次に、発明の実施の形態を説明する。
[内視鏡用予備洗浄装置1]
先ず、本実施形態における内視鏡用予備洗浄装置1(以下、「予備洗浄装置1」と記載する)の全体構成について説明する。予備洗浄装置1は、内視鏡50の予備洗浄を行うための装置である。予備洗浄装置1は、例えば図4に示すように、主に洗浄ユニット2や制御ユニット3などにより構成される。
洗浄ユニット2は、内視鏡50の予備洗浄を行うための洗浄スペースを確保するためのものである。洗浄ユニット2には、後述するように、前記洗浄スペースを具体的に形成するための洗浄槽21が備えられる。
そして、使用直後の内視鏡50は、洗浄槽21内に投入され、該洗浄槽21内において予備洗浄を施される。
一方、制御ユニット3は、予備洗浄装置1全体の運転を制御するためのものである。制御ユニット3には、圧縮空気を吐出するエアポンプ31や、液体を循環させる循環ポンプ32や、作業内容を知らせる音声を出力するための音声出力手段であるスピーカー34Eや、該スピーカー34Eの動作を操作するための操作手段である操作スイッチ37などが備えられる。
そして、洗浄槽21内に投入された内視鏡50は、スピーカー34Eから流れる音声に従って作業され、予備洗浄を施される。具体的には、後述するように、前記予備洗浄の作業手順に従って、前記操作スイッチ37が操作されることによって、作業内容を知らせる音声が前記スピーカー34Eより順次出力されることとなり、これに基づいて、前記内視鏡50が、エアポンプ31と連通されて、予備洗浄の作業内容の一つであるリークチェックを施される。また、前記内視鏡50は、例えば図6や図8などに示すように、循環ポンプ32と連通されて、予備洗浄の作業内容の一つである浸漬洗浄やすすぎを施されるのである。
[洗浄ユニット2]
次に、洗浄ユニット2の具体的構成について、図1を用いて説明する。なお、以下の説明に関しては便宜上、図1の上下方向を洗浄ユニット2の上下方向と規定して記述する。また、図1においては、矢印Aの方向、及び該矢印Aの対向方向を、それぞれ前面側及び背面側と規定して記述する。さらに、図1においては、正面視にて向かって右方を右側と規定するとともに、正面視にて向かって左方を左側と規定して記述する。
本実施形態における洗浄ユニット2は、主に洗浄槽21やスタンド22や洗浄ブラシ23などにより構成される。なお、以下に示す洗浄ユニット2の構成は、その一例を示すものであって、特に限定されるものではない。即ち、洗浄ユニット2の構成については、少なくとも、内視鏡50の予備洗浄を行うための洗浄スペースを、具体的に形成し得る洗浄槽を備えるものであれば、何れのような構成であってもよい。
洗浄槽21は、下側槽211と、該下側槽211の内側に上方より嵌装される上側槽212とからなる二重構造によって構成される。前記下側槽211は、上側槽212を容易に嵌合可能な十分な内容積を有しつつ、該上側槽212の外観形状に基づいて形成される。具体的には、例えば本実施形態において、下側槽211は、上方に開口される直方体形状の箱形状に形成される。
そして、下側槽211の裏面には、下方に向かって突出する突出部(図示せず)が該下側槽211の外縁に沿って環状に形成されるとともに、前記裏面の四隅には、開口部(図示せず)が各々穿孔される。
上側槽212は、本体部212Aや鍔部212Bなどにより一体的に形成される。前記本体部212Aは、例えば本実施形態においては、上方に開口される略直方体形状の箱状に形成される。
具体的には、本体部212Aの左側面は、平面視円弧状に湾曲形成されている。また、本体部212Aの底面は、第一底面部212aと、該第一底面部212aの右側において前記第一底面部212aに比べて低い位置に配設される第二底面部212bとにより一体的に形成される。そして、第一底面部212aには、円筒状の第一凸設部位212cなどが形成される。
一方、第二底面部212bの略中央部には、開口部212eが形成される。そして、前記開口部212eには通常、栓24が嵌設されており、例えば、洗浄槽21内の汚水を外部に排水するなどのような特別な場合においてのみ、栓24を脱着させて、開口部212eを開放するようになっている。
第二底面部212bの隅部には、サクションフィルター25が載置されており、該サクションフィルター25には、例えばシリコンホースなどからなる吸引用ホース26の一端部が嵌設される。そして、吸引用ホース26の他端部は、後述する制御ユニット3のサクション用コネクター35B(図2を参照)と連結されている。
鍔部212Bは、本体部212Aの上端部の外縁に沿って水平状に配設され、該本体部212Aと一体的に形成される。そして、上側槽212は、下側槽211の内側に上方より嵌装されるが、この際、鍔部212Bの底面と、下側槽211の上端部とが当接され、下側槽211に対する上側槽212の配置姿勢が保持されるのである。
鍔部212Bには、複数の矩形状の貫通孔212g・212g・・・が穿孔されている。一方、後述するように、制御ユニット3には操作スイッチ37が配設されており、該操作スイッチ37は、舌片状の突出部位39aを有するブラケット39(図2を参照)に保持されている。そして、貫通孔212gに突出部位39aを嵌挿させることにより、操作スイッチ37は、ブラケット39を介して、上側槽212の鍔部212B上に固設されるのである。
ところで、下側槽211の内側に上側槽212が嵌装された状態において、該上側槽212の底面は、前記下側槽211の底面の上方に離間して配設される。つまり、洗浄槽21には、下側槽211の内周面及び底面と、上側槽212の底面とによって囲まれた空間部が形成されることとなり、該空間部内に、後述する洗浄ブラシ23が収納されるのである。
一方、上側槽212の右側面には、開口部212fが形成される。そして、前記空間部内に収納された洗浄ブラシ23は、前記開口部212fを介して、上側槽212の内側へと引き出されるのである。
次に、スタンド22について説明する。スタンド22は、洗浄槽21の外部において、内視鏡50の一部分(例えば、図4に示すコネクター部52など)を着脱可能に保持するためのものである。スタンド22は、上側槽212の鍔部212Bに立設される棒状のガイドロッド221や、該ガイドロッド221に摺動可能に嵌挿される保持部材222などにより構成される。
そして、保持部材222には、平面視略「C」字状の切欠部222aが形成されており、該切欠部222aの開口部より押し込むことで、内視鏡50のコネクター部52は、前記切欠部222aに嵌合される。こうして、内視鏡50のコネクター部52は、スタンド22によって、洗浄槽21の外部にて容易、且つ堅固に保持される。
一方、スタンド22によって保持された内視鏡50のコネクター部52を、保持部材222より離脱させる場合は、該保持部材222の切欠部222aの開口部を介して、前記コネクター部52を引き出すことによって、容易に行うことができるのである。
次に、洗浄ブラシ23について説明する。洗浄ブラシ23は、内視鏡50に予め付属されている部品であって、該内視鏡50の内部に形成される複数の管路内に付着した汚物を取り除くためのものである。洗浄ブラシ23は、ワイヤー部23aや、該ワイヤー部23aの一端に設けられるブラシ部23bや、該ワイヤー部23aの他端に設けられる取手部(図示せず)などにより構成される。
そして、前述したように、洗浄ブラシ23は通常、下側槽211の内周面及び底面と、上側槽212の底面とによって囲まれた空間部内に収納される。より具体的には、洗浄ブラシ23は、ワイヤー部23aの大部分、及び取手部が前記空間部内に収納されるとともに、ブラシ部23bが、上側槽212の開口部212fを貫通し、本体部212Aの内側に突出した状態によって保持されている。
このような構成からなる洗浄ブラシ23を使用する場合は、ブラシ部23bを水平方向に引き出せばよい。これにより、洗浄ブラシ23は、開口部212fを介して、前記空間部内より、本体部212Aの内側へと引き出される。
一方、洗浄ブラシ23を前記空間部内に収納する場合は、ブラシ部23bを開口部212f側へと押しやればよい。これにより、洗浄ブラシ23は、開口部212fを介して、全体的に前記空間部内へと押し込まれるのである。
[制御ユニット3]
次に、制御ユニット3の具体的構成について、図2、及び図3を用いて説明する。なお、以下の説明に関しては便宜上、図2、及び図3の上下方向を制御ユニット3の上下方向と規定して記述する。また、図2、及び図3においては、矢印Aの方向、及び該矢印Aの対向方向を、それぞれ前面側及び背面側と規定して記述する。さらに、図2、及び図3においては、正面視にて向かって右方を右側と規定するとともに、正面視にて向かって左方を左側と規定して記述する。
本実施形態における制御ユニット3は、図3に示すように、エアポンプ31や循環ポンプ32や配管機器群33や電気機器群34や、これら複数の構成機器群を内装する筐体35などにより構成される。
エアポンプ31は、洗浄ユニット2の洗浄槽21(図1を参照)内に投入された内視鏡50に対して、予備洗浄の作業内容の一つであるリークチェックを行う際に用いられる機器である。エアポンプ31は、圧縮空気を吐出する小型コンプレッサーなどによって構成される。
そして、例えば本実施形態に示すように、エアポンプ31は、筐体35内部の底部に配設される。この際、エアポンプ31の吐出口(図示せず)は、筐体35の前側面の下部に貫設されるリークチェック用コネクター35A(図2を参照)と連結される。
次に、循環ポンプ32について説明する。循環ポンプ32は、洗浄ユニット2の洗浄槽21内に投入された内視鏡50に対して、予備洗浄の作業内容の一つである浸漬洗浄やすすぎを行う際に用いられる機器である。循環ポンプ32は、液体の吸・排水を行う小型の水ポンプなどによって構成される。
そして、例えば本実施形態に示すように、循環ポンプ32は、筐体35内部の底部において、エアポンプ31と隣接して配設される。この際、循環ポンプ32の吸入口32aは、複数の配管部材36・36・36を介して、筐体35の前側面の上部に貫設されるサクション用コネクター35B(図2を参照)と連結される。また、循環ポンプ32の吐出口32bは、後述するオリフィスブロック33Aに嵌設され、該オリフィスブロック33Aを介して、筐体35の前側面の上部に貫設される第一吐出用コネクター35Cや第二吐出用コネクター35Dや第三吐出用コネクター35E(図2を参照)などと連結される。
次に、配管機器群33について説明する。配管機器群33は、オリフィスブロック33Aやバルブ33Bなどにより構成される。前記オリフィスブロック33Aは、循環ポンプ32より吐出される液体の流量を制御するための配管機器である。
オリフィスブロック33Aは、例えば直方体形状の部材によって形成され、その内部には、連通経路(例えば、図4を参照)が形成されている。前記連通経路は、上流側において一経路(一本の経路)を有するものの、中途部にて分岐され、下流側において、四経路(四本の経路)を有して構成される。また、分岐された三経路(三本の経路)の中途部には、オリフィスが各々配設されている。なお、後述するように、分岐された一本の経路の中途部には、バルブ33Bが配設される。
そして、例えば本実施形態に示すように、オリフィスブロック33Aは、筐体35の内部において、循環ポンプ32の上方に配設される。また、前述したように、循環ポンプ32の吐出口32bは、オリフィスブロック33Aに嵌設され、前記連通経路の上流側と連結される。この際、前記三本の経路の下流側には、第一吐出用コネクター35Cや第二吐出用コネクター35Dや第三吐出用コネクター35Eが各々連結されている。つまり、循環ポンプ32の吐出口32bは、オリフィスブロック33Aを介して、第一吐出用コネクター35Cや第二吐出用コネクター35Dや第三吐出用コネクター35Eと各々連結されるのである。
バルブ33Bは、循環ポンプ32より吐出される液体の流れを規制するための配管機器である。バルブ33Bは、例えば、ソレノイドバルブによって構成される。
そして、例えば本実施形態に示すように、バルブ33Bは、筐体35の内部において、オリフィスブロック33Aの側面に嵌設される。これにより、バルブ33Bは、オリフィスブロック33A内部の連通経路において、分岐された一本の経路、即ち、オリフィスが設けられていない経路の中途部に配設されることとなる。
なお、前記一本の経路の下流側には、筐体35の前側面の上部に貫設される第四吐出用コネクター35F(図2を参照)が連結される。つまり、循環ポンプ32の吐出口32bは、バルブ33Bを介在しつつオリフィスブロック33Aを介して、第四吐出用コネクター35Fと連結されるのである。
ところで、図2に示すように、制御ユニット3の前側面には、シリンジ用コネクター35G及び洗剤用コネクター35Hが各々貫設されている。前記シリンジ用コネクター35G及び洗剤用コネクター35Hは、筐体35の内部において、バルブ33Bと第四吐出用コネクター35Fとを繋ぐ連通経路の中途部より分岐する経路によって、各々連通される(例えば、図5を参照)。
なお、シリンジ用コネクター35G及び洗剤用コネクター35Hの上流側には、逆止弁38・38(図5を参照)が設けられており、バルブ33Bより流出した液体が第四吐出用コネクター35Fへと送られる途中に分岐し、シリンジ用コネクター35G及び洗剤用コネクター35Hへと送られることを防止するようになっている。また、前記逆止弁38・38によって、洗剤用コネクター35Hよりシリンジ用コネクター35Gへと一旦送られた液体が、再び該洗剤用コネクター35Hへと逆流することを防止するようになっている。
次に、電気機器群34について説明する。電気機器群34は、図3に示すように、制御ユニット3の運転手順を具体的に制御するPLC(Programmable Logic Controller)34Aや、複数の電子部品による電気回路が構築されたドライブ基板34Bや、制御ユニット3全体の電源装置として設けられるスイッチング電源34Cや、該スイッチング電源34CのON/OFFを制御する電源スイッチ34Dや、音声を出力するスピーカー34Eなどにより構成される。
また、例えば本実施形態に示すように、PLC34A及びドライブ基板34Bは、筐体35の内部において、該筐体35の上下方向中央部、即ち前述したエアポンプ31及び循環ポンプ32の上方に配設される。さらに、スイッチング電源34C及び電源スイッチ34Dは、筐体35の内部において、該筐体35の上部、即ちPLC34A及びドライブ基板34Bの上方に配設されるとともに、スピーカー34Eは、筐体35の前側面の裏面(筐体35の内部側の面)上部に貼設される。
そして、電気機器群34を構成する、これらのPLC34Aやドライブ基板34Bやスイッチング電源34Cや電源スイッチ34Dやスピーカー34Eは、エアポンプ31及び循環ポンプ32とともに、互いに電気的に接続される。
ところで、制御ユニット3には、図示せぬ切替えスイッチが設けられており、後述するように、予備洗浄を行う際には、該切替えスイッチを介して、「初心者モード」と「プロモード」との二通りのモード設定が選択可能となっている。
また、図2に示すように、制御ユニット3には、例えばタッチスイッチからなる操作スイッチ37が備えられる。前記操作スイッチ37には、コード37aの一端が電気的に連結される一方、その他端は、筐体35の前側面を貫通し、該筐体35に内装されるドライブ基板34Bと電気的に接続されている。
なお、本実施形態における操作スイッチ37は、タッチスイッチによって構成することとしたが、赤外線スイッチや静電スイッチや足踏みスイッチや音声認識スイッチなどによって構成することとしてもよい。
そして、後述するように、操作スイッチ37を操作する(より具体的には、操作スイッチ37に対して、タッチ回数、タッチタイミング、及びタッチ時間の内の少なくとも一つの条件を変更しつつタッチする)ことにより、ドライブ基板34BからPLC34Aに電気信号が送信される。前記電気信号を受信したPLC34Aは、該電気信号の内容に基づき、エアポンプ31や循環ポンプ32やバルブ33Bやスピーカー34Eなどに出力信号を送信する。
その結果、前記出力信号を受信したエアポンプ31や循環ポンプ32は、前記出力信号の内容に基づき、運転の開始・停止を制御される。また、前記出力信号を受信したバルブ33Bは、前記出力信号の内容に基づき、通電状態・開放状態を制御される。さらに、前記出力信号を受信したスピーカー34Eは、前記出力信号の内容に基づき、予備洗浄を行う際の、各工程における作業内容を知らせるための、音声を出力するのである。即ち、前記操作スイッチ37のタッチ回数、タッチタイミング、及びタッチ時間の内の少なくとも一つの条件を変更することにより、スピーカー34Eは、異なる作業内容を知らせる音声を出力する。つまり、制御ユニット3には、予備洗浄を行う際の音声ガイダンス機能が備えられるのである。
また、制御ユニット3には図示せぬ表示器が配設されており、後述するように、制御ユニット3の運転状況に応じて、「待機」或いは「洗浄中」などの文字を前記表示器に表示するようになっている。
以上に示したように、本実施形態における制御ユニット3においては、エアポンプ31や循環ポンプ32や配管機器群33や電気機器群34などが、全て一つの筐体35に纏めて収納される。また、本実施形態における制御ユニット3においては、エアポンプ31の吐出口と連結するリークチェック用コネクター35Aや、循環ポンプ32の吸入口32aと連結するサクション用コネクター35Bや、循環ポンプ32の吐出口32bと連結する第一、第二、第三、及び第四吐出用コネクター35C・35D・35E・35Fや、シリンジ用コネクター35G及び洗剤用コネクター35Hなどが、全て前記制御ユニット3の前側面に纏めて配設される構成となっている。
そして、後述するように、予め定められた所定の手順に従って、内視鏡50と、制御ユニット3に設けられる複数のコネクター群(以下の記述において、リークチェック用コネクター35A、サクション用コネクター35B、第一・第二・第三・第四吐出用コネクター35C・35D・35E・35F、シリンジ用コネクター35G、及び洗剤用コネクター35Hを意味する)との連通状態を切替えるとともに、操作スイッチ37を操作することにより、スピーカー34Eから流れる音声の内容を確認しつつ、該内視鏡50に対する予備洗浄が行われるのである。
[予備洗浄を構成する各工程]
次に、本実施形態における予備洗浄装置1によって行われる、内視鏡50の予備洗浄を構成する各工程について、図9を用いて説明する。
先ず始めに、予備洗浄装置1によって行われる予備洗浄においては、「初心者モード」、及び「プロモード」からなる二通りのモードが予め用意されており、前記予備洗浄を行う使用者等は、モード設定を行ったうえで、前記予備洗浄を行うようになっている。ここで、「初心者モード」による予備洗浄は、主に、準備工程S100やリークチェック工程S200や浸漬洗浄工程S300やすすぎ工程S400などにより構成され、各工程における様々な作業を行う際に、該作業の内容を知らせるメッセージ(音声)が、スピーカー34Eを介して逐一流れるようになっている。また、「プロモード」による予備洗浄は、主に、準備工程S1100やリークチェック工程S1200や浸漬洗浄工程S1300やすすぎ工程S1400などにより構成され、各工程における様々な作業を行う際に、該作業の内容を知らせるメッセージ(音声)が、前記「初心者モード」に比べて幾分か省略されて、スピーカー34Eを介して流れるようになっている。
準備工程S100・S1100は、予備洗浄装置1に備えられる洗浄ユニット2及び制御ユニット3に対して、直ちに予備洗浄を開始できる状態に、予め準備するための工程である。
リークチェック工程S200・S1200は、内視鏡50の破損箇所の有無について、調査を行う工程である。リークチェック工程S200・S1200は、前記準備工程S100・S1100の終了後に行われる。
浸漬洗浄工程S300・S1300は、内視鏡50の外表面や、該内視鏡50内部の管路などに付着した汚物を、ブラッシングによって剥離させる工程である。浸漬洗浄工程S300・S1300は、前記リークチェック工程S200・S1200の終了後に行われる。
すすぎ工程S400・S1400は、剥離した汚物を除去するために、内視鏡50に対してすすぎを行う工程である。すすぎ工程S400・S1400は、前記浸漬洗浄工程S300・S1300の終了後に行われる。
以上に示した、準備工程S100・S1100やリークチェック工程S200・S1200や浸漬洗浄工程S300・S1300やすすぎ工程S400・S1400がそれぞれ順次実行され、使用直後の内視鏡50に対して予備洗浄が施されるのである。
[各工程の作業手順]
次に、予備洗浄を構成する各工程(準備工程S100・S1100、リークチェック工程S200・S1200、浸漬洗浄工程S300・S1300、すすぎ工程S400・S1400)の作業手順について詳述する。なお、以下の説明においては、先ず始めに、「初心者モード」の予備洗浄における各工程(準備工程S100、リークチェック工程S200、浸漬洗浄工程S300、すすぎ工程S400)の作業手順を詳述し、続いて、「プロモード」における各工程(準備工程S1100、リークチェック工程S1200、浸漬洗浄工程S1300、すすぎ工程S1400)の作業手順を詳述する。
[準備工程S100(初心者モード)の作業手順]
先ず、「初心者モード」における準備工程S100の作業手順について、図4及び図10を用いて詳述する。
先ず始めに、図10に示すように、例えば、病院内に設置されているシンク内に洗浄ユニット2が載置されるとともに、該洗浄ユニット2の近傍に制御ユニット3が配設される。つまり、洗浄ユニット2及び制御ユニット3が所定の場所に配置される(ステップS101)。この際、洗浄ユニット2において、洗浄ブラシ23は、洗浄槽21の空間部内、即ち、下側槽211の内周面及び底面と、上側槽212の底面とによって囲まれた空間部内に収納されるとともに、上側槽212の開口部212eは、栓24によって閉塞された状態となっている。また、制御ユニット3において、スイッチング電源34CはOFF状態となっている。
洗浄ユニット2及び制御ユニット3が所定の場所に配置されると、該制御ユニット3のコネクター群35A・35B・・・35Hに対して、連通用のホース群(以下の記述において、リークチェック用ホース28・吸引用ホース26、第一・第二・第三・第四吐出用ホース27A・27B・27C・27D、シリンジ用ホース29、及び洗剤用ホース30を意味する)が各々接続される(ステップS102)。具体的には、例えば図4に示すように、サクション用コネクター35Bに、吸引用ホース26の一端が連結される。そして、該吸引用ホース26の他端にはサクションフィルター25が連結されるとともに、該サクションフィルター25を介して、該吸引用ホース26の他端が、洗浄槽21内に投入される。
また、第一、第二、第三、第四吐出用コネクター35C・35D・35E・35Fには、例えばシリコンホースなどからなる第一、第二、第三、第四吐出用ホース27A・27B・27C・27Dの一端が各々連結されるとともに、これら第一、第二、第三、第四吐出用ホース27A・27B・27C・27Dの他端が、洗浄槽21内に投入される。
また、リークチェック用コネクター35Aには、例えばシリコンホースなどからなるリークチェック用ホース28の一端が連結される。なお、リークチェック用ホース28の他端は、後述するリークチェック工程S200において、内視鏡50のコネクター部52と連結される。
さらに、シリンジ用コネクター35G及び洗剤用コネクター35Hには、例えばシリコンホースなどからなるシリンジ用ホース29及び洗剤用ホース30の一端が各々連結される。なお、シリンジ用ホース29及び洗剤用ホース30の他端は、後述する浸漬洗浄工程S300において、シリンジ61及び洗剤容器62と各々連結される。
一方、図10に示すように、洗浄ユニット2及び制御ユニット3が所定の場所に配置されると、該制御ユニット3のスイッチング電源34Cより延設される、電源コードの差込プラグ(図示せず)が、例えば前記シンクの近傍などに設けられるコンセントに差し込まれる(ステップS103)。
こうして、制御ユニット3のコネクター群35A・35B・・・35Hと、連通用のホース群28・26・27A・27B・27C・27D・29・30とが各々接続されるとともに、制御ユニット3のスイッチング電源34Cと、室内の電気供給口であるコンセントとが電源コードを介して接続されると、電源スイッチ34Dが操作され、前記スイッチング電源34CがON状態に切替えられる(ステップS104)。すると、前述した制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示される(ステップS105)。
制御ユニット3の表示器に「待機」の文字が表示されると、操作スイッチ37が1タッチ(1回のタッチ)される(ステップS106)。すると、スピーカー34Eより「洗浄を開始します。予めベッドサイドでの洗浄剤の吸引、及び挿入部のふき取りを済ませてから開始して下さい。」というメッセージの音声が1回流れるとともに(ステップS107)、前記表示器には「洗浄中」の文字が表示される(ステップS108)。なお、前記表示器に「待機」の文字が表示された後、操作スイッチ37が1タッチされない限り(ステップS106)、本工程が次のステップに進むことはない。
前記ステップS106、S107の終了後、予備洗浄装置1に対する点検が入念に行われ(ステップS109)、洗浄ユニット2及び制御ユニット3の状態は、いつでも予備洗浄を開始できる状態となり、「初心者モード」における準備工程S100が終了する。
以上のように、本実施形態における予備洗浄装置1を用いて、「初心者モード」における予備洗浄の準備工程S100を行う場合、前記ステップS107において、制御ユニット3のスピーカー34Eを介してメッセージが流れるようになっている。換言すると、本実施形態における予備洗浄装置1を用いて、「初心者モード」における予備洗浄の準備工程S100を行う場合、該準備工程S100の作業手順のステップ(ステップS107)に応じた内容のメッセージが、ガイダンスとして制御ユニット3のスピーカー34Eを介して流されるようになっている。
従って、たとえ初心者であっても、難解な取扱説明書などを理解する必要もなく、制御ユニット3のスピーカー34Eを介して流されるメッセージに従って作業するだけで、予備洗浄の準備工程S100を適切に実行することができるのである。
[リークチェック工程S200(初心者モード)の作業手順]
次に、「初心者モード」におけるリークチェック工程S200の作業手順について、図4、図11乃至図16を用いて詳述する。
洗浄ユニット2及び制御ユニット3が所定の場所に配置されるとともに、該制御ユニット3のスイッチング電源34CがON状態に切替えられ、準備工程S100が終了すると、図11に示すように、操作スイッチ37が1タッチ(1回のタッチ)される(ステップS201)。すると、スピーカー34Eより「リークチェックを行います。内視鏡を容器に設置して下さい。」というメッセージの音声が1回流れる(ステップS202)。なお、準備工程S100の終了後、操作スイッチ37が1タッチされない限り(ステップS201)、本工程が次のステップに進むことはない。
一方、図13(a)に示すように、準備工程S100の終了後、前記ステップS201が行われる前に、操作スイッチ37が長押し(3秒以上の継続タッチ)されると(ステップS251)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れるとともに(ステップS252)、制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示され(ステップS253)、本工程は強制的に終了する。
また、図13(b)に示すように、準備工程S100の終了後、前記ステップS201が行われる前であって、該準備工程S100のステップS106における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以降(即ち、工程開始5秒以降)に、操作スイッチ37が2タッチ(2回のタッチ)されると(ステップS254)、本工程は、前記準備工程S100におけるステップS107以降の作業内容を再び繰返すのである。
前記ステップ202の終了後、図11に示すように、洗浄ユニット2の洗浄槽21内に、使用直後の内視鏡50が投入される(ステップS203)。洗浄槽21内に投入された内視鏡50は、直ちに、該洗浄槽21内の所定の位置にて、所定の姿勢を保持される。
その後、操作スイッチ37が1タッチ(1回のタッチ)され(ステップS204)、スピーカー34Eより「リークチェック用のチューブで内視鏡と装置とを接続して下さい。」というメッセージの音声が1回流れる(ステップS205)。なお、洗浄槽21への内視鏡50の投入後、操作スイッチ37が1タッチされない限り(ステップS204)、本工程が次のステップに進むことはない。
一方、図13(a)に示すように、洗浄槽21への内視鏡50の投入後、前記ステップS204が行われる前に、操作スイッチ37が長押し(3秒以上の継続タッチ)されると(ステップS251)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れるとともに(ステップS252)、制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示され(ステップS253)、本工程は強制的に終了する。
また、図13(c)に示すように、洗浄槽21への内視鏡50の投入後、前記ステップS204が行われる前であって、前記ステップS201における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以降(即ち、工程開始5秒以降)に、操作スイッチ37が2タッチ(2回のタッチ)されると(ステップS254)、本工程は前記ステップS202以降の作業内容を再び繰返す。
さらに、図14(a)に示すように、洗浄槽21への内視鏡50の投入後、前記ステップS204が行われる前であって、前記ステップS201における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以内(即ち、工程開始5秒以内)に、操作スイッチ37が2タッチ(2回のタッチ)されると(ステップS256)、本工程は、前述した準備工程S100におけるステップS107以降の作業内容を再び繰返すのである。
前記ステップS205の終了後、図4に示すように、リークチェック用ホース28の他端が、内視鏡50のコネクター部52に設けられる接続口(図示せず)に接続される(ステップS206)。こうして、内視鏡50内の管路と、制御ユニット3のエアポンプ31とは、互いに連通される。
リークチェック用ホース28が内視鏡50に接続されると、図11に示すように、操作スイッチ37が1タッチ(1回のタッチ)され(ステップS207)、スピーカー34Eより「排水栓を閉め、満水になるまで給水して下さい。」というメッセージの音声が1回流れる(ステップS208)。なお、内視鏡50に対するリークチェック用ホース28の接続後、操作スイッチ37が1タッチされない限り(ステップS207)、本工程が次のステップに進むことはない。
一方、図13(a)に示すように、内視鏡50に対するリークチェック用ホース28の接続後、前記ステップS207が行われる前に、操作スイッチ37が長押し(3秒以上の継続タッチ)されると(ステップS251)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れるとともに(ステップS252)、制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示され(ステップS253)、本工程は強制的に終了する。
また、図14(b)に示すように、内視鏡50に対するリークチェック用ホース28の接続後、前記ステップS207が行われる前であって、前記ステップS204における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以降(即ち、工程開始5秒以降)に、操作スイッチ37が2タッチ(2回のタッチ)されると(ステップS257)、本工程は前記ステップS205以降の作業内容を再び繰返す。
さらに、図14(c)に示すように、内視鏡50に対するリークチェック用ホース28の接続後、前記ステップS207が行われる前であって、前記ステップS204における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以内(即ち、工程開始5秒以内)に、操作スイッチ37が2タッチ(2回のタッチ)されると(ステップS258)、本工程は前記ステップS202以降の作業内容を再び繰返すのである。
前記ステップ208の終了後、図11に示すように、シンクに備えられる蛇口(図示せず)が開かれ、洗浄槽21内に大量の水が注ぎ込まれる。そして、洗浄槽21内の水の状態がオーバーフロー状態(満了状態)に到達すると、前記蛇口は閉じられ、給水が停止する。つまり、オーバーフロー状態となるまで、洗浄槽21内への給水が行われる(ステップS209)。
洗浄槽21内への給水が停止すると、図12に示すように、操作スイッチ37が1タッチ(1回のタッチ)され(ステップS210)、エアポンプ31は運転を開始するとともに(ステップS211)、スピーカー34Eより「内視鏡から連続的に気泡が出ていないか確認して下さい。特に先端湾曲部は操作部で湾曲させながら念入りに確認して下さい。」というメッセージの音声が1回流れる(ステップS212)。なお、洗浄槽21内への給水の停止後、操作スイッチ37が1タッチされない限り(ステップS210)、本工程が次のステップに進むことはない。
一方、図13(a)に示すように、洗浄槽21内への給水の停止後、前記ステップS210が行われる前に、操作スイッチ37が長押し(3秒以上の継続タッチ)されると(ステップS251)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れるとともに(ステップS252)、制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示され(ステップS253)、本工程は強制的に終了する。
また、図15(a)に示すように、洗浄槽21内への給水の停止後、前記ステップS210が行われる前であって、前記ステップS207における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以降(即ち、工程開始5秒以降)に、操作スイッチ37が2タッチ(2回のタッチ)されると(ステップS259)、本工程は前記ステップS208以降の作業内容を再び繰返す。
さらに、図15(b)に示すように、洗浄槽21内への給水の停止後、前記ステップS210が行われる前であって、前記ステップS207における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以内(即ち、工程開始5秒以内)に、操作スイッチ37が2タッチ(2回のタッチ)されると(ステップS260)、本工程は前記ステップS205以降の作業内容を再び繰返すのである。
前記ステップS211によって運転を開始したエアポンプ31からは、圧縮空気が連続的に吐出される。前記圧縮空気は、図4中の矢印B(破線によって記載)によって示されるように、リークチェック用コネクター35Aを介してリークチェック用ホース28内を通過し、内視鏡50のコネクター部52へと送られる。
そして、コネクター部52に到達した圧縮空気は、前述した接続口を介して、内視鏡50の管路内へと送られる。送られた圧縮空気は、リークが無い場合は内視鏡50の内部にとどまり、リークがある場合はリーク箇所から内視鏡50の外部へ放出される。この際、内視鏡50の大部分は、洗浄槽21内に貯溜された水に沈水された状態となっており、図12に示すように、操作部51を操作しながら内視鏡50の可動部位を可動させて、前記貯溜された水に発生する気泡の状態を目視確認することで、前記内視鏡50に対するリークチェックが行われる(ステップS213)。
前記気泡の状態が十分に確認され、内視鏡50のリークチェックが終了すると、操作スイッチ37が1タッチ(1回のタッチ)され(ステップS214)、エアポンプ31は運転を停止するとともに(ステップS215)、スピーカー34Eより「リークチェック用チューブをはずして下さい。」というメッセージの音声が1回流れる(ステップS216)。なお、内視鏡50のリークチェックの終了後、操作スイッチ37が1タッチされない限り(ステップS214)、本工程が次のステップに進むことはない。
一方、図15(c)に示すように、内視鏡50のリークチェックの終了後、前記ステップS214が行われる前に、操作スイッチ37が長押し(3秒以上の継続タッチ)されると(ステップS261)、エアポンプ31が運転を停止するとともに(ステップS262)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れ(ステップS263)、さらに、前述した制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示されることとなり(ステップS264)、本工程は強制的に終了する。
また、図16(a)に示すように、内視鏡50のリークチェックの終了後、前記ステップS214が行われる前であって、前記ステップS210における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以降(即ち、工程開始5秒以降)に、操作スイッチ37が2タッチ(2回のタッチ)されると(ステップS265)、本工程は前記ステップS212以降の作業内容を再び繰返す。
さらに、図16(b)に示すように、内視鏡50のリークチェックの終了後、前記ステップS214が行われる前であって、前記ステップS210における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以内(即ち、工程開始5秒以内)に、操作スイッチ37が2タッチ(2回のタッチ)されると(ステップS266)、本工程は前記ステップS208以降の作業内容を再び繰返すのである。
前記ステップS215により、エアポンプ31が運転を停止すると、図12に示すように、リークチェック用ホース28の他端は、内視鏡50のコネクター部52に設けられる接続口より取り外され(ステップS217)、リークチェック工程S200が終了する。
以上のように、本実施形態における予備洗浄装置1を用いて、「初心者モード」における予備洗浄のリークチェック工程S200を行う場合、前記ステップS202、S205、S208、S212、S216、S252、S263において、制御ユニット3のスピーカー34Eを介して様々なメッセージが流れるようになっている。換言すると、本実施形態における予備洗浄装置1を用いて、「初心者モード」における予備洗浄のリークチェック工程S200を行う場合、該リークチェック工程S200の作業手順のステップ(ステップS202、S205、S208、S212、S216、S252、S263)に応じて、様々な内容のメッセージが、ガイダンスとして制御ユニット3のスピーカー34Eを介して流されるようになっている。
従って、たとえ初心者であっても、難解な取扱説明書などを理解する必要もなく、制御ユニット3のスピーカー34Eを介して流される様々な内容のメッセージに従って作業するだけで、予備洗浄のリークチェック工程S200を適切に実行することができるのである。
[浸漬洗浄工程S300(初心者モード)の作業手順]
次に、「初心者モード」における浸漬洗浄工程S300の作業手順について、図5、図6、図7、図17乃至図25を用いて詳述する。
内視鏡50よりリークチェック用ホース28が取り外され、リークチェック工程S200が終了すると、図17に示すように、シリンジ用ホース29及び洗剤用ホース30が、シリンジ61及び洗剤容器62に各々連結される(ステップS301)。具体的には、図5に示すように、シリンジ用ホース29の他端が、シリンジ61の外筒の先端部に接続される。また、洗剤用ホース30の他端が、洗剤容器62の内部に挿入される。
そして、図17に示すように、制御ユニット3にシリンジ61及び洗剤容器62が各々連結された後、操作スイッチ37が1タッチされる(ステップS302)。すると、循環ポンプ32は運転を開始するとともに(ステップS303)、スピーカー34Eより「洗剤の調合を行います。シリンジで洗剤を必要量吸引し、押し込んで下さい。」というメッセージの音声が1回流れる(ステップS304)。なお、制御ユニット3にシリンジ61及び洗剤容器62が各々連結された後、操作スイッチ37が1タッチされない限り(ステップS302)、本工程が次のステップに進むことはない。
一方、図20(a)に示すように、制御ユニット3へのシリンジ61及び洗剤容器62の連結後、前記ステップS302が行われる前に、操作スイッチ37が長押し(3秒以上の継続タッチ)されると(ステップS351)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れるとともに(ステップS352)、制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示され(ステップS353)、本工程は強制的に終了する。
また、図20(b)に示すように、制御ユニット3へのシリンジ61及び洗剤容器62の連結後、前記ステップS302が行われる前であって、前述したリークチェック工程S200の前記ステップS214における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以降(即ち、工程開始5秒以降)に、操作スイッチ37が2タッチ(2回のタッチ)されると(ステップS354)、本工程は、前述したリークチェック工程S200の前記ステップS216以降の作業内容を再び繰返す。
さらに、図20(c)に示すように、制御ユニット3へのシリンジ61及び洗剤容器62の連結後、前記ステップS302が行われる前であって、前述したリークチェック工程S200の前記ステップS214における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以内(即ち、工程開始5秒以内)に、操作スイッチ37が2タッチ(2回のタッチ)されると(ステップS355)、本工程は、前述したリークチェック工程S200におけるステップS211、S212以降の作業内容を再び繰返すのである。
前記ステップS303、S304の終了後、図17に示すように、シリンジ61の押子(プランジャー)が、予め定められたストローク量の分だけ、該シリンジ61の外筒より引き抜かれる(ステップS305)。これにより、所定量の洗剤が、洗剤容器62内より吸引され、図5中の矢印C1(破線によって記載)によって示されるように、洗剤用ホース30、洗剤用コネクター35H、逆止弁38、シリンジ用コネクター35G、シリンジ用ホース29と順に通過して、前記外筒の内部に一旦貯溜される。
その後、シリンジ61の押子は、該シリンジ61の外筒の内部に押し込まれる(ステップS306)。これにより、前記外筒の内部に貯溜されていた洗剤は、全てシリンジ61の外部に押し出されることとなり、図5中の矢印C2(破線によって記載)によって示されるように、シリンジ用ホース29、シリンジ用コネクター35G、逆止弁38と順に通過した後、二経路に分岐される。
そして、前記洗剤は、一方の経路を介して、第四吐出用コネクター35F、第四吐出用ホース27Dと順に通過し、洗浄槽21内へ放出される。また、前記洗剤は、他方の経路を介して、バルブ33B、オリフィスブロック33Aと順に通過した後、第一、第二、第三吐出用コネクター35C・35D・35Eへと各々送られ、第一、第二、第三吐出用ホース27A・27B・27Cを通過して、洗浄槽21内へ放出される。
こうして、洗剤容器62内に貯溜される洗剤は、シリンジ61によって計量され、洗浄槽21内へと供給される。その後、図17に示すように、洗浄槽21内に供給された洗剤の総量は、所定量に到達したかどうかが判断される(ステップS307)。その結果、前記洗剤の総量が所定量に到達していれば、本工程は、次のステップに進む。一方、前記洗剤の総量が所定量に到達していなければ、本工程は、前記ステップS305以降の作業内容を再び繰返すのである。
ところで、前記ステップS303において循環ポンプ32が運転を開始すると、図5中の矢印D1(一点鎖線によって記載)によって示されるように、洗浄槽21内に貯溜される水及び洗剤が、サクションフィルター25、吸引用ホース26、サクション用コネクター35Bと順に通過し、前記循環ポンプ32内に吸入される。
循環ポンプ32内に吸入された水及び洗剤は、図5中の矢印D2(一点鎖線によって記載)によって示されるように、前記循環ポンプ32の外部へと吐出され、その後、一旦オリフィスブロック33Aへと送られる。
オリフィスブロック33Aへと送られた水は、該オリフィスブロック33A内に形成される連通経路によって、四経路に分岐される。そして、前記四経路の内の三経路によって導かれた水は、中途部に設けられるオリフィスを各々通過した後、第一、第二、第三吐出用コネクター35C・35D・35Eを各々通過し、さらに、第一、第二、第三吐出用ホース27A・27B・27Cを各々通過して、再び洗浄槽21内へと放出される。また、前記四経路の内の一経路によって導かれた水は、バルブ33Bを通過した後、第四吐出用コネクター35Fを通過し、さらに、第四吐出用ホース27Dを通過して、再び洗浄槽21内へと放出されるのである。
以上のように、シリンジ61を用いて必要量に計量された洗剤が、洗浄槽21内に投入されるとともに、該洗浄槽21の内部に満たされた水が、循環ポンプ32によって循環されことにより、前記水及び洗剤は撹拌され、「洗浄液」が生成される。この際、洗浄槽21内に保持される内視鏡50の操作部51やコネクター部52は、前記洗浄槽21内に満たされた洗浄液に完全に沈水した状態となっている。
そして、図17に示すように、水及び洗剤の撹拌が十分に行われ、洗浄液の生成が終了すると、操作スイッチ37が1タッチされる(ステップS308)。すると、循環ポンプ32は運転を停止するとともに(ステップS309)、スピーカー34Eより「外表面の洗浄を行って下さい。やわらかいスポンジで全体をこすり洗いして下さい。特に挿入部は念入りに洗浄して下さい。」というメッセージの音声が1回流れる(ステップS310)。なお、洗浄液の生成が終了した後、操作スイッチ37が1タッチされない限り(ステップS308)、本工程が次のステップに進むことはない。
一方、図21(a)に示すように、洗浄液の生成が終了した後、前記ステップS308が行われる前に、操作スイッチ37が長押しされると(ステップS356)、循環ポンプ32が運転を停止するとともに(ステップS357)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れ(ステップS358)、さらに、前述した制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示される(ステップS359)こととなり、本工程は強制的に終了する。
また、図21(b)に示すように、洗浄液の生成が終了した後、前記ステップS308が行われる前であって、前記ステップS302における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以降(即ち、工程開始5秒以降)に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS360)、本工程は前記ステップS304以降の作業内容を再び繰返す。
さらに、図21(c)に示すように、洗浄液の生成が終了した後、前記ステップS308が行われる前であって、前記ステップS302における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以内(即ち、工程開始5秒以内)に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS361)、本工程は、前述したリークチェック工程S200における前記ステップS215、S216以降の作業内容を再び繰返すのである。
前記ステップS309、S310の終了後、図18に示すように、洗浄槽21内において、図示せぬスポンジなどによる清拭作業が、内視鏡50の外表面全体に対して行われる(ステップS311)。そして、前記清拭作業の終了後、操作スイッチ37が1タッチ(1回のタッチ)され(ステップS312)、スピーカー34Eより「短いブラシで鉗子口と操作スイッチ部をブラッシングして下さい。」というメッセージの音声が1回流れる(ステップS313)。 なお、前記清拭作業の終了後、操作スイッチ37が1タッチされない限り(ステップS312)、本工程が次のステップに進むことはない。
一方、図20(a)に示すように、内視鏡50の清拭作業の終了後、前記ステップS312が行われる前に、操作スイッチ37が長押しされると(ステップS351)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れるとともに(ステップS352)、前述した制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示される(ステップS353)こととなり、本工程は強制的に終了する。
また、図22(a)に示すように、内視鏡50の清拭作業の終了後、前記ステップS312が行われる前であって、前記ステップS308における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以降(即ち、工程開始5秒以降)に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS362)、本工程は前記ステップS310以降の作業内容を再び繰返す。
さらに、図22(b)に示すように、内視鏡50の清拭作業の終了後、前記ステップS312が行われる前であって、前記ステップS308における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以内(即ち、工程開始5秒以内)に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS363)、本工程は前記ステップS303、S304以降の作業内容を再び繰返すのである。
前記ステップS313の終了後、図18に示すように、例えば、予め用意されている短い洗浄ブラシ(図示せず)を用いて、内視鏡50の鉗子口、及び操作スイッチ51に対するブラッシング作業が行われる(ステップS314)。そして、前記ブラッシング作業の終了後、操作スイッチ37が1タッチ(1回のタッチ)され(ステップS315)、スピーカー34Eより「長いブラシで吸引ボタン部から挿入部側へ前後に細かく往復させながらブラッシングして下さい。先端から出たブラシに汚れが付着していないか確認して下さい。汚れのある場合は、汚れが付着しなくなるまで繰り返しブラッシングして下さい。」というメッセージの音声が1回流れる(ステップS316)。なお、前記ブラッシング作業の終了後、操作スイッチ37が1タッチされない限り(ステップS315)、本工程が次のステップに進むことはない。
一方、図20(a)に示すように、内視鏡50の鉗子口、及び操作スイッチ51に対するブラッシング作業の終了後、前記ステップS315が行われる前に、操作スイッチ37が長押しされると(ステップS351)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れるとともに(ステップS352)、前述した制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示される(ステップS353)こととなり、本工程は強制的に終了する。
また、図22(c)に示すように、内視鏡50の鉗子口、及び操作スイッチ51に対するブラッシング作業の終了後、前記ステップS315が行われる前であって、前記ステップS312における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以降(即ち、工程開始5秒以降)に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS364)、本工程は前記ステップS313以降の作業内容を再び繰返す。
さらに、図23(a)に示すように、内視鏡50の鉗子口、及び操作スイッチ51に対するブラッシング作業の終了後、前記ステップS315が行われる前であって、前記ステップS312における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以内(即ち、工程開始5秒以内)に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS365)、本工程は前記ステップS310以降の作業内容を再び繰返すのである。
前記ステップS316の終了後、洗浄ブラシ23が洗浄槽21の空間部内、即ち、下側槽211の内周面及び底面と、上側槽212の底面とによって囲まれた空間部内より引き出され、図18に示すように、内視鏡50の挿入部側の管路内に対してブラッシング作業が行われる(ステップS317)。そして、前記ブラッシング作業の終了後、操作スイッチ37が1タッチ(1回のタッチ)され(ステップS318)、スピーカー34Eより「同様の手順で、吸引ボタン部から光源部側へブラッシングして下さい。」というメッセージの音声が1回流れる(ステップS319)。なお、前記ブラッシング作業の終了後、操作スイッチ37が1タッチされない限り(ステップS318)、本工程が次のステップに進むことはない。
一方、図20(a)に示すように、内視鏡50の挿入部側の管路内に対するブラッシング作業の終了後、前記ステップS318が行われる前に、操作スイッチ37が長押しされると(ステップS351)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れるとともに(ステップS352)、前述した制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示される(ステップS353)こととなり、本工程は強制的に終了する。
また、図23(b)に示すように、内視鏡50の挿入部側の管路内に対するブラッシング作業の終了後、前記ステップS318が行われる前であって、前記ステップS315における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以降(即ち、工程開始5秒以降)に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS366)、本工程は前記ステップS316以降の作業内容を再び繰返す。
さらに、図23(c)に示すように、内視鏡50の挿入部側の管路内に対するブラッシング作業の終了後、前記ステップS318が行われる前であって、前記ステップS315における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以内(即ち、工程開始5秒以内)に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS367)、本工程は前記ステップS313以降の作業内容を再び繰返すのである。
前記ステップS319の終了後、図19に示すように、内視鏡50の光源側の管路内に対してブラッシング作業が行われる(ステップS320)。そして、前記ブラッシング作業の終了後、操作スイッチ37が1タッチ(1回のタッチ)され(ステップS321)、スピーカー34Eより「浸漬洗浄を開始します。洗浄チューブを使用して内視鏡と装置とを接続して下さい。」というメッセージの音声が1回流れる(ステップS322)。なお、前記ブラッシング作業の終了後、操作スイッチ37が1タッチされない限り(ステップS321)、本工程が次のステップに進むことはない。
一方、図20(a)に示すように、内視鏡50の光源側の管路内に対するブラッシング作業の終了後、前記ステップS321が行われる前に、操作スイッチ37が長押しされると(ステップS351)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れるとともに(ステップS352)、前述した制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示される(ステップS353)こととなり、本工程は強制的に終了する。
また、図24(a)に示すように、内視鏡50の光源側の管路内に対するブラッシング作業の終了後、前記ステップS321が行われる前であって、前記ステップS318における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以降(即ち、工程開始5秒以降)に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS368)、本工程は前記ステップS319以降の作業内容を再び繰返す。
さらに、図24(b)に示すように、内視鏡50の光源側の管路内に対するブラッシング作業の終了後、前記ステップS321が行われる前であって、前記ステップS318における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以内(即ち、工程開始5秒以内)に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS369)、本工程は前記ステップS316以降の作業内容を再び繰返すのである。
ところで、前述した内視鏡50の挿入部側、及び光源側の管路内に対する前記ブラッシング作業においては、洗浄槽21の前記空間部内より引き出された洗浄ブラシ23が、先端部のブラシ部23bより内視鏡50の管路内に挿通される。そして、前記ブラシ部23bが、内視鏡50の管路内を通過して該内視鏡50の外部へと抜け出ると、洗浄ブラシ23は、該内視鏡50の管路内より引き抜かれる。このようにして、内視鏡50の管路は、洗浄ブラシ23によってブラッシングされるのである。
内視鏡50の管路内より引き抜かれた洗浄ブラシ23は、その後、再び該内視鏡50の管路内へと挿通される。そして、先端部のブラシ部23bが、内視鏡50の外部へと抜け出ると、洗浄ブラシ23は、再び内視鏡50の管路内より引き抜かれる。こうして、内視鏡50の管路に対するブラッシング作業は、連続的に数回繰返される。
そして、内視鏡50の管路のブラッシングが十分に行われると、洗浄ブラシ23は、洗浄槽21の前記空間部内に収納される。これにより、内視鏡50内部のブラッシング作業は終了するのである。
前記ステップS322の終了後、第一、第二、第三吐出用ホース27A・27B・27Cが内視鏡50の各接続口に各々接続される(ステップS323)。具体的には、図6に示すように、第一吐出用ホース27Aの他端が内視鏡50のコネクター部52に設けられる接続口(図示せず)に接続されるとともに、第二、第三吐出用ホース27B・27Cの他端が、内視鏡50の操作部51に設けられる接続口(図示せず)に接続される。
そして、図19に示すように、内視鏡50内部のブラッシング作業が終了し、該内視鏡50への第一、第二、第三吐出用ホース27A・27B・27Cの接続が終了すると、操作スイッチ37が1タッチされる(ステップS324)。すると、循環ポンプ32は運転を開始するとともに(ステップS325)、スピーカー34Eより「浸漬洗浄を行います。規定時間が経過したらお知らせします。」というメッセージの音声が1回流れ(ステップS326)、さらに、バルブ33Bが通電状態となる(ステップS327)。ここで、通電状態のバルブ33Bは、逆止弁としての機能を発揮する。なお、内視鏡50への第一、第二、第三吐出用ホース27A・27B・27Cの接続終了後、操作スイッチ37が1タッチされない限り(ステップS324)、本工程が次のステップに進むことはない。
一方、図20(a)に示すように、内視鏡50への第一、第二、第三吐出用ホース27A・27B・27Cの接続終了後、前記ステップS324が行われる前に、操作スイッチ37が長押しされると(ステップS351)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れるとともに(ステップS352)、前述した制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示される(ステップS353)こととなり、本工程は強制的に終了する。
また、図24(c)に示すように、内視鏡50への第一、第二、第三吐出用ホース27A・27B・27Cの接続終了後、前記ステップS324が行われる前であって、前記ステップS321における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以降(即ち、工程開始5秒以降)に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS370)、本工程は前記ステップS322以降の作業内容を再び繰返す。
さらに、図25(a)に示すように、内視鏡50への第一、第二、第三吐出用ホース27A・27B・27Cの接続終了後、前記ステップS324が行われる前であって、前記ステップS321における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以内(即ち、工程開始5秒以内)に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS371)、本工程は前記ステップS319以降の作業内容を再び繰返すのである。
前記ステップS325において循環ポンプ32が再び運転を開始すると、図6中の矢印E1(破線によって記載)によって示されるように、洗浄槽21内に貯溜される洗浄液は、サクションフィルター25、吸引用ホース26、サクション用コネクター35Bと順に通過し、前記循環ポンプ32内に吸入される。
循環ポンプ32内に吸入された洗浄液は、図6中の矢印E2(破線によって記載)によって示されるように、前記循環ポンプ32の外部へと吐出され、その後、一旦オリフィスブロック33Aへと送られる。
オリフィスブロック33Aへと送られた洗浄液は、該オリフィスブロック33A内に形成される連通経路によって、四経路に分岐される。そして、前記四経路の内の三経路によって導かれた洗浄液は、中途部に設けられるオリフィスを各々通過した後、第一、第二、第三吐出用コネクター35C・35D・35Eを各々通過し、さらに、第一、第二、第三吐出用ホース27A・27B・27Cを各々通過して、内視鏡50の操作部51及びコネクター部52へと送られる。
ここで、前述したように、バルブ33Bは通電状態となっており、逆止弁としての機能を発揮する状態となっている。従って、前記四経路の内の一経路によって導かれた洗浄液は、バルブ33Bによって流れを封鎖され、第四吐出用コネクター35Fへと送られることはない。
内視鏡50の操作部51及びコネクター部52に到達した洗浄液は、前述した接続口を介して、前記内視鏡50の管路内へと送られ、その後、該管路内を通過して所定の出口より洗浄槽21内へと放出される。
このように、洗浄槽21内に貯溜される洗浄液は、サクションフィルター25を介して吸引用ホース26内へと導かれ、その後、サクション用コネクター35B、循環ポンプ32、オリフィスブロック33A、第一、第二、第三吐出用コネクター35C・35D・35E、第一、第二、第三吐出用ホース27A・27B・27C、内視鏡50の管路と順に循環され、再び洗浄槽21内へと放出される。つまり、洗浄槽21内に貯溜される洗浄液は、内視鏡50と該洗浄槽21との間において、循環ポンプ32によって循環される。
こうして、内視鏡50は、洗浄槽21内に満たされた洗浄液に沈水した状態を維持しつつ、循環ポンプ32によって循環される洗浄液によって、内部の管路を洗浄され、浸漬洗浄が施される。
図19に示すように、制御ユニット3のPLC34Aに格納されるプログラム上において、循環ポンプ32が再び運転を開始すると(ステップS325)、予め所定の時間を設定されたタイマーが作動し(ステップS328)、カウントを開始するようになっている。
そして、前記プログラム上のタイマーが作動し、所定時間のカウントが開始すると、該所定時間が経過したかどうかが判断される(ステップS329)。その結果、前記所定時間が経過していれば、バルブ33Bの通電状態は開放され(ステップS330)、該バルブ33Bによる逆止弁の機能が解除されるとともに、スピーカー34Eより「規定時間が経過しました。」というメッセージの音声が繰り返し流れる(ステップS331)。
そして、図7中の矢印F(破線によって記載)によって示されるように、オリフィスブロック33A内に形成される、四経路に分岐された連通経路において、該四経路の内の一経路によって導かれた洗浄液は、バルブ33Bを通過した後、第四吐出用コネクター35Fを通過し、さらに、第四吐出用ホース27Dを通過して、再び洗浄槽21内へと放出される。
このように、プログラム上のタイマーによって設定された所定の時間が経過すると、内視鏡50に対する浸漬洗浄が終了し、次工程であるすすぎ工程S400に対応した配管系統に切替えられ、浸漬洗浄工程S300は終了するのである。
一方、前記所定時間が経過していなければ、本工程は、本ステップS329を再び繰返すこととなり、次のステップに進むことはない。
ところで、図21(a)に示すように、プログラム上のタイマーが作動し、前記所定時間の経過のカウントが開始した後、前記ステップS329が行われる前に、操作スイッチ37が長押しされると(ステップS356)、循環ポンプ32が運転を停止するとともに(ステップS357)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れ(ステップS358)、さらに、前述した制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示される(ステップS359)こととなり、本工程が強制的に終了する。
また、図25(b)に示すように、プログラム上のタイマーが作動し、前記所定時間の経過のカウントが開始してから5秒以降(即ち、工程開始5秒以降)であって、前記ステップS329が行われる前に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS372)、本工程は前記ステップS326以降の作業内容を再び繰返す。
さらに、図25(c)に示すように、プログラム上のタイマーが作動し、前記所定時間の経過のカウントが開始してから5秒以内(即ち、工程開始5秒以内)であって、前記ステップS329が行われる前に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS373)、循環ポンプ32が運転を停止し(ステップS374)、その後本工程は、前記ステップS322以降の作業内容を再び繰返すのである。
以上のように、本実施形態における予備洗浄装置1を用いて、「初心者モード」における予備洗浄の浸漬洗浄工程S300を行う場合、前記ステップS304、S310、S313、S316、S319、S322、S326、S331、S352、S358において、制御ユニット3のスピーカー34Eを介して様々なメッセージが流れるようになっている。換言すると、本実施形態における予備洗浄装置1を用いて、「初心者モード」における予備洗浄の浸漬洗浄工程S300を行う場合、該浸漬洗浄工程S300の作業手順のステップ(ステップS304、S310、S313、S316、S319、S322、S326、S331、S352、S358)に応じて、様々な内容のメッセージが、ガイダンスとして制御ユニット3のスピーカー34Eを介して流されるようになっている。
従って、たとえ初心者であっても、難解な取扱説明書などを理解する必要もなく、制御ユニット3のスピーカー34Eを介して流される様々な内容のメッセージに従って作業するだけで、予備洗浄の浸漬洗浄工程S300を適切に実行することができるのである。
[すすぎ工程S400(初心者モード)の作業手順]
次に、「初心者モード」におけるすすぎ工程S400の作業手順について、図8、及び図26乃至図31を用いて詳述する。
浸漬洗浄工程S300が終了すると、図26に示すように、操作スイッチ37が1タッチ(1回のタッチ)される(ステップS401)。すると、スピーカー34Eより「排水栓を抜き、排水を開始して下さい。」というメッセージの音声が1回流れる(ステップS402)。なお、浸漬洗浄工程S300の終了後、操作スイッチ37が1タッチされない限り(ステップS401)、本工程が次のステップに進むことはない。
一方、図28(a)に示すように、浸漬洗浄工程S300の終了後、前記ステップS401が行われる前に、操作スイッチ37が長押し(3秒以上の継続タッチ)されると(ステップS451)、循環ポンプ32が運転を停止するとともに(ステップS452)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れ(ステップS453)、さらに、前述した制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示されることとなり(ステップS454)、本工程は強制的に終了する。
また、図28(b)に示すように、浸漬洗浄工程S300の終了後、前記ステップS401が行われる前であって、前述した浸漬洗浄工程S300の前記ステップS330におけるバルブ33Bの通電状態の開放後5秒以降(即ち、工程開始5秒以降)に、操作スイッチ37が2タッチ(2回のタッチ)されると(ステップS455)、本工程は、前述した浸漬洗浄工程S300の前記ステップS331以降の作業内容を再び繰返す。
さらに、図28(c)に示すように、浸漬洗浄工程S300の終了後、前記ステップS401が行われる前であって、前述した浸漬洗浄工程S300の前記ステップS330におけるバルブ33Bの通電状態の開放後5秒以内(即ち、工程開始5秒以内)に、操作スイッチ37が2タッチ(2回のタッチ)されると(ステップS456)、本工程は、前述した浸漬洗浄工程S300における前記ステップS325、S326、S327以降の作業内容を再び繰返すのである。
前記ステップS402の終了後、洗浄槽21の上側槽212に嵌設される栓24は、開口部212eより脱着され、洗浄槽21内に貯溜された汚水が、該開口部212eを介して、下側槽211の内部へと導かれ、その後、該下側槽211の開口部を介してシンクへと排水される。つまり、図26に示すように、栓24が脱着され、洗浄槽21内の汚水が排水される(ステップS403)。
洗浄槽21内の汚水が排水されると、操作スイッチ37が1タッチされる(ステップS404)。すると、スピーカー34Eより「外表面を水道水ですすいで下さい。」というメッセージの音声が1回流れるとともに(ステップS405)、該メッセージを合図として、内視鏡50の該表面に対するすすぎ作業が行われる(ステップS406)。なお、洗浄槽21内の汚水の排水後、操作スイッチ37が1タッチされない限り(ステップS404)、本工程が次のステップに進むことはない。
一方、図28(a)に示すように、洗浄槽21内の汚水の排水後、前記ステップS404が行われる前に、操作スイッチ37が長押し(3秒以上の継続タッチ)されると(ステップS451)、循環ポンプ32が運転を停止するとともに(ステップS452)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れ(ステップS453)、さらに、前述した制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示されることとなり(ステップS454)、本工程は強制的に終了する。
また、図29(a)に示すように、洗浄槽21内の汚水の排水後、前記ステップS404が行われる前であって、前記ステップS401における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以降(即ち、工程開始5秒以降)に、操作スイッチ37が2タッチ(2回のタッチ)されると(ステップS457)、本工程は、前記ステップS402以降の作業内容を再び繰返す。
さらに、図29(b)に示すように、洗浄槽21内の汚水の排水後、前記ステップS404が行われる前であって、前記ステップS401における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以内(即ち、工程開始5秒以内)に、操作スイッチ37が2タッチ(2回のタッチ)されると(ステップS458)、本工程は、前述した浸漬洗浄工程S300における前記ステップS331以降の作業内容を再び繰返すのである。
ところで、前記ステップS406におけるすすぎ作業は、シンクに備えられる蛇口を介して、洗浄槽21内の内視鏡50の外表面全体に水を注ぎながら行われる。或いは、図8に示す状態において、すすぎ専用の水(すすぎ水)が貯溜されたすすぎ水容器63内に、吸引用ホース26の先端部が、サクションフィルター25を介して投入され、第一、第二、第三吐出用ホース27A・27B・27Cより放出されるすすぎ水によって、内視鏡50の管路内がすすがれるとともに、第四吐出用ホース27Dより放出されるすすぎ水によって、該内視鏡50の外表面全体がすすがれる。
そして、内視鏡50の外表面全体のすすぎが終了すると、操作スイッチ37が1タッチされる(ステップS407)。すると、バルブ33Bは通電状態となるとともに(ステップS409)、スピーカー34Eより「細管内のすすぎを行います。カップに水をそそぎ、吸入ホースを設置して下さい。」というメッセージの音声が1回流れる(ステップS408)。なお、内視鏡50の外表面のすすぎ作業の終了後、操作スイッチ37が1タッチされない限り(ステップS407)、本工程が次のステップに進むことはない。
これにより、図8に示すように、バルブ33Bは再び通電状態となり、逆止弁としての機能を発揮する。そして、図8中の矢印G(破線によって記載)に示すように、すすぎ水容器63内に貯溜されるすすぎ水は、サクションフィルター25を介して吸引用ホース26内へと導かれ、その後、サクション用コネクター35B、循環ポンプ32、オリフィスブロック33A、第一、第二、第三吐出用コネクター35C・35D・35E、第一、第二、第三吐出用ホース27A・27B・27C、内視鏡50の管路と順に循環され、再び洗浄槽21内へと放出される。こうして、図26に示すように、内視鏡50の管路内に対して、すすぎ作業が十分に行われるのである(ステップS410)。
ところで、図28(a)に示すように、内視鏡50の外表面のすすぎ作業の終了後、前記ステップS407が行われる前に、操作スイッチ37が長押し(3秒以上の継続タッチ)されると(ステップS451)、循環ポンプ32が運転を停止するとともに(ステップS452)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れ(ステップS453)、さらに、前述した制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示されることとなり(ステップS454)、本工程は強制的に終了する。
また、図29(c)に示すように、内視鏡50の外表面のすすぎ作業の終了後、前記ステップS407が行われる前であって、前記ステップS404における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以降(即ち、工程開始5秒以降)に、操作スイッチ37が2タッチ(2回のタッチ)されると(ステップS459)、本工程は、前記ステップS405以降の作業内容を再び繰返す。
さらに、図30(a)に示すように、内視鏡50の外表面のすすぎ作業の終了後、前記ステップS407が行われる前であって、前記ステップS404における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以内(即ち、工程開始5秒以内)に、操作スイッチ37が2タッチ(2回のタッチ)されると(ステップS460)、本工程は、前記ステップS402以降の作業内容を再び繰返すのである。
図27に示すように、内視鏡50内の管路のすすぎが終了すると、操作スイッチ37が1タッチされる(ステップS411)。すると、循環ポンプ32は運転を停止するとともに(ステップS412)、バルブ33Bの通電状態が開放される(ステップS413)。なお、内視鏡50の管路のすすぎ作業の終了後、操作スイッチ37が1タッチされない限り(ステップS411)、本工程が次のステップに進むことはない。
一方、図28(a)に示すように、内視鏡50の管路のすすぎ作業の終了後、前記ステップS411が行われる前に、操作スイッチ37が長押し(3秒以上の継続タッチ)されると(ステップS451)、循環ポンプ32が運転を停止するとともに(ステップS452)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れ(ステップS453)、さらに、前述した制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示されることとなり(ステップS454)、本工程は強制的に終了する。
また、図30(b)に示すように、内視鏡50の管路のすすぎ作業の終了後、前記ステップS411が行われる前であって、前記ステップS407における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以降(即ち、工程開始5秒以降)に、操作スイッチ37が2タッチ(2回のタッチ)されると(ステップS461)、本工程は、前記ステップS408以降の作業内容を再び繰返す。
さらに、図30(c)に示すように、内視鏡50の管路のすすぎ作業の終了後、前記ステップS411が行われる前であって、前記ステップS407における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以内(即ち、工程開始5秒以内)に、操作スイッチ37が2タッチ(2回のタッチ)されると(ステップS462)、バルブ33Bの通電状態が開放され(ステップS463)、その後本工程は、前記ステップS405以降の作業内容を再び繰返すのである。
図27に示すように、前記ステップS412、S413の終了後、スピーカー34Eより「全ての洗浄工程が終了しました。引き続き消毒を実施して下さい。」というメッセージの音声が1回流れる(ステップS414)。
前記ステップS414の終了後、予め所定の時間を設定されたタイマーが作動し(ステップS415)、カウントを開始するようになっている。そして、前記プログラム上のタイマーが作動し、所定時間のカウントが開始すると、該所定時間が経過したかどうかが判断される(ステップS416)。その結果、前記所定時間が経過していれば、前述した制御ユニット3に配設される表示器に「待機」の文字が表示され(ステップS417)、すすぎ工程S400は終了する。なお、前記所定時間が経過していなければ、本工程は、本ステップS416以降の作業内容を再び繰返すこととなり、次のステップに進むことはない。
一方、図31(a)に示すように、プログラム上のタイマーが作動し、前記所定時間の経過のカウントが開始した後、前記ステップS416が行われる前に、操作スイッチ37が長押し(3秒以上の継続タッチ)されると(ステップS464)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れるとともに(ステップS465)、前述した制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示されることとなり(ステップS466)、本工程は強制的に終了する。
また、図31(b)に示すように、プログラム上のタイマーが作動し、前記所定時間の経過のカウントが開始してから5秒以降(即ち、工程開始5秒以降)に、操作スイッチ37が2タッチ(2回のタッチ)されると(ステップS467)、本工程は、前記ステップS414以降の作業内容を再び繰返す。
さらに、図31(c)に示すように、プログラム上のタイマーが作動し、前記所定時間の経過のカウントが開始してから5秒以内(即ち、工程開始5秒以内)に、操作スイッチ37が2タッチ(2回のタッチ)されると(ステップS468)、本工程は、前記ステップS408、S409以降の作業内容を再び繰返すのである。
以上のように、本実施形態における予備洗浄装置1を用いて、「初心者モード」における予備洗浄のすすぎ工程S400を行う場合、前記ステップS402、S405、S408、S414、S453、S465において、制御ユニット3のスピーカー34Eを介して様々なメッセージが流れるようになっている。換言すると、本実施形態における予備洗浄装置1を用いて、「初心者モード」における予備洗浄のすすぎ工程S400を行う場合、該すすぎ工程S400の作業手順のステップ(ステップS402、S405、S408、S414、S453、S465)に応じて、様々な内容のメッセージが、ガイダンスとして制御ユニット3のスピーカー34Eを介して流されるようになっている。
従って、たとえ初心者であっても、難解な取扱説明書などを理解する必要もなく、制御ユニット3のスピーカー34Eを介して流される様々な内容のメッセージに従って作業するだけで、予備洗浄のすすぎ工程S400を適切に実行することができるのである。
[準備工程S1100(プロモード)の作業手順]
次に、「プロモード」における準備工程S1100の作業手順について、図32を用いて詳述する。
「プロモード」における準備工程S1100の作業手順は、前述した「初心者モード」における準備工程S100の作業手順と略同等な手順によって構成される一方、制御ユニット3のスピーカー34Eを介して、メッセージが流される機会が、幾分省略されている点において相違する。なお、以下の説明においては、主に、「初心者モード」の準備工程S100における作業手順と相異する点について記述し、同等な点については、必要な場合を除き、記述を省略する。
先ず始めに、洗浄ユニット2及び制御ユニット3が所定の場所に配置される(ステップS1101)。洗浄ユニット2及び制御ユニット3が所定の場所に配置されると、該制御ユニット3のコネクター群35A・35B・・・35Hに対して、連通用のホース群が各々接続されるとともに(ステップS1102)、前記制御ユニット3のスイッチング電源34Cより延設される、電源コードの差込プラグ(図示せず)が、例えば前記シンクの近傍などに設けられるコンセントに差し込まれる(ステップS1103)。
そして、制御ユニット3のコネクター群35A・35B・・・35Hと、連通用のホース群26・27A・27B・27C・27D・29・30とが各々接続されるとともに、制御ユニット3のスイッチング電源34Cと、室内の電気供給口であるコンセントとが電源コードを介して接続されると、電源スイッチ34Dが操作され、前記スイッチング電源34CがON状態に切替えられる(ステップS1104)。すると、前述した制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示される(ステップS1105)。
以上により、洗浄ユニット2及び制御ユニット3の状態は、いつでも予備洗浄を開始できる状態となり、「プロモード」における準備工程S1100が終了するのである。
[リークチェック工程S1200(プロモード)の作業手順]
次に、「プロモード」におけるリークチェック工程S1200の作業手順について、図4、図33、及び図34を用いて詳述する。
「プロモード」におけるリークチェック工程S1200の作業手順は、前述した「初心者モード」におけるリークチェック工程S200の作業手順と略同等な手順によって構成される一方、制御ユニット3のスピーカー34Eを介して、メッセージが流される機会が、幾分省略されている点において相違する。なお、以下の説明においては、主に、「初心者モード」のリークチェック工程S200における作業手順と相異する点について記述し、同等な点については、必要な場合を除き、記述を省略する。
準備工程S1100が終了すると、図33に示すように、洗浄ユニット2の洗浄槽21内に、使用直後の内視鏡50が投入される(ステップS1201)。洗浄槽21内に投入された内視鏡50は、直ちに、該洗浄槽21内の所定の位置にて、所定の姿勢を保持される。そして、リークチェック用ホース28の他端が、内視鏡50のコネクター部52に設けられる接続口(図示せず)に接続される(ステップS1202)。こうして、内視鏡50内の管路と、制御ユニット3のエアポンプ31とは、互いに連通される。
その後、シンクに備えられる蛇口(図示せず)が開かれ、洗浄槽21内に大量の水が注ぎ込まれる。そして、洗浄槽21内の水の状態がオーバーフロー状態(満了状態)に到達すると、前記蛇口は閉じられ、給水が停止する。つまり、オーバーフロー状態となるまで、洗浄槽21内への給水が行われる(ステップS1203)。
洗浄槽21内への給水が停止すると、操作スイッチ37が1タッチ(1回のタッチ)される(ステップS1204)。すると、エアポンプ31は運転を開始するとともに(ステップS1205)、スピーカー34Eより「リークチェックを行います。」というメッセージの音声が1回流れ(ステップS1206)、さらに、前述した制御ユニット3に配設される表示器には「洗浄中」の文字が表示される(ステップS1207)。なお、洗浄槽21内への給水が停止した後、操作スイッチ37が1タッチされない限り(ステップS1204)、本工程が次のステップに進むことはない。
運転を開始したエアポンプ31からは、圧縮空気が連続的に吐出される。前記圧縮空気は、図4中の矢印B(破線によって記載)によって示されるように、リークチェック用コネクター35Aを介してリークチェック用ホース28内を通過し、内視鏡50のコネクター部52へと送られる。
そして、コネクター部52に到達した圧縮空気は、前述した接続口を介して、内視鏡50の管路内へと送られる。送られた圧縮空気は、リークが無い場合は内視鏡50の内部にとどまり、リークがある場合はリーク箇所から内視鏡50の外部へ放出される。この際、内視鏡50の大部分は、洗浄槽21内に貯溜された水に沈水された状態となっており、図11に示すように、操作部51を操作しながら内視鏡50の可動部位を可動させて、前記貯溜された水に発生する気泡の状態を、目視によって確認することで(ステップS1208)、前記内視鏡50に対するリークチェックが行われる。
前記気泡の状態が十分に確認され、内視鏡50のリークチェックが終了すると、操作スイッチ37は1タッチされ(ステップS1209)、エアポンプ31が運転を停止する(ステップS1210)。なお、内視鏡50のリークチェックの終了後、操作スイッチ37が1タッチされない限り(ステップS1209)、本工程が次のステップに進むことはない。
一方、図34(a)に示すように、内視鏡50のリークチェックの終了後、前記ステップS1209が行われる前に、操作スイッチ37が長押し(3秒以上の継続タッチ)されると(ステップS1251)、エアポンプ31が運転を停止するとともに(ステップS1252)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れ(ステップS1253)、さらに、前述した制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示される(ステップS1254)こととなり、本工程が強制的に終了する。
また、図34(b)に示すように、内視鏡50のリークチェックの終了後、前記ステップS1209が行われる前であって、前記ステップS1204における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以降(即ち、工程開始5秒以降)に操作スイッチ37が2タッチ(2回のタッチ)されると(ステップS1255)、スピーカー34Eより「リークチェックを行います。」というメッセージの音声が1回流れ(ステップS1256)、前記ステップS1208以降の作業内容を再び繰返す。
エアポンプ31が運転を停止すると、図33に示すように、リークチェック用ホース28の他端は、内視鏡50のコネクター部52に設けられる接続口より取り外され(ステップS1211)、リークチェック工程S1200が終了するのである。
なお、図34(a)に示すように、エアポンプ31の運転停止後、前記ステップS1211が行われる前に、操作スイッチ37が長押しされると(ステップS1251)、エアポンプ31が運転を停止するとともに(ステップS1252)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れ(ステップS1253)、さらに、前述した制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示される(ステップS1254)こととなり、本工程が強制的に終了する。
また、図34(c)に示すように、エアポンプ31の運転停止後、前記ステップS1211が行われる前であって、前記ステップS1209における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以内(即ち、工程開始5秒以内)に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS1257)、本工程は、前記ステップS1205、S1206、S1207以降の作業内容を再び繰返す。
以上のように、本実施形態における予備洗浄装置1を用いて、「プロモード」における予備洗浄のリークチェック工程S1200を行う場合、前記ステップS1206、S1253、S1256において、制御ユニット3のスピーカー34Eを介して様々なメッセージが流れるようになっている。換言すると、本実施形態における予備洗浄装置1を用いて、「プロモード」における予備洗浄のリークチェック工程S1200を行う場合、該リークチェック工程S1200の作業手順のステップ(ステップS1206、S1253、S1256)に応じて、様々な内容のメッセージが、ガイダンスとして制御ユニット3のスピーカー34Eを介して流されるようになっている。
従って、たとえ初心者であっても、難解な取扱説明書などを理解する必要もなく、制御ユニット3のスピーカー34Eを介して流される様々な内容のメッセージに従って作業するだけで、予備洗浄のリークチェック工程S1200を適切に実行することができるのである。
[浸漬洗浄工程S1300(プロモード)の作業手順]
次に、「プロモード」における浸漬洗浄工程S1300の作業手順について、図5、図6、図7、及び図35乃至図39を用いて詳述する。
「プロモード」における浸漬洗浄工程S1300の作業手順は、前述した「初心者モード」における浸漬洗浄工程S300の作業手順と略同等な手順によって構成される一方、制御ユニット3のスピーカー34Eを介して、メッセージが流される機会が、幾分省略されている点において相違する。なお、以下の説明においては、主に、「初心者モード」の浸漬洗浄工程S300における作業手順と相異する点について記述し、同等な点については、必要な場合を除き、記述を省略する。
内視鏡50よりリークチェック用ホース28が取り外され、リークチェック工程S1200が終了すると、図36に示すように、シリンジ用ホース29及び洗剤用ホース30が、シリンジ61及び洗剤容器62に各々連結される(ステップS1301)。
そして、制御ユニット3にシリンジ61及び洗剤容器62が各々連結された後、操作スイッチ37が1タッチされる(ステップS1302)。すると、循環ポンプ32は運転を開始するとともに(ステップS1303)、スピーカー34Eより「洗剤を調合します。」というメッセージの音声が1回流れる(ステップS1304)。
なお、制御ユニット3にシリンジ61及び洗剤容器62が各々連結された後、操作スイッチ37が1タッチされない限り(ステップS1302)、本工程が次のステップに進むことはない。
一方、操作スイッチ37が1タッチされた後、シリンジ61の押子(プランジャー)は、予め定められたストローク量の分だけ、該シリンジ61の外筒より引き抜かれ(ステップS1321)、その後、該シリンジ61の外筒の内部に押し込まれる(ステップS1322)。こうして、洗剤容器62内に貯溜される洗剤は、シリンジ61によって計量され、洗浄槽21内へと供給される。
その後、洗浄槽21内に供給された洗剤の総量は、所定量に到達したかどうかが判断される(ステップS1323)。その結果、前記洗剤の総量が所定量に到達していれば、本工程は、次のステップに進む。一方、前記洗剤の総量が所定量に到達していなければ、本工程は、前記ステップS1321、S1322の作業内容を再び繰返すのである。
ところで、操作スイッチ37の操作(1タッチ)によって、循環ポンプ32が運転を開始すると、シリンジ61を用いて必要量に計量された洗剤が、洗浄槽21内に投入されるとともに、該洗浄槽21の内部に満たされた水が、循環ポンプ32によって循環されことにより、前記水及び洗剤は撹拌され、「洗浄液」が生成される。この際、洗浄槽21内に保持される内視鏡50の操作部51やコネクター部52は、前記洗浄槽21内に満たされた洗浄液に完全に沈水した状態となっている。
そして、水及び洗剤の撹拌が十分に行われ、洗浄液の生成が終了すると、操作スイッチ37が1タッチされる(ステップS1305)。すると、循環ポンプ32は運転を停止するとともに(ステップS1306)、スピーカー34Eより「洗浄を行って下さい。」というメッセージの音声が1回流れる(ステップS1307)。
なお、洗浄液の生成が終了した後、操作スイッチ37が1タッチされない限り(ステップS1305)、本工程が次のステップに進むことはない。
一方、図37(a)に示すように、洗浄液の生成が終了した後、前記ステップS1305が行われる前に、操作スイッチ37が長押しされると(ステップS1351)、循環ポンプ32が運転を停止するとともに(ステップS1352)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れ(ステップS1353)、さらに、前述した制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示される(ステップS1354)こととなり、本工程が強制的に終了する。
また、図37(b)に示すように、洗浄液の生成が終了した後、前記ステップS1305が行われる前であって、前記ステップS1302における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以降(即ち、工程開始5秒以降)に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS1355)、再びスピーカー34Eより「洗剤を調合します。」というメッセージの音声が1回流れ(ステップS1356)、前記ステップS1303より後の作業内容(即ち、水及び洗剤の撹拌作業)を再び繰返す。
さらに、図37(c)に示すように、洗浄液の生成が終了した後、前記ステップS1305が行われる前であって、前記ステップS1302における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以内(即ち、工程開始5秒以内)に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS1357)、本工程は、前述したリークチェック工程S1200における前記ステップS1210以降の作業内容を再び繰返すのである。
ところで、図35に示すように、操作スイッチ37の操作(1タッチ)によって、循環ポンプ32の運転が停止すると、洗浄槽21内において、図示せぬスポンジなどによる清拭作業が、内視鏡50の外表面全体に対して行われる(ステップS1308)。そして、前記清拭作業が終了すると、洗浄ブラシ23が洗浄槽21の空間部内、即ち、下側槽211の内周面及び底面と、上側槽212の底面とによって囲まれた空間部内より引き出され、内視鏡50の管路内に対してブラッシング作業が繰り返し行われる(ステップS1309)。
そして、内視鏡50の管路のブラッシングが十分に行われると、洗浄ブラシ23は、洗浄槽21の前記空間部内に収納される。これにより、内視鏡50内部のブラッシング作業は終了するのである。
内視鏡50内部のブラッシング作業が終了すると、第一、第二、第三吐出用ホース27A・27B・27Cが内視鏡50の各接続口に各々接続される(ステップS1310)。そして、内視鏡50内部のブラッシング作業が終了し、該内視鏡50への第一、第二、第三吐出用ホース27A・27B・27Cの接続が終了すると、操作スイッチ37が1タッチされる(ステップS1311)。
すると、図36に示すように、循環ポンプ32は運転を開始するとともに(ステップS1312)、スピーカー34Eより「浸漬洗浄を行います。」というメッセージの音声が1回流れ(ステップS1313)、さらに、バルブ33Bは通電状態となる(ステップS1314)。ここで、通電状態のバルブ33Bは、逆止弁としての機能を発揮する。
なお、洗浄液の生成が終了した後、操作スイッチ37が1タッチされない限り(ステップS1311)、本工程が次のステップに進むことはない。
循環ポンプ32が再び運転を開始すると、バルブ33Bが通電状態となっていることから、洗浄槽21内に貯溜される洗浄液は、サクションフィルター25を介して吸引用ホース26内へと導かれ、その後、サクション用コネクター35B、循環ポンプ32、オリフィスブロック33A、第一、第二、第三吐出用コネクター35C・35D・35E、第一、第二、第三吐出用ホース27A・27B・27C、内視鏡50の管路と順に循環され、再び洗浄槽21内へと放出される。つまり、洗浄槽21内に貯溜される洗浄液は、内視鏡50と該洗浄槽21との間において、循環ポンプ32によって循環される。
こうして、内視鏡50は、洗浄槽21内に満たされた洗浄液に沈水した状態を維持しつつ、循環ポンプ32によって循環される洗浄液によって、内部の管路を洗浄され、浸漬洗浄が施される。
ところで、図38(a)に示すように、第一、第二、第三吐出用ホース27A・27B・27Cの内視鏡50への接続が終了した後、前記ステップS1311が行われる前に、操作スイッチ37が長押しされると(ステップS1358)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れるとともに(ステップS1359)、前述した制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示される(ステップS1360)こととなり、本工程が強制的に終了する。
また、図38(b)に示すように、第一、第二、第三吐出用ホース27A・27B・27Cの内視鏡50への接続が終了した後、前記ステップS1311が行われる前であって、前記ステップS1305における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以降(即ち、工程開始5秒以降)に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS1361)、スピーカー34Eより「洗浄を行って下さい。」というメッセージの音声が1回流れ(ステップS1362)、本工程は、前記ステップS1308以降の作業内容を再び繰返す。
さらに、図38(c)に示すように、第一、第二、第三吐出用ホース27A・27B・27Cの内視鏡50への接続が終了した後、前記ステップS1311が行われる前であって、前記ステップS1305における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以内(即ち、工程開始5秒以内)に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS1363)、本工程は、前記ステップS1303、S1304以降の作業内容を再び繰返すのである。
図36に示すように、制御ユニット3のPLC34Aに格納されるプログラム上において、循環ポンプ32が再び運転を開始すると(ステップS1312)、予め所定の時間を設定されたタイマーが作動し(ステップS1315)、カウントを開始するようになっている。
そして、前記プログラム上のタイマーが作動し、所定時間のカウントが開始すると、該所定時間が経過したかどうかが判断される(ステップS1316)。その結果、前記所定時間が経過していれば、バルブ33Bの通電状態は開放され(ステップS1317)、該バルブ33Bによる逆止弁の機能が解除されるとともに、スピーカー34Eより「浸漬が終了しました。」というメッセージの音声が繰り返し流れる(ステップS1318)。
そして、図7中の矢印F(破線によって記載)によって示されるように、オリフィスブロック33A内に形成される、四経路に分岐された連通経路において、該四経路の内の一経路によって導かれた洗浄液は、バルブ33Bを通過した後、第四吐出用コネクター35Fを通過し、さらに、第四吐出用ホース27Dを通過して、再び洗浄槽21内へと放出される。
このように、プログラム上のタイマーによって設定された所定の時間が経過すると、内視鏡50に対する浸漬洗浄が終了し、次期工程であるすすぎ工程S1400に対応した配管系統に切替えられ、浸漬洗浄工程S1300は終了するのである。
一方、前記所定時間が経過していなければ、本工程は、本ステップS1316を再び繰返すこととなり、次のステップに進むことはない。
ところで、図37(a)に示すように、プログラム上のタイマーが作動し、前記所定時間の経過のカウントが開始した後、前記ステップS1316が行われる前に、操作スイッチ37が長押しされると(ステップS1351)、循環ポンプ32が運転を停止するとともに(ステップS1352)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れ(ステップS1353)、さらに、前述した制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示される(ステップS1354)こととなり、本工程が強制的に終了する。
また、図39(a)に示すように、プログラム上のタイマーが作動し、前記所定時間の経過のカウントが開始してから5秒以降(即ち、工程開始5秒以降)であって、前記ステップS1316が行われる前に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS1364)、スピーカー34Eより「浸漬洗浄を行います。」というメッセージの音声が1回流れ(ステップS1365)、前記ステップS1315より後の作業内容を再び繰返す。
さらに、図39(b)に示すように、プログラム上のタイマーが作動し、前記所定時間の経過のカウントが開始してから5秒以内(即ち、工程開始5秒以内)であって、前記ステップS1316が行われる前に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS1366)、本工程は、前記ステップS1306、S1307以降の作業内容を再び繰返す。
一方、図37(a)に示すように、バルブ33Bの通電状態が開放された後、操作スイッチ37が長押しされると(ステップS1351)、循環ポンプ32が運転を停止するとともに(ステップS1352)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れ(ステップS1353)、さらに、前述した制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示される(ステップS1354)こととなり、本工程が強制的に終了する。
また、図39(c)に示すように、バルブ33Bの通電状態が開放された後、前記ステップ316による前記所定時間の経過後5秒以内(即ち、工程開始5秒以内)に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS1367)、本工程は、前記ステップS1312、1313、S1314以降の作業内容を再び繰返す。
以上のように、本実施形態における予備洗浄装置1を用いて、「プロモード」における予備洗浄の浸漬洗浄工程S1300を行う場合、前記ステップS1304、S1307、S1313、S1318、S1353、S1356、S1359、S1362、S1365において、制御ユニット3のスピーカー34Eを介して様々なメッセージが流れるようになっている。換言すると、本実施形態における予備洗浄装置1を用いて、「プロモード」における予備洗浄の浸漬洗浄工程S1300を行う場合、該浸漬洗浄工程S1300の作業手順のステップ(ステップS1304、S1307、S1313、S1318、S1353、S1356、S1359、S1362、S1365)に応じて、様々な内容のメッセージが、ガイダンスとして制御ユニット3のスピーカー34Eを介して流されるようになっている。
従って、たとえ初心者であっても、難解な取扱説明書などを理解する必要もなく、制御ユニット3のスピーカー34Eを介して流される様々な内容のメッセージに従って作業するだけで、予備洗浄の浸漬洗浄工程S1300を適切に実行することができるのである。
[すすぎ工程S1400(プロモード)の作業手順]
次に、「プロモード」におけるすすぎ工程S1400の作業手順について、図8、及び図40、図41、図42を用いて詳述する。
「プロモード」におけるすすぎ工程S1400の作業手順は、前述した「初心者モード」におけるすすぎ工程S400の作業手順と略同等な手順によって構成される一方、制御ユニット3のスピーカー34Eを介して、メッセージが流される機会が、幾分省略されている点において相違する。なお、以下の説明においては、主に、「初心者モード」のすすぎ工程S400における作業手順と相異する点について記述し、同等な点については、必要な場合を除き、記述を省略する。
浸漬洗浄工程S1300が終了すると、洗浄槽21内には汚水が貯溜される。ここで、洗浄槽21の上側槽212に嵌設される栓24を開口部212eより脱着させると、洗浄槽21内に貯溜された汚水は、該開口部212eを介して、下側槽211の内部へと導かれ、その後、該下側槽211の開口部を介してシンクへと排水される。つまり、図40に示すように、栓24が脱着され、洗浄槽21内の汚水が排水される(ステップS1401)。
洗浄槽21内の汚水が排水されると、操作スイッチ37が1タッチされる(ステップS1402)。すると、スピーカー34Eより「すすぎを行って下さい。」というメッセージの音声が1回流れるとともに(ステップS1404)、該メッセージを合図として、内視鏡50の該表面に対するすすぎ作業が行われる(ステップS1403)。
そして、内視鏡50の外表面全体のすすぎが終了すると、操作スイッチ37が1タッチされる(ステップS1405)。すると、バルブ33Bは通電状態となるとともに(ステップS1406)、スピーカー34Eより「細管(管路)内のすすぎを行います。」というメッセージの音声が1回流れる(ステップS1407)。これにより、図8に示すように、バルブ33Bは再び通電状態となり、逆止弁としての機能を発揮する。
そして、図8中の矢印G(破線によって記載)に示すように、すすぎ水容器63内に貯溜されるすすぎ水は、サクションフィルター25を介して吸引用ホース26内へと導かれ、その後、サクション用コネクター35B、循環ポンプ32、オリフィスブロック33A、第一、第二、第三吐出用コネクター35C・35D・35E、第一、第二、第三吐出用ホース27A・27B・27C、内視鏡50の管路と順に循環され、再び洗浄槽21内へと放出される。こうして、図18に示すように、内視鏡50の管路内に対して、すすぎ作業が十分に行われるのである(ステップS1408)。
ところで、図41(a)に示すように、内視鏡50の外表面のすすぎ作業が終了した後、前記ステップS1405が行われる前に、操作スイッチ37が長押しされると(ステップS1451)、循環ポンプ32が運転を停止するとともに(ステップS1452)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れ(ステップS1453)、さらに、前述した制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示される(ステップS1454)こととなり、本工程が強制的に終了する。
また、図41(b)に示すように、内視鏡50の外表面のすすぎ作業が終了した後、前記ステップS1405が行われる前であって、前記ステップS1402における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以降(即ち、工程開始5秒以降)に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS1455)、再びスピーカー34Eより「すすぎを行って下さい。」というメッセージの音声が1回流れ(ステップS1456)、前記ステップS1403以降の作業内容を再び繰返す。
さらに、図41(c)に示すように、内視鏡50の外表面のすすぎ作業が終了した後、前記ステップS1405が行われる前であって、前記ステップS1402における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以内(即ち、工程開始5秒以内)に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS1457)、本工程は、前述した浸漬洗浄工程S1300における前記ステップS1317、S1318以降の作業内容を再び繰返すのである。
図40に示すように、内視鏡50内の管路のすすぎが終了すると、操作スイッチ37が1タッチされる(ステップS1409)。すると、循環ポンプ32は運転を停止するとともに(ステップS1410)、前述した制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示され(ステップS1411)、さらにバルブ33Bの通電状態が開放される(ステップS1412)。その後、栓24が、洗浄槽21の上側槽212の開口部212eに再び嵌設され、すすぎ工程S1400は終了するのである。
ところで、図41(a)に示すように、内視鏡50の管路内のすすぎ作業が終了した後、前記ステップS1409が行われる前に、操作スイッチ37が長押しされると(ステップS1451)、循環ポンプ32が運転を停止するとともに(ステップS1452)、スピーカー34Eより「洗浄を中止します。」というメッセージの音声が1回流れ(ステップS1453)、さらに、前述した制御ユニット3に配設される表示器には「待機」の文字が表示される(ステップS1454)こととなり、本工程が強制的に終了する。
また、図42(a)に示すように、内視鏡50の管路内のすすぎ作業が終了した後、前記ステップS1409が行われる前であって、前記ステップS1405における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以降(即ち、工程開始5秒以降)に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS1458)、再びスピーカー34Eより「細管(管路)内のすすぎを行います。」というメッセージの音声が1回流れ(ステップS1459)、前記ステップS1406以降の作業内容を再び繰返す。
さらに、図42(b)に示すように、内視鏡50の管路内のすすぎ作業が終了した後、前記ステップS1409が行われる前であって、前記ステップS1405における操作スイッチ37の1タッチの実施後5秒以内(即ち、工程開始5秒以内)に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS1460)、本工程は、前記ステップS1403、S1404以降の作業内容を再び繰返す。
以上のように、本実施形態における予備洗浄装置1を用いて、「プロモード」における予備洗浄のすすぎ工程S1400を行う場合、前記ステップS1404、S1407、S1453、S1456、S1459において、制御ユニット3のスピーカー34Eを介して様々なメッセージが流れるようになっている。換言すると、本実施形態における予備洗浄装置1を用いて、「プロモード」における予備洗浄のすすぎ工程S1400を行う場合、該すすぎ工程S1400の作業手順のステップ(ステップS1404、S1407、S1453、S1456、S1459)に応じて、様々な内容のメッセージが、ガイダンスとして制御ユニット3のスピーカー34Eを介して流されるようになっている。
従って、たとえ初心者であっても、難解な取扱説明書などを理解する必要もなく、制御ユニット3のスピーカー34Eを介して流される様々な内容のメッセージに従って作業するだけで、予備洗浄のすすぎ工程S1400を適切に実行することができるのである。
以上に示したように、本実施形態における予備洗浄装置1は、内視鏡50の予備洗浄を行う内視鏡用予備洗浄装置であって、スピーカー(音声出力手段)34Eと、該スピーカー(音声出力手段)34Eの動作を操作する操作スイッチ37(操作手段)と、を有する制御ユニット(制御装置)3を備え、前記予備洗浄の作業手順に従って、前記操作スイッチ37(操作手段)を操作することにより、作業内容を知らせる音声が前記スピーカー(音声出力手段)34Eより出力される構成となっている。
具体的には、前述したように、「初心者モード」の予備洗浄において、準備工程S100を行う際には、前記ステップS107にて示されるような、作業内容を知らせるメッセージが、スピーカー34Eを介して流れるようになっている。また、リークチェック工程S200を行う際には、前記ステップS202、S205、S208、S212、S216、S252、S263にて示されるような、作業内容を知らせるメッセージが、制御ユニット3のスピーカー34Eを介して流れるようになっている。また、浸漬洗浄工程S300を行う際には、前記ステップS304、S310、S313、S316、S319、S322、S326、S331、S352、S358にて示されるような、作業内容を知らせるメッセージが、制御ユニット3のスピーカー34Eを介して流れるようになっている。さらに、すすぎ工程S400を行う際には、前記ステップS402、S405、S408、S414、S453、S465にて示されるような、作業内容を知らせるメッセージが、制御ユニット3のスピーカー34Eを介して流れるようになっている。
また、前述したように、「プロモード」の予備洗浄において、リークチェック工程S1200を行う際には、前記ステップS1206、S1253、S1256にて示されるような、作業内容を知らせるメッセージが、制御ユニット3のスピーカー34Eを介して流れるようになっている。また、浸漬洗浄工程S1300を行う際には、前記ステップS1304、S1307、S1313、S1318、S1353、S1356、S1359、S1362、S1365にて示されるような、作業内容を知らせるメッセージが、制御ユニット3のスピーカー34Eを介して流れるようになっている。さらに、すすぎ工程S1400を行う際には、前記ステップS1404、S1407、S1453、S1456、S1459にて示されるような、作業内容を知らせるメッセージが、制御ユニット3のスピーカー34Eを介して流れるようになっている。
このような構成を有することで、本実施形態における予備洗浄装置1によれば、たとえ初心者であっても、難解な取扱説明書などを理解する必要もなく、制御ユニット3のスピーカー34Eを介して流される様々な内容のメッセージに従って作業するだけで、内視鏡50に対して予備洗浄を適切に実行することができる。従って、本実施形態における予備洗浄装置1によれば、予備洗浄に関する作業性の向上を図ることができるのである。
また、本実施形態における予備洗浄装置1において、前記操作スイッチ37(操作手段)の一つであるタッチスイッチのタッチ回数、タッチタイミング、及びタッチ時間の内の少なくとも一つの条件を変更することにより、前記スピーカー(音声出力手段)34Eは、異なる作業内容を知らせる音声を出力することとしている。
具体的には、前述したように、例えばその一例として、「初心者モード」における予備洗浄のリークチェック工程S200を行う場合、操作スイッチ37が1タッチ(1回のタッチ)されると(ステップS204)、作業手順は次のステップ(ステップS205)へと進められるとともに、「リークチェック用のチューブで内視鏡と装置とを接続して下さい。」というような、次のステップ(ステップS206)についての作業内容を知らせるためのメッセージの音声が1回流れる(ステップS205)ようになっている。また、操作スイッチ37が長押し(3秒以上の継続タッチ)されると(ステップS251)、作業手順は強制的に終了させられるとともに、「洗浄を中止します。」というような、作業手順の強制終了という作業内容を知らせるためのメッセージの音声が1回流れる(ステップS252)ようになっている。また、工程開始5秒以降に操作スイッチ37が2タッチ(2回のタッチ)されると(ステップS255)、作業手順は現時点におけるステップ(ステップS203)が繰返されるように、「リークチェックを行います。内視鏡を容器に設置して下さい。」というような、現時点におけるステップ(ステップS203)を繰返すという作業内容を知らせるためのメッセージの音声が1回流れる(ステップS202)ようになっている。また、工程開始5秒以内に操作スイッチ37が2タッチされると(ステップS256)、作業手順は以前のステップ(準備工程S100におけるステップS109)が繰返されるように、「洗浄を開始します。予めベッドサイドでの洗浄剤の吸引、及び挿入部のふき取りを済ませてから開始して下さい。」というような、以前のステップ(準備工程S100におけるステップS109)を繰返すという作業内容を知らせるためのメッセージの音声が1回流れる(ステップS107)ようになっている。
このように、本実施形態における予備洗浄装置1においては、タッチスイッチからなる操作スイッチ37のタッチ回数、タッチタイミング、及びタッチ時間の内の少なくとも一つの条件を変更するだけで、容易に様々な作業内容を知らせる音声を、前記スピーカー(音声出力手段)34Eより出力させることができるのである。