JP6098468B2 - 非晶質炭素皮膜の除膜方法 - Google Patents

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本発明は、非晶質炭素皮膜を除膜する方法であって、特に、金属を含有した非晶質炭素皮膜を好適に除膜することができる非晶質炭素皮膜の除膜方法に関する。
従来から、自動車産業などの我が国の基幹産業において、トライボロジーは重要な役割を担っている。例えば、自動車産業においては、現在、地球環境保全のため、自動車から排出される二酸化炭素の削減を目指してさまざまな取り組みが行われており、その一例としてハイブリットシステムなどのエネルギー効率の良い動力源の開発が良く知られている。しかし更なる低燃費を目指すためには、動力源の開発だけでなくエンジン内部および駆動系における摩擦によるエネルギーの伝達ロスの低減が重要な課題となる。
前記課題を鑑みて、動力系機器における摺動部材の摩擦係数の低減化、耐摩耗性の向上を図るべく、構造用鋼あるいは高合金鋼からなる摺動部材の摺動面に被覆する新たなトライボロジー材料としての非晶質炭素材料(DLC)が注目されている。
このような非晶質炭素材料は、たとえばPVDまたはCVDにより基材の表面に、非晶質炭素皮膜として成膜される。一旦、基材の表面に被覆された非晶質炭素皮膜は、基材との密着性が高い。このため、非晶質炭素皮膜を除膜する際には、たとえば、ショットブラスト処理などが利用されている。しかしながら、ショットブラストにより非晶質炭素皮膜を除膜する場合、非晶質炭素皮膜が形成された基材の表面に、鉄またはセラミックなどの硬質の紛体を圧縮ガスとともに吹き付けるので、基材の表面が粗くなってしまい、基材の寸法が変化し、基材を再利用できない場合があった。
このような点を鑑みて、たとえば、Ar,CF,Oの混合ガスをプラズマ化し、該プラズマ化した混合ガスを非晶質炭素皮膜に接触することにより、非晶質炭素皮膜を除膜する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2006−009110号公報
しかしながら、特許文献1に記載の除膜方法では、非晶質炭素皮膜とプラズマ化した混合ガスを反応させることにより、非晶質炭素皮膜のエッチング処理(プラズマエッチング処理)を行っているが、非晶質炭素皮膜に金属が含有している場合には、この金属とプラズマ化した酸素とが反応することがあった。これにより、非晶質炭素皮膜の表面に金属酸化物が生成され、この金属酸化物により非晶質炭素皮膜の除膜が十分にできない場合があった。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、非晶質炭素皮膜が金属を含有した場合であっても、金属を含有した非晶質炭素皮膜を除膜することができる非晶質炭素皮膜の除膜方法を提供することにある。
前記課題を解決すべく、発明者らが鋭意検討を重ねた結果、プラズマ化したガス(エッチングガス)で金属を含有した非晶質炭素皮膜を除膜する際、プラズマ化したエッチングガスで、この金属を酸化させずに、この金属と非晶質炭素皮膜の炭素とをガス化することが重要であると考えた。
本発明は、このような考えに基づくものであり、本発明に係る非晶質炭素皮膜の除膜方法は、金属を含有した非晶質炭素皮膜を除膜する方法であって、窒素ガスと、ハロゲン元素を含むガスとが混合された非酸化性ガスをプラズマ化し、該プラズマ化した非酸化性ガスを前記非晶質炭素皮膜に接触させることにより、前記非晶質炭素皮膜を除膜する。
本発明によれば、非酸化性ガスをプラズマ化することにより、非晶質炭素皮膜に含有させる金属を酸化させることなく、非晶質炭素皮膜を除膜することができる。ここで、非酸化性ガスに含まれる窒素ガスにより、プラズマ化した窒素ガスの窒素と非晶質炭素皮膜の炭素とが反応してガス化する。また、非酸化性ガスに含まれるハロゲン元素を含むガスにより、プラズマ化したハロゲン元素を含むガスのハロゲンと非晶質炭素皮膜に含有する金属とが反応してガス化する。このような結果、酸素ガス等の酸化性ガスを用いなくとも、金属を含有した非晶質炭素皮膜を除膜することができる。
このようなハロゲン元素を含むガスとしては、たとえば、フッ素ガス、塩素ガス、または臭素ガスなどのハロゲンガス、または、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素などのハロゲン元素の化合物がガス化したハロゲン化ガスを挙げることができ、非晶質炭素皮膜に含有した金属を酸化させずに、この金属とハロゲンとが反応してガス化することができるものであれば、ハロゲン元素を含むガスの種類は特に限定されるものではない。
しかしながら、より好ましい態様としては、前記ハロゲン元素を含むガスは、ハロゲン化炭素ガスである。この態様によれば、ハロゲン元素と含むガスに炭素を含むことにより、非晶質炭素皮膜の炭素と窒素ガスの窒素との反応をより一層高めることができる。
このようなハロゲン化炭素ガスとしては、CF、C、C、CHF3、CCl、CCl、CCl、CHCl、CBr、CBr、CBr、またはCHBr3、CI、CI、CI、またはCHI3、などを挙げることができるが、より好ましくは、フッ化炭素ガスである。このようなフッ化炭素ガスのフッ素は、塩素等の他のハロゲンに比べて、非晶質炭素皮膜に含有する金属と反応性がよく、設備に与えるダメージも少ない。
さらに好ましい態様としては、前記非晶質炭素皮膜と前記プラズマ化した非酸化性ガスとの反応時に発光する前記金属の発光強度を測定しながら、前記非晶質炭素皮膜を除膜する。この態様によれば、プラズマ化したハロゲン元素を含むガスと非晶質炭素皮膜に含有する金属とが反応してガス化する際に、この反応とともに光が発生する。この光のうち、金属に寄与する波長の光の強度(すなわち金属が発光する発光強度)から、たとえば非晶質炭素皮膜が除膜されたかどうかを判断することができる。
さらに好ましい態様としては、測定した発光強度に基づいて、前記非酸化性ガスの前記窒素ガスと前記ハロゲン元素を含むガスとの混合割合を調整する。この態様によれば、非晶質炭素皮膜の炭素のアモルファス構造、金属の種類、金属の添加量等により、窒素ガスとハロゲン元素を含むガスとの混合割合が同じ場合であっても、非晶質炭素皮膜の除膜速度は異なるところ、このような場合であっても、金属の発光強度を測定することにより、最適なガスの混合割合を把握することができる。
ここで、窒素ガスとハロゲン元素を含むガスとの混合割合を調整した(変化させた)際には、これに伴い前記金属の発光強度も変化する。このとき、変化する金属の発光強度がより大きな値(好ましくは最大値)となるガスの混合割合の条件が、金属とハロゲンの反応性がより高い混合割合の条件(発光強度がより増加するような条件)であり、このような混合割合となるようにこれらのガスの混合割合を調整することにより、非晶質炭素皮膜の除膜速度を高めることができる。
本発明によれば、非晶質炭素皮膜の金属が含有した場合であっても、金属を含有した非晶質炭素皮膜を除膜することができる。
本発明の実施形態に係る非晶質炭素皮膜を除膜する除膜装置の模式的概念図である。 本実施形態に係る非晶質炭素皮膜の除膜方法の原理を説明するための図であり、(a)は、非晶質炭素皮膜近傍の反応を説明するための図であり、(b)は、非晶質炭素皮膜と非酸化性ガスの反応を説明するための概念図である。 非晶質炭素皮膜を除膜する際に発生する発光強度を測定した測定結果の一例を示した図である。 非晶質炭素皮膜を除膜する際に、非晶質炭素皮膜の残存膜厚および金属の発光強度の継時的な変化を説明するための図である。 窒素ガスとハロゲン元素を含むガスとの混合割合を変化させたときの金属の発光強度の変化を説明するための図である。 実施例に係る非晶質炭素皮膜を除膜する際のチャンバー内の圧力状態を説明するための図。
以下、図面を参照して、本実施形態に基づき本発明を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る非晶質炭素皮膜を除膜する除膜装置の模式的概念図である。図2は、本実施形態に係る非晶質炭素皮膜の除膜方法の原理を説明するための図であり、(a)は、非晶質炭素皮膜近傍の反応を説明するための図であり、(b)は、非晶質炭素皮膜と非酸化性ガスの反応を説明するための概念図である。
図1に示すように、本実施形態に係る非晶質炭素皮膜の除膜装置1は、金属としてチタンを含有した非晶質炭素皮膜を除膜するための装置である。除膜装置1は、非晶質炭素皮膜が形成された皮膜形成部材50を収容するチャンバー11、直流電源13、およびマイクロ波電源14を備えている。
この除膜装置1には、直流電源13による直流電圧およびマイクロ波電源14によるマイクロ波を皮膜形成部材50に印加するための一般的な導入機構が設けられており(図示せず)、この導入機構により、チャンバー11内の皮膜形成部材50まわりで、チャンバー11内に導入された後述する非酸化性ガスをプラズマ化することができる。
なお、このようなプラズマ発生の原理等は一般的な方法であり、詳細な説明は省略する。また、本実施形態では、マイクロ波電源14を用いることにより、生成されるプラズマの高密度化を図り、非晶質炭素皮膜の除膜速度を高めることができるが、後述した非酸化性ガスをプラズマ化し、非晶質炭素皮膜を除膜することができるのであれば、何れか一方の電源のみを用いてもよい。さらに、これらの電源とは異なり、高周波電源を用いてプラズマを生成してもよい。
除膜装置1は、非晶質炭素皮膜をエッチングするための処理ガスとして、窒素ガスが充填された窒素ガス供給源21と、ハロゲン元素を含むガスとしてテトラフルオロメタン(四フッ化炭素CF)ガスが充填されたハロゲン化ガス供給源22と、に接続されている。窒素ガス供給源21およびハロゲン化ガス供給源22は、流量調整部23,24を介して、混合部25に供給され、混合されたガスは、チャンバー11に導入されるようになっている。
ここで、本実施形態では、除膜処理の処理ガスは、窒素ガスとテトラフルオロメタンガスとを混合した非酸化性ガスであり、他の酸素元素を含まないガス(すなわち、非晶質炭素皮膜の炭素およびこれに含まれるチタン(金属)と酸化しない非酸化性ガス)がさらに混合されていてもよい。さらに、除膜装置1は、排気用ポンプ26に接続されており、除膜装置内を減圧する(真空に近づける)ことができる。
また、本実施形態に係る除膜装置1には、非晶質炭素皮膜を除膜中に発生するプラズマ発光のうち、非晶質炭素皮膜に含有するチタンのプラズマの光の発光強度を測定する発光強度測定装置31が配置されており、発光強度測定装置31で測定された発光強度に関するデータは、分析装置32に送られるようになっている。発光強度測定装置31と分析装置32とで構成される装置の分析原理は、一般的な発光分光分析装置と同じ原理であり、発光した光の波長に合わせた発光強度を測定することができる。
図1に示す除膜装置1を用いた非晶質炭素皮膜の除膜方法を以下に説明する。まず、基材51に非晶質炭素皮膜52が形成された皮膜形成部材50(図2参照)をチャンバー11内に設置する。次に、排気用ポンプ26を用いて、チャンバー11内を減圧する。
次に、窒素ガス供給源21からの窒素ガスと、ハロゲン化ガス供給源22からのテトラフルオロメタンガスとの混合割合が所定の混合割合となるように、流量調整部23,24を用いて混合割合を調整して、混合部25で混合された非酸化性ガスを、チャンバー11に導入する。
次に、直流電源13による直流電圧およびマイクロ波電源14によるマイクロ波を皮膜形成部材50に印加する。これにより、皮膜形成部材50まわりの、窒素ガスと、テトラフルオロメタンとが混合された非酸化性ガスはプラズマ化される。
このプラズマ化した非酸化性ガスPを非晶質炭素皮膜52に接触させることにより、非晶質炭素皮膜52を除膜する(プラズマエッチングする)。これにより、酸素元素を含まない非酸化性ガスをプラズマ化することにより、非晶質炭素皮膜52に含有させるチタンが酸化して酸化チタンが生成されないので、非晶質炭素皮膜52を好適に除膜することができる。このように、化学的に非晶質炭素皮膜52を除膜することができるので、基材51の表面を粗すことなく、非晶質炭素皮膜52を迅速に除膜することができる。
ここで、図2(a)に示すように、非酸化性ガスに含まれる窒素ガスにより、プラズマ化した窒素ガス(N)と非晶質炭素皮膜52の炭素(C)とが反応して、CNxとなってガス化する。また、非酸化性ガスに含まれるテトラフルオロメタンガス(CF)により、プラズマ化したテトラフルオロメタンガス(CF)のフッ素と非晶質炭素皮膜に含有するチタン(Ti)とが反応して、四フッ化チタン(TiF)となってガス化する。このような結果、酸素ガス等の酸化性ガスを用いなくとも、チタンを含有した非晶質炭素皮膜を除膜することができる。
さらに、図2(b)に示すように、プラズマ化したテトラフルオロメタンガス(CF)と非晶質炭素皮膜に含有するチタンとが反応して、四フッ化チタン(TiF)となってガス化する際に、この反応とともにチタンからチタン特有の波長の光が発生する。
ここで、非晶質炭素皮膜の除膜時の反応により、発光強度測定装置31から発光分光法により測定された光は、図3に示すように、特定の波長において強度が高くなる。ここで、チタンの発光における、チタン特有の光の波長は335nmであるので、本実施形態では、非晶質炭素皮膜とプラズマ化した非酸化性ガス(N,CF)との反応時に発光するチタンの発光強度を測定しながら、非晶質炭素皮膜を除膜する。
ここで、チャンバー11内が視認し難い密閉空間であったとしても、図4に示すように、チタンの発光強度が低下したときに、テトラフルオロメタンガス(CF)のフッ素と非晶質炭素皮膜に含有するチタン(Ti)との反応が終了したと判断でき、非晶質炭素皮膜の除膜が完了したと判断できる。
ここで、非晶質炭素皮膜52の炭素のアモルファス構造、非晶質炭素皮膜52へのチタンの添加量等により、窒素ガスとテトラフルオロメタンガスとの混合割合が同じ場合であっても、非晶質炭素皮膜の除膜速度は異なる。したがって、窒素ガスとテトラフルオロメタンガスとの混合割合を最適な混合割合に調整することは、非晶質炭素皮膜の除膜速度を高めるためには重要である。
そこで、本実施形態では、測定した発光強度に基づいて、非酸化性ガスを構成する窒素ガスとテトラフルオロメタンガスとの混合割合を、流量調整部23,24で調整する。具体的には、図5に示すように、窒素ガスとテトラフルオロメタンガスとの混合割合を調整した(変化させた)際には、これに伴いチタンの発光強度も変化する。このとき、変化するチタンの発光強度がより大きな値(好ましくは最大値)となるガスの混合割合の条件が、金属とハロゲンの反応性が最も高い混合割合の条件である。したがって、窒素ガスとテトラフルオロメタンガスとの混合割合を変更しながら、発光強度を測定し、測定した発光強度のうち最も高い発光強度となる混合割合に混合割合を調整する。
ここで、本実施形態では、ハロゲン元素を含むガスとして、テトラフルオロメタンガスを用いたが、非晶質炭素皮膜の炭素と窒素ガスの窒素との反応をより一層高める観点から、たとえばこの他のも、C、C、CHF3、CCl、CCl、CCl、CHCl、CBr、CBr、CBr、CHBr、CI、C、C、またはCHIなどのハロゲン化炭素ガスが好ましく、これらのうちで、特に、フッ化炭素ガスが好ましい。
さらに、非晶質炭素皮膜52に含有する金属の1つとして、チタンを例示したが、その他にも、クロム、タングステン、シリコンなどの金属であってもよい。この場合には、これらの金属がプラズマ化したときに発光する波長がそれぞれ異なるので、その波長における発光強度を確認することで、ガスの混合割合の調整を調整し、非晶質炭素皮膜の除膜が終了したタイミングを判断すればよい。
本発明を以下の実施例により説明する。
〔実施例〕
<皮膜形成部材の作製>
チタンターゲットをプラズマに接触させてチタンをプラズマ化するとともに、基材にバイアス電圧を印加することで、鉄からなる基材の表面に、厚さ0.2μmのチタン層を被覆した。次に、このチタン層を中間層として、1.8μmの膜厚のチタンを含有した非晶質炭素皮膜を成膜した。具体的には、上述した装置に、アセチレンガスを導入して、プラズマにより炭素に分解し、チタンとともに炭素を、チタン層の表面に付着した。
<非晶質炭素皮膜の除膜>
作製した皮膜形成部材に形成された非晶質炭素皮膜を図1に示すチャンバー内に配置し、チャンバー内を1×10−2Paまで減圧し(図6参照)、その後、窒素ガスの流量を220sccmおよびテトラフルオロメタンガスの流量を130sccmとして混合した非酸化性ガス(エッチングガス)をチャンバー内に導入した。次に、炉内設定圧力である90Paにし、直流電源電圧500V、マイクロ波電源出力100Wとして、非酸化性ガスをプラズマ化して、これを非晶質炭素皮膜に接触させた。このときに、反応時に発生する光を、発光強度測定装置31から発光分光法により分析し、チタンの発光強度を測定し、このチタンの発光強度が低下した時点(除膜開始から3分後)で、チャンバー内を大気解放し、非晶質炭素皮膜の除膜を終了した。チャンバー内から取り出した皮膜形成部材には、非晶質炭素皮膜が無く、非晶質炭素皮膜が完全に除膜されていることが確認された。
〔比較例〕
実施例と同じように皮膜形成部材を作製し、作製した皮膜形成部材に形成された非晶質炭素皮膜を実施例と同じようにして除膜した。実施例と相違する点は、酸素ガス含む不活性ガスをエッチングガスとして用いて除膜した点である。チャンバー内から取り出した皮膜形成部材には、非晶質炭素皮膜が残存していることが確認できた。
<結果>
実施例および比較例の結果から、比較例の場合には、チタンを含有する非晶質炭素皮膜を除膜する際には、酸素を含有したエッチングガスにより、非晶質炭素皮膜の表面にチタンの酸化物が生成されたため、非晶質炭素皮膜が残存したと考えられる。
本発明に係る非晶質炭素皮膜は、PVDまたはCVDなどの成膜装置を用いて基材の表面に被覆される。この際に、一旦、基材の表面に被覆された非晶質炭素皮膜を除膜して、再度基材に非晶質炭素皮膜を被覆したりするなど基材を再利用する場合ばかりでなく、成膜装置内において、成膜時に基材を保持するホルダーに付着した非晶質炭素皮膜を除膜する場合にも、非晶質炭素皮膜を迅速かつ効率的に除膜することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
1:除膜装置、11:チャンバー、13:直流電源、14:マイクロ波電源、21:窒素ガス供給源、22:ハロゲン化ガス供給源、23:流量調整部、24:流量調整部,25、混合部、26:排気用ポンプ、31:発光強度測定装置、32:分析装置、50:皮膜形成部材、51:基材、52:非晶質炭素皮膜、P:プラズマ化した非酸化性ガス

Claims (2)

  1. 金属を含有した非晶質炭素皮膜を除膜する方法であって、
    窒素ガスと、ハロゲン元素を含むガスとが混合された非酸化性ガスをプラズマ化し、該プラズマ化した非酸化性ガスを前記非晶質炭素皮膜に接触させることにより、前記非晶質炭素皮膜と前記プラズマ化した非酸化性ガスとの反応時に発光する前記金属の発光強度を測定しながら、前記非晶質炭素皮膜を除膜するものであり、
    前記測定した発光強度に基づいて、前記非酸化性ガスの前記窒素ガスと前記ハロゲン元素を含むガスとの混合割合を調整することを特徴とする非晶質炭素皮膜の除膜方法。
  2. 前記ハロゲン元素を含むガスは、ハロゲン化炭素ガスであることを特徴とする請求項1に記載の非晶質炭素皮膜の除膜方法。
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