JP4095246B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマを用いた半導体装置の製造装置及び半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在の半導体デバイスの製造において、反応室内にプラズマを生成させて、ドライエッチングやCVDを行うプラズマ加工は、高集積化された半導体デバイス内の要素を加工するために欠かせない技術である。例えば、酸化膜からなる層間絶縁膜に、配線とトランジスタのソース・ドレイン領域などの活性領域とを接続するためのコンタクトホールや、配線間を接続するためのバイヤホールを形成する際には、反応室内にプラズマを生成して、ホールの側面方向へのエッチングの進行は側壁保護膜によって抑制しながら、ホール底面にはプラズマイオンの衝突によってエッチングを進行させるようにしている。このような異方性エッチングによって、微細な径を有しながら層間絶縁膜をほぼストレートに貫通するコンタクトホールやバイヤホールを形成することができる。
【0003】
ところで、半導体デバイスサイズの縮小に伴い、配線幅やコンタクトホールやバイヤホールの径はますます小さくなっている。しかるに、これらのホールの形成工程を例にとれば、ホール径は小さくなっているにかかわらず、層間絶縁膜の厚さはほとんど薄くなっていない。したがって、ホール径に対する層間絶縁膜の厚さの比(アスペクト比)はますます大きくなってきている。そして、アスペクト比の増大に伴い、ホールを形成する工程において、正常なホールが形成されないケースが生じやすくなる。特に、高アスペクト比のホールを形成する際には、ホール径によってエッチレートが変わるマイクロローディング現象と呼ばれる現象が生じやすかった。特に微細な径のホールを形成している際にこのマイクロローディング効果が発生すると、エッチングの進行が次第に遅くなり、ときには貫通ホールが形成されないうちにエッチングが停止するおそれがあった。
【0004】
一方、ドライエッチング技術の最近の進歩に伴い、側壁保護膜の発生をできるだけ抑制すべく側壁保護膜の形成とエッチングとを交互に行なうTMエッチング(Time Modelation Etching )と呼ばれる技術や、側壁でのラジカル反応が凍結するまでウエハ温度を下げて、側壁保護膜を形成することなく異方性エッチングを実現する低温エッチング技術と呼ばれる技術がある。これらの技術によると、側壁保護膜をなくすか低減しながら、異方性を確保することができる。上述のマイクロローディング現象の発生も抑制される。
【0005】
また、最近では、高アスペクト比のホールのエッチングに適したプラズマ源として、アンテナを絶縁物の反応室壁に設置した低ガス圧力、高密度プラズマの誘導結合型プラズマやヘリコン波プラズマを用いることにより、側壁保護膜を形成しなくても高異方性,高エッチ速度,高選択性を実現できるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この高密度プラズマを用いる技術において、エッチングの進行が途中で停止して、貫通ホールが形成されないという現象がある。このようなエッチストップは、それまで貫通ホールが正常に形成されていた状態で、突如エッチングが途中で停止する現象である。また、このエッチストップの発生時期は、エッチング開始直後のときもあり、エッチングが進行してから後のときもあるというようにばらつきがあり、一定の傾向を示していない。ウエハを何枚か処理しているうちに、あるウエハのエッチングの進行中に突然エッチストップが発生するのであって、何らかの要因が蓄積されて生じることを暗示している。
【0007】
このようなばらつきが生じる原因については、まだ詳細に解明されていないのが現状であるが、上記マイクロローディングとは明らかに区別できる現象である。そこで、本発明者達は、このようなエッチングが停止する現象を「エッチストップ」と呼ぶことにする。
【0008】
図37は、正常なエッチング,マイクロローディング及びここで問題にしているエッチストップの3つの場合におけるエッチングの進行状態を示す図である。同図において、横軸はエッチング時間を表し、縦軸はエッチング量を示している。そして、エッチング線Etnは正常なエッチングの場合を、エッチング線Emlはマイクロローディングが生じる場合を、エッチング線Estはエッチストップが生じる場合をそれぞれ示す。マイクロローディングの場合には、図37のエッチング線Emlに示すように、ある程度の深さに達するとエッチングの進行が遅くなるのが特徴である。一方、エッチストップの場合、図37のエッチング線Estに示すように、正常なエッチングの進行状態から突然エッチングの進行が止まるのであって、既に述べたように、発生時期もまちまちである。すなわち、マイクロローディング効果がエッチングレートの連続的な低下により引き起こされる現象であるのに対し、ここでいう「エッチストップ」とは、ある一定のエッチングレートで正常なエッチングを行なっている状態から非連続的にエッチングレートが0になることにより引き起こされる現象といえる。しかも、マイクロローディング効果が生じない条件下でも、エッチストップは生じる。
【0009】
ここで、一般的に、プラズマエッチングにおけるエッチングレートRは、下記式(1)で表される。
【0010】
R=(1/ρ)・θ・Γi・Ei−θ・Γd (1)
ここで、ρは被エッチング物の密度、θはラジカルの表面被覆率、Γiはイオンのフラックス量を表す関数、Eiはイオンエネルギー、Γdはラジカルのフラックス量を表す関数をそれぞれ示す。そして、式(1)の第1項はエッチングに寄与するファクタであり、第2項はデポジションに寄与するファクタである。
【0011】
エッチングが停止するということは、上記式(1)のエッチングレートRが0以下になるということである。そして、このようなR≦0になるためには、以下のような条件が必要である。
(a) Γi≒0の場合
この場合には、コンタクト孔内に入射するイオンフラックス量が減少する。この状態は、コンタクト孔のアスペクト比の増大や、表面チャージングなどにより発生する。
(b) Ei≒0の場合
この場合には、コンタクト孔内に入射するイオンのエネルギーが減少する。この状態は、特に絶縁膜に形成されるコンタクト孔内にイオンの下方への運動を阻害するチャージが存在することにより発生する。例えば、コンタクト孔の底面に正の電荷がありコンタクト孔の側壁上部に負の電荷がある場合である。
(c) (1/ρ)・θ・Γi・Ei≦θ・Γdの場合
これは、デポジションに寄与するラジカルの量がエッチングに寄与するイオンの量を上回る場合である。これは、プラズマ中のC2 /F比又はC/F比が増大することにより発生する。
【0012】
そして、一般的に、マイクロローディング効果とは、上記条件(c)によって引き起こされる現象ということがいえる。これらの現象の機構はまだ解明されていないが、マイクロローディング効果は、ホール内に供給されるデポラジカルが連続的に多くなって徐々にエッチングレートが小さくなる現象であって関数Γi,Γdが連続関数として表されるのに対し、エッチストップはエッチングレートが突然0になる現象であって関数Γi,Γdが不連続関数として表されるものと推定される。
【0013】
本発明は、このエッチストップ現象の原因の究明のための多くの実験を積み重ねた結果なされたものであり、エッチストップが発生する条件とエッチストップが発生しない条件とを把握することにより、エッチストップを確実に解消しうる半導体装置の製造装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明が講じた手段は、反応室の壁面からの酸素の放出作用あるいは酸素を含むガスの供給によりエッチング等のプラズマ処理の進行を妨げるデポ物を除去することにある。
【0015】
本発明の半導体装置の製造方法は、ウエハ上の膜にエッチングを行なうための反応室と、上記反応室内にエッチング用ガスを導入するためのガス供給手段と、上記エッチング用ガスを高密度プラズマにするためのプラズマ発生手段と、上記反応室内に配置され少なくとも表面の一部が露出する金属性の部材とを備えた装置を用いて行なう半導体装置の製造方法であって、半導体装置が形成されるウエハを上記反応室内に設置した状態で、上記反応室内にエッチング用ガスを導入する第1のステップと、上記プラズマ発生手段により反応室内にプラズマを発生させて、上記ウエハの一部にホールを形成するためのエッチングを行う第2のステップと、上記ホール形成後に、上記プラズマを発生させた状態で上記エッチングを標準条件よりも遅い条件で上記反応室内に存在する金属イオンを除去するようにさらに所定時間行う第3のステップとを備えている。
【0016】
この方法により、金属イオンの蓄積に起因するエッチストップの発生を未然に防止することができる。
【0017】
上記第2のステップは、上記ウエハの一部にホールを形成するためのエッチングを標準条件よりも遅い条件で上記反応室内に存在する金属イオンを除去するように行なわれ、前回のウエハに対する上記第3のステップを兼ねていることにより、工程数の低減が可能になる。
【0018】
本発明の半導体装置の製造装置は、酸素含有部材を壁部に有しウエハ上の膜にエッチングを行なうための反応室と、上記反応室内に少なくとも炭素とフッ素とを含むエッチング用ガスを導入するためのガス供給手段と、上記エッチング用ガスを高密度プラズマにするためのプラズマ発生手段と、上記反応室内に少なくとも表面の一部が露出するように配設され、上記プラズマ内のO及びCのうち少なくともいずれか1つの濃度を変更する機能を有する濃度変更手段と、上記OとCの濃度比が、エッチングがほぼ一定速度で進行している状態から非連続的にエッチングが停止するエッチストップが発生しないための予め設定されている適正範囲内であるように、上記濃度変更手段を調節するための調節手段とを備え、上記濃度変更手段の少なくとも1つは酸素含有部材であり、上記調節手段の少なくとも1つは上記酸素含有部材からの酸素の放出量を制御する手段を有する。
【0019】
本発明の半導体装置の製造装置は、酸素含有部材を壁部に有しウエハ上の膜にエッチングを行なうための反応室と、上記反応室内に少なくとも炭素とフッ素とを含むエッチング用ガスを導入するためのガス供給手段と、上記エッチング用ガスを高密度プラズマにするためのプラズマ発生手段と、上記反応室内に少なくとも表面の一部が露出するように配設され、上記プラズマ内のO及びFのうち少なくともいずれか1つの濃度を変更する機能を有する濃度変更手段と、上記OとFの濃度比が、エッチングがほぼ一定速度で進行している状態から非連続的にエッチングが停止するエッチストップが発生しないための予め設定されている適正範囲内であるように、上記濃度変更手段を調節するための調節手段とを備え、上記濃度変更手段の少なくとも1つは酸素含有部材であり、上記調節手段の少なくとも1つは上記酸素含有部材からの酸素の放出量を制御する手段を有する。
【0020】
本発明の半導体装置の製造装置は、素含有部材を壁部に有しウエハ上の膜にエッチングを行なうための反応室と、上記反応室内に少なくとも炭素とフッ素とを含むエッチング用ガスを導入するためのガス供給手段と、上記エッチング用ガスを高密度プラズマにするためのプラズマ発生手段と、上記反応室内に少なくとも表面の一部が露出するように配設され、上記プラズマ内のO,F及びCのうち少なくともいずれか1つの濃度を変更する機能を有する濃度変更手段と、上記O,F及びCの濃度比が、エッチングがほぼ一定速度で進行している状態から非連続的にエッチングが停止するエッチストップが発生しないための予め設定されている適正範囲内であるように、上記濃度変更手段を調節するための調節手段とを備え、上記濃度変更手段の少なくとも1つは酸素含有部材であり、上記調節手段の少なくとも1つは上記酸素含有部材からの酸素の放出量を制御する手段を有する。
【0021】
これれらの各発明により、以下の作用が得られる。すなわち、Cに対するOの濃度が低すぎるとホールの底部に堆積する炭素含有生成物を除去することができずエッチストップが発生するおそれがあるが、Cに対するOの濃度が高すぎるとウエハの下地も除去されるなどエッチング特性が悪化する。その際、Fの濃度もエッチング特性に影響する。したがって、調節手段により、O又はCの濃度比、又はOとFの濃度比、あるいはO,F及びCの濃度比を調節することで、エッチストップの発生を回避しながら、ホールを貫通させることができる。
【0022】
上記濃度変更手段を酸素含有部材とし、上記調節手段を上記酸素含有部材に近接して設けられたアンテナコイルとし、上記プラズマ発生手段を上記アンテナコイルに高周波電力を供給して上記反応室内に高密度のプラズマを発生させるものとすることにより、酸素含有部材の表面上のデポ物が揮発しやすい状態になるので、酸素含有部材の表面から酸素が放出され、Oの濃度の低下によるエッチストップの発生が回避される。
【0023】
上記エッチングガスは、CF4 ,C26 ,C38 ,C48 ,C58 及びC66 のうち少なくともいずれか1つを含むことが好ましい。
【0024】
上記プラズマ中のOの発光強度を検出するためのO発光強度検出手段をさらに備えている場合には、上記調節手段により、上記O発光強度検出手段で検出されるOの発光強度が予め設定されている適正範囲内であるように上記濃度変更手段を調節することができる。
【0025】
上記プラズマ中のOの発光強度を検出するためのO発光強度検出手段と、上記プラズマ中のFの発光強度を検出するためのF発光強度検出手段とをさらに備えている場合には、上記調節手段は、上記各発光強度検出手段により検出されたOの発光強度とFの発光強度との比が予め設定されている適正範囲内であるように上記濃度変更手段を調節することができる。
【0026】
これにより、エッチレートの低下を低下を招くことなく、エッチストップの発生を防止する機能を有する半導体装置の製造装置が得られる。
【0027】
本発明の半導体装置の製造装置は、ウエハ上の膜にエッチングを行なうための反応室と、上記反応室内に少なくとも炭素とフッ素とを含むエッチング用ガスを導入するためのガス供給手段と、上記エッチング用ガスを高密度プラズマにするためのプラズマ発生手段と、上記反応室内に少なくとも表面の一部が露出するように配設され、上記プラズマ内のO及びCのうち少なくともいずれか1つの濃度を変更する機能を有する濃度変更手段と、上記濃度変更手段を調節するための調節手段と、上記プラズマ中のOの発光強度を検出するためのO発光強度検出手段と、上記プラズマ中のC2 の発光強度を検出するためのC2 発光強度検出手段とを備え、上記調整手段は、上記各発光強度検出手段により検出されたOの発光強度とC2 の発光強度との比が予め設定されている適正範囲内であるように上記濃度変更手段を調節するものである。
【0028】
これにより、下地に対する膜のエッチング選択比を高く維持しながら、エッチストップの発生を防止する機能を有する半導体装置の製造装置が得られる。
【0029】
本発明の半導体装置の製造装置は、ウエハ上の膜にエッチングを行なうための反応室と、上記反応室内に少なくとも炭素とフッ素とを含むエッチング用ガスを導入するためのガス供給手段と、上記エッチング用ガスを高密度プラズマにするためのプラズマ発生手段と、上記反応室内に少なくとも表面の一部が露出するように配設され、上記プラズマ内のO及びCのうち少なくともいずれか1つの濃度を変更する機能を有する濃度変更手段と、上記濃度変更手段を調節するための調節手段と、上記プラズマ中のOの発光強度を検出するためのO発光強度検出手段と、上記プラズマ中のFの発光強度を検出するためのF発光強度検出手段と、上記プラズマ中のC2 の発光強度を検出するためのC2 発光強度検出手段とを備え、上記調節手段は、上記各発光強度検出手段の出力を受け、Oの発光強度とFの発光強度との比が予め設定されている適正範囲内であり、かつOの発光強度とC2 の発光強度との比が予め設定されている適正範囲内であるように上記濃度変更手段を調節するものである。
【0030】
上記濃度変更手段を酸素含有部材とし、上記調節手段を上記酸素含有部材を加熱するためのヒータとすることにより、酸素含有部材の表面上のデポ物の揮発が促進されるので、酸素含有部材の表面から酸素が放出され、Oの濃度の低下によるエッチストップの発生が回避される。
【0031】
上記濃度変更手段を、上記反応室内に少なくとも表面の一部が露出するように配設されたシリコン含有部材とし、上記調節手段を上記シリコン含有部材を加熱するためのヒータとすることにより、シリコン含有部材中にフッ素が吸収されることを利用して、プラズマ中のFの濃度が調節される。したがって、エッチング機能が調節されるとともに、相対的にOの濃度も調節される。
【0032】
上記濃度変更手段及び上記調節手段を、上記反応室内に少なくとも表面の一部が露出するように配設されたカーボンヒータとすることにより、カーボンヒータから放出されるカーボンを利用してプラズマ中のCの濃度が調節される。したがって、エッチングの選択性が調節されるとともに、相対的にOの濃度も調節される。
【0033】
上記濃度変更手段を石英により構成し、上記エッチング用ガスをフロロカーボン系ガスとし、上記調節手段により、上記濃度変更手段の温度を180〜300℃の範囲に加熱することにより、反応室内への酸素の放出量を適正範囲に維持することができる。
【0034】
本発明の半導体装置の製造装置は、ウエハ上の膜にエッチングを行なうための反応室と、上記反応室内にエッチング用ガスを導入するためのガス供給手段と、上記エッチング用ガスを高密度プラズマにするためのプラズマ発生手段とを備えており、上記反応室内にはプラズマと接する領域にエッチング種と結合する金属製の部材が配設されていない。
【0035】
これにより、反応室内において金属イオンとの反応によってプラズマ中のエッチング種が低減されることがなく、エッチストップの発生を抑制することができる。
【0036】
本発明の半導体装置の製造装置は、ウエハ上の膜にエッチングを行なうための反応室と、上記反応室内にエッチング用ガスを導入するためのガス供給手段と、上記エッチング用ガスを高密度プラズマにするためのプラズマ発生手段とを備えるとともに、上記反応室内に、金属を含まない部材からなるOリングを配設している。
【0037】
上記金属を、Al,Ti,Cu,W及びCoのうち少なくともいずれか1つとすることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
まず、本実施形態に係るプラズマ中の炭素,フッ素及び酸素の濃度比とエッチストップとの関連性について多数の実験データについて、図面を参照しながら説明する。
【0039】
図1は実験に使用した半導体装置の製造装置の構成を説明する図である。図1において、1aは反応室を囲むチャンバーの下枠、1bはチャンバーの上枠、2Aはチャンバーの中央部を構成する石英ドーム(酸素含有部材)、3は石英ドーム2Aの外周に巻かれたアンテナコイル、4はアンテナコイル3に供給される高周波電力用の第1整合器、5は第1高周波電源、7はポリシリコンからなる上部電極、6は上部電極7を加熱するためのトップヒーター、8はガス導入口、9は被加工物である基板、10は下部電極、12は下部電極10に供給される高周波電力用の第2整合器、13は第2高周波電源、14はターボ分子ポンプ、15はドライポンプ、17はプラズマ、18はプラズマ17からの光を通過させるための光フャイバ、19は発光分光装置、21はアンテナコイル3を保護するアルミナ筒、22はクーリングリング、23は石英製のウエハクランプ、24はアルミナ筒21の下端部に配設され石英ドーム2Aを加熱するためのドームヒーター、25は反応室の下部を囲む石英ライナーをそれぞれ示す。上記ガス導入口8には、図示しないガス供給系からエッチングに必要な各種ガスが供給されるように構成されており、その各種ガスの流量は流量計と制御弁とによって所望の値に調節可能に構成されている。
【0040】
図1に示すように、チャンバーの下枠1a、石英ドーム2A及びチャンバーの上枠1bによって反応室が形成され、ターボ分子ポンプ14及びドライポンプ15により反応室内が真空引きされるように構成されている。この反応室内には、下部電極10が設置されており、下部電極10の上に被加工物である基板9が設置されている。上部電極7はトップヒーター6によって温度が調整できるように構成されており、石英ドーム2Aはドームヒーター24によって温度が調整できるように構成されている。
【0041】
基板9を加工する際には、ガス導入口8より反応室内部にフロロカーボン系ガス例えばC26 を含むガスを流量40sccmで導入し、O2 ガスは添加しない。反応室内の圧力を5mTorr(0.67Pa)にした状態で、第1高周波電源5によりアンテナコイル3にソースパワーとして約2700Wの高周波電力を印加し、第1整合器4によって高周波電力の反射電力を抑えることによって、反応室内部にプラズマ17を生成する。そして、第2高周波電源13により下部電極10にバイアスパワーとして約1300Wの高周波電力を印加し、第2整合器12によって高周波電力の反射電力を抑えることによって、基板9上にプラズマ17に対するバイアス電圧を印加する。そして、このバイアス電圧によって加速されるイオンによって、基板9上の被加工領域例えば層間絶縁膜をエッチングして、ホールを形成する。例えばC26 がプラズマ中で分解して発生するCx Fy ラジカル(x=0,1,2,…、x=0,1,2,…)と層間絶縁膜を構成する酸化シリコンとが反応し、下地のシリコン基板とのエッチング選択比を高く維持しながらエッチングが進行する。特に、この装置は、10mTorrオーダーの高真空中で、高密度のプラズマを発生させるように構成されており、ホール形成中にも側壁保護膜を形成することなく異方性エッチングを実現できるように構成されている。
【0042】
図2(a),(b)及び図3(a),(b)は、本発明に関連して行ったプラズマの発光分析の結果得られた発光スペクトルを示す図であり、いずれも縦軸は発光強度を示し、横軸は波長(波数)を示す。図2(a),(b)はいずれもエッチング途中におけるエッチストップを生じないで円滑に加工ができた場合の発光スペクトルを示し、図2(a)はO,Fがピークとなる波長(それぞれ774nm,777nm)の近辺における発光スペクトルを、図2(b)はC2 がピークとなる波長の近辺における発光スペクトルをそれぞれ示す。また、図3(a),(b)はいずれもエッチング途中におけるエッチストップを生じて貫通ホールが形成されない場合の発光スペクトルを示し、図3(a)はO,Fがピークとなる波長の近辺における発光スペクトルを、図3(b)はC2 がピークとなる波長の近辺における発光スペクトルをそれぞれ示す。なお、図2及び図3には示されていないが、SiFのピークも観察されている。それ以外の物質のピークは観察されていない。
【0043】
ここで、以下の記載において、発光強度はピークの値によって比較するものとし、ピーク部の幅は無視するものとする。
【0044】
図2(a)と図3(a)とを比較すると、エッチストップを生じる場合、Oの発光強度が弱いことが示されている。また、O/Fの発光強度比が大きいほどエッチストップが生じていないことも示されている。図2(b)と図3(b)とを比較すると、エッチストップを生じる場合、C2 の発光強度が大きいことが示されている。ただし、図2(a),(b)及び図3(a),(b)の示す傾向が意味のあるものかどうかについては、さらにこの後説明する他のデータをも参考にして定める必要がある。
【0045】
なお、一般的には、シリコン酸化膜をエッチングすると、SiO2 の分解によって生じたOとエッチングガスであるフルオロカーボンガスの分解によって生じたCとが反応してCO,CO2 ,CF等が生じるといわれている。そして、エッチングの終点検出のためにはプラズマ中のCO量の変化を観察するのであるが、図1に示す装置によるエッチングの場合、プラズマ中にCO,CO2 はほとんど存在していなかった。これは、この装置において形成されるプラズマ中においては極めて高い解離効率が実現されているために、フルオロカーボンが効率よくC,Fに分離しているものと考えられる。
【0046】
図4(a),(b)は、ホールを形成するためのエッチング時にホールの底面上に堆積するデポ物の結合状態を調べるために行った基板の中心位置と端部位置とにおけるESCAの分析結果を示す柱状グラフである。同図において、ハッチング模様が異なる柱はそれぞれ異なる原子間結合の存在比を示している。また、同図(a)は、サンプルNo.1〜3のESCA分析結果を、同図(b)はサンプルNo.4〜6のESCA分析結果をそれぞれ示す。サンプルNo.1は一般的な条件(上部電極温度260℃,石英ドームの壁温220℃,ソースパワー2700W,O2 流量0sccm)でエッチングされたものであり、エッチストップは生じなかった。サンプルNo.2は上記一般的な条件から石英ドーム2Aの壁温のみを180℃に変えてエッチングされたものであり、エッチストップが生じた。サンプルNo.3はソースパワーを2500Wにして上部電極7の温度を240℃に制御しながらエッチングされたものであり、エッチストップは生じなかった。サンプルNo.4はソースパワーが2500WでO2 の流量が4sccmの条件でエッチングされたサンプルでありエッチストップは生じなかった。サンプルNo.5はソースパワーが2500WでO2 の流量が2sccmの条件でエッチングされたサンプルであり、エッチストップが生じなかった。サンプルNo.6は上記一般的な条件からソースパワーのみを2500Wに変えてエッチングされたものであり、エッチストップが生じた。
【0047】
上記実験結果を整理すると下記表1が得られる。
【0048】
【表1】
Figure 0004095246
【0049】
図5(a),(b)は、上記図4(a),(b)に示すサンプルNo.1〜6と同じサンプルについて、ホールの底面上に堆積するデポ物の成分を分析した結果を示す図である。
【0050】
上記図4(a),(b)及び図5(a),(b)を比較してわかるように、ホールの底面上に堆積するデポ物は、C,O,F,Siをそれぞれ相当量含んでいるにもかかわらず、これらの成分の結合状態は、C−C結合がほとんどであり、FやSiは遊離状態で存在していると思われる。
【0051】
図6はO,F及びC2 の発光強度のソースパワー依存性を示す図、図7はO/Fの発光強度比及びC2 /Fの発光強度比のソースパワー依存性を示す図である。図6からわかるように、ソースパワーが大きいほどOの発光強度が大きくなる。その原因は、石英ドーム2Aがエッチングされやすくなる結果、石英ドーム2Aから酸素が放出されやすくなることによると思われる。また、ソースパワーが大きいほどFの発光強度がわずかに大きくなっている。これは、プラズマ中におけるC26 の解離度が大きくなるため当然のことと思われる。なお、C2 の発光強度はソースパワーの変化があってもほとんど変化が見られない。その結果、図7に示すように、ソースパワーが大きいほどO/Fの発光強度比が大きくなる。また、ソースパワーが大きいほどC2 /Fの発光強度比が小さくなっているが、これはそれほど顕著な傾向とはいえない。
【0052】
図8はO,F及びC2 の発光強度の石英ドーム2Aの壁温依存性を示す図、図9はO/Fの発光強度比及びC2 /Fの発光強度比のドームの壁温依存性を示す図である。図8からわかるように、ドームの壁温が高くなるほどOの発光強度が大きくなる。その原因は、石英ドーム2Aに付着したデポ物が暖められて揮発しやすくなる結果、石英ドーム2Aから酸素が放出されやすくなることによると思われる。また、ドームの壁温が高いほどC2 ,Fの発光強度がわずかに小さくなっている。その結果、図9に示すように、ソースパワーが大きいほどO/Fの発光強度比が大きくなるが、C2 /Fの発光強度比は有意性のある変化を示していない。そして、この条件下における実験では、ドームの壁温が200℃以下ではエッチストップが生じたが、ドームの壁温が200℃を越えるとエッチストップが生じていない。
【0053】
図10(a)〜(c)は、シリコン基板上の層間絶縁膜にコンタクトホールを形成するドライエッチングを行ったときの正常な貫通ホールが形成された状態,エッチストップが生じて貫通ホールが形成されていない状態、貫通ホールが形成された後オーバーエッチングを行ったときの状態を示すSEM写真である。ただし、同図(a),(b)はフォトレジストマスクが除去された状態を示し、同図(c)フォトレジストマスクが残っている状態を示している。
【0054】
ここで、上述の図2〜図10のデータに基づき、エッチング途中におけるエッチストップが生じる原因について考察する。
【0055】
まず、ここで問題にしているエッチストップは、エッチレートが連続的に低下することによって生じるいわゆるマイクロローディング効果(RIEラグ)とは異なる。また、図10(b)に示すエッチストップを生じたときの底部におけるホール径が、図10(a)に示す正常な貫通ホールが形成される途中の径とほぼ同じである。
【0056】
次に、フルオロカーボンガスをエッチングガスとして用いたときのシリコン酸化膜へのホールの形成は、以下の作用によって行われるといわれている。
【0057】
シリコン酸化膜にホールを開口している間、ホールの底には上述のようにCに富んだCF系化合物が堆積している。一方、イオンの照射によって堆積物下方のシリコン酸化膜中にダメージ層が形成されると、SiO2 が分解してSiとOとが発生する。そして、このSi,Oと堆積物中のC,Fとの反応によって堆積物除去され、かつシリコン酸化膜のエッチングが進行する。つまり、堆積物がホールの底に堆積しようとする作用よりも、堆積物を除去しかつシリコン酸化膜を除去しようとする作用が強いことで、下方にエッチングが進行する。
【0058】
しかるに、例えば、ホールのアスペクト比が4以上になり、ホールの径が1μm程度になるなど、半導体装置の高集積化が進むと以下の問題が生じる。このようにホールが深くなるとホールの底面に対するイオンの入射角が狭くなるので、イオンの入射量が低減し、エッチング作用が弱くなる。このために、エッチング作用よりも堆積物の堆積作用が強くなり、エッチングが停止するものと推定される(上述の条件(a)による)。また、ここで行った条件下では、ホール底の堆積物は、CF化合物ではなく−C−C−ポリマーがほとんどであると思われる。そして、このようなカーボン系化合物が−C−C−ポリマーとなってホールの底に堆積すると、イオンの衝突によっても分解されない下方のシリコン酸化膜中にダメージ層が形成されにくくなり、エッチストップが生じるものと思われる(上述の条件(c)による)。すなわち、このような硬い−C−C−ポリマーが形成されると、Oの存在によって−C−C−ポリマーの主鎖を分解してしまうことが必要である。
【0059】
ところが、シリコン基板上のシリコン酸化膜にホールを形成するためのエッチングを行う際には、フルオロカーボンガスにO2 ガスを添加しないことが多い。これは、上述のようにSiO2 の分解によってOが発生するので、O2 ガスを添加しなくても、ホール底に堆積しようとするカーボン系滞留物を容易に分解して、その堆積を防止することができるからである。また、O2 ガスを添加しない方が下地のシリコン基板のオーバーエッチングを確実に防止できる(言い換えると高選択比が得られる)ことにもよる。したがって、実際に図1の装置を使用して層間絶縁膜(シリコン酸化膜)にコンタクトホールを形成していると、O2 ガスを添加していないにも拘わらず、図2,図3に示すように、プラズマ中にOが存在している。
【0060】
ここで、図2,図3に示すように、エッチングの途中においてエッチストップを生じないときには、エッチストップを生じるときに比べ、プラズマ中のOの濃度が高いことがわかった。したがって、この過剰なOを供給する供給源があるはずである。さらに実験を行った結果、図6に示すように、石英ドームの温度が高いとき(200℃)にはエッチストップが生じないことがわかった。すなわち、従来エッチストップを生じたり、生じなかったりするという現象のばらつきが、石英ドームの温度に依存していることが判明したのである。これは、高周波電力の印加によって石英ドームを構成するSiO2 が一部反応し、SiFとO2 とが発生することによるものと思われる。一方、石英ドームにはプラズマ加工の際に生じたデポ物が堆積するが、石英ドームの温度が高いとこのデポ物が揮発しやすくなり、その結果、表面のデポ膜の厚みが薄くなるので、石英ドームからO2 が反応室内に抜け出しやすくなるものと推定される。この推定がほぼ事実に近いであろうことは、図15に示す試料No.2の石英ドームの壁温や、図8に示すデータによって裏付けられている。
【0061】
また、図4に示す試料No.6のソースパワーや図6に示すデータからわかるように、ソースパワーが大きいほどエッチストップは生じにくい。これは、ソースパワーが大きいと石英ドームがエッチングされるため、石英ドームから発生するO2 の量も増大するためと推定される。
【0062】
以上を総合すると、何らかの手段によって反応室内のO2 の量を適正量に維持することにより、エッチストップを防止することができると考えられた。ただし、O2 ガスの量が多すぎると、上述のように貫通ホールが形成された後にシリコン基板がエッチングされるので、選択比が悪化する。
【0063】
次に、O以外の元素の存在もエッチング作用に重要な影響を及ぼしていると思われた。まず、プラズマ中のOに対するFの存在比も重要である。その理由は、Fが少ないとエッチング作用が弱くなり、Fが多すぎると下地のシリコン基板のエッチング作用が強くなり、シリコン酸化膜のエッチング選択比が低下するからである。
【0064】
また、プラズマ中のOに対するCの存在比が多すぎるとエッチストップが生じやすくなり、少なすぎるとシリコン酸化膜とシリコン基板とエッチング選択比が悪化する。
【0065】
したがって、シリコン酸化膜にホールを形成する際におけるエッチストップだけでなく、下地のシリコン基板のエッチングを防止するためには、O2 ガスの量だけでなく、O,F及びCの存在比が重要となる。
【0066】
図31は、石英ドームを使用してその温度を一定(240℃)に保持しながら、酸素ガスを供給したときのOの発光強度をコイル電力をパラメータとして示すデータである。エッチングガスには、C26 を用いている。同図の横軸は酸素ガスの流量を表し、縦軸はOの発光強度を表している。そして、コイル電力が一定の測定点を結んだ直線が発光強度0の線(横軸)と交わる点における酸素流量の値(負の値)が、酸素の流量に相当する石英ドームからの酸素の放出量を示している。例えば、コイル電力2700Wの測定点を結んだ直線と横軸との交点の値(x=−19.8)は、酸素流量19.8sccmに相当する酸素を放出しているものと思われる。
【0067】
同図に示されるように、酸素ガス流量の増大に応じてOの発光強度が増大している。これは、既に述べたように、石英ドームの内面に付着しているデポ物が加熱されて揮発しやすくなり、その結果、石英ドーム中の酸素が放出されやすくなるからである。このデータから、Oの発光強度がエッチストップを生じない所定値(例えば図2に示す任意単位で300)よりも大きくなるように酸素ガスの流量を制御すればよいことがわかる。
【0068】
また、コイル電力の増大につれてOの発光強度も増大していることがわかる。これは、既に述べたように、石英ドームの内面に付着しているデポ物が分解して揮発しやすくなり、その結果、石英ドーム中の酸素が放出されやすくなるからである。したがって、酸素の流量を一定に、あるいは酸素ガスを供給せずにOの発光強度がエッチストップを生じない所定値よりも大きくなるようにコイル電力を制御してもよいこともわかる。
【0069】
また、コイル電力と酸素流量とを適宜調整することによって、エッチストップをより効果的に防止できるであろうことが予想される。
【0070】
図32は、コイル電力を変更したときのコイル電力に対するO/Fの発光強度比及びC2 /Fの発光強度比の変化を示すデータである。石英ドーム2Aの温度は240℃と一定にし、酸素ガスは供給していない。エッチングガスとしてはC26 を用いている。同図に示されるように、コイル電力が増大するほどO/Fの発光強度比は大きくなっている。一方、コイル電力が増大するほどC2 /Fの発光強度比は小さくなっている。このことは、いずれもコイル電力が大きいほどエッチストップが生じにくいことを意味する。
【0071】
本発明は、上述の実験データに裏付けられた考察に基づいてなされたものであり、以下のような実施形態がある。
【0072】
(第1の実施形態)
本実施形態では、図1に示す半導体装置の製造装置を使用して、反応室内の酸素濃度を調整する第1の方法について説明する。
【0073】
基板9を加工する際には、ガス導入口8より反応室内部にC26 ガス,C48 ガス等のフロロカーボン系ガスを導入し、第1高周波電源5によりアンテナコイル3に高周波電力を印加し、第1整合器4によって高周波電力の反射電力を抑えることによって、反応室内部にプラズマ17を生成する。そして、第2高周波電源13によりブロッキングコンデンサ11を介して下部電極10に高周波電力を印加し、第2整合器12によって高周波電力の反射電力を抑えることによって、プラズマ17を基板9に付勢するためのバイアス電圧が基板9に印加される。そして、このバイアス電圧によって加速されるイオンによって、基板9をエッチングする。
【0074】
ここで、本実施形態の製造方法の特徴は、発光分光装置19によりプラズマ17から出射される光のうちOの発光強度を観察しながら石英ドーム2A内の温度を約180℃に制御している点である。
【0075】
図11は、本実施形態に関連して行ったプラズマの発光分析結果を示す図である。図11において、縦軸はOの発光強度ここでは例として波長777nmのOの発光強度(任意単位)を示し、横軸は石英ドームの温度を示している。エッチングガスとしては、C26 を使用している。また、酸素ガスは供給していない。同図に示されるように、石英ドームの壁温が160℃以下の範囲では温度の上昇に対してOの発光強度が緩やかに増加するのに対して、160℃以上では石英ドームの壁温の上昇につれて急激にOの発光強度が増大する。また、180℃以上では石英ドームの壁温が上昇してもOの発光強度はほとんど変わらなくなる。
【0076】
ここで、既に説明したように、この発光強度を上昇させる酸素は、主として石英ドーム2Aを構成する石英(酸化珪素)中の酸素であり、石英ドーム2Aの外周部に巻かれたアンテナコイル3の電界によって石英ドーム2Aがエッチングされるときに発生し、プラズマ17中に放出されるものと思われる。その場合、石英ドームの壁温が160℃以下のときには、反応生成物が石英ドーム2Aの内壁面に堆積するために、酸素はプラズマ17中に放出されず発光強度は小さいが、石英ドームの壁温が160℃以上になると、反応生成物が石英ドーム2Aの内壁面に堆積しにくくなるので、酸素がプラズマ17中に放出され、発光強度が大きくなると考えられる。
【0077】
そして、上述のような石英ドームの壁温の範囲によって石英ドーム2Aの内壁面から酸素が放出されたり放出されなかったりすることで、以下のような図12(a),(b)に示すエッチング形態の相違が生じていた。
【0078】
図12(a)は、石英ドームの壁温を140℃に制御してエッチングを行ったときの基板9の断面図である。図12(a)において、101はレジスト膜、102は酸化膜、103はシリコン基板、104はコンタクトホール、105はデポ物をそれぞれ示す。図12(a)に示す条件では、コンタクトホール104が酸化膜102の中間程度に達するまでエッチングは進むが、コンタクトホール104が深くなると、エッチングガスがプラズマ中で重合されてなる炭素を含んだ重合膜やレジスト膜101中に含まれる炭素を含んだデポ物が開口中のコンタクトホール104の底面に堆積し始める。そして、このデポ物がエッチングのイオンを遮るので、エッチングが途中停止し、コンタクトホール104が貫通されない。
【0079】
一方、図12(b)は、本実施形態による石英ドームの壁温を180℃に制御してコンタクトホール104を形成する時の形状を示す。上述のように、この条件下では石英ドーム2Aの内壁面から酸素が放出されるので、コンタクトホール104の底面に炭素を含んだデポ物が堆積しようとしても、炭素と酸素との反応によってデポ物が除去される。したがって、コンタクトホール104が深くなっても、底面にエッチングの途中停止を招くようなデポ物が堆積することはない。したがって、図12(b)に示すように、酸化膜102を貫通してシリコン基板103に到達するコンタクトホール104を形成することができる。
【0080】
以上のように、本実施形態によれば、石英ドームの壁温を180℃以上に温度制御することで、石英ドーム2Aの内壁面に反応生成物が付着するのが抑制される。そして、エッチングを行っている間、この反応生成物の付着抑制作用によって石英ドーム2Aの内壁面から安定して酸素が供給されるので、エッチングが途中停止することなく、アスペクト比の高いコンタクトホールをも確実に形成することができる。
【0081】
なお、本実施形態では、石英ドームの壁温をプラズマ17中のOの発光強度から検出するようにしているが、温度の検出は他の方法によってもよい。たとえば、経験的にヒーターへの供給電力と石英ドームの壁温との関係を予め求めておいて供給電力を制御する方法や、直接石英ドームにサーモメータを取り付ける方法などがあり、どのような方法を用いても、エッチング等の加工を円滑に行うことができる。
【0082】
また、プラズマ中のO発光強度を検出することにより、図11に示す特性を利用して、石英ドームから酸素が確実に放出されるように、プラズマ中の酸素濃度をより直接的に調整しうる。図33は、Oの発光強度が適正範囲内に入るように石英ドームの壁温を制御することにより、エッチストップを防止するための手順を示すフローチャートである。
【0083】
ステップST11で、ウエハを反応室内に搬入して、ステップST12で反応室内へのガスの供給を開始するとともに、ステップST13でアンテナコイル3及び下部電極10に高周波電力を印加して、ウエハ上の酸化膜のエッチングを開始する。その後、ステップST14で、ドームヒーター24による石英ドーム2Aの加熱制御を行ない、ステップST15でOの発光強度を検出する。次に、ステップST16で、Oの発光強度が所定値300(図2に示す任意単位の値)以上か否かを判別して、300以上であればステップST17に進んでエッチングを続行する。一方、ステップST16における判別でOの発光強度が300未満であればステップST18に移行し、石英ドーム2Aの加熱量を変更してから、ステップST14に戻る。
【0084】
以上の制御により、反応室内の酸素濃度をエッチストップが生じない範囲に制御することができる。
【0085】
(第2の実施形態)
本実施形態においては、図1に示す半導体装置の製造装置を用いて、反応室内の酸素雰囲気を調整する第2の方法について説明する。
【0086】
本実施形態においては、石英ドーム2A及び上部電極7をヒーター6,24によって加熱することにより、石英ドーム2Aを140℃に温度制御しながら、加工を行う。そして、ガス導入口8より反応室内部にC26 ガス,C48 ガス等のフロロカーボン系ガスとこのフロロカーボン系ガスの流量の5%以下の流量の酸素ガスとの混合ガスを導入する。そして、上述の第1の実施形態と同様に、第1高周波電源5からの電力の供給によってプラズマ17を生成するとともに、第2高周波電源13からの高周波電力の供給によって、基板9上にバイアス電圧を印加し、基板9をエッチングする。
【0087】
図13は、本実施形態に関連して行ったプラズマの発光分析結果を示す図である。図13において、縦軸はOの発光強度ここでは例として波長777nmのOの発光強度(任意単位)を示し、横軸は石英ドームの温度を示している。同図に示されるように、本実施形態では、第1の実施形態とは異なり反応室内に酸素ガスを導入しているので、その分だけOの発光強度が高くなる。すなわち、石英ドームの壁温140℃においてもOの発光強度が300程度になっており、このOの発光強度の値は、図11に示す第1の実施形態における酸素ガスを導入しないときの石英ドームの壁温180℃におけるOの発光強度と同じ値である。このことから、石英ドームを高温に加熱して石英ドームから酸素を多く放出させなくても、酸素ガスを添加することで同様の効果が得られると予想される。
【0088】
本実施形態では、酸素ガスを導入して石英ドームの壁温を140℃に制御しながら、第1の実施形態と同様に基板9中のコンタクトホール104の形成のためのエッチングを行うと、図12(b)に示すように、コンタクトホール104の底部にエッチングを途中停止させるようなデポ物を堆積させることなくエッチングを行うことができ、酸化膜102を貫通してシリコン基板103に到達するコンタクトホール104を形成することができた。
【0089】
なお、本実施形態では、反応室内部にC26 ガス,C48 ガス等のフロロカーボン系ガスと、フロロカーボン系ガスの流量の5%以下の酸素ガスとの混合ガスを導入するとしたが、C26 ガス,C48 ガス等のフロロカーボン系ガス及びAr,He,Xe,Kr等の希ガス(不活性ガス)の混合ガスと、混合ガスの流量の5%以下の流量の酸素ガスとの混合ガスでもよい。また、添加ガスとして酸素ガスを用いたが、一部に酸素を含む分子からなるガス,たとえばCOガス,CO2 ガスでもよい。
【0090】
(第3の実施形態)
本実施形態では、酸素ガスの流量によって反応室内の酸素濃度を調整する方法について説明する。
【0091】
図14は第3の実施形態に係る半導体装置の製造装置の構成を示す図である。同図に示すように、本実施形態に係る半導体装置の製造装置は、石英ドーム2Aの代わりに窒化珪素ドーム2Bを備えている点とを除き、上記図1に示す半導体装置の製造装置と同じ構造を有している。ただし、図14にはOリング16が記載されているが、図1においても、図示は省略されているものの、図14におけるとほぼ同じ位置にOリングが設けられている。
【0092】
そして、本実施形態においては、窒化珪素ドーム2B及び上部電極7はヒーター6によって加熱され、窒化珪素ドーム2Bの温度が180℃以上に保たれるようにヒーター6の加熱量が制御されている。そして、ガス導入口8より反応室内部にC26 ガス,C48 ガス等のフロロカーボン系ガスとフロロカーボンガスの流量の5%以下の酸素ガスとの混合ガスを導入する。そして、上述の第1の実施形態と同様に、第1高周波電源5からの電力の供給によってプラズマ17を生成するとともに、第2高周波電源13からの高周波電力の供給によって、基板9上にバイアス電圧を印加し、基板9をエッチングする。
【0093】
次に、図15は、本実施形態に関連して行った酸素を含まない窒化珪素ドームを用いた場合と酸素を含む石英ドームを用いた場合の酸素のプラズマ発光強度の相違を示す図である。なお、ドームの壁温は共に180℃の高温である。第1の実施形態で説明したように、石英ドーム2Aは、アンテナコイル3の電界によりSiO2 がエッチングされるのでその内壁面から酸素が放出されるが、窒化珪素ドーム2Bは、同じ条件ではエッチングされることはなく、内壁面からは何も放出されない。これは、窒化珪素ドーム2Bの構成元素Si−N間の結合エネルギーは石英の構成元素Si−O間の結合エネルギーより大きいことによる。
【0094】
このように、酸素を含まない窒化珪素ドームがエッチングされても反応室の側壁から酸素が放出しないので、基板9中のコンタクトホール104の形成のためのエッチングを行うとエッチング途中でコンタクトホール104の底部に炭素系のデポ物が堆積し、エッチングが途中で停止する(図12(b)参照)。
【0095】
この時、図15に示す石英ドーム2AのOの発光強度以上のOの発光強度を示すように酸素ガスを添加すると炭素系のデポ物は除去され、エッチングが途中で停止することなく進行し、酸化膜102を貫通してシリコン基板103に到達するコンタクトホール104が形成された。図34は、Oの発光強度が適正範囲内に入るように酸素ガスの流量を制御することにより、エッチストップを防止するための手順を示すフローチャートである。
【0096】
ステップST21で、ウエハを反応室内に搬入して、ステップST22で反応室内へのガスの供給を開始するとともに、ステップST23でアンテナコイル3及び下部電極10に高周波電力を印加して、ウエハ上の酸化膜のエッチングを開始する。その後、ステップST24で、ガス供給系の制御弁の開度を調節して酸素ガスの流量制御を行ない、ステップST25でOの発光強度を検出する。次に、ステップST26で、Oの発光強度が所定値300(図2に示す任意単位の値)以上か否かを判別して、300以上であればステップST27に進んでエッチングを続行する。一方、ステップST26における判別でOの発光強度が300未満であればステップST28に移行し、酸素ガスの流量を変更してから、ステップST24に戻る。
【0097】
以上の制御により、プラズマ中のOの濃度をエッチストップが生じない範囲に制御することができる。
【0098】
また、石英ドーム2Aの代わりに窒化珪素ドーム2Bを設けることにより、ドームの内壁面から酸素が放出されないので、エッチング特性が反応室の内壁を構成する材料の影響を受けない。したがって、プラズマ中のOの濃度を酸素ガスの流量のみで制御できるので、制御は容易であるといえる。
【0099】
なお、本実施形態では、反応室の内壁を構成する材料として窒化珪素を使用したが、窒化珪素の代わりに、窒化アルミニウム、炭化珪素、AlF等、他のいかなる酸素を有しない絶縁物を用いてもよい。
【0100】
なお、本実施形態では、反応室内部にC26 ガス,C48 ガス等のフロロカーボン系ガスとフロロカーボン系ガスの流量の5%以下の酸素ガスとの混合ガスを導入するとしたが、C26 ガス,C48 ガス等のフロロカーボン系ガス及びAr,He,Xe,Kr等の希ガス(不活性ガス)の混合ガスと、混合ガスの流量の5%以下の流量の酸素ガスとの混合ガスでもよい。また、添加ガスとして酸素ガスを用いたが、一部に酸素を含む分子からなるガス,たとえばCOガス,CO2 ガスでもよい。あるいは、C26 ガス,C48 ガス等のフロロカーボン系ガスと、Ar,He,Xe,Kr等の希ガス(不活性ガス)と、COガス,CO2 ガス等との混合ガスと、この混合ガスの流量の5%以下の酸素ガスとの混合ガスでもよい。
【0101】
(第4の実施形態)
本実施形態では、図1に示す半導体装置の製造装置中の石英ドームの使用の可否を判断する方法について説明する。
【0102】
第1の実施形態においても説明したように、反応室の内壁を酸素を含む材料により構成したとき、この反応室からの放出酸素量がエッチング特性に大きな影響を与える。第1の実施形態で使用した図1に示す半導体装置の製造装置においては、石英ドーム2Aに巻いているアンテナコイル3の電界によって石英ドーム2Aがエッチングされて、石英ドーム2Aの内壁面から酸素がプラズマ17中に放出される。
【0103】
したがって、例えば部品寿命で石英ドームを交換したとき、石英ドームの酸素含有量の相違、あるいは石英ドームの内壁面の処理による凹凸の程度の相違など、石英ドームの状態のばらつきによって内壁面から放出される酸素量が異なり、エッチング特性に大きな影響を与える。従来の方法では、実際に製品を処理してエッチングが途中停止するという製品不良が発生してから、石英ドームに問題があることが判明した。
【0104】
図16は、図1に示す半導体装置の製造装置において石英ドーム2Aの温度を180℃にしたときのOの発光強度の石英ドームのロット依存性を示している。石英ドームS1、S2、S3は全く同様に作製された物であるが、同図に示されるようにOの発光強度が異なる。Oの発光強度が規格値よりも小さい値の石英ドームS2を用いたとき、その内壁面から十分に酸素が供給されず、コンタクトホール形成のためのエッチングを行うとエッチング途中でコンタクトホールの底部に炭素系のデポ物が堆積し、エッチングが途中で停止する。Oの発光強度が規格値よりも大きい値の石英ドームS1、S3を用いれば、その内壁面から十分に酸素が供給されるので、コンタクトホール底部の炭素系のデポ物は除去され、エッチングが途中で停止することなくコンタクトホールを貫通させることができる。
【0105】
本実施形態によれば、半導体装置の製造装置において石英ドーム等の部品を交換する際、製品を製造する前にあらかじめ部品から放出される酸素量を測定するようにしたので、製造されるデバイス製品の不良を事前に防ぐことが可能となる。
【0106】
(第5の実施形態)
本実施形態では、図1に示す半導体装置の製造装置中の石英ドームを交換する際に、石英ドームの使用前の状態に応じて半導体装置の製造工程中における反応室の雰囲気を制御する方法について説明する。
【0107】
第1の実施形態において説明したように、反応室の内壁を酸素を含む材料により構成したとき、この反応室からの放出酸素量がエッチング特性に大きな影響を与える。第1の実施形態で使用した図1に示す半導体装置の製造装置においては、石英ドーム2Aに巻いているアンテナコイル3の電界によって石英ドーム2Aがエッチングされて、石英ドーム2Aの内壁面から酸素がプラズマ17中に放出される。
【0108】
したがって、例えば部品寿命で石英ドームを交換したとき、石英ドームの加工精度の相違、あるいは取り付けの際の調整の相違などにより、石英ドームとアンテナコイルとの密着度が異なる。このことにより、石英ドームの内壁面からの放出酸素量が異なり、エッチング特性に大きな影響を与える。従来の方法では、実際に製品を処理してエッチングが途中停止するという製品不良が発生してから、石英ドームに問題があることが判明した。
【0109】
図17は、第4の実施形態における図16に示すようなOの発光強度の石英ロット依存性がある場合に、Oの発光強度が規格値よりも大きい値の石英ドーム(例えば図16の石英ドームS3)を図1に示す半導体装置の製造装置に数回取り付け,取り外しを行ったときのOの発光強度のばらつきを示している。同図に示されるように、同じ石英ドームを用いているが、取り付け回数が変わるとOの発光強度も異なり、Oの発光強度が規格値よりも小さくなる場合も発生している。
【0110】
上述のようなOの発光強度のばらつきの原因は、石英ドームの取り付け具合によってアンテナコイルとの密着度が異なっていることにあると考えられる。この状態でコンタクトホール形成のためのエッチングを実施すると、エッチング途中でコンタクトホールの底部に炭素系のデポ物が堆積し、エッチングが途中で停止する。
【0111】
ここで、本実施形態では、石英ドームの交換時にOの発光強度を検出し、Oの発光強度が規格値よりも大きくなるように、酸素ガスを添加する。このための制御は、図34に示すフローチャートに示すとおりでよい。これにより、コンタクトホール底部の炭素系のデポ物は除去され、エッチングが途中で停止することなく、酸化膜を貫通してシリコン基板に到達するコンタクトホールを形成できる。
【0112】
このように、半導体装置の製造装置において石英部品を交換する際、製品を製造する前にあらかじめ部品から放出される酸素量を測定し、放出酸素量が規格値を満足しない場合、酸素ガスを導入し、その導入酸素ガス量を制御することで、製品不良を事前に防ぐことが可能となる。
【0113】
なお、酸素ガスに限らず、酸素を含む他のガスを使用してもよい。酸素を含むガスとしてはO2 ガスに限定されるものではなく、構成元素として酸素を含むCOガス,CO2 ガス等を使用してもよい。
【0114】
本具体例を適用できるエッチングガスは、CF4 ,C26 ,C38 ,C48 及びC66 のうち少なくともいずれか1つを含むガスであることが好ましい。また、Cxyz で表されるガス(例えばC222 ,C463 ,C642 など)を使用すれば、酸素の濃度比も同時に調整可能となる。したがって、ガスの流量の調節に必要なマスフローコントローラの数を低減することができ、設備費の低減と制御の簡素化を図ることができる。
【0115】
(第6の実施形態)
本実施形態では、図1に示す半導体装置の製造装置を用い、OとFの発光強度比を制御しながら半導体装置の製造を行なう方法について説明する。
【0116】
本実施形態においては、石英ドーム2A及び上部電極7をヒーター6,24によって加熱することにより、石英ドーム2Aを180℃に温度制御しながら、加工を行う。そして、ガス導入口8より反応室内部にC26 ガス,C48 ガス等のフロロカーボン系ガスとこのフロロカーボン系ガスの流量の5%以下の流量の酸素ガスとの混合ガスを導入する。そして、上述の第1の実施形態と同様に、第1高周波電源5からの電力の供給によってプラズマ17を生成するとともに、第2高周波電源13からの高周波電力の供給によって、基板9上にバイアス電圧を印加し、基板9をエッチングする。
【0117】
ここで、本実施形態の特徴は、光ファイバ18を通して発光分光装置19によりプラズマ17中のOとFの発光強度を検出している点である。
【0118】
図18は、プラズマ17中のOの発光強度とFの発光強度と石英ドームの壁温との関係を示す図である。同図の縦軸はフッ素(波長685nm)の発光強度に対する酸素(波長777nm)の発光強度の比(以下、単に発光強度比という)を表している。同図に示されるように、石英ドームの壁温が高くなるほど発光強度比が大きくなっている。これは、エッチングガスであるフロロカーボン系ガスから生成されるフッ素量は石英ドームの壁温の如何に拘わらず一定であるのに対し、石英ドームの内壁面からの酸素放出量は石英ドームの壁温が高くなるほど多くなることによる。そして、コンタクトホール形成のためのエッチングを行うと、石英ドームの壁温が160℃のときの発光強度比20では、酸素量が少ないためにコンタクトホール底部に炭素系のデポ物が堆積され、エッチングが途中で停止してコンタクトホールが形成されない。一方、石英ドームの壁温が180℃以上になって発光強度比が40〜50になると、コンタクトホール底部にデポ物が堆積することなくエッチングが進行し、コンタクトホールを貫通させることができる。特に、図18に示す石英ドームの壁温と発光強度比との間の相関関係を利用する方法によれば、図14に示す石英ドームの壁温と発光強度との相関関係を利用する場合に比べて、実際に測定する発光強度比の変化から石英ドームの壁温が180℃に達した状態を確実に把握できる利点がある。なお、このO/Fの発光強度比の適正範囲が上述の図4〜図9のデータと異なっているのは、図2〜図9のO/Fの発光強度比は、制御の容易さを考慮して、図2及び図3に示すOのピーク波長777nmに近い波長774nmにおけるFのピーク値を利用して算出しているためである。
【0119】
そこで、本実施形態における半導体装置の製造方法では、OとFの発光強度比が40以上の条件でエッチングを行う。
【0120】
図19は、本実施形態に係る半導体装置の製造装置の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。同図において、21は図1に示すような機器類を含む反応室、22は発光分光装置、23はアナログ信号をデジタル信号に変換するためのA/D変換器、24は各部材の動作を制御するための装置CPU、25は製品を反応室の内外に搬送するための搬送系、26は異常を告知するための警報器をそれぞれ示す。
【0121】
また、図20は、エッチングを行う際に図19に示す装置CPU24によって行われる制御の手順を示すフローチャートである。以下、図19を参照しながら、図20のフローチャートに沿って、エッチング工程について説明する。
【0122】
まず、ステップST1で、搬送系25により製品を反応室21外へ搬送し、エッチング処理待ちの次の製品を反応室21内へ搬送する。そして、ステップST2で、製品のエッチング例えばコンタクトホール形成のためのエッチングを開始する。
【0123】
次に、ステップST3,ST4で、エッチング中におけるプラズマ中の発光強度を発光分光装置22で検知する。ここでは、OとFの発光強度を検出する。この検出したアナログ信号はA/D変換器23でデジタル信号に変換された後、装置CPU24に取り込まれる。そして、ステップST6で、装置CPU24により酸素とフッ素との発光強度比が演算される。
【0124】
次に、ステップST6で、発光強度比が40以上か否かを判別し、発光強度比が40以上であれば、ステップST7に進んでエッチングを続行し、エッチングが終了すると上記ステップST1の制御に戻る。
【0125】
一方、ステップST6の判別で発光強度比が40に満たない場合は、現在進行中のエッチングは続行し、ステップST9でエッチングが終了すると、エッチング終了後の製品は搬送系25により反応室(石英ドーム)外へ搬送させるが、エッチング処理待ちの次の製品は、ステップST9の制御により反応室内へ搬送させない。そして、ステップST10で、警報器26から異常であることを知らせる警報を発生させる。
【0126】
このような半導体装置の製造装置及び半導体装置の製造方法を用いることで、製品不良を未然に防ぐことが可能となる。なお、ステップST8におけるエッチングの終了時には、貫通したコンタクトホールが形成される(図12(b)の状態)こともあれば、貫通されないで途中でエッチングの進行が停止している(図12(a)の状態)こともあり得る。
【0127】
なお、本実施形態では、OとFの発光強度を測定し、その比を用いたが、Oのみの発光強度を用いても良い。
【0128】
また、本実施形態の応用として、Oの発光強度とFの発光強度との比が40以上になる条件でエッチングを行うように、酸素ガスを導入しながらエッチングを行うようにしてもよい。
【0129】
(第7の実施形態)
本実施形態では、図1に示す半導体装置の製造装置を用い、反応室内の酸素,フッ素及び炭素の濃度比を調整しながら半導体装置の製造を行なう方法について説明する。
【0130】
図21は、図1に示す装置を用いてフルオロカーボンガス(ここではC26 ガス)を使用しながらRFパワーを2700Wとし、これに添加するO2 ガスの流量と、石英ドーム2Aの温度とを変えたときの発光スペクトル中のOピーク値とFピーク値との比であるO/Fの発光強度比を示す図である。そして、図21に示す各条件のうちO2 ガスの流量が0で石英ドーム2Aの温度が220℃,230℃のときのみエッチストップが生じた。すなわち、O/Fの発光強度比が1.0以下のときにはエッチストップが生じていることがわかる。このときのプラズマ中のO/Fの濃度比はこの発光強度比とは一致しないが、予めエッチストップが生じないO/Fの発光強度比がわかっているので、このO/Fの発光強度比がエッチストップを生じない適正範囲に入るようにO2 ガスとフルオロカーボンガスとの流量比を制御することにより、エッチストップを確実に回避しながらコンタクトホールを形成することができる。
【0131】
一方、図22は、図1に示す装置を用いてフルオロカーボンガス(ここではC26 ガス)を使用しながらRFパワーを2300Wとし、これに添加するO2 ガスの流量と、石英ドーム2Aの温度とを変えたときの発光スペクトル中のOピーク値とC2 ピーク値との比であるO/C2 の発光強度比を示す図である。図22に示す各条件のうちO2 ガスの流量が0で石英ドーム2Aの温度が160℃,180℃のとき、O2 ガスの流量が1sccmで石英ドーム2Aの温度が160℃,180℃のとき、O2 ガスの流量が2sccmで石英ドーム2Aの温度が160℃のときにエッチストップが生じた。すなわち、O/C2 の発光強度比が19以下のときにエッチストップが生じていることがわかる。このときのプラズマ中のO/Cの濃度比はO/C2 の発光強度比とは一致しないが、予めエッチストップが生じないO/C2 の発光強度比がわかっているので、このO/C2 の発光強度比がエッチストップを生じない適正範囲に入るようにO2 ガスとフルオロカーボンガスとの流量比を制御することにより、エッチストップを確実に回避しながらコンタクトホールを形成することができる。なお、図22に示すデータでは、エッチストップを生じる温度が図21に示す温度よりも低いが、これは、RFパワーが2300Wと少し弱いためと思われる。
【0132】
また、図21及び図22のデータを総合すると、プラズマ中のC,F及びOの発光強度比が適正範囲内にあるように、プラズマ中の3者の濃度比を制御することは可能であることはわかる。ただし、フルオロカーボンガスなどのエッチングガスの種類が定まると、反応室内に存在する炭素とフッ素の濃度比はほぼ一定となる。したがって、一般的には、O/Fの発光強度比またはO/C2 の発光強度比を測定しながらO2 ガスの流量を制御すればよいことがわかる。その場合、O/C2 の発光強度比を制御パラメータとする方がホールの底部に炭素含有生成物が堆積しようとする作用とそれを除去しようとする作用とのバランスが適正に図れるように直接的に制御することができる。しかし、図2(a),(b)に示すように、発光スペクトル中のOとC2 のピーク値を与える波長は大きく異なっているので、両者の発光ピーク強度比を正確に求めるには手間を要する。その点、発光スペクトル中のOとFのピーク値を与える波長は極めて近いので、両者の発光ピーク強度比は迅速かつ正確に測定することができる。また、図21に示すように、フルオロカーボンガスの種類によって炭素とフッ素の濃度比はほぼ一定と見なせるので、OとFとの発光強度比をOとC2 との発光強度比の代わりに制御パラメータとして利用することができる。その場合、図21に示すエッチストップが生じたときのO/Fの発光強度比は、実際はエッチストップが生じるO/C2 の発光強度比つまりプラズマ中のOとCの濃度比を表しているとも考えることができる。ただし、Fの濃度自体も別の機能面でエッチング作用に影響を及ぼすので、エッチング作用を害しない範囲でエッチストップを防止するためにO/Fの発光強度比を制御パラメータとして利用することもできる。
【0133】
上記各データに示されるエッチストップの発生の有無とC,F,Oの発光強度比との関係から、エッチング途中におけるエッチストップを生じないためには、プラズマ中のC,F,Oの濃度比が以下の範囲であることが好ましいと思われる。
【0134】
まず、エッチストップが生じないためには、O/Fの濃度比が4以上であることが好ましいと思われる。一方、O/Fの濃度比が大きすぎるとシリコン酸化膜とシリコン基板とのエッチング選択比が悪化するとともにエッチングレートが低下するので、10以下であることが好ましいと思われる。すなわち、O/Fの濃度比は4〜10であることが好ましいと思われる。
【0135】
また、プラズマ中のO/Cの濃度比が小さすぎるとエッチング途中におけるエッチストップが生じることから、O/Cの濃度比が2以上であることが好ましいと思われる。一方、プラズマ中のO/Cの濃度比が大きすぎるとシリコン酸化膜とシリコン基板とのエッチング選択比が高くできないので、5以下であることが好ましいと思われる。すなわち、プラズマ中のO/Cの濃度比は2〜5であることが好ましいと思われる。
【0136】
ここで、単に一定流量のO2 ガスを流すだけでは、多くのウエハを処理していくうちに反応室のプラズマ中のC,F,Oの濃度比が次第に適正範囲からずれて、突然エッチストップが発生する事態を確実に回避することができない。これは、プラズマ中のC,F,Oの濃度比が最適範囲から少しでもずれていると、そのずれが蓄積されて行くことによるものと思われる。したがって、プラズマ中のC,F,Oの濃度比が適正範囲になるように制御することにより、常にプラズマ中のC,F,Oの濃度比が適正範囲に保たれて、より確実にエッチストップを防止できる利点がある。
【0137】
ここで、上述のような適正なC,F,Oの濃度比を実現するための方法としては、以下の方法がある。
【0138】
第1の方法は、既に説明したように、O2 ガスを添加することなく石英ドーム2Aの温度を制御する方法である。この方法によって、Oの濃度が調整される結果、Oに対するC及びFの濃度比をそれぞれ適正範囲に維持することが可能である。この方法については、既に説明したとおりである。
【0139】
ただし、石英部材の加熱制御だけでは、適正範囲を実現するための条件が狭くなる。そこで、以下の方法が可能である。
【0140】
まず、トップヒータ6によってポリシリコンからなる上部電極7を暖めると、Fが直接ポリシリコンと反応する、つまり、ポリシリコンがFを吸収するという作用が大きくなる。例えば、O2 ガスを供給せずに、石英ドーム2Aを220℃に加熱し、かつ上部電極7を加熱し、ソースパワーを2500W印加した場合、240℃ではエッチストップが生じなかったが、260℃に加熱するとエッチストップが生じるという結果が得られている。これは、Fの濃度比が低くなったためと思われる。したがって、トップヒータ6によってポリシリコンからなる上部電極7(以下、ポリシリコン電極と呼ぶ)を加熱制御することによって、Fの濃度比を調整することができる。
【0141】
図35は、O/Fの発光強度比が適正範囲内に入るように石英ドームの加熱量やポリシリコン電極の加熱量を制御することにより、エッチストップを防止するための手順を示すフローチャートである。
【0142】
ステップST31で、ウエハを反応室内に搬入して、ステップST32で反応室内へのガスの供給を開始するとともに、ステップST33でアンテナコイル3及び下部電極10に高周波電力を印加して、ウエハ上の酸化膜のエッチングを開始する。その後、ステップST34で、ドームヒーター24による石英ドーム2Aの加熱制御を行ない、ステップST35で、トップヒーター6によるポリシリコン電極の加熱制御を行ない、ステップST36で、O,Fの発光強度を検出する。次に、ステップST37で、O/Fの発光強度比が適正範囲内か否かを判別して、適正範囲内であればステップST38に進んでエッチングを続行する。一方、ステップST37における判別でO/Fの発光強度が適正範囲内になければステップST39に移行し、石英ドームの加熱量又はポリシリコン電極の加熱量(あるいは両者の加熱量)を変更してから、ステップST34に戻る。
【0143】
以上の制御により、プラズマ中のO/Fの濃度比をエッチストップが生じない範囲に制御することができる。
【0144】
また、炭素を含有する部材を反応室内に設置してこれを加熱制御するようにしてもよい。例えばトップヒータ7をカーボンで構成し(以下、カーボンヒーターと呼ぶ)、加熱することによって反応室内へのCの放出量を制御し、プラズマ中のCの濃度比を調整することができる。
【0145】
図36は、O/Fの発光強度比及びO/C2 の発光強度比が適正範囲内に入るように石英ドームの加熱量やカーボンヒーターの加熱量を制御することにより、エッチストップを防止するための手順を示すフローチャートである。
【0146】
ステップST41で、ウエハを反応室内に搬入して、ステップST42で反応室内へのガスの供給を開始するとともに、ステップST43でアンテナコイル3及び下部電極10に高周波電力を印加して、ウエハ上の酸化膜のエッチングを開始する。その後、ステップST44で、ドームヒーター24による石英ドーム2Aの加熱制御を行ない、ステップST45で、カーボンヒーターの加熱制御を行ない、ステップST46で、O,F,C2 の発光強度を検出する。次に、ステップST47で、O/Fの発光強度比が適正範囲内か否かを判別した後、さらにステップST48で、O/C2 の発光強度比が適正範囲内か否かを判別して、両者がいずれも適正範囲内であればステップST49に進んでエッチングを続行する。一方、O/Fの発光強度比又はO/C2 の発光強度比が適正範囲内になければステップST50に移行し、石英ドームの加熱量又はカーボンヒーターの加熱量(あるいは両者の加熱量)を変更してから、ステップST44に戻る。
【0147】
以上の制御により、プラズマ中のO/Fの濃度比及びO/C2 の濃度比をエッチストップが生じない範囲に制御することができる。
【0148】
また、C,F,Oの濃度比を調整するためには、これらの元素のうち少なくともいずれか1つを含むガスを反応ガス,あるいは添加ガスとして使用することができる。
【0149】
例えば、反応ガスとして、CF4 ,C26 ,C38 ,C48 ,C58 及びC66 のうち少なくともいずれか1つを含むガスを使用することができる。また、C48 にCOガスまたはO2 ガスを添加してもよい。さらに、C66 にC48 を加えたガスを反応ガスとして用いることで、C,Fの濃度比をより微細に調整することもできる。
【0150】
また、Cxyz で表されるガス(例えばC222 ,C463 ,C642 など)を使用すれば、COガスのごとく毒性のあるガスを使用しなくても、単一の反応ガスによってC,F,Oの濃度比を適正範囲に維持することが可能となる。また、これらのガスに、CF4 等のフルオロカーボンガスを加えてもよい。
【0151】
特に、以上の反応ガス,添加ガスを使用する場合、反応室内に露出する表面部分が石英やカーボンで構成される部材を反応室内には配置せずに、ガスの流量の制御のみで、プラズマ中のC,F,Oの濃度比を適正に調整するようにしてもよい。
【0152】
(第8の実施形態)
本実施形態では、反応室内におけるアルミニウムイオンの存在に起因して生じるエッチストップに関して説明する。
【0153】
一般に、金属膜(特に配線用のAl膜,Ti膜,Cu膜,W膜,Co膜など)をエッチングする際や、金属膜上の他の部材(例えばシリコン酸化膜)をエッチングし終わって金属膜が露出したときに、反応室内のプラズマに金属が飛散する現象が見られる。図23(a),(b)は、Al膜をエッチングするときとSi基板をエッチングするときのプラズマの発光分析の結果を示す発光スペクトル図である。図23(a)に示すデータにおいては、図23(b)には現れていないAlイオンが検出されており、プラズマ中にAlイオンが飛散していることが裏付けられている。
【0154】
そして、飛散した金属はチャンバー内の部材に付着してエッチング種(F,0)と結合するものと思われる。図24は、チャンバー内のシリコン天板と石英ドームの表面をXPSにより分析した結果を示す図である。同図において、横軸は結合力(eV)を表し、縦軸は分析強度を示す。同図に示されるように、両部材共にAl−F結合を有する物質の存在が確認されている。
【0155】
図25は、反応室内へのAlの飛散に起因するエッチストップのモデルを示す断面図である。また、図26は、エッチストップが発生する過程を示すフローチャートである。以下、図25及び図26を参照しながら、エッチストップが発生する過程について説明する。
【0156】
ここでは、チャンバーの壁部を石英ドームとシリコン天板とにより構成し、2つのRF電源により、誘導コイルと下部電極に高周波電力を印加するように構成された誘導結合型プラズマ装置を用いる場合を例に採っている。ウエハ上にシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜が形成されており、この層間絶縁膜にAl配線に到達するホール(バイヤホール)を形成するためのプラズマエッチングを行なっているとする。プラズマ内には、フロロカーボンの分解によって生じたFイオン,FラジカルやC2 イオンが存在している。このとき、大面積のホール(例えばボンディングパッド上のホール)があると、そのホールが貫通されると、大面積のAl配線の表面が露出する。そして、プラズマ中にAlイオンが飛散すると、プラズマ内のFイオンとAlイオンとが結合して化合物AlFx が形成され、これがシリコン天板や石英ドーム上に堆積する。このAlFx の形成によって、プラズマ中のエッチング種(F)が減少し、C2 /F比が上昇する。その結果、実施形態の前に述べた作用により、エッチストップが生じる。このような形態のエッチストップは、上記条件(c)が満たされたことによって生じると考えられる。
【0157】
ただし、このような金属汚染に起因するエッチストップは、高アスペクト比のホールのエッチングによっては生じにくい。図27は、1000個のイオンがホールにある場合に、どの位置に存在するかをモンテカルロシミュレーションにより求めた結果を示す図である。同図の横軸は1000個のイオンの番号を表し、縦軸は断面が一定のホールの底面からの高さをアスペクト比として表したものである。つまり、あるアスペクト比のホールにイオンが閉じこめられる確率は、図27中でそのアスペクト比の位置よりも下方にあるイオンの数をイオンの総数で割った値になる。
【0158】
図28は、図27のシミュレーション結果に基づいてイオンがホール内にトラップされる確率と、イオンがホールの外に飛散する確率とがアスペクト比によってどのように変化するかを計算した結果を示す図である。図27及び図28に示されるように、ホールのアスペクト比が高くなるほどAlイオンはホールの外に飛散しにくくなることがわかる。
【0159】
この理由は、図29に示すように、高アスペクト比のホールを形成する際には、Al配線から飛散したAlイオンの大部分が、ホールの側面上にデポ物として堆積し、ホール内にトラップされるからと考えられる。
【0160】
したがって、ボンディングパッド上のホールのようなアスペクト比の低いホールを含むプラズマエッチングを行なう場合、このような形態のエッチストップが生じる確率が高い。すなわち、ボンディングパッド上のホールが開口されるごとに金属イオンが飛散し、これが次第に反応室内に蓄積されると、反応室内のエッチング種が低減していくので、何枚目かのウエハにおいて、エッチストップが発生することになる。
【0161】
次に、このような金属汚染に起因するエッチストップを回避するためには、以下のような手段が有効である。
【0162】
第1の方法は、チャンバー内に金属製部材の表面を露出させない方法である。金属製部材の表面がチャンバー内に露出していると、金属製部材の表面でエッチング種と金属との結合が生じることにより、エッチング種(Fなど)が不足して、金属配線の表面が露出したのと同様の作用が生じるからである。例えばチャンバーの気密性保持のために使用されるOリングに金属を混入したものがあるが、このような状態で使用される金属も問題となる。例えば図14に示す装置におけるOリング16は、従来、アルミニウム等の金属をシリコンゴム中に混入させたものを使用しているが、本実施形態では、このOリング16を金属を含まないシリコンゴムなどにより構成する。これによって、金属汚染に起因するエッチストップを確実に防止できることが確認された。また、金属酸化物を用いたセラミックを含むOリング等の部材をチャンバー内には配設しないことが好ましい。
【0163】
第2の方法は、反応室内のフロロカーボンプラズマ又はフロンプラズマによって反応室内において金属イオンのクリーニングを行なう方法である。図30は、エッチストップを生じた条件下において、フロロカーボンプラズマによるクリーニングを行なったときの回復程度を調べた実験の結果を示す図である。同図の横軸はクリーニング時間を、同図の縦軸は再エッチングを行なったときのエッチストップを生じるまでに進行したホールの深さをそれぞれ表しており、厚み1μmの酸化膜にホールを形成するようにしている。これは、エッチストップを生じた時点では、反応室内に金属イオンが多く残存しており、これをフロロカーボンプラズマで徐々にクリーニングしていることを意味する。図30に示されように、クリーニング時間を経るごとにエッチング深さが深くなっており、8時間で金属イオンの濃度がわずかである元の状態に回復していることが示されている。このことは、アスペクト比2.8程度のホールをエッチングしたときに放出される金属イオンによる汚染は、ウエハ1枚当たりに換算すると50秒程度のクリーニングによって除去され、エッチストップに至らないことが計算及び実験で確認されている。
【0164】
この第2の方法の変形として、クリーニングを行なう代わりに、次のウエハ処理時のフロロカーボンプラズマによるメインエッチの時間をわざと長めにして、その前の処理で反応室内に放出された金属イオンを除去する方法である。具体的には、基板上に印加するバイアスパワーを通常の条件よりも落とすことにより、エッチングレートを小さくしてエッチングする方法などがある。
【0165】
本実施形態における金属の代表的なものとしてはAl,Ti,Cu,W,Coがある。ただし、これらに限定されるものではなく、エッチング種(Fなど)と反応性のあるものが該当する。
【0166】
(その他の実施形態)
本発明を適用できる被加工領域は、特に酸素を含む膜例えばシリコン酸化膜,アルミナ膜等の酸化物により構成される膜であるときに大きな効果を発揮することができる。このような酸化物により構成される膜は、エッチングされたときに酸素を放出するので、これを利用してシリコン基板やポリシリコン膜とのエッチング選択比を高く維持しようとすると上述のようなエッチストップを招くおそれがあるからである。
【0167】
上記各実施形態では、チャンバーの側壁を石英ドーム又は窒化珪素ドームで構成したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、石英ドーム等がチャンバー内に設置されているものでもよい。その場合、反応室は、石英ドーム等で囲まれる部分であり、石英ドーム等の外壁面から酸素が発生するような場合も含まれる。
【0168】
上記各実施形態では、酸素含有部材として石英ドームしか例示していないが、他の酸化物系の無機材料でドームを構成してもよい。
【0169】
上記各実施形態では、プラズマ処理としてエッチングについてしか説明していないが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えばアンモニアガスや窒素ガス雰囲気中でプラズマ処理を行ってコンタクトホール底の半導体基板や金属配線中に窒素を導入するような場合にも、本発明のプラズマ処理を適用することができる。
【0170】
【発明の効果】
本発明の半導体装置の製造方法によれば、反応室内でプラズマエッチングを行なった後、反応室内の金属イオンを除去するためにエッチング用ガスを所定時間の間流すようにしたので、金属イオンの蓄積に起因するエッチストップの発生を未然に防止することができる。
【0171】
本発明の半導体装置の製造装置によれば、1×1011/cm3 以上の高密度プラズマを用いてプラズマエッチングを行なうための反応室内に酸素含有部材を設け、エッチストップが生じないようにこの酸素含有部材を加熱制御しているので、酸素含有部材の内壁面からの酸素の放出量を確保することにより、エッチストップを確実に防止することができる。
【0172】
本発明の半導体装置の製造装置によれば、プラズマエッチングを行なうための反応室内に表面が露出した金属製部材を設置しないようにしているので、金属製部材から飛散する金属イオンの蓄積に起因するエッチストップを確実に防止することができる。
【0173】
本発明の半導体装置の製造方法によれば、プラズマエッチングによりホールを形成する際には、エッチストップが生じないように反応室内のプラズマ中のOの濃度を調節するようにしたので、ホールの底に堆積する−C−C−ポリマーを確実に除去することにより、エッチストップを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用される半導体装置の製造装置の構成の例を部分的に断面図で示すブロック図である。
【図2】エッチストップを生じないで円滑に加工ができた場合の発光スペクトルを示す図である。
【図3】エッチストップを生じて貫通ホールが形成されない場合の発光スペクトルを示す図である。
【図4】ホールの底面上に堆積するデポ物の結合状態を調べるために行ったサンプル1〜6の基板の中心位置と端部位置とにおけるESCAの分析結果をそれぞれ示す図である。
【図5】図4に示すサンプル1〜6について、ホールの底面上に堆積するデポ物の成分を分析した結果をそれぞれ示す図である。
【図6】O,F及びC2 の発光強度のソースパワー依存性に関するデータを示す図である。
【図7】O/Fの発光強度比及びC2 /Fの発光強度比のソースパワー依存性を示す図である。
【図8】O,F及びC2 の発光強度のドームの壁温依存性を示す図である。
【図9】O/Fの発光強度比及びC2 /Fの発光強度比のドームの壁温依存性を示す図である。
【図10】ドライエッチングにおける正常な貫通ホールが形成された状態,エッチストップが生じた状態、貫通ホールが形成された後オーバーエッチングを行ったときの状態をそれぞれ示すSEM写真を複写した図である。
【図11】第1の実施形態に係る酸素発光分析により得られたOの発光強度の石英ドームの壁温依存性を示す図である。
【図12】第1の実施形態によるコンタクトホール形成のためのエッチングにおいてエッチストップが生じた状態と貫通ホールが形成された状態とをそれぞれ示す断面図である。
【図13】第2の実施形態に係る酸素発光分析により得られたOの発光強度の石英ドームの壁温依存性を示す特性図である。
【図14】第3の実施形態に係る半導体装置の製造装置の構成を部分的に断面図で示すブロック図である。
【図15】第3の実施形態に関して行った実験で得られた窒化珪素ドームと石英ドームとを使用した場合におけるOの発光強度の相違を示す図である。
【図16】第4の実施形態に係る石英ドームの温度を180℃にしたときのOの発光強度の石英ドームのロット依存性を示す図である。
【図17】第5の実施形態に係るOの発光強度が規格値よりも大きい値の石英ドームを半導体装置の製造装置に数回取り付け,取り外しを行ったときのOの発光強度のばらつきを示す図である。
【図18】第6の実施形態に係るOの発光強度とFの発光強度との比の石英ドームの壁温依存性を示す特性図である。。
【図19】第6の実施形態に係る半導体装置の製造装置の制御系統図である。
【図20】第6の実施形態に係る半導体装置のエッチング工程の手順を示すフローチャート図である。
【図21】第7の実施形態の第2の具体例におけるC26 ガスに添加するO2 ガスの流量と石英ドームの温度とを変えたときのO/Fの発光強度比を示す図である。
【図22】第7の実施形態の第2の具体例におけるC26 ガスに添加するO2 ガスの流量と石英ドームの温度とを変えたときのO/C2 の発光強度比を示す図である。
【図23】第8の実施形態におけるAl膜をエッチングするときとSi基板をエッチングするときのプラズマの発光分析の結果を示す発光スペクトル図である。
【図24】第8の実施形態におけるチャンバー内のシリコン天板と石英ドームの表面をXPSにより分析した結果を示す図である。
【図25】第8の実施形態における反応室内へのAlの飛散に起因するエッチストップのモデルを示す断面図である。
【図26】第8の実施形態におけるエッチストップが発生する過程を示すフローチャート図である。
【図27】第8の実施形態において、1000個のイオンがホールにある場合に、どの位置に存在するかをモンテカルロシミュレーションにより求めた結果を示す図である。
【図28】図27のシミュレーション結果に基づいてイオンがホール内にトラップされる確率と、イオンがホールの外に飛散する確率とがアスペクト比によってどのように変化するかを計算した結果を示す図である。
【図29】第8の実施形態におけるAl配線から飛散したAlイオンがホールの側面上にデポ物として堆積している状態を示す断面図である。
【図30】第8の実施形態において、エッチストップを生じた条件下において、フロロカーボンプラズマによるクリーニングを行なったときの回復程度を調べた実験の結果を示す図である。
【図31】石英ドームを使用してその温度を一定に保持しながら、酸素ガスを供給したときのOの発光強度をコイル電力をパラメータとして示す図である。
【図32】コイル電力を変更したときのコイル電力に対するO/Fの発光強度比及びC2 /Fの発光強度比の変化を示す図である。
【図33】第1の実施形態において、Oの発光強度が適正範囲内に入るように石英ドームの壁温を制御するための手順を示すフローチャート図である。
【図34】第3の実施形態において、Oの発光強度が適正範囲内に入るように酸素ガスの流量を制御する手順を示すフローチャート図である。
【図35】第7の実施形態において、O/Fの発光強度比が適正範囲内に入るように石英ドームの加熱量やポリシリコン電極の加熱量を制御する手順を示すフローチャート図である。
【図36】第7の実施形態において、O/Fの発光強度比及びC2 /Oの発光強度比が適正範囲内に入るように石英ドームの加熱量やカーボンヒーターの加熱量を制御する手順を示すフローチャート図である。
【図37】正常なエッチング,マイクロローディング及びエッチストップの3つの場合におけるエッチングの進行状態を示す図である。
【符号の説明】
1a チャンバーの下枠
1b チャンバーの上枠
2 石英ドーム(酸素含有部材)
3 アンテナコイル
4 第1整合器
5 第2高周波電源
6 ヒーター
7 上部電極
8 ガス導入口
9 基板
10 下部電極
11 ブロッキングコンデンサ
12 第2整合器
13 第2高周波電源
14 ターボ分子ポンプ
15 ドライポンプ
16 Oリング
17 プラズマ
18 光ファイバー
19 発光分光装置
21 アルミナ筒
22 クーリングリング
23 ウエハクランプ
24 ドームヒーター
25 石英ライナー101 レジスト膜
102 酸化膜
103 シリコン基板
104 コンタクトホール
105 デポ物

Claims (9)

  1. ッチングを行なうための反応室と、上記反応室内にエッチング用ガスを導入するためのガス供給手段と、上記エッチング用ガスをプラズマにするためのプラズマ発生手段とを備えた装置を用い、ウエハの上に配線用の金属膜および絶縁膜が順に設けられており上記配線用の金属膜に到達するホールを上記絶縁膜に形成するためのエッチングを行なう半導体装置の製造方法であって、
    フロロカーボンプラズマ又はフロンプラズマによる上記反応室内のクリーニングを行なって、上記金属膜の金属イオンが上記ホールのエッチングにおいてエッチストップが発生したときの上記反応室内での濃度からエッチストップが発生しないときの上記反応室内での濃度まで回復するまでに必要なクリーニングの所定時間を予め求めておき、
    半導体装置が形成される上記ウエハを上記反応室内に設置した状態で、上記反応室内に上記エッチング用ガスを導入する第1のステップと、
    上記プラズマ発生手段により上記反応室内にプラズマを発生させて、上記ウエハの上に形成された上記絶縁膜に上記ホールを形成するためのエッチングを行う第2のステップと、
    上記ホールの形成後に、さらに上記フロロカーボンプラズマ又はフロンプラズマによる上記反応室内のクリーニングを上記所定時間の間行なう第3のステップとを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. ウエハ上の膜にエッチングを行なうための反応室と、上記反応室内にエッチング用ガスを導入するためのガス供給手段と、上記エッチング用ガスを高密度プラズマにするためのプラズマ発生手段とを備えた装置を用いて行なう半導体装置の製造方法であって、
    フロロカーボンプラズマ又はフロンプラズマによる上記反応室内のクリーニングを行なって、金属イオンがエッチストップが発生したときの濃度からエッチストップが発生しないときの濃度まで回復するまでに必要なクリーニングの所定時間を予め求めておき、
    半導体装置が形成される上記ウエハを上記反応室内に設置した状態で、上記反応室内にエッチング用ガスを導入する第1のステップと、
    上記プラズマ発生手段により上記反応室内にプラズマを発生させて、上記ウエハの一部にホールを形成するためのエッチングを行う第2のステップと、
    上記ホールの形成後に、さらに上記フロロカーボンプラズマ又はフロンプラズマによる上記反応室内のクリーニングを上記所定時間の間行なう第3のステップとを備え、
    上記第2のステップは、上記ウエハの一部に上記ホールを形成するためのエッチングを標準条件よりも遅い条件で上記反応室内に存在する上記金属イオンを除去するように行われ、前回のウエハに対する上記第3のステップを兼ねていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. ッチングを行なうための反応室と、上記反応室内にエッチング用ガスを導入するためのガス供給手段と、上記エッチング用ガスをプラズマにするためのプラズマ発生手段とを備え、さらに、上記反応室内において表面が露出するように上記反応室の壁部に設けられた酸素含有部材を備えた装置を用いて、半導体装置を製造する方法であって、
    上面に膜が形成されたウエハを上記反応室内に配置し、少なくとも炭素とフッ素とを含む上記エッチング用ガスを上記ガス供給手段から上記反応室内へ導入するステップと、
    上記プラズマ発生手段により上記反応室内に上記エッチング用ガスのプラズマを発生させて上記ウエハ上に形成された上記膜のエッチングを開始するステップと、
    上記プラズマ内におけるOの濃度が、上記膜に対するエッチングがほぼ一定速度で進行している状態から非連続的に上記膜に対するエッチングが停止するエッチストップが発生しないための予め設定されている適正範囲内であるように、上記酸素含有部材の温度を調整して上記酸素含有部材からの酸素の放出量を制御するステップと
    を備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法
  4. ッチングを行なうための反応室と、上記反応室内にエッチング用ガスを導入するためのガス供給手段と、上記エッチング用ガスをプラズマにするためのプラズマ発生手段と、上記反応室内に表面が露出するように配設され、上記プラズマ内のFの濃度を変更する機能を有する濃度変更手段とを備え、さらに、上記反応室内において表面が露出するように上記反応室の壁部に設けられた酸素含有部材を備えた装置を用いて、半導体装置を製造する方法であって、
    上面に膜が形成されたウエハを上記反応室内に配置し、少なくとも炭素とフッ素とを含む上記エッチング用ガスを上記ガス供給手段から上記反応室内へ導入するステップと、
    上記プラズマ発生手段により上記反応室内に上記エッチング用ガスのプラズマを発生させて上記ウエハ上に形成された上記膜のエッチングを開始するステップと、
    上記プラズマ内におけるOとFの濃度比が、上記膜に対するエッチングがほぼ一定速度で進行している状態から非連続的に上記膜に対するエッチングが停止するエッチストップが発生しないための予め設定されている適正範囲内であるように、上記酸素含有部材の温度を調整し、上記酸素含有部材からの酸素の放出量を制御するとともに上記濃度変更手段の温度を調節するステップと
    を備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法
  5. ッチングを行なうための反応室と、上記反応室内にエッチング用ガスを導入するためのガス供給手段と、上記エッチング用ガスをプラズマにするためのプラズマ発生手段と、上記反応室内に表面が露出するように配設され、上記プラズマ内のCの濃度を変更する機能を有する濃度変更手段とを備え、さらに、上記反応室内において表面が露出するように上記反応室の壁部に設けられた酸素含有部材を備えた装置を用いて、半導体装置を製造する方法であって、
    上面に膜が形成されたウエハを上記反応室内に配置し、少なくとも炭素とフッ素とを含む上記エッチング用ガスを上記ガス供給手段から上記反応室内へ導入するステップと、
    上記プラズマ発生手段により上記反応室内に上記エッチング用ガスのプラズマを発生させて上記ウエハ上に形成された上記膜のエッチングを開始するステップと、
    上記プラズマにおけるCの濃度比が、上記膜に対するエッチングがほぼ一定速度で進行している状態から非連続的に上記膜に対するエッチングが停止するエッチストップが発生しないための予め設定されている適正範囲内であるように、上記酸素含有部材の温度を調整し、上記酸素含有部材からの酸素の放出量を制御するとともに上記濃度変更手段の温度を調節するステップと
    を備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法
  6. 上記膜は、酸化物の膜であり、
    上記エッチングは、上記膜にホールを形成するためのエッチングであることを特徴とする請求項3から5の何れか1つに記載の半導体装置の製造方法。
  7. 上記酸素含有部材は、石英からなることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 上記酸素含有部材は石英からなり、上記濃度変更手段はシリコンからなることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 上記酸素含有部材は石英からなり、上記濃度変更手段は炭素を含有する部材からなることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
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