以下、遊技機の一実施形態を図1〜図7にしたがって説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10は、透過性を有するアクリル板で構成されている。また、遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数の図柄列(本実施形態では、3列)の装飾図柄を変動表示させて行う装飾図柄変動ゲームを含み、該装飾図柄変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の装飾図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では、3列)の装飾図柄からなる図柄組み合わせ(表示結果)を導出する。演出表示装置11の装飾図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための装飾図柄(演出図柄)を用いて行われる。
また、演出表示装置11の左下方には、7セグメント型の第1特別図柄表示装置12が配設されている。第1特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄を変動させて表示する第1特別図柄変動ゲームが行われる。また、演出表示装置11の右下方には、7セグメント型の第2特別図柄表示装置13が配設されている。第2特別図柄表示装置13では、複数種類の特別図柄を変動させて表示する第2特別図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否か(大当り抽選)などの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。以下の説明において、単に「特別図柄変動ゲーム」という場合には、第1特別図柄変動ゲームと第2特別図柄変動ゲームを意味する。
本実施形態において特別図柄表示装置12,13には、複数種類の特別図柄の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特別図柄が選択され、その選択された特別図柄が確定停止表示される。複数種類の特別図柄は、大当りを認識し得る大当り図柄と、はずれを認識し得るはずれ図柄と、に分類される。また、大当り図柄が確定停止表示された後、遊技者にとって有利な状態となる当り遊技状態としての大当り遊技が生起される。
また、本実施形態において演出表示装置11には、各列に[1]〜[8]の8種類の数字が装飾図柄として表示される。そして、演出表示装置11には、第1特別図柄表示装置12又は第2特別図柄表示装置13の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的には、第1特別図柄表示装置12に大当り図柄が確定停止表示される場合、演出表示装置11にも大当り図柄(大当りの図柄組み合わせ)が確定停止表示される。一方、第1特別図柄表示装置12にはずれ図柄が確定停止表示される場合、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれの図柄組み合わせ)が確定停止表示される。同様に、第2特別図柄表示装置13に大当り図柄が確定停止表示される場合、演出表示装置11にも大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。一方、第2特別図柄表示装置13にはずれ図柄が確定停止表示される場合、演出表示装置11にもはずれの図柄組み合わせが確定停止表示される。
因みに、本実施形態の大当りの図柄組み合わせは、全列の装飾図柄が同一の図柄組み合わせ([222][777]など)である。また、本実施形態のはずれの図柄組み合わせは、全列の装飾図柄が異なる図柄組み合わせ([123]など)、又は1列の装飾図柄が他の2列の装飾図柄と異なる図柄組み合わせ([122][767]など)である。
また、本実施形態において、演出表示装置11における各列の装飾図柄は、装飾図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って変動表示される。また、装飾図柄変動ゲームが開始すると(各列の装飾図柄が変動を開始すると)、演出表示装置11において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に、変動表示された装飾図柄が一旦停止表示される。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では、左列と右列)の装飾図柄が同一となって一旦停止表示され、且つ前記特定列以外の列(本実施形態では、中列)の装飾図柄が変動表示されている状態である。
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、演出表示装置11にてリーチ演出を実行可能に構成されている。リーチ演出は、装飾図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが一旦停止表示されてから、最終的に装飾図柄によって構成される図柄組み合わせ(表示結果)が導出されるまでの間に行われる演出である。このため、リーチ演出は、実行中の特別図柄変動ゲームが大当りとなるか否かを期待させるための演出となる。
なお、演出表示装置11における装飾図柄の表示には、「変動表示」、「一旦停止表示」及び「確定停止表示」がある。演出表示装置11における装飾図柄の変動表示とは、装飾図柄の種類が変化して表示されている状態(表示)である。また、演出表示装置11における装飾図柄の一旦停止表示とは、確定停止していないことを報知するため一定の停止位置に停止されている装飾図柄が所定の動作(例えば、上下方向に揺れる)を伴って停止して表示されている状態である。また、演出表示装置11における装飾図柄の確定停止表示とは、装飾図柄が確定停止表示されたこと(特別図柄変動ゲームが終了したこと)を報知するため動作を伴わずに確定停止している状態である。
また、第1特別図柄表示装置12及び第2特別図柄表示装置13における特別図柄の表示には、「変動表示」及び「確定停止表示」がある。第1特別図柄表示装置12における特別図柄の変動表示とは、特別図柄の種類が変化しているように見せるため、7セグメント型の第1特別図柄表示装置12を形成する7つの発光体のうち少なくとも1つの発光体が点滅している状態である。また、第1特別図柄表示装置12における特別図柄の確定停止表示とは、7セグメント型の第1特別図柄表示装置12を形成する各発光体の点灯や消灯の組み合わせによって構成される特別図柄が表示されている状態である。同様に、第2特別図柄表示装置13における特別図柄の変動表示とは、特別図柄の種類が変化しているように見せるため、7セグメント型の第2特別図柄表示装置13を形成する7つの発光体のうち少なくとも1つの発光体が点滅している状態である。また、第2特別図柄表示装置13における特別図柄の確定停止表示とは、7セグメント型の第2特別図柄表示装置13を形成する各発光体の点灯や消灯の組み合わせによって構成される特別図柄が表示されている状態である。
そして、第1特別図柄変動ゲームが終了する際には、演出表示装置11の装飾図柄と、第1特別図柄表示装置12の特別図柄が同時に確定停止表示する。同様に、第2特別図柄変動ゲームが終了する際には、演出表示装置11の装飾図柄と、第2特別図柄表示装置13の特別図柄が同時に確定停止表示する。
本実施形態のパチンコ遊技機において、第1特別図柄変動ゲームと、当該第1特別図柄変動ゲームの実行中に演出表示装置11にて行われる装飾図柄変動ゲームが、変動ゲームとなる。このため、第1特別図柄変動ゲームが行われる第1特別図柄表示装置12と、当該第1特別図柄変動ゲームの実行に伴う装飾図柄変動ゲームが行われる演出表示装置11が、本実施形態においてゲーム実行手段として機能する。同様に、本実施形態のパチンコ遊技機において、第2特別図柄変動ゲームと、当該第2特別図柄変動ゲームの実行中に演出表示装置11にて行われる装飾図柄変動ゲームが、変動ゲームとなる。このため、第2特別図柄変動ゲームが行われる第2特別図柄表示装置13と、当該第2特別図柄変動ゲームの実行に伴う装飾図柄変動ゲームが行われる演出表示装置11が、本実施形態においてゲーム実行手段として機能する。
また、演出表示装置11の上方には、発光体(LED、ランプなど)の発光(点灯や点滅)により、発光演出を実行する発光手段としての装飾ランプLaが配設されている。また、遊技盤10が装着される遊技枠には、音楽などを音声出力することにより、音声演出を実行する音声出力手段としてのスピーカSp(図4に示す)が配設されている。
また、演出表示装置11の下方には、遊技球が入球するための第1入球口14を有する始動契機手段としての第1始動入賞装置15が配設されている。そして、第1始動入賞装置15の奥方には、入球した遊技球を検知する入球検知手段としての第1始動口スイッチSW1(図4に示す)が配設されている。本実施形態のパチンコ遊技機では、第1始動口スイッチSW1で第1始動入賞装置15に入球した遊技球を検知することにより、第1特別図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。更に、第1始動口スイッチSW1によって第1始動入賞装置15に入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(本実施形態では、3個)の遊技球を賞球として払い出す。
また、演出表示装置11の右方には、遊技球が入球するための第2入球口16を有する始動契機手段としての第2始動入賞装置17が配設されている。第2始動入賞装置17は普通電動役物とされ、電動役物ソレノイドSOL1(図4に示す)の作動により開閉動作を行う開閉部材としての開閉羽根18を備えている。第2始動入賞装置17は、開閉羽根18が開状態となることにより第2入球口16(入口)が拡大されて遊技球が入球し易い開放状態となる。一方、第2始動入賞装置17は、開閉羽根18が閉状態となることにより第2入球口16(入口)が拡大されず、遊技球が入球し難い閉鎖状態となる。また、第2始動入賞装置17の奥方には、第2始動入賞装置17に入球した遊技球を検知する入球検知手段としての第2始動口スイッチSW2(図4に示す)が配設されている。本実施形態のパチンコ遊技機では、第2始動口スイッチSW2で第2始動入賞装置17に入球した遊技球を検知することにより、第2特別図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。更に、第2始動口スイッチSW2によって第2始動入賞装置17に入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(本実施形態では、3個)の遊技球を賞球として払い出す。
また、第1特別図柄表示装置12の下方には、複数個(本実施形態では、4個)の第1保留発光部を備えた第1特別図柄保留表示装置19が配設されている。第1特別図柄保留表示装置19は、機内部で記憶した第1特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「第1保留記憶数」という)を遊技者に報知する。第1保留記憶数は、遊技盤10に配設した第1始動入賞装置15に遊技球が入球することで1加算される一方、第1特別図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、特別図柄変動ゲーム中に第1始動入賞装置15に遊技球が入球すると、第1保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では、4個)まで累積される。そして、本実施形態における4個の第1保留発光部は、第1保留記憶数に応じて点灯又は消灯する。なお、第1保留記憶数は、実行が保留されている第1特別図柄変動ゲームの数を示す。
また、第2特別図柄表示装置13の下方には、複数個(本実施形態では、4個)の第2保留発光部を備えた第2特別図柄保留表示装置20が配設されている。第2特別図柄保留表示装置20は、機内部で記憶した第2特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「第2保留記憶数」という)を遊技者に報知する。第2保留記憶数は、遊技盤10に配設した第2始動入賞装置17に遊技球が入球することで1加算される一方、第2特別図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、特別図柄変動ゲーム中に第2始動入賞装置17に遊技球が入球すると、第2保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では、4個)まで累積される。そして、本実施形態における4個の第2保留発光部は、第2保留記憶数に応じて点灯又は消灯する。なお、第2保留記憶数は、実行が保留されている第2特別図柄変動ゲームの数を示す。
また、第1始動入賞装置15の右下方には、上大入賞口ソレノイドSOL2(図4に示す)の作動により開閉動作を行う上大入賞口扉21を備えた特別入賞手段としての上大入賞口22が配設されている。上大入賞口22の奥方には、入球した遊技球を検知する上カウントスイッチSW3(図4に示す)が配設されている。本実施形態のパチンコ遊技機では、上カウントスイッチSW3で上大入賞口22に入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(本実施形態では、15個)の遊技球を賞球として払い出す。
また、上大入賞口22の下方には、下大入賞口ソレノイドSOL3(図4に示す)の作動により開閉動作を行う下大入賞口扉23を備えた特別入賞手段としての下大入賞口24が配設されている。
また、図2に示すように、下大入賞口24の奥方には、下大入賞口24に入球した遊技球が転動する筒状の通路Tdが形成されている。この通路Tdは、遊技盤10の裏側に形成されている。また、この通路Tdは、中央転動路25、左転動路26、右転動路27及び回避路28によって構成される。また、下大入賞口24に入球した遊技球は、最初に中央転動路25を転動し、その後、左転動路26、右転動路27又は回避路28を転動する。中央転動路25には、下大入賞口24に入球した遊技球を検知する下カウントスイッチSW4が配設されている。本実施形態のパチンコ遊技機では、下カウントスイッチSW4で下大入賞口24に入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(本実施形態では、15個)の遊技球を賞球として払い出す。
以下、通路Tdを構成する中央転動路25、左転動路26、右転動路27及び回避路28について説明する。なお、中央転動路25、左転動路26、右転動路27及び回避路28は、1個の遊技球が転動可能であって、2個の遊技球が転動不可能な大きさ(遊技球よりも僅かに大きい)の筒状で形成されている。
中央転動路25の最下流には、左転動路26と、右転動路27の2つの分岐流路が形成されている。この左転動路26と右転動路27は、中央転動路25に連通しており、下大入賞口24に入球した遊技球が中央転動路25を介して転動可能に形成されている。
また、中央転動路25の最下流であって、左転動路26及び右転動路27との間には、下大入賞口24へ入球して中央転動路25を転動した遊技球を、左転動路26又は右転動路27へ振り分け可能な振分手段としての振分シャッタFsが配設されている。この振分シャッタFsは、振分アクチュエータFa(図4に示す)の作動により、停留位置(図2では、実線で示す)と、左振分位置(図2では、一点鎖線で示す)と、右振分位置(図2では、二点鎖線で示す)との間で変位可能に配設されている。なお、停留位置は、中央転動路25を転動した遊技球を停留させる位置となる。また、左振分位置は、中央転動路25を転動した遊技球を左転動路26へ振り分ける位置となる。また、右振分位置は、中央転動路25を転動した遊技球を右転動路27へ振り分ける位置となる。
振分シャッタFsが停留位置のとき、振分シャッタFsは左転動路26と右転動路27を遮る。なお、振分シャッタFsの先端が中央転動路25の筒中央に位置が、本実施形態の停留位置となる。このため、停留位置であるときの振分シャッタFsは、中央転動路25を転動した遊技球が左転動路26及び右転動路27へ転動することを規制する。したがって、振分シャッタFsが停留位置であるとき、中央転動路25を転動した遊技球は、中央転動路25にて停留する。
また、振分シャッタFsが左振分位置のとき、振分シャッタFsは右転動路27を遮る一方で左転動路26を遮らない。このため、左振分位置であるときの振分シャッタFsは、中央転動路25を転動した遊技球を右転動路27へ転動することを規制する一方で、中央転動路25を転動した遊技球が左転動路26へ転動することを許容するとともに左転動路26へ誘導する。
また、振分シャッタFsが右振分位置のとき、振分シャッタFsは左転動路26を遮る一方で右転動路27を遮らない。このため、右振分位置であるときの振分シャッタFsは、中央転動路25を転動した遊技球が左転動路26へ転動することを規制する一方で、中央転動路25を転動した遊技球が右転動路27へ転動することを許容するとともに右転動路27へ誘導する。
また、中央転動路25の側壁には、回避路28と連通する孔が形成されている。この孔は、停留位置であるときの振分シャッタFsの先端から、停留幅dだけ上流の位置であって、下カウントスイッチSW4よりも下流の位置となる中央転動路25の側壁に形成されている。このため、振分シャッタFsが停留位置のとき、下大入賞口24へ入球した遊技球は、中央転動路25の停留幅d内で停留される。また、振分シャッタFsが停留位置のときであって、停留幅dを超えて遊技球が停留される場合には、停留幅d内で既に停留されている遊技球によって、中央転動路25を転動した遊技球が回避路28へ転動することが誘導される。なお、本実施形態のパチンコ遊技機では、停留幅dを遊技球の直径(例えば、11mm)としており、1個の遊技球を中央転動路25にて停留させることが可能に構成されている。
そして、中央転動路25にて遊技球を停留させている場合であって、振分シャッタFsの位置が停留位置から左振分位置に変位する場合には、当該停留されていた遊技球が左転動路26へ転動することが誘導される。一方、中央転動路25にて遊技球を停留させている場合であって、振分シャッタFsの位置が停留位置から右振分位置に変位する場合には、当該停留されていた遊技球が右転動路27へ転動することが誘導される。因みに、本実施形態のパチンコ遊技機では、下大入賞口24へ遊技球が入球してから振分シャッタFsが配置されている位置まで当該遊技球が転動するのに要する時間は、「0.2秒」よりも長い時間となるように中央転動路25の長さが定められている。
また、右転動路27には、右転動路27を転動した遊技球を検知する特典スイッチSW5(図4に示す)が配設されている。本実施形態のパチンコ遊技機では、特典スイッチSW5で右転動路27を転動した遊技球を検知することにより、遊技者にとって有利な特典が付与される。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機において、左転動路26を転動した遊技球及び右転動路27を転動した遊技球は、パチンコ遊技機の外部へ排出される。同様、回避路28を転動した遊技球は、パチンコ遊技機の外部へ排出される。なお、前述したように、本実施形態における遊技盤10は、透過性を有するアクリル板で構成されているため、中央転動路25、左転動路26、右転動路27、回避路28及び振分シャッタFsを遊技者が視認可能となっている。すなわち、遊技者は、振分シャッタFsの動作態様を視認可能となっている。
また、図1に示すように、第2特別図柄表示装置13の右方には、7セグメント型の普通図柄表示装置29が配設されている。普通図柄表示装置29では、普通図柄を変動させて表示する普通図柄変動ゲームが行われる。普通図柄は、第2始動入賞装置17を開放状態とする普通当り遊技を付与するか否か、つまり、普通当りか否かの内部抽選(普通当り抽選)の抽選結果を示す報知用の図柄である。また、普通図柄変動ゲームは、普通当り抽選の抽選結果を導出するために行われる。普通図柄表示装置29には、普通当り抽選に当選した場合、普通当り抽選に当選したことを認識できる普通当り図柄が確定停止表示される。一方、普通図柄表示装置29には、普通当り抽選に非当選した場合、普通当り抽選に当選しなかったことを認識できる普通はずれ図柄が確定停止表示される。そして、普通当り抽選に当選すると(普通当り図柄が普通図柄表示装置29に確定停止表示されると)、開閉羽根18が開状態となることで第2始動入賞装置17へ遊技球を入球させ易くなり、遊技者は、第2特別図柄変動ゲームの始動条件を容易に獲得できる機会を得ることができる。
また、演出表示装置11の右方には、ゲート30が配設されている。また、ゲート30の奥方には、入球(通過)した遊技球を検知するゲートスイッチSW6(図4に示す)が配設されている。本実施形態のパチンコ遊技機では、ゲートスイッチSW6でゲート30への遊技球の入球を検知することにより、普通図柄変動ゲームの始動条件が付与され得る。
また、普通図柄表示装置29の下方には、複数個(本実施形態では、4個)の普通保留発光部を備えた普通図柄保留表示装置31が配設されている。普通図柄保留表示装置31は、機内部で記憶した普通図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「普通保留記憶数」という)を遊技者に報知する。普通保留記憶数は、遊技盤10に配設したゲート30に遊技球が入球することで1加算される一方、普通図柄変動ゲームの開始によって1減算される。したがって、普通図柄変動ゲーム中にゲート30に遊技球が入球すると、普通保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では、4個)まで累積される。そして、本実施形態における4個の普通保留発光部は、普通保留記憶数に応じて点灯又は消灯する。なお、普通保留記憶数は、実行が保留されている普通図柄変動ゲームの数を示す。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、遊技状態が、通常の低確率抽選状態から、通常よりも高確率となる高確率抽選状態へ変動(向上)して大当り抽選が行われる確率変動状態(以下、「確変状態」という)となる場合がある。確変状態でないとき(以下、「非確変状態」という)は、確変状態であるときよりも、大当り抽選に当選し難くなる。すなわち、確変状態であるときは、大当り抽選の当選確率が高いため、大当り遊技が生起され易くなる。したがって、確変状態であるときは、遊技者にとって有利な状態であるといえる。なお、本実施形態における確変状態は、確変状態となってから予め決められた確変上限回数(本実施形態では、50回)の特別図柄変動ゲームの実行が終了するまでの間、若しくは、大当り遊技が生起されるまでの間、継続する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、遊技状態が、遊技者にとって有利な変動時間短縮状態(以下、「変短状態」という)となる場合がある。変短状態であるときは、変短状態でないとき(以下、「非変短状態」という)と比較して、普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮される。また、変短状態であるときは、非変短状態であるときと比較して、普通当り抽選の当選確率が低確率(通常の確率)から高確率へと変動(向上)する。また、変短状態であるときは、非変短状態であるときと比較して、開閉羽根18の開放時間が長くなる。このため、変短状態であるときは、非変短状態であるときよりも単位時間あたりの開閉羽根18の開放時間が長くなる。この結果、変短状態であるときには第2始動入賞装置17へ遊技球が入球する確率が非変短状態であるときよりも高確率となる。このように、変短状態であるときは第2始動入賞装置17への遊技球の入球率が高確率であることから入球率向上状態といえる。一方、非変短状態であるときは第2始動入賞装置17への遊技球の入球率が低確率であることから非入球率向上状態(入球率向上状態でない)といえる。なお、本実施形態における変短状態は、変短状態となってから予め決められた変短上限回数(本実施形態では、50回)の特別図柄変動ゲームの実行が終了するまでの間、若しくは、大当り遊技が生起されるまでの間、継続する。
なお、通常よりも単位時間あたりに電動入賞装置17が開放状態となる時間や回数を多くすることができれば、電動入賞装置17への遊技球の入球率を向上させることができる。このためには、普通図柄変動ゲームの変動時間を、通常よりも短くすれば、単位時間あたりに実行される普通図柄変動ゲームの回数が多くなることから、単位時間あたりに電動入賞装置17が開放状態となる回数を多くすることが可能となる。その他にも、普通当り抽選の当選確率を、通常よりも高確率とすれば、単位時間あたりに電動入賞装置17が開放状態となる回数を多くすることが可能となる。また、普通当り遊技中に電動入賞装置17が開放状態となる時間を、通常よりも長くすれば、単位時間あたりに電動入賞装置17が開放状態となる時間を長くすることが可能となる。すなわち、「普通図柄変動ゲームの変動時間を短くすること」、「普通当り抽選の当選確率を高確率とすること」及び「普通当り遊技にて電動入賞装置17が開放状態となる時間を長くすること」のうち少なくとも1つの要素を備えれば、電動入賞装置17への遊技球の入球率を向上させることができる。なお、本実施形態における変短状態は、上記要素の全てを備えていなくても、少なくとも1つの要素を備えていれば良い。
次に、図3(a),(b)に基づき、本実施形態のパチンコ遊技機に規定する大当りの種類について説明する。
大当り遊技は、第1特別図柄表示装置12又は第2特別図柄表示装置13に大当り図柄が確定停止表示された後、開始される(生起される)。大当り遊技が開始するとオープニング時間として設定される時間が経過するまでの間、演出表示装置11や装飾ランプLa、スピーカSpにて所定のオープニング演出が行われる。また、オープニング時間として設定される時間の経過後は、上大入賞口22又は下大入賞口24が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では、16ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技中に大入賞口22,24は、規定個数(入球上限個数、本実施形態では9個)の遊技球が入球するまでの間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放する。また、ラウンド遊技中は、演出表示装置11や装飾ランプLa、スピーカSpにて所定のラウンド演出が行われる。そして、予め定めた規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後には、エンディング時間として設定される時間が経過するまでの間、演出表示装置11や装飾ランプLa、スピーカSpにて所定のエンディング演出が行われる。
図3(a),(b)に示すように本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り抽選に当選した場合、3種類の大当りの中から1つの大当りが決定される。そして、決定された大当りの種類に対応付けられた開閉態様で大入賞口22,24の開放及び閉鎖が制御されることにより大当り遊技が生起される。それとともに、大当り遊技の終了後は、決定された大当りの種類に対応付けられた遊技状態となる。そして、3種類の大当りのうち何れの種類が決定されるかは、大当り抽選に当選した場合に決定される特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定される。
図3(a)に示すように本実施形態のパチンコ遊技機において、第1特別図柄表示装置12に確定停止表示される大当り図柄は、特別図柄Za1又は特別図柄Za2としている。一方、図3(b)に示すように本実施形態のパチンコ遊技機において、第2特別図柄表示装置13に確定停止表示される大当り図柄は、特別図柄Zbとしている。因みに、第1特別図柄表示装置12に確定停止表示させる大当り図柄を決定する場合(第1始動入賞装置15への遊技球の入球を契機とする大当り抽選に当選した場合)、50%の確率で特別図柄Za1、50%の確率で特別図柄Za2が決定される。
図3(a)に示すように、特別図柄Za1が第1特別図柄表示装置12に確定停止表示されたときに生起される大当り遊技は、規定ラウンド数として「16回」が設定された大当り遊技である。以下、特別図柄Za1が第1特別図柄表示装置12に確定停止表示されたときに生起される大当り遊技を「特別図柄Za1に対応する大当り」という。また、特別図柄Za1に対応する大当りには、1回目〜15回目(図3(a),(b)では、「1R〜15R」と示す)のラウンド遊技では上大入賞口22を開放し、16回目(図3(a),(b)では、「16R」と示す)のラウンド遊技では下大入賞口24を開放することが定められている。また、特別図柄Za1に対応する大当りにおける全て(1回目〜16回目)のラウンド遊技のラウンド遊技時間は、「25秒」に定められている。また、特別図柄Za1に対応する大当りにおける各ラウンド遊技終了後のインターバル時間(以下、「ラウンドインターバル」という)は、特別図柄Za1に対応する大当りの生起直前の遊技状態が変短状態であるか否かに関係なく、「2秒」となる。
また、特別図柄Za2が第1特別図柄表示装置12に確定停止表示されたときに生起される大当り遊技は、規定ラウンド数として「16回」が設定された大当り遊技である。以下、特別図柄Za2が第1特別図柄表示装置12に確定停止表示されたときに生起される大当り遊技を「特別図柄Za2に対応する大当り」という。また、特別図柄Za2に対応する大当りには、1回目〜15回目のラウンド遊技では上大入賞口22を開放し、16回目のラウンド遊技では下大入賞口24を開放することが定められている。また、特別図柄Za2に対応する大当りにおける1回目〜15回目のラウンド遊技のラウンド遊技時間は「25秒」に定められ、16回目のラウンド遊技のラウンド遊技時間は「1秒」に定められている。また、特別図柄Za2に対応する大当りにおける各ラウンドインターバルは、大当り遊技の生起直前の遊技状態が変短状態であるか否かによって異なる時間となる。具体的には、特別図柄Za2に対応する大当りの生起直前の遊技状態が非変短状態であるときのラウンドインターバルは「2秒」となる一方、特別図柄Za2に対応する大当りの生起直前の遊技状態が変短状態であるときのラウンドインターバルは「5秒」となる。
また、特別図柄Zbが第2特別図柄表示装置13に確定停止表示されたときに生起される大当り遊技は、規定ラウンド数として「16回」が設定された大当り遊技である。以下、特別図柄Zbが第2特別図柄表示装置13に確定停止表示されたときに生起される大当り遊技を「特別図柄Zbに対応する大当り」という。また、特別図柄Zbに対応する大当りには、1回目〜15回目のラウンド遊技では上大入賞口22を開放し、16回目のラウンド遊技では下大入賞口24を開放することが定められている。また、特別図柄Zbに対応する大当りにおける全てのラウンド遊技のラウンド遊技時間は、「25秒」に定められている。また、特別図柄Zbに対応する大当りにおける各ラウンドインターバルは、特別図柄Zbに対応する大当りの生起直前の遊技状態が変短状態であるか否かに関係なく、「2秒」となる。このように、特別図柄Zbに対応する大当りが生起された際には、特別図柄Za1に対応する大当りが生起された際と同様の態様で大入賞口22,24が開放及び閉鎖することになる。
次に、図4に基づき、パチンコ遊技機の制御構成について説明する。
パチンコ遊技機の裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板40が装着されている。主制御基板40は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。また、パチンコ遊技機の裏側には、演出制御基板41が装着されている。演出制御基板41は、主制御基板40が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置11の表示態様(装飾図柄、背景図柄、文字などの表示画像など)や、装飾ランプLaの発光態様、スピーカSpの音声出力態様を制御する。
以下、主制御基板40及び演出制御基板41の具体的構成を説明する。
まず、主制御基板40について説明する。
図4に示すように、主制御基板40には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU40a、主制御用CPU40aの制御プログラムを格納する主制御用ROM40b、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM40c及びハードウェア乱数を生成する乱数生成器40dが設けられている。
そして、主制御用CPU40aには、各種スイッチSW1〜SW6が接続されている。また、各種スイッチSW1〜SW6は、各種スイッチが遊技球を検知した際に出力する検知信号を主制御用CPU40aが入力できるように、主制御用CPU40aに接続されている。
また、主制御用CPU40aには、第1特別図柄表示装置12、第2特別図柄表示装置13、第1特別図柄保留表示装置19、第2特別図柄保留表示装置20、普通図柄表示装置29及び普通図柄保留表示装置31が接続されている。また、主制御用CPU40aには、電動役物ソレノイドSOL1、上大入賞口ソレノイドSOL2及び下大入賞口ソレノイドSOL3が接続されている。また、主制御用CPU40aには、振分アクチュエータFaが接続されている。
また、乱数生成器40dでは、内部クロックの1周期毎に1更新されるハードウェア乱数が生成される。なお、本実施形態のパチンコ遊技機では内部クロックが10MHzに設定されているため、0.1μ秒毎にハードウェア乱数の値が1更新される。また、ハードウェア乱数の取り得る数値は、0〜65535までの全部で65536通りの整数となっている。そして、本実施形態のパチンコ遊技機において、ハードウェア乱数は大当り判定用乱数及び普通当り判定用乱数として使用される。大当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)に用いる乱数である。普通当り判定用乱数は、普通当り抽選(普通当り判定)に用いる乱数である。
また、主制御用RAM40cには、所定の周期(ハードウェア乱数の値が更新される時間よりも長い時間(例えば、4m秒))毎に主制御用CPU40aが行う乱数更新処理によって、値が更新されるソフトウェア乱数が記憶されている。なお、本実施形態のパチンコ遊技機において主制御用RAM40cには、第1のソフトウェア乱数、第2のソフトウェア乱数及び第3のソフトウェア乱数が記憶されており、各ソフトウェア乱数は取り得る数値の範囲が異なる。そして、本実施形態のパチンコ遊技機において、第1のソフトウェア乱数は特別図柄振分用乱数、第2のソフトウェア乱数はリーチ判定用乱数、第3のソフトウェア乱数は変動パターン振分用乱数としてそれぞれ使用される。特別図柄振分用乱数は、第1特別図柄表示装置12又は第2特別図柄表示装置13に確定停止表示させる特別図柄の種類(大当りの種類)を決定する際に用いる乱数である。また、リーチ判定用乱数は、リーチ演出を行うか否かを決定するためのリーチ判定(リーチ抽選)に用いる乱数である。また、変動パターン振分用乱数は、変動パターンを決定する際に用いる乱数である。
また、主制御用ROM40bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、特別図柄変動ゲームが開始してから当該特別図柄変動ゲームが終了するまでの変動時間や、演出表示装置11、装飾ランプLa及びスピーカSpにて行われる演出の演出内容を特定し得る。また、変動パターンには、大当りのときに決定される大当り演出用の変動パターンと、はずれのときに決定されるはずれ演出用の変動パターンと、がある。また、はずれ演出用の変動パターンには、リーチ演出の演出内容を含むはずれリーチ演出用の変動パターンと、リーチ演出を演出内容に含まないはずれ通常演出用の変動パターンと、がある。
また、主制御用ROM40bには、各種の判定値が記憶されている。例えば、主制御用ROM40bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数(ハードウェア乱数)の取り得る数値の中から定められている。なお、確変状態であるときの大当り判定値の個数は、非確変状態であるときの大当り判定値の個数よりも多くなっている。それとともに、確変状態であるときの大当り判定値には、非確変状態であるときの大当り判定値が含まれるように、大当り判定値としての値が定められている。また、主制御用ROM40bには、普通当り判定値が記憶されている。普通当り判定値は、普通当り抽選で用いる判定値であり、普通当り判定用乱数(ハードウェア乱数)の取り得る数値の中から定められている。なお、変短状態であるときの普通当り判定値の個数は、非変短状態であるときの普通当り判定値の個数よりも多くなっている。それとともに、変短状態であるときの普通当り判定値には、非変短状態であるときの普通当り判定値が含まれるように、普通当り判定値としての値が定められている。また、主制御用ROM40bには、リーチ判定値が記憶されている。リーチ判定値は、リーチ抽選で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数(第2のソフトウェア乱数)の取り得る数値の中から定められている。
また、主制御用RAM40cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。例えば、主制御用RAM40cには、確変状態であるか否かを示す値が設定される確変フラグが記憶されている。また、主制御用RAM40cには、確変状態から非確変状態へ切り替わるまでの特別図柄変動ゲームの回数が設定される確変リミッタが記憶されている。
また、主制御用RAM40cには、大当り遊技の生起中に、下大入賞口24へ入球した遊技球が右転動路27へ振り分けられたことを検知した否かを示す値が設定される特典フラグが記憶されている。
また、主制御用RAM40cには、変短状態であるか否かを示す値が設定される作動フラグが記憶されている。また、主制御用RAM40cには、変短状態から非変短状態へ切り替わるまでの特別図柄変動ゲームの回数が設定される作動リミッタが記憶されている。
次に、図4に基づき、演出制御基板41について説明する。
演出制御基板41には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU41aと、演出制御用CPU41aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM41bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM41cが設けられている。また、演出制御用CPU41aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用CPU41aには、装飾ランプLaが接続されている。また、演出制御用CPU41aには、スピーカSpが接続されている。
また、演出制御用ROM41bには、各種画像表示データ(装飾図柄、背景、文字などの画像データ)、各種の発光用データ及び各種の音声用データが記憶されている。
また、演出制御用RAM41cには、所定の周期(ハードウェア乱数の値が更新される時間よりも長い時間)毎に演出制御用CPU41aが行う乱数更新処理によって、値が更新されるソフトウェア乱数が記憶されている。そして、演出制御用CPU41aは、演出制御用RAM41cにて値が更新されるソフトウェア乱数を使用して、各種演出内容(例えば、予告演出などの種類)の決定(選択)を行う。
次に、主制御基板40の主制御用CPU40aが、主制御用ROM40bに記憶されている制御プログラムにしたがって実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理、普通図柄入力処理、普通図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU40aは、所定の制御周期毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理、普通図柄入力処理、普通図柄開始処理などの各種処理を実行する。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
特別図柄入力処理において主制御用CPU40aは、第1始動入賞装置15に遊技球が入球したか否かの第1入球判定を行う。第1入球判定において主制御用CPU40aは、第1始動口スイッチSW1が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力したか否かを判定する。そして、第1入球判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU40aは、後から説明する第2入球判定に係る処理へと進む。一方、第1入球判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている第1保留記憶数が上限数の4未満であるか否かの第1保留上限判定を行う。そして、第1保留上限判定の判定結果が否定(第1保留記憶数=4)の場合、主制御用CPU40aは、後から説明する第2入球判定に係る処理へと進む。
一方、第1保留上限判定の判定結果が肯定(第1保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU40aは、第1保留記憶数に1加算し、第1保留記憶数を書き換える。このとき主制御用CPU40aは、1加算後の第1保留記憶数を表すように第1特別図柄保留表示装置19を形成する第1保留発光部の点灯態様を制御する。続いて、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40c及び乱数生成器40dから各種乱数の値を取得し、主制御用RAM40cの所定の記憶領域(第1保留記憶数に対応する記憶領域)に記憶する。このとき主制御用CPU40aは、乱数生成器40dから大当り判定用乱数の値を取得し、主制御用RAM40cから特別図柄振分用乱数、リーチ判定用乱数及び変動パターン振分用乱数の値を取得する。その後、主制御用CPU40aは、第2入球判定に係る処理へと進む。
第2入球判定に係る処理を行うとき、主制御用CPU40aは、第2始動入賞装置17に遊技球が入球したか否かの第2入球判定を行う。第2入球判定において主制御用CPU40aは、第2始動口スイッチSW2が遊技球を検知した際に出力する検知信号を入力したか否かを判定する。そして、第2入球判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU40aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、第2入球判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている第2保留記憶数が上限数の4未満であるか否かの第2保留上限判定を行う。そして、第2保留上限判定の判定結果が否定(第2保留記憶数=4)の場合、主制御用CPU40aは、特別図柄入力処理を終了する。
一方、第2保留上限判定の判定結果が肯定(第2保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU40aは、第2保留記憶数に1加算し、第2保留記憶数を書き換える。このとき主制御用CPU40aは、1加算後の第2保留記憶数を表すように第2特別図柄保留表示装置20を形成する第2保留発光部の点灯態様を制御する。続いて、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40c及び乱数生成器40dから各種乱数の値を取得し、主制御用RAM40cの所定の記憶領域(第2保留記憶数に対応する記憶領域)に記憶する。このとき主制御用CPU40aは、乱数生成器40dから大当り判定用乱数の値を取得し、主制御用RAM40cから特別図柄振分用乱数、リーチ判定用乱数及び変動パターン振分用乱数の値を取得する。その後、主制御用CPU40aは、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
特別図柄開始処理において主制御用CPU40aは、特別図柄変動ゲーム中又は大当り遊技中であるか否かの実行中判定を行う。この実行中判定の判定結果が肯定の場合、つまり、特別図柄変動ゲーム中又は大当り遊技中である場合、主制御用CPU40aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、実行中判定の判定結果が否定の場合、つまり、特別図柄変動ゲーム中でなく且つ大当り遊技中でもない場合、主制御用CPU40aは、第2保留記憶数を読み出し、当該第2保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かの第2保留有無判定を行う。この第2保留有無判定の判定結果が肯定(第2保留記憶数>0)の場合、主制御用CPU40aは、第2特別図柄変動ゲームの実行に係る第2特別図柄変動処理を行う。一方、第2保留有無判定の判定結果が否定(第2保留記憶数=0)の場合、主制御用CPU40aは、第1保留記憶数を読み出し、当該第1保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かの第1保留有無判定を行う。この第1保留有無判定の判定結果が肯定(第1保留記憶数>0)の場合、主制御用CPU40aは、第1特別図柄変動ゲームの実行に係る第1特別図柄変動処理を行う。一方、第1保留有無判定の判定結果が否定(第1保留記憶数=0)の場合、主制御用CPU40aは、特別図柄開始処理を終了する。
ここで、第1特別図柄変動処理について説明する。
第1特別図柄変動処理を行う際(第2保留記憶数=0、第1保留記憶数>0)、主制御用CPU40aは、第1保留記憶数を1減算する。このとき、主制御用CPU40aは、減算後の第1保留記憶数を表すように第1特別図柄保留表示装置19を形成する第1保留発光部の点灯態様を制御する。その後、主制御用CPU40aは、所定の記憶領域に記憶されている各種乱数(大当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数、リーチ判定用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を読み出す第1の乱数読出処理を行う。そして、主制御用CPU40aは、大当りか否かの大当り判定(大当り抽選)を行う。このとき主制御用CPU40aは、第1の乱数読出処理にて読み出した大当り判定用乱数の値が、主制御用ROM40bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する。また、主制御用CPU40aは、確変状態であるときには確変状態における大当り判定値を用いて大当り抽選を行い、非確変状態であるときには非確変状態における大当り判定値を用いて大当り抽選を行う。なお、第1特別図柄変動処理における大当り抽選は、第1特別図柄変動ゲームを実行する際の大当り抽選(第1特別図柄変動ゲームに係る大当り抽選)に相当する。
そして、第1特別図柄変動処理における大当り抽選に当選した場合、主制御用CPU40aは、第1の乱数読出処理にて読み出した特別図柄振分用乱数の値に基づき第1特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄として大当り図柄を決定する。このとき主制御用CPU40aは、50%の確率で特別図柄Za1、50%の確率で特別図柄Za2を決定する。この大当り図柄の決定によって、大当りの種類が決定されることになる。その後、主制御用CPU40aは、第1の乱数読出処理にて読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類の大当り演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。
一方、第1特別図柄変動処理における大当り抽選に非当選の場合、主制御用CPU40aは、リーチ演出を行うか否かのリーチ判定(リーチ抽選)を行う。このとき主制御用CPU40aは、第1の乱数読出処理にて読み出したリーチ判定用乱数の値が、主制御用ROM40bに記憶されているリーチ判定値と一致するか否かを判定する。そして、第1特別図柄変動処理におけるリーチ抽選に当選した場合、主制御用CPU40aは、第1特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。その後、主制御用CPU40aは、第1の乱数読出処理にて読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類のはずれリーチ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。
一方、第1特別図柄変動処理におけるリーチ抽選に非当選の場合、主制御用CPU40aは、第1特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。その後、主制御用CPU40aは、第1の乱数読出処理にて読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類のはずれ通常演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。
また、第1特別図柄変動処理にて変動パターンを決定すると、主制御用CPU40aは、演出制御用CPU41aに対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等の各種処理を行う。具体的には、主制御用CPU40aは、変動パターンを指定するとともに、装飾図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。同時に、主制御用CPU40aは、特別図柄を変動表示させて第1特別図柄変動ゲームを開始するように第1特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。また、主制御用CPU40aは、第1特別図柄変動ゲームの変動時間の計測を開始するとともに、確定停止表示させる特別図柄を指定する特別図柄指定コマンドを演出制御用CPU41aに出力する。その後、主制御用CPU40aは、第1特別図柄変動処理及び特別図柄開始処理を終了する。
また、特別図柄開始処理とは別の処理において、主制御用CPU40aは、指定した変動パターンに定められている変動時間の経過時、確定停止表示させる特別図柄として決定した特別図柄を確定停止表示させるように第1特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。また、主制御用CPU40aは、指定した変動パターンに定められている変動時間の経過時、装飾図柄変動ゲームを終了させるための終了コマンドを出力する。
次に、第2特別図柄変動処理について説明する。
第2特別図柄変動処理を行う際(第2保留記憶数>0)、主制御用CPU40aは、第2保留記憶数を1減算する。このとき、主制御用CPU40aは、減算後の第2保留記憶数を表すように第2特別図柄保留表示装置20を形成する第2保留発光部の点灯態様を制御する。その後、主制御用CPU40aは、所定の記憶領域に記憶されている各種乱数(大当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数、リーチ判定用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を読み出す第2の乱数読出処理を行う。そして、主制御用CPU40aは、大当りか否かの大当り判定(大当り抽選)を行う。このとき主制御用CPU40aは、第1特別図柄変動処理と同様、第2の乱数読出処理にて読み出した大当り判定用乱数の値が、主制御用ROM40bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する。また、主制御用CPU40aは、確変状態であるときには確変状態における大当り判定値を用いて大当り抽選を行い、非確変状態であるときには非確変状態における大当り判定値を用いて大当り抽選を行う。なお、第2特別図柄変動処理における大当り抽選は、第2特別図柄変動ゲームを実行する際の大当り抽選(第2特別図柄変動ゲームに係る大当り抽選)に相当する。
そして、第2特別図柄変動処理における大当り抽選に当選した場合、主制御用CPU40aは、第2の乱数読出処理にて読み出した特別図柄振分用乱数の値に基づき第2特別図柄表示装置13に確定停止表示させる特別図柄として大当り図柄を決定する。このとき主制御用CPU40aは、100%の確率で特別図柄Zbを決定する。この大当り図柄の決定によって、大当りの種類が決定されることになる。その後、主制御用CPU40aは、第2の乱数読出処理にて読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類の大当り演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。
一方、第2特別図柄変動処理における大当り抽選に非当選の場合、主制御用CPU40aは、リーチ演出を行うか否かのリーチ判定(リーチ抽選)を行う。このとき主制御用CPU40aは、第2の乱数読出処理にて読み出したリーチ判定用乱数の値が、主制御用ROM40bに記憶されているリーチ判定値と一致するか否かを判定する。そして、第2特別図柄変動処理におけるリーチ抽選に当選した場合、主制御用CPU40aは、第2特別図柄表示装置13に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。その後、主制御用CPU40aは、第2の乱数読出処理にて読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類のはずれリーチ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。
一方、第2特別図柄変動処理におけるリーチ抽選に非当選の場合、主制御用CPU40aは、第2特別図柄表示装置13に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。その後、主制御用CPU40aは、第2の乱数読出処理にて読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類のはずれ通常演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。
また、第2特別図柄変動処理にて変動パターンを決定すると、主制御用CPU40aは、演出制御用CPU41aに対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等の各種処理を行う。具体的には、主制御用CPU40aは、変動パターンを指定するとともに、装飾図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。同時に、主制御用CPU40aは、特別図柄を変動表示させて第2特別図柄変動ゲームを開始するように第2特別図柄表示装置13の表示内容を制御する。また、主制御用CPU40aは、第2特別図柄変動ゲームの変動時間の計測を開始するとともに、確定停止表示させる特別図柄を指定する特別図柄指定コマンドを演出制御用CPU41aに出力する。その後、主制御用CPU40aは、第2特別図柄変動処理及び特別図柄開始処理を終了する。
また、特別図柄開始処理とは別の処理において、主制御用CPU40aは、指定した変動パターンに定められている変動時間の経過時、確定停止表示させる特別図柄として決定した特別図柄を確定停止表示させるように第2特別図柄表示装置13の表示内容を制御する。また、主制御用CPU40aは、指定した変動パターンに定められている変動時間の経過時、装飾図柄変動ゲームを終了させるための終了コマンドを出力する。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機において、特別図柄変動ゲームが大当りとなるか否かの大当り抽選が、変動ゲームが当りとなるか否かの当り抽選に相当する。このため、特別図柄開始処理にて大当り抽選を行う主制御用CPU40aが、本実施形態において当り抽選手段として機能する。
次に、大当り抽選に当選した場合に、当該当選の対象となる特別図柄変動ゲームの終了後、主制御用CPU40aが行う大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理において主制御用CPU40aは、最初にオープニング演出の実行を指示するオープニングコマンドを演出制御用CPU41aに出力するとともに、オープニング時間を計測する。次に、主制御用CPU40aは、オープニング時間の経過後、各ラウンド遊技を制御する。このとき主制御用CPU40aは、決定した大当りの種類に基づく開閉態様で大入賞口22,24の開放及び閉鎖を制御する。また、各ラウンド遊技の開始時において、ラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドを演出制御用CPU41aに出力する。
このとき、主制御用CPU40aは、特別図柄Za1に対応する大当り又は特別図柄Zbに対応する大当りを生起させている場合、ラウンド遊技終了後から「2秒」のラウンドインターバルを計測し、当該ラウンドインターバルの経過後に次のラウンド遊技を開始する。また、主制御用CPU40aは、非変短状態であるときに大当りとなって特別図柄Za2に対応する大当りを生起させている場合、ラウンド遊技終了後から「2秒」のラウンドインターバルを計測し、当該ラウンドインターバルの経過後に次のラウンド遊技を開始する。また、主制御用CPU40aは、変短状態であるときに大当りとなって特別図柄Za2に対応する大当りを生起させている場合、ラウンド遊技終了後から「5秒」のラウンドインターバルを計測し、当該ラウンドインターバルの経過後に次のラウンド遊技を開始する。
そして、主制御用CPU40aは、最終回(本実施形態では、16回目)のラウンド遊技終了後のラウンドインターバルの経過後、エンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを演出制御用CPU41aに出力するとともに、エンディング時間を計測する。その後、主制御用CPU40aは、エンディング時間の経過後、大当り遊技を終了させる。このように、本実施形態において、特別入賞手段としての大入賞口22,24を開閉させることによって、当り遊技状態となる大当り遊技を生起させる主制御用CPU40aが、当り生起手段として機能する。
次に、確変状態や変短状態などの各種遊技状態の設定を行うために主制御用CPU40aが行う情報設定処理について説明する。
主制御用CPU40aは、特典スイッチSW5が遊技球を検知した際に出力する検知信号を入力すると、特典フラグに「下大入賞口24へ入球した遊技球が右転動路27へ振り分けられたことを示す値」を設定する。
また、主制御用CPU40aは、大当り遊技を生起させる際、確変フラグには「非確変状態であることを示す値」を設定し、作動フラグには「非変短状態であることを示す値」を設定する。それとともに、主制御用CPU40aは、確変リミッタをリセットする(「0(零)」を設定する)とともに、作動リミッタをリセットする(「0(零)」を設定する)。
また、主制御用CPU40aは、大当り遊技を終了させる際、特典フラグに「下大入賞口24へ入球した遊技球が右転動路27へ振り分けられたことを示す値」が設定されている場合には、確変フラグに「確変状態であることを示す値」を設定するとともに、確変リミッタに確変上限回数である「50」を設定する。それとともに、主制御用CPU40aは、特典フラグに「下大入賞口24へ入球した遊技球が右転動路27へ振り分けられていないことを示す値」を設定する。
また、主制御用CPU40aは、大当り遊技を終了させる際、特典フラグに「下大入賞口24へ入球した遊技球が右転動路27へ振り分けられたことを示す値」が設定されている場合には、作動フラグに「変短状態であることを示す値」を設定するとともに、作動リミッタに変短上限回数である「50」を設定する。
また、主制御用CPU40aは、特別図柄変動ゲームの終了時、確変リミッタに設定された値が「0(零)」よりも大きい値である場合、確変リミッタから1減算し、確変リミッタに設定された値を書き換える。また、減算後の確変リミッタの値が「0(零)」となった場合、主制御用CPU40aは、確変フラグに「非確変状態であることを示す値」を設定する。
また、主制御用CPU40aは、特別図柄変動ゲームの終了時、作動リミッタに設定された値が「0(零)」よりも大きい値である場合、作動リミッタから1減算し、作動リミッタに設定された値を書き換える。また、減算後の作動リミッタの値が「0(零)」となった場合、主制御用CPU40aは、作動フラグに「非変短状態であることを示す値」を設定する。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機では、確変状態及び変短状態が遊技者にとって有利な特典に相当し、確変状態となることが特典の付与に相当する。そして、本実施形態のパチンコ遊技機において、確変フラグに「確変状態であることを示す値」を設定することにより、特典を付与する主制御用CPU40aが、特典付与手段として機能する。また、本実施形態のパチンコ遊技機において大当り遊技終了後が確変状態となるためには、下大入賞口24へ入球した遊技球が右転動路27を転動する必要がある。このため、下大入賞口24への遊技球の入球により当該遊技球が入球可能となる右転動路27が、本実施形態において付与決定契機手段に相当する。また、本実施形態において作動フラグに「変短状態であることを示す値」を設定することにより入球率向上状態としての変短状態とする(生起させる)主制御用CPU40aが、入球率向上状態生起手段として機能する。また、本実施形態のパチンコ遊技機においては、右転動路27への遊技球が振り分けられることによって大当り遊技終了後が変短状態となるため、変短状態となることも、特典が付与されることに相当する。
次に、普通図柄入力処理について説明する。
普通図柄入力処理において主制御用CPU40aは、ゲート30へ遊技球が入球したか否かのゲート入球判定を行う。主制御用CPU40aは、ゲートスイッチSW6が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力したか否かを判定することで、ゲート入球判定を行う。そして、ゲート入球判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU40aは、普通図柄入力処理を終了する。一方、ゲート入球判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている普通保留記憶数が上限数の4未満であるか否かの普通保留上限判定を行う。そして、普通保留上限判定の判定結果が否定(普通保留記憶数=4)の場合、主制御用CPU40aは、普通図柄入力処理を終了する。
一方、普通保留上限判定の判定結果が肯定(普通保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU40aは、普通保留記憶数に1加算し、普通保留記憶数を書き換える。このとき主制御用CPU40aは、1加算後の普通保留記憶数を表すように普通図柄保留表示装置31を形成する普通保留発光部の点灯態様を制御する。続いて、主制御用CPU40aは、乱数生成器40dから普通当り判定用乱数の値を取得し、主制御用RAM40cの所定の記憶数(普通保留記憶数に対応する記憶領域)に記憶する。その後、主制御用CPU40aは、普通図柄入力処理を終了する。
次に、普通図柄開始処理について説明する。
普通図柄開始処理において主制御用CPU40aは、普通図柄変動ゲーム中又は普通当り遊技中であるか否かの普通図柄実行中判定を行う。この普通図柄実行中判定の判定結果が肯定の場合、つまり、普通図柄変動ゲーム中又は普通当り遊技中である場合、主制御用CPU40aは、普通図柄開始処理を終了する。一方、普通図柄実行中判定の判定結果が否定の場合、つまり、普通図柄変動ゲーム中でなく且つ普通当り遊技中でもない場合、主制御用CPU40aは、普通保留記憶数を読み出し、当該普通保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かの普通保留有無判定を行う。この普通保留有無判定の判定結果が否定(普通保留記憶数=0)の場合、主制御用CPU40aは、普通図柄開始処理を終了する。一方、普通保留有無判定の判定結果が肯定(普通保留記憶数>0)の場合、主制御用CPU40aは、普通保留記憶数を1減算する。このとき、主制御用CPU40aは、減算後の普通保留記憶数を表すように普通図柄保留表示装置31を形成する普通保留発光部の点灯態様を制御する。
その後、主制御用CPU40aは、所定の記憶領域に記憶されている普通当り判定用乱数の値を読み出し、当該値が主制御用ROM40bに記憶されている普通当り判定値と一致するか否かの普通当り判定(普通当り抽選)を行う。このとき、主制御用CPU40aは、変短状態であるときには変短状態における普通当り判定値を用いて普通当り抽選を行い、非変短状態であるときには非変短状態における普通当り判定値を用いて普通当り抽選を行う。
そして、普通当り抽選に当選した場合、主制御用CPU40aは、普通図柄変動ゲームの終了時に普通図柄表示装置29に確定停止表示させる普通図柄として普通当り図柄を決定する。一方、普通当り抽選に非当選した場合、主制御用CPU40aは、普通図柄変動ゲームの終了時に普通図柄表示装置29に確定停止表示させる普通図柄として普通はずれ図柄を決定する。また、普通図柄表示装置29に確定停止表示させる普通図柄を決定した主制御用CPU40aは、普通図柄変動ゲームの変動時間を決定する。このとき、主制御用CPU40aは、変短状態であるときには、非変短状態であるときよりも普通図柄変動ゲームの変動時間として短い時間を決定する。
その後、主制御用CPU40aは、普通図柄変動ゲームにかかわる各種処理を行う。具体的には、主制御用CPU40aは、普通図柄を変動表示させて普通図柄変動ゲームを開始するように普通図柄表示装置29の表示内容を制御する。また、主制御用CPU40aは、普通図柄変動ゲームの変動時間の計測を開始する。そして、主制御用CPU40aは、普通図柄開始処理を終了する。
また、普通図柄開始処理とは別の処理において、主制御用CPU40aは、決定した変動時間の経過時、確定停止表示させる普通図柄として決定した普通図柄を確定停止表示させるように普通図柄表示装置29の表示内容を制御する。
また、主制御用CPU40aは、普通当り抽選に当選した場合、当該当選の対象とする普通図柄変動ゲームの終了後、第2始動入賞装置17の開放状態及び閉鎖状態を制御し、普通当り遊技を生起(付与)する。なお、主制御用CPU40aは、普通当り遊技の生起時が変短状態である場合には、非変短状態である場合と比較して、第2始動入賞装置17を開放状態とする時間を長くする。本実施形態のパチンコ遊技機における非変短状態であるときの普通当り遊技では、「0.2秒」が経過するまでの間、第2始動入賞装置17が開放状態となる。一方、本実施形態のパチンコ遊技機における変短状態であるときの普通当り遊技では、「2秒」が経過するまでの間、第2始動入賞装置17が開放状態となる。
因みに、第2始動入賞装置17の1回あたりの開放状態となる時間を変短状態であるか否かに応じて変化させなくても、1回の普通当り抽選の当選に対して第2始動入賞装置17が開放状態となる回数を多くすれば、第2始動入賞装置17が開放状態となる時間を長くすることができる。また、1回の普通当り抽選の当選に対して第2始動入賞装置17が開放状態となる回数を変短状態であるか否かに応じて変化させなくても、第2始動入賞装置17が開放状態となる1回あたりの時間を長くすれば、第2始動入賞装置17が開放状態となる時間を長くすることができる。当然、非変短状態であるときよりも1回の普通当り抽選の当選に対して第2始動入賞装置17が開放状態となる回数を多くするとともに、第2始動入賞装置17が開放状態となる1回あたりの時間を長くすれば、変短状態において第2始動入賞装置17が開放状態となる時間を長くすることができる。
次に、演出制御基板41の演出制御用CPU41aが、演出制御用ROM41bに記憶されている制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
演出制御用CPU41aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドの指示内容に応じて演出表示装置11に確定停止表示させる装飾図柄の組み合わせ(表示結果)を決定する。具体的には、演出制御用CPU41aは、大当り演出用の変動パターンが指定された場合、大当りの図柄組み合わせ(例えば、[222]や[777])の中から確定停止表示させる装飾図柄の組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU41aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指定された場合、リーチの図柄組み合わせを含むはずれの図柄組み合わせ(例えば、[323]や[676])の中から確定停止表示させる装飾図柄の組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU41aは、はずれ演出用の変動パターンが指定された場合、はずれの図柄組み合わせ(例えば、[122]や[426])の中から確定停止表示させる装飾図柄の組み合わせを決定する。
また、演出制御用CPU41aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、各列の装飾図柄を変動表示させて装飾図柄変動ゲームを開始するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU41aは、終了コマンドを入力すると、確定停止表示させる装飾図柄の組み合わせ(表示結果)を確定停止表示させて装飾図柄変動ゲームを終了するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU41aは、指定された変動パターンに基づき、装飾ランプLaの発光態様を制御する。また、演出制御用CPU41aは、指定された変動パターンに基づき、スピーカSpの音声出力態様を制御する。
本実施形態のパチンコ遊技機では、第1特別図柄表示装置12における第1特別図柄変動ゲームの実行を制御する主制御用CPU40aと、当該第1特別図柄変動ゲームの実行に伴う装飾図柄変動ゲームの実行を制御する演出制御用CPU41aが、ゲーム制御手段として機能する。同様に、本実施形態のパチンコ遊技機では、第2特別図柄表示装置13における第2特別図柄変動ゲームの実行を制御する主制御用CPU40aと、当該第2特別図柄変動ゲームの実行に伴う装飾図柄変動ゲームの実行を制御する演出制御用CPU41aが、ゲーム制御手段として機能する。
また、演出制御用CPU41aは、オープニングコマンドを入力すると、特別図柄指定コマンドから特定可能な大当りの種類に対応する演出内容のオープニング演出を実行するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU41aは、最初のラウンドコマンドを入力すると、エンディングコマンドを入力するまでの間、特別図柄指定コマンドから特定可能な大当りの種類に対応する演出内容のラウンド演出を実行するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU41aは、エンディングコマンドを入力すると、特別図柄指定コマンドから特定可能な大当りの種類に対応する演出内容のエンディング演出を実行するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU41aは、オープニングコマンド、各ラウンドコマンド、エンディングコマンドを入力すると、演出表示装置11の他に、装飾ランプLaの発光態様及びスピーカSpの音声出力態様を制御する。
次に、振分シャッタFsの振分態様(動作態様、位置)の制御について説明する。
主制御用ROM40bには、動作情報としての振分パターンが記憶されている。振分パターンは、大当り遊技における16回目のラウンド遊技が開始してから振分シャッタFsの振分態様(動作態様、位置)を特定し得る。また、本実施形態のパチンコ遊技機において、主制御用ROM40bに記憶されている振分パターンは1種類となっている。
以下、図5に基づき、振分パターンに基づく振分シャッタFsの振分態様(動作態様、位置)について説明する。
振分パターンには、右振分位置に振分シャッタFsの位置を制御すること及び停留位置に振分シャッタFsの位置を制御することが定められている。振分パターンに基づき振分シャッタFsの振分態様が制御される場合、0.2秒が経過するまで右振分位置に振分シャッタFsの位置が制御された後、4秒が経過するまで停留位置に振分シャッタFsの位置が制御され、その後、右振分位置に振分シャッタFsの位置が制御され続ける。
なお、振分シャッタFsが停留位置から右振分位置に制御されるまでの時間(本実施形態のパチンコ遊技機では、「4.2秒(=0.2秒+4秒)」)という時間は、入球上限個数(本実施形態では、「9個」)の遊技球が下大入賞口24に入球しない時間としている。
因みに、本実施形態のパチンコ遊技機では、1分間あたりの遊技球の発射個数が約100個に設定されている。したがって、遊技球を1個発射させるために要する時間は、「0.6秒」となる。この結果、下大入賞口24が開放されると同時に下大入賞口24へ遊技球が入球したとしても、残り8個の遊技球が下大入賞口24へ入球するのに要する最短時間は、発射された全ての遊技球が下大入賞口24へ入球したとしても、「4.8秒(=0.6×(9−1))」と想定できる。したがって、振分シャッタFsが停留位置から右振分位置に制御されるまでの時間となる「4.2秒」という時間は、入球上限個数の遊技球が下大入賞口24へ入球するのに要すると想定できる最短時間「4.8秒」よりも短い時間となる。
次に、主制御用CPU40aが行う振分シャッタFsの振分態様(動作態様、位置)にかかる制御について説明する。
主制御用CPU40aは、下大入賞口24の開放を開始するタイミング(閉鎖状態から開放状態となるタイミング)に応じた開始時点から、主制御用ROM40bに記憶されている振分パターンに基づき振分シャッタFsの振分態様を制御する。本実施形態におけるパチンコ遊技機では、主制御用CPU40aは、下大入賞口24を開放させて16回目のラウンド遊技を開始するタイミングから振分パターンに基づき、振分シャッタFsの位置を制御する。
また、主制御用CPU40aは、下大入賞口24の開放が終了して閉鎖した後のラウンドインターバルが終了するよりも前に定められる終了時点に到達したことを契機に、振分パターンに基づく振分シャッタFsの制御を終了する。また、主制御用CPU40aは、終了時点に到達すると、振分シャッタFsの位置を左振分位置に制御する。つまり、主制御用CPU40aは、振分パターンに基づき振分シャッタFsを制御しているときに終了時点に到達すると、当該振分パターンに基づく振分シャッタFsの制御から、振分シャッタFsを左振分位置とする制御に切り替える。また、本実施形態における「終了時点」は、振分パターンに基づく制御が終了する時点を意味しており、ラウンドインターバルやラウンド遊技が終了する時点を意味するものではない。
本実施形態のパチンコ遊技機では、終了時点をラウンドインターバルが終了する0.2秒前の時点に定めている。したがって、主制御用CPU40aは、振分パターンに基づき振分シャッタFsの制御中、計測しているラウンドインターバルが残り0.2秒となったことを契機に、振分シャッタFsの位置を左振分位置に制御する。つまり、振分シャッタFsが停留位置に制御されているときに終了時点に到達すると、振分シャッタFsの位置が左振分位置に制御されるため、中央転動路25に遊技球が停留されていれば、当該遊技球が左転動路26へ振り分けられることになる。このように、振分手段としての振分シャッタFsの振分態様(動作態様)を制御する主制御用CPU40aが、本実施形態において振分制御手段として機能する。また、本実施形態において、下大入賞口24の開放が終了して閉鎖した後のラウンドインターバルの計測中に下大入賞口24を閉鎖させる制御が、「特別入賞手段が開放状態から閉鎖状態となった後の当該特別入賞手段の閉鎖状態の制御」に相当する。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機において大当り遊技が生起された際の振分シャッタFsの振分態様(動作態様)について、その作用とともに説明する。
まず、図6に基づき、特別図柄Za1に対応する大当り又は特別図柄Zbに対応する大当りが生起された際の振分シャッタFsの振分態様について説明する。なお、特別図柄Za1に対応する大当り及び特別図柄Zbに対応する大当りが生起された際に、振分シャッタFsが動作するのは最終回(16回目)のラウンド遊技となる。このため、図6では、特別図柄Za1に対応する大当り又は特別図柄Zbに対応する大当りにおける最終回のラウンド遊技の振分シャッタFsの振分態様のみを示す。
図6に示すように、最終回のラウンド遊技において下大入賞口24は、25秒が経過するまでの間、又は入球上限個数となる9個の遊技球が下大入賞口24へ入球するまでの間、開放される。そして、最終回のラウンド遊技が終了すると、2秒間のラウンドインターバルが開始され、当該ラウンドインターバルが終了する0.2秒前の終了時点に到達すると、振分シャッタFsは左振分位置へと制御される。
なお、振分パターンに基づき振分シャッタFsの振分態様が制御されているとき、振分シャッタFsが停留位置に制御されている際(最終回のラウンド遊技開始から4.2秒以内)に入球上限個数9個の遊技球が下大入賞口24へ入球することは通常はあり得ない。たとえ、振分シャッタFsが停留位置に制御されているときに入球上限個数分の遊技球が入球した場合であっても、入球上限個数分の遊技球が下大入賞口24へ入球してラウンド遊技が終了したとしても、終了時点に到達するまでに少なくとも「1.8秒」は要する。したがって、振分シャッタFsが停留位置に制御されている間に終了時点に到達するには、「2.4秒(=4.2−1.8)」以内に入球上限個数の遊技球を下大入賞口24に入球させてラウンド遊技を終了させる必要がある。しかしながら、「4.2秒」以内に入球上限個数分の遊技球を下大入賞口24へ入球させることが通常ではあり得ない以上、それよりも短い「2.4秒」以内に入球上限個数分の遊技球を下大入賞口24へ入球させることは不可能といえる。したがって、入球上限個数分の遊技球が下大入賞口24へ入球したことを条件にラウンド遊技を終了される場合、終了時点(振分パターンに基づく制御から左振分位置への制御に切り替わる時点)は、原則として、振分シャッタFsが停留位置から右振分位置に制御された後の時点となる。
このため、特別図柄Za1に対応する大当り又は特別図柄Zbに対応する大当りが生起された際には、下大入賞口24へ遊技球を入球させることができれば、少なくとも1個の遊技球は振分シャッタFsが右振分位置に動作することによって右転動路27へ振り分けられる。つまり、特典スイッチSW5によって遊技球の検知がなされることから、特別図柄Za1に対応する大当り又は特別図柄Zbに対応する大当りの終了後は、確変状態となるとともに、変短状態となる。
次に、図7(a)に基づき、非変短状態であるときに特別図柄Za2に対応する大当りが生起された際の振分シャッタFsの振分態様について説明する。なお、特別図柄Za2に対応する大当りが生起された際に、振分シャッタFsが動作するのは最終回(16回目)のラウンド遊技となる。このため、図7(a)では、特別図柄Za2に対応する大当りにおける最終回のラウンド遊技の振分シャッタFsの振分態様のみを示す。
図7(a)に示すように、最終回のラウンド遊技において下大入賞口24は、1秒が経過するまでの間、又は入球上限個数となる9個の遊技球が下大入賞口24へ入球するまでの間、開放される。そして、最終回のラウンド遊技が終了すると、2秒間のラウンドインターバルが開始され、当該ラウンドインターバルが終了する0.2秒前の終了時点に到達すると、振分シャッタFsは左振分位置へと制御される。
なお、前述したように、下大入賞口24が1秒間だけ開放しても、当該開放中に入球上限個数の遊技球を下大入賞口24へ入球させることは不可能である。このため、非変短状態であるときに生起された特別図柄Za2に対応する大当りの最終回のラウンド遊技は、1秒が経過するまで下大入賞口24が開放した後、2秒間のラウンドインターバルが開始されることになる。つまり、終了時点は、最終回のラウンド遊技が開始されてから「2.8秒(=1+1.8)」が経過した時点となる。したがって、振分パターンに基づく振分シャッタFsの制御が終了されて、当該振分シャッタFsが左振分位置に制御される時点(終了時点)は、振分シャッタFsが停留位置に制御されている時点となる。
また、前述したように、下大入賞口24の開放と同時に、当該下大入賞口24へ遊技球が入球したとしても、当該遊技球が振分シャッタFsの位置まで到達するのに要する時間が0.2秒以上である。このため、下大入賞口24の開放と同時に遊技球を入球させたとしても、当該遊技球は右転動路27へ振り分けられることなく、中央転動路25に停留する又は回避路28へ転動することになる。すなわち、本実施形態において振分パターンに基づき振分シャッタFsが制御される際には、「4.2秒」が経過するまでは下大入賞口24に入球した遊技球が停留されることとなる。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機では、振分パターンに基づき振分シャッタFsが制御される際に、停留位置から右振分位置に振分シャッタFsの位置が動作するまでの「4.2秒」が、切替時間に相当する。
このようなことから、非変短状態であるときに特別図柄Za2に対応する大当りが生起された際には、下大入賞口24へ遊技球させたとしても、当該遊技球が右転動路27へ振り分けられることはない。つまり、特典スイッチSW5によって遊技球の検知がなされないことから、非変短状態であるときに生起された特別図柄Za2に対応する大当りの終了後は、非確変状態となるとともに、非変短状態となる。
次に、図7(b)に基づき、変短状態であるときに特別図柄Za2に対応する大当りが生起された際の振分シャッタFsの振分態様について説明する。なお、図7(b)では、図7(a)と同様、特別図柄Za2に対応する大当りにおける最終回(16回目)のラウンド遊技の振分シャッタFsの振分態様のみを示す。
図7(b)に示すように、最終回のラウンド遊技において下大入賞口24は、1秒が経過するまでの間、又は入球上限個数となる9個の遊技球が下大入賞口24へ入球するまでの間、開放される。そして、最終回のラウンド遊技が終了すると、5秒間のラウンドインターバルが開始され、当該ラウンドインターバルが終了する0.2秒前の終了時点に到達すると、振分シャッタFsは左振分位置へと制御される。
なお、前述したように、下大入賞口24が1秒だけ開放しても、当該開放中の入球上限個数の遊技球を下大入賞口24へ入球させることは不可能である。このため、変短状態であるときに生起された特別図柄Za2に対応する大当りの最終回のラウンド遊技は、1秒が経過するまで下大入賞口24が開放した後、5秒間のラウンドインターバルが開始されることになる。つまり、終了時点は、ラウンド遊技が開始されてから「5.8秒(=1+4.8)」が経過した時点となる。したがって、振分パターンに基づく振分シャッタFsの制御が終了されて、当該振分シャッタFsが左振分位置に制御される時点(終了時点)は、振分シャッタFsが停留位置から右振分位置に制御された後の時点となる。
このため、変短状態であるときに特別図柄Za2に対応する大当りが生起された際には、下大入賞口24へ遊技球を入球させることができれば、当該遊技球は振分シャッタFsによって中央転動路25に停留された後、振分シャッタFsが振分パターンに基づいて右振分位置へ動作することによって右転動路27へ振り分けられることになる。つまり、特典スイッチSW5によって遊技球の検知がなされることから、変短状態であるときに生起された特別図柄Za2に対応する大当りの終了後は、確変状態となるとともに、変短状態となる。
纏めると、特別図柄Za1に対応する大当り又は特別図柄Zbに対応する大当りが生起された際には、当該大当り遊技の終了後が確変状態となる。また、非変短状態であるときに特別図柄Za2に対応する大当りが生起された際には、当該大当り遊技の終了後が非確変状態となる。一方、変短状態であるときに特別図柄Za2に対応する大当りが生起された際には、当該大当り遊技の終了後が確変状態となる。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機では、特別図柄Za1又は特別図柄Zbを決定すること、及び、変短状態であるときに特別図柄Za2を決定することは、大当り遊技の終了後を確変状態とすること、つまり、特典を付与することを許容することに相当する。一方、非変短状態であるときに特別図柄Za2を決定することは、大当り遊技の終了後を確変状態としないこと、つまり、特典の付与することを許容しないことに相当する。このため、本実施形態のパチンコ遊技機では、特別図柄を決定することによって大当りの種類を決定する主制御用CPU40aが、特典許容決定手段として機能する。
また、前述したように、本実施形態のパチンコ遊技機において振分パターンに基づき振分シャッタFsが制御される際に停留位置から右振分位置に振分シャッタFsの位置が動作するまでの「4.2秒」が、切替時間に相当する。このため、特別図柄Za1に対応する大当り、特別図柄Zbに対応する大当り及び変短状態であるときに生起される特別図柄Za2に対応する大当りでは、切替時間の経過後に終了時点が定められていることになる。また、非変短状態であるときに生起される特別図柄Za2に対応する大当りでは、切替時間の経過前に終了時点が定められていることになる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、特別図柄Za2に対応する大当りが特定当り遊技状態に相当する。そして、非変短状態であるときに生起される特別図柄Za2に対応する大当り(ラウンドインターバル「2秒」)が第1の特定当り遊技状態に相当し、変短状態であるときに生起される特別図柄Za2に対応する大当り(ラウンドインターバル「5秒」)が第2の特定当り遊技状態に相当する。つまり、特別図柄Za2に対応する大当りにおいて、ラウンドインターバル「2秒」は切替時間の経過前に終了時点が定められるような時間に相当し、ラウンドインターバル「5秒」は切替時間の経過後に終了時点が定められるような時間に相当する。このように、変短状態であるか否かに応じて、第1の特定当り遊技状態が生起される確率と、第2の特定当り遊技状態が生起される確率と、が異なることになる。具体的には、非変短状態であるときには、第1の特定当り遊技状態と第2の特定当り遊技状態のうち第1の特定当り遊技状態のみが生起され得ることになる。一方、変短状態であるときには、第1の特定当り遊技状態と第2の特定当り遊技状態のうち第2の特定当り遊技状態のみが生起され得ることになる。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機の遊技性について、その作用とともに説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機では、非変短状態であるときには、第2始動入賞装置17への入球を見込めないため、第1始動入賞装置15への入球を狙って遊技が行われる。したがって、非変短状態であるときには、基本的に第1特別図柄変動ゲームが実行されることになり、特別図柄Za1に対応する大当り又は特別図柄Za2に対応する大当りが生起されることになる。そして、特別図柄Za1と特別図柄Za2は、それぞれ50%の確率で決定される。このため、非変短状態であるときに大当り遊技が生起された場合、当該大当り遊技の終了後が、50%の確率で確変状態となり、50%の確率で非確変状態となる遊技性を有することになる。
一方、変短状態であるときには、第2始動入賞装置17への入球が見込めるため、第2始動入賞装置17(及び、ゲート30)への入球を狙って遊技が行われる。したがって、変短状態であるときには、基本的に第2特別図柄変動ゲームが実行されることになり、特別図柄Zbに対応する大当りが生起されることになる。このため、変短状態であるときに大当り遊技が生起された場合、当該大当り遊技の終了後が、100%の確率で確変状態となる遊技性を有することになる。なお、変短状態であるときに第1特別図柄変動ゲームが実行されて特別図柄Za2に対応する大当りが生起された場合であっても、前述したように、下大入賞口24へ遊技球を入球させることができれば大当り遊技終了後が確変状態となる。したがって、変短状態であるときにて第1特別図柄変動ゲームが実行されて大当りとなったとしても、変短状態であるときに大当り遊技が生起された際には100%の確率で確変状態となる遊技性を実現することができる。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)右転動路27(付与決定契機手段)への遊技球の入球(転動)を契機として、特典の付与が行われる。このため、大当り遊技(当り遊技状態)において遊技者は、特別入賞手段としての大入賞口22,24に入球した遊技球が右転動路27に入球するかについて注目しながら遊技を楽しむことができる。
但し、非変短状態において大当り図柄として特別図柄Za2が決定された場合、つまり、特典の付与を許容することが決定されていない場合には、大当り遊技において下大入賞口24に入球した遊技球が右転動路27へ振り分けられることはない。すなわち、特典の付与(確変状態となること)が許容されていないにもかかわらず、特典の付与が行われることがない。よって、どのように遊技を行ったとしても、特典の付与が許容されていないときには特典が付与されることもないため、どの遊技者でも技量に関係なく平等に遊技を行うことができる。更に、設計者が想定する特典の付与率よりも、実際の特典の付与率が上回ってしまうようなことも防ぐことができる。
(2)下大入賞口24(特別入賞手段)に入球した遊技球を停留可能に構成した。更に、終了時点に到達したことを契機に停留させていた遊技球が左転動路26(付与決定契機手段以外)へ振り分けられるように構成した。このため、単一の振分パターン(動作情報)に基づき振分手段としての振分シャッタFsの動作が制御される場合であっても、特典の付与を許容するか否かの決定内容に合った振分態様で下大入賞口24へ入球した遊技球を振り分けることが可能となる。このため、振分シャッタFsの振分パターンを複数備えなくても良いため、記憶容量を削減することができる。また、同じ振分パターンに基づき振分シャッタFsの動作を制御して終了時点に到達したことを契機に左転動路26に遊技球を振り分ければ良いだけなので、遊技球の入球タイミングなどを考慮して振分シャッタFsの動作を制御する場合と比較して、制御プログラムを簡素化することも可能である。
また、予め決められた開始時点から予め決められた終了時点まで、予め決められた振分パターンに基づき振分シャッタFsを制御するため、複数回のラウンド遊技に跨って振分手段を連続的(継続的)に動作させるよりも、確実且つ容易に、遊技者の技量に関係なく平等に遊技を行う遊技性を実現することが可能となる。
(3)下大入賞口24(特別入賞手段)に入球した遊技球がそのまま振分シャッタFs(振分手段)によって左転動路26や右転動路27へ振り分けられる場合、当該遊技球の転動を遊技者が見逃してしまうことが考えられる。しかしながら、下大入賞口24に入球した遊技球が一時的に停留されるとともに、当該振分シャッタFsの振分態様を遊技者が視認可能に構成されていることから、停留中の遊技球が右転動路27へ振り分けられるか否かについて遊技者を注目させ易くなる。
(4)終了時点は、ラウンドインターバルが設定されているとき、すなわち、大入賞口22,24(特別入賞手段)が閉鎖されているときに定めた。つまり、終了時点の到達を契機に左転動路26(付与決定契機手段以外)に遊技球が振り分けられる場合、当該振り分け時において下大入賞口24は閉鎖しているため、新たな遊技球が下大入賞口24へ入球することがない。よって、想定しない遊技球の入球によって、当該遊技球が想定しないところ(例えば、右転動路27)へ振分けられてしまうようなことを防ぐことができる。すなわち、特典の付与が許容されていないときには、より確実に特典の付与を規制することができ、技量に関係なく平等に遊技を行うことができるようになる。
(5)大入賞口22,24(特別入賞手段)が開放される回数と、各開放時間が同じとなる特別図柄Za2に対応する大当り(特定当り遊技状態)が生起される場合であっても、変短状態であるか否か(入球率向上状態の生起有無)によって振分シャッタFs(振分手段)の動作態様が変化するようにした。具体的には、非変短状態であるときには停留されている遊技球が左転動路26(付与決定契機手段以外)へ振り分けられる一方、変短状態であるときには停留されている遊技球が右転動路27(付与決定契機手段)へ振り分けられる。この結果、同じ開放回数であって、且つ各開放時間が同じとなる大当り遊技が生起されたとしても、変短状態であるか否かによって特典の付与率が異なることになる。したがって、同じ開閉態様で大入賞口22,24が開放されたときでも、異なる遊技性での遊技を楽しませることができる。
(6)1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技時間(規定時間)が経過する前に入球上限個数の遊技球が上大入賞口22又は下大入賞口24へ入球すれば終了してしまう。一方、ラウンドインターバルは、予め決められた時間が経過するまでは、終了することがない。つまり、ラウンドインターバルの実行は、遊技者の遊技球の発射有無などによって変化し得ない。このようなラウンドインターバルにおいて終了時点を定めることで、技量に関係なく平等な遊技を行わせることができる。
(7)振分パターンに基づき振分シャッタFsの動作態様が制御される際、振分シャッタFsは、右振分位置に動作した後、停留位置に動作する。このため、右転動路27(特典決定契機手段)へ遊技球が振り分けられない場合、つまり、非変短状態であるときに特別図柄Za2に対応する大当りが生起された場合であっても、下大入賞口24へ遊技球を入球させることができれば、右転動路27へ遊技球が振り分けられることを遊技者に期待させることができる。したがって、非変短状態であるときに特別図柄Za2に対応する大当りが生起されたとしても、特典が付与されることを期待させて遊技を行わせることで遊技に対する興趣の低下を抑制することができる。
(8)中央転動路25において、停留位置であるときの振分シャッタFsから停留幅dだけ上流部に回避路28が連通する孔を形成した。そして、停留幅dを1個の遊技球の直径とすることにより、中央転動路25にて停留される遊技球の個数を1個とした。これにより、中央転動路25にて停留させた複数個の遊技球が詰まることによって生じる問題の発生を抑制することができる。なお、中央転動路25にて遊技球が詰まることによって生じる問題とは、意図するタイミング及び意図する転動路へ遊技球を振り分けられることができないことや、下カウントスイッチSW4が同じ遊技球を何度も検知してしまうことなどである。
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、特典スイッチSW5によって遊技球が検知されたことを契機に、大当り遊技終了後が確変状態となることを遊技者に報知する確変報知演出を実行可能に構成しても良い。この場合、主制御用CPU40aは、特典スイッチSW5からの検知信号を入力すると、その旨を示す制御コマンドを演出制御用CPU41aに出力する。そして、その制御コマンドを入力した演出制御用CPU41aは、演出実行手段(例えば、装飾ランプLa)にて報知演出を実行させる制御を行うように構成すれば良い。
・上記実施形態において、動作情報としての振分パターンに定める振分シャッタFsの振分態様を変更しても良い。例えば、切替時間が経過するまで停留位置に制御した後、左振分位置に制御することを振分パターンに定めても良い。更に、終了時点に到達したことを契機に振分シャッタFsを右振分位置に制御するように構成しても良い。このように構成する場合、上記実施形態とは逆に、特別図柄Za1又は特別図柄Zbが決定されること、及び変短状態であるときに特別図柄Za2が決定されることが、特典の付与を許容しないことが決定されることに相当する。そして、非変短状態であるときに特別図柄Za2が決定されることが、特典の付与を許容することが決定されることに相当する。
・上記実施形態において、変短状態であるときに特別図柄Za2に対応する大当りが生起された際に、ラウンド遊技の終了後にラウンドインターバルとして「5秒」を設定するラウンド遊技は、全てのラウンド遊技でなくても、例えば、最終回のラウンド遊技(特典の付与有無を決定するためのラウンド遊技)のみとしても良い。このように構成すれば、遊技効率を高めることができる。
・上記実施形態において、大入賞口22,24の個数は、1つや3つ以上であっても良い。例えば、下大入賞口24のみを配置する場合、最終回のラウンド遊技(特典の付与有無を決定するためのラウンド遊技)以外では、振分シャッタFs又は振分シャッタFs以外の部材によって、下大入賞口24へ入球した遊技球が右転動路27以外へ振り分けられるように構成すれば良い。
・上記実施形態において、下大入賞口24が開放されるラウンド遊技(特典の付与有無を決定するためのラウンド遊技)は、大当り遊技における最終回のラウンド遊技でなくても、例えば、最初(1回目)のラウンド遊技や途中(例えば、8回目)のラウンド遊技であっても良い。
・上記実施形態において、振分シャッタFsの振分態様を遊技者が視認可能に構成しなくても良い。例えば、遊技盤10を、透過性を有さない木材などで構成しても良い。
・上記実施形態において、「特典」は、遊技者にとって有利であれば確変状態となることでなくても良い。例えば、変短状態となることであっても良いし、大入賞口22,24の開放回数が増加することであっても良い。
・上記実施形態において、変短状態で大当り遊技が生起された際に、当該大当り遊技の終了後が確変状態となる確率を100%ではなく、例えば、70%としても良い。これを実現するために、例えば、非変短状態における特別図柄Za2と同様の開放態様で開放されるとともにラウンドインターバルが「2秒」となる大当り遊技が30%の確率で生起され、特別図柄Zbに対応する大当りが70%の確率で生起されるように構成すれば良い。更に、このとき、変短状態であるときに特別図柄Za2に対応する大当りが生起される際に、ラウンドインターバルの時間を、40%の確率で「5秒」とし、60%の確率で「2秒」となるように構成しても良い。このように構成すれば、変短状態において第1特別図柄変動ゲームが実行されて大当りとなったとしても、変短状態において大当り遊技が生起された際に当該大当り遊技の終了後が70%の確率で確変状態となる遊技性を実現することができる。
・上記実施形態において、大当りの種類を多くしても良いし、各大当り遊技における大入賞口22,24の開放態様を変更しても良い。
・上記実施形態において、停留幅dは遊技球の直径と同じ長さでなくても良い。例えば、遊技球の直径に対して20%長い又は短い範囲であれば、1個の遊技球を停留させることは可能となる。更に、停留幅dの長さを長くすることによって、2個以上の遊技球を停留可能に構成しても良い。
・上記実施形態において、回避路28を形成しなくても良い。すなわち、下大入賞口24へ入球した遊技球の全ての停留可能に構成しても良い。
・上記実施形態において、特典フラグを介さなくても、特典スイッチSW5からの検知信号を入力したことを契機に、主制御用CPU40aが確変フラグに「確変状態であることを示す値」を直接設定するように構成しても良い。このように構成する場合、特典フラグに係る構成を省くことが可能となる。
・上記実施形態において、遊技盤10における各部材(例えば、第1始動入賞装置15や第2始動入賞装置17)の配置を変更しても良い。
・上記実施形態における切替時間を変更しても良い。但し、入球上限個数の遊技球が下大入賞口24へ入球する時間を考慮した時間に変更することが望ましい。
・上記実施形態において、特別図柄及び普通図柄の表示態様は問わない。例えば、特別図柄や普通図柄は、複数のLEDの点灯又は消灯の点灯パターン(点灯組み合わせ)によって構成されるものであっても良い。
・上記実施形態において、下大入賞口24が閉鎖されているときに終了時点に到達するように構成しなくても良い。すなわち、下大入賞口24や上大入賞口22が開放しているときに終了時点に到達するように構成しても良い。
・上記実施形態において、振分パターンを複数種類備えても良い。
・上記実施形態において、非変短状態であるときに特別図柄Za2に対応する大当りが生起されたとき、つまり、特典の付与が許容されていないときに、当該大当り遊技の終了後に特典が付与されなければ、変短状態であるときに特別図柄Za2に対応する大当りが生起された後に特典を付与しなくても良い。
・上記実施形態において、第2特別図柄変動ゲームを、第1特別図柄変動ゲームよりも優先的に実行させなくても良い。例えば、特別図柄変動ゲームの種類に関係なく、特別図柄変動ゲームの実行が保留された順番に特別図柄変動ゲームを実行するように構成しても良い。また、第1特別図柄変動ゲームを、第2特別図柄変動ゲームよりも優先的に実行させても良い。また、第1特別図柄変動ゲームと第2特別図柄変動ゲームを同時に実行可能に構成しても良い。このように構成する場合、演出表示装置11では、第1特別図柄変動ゲームの実行に伴う装飾図柄変動ゲームと、第2特別図柄変動ゲームの実行に伴う装飾図柄変動ゲームが別々に行われることが望ましい。例えば、演出表示装置11の画像表示部GHの領域を上下2つに分け、上部領域では第1特別図柄変動ゲームの実行に伴う装飾図柄変動ゲームを実行させ、下部領域では第2特別図柄変動ゲームの実行に伴う装飾図柄変動ゲームを実行させるように構成しても良い。このように構成した場合でも、変短状態であるときにて第1特別図柄変動ゲームが実行されて大当りとなったとしても、変短状態であるときに大当り遊技が生起された際には100%の確率で確変状態となる遊技性を実現することができる。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記振分手段は、前記特別入賞手段に入球した遊技球を停留させる態様で動作可能に構成され、前記振分制御手段は、前記当り遊技状態において、前記特別入賞手段が閉鎖状態から開放状態となるタイミングに応じた開始時点から予め決められた動作情報に基づき前記振分手段の動作態様を制御し、次の開始時点よりも前に定められる終了時点に到達したことを契機に前記振分手段の振分態様を前記付与決定契機手段へ遊技球を振り分ける態様に制御するようになっており、前記動作情報には、切替時間が経過するまでの間は前記特別入賞手段に入球した遊技球を停留させる態様で前記振分手段を動作させ、前記切替時間が経過した後は遊技球を前記付与決定契機手段以外へ振り分ける態様で前記振分手段を動作させることが定められており、前記特典許容決定手段により前記特典の付与を許容することが決定されている場合の前記終了時点は前記切替時間の経過前に定められる一方、前記特典許容決定手段により前記特典の付与を許容しないことが決定されている場合の前記終了時点は前記切替時間の経過後に定められることを特徴とする遊技機。
(ロ)前記特典は、前記当り抽選の当選確率が通常よりも高確率となる確率変動状態であることを特徴とする遊技機。