JP6097047B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、尿とりパッドや生理用ナプキン、使い捨ておむつなどの吸収性物品に関する。
尿とりパッド等の吸収性物品においては、各部材の材料や構造を改良し、その機能や着用感の向上が図られてきた。特に、液の防漏性や液戻り抑制については、着用感の向上の観点から吸収性物品の種類や用途に応じて種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、吸収体の下面側から上面の側縁までを非透水性のラミネート紙で覆い、さらに両側方にプリーツ部を形成した生理用ナプキンが開示されている。
また特許文献2には、吸収体の側縁から幅方向内側に距離をおいた位置に、疎水性材料からなる防漏壁が表面シート上に形成された使い捨ておむつが開示されている。この使い捨ておむつには、吸収体の中央部分と分離した吸収体側部があり、これに対応する表面シート上にサイド吸収領域とサイド疎水領域とが配設されている。これらの領域は、内部の吸収体側部とともに山折りされて着用者の大腿部に当接し隙間が生じないようにしている。
さらに特許文献3には、表面シートと吸収体との間に、多数の開孔を有するセカンドシートを配した吸収性物品が開示されている。前記開口部の親水度が該開口部間の平坦部の親水度より大きく設定されている。このセカンドシートが、吸収体の肌当接面側の全面を覆って配されている。
実開昭63−182729号公報 特開2004−81618号公報 特開2012−5744号公報
前記特許文献1の生理用ナプキンは、吸収体から表面シート側への液戻りに関しては考慮されていない。また前記特許文献2の使い捨ておむつは、表面シート上の疎水材料による防漏壁およびサイド疎水領域により脚廻りからの液の横漏れを防止するが、吸収性コアから表面シート側への液戻りの抑制について考慮されていない。さらに前記特許文献3の吸収性物品では、吸収体の肌当接面側の全面を開孔シートが覆っているので、着用者が横向きに寝た場合を想定した傾斜状態では、液の透過スピードには限界があり、尿等の多量の排泄液には対応できるものではない。
本発明は、上記の点を踏まえ、表面シートから吸収体への液透過性を阻害することなく、排泄液の横漏れを防止し、かつ吸収体コアから表面シート側への液戻りを抑制して、着用時の肌のベタつきを抑えることができる吸収性物品に関する。
本発明は、肌当接面側に配された表面シート、非肌当接面側に配された裏面シート、及び前記両シートの間に介在配置された液保持性の吸収性コアを備え、着用者の腹側部から排泄部対応領域を介して背側部に亘って配される方向を縦方向、該縦方向と直交する方向を横方向とする吸収性物品であって、前記表面シートと前記吸収性コアとの間には複数の疎水性シートが配されており、前記排泄部対応領域においては、複数の該疎水性シートは、前記吸収性コアの横方向における中央領域とその両側の側部領域との間の領域に横方向に離間して配されている吸収性物品を提供する。
本発明の吸収性物品は、表面シートから吸収体への液透過性を阻害することなく、排泄液の横漏れを防止し、かつ吸収体コアから表面シート側への液戻りを抑制して、着用時の肌のベタつきを抑えることができる。
本発明の吸収性物品の好ましい一実施形態としての尿とりパッドを模式的に示した一部切欠斜視図である。 図1におけるII−II線断面を示す断面図である。 本実施形態における吸収性コアと疎水性シートとの関係を模式的に示した平面図である。 吸収性コアと疎水性シートとの配置関係の変形例を示す平面図である。
本発明に係る吸収性物品の好ましい一実施形態として尿とりパッドについて、図面を参照しながら以下に詳述する。
本発明においては、特に断らない限り、人体に接触する側を肌面側ないし肌当接面側あるいは表面側といい、これと反対側を非肌面側ないし非肌当接面側あるいは裏面側という。着用時に人体の前側に位置する方向を前方といいその端部を前端部とし、後側に位置する方向を後方といいその端部を後端部として説明する。この前端部と後端部とを結ぶ方向、つまり着用者の腹側部から排泄部対応領域を介して背側部に亘る方向を、吸収性物品の縦方向(Y方向)という。この縦方向と直交する方向を横方向(X方向)という。また、吸収性物品の表面又は裏面の法線方向を厚み方向といいその量を厚みという。
図1には、本実施形態の大人用の尿とりパッド10の全体構造が示されている。尿とりパッド10は、肌当接面側に配された液透過性の表面シート1、非肌当接面側に配された裏面シート2、及び前記両シートの間に介在配置された液保持性の吸収性コア3を備える。吸収性コア3は、親水性繊と高吸水性ポリマーとを含有した混合積繊体である。この吸収性コア3の外面が被覆シート4で覆われて吸収体5となる。
表面シート1は、肌触りが良く液透過性の部材からなり、例えば、親水性のエアスルー不織布からなる。裏面シート2は、吸収体5の非肌当接面側で液漏れを防ぐ観点から、液難透過性の部材からなり、例えば、液不透過性の多孔性フィルム等を用いて形成されたものである。また、ムレ防止の観点から透湿性を有することが好ましい。前記液難透過性とは、液を透過させにくい性質を意味し、防水性、撥水性及び液不透過性を含む。
このようにして形成された尿とりパッド10は、縦方向(Y方向)と、該縦方向と直交する横方向(X方向)とを有する、縦長形状である。尿とりパッド10は、着用の際、表面シート1側を着用者の肌側に向けられる。そして、尿とりパッド10の縦方向を下腹部から臀部にかけて配し、その横方向を左右の足を繋ぐ方向に向けて配して着用される。その際、裏面シート2の非肌当接面側に配設される粘着部又は面ファスナ22(図2参照)を有していてもよい。前記粘着部又は面ファスナ22によって尿とりパッド10を着衣に固定することができる。
尿とりパッド10は、着用者の排泄ポイントに対応する排泄部対応領域C、排泄部対応領域Cよりも前方の下腹部側に対応する前方部F、後方の臀部側に対応する後方部Rを有する。本実施形態における排泄部対応領域Cは、尿とりパッド10を縦方向に3領域に区分けしたときの中央の領域である。この区分は、前述のとおり着用者の排泄ポイント全体を覆う部分を排泄部対応領域Cとでき、使用目的等によって変わる吸収性物品の大きさに合わせて設定され得る。臀部を覆う幅広の後方フラップを有する吸収性物品の場合、排泄部対応領域Cは前方寄りとなる。
図2に示されるように、表面シート1と吸収性コア3との間、より具体的には、表面シート1と吸収性コア3の肌当接面側の被覆シート4との間に一対の疎水性シート7,7が配されている。各疎水性シート7,7は、排泄部対応領域Cにおいては、吸収性コア3の横方向における中央領域31と左右両側部領域32,32との間の領域33,33それぞれに相対して配されている。つまり、各疎水性シート7,7は吸収性コア3の横方向中央の中央領域31を挟んで互いに横方向に離間して配されている。また、尿とりパッド10の縦方向においては、各疎水性シート7,7は、排泄部対応領域Cからさらに前方部F及び後方部Rに延出されている。この吸収性コア3の中央領域31の肌当接面側は、疎水性シート7の介在がなく、表面シート1からの排泄液の取り込み口35をなす。本実施形態において、この取り込み口35は、中央領域31に対応した表面シート1、被覆シート3及び吸収性コア3の肌当接面で構成される。これにより、中央領域31では表面シート1からの液透過経路が確保され、吸収性コア31へと液が素早く取り込まれ、吸収保持される。
さらにこの排泄液は、疎水性シート7の側部7S,7Sに沿って、横方向(X方向)よりも縦方向(Y方向)へと拡散され、吸収性コア3の中央領域31における縦方向(Y方向)の広い範囲で吸収保持される。これにより、疎水性シート7の配置にも関わらず、液の吸収スピードは阻害されない。
また、疎水性シート7によって、これに相対する吸収性コア3の領域33などから表面シート1側への液の戻りが抑制される。加えて取り込み口35では、両脇の疎水性シート7の介在によって、吸収性コア3ないし吸収体5と表面シート1とが離間し易くされている。たとえ体圧等がかかっても、表面シート1と被覆シート4とが離れやすく、密着し難くされている。このことが吸収性コア3から表面シート1への液戻りを生じ難くする。さらに取り込み口35では、疎水性シート7の介在で、表面シート1と被覆シート4との非密着による隙間6で、吸収性コア3と表面シート1との間に距離ができ液戻り抑制に効果的である。さらに、この隙間6では、前記の両シートが密着した状態に比べて繊維等による通液抵抗が低く、表面シート1にある液を引き込み易い。
この観点から、疎水性シート7は、所定の厚みのあるものであることが好ましい。その厚みは、0.05mm以上が好ましく、0.3mm以上がより好ましい。また、その上限は、着用時のフィット感や当て心地の観点から、1mm以下が好ましく、0.7mm以下がより好ましい。
尿とりパッド10から疎水性シート7を取り出し、厚みを測定するには、以下の手段で行うことができる。
(疎水性シートの取り出し方)
尿とりパッド10の表面シート1側から、コールドスプレー(ニチバン株式会社製、商品名)を吹きかける。その後、尿とりパッド10から、表面シート1及び吸収体5などから疎水性シート7を丁寧に剥がす。
(厚みの測定法)
疎水性シート7の上に、直径2.5cmかつ比重0.5g/cm2の板を載せ、非接触型CCDレーザー変位センサーLK−080(キーエンス(KEYENCE)社製、商品名)を用いて、厚みを測定する。
さらに表面シート1上で、排泄液が疎水性シート7の配置位置まで拡散しても、親水性の表面シート1の非肌当接面側と疎水性シート7との間の界面を伝い易い。界面を伝って移動した排泄液は、疎水性シート7の切れ目から、疎水性シート7の配されない吸収性コア3の中央領域31のみならず側部領域32へと透過されて吸収保持され得る。つまり、排泄液が、表面シート1を伝って横方向(X方向)外方へと移動したとしても、側部領域32の肌当接面側に取り込まれ吸収保持される。これにより、尿とりパッド10の側部からの液漏れを効果的に防止することができる。
一方、吸収性コア3の側部領域32に到達する液量は中央領域31に比べて少ない。そのため側部領域32の領域に疎水性シート7がなくても、その幅を制限的に設定することで、そこからの液の戻りを抑制できる。また、疎水性シート7の介在により、吸収性コア3の側部領域32に対応して、表面シート1と被覆シート4とが密着しない隙間8,8が生じ、この部分での吸収性コア3と表面シート1との間に距離ができ液戻り抑制に効果的である。さらに、この隙間8では、前記の両シートが密着した状態に比べて繊維等による通液抵抗が低く、表面シート1にある液を引き込み易い。また、端部に疎水性シート7が存在しないことから、横向き寝を想定した傾き状態において、幅方向へ流れ込む液を好適に吸収することができる。
これにより表面シート1から透過される液の吸収保持と液戻り抑制との両立をなし得る。そのため大人用の尿とりパッド10において、左右それぞれの側部領域32の幅は、液保持性の観点から、5mm以上が好ましく、10mm以上がより好ましい。その上限は、液戻り抑制の観点から、20mm以下が好ましく、15mm以下がより好ましい。この側部領域32の幅は、少なくとも排泄部対応領域Cにおいて適用されることが好ましい。
以上のとおり、尿とりパッド10は、疎水性シート7を表面シート1上ではなく、表面シート1と吸収性コア3との間に部分的に配したことで、表面シート1から吸収体3への液透過性を阻害することなく、排泄液の横漏れを防止し、かつ表面シート1側への液戻りを抑制して、着用時の肌のベタつきを抑えることができる。
疎水性シート7は、液を透過し難い性質をいい、好ましくは開孔率が35%以下のものをいう。
上記の性質の疎水性シート7として、透湿性のフィルム(裏面シートに用いられるものなど)、疎水性の不織布(合成繊維を用いたものなど)、開孔フィルムなど素材そのものが疎水性材料であってもよく、ティッシュペーパー等の親水性のシート体に撥水剤やホットメルト接着剤を塗布して疎水性シートにしたものなどがある。
その中でも、疎水性シート7自体が、疎水性の材料からなることが好ましい。これにより排泄液との接触等で疎水材料が流れ出しなどして吸収性コア3の吸収保持性能を阻害することがなく、疎水性シート7としての機能も保持されて好ましい。
尿とりパッド10においては、疎水性シート7は、表面シート1と吸収性コア3の肌当接面側の被覆シート4との間に配されているが、これに限らず、表面シート1と吸収性コア3との間であって、上記の作用を奏する限り任意の層に配置することができる。たとえは、被覆シート1と吸収性コア3の肌当接面との間でもよい。あるいは吸収性コア3上に中間シートが配され(図示せず)、表面シート1と中間シートとの間、中間シートと吸収体5との間に疎水性シート7が配されてもよい。なお、被覆シート4と吸収性コア3の肌当接面との間に疎水性シート7を配する場合、疎水性シート7の厚みによる密着性解消の観点から、吸収性コア3が疎水性シート7を介した押圧に耐え得る硬さがあることが好ましい。いずれの場合も、表面シート1からの液の透過性を阻害しないよう、少なくとも排泄部対応領域Cにおいて、疎水性シート7は表面シート1と非接合であることが好ましい。
図3に示すように、疎水性シート7は、吸収性コア3の中央領域31の両脇において縦方向(Y方向)に沿って配されている。これにより液の取り込み口35が縦方向に長く、排泄位置や表面シート1からの液透過位置が前後方向にずれても素早く液を引き込むことができる。また、いずれの位置で液を受けとめても疎水性シート7が液の横流れを効果的に抑制できる。なお図3では、吸収性コア3と疎水性シート7との配置関係の理解のため、被覆シート4やその他の部材を省略して示している(後述する図4においても同様。)。
一方、疎水性シート7は、吸収性コア3の縦方向(Y方向)長さよりも短く、端縁36には達しない配置である。これにより、疎水性シート7に沿って液が縦方向(Y方向)に拡散しても端部にある吸収性コアがしっかりと受け止め吸収保持することができる。その結果、着用者の背中や腹側からの液の漏れを防止することができるので好ましい。
このように、吸収性コア3の縦方向長さ(S)に対する疎水性シート7の縦方向長さ(T)の比(T/S)は、0.1以上が好ましく、0.35以上がより好ましい。またその上限は、0.97以下が好ましく、0.80以下がより好ましい。上記下限以上とすることで、液戻りを効果的に抑制でき、上記上限以下とすることで、液戻りを広い範囲で抑制できる。
特に大人用の尿とりパッドにおいては、吸収性コア3の端縁36と疎水性シート7の端縁76との離間長さは、0.5cm以上が好ましく、1cm以上がより好ましい。またその上限は、5cm未満が好ましく、2cm未満がより好ましい。上記下限以上とすることで、腹側または背中側まで流れた液も効果的に吸収でき、上記上限以下とすることで、効果的な液戻り抑制が可能である。
疎水性シート7の縦方向長さは、吸収性物品の大きさや使用目的により設定されるので一義的に決められないが、本実施形態の大人用の尿とりパッド10において、疎水性シート7の縦方向長さ(T)は、少なくとも5cm以上であることが好ましく、15cm以上であることが好ましい。また、吸収性コア3の中央領域31の両脇に配される一対の疎水性シート7,7は互いに長さが同じであることが好ましい。
以上のとおり、疎水性シート7による液の横漏れ防止及び液戻り抑制と、吸収性コア3による液の吸収保持性の確保とをバランスよく両立させる観点から、疎水性シート7全ての合計面積(M1)、中央領域31の面積(M2),左右の側部領域32全ての合計面積(M3)について、(M2)>(M3)の関係にあることが好ましく、(M1)>(M2)>(M3)の関係にあることがより好ましい。これにより、疎水性シート7全ての合計面積(M1)が狭すぎることがなく、十分な効果を奏する。
なお、中央領域31の面積(M2)は疎水性シート7(幅方向に二本以上ある場合は、中央寄りの疎水性シート7)を前後端まで延ばした領域に挟まれた部分の面積である。側部領域32の合計面積(M3)は疎水性シート7(幅方向に二本以上ある場合は、側部寄りの疎水性シート7)を前後端部まで延長した領域の横方向外方となる部分の合計面積である。
また、尿とりパッド10から、疎水性シート7の面積を求めるには、以下の手段を用いることができる。
(面積の測定法)
尿とりパッド10の表面シート1上からOHPシートを重ね、疎水性シート7の輪郭をOHPシートに写しとる。その後、OHPシートをスキャンし、解析ソフト(MediaCybernetics社製Image−Pro Plus7.0J)により面積を得る。
さらに吸収性コア3の横方向(X方向)において、疎水性シート7(領域33)の合計幅をH1(=H1a+H1b)、中央領域31の幅H2、側部領域32の合計幅H3(=H3a+H3b)について以下の範囲であることが好ましい。
すなわち、疎水性シート7の合計幅(H1)と中央領域31の幅(H2)とは、縦方向(Y方向)の(H2)の最も狭い所を基準として、(H1)>(H2)であることが好ましく、疎水性シート7の合計幅(H1)は中央領域31の幅(H2)の2倍以上であることがより好ましい。これにより、効果的に液戻りを抑制することができる。なお、前記の基準とする「(H2)の最も狭い所」は、液の横漏れ防止の観点から、排泄部対応領域Cにあることが好ましい。
また、吸収性コア3の中央領域31の幅(H2)は、吸収性コア3の幅(H1+H2+H3)全長の15%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましい。またその上限は、30%以下であることが好ましく、28%以下であることがより好ましい。前記下限以上であることで効率的に体液を吸収でき、前記上限以下であることで効率的に液戻りを抑制できる。特に、大人用の尿とりパッド10において、中央領域の幅(H2)は2.5cm以上が好ましく、3cm以上がより好ましい。その上限は、5cm以下が好ましく、4.5cm以下がより好ましい。また、疎水性シート7の各幅(H1a,H1b)は3cm以上が好ましく、4cm以上がより好ましい。その上限は、5cm以下が好ましく、4.5cm以下がより好ましい。
なお、中央領域31における横幅(H2)は、排泄部対応領域Cの縦方向中央を基準とした幅である。この基準位置において、疎水性シート7が存在する場合、その合計幅(H1)は疎水性シートの幅の合計である。また、前記基準位置において疎水性シート7が存在しない場合、疎水性シートを縦方向に繋いだ線(図4における点線)を考え、その部分に疎水性シートがあると仮定することで、疎水性シート7が存在する場合と同様に考えることができる。
吸収性コア3の中央領域31には、その両側の疎水性シートに対応する領域33,33を架け渡す圧搾部9が2条配設されている。本実施形態において、圧搾部9は、前方部F及び後方部Rにそれぞれ配設されている。圧搾部9は、吸収性コア3の親水性繊維等の吸収素材を圧縮して剛性を高めた部分である。この剛性により、圧搾部9が中央領域31における梁をなす。つまり、尿とりパッド10の装着状態において、着用者の大腿部等による幅方向内方への圧力が生じても、剛性の圧搾部9の部分が折れにくく、領域33,33の間の距離を保持され易くなる。これにより、中央領域31が縮みにくく、液の取り込み口35が好適に確保され得る。特に、疎水性シート7が領域33にのみ対応するため、中央領域31は疎水性シート7の厚みがない分だけ曲がりやすくなっており、圧搾部9による架け渡しは、液の取り込み口確保の観点から好ましい。
また、吸収性コア3の中央領域31が、吸収性コア3の他の領域よりも厚みのあることが好ましい。この厚みがあるとは、吸収性物品の深さ方向に対する厚みのことであり、中央領域31の排泄部に密着する部分に厚みがあることが好ましい。これにより体液が中央領域31において効果的に吸収される。
疎水性シート7は、図3に示すような直線状でなくてもよく、湾曲した形状等であってもよい。また、左右で長さが異なってもよく、左右それぞれで複数列の構成であってもよい。さらに、各疎水性シート7が、縦方向に連続的に列を形成したものに限らず、複数の疎水性片77を間欠的に縦方向に配して列をなすようにしてもよい。この間欠的な配置において、縦方向の列を形成する限り、各疎水性片77の大きさや形状が異なってもよい。横方向への液流れ防止の観点から、縦方向の長さが少なくとも1cm以上であることが好ましく、15cm以上であることがより好ましい。
上記の疎水性シート7として、例えば、図4の(a)〜(h)に示される変形例などが挙げられる。
疎水性シートの長さや幅を変更した例として、図4の(a)〜(d)が挙げられる。
図4の(a)は、吸収性コア3の中央領域31の左右両脇に疎水性シート7を2条ずつ配している。これにより、液の横漏れを2段階で防ぐことができ好ましい。また2条の疎水性シートの間にも液取り込み口を備えるので、液の吸収保持性も維持できて好ましい。この場合、疎水性シート7の合計面積(M1)は4条の面積の合計である。中央領域31の面積(M2)は中央寄りの疎水性シート7を前後端まで延ばした領域に挟まれた部分の面積である。側部領域32の合計面積(M3)は側部寄りの疎水性シート7を前後端部まで延長した領域の横方向外方となる部分の合計面積である。中央領域31における横幅(H2)は、排泄部対応領域Cの縦方向中央を基準とした幅である。この基準位置において、疎水性シート7の合計幅(H1)は4条分の幅の合計である。
図4の(b)は、疎水性片77を、排泄部対応領域Cの縦方向中央において前後に分離している。中央領域31の左右両脇で、疎水性片77A及び77Bが前後に離間して列71をなして配置されている。離間した位置の吸収性コア3の部分(領域33A)は、表面シート1からの液の透過性が保持されている。これにより、より効率的に体液を吸収することができ好ましい。この場合、疎水性シート7の合計面積(M1)は4つの疎水性片77の合計面積である。中央領域31の面積(M2)は、離間部分を含めた疎水性シート列71,71を前後端まで延長した領域に挟まれた部分の面積である。側部領域32の合計面積(M3)は左右の疎水性シート列71,71を前後端部まで延長した領域の横方向外方となる部分の合計面積である。また、中央領域31の横幅(H2)の基準位置は排泄部対応領域Cの前後方向中央である。疎水性シート7の合計幅(H1)は、疎水性片77Aと77Bとを仮想線で結んで画定される領域の前記基準位置における横幅である。
図4の(c)は、図4の(b)の疎水性片77をさらに前後方向に分割したものである。具体的には、中央領域31の左右両脇で、疎水性片77C、77D,77E,77Fが前後に離間して列72,72をなしている。これにより、より効率的に体液を吸収することができ好ましい。この場合、疎水性シート7の合計面積(M1)は8つの疎水性片77の合計面積である。疎水性中央領域31の面積(M1)は、離間部分を含めた疎水性シート7の列72,72を前後端部まで延長した領域に挟まれた部分の面積である。側部領域32の合計面積(M3)は左右の疎水性シート列72,72を前後端部まで延長した領域の横方向外方となる部分の合計面積である。また、中央領域31の横幅(H2)の基準位置は排泄部対応領域Cの前後方向中央であり、疎水性シート7の合計幅(H1)は前記基準位置に近接する位置の横幅である。
図4の(d)は、疎水性シート7が吸収性コア3の中央領域31を前後方向でも囲むようにした配置である。これにより、横方向のみならず、前後方向にいて、疎水性シート7が液漏れを防御きるので好ましい。この場合も、前後端部の吸収性コアを残すことで、液が疎水性シート7を超えた場合でも、液を吸収保持できるので好ましい。この場合、中央領域31の面積(M2)は、四方を疎水性シート7に囲まれた内側の領域の面積である。左右の側部領域32全ての合計面積(M3)は、疎水性シート7の縦方向に沿う部分を前後方向に延長した領域の横方向外方となる部分の合計面積である。また、中央領域31の横幅(H2)の基準位置は排泄部対応領域Cの前後方向中央であり、疎水性シート7の合計幅(H1)は前記基準位置での横幅である。
図4の(e)〜(h)は、腹側や背中側に流れこむ体液を効率的に吸収できる好ましい形態の例である。
図4の(e)は、疎水性シート7の前後端部を短くして排泄部対応領域Cから前方部F及び後方部Rにややかかるように配する。これにより、疎水性シート7の前後端外方の吸収性コアの領域33B,33Cでは、表面シート1からの液の透過性が保持されている。液の横漏れや液戻りに関して、最低限の範囲で抑制することができ好ましい。この場合、疎水性シート7の合計面積(M1)は、2枚の合計面積である。中央領域31の面積(M2)は、疎水性シート7を前後方向に延長した領域に挟まれた部分の面積である。側部領域32の合計面積(M3)は、疎水性シート7を前後方向に延長した領域の横方向外方となる部分の合計面積である。なお、吸収性コアの領域33B,33Cは、M1,M2,M3のいずれにも含まれない。また、中央領域31の横幅(H2)の基準位置は排泄部対応領域Cの前後方向中央であり、疎水性シート7の合計幅(H1)は前記基準位置での横幅である。
図4の(f)〜(h)は、疎水性シート7の前後端が横方向外方に曲がった形状である。そのため吸収性コア3の中央領域31が排泄部対応領域Cよりも前方部F及び後方部Rで幅広とされている。これにより腹側または背中側において、体液の広がり方に依存せずに効率的に吸収でき好ましい。この場合、中央領域31の面積(M2)は、疎水性シート7をその形状に沿って前後端部まで延長した領域に挟まれた部分の面積である。つまり、排泄部対応領域Cでは狭く、前方部F及び後方部Rでは、幅広となっている。側部領域32の合計面積(M3)は、疎水性シート7をその形状にそって前後端部まで延長した領域の横方向外方となる部分の合計面積である。また、中央領域31の横幅(H2)の基準位置は排泄部対応領域Cの前後方向中央であり、疎水性シート7の合計幅(H1)は前記基準位置での横幅である。
さらに吸収性コア3のように高吸水性ポリマーを含有する場合、該高吸水性ポリマーを吸収性コア3の非肌当接面側に多く偏在させておくことが好ましい。これにより、液をできるだけ肌から遠ざけて吸収保持でき、液戻りを効果的に抑制することができる。
本発明の吸収性物品に用いられる表面シート1、裏面シート2、吸収性コア3及び被覆シート4の形成材料としては、この種の物品に採用されるものを特に制限なく用いることができる。
例えば、表面シート1は、排泄された体液を速やかに吸収し、吸収体に伝達する観点と肌触りのよさの観点とから親水性のサーマルボンド不織布が好ましく、特にエアスルー不織布が好ましい。表面層1は親水化処理された熱可塑性樹脂繊維であり、かつ、該繊維が2次クリンプ又は3次クリンプのような立体捲縮がなされた繊維であることが好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、及びこれらの複合繊維を作成し、所定の長さにカットしてステープルを形成する前の段階で、各種親水化剤を塗工する。親水化剤としては、αオレフィンスルホン酸塩に代表される各種アルキルスルホン酸塩、アクリル酸塩、アクリル酸塩/アクリルアミド共重合体、エステルアミド、エステルアミドの塩、ポリエチレングリコール及びその誘導物、水溶性ポリエステル樹脂、各種シリコーン誘導物、各種糖類誘導物、及びこれらの混合物など、当業者公知の親水化剤による親水化処理を用いることができる。
裏面シート2としては、防水性があり透湿性を有していれば特に限定されないが、例えば、疎水性の熱可塑性樹脂と、炭酸カルシウム等からなる微小な無機フィラー又は相溶性のない有機高分子等とを溶融混練してフィルムを形成し、該フィルムを一軸又は二軸延伸して得られる多孔性フィルムが挙げられる。前記熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィンが挙げられる。該ポリオレフィンとしては、高〜低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等が挙げられ、これらを単独で又は混合して用いることができる。
吸収性コア3を構成する親水性繊維としては、例えば、木材パルプ、コットン、麻などの天然繊維、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオフィレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等の合成樹脂からなる単繊維、これらの樹脂を2種以上含む複合繊維、アセテートやレーヨンなどの半合成繊維を用いることができる。合成繊維からなる繊維を用いる場合、該繊維は熱によって形状が変化する熱収縮繊維であってもよい。例えば、熱によって繊度は大きくなるが繊維長は短くなるものや、熱によって繊度はほとんど変化しないが、形状がコイル状に変化することでみかけの繊維の占有する長さが短くなるものであってもよい。
高吸水性ポリマーとしては、この種の物品に通常使用されている各種のポリマー材料を用いることがでる。高吸水性ポリマーは、自重の20倍以上の水又は生理食塩水を吸収し保持し得る性能を有するような超吸収性高分子化合物であることが好ましい。
被覆シート4は、親水性の部材であり、例えば、親水性のティッシュペーパー等の薄手の紙(薄葉紙)、クレープ紙、コットンやレーヨンなどの親水性繊維からなる不織布、合成樹脂の繊維に親水化処理を施してなる不織布、例えばエアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)不織布等からなるものを用いることができる。
本発明の吸収性物品は、上記の実施形態の軽失禁パッドに制限されるものではなく、例えば生理用ナプキンやパンティライナ、使い捨ておむつ、尿とりパッド等に適応することができる。特に、本発明の吸収性物品は、通常の大人の排尿量よりも少量の液で防漏堤が形成されるので、様々な吸収性物品に好適に適用できる。また排泄液も尿に限らず、経血等の粘性の高いものや様々な排泄液の横漏れを好適に防御できる。なお吸収性物品の構成部材として、表面シート1、吸収体3、裏面シート2の他にも用途や機能に合わせ適宜部材を組み込んでもよい。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の吸収性物品及びその製造方法を開示する。
<1>肌当接面側に配された表面シート、非肌当接面側に配された裏面シート、及び前記両シートの間に介在配置された液保持性の吸収性コアを備え、着用者の腹側部から排泄部対応領域を介して背側部に亘って配される方向を縦方向、該縦方向と直交する方向を横方向とする吸収性物品であって、前記表面シートと前記吸収性コアとの間には複数の疎水性シートが配されており、前記排泄部対応領域においては、複数の該疎水性シートは、前記吸収性コアの横方向における中央領域とその両側の側部領域との間の領域に横方向に離間して配されている吸収性物品。
<2>前記疎水性シートは、前記吸収性物品の縦方向に沿って配されている<1>記載の吸収性物品。
<3>前記疎水性シートが疎水性の材料からなる<1>又は<2>記載の吸収性物品。
<4>前記疎水性シートが透湿性のフィルム、疎水性の不織布及び開孔フィルムから選ばれる<3>記載の吸収性物品。
<5>前記吸収性コアが被覆シートに包まれており、前記疎水性シートが前記被覆シートと前記表面シートとの間に配されている<1>〜<4>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<6>前記吸収性コアが被覆シートに包まれており、前記疎水性シートが前記被覆シートと前記吸収性コアとの間に配されている<1>〜<4>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<7>前記表面シートと前記吸収性体との間に中間シートが配されており、前記疎水性シートが前記中間シートと前記表面シートとの間に配されている<1>〜<4>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<8>前記表面シートと前記吸収性コアとの間に中間シートが配されており、前記疎水性シートが前記中間シートと前記吸収性コアとの間に配されている<1>〜<4>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<9>前記吸収性コアの前記中央領域の面積(M2)、及び前記両側部領域の合計面積(M3)は、(M2)>(M3)の関係である<1>〜<8>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<10>前記疎水性シートの合計面積(M1)、前記吸収性コアの前記中央領域の面積(M2)、及び前記両側部領域の合計面積(M3)は、(M1)>(M2)>(M3)の関係である<1>〜<9>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<11>前記中央領域の幅(H2)が最も狭いところにおいて、該中央領域の幅(H2)よりも前記疎水性シートの合計幅(H1)の方が広い<1>〜<10>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<12>前記中央領域の幅(H2)が最も狭いところにおいて、前記疎水性シートの合計幅(H1)が該中央領域の幅(H2)の2倍以上である<11>に記載の吸収性物品。
<13>前記中央領域の幅(H2)は、前記吸収性コアの横幅全長の15%以上、好ましくは20%以上であるである<1>〜<12>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<14>前記中央領域の幅(H2)は、前記吸収性コアの横幅全長の30%以下、好ましくは28%以下であるである<1>〜<13>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<15>前記中央領域の幅(H2)は、2.5cm以上、好ましくは3cm以上である<1>〜<14>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<16>前記中央領域の幅(H2)は、5cm以下、好ましくは4.5cm以下である<1>〜<15>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<17>前記吸収性コアにおける左右それぞれの前記側部領域の幅は、5mm以上、好ましくは10mm以上である<1>〜<16>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<18>前記吸収性コアにおける左右それぞれの前記側部領域の幅は、20mm以下、好ましくは15mm以下である<1>〜<17>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<19>前記個々の疎水性シートの幅は、3cm以上、好ましくは4cm以上である<1>〜<18>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<20>前記個々の疎水性シートの幅は、5cm以下、好ましくは4.5cm以下である<1>〜<19>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<21>前記疎水性シートは、前記吸収性コアの長さよりも短い<1>〜<20>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<22>前記吸収性コアの縦方向長さ(S)に対する疎水性シートの縦方向長さ(T)の比(T/S)は、0.1以上が好ましく、0.35以上である<21>に記載の吸収性物品。
<23>前記吸収性コアの縦方向長さ(S)に対する疎水性シートの縦方向長さ(T)の比(T/S)は、0.97以下が好ましく、0.80以下である<21>又は<22>記載の吸収性物品。
<24>前記吸収性コアの縦方向端部と前記疎水性シートの縦方向端部との離間長さは、0.5cm以上、好ましくは1cm以上である<21>〜<23>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<25>前記吸収性コアの縦方向端部と前記疎水性シートの縦方向端部との離間長さは、5cm未満、好ましくは2cm未満である<21>〜<24>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<26>前記吸収性コアの中央領域には、その両側の疎水性シートに対応する領域を架け渡す圧搾部が配設されている<1>〜<25>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<27>前記吸収性コアの中央領域が、該吸収性コアの他の領域よりも厚みのある<1>〜<26>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<28>前記吸収性コアは高吸水性ポリマーを含有するものであり、該高吸収性ポリマーが前記吸収性コアの非肌当接面側に偏在する<1>〜<27>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<29>前記疎水性シートの厚みは0.05mm以上、好ましくは0.3mm以上である<1>〜<28>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<30>前記疎水性シートの厚みは1mm以下、好ましくは0.7mm以下である<1>〜<29>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<31>前記疎水性シートの開孔率が35%以下である<1>〜<30>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<32>前記疎水性シートの縦方向長さは5cm以上、好ましくは15cm以上である<10>〜<31>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<33>前記吸収性コアの中央領域の両脇に配される前記疎水性シートは互いに長さが同じである<1>〜<32>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<34>前記中央領域の左右両脇に疎水性シートを2条ずつ配している<1>〜<33>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<35>前記疎水性シートの前後端部を短くして排泄部対応領域から前方部及び後方部にややかかるように配する<1>〜<34>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<36>前記疎水性シートが吸収性コアの中央領域を前後方向でも囲むようにした<1>〜<33>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<37>
前記疎水性シートの前後端が横方向外方に曲がった形状である<1>〜<33>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<38>
前記吸収性コアの中央領域の両脇に配される前記疎水性シートは互いに長さが異なる<1>〜<32>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<39>
各疎水性シートが、複数の疎水性片を間欠的に縦方向に配して列をなすようにして配置される<1>〜<32>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<40>
前記疎水性片の長さは、1cm以上、好ましくは15cm以上である<1>〜<39>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<41>
前記疎水性片が、排泄部対応領域の縦方向中央において前後に分離し、前記中央領域の左右両脇で列をなして配置されている<39>又は<40>記載の吸収性物品。
<42>
前記疎水性片を、疎水性片をさらに前後方向に分割した<41>に記載の吸収性物品。
以下に、本発明について実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより限定して解釈されるものではない。
(実施例1)
花王株式会社製の「リリーフ女性用モレ安心尿とりパッド」(商品名)(吸収性コアの縦方向の長さ42cm、吸収性コアの横方向の長さ15cm)にコールドスプレー(ニチバン株式会社製、商品名)をあてて表面シートと裏面シートとの接合を剥がした。次いで、疎水性シートとして、横幅5cm、縦14cmの透湿フィルムシート(坪量20g/m、透湿度1.7g/(100cm・h))を2枚準備し、取り出した前記吸収体サンプルの肌当接面側の被覆シート上に載置した。ここで、透湿度はJIS Z0208に準拠し、30℃90%RHにて一時間試料を保存した場合の吸湿量により測定される。具体的には、横幅15cmのうちの幅中央3cmを中央領域とし、その両脇に前記透湿性フィルムをそれぞれ載置した。前記透湿性フィルムの横方向外方にある、左右それぞれの横幅1cmの領域が、側部領域となる。
こうして疎水性シートを配した吸収体サンプルを前記尿とりパッドに戻して、実施例1のサンプルS1とした。
(実施例2)
実施例2は、実施例1の透湿性フィルムに代えて、開孔フィルム(P&G株式会社製 「ウィスパーwc1−a」(商品名)の表面材)を疎水性シートとして用いた以外は、同様にしてサンプルS2を得た。この開孔フィルムの開孔率は32.2%であった。
(実施例3)
実施例3は、実施例1の実施例1の透湿性フィルムに代えて、疎水性不織布(型番「PMA013」(13gsm)、旭化成株式会社製)を疎水性シートとして用いた以外は、同様にしてサンプルS3を得た。前記疎水性不織布は、疎水性のポリプロピレンを素材としたスパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンボンド(SMMS)不織布であった。この不織布は、繊維が密になっているため液を透過し難くなっていた。
(比較例1)
比較例1は、「リリーフ女性用モレ安心尿とりパッド」をそのままサンプルC1とした。つまり、疎水性シートを有さないものであった。
(比較例2)
比較例2は、実施例1の透湿フィルムの横幅を15cmとした以外は、同様にしてサンプルC2を得た。このサンプルにおいては、吸収体の肌当接面全面を疎水性シートが覆うものであった。
(比較例3)
比較例3は、実施例2の開孔フィルムの横幅を15cmとした以外は、同様にしてサンプルC3を得た。このサンプルにおいては、吸収体の肌当接面全面を疎水性シートが覆うものであり、特許文献3の実施形態を示すものであった。
(比較例4)
比較例4は、実施例3の疎水性不織布の横幅を15cmとした以外は、同様にしてサンプルC4を得た。このサンプルにおいては、吸収体の肌当接面全面を疎水性シートが覆うものであった。
(液戻り測定)
各サンプル品の表面シート側を表側に向け平坦面上に置き、サンプルの中央部分に漏斗を用いて、人工尿(尿素1.94質量%、塩化ナトリウム0.7954質量%、硫酸マグネシウム(七水和物)0.11058質量%、塩化カルシウム(二水和物)0.06208質量%、硫酸カリウム0.19788質量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル0.0035質量%及びイオン交換水(残量))を1cmの高さから5g/secの速度で注入した。注入完了後、5秒間放置した。次いで、各サンプルの表面シート上にろ紙(東洋濾紙株式会社製5C150mm)を15枚重ねて載置し、サンプルを覆う大きさのアクリル板上に2kgの錘を載せ、95kg/m2の圧力を5秒間かけた。その後、ろ紙を取り出して、研精工業株式会社製の電磁式はかりGX−4000の装置により測定前後のろ紙の重量の差を求めることでろ紙が吸収した液量を測定し、これを液戻り量とした。
一般的には液戻り量3g以上が肌にべたつきを感じる量であり、これを基準に評価した。
(傾斜吸収測定)
各サンプルを横方向(X方向)に30°傾斜させ、前述の液戻り測定と同様にして、人工尿80gを水平面に対して垂直方向に注入した。人工尿が漏れることなく、吸収体に吸収体に吸収されたかどうかを目視で観察した。
○:側部領域で吸収される。
×:側部領域で吸収されず、液の横漏れを生じた。
−:液が吸収体に吸収されず、溢れかえるため、測定不能。
上記の測定の結果を、下記表1に示す。
Figure 0006097047
表1に示す結果から明らかなように、実施例1〜3は、疎水性シートの部分配置によって、液の透過性に優れ、液戻り量が3g以下と比較例に比べて少なく、肌のベタつきが抑えられることが分かった。同時に、傾斜吸収においても、液が側部領域でしっかりと吸収保持されて漏れを生じなかった。以上のことから、本発明の吸収性物品は、疎水性シートの部分配置によって、液透過性を阻害することなく、液戻り、液の横漏れを抑制して着用時の肌のベタつきを抑えることができる。
1 表面シート
2 裏面シート
3 吸収性コア
4 被覆シート
5 吸収体
7 疎水性シート
9 圧搾部
10 尿とりパッド

Claims (8)

  1. 肌当接面側に配された表面シート、非肌当接面側に配された裏面シート、及び前記両シートの間に介在配置された液保持性の吸収性コアを備え、着用者の腹側部から排泄部対応領域を介して背側部に亘って配される方向を縦方向、該縦方向と直交する方向を横方向とする吸収性物品であって、
    前記表面シートと前記吸収性コアとの間には複数の疎水性シートが配されており、前記排泄部対応領域においては、複数の該疎水性シートは、前記吸収性コアの横方向における中央領域とその両側の側部領域との間の領域に横方向に離間して配されており、前記吸収性コアの前記中央領域には、その両側の疎水性シートに対応する領域を架け渡す圧搾部が配設されている吸収性物品。
  2. 前記疎水性シートが疎水性の材料からなる請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記吸収性コアの前記中央領域の面積(M2)、及び前記両側部領域の合計面積(M3)は、(M2)>(M3)の関係である請求項1又は2記載の吸収性物品。
  4. 前記疎水性シートの合計面積(M1)、前記吸収性コアの前記中央領域の面積(M2)、及び前記両側部領域の合計面積(M3)は、(M1)>(M2)>(M3)の関係である請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記中央領域の幅(H2)が最も狭いところにおいて、該中央領域の幅(H2)よりも前記疎水性シートの合計幅(H1)の方が広い請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  6. 前記疎水性シートは、前記吸収性物品の縦方向に沿って配されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  7. 前記疎水性シートは、前記吸収性コアの長さよりも短い請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  8. 前記吸収性コアは高吸水性ポリマーを含有するものであり、該高吸収性ポリマーが前記吸収性コアの非肌当接面側に偏在する請求項1〜のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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