JP6098797B2 - 車両の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の排気浄化装置に係り、詳しくは、エンジンの排気通路に設けられた温度センサの搭載位置に関する。
車両のエンジンの排気通路には、排気を浄化するための排気浄化装置が備えられている。例えばディーゼルエンジンの排気通路には、ディーゼルパティキュレートフィルタが搭載され、排気中のPM(粒子状物質)を捕集する機能を有する。更に、ディーゼルパティキュレートフィルタの上流側に酸化触媒を備え、酸化触媒に燃料を供給して燃焼させ、排気温度を上昇させ、ディーゼルパティキュレートフィルタに捕集されたPMを燃焼除去するものが知られている。更に、ディーゼルエンジンの排気通路には、尿素水等の還元剤を用いて排気中のNOxを還元除去する選択還元型触媒が備えられているものもある。
例えば、特許文献1には、排気通路の上流側から順番に酸化触媒、ディーゼルパティキュレートフィルタ、選択還元型触媒を介装したディーゼルエンジンが開示されている。また、特許文献1では、酸化触媒とディーゼルパティキュレートフィルタは1つのケーシング内に収納され、選択還元型触媒は、他のケーシング内に収納されている。
更に、選択還元型触媒には、触媒温度を検出する温度検出手段が搭載されており、例えば選択還元型触媒の低温時に還元剤の供給を規制する制御を行うものもある。
特開2010−71195号公報
しかしながら、車両に搭載される選択還元型触媒は比較的大容量を必要とし、搭載スペースの制限から複数に分割して配置される場合が多い。
このように複数の選択還元型触媒が搭載されている場合には、全ての選択還元型触媒が活性状態であるか否かを1つの温度検出手段で検出することが困難である。したがって、未活性状態の選択還元型触媒があるにも拘わらず還元剤を無駄に噴射してしまう虞があり、還元剤の消費量増加を招いてしまう。あるいは、温度検出手段を選択還元型触媒毎に多く搭載しなければならず、部品点数及び部品コストの増加を招くといった問題点がある。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、車両に複数分割して搭載された排気浄化触媒の触媒温度を1つの温度検出手段で検出して、適切な還元剤の供給が可能な車両の排気浄化装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明では、車両に搭載されたエンジンの排気通路に設けられ、当該排気通路内に尿素水を供給する還元剤供給手段と、還元剤供給手段の下流側の排気通路に設けられ、排気通路内の排気に含まれる窒素酸化物を還元剤供給手段により供給された尿素水から発生するアンモニアにより還元浄化する選択還元型触媒と、選択還元型触媒の触媒温度を検出する触媒温度検出手段と、触媒温度検出手段により検出された触媒温度に基づいて還元剤供給手段の作動を制御する還元剤供給制御手段と、を備えた車両の排気浄化装置であって、選択還元型触媒は、第1のケーシング内に排気流通方向に沿って直列に収納された第1の触媒担体及び第2の触媒担体と、第1のケーシングの下流側に離間して配置された第2のケーシング内に収納された第3の触媒担体を有し、触媒温度検出手段は、前記第3の触媒担体の下流側に配置され、前記第3の触媒担体を通過した排気の温度を触媒温度として検出することを特徴とする。
た、請求項の発明では、請求項1において、第2のケーシング内に、選択還元型触媒の一部を構成する第4の触媒担体が収納されて、第3の触媒担体の下流側に配置され、触媒温度検出手段は、第4の触媒担体の下流側に配置され、第4の触媒担体を通過した排気の温度を触媒温度として検出することを特徴とする。
また、請求項の発明では、請求項1または2において、第1のケーシング及び第2のケーシングは、車両のフロア下を車両左右方向に延びるクロスメンバを、前後に挟んで配置されることを特徴とする。
また、請求項の発明では、請求項において、第1のケーシングと第2のケーシングとの間の排気通路は、第1のケーシング及び第2のケーシングよりも流路断面積が小さく形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項1の車両の排気浄化装置によれば、選択還元型触媒が第1のケーシング内に収納される第1の触媒担体及び第2の触媒担体と、第2のケーシング内に収納される第3の触媒担体に分割されるので、設置スペースの限られた車両に搭載された選択還元型触媒の容量を増加させることができる。
そして、このように選択還元型触媒が第1の触媒担体、第2の触媒担体及び第3の触媒担体に分割されて排気通路に直列に配置された構成において、エンジンから遠く最も低温になる最下流の第3の触媒担体を通過した排気の温度を触媒温度として検出して、この触媒温度に基づいて尿素水の供給制御が行われるので、触媒温度を正確に検出し、触媒温度の低い部分に合わせたアンモニアの供給を精度良く行なうことができる。したがって、尿素水の無駄な消費を抑制するとともに、選択還元型触媒からのアンモニアの流出を抑制することができる。
発明の請求項の車両の排気浄化装置によれば、第2のケーシング内に第3の触媒担体及び第4の触媒担体が収納され、触媒温度検出手段が第4の触媒担体の下流側に配置され、第4の触媒担体を通過した排気の温度を検出することで、第4の触媒担体の温度を正確に検出することができる。よって、第1の触媒担体から第4の触媒担体のうち最も低温の触媒の温度を検出することができ、還元剤供給手段による尿素水の供給を精度良く行うことができる。
本発明の請求項の車両の排気浄化装置によれば、選択還元型触媒が、第1のケーシングに収納される触媒担体と、第2のケーシングに収納される触媒担体に分割されて、クロスメンバを挟むように車両に搭載されるので、クロスメンバの前後のスペースを利用して車両に大容量の選択還元型触媒を搭載することができ、車両のエンジンの排気浄化性能を向上させることができる。
本発明の請求項の車両の排気浄化装置によれば、第1のケーシングと第2のケーシングとの間の排気通路は、第1のケーシング及び第2のケーシングよりも流路断面積が小さく形成されているので、第1のケーシングを通過した排気がケーシング間の排気通路で混合して、第2のケーシングに流入するので、第2のケーシング内の触媒担体での排気浄化効率を向上させることができる。
本発明の第1の実施形態におけるディーゼルエンジンの排気系の概略構成図である。 本発明の第2の実施形態における温度検出手段の設置位置を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態における温度検出手段の設置位置を示す説明図である。 本発明の第4の実施形態における温度検出手段の設置位置を示す説明図である。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の排気浄化装置が適用された第1の実施形態のディーゼルエンジン(以下、エンジン1という)の排気系の概略構成図である。
エンジン1は、走行駆動源として車両に搭載されている。エンジン1の排気通路である排気管2には、上流側から順番に、排気中の炭化水素を酸化させる酸化触媒3、排気中のPM(粒子状物質)を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ4及び尿素還元式排気浄化システム5が設けられている。
尿素還元式排気浄化システム5は、排気中に還元剤として尿素水を噴射供給する尿素水インジェクタ10(還元剤供給手段)と、尿素水インジェクタ10から噴射供給する尿素水を貯留する尿素水タンク11と、尿素水インジェクタ10の下流側の排気通路に設けられた選択還元型触媒12(排気浄化触媒)とにより構成されている。
選択還元型触媒12は、尿素水から発生したアンモニアにより排気中のNOxを窒素と水に分解する機能を有する。
酸化触媒3とディーゼルパティキュレートフィルタ4は、1つの筒状のケーシング20内に収納され、車両のエンジンルーム内に配置されている。
また、選択還元型触媒12は、車両のフロア下に配置された第1のケーシング21及び第2のケーシング22に分割して収納されている。第1のケーシング21及び第2のケーシング22は、軸方向両端部で夫々排気管2と接続し、その内径が排気管2の内径よりも大きい筒状に形成されている。第1のケーシング21及び第2のケーシング22は、車両を前後方向に延びる排気管2に直列に介装され、第1のケーシング21の下流側に第2のケーシング22が配置されている。第1のケーシング21は、車両のフロア下を左右方向に延びるクロスメンバ23の車両前方に位置し、第2のケーシング22は、クロスメンバ23の車両後方に位置し、第1のケーシング21と第2のケーシング22とがクロスメンバ23の下部を前後に挟むように配置されている。
また、選択還元型触媒12は、第1のケーシング21内で上流側と下流側の2つに分割して配置されている。これにより、選択還元型触媒12は、排気上流側より順番に第1のケーシング21内に収納された第1の触媒担体31及び第2の触媒担体32と、第2のケーシング22内に収納された第3の触媒担体33とに分割されている。
更に、ディーゼルパティキュレートフィルタ20の下流側には、ディーゼルパティキュレートフィルタ20から排出された排気の温度を検出する第1の温度センサ35が設けられている。
また、第2のケーシング22には、選択還元型触媒12の温度を推定するための第2の温度センサ36(温度検出手段)が設けられている。本実施形態では、第2の温度センサ36は、第3の選択還元型触媒33の下流側近傍に配置されている。
尿素水供給コントロールユニット40(還元剤供給制御手段)は、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)及び中央演算処理装置(CPU)等を含んで構成され、エンジン回転速度、負荷、燃料噴射量等のエンジン1の運転情報をエンジンコントロールユニット41より入力するとともに、第1の温度センサ35及び第2の温度センサ36から入力した排気温度を入力し、エンジン1の運転状態及び触媒温度に応じて尿素水インジェクタ10を作動制御して、尿素水の噴射量を制御する。特に、第2の温度センサ36から入力した排気温度に基づいて選択還元型触媒12の触媒温度を推定し、当該触媒温度が活性状態となる所定温度(活性温度)未満では、尿素水の噴射を抑制する機能を有している。これにより、未活性状態の選択還元型触媒12に対する無駄な尿素水の噴射を防止して、尿素水の使用量を抑制することが可能となる。
本実施形態では、選択還元型触媒12として、触媒担体31、32、33が3個直列に配置されており、第2の温度センサ36を最下流側に位置する第3の触媒担体33の下流に配置している。選択還元型触媒12は、触媒自体が発熱するものではないので、上流側の第1の触媒担体31及び第2の触媒担体32よりも下流側の第3の触媒担体33の方が低温となる。したがって、第3の触媒担体33の下流側に配置した第2の温度センサ36が検出した排気温度が選択還元型触媒の活性温度以上である場合には、第1の触媒担体31及び第2の触媒担体32のいずれも活性温度以上であることを正確に推定することができる。これにより、1つの温度センサ(第2の温度センサ36)で、分割して配置された複数の触媒担体31、32、33の全ての温度が活性状態であるか否かを判別することができ、温度センサの設置個数を低減して、部品点数及び部品コストを抑制することができる。
また、選択還元型触媒12が3つの触媒担体31、32、33に分割して配置されているので、車両の限られた搭載スペースで選択還元型触媒12の容量を増加させることができる。更に、1つの触媒担体の大きさを抑えることができ、各触媒担体31、32、33の製作が容易になる。また、選択還元型触媒12が、第1のケーシング21と第2のケーシング22に分けられて収納されており、この第1のケーシング21及び第2のケーシング22の内径よりも、その間を接続する排気管2aの内径が小さいので、第1のケーシング21内を通過した排気が小径の排気管2aで混合して第2のケーシング22内に流入させることができる。これにより、第2のケーシング22内の第3の触媒担体33での浄化効率を向上させることができる。また、第1のケーシング21と第2のケーシング22とでクロスメンバ23の下部を挟むように配置するので、車両の空いたスペースを最大限利用して選択還元型触媒12の容量を増加させることができる。
図2〜図4は、本願発明のその他の実施形態での第2の温度センサ36の設置位置を示す選択還元型触媒12、13の構成図である。
図2に示すように、本願発明の第2の実施形態では、選択還元型触媒12は、第1実施形態と同様に、第1のケーシング21に第1の触媒担体31と第2の触媒担体32が収納され、第2のケーシング22に第3の触媒担体33が収納されている。第2の実施形態では、第2の温度センサ36が、第1のケーシング21と第2のケーシング22の間の排気通路2aに設けられている。このように第2の温度センサ36を排気通路2aに配置しても、第2の温度センサ36が最下流の第3の触媒担体33に近い位置に配置されれば、第2の温度センサ36によって第3の触媒担体33の温度を検出することができる。本実施形態でも、第2の温度センサ36によって、最下流の第3の触媒担体33の温度を検出することができ、全ての触媒担体31、32、33の触媒温度が活性温度以上であるか否かを判定することができる。
本願発明の第3の実施形態及び第4の実施形態の選択還元型触媒13は、図3及び図4に示すように、第2のケーシング22にも第1のケーシング21と同様に、上流側と下流側に2つの選択還元型触媒(上流側:第3の触媒担体33、下流側:第4の触媒担体34)が直列に収納されている。
そして、第3の実施形態では、図3に示すように、第2の温度センサ36が第3の触媒担体33と第4の触媒担体34との間に設けられている。また、第4の実施形態では、図4に示すように、第2の温度センサ36が第4の触媒担体33の下流側に配置している。このように、下流側の第2のケーシング22に複数の触媒担体33、34が直列に配置されている場合には、このうち下流側に配置される第4の触媒担体34の近傍に第2の温度センサ36を配置して、第4の触媒担体34の温度を検出可能にすれば、第2の温度センサ36で全ての触媒担体(第1の触媒担体31、第2の触媒担体32、第3の触媒担体33、第4の触媒担体34)のいずれも活性温度以上であることを正確に推定することが可能となる。
本願発明は、上記実施形態に限定するものではない。例えば、ケーシングや触媒担体が上記実施形態よりも更に多く有する場合には、最下流の触媒担体の近傍に温度検出手段を設け、最下流の触媒担体の温度が検出できるように設置すればよい。
また、本願発明は、車両のエンジンの排気浄化システムとして、選択還元型触媒が複数分割して直列に配置されているものに広く適用することができる。
1 エンジン
2 排気管(排気通路)
2a 排気管(排気通路)
12 選択還元型触媒(排気浄化触媒)
10 尿素水インジェクタ(還元剤供給手段)
21 第1のケーシング
22 第2のケーシング
31 第1の触媒担体
32 第2の触媒担体
33 第3の触媒担体
34 第4の触媒担体
36 第2の温度センサ(触媒温度検出手段)
40 尿素水供給コントロールユニット(還元剤供給制御手段)

Claims (4)

  1. 車両に搭載されたエンジンの排気通路に設けられ、当該排気通路内に尿素水を供給する還元剤供給手段と、
    前記還元剤供給手段の下流側の前記排気通路に設けられ、前記排気通路内の排気に含まれる窒素酸化物を前記還元剤供給手段により供給された尿素水から発生するアンモニアにより還元浄化する選択還元型触媒と、
    前記選択還元型触媒の触媒温度を検出する触媒温度検出手段と、
    前記触媒温度検出手段により検出された前記触媒温度に基づいて前記還元剤供給手段の作動を制御する還元剤供給制御手段と、を備えた車両の排気浄化装置であって、
    前記選択還元型触媒は、第1のケーシング内に排気流通方向に沿って直列に収納された第1の触媒担体及び第2の触媒担体と、前記第1のケーシングの下流側に離間して配置された第2のケーシング内に収納された第3の触媒担体を有し、
    前記触媒温度検出手段は、前記第3の触媒担体の下流側に配置され、前記第3の触媒担体を通過した排気の温度を前記触媒温度として検出することを特徴とする車両の排気浄化装置。
  2. 前記第2のケーシング内に、前記選択還元型触媒の一部を構成する第4の触媒担体が収納されて、前記第3の触媒担体の下流側に配置され、
    前記触媒温度検出手段は、前記第4の触媒担体の下流側に配置され、前記第4の触媒担体を通過した排気の温度を前記触媒温度として検出することを特徴とする請求項1に記載の車両の排気浄化装置。
  3. 前記第1のケーシング及び前記第2のケーシングは、前記車両のフロア下を車両左右方向に延びるクロスメンバを、前後に挟んで配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の車両の排気浄化装置。
  4. 前記第1のケーシングと前記第2のケーシングとの間の排気通路は、前記第1のケーシング及び前記第2のケーシングよりも流路断面積が小さく形成されていることを特徴とする請求項に記載の車両の排気浄化装置。
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