形とが交差するか否かにより、真直度を判定するための適切な検査値を算出することができる。
また、かかる構成によれば、真直度測定方法は、端部の外周面の位置を表した第1波形と中央部の外周面の位置を表した第2波形とが交差するか否かを判定することができる。したがって、本発明に係る真直度測定方法によれば、第1波形と第2波形とが交差するか否かにより、真直度を判定するための適切な検査値を算出することができる。
また、かかる構成によれば、真直度測定方法は、管・棒状材の中央部に近接する部分及び他方の端部における回転角度毎の外周面の位置をさらに取得することができる。したがって、本発明に係る真直度測定方法によれば、管・棒状材の一方の端部を基準とした中央部に近接する部分の変位量及び他方の端部の変位量を回転角度毎に算出することが可能であり、算出した変位量から管・棒状材の真直度を判定することができる。その為、管・棒状材の曲がり量が一般的に最も出やすい中央部のみならず、チャックで掴まれやすい部分の曲がり量が測定できるので、前後の工程を考慮した真直度の判定を行える。
また、かかる構成によれば、真直度測定方法は、中央部に近接する部分の外周面の位置を表した第3波形と他方の端部の外周面の位置を表した第4波形とが交差するか否かを判定することができる。したがって、本発明に係る真直度測定方法によれば、第1波形と第3波形及び第4波形とが交差するか否かにより、真直度を判定するための適切な検査値を算出することができる。
以下、本発明の実施するための形態を、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、参照する図面において、本発明を構成する部材の寸法は、説明を明確にするために誇張して表現されている場合がある。なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。また、実施形態においては、便宜上、図に対して前後左右上下を設定しているが、必ずしも設定した方向に限定されるものではない。
真直度測定装置は、長手方向に所定の長さを有する管材や棒材(以下、「管・棒状材」と呼ぶ)の真直度を測定する装置である。本実施形態では、真直度測定装置がアルミニウム合金を原料とするサスペンションアーム用連続鋳造棒のような丸棒材を被測定物とする場合を想定して説明を行うことにする。しかしながら、本発明に係る真直度測定装置の測定対象である管・棒状材がこの丸棒材に限定されるものではない。詳細は変形例で説明する。
移動機構20は、被測定物である棒材Bを搬送位置から測定位置に移動させる構成要素である。本実施形態では、移動機構20は、一対の昇降アーム21,21として構成される。各昇降アーム21は、搬送ローラRの間に設置される。各昇降アーム21は、図示しない駆動源の駆動力により搬送ローラRの間を昇降可能である。各昇降アーム21は、上昇することで内側部分が搬送ローラR上の棒材Bの外周面に当接するようなV字形状をなす。この構成により、移動機構20は、真直度を測定する場合に搬送ローラR上の棒材Bを軸方向が水平方向と並行した状態のまま、搬送路の上方に設定される測定位置まで持ち上げる。
回転支持機構30は、測定位置において棒材Bを円周方向に回転させながら支持する構成要素である。本実施形態では、回転支持機構30は、一対の回転支持部31,31として構成される。回転支持部31,31は、棒材Bの先端近傍、及び後端近傍に設置される。各回転支持部31は、一対のローラ支持部31a,31aと、移動アーム31b,31bとを備えて構成される。各ローラ支持部31aは、棒材Bに当接し、棒材Bを回転させる回転ローラ31cを回転自在に支持する。一対のローラ支持部31a,31aは、互いが左右方向に往復移動可能であり、離間したり近接したりする。以下では、一対のローラ支持部31a,31aが離間した状態(図3Aの破線)を「退避位置」と呼び、近接した状態(図3Aの実線)を「支持位置」と呼ぶことにする。移動アーム31b,31bは、ローラ支持部31a,31aを支持位置と退避位置に移動させる。
押圧回転機構40は、棒材Bを回転支持機構30に押さえつけた状態で回転する構成要素である。本実施形態では、押圧回転機構40は、ローラ支持部40aと、移動アーム40bとを備えて構成される。押圧回転機構40は、測定位置の上方に設置される。ローラ支持部40aは、棒材Bに当接し、棒材Bを回転させる回転ローラ40cを回転自在に支持する。ローラ支持部40aは、上下方向に往復移動可能である。移動アーム40bは、ローラ支持部40aを上下方向に移動させる。この構成により、押圧回転機構40は、ローラ支持部40aが降下した状態において、棒材Bを回転支持機構30に押さえつける。
周面位置測定機構50は、棒材Bの特定部分における外周面の位置を測定する構成要素である。周面位置測定機構50は、第1〜第4距離検出器51を備えて構成されている。第1〜第4距離検出器51は構成が同様である。以下では、第1〜第4距離検出器51を区別しない場合に、単に「距離検出器51」と呼ぶ場合がある。
真直度判定機構60は、棒材Bの真直度を判定する構成要素である。真直度判定機構60は、CPU(Central Processing Unit)やHDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等の記憶媒体を備えて構成され、記憶媒体に記憶されるプログラムをCPUが実行処理することにより実現する。
波形作成手段61には、回転支持機構30から回転ローラ31c,31cの回転速度に関する情報が入力され、また、周面位置測定機構50から棒材Bの特定部分における外周面の位置を表す離間距離に関する情報が入力される。これにより、波形作成手段61は、棒材Bが所定角度(例えば、12°)回転する毎の外周面の位置を算出できる。波形作成手段61は、入力された情報を用いて、図6に示すように棒材Bの回転角度と棒材Bの外周面の位置を表す離間距離とを関連付けた波形(基準波形及び比較対象波形)を作成する(ステップS10)。波形作成手段61は、距離検出器51の数に応じた数の波形を作成する。周面位置測定機構50が第1〜第4距離検出器51で構成されていれば、波形作成手段61は、4個の波形を作成する。なお、図6では、説明の便宜上、2個の波形を記載している。そして、波形作成手段61は、作成した波形に関する情報を基準波形選択手段62に出力する。
基準波形選択手段62には、波形作成手段61から作成された波形に関する情報が入力される。基準波形選択手段62は、入力された波形に関する情報の中から「基準波形」を選択する。基準波形は、外周面の位置の変動が少ないものがよいので、基準波形選択手段62は、棒材Bの端部に設置される距離検出器51が測定した外周面の位置に関する情報から作成した波形を基準波形に選択するのがよい。さらには、押圧回転機構40が設置される側の端部に設置される距離検出器51(図2では第1距離検出器51)が測定した外周面の位置に関する情報から作成した波形を基準波形に選択するのが好適である。そして、基準波形選択手段62は、選択した基準波形に関する情報を含む波形に関する情報を比較対象波形選択手段63及び波形比較手段64に出力する。
比較対象波形選択手段63には、基準波形選択手段62から選択された基準波形に関する情報を含む波形に関する情報が入力される。比較対象波形選択手段63は、入力された情報を用いて、基準波形以外の波形を基準波形に対して「比較対象波形」として選択する。そして、比較対象波形選択手段63は、選択した比較対象波形に関する情報を波形比較手段64に出力する。
波形比較手段64には、基準波形選択手段62から選択された基準波形に関する情報を含む波形に関する情報が入力され、また、比較対象波形選択手段63から選択された比較対象波形に関する情報が入力される。波形比較手段64は、入力された情報を用いて比較対象波形選択手段63が選択した比較対象波形の中から一つを選択する(ステップS20)。そして、波形比較手段64は、基準波形とステップS20で選択した比較対象波形とを比較し、基準波形と比較対象波形とがどのような関係にあるのかを判定する(ステップS30,S40)。ここで、基準波形と比較対象波形との関係を三つのパターンで表すことができる。図6に、基準波形と比較対象波形との関係を表す三つのパターンを示す。なお、図6に示すグラフの横軸は棒材Bの回転角度(°)を表し、縦軸は図3Aに示す離間距離(mm)を表している。
第3のパターンは、図6(c)に示すように、基準波形と比較対象波形とが交差せず、かつ比較対象波形が基準波形に対してプラス側に存在する場合である。以下では、このパターンを「パターン3」と呼ぶことにする。
そして、波形比較手段64は、基準波形と比較対象波形との関係を表すパターン情報を含む波形に関する情報を検査値算出手段65に出力する。
検査値算出手段65には、波形比較手段64から判定された基準波形と比較対象波形との関係を表すパターン情報を含む波形に関する情報が入力される。検査値算出手段65は、波形比較手段64が判定したパターンに対応した計算式を用いて棒材Bの真直度を判定するための検査値を算出する(ステップS50〜S70)。ステップS50〜S70に示す、「A−ij」,「B−ij」,「C−ij」,「D−ij」は、以下のように定義する。
プラス側の変位量の最大値 :B−ij(「+」プラスの値)
マイナス側の変位量の最小値:C−ij(「−」マイナスの値)
プラス側の変位量の最小値 :D−ij(「+」プラスの値)
パターン1の場合:検査値=|A−ij|+|B−ij|
パターン2の場合:検査値=|A−ij|−|C−ij|
パターン3の場合:検査値=|B−ij|−|D−ij|
真直度判定手段66には、検査値算出手段65から算出された検査値の中での最大値(真直度判定値)に関する情報が入力される。真直度判定手段66は、入力された算出された検査値の中での最大値(真直度判定値)が図示しない記憶媒体に記憶された閾値を超えているか否かを判定する(ステップS100)。閾値は、棒材Bのサイズ(例えば、直径と長さとの比率)や次工程での処理内容により決定される値である。算出した検査値の中での最大値(真直度判定値)が閾値を超えている場合に、真直度判定手段66は、棒材Bが真直でないと判定する(ステップS110)。一方、算出した検査値の中での最大値(真直度判定値)が閾値を超えている場合に、真直度判定手段66は、棒材Bが真直であると判定する(ステップS120)。そして、真直度判定手段66は、棒材Bが真直であるか否かの判定結果に関する情報を、出力手段70を介して搬送ロボットHに出力する。また、真直度判定手段66は、棒材Bが真直であるか否かの判定結果に関する情報を、表示手段80に出力する。
ステップS10の処理において、波形作成手段61が、第1距離検出器51から取得した情報に基づいて図7に示す第1波形を作成し、第2距離検出器51から取得した情報に基づいて図7に示す第2波形を作成し、第3距離検出器51から取得した情報に基づいて図7に示す第3波形を作成し、第4距離検出器51から取得した情報に基づいて図7に示す第4波形を作成した場合を想定する。そして、基準波形選択手段62が、第1波形を基準波形に選択したとする。また、比較対象波形選択手段63が、第2波形〜第4波形を比較対象波形に選択したとする。
出力手段70は、真直度判定機構60が判定した棒材Bが真直であるか否かの結果を、搬送ロボットH(図1参照)に出力する構成要素である。判定結果が入力された搬送ロボットHは、真直である棒材Bをピーリング工程に送る。一方、搬送ロボットHは、真直でない棒材Bをピーリング工程に送らずに、廃棄処理の工程に送る。なお、出力手段70は、棒材Bが真直でないことを示す情報のみを搬送ロボットHに送信するようにしてもよい。
表示手段80は、真直度判定機構60が判定した棒材Bが真直であるか否かの結果を表示するための構成要素である。表示手段80は、例えば、液晶ディスプレイや警報ランプとして構成される。真直度測定装置100のオペレータは、表示手段80を確認することで、棒材Bが真直であるか否かをリアルタイムに確認することができる。なお、表示手段80は、棒材Bが真直でないことを示す情報のみを表示手段80に表示するようにしてもよい。
以上で、実施形態に係る真直度測定装置100の構成についての説明を終了する。
以下では、図8を参照して、真直度測定装置100を用いた真直度測定方法について説明する。
真直度測定装置100は、搬送ローラR上を搬送される棒材Bが、移動機構20が配設される位置に到達したら、移動機構20によって棒材Bを測定位置である上方に持ち上げる(図8(a)参照)。
続いて、真直度測定装置100は、図8(d)に示すように、移動機構20が棒材Bを支持したまま降下することによって棒材Bを搬送ローラR上に戻す。そして、棒材Bは、再度、搬送ローラR上を搬送される。
以上で、真直度測定装置100を用いた真直度測定方法についての説明を終了する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を変えない範囲で実施することができる。実施形態の変形例を以下に示す。
30 回転支持機構
40 押圧回転機構
50 周面位置測定機構
60 真直度判定機構
61 波形作成手段
62 基準波形選択手段
63 比較対象波形選択手段
64 波形比較手段
65 検査値算出手段
66 真直度判定手段
70 出力手段
80 表示手段
100 真直度測定装置
B 棒材(管・棒状材)
H 搬送ロボット
R 搬送ローラ
Claims (5)
- 管・棒状材の真直度を測定する真直度測定装置であって、
前記管・棒状材を搬送路から測定位置に移動させる移動機構と、
前記移動機構で移動させた測定位置において前記管・棒状材を支持して円周方向に回転させる回転支持機構と、
前記管・棒状材の両端部、中央部及び当該中央部に近接する部分を含む少なくとも四点における前記管・棒状材を回転させたときの当該管・棒状材の外周面の位置を測定する外周面位置測定機構と、
前記両端部、中央部及び当該中央部に近接する部分を含む少なくとも四点の外周面の位置の回転角度毎の変位量に基づいて前記管・棒状材の真直度を判定する真直度判定機構と、を備え、
前記真直度判定機構は、
回転角度と一方の端部の外周面の位置とを関連付けた第1波形を作成し、回転角度と前記中央部の外周面の位置とを関連付けた第2波形を作成し、回転角度と前記中央部に近接する部分の外周面の位置とを関連付けた第3波形を作成し、回転角度と他方の端部の外周面の位置とを関連付けた第4波形を作成し、
前記第1波形と前記第2波形ないし第4波形とが交差する場合に、交差前の変位量の最大値と交差後の変位量の最大値との和を前記管・棒状材の真直度を判定する検査値とし、
前記第1波形と前記第2波形ないし第4波形とが交差しない場合に、変位量の最大値と変位量の最小値との差を前記管・棒状材の真直度を判定する検査値とし、
前記検査値の最大値が閾値を超えていない場合に前記管・棒状材が真直であると判定する、ことを特徴とする真直度測定装置。 - 前記真直度判定機構は、
前記第4波形と前記第2波形及び前記第3波形との関係からさらに検査値を算出し、前記検査値の最大値が閾値を超えていない場合に前記管・棒状材が真直であると判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載された真直度測定装置。 - 前記真直度判定機構は、
判定した結果を出力する出力手段を備え、
前記出力手段は、判定された前記管・棒状材を搬送する搬送ロボットに出力すると共に、予め設置された表示手段に出力する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された真直度測定装置。 - 前記移動機構は、前記搬送路となる搬送ローラ間から昇降する昇降アームであり、
前記回転支持機構は、前記昇降アームで測定位置に上昇した管・棒状材を受け取り支持するローラ支持部と、このローラ支持部を前記管・棒状材を支持する支持位置と退避位置に移動する移動アームとを有する、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載された真直度測定装置。 - 管・棒状材の真直度を測定する真直度測定方法であって、
前記管・棒状材を搬送路から測定位置に移動させる移動ステップと、
前記移動ステップで移動させた測定位置において前記管・棒状材を支持して円周方向に回転させる回転支持ステップと、
前記管・棒状材の両端部、中央部及び当該中央部に近接する部分を含む少なくとも四点における前記管・棒状材を回転させたときの当該管・棒状材の外周面の位置を測定する外周面位置測定ステップと、
前記両端部、中央部及び当該中央部に近接する部分を含む少なくとも四点の外周面の位置の回転角度毎の変位量に基づいて前記管・棒状材の真直度を判定する真直度判定ステップと、を行い、
前記真直度判定ステップは、
回転角度と一方の端部の外周面の位置とを関連付けた第1波形を作成し、回転角度と前記中央部の外周面の位置とを関連付けた第2波形を作成し、回転角度と前記中央部に近接する部分の外周面の位置とを関連付けた第3波形を作成し、回転角度と他方の端部の外周面の位置とを関連付けた第4波形を作成し、
前記第1波形と前記第2波形ないし第4波形とが交差する場合に、交差前の変位量の最大値と交差後の変位量の最大値との和を前記管・棒状材の真直度を判定する検査値とし、
前記第1波形と前記第2波形ないし第4波形とが交差しない場合に、変位量の最大値と変位量の最小値との差を前記管・棒状材の真直度を判定する検査値とし、
前記検査値の最大値が閾値を超えていない場合に前記管・棒状材が真直であると判定する、ことを特徴とする真直度測定方法。
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