JP2001217226A - 半導体装置の製造装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造装置及びその製造方法

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JP2001217226A
JP2001217226A JP2000393060A JP2000393060A JP2001217226A JP 2001217226 A JP2001217226 A JP 2001217226A JP 2000393060 A JP2000393060 A JP 2000393060A JP 2000393060 A JP2000393060 A JP 2000393060A JP 2001217226 A JP2001217226 A JP 2001217226A
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Yoji Bito
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 深いホール形成のためのエッチング時におけ
る突然のエッチストップを防止しうる半導体装置の製造
装置及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 チャンバーの下枠1a,石英ドーム2
A,上部電極7,Oリング16等により反応室が形成さ
れている。反応室内には、下部電極10と、下部電極1
0上の被加工物である基板9とが設置されている。石英
ドーム2Aの温度は、ヒーター6によって180℃以上
の温度に保たれるように制御されている。ガス導入口8
より反応室内部にC26 ガス,C48 ガス等のフロ
ロカーボン系ガスを導入し、第1高周波電源5によりア
ンテナコイル3に高周波電力を印加して、プラズマ17
を生成し、基板9をエッチングする。石英ドーム2Aの
温度を高温に加熱制御することで、壁面からの酸素の放
出を妨げるデポ物の付着を妨げ、エッチストップを発生
させるホール底のデポ物を酸素により除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマを用いた
半導体装置の製造装置及び半導体装置の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】現在の半導体デバイスの製造において、
反応室内にプラズマを生成させて、ドライエッチングや
CVDを行うプラズマ加工は、高集積化された半導体デ
バイス内の要素を加工するために欠かせない技術であ
る。例えば、酸化膜からなる層間絶縁膜に、配線とトラ
ンジスタのソース・ドレイン領域などの活性領域とを接
続するためのコンタクトホールや、配線間を接続するた
めのバイヤホールを形成する際には、反応室内にプラズ
マを生成して、ホールの側面方向へのエッチングの進行
は側壁保護膜によって抑制しながら、ホール底面にはプ
ラズマイオンの衝突によってエッチングを進行させるよ
うにしている。このような異方性エッチングによって、
微細な径を有しながら層間絶縁膜をほぼストレートに貫
通するコンタクトホールやバイヤホールを形成すること
ができる。
【0003】ところで、半導体デバイスサイズの縮小に
伴い、配線幅やコンタクトホールやバイヤホールの径は
ますます小さくなっている。しかるに、これらのホール
の形成工程を例にとれば、ホール径は小さくなっている
にかかわらず、層間絶縁膜の厚さはほとんど薄くなって
いない。したがって、ホール径に対する層間絶縁膜の厚
さの比(アスペクト比)はますます大きくなってきてい
る。そして、アスペクト比の増大に伴い、ホールを形成
する工程において、正常なホールが形成されないケース
が生じやすくなる。特に、高アスペクト比のホールを形
成する際には、ホール径によってエッチレートが変わる
マイクロローディング現象と呼ばれる現象が生じやすか
った。特に微細な径のホールを形成している際にこのマ
イクロローディング効果が発生すると、エッチングの進
行が次第に遅くなり、ときには貫通ホールが形成されな
いうちにエッチングが停止するおそれがあった。
【0004】一方、ドライエッチング技術の最近の進歩
に伴い、側壁保護膜の発生をできるだけ抑制すべく側壁
保護膜の形成とエッチングとを交互に行なうTMエッチ
ング(Time Modelation Etching )と呼ばれる技術や、
側壁でのラジカル反応が凍結するまでウエハ温度を下げ
て、側壁保護膜を形成することなく異方性エッチングを
実現する低温エッチング技術と呼ばれる技術がある。こ
れらの技術によると、側壁保護膜をなくすか低減しなが
ら、異方性を確保することができる。上述のマイクロロ
ーディング現象の発生も抑制される。
【0005】また、最近では、高アスペクト比のホール
のエッチングに適したプラズマ源として、アンテナを絶
縁物の反応室壁に設置した低ガス圧力、高密度プラズマ
の誘導結合型プラズマやヘリコン波プラズマを用いるこ
とにより、側壁保護膜を形成しなくても高異方性,高エ
ッチ速度,高選択性を実現できるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この高
密度プラズマを用いる技術において、エッチングの進行
が途中で停止して、貫通ホールが形成されないという現
象がある。このようなエッチストップは、それまで貫通
ホールが正常に形成されていた状態で、突如エッチング
が途中で停止する現象である。また、このエッチストッ
プの発生時期は、エッチング開始直後のときもあり、エ
ッチングが進行してから後のときもあるというようにば
らつきがあり、一定の傾向を示していない。ウエハを何
枚か処理しているうちに、あるウエハのエッチングの進
行中に突然エッチストップが発生するのであって、何ら
かの要因が蓄積されて生じることを暗示している。
【0007】このようなばらつきが生じる原因について
は、まだ詳細に解明されていないのが現状であるが、上
記マイクロローディングとは明らかに区別できる現象で
ある。そこで、本発明者達は、このようなエッチングが
停止する現象を「エッチストップ」と呼ぶことにする。
【0008】図37は、正常なエッチング,マイクロロ
ーディング及びここで問題にしているエッチストップの
3つの場合におけるエッチングの進行状態を示す図であ
る。同図において、横軸はエッチング時間を表し、縦軸
はエッチング量を示している。そして、エッチング線E
tnは正常なエッチングの場合を、エッチング線Emlはマ
イクロローディングが生じる場合を、エッチング線Est
はエッチストップが生じる場合をそれぞれ示す。マイク
ロローディングの場合には、図37のエッチング線Eml
に示すように、ある程度の深さに達するとエッチングの
進行が遅くなるのが特徴である。一方、エッチストップ
の場合、図37のエッチング線Estに示すように、正常
なエッチングの進行状態から突然エッチングの進行が止
まるのであって、既に述べたように、発生時期もまちま
ちである。すなわち、マイクロローディング効果がエッ
チングレートの連続的な低下により引き起こされる現象
であるのに対し、ここでいう「エッチストップ」とは、
ある一定のエッチングレートで正常なエッチングを行な
っている状態から非連続的にエッチングレートが0にな
ることにより引き起こされる現象といえる。しかも、マ
イクロローディング効果が生じない条件下でも、エッチ
ストップは生じる。
【0009】ここで、一般的に、プラズマエッチングに
おけるエッチングレートRは、下記式(1)で表され
る。
【0010】 R=(1/ρ)・θ・Γi・Ei−θ・Γd (1) ここで、ρは被エッチング物の密度、θはラジカルの表
面被覆率、Γiはイオンのフラックス量を表す関数、E
iはイオンエネルギー、Γdはラジカルのフラックス量
を表す関数をそれぞれ示す。そして、式(1)の第1項
はエッチングに寄与するファクタであり、第2項はデポ
ジションに寄与するファクタである。
【0011】エッチングが停止するということは、上記
式(1)のエッチングレートRが0以下になるというこ
とである。そして、このようなR≦0になるためには、
以下のような条件が必要である。 (a) Γi≒0の場合 この場合には、コンタクト孔内に入射するイオンフラッ
クス量が減少する。この状態は、コンタクト孔のアスペ
クト比の増大や、表面チャージングなどにより発生す
る。 (b) Ei≒0の場合 この場合には、コンタクト孔内に入射するイオンのエネ
ルギーが減少する。この状態は、特に絶縁膜に形成され
るコンタクト孔内にイオンの下方への運動を阻害するチ
ャージが存在することにより発生する。例えば、コンタ
クト孔の底面に正の電荷がありコンタクト孔の側壁上部
に負の電荷がある場合である。 (c) (1/ρ)・θ・Γi・Ei≦θ・Γdの場合 これは、デポジションに寄与するラジカルの量がエッチ
ングに寄与するイオンの量を上回る場合である。これ
は、プラズマ中のC2 /F比又はC/F比が増大するこ
とにより発生する。
【0012】そして、一般的に、マイクロローディング
効果とは、上記条件(c)によって引き起こされる現象
ということがいえる。これらの現象の機構はまだ解明さ
れていないが、マイクロローディング効果は、ホール内
に供給されるデポラジカルが連続的に多くなって徐々に
エッチングレートが小さくなる現象であって関数Γi,
Γdが連続関数として表されるのに対し、エッチストッ
プはエッチングレートが突然0になる現象であって関数
Γi,Γdが不連続関数として表されるものと推定され
る。
【0013】本発明は、このエッチストップ現象の原因
の究明のための多くの実験を積み重ねた結果なされたも
のであり、エッチストップが発生する条件とエッチスト
ップが発生しない条件とを把握することにより、エッチ
ストップを確実に解消しうる半導体装置の製造装置及び
その製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明が講じた手段は、反応室の壁面からの酸素の放
出作用あるいは酸素を含むガスの供給によりエッチング
等のプラズマ処理の進行を妨げるデポ物を除去すること
にある。
【0015】本発明の半導体装置の製造方法は、ウエハ
上の膜にエッチングを行なうための反応室と、上記反応
室内にエッチング用ガスを導入するためのガス供給手段
と、上記エッチング用ガスを高密度プラズマにするため
のプラズマ発生手段と、上記反応室内に配置され少なく
とも表面の一部が露出する金属性の部材とを備えた装置
を用いて行なう半導体装置の製造方法であって、半導体
装置が形成されるウエハを上記反応室内に設置した状態
で、上記反応室内にエッチング用ガスを導入する第1の
ステップと、上記プラズマ発生手段により反応室内にプ
ラズマを発生させて、上記ウエハの一部にホールを形成
するためのエッチングを行う第2のステップと、上記ホ
ール形成後に、上記プラズマを発生させた状態で上記エ
ッチングを標準条件よりも遅い条件で上記反応室内に存
在する金属イオンを除去するようにさらに所定時間行う
第3のステップとを備えている。
【0016】この方法により、金属イオンの蓄積に起因
するエッチストップの発生を未然に防止することができ
る。
【0017】上記第2のステップは、上記ウエハの一部
にホールを形成するためのエッチングを標準条件よりも
遅い条件で上記反応室内に存在する金属イオンを除去す
るように行なわれ、前回のウエハに対する上記第3のス
テップを兼ねていることにより、工程数の低減が可能に
なる。
【0018】本発明の半導体装置の製造装置は、酸素含
有部材を壁部に有しウエハ上の膜にエッチングを行なう
ための反応室と、上記反応室内に少なくとも炭素とフッ
素とを含むエッチング用ガスを導入するためのガス供給
手段と、上記エッチング用ガスを高密度プラズマにする
ためのプラズマ発生手段と、上記反応室内に少なくとも
表面の一部が露出するように配設され、上記プラズマ内
のO及びCのうち少なくともいずれか1つの濃度を変更
する機能を有する濃度変更手段と、上記OとCの濃度比
が、エッチングがほぼ一定速度で進行している状態から
非連続的にエッチングが停止するエッチストップが発生
しないための予め設定されている適正範囲内であるよう
に、上記濃度変更手段を調節するための調節手段とを備
え、上記濃度変更手段の少なくとも1つは酸素含有部材
であり、上記調節手段の少なくとも1つは上記酸素含有
部材からの酸素の放出量を制御する手段を有する。
【0019】本発明の半導体装置の製造装置は、酸素含
有部材を壁部に有しウエハ上の膜にエッチングを行なう
ための反応室と、上記反応室内に少なくとも炭素とフッ
素とを含むエッチング用ガスを導入するためのガス供給
手段と、上記エッチング用ガスを高密度プラズマにする
ためのプラズマ発生手段と、上記反応室内に少なくとも
表面の一部が露出するように配設され、上記プラズマ内
のO及びFのうち少なくともいずれか1つの濃度を変更
する機能を有する濃度変更手段と、上記OとFの濃度比
が、エッチングがほぼ一定速度で進行している状態から
非連続的にエッチングが停止するエッチストップが発生
しないための予め設定されている適正範囲内であるよう
に、上記濃度変更手段を調節するための調節手段とを備
え、上記濃度変更手段の少なくとも1つは酸素含有部材
であり、上記調節手段の少なくとも1つは上記酸素含有
部材からの酸素の放出量を制御する手段を有する。
【0020】本発明の半導体装置の製造装置は、素含有
部材を壁部に有しウエハ上の膜にエッチングを行なうた
めの反応室と、上記反応室内に少なくとも炭素とフッ素
とを含むエッチング用ガスを導入するためのガス供給手
段と、上記エッチング用ガスを高密度プラズマにするた
めのプラズマ発生手段と、上記反応室内に少なくとも表
面の一部が露出するように配設され、上記プラズマ内の
O,F及びCのうち少なくともいずれか1つの濃度を変
更する機能を有する濃度変更手段と、上記O,F及びC
の濃度比が、エッチングがほぼ一定速度で進行している
状態から非連続的にエッチングが停止するエッチストッ
プが発生しないための予め設定されている適正範囲内で
あるように、上記濃度変更手段を調節するための調節手
段とを備え、上記濃度変更手段の少なくとも1つは酸素
含有部材であり、上記調節手段の少なくとも1つは上記
酸素含有部材からの酸素の放出量を制御する手段を有す
る。
【0021】これれらの各発明により、以下の作用が得
られる。すなわち、Cに対するOの濃度が低すぎるとホ
ールの底部に堆積する炭素含有生成物を除去することが
できずエッチストップが発生するおそれがあるが、Cに
対するOの濃度が高すぎるとウエハの下地も除去される
などエッチング特性が悪化する。その際、Fの濃度もエ
ッチング特性に影響する。したがって、調節手段によ
り、O又はCの濃度比、又はOとFの濃度比、あるいは
O,F及びCの濃度比を調節することで、エッチストッ
プの発生を回避しながら、ホールを貫通させることがで
きる。
【0022】上記濃度変更手段を酸素含有部材とし、上
記調節手段を上記酸素含有部材に近接して設けられたア
ンテナコイルとし、上記プラズマ発生手段を上記アンテ
ナコイルに高周波電力を供給して上記反応室内に高密度
のプラズマを発生させるものとすることにより、酸素含
有部材の表面上のデポ物が揮発しやすい状態になるの
で、酸素含有部材の表面から酸素が放出され、Oの濃度
の低下によるエッチストップの発生が回避される。
【0023】上記エッチングガスは、CF4 ,C2
6 ,C38 ,C48 ,C58 及びC66 のうち
少なくともいずれか1つを含むことが好ましい。
【0024】上記プラズマ中のOの発光強度を検出する
ためのO発光強度検出手段をさらに備えている場合に
は、上記調節手段により、上記O発光強度検出手段で検
出されるOの発光強度が予め設定されている適正範囲内
であるように上記濃度変更手段を調節することができ
る。
【0025】上記プラズマ中のOの発光強度を検出する
ためのO発光強度検出手段と、上記プラズマ中のFの発
光強度を検出するためのF発光強度検出手段とをさらに
備えている場合には、上記調節手段は、上記各発光強度
検出手段により検出されたOの発光強度とFの発光強度
との比が予め設定されている適正範囲内であるように上
記濃度変更手段を調節することができる。
【0026】これにより、エッチレートの低下を低下を
招くことなく、エッチストップの発生を防止する機能を
有する半導体装置の製造装置が得られる。
【0027】本発明の半導体装置の製造装置は、ウエハ
上の膜にエッチングを行なうための反応室と、上記反応
室内に少なくとも炭素とフッ素とを含むエッチング用ガ
スを導入するためのガス供給手段と、上記エッチング用
ガスを高密度プラズマにするためのプラズマ発生手段
と、上記反応室内に少なくとも表面の一部が露出するよ
うに配設され、上記プラズマ内のO及びCのうち少なく
ともいずれか1つの濃度を変更する機能を有する濃度変
更手段と、上記濃度変更手段を調節するための調節手段
と、上記プラズマ中のOの発光強度を検出するためのO
発光強度検出手段と、上記プラズマ中のC2 の発光強度
を検出するためのC2 発光強度検出手段とを備え、上記
調整手段は、上記各発光強度検出手段により検出された
Oの発光強度とC2 の発光強度との比が予め設定されて
いる適正範囲内であるように上記濃度変更手段を調節す
るものである。
【0028】これにより、下地に対する膜のエッチング
選択比を高く維持しながら、エッチストップの発生を防
止する機能を有する半導体装置の製造装置が得られる。
【0029】本発明の半導体装置の製造装置は、ウエハ
上の膜にエッチングを行なうための反応室と、上記反応
室内に少なくとも炭素とフッ素とを含むエッチング用ガ
スを導入するためのガス供給手段と、上記エッチング用
ガスを高密度プラズマにするためのプラズマ発生手段
と、上記反応室内に少なくとも表面の一部が露出するよ
うに配設され、上記プラズマ内のO及びCのうち少なく
ともいずれか1つの濃度を変更する機能を有する濃度変
更手段と、上記濃度変更手段を調節するための調節手段
と、上記プラズマ中のOの発光強度を検出するためのO
発光強度検出手段と、上記プラズマ中のFの発光強度を
検出するためのF発光強度検出手段と、上記プラズマ中
のC2 の発光強度を検出するためのC2 発光強度検出手
段とを備え、上記調節手段は、上記各発光強度検出手段
の出力を受け、Oの発光強度とFの発光強度との比が予
め設定されている適正範囲内であり、かつOの発光強度
とC 2 の発光強度との比が予め設定されている適正範囲
内であるように上記濃度変更手段を調節するものであ
る。
【0030】上記濃度変更手段を酸素含有部材とし、上
記調節手段を上記酸素含有部材を加熱するためのヒータ
とすることにより、酸素含有部材の表面上のデポ物の揮
発が促進されるので、酸素含有部材の表面から酸素が放
出され、Oの濃度の低下によるエッチストップの発生が
回避される。
【0031】上記濃度変更手段を、上記反応室内に少な
くとも表面の一部が露出するように配設されたシリコン
含有部材とし、上記調節手段を上記シリコン含有部材を
加熱するためのヒータとすることにより、シリコン含有
部材中にフッ素が吸収されることを利用して、プラズマ
中のFの濃度が調節される。したがって、エッチング機
能が調節されるとともに、相対的にOの濃度も調節され
る。
【0032】上記濃度変更手段及び上記調節手段を、上
記反応室内に少なくとも表面の一部が露出するように配
設されたカーボンヒータとすることにより、カーボンヒ
ータから放出されるカーボンを利用してプラズマ中のC
の濃度が調節される。したがって、エッチングの選択性
が調節されるとともに、相対的にOの濃度も調節され
る。
【0033】上記濃度変更手段を石英により構成し、上
記エッチング用ガスをフロロカーボン系ガスとし、上記
調節手段により、上記濃度変更手段の温度を180〜3
00℃の範囲に加熱することにより、反応室内への酸素
の放出量を適正範囲に維持することができる。
【0034】本発明の半導体装置の製造装置は、ウエハ
上の膜にエッチングを行なうための反応室と、上記反応
室内にエッチング用ガスを導入するためのガス供給手段
と、上記エッチング用ガスを高密度プラズマにするため
のプラズマ発生手段とを備えており、上記反応室内には
プラズマと接する領域にエッチング種と結合する金属製
の部材が配設されていない。
【0035】これにより、反応室内において金属イオン
との反応によってプラズマ中のエッチング種が低減され
ることがなく、エッチストップの発生を抑制することが
できる。
【0036】本発明の半導体装置の製造装置は、ウエハ
上の膜にエッチングを行なうための反応室と、上記反応
室内にエッチング用ガスを導入するためのガス供給手段
と、上記エッチング用ガスを高密度プラズマにするため
のプラズマ発生手段とを備えるとともに、上記反応室内
に、金属を含まない部材からなるOリングを配設してい
る。
【0037】上記金属を、Al,Ti,Cu,W及びC
oのうち少なくともいずれか1つとすることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】まず、本実施形態に係るプラズマ
中の炭素,フッ素及び酸素の濃度比とエッチストップと
の関連性について多数の実験データについて、図面を参
照しながら説明する。
【0039】図1は実験に使用した半導体装置の製造装
置の構成を説明する図である。図1において、1aは反
応室を囲むチャンバーの下枠、1bはチャンバーの上
枠、2Aはチャンバーの中央部を構成する石英ドーム
(酸素含有部材)、3は石英ドーム2Aの外周に巻かれ
たアンテナコイル、4はアンテナコイル3に供給される
高周波電力用の第1整合器、5は第1高周波電源、7は
ポリシリコンからなる上部電極、6は上部電極7を加熱
するためのトップヒーター、8はガス導入口、9は被加
工物である基板、10は下部電極、12は下部電極10
に供給される高周波電力用の第2整合器、13は第2高
周波電源、14はターボ分子ポンプ、15はドライポン
プ、17はプラズマ、18はプラズマ17からの光を通
過させるための光フャイバ、19は発光分光装置、21
はアンテナコイル3を保護するアルミナ筒、22はクー
リングリング、23は石英製のウエハクランプ、24は
アルミナ筒21の下端部に配設され石英ドーム2Aを加
熱するためのドームヒーター、25は反応室の下部を囲
む石英ライナーをそれぞれ示す。上記ガス導入口8に
は、図示しないガス供給系からエッチングに必要な各種
ガスが供給されるように構成されており、その各種ガス
の流量は流量計と制御弁とによって所望の値に調節可能
に構成されている。
【0040】図1に示すように、チャンバーの下枠1
a、石英ドーム2A及びチャンバーの上枠1bによって
反応室が形成され、ターボ分子ポンプ14及びドライポ
ンプ15により反応室内が真空引きされるように構成さ
れている。この反応室内には、下部電極10が設置され
ており、下部電極10の上に被加工物である基板9が設
置されている。上部電極7はトップヒーター6によって
温度が調整できるように構成されており、石英ドーム2
Aはドームヒーター24によって温度が調整できるよう
に構成されている。
【0041】基板9を加工する際には、ガス導入口8よ
り反応室内部にフロロカーボン系ガス例えばC26
含むガスを流量40sccmで導入し、O2 ガスは添加
しない。反応室内の圧力を5mTorr(0.67Pa)に
した状態で、第1高周波電源5によりアンテナコイル3
にソースパワーとして約2700Wの高周波電力を印加
し、第1整合器4によって高周波電力の反射電力を抑え
ることによって、反応室内部にプラズマ17を生成す
る。そして、第2高周波電源13により下部電極10に
バイアスパワーとして約1300Wの高周波電力を印加
し、第2整合器12によって高周波電力の反射電力を抑
えることによって、基板9上にプラズマ17に対するバ
イアス電圧を印加する。そして、このバイアス電圧によ
って加速されるイオンによって、基板9上の被加工領域
例えば層間絶縁膜をエッチングして、ホールを形成す
る。例えばC26 がプラズマ中で分解して発生するC
x Fyラジカル(x=0,1,2,…、x=0,1,
2,…)と層間絶縁膜を構成する酸化シリコンとが反応
し、下地のシリコン基板とのエッチング選択比を高く維
持しながらエッチングが進行する。特に、この装置は、
10mTorrオーダーの高真空中で、高密度のプラズマを
発生させるように構成されており、ホール形成中にも側
壁保護膜を形成することなく異方性エッチングを実現で
きるように構成されている。
【0042】図2(a),(b)及び図3(a),
(b)は、本発明に関連して行ったプラズマの発光分析
の結果得られた発光スペクトルを示す図であり、いずれ
も縦軸は発光強度を示し、横軸は波長(波数)を示す。
図2(a),(b)はいずれもエッチング途中における
エッチストップを生じないで円滑に加工ができた場合の
発光スペクトルを示し、図2(a)はO,Fがピークと
なる波長(それぞれ774nm,777nm)の近辺に
おける発光スペクトルを、図2(b)はC2 がピークと
なる波長の近辺における発光スペクトルをそれぞれ示
す。また、図3(a),(b)はいずれもエッチング途
中におけるエッチストップを生じて貫通ホールが形成さ
れない場合の発光スペクトルを示し、図3(a)はO,
Fがピークとなる波長の近辺における発光スペクトル
を、図3(b)はC2 がピークとなる波長の近辺におけ
る発光スペクトルをそれぞれ示す。なお、図2及び図3
には示されていないが、SiFのピークも観察されてい
る。それ以外の物質のピークは観察されていない。
【0043】ここで、以下の記載において、発光強度は
ピークの値によって比較するものとし、ピーク部の幅は
無視するものとする。
【0044】図2(a)と図3(a)とを比較すると、
エッチストップを生じる場合、Oの発光強度が弱いこと
が示されている。また、O/Fの発光強度比が大きいほ
どエッチストップが生じていないことも示されている。
図2(b)と図3(b)とを比較すると、エッチストッ
プを生じる場合、C2 の発光強度が大きいことが示され
ている。ただし、図2(a),(b)及び図3(a),
(b)の示す傾向が意味のあるものかどうかについて
は、さらにこの後説明する他のデータをも参考にして定
める必要がある。
【0045】なお、一般的には、シリコン酸化膜をエッ
チングすると、SiO2 の分解によって生じたOとエッ
チングガスであるフルオロカーボンガスの分解によって
生じたCとが反応してCO,CO2 ,CF等が生じると
いわれている。そして、エッチングの終点検出のために
はプラズマ中のCO量の変化を観察するのであるが、図
1に示す装置によるエッチングの場合、プラズマ中にC
O,CO2 はほとんど存在していなかった。これは、こ
の装置において形成されるプラズマ中においては極めて
高い解離効率が実現されているために、フルオロカーボ
ンが効率よくC,Fに分離しているものと考えられる。
【0046】図4(a),(b)は、ホールを形成する
ためのエッチング時にホールの底面上に堆積するデポ物
の結合状態を調べるために行った基板の中心位置と端部
位置とにおけるESCAの分析結果を示す柱状グラフで
ある。同図において、ハッチング模様が異なる柱はそれ
ぞれ異なる原子間結合の存在比を示している。また、同
図(a)は、サンプルNo.1〜3のESCA分析結果
を、同図(b)はサンプルNo.4〜6のESCA分析
結果をそれぞれ示す。サンプルNo.1は一般的な条件
(上部電極温度260℃,石英ドームの壁温220℃,
ソースパワー2700W,O2 流量0sccm)でエッ
チングされたものであり、エッチストップは生じなかっ
た。サンプルNo.2は上記一般的な条件から石英ドー
ム2Aの壁温のみを180℃に変えてエッチングされた
ものであり、エッチストップが生じた。サンプルNo.
3はソースパワーを2500Wにして上部電極7の温度
を240℃に制御しながらエッチングされたものであ
り、エッチストップは生じなかった。サンプルNo.4
はソースパワーが2500WでO2 の流量が4sccm
の条件でエッチングされたサンプルでありエッチストッ
プは生じなかった。サンプルNo.5はソースパワーが
2500WでO2 の流量が2sccmの条件でエッチン
グされたサンプルであり、エッチストップが生じなかっ
た。サンプルNo.6は上記一般的な条件からソースパ
ワーのみを2500Wに変えてエッチングされたもので
あり、エッチストップが生じた。
【0047】上記実験結果を整理すると下記表1が得ら
れる。
【0048】
【表1】
【0049】図5(a),(b)は、上記図4(a),
(b)に示すサンプルNo.1〜6と同じサンプルにつ
いて、ホールの底面上に堆積するデポ物の成分を分析し
た結果を示す図である。
【0050】上記図4(a),(b)及び図5(a),
(b)を比較してわかるように、ホールの底面上に堆積
するデポ物は、C,O,F,Siをそれぞれ相当量含ん
でいるにもかかわらず、これらの成分の結合状態は、C
−C結合がほとんどであり、FやSiは遊離状態で存在
していると思われる。
【0051】図6はO,F及びC2 の発光強度のソース
パワー依存性を示す図、図7はO/Fの発光強度比及び
2 /Fの発光強度比のソースパワー依存性を示す図で
ある。図6からわかるように、ソースパワーが大きいほ
どOの発光強度が大きくなる。その原因は、石英ドーム
2Aがエッチングされやすくなる結果、石英ドーム2A
から酸素が放出されやすくなることによると思われる。
また、ソースパワーが大きいほどFの発光強度がわずか
に大きくなっている。これは、プラズマ中におけるC2
6 の解離度が大きくなるため当然のことと思われる。
なお、C2 の発光強度はソースパワーの変化があっても
ほとんど変化が見られない。その結果、図7に示すよう
に、ソースパワーが大きいほどO/Fの発光強度比が大
きくなる。また、ソースパワーが大きいほどC2 /Fの
発光強度比が小さくなっているが、これはそれほど顕著
な傾向とはいえない。
【0052】図8はO,F及びC2 の発光強度の石英ド
ーム2Aの壁温依存性を示す図、図9はO/Fの発光強
度比及びC2 /Fの発光強度比のドームの壁温依存性を
示す図である。図8からわかるように、ドームの壁温が
高くなるほどOの発光強度が大きくなる。その原因は、
石英ドーム2Aに付着したデポ物が暖められて揮発しや
すくなる結果、石英ドーム2Aから酸素が放出されやす
くなることによると思われる。また、ドームの壁温が高
いほどC2 ,Fの発光強度がわずかに小さくなってい
る。その結果、図9に示すように、ソースパワーが大き
いほどO/Fの発光強度比が大きくなるが、C2 /Fの
発光強度比は有意性のある変化を示していない。そし
て、この条件下における実験では、ドームの壁温が20
0℃以下ではエッチストップが生じたが、ドームの壁温
が200℃を越えるとエッチストップが生じていない。
【0053】図10(a)〜(c)は、シリコン基板上
の層間絶縁膜にコンタクトホールを形成するドライエッ
チングを行ったときの正常な貫通ホールが形成された状
態,エッチストップが生じて貫通ホールが形成されてい
ない状態、貫通ホールが形成された後オーバーエッチン
グを行ったときの状態を示すSEM写真である。ただ
し、同図(a),(b)はフォトレジストマスクが除去
された状態を示し、同図(c)フォトレジストマスクが
残っている状態を示している。
【0054】ここで、上述の図2〜図10のデータに基
づき、エッチング途中におけるエッチストップが生じる
原因について考察する。
【0055】まず、ここで問題にしているエッチストッ
プは、エッチレートが連続的に低下することによって生
じるいわゆるマイクロローディング効果(RIEラグ)
とは異なる。また、図10(b)に示すエッチストップ
を生じたときの底部におけるホール径が、図10(a)
に示す正常な貫通ホールが形成される途中の径とほぼ同
じである。
【0056】次に、フルオロカーボンガスをエッチング
ガスとして用いたときのシリコン酸化膜へのホールの形
成は、以下の作用によって行われるといわれている。
【0057】シリコン酸化膜にホールを開口している
間、ホールの底には上述のようにCに富んだCF系化合
物が堆積している。一方、イオンの照射によって堆積物
下方のシリコン酸化膜中にダメージ層が形成されると、
SiO2 が分解してSiとOとが発生する。そして、こ
のSi,Oと堆積物中のC,Fとの反応によって堆積物
除去され、かつシリコン酸化膜のエッチングが進行す
る。つまり、堆積物がホールの底に堆積しようとする作
用よりも、堆積物を除去しかつシリコン酸化膜を除去し
ようとする作用が強いことで、下方にエッチングが進行
する。
【0058】しかるに、例えば、ホールのアスペクト比
が4以上になり、ホールの径が1μm程度になるなど、
半導体装置の高集積化が進むと以下の問題が生じる。こ
のようにホールが深くなるとホールの底面に対するイオ
ンの入射角が狭くなるので、イオンの入射量が低減し、
エッチング作用が弱くなる。このために、エッチング作
用よりも堆積物の堆積作用が強くなり、エッチングが停
止するものと推定される(上述の条件(a)による)。
また、ここで行った条件下では、ホール底の堆積物は、
CF化合物ではなく−C−C−ポリマーがほとんどであ
ると思われる。そして、このようなカーボン系化合物が
−C−C−ポリマーとなってホールの底に堆積すると、
イオンの衝突によっても分解されない下方のシリコン酸
化膜中にダメージ層が形成されにくくなり、エッチスト
ップが生じるものと思われる(上述の条件(c)によ
る)。すなわち、このような硬い−C−C−ポリマーが
形成されると、Oの存在によって−C−C−ポリマーの
主鎖を分解してしまうことが必要である。
【0059】ところが、シリコン基板上のシリコン酸化
膜にホールを形成するためのエッチングを行う際には、
フルオロカーボンガスにO2 ガスを添加しないことが多
い。これは、上述のようにSiO2 の分解によってOが
発生するので、O2 ガスを添加しなくても、ホール底に
堆積しようとするカーボン系滞留物を容易に分解して、
その堆積を防止することができるからである。また、O
2 ガスを添加しない方が下地のシリコン基板のオーバー
エッチングを確実に防止できる(言い換えると高選択比
が得られる)ことにもよる。したがって、実際に図1の
装置を使用して層間絶縁膜(シリコン酸化膜)にコンタ
クトホールを形成していると、O2 ガスを添加していな
いにも拘わらず、図2,図3に示すように、プラズマ中
にOが存在している。
【0060】ここで、図2,図3に示すように、エッチ
ングの途中においてエッチストップを生じないときに
は、エッチストップを生じるときに比べ、プラズマ中の
Oの濃度が高いことがわかった。したがって、この過剰
なOを供給する供給源があるはずである。さらに実験を
行った結果、図6に示すように、石英ドームの温度が高
いとき(200℃)にはエッチストップが生じないこと
がわかった。すなわち、従来エッチストップを生じた
り、生じなかったりするという現象のばらつきが、石英
ドームの温度に依存していることが判明したのである。
これは、高周波電力の印加によって石英ドームを構成す
るSiO2 が一部反応し、SiFとO2 とが発生するこ
とによるものと思われる。一方、石英ドームにはプラズ
マ加工の際に生じたデポ物が堆積するが、石英ドームの
温度が高いとこのデポ物が揮発しやすくなり、その結
果、表面のデポ膜の厚みが薄くなるので、石英ドームか
らO2 が反応室内に抜け出しやすくなるものと推定され
る。この推定がほぼ事実に近いであろうことは、図15
に示す試料No.2の石英ドームの壁温や、図8に示す
データによって裏付けられている。
【0061】また、図4に示す試料No.6のソースパ
ワーや図6に示すデータからわかるように、ソースパワ
ーが大きいほどエッチストップは生じにくい。これは、
ソースパワーが大きいと石英ドームがエッチングされる
ため、石英ドームから発生するO2 の量も増大するため
と推定される。
【0062】以上を総合すると、何らかの手段によって
反応室内のO2 の量を適正量に維持することにより、エ
ッチストップを防止することができると考えられた。た
だし、O2 ガスの量が多すぎると、上述のように貫通ホ
ールが形成された後にシリコン基板がエッチングされる
ので、選択比が悪化する。
【0063】次に、O以外の元素の存在もエッチング作
用に重要な影響を及ぼしていると思われた。まず、プラ
ズマ中のOに対するFの存在比も重要である。その理由
は、Fが少ないとエッチング作用が弱くなり、Fが多す
ぎると下地のシリコン基板のエッチング作用が強くな
り、シリコン酸化膜のエッチング選択比が低下するから
である。
【0064】また、プラズマ中のOに対するCの存在比
が多すぎるとエッチストップが生じやすくなり、少なす
ぎるとシリコン酸化膜とシリコン基板とエッチング選択
比が悪化する。
【0065】したがって、シリコン酸化膜にホールを形
成する際におけるエッチストップだけでなく、下地のシ
リコン基板のエッチングを防止するためには、O2 ガス
の量だけでなく、O,F及びCの存在比が重要となる。
【0066】図31は、石英ドームを使用してその温度
を一定(240℃)に保持しながら、酸素ガスを供給し
たときのOの発光強度をコイル電力をパラメータとして
示すデータである。エッチングガスには、C26 を用
いている。同図の横軸は酸素ガスの流量を表し、縦軸は
Oの発光強度を表している。そして、コイル電力が一定
の測定点を結んだ直線が発光強度0の線(横軸)と交わ
る点における酸素流量の値(負の値)が、酸素の流量に
相当する石英ドームからの酸素の放出量を示している。
例えば、コイル電力2700Wの測定点を結んだ直線と
横軸との交点の値(x=−19.8)は、酸素流量1
9.8sccmに相当する酸素を放出しているものと思
われる。
【0067】同図に示されるように、酸素ガス流量の増
大に応じてOの発光強度が増大している。これは、既に
述べたように、石英ドームの内面に付着しているデポ物
が加熱されて揮発しやすくなり、その結果、石英ドーム
中の酸素が放出されやすくなるからである。このデータ
から、Oの発光強度がエッチストップを生じない所定値
(例えば図2に示す任意単位で300)よりも大きくな
るように酸素ガスの流量を制御すればよいことがわか
る。
【0068】また、コイル電力の増大につれてOの発光
強度も増大していることがわかる。これは、既に述べた
ように、石英ドームの内面に付着しているデポ物が分解
して揮発しやすくなり、その結果、石英ドーム中の酸素
が放出されやすくなるからである。したがって、酸素の
流量を一定に、あるいは酸素ガスを供給せずにOの発光
強度がエッチストップを生じない所定値よりも大きくな
るようにコイル電力を制御してもよいこともわかる。
【0069】また、コイル電力と酸素流量とを適宜調整
することによって、エッチストップをより効果的に防止
できるであろうことが予想される。
【0070】図32は、コイル電力を変更したときのコ
イル電力に対するO/Fの発光強度比及びC2 /Fの発
光強度比の変化を示すデータである。石英ドーム2Aの
温度は240℃と一定にし、酸素ガスは供給していな
い。エッチングガスとしてはC 26 を用いている。同
図に示されるように、コイル電力が増大するほどO/F
の発光強度比は大きくなっている。一方、コイル電力が
増大するほどC2 /Fの発光強度比は小さくなってい
る。このことは、いずれもコイル電力が大きいほどエッ
チストップが生じにくいことを意味する。
【0071】本発明は、上述の実験データに裏付けられ
た考察に基づいてなされたものであり、以下のような実
施形態がある。
【0072】(第1の実施形態)本実施形態では、図1
に示す半導体装置の製造装置を使用して、反応室内の酸
素濃度を調整する第1の方法について説明する。
【0073】基板9を加工する際には、ガス導入口8よ
り反応室内部にC26 ガス,C48 ガス等のフロロ
カーボン系ガスを導入し、第1高周波電源5によりアン
テナコイル3に高周波電力を印加し、第1整合器4によ
って高周波電力の反射電力を抑えることによって、反応
室内部にプラズマ17を生成する。そして、第2高周波
電源13によりブロッキングコンデンサ11を介して下
部電極10に高周波電力を印加し、第2整合器12によ
って高周波電力の反射電力を抑えることによって、プラ
ズマ17を基板9に付勢するためのバイアス電圧が基板
9に印加される。そして、このバイアス電圧によって加
速されるイオンによって、基板9をエッチングする。
【0074】ここで、本実施形態の製造方法の特徴は、
発光分光装置19によりプラズマ17から出射される光
のうちOの発光強度を観察しながら石英ドーム2A内の
温度を約180℃に制御している点である。
【0075】図11は、本実施形態に関連して行ったプ
ラズマの発光分析結果を示す図である。図11におい
て、縦軸はOの発光強度ここでは例として波長777n
mのOの発光強度(任意単位)を示し、横軸は石英ドー
ムの温度を示している。エッチングガスとしては、C2
6 を使用している。また、酸素ガスは供給していな
い。同図に示されるように、石英ドームの壁温が160
℃以下の範囲では温度の上昇に対してOの発光強度が緩
やかに増加するのに対して、160℃以上では石英ドー
ムの壁温の上昇につれて急激にOの発光強度が増大す
る。また、180℃以上では石英ドームの壁温が上昇し
てもOの発光強度はほとんど変わらなくなる。
【0076】ここで、既に説明したように、この発光強
度を上昇させる酸素は、主として石英ドーム2Aを構成
する石英(酸化珪素)中の酸素であり、石英ドーム2A
の外周部に巻かれたアンテナコイル3の電界によって石
英ドーム2Aがエッチングされるときに発生し、プラズ
マ17中に放出されるものと思われる。その場合、石英
ドームの壁温が160℃以下のときには、反応生成物が
石英ドーム2Aの内壁面に堆積するために、酸素はプラ
ズマ17中に放出されず発光強度は小さいが、石英ドー
ムの壁温が160℃以上になると、反応生成物が石英ド
ーム2Aの内壁面に堆積しにくくなるので、酸素がプラ
ズマ17中に放出され、発光強度が大きくなると考えら
れる。
【0077】そして、上述のような石英ドームの壁温の
範囲によって石英ドーム2Aの内壁面から酸素が放出さ
れたり放出されなかったりすることで、以下のような図
12(a),(b)に示すエッチング形態の相違が生じ
ていた。
【0078】図12(a)は、石英ドームの壁温を14
0℃に制御してエッチングを行ったときの基板9の断面
図である。図12(a)において、101はレジスト
膜、102は酸化膜、103はシリコン基板、104は
コンタクトホール、105はデポ物をそれぞれ示す。図
12(a)に示す条件では、コンタクトホール104が
酸化膜102の中間程度に達するまでエッチングは進む
が、コンタクトホール104が深くなると、エッチング
ガスがプラズマ中で重合されてなる炭素を含んだ重合膜
やレジスト膜101中に含まれる炭素を含んだデポ物が
開口中のコンタクトホール104の底面に堆積し始め
る。そして、このデポ物がエッチングのイオンを遮るの
で、エッチングが途中停止し、コンタクトホール104
が貫通されない。
【0079】一方、図12(b)は、本実施形態による
石英ドームの壁温を180℃に制御してコンタクトホー
ル104を形成する時の形状を示す。上述のように、こ
の条件下では石英ドーム2Aの内壁面から酸素が放出さ
れるので、コンタクトホール104の底面に炭素を含ん
だデポ物が堆積しようとしても、炭素と酸素との反応に
よってデポ物が除去される。したがって、コンタクトホ
ール104が深くなっても、底面にエッチングの途中停
止を招くようなデポ物が堆積することはない。したがっ
て、図12(b)に示すように、酸化膜102を貫通し
てシリコン基板103に到達するコンタクトホール10
4を形成することができる。
【0080】以上のように、本実施形態によれば、石英
ドームの壁温を180℃以上に温度制御することで、石
英ドーム2Aの内壁面に反応生成物が付着するのが抑制
される。そして、エッチングを行っている間、この反応
生成物の付着抑制作用によって石英ドーム2Aの内壁面
から安定して酸素が供給されるので、エッチングが途中
停止することなく、アスペクト比の高いコンタクトホー
ルをも確実に形成することができる。
【0081】なお、本実施形態では、石英ドームの壁温
をプラズマ17中のOの発光強度から検出するようにし
ているが、温度の検出は他の方法によってもよい。たと
えば、経験的にヒーターへの供給電力と石英ドームの壁
温との関係を予め求めておいて供給電力を制御する方法
や、直接石英ドームにサーモメータを取り付ける方法な
どがあり、どのような方法を用いても、エッチング等の
加工を円滑に行うことができる。
【0082】また、プラズマ中のO発光強度を検出する
ことにより、図11に示す特性を利用して、石英ドーム
から酸素が確実に放出されるように、プラズマ中の酸素
濃度をより直接的に調整しうる。図33は、Oの発光強
度が適正範囲内に入るように石英ドームの壁温を制御す
ることにより、エッチストップを防止するための手順を
示すフローチャートである。
【0083】ステップST11で、ウエハを反応室内に
搬入して、ステップST12で反応室内へのガスの供給
を開始するとともに、ステップST13でアンテナコイ
ル3及び下部電極10に高周波電力を印加して、ウエハ
上の酸化膜のエッチングを開始する。その後、ステップ
ST14で、ドームヒーター24による石英ドーム2A
の加熱制御を行ない、ステップST15でOの発光強度
を検出する。次に、ステップST16で、Oの発光強度
が所定値300(図2に示す任意単位の値)以上か否か
を判別して、300以上であればステップST17に進
んでエッチングを続行する。一方、ステップST16に
おける判別でOの発光強度が300未満であればステッ
プST18に移行し、石英ドーム2Aの加熱量を変更し
てから、ステップST14に戻る。
【0084】以上の制御により、反応室内の酸素濃度を
エッチストップが生じない範囲に制御することができ
る。
【0085】(第2の実施形態)本実施形態において
は、図1に示す半導体装置の製造装置を用いて、反応室
内の酸素雰囲気を調整する第2の方法について説明す
る。
【0086】本実施形態においては、石英ドーム2A及
び上部電極7をヒーター6,24によって加熱すること
により、石英ドーム2Aを140℃に温度制御しなが
ら、加工を行う。そして、ガス導入口8より反応室内部
にC26 ガス,C48 ガス等のフロロカーボン系ガ
スとこのフロロカーボン系ガスの流量の5%以下の流量
の酸素ガスとの混合ガスを導入する。そして、上述の第
1の実施形態と同様に、第1高周波電源5からの電力の
供給によってプラズマ17を生成するとともに、第2高
周波電源13からの高周波電力の供給によって、基板9
上にバイアス電圧を印加し、基板9をエッチングする。
【0087】図13は、本実施形態に関連して行ったプ
ラズマの発光分析結果を示す図である。図13におい
て、縦軸はOの発光強度ここでは例として波長777n
mのOの発光強度(任意単位)を示し、横軸は石英ドー
ムの温度を示している。同図に示されるように、本実施
形態では、第1の実施形態とは異なり反応室内に酸素ガ
スを導入しているので、その分だけOの発光強度が高く
なる。すなわち、石英ドームの壁温140℃においても
Oの発光強度が300程度になっており、このOの発光
強度の値は、図11に示す第1の実施形態における酸素
ガスを導入しないときの石英ドームの壁温180℃にお
けるOの発光強度と同じ値である。このことから、石英
ドームを高温に加熱して石英ドームから酸素を多く放出
させなくても、酸素ガスを添加することで同様の効果が
得られると予想される。
【0088】本実施形態では、酸素ガスを導入して石英
ドームの壁温を140℃に制御しながら、第1の実施形
態と同様に基板9中のコンタクトホール104の形成の
ためのエッチングを行うと、図12(b)に示すよう
に、コンタクトホール104の底部にエッチングを途中
停止させるようなデポ物を堆積させることなくエッチン
グを行うことができ、酸化膜102を貫通してシリコン
基板103に到達するコンタクトホール104を形成す
ることができた。
【0089】なお、本実施形態では、反応室内部にC2
6 ガス,C48 ガス等のフロロカーボン系ガスと、
フロロカーボン系ガスの流量の5%以下の酸素ガスとの
混合ガスを導入するとしたが、C26 ガス,C48
ガス等のフロロカーボン系ガス及びAr,He,Xe,
Kr等の希ガス(不活性ガス)の混合ガスと、混合ガス
の流量の5%以下の流量の酸素ガスとの混合ガスでもよ
い。また、添加ガスとして酸素ガスを用いたが、一部に
酸素を含む分子からなるガス,たとえばCOガス,CO
2 ガスでもよい。
【0090】(第3の実施形態)本実施形態では、酸素
ガスの流量によって反応室内の酸素濃度を調整する方法
について説明する。
【0091】図14は第3の実施形態に係る半導体装置
の製造装置の構成を示す図である。同図に示すように、
本実施形態に係る半導体装置の製造装置は、石英ドーム
2Aの代わりに窒化珪素ドーム2Bを備えている点とを
除き、上記図1に示す半導体装置の製造装置と同じ構造
を有している。ただし、図14にはOリング16が記載
されているが、図1においても、図示は省略されている
ものの、図14におけるとほぼ同じ位置にOリングが設
けられている。
【0092】そして、本実施形態においては、窒化珪素
ドーム2B及び上部電極7はヒーター6によって加熱さ
れ、窒化珪素ドーム2Bの温度が180℃以上に保たれ
るようにヒーター6の加熱量が制御されている。そし
て、ガス導入口8より反応室内部にC26 ガス,C4
8 ガス等のフロロカーボン系ガスとフロロカーボンガ
スの流量の5%以下の酸素ガスとの混合ガスを導入す
る。そして、上述の第1の実施形態と同様に、第1高周
波電源5からの電力の供給によってプラズマ17を生成
するとともに、第2高周波電源13からの高周波電力の
供給によって、基板9上にバイアス電圧を印加し、基板
9をエッチングする。
【0093】次に、図15は、本実施形態に関連して行
った酸素を含まない窒化珪素ドームを用いた場合と酸素
を含む石英ドームを用いた場合の酸素のプラズマ発光強
度の相違を示す図である。なお、ドームの壁温は共に1
80℃の高温である。第1の実施形態で説明したよう
に、石英ドーム2Aは、アンテナコイル3の電界により
SiO2 がエッチングされるのでその内壁面から酸素が
放出されるが、窒化珪素ドーム2Bは、同じ条件ではエ
ッチングされることはなく、内壁面からは何も放出され
ない。これは、窒化珪素ドーム2Bの構成元素Si−N
間の結合エネルギーは石英の構成元素Si−O間の結合
エネルギーより大きいことによる。
【0094】このように、酸素を含まない窒化珪素ドー
ムがエッチングされても反応室の側壁から酸素が放出し
ないので、基板9中のコンタクトホール104の形成の
ためのエッチングを行うとエッチング途中でコンタクト
ホール104の底部に炭素系のデポ物が堆積し、エッチ
ングが途中で停止する(図12(b)参照)。
【0095】この時、図15に示す石英ドーム2AのO
の発光強度以上のOの発光強度を示すように酸素ガスを
添加すると炭素系のデポ物は除去され、エッチングが途
中で停止することなく進行し、酸化膜102を貫通して
シリコン基板103に到達するコンタクトホール104
が形成された。図34は、Oの発光強度が適正範囲内に
入るように酸素ガスの流量を制御することにより、エッ
チストップを防止するための手順を示すフローチャート
である。
【0096】ステップST21で、ウエハを反応室内に
搬入して、ステップST22で反応室内へのガスの供給
を開始するとともに、ステップST23でアンテナコイ
ル3及び下部電極10に高周波電力を印加して、ウエハ
上の酸化膜のエッチングを開始する。その後、ステップ
ST24で、ガス供給系の制御弁の開度を調節して酸素
ガスの流量制御を行ない、ステップST25でOの発光
強度を検出する。次に、ステップST26で、Oの発光
強度が所定値300(図2に示す任意単位の値)以上か
否かを判別して、300以上であればステップST27
に進んでエッチングを続行する。一方、ステップST2
6における判別でOの発光強度が300未満であればス
テップST28に移行し、酸素ガスの流量を変更してか
ら、ステップST24に戻る。
【0097】以上の制御により、プラズマ中のOの濃度
をエッチストップが生じない範囲に制御することができ
る。
【0098】また、石英ドーム2Aの代わりに窒化珪素
ドーム2Bを設けることにより、ドームの内壁面から酸
素が放出されないので、エッチング特性が反応室の内壁
を構成する材料の影響を受けない。したがって、プラズ
マ中のOの濃度を酸素ガスの流量のみで制御できるの
で、制御は容易であるといえる。
【0099】なお、本実施形態では、反応室の内壁を構
成する材料として窒化珪素を使用したが、窒化珪素の代
わりに、窒化アルミニウム、炭化珪素、AlF等、他の
いかなる酸素を有しない絶縁物を用いてもよい。
【0100】なお、本実施形態では、反応室内部にC2
6 ガス,C48 ガス等のフロロカーボン系ガスとフ
ロロカーボン系ガスの流量の5%以下の酸素ガスとの混
合ガスを導入するとしたが、C26 ガス,C48
ス等のフロロカーボン系ガス及びAr,He,Xe,K
r等の希ガス(不活性ガス)の混合ガスと、混合ガスの
流量の5%以下の流量の酸素ガスとの混合ガスでもよ
い。また、添加ガスとして酸素ガスを用いたが、一部に
酸素を含む分子からなるガス,たとえばCOガス,CO
2 ガスでもよい。あるいは、C26 ガス,C48
ス等のフロロカーボン系ガスと、Ar,He,Xe,K
r等の希ガス(不活性ガス)と、COガス,CO2 ガス
等との混合ガスと、この混合ガスの流量の5%以下の酸
素ガスとの混合ガスでもよい。
【0101】(第4の実施形態)本実施形態では、図1
に示す半導体装置の製造装置中の石英ドームの使用の可
否を判断する方法について説明する。
【0102】第1の実施形態においても説明したよう
に、反応室の内壁を酸素を含む材料により構成したと
き、この反応室からの放出酸素量がエッチング特性に大
きな影響を与える。第1の実施形態で使用した図1に示
す半導体装置の製造装置においては、石英ドーム2Aに
巻いているアンテナコイル3の電界によって石英ドーム
2Aがエッチングされて、石英ドーム2Aの内壁面から
酸素がプラズマ17中に放出される。
【0103】したがって、例えば部品寿命で石英ドーム
を交換したとき、石英ドームの酸素含有量の相違、ある
いは石英ドームの内壁面の処理による凹凸の程度の相違
など、石英ドームの状態のばらつきによって内壁面から
放出される酸素量が異なり、エッチング特性に大きな影
響を与える。従来の方法では、実際に製品を処理してエ
ッチングが途中停止するという製品不良が発生してか
ら、石英ドームに問題があることが判明した。
【0104】図16は、図1に示す半導体装置の製造装
置において石英ドーム2Aの温度を180℃にしたとき
のOの発光強度の石英ドームのロット依存性を示してい
る。石英ドームS1、S2、S3は全く同様に作製され
た物であるが、同図に示されるようにOの発光強度が異
なる。Oの発光強度が規格値よりも小さい値の石英ドー
ムS2を用いたとき、その内壁面から十分に酸素が供給
されず、コンタクトホール形成のためのエッチングを行
うとエッチング途中でコンタクトホールの底部に炭素系
のデポ物が堆積し、エッチングが途中で停止する。Oの
発光強度が規格値よりも大きい値の石英ドームS1、S
3を用いれば、その内壁面から十分に酸素が供給される
ので、コンタクトホール底部の炭素系のデポ物は除去さ
れ、エッチングが途中で停止することなくコンタクトホ
ールを貫通させることができる。
【0105】本実施形態によれば、半導体装置の製造装
置において石英ドーム等の部品を交換する際、製品を製
造する前にあらかじめ部品から放出される酸素量を測定
するようにしたので、製造されるデバイス製品の不良を
事前に防ぐことが可能となる。
【0106】(第5の実施形態)本実施形態では、図1
に示す半導体装置の製造装置中の石英ドームを交換する
際に、石英ドームの使用前の状態に応じて半導体装置の
製造工程中における反応室の雰囲気を制御する方法につ
いて説明する。
【0107】第1の実施形態において説明したように、
反応室の内壁を酸素を含む材料により構成したとき、こ
の反応室からの放出酸素量がエッチング特性に大きな影
響を与える。第1の実施形態で使用した図1に示す半導
体装置の製造装置においては、石英ドーム2Aに巻いて
いるアンテナコイル3の電界によって石英ドーム2Aが
エッチングされて、石英ドーム2Aの内壁面から酸素が
プラズマ17中に放出される。
【0108】したがって、例えば部品寿命で石英ドーム
を交換したとき、石英ドームの加工精度の相違、あるい
は取り付けの際の調整の相違などにより、石英ドームと
アンテナコイルとの密着度が異なる。このことにより、
石英ドームの内壁面からの放出酸素量が異なり、エッチ
ング特性に大きな影響を与える。従来の方法では、実際
に製品を処理してエッチングが途中停止するという製品
不良が発生してから、石英ドームに問題があることが判
明した。
【0109】図17は、第4の実施形態における図16
に示すようなOの発光強度の石英ロット依存性がある場
合に、Oの発光強度が規格値よりも大きい値の石英ドー
ム(例えば図16の石英ドームS3)を図1に示す半導
体装置の製造装置に数回取り付け,取り外しを行ったと
きのOの発光強度のばらつきを示している。同図に示さ
れるように、同じ石英ドームを用いているが、取り付け
回数が変わるとOの発光強度も異なり、Oの発光強度が
規格値よりも小さくなる場合も発生している。
【0110】上述のようなOの発光強度のばらつきの原
因は、石英ドームの取り付け具合によってアンテナコイ
ルとの密着度が異なっていることにあると考えられる。
この状態でコンタクトホール形成のためのエッチングを
実施すると、エッチング途中でコンタクトホールの底部
に炭素系のデポ物が堆積し、エッチングが途中で停止す
る。
【0111】ここで、本実施形態では、石英ドームの交
換時にOの発光強度を検出し、Oの発光強度が規格値よ
りも大きくなるように、酸素ガスを添加する。このため
の制御は、図34に示すフローチャートに示すとおりで
よい。これにより、コンタクトホール底部の炭素系のデ
ポ物は除去され、エッチングが途中で停止することな
く、酸化膜を貫通してシリコン基板に到達するコンタク
トホールを形成できる。
【0112】このように、半導体装置の製造装置におい
て石英部品を交換する際、製品を製造する前にあらかじ
め部品から放出される酸素量を測定し、放出酸素量が規
格値を満足しない場合、酸素ガスを導入し、その導入酸
素ガス量を制御することで、製品不良を事前に防ぐこと
が可能となる。
【0113】なお、酸素ガスに限らず、酸素を含む他の
ガスを使用してもよい。酸素を含むガスとしてはO2
スに限定されるものではなく、構成元素として酸素を含
むCOガス,CO2 ガス等を使用してもよい。
【0114】本具体例を適用できるエッチングガスは、
CF4 ,C26 ,C38 ,C48 及びC66
うち少なくともいずれか1つを含むガスであることが好
ましい。また、Cxyz で表されるガス(例えばC
222 ,C463 ,C642 など)を使用
すれば、酸素の濃度比も同時に調整可能となる。したが
って、ガスの流量の調節に必要なマスフローコントロー
ラの数を低減することができ、設備費の低減と制御の簡
素化を図ることができる。
【0115】(第6の実施形態)本実施形態では、図1
に示す半導体装置の製造装置を用い、OとFの発光強度
比を制御しながら半導体装置の製造を行なう方法につい
て説明する。
【0116】本実施形態においては、石英ドーム2A及
び上部電極7をヒーター6,24によって加熱すること
により、石英ドーム2Aを180℃に温度制御しなが
ら、加工を行う。そして、ガス導入口8より反応室内部
にC26 ガス,C48 ガス等のフロロカーボン系ガ
スとこのフロロカーボン系ガスの流量の5%以下の流量
の酸素ガスとの混合ガスを導入する。そして、上述の第
1の実施形態と同様に、第1高周波電源5からの電力の
供給によってプラズマ17を生成するとともに、第2高
周波電源13からの高周波電力の供給によって、基板9
上にバイアス電圧を印加し、基板9をエッチングする。
【0117】ここで、本実施形態の特徴は、光ファイバ
18を通して発光分光装置19によりプラズマ17中の
OとFの発光強度を検出している点である。
【0118】図18は、プラズマ17中のOの発光強度
とFの発光強度と石英ドームの壁温との関係を示す図で
ある。同図の縦軸はフッ素(波長685nm)の発光強
度に対する酸素(波長777nm)の発光強度の比(以
下、単に発光強度比という)を表している。同図に示さ
れるように、石英ドームの壁温が高くなるほど発光強度
比が大きくなっている。これは、エッチングガスである
フロロカーボン系ガスから生成されるフッ素量は石英ド
ームの壁温の如何に拘わらず一定であるのに対し、石英
ドームの内壁面からの酸素放出量は石英ドームの壁温が
高くなるほど多くなることによる。そして、コンタクト
ホール形成のためのエッチングを行うと、石英ドームの
壁温が160℃のときの発光強度比20では、酸素量が
少ないためにコンタクトホール底部に炭素系のデポ物が
堆積され、エッチングが途中で停止してコンタクトホー
ルが形成されない。一方、石英ドームの壁温が180℃
以上になって発光強度比が40〜50になると、コンタ
クトホール底部にデポ物が堆積することなくエッチング
が進行し、コンタクトホールを貫通させることができ
る。特に、図18に示す石英ドームの壁温と発光強度比
との間の相関関係を利用する方法によれば、図14に示
す石英ドームの壁温と発光強度との相関関係を利用する
場合に比べて、実際に測定する発光強度比の変化から石
英ドームの壁温が180℃に達した状態を確実に把握で
きる利点がある。なお、このO/Fの発光強度比の適正
範囲が上述の図4〜図9のデータと異なっているのは、
図2〜図9のO/Fの発光強度比は、制御の容易さを考
慮して、図2及び図3に示すOのピーク波長777nm
に近い波長774nmにおけるFのピーク値を利用して
算出しているためである。
【0119】そこで、本実施形態における半導体装置の
製造方法では、OとFの発光強度比が40以上の条件で
エッチングを行う。
【0120】図19は、本実施形態に係る半導体装置の
製造装置の制御系の構成を概略的に示すブロック図であ
る。同図において、21は図1に示すような機器類を含
む反応室、22は発光分光装置、23はアナログ信号を
デジタル信号に変換するためのA/D変換器、24は各
部材の動作を制御するための装置CPU、25は製品を
反応室の内外に搬送するための搬送系、26は異常を告
知するための警報器をそれぞれ示す。
【0121】また、図20は、エッチングを行う際に図
19に示す装置CPU24によって行われる制御の手順
を示すフローチャートである。以下、図19を参照しな
がら、図20のフローチャートに沿って、エッチング工
程について説明する。
【0122】まず、ステップST1で、搬送系25によ
り製品を反応室21外へ搬送し、エッチング処理待ちの
次の製品を反応室21内へ搬送する。そして、ステップ
ST2で、製品のエッチング例えばコンタクトホール形
成のためのエッチングを開始する。
【0123】次に、ステップST3,ST4で、エッチ
ング中におけるプラズマ中の発光強度を発光分光装置2
2で検知する。ここでは、OとFの発光強度を検出す
る。この検出したアナログ信号はA/D変換器23でデ
ジタル信号に変換された後、装置CPU24に取り込ま
れる。そして、ステップST6で、装置CPU24によ
り酸素とフッ素との発光強度比が演算される。
【0124】次に、ステップST6で、発光強度比が4
0以上か否かを判別し、発光強度比が40以上であれ
ば、ステップST7に進んでエッチングを続行し、エッ
チングが終了すると上記ステップST1の制御に戻る。
【0125】一方、ステップST6の判別で発光強度比
が40に満たない場合は、現在進行中のエッチングは続
行し、ステップST9でエッチングが終了すると、エッ
チング終了後の製品は搬送系25により反応室(石英ド
ーム)外へ搬送させるが、エッチング処理待ちの次の製
品は、ステップST9の制御により反応室内へ搬送させ
ない。そして、ステップST10で、警報器26から異
常であることを知らせる警報を発生させる。
【0126】このような半導体装置の製造装置及び半導
体装置の製造方法を用いることで、製品不良を未然に防
ぐことが可能となる。なお、ステップST8におけるエ
ッチングの終了時には、貫通したコンタクトホールが形
成される(図12(b)の状態)こともあれば、貫通さ
れないで途中でエッチングの進行が停止している(図1
2(a)の状態)こともあり得る。
【0127】なお、本実施形態では、OとFの発光強度
を測定し、その比を用いたが、Oのみの発光強度を用い
ても良い。
【0128】また、本実施形態の応用として、Oの発光
強度とFの発光強度との比が40以上になる条件でエッ
チングを行うように、酸素ガスを導入しながらエッチン
グを行うようにしてもよい。
【0129】(第7の実施形態)本実施形態では、図1
に示す半導体装置の製造装置を用い、反応室内の酸素,
フッ素及び炭素の濃度比を調整しながら半導体装置の製
造を行なう方法について説明する。
【0130】図21は、図1に示す装置を用いてフルオ
ロカーボンガス(ここではC26ガス)を使用しなが
らRFパワーを2700Wとし、これに添加するO2
スの流量と、石英ドーム2Aの温度とを変えたときの発
光スペクトル中のOピーク値とFピーク値との比である
O/Fの発光強度比を示す図である。そして、図21に
示す各条件のうちO2 ガスの流量が0で石英ドーム2A
の温度が220℃,230℃のときのみエッチストップ
が生じた。すなわち、O/Fの発光強度比が1.0以下
のときにはエッチストップが生じていることがわかる。
このときのプラズマ中のO/Fの濃度比はこの発光強度
比とは一致しないが、予めエッチストップが生じないO
/Fの発光強度比がわかっているので、このO/Fの発
光強度比がエッチストップを生じない適正範囲に入るよ
うにO2 ガスとフルオロカーボンガスとの流量比を制御
することにより、エッチストップを確実に回避しながら
コンタクトホールを形成することができる。
【0131】一方、図22は、図1に示す装置を用いて
フルオロカーボンガス(ここではC 26 ガス)を使用
しながらRFパワーを2300Wとし、これに添加する
2ガスの流量と、石英ドーム2Aの温度とを変えたと
きの発光スペクトル中のOピーク値とC2 ピーク値との
比であるO/C2 の発光強度比を示す図である。図22
に示す各条件のうちO2 ガスの流量が0で石英ドーム2
Aの温度が160℃,180℃のとき、O2 ガスの流量
が1sccmで石英ドーム2Aの温度が160℃,18
0℃のとき、O2 ガスの流量が2sccmで石英ドーム
2Aの温度が160℃のときにエッチストップが生じ
た。すなわち、O/C2 の発光強度比が19以下のとき
にエッチストップが生じていることがわかる。このとき
のプラズマ中のO/Cの濃度比はO/C2 の発光強度比
とは一致しないが、予めエッチストップが生じないO/
2 の発光強度比がわかっているので、このO/C2
発光強度比がエッチストップを生じない適正範囲に入る
ようにO2 ガスとフルオロカーボンガスとの流量比を制
御することにより、エッチストップを確実に回避しなが
らコンタクトホールを形成することができる。なお、図
22に示すデータでは、エッチストップを生じる温度が
図21に示す温度よりも低いが、これは、RFパワーが
2300Wと少し弱いためと思われる。
【0132】また、図21及び図22のデータを総合す
ると、プラズマ中のC,F及びOの発光強度比が適正範
囲内にあるように、プラズマ中の3者の濃度比を制御す
ることは可能であることはわかる。ただし、フルオロカ
ーボンガスなどのエッチングガスの種類が定まると、反
応室内に存在する炭素とフッ素の濃度比はほぼ一定とな
る。したがって、一般的には、O/Fの発光強度比また
はO/C2 の発光強度比を測定しながらO2 ガスの流量
を制御すればよいことがわかる。その場合、O/C2
発光強度比を制御パラメータとする方がホールの底部に
炭素含有生成物が堆積しようとする作用とそれを除去し
ようとする作用とのバランスが適正に図れるように直接
的に制御することができる。しかし、図2(a),
(b)に示すように、発光スペクトル中のOとC2 のピ
ーク値を与える波長は大きく異なっているので、両者の
発光ピーク強度比を正確に求めるには手間を要する。そ
の点、発光スペクトル中のOとFのピーク値を与える波
長は極めて近いので、両者の発光ピーク強度比は迅速か
つ正確に測定することができる。また、図21に示すよ
うに、フルオロカーボンガスの種類によって炭素とフッ
素の濃度比はほぼ一定と見なせるので、OとFとの発光
強度比をOとC2 との発光強度比の代わりに制御パラメ
ータとして利用することができる。その場合、図21に
示すエッチストップが生じたときのO/Fの発光強度比
は、実際はエッチストップが生じるO/C 2 の発光強度
比つまりプラズマ中のOとCの濃度比を表しているとも
考えることができる。ただし、Fの濃度自体も別の機能
面でエッチング作用に影響を及ぼすので、エッチング作
用を害しない範囲でエッチストップを防止するためにO
/Fの発光強度比を制御パラメータとして利用すること
もできる。
【0133】上記各データに示されるエッチストップの
発生の有無とC,F,Oの発光強度比との関係から、エ
ッチング途中におけるエッチストップを生じないために
は、プラズマ中のC,F,Oの濃度比が以下の範囲であ
ることが好ましいと思われる。
【0134】まず、エッチストップが生じないために
は、O/Fの濃度比が4以上であることが好ましいと思
われる。一方、O/Fの濃度比が大きすぎるとシリコン
酸化膜とシリコン基板とのエッチング選択比が悪化する
とともにエッチングレートが低下するので、10以下で
あることが好ましいと思われる。すなわち、O/Fの濃
度比は4〜10であることが好ましいと思われる。
【0135】また、プラズマ中のO/Cの濃度比が小さ
すぎるとエッチング途中におけるエッチストップが生じ
ることから、O/Cの濃度比が2以上であることが好ま
しいと思われる。一方、プラズマ中のO/Cの濃度比が
大きすぎるとシリコン酸化膜とシリコン基板とのエッチ
ング選択比が高くできないので、5以下であることが好
ましいと思われる。すなわち、プラズマ中のO/Cの濃
度比は2〜5であることが好ましいと思われる。
【0136】ここで、単に一定流量のO2 ガスを流すだ
けでは、多くのウエハを処理していくうちに反応室のプ
ラズマ中のC,F,Oの濃度比が次第に適正範囲からず
れて、突然エッチストップが発生する事態を確実に回避
することができない。これは、プラズマ中のC,F,O
の濃度比が最適範囲から少しでもずれていると、そのず
れが蓄積されて行くことによるものと思われる。したが
って、プラズマ中のC,F,Oの濃度比が適正範囲にな
るように制御することにより、常にプラズマ中のC,
F,Oの濃度比が適正範囲に保たれて、より確実にエッ
チストップを防止できる利点がある。
【0137】ここで、上述のような適正なC,F,Oの
濃度比を実現するための方法としては、以下の方法があ
る。
【0138】第1の方法は、既に説明したように、O2
ガスを添加することなく石英ドーム2Aの温度を制御す
る方法である。この方法によって、Oの濃度が調整され
る結果、Oに対するC及びFの濃度比をそれぞれ適正範
囲に維持することが可能である。この方法については、
既に説明したとおりである。
【0139】ただし、石英部材の加熱制御だけでは、適
正範囲を実現するための条件が狭くなる。そこで、以下
の方法が可能である。
【0140】まず、トップヒータ6によってポリシリコ
ンからなる上部電極7を暖めると、Fが直接ポリシリコ
ンと反応する、つまり、ポリシリコンがFを吸収すると
いう作用が大きくなる。例えば、O2 ガスを供給せず
に、石英ドーム2Aを220℃に加熱し、かつ上部電極
7を加熱し、ソースパワーを2500W印加した場合、
240℃ではエッチストップが生じなかったが、260
℃に加熱するとエッチストップが生じるという結果が得
られている。これは、Fの濃度比が低くなったためと思
われる。したがって、トップヒータ6によってポリシリ
コンからなる上部電極7(以下、ポリシリコン電極と呼
ぶ)を加熱制御することによって、Fの濃度比を調整す
ることができる。
【0141】図35は、O/Fの発光強度比が適正範囲
内に入るように石英ドームの加熱量やポリシリコン電極
の加熱量を制御することにより、エッチストップを防止
するための手順を示すフローチャートである。
【0142】ステップST31で、ウエハを反応室内に
搬入して、ステップST32で反応室内へのガスの供給
を開始するとともに、ステップST33でアンテナコイ
ル3及び下部電極10に高周波電力を印加して、ウエハ
上の酸化膜のエッチングを開始する。その後、ステップ
ST34で、ドームヒーター24による石英ドーム2A
の加熱制御を行ない、ステップST35で、トップヒー
ター6によるポリシリコン電極の加熱制御を行ない、ス
テップST36で、O,Fの発光強度を検出する。次
に、ステップST37で、O/Fの発光強度比が適正範
囲内か否かを判別して、適正範囲内であればステップS
T38に進んでエッチングを続行する。一方、ステップ
ST37における判別でO/Fの発光強度が適正範囲内
になければステップST39に移行し、石英ドームの加
熱量又はポリシリコン電極の加熱量(あるいは両者の加
熱量)を変更してから、ステップST34に戻る。
【0143】以上の制御により、プラズマ中のO/Fの
濃度比をエッチストップが生じない範囲に制御すること
ができる。
【0144】また、炭素を含有する部材を反応室内に設
置してこれを加熱制御するようにしてもよい。例えばト
ップヒータ7をカーボンで構成し(以下、カーボンヒー
ターと呼ぶ)、加熱することによって反応室内へのCの
放出量を制御し、プラズマ中のCの濃度比を調整するこ
とができる。
【0145】図36は、O/Fの発光強度比及びO/C
2 の発光強度比が適正範囲内に入るように石英ドームの
加熱量やカーボンヒーターの加熱量を制御することによ
り、エッチストップを防止するための手順を示すフロー
チャートである。
【0146】ステップST41で、ウエハを反応室内に
搬入して、ステップST42で反応室内へのガスの供給
を開始するとともに、ステップST43でアンテナコイ
ル3及び下部電極10に高周波電力を印加して、ウエハ
上の酸化膜のエッチングを開始する。その後、ステップ
ST44で、ドームヒーター24による石英ドーム2A
の加熱制御を行ない、ステップST45で、カーボンヒ
ーターの加熱制御を行ない、ステップST46で、O,
F,C2 の発光強度を検出する。次に、ステップST4
7で、O/Fの発光強度比が適正範囲内か否かを判別し
た後、さらにステップST48で、O/C2 の発光強度
比が適正範囲内か否かを判別して、両者がいずれも適正
範囲内であればステップST49に進んでエッチングを
続行する。一方、O/Fの発光強度比又はO/C2 の発
光強度比が適正範囲内になければステップST50に移
行し、石英ドームの加熱量又はカーボンヒーターの加熱
量(あるいは両者の加熱量)を変更してから、ステップ
ST44に戻る。
【0147】以上の制御により、プラズマ中のO/Fの
濃度比及びO/C2 の濃度比をエッチストップが生じな
い範囲に制御することができる。
【0148】また、C,F,Oの濃度比を調整するため
には、これらの元素のうち少なくともいずれか1つを含
むガスを反応ガス,あるいは添加ガスとして使用するこ
とができる。
【0149】例えば、反応ガスとして、CF4 ,C2
6 ,C38 ,C48 ,C58及びC66 のうち
少なくともいずれか1つを含むガスを使用することがで
きる。また、C48 にCOガスまたはO2 ガスを添加
してもよい。さらに、C6 6 にC48 を加えたガス
を反応ガスとして用いることで、C,Fの濃度比をより
微細に調整することもできる。
【0150】また、Cxyz で表されるガス(例え
ばC222 ,C463 ,C 642 など)を
使用すれば、COガスのごとく毒性のあるガスを使用し
なくても、単一の反応ガスによってC,F,Oの濃度比
を適正範囲に維持することが可能となる。また、これら
のガスに、CF4 等のフルオロカーボンガスを加えても
よい。
【0151】特に、以上の反応ガス,添加ガスを使用す
る場合、反応室内に露出する表面部分が石英やカーボン
で構成される部材を反応室内には配置せずに、ガスの流
量の制御のみで、プラズマ中のC,F,Oの濃度比を適
正に調整するようにしてもよい。
【0152】(第8の実施形態)本実施形態では、反応
室内におけるアルミニウムイオンの存在に起因して生じ
るエッチストップに関して説明する。
【0153】一般に、金属膜(特に配線用のAl膜,T
i膜,Cu膜,W膜,Co膜など)をエッチングする際
や、金属膜上の他の部材(例えばシリコン酸化膜)をエ
ッチングし終わって金属膜が露出したときに、反応室内
のプラズマに金属が飛散する現象が見られる。図23
(a),(b)は、Al膜をエッチングするときとSi
基板をエッチングするときのプラズマの発光分析の結果
を示す発光スペクトル図である。図23(a)に示すデ
ータにおいては、図23(b)には現れていないAlイ
オンが検出されており、プラズマ中にAlイオンが飛散
していることが裏付けられている。
【0154】そして、飛散した金属はチャンバー内の部
材に付着してエッチング種(F,0)と結合するものと
思われる。図24は、チャンバー内のシリコン天板と石
英ドームの表面をXPSにより分析した結果を示す図で
ある。同図において、横軸は結合力(eV)を表し、縦
軸は分析強度を示す。同図に示されるように、両部材共
にAl−F結合を有する物質の存在が確認されている。
【0155】図25は、反応室内へのAlの飛散に起因
するエッチストップのモデルを示す断面図である。ま
た、図26は、エッチストップが発生する過程を示すフ
ローチャートである。以下、図25及び図26を参照し
ながら、エッチストップが発生する過程について説明す
る。
【0156】ここでは、チャンバーの壁部を石英ドーム
とシリコン天板とにより構成し、2つのRF電源によ
り、誘導コイルと下部電極に高周波電力を印加するよう
に構成された誘導結合型プラズマ装置を用いる場合を例
に採っている。ウエハ上にシリコン酸化膜からなる層間
絶縁膜が形成されており、この層間絶縁膜にAl配線に
到達するホール(バイヤホール)を形成するためのプラ
ズマエッチングを行なっているとする。プラズマ内に
は、フロロカーボンの分解によって生じたFイオン,F
ラジカルやC2 イオンが存在している。このとき、大面
積のホール(例えばボンディングパッド上のホール)が
あると、そのホールが貫通されると、大面積のAl配線
の表面が露出する。そして、プラズマ中にAlイオンが
飛散すると、プラズマ内のFイオンとAlイオンとが結
合して化合物AlFx が形成され、これがシリコン天板
や石英ドーム上に堆積する。このAlFx の形成によっ
て、プラズマ中のエッチング種(F)が減少し、C2
F比が上昇する。その結果、実施形態の前に述べた作用
により、エッチストップが生じる。このような形態のエ
ッチストップは、上記条件(c)が満たされたことによ
って生じると考えられる。
【0157】ただし、このような金属汚染に起因するエ
ッチストップは、高アスペクト比のホールのエッチング
によっては生じにくい。図27は、1000個のイオン
がホールにある場合に、どの位置に存在するかをモンテ
カルロシミュレーションにより求めた結果を示す図であ
る。同図の横軸は1000個のイオンの番号を表し、縦
軸は断面が一定のホールの底面からの高さをアスペクト
比として表したものである。つまり、あるアスペクト比
のホールにイオンが閉じこめられる確率は、図27中で
そのアスペクト比の位置よりも下方にあるイオンの数を
イオンの総数で割った値になる。
【0158】図28は、図27のシミュレーション結果
に基づいてイオンがホール内にトラップされる確率と、
イオンがホールの外に飛散する確率とがアスペクト比に
よってどのように変化するかを計算した結果を示す図で
ある。図27及び図28に示されるように、ホールのア
スペクト比が高くなるほどAlイオンはホールの外に飛
散しにくくなることがわかる。
【0159】この理由は、図29に示すように、高アス
ペクト比のホールを形成する際には、Al配線から飛散
したAlイオンの大部分が、ホールの側面上にデポ物と
して堆積し、ホール内にトラップされるからと考えられ
る。
【0160】したがって、ボンディングパッド上のホー
ルのようなアスペクト比の低いホールを含むプラズマエ
ッチングを行なう場合、このような形態のエッチストッ
プが生じる確率が高い。すなわち、ボンディングパッド
上のホールが開口されるごとに金属イオンが飛散し、こ
れが次第に反応室内に蓄積されると、反応室内のエッチ
ング種が低減していくので、何枚目かのウエハにおい
て、エッチストップが発生することになる。
【0161】次に、このような金属汚染に起因するエッ
チストップを回避するためには、以下のような手段が有
効である。
【0162】第1の方法は、チャンバー内に金属製部材
の表面を露出させない方法である。金属製部材の表面が
チャンバー内に露出していると、金属製部材の表面でエ
ッチング種と金属との結合が生じることにより、エッチ
ング種(Fなど)が不足して、金属配線の表面が露出し
たのと同様の作用が生じるからである。例えばチャンバ
ーの気密性保持のために使用されるOリングに金属を混
入したものがあるが、このような状態で使用される金属
も問題となる。例えば図14に示す装置におけるOリン
グ16は、従来、アルミニウム等の金属をシリコンゴム
中に混入させたものを使用しているが、本実施形態で
は、このOリング16を金属を含まないシリコンゴムな
どにより構成する。これによって、金属汚染に起因する
エッチストップを確実に防止できることが確認された。
また、金属酸化物を用いたセラミックを含むOリング等
の部材をチャンバー内には配設しないことが好ましい。
【0163】第2の方法は、反応室内のフロロカーボン
プラズマ又はフロンプラズマによって反応室内において
金属イオンのクリーニングを行なう方法である。図30
は、エッチストップを生じた条件下において、フロロカ
ーボンプラズマによるクリーニングを行なったときの回
復程度を調べた実験の結果を示す図である。同図の横軸
はクリーニング時間を、同図の縦軸は再エッチングを行
なったときのエッチストップを生じるまでに進行したホ
ールの深さをそれぞれ表しており、厚み1μmの酸化膜
にホールを形成するようにしている。これは、エッチス
トップを生じた時点では、反応室内に金属イオンが多く
残存しており、これをフロロカーボンプラズマで徐々に
クリーニングしていることを意味する。図30に示され
ように、クリーニング時間を経るごとにエッチング深さ
が深くなっており、8時間で金属イオンの濃度がわずか
である元の状態に回復していることが示されている。こ
のことは、アスペクト比2.8程度のホールをエッチン
グしたときに放出される金属イオンによる汚染は、ウエ
ハ1枚当たりに換算すると50秒程度のクリーニングに
よって除去され、エッチストップに至らないことが計算
及び実験で確認されている。
【0164】この第2の方法の変形として、クリーニン
グを行なう代わりに、次のウエハ処理時のフロロカーボ
ンプラズマによるメインエッチの時間をわざと長めにし
て、その前の処理で反応室内に放出された金属イオンを
除去する方法である。具体的には、基板上に印加するバ
イアスパワーを通常の条件よりも落とすことにより、エ
ッチングレートを小さくしてエッチングする方法などが
ある。
【0165】本実施形態における金属の代表的なものと
してはAl,Ti,Cu,W,Coがある。ただし、こ
れらに限定されるものではなく、エッチング種(Fな
ど)と反応性のあるものが該当する。
【0166】(その他の実施形態)本発明を適用できる
被加工領域は、特に酸素を含む膜例えばシリコン酸化
膜,アルミナ膜等の酸化物により構成される膜であると
きに大きな効果を発揮することができる。このような酸
化物により構成される膜は、エッチングされたときに酸
素を放出するので、これを利用してシリコン基板やポリ
シリコン膜とのエッチング選択比を高く維持しようとす
ると上述のようなエッチストップを招くおそれがあるか
らである。
【0167】上記各実施形態では、チャンバーの側壁を
石英ドーム又は窒化珪素ドームで構成したが、本発明は
かかる実施形態に限定されるものではなく、石英ドーム
等がチャンバー内に設置されているものでもよい。その
場合、反応室は、石英ドーム等で囲まれる部分であり、
石英ドーム等の外壁面から酸素が発生するような場合も
含まれる。
【0168】上記各実施形態では、酸素含有部材として
石英ドームしか例示していないが、他の酸化物系の無機
材料でドームを構成してもよい。
【0169】上記各実施形態では、プラズマ処理として
エッチングについてしか説明していないが、本発明はか
かる実施形態に限定されるものではない。例えばアンモ
ニアガスや窒素ガス雰囲気中でプラズマ処理を行ってコ
ンタクトホール底の半導体基板や金属配線中に窒素を導
入するような場合にも、本発明のプラズマ処理を適用す
ることができる。
【0170】
【発明の効果】本発明の半導体装置の製造方法によれ
ば、反応室内でプラズマエッチングを行なった後、反応
室内の金属イオンを除去するためにエッチング用ガスを
所定時間の間流すようにしたので、金属イオンの蓄積に
起因するエッチストップの発生を未然に防止することが
できる。
【0171】本発明の半導体装置の製造装置によれば、
1×1011/cm3 以上の高密度プラズマを用いてプラ
ズマエッチングを行なうための反応室内に酸素含有部材
を設け、エッチストップが生じないようにこの酸素含有
部材を加熱制御しているので、酸素含有部材の内壁面か
らの酸素の放出量を確保することにより、エッチストッ
プを確実に防止することができる。
【0172】本発明の半導体装置の製造装置によれば、
プラズマエッチングを行なうための反応室内に表面が露
出した金属製部材を設置しないようにしているので、金
属製部材から飛散する金属イオンの蓄積に起因するエッ
チストップを確実に防止することができる。
【0173】本発明の半導体装置の製造方法によれば、
プラズマエッチングによりホールを形成する際には、エ
ッチストップが生じないように反応室内のプラズマ中の
Oの濃度を調節するようにしたので、ホールの底に堆積
する−C−C−ポリマーを確実に除去することにより、
エッチストップを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用される半導体装置の製造装置の構
成の例を部分的に断面図で示すブロック図である。
【図2】エッチストップを生じないで円滑に加工ができ
た場合の発光スペクトルを示す図である。
【図3】エッチストップを生じて貫通ホールが形成され
ない場合の発光スペクトルを示す図である。
【図4】ホールの底面上に堆積するデポ物の結合状態を
調べるために行ったサンプル1〜6の基板の中心位置と
端部位置とにおけるESCAの分析結果をそれぞれ示す
図である。
【図5】図4に示すサンプル1〜6について、ホールの
底面上に堆積するデポ物の成分を分析した結果をそれぞ
れ示す図である。
【図6】O,F及びC2 の発光強度のソースパワー依存
性に関するデータを示す図である。
【図7】O/Fの発光強度比及びC2 /Fの発光強度比
のソースパワー依存性を示す図である。
【図8】O,F及びC2 の発光強度のドームの壁温依存
性を示す図である。
【図9】O/Fの発光強度比及びC2 /Fの発光強度比
のドームの壁温依存性を示す図である。
【図10】ドライエッチングにおける正常な貫通ホール
が形成された状態,エッチストップが生じた状態、貫通
ホールが形成された後オーバーエッチングを行ったとき
の状態をそれぞれ示すSEM写真を複写した図である。
【図11】第1の実施形態に係る酸素発光分析により得
られたOの発光強度の石英ドームの壁温依存性を示す図
である。
【図12】第1の実施形態によるコンタクトホール形成
のためのエッチングにおいてエッチストップが生じた状
態と貫通ホールが形成された状態とをそれぞれ示す断面
図である。
【図13】第2の実施形態に係る酸素発光分析により得
られたOの発光強度の石英ドームの壁温依存性を示す特
性図である。
【図14】第3の実施形態に係る半導体装置の製造装置
の構成を部分的に断面図で示すブロック図である。
【図15】第3の実施形態に関して行った実験で得られ
た窒化珪素ドームと石英ドームとを使用した場合におけ
るOの発光強度の相違を示す図である。
【図16】第4の実施形態に係る石英ドームの温度を1
80℃にしたときのOの発光強度の石英ドームのロット
依存性を示す図である。
【図17】第5の実施形態に係るOの発光強度が規格値
よりも大きい値の石英ドームを半導体装置の製造装置に
数回取り付け,取り外しを行ったときのOの発光強度の
ばらつきを示す図である。
【図18】第6の実施形態に係るOの発光強度とFの発
光強度との比の石英ドームの壁温依存性を示す特性図で
ある。。
【図19】第6の実施形態に係る半導体装置の製造装置
の制御系統図である。
【図20】第6の実施形態に係る半導体装置のエッチン
グ工程の手順を示すフローチャート図である。
【図21】第7の実施形態の第2の具体例におけるC2
6 ガスに添加するO2 ガスの流量と石英ドームの温度
とを変えたときのO/Fの発光強度比を示す図である。
【図22】第7の実施形態の第2の具体例におけるC2
6 ガスに添加するO2 ガスの流量と石英ドームの温度
とを変えたときのO/C2 の発光強度比を示す図であ
る。
【図23】第8の実施形態におけるAl膜をエッチング
するときとSi基板をエッチングするときのプラズマの
発光分析の結果を示す発光スペクトル図である。
【図24】第8の実施形態におけるチャンバー内のシリ
コン天板と石英ドームの表面をXPSにより分析した結
果を示す図である。
【図25】第8の実施形態における反応室内へのAlの
飛散に起因するエッチストップのモデルを示す断面図で
ある。
【図26】第8の実施形態におけるエッチストップが発
生する過程を示すフローチャート図である。
【図27】第8の実施形態において、1000個のイオ
ンがホールにある場合に、どの位置に存在するかをモン
テカルロシミュレーションにより求めた結果を示す図で
ある。
【図28】図27のシミュレーション結果に基づいてイ
オンがホール内にトラップされる確率と、イオンがホー
ルの外に飛散する確率とがアスペクト比によってどのよ
うに変化するかを計算した結果を示す図である。
【図29】第8の実施形態におけるAl配線から飛散し
たAlイオンがホールの側面上にデポ物として堆積して
いる状態を示す断面図である。
【図30】第8の実施形態において、エッチストップを
生じた条件下において、フロロカーボンプラズマによる
クリーニングを行なったときの回復程度を調べた実験の
結果を示す図である。
【図31】石英ドームを使用してその温度を一定に保持
しながら、酸素ガスを供給したときのOの発光強度をコ
イル電力をパラメータとして示す図である。
【図32】コイル電力を変更したときのコイル電力に対
するO/Fの発光強度比及びC2/Fの発光強度比の変
化を示す図である。
【図33】第1の実施形態において、Oの発光強度が適
正範囲内に入るように石英ドームの壁温を制御するため
の手順を示すフローチャート図である。
【図34】第3の実施形態において、Oの発光強度が適
正範囲内に入るように酸素ガスの流量を制御する手順を
示すフローチャート図である。
【図35】第7の実施形態において、O/Fの発光強度
比が適正範囲内に入るように石英ドームの加熱量やポリ
シリコン電極の加熱量を制御する手順を示すフローチャ
ート図である。
【図36】第7の実施形態において、O/Fの発光強度
比及びC2 /Oの発光強度比が適正範囲内に入るように
石英ドームの加熱量やカーボンヒーターの加熱量を制御
する手順を示すフローチャート図である。
【図37】正常なエッチング,マイクロローディング及
びエッチストップの3つの場合におけるエッチングの進
行状態を示す図である。
【符号の説明】
1a チャンバーの下枠 1b チャンバーの上枠 2 石英ドーム(酸素含有部材) 3 アンテナコイル 4 第1整合器 5 第2高周波電源 6 ヒーター 7 上部電極 8 ガス導入口 9 基板 10 下部電極 11 ブロッキングコンデンサ 12 第2整合器 13 第2高周波電源 14 ターボ分子ポンプ 15 ドライポンプ 16 Oリング 17 プラズマ 18 光ファイバー 19 発光分光装置 21 アルミナ筒 22 クーリングリング 23 ウエハクランプ 24 ドームヒーター 25 石英ライナー101 レジスト膜 102 酸化膜 103 シリコン基板 104 コンタクトホール 105 デポ物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 二河 秀夫 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内 (72)発明者 中川 聡 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内 (72)発明者 松元 省二 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内 (72)発明者 尾藤 陽二 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウエハ上の膜にエッチングを行なうため
    の反応室と、上記反応室内にエッチング用ガスを導入す
    るためのガス供給手段と、上記エッチング用ガスを高密
    度プラズマにするためのプラズマ発生手段とを備えた装
    置を用いて行なう半導体装置の製造方法であって、 フロロカーボンプラズマ又はフロンプラズマによる反応
    室内のクリーニングを行なって、金属イオンがエッチス
    トップが発生したときの濃度からエッチストップが発生
    しないときの濃度まで回復するまでに必要なクリーニン
    グの所定時間を予め求めておき、 半導体装置が形成されるウエハを上記反応室内に設置し
    た状態で、上記反応室内にエッチング用ガスを導入する
    第1のステップと、 上記プラズマ発生手段により反応室内にプラズマを発生
    させて、上記ウエハの一部にホールを形成するためのエ
    ッチングを行う第2のステップと、 上記ホールの形成後に、さらに上記フロロカーボンプラ
    ズマ又はフロンプラズマによる反応室内のクリーニング
    を上記所定時間の間行なう第3のステップとを備えてい
    ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 上記第2のステップは、上記ウエハの一部にホールを形
    成するためのエッチングを標準条件よりも遅い条件で上
    記反応室内に存在する金属イオンを除去するように行な
    われ、 前回のウエハに対する上記第3のステップを兼ねている
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 酸素含有部材を壁部に有しウエハ上の膜
    にエッチングを行なうための反応室と、 上記反応室内に少なくとも炭素とフッ素とを含むエッチ
    ング用ガスを導入するためのガス供給手段と、 上記エッチング用ガスを高密度プラズマにするためのプ
    ラズマ発生手段と、 上記反応室内に少なくとも表面の一部が露出するように
    配設され、上記プラズマ内のO及びCのうち少なくとも
    いずれか1つの濃度を変更する機能を有する濃度変更手
    段と、 上記OとCの濃度比が、エッチングがほぼ一定速度で進
    行している状態から非連続的にエッチングが停止するエ
    ッチストップが発生しないための予め設定されている適
    正範囲内であるように、上記濃度変更手段を調節するた
    めの調節手段とを備え、 上記濃度変更手段の少なくとも1つは酸素含有部材であ
    り、上記調節手段の少なくとも1つは上記酸素含有部材
    からの酸素の放出量を制御する手段を有することを特徴
    とする半導体装置の製造装置。
  4. 【請求項4】 酸素含有部材を壁部に有しウエハ上の膜
    にエッチングを行なうための反応室と、 上記反応室内に少なくとも炭素とフッ素とを含むエッチ
    ング用ガスを導入するためのガス供給手段と、 上記エッチング用ガスを高密度プラズマにするためのプ
    ラズマ発生手段と、 上記反応室内に少なくとも表面の一部が露出するように
    配設され、上記プラズマ内のO及びFのうち少なくとも
    いずれか1つの濃度を変更する機能を有する濃度変更手
    段と、 上記OとFの濃度比が、エッチングがほぼ一定速度で進
    行している状態から非連続的にエッチングが停止するエ
    ッチストップが発生しないための予め設定されている適
    正範囲内であるように、上記濃度変更手段を調節するた
    めの調節手段とを備え、 上記濃度変更手段の少なくとも1つは酸素含有部材であ
    り、上記調節手段の少なくとも1つは上記酸素含有部材
    からの酸素の放出量を制御する手段を有することを特徴
    とする半導体装置の製造装置。
  5. 【請求項5】 酸素含有部材を壁部に有しウエハ上の膜
    にエッチングを行なうための反応室と、 上記反応室内に少なくとも炭素とフッ素とを含むエッチ
    ング用ガスを導入するためのガス供給手段と、 上記エッチング用ガスを高密度プラズマにするためのプ
    ラズマ発生手段と、 上記反応室内に少なくとも表面の一部が露出するように
    配設され、上記プラズマ内のO,F及びCのうち少なく
    ともいずれか1つの濃度を変更する機能を有する濃度変
    更手段と、 上記O,F及びCの濃度比が、エッチングがほぼ一定速
    度で進行している状態から非連続的にエッチングが停止
    するエッチストップが発生しないための予め設定されて
    いる適正範囲内であるように、上記濃度変更手段を調節
    するための調節手段とを備え、 上記濃度変更手段の少なくとも1つは酸素含有部材であ
    り、上記調節手段の少なくとも1つは上記酸素含有部材
    からの酸素の放出量を制御する手段を有することを特徴
    とする半導体装置の製造装置。
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