<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、図2に示すように、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
遊技盤24の構成を図3に基づいて説明する。図3は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、遊技領域PEの外縁の一部を区画するようにして内レール部25と外レール部26とが取り付けられており、これら内レール部25と外レール部26とにより誘導手段としての誘導レールが構成されている。樹脂ベース21において窓孔23の下方に取り付けられた遊技球発射機構51(図2参照)から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PEの上部に案内されるようになっている。
ちなみに、遊技球発射機構51は、誘導レールに向けて延びる発射レール53と、後述する上皿65aに貯留されている遊技球を発射レール53上に供給する球送り装置54と、発射レール53上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド52と、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置71が操作されることによりソレノイド52が駆動制御され、遊技球が発射される。
遊技盤24には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口33,下作動口34,スルーゲート35及び可変表示ユニット36等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32及び作動口33,34に遊技球が入ると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、上作動口33への入球が発生した場合及び下作動口34への入球が発生した場合には、3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合及び可変入賞装置32への入球が発生した場合には、10個の賞球の払い出しが実行される。
但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば上作動口33に係る賞球個数よりも下作動口34に係る賞球個数が多いといったように、両作動口33,34の賞球個数が相違していてもよい。また、可変入賞装置32に係る賞球個数が他の賞球個数に比べて多い構成としてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
遊技領域PEの中央部を含むようにして可変表示ユニット36が設けられている。当該可変表示ユニット36の周縁部が遊技盤24の表面よりもパチンコ機10前方に突出していることに起因して、遊技球が流下可能な領域が複数に区画されている。
具体的には、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット36の所定の高さ位置よりも上方の領域である上側領域PE1と、当該上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも左方の領域である左側領域PE2と、上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも右方の領域である右側領域PE3と、左側領域PE2及び右側領域PE3のそれぞれに対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも下方の領域である下側領域PE4と、に区画されている。
遊技者が第1発射操作として所定回動量以上であって基準回動量未満である第1範囲の回動操作量で、発射操作装置71における操作ハンドル74の回動操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも左方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→左側領域PE2→下側領域PE4の順で流下することとなる。その一方、遊技者が第2発射操作として基準回動量以上である第2範囲の回動操作量で操作ハンドル74の回動操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも右方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→右側領域PE3→下側領域PE4の順で流下することとなる。つまり、遊技者は操作ハンドル74の回動操作量を調整することで、左側領域PE2及び右側領域PE3のうち左側領域PE2を遊技球が流下するように遊技を行うことができるとともに、右側領域PE3を遊技球が流下するように遊技を行うことができる。
なお、基準回動量というのは、左側領域PE2を遊技球が流下する割合と、右側領域PE3を遊技球が流下する割合とが同一となる回動量のことであり、第1範囲の回動操作量では、左側領域PE2を遊技球が流下する割合が高くなり、第2範囲の回動操作量では、右側領域PE3を遊技球が流下する割合が高くなる。したがって、第1範囲の回動操作量において基準回動量に近い回動操作量では、右側領域PE3を遊技球が流下する可能性があり、第2範囲の回動操作量において基準回動量に近い回動操作量では、左側領域PE2を遊技球が流下する可能性がある。
ちなみに、外レール部26の右上部分には、当該外レール部26よりも内側に位置する部材であって外レール部26に沿って(接触しながら)進行してきた遊技球が衝突してその進行方向を変化させるためのストッパとして返しゴム26aが設けられている。最大の発射強度となるように発射操作装置71が操作されている場合には、遊技球は返しゴム26aに衝突した後に、右側領域PE3を流下することとなる。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。
上作動口33には、開閉する部材は設けられていない。そして、同一の態様で遊技球が発射されている状況では(すなわち一定の発射強度となる場合、又は発射操作の態様が同一である場合)、遊技状態に依存することなく上作動口33への入賞確率は一定となっている。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての普電役物34aが設けられている。普電役物34aは遊技盤24の背面側に搭載された役物駆動部(図示略)に連結されており、当該役物駆動部により駆動されて閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。普電役物34aの閉鎖状態では遊技球が下作動口34に入賞できず、普電役物34aが開放状態となることで下作動口34への入賞が可能となる。
上作動口33及び下作動口34は、遊技盤24の下側領域PE4に設置されている。この場合、上作動口33は可変表示ユニット36に形成されたステージ36aの真下に配置されており、可変表示ユニット36に形成された誘導通路(図示略)を介してステージ36a上に流入した遊技球であってステージ36aの中央から可変表示ユニット36外に排出される遊技球は上作動口33に入賞し易くなっている。
ちなみに、ステージ36aへの遊技球の誘導を可能とする誘導通路の入口部は、可変表示ユニット36において上側領域PE1と左側領域PE2との境界部分に対応した位置(図3における普図保留表示部46の上方の位置)に形成されており、それ以外の場所には形成されていない。
上記のように上作動口33及び下作動口34が下側領域PE4に設けられていることにより、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置71が操作されている場合及び右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置71が操作されている場合のいずれにおいても上作動口33及び下作動口34への入賞が可能である。但し、ステージ36aへの誘導通路の入口部が左側領域PE2に対して設けられており、右側領域PE3に対して設けられていないことにより、左側領域PE2を流下した方が右側領域PE3を流下する場合に比べて上作動口33及び下作動口34への入賞が発生し易い。また、左側領域PE2及び右側領域PE3における遊技部品や釘38の配列も、左側領域PE2を流下した方が右側領域PE3を流下する場合に比べて上作動口33及び下作動口34への入賞が発生し易いように設定されている。
なお、これに限定されることはなく、左側領域PE2を流下した遊技球のみが上作動口33及び下作動口34への入賞が可能となる構成としてもよい。
左側領域PE2及び右側領域PE3のそれぞれには、スルーゲート35が設けられている。スルーゲート35は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート35に入賞した遊技球は入賞後に遊技領域PEを流下する。スルーゲート35への入賞に基づき下作動口34の普電役物34aが閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。具体的には、スルーゲート35への入賞をトリガとして内部抽選が行われるとともに、可変表示ユニット36に設けられた普図表示部44にて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果がサポート当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて変動表示が終了された場合にサポート実行モードへ移行する。サポート実行モードでは、普電役物34aが所定の態様で開放状態となる。
なお、可変表示ユニット36には、普図保留表示部46が設けられている。遊技球がスルーゲート35に入賞した個数は最大4個まで保留され、普図保留表示部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとして大当たり抽選が行われる。そして、当該抽選結果は特図表示部43及び可変表示ユニット36の図柄表示装置41における表示演出を通じて明示される。
特図表示部43について詳細には、特図表示部43では、上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとして大当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。
図柄表示装置41について詳細には、図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置41では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づき特図表示部43にて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われる。なお、図柄表示装置41では、上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとした表示演出だけでなく、大当たり当選となった後に移行する開閉実行モード中の表示演出などが行われる。
上作動口33又は下作動口34への入賞に基づき行われた大当たり抽選にて当選となった場合には、特図表示部43における絵柄の変動表示の終了に際して及び図柄表示装置41における図柄の変動表示の終了に際して、それぞれ特定の結果が表示される。
なお、可変表示ユニット36には、特図保留表示部45が設けられている。遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、特図保留表示部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく大当たり抽選にて当選となった場合には可変入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。詳細には、可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞しがたい閉状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放されるものが一般的である。
可変入賞装置32は、下側領域PE4において下作動口34の下方の位置に設けられている。つまり、可変入賞装置32は左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置71が操作されている場合及び右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置71が操作されている場合のいずれにおいても入賞可能となっている。但し、釘38の配置態様や、他の部材との相対位置との関係から、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置71が操作されている場合の方が、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置71が操作されている場合よりも、可変入賞装置32への入賞が発生し易い構成となっている。したがって、遊技者は、開閉実行モードに移行した場合、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置71を操作することとなる。
なお、これに限定されることはなく、右側領域PE3を流下した遊技球のみが可変入賞装置32への入賞が可能となる構成としてもよい。
上記遊技盤24を有する内枠13の前面側全体を覆うようにして、前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、透明性を有する窓パネル62が嵌め込まれている。窓部61の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿65aが設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿66aが設けられている。上皿65aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構51側へ導くための機能を有する。また、下皿66aは、上皿65a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿65a及び下皿66aには、裏パックユニット15の払出装置から払い出された遊技球が排出される。
下側膨出部66の右方には、手前側へ突出するようにして発射操作装置71が設けられている。この発射操作装置71が設けられた位置について詳細には、窓部61よりも下方であるとともに、上皿65aよりも下方の位置であり、さらには遊技機本体12の回動先端側となる一方の側部に近い位置に発射操作装置71が配置されている。遊技機本体12の前面を正面視で見た場合で言えば、右下の隅角部分の位置である。発射操作装置71が操作されることにより、遊技球発射機構51から遊技球が発射される。
<発射操作装置71>
発射操作装置71の構成について詳細に説明する。図4(a)は前方から見た発射操作装置71の斜視図であり、図4(b)は後方から見た発射操作装置71の斜視図であり、図5は前方から見た発射操作装置71の分解斜視図であり、図6は後方から見た発射操作装置71の分解斜視図であり、図7は発射操作装置71の断面図である。
発射操作装置71は、図4(a),(b)に示すように、前扉枠14に固定される基部72と、発射操作装置71の前面側を構成する前面ユニット73と、基部72及び前面ユニット73の間に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作(回転操作)される操作ハンドル74と、を備えている。
基部72は、ABS樹脂などの不透明な材料により筒状に形成されており、図5及び図6に示すように、一方の開口側はその内径及び外径が共に拡径されている(以下、この拡径された領域を拡径領域75という)。また、基部72には、拡径領域75と同一軸線上において当該軸線と同一方向に延びる軸孔部76が一体形成されている。軸孔部76には、ハンドル用軸部材77が上記軸線を中心として回動可能に支持されており、このハンドル用軸部材77の中間位置に形成された固定用環部77aに固定させて操作ハンドル74が設けられている。
操作ハンドル74は、ABS樹脂により形成されており、その周面全体に金属膜がメッキされている。なお、操作ハンドル74の周面全体に金属膜がメッキされているのではなく、操作ハンドル74の操作に際して触れられる表面と後述する電極が設けられる位置とに亘って金属膜がメッキされている構成としてもよく、操作ハンドル74を金属製としてもよい。
操作ハンドル74は、内側環部81と、外側環部82とが同心円となるように一体形成された二重環形状をなしている。内側環部81の中央において操作ハンドル74の軸線方向に貫通したハンドル側軸孔部83に対して、上記ハンドル用軸部材77における固定用環部77aよりも前側の円柱部77bが挿通されている。つまり、操作ハンドル74は基部72に対して同一軸線上となるように配置されている。なお、外側環部82の外周面には径方向へ突出させて指掛け部84が一体形成されており、当該指掛け部84に指を掛けた状態で操作ハンドル74の回動操作を行うことができるようになっている。
操作ハンドル74は、上記軸線を中心として回動可能となっているが、その回動範囲は、基部72において拡径領域75よりも前方へと突出するように一体形成された複数のボス79a〜79cとの当接により規制される。詳細には、ボス79a〜79cは基部72の軸線方向に延びており、当該ボス79a〜79cは操作ハンドル74の内側環部81と外側環部82との間に形成された一対のガイド孔85a,85bを後方から前方へと貫通している。
これらガイド孔85a,85bは、内側環部81と外側環部82との間の空間が、両環部81,82を連結するように180°間隔で形成された一対の連結部により区画されていることで形成されている。ガイド孔85a,85bを区画する周面のうち、操作ハンドル74の径方向の内側及び外側のそれぞれを規定する内側環部81の外周面と外側環部82の内周面とは、操作ハンドル74の軸線周りに一定の曲率の曲面となっている。また、これら外周面及び内周面は、少なくともガイド孔85a,85b内側への段差が形成されておらず、さらにはガイド孔85a,85b外側への凹みも形成されていない。
パチンコ機10の正面視において操作ハンドル74の時計周り方向の回動が、所定のガイド孔85aとボス79aとの当接により所定の回動位置にて規制されるとともに、反時計周り方向の回動が、他のガイド孔85bとボス79bとの当接により所定の回動位置にて規制される。そして、操作ハンドル74に対して、ハンドル用の付勢手段としてハンドル用バネ86が設けられていることで、操作ハンドル74は反時計周り方向に常時付勢され、付勢力に抗する力が付与されていない状況では上記各所定の回動位置のうち後者の側である初期回動位置に配置される。なお、ハンドル用の付勢手段は、操作ハンドル74を初期回動位置に向けて付勢できるのであれば具体的な構成は任意である。
操作ハンドル74の基部72からの抜けを防止するようにして、当該操作ハンドル74の前方に前面ユニット73が設けられている。前面ユニット73は、全体としてその表面が前方に向けて滑らかな凸形となる球面状に形成されており、さらに複数層構造を有している。当該複数層構造として、前面ユニット73は合成樹脂製の内側ベース91及び外側ベース92を備えている。外側ベース92は、内側ベース91の後側を規定する円環状の内側ベース環部93を、軸線周りに囲むようにして設けられている。
ここで、内側ベース91に対する外側ベース92の固定に係る構成について説明する。
外側ベース92は、後端側を軸線に向けて絞るようにして第1環状段差部94が形成されており、当該第1環状段差部94よりも後端側には軸線周りに円環状となった外側ベース環部95を備えている。外側ベース環部95には、径方向に貫通する一対の係止孔96が180°間隔で形成されている。一対の係止孔96は、内側ベース環部93において後端縁部から前側へと凹ませるようにして形成された係止用凹部97に対応している。なお、外側ベース環部95及び内側ベース環部93の一方に位置決め用凸部98が形成されているとともに、他方に位置決め用凹部99が形成されており、これらの嵌め合わせにより、対応する同士の係止孔96と係止用凹部97との重ね合わせが自ずと行われる。
内側ベース91には上記係止孔96との間で係止関係を生じさせるための一対の弾性固定部材101が設けられている。弾性固定部材101は合成樹脂製であり、厚み方向に貫通した固定用孔102が形成されたベース板部103と、当該ベース板部103において固定用孔102が形成された側の端部に一体形成された爪部104と、を備えている。ベース板部103及び爪部104はそれぞれ薄肉に形成されており、上記厚み方向に弾性変形可能となっている。
一対の弾性固定部材101は、図6に示すように、内側ベース91の裏面に形成された固定用ボス105に対して、固定用孔102を通じてネジ止めされることで、内側ベース91に固定されている。この状態では、図7に示すように、爪部104が係止用凹部97よりも径方向の外側に突出することとなる。当該爪部104が係止孔96の周縁部に係止されていることで、内側ベース91に外側ベース92が固定されている。
爪部104は先端に向かうほど後側へ向かうように形成されており、さらに上記固定用ボス105にベース板部103をネジ止めした際には内側ベース91の裏面との当接を通じて爪部104が後側へ反るように弾性固定部材101が弾性変形する。そして、この弾性変形した状態の爪部104の先端が係止孔96の周縁部において後側の縁部に前側から当たることで、外側ベース92に対して後方へ向けた力を付与した状態で当該外側ベース92が内側ベース91に固定されている。
上記のように外側ベース92が固定された内側ベース91は、基部72の後側から挿入された図示しないネジにより上記ボス79a〜79cに対してネジ止めされており、これにより前面ユニット73が基部72に固定されている。この場合、外側ベース92の外側ベース環部95は、図7に示すように、内側ベース環部93よりも後方へ延出しており、操作ハンドル74の外側環部82の内側に入り込んでいる。また、外側ベース92の第1環状段差部94は後方を向いており、外側環部82の前側端面と僅かな隙間を隔てて対向している。当該隙間は、1円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨及び500円硬貨といった硬貨や、遊技ホールにおいてパチンコ機10とともに設置されるスロットマシン用の遊技メダルを、外側ベース環部95と外側環部82との間に差し込むことが不可又は行いづらくなるように規定されている。
操作ハンドル74の外側環部82はその前側が前面ユニット73と前後に対向しているだけでなく、その後側が基部72と前後に対向している。詳細には、基部72は既に説明したとおり拡径領域75を備えているが、当該拡径領域75を規定する周壁部には、前端側を軸線に向けて絞るようにして第2環状段差部106が形成されており、当該第2環状段差部106よりも前端側には軸線周りに円環状となった基部側環部107を備えている。基部側環部107が、操作ハンドル74の外側環部82の内側に入り込んでいる。また、第2環状段差部106は前方を向いており、外側環部82の後側端面と僅かな隙間を隔てて対向している。当該隙間は、1円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨及び500円硬貨といった硬貨や、遊技ホールにおいてパチンコ機10とともに設置されるスロットマシン用の遊技メダルを、基部側環部107と外側環部82との間に差し込むことが不可又は行いづらくなるように規定されている。
ここで、操作ハンドル74は、遊技球発射機構51からの遊技球の発射を行わせるべく、ハンドル用バネ86の付勢力に抗する方向に回動操作されるが、ハンドル用バネ86により初期回動位置に向けて付勢されているため、操作ハンドル74を所定の回動位置に手動操作している状態を解除すると、操作ハンドル74は初期回動位置に自ずと復帰する。当該構成の場合、操作ハンドル74と前面ユニット73との間、又は操作ハンドル74と基部72との間にコインや硬貨を差し込み、操作ハンドル74を無理に仮固定しようとする行為が想定される。これに対して、既に説明したとおり、操作ハンドル74の外側環部82が第1環状段差部94及び第2環状段差部106のそれぞれに対して前後に対向しており、さらにはそれらの隙間はコインや硬貨を差し込むことが不可又は行いづらいように規定されている。したがって、上記のような仮固定を行うことが阻止され、かかる仮固定に起因した発射操作装置71の破損等の発生を抑制することができる。
操作ハンドル74の回動操作量を後述する電源及び発射制御装置175において把握すべく、基部72には、図5に示すように、ギア部品111a,111bが設けられている。ギア部品111a,111bは基部72に内蔵されている可変抵抗器155(図6参照)と接続されており、ギア部品111a,111bの回転に応じて可変抵抗器155の抵抗値が変化し、その抵抗値に応じた信号が電源及び発射制御装置175にて受けられる。そして、操作ハンドル74の回動操作量に応じた発射強度で遊技球が発射されるように、当該電源及び発射制御装置175により遊技球発射機構51の駆動制御が実行される。
基部72には、図5に示すように、操作ハンドル74を回動操作した状態において遊技球の発射を停止させるために操作される発射止めスイッチ112と、発射止めスイッチ112が操作されていることを検知するプッシュセンサ113と、が設けられている。プッシュセンサ113の検知信号が電源及び発射制御装置175に出力されることで、当該電源及び発射制御装置175にて発射止めスイッチ112が操作されているか否かが把握される。そして、発射止めスイッチ112が操作されている場合には、操作ハンドル74の回動操作量に関係なく、電源及び発射制御装置175による遊技球発射機構51の駆動制御が停止される。
この場合に、図6に示すように、操作ハンドル74にはその背面側に、操作片87が一体形成されており、操作ハンドル74が初期回動位置に配置されている状況では、当該操作片87により発射止めスイッチ112が押圧される構成となっている。これにより、操作ハンドル74が初期回動位置に配置されている状況、すなわち操作ハンドル74が回動操作されていない状況では、プッシュセンサ113がONとなり、遊技球の発射が停止される。
基部72には、図6に示すように、操作ハンドル74を遊技者が触れていることを検知するためのハンドル用タッチセンサ156が設けられている。ハンドル用タッチセンサ156の検知信号が電源及び発射制御装置175に出力されることで、当該電源及び発射制御装置175にて操作ハンドル74が遊技者に触れられているか否かが把握される。そして、操作ハンドル74が遊技者に触れられていない場合には、操作ハンドル74の回動操作量に関係なく、電源及び発射制御装置175による遊技球発射機構51の駆動制御が停止される。
次に、操作ハンドル74を任意の回動位置にて保持することを補助するために手動操作される補助操作部121について、図4乃至図6に加え、図8及び図9を参照しながら説明する。
図8(a)は前面ユニット73の一部を分解した状態を前方から見た斜視図であり、図8(b)は前面ユニット73の一部を分解した状態を後方から見た斜視図である。なお、図8(a)及び図8(b)においては外側ベース92の一部を破断した状態を示している。また、図9(a)は発射操作装置71の正面図であり、図9(b)は図9(a)のA―A線断面図であり、図9(c)は図9(a)のB―B線断面図である。
既に説明したとおり、前面ユニット73はその表面を構成するようにして外側ベース92を備えているが、図5及び図6に示すように、当該外側ベース92はその前側に円形の開口部92aが形成された筒状をなしている。前面ユニット73は外側ベース92の開口部92aを埋めるようにして設けられた補助操作部121を備えている。補助操作部121は、ABS樹脂により形成されている。
補助操作部121は、軸周りに環状をなす補助ベース122と、当該補助ベース122から前方へ膨出するように一体形成された前側湾曲部123と、を備えており、当該前側湾曲部123はその表面が前方に向けて滑らかな凸形となる球面状に形成されている。
補助操作部121の裏面側には補助用軸部材124が固定されている。補助用軸部材124は、図8(b)に示すように、軸ベース125の一端側に貫通孔126が形成されているとともに、軸ベース125の他端側に外方へと突出させて一対の補助操作用軸部127が一体形成されている。当該補助用軸部材124は、一対の補助操作用軸部127が前側湾曲部123よりも後方において補助ベース122の周縁よりも径方向の外方へ突出するようにして固定されている。
補助用軸部材124に対応させて、図8(a)に示すように、内側ベース91の前面には後側軸受け部131が一体形成されているとともに、図8(b)に示すように、外側ベース92の裏面には前側軸受け部132が一体形成されている。補助操作用軸部127が、回動可能な状態で、前側軸受け部132と後側軸受け部131とにより前後に挟持されていることで、補助操作部121が両ベース91,92に一体化されている。この場合、各軸受け部131,132による補助操作用軸部127の軸支箇所は、外側ベース92の開口部92aの上縁部分となっている。
補助操作部121の補助ベース122は開口部92aを前後に挿通しており、補助ベース122と開口部92aの周縁部とが干渉しないように両者の間には隙間が確保されている。また、補助操作部121の前側湾曲部123は開口部92aよりも前方へと突出しており、当該前側湾曲部123の球面状をなす表面は外側ベース92の球面状をなす表面に対して連続又は概ね連続している。これにより、既に説明したとおり、前面ユニット73は全体としてその表面が前方に向けて滑らかな凸形となる球面状に形成されている。
補助操作部121が上記のように設けられていることにより、前側湾曲部123を押圧することで補助操作部121はその上側を回動軸として後方へ向けて回動する。当該補助操作部121の押圧力を操作ハンドル74に伝達するようにして、図5及び図6に示すように、内側ベース91の裏面側にはリンク部材141が設けられている。なお、リンク部材141は合成樹脂製に形成されており非導電性となっている。
リンク部材141の一端には外方へと突出させて一対のリンク用軸部142が一体形成されている。リンク用軸部142に対応させて、内側ベース91の裏面及び基部72のボス79b,79cには軸受け用リブ143a,143bが一体形成されている。リンク用軸部142が軸受け用リブ143a,143bにより支持されていることで、リンク部材141が内側ベース91の裏面側において回動可能に支持されている。
リンク部材141の軸支箇所は、図9(a)に示すように、発射操作装置71を正面視で見た場合に、内側ベース91における径方向外寄りであって右斜め上側の位置となっており、一対のリンク用軸部142を結んだ直線は右下がりとなっている。また、当該軸支箇所は、外側ベース92の開口部92aよりも径方向外側の位置となっている。リンク部材141は、上記リンク用軸部142を回動軸として前後方向に回動可能となっている。
リンク部材141においてリンク用軸部142が形成された側とは反対側の端部である自由端部144は、図9(a)に示すように、発射操作装置71を正面視で見た場合に、内側ベース91における径方向外寄りであって下側の位置となっている。また、自由端部144の位置は、開口部92aにおける下寄りの周縁部の真後ろの位置となっている。
ちなみに、リンク部材141は、弾性固定部材101やハンドル用軸部材77を避けるようにして蛇行させて形成されている。さらにまた、内側ベース91は中央側が前方へと突出するように段差形状となっており、リンク部材141の自由端部144寄りの領域は前方突出部145の裏面に沿うようにして配置されている。
自由端部144に対して前方の位置には、図8(a)に示すように、内側ベース91の露出用孔部146が存在している。これにより、自由端部144は補助操作部121側に向けて露出しており、さらには内側ベース91における後段部147の前面よりも前方に突出している。リンク部材141に対しては、図5及び図6に示すように、リンク用の付勢手段としてリンク用バネ148が設けられていることで、図8(b)に示すように、リンク部材141は自由端部144が露出用孔部146から前方へと突出してリンク部材141及び内側ベース91の当接によりそれ以上前方へ回動できない側に向けて常時付勢されている。なお、リンク用の付勢手段は、リンク部材141を初期回動位置に向けて付勢できるのであれば具体的な構成は任意である。
自由端部144の前方には補助操作部121における補助ベース122の周縁部が存在しているが、当該周縁部には周囲の領域よりも前方へと凹む押圧用凹部151が形成されている。押圧用凹部151の底面には、図8(b)に示すように、後方へと突出した押圧用凸部152が一体形成されている。当該押圧用凸部152が形成された位置は、補助操作部121の下寄りの位置となっている。つまり、押圧用凸部152は、補助操作部121の回動軸に対して、軸線を挟んだ反対側寄りの位置に形成されている。
押圧用凸部152は、図9(b)に示すように、リンク部材141の自由端部144に対してその前方から当接している。この場合、リンク部材141がリンク用バネ148により付勢されて初期回動位置に配置されている状況では、自由端部144により押圧用凸部152が前方へ押された状態となる。この状態における補助操作部121の位置が当該補助操作部121の初期回動位置である。
リンク部材141において自由端部144とは反対側の端部には、上記のとおりリンク用軸部142が形成されているが、図6に示すように、当該端部にはさらにリンク用軸部142が形成された部位から後方へ突出させて回動規制部153が一体形成されている。回動規制部153は、図9(c)に示すように、操作ハンドル74における外側環部82の内側、詳細には操作ハンドル74の上側のガイド孔85b内に入り込んでいる。
ここで、リンク部材141は前面ユニット73に設けられているため操作ハンドル74の回動に追従しない。この場合に、ガイド孔85bと回動規制部153との位置関係は、操作ハンドル74がいずれの回動位置であっても当該回動規制部153がガイド孔85b内に入り込む位置関係に設定されている。
回動規制部153において外側環部82の内周面と径方向に対向する対向面154には凹凸を形成することで高摩擦化処理が施されている。また、リンク用軸部142が内側ベース91の裏面に設けられているとともに回動規制部153が軸線方向に沿って内側環部81に向けて突出しているため、当該リンク用軸部142から対向面154までの距離は、リンク用軸部142から自由端部144までの距離よりも短く設定されている。
なお、高摩擦化処理を施す手法は、凹凸を形成することに限定されることはなく、例えばゴム板を上記対向面154に貼り付ける手法を採用してもよく、ゴム層を上記対向面154に形成する手法を採用してもよい。また、回動規制部153は板状ではなく角柱状をなしており、強度の向上が図られている。
補助操作部121及びリンク部材141が上記のように設けられていることによる作用について図10(a1),(a2)及び図10(b1),(b2)を参照しながら説明する。
図10(a1)は補助操作部121が押圧操作されていない状態における発射操作装置71の様子を模式的に示した説明図であり、図10(a2)は図10(a1)の一部を拡大して示す図であり、図10(b1)は補助操作部121が押圧操作されている状態における発射操作装置71の様子を模式的に示した説明図であり、図10(b2)は図10(b1)の一部を拡大して示す図である。
図10(a1)に示すように、補助操作部121が押圧操作されていない状況では、リンク用バネ148の付勢力によりリンク部材141が初期回動位置に配置されているとともに、補助操作部121が初期回動位置に配置されている。この状態では、図10(a2)に示すように、リンク部材141の回動規制部153は操作ハンドル74の外側環部82に当接していない。
図10(b1)に示すように、補助操作部121が押圧操作された状況では、補助操作部121の押圧用凸部152が後方へ移動するように補助操作部121が初期回動位置から回動する。
ここで、発射操作装置71は既に説明したとおり遊技機本体12の前面において右下の隅角部分に設けられているため、遊技者の肩の高さは発射操作装置71よりも上方であって、発射操作装置71に近い側の肩の位置は発射操作装置71よりも左方の位置にある。したがって、遊技者は、右斜め下方であって前斜め下方に腕を伸ばして発射操作装置71を握ることとなる。また、図4(a)において二点鎖線で示すように、遊技者は通常の態様で操作ハンドル74を回動操作する場合、前面ユニット73に手の平を当てた状態で発射操作装置71を握るとともに、その握っている手の指を操作ハンドル74の指掛け部84に当てた状態で当該操作ハンドル74の回動操作を行う。
これに対して、前側湾曲部123は、前面ユニット73の中央、すなわち前方に最も凸となった箇所よりも上寄りの位置であって左寄りの位置に、受け面の一部として特定受け領域が存在するように形成されているとともに、当該特定受け領域は斜め上方を向き且つ左に向けて下り傾斜している。したがって、遊技者が上記のように発射操作装置71を握った場合には、当該遊技者の手の平が前側湾曲部123に対して自然と斜め上方から触れることとなる。よって、遊技者は手の平を利用して補助操作部121の押圧操作を無理なく行うことができる。さらには、操作ハンドル74を回動操作する場合、手首を軸にして手を回すこととなるが、上記のように手の平で補助操作部121を押圧操作することができるため、操作ハンドル74の回動位置がいずれであっても補助操作部121を押圧操作することが可能となる。
また、既に説明したとおり、補助操作用軸部127は、補助操作部121の前側湾曲部123よりも後方であって上方の位置において支持されているため、手の平が触れる上記特定受け領域の回動方向には下方に向けた成分が含まれる。したがって、遊技者は斜め下方に向けて腕を伸ばしている状態においてその伸ばしている方向に補助操作部121を押圧することで、補助操作部121を初期回動位置から後方へ押圧することができる。つまり、遊技者は手の重みを預けるようにして発射操作装置71を握っている状態のその重みを利用して補助操作部121を押圧操作することができる。これにより、補助操作部121の操作性の向上が図られ、さらには補助操作部121の操作を継続した場合の疲労の低減が図られる。
補助操作部121が押圧操作されることで、補助操作部121の回動に伴って、押圧用凸部152はリンク部材141の自由端部144を後方へと押す。自由端部144が押圧用凸部152により押されることで、リンク部材141は初期回動位置から回動し、それに伴って回動規制部153の対向面154が上方へと移動する。そして、当該対向面154が、図10(b2)に示すように、操作ハンドル74の外側環部82の内周面に対して径方向の内側から当接する。これにより、操作ハンドル74には、回動方向に対して直交する方向への外力がリンク部材141から付与されることとなり、当該外力はハンドル用バネ86の付勢力に抗する力として機能する。よって、操作ハンドル74を回動操作している力を緩めたとしても、当該操作ハンドル74をその回動位置にて保持させることが可能となる。
また、回動規制部153の対向面154には高摩擦化処理が施されているため、操作ハンドル74に対して大きな摩擦力を付与することが可能となり、上記回動位置にて保持させる力を向上させることができる。また、リンク用軸部142から対向面154までの距離は、リンク用軸部142から自由端部144までの距離よりも短く設定されているため、補助操作部121からリンク部材141の自由端部144に付与された力は、てこの原理により増幅された状態で操作ハンドル74の外側環部82に付与される。この点からも、上記回動位置にて保持させる力を向上させることができる。
また、ガイド孔85bと回動規制部153との位置関係は、既に説明したとおり、操作ハンドル74がいずれの回動位置であっても当該回動規制部153がガイド孔85b内に入り込む位置関係に設定されているため、操作ハンドル74がいずれの回動位置に配置されている状況であっても補助操作部121の押圧操作を通じた操作ハンドル74の変位規制を行うことができる。
また、上記操作ハンドル74の変位規制は外側環部82の内周面と回動規制部153の対向面154との面接触に起因して行われるため、その規制力を上回る操作力で操作ハンドル74を回動操作すれば、操作ハンドル74を変位させることは可能である。したがって、操作ハンドル74の変位規制を行った状態で、操作ハンドル74の回動位置の調整を行うことが可能である。さらには、外側環部82の内周面において上記面接触が生じ得る当接対象面は、既に説明したとおり、一定の曲率の曲面状に形成されているとともに、段差や凹みが形成されていないため、この点からも、操作ハンドル74の変位規制を行った状態で、操作ハンドル74の回動位置の調整を行うことが可能である。
上記のとおり、補助操作部121を押圧操作した場合には操作ハンドル74の変位規制を行うことが可能な構成において、補助操作部121を操作した場合にはさらに遊技球の発射強度を最大発射強度とすることが可能な構成となっている。当該構成について以下に説明する。
既に説明したとおり、補助操作部121の押圧力を操作ハンドル74に伝達するためのリンク部材141は内側ベース91に支持されているが、当該内側ベース91には、図5、図6及び図8に示すように、さらに調整スイッチ157が設けられている。調整スイッチ157は、プッシュ式であり、図8(a),(b)に示すように、押圧検知部としてのプッシュボタン157aを内側ベース91に形成された開口部149を通じて内側ベース91の前面側に露出させた状態で、内側ベース91の裏面に固定されている。プッシュボタン157aは、後段部147の前面よりも前方に突出しており、内側ベース91の前方から押圧操作可能となっている。
プッシュボタン157aが設けられた位置は、補助操作部121の回動先端側の端部に対して後方となる位置である。したがって、プッシュボタン157aの前方には、補助操作部121が存在しており、当該補助操作部121においてプッシュボタン157aと前後に対向する箇所には、押圧片128が一体形成されている。
なお、プッシュボタン157aが設けられた位置は、リンク部材141の自由端部144が設けられた位置とは異なる位置となっている。これにより、補助操作部121の押圧操作に際して、操作ハンドル74の変位規制と発射強度の調整とを同時に行うことが可能となっている。
補助操作部121及び調整スイッチ157が上記のように設けられていることによる作用について、図10(a)及び図10(b)を参照しながら説明する。
図10(a3)は補助操作部121が押圧操作されていない状態における押圧片128と調整スイッチ157との位置関係を説明するための説明図であり、図10(a4)はその際の発射強度を説明するための説明図であり、図10(b3)は補助操作部121が押圧操作されている状態における押圧片128と調整スイッチ157との位置関係を説明するための説明図であり、図10(b4)はその際の発射強度を説明するための説明図である。
図10(a1)に示すように、補助操作部121が押圧操作されていない状況では、補助操作部121が初期回動位置に配置されている。この状態では、図10(a3)に示すように、補助操作部121の押圧片128は調整スイッチ157のプッシュボタン157aを押圧していない。
図10(b1)に示すように、補助操作部121が押圧操作された状況では、補助操作部121の押圧片128が後方へ移動するように補助操作部121が初期回動位置から回動する。補助操作部121が押圧操作されることで、補助操作部121の回動に伴って、図10(b3)に示すように、押圧片128は調整スイッチ157のプッシュボタン157aを押圧する。この場合に、押圧片128及び調整スイッチ157は両方とも、操作ハンドル74とは別に設けられており、当該操作ハンドル74の回動操作に追従しない。したがって、操作ハンドル74の回動位置がいずれの位置であったとしても、補助操作部121を押圧操作すれば、押圧片128によるプッシュボタン157aの押圧を行うことが可能である。
なお、このように押圧片128によるプッシュボタン157aの押圧が行われた状態では、リンク部材141の自由端部144が押圧用凸部152により押されることで、リンク部材141は初期回動位置から回動し、操作ハンドル74の変位規制を行う。
押圧片128によりプッシュボタン157aが押圧された場合、操作ハンドル74が回動操作されているのであれば、その時点における操作ハンドル74の回動操作量に関係なく、遊技球発射機構51による遊技球の発射強度は最大発射強度となる。具体的には、上作動口33又は下作動口34への入賞を好適に発生させるべく遊技者が操作ハンドル74を第1範囲の回動操作量で回動操作を行っており、図10(a4)に示すように、左側領域PE2を遊技球が流下している状況において、開閉実行モードへの移行が発生した場合には、可変入賞装置32への入賞を好適に発生させるべく遊技者が補助操作部121を押圧操作する。この場合、図10(b4)に示すように、遊技球の発射強度は最大発射強度となり、遊技球発射機構51から発射された遊技球は返しゴム26aに衝突した後に、右側領域PE3を流下することとなる。
次に、補助操作部121を押圧操作することなく操作ハンドル74を回動操作することで最大発射強度とした場合に、当該最大発射強度となったことを遊技者が容易に認識可能とするための構成について、図11を参照しながら説明する。図11(a1)〜(c2)は、最大発射強度となったことを遊技者が容易に認識可能とするための構成を説明するための説明図である。
図11(a1)及び図11(a2)に示すように、図4乃至図10では説明の便宜上省略していたが、ハンドル用軸部材77において基部72に挿通される側である軸部77cには、その周面に認識用手段の一部を構成する凹部77dが形成されている。凹部77dは、軸部77cの周面において軸周りの所定範囲がその周囲に比べて軸線側に凹むようにして形成されている。
当該軸部77cの周囲には、同じく認識用手段の一部を構成する押圧ユニット158が設けられている。押圧ユニット158は、所定方向に延在するようにして形成され、当該所定方向の一端が基部72に軸支された押圧部材158aを備えているとともに、当該押圧部材158aにおいて軸支された側とは反対側の端部が軸部77cの周面に向けて付勢されるようにする付勢手段としてバネ158bを備えている。押圧部材158aの回動先端側には、凹部77d内に入り込み、当該凹部77dの周面を押圧することが可能な突起158cが一体形成されている。
操作ハンドル74が初期回動位置に配置されている場合には、図11(a2)に示すように、凹部77dは押圧部材158aの突起158cが入り込み不可な位置に配置されており、当該突起158cは、バネ158bの付勢力により付勢されて、軸部77cにおいて凹部77dが形成されていない箇所に対して外側から当接している。
操作ハンドル74が、図11(b1)に示すように、回動操作されて特定回動位置に配置された場合には、図11(b2)に示すように、凹部77dは押圧部材158aの突起158cが入り込み可能な位置に配置される。これにより、当該突起158cは、バネ158bの付勢力を通じて、凹部77dの周面を押圧する。この押圧方向は、操作ハンドル74を最大回動位置に向けて押圧する方向となっている。
その後、図11(c1)に示すように、操作ハンドル74が最大回動位置に配置された場合には、初期回動位置から離れる方向へのそれ以上の操作ハンドル74の回動操作が不可となる。この場合、図11(c2)に示すように、凹部77d内に押圧部材158aの突起158cが入り込んだ状態は維持されており、突起158cが凹部77dの周面を押圧した状態が維持されている。したがって、操作ハンドル74が特定回動位置に配置された後は、押圧ユニット158により操作ハンドル74が押圧された状態が維持されるため、遊技者による操作ハンドル74の回動操作力を低減させることが可能となる。
押圧ユニット158による押圧力により発生する回転方向の付勢力は、ハンドル用バネ86による操作ハンドル74を初期回動位置に向けて付勢する付勢力よりも低く設定されている。したがって、凹部77d内に押圧部材158aの突起158cが入り込んだ後であっても操作ハンドル74の手動操作を止めた場合には、操作ハンドル74は自ずと初期回動位置に復帰する。
図12を参照しながら、上記認識用手段(凹部77d及び押圧ユニット158)が設けられていることによる作用について説明する。なお、以下の説明では、調整スイッチ157が設けられていることによる作用についても入念的に説明する。
図12(a)は調整スイッチ157の操作状況を示すタイミングチャートであり、図12(b)は操作ハンドル74の回動操作量と発射強度との関係を説明するための説明図であり、図12(c)は操作ハンドル74の回動操作量と操作ハンドル74の回動操作力との関係を説明するための説明図である。なお、図12(b)では、調整スイッチ157がONとなっていない状況を実線で示し、調整スイッチ157がONとなっている状況を一点鎖線で示す。
図12(b)の実線で示すように、調整スイッチ157がONとなっていない状況では、操作ハンドル74の回動操作量が増加するのに伴って、遊技球の発射強度は増加する。そして、操作ハンドル74の回動操作量が飽和操作量となった場合には、遊技球の発射強度は最大発射強度となる。但し、この飽和操作量となる回動操作位置は、最大回動位置ではない。したがって、発射強度は最大発射強度となった状態を維持しながら、操作ハンドル74の更なる回動操作が可能となっている。つまり、操作ハンドル74が最大回動位置となるよりも前に、発射強度は最大発射強度となる構成となっている。
上記のように発射強度が回動操作量に依存して増加する構成において、図12(c)に示すように、遊技者による操作ハンドル74の回動操作力(すなわち遊技者が操作ハンドル74を初期回動位置から離れる方向に操作するのに必要な操作力)は、回動操作量が飽和操作量となるまでは、操作ハンドル74の回動操作量が増加するのに伴って増加する。但し、上記のように認識用手段が設けられており、さらに当該認識用手段において凹部77d内に押圧部材158aの突起158cが入り込むこととなる操作ハンドル74の特定回動位置が、操作ハンドル74の回動操作量が飽和操作量となる位置に設定されている。したがって、回動操作量が飽和操作量となった場合、すなわち発射強度が最大発射強度となった場合には、遊技者において必要な回動操作力が一旦低減される。
遊技者は、回動操作力の低減を感知することが可能であり、操作ハンドル74を手動操作している手を通じて、遊技球の発射強度が最大発射強度となったことを認識することが可能となる。これにより、遊技者は、最大回動位置となるまで勢いよく操作ハンドル74を回動操作しなくても、回動操作するのに必要な操作力が低減される状態となるまで操作ハンドル74を回動操作すれば、最大発射強度に設定することが可能となる。したがって、操作ハンドル74の操作性を向上させることが可能となる。また、操作ハンドル74が最大回動位置まで勢いよく回動操作される可能性が低減されるため、発射操作装置71が破損しづらくなる。
一方、補助操作部121が遊技者により押圧操作され、図12(a)に示すように調整スイッチ157がONとなった場合には、図12(b)に示すように、操作ハンドル74の回動操作量に関係なく、発射強度は最大発射強度となる。但し、既に説明したとおり、操作ハンドル74が初期回動位置に配置されている場合には、発射止めスイッチ112が操作ハンドル74により押圧された状態となるため、補助操作部121を押圧操作したとしても、発射強度は最大発射強度とはならない。これにより、操作ハンドル74を操作することなく、補助操作部121のみを操作して、最大発射強度による遊技球の発射を行おうとする行為を阻止することが可能となる。
次に、発射操作装置71への手動操作に応じて遊技球を発射させるための電気的構成について、図13のブロック図に基づいて説明する。
遊技球の発射に係る電気的構成の説明に先立ち、先ずパチンコ機10において遊技を進行させる制御を行うための電気的な構成を説明する。
内枠13の背面側には、主制御装置161と、音声ランプ制御装置171と、表示制御装置172とが搭載されている。また、裏パックユニット15には、払出装置173を含む払出機構部と、払出制御装置174と、電源及び発射制御装置175とが搭載されている。
主制御装置161は、遊技の主たる制御を司る主制御基板162を具備している。主制御基板162は、電源及び発射制御装置175の電源及び発射制御基板176に設けられた電源部(図示略)と接続されている。電源部は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板162に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。ちなみに、当該動作電力は主制御基板162だけでなく、払出制御装置174や表示制御装置172といった他の機器にも供給される。
なお、主制御装置161には図示しない停電監視基板が設けられており、当該停電監視基板において停電の発生が確認された場合には主制御基板162に対して停電信号が送信されるようになっている。
主制御基板162には、MPU163が搭載されている。MPU163には、当該MPU163により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM164と、そのROM164内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM165と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
MPU163には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU163の入力側には、図示しない各種センサが接続されている。当該各種センサの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35といった入賞対応入球部に対して1対1で設けられた検知センサが含まれており、MPU163において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU163では上作動口33及び下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選及び大当たり結果種別抽選を実行するとともに、各遊技回のリーチ発生抽選や表示継続期間の決定抽選を実行する。
ここで、MPU163にて各種抽選を行うための構成について説明する。
MPU163は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、普図表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図14に示すように、大当たり発生抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図表示部43及び図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口34の普電役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する普電役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM165の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ165aに適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファ165aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア165bに格納される。
保留球格納エリア165bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ165aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留用エリアREは、保留数記憶エリアNAを備えており、当該保留数記憶エリアNAには上作動口33又は下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、特図表示部43の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留球格納エリア165bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM164における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリアに当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブルと、高確率モード用の当否テーブルとが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留球格納エリア165bに格納される。
本パチンコ機10では、(1)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における当否抽選モード、(2)開閉実行モード終了後の下作動口34の普電役物34aにおけるサポートモード、という2つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。当否抽選モードとしては、上述したとおり低確率モードと高確率モードとが設定されている。
サポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の普電役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、普電役物開放カウンタC4を用いた普電役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に普電役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり普電役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の普電役物開放抽選が行われてから次の普電役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば普電役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の普電役物開放抽選が行われてから次の普電役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき普図表示部44にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の普電役物開放抽選が行われてから次の普電役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、普図表示部44における1回の表示継続期間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くすることのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM164における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブルとして記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果と確変大当たり結果とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。なお、終了基準回数が経過した後に、低頻度サポートモードに移行する。
確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
振分テーブルにおいて、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が確変大当たり結果に対応しているが、この数値の振分は任意である。また、大当たり結果の振分先は、上記の2種類に限定されることはなく、例えば、開閉実行モードにおいて遊技球の獲得期待値が高低となるように複数のモードを設定し、当該開閉実行モードの移行先のモードに差異を設けることで大当たり結果の種別を上記の2種類よりも増やす構成としてもよい。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置41における表示演出の一種として期待演出が設定されている。
期待演出には、上記リーチ表示と、当該リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や大当たり結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
予告表示には、図柄表示装置41の表示画面において図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
リーチ表示は、開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、ROM164のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。一方、予告表示を行うか否かの決定は、主制御装置161において行うのではなく、表示制御装置172において行われる。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図表示部43における表示継続期間と、図柄表示装置41における図柄の表示継続期間とをMPU163において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特図表示部43における変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
普電役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。普電役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM165の電役保留エリア165cに格納される。そして、その格納された普電役物開放カウンタC4の値によって普電役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
図13の説明に戻り、MPU163の出力側には、払出制御装置174が接続されているとともに、音声ランプ制御装置171が接続されている。払出制御装置174には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。払出制御装置174は、主制御装置161から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置173により賞球や貸し球の払出制御を行う。
音声ランプ制御装置171は、主制御装置161から受信した演出用コマンドに基づいて、各遊技回における演出内容や開閉実行モード中の演出内容を決定し、その決定結果に基づいて表示ランプ部63やスピーカ部64を駆動制御する。また、音声ランプ制御装置171は、その決定結果に対応したコマンドを表示制御装置172に送信する。表示制御装置172では、その受信したコマンドに応じて図柄表示装置41を表示制御することで、当該図柄表示装置41において遊技回の演出に対応した画像の表示や開閉実行モードの演出に対応した画像の表示を行わせる。
また、MPU163の入力側及び出力側には、電源及び発射制御基板176に設けられた発射制御部178が接続されている。発射制御部178には、発射操作装置71に内蔵されたプッシュセンサ113、可変抵抗器155、調整スイッチ157及びハンドル用タッチセンサ156が接続されている。
ハンドル用タッチセンサ156は、操作ハンドル74に設けられた電極182に対して、信号線183を通じて電気的に接続されている。当該ハンドル用タッチセンサ156にはコンデンサが内蔵されており、遊技者の手が操作ハンドル74の外表面に接触してコンデンサの静電容量が変化すると、ハンドル操作検知に対応した所定の電気信号を発射制御部178に出力する。発射制御部178では当該所定の電気信号の受信により、遊技者の手が操作ハンドル74の外表面に接触していると認識する。
発射制御部178は、プッシュセンサ113からの電気信号が発射止めスイッチ112が非操作であることに対応しており、且つハンドル用タッチセンサ156からの電気信号が遊技者により操作ハンドル74が触れられていることに対応している場合に、信号線193通じてその旨の信号を、主制御装置161のMPU163に送信する。MPU163では、その検知結果に応じて所定の処理を実行し、遊技球の発射を許可できる状況であれば、信号線194を通じて発射制御部178に発射許可コマンドを送信する。
発射制御部178は、遊技球発射機構51のソレノイド52と電気的に接続されており、MPU163から発射許可コマンドを受信した場合には、ソレノイド52に所定の発射強度に対応した駆動信号を出力する。詳細には、発射制御部178には対応強度設定部178a及び最大強度設定部178bが設けられており、調整スイッチ157がOFFとなっている状況では、可変抵抗器155からの電気信号に応じた発射強度が対応強度設定部178aにより設定され、調整スイッチ157がONとなっている状況では、最大強度設定部178bにより最大発射強度に設定される。これにより、調整スイッチ157がONとなっていない状況では操作ハンドル74の回動操作量に応じた発射強度で遊技球が発射され、調整スイッチ157がONとなっている状況では操作ハンドル74の回動操作量に関係なく最大発射強度で遊技球が発射される。なお、上記構成であるため、調整スイッチ157がONであっても、プッシュセンサ113からの電気信号が発射止めスイッチ112が操作されていることに対応した電気信号である場合、及びハンドル用タッチセンサ156からの電気信号が遊技者により操作ハンドル74が触れられていないことに対応した電気信号である場合のいずれかの条件を満たしている場合には、遊技球は発射されない。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
補助操作部121を押圧操作することで、その時点の遊技球の発射強度を操作ハンドル74の更なる回動操作を要することなく向上させることが可能であるため、操作ハンドル74の回動操作位置を所定の位置に保持しながら、遊技球の発射強度を増加させることが可能となる。よって、開閉実行モードとなった場合には、上作動口33への入賞が発生し易い位置に向けて遊技球が発射されるように操作ハンドル74の回動操作量を調整した状態を維持しながら、発射強度を向上させて右側領域PE3を遊技球が流下するようにさせることが可能となる。これにより、発射操作装置71の操作性が向上する。
補助操作部121を押圧操作した場合には、操作ハンドル74の変位規制が行われる。これにより、上作動口33への入賞が発生し易い位置に向けて遊技球が発射されるように操作ハンドル74の回動操作量を調整した状態を維持しながら、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射強度を向上させる場合に、操作ハンドル74の回動操作量の維持をより確実に行うことが可能となる。
補助操作部121の前側湾曲部123は、前面ユニット73の中央、すなわち前方に最も凸となった箇所よりも上寄りの位置であって左寄りの位置に、受け面の一部として特定受け領域が存在するように形成されているとともに、当該特定受け領域は斜め上方を向き且つ左に向けて下り傾斜している。したがって、遊技者が発射操作装置71を握った場合には、当該遊技者の手の平が前側湾曲部123に対して自然と斜め上方から触れることとなる。よって、遊技者は手の平を利用して補助操作部121の押圧操作を無理なく行うことができる。さらには、操作ハンドル74を回動操作する場合、手首を軸にして手を回すこととなるが、上記のように手の平で補助操作部121を押圧操作することができるため、操作ハンドル74の回動位置がいずれであっても補助操作部121を押圧操作することが可能となる。
また、既に説明したとおり、補助操作用軸部127は、補助操作部121の前側湾曲部123よりも後方であって上方の位置において支持されているため、手の平が触れる上記特定受け領域の回動方向には下方に向けた成分が含まれる。したがって、遊技者は斜め下方に向けて腕を伸ばしている状態においてその伸ばしている方向に補助操作部121を押圧することで、補助操作部121を初期回動位置から後方へ押圧することができる。つまり、遊技者は、発射操作装置71を握っている状態の手の重みを利用して、補助操作部121を下方に向けて押圧操作することができる。
以上より、補助操作部121の操作性の向上が図られ、さらには補助操作部121の操作を継続した場合の疲労の低減が図られる。
認識用手段(凹部77d及び押圧ユニット158)が設けられていることにより、操作ハンドル74が特定回動位置に配置されて遊技球の発射強度が最大発射強度となった場合には、操作ハンドル74を回動するのに必要な操作力が低減される。遊技者は、回動操作力が低減されたことを感知可能であり、操作ハンドル74を回動操作している手を通じて、最大発射強度となったことを認識することが可能となる。これにより、遊技者は、最大回動位置となるまで勢いよく操作ハンドル74を回動操作しなくても、回動操作に必要な操作力が低減される状態となるまで操作ハンドル74を回動操作すれば最大発射強度に設定することが可能となる。したがって、操作ハンドル74の操作性を向上させることが可能となる。また、操作ハンドル74が最大回動位置まで勢いよく回動操作される可能性が低減されるため、発射操作装置71が破損しづらくなる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、発射操作装置の構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、その相違する構成について、図15を参照しながら説明する。図15は、本実施形態の発射操作装置210の内部構造を模式的に示す図である。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については、上記第1の実施形態と同一の番号を利用するとともに、基本的にその説明を省略する。
発射操作装置210は、上記発射操作装置71と同様に、基部211と、前面ユニット(図示略)と、操作ハンドル212とを備えている。但し、本発射操作装置210は、上記発射操作装置71とは異なり、補助操作部121を備えておらず、操作ハンドル212の変位規制を行う手段は不具備となっている。
操作ハンドル212の変位規制を行う手段が不具備となった構成において、本発射操作装置210は、上記発射操作装置71と同様に、操作ハンドル212の操作に因らずに遊技球の発射強度を向上させることを可能とする構成を有している。当該構成について詳細に説明する。
発射操作装置210は、操作ハンドル212の操作に因らずに遊技球の発射強度を向上させるために操作される操作部として、調整用操作部材213を備えている。調整用操作部材213は、操作ハンドル212の軸線方向と平行となるように設けられた回動軸部214を通じて、操作ハンドル212に回動可能に支持されており、操作ハンドル212が回動する場合にはそれに伴って移動する。
操作ハンドル212には、内外に貫通する開口部215が形成されており、調整用操作部材213は、当該開口部215を通じて、操作ハンドル212の外周面よりも外方に突出可能となっている。調整用操作部材213の回動範囲について詳細には、調整用操作部材213に形成された回動規制部216が操作ハンドル212に対して内周側から当接し、当該調整用操作部材213の一部が操作ハンドル212の外周面から最も外方に突出した位置と、当該最大突出位置から調整用操作部材213が内側に入り込み、調整用操作部材213の操作ハンドル212からの突出量が低減されて図示しない規制手段によってそれ以上の入り込みが規制された位置との間で回動可能とされている。
調整用操作部材213の回動軸部214には、調整用操作部材213を操作ハンドル212の外方に常時付勢する付勢手段として、操作部材用バネ217が設けられている。これにより、調整用操作部材213は最も外方に突出する位置に向けて常時付勢されており、調整用操作部材213が手動操作されていない状況では、最も外方に突出した位置に配置される。この位置が調整用操作部材213の初期回動位置である。また、調整用操作部材213において操作ハンドル212の外周面から外方に突出する部位が、遊技者により押圧操作される調整用操作部218である。
調整用操作部材213において上記回動規制部216よりも内側には、すなわち調整用操作部218がいずれの回動位置であっても発射操作装置210の内側に存在する部位には、複数の歯219が設けられている。これら歯219は、操作ハンドル212の軸線方向と平行となるように設けられた回動軸部221を通じて操作ハンドル212に対して回動可能に支持されたハンドル側ギア部品222と噛み合っている。これにより、調整用操作部材213が遊技者により手動操作された場合には、当該調整用操作部材213の回動に伴ってハンドル側ギア部品222が回動する。また、操作ハンドル212が回動する場合には、それに伴ってハンドル側ギア部品222も移動する。
ハンドル側ギア部品222が調整用操作部材213の回動に伴って回動した場合、その動力は、基部211の裏側に固定された可変抵抗器223に伝達される。この動力の伝達について詳細には、基部211には、操作ハンドル212の軸線方向と平行となるように設けられた回動軸部224,225を通じて第1ギア部品226及び第2ギア部品227のそれぞれが回動可能に支持されている。これら第1ギア部品226及び第2ギア部品227は操作ハンドル212に支持されていないため、操作ハンドル212が回動したとしても各ギア部品226,227の軸支されている位置は変わらない。
第1ギア部品226は、ハンドル側ギア部品222と噛み合っており、さらに第2ギア部品227とも噛み合っている。そして、当該第2ギア部品227の回動軸部225が、可変抵抗器223に連結されている。これにより、調整用操作部材213が遊技者により押圧操作された場合には、可変抵抗器223の抵抗値が変更されることとなる。そして、この抵抗値は、発射強度を向上させる側に変更される。また、この抵抗値は、調整用操作部材213の押圧操作量に応じて変更され、調整用操作部材213の押圧操作量が増加するほど、発射強度が増加する構成となっている。
上記のように調整用操作部材213の押圧操作に応じて遊技球の発射強度が変更される構成において、操作ハンドル212の回動操作による遊技球の発射強度の変更も、上記ハンドル側ギア部品222、第1ギア部品226、第2ギア部品227及び可変抵抗器223を利用して行われる。当該構成について詳細に説明する。
既に説明したとおり、調整用操作部材213及びハンドル側ギア部品222は、操作ハンドル212に設けられているのに対して、第1ギア部品226及び第2ギア部品227は、基部211に設けられている。したがって、操作ハンドル212が回動操作された場合には、調整用操作部材213及びハンドル側ギア部品222については操作ハンドル212に追従して一体的に移動するのに対して、第1ギア部品226及び第2ギア部品227は一体的に移動しない。但し、上記のとおり、ハンドル側ギア部品222と第1ギア部品226とは噛み合った状態となっているため、操作ハンドル212の回動操作に追従したハンドル側ギア部品222の移動に伴って第1ギア部品226は回動し、それに伴い第2ギア部品227も回動する。したがって、操作ハンドル212が操作された場合には、それに伴って可変抵抗器223の抵抗値が変動する。
調整用操作部材213が押圧操作された場合における第1ギア部品226及び第2ギア部品227の回動方向が、操作ハンドル212が回動操作された場合における第1ギア部品226及び第2ギア部品227の回動方向と同一方向となるように、調整用操作部材213が初期回動位置から回動する場合の回動方向が設定されている。これにより、操作ハンドル212が回動操作された場合には遊技球の発射強度が向上するとともに、調整用操作部材213が押圧操作された場合にも遊技球の発射強度が向上する。
操作ハンドル212が回動操作された場合には、第1ギア部品226側からハンドル側ギア部品222に対して力が付与され、それに伴って調整用操作部材213に対しても力が付与される。この場合に、上記のように調整用操作部材213の回動方向が設定されていることにより、この力が付与される方向は、調整用操作部材213を初期回動位置に向けて押し付ける方向となる。そして、調整用操作部材213には操作ハンドル212に対して内周側から当接する回動規制部216が設けられており、初期回動位置よりも外側に向けた回動が阻止されている。したがって、調整用操作部材213を押圧操作することなく操作ハンドル212が回動操作される場合には、調整用操作部材213は初期回動位置に保持されることとなり、操作ハンドル212の回動操作を通じた発射強度の調整を行い易くなっている。
次に、調整用操作部材213が設けられている位置について説明する。
操作ハンドル212には、上記発射操作装置71と同様に、指掛け部231〜233が設けられている。指掛け部231〜233は、所定の間隔を置いて軸周りに複数設けられており、例えば操作ハンドル212の回動操作方向の元側に存在している指掛け部231に対しては遊技者の右手の親指が添えられ、当該指掛け部231の隣に存在している指掛け部232には遊技者の右手の人さし指が添えられる。この場合に、調整用操作部材213は、これら指掛け部231,232の間の位置に配置されている。
当該調整用操作部材213が設けられている位置について、図16を参照しながらさらに説明する。図16(a1)、図16(b1)及び図16(c1)は、発射操作装置210の内部構造を模式的に示す図であって、操作ハンドル212が回動操作された様子を説明するための図であり、図16(a2)、図16(b2)及び図16(c2)は、操作ハンドル212が回動操作された場合における発射強度を説明するための図である。
図16(a1)に示すように、操作ハンドル212が操作されていない状況では、図16(a2)に示すように、遊技領域PEに向けた遊技球の発射は行われない。この状態から操作ハンドル212が第1範囲の回動操作量で回動操作された場合には、図16(b2)に示すように、遊技球の発射強度は、左側領域PE2を遊技球が流下するような発射強度となる。当該状態から操作ハンドル212が最大回動位置まで回動操作された場合には、図16(c2)に示すように、遊技球の発射強度は最大発射強度となり、発射された遊技球は返しゴム26aに衝突した後に右側領域PE3を流下することとなる。
なお、本発射操作装置210には、操作ハンドル212が回動操作された場合において遊技球の発射強度が最大発射強度となったことを遊技者に認識させるための認識用手段(凹部77d及び押圧ユニット158)は不具備となっている。
本実施形態であっても、左側領域PE2を流下する遊技球の方が右側領域PE3を流下する遊技球よりも上作動口33及び下作動口34への入賞が発生し易く、右側領域PE3を流下する遊技球の方が左側領域PE2を流下する遊技球よりも可変入賞装置32への入賞が発生し易い。したがって、通常遊技状態では、遊技者は操作ハンドル212を図16(b1)に示す状態、すなわち第1範囲の回動操作量となるように操作ハンドル212を回動操作して、図16(b2)に示すように、左側領域PE2を遊技球が流下するようにさせる。
一方、開閉実行モードに移行した場合には、右側領域PE3を遊技球が流下するように、発射操作装置210の操作態様を変更させる。その一手法としては、図16(c1)に示すように、最大回動位置となるように操作ハンドル212を回動操作させる手法が挙げられる。しかしながら、通常遊技状態においては上作動口33への遊技球の入賞が発生し易い位置に向けて遊技球が発射されるように操作ハンドル212の回動操作量を調整することとなるが、操作ハンドル212を最大回動位置に配置する場合にはその調整された回動位置から操作ハンドル212を回動操作する必要が生じ、遊技者にとっては好ましくない。
これに対して、調整用操作部材213が設けられていることにより、操作ハンドル212の回動操作量を維持した状態のまま右側領域PE3を流下するように遊技球を発射させることが可能となる。この場合に、図16(b1)に示すように、操作ハンドル212が第1範囲の回動操作量で回動操作されている場合には、調整用操作部材213は、発射操作装置210の上部において上方に向けて突出した状態となる。これにより、左側領域PE2を遊技球が流下するように操作ハンドル212を回動操作している状況で調整用操作部材213を押圧操作して右側領域PE3を遊技球が流下するように発射強度を向上させる場合には、上方から下方に向けて調整用操作部材213を押圧操作することが可能となり、この際の操作性が向上する。
ここで、本発射操作装置210にも、上記発射操作装置71と同様に発射止めスイッチ112が設けられている。当該発射止めスイッチ112は、基部211に固定されており、さらに発射操作装置210の左下側に設けられている。したがって、操作ハンドル212が第1範囲の回動操作量で回動操作されている状況では、発射止めスイッチ112に対して調整用操作部材213が90°以上軸周りに離間された位置に存在することとなり、発射止めスイッチ112を例えば発射操作装置210を操作している右手の親指で操作可能としながら、調整用操作部材213を当該親指とは異なる指である人さし指などで押圧操作することが可能となる。この点からも調整用操作部材213の操作性の向上が図られている。
また、発射止めスイッチ112は、操作ハンドル212が初期回動位置に配置されている場合には、上記発射操作装置71と同様に、当該操作ハンドル212により押圧された状態となる。したがって、操作ハンドル212を回動操作することなく、調整用操作部材213のみを押圧操作して遊技球を発射させようとしても、それが不可となっている。
次に、調整用操作部材213が押圧操作されることに基づき遊技球の発射強度が向上される様子を、図17を参照しながら説明する。図17(a1)、図17(b1)及び図17(c1)は、発射操作装置210の内部構造を模式的に示す図であって、調整用操作部材213が押圧操作された様子を説明するための図であり、図17(a2)、図17(b2)及び図17(c2)は、調整用操作部材213が押圧操作された場合における発射強度を説明するための図である。
図17(a1)に示すように、調整用操作部材213を押圧操作していない状況で操作ハンドル212を第1範囲の回動操作量となるように回動操作した場合、図17(a2)に示すように、遊技球が左側領域PE2を流下する発射強度に設定される。
この状況で、図17(b1)及び図17(c1)に示すように、調整用操作部材213が除々に押圧操作されることにより、発射強度は、図17(b2)及び図17(c2)に示すように、操作ハンドル212の回動操作量に応じた発射強度から除々に増加する。そして、調整用操作部材213の押圧操作位置が、図17(c1)に示す特定押圧位置となった場合には、遊技球の発射強度は最大発射強度となり、遊技球は返しゴム26aに衝突した後に右側領域PE3を流下することとなる発射強度で発射される。
ここで、本発射操作装置210は、操作ハンドル212が第1範囲の回動操作量で回動操作されている状況において調整用操作部材213が押圧操作されることで最大発射強度となった場合に、当該最大発射強度となったことを遊技者が容易に認識可能とするための構成を備えている。
具体的には、図15に示すように、調整用操作部材213には、複数の歯219が設けられている側とは異なる周面に、認識用手段の一部を構成する凹部234が形成されている。凹部234は、調整用操作部材213の周面において軸周りの所定範囲がその周囲に比べて回動軸部214側に凹むようにして形成されている。
当該凹部234の周囲には、同じく認識用手段の一部を構成する押圧ユニット235が設けられている。押圧ユニット235は、所定方向に延在するようにして形成され、当該所定方向の一端が操作ハンドル212に軸支された押圧部材236を備えているとともに、当該押圧部材236において軸支された側とは反対側の端部が調整用操作部材213の周面に向けて付勢されるようにする付勢手段としてバネ237を備えている。押圧部材236の回動先端側には、凹部234内に入り込み、当該凹部234の周面を押圧することが可能な突起238が一体形成されている。
調整用操作部材213が初期回動位置に配置されている場合には、図17(a1)に示すように、突起238が入り込み不可な位置に凹部配置されており、当該突起238は、バネ237の付勢力により付勢されて、調整用操作部材213において凹部234及び複数の歯219が形成されていない箇所に対して外側から当接している。
調整用操作部材213が、図17(c1)に示すように、特定押圧位置に配置された場合には、突起238が入り込み可能な位置に凹部234が配置される。これにより、当該突起238は、バネ237の付勢力を通じて、凹部234の周面を押圧する。この押圧方向は、調整用操作部材213を最大押圧位置に向けて押圧する方向となっている。
上記特定押圧位置は、最大押圧位置よりも初期回動位置側に存在している。したがって、図17(c1)の状態から調整用操作部材213をさらに押圧方向に変位させることが可能であり、特定押圧位置から最大押圧位置に至るまでは凹部234の周面が押圧部材236の突起238により、最大押圧位置に向けて押圧された状態が維持される。これにより、調整用操作部材213が特定押圧位置に配置された後は、遊技者による調整用操作部材213の押圧操作力を低減させることが可能となる。
押圧ユニット235による押圧力は、操作部材用バネ217による調整用操作部材213を初期回動位置に向けて付勢する付勢力よりも低く設定されている。したがって、凹部234内に突起238が入り込んだ後であっても調整用操作部材213の手動操作を止めた場合には、調整用操作部材213は自ずと初期回動位置に復帰する。
調整用操作部材213の押圧操作を通じた発射強度の調整可能範囲は、少なくとも内レール部25及び外レール部26により構成された誘導レールから遊技球が出て遊技領域PEを流下可能な発射強度となるように操作ハンドル212が回動操作されている状況では、調整用操作部材213の押圧操作により最大発射強度とすることが可能な範囲で設定されている。これにより、遊技領域PEを遊技球が流下するように操作ハンドル212が回動操作されている状況では、調整用操作部材213の押圧操作に基づき、任意のタイミングで最大発射強度とすることが可能である。
発射強度が最大発射強度に設定される開始位置である調整用操作部材213の特定押圧位置(すなわち押圧ユニット235により調整用操作部材213の押圧操作力の低減が開始される位置)は、遊技領域PEを遊技球が流下することを可能とする最小の回動操作量で操作ハンドル212が回動操作されている状況において調整用操作部材213の押圧操作に基づき最大発射強度となる開始位置として設定されている。したがって、操作ハンドル212の回動操作に基づき遊技領域PEに向けて遊技球が発射されている状況で、調整用操作部材213の押圧操作を開始し、その押圧操作力が途中で低減された場合には、発射強度は常に最大発射強度となる。
なお、かかる構成においては、操作ハンドル212の回動操作量に応じて、調整用操作部材213の押圧操作力が低減されたタイミングで最大発射強度となることもあれば、調整用操作部材213の押圧操作力が低減されるよりも前のタイミングで最大発射強度となることがある。
図18を参照しながら、上記調整用操作部材213及び上記認識用手段(凹部234及び押圧ユニット235)が設けられていることによる作用について入念的に説明する。
図18(a)は操作ハンドル212の回動操作量を示すタイミングチャートであり、図18(b)は調整用操作部材213の押圧操作量を示すタイミングチャートであり、図18(c)は遊技球の発射強度を示すタイミングチャートであり、図18(d)は調整用操作部材213の押圧操作力を示すタイミングチャートである。
t1のタイミングまで、操作ハンドル212の回動操作量を除々に増加させていくことにより、発射強度もそれに伴って増加していく。そして、t1のタイミングで、操作ハンドル212の回動操作量が第1範囲の回動操作量となる。この場合、左側領域PE2を遊技球が流下することとなり、上作動口33又は下作動口34への入賞を好適に発生させることが可能となる。
その後、操作ハンドル212の回動操作量が一定に保たれ、発射強度も一定に保たれている状況であるt2のタイミングで、調整用操作部材213の押圧操作が開始されることで、操作ハンドル212の回動操作量が一定である状況で発射強度は増加していく。そして、t3のタイミングで、調整用操作部材213の押圧操作位置が特定押圧位置となることで、遊技球の発射強度は最大発射強度となる。また、このタイミングで、調整用操作部材213の凹部234に押圧部材236の突起238が入り込むことで、遊技者による調整用操作部材213の押圧操作力(すなわち遊技者が調整用操作部材213を初期回動位置から離れる方向に操作するのに必要な操作力)は、一旦低減される。この場合、右側領域PE3を遊技球が流下することとなり、可変入賞装置32への入賞を好適に発生させることが可能となる。その後、さらに調整用操作部材213の押圧操作を継続することで、t4のタイミングで、調整用操作部材213が最大押圧位置に配置されることとなる。
なお、本実施形態においては、操作ハンドル212が回動操作された場合及び調整用操作部材213が押圧操作された場合のいずれであっても、同一の可変抵抗器223の抵抗値が変化する構成であるため、電源及び発射制御基板176の発射制御部178では、可変抵抗器223から得られる信号に応じた発射強度を一義的に設定すればよい。つまり、上記第1の実施形態における対応強度設定部178aの機能を有していればよく、最大強度設定部178bの機能を有している必要がない。
以上詳述した本実施形態によれば、調整用操作部材213を押圧操作することで、その時点の遊技球の発射強度を操作ハンドル212の更なる回動操作を要することなく向上させることが可能であるため、操作ハンドル212の回動操作位置を所定の位置に保持しながら、遊技球の発射強度を増加させることが可能となる。よって、開閉実行モードとなった場合には、上作動口33への入賞が発生し易い位置に向けて遊技球が発射されるように操作ハンドル74の回動操作量を調整した状態を維持しながら、発射強度を向上させて右側領域PE3を遊技球が流下するようにさせることが可能となる。これにより、発射操作装置210の操作性が向上する。
調整用操作部材213が押圧操作されていない状況で左側領域PE2を遊技球が流下するように操作ハンドル212が回動操作されている状況では、調整用操作部材213は発射操作装置210の上部において上方に向けて突出した状態となる位置に配置され、当該調整用操作部材213を発射操作装置210の上方から下方に向けて押圧操作可能な状態となる。これにより、調整用操作部材213の操作性が向上する。
認識用手段(凹部234及び押圧ユニット235)が設けられていることにより、調整用操作部材213が特定押圧位置に配置されて最大発射強度となった場合には、調整用操作部材213を押圧するのに必要な操作力が低減される。遊技者は、押圧操作力が低減されたことを感知可能であり、調整用操作部材213を押圧操作している指を通じて、最大発射強度となったことを認識することが可能となる。これにより、遊技者は、最大押圧位置となるまで勢いよく調整用操作部材213を押圧操作しなくても、押圧操作に必要な操作力が低減される状態となるまで調整用操作部材213を押圧操作すれば最大発射強度に設定することが可能となる。したがって、調整用操作部材213の操作性を向上させることが可能となる。また、調整用操作部材213が最大押圧位置まで勢いよく押圧操作される可能性が低減されるため、発射操作装置210が破損しづらくなる。
操作ハンドル212が回動操作された場合に基部211に設けられた第1ギア部品226が回転するとともに、調整用操作部材213が押圧操作された場合にも当該第1ギア部品226が回転し、さらに操作ハンドル212が回動操作された場合における第1ギア部品226の回転方向と、調整用操作部材213が押圧操作された場合における第1ギア部品226の回転方向とが同一方向である。これにより、操作ハンドル212の回動操作による発射強度の向上と、調整用操作部材213の押圧操作による発射強度の向上とを、同一の可変抵抗器223を利用して実現することが可能となる。よって、構成の簡素化を図りながら、既に説明したような作用効果を奏することが可能となる。
<他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態に対して適用してもよい。また、以下の各構成を、適用対象として例示した実施形態以外の実施形態に対して適用してもよい。
(1)操作ハンドル74,212とは別に設けられた操作手段121,213が操作されることにより、発射強度が向上する構成に代えて、発射強度が低下する構成としてもよい。
例えば、上記第1の実施形態においては、調整スイッチ157がON状態となった場合には、その時点の発射強度を半減させるといったように発射強度を所定割合で低減させる構成が考えられる。
また、例えば、上記第2の実施形態においては、調整用操作部材213が押圧操作された場合における第1ギア部品226及び第2ギア部品227の回転方向を、操作ハンドル212が回動操作された場合における第1ギア部品226及び第2ギア部品227の回転方向に対して逆方向とする構成が考えられる。但し、当該構成においては、操作ハンドル212の回動操作に際して第1ギア部品226及び第2ギア部品227側から調整用操作部材213及びハンドル側ギア部品222側に付与される力の方向が、調整用操作部材213を最大押圧位置に向けて回動させる方向となる。この場合、操作ハンドル212の回動操作による発射強度の調整の容易化に鑑みて、操作部材用バネ217の付勢力を、上記付与される力よりも大きな力に設定し、操作ハンドル212が回動操作されたとしても、調整用操作部材213が初期回動位置から変位しないようにすることが好ましい。
(2)上記各実施形態では、操作ハンドル74,212が初期回動位置に配置されている状況では、発射強度調整用の別の操作手段121,213が操作されたとしても、遊技球の発射を行えない構成としたが、これに代えて、操作ハンドル74,212が初期回動位置に配置されている状況であったとしても、発射強度調整用の別の操作手段121,213が操作された場合には遊技球の発射が行われる構成としてもよい。この場合、遊技者はいずれの操作手段を利用して遊技球の発射操作を行うかを選択することが可能となり、一定の発射操作を長時間継続する必要がない点で、疲労の低減が図られる。
なお、上記第1の実施形態のように調整スイッチ157がON状態となった場合にはその時点の発射強度に関係なく一義的に所定の発射強度が定められる構成においては、例えば操作ハンドル74が初期回動位置に配置されている状況で補助操作部121が押圧操作された場合に、最大発射強度に設定される構成としてもよく、左側領域PE2を遊技球が流下するような発射強度に設定される構成としてもよい。
また、上記第2の実施形態のように調整用操作部材213の押圧操作量が増加するほど発射強度が増加する構成においては、例えば操作ハンドル212の回動操作を行わなくても、調整用操作部材213の押圧操作を行うことで最大発射強度に設定可能な構成としてもよい。この場合、遊技領域PEへの遊技球の流入を可能とする最低限の発射強度から最大発射強度の範囲における調整を、操作ハンドル212の操作のみで行うことが可能であるとともに、調整用操作部材213の操作のみで行うことが可能である。
(3)上記(2)の構成において、操作ハンドル74,212を不具備としてもよい。この場合、押圧操作のみにより遊技球の発射が行われるという斬新な構成を提供することが可能となる。
(4)遊技者が操作ハンドル74,212に触れていることがハンドル用タッチセンサ156により検知されていない状況では、発射強度調整用の操作手段121,213が操作されているか否かに関係なく遊技球の発射が禁止される構成としたが、これに代えて、遊技者が操作ハンドル74,212に触れていることがハンドル用タッチセンサ156により検知されているか否かに関係なく、発射強度調整用の操作手段121,213が操作されている場合には、遊技球の発射が行われる構成としてもよい。
また、発射強度調整用の操作手段121,213に対して、遊技者が触れていることを検知するためのタッチセンサを設けてもよい。この場合、操作ハンドル74,212側のタッチセンサと発射強度調整用の操作手段121,213側のタッチセンサとの両方がONとなっている場合に発射強度調整用の操作手段121,213の操作に基づく遊技球の発射が可能となる構成としてもよく、いずれか一方がONとなっている場合に発射強度調整用の操作手段121,213の操作に基づく遊技球の発射が可能となる構成としてもよい。
但し、上記第1の実施形態のように補助操作部121を押圧操作した場合に操作ハンドル74の変位規制を伴う構成においては、補助操作部121のタッチセンサがONとなっていれば、操作ハンドル74側のタッチセンサがOFFであっても遊技球の発射が可能となる構成が好ましい。これにより、補助操作部121の押圧操作により操作ハンドル74の変位規制を行っている状況であるにも関わらず、操作ハンドル74を操作し続けなければならないという事象の発生が抑制され、変位規制の構成を適用したことによる効果が好適に発揮される。
(5)操作ハンドル74,212とは別の発射強度調整用の操作手段121,213を設ける位置は、上記第1の実施形態のような発射操作装置71の前面側や、上記第2の実施形態のような複数の指掛け部231,232間に限定されることはなく、例えば、指掛け部84,231〜233の上部、奥側、手前側であってもよく、基部72,211であってもよい。
(6)操作ハンドル74,212とは別の発射強度調整用の操作手段121,213を複数設けてもよい。この場合、それら操作手段を、操作ハンドル74,210よりも前面側と操作ハンドル74,210よりも奥側とのそれぞれに設ける構成としてもよく、操作ハンドル74,210よりも前面側及び奥側のうち少なくとも一方と、操作ハンドル74,210とに設ける構成としてもよい。当該構成によれば、操作ハンドル74,210の回動操作位置に応じて操作し易い発射強度調整用の操作手段121,213を操作すればよいため、操作性が向上する。
(7)上記第1の実施形態において、調整スイッチ157がONとなった場合には最大発射強度に設定される構成としたが、これに代えて、調整スイッチ157がONとなった場合には予め定められた発射強度であって最大発射強度とは異なる発射強度に設定される構成としてもよい。例えば、最大発射強度ではないが、右側領域PE3を遊技球が流下することとなる発射強度に設定される構成としてもよく、最大発射強度ではないがストッパ(返しゴム26a)に当たる発射強度に設定される構成としてもよい。また、調整スイッチ157がONとなった場合には、左側領域PE2を遊技球が流下することとなる発射強度に設定される構成としてもよい。当該構成においては、操作ハンドル74が最大回動位置に配置されている状況で補助操作部121を押圧操作した場合には、発射強度は低減されることとなる。
(8)操作ハンドル74,212とは別の発射強度調整用の操作手段121,213が操作された場合には、操作ハンドル74の回動操作量に対する発射強度の増加率を変化させる構成としてもよい。例えば、発射強度調整用の操作手段121,213が操作された場合には、操作ハンドル74の回動操作量に対する発射強度の増加率が低減される構成としてもよく、増加される構成としてもよい。また、例えば、操作ハンドル74,212の回動操作量に対する発射強度の増加の態様を、直線的な変化を生じさせる態様ではなく、曲線的な変化を生じさせる態様としてもよく、この場合、発射強度調整用の操作手段121,213が操作された場合には、予め定められた発射強度に設定される構成としてもよく、その時点の操作ハンドル74,212の回動操作量に対応した発射強度を所定の割合で増加又は減少させる構成としてもよい。また、後者の構成においては、上記所定の割合が、発射強度調整用の操作手段121,213の操作量に関係なく設定される構成としてもよく、発射強度調整用の操作手段121,213の操作量に応じて変化する構成としてもよい。
(9)上記第2の実施形態において、操作ハンドル212の回動操作量を検知するための検知手段と、調整用操作部材213の押圧操作量を検知するための検知手段とが、可変抵抗器223として同一のものが用いられる構成としたが、これに代えて、各検知手段を個別に設ける構成としてもよい。この場合、上記第2の実施形態よりも検知手段の数が増加するものの、ギア部品を利用した力の伝達を行うための構成の簡素化や、各操作量に応じた発射強度の設定の容易化が図られる。
(10)上記第2の実施形態において、調整用操作部材213の位置を、発射止めスイッチ112を操作する指と同じ指で操作可能な位置に設けてもよい。例えば、操作ハンドル212の回動操作方向の元側に存在している指掛け部231よりも発射止めスイッチ112側に調整用操作部材213が設けられていてもよく、発射止めスイッチ112と前後方向に並ぶ位置に調整用操作部材213が設けられていてもよい。
(11)上記第2の実施形態では、調整用操作部材213を操作する場合の操作方向が操作ハンドル212を操作する場合の操作方向と同一方向としたが、これに代えて、調整用操作部材213を操作する場合の操作方向が操作ハンドル212を操作する場合の操作方向と異なる方向となるようにしてもよい。例えば、調整用操作部材213をスライド式に設けて、操作ハンドル212の軸線側に操作される構成としてもよく、パチンコ機10前方に向けて又はパチンコ機10後方に向けて操作される構成としてもよく、調整用操作部材213の操作力を第1ギア部品226に伝達するためのギア部品を1個少なくする又は1個多くすることにより、調整用操作部材213の操作方向が操作ハンドル212の操作方向とは逆方向となるようにしてもよい。特に、調整用操作部材213の操作方向を、操作ハンドル212の回動方向(発射用の方向及びその逆方向)とは異なる方向とすることにより、調整用操作部材213の操作に際して操作ハンドル212の回動操作位置がずれにくくなる。
(11)上記第1の実施形態において、補助操作部121の押圧操作量が増加するほど、発射強度が向上する構成としてもよく、上記第2の実施形態において、調整用操作部材213が押圧操作された場合には最大発射強度といったように予め定められた発射強度に設定される構成としてもよい。
(12)上記第1の実施形態のように操作ハンドル74とは別の発射強度調整用の操作手段121が操作された場合には予め定められた所定の発射強度に設定される構成においては、当該操作手段121を1回操作するとその操作を継続しなくても操作ハンドル74の回動操作位置とは無関係に上記所定の発射強度に設定され、当該操作手段121を再度操作すると、操作ハンドル74の回動操作位置に応じた発射強度に設定される状態となる構成としてもよい。かかる構成は、機械式及び電気式のいずれにより実現されてもよい。
機械式であれば、例えばノックペン式の構成が考えられる。具体的には、一度押圧操作されると初期位置から回動しながら軸方向に変位して、他の部材との係合により調整用位置に保持され、再度押圧操作されると、その保持されている位置からの回動と軸方向の変位を通じて初期位置に復帰するロック手段を、発射操作装置71の内部に設ける。この場合、ロック手段が初期位置に配置されている場合には調整スイッチ157がOFF状態となるようにし、ロック手段が調整用位置に配置されている場合には調整スイッチ157がON状態となるようにする。また、補助操作部121が一度操作されると、ロック手段が調整用位置に配置され、補助操作部121を再度操作すると、ロック手段が初期位置に復帰する構成とする。
また、電気式であれば、発射制御部178において、調整スイッチ157からON状態となったことを示す信号を一度受信すると、発射強度を予め定められた所定の発射強度に設定するようにし、調整スイッチ157からON状態となったことを示す信号を再度受信すると、その設定を解除する構成とする。
上記構成によれば、遊技者は、発射強度調整用の操作手段121を操作し続ける必要がないため、操作性が向上する。
なお、上記のように発射強度が所定の発射強度に保持される構成においては、操作ハンドル74が初期回動位置に復帰した場合には、その保持している状態を解除する構成とすることが好ましく、かかる構成は機械式及び電気式のいずれにより実現されてもよい。電機式であれば、発射止めスイッチ112又は操作ハンドル74が初期回動位置に配置されていることを検知するための専用のスイッチを利用して、操作ハンドル74が初期回動位置に配置されたことを検知した場合に、上記保持している状態を解除する構成が考えられる。また、機械式であれば、操作ハンドル74が初期回動位置に配置される場合に、発射強度調整用の操作手段121に当接して当該操作手段121を初期位置に押し出す部位を設ける構成が考えられる。
(13)遊技球の発射強度が所定の発射強度となったことを遊技者に認識させるための認識用手段の構成は、上記各実施形態のものに限定されることはなく、例えば操作ハンドル74や調整用操作部材213が操作されるのに伴って弾性変形するとともに、ある程度、弾性変形すると付勢力は維持するものの直前の状態よりも付勢力が低減されるような弾性体を設ける構成が考えられる。
また、上記のように認識させるための手法としては、操作力を低減させる手法に限定されることはなく、操作力を増加させる手法や、操作力を不要化させる手法が考えられる。また、操作力を変化させる手法に加えて又は代えて、所定の発光部を発光させる構成や、図柄表示装置41に所定の発射強度となったことを報知するための画像を表示させる構成といったように、視角により認識させる構成であってもよく、所定の発射強度となったことを報知するための音をスピーカ部64から出力させるといったように、聴覚により認識させる構成であってもよい。
(14)認識用手段は、遊技球の発射強度が最大発射強度となったことを遊技者に認識させるのではなく、左側領域PE2を遊技球が流下する発射強度となったことを遊技者に認識させる構成や、右側領域PE3を遊技球が流下する発射強度となったことを遊技者に認識させる構成や、最大発射強度ではないがストッパ(返しゴム26a)に当たる発射強度とったことを遊技者に認識させる構成といったように、予め定められた所定の領域を遊技球が流下する発射強度となったことを遊技者に認識させる構成としてもよい。また、上記(13)のように操作力とは別の要因により遊技者に認識させる場合、遊技領域における上記所定の領域に対して遊技球の検知センサを設け、当該検知センサの検知結果に基づいて、遊技者に認識させるための状態となる構成としてもよい。
(15)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると普電役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
具体的には、上作動口33は下側領域PE4に配置されるとともに、下作動口34は右側領域PE3に配置される構成といったように、上作動口33への入賞を狙う場合と下作動口34への入賞を狙う場合とで発射強度を変化させる必要がある構成に、本発明を適用してもよい。この場合、サポートモードが低頻度サポートモードである状況では、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生し易い領域を遊技球が流下するように発射強度を調整し、高頻度サポートモードである状況では、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生し易い領域を遊技球が流下するように発射強度を調整することとなる。したがって、発射強度調整用の操作手段121,213のような構成や、認識用手段のような構成を適用することにより、操作性を向上させることが可能となる。
また、遊技球が入球可能な内部空間に、その入球した遊技球が通過可能な有利口及び排出口と、入球した遊技球を有利口及び不利口のいずれかに振り分ける球振分手段と、を有する振分装置を備え、有利口に遊技球が入球した場合に、開閉実行モードといった遊技者に有利な状態に移行する構成に、本発明を適用してもよい。この場合、例えば、球振分手段への入球を可能とするために所定の入球部に遊技球を入球させる必要がある構成であって、当該所定の入球部への入球を狙って遊技球を発射させる場合と、振分装置への入球を狙って遊技球を発射させる場合とで、遊技球の発射強度を調整する必要が生じる構成が考えられる。このような構成に対して、発射強度調整用の操作手段121,213のような構成や、認識用手段のような構成を適用することにより、操作性を向上させることが可能となる。
(16)本発明は、遊技者による操作手段の操作に応じて遊技領域PEにおける遊技球の流下開始位置が変更される遊技機に適用可能である。当該遊技機として具体的には、上記パチンコ機10が挙げられ、それ以外にも、遊技球発射機構51を備えずに、遊技領域PEの上方から遊技球を流下させるノズルのような供給手段を有し、操作手段の操作に応じてその供給手段の位置を横方向に変化させるような遊技機が挙げられる。
(17)遊技球を発射可能とする操作部と、遊技球の発射強度を調整する操作部とが別に設けられている構成や、遊技球の発射は上皿65aに遊技球が貯留されている場合には遊技者の操作によらずに遊技球が発射され、遊技者の操作によりその発射強度が調整される構成に、本発明を適用してもよい。
(18)操作ハンドル74,212の回動操作に応じて発射強度の設定が可能であり、且つ発射強度調整用の操作手段121,213の操作に応じて発射強度の設定が可能な構成において、両方が操作されている状況では、発射強度の高い側の操作に対応した発射強度が設定される構成としてもよい。この場合、操作ハンドル74,212の回動操作のみにより、パチンコ機10において調整可能な全範囲の発射強度の設定が可能であるとともに、発射強度調整用の操作手段121,213の操作のみにより、パチンコ機10において調整可能な全範囲の発射強度の設定が可能である構成が好ましい。また、操作ハンドル74,212の回動操作量を検知するための手段である可変抵抗器223を利用して、発射強度調整用の操作手段121,213の操作量を検知する構成が好ましい。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される操作手段(第1の実施形態では操作ハンドル74、第2の実施形態では調整用操作部材213)と、
当該操作手段が操作されたことに基づいて前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
を備え、
前記操作手段は、初期位置から最大操作位置までの範囲で操作可能な構成であり、
前記発射手段は、前記操作手段が前記最大操作位置となる前である特定操作位置となった場合に特定の発射強度による遊技球の発射を可能とする構成であり、
当該遊技機は、前記特定操作位置となったことを遊技者に認識させることを可能とする認識用手段(第1の実施形態では凹部77d及び押圧ユニット158、第2の実施形態では凹部234及び押圧ユニット235)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、認識用手段が設けられていることにより、遊技者は特定の発射強度となったことを容易に認識することが可能となる。これにより、操作手段の操作を通じた発射強度の調整の容易化が図られ、操作性の向上が図られる。
特徴A2.前記操作手段は、前記初期位置に向けて付勢されており、前記最大操作位置に向かうほど当該操作手段の操作に要する操作力が増加する構成であり、
前記認識用手段は、前記操作手段の操作位置が前記特定操作位置となった場合に、前記最大操作位置に向けた前記操作力の変化率を変動させるものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、遊技者は操作手段の操作を行っている手を通じて、特定の発射強度となったことを認識することが可能となるため、特定の発射強度となったことの認識の容易化が図られる。
特徴A3.前記認識用手段は、前記操作手段の操作位置が前記特定操作位置となった場合に、前記操作手段の操作に要する操作力をそれまでよりも低減させるものであることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、遊技者は操作手段の操作を行っている手を通じて、特定の発射強度となったことを認識することが可能となるため、特定の発射強度となったことの認識の容易化が図られる。特に、操作手段を操作するのに要する操作力がそれまでよりも低減されるため、操作手段の操作性を低下させないようにしながら、特定の発射強度となったことの認識の容易化を図ることが可能となる。
特徴A4.前記発射手段は、前記操作手段の操作位置が前記最大操作位置となった場合には前記特定の発射強度として最大発射強度による遊技球の発射を可能とし、且つ前記特定操作位置となった時点で前記最大発射強度による遊技球の発射を可能とする構成であることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、遊技者は最大操作位置となるまで勢いよく操作手段を操作しなくても、遊技球の発射強度を最大発射強度とするためには、認識用手段の作用により最大発射強度となったことを認識できる状態となるまで操作手段を操作すればよい。したがって、操作手段の操作性が向上する。また、操作手段が最大操作位置まで勢いよく操作される可能性が低減されるため、操作手段が破損しづらくなる。
特徴A5.遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される操作手段(第1の実施形態では操作ハンドル74、第2の実施形態では調整用操作部材213)と、
当該操作手段が操作されたことに基づいて前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
を備え、
前記操作手段は、初期位置から最大操作位置までの範囲で操作可能な構成であり、前記初期位置に向けて付勢されており、前記最大操作位置に向かうほど当該操作手段の操作に要する操作力が増加する構成であり、
前記発射手段は、前記操作手段が前記最大操作位置となる前である特定操作位置となった場合に特定の発射強度による遊技球の発射を可能とする構成であり、
当該遊技機は、前記操作手段の操作位置が前記特定操作位置となった場合に、前記最大操作位置に向けた前記操作力の変化率を変動させる認識用手段(第1の実施形態では凹部77d及び押圧ユニット158、第2の実施形態では凹部234及び押圧ユニット235)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A5によれば、認識用手段が設けられていることにより、遊技者は特定の発射強度となったことを容易に認識することが可能となる。これにより、操作手段の操作を通じた発射強度の調整の容易化が図られ、操作性の向上が図られる。特に、遊技者は操作手段の操作を行っている手を通じて、特定の発射強度となったことを認識することが可能となるため、特定の発射強度となったことの認識の容易化が図られる。
特徴A6.遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
当該発射手段による遊技球の発射強度を調整操作可能な操作手段(第1の実施形態では操作ハンドル74、第2の実施形態では調整用操作部材213)と、
を備え、
前記操作手段は、初期位置から最大操作位置までの範囲で操作可能な構成であり、
前記発射手段は、前記操作手段が前記最大操作位置となる前である特定操作位置となった場合に特定の発射強度による遊技球の発射を可能とする構成であり、
当該遊技機は、前記特定操作位置となったことを遊技者に認識させることを可能とする認識用手段(第1の実施形態では凹部77d及び押圧ユニット158、第2の実施形態では凹部234及び押圧ユニット235)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A6によれば、認識用手段が設けられていることにより、遊技者は特定の発射強度となったことを容易に認識することが可能となる。これにより、操作手段の操作を通じた発射強度の調整の容易化が図られ、操作性の向上が図られる。
上記構成は、以下の構成に対して適用するとより効果的である。
「前記遊技領域には、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1入球部(上作動口33)と第2入球部(可変入賞装置32)とを備えており、
前記第1入球部は、前記特定の発射強度とは異なる発射強度により発射された遊技球が到達可能となる位置又は当該異なる発射強度により発射された遊技球が前記第2入球部よりも到達し易くなる位置に配置されており、
前記第2入球部は、前記特定の発射強度により発射された遊技球が到達可能となる位置又は前記特定の発射強度により発射された遊技球が前記第1入球部よりも到達し易くなる位置に配置されている。」
<特徴B群>
特徴B1.遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される発射操作装置(第1の実施形態では発射操作装置71、第2の実施形態では発射操作装置210)と、
当該発射操作装置が操作されたことに基づいて前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
を備え、
前記発射操作装置は、
回動操作可能に設けられ、初期回動位置からの回動操作量に応じて前記発射手段による遊技球の発射強度を向上させることを可能とする操作ハンドル(第1の実施形態では操作ハンドル74、第2の実施形態では操作ハンドル212)と、
当該操作ハンドルの回動位置を変化させなくても、前記発射手段による遊技球の発射又は前記発射手段による遊技球の発射強度の変更を可能とする特定操作手段(第1の実施形態では補助操作部121、第2の実施形態では調整用操作部材213)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、操作ハンドルの回動操作だけでなく、特定操作手段の操作によっても遊技球の発射又は発射強度の変更を行うことが可能であるため、状況に応じて特定操作手段を操作するか否かを選択することが可能となり、発射操作装置の操作性を向上させることが可能となる。
特徴B2.前記発射手段は、前記操作ハンドルが所定の回動操作位置に配置されている場合に、前記遊技領域の所定領域(左側領域PE2)を流下する発射強度での遊技球の発射を可能とする構成であり、
前記特定操作手段は、前記操作ハンドルが少なくとも前記所定の回動操作位置に配置されている状況で操作された場合に、前記所定領域とは異なる領域(右側領域PE3)を流下する発射強度での遊技球の発射を可能とするものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、操作ハンドルの操作位置を所定の回動操作位置に調整した状態を維持しながら、所定領域とは異なる領域を流下するように遊技球を発射させることが可能となる。この場合、遊技球を流下させる領域を、所定領域から異なる領域に変化させる際に操作ハンドルの操作位置を変化させる必要が生じないため、再度、所定領域を遊技球が流下する状態に戻す際に操作ハンドルの操作位置の調整を要しない。よって、発射操作装置の操作性を向上させることが可能となる。
当該構成は、以下の構成に対して適用するとより効果的である。
「前記遊技領域には、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1入球部(上作動口33)と第2入球部(可変入賞装置32)とを備えており、
前記第1入球部は、前記所定領域を流下する遊技球が到達可能となる位置又は前記所定領域を流下する遊技球が前記第2入球部よりも到達し易くなる位置に配置されており、
前記第2入球部は、前記異なる領域を流下する遊技球が到達可能となる位置又は前記異なる領域を流下する遊技球が前記第1入球部よりも到達し易くなる位置に配置されている。」
特徴B3.前記特定操作手段は、前記操作ハンドルが少なくとも前記所定の回動操作位置に配置されている状況において前記発射操作装置の上方から下方に向けて力を付与することで操作可能な位置に配置されるものであることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、発射操作装置を握っている手の重みを利用して特定操作手段を操作することができるため、当該特定操作手段の操作性を向上させることが可能となる。
特徴B4.前記特定操作手段が操作されることによる遊技球の発射強度が、当該特定操作手段が操作された場合における前記操作ハンドルの回動操作位置に応じて変動し得る構成であることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、特定操作手段を操作した場合には、その時点の操作ハンドルの回動操作位置を踏まえた発射強度で遊技球が発射されるため、操作ハンドルの操作状況に応じた発射強度の調整を行うことが可能となる。
特徴B5.前記特定操作手段が操作されることによる遊技球の発射強度が、前記操作ハンドルの回動操作位置に関係なく設定される構成であることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、遊技者は特定操作手段を利用して遊技球の発射強度を調整する場合、操作ハンドルの回動操作位置を考慮することなく、当該調整を行うことができるため、当該調整に際しての操作の容易化が図られる。
特徴B6.前記特定操作手段の操作量に応じて遊技球の発射強度が変化する構成であることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、操作ハンドルの回動操作位置の調整だけでなく、特定操作手段の操作量の調整によっても、遊技球の発射強度を調整することが可能であるため、発射強度の調整の仕方が多様化する。
特徴B7.前記特定操作手段の操作を検知する操作検知手段(調整スイッチ157)と、
前記特定操作手段が操作されていることが前記操作検知手段により検知されている場合に、予め定められた発射強度で遊技球の発射を行うように前記発射手段を制御する発射制御手段(発射制御部178)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B7によれば、特定操作手段を操作した場合には予め定められた発射強度となるため、特定操作手段を操作した際にどのような発射強度となるのかを明確に把握することが可能となる。これにより、操作ハンドルとは別に特定操作手段を備えた構成において、発射操作装置の操作の容易化が図られる。
特徴B8.前記操作ハンドルが前記初期回動位置に配置されている状況では、前記特定操作手段が操作されたとしても遊技球の発射を不可とする手段(操作片87、発射止めスイッチ112)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B8によれば、操作ハンドルとは別に特定操作手段を備えた構成において、操作ハンドルの回動操作を行うことなく、遊技球を発射させることが不可であるため、遊技ホールにおいて、遊技者が発射操作装置を操作しているのか否かの確認の容易化が図られる。
特徴B9.前記特定操作手段が操作されている場合に、前記操作ハンドルの変位規制を行う手段(リンク部材141)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B9によれば、操作ハンドルの回動操作位置を維持しながら発射強度を変更すべく特定操作手段を操作した場合にはその操作に起因して操作ハンドルの変位規制が行われる。これにより、操作ハンドルの回動操作位置をより確実に維持させることが可能となる。
なお、「変位規制」には、操作ハンドルの変位が生じないようにする構成や、操作ハンドルの変位は可能であるが操作ハンドルを所定の回動操作位置に保持するために必要な操作力を低減させる構成が含まれる。
特徴B10.前記操作ハンドルの回動操作量を検知する操作量検知手段(可変抵抗器223)と、
当該操作量検知手段による検知結果に対応した発射強度で遊技球の発射を行うように前記発射手段を制御する発射制御手段(発射制御部178)と、
を備え、
前記操作量検知手段は、前記特定操作手段の操作量も検知するものであることを特徴とする特徴B1乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B10によれば、操作量検知手段の数の増加を抑制しながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
<特徴C>
特徴C1.遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される操作手段(補助操作部121)と、
当該操作手段の操作を検知する操作検知手段(調整スイッチ157)と、
前記操作手段が操作されていることが前記操作検知手段により検知されている場合に、予め定められた発射強度で遊技球の発射を行うように発射手段を制御する発射制御手段(発射制御部178)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、操作手段を操作すれば、予め定められた発射強度で遊技球が発射されるため、当該操作手段の操作に際しては発射強度を調整するための操作を要しない。よって、遊技球を発射させる上での操作性の向上が図られる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。