<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、図2に示すように、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
遊技盤24の構成を図3に基づいて説明する。図3は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、遊技領域PEの外縁の一部を区画するようにして内レール部25と外レール部26とが取り付けられており、これら内レール部25と外レール部26とにより誘導手段としての誘導レールが構成されている。樹脂ベース21において窓孔23の下方に取り付けられた遊技球発射機構51(図2参照)から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PEの上部に案内されるようになっている。
ちなみに、遊技球発射機構51は、誘導レールに向けて延びる発射レール53と、後述する上皿65aに貯留されている遊技球を発射レール53上に供給する球送り装置54と、発射レール53上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド52と、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置71が操作されることによりソレノイド52が駆動制御され、遊技球が発射される。
遊技盤24には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口33,下作動口34,スルーゲート35及び可変表示ユニット36等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32及び作動口33,34に遊技球が入ると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、上作動口33への入球が発生した場合及び下作動口34への入球が発生した場合には、3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合及び可変入賞装置32への入球が発生した場合には、10個の賞球の払い出しが実行される。
但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば上作動口33に係る賞球個数よりも下作動口34に係る賞球個数が多いといったように、両作動口33,34の賞球個数が相違していてもよい。また、可変入賞装置32に係る賞球個数が他の賞球個数に比べて多い構成としてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
遊技領域PEの中央部を含むようにして可変表示ユニット36が設けられている。当該可変表示ユニット36の周縁部が遊技盤24の表面よりもパチンコ機10前方に突出していることに起因して、遊技球が流下可能な領域が複数に区画されている。
具体的には、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット36の所定の高さ位置よりも上方の領域である上側領域PE1と、当該上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも左方の領域である左側領域PE2と、上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも右方の領域である右側領域PE3と、左側領域PE2及び右側領域PE3のそれぞれに対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも下方の領域である下側領域PE4と、に区画されている。
遊技者が第1発射操作として所定回動量以上であって基準回動量未満である第1範囲の回動操作量で、発射操作装置71における操作ハンドル74の回動操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも左方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→左側領域PE2→下側領域PE4の順で流下することとなる。その一方、遊技者が第2発射操作として基準回動量以上である第2範囲の回動操作量で操作ハンドル74の回動操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも右方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→右側領域PE3→下側領域PE4の順で流下することとなる。つまり、遊技者は操作ハンドル74の回動操作量を調整することで、左側領域PE2及び右側領域PE3のうち左側領域PE2を遊技球が流下するように遊技を行うことができるとともに、右側領域PE3を遊技球が流下するように遊技を行うことができる。
なお、基準回動量というのは、左側領域PE2を遊技球が流下する割合と、右側領域PE3を遊技球が流下する割合とが同一となる回動量のことであり、第1範囲の回動操作量では、左側領域PE2を遊技球が流下する割合が高くなり、第2範囲の回動操作量では、右側領域PE3を遊技球が流下する割合が高くなる。したがって、第1範囲の回動操作量において基準回動量に近い回動操作量では、右側領域PE3を遊技球が流下する可能性があり、第2範囲の回動操作量において基準回動量に近い回動操作量では、左側領域PE2を遊技球が流下する可能性がある。
ちなみに、外レール部26の右上部分には、当該外レール部26よりも内側に位置する部材であって外レール部26に沿って(接触しながら)進行してきた遊技球が衝突してその進行方向を変化させるためのストッパとして返しゴム26aが設けられている。最大の発射強度となるように発射操作装置71が操作されている場合には、遊技球は返しゴム26aに衝突した後に、右側領域PE3を流下することとなる。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。
上作動口33には、開閉する部材は設けられていない。そして、同一の態様で遊技球が発射されている状況では(すなわち一定の発射強度となる場合、又は発射操作の態様が同一である場合)、遊技状態に依存することなく上作動口33への入賞確率は一定となっている。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての普電役物34aが設けられている。普電役物34aは遊技盤24の背面側に搭載された役物駆動部(図示略)に連結されており、当該役物駆動部により駆動されて閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。普電役物34aの閉鎖状態では遊技球が下作動口34に入賞できず、普電役物34aが開放状態となることで下作動口34への入賞が可能となる。
上作動口33及び下作動口34は、遊技盤24の下側領域PE4に設置されている。この場合、上作動口33は可変表示ユニット36に形成されたステージ36aの真下に配置されており、可変表示ユニット36に形成された誘導通路(図示略)を介してステージ36a上に流入した遊技球であってステージ36aの中央から可変表示ユニット36外に排出される遊技球は上作動口33に入賞し易くなっている。
ちなみに、ステージ36aへの遊技球の誘導を可能とする誘導通路の入口部は、可変表示ユニット36において上側領域PE1と左側領域PE2との境界部分に対応した位置(図3における普図保留表示部46の上方の位置)に形成されており、それ以外の場所には形成されていない。
上記のように上作動口33及び下作動口34が下側領域PE4に設けられていることにより、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置71が操作されている場合及び右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置71が操作されている場合のいずれにおいても上作動口33及び下作動口34への入賞が可能である。但し、ステージ36aへの誘導通路の入口部が左側領域PE2に対して設けられており、右側領域PE3に対して設けられていないことにより、左側領域PE2を流下した方が右側領域PE3を流下する場合に比べて上作動口33及び下作動口34への入賞が発生し易い。また、左側領域PE2及び右側領域PE3における遊技部品や釘38の配列も、左側領域PE2を流下した方が右側領域PE3を流下する場合に比べて上作動口33及び下作動口34への入賞が発生し易いように設定されている。
なお、これに限定されることはなく、左側領域PE2を流下した遊技球のみが上作動口33及び下作動口34への入賞が可能となる構成としてもよい。
左側領域PE2及び右側領域PE3のそれぞれには、スルーゲート35が設けられている。スルーゲート35は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート35に入賞した遊技球は入賞後に遊技領域PEを流下する。スルーゲート35への入賞に基づき下作動口34の普電役物34aが閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。具体的には、スルーゲート35への入賞をトリガとして内部抽選が行われるとともに、可変表示ユニット36に設けられた普図表示部44にて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果がサポート当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて変動表示が終了された場合にサポート実行モードへ移行する。サポート実行モードでは、普電役物34aが所定の態様で開放状態となる。
なお、可変表示ユニット36には、普図保留表示部46が設けられている。遊技球がスルーゲート35に入賞した個数は最大4個まで保留され、普図保留表示部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとして大当たり抽選が行われる。そして、当該抽選結果は特図表示部43及び可変表示ユニット36の図柄表示装置41における表示演出を通じて明示される。
特図表示部43について詳細には、特図表示部43では、上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとして大当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。
図柄表示装置41について詳細には、図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置41では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づき特図表示部43にて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われる。なお、図柄表示装置41では、上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとした表示演出だけでなく、大当たり当選となった後に移行する開閉実行モード中の表示演出などが行われる。
上作動口33又は下作動口34への入賞に基づき行われた大当たり抽選にて当選となった場合には、特図表示部43における絵柄の変動表示の終了に際して及び図柄表示装置41における図柄の変動表示の終了に際して、それぞれ特定の結果が表示される。
なお、可変表示ユニット36には、特図保留表示部45が設けられている。遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、特図保留表示部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく大当たり抽選にて当選となった場合には可変入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。詳細には、可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞しがたい閉状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放されるものが一般的である。
可変入賞装置32は、下側領域PE4において下作動口34の下方の位置に設けられている。つまり、可変入賞装置32は左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置71が操作されている場合及び右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置71が操作されている場合のいずれにおいても入賞可能となっている。但し、釘38の配置態様や、他の部材との相対位置との関係から、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置71が操作されている場合の方が、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置71が操作されている場合よりも、可変入賞装置32への入賞が発生し易い構成となっている。したがって、遊技者は、開閉実行モードに移行した場合、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置71を操作することとなる。
なお、これに限定されることはなく、右側領域PE3を流下した遊技球のみが可変入賞装置32への入賞が可能となる構成としてもよい。
上記遊技盤24を有する内枠13の前面側全体を覆うようにして、前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、透明性を有する窓パネル62が嵌め込まれている。窓部61の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿65aが設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿66aが設けられている。上皿65aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構51側へ導くための機能を有する。また、下皿66aは、上皿65a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿65a及び下皿66aには、裏パックユニット15の払出装置から払い出された遊技球が排出される。
下側膨出部66の右方には、手前側へ突出するようにして発射操作装置71が設けられている。この発射操作装置71が設けられた位置について詳細には、窓部61よりも下方であるとともに、上皿65aよりも下方の位置であり、さらには遊技機本体12の回動先端側となる一方の側部に近い位置に発射操作装置71が配置されている。遊技機本体12の前面を正面視で見た場合で言えば、右下の隅角部分の位置である。発射操作装置71が操作されることにより、遊技球発射機構51から遊技球が発射される。
<発射操作装置71>
発射操作装置71の構成について詳細に説明する。図4(a)は前方から見た発射操作装置71の斜視図であり、図4(b)は後方から見た発射操作装置71の斜視図であり、図5は前方から見た発射操作装置71の分解斜視図であり、図6は後方から見た発射操作装置71の分解斜視図であり、図7は発射操作装置71の断面図である。
発射操作装置71は、図4(a),(b)に示すように、前扉枠14に固定される基部72と、発射操作装置71の前面側を構成する前面ユニット73と、基部72及び前面ユニット73の間に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作(回転操作)される操作ハンドル74と、を備えている。
基部72は、ABS樹脂などの不透明な材料により筒状に形成されており、図5及び図6に示すように、一方の開口側はその内径及び外径が共に拡径されている(以下、この拡径された領域を拡径領域75という)。また、基部72には、拡径領域75と同一軸線上において当該軸線と同一方向に延びる軸孔部76が一体形成されている。軸孔部76には、ハンドル用軸部材77が上記軸線を中心として回動可能に支持されており、このハンドル用軸部材77の中間位置に形成された固定用環部77aに固定させて操作ハンドル74が設けられている。
操作ハンドル74は、ABS樹脂により形成されており、その周面全体に金属膜がメッキされている。なお、操作ハンドル74の周面全体に金属膜がメッキされているのではなく、操作ハンドル74の操作に際して触れられる表面と後述する電極が設けられる位置とに亘って金属膜がメッキされている構成としてもよく、操作ハンドル74を金属製としてもよい。
操作ハンドル74は、内側環部81と、外側環部82とが同心円となるように一体形成された二重環形状をなしている。内側環部81の中央において操作ハンドル74の軸線方向に貫通したハンドル側軸孔部83に対して、上記ハンドル用軸部材77における固定用環部77aよりも前側の円柱部77bが挿通されている。つまり、操作ハンドル74は基部72に対して同一軸線上となるように配置されている。なお、外側環部82の外周面には径方向へ突出させて指掛け部84が一体形成されており、当該指掛け部84に指を掛けた状態で操作ハンドル74の回動操作を行うことができるようになっている。
操作ハンドル74は、上記軸線を中心として回動可能となっているが、その回動範囲は、基部72において拡径領域75よりも前方へと突出するように一体形成された複数のボス79a〜79cとの当接により規制される。詳細には、ボス79a〜79cは基部72の軸線方向に延びており、当該ボス79a〜79cは操作ハンドル74の内側環部81と外側環部82との間に形成された一対のガイド孔85a,85bを後方から前方へと貫通している。
これらガイド孔85a,85bは、内側環部81と外側環部82との間の空間が、両環部81,82を連結するように180°間隔で形成された一対の連結部により区画されていることで形成されている。ガイド孔85a,85bを区画する周面のうち、操作ハンドル74の径方向の内側及び外側のそれぞれを規定する内側環部81の外周面と外側環部82の内周面とは、操作ハンドル74の軸線周りに一定の曲率の曲面となっている。また、これら外周面及び内周面は、少なくともガイド孔85a,85b内側への段差が形成されておらず、さらにはガイド孔85a,85b外側への凹みも形成されていない。
パチンコ機10の正面視において操作ハンドル74の時計周り方向の回動が、所定のガイド孔85aとボス79aとの当接により所定の回動位置にて規制されるとともに、反時計周り方向の回動が、他のガイド孔85bとボス79bとの当接により所定の回動位置にて規制される。そして、操作ハンドル74に対して、ハンドル用の付勢手段としてハンドル用バネ86が設けられていることで、操作ハンドル74は反時計周り方向に常時付勢され、付勢力に抗する力が付与されていない状況では上記各所定の回動位置のうち後者の側である初期回動位置に配置される。なお、ハンドル用の付勢手段は、操作ハンドル74を初期回動位置に向けて付勢できるのであれば具体的な構成は任意である。
操作ハンドル74の基部72からの抜けを防止するようにして、当該操作ハンドル74の前方に前面ユニット73が設けられている。前面ユニット73は、全体としてその表面が前方に向けて滑らかな凸形となる球面状に形成されており、さらに複数層構造を有している。当該複数層構造として、前面ユニット73は合成樹脂製の内側ベース91及び外側ベース92を備えている。外側ベース92は、内側ベース91の後側を規定する円環状の内側ベース環部93を、軸線周りに囲むようにして設けられている。
ここで、内側ベース91に対する外側ベース92の固定に係る構成について説明する。
外側ベース92は、後端側を軸線に向けて絞るようにして第1環状段差部94が形成されており、当該第1環状段差部94よりも後端側には軸線周りに円環状となった外側ベース環部95を備えている。外側ベース環部95には、径方向に貫通する一対の係止孔96が180°間隔で形成されている。一対の係止孔96は、内側ベース環部93において後端縁部から前側へと凹ませるようにして形成された係止用凹部97に対応している。なお、外側ベース環部95及び内側ベース環部93の一方に位置決め用凸部98が形成されているとともに、他方に位置決め用凹部99が形成されており、これらの嵌め合わせにより、対応する同士の係止孔96と係止用凹部97との重ね合わせが自ずと行われる。
内側ベース91には上記係止孔96との間で係止関係を生じさせるための一対の弾性固定部材101が設けられている。弾性固定部材101は合成樹脂製であり、厚み方向に貫通した固定用孔102が形成されたベース板部103と、当該ベース板部103において固定用孔102が形成された側の端部に一体形成された爪部104と、を備えている。ベース板部103及び爪部104はそれぞれ薄肉に形成されており、上記厚み方向に弾性変形可能となっている。
一対の弾性固定部材101は、図6に示すように、内側ベース91の裏面に形成された固定用ボス105に対して、固定用孔102を通じてネジ止めされることで、内側ベース91に固定されている。この状態では、図7に示すように、爪部104が係止用凹部97よりも径方向の外側に突出することとなる。当該爪部104が係止孔96の周縁部に係止されていることで、内側ベース91に外側ベース92が固定されている。
爪部104は先端に向かうほど後側へ向かうように形成されており、さらに上記固定用ボス105にベース板部103をネジ止めした際には内側ベース91の裏面との当接を通じて爪部104が後側へ反るように弾性固定部材101が弾性変形する。そして、この弾性変形した状態の爪部104の先端が係止孔96の周縁部において後側の縁部に前側から当たることで、外側ベース92に対して後方へ向けた力を付与した状態で当該外側ベース92が内側ベース91に固定されている。
上記のように外側ベース92が固定された内側ベース91は、基部72の後側から挿入された図示しないネジにより上記ボス79a〜79cに対してネジ止めされており、これにより前面ユニット73が基部72に固定されている。この場合、外側ベース92の外側ベース環部95は、図7に示すように、内側ベース環部93よりも後方へ延出しており、操作ハンドル74の外側環部82の内側に入り込んでいる。また、外側ベース92の第1環状段差部94は後方を向いており、外側環部82の前側端面と僅かな隙間を隔てて対向している。当該隙間は、1円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨及び500円硬貨といった硬貨や、遊技ホールにおいてパチンコ機10とともに設置されるスロットマシン用の遊技メダルを、外側ベース環部95と外側環部82との間に差し込むことが不可又は行いづらくなるように規定されている。
操作ハンドル74の外側環部82はその前側が前面ユニット73と前後に対向しているだけでなく、その後側が基部72と前後に対向している。詳細には、基部72は既に説明したとおり拡径領域75を備えているが、当該拡径領域75を規定する周壁部には、前端側を軸線に向けて絞るようにして第2環状段差部106が形成されており、当該第2環状段差部106よりも前端側には軸線周りに円環状となった基部側環部107を備えている。基部側環部107が、操作ハンドル74の外側環部82の内側に入り込んでいる。また、第2環状段差部106は前方を向いており、外側環部82の後側端面と僅かな隙間を隔てて対向している。当該隙間は、1円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨及び500円硬貨といった硬貨や、遊技ホールにおいてパチンコ機10とともに設置されるスロットマシン用の遊技メダルを、基部側環部107と外側環部82との間に差し込むことが不可又は行いづらくなるように規定されている。
ここで、操作ハンドル74は、遊技球発射機構51からの遊技球の発射を行わせるべく、ハンドル用バネ86の付勢力に抗する方向に回動操作されるが、ハンドル用バネ86により初期回動位置に向けて付勢されているため、操作ハンドル74を所定の回動位置に手動操作している状態を解除すると、操作ハンドル74は初期回動位置に自ずと復帰する。当該構成の場合、操作ハンドル74と前面ユニット73との間、又は操作ハンドル74と基部72との間にコインや硬貨を差し込み、操作ハンドル74を無理に仮固定しようとする行為が想定される。これに対して、既に説明したとおり、操作ハンドル74の外側環部82が第1環状段差部94及び第2環状段差部106のそれぞれに対して前後に対向しており、さらにはそれらの隙間はコインや硬貨を差し込むことが不可又は行いづらいように規定されている。したがって、上記のような仮固定を行うことが阻止され、かかる仮固定に起因した発射操作装置71の破損等の発生を抑制することができる。
操作ハンドル74の回動操作量を後述する電源及び発射制御装置175において把握すべく、基部72には、図5に示すように、ギア部品111a,111bが設けられている。ギア部品111a,111bは基部72に内蔵されている可変抵抗器155(図6参照)と接続されており、ギア部品111a,111bの回転に応じて可変抵抗器155の抵抗値が変化し、その抵抗値に応じた信号が電源及び発射制御装置175にて受けられる。そして、操作ハンドル74の回動操作量に応じた発射強度で遊技球が発射されるように、当該電源及び発射制御装置175により遊技球発射機構51の駆動制御が実行される。
基部72には、図5に示すように、操作ハンドル74を回動操作した状態において遊技球の発射を停止させるために操作される発射止めスイッチ112と、発射止めスイッチ112が操作されていることを検知するプッシュセンサ113と、が設けられている。プッシュセンサ113の検知信号が電源及び発射制御装置175に出力されることで、当該電源及び発射制御装置175にて発射止めスイッチ112が操作されているか否かが把握される。そして、発射止めスイッチ112が操作されている場合には、操作ハンドル74の回動操作量に関係なく、電源及び発射制御装置175による遊技球発射機構51の駆動制御が停止される。
この場合に、図6に示すように、操作ハンドル74にはその背面側に、操作片87が一体形成されており、操作ハンドル74が初期回動位置に配置されている状況では、当該操作片87により発射止めスイッチ112が押圧される構成となっている。これにより、操作ハンドル74が初期回動位置に配置されている状況、すなわち操作ハンドル74が回動操作されていない状況では、プッシュセンサ113がONとなり、遊技球の発射が停止される。
基部72には、図6に示すように、操作ハンドル74を遊技者が触れていることを検知するためのハンドル用タッチセンサ156が設けられている。ハンドル用タッチセンサ156の検知信号が電源及び発射制御装置175に出力されることで、当該電源及び発射制御装置175にて操作ハンドル74が遊技者に触れられているか否かが把握される。そして、操作ハンドル74が遊技者に触れられていない場合には、操作ハンドル74の回動操作量に関係なく、電源及び発射制御装置175による遊技球発射機構51の駆動制御が停止される。
次に、操作ハンドル74を任意の回動位置にて保持することを補助するために手動操作される補助操作部121について、図4乃至図6に加え、図8及び図9を参照しながら説明する。
図8(a)は前面ユニット73の一部を分解した状態を前方から見た斜視図であり、図8(b)は前面ユニット73の一部を分解した状態を後方から見た斜視図である。なお、図8(a)及び図8(b)においては外側ベース92の一部を破断した状態を示している。また、図9(a)は発射操作装置71の正面図であり、図9(b)は図9(a)のA―A線断面図であり、図9(c)は図9(a)のB―B線断面図である。
既に説明したとおり、前面ユニット73はその表面を構成するようにして外側ベース92を備えているが、図5及び図6に示すように、当該外側ベース92はその前側に円形の開口部92aが形成された筒状をなしている。前面ユニット73は外側ベース92の開口部92aを埋めるようにして設けられた補助操作部121を備えている。補助操作部121は、ABS樹脂により形成されている。
補助操作部121は、軸周りに環状をなす補助ベース122と、当該補助ベース122から前方へ膨出するように一体形成された前側湾曲部123と、を備えており、当該前側湾曲部123はその表面が前方に向けて滑らかな凸形となる球面状に形成されている。
補助操作部121の裏面側には補助用軸部材124が固定されている。補助用軸部材124は、図8(b)に示すように、軸ベース125の一端側に貫通孔126が形成されているとともに、軸ベース125の他端側に外方へと突出させて一対の補助操作用軸部127が一体形成されている。当該補助用軸部材124は、一対の補助操作用軸部127が前側湾曲部123よりも後方において補助ベース122の周縁よりも径方向の外方へ突出するようにして固定されている。
補助用軸部材124に対応させて、図8(a)に示すように、内側ベース91の前面には後側軸受け部131が一体形成されているとともに、図8(b)に示すように、外側ベース92の裏面には前側軸受け部132が一体形成されている。補助操作用軸部127が、回動可能な状態で、前側軸受け部132と後側軸受け部131とにより前後に挟持されていることで、補助操作部121が両ベース91,92に一体化されている。この場合、各軸受け部131,132による補助操作用軸部127の軸支箇所は、外側ベース92の開口部92aの上縁部分となっている。
補助操作部121の補助ベース122は開口部92aを前後に挿通しており、補助ベース122と開口部92aの周縁部とが干渉しないように両者の間には隙間が確保されている。また、補助操作部121の前側湾曲部123は開口部92aよりも前方へと突出しており、当該前側湾曲部123の球面状をなす表面は外側ベース92の球面状をなす表面に対して連続又は概ね連続している。これにより、既に説明したとおり、前面ユニット73は全体としてその表面が前方に向けて滑らかな凸形となる球面状に形成されている。
補助操作部121が上記のように設けられていることにより、前側湾曲部123を押圧することで補助操作部121はその上側を回動軸として後方へ向けて回動する。当該補助操作部121の押圧力を操作ハンドル74に伝達するようにして、図5及び図6に示すように、内側ベース91の裏面側にはリンク部材141が設けられている。なお、リンク部材141は合成樹脂製に形成されており非導電性となっている。
リンク部材141の一端には外方へと突出させて一対のリンク用軸部142が一体形成されている。リンク用軸部142に対応させて、内側ベース91の裏面及び基部72のボス79b,79cには軸受け用リブ143a,143bが一体形成されている。リンク用軸部142が軸受け用リブ143a,143bにより支持されていることで、リンク部材141が内側ベース91の裏面側において回動可能に支持されている。
リンク部材141の軸支箇所は、図9(a)に示すように、発射操作装置71を正面視で見た場合に、内側ベース91における径方向外寄りであって右斜め上側の位置となっており、一対のリンク用軸部142を結んだ直線は右下がりとなっている。また、当該軸支箇所は、外側ベース92の開口部92aよりも径方向外側の位置となっている。リンク部材141は、上記リンク用軸部142を回動軸として前後方向に回動可能となっている。
リンク部材141においてリンク用軸部142が形成された側とは反対側の端部である自由端部144は、図9(a)に示すように、発射操作装置71を正面視で見た場合に、内側ベース91における径方向外寄りであって下側の位置となっている。また、自由端部144の位置は、開口部92aにおける下寄りの周縁部の真後ろの位置となっている。
ちなみに、リンク部材141は、弾性固定部材101やハンドル用軸部材77を避けるようにして蛇行させて形成されている。さらにまた、内側ベース91は中央側が前方へと突出するように段差形状となっており、リンク部材141の自由端部144寄りの領域は前方突出部145の裏面に沿うようにして配置されている。
自由端部144に対して前方の位置には、図8(a)に示すように、内側ベース91の露出用孔部146が存在している。これにより、自由端部144は補助操作部121側に向けて露出しており、さらには内側ベース91における後段部147の前面よりも前方に突出している。リンク部材141に対しては、図5及び図6に示すように、リンク用の付勢手段としてリンク用バネ148が設けられていることで、図8(b)に示すように、リンク部材141は自由端部144が露出用孔部146から前方へと突出してリンク部材141及び内側ベース91の当接によりそれ以上前方へ回動できない側に向けて常時付勢されている。なお、リンク用の付勢手段は、リンク部材141を初期回動位置に向けて付勢できるのであれば具体的な構成は任意である。
自由端部144の前方には補助操作部121における補助ベース122の周縁部が存在しているが、当該周縁部には周囲の領域よりも前方へと凹む押圧用凹部151が形成されている。押圧用凹部151の底面には、図8(b)に示すように、後方へと突出した押圧用凸部152が一体形成されている。当該押圧用凸部152が形成された位置は、補助操作部121の下寄りの位置となっている。つまり、押圧用凸部152は、補助操作部121の回動軸に対して、軸線を挟んだ反対側寄りの位置に形成されている。
押圧用凸部152は、図9(b)に示すように、リンク部材141の自由端部144に対してその前方から当接している。この場合、リンク部材141がリンク用バネ148により付勢されて初期回動位置に配置されている状況では、自由端部144により押圧用凸部152が前方へ押された状態となる。この状態における補助操作部121の位置が当該補助操作部121の初期回動位置である。
リンク部材141において自由端部144とは反対側の端部には、上記のとおりリンク用軸部142が形成されているが、図6に示すように、当該端部にはさらにリンク用軸部142が形成された部位から後方へ突出させて回動規制部153が一体形成されている。回動規制部153は、図9(c)に示すように、操作ハンドル74における外側環部82の内側、詳細には操作ハンドル74の上側のガイド孔85b内に入り込んでいる。
ここで、リンク部材141は前面ユニット73に設けられているため操作ハンドル74の回動に追従しない。この場合に、ガイド孔85bと回動規制部153との位置関係は、操作ハンドル74がいずれの回動位置であっても当該回動規制部153がガイド孔85b内に入り込む位置関係に設定されている。
回動規制部153において外側環部82の内周面と径方向に対向する対向面154には凹凸を形成することで高摩擦化処理が施されている。また、リンク用軸部142が内側ベース91の裏面に設けられているとともに回動規制部153が軸線方向に沿って内側環部81に向けて突出しているため、当該リンク用軸部142から対向面154までの距離は、リンク用軸部142から自由端部144までの距離よりも短く設定されている。
なお、高摩擦化処理を施す手法は、凹凸を形成することに限定されることはなく、例えばゴム板を上記対向面154に貼り付ける手法を採用してもよく、ゴム層を上記対向面154に形成する手法を採用してもよい。また、回動規制部153は板状ではなく角柱状をなしており、強度の向上が図られている。
補助操作部121及びリンク部材141が上記のように設けられていることによる作用について図10(a1),(a2)及び図10(b1),(b2)を参照しながら説明する。
図10(a1)は補助操作部121が押圧操作されていない状態における発射操作装置71の様子を模式的に示した説明図であり、図10(a2)は図10(a1)の一部を拡大して示す図であり、図10(b1)は補助操作部121が押圧操作されている状態における発射操作装置71の様子を模式的に示した説明図であり、図10(b2)は図10(b1)の一部を拡大して示す図である。
図10(a1)に示すように、補助操作部121が押圧操作されていない状況では、リンク用バネ148の付勢力によりリンク部材141が初期回動位置に配置されているとともに、補助操作部121が初期回動位置に配置されている。この状態では、図10(a2)に示すように、リンク部材141の回動規制部153は操作ハンドル74の外側環部82に当接していない。
図10(b1)に示すように、補助操作部121が押圧操作された状況では、補助操作部121の押圧用凸部152が後方へ移動するように補助操作部121が初期回動位置から回動する。
ここで、発射操作装置71は既に説明したとおり遊技機本体12の前面において右下の隅角部分に設けられているため、遊技者の肩の高さは発射操作装置71よりも上方であって、発射操作装置71に近い側の肩の位置は発射操作装置71よりも左方の位置にある。したがって、遊技者は、右斜め下方であって前斜め下方に腕を伸ばして発射操作装置71を握ることとなる。また、図4(a)において二点鎖線で示すように、遊技者は通常の態様で操作ハンドル74を回動操作する場合、前面ユニット73に手の平を当てた状態で発射操作装置71を握るとともに、その握っている手の指を操作ハンドル74の指掛け部84に当てた状態で当該操作ハンドル74の回動操作を行う。
これに対して、前側湾曲部123は、前面ユニット73の中央、すなわち前方に最も凸となった箇所よりも上寄りの位置であって左寄りの位置に、受け面の一部として特定受け領域が存在するように形成されているとともに、当該特定受け領域は斜め上方を向き且つ左に向けて下り傾斜している。したがって、遊技者が上記のように発射操作装置71を握った場合には、当該遊技者の手の平が前側湾曲部123に対して自然と斜め上方から触れることとなる。よって、遊技者は手の平を利用して補助操作部121の押圧操作を無理なく行うことができる。さらには、操作ハンドル74を回動操作する場合、手首を軸にして手を回すこととなるが、上記のように手の平で補助操作部121を押圧操作することができるため、操作ハンドル74の回動位置がいずれであっても補助操作部121を押圧操作することが可能となる。
また、既に説明したとおり、補助操作用軸部127は、補助操作部121の前側湾曲部123よりも後方であって上方の位置において支持されているため、手の平が触れる上記特定受け領域の回動方向には下方に向けた成分が含まれる。したがって、遊技者は斜め下方に向けて腕を伸ばしている状態においてその伸ばしている方向に補助操作部121を押圧することで、補助操作部121を初期回動位置から後方へ押圧することができる。つまり、遊技者は手の重みを預けるようにして発射操作装置71を握っている状態のその重みを利用して補助操作部121を押圧操作することができる。これにより、補助操作部121の操作性の向上が図られ、さらには補助操作部121の操作を継続した場合の疲労の低減が図られる。
補助操作部121が押圧操作されることで、補助操作部121の回動に伴って、押圧用凸部152はリンク部材141の自由端部144を後方へと押す。自由端部144が押圧用凸部152により押されることで、リンク部材141は初期回動位置から回動し、それに伴って回動規制部153の対向面154が上方へと移動する。そして、当該対向面154が、図10(b2)に示すように、操作ハンドル74の外側環部82の内周面に対して径方向の内側から当接する。これにより、操作ハンドル74には、回動方向に対して直交する方向への外力がリンク部材141から付与されることとなり、当該外力はハンドル用バネ86の付勢力に抗する力として機能する。よって、操作ハンドル74を回動操作している力を緩めたとしても、当該操作ハンドル74をその回動位置にて保持させることが可能となる。
また、回動規制部153の対向面154には高摩擦化処理が施されているため、操作ハンドル74に対して大きな摩擦力を付与することが可能となり、上記回動位置にて保持させる力を向上させることができる。また、リンク用軸部142から対向面154までの距離は、リンク用軸部142から自由端部144までの距離よりも短く設定されているため、補助操作部121からリンク部材141の自由端部144に付与された力は、てこの原理により増幅された状態で操作ハンドル74の外側環部82に付与される。この点からも、上記回動位置にて保持させる力を向上させることができる。
また、ガイド孔85bと回動規制部153との位置関係は、既に説明したとおり、操作ハンドル74がいずれの回動位置であっても当該回動規制部153がガイド孔85b内に入り込む位置関係に設定されているため、操作ハンドル74がいずれの回動位置に配置されている状況であっても補助操作部121の押圧操作を通じた操作ハンドル74の変位規制を行うことができる。
また、上記操作ハンドル74の変位規制は外側環部82の内周面と回動規制部153の対向面154との面接触に起因して行われるため、その規制力を上回る操作力で操作ハンドル74を回動操作すれば、操作ハンドル74を変位させることは可能である。したがって、操作ハンドル74の変位規制を行った状態で、操作ハンドル74の回動位置の調整を行うことが可能である。さらには、外側環部82の内周面において上記面接触が生じ得る当接対象面は、既に説明したとおり、一定の曲率の曲面状に形成されているとともに、段差や凹みが形成されていないため、この点からも、操作ハンドル74の変位規制を行った状態で、操作ハンドル74の回動位置の調整を行うことが可能である。
上記のとおり、補助操作部121を押圧操作した場合には操作ハンドル74の変位規制を行うことが可能な構成において、補助操作部121を操作した場合にはさらに遊技球の発射強度を最大発射強度とすることが可能な構成となっている。当該構成について以下に説明する。
既に説明したとおり、補助操作部121の押圧力を操作ハンドル74に伝達するためのリンク部材141は内側ベース91に支持されているが、当該内側ベース91には、図5、図6及び図8に示すように、さらに調整スイッチ157が設けられている。調整スイッチ157は、プッシュ式であり、図8(a),(b)に示すように、押圧検知部としてのプッシュボタン157aを内側ベース91に形成された開口部149を通じて内側ベース91の前面側に露出させた状態で、内側ベース91の裏面に固定されている。プッシュボタン157aは、後段部147の前面よりも前方に突出しており、内側ベース91の前方から押圧操作可能となっている。
プッシュボタン157aが設けられた位置は、補助操作部121の回動先端側の端部に対して後方となる位置である。したがって、プッシュボタン157aの前方には、補助操作部121が存在しており、当該補助操作部121においてプッシュボタン157aと前後に対向する箇所には、押圧片128が一体形成されている。
なお、プッシュボタン157aが設けられた位置は、リンク部材141の自由端部144が設けられた位置とは異なる位置となっている。これにより、補助操作部121の押圧操作に際して、操作ハンドル74の変位規制と発射強度の調整とを同時に行うことが可能となっている。
補助操作部121及び調整スイッチ157が上記のように設けられていることによる作用について、図10(a)及び図10(b)を参照しながら説明する。
図10(a3)は補助操作部121が押圧操作されていない状態における押圧片128と調整スイッチ157との位置関係を説明するための説明図であり、図10(a4)はその際の発射強度を説明するための説明図であり、図10(b3)は補助操作部121が押圧操作されている状態における押圧片128と調整スイッチ157との位置関係を説明するための説明図であり、図10(b4)はその際の発射強度を説明するための説明図である。
図10(a1)に示すように、補助操作部121が押圧操作されていない状況では、補助操作部121が初期回動位置に配置されている。この状態では、図10(a3)に示すように、補助操作部121の押圧片128は調整スイッチ157のプッシュボタン157aを押圧していない。
図10(b1)に示すように、補助操作部121が押圧操作された状況では、補助操作部121の押圧片128が後方へ移動するように補助操作部121が初期回動位置から回動する。補助操作部121が押圧操作されることで、補助操作部121の回動に伴って、図10(b3)に示すように、押圧片128は調整スイッチ157のプッシュボタン157aを押圧する。この場合に、押圧片128及び調整スイッチ157は両方とも、操作ハンドル74とは別に設けられており、当該操作ハンドル74の回動操作に追従しない。したがって、操作ハンドル74の回動位置がいずれの位置であったとしても、補助操作部121を押圧操作すれば、押圧片128によるプッシュボタン157aの押圧を行うことが可能である。
なお、このように押圧片128によるプッシュボタン157aの押圧が行われた状態では、リンク部材141の自由端部144が押圧用凸部152により押されることで、リンク部材141は初期回動位置から回動し、操作ハンドル74の変位規制を行う。
押圧片128によりプッシュボタン157aが押圧された場合、操作ハンドル74が回動操作されているのであれば、その時点における操作ハンドル74の回動操作量に関係なく、遊技球発射機構51による遊技球の発射強度は最大発射強度となる。具体的には、上作動口33又は下作動口34への入賞を好適に発生させるべく遊技者が操作ハンドル74を第1範囲の回動操作量で回動操作を行っており、図10(a4)に示すように、左側領域PE2を遊技球が流下している状況において、開閉実行モードへの移行が発生した場合には、可変入賞装置32への入賞を好適に発生させるべく遊技者が補助操作部121を押圧操作する。この場合、図10(b4)に示すように、遊技球の発射強度は最大発射強度となり、遊技球発射機構51から発射された遊技球は返しゴム26aに衝突した後に、右側領域PE3を流下することとなる。
次に、補助操作部121を押圧操作することなく操作ハンドル74を回動操作することで最大発射強度とした場合に、当該最大発射強度となったことを遊技者が容易に認識可能とするための構成について、図11を参照しながら説明する。図11(a1)〜(c2)は、最大発射強度となったことを遊技者が容易に認識可能とするための構成を説明するための説明図である。
図11(a1)及び図11(a2)に示すように、図4乃至図10では説明の便宜上省略していたが、ハンドル用軸部材77において基部72に挿通される側である軸部77cには、その周面に認識用手段の一部を構成する凹部77dが形成されている。凹部77dは、軸部77cの周面において軸周りの所定範囲がその周囲に比べて軸線側に凹むようにして形成されている。
当該軸部77cの周囲には、同じく認識用手段の一部を構成する押圧ユニット158が設けられている。押圧ユニット158は、所定方向に延在するようにして形成され、当該所定方向の一端が基部72に軸支された押圧部材158aを備えているとともに、当該押圧部材158aにおいて軸支された側とは反対側の端部が軸部77cの周面に向けて付勢されるようにする付勢手段としてバネ158bを備えている。押圧部材158aの回動先端側には、凹部77d内に入り込み、当該凹部77dの周面を押圧することが可能な突起158cが一体形成されている。
操作ハンドル74が初期回動位置に配置されている場合には、図11(a2)に示すように、凹部77dは押圧部材158aの突起158cが入り込み不可な位置に配置されており、当該突起158cは、バネ158bの付勢力により付勢されて、軸部77cにおいて凹部77dが形成されていない箇所に対して外側から当接している。
操作ハンドル74が、図11(b1)に示すように、回動操作されて特定回動位置に配置された場合には、図11(b2)に示すように、凹部77dは押圧部材158aの突起158cが入り込み可能な位置に配置される。これにより、当該突起158cは、バネ158bの付勢力を通じて、凹部77dの周面を押圧する。この押圧方向は、操作ハンドル74を最大回動位置に向けて押圧する方向となっている。
その後、図11(c1)に示すように、操作ハンドル74が最大回動位置に配置された場合には、初期回動位置から離れる方向へのそれ以上の操作ハンドル74の回動操作が不可となる。この場合、図11(c2)に示すように、凹部77d内に押圧部材158aの突起158cが入り込んだ状態は維持されており、突起158cが凹部77dの周面を押圧した状態が維持されている。したがって、操作ハンドル74が特定回動位置に配置された後は、押圧ユニット158により操作ハンドル74が押圧された状態が維持されるため、遊技者による操作ハンドル74の回動操作力を低減させることが可能となる。
押圧ユニット158による押圧力により発生する回転方向の付勢力は、ハンドル用バネ86による操作ハンドル74を初期回動位置に向けて付勢する付勢力よりも低く設定されている。したがって、凹部77d内に押圧部材158aの突起158cが入り込んだ後であっても操作ハンドル74の手動操作を止めた場合には、操作ハンドル74は自ずと初期回動位置に復帰する。
図12を参照しながら、上記認識用手段(凹部77d及び押圧ユニット158)が設けられていることによる作用について説明する。なお、以下の説明では、調整スイッチ157が設けられていることによる作用についても入念的に説明する。
図12(a)は調整スイッチ157の操作状況を示すタイミングチャートであり、図12(b)は操作ハンドル74の回動操作量と発射強度との関係を説明するための説明図であり、図12(c)は操作ハンドル74の回動操作量と操作ハンドル74の回動操作力との関係を説明するための説明図である。なお、図12(b)では、調整スイッチ157がONとなっていない状況を実線で示し、調整スイッチ157がONとなっている状況を一点鎖線で示す。
図12(b)の実線で示すように、調整スイッチ157がONとなっていない状況では、操作ハンドル74の回動操作量が増加するのに伴って、遊技球の発射強度は増加する。そして、操作ハンドル74の回動操作量が飽和操作量となった場合には、遊技球の発射強度は最大発射強度となる。但し、この飽和操作量となる回動操作位置は、最大回動位置ではない。したがって、発射強度は最大発射強度となった状態を維持しながら、操作ハンドル74の更なる回動操作が可能となっている。つまり、操作ハンドル74が最大回動位置となるよりも前に、発射強度は最大発射強度となる構成となっている。
上記のように発射強度が回動操作量に依存して増加する構成において、図12(c)に示すように、遊技者による操作ハンドル74の回動操作力(すなわち遊技者が操作ハンドル74を初期回動位置から離れる方向に操作するのに必要な操作力)は、回動操作量が飽和操作量となるまでは、操作ハンドル74の回動操作量が増加するのに伴って増加する。但し、上記のように認識用手段が設けられており、さらに当該認識用手段において凹部77d内に押圧部材158aの突起158cが入り込むこととなる操作ハンドル74の特定回動位置が、操作ハンドル74の回動操作量が飽和操作量となる位置に設定されている。したがって、回動操作量が飽和操作量となった場合、すなわち発射強度が最大発射強度となった場合には、遊技者において必要な回動操作力が一旦低減される。
遊技者は、回動操作力の低減を感知することが可能であり、操作ハンドル74を手動操作している手を通じて、遊技球の発射強度が最大発射強度となったことを認識することが可能となる。これにより、遊技者は、最大回動位置となるまで勢いよく操作ハンドル74を回動操作しなくても、回動操作するのに必要な操作力が低減される状態となるまで操作ハンドル74を回動操作すれば、最大発射強度に設定することが可能となる。したがって、操作ハンドル74の操作性を向上させることが可能となる。また、操作ハンドル74が最大回動位置まで勢いよく回動操作される可能性が低減されるため、発射操作装置71が破損しづらくなる。
一方、補助操作部121が遊技者により押圧操作され、図12(a)に示すように調整スイッチ157がONとなった場合には、図12(b)に示すように、操作ハンドル74の回動操作量に関係なく、発射強度は最大発射強度となる。但し、既に説明したとおり、操作ハンドル74が初期回動位置に配置されている場合には、発射止めスイッチ112が操作ハンドル74により押圧された状態となるため、補助操作部121を押圧操作したとしても、発射強度は最大発射強度とはならない。これにより、操作ハンドル74を操作することなく、補助操作部121のみを操作して、最大発射強度による遊技球の発射を行おうとする行為を阻止することが可能となる。
次に、発射操作装置71への手動操作に応じて遊技球を発射させるための電気的構成について、図13のブロック図に基づいて説明する。
遊技球の発射に係る電気的構成の説明に先立ち、先ずパチンコ機10において遊技を進行させる制御を行うための電気的な構成を説明する。
内枠13の背面側には、主制御装置161と、音声ランプ制御装置171と、表示制御装置172とが搭載されている。また、裏パックユニット15には、払出装置173を含む払出機構部と、払出制御装置174と、電源及び発射制御装置175とが搭載されている。
主制御装置161は、遊技の主たる制御を司る主制御基板162を具備している。主制御基板162は、電源及び発射制御装置175の電源及び発射制御基板176に設けられた電源部(図示略)と接続されている。電源部は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板162に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。ちなみに、当該動作電力は主制御基板162だけでなく、払出制御装置174や表示制御装置172といった他の機器にも供給される。
なお、主制御装置161には図示しない停電監視基板が設けられており、当該停電監視基板において停電の発生が確認された場合には主制御基板162に対して停電信号が送信されるようになっている。
主制御基板162には、MPU163が搭載されている。MPU163には、当該MPU163により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM164と、そのROM164内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM165と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
MPU163には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU163の入力側には、図示しない各種センサが接続されている。当該各種センサの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35といった入賞対応入球部に対して1対1で設けられた検知センサが含まれており、MPU163において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU163では上作動口33及び下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選及び大当たり結果種別抽選を実行するとともに、各遊技回のリーチ発生抽選や表示継続期間の決定抽選を実行する。
ここで、MPU163にて各種抽選を行うための構成について説明する。
MPU163は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、普図表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図14に示すように、大当たり発生抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図表示部43及び図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口34の普電役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する普電役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM165の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ165aに適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファ165aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア165bに格納される。
保留球格納エリア165bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ165aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留用エリアREは、保留数記憶エリアNAを備えており、当該保留数記憶エリアNAには上作動口33又は下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、特図表示部43の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留球格納エリア165bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM164における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリアに当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブルと、高確率モード用の当否テーブルとが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留球格納エリア165bに格納される。
本パチンコ機10では、(1)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における当否抽選モード、(2)開閉実行モード終了後の下作動口34の普電役物34aにおけるサポートモード、という2つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。当否抽選モードとしては、上述したとおり低確率モードと高確率モードとが設定されている。
サポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の普電役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、普電役物開放カウンタC4を用いた普電役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に普電役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり普電役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の普電役物開放抽選が行われてから次の普電役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば普電役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の普電役物開放抽選が行われてから次の普電役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき普図表示部44にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の普電役物開放抽選が行われてから次の普電役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、普図表示部44における1回の表示継続期間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くすることのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM164における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブルとして記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果と確変大当たり結果とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。なお、終了基準回数が経過した後に、低頻度サポートモードに移行する。
確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
振分テーブルにおいて、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が確変大当たり結果に対応しているが、この数値の振分は任意である。また、大当たり結果の振分先は、上記の2種類に限定されることはなく、例えば、開閉実行モードにおいて遊技球の獲得期待値が高低となるように複数のモードを設定し、当該開閉実行モードの移行先のモードに差異を設けることで大当たり結果の種別を上記の2種類よりも増やす構成としてもよい。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置41における表示演出の一種として期待演出が設定されている。
期待演出には、上記リーチ表示と、当該リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や大当たり結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
予告表示には、図柄表示装置41の表示画面において図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
リーチ表示は、開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、ROM164のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。一方、予告表示を行うか否かの決定は、主制御装置161において行うのではなく、表示制御装置172において行われる。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図表示部43における表示継続期間と、図柄表示装置41における図柄の表示継続期間とをMPU163において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特図表示部43における変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
普電役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。普電役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM165の電役保留エリア165cに格納される。そして、その格納された普電役物開放カウンタC4の値によって普電役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
図13の説明に戻り、MPU163の出力側には、払出制御装置174が接続されているとともに、音声ランプ制御装置171が接続されている。払出制御装置174には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。払出制御装置174は、主制御装置161から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置173により賞球や貸し球の払出制御を行う。
音声ランプ制御装置171は、主制御装置161から受信した演出用コマンドに基づいて、各遊技回における演出内容や開閉実行モード中の演出内容を決定し、その決定結果に基づいて表示ランプ部63やスピーカ部64を駆動制御する。また、音声ランプ制御装置171は、その決定結果に対応したコマンドを表示制御装置172に送信する。表示制御装置172では、その受信したコマンドに応じて図柄表示装置41を表示制御することで、当該図柄表示装置41において遊技回の演出に対応した画像の表示や開閉実行モードの演出に対応した画像の表示を行わせる。
また、MPU163の入力側及び出力側には、電源及び発射制御基板176に設けられた発射制御部178が接続されている。発射制御部178には、発射操作装置71に内蔵されたプッシュセンサ113、可変抵抗器155、調整スイッチ157及びハンドル用タッチセンサ156が接続されている。
ハンドル用タッチセンサ156は、操作ハンドル74に設けられた電極182に対して、信号線183を通じて電気的に接続されている。当該ハンドル用タッチセンサ156にはコンデンサが内蔵されており、遊技者の手が操作ハンドル74の外表面に接触してコンデンサの静電容量が変化すると、ハンドル操作検知に対応した所定の電気信号を発射制御部178に出力する。発射制御部178では当該所定の電気信号の受信により、遊技者の手が操作ハンドル74の外表面に接触していると認識する。
発射制御部178は、プッシュセンサ113からの電気信号が発射止めスイッチ112が非操作であることに対応しており、且つハンドル用タッチセンサ156からの電気信号が遊技者により操作ハンドル74が触れられていることに対応している場合に、信号線193を通じてその旨の信号を、主制御装置161のMPU163に送信する。MPU163では、その検知結果に応じて所定の処理を実行し、遊技球の発射を許可できる状況であれば、信号線194を通じて発射制御部178に発射許可コマンドを送信する。
発射制御部178は、遊技球発射機構51のソレノイド52と電気的に接続されており、MPU163から発射許可コマンドを受信した場合には、ソレノイド52に所定の発射強度に対応した駆動信号を出力する。詳細には、発射制御部178には対応強度設定部178a及び最大強度設定部178bが設けられており、調整スイッチ157がOFFとなっている状況では、可変抵抗器155からの電気信号に応じた発射強度が対応強度設定部178aにより設定され、調整スイッチ157がONとなっている状況では、最大強度設定部178bにより最大発射強度に設定される。これにより、調整スイッチ157がONとなっていない状況では操作ハンドル74の回動操作量に応じた発射強度で遊技球が発射され、調整スイッチ157がONとなっている状況では操作ハンドル74の回動操作量に関係なく最大発射強度で遊技球が発射される。なお、上記構成であるため、調整スイッチ157がONであっても、プッシュセンサ113からの電気信号が発射止めスイッチ112が操作されていることに対応した電気信号である場合、及びハンドル用タッチセンサ156からの電気信号が遊技者により操作ハンドル74が触れられていないことに対応した電気信号である場合のいずれかの条件を満たしている場合には、遊技球は発射されない。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
補助操作部121を押圧操作することで、その時点の遊技球の発射強度を操作ハンドル74の更なる回動操作を要することなく向上させることが可能であるため、操作ハンドル74の回動操作位置を所定の位置に保持しながら、遊技球の発射強度を増加させることが可能となる。よって、開閉実行モードとなった場合には、上作動口33への入賞が発生し易い位置に向けて遊技球が発射されるように操作ハンドル74の回動操作量を調整した状態を維持しながら、発射強度を向上させて右側領域PE3を遊技球が流下するようにさせることが可能となる。これにより、発射操作装置71の操作性が向上する。
補助操作部121を押圧操作した場合には、操作ハンドル74の変位規制が行われる。これにより、上作動口33への入賞が発生し易い位置に向けて遊技球が発射されるように操作ハンドル74の回動操作量を調整した状態を維持しながら、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射強度を向上させる場合に、操作ハンドル74の回動操作量の維持をより確実に行うことが可能となる。
補助操作部121の前側湾曲部123は、前面ユニット73の中央、すなわち前方に最も凸となった箇所よりも上寄りの位置であって左寄りの位置に、受け面の一部として特定受け領域が存在するように形成されているとともに、当該特定受け領域は斜め上方を向き且つ左に向けて下り傾斜している。したがって、遊技者が発射操作装置71を握った場合には、当該遊技者の手の平が前側湾曲部123に対して自然と斜め上方から触れることとなる。よって、遊技者は手の平を利用して補助操作部121の押圧操作を無理なく行うことができる。さらには、操作ハンドル74を回動操作する場合、手首を軸にして手を回すこととなるが、上記のように手の平で補助操作部121を押圧操作することができるため、操作ハンドル74の回動位置がいずれであっても補助操作部121を押圧操作することが可能となる。
また、既に説明したとおり、補助操作用軸部127は、補助操作部121の前側湾曲部123よりも後方であって上方の位置において支持されているため、手の平が触れる上記特定受け領域の回動方向には下方に向けた成分が含まれる。したがって、遊技者は斜め下方に向けて腕を伸ばしている状態においてその伸ばしている方向に補助操作部121を押圧することで、補助操作部121を初期回動位置から後方へ押圧することができる。つまり、遊技者は、発射操作装置71を握っている状態の手の重みを利用して、補助操作部121を下方に向けて押圧操作することができる。
以上より、補助操作部121の操作性の向上が図られ、さらには補助操作部121の操作を継続した場合の疲労の低減が図られる。
認識用手段(凹部77d及び押圧ユニット158)が設けられていることにより、操作ハンドル74が特定回動位置に配置されて遊技球の発射強度が最大発射強度となった場合には、操作ハンドル74を回動するのに必要な操作力が低減される。遊技者は、回動操作力が低減されたことを感知可能であり、操作ハンドル74を回動操作している手を通じて、最大発射強度となったことを認識することが可能となる。これにより、遊技者は、最大回動位置となるまで勢いよく操作ハンドル74を回動操作しなくても、回動操作に必要な操作力が低減される状態となるまで操作ハンドル74を回動操作すれば最大発射強度に設定することが可能となる。したがって、操作ハンドル74の操作性を向上させることが可能となる。また、操作ハンドル74が最大回動位置まで勢いよく回動操作される可能性が低減されるため、発射操作装置71が破損しづらくなる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、発射操作装置の構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、その相違する構成について、図15を参照しながら説明する。図15は、本実施形態の発射操作装置210の内部構造を模式的に示す図である。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については、上記第1の実施形態と同一の番号を利用するとともに、基本的にその説明を省略する。
発射操作装置210は、上記発射操作装置71と同様に、基部211と、前面ユニット(図示略)と、操作ハンドル212とを備えている。但し、本発射操作装置210は、上記発射操作装置71とは異なり、補助操作部121を備えておらず、操作ハンドル212の変位規制を行う手段は不具備となっている。
操作ハンドル212の変位規制を行う手段が不具備となった構成において、本発射操作装置210は、上記発射操作装置71と同様に、操作ハンドル212の操作に因らずに遊技球の発射強度を向上させることを可能とする構成を有している。当該構成について詳細に説明する。
発射操作装置210は、操作ハンドル212の操作に因らずに遊技球の発射強度を向上させるために操作される操作部として、調整用操作部材213を備えている。調整用操作部材213は、操作ハンドル212の軸線方向と平行となるように設けられた回動軸部214を通じて、操作ハンドル212に回動可能に支持されており、操作ハンドル212が回動する場合にはそれに伴って移動する。
操作ハンドル212には、内外に貫通する開口部215が形成されており、調整用操作部材213は、当該開口部215を通じて、操作ハンドル212の外周面よりも外方に突出可能となっている。調整用操作部材213の回動範囲について詳細には、調整用操作部材213に形成された回動規制部216が操作ハンドル212に対して内周側から当接し、当該調整用操作部材213の一部が操作ハンドル212の外周面から最も外方に突出した位置と、当該最大突出位置から調整用操作部材213が内側に入り込み、調整用操作部材213の操作ハンドル212からの突出量が低減されて図示しない規制手段によってそれ以上の入り込みが規制された位置との間で回動可能とされている。
調整用操作部材213の回動軸部214には、調整用操作部材213を操作ハンドル212の外方に常時付勢する付勢手段として、操作部材用バネ217が設けられている。これにより、調整用操作部材213は最も外方に突出する位置に向けて常時付勢されており、調整用操作部材213が手動操作されていない状況では、最も外方に突出した位置に配置される。この位置が調整用操作部材213の初期回動位置である。また、調整用操作部材213において操作ハンドル212の外周面から外方に突出する部位が、遊技者により押圧操作される調整用操作部218である。
調整用操作部材213において上記回動規制部216よりも内側には、すなわち調整用操作部218がいずれの回動位置であっても発射操作装置210の内側に存在する部位には、複数の歯219が設けられている。これら歯219は、操作ハンドル212の軸線方向と平行となるように設けられた回動軸部221を通じて操作ハンドル212に対して回動可能に支持されたハンドル側ギア部品222と噛み合っている。これにより、調整用操作部材213が遊技者により手動操作された場合には、当該調整用操作部材213の回動に伴ってハンドル側ギア部品222が回動する。また、操作ハンドル212が回動する場合には、それに伴ってハンドル側ギア部品222も移動する。
ハンドル側ギア部品222が調整用操作部材213の回動に伴って回動した場合、その動力は、基部211の裏側に固定された可変抵抗器223に伝達される。この動力の伝達について詳細には、基部211には、操作ハンドル212の軸線方向と平行となるように設けられた回動軸部224,225を通じて第1ギア部品226及び第2ギア部品227のそれぞれが回動可能に支持されている。これら第1ギア部品226及び第2ギア部品227は操作ハンドル212に支持されていないため、操作ハンドル212が回動したとしても各ギア部品226,227の軸支されている位置は変わらない。
第1ギア部品226は、ハンドル側ギア部品222と噛み合っており、さらに第2ギア部品227とも噛み合っている。そして、当該第2ギア部品227の回動軸部225が、可変抵抗器223に連結されている。これにより、調整用操作部材213が遊技者により押圧操作された場合には、可変抵抗器223の抵抗値が変更されることとなる。そして、この抵抗値は、発射強度を向上させる側に変更される。また、この抵抗値は、調整用操作部材213の押圧操作量に応じて変更され、調整用操作部材213の押圧操作量が増加するほど、発射強度が増加する構成となっている。
上記のように調整用操作部材213の押圧操作に応じて遊技球の発射強度が変更される構成において、操作ハンドル212の回動操作による遊技球の発射強度の変更も、上記ハンドル側ギア部品222、第1ギア部品226、第2ギア部品227及び可変抵抗器223を利用して行われる。当該構成について詳細に説明する。
既に説明したとおり、調整用操作部材213及びハンドル側ギア部品222は、操作ハンドル212に設けられているのに対して、第1ギア部品226及び第2ギア部品227は、基部211に設けられている。したがって、操作ハンドル212が回動操作された場合には、調整用操作部材213及びハンドル側ギア部品222については操作ハンドル212に追従して一体的に移動するのに対して、第1ギア部品226及び第2ギア部品227は一体的に移動しない。但し、上記のとおり、ハンドル側ギア部品222と第1ギア部品226とは噛み合った状態となっているため、操作ハンドル212の回動操作に追従したハンドル側ギア部品222の移動に伴って第1ギア部品226は回動し、それに伴い第2ギア部品227も回動する。したがって、操作ハンドル212が操作された場合には、それに伴って可変抵抗器223の抵抗値が変動する。
調整用操作部材213が押圧操作された場合における第1ギア部品226及び第2ギア部品227の回動方向が、操作ハンドル212が回動操作された場合における第1ギア部品226及び第2ギア部品227の回動方向と同一方向となるように、調整用操作部材213が初期回動位置から回動する場合の回動方向が設定されている。これにより、操作ハンドル212が回動操作された場合には遊技球の発射強度が向上するとともに、調整用操作部材213が押圧操作された場合にも遊技球の発射強度が向上する。
操作ハンドル212が回動操作された場合には、第1ギア部品226側からハンドル側ギア部品222に対して力が付与され、それに伴って調整用操作部材213に対しても力が付与される。この場合に、上記のように調整用操作部材213の回動方向が設定されていることにより、この力が付与される方向は、調整用操作部材213を初期回動位置に向けて押し付ける方向となる。そして、調整用操作部材213には操作ハンドル212に対して内周側から当接する回動規制部216が設けられており、初期回動位置よりも外側に向けた回動が阻止されている。したがって、調整用操作部材213を押圧操作することなく操作ハンドル212が回動操作される場合には、調整用操作部材213は初期回動位置に保持されることとなり、操作ハンドル212の回動操作を通じた発射強度の調整を行い易くなっている。
次に、調整用操作部材213が設けられている位置について説明する。
操作ハンドル212には、上記発射操作装置71と同様に、指掛け部231〜233が設けられている。指掛け部231〜233は、所定の間隔を置いて軸周りに複数設けられており、例えば操作ハンドル212の回動操作方向の元側に存在している指掛け部231に対しては遊技者の右手の親指が添えられ、当該指掛け部231の隣に存在している指掛け部232には遊技者の右手の人さし指が添えられる。この場合に、調整用操作部材213は、これら指掛け部231,232の間の位置に配置されている。
当該調整用操作部材213が設けられている位置について、図16を参照しながらさらに説明する。図16(a1)、図16(b1)及び図16(c1)は、発射操作装置210の内部構造を模式的に示す図であって、操作ハンドル212が回動操作された様子を説明するための図であり、図16(a2)、図16(b2)及び図16(c2)は、操作ハンドル212が回動操作された場合における発射強度を説明するための図である。
図16(a1)に示すように、操作ハンドル212が操作されていない状況では、図16(a2)に示すように、遊技領域PEに向けた遊技球の発射は行われない。この状態から操作ハンドル212が第1範囲の回動操作量で回動操作された場合には、図16(b2)に示すように、遊技球の発射強度は、左側領域PE2を遊技球が流下するような発射強度となる。当該状態から操作ハンドル212が最大回動位置まで回動操作された場合には、図16(c2)に示すように、遊技球の発射強度は最大発射強度となり、発射された遊技球は返しゴム26aに衝突した後に右側領域PE3を流下することとなる。
なお、本発射操作装置210には、操作ハンドル212が回動操作された場合において遊技球の発射強度が最大発射強度となったことを遊技者に認識させるための認識用手段(凹部77d及び押圧ユニット158)は不具備となっている。
本実施形態であっても、左側領域PE2を流下する遊技球の方が右側領域PE3を流下する遊技球よりも上作動口33及び下作動口34への入賞が発生し易く、右側領域PE3を流下する遊技球の方が左側領域PE2を流下する遊技球よりも可変入賞装置32への入賞が発生し易い。したがって、通常遊技状態では、遊技者は操作ハンドル212を図16(b1)に示す状態、すなわち第1範囲の回動操作量となるように操作ハンドル212を回動操作して、図16(b2)に示すように、左側領域PE2を遊技球が流下するようにさせる。
一方、開閉実行モードに移行した場合には、右側領域PE3を遊技球が流下するように、発射操作装置210の操作態様を変更させる。その一手法としては、図16(c1)に示すように、最大回動位置となるように操作ハンドル212を回動操作させる手法が挙げられる。しかしながら、通常遊技状態においては上作動口33への遊技球の入賞が発生し易い位置に向けて遊技球が発射されるように操作ハンドル212の回動操作量を調整することとなるが、操作ハンドル212を最大回動位置に配置する場合にはその調整された回動位置から操作ハンドル212を回動操作する必要が生じ、遊技者にとっては好ましくない。
これに対して、調整用操作部材213が設けられていることにより、操作ハンドル212の回動操作量を維持した状態のまま右側領域PE3を流下するように遊技球を発射させることが可能となる。この場合に、図16(b1)に示すように、操作ハンドル212が第1範囲の回動操作量で回動操作されている場合には、調整用操作部材213は、発射操作装置210の上部において上方に向けて突出した状態となる。これにより、左側領域PE2を遊技球が流下するように操作ハンドル212を回動操作している状況で調整用操作部材213を押圧操作して右側領域PE3を遊技球が流下するように発射強度を向上させる場合には、上方から下方に向けて調整用操作部材213を押圧操作することが可能となり、この際の操作性が向上する。
ここで、本発射操作装置210にも、上記発射操作装置71と同様に発射止めスイッチ112が設けられている。当該発射止めスイッチ112は、基部211に固定されており、さらに発射操作装置210の左下側に設けられている。したがって、操作ハンドル212が第1範囲の回動操作量で回動操作されている状況では、発射止めスイッチ112に対して調整用操作部材213が90°以上軸周りに離間された位置に存在することとなり、発射止めスイッチ112を例えば発射操作装置210を操作している右手の親指で操作可能としながら、調整用操作部材213を当該親指とは異なる指である人さし指などで押圧操作することが可能となる。この点からも調整用操作部材213の操作性の向上が図られている。
また、発射止めスイッチ112は、操作ハンドル212が初期回動位置に配置されている場合には、上記発射操作装置71と同様に、当該操作ハンドル212により押圧された状態となる。したがって、操作ハンドル212を回動操作することなく、調整用操作部材213のみを押圧操作して遊技球を発射させようとしても、それが不可となっている。
次に、調整用操作部材213が押圧操作されることに基づき遊技球の発射強度が向上される様子を、図17を参照しながら説明する。図17(a1)、図17(b1)及び図17(c1)は、発射操作装置210の内部構造を模式的に示す図であって、調整用操作部材213が押圧操作された様子を説明するための図であり、図17(a2)、図17(b2)及び図17(c2)は、調整用操作部材213が押圧操作された場合における発射強度を説明するための図である。
図17(a1)に示すように、調整用操作部材213を押圧操作していない状況で操作ハンドル212を第1範囲の回動操作量となるように回動操作した場合、図17(a2)に示すように、遊技球が左側領域PE2を流下する発射強度に設定される。
この状況で、図17(b1)及び図17(c1)に示すように、調整用操作部材213が除々に押圧操作されることにより、発射強度は、図17(b2)及び図17(c2)に示すように、操作ハンドル212の回動操作量に応じた発射強度から除々に増加する。そして、調整用操作部材213の押圧操作位置が、図17(c1)に示す特定押圧位置となった場合には、遊技球の発射強度は最大発射強度となり、遊技球は返しゴム26aに衝突した後に右側領域PE3を流下することとなる発射強度で発射される。
ここで、本発射操作装置210は、操作ハンドル212が第1範囲の回動操作量で回動操作されている状況において調整用操作部材213が押圧操作されることで最大発射強度となった場合に、当該最大発射強度となったことを遊技者が容易に認識可能とするための構成を備えている。
具体的には、図15に示すように、調整用操作部材213には、複数の歯219が設けられている側とは異なる周面に、認識用手段の一部を構成する凹部234が形成されている。凹部234は、調整用操作部材213の周面において軸周りの所定範囲がその周囲に比べて回動軸部214側に凹むようにして形成されている。
当該凹部234の周囲には、同じく認識用手段の一部を構成する押圧ユニット235が設けられている。押圧ユニット235は、所定方向に延在するようにして形成され、当該所定方向の一端が操作ハンドル212に軸支された押圧部材236を備えているとともに、当該押圧部材236において軸支された側とは反対側の端部が調整用操作部材213の周面に向けて付勢されるようにする付勢手段としてバネ237を備えている。押圧部材236の回動先端側には、凹部234内に入り込み、当該凹部234の周面を押圧することが可能な突起238が一体形成されている。
調整用操作部材213が初期回動位置に配置されている場合には、図17(a1)に示すように、突起238が入り込み不可な位置に凹部配置されており、当該突起238は、バネ237の付勢力により付勢されて、調整用操作部材213において凹部234及び複数の歯219が形成されていない箇所に対して外側から当接している。
調整用操作部材213が、図17(c1)に示すように、特定押圧位置に配置された場合には、突起238が入り込み可能な位置に凹部234が配置される。これにより、当該突起238は、バネ237の付勢力を通じて、凹部234の周面を押圧する。この押圧方向は、調整用操作部材213を最大押圧位置に向けて押圧する方向となっている。
上記特定押圧位置は、最大押圧位置よりも初期回動位置側に存在している。したがって、図17(c1)の状態から調整用操作部材213をさらに押圧方向に変位させることが可能であり、特定押圧位置から最大押圧位置に至るまでは凹部234の周面が押圧部材236の突起238により、最大押圧位置に向けて押圧された状態が維持される。これにより、調整用操作部材213が特定押圧位置に配置された後は、遊技者による調整用操作部材213の押圧操作力を低減させることが可能となる。
押圧ユニット235による押圧力は、操作部材用バネ217による調整用操作部材213を初期回動位置に向けて付勢する付勢力よりも低く設定されている。したがって、凹部234内に突起238が入り込んだ後であっても調整用操作部材213の手動操作を止めた場合には、調整用操作部材213は自ずと初期回動位置に復帰する。
調整用操作部材213の押圧操作を通じた発射強度の調整可能範囲は、少なくとも内レール部25及び外レール部26により構成された誘導レールから遊技球が出て遊技領域PEを流下可能な発射強度となるように操作ハンドル212が回動操作されている状況では、調整用操作部材213の押圧操作により最大発射強度とすることが可能な範囲で設定されている。これにより、遊技領域PEを遊技球が流下するように操作ハンドル212が回動操作されている状況では、調整用操作部材213の押圧操作に基づき、任意のタイミングで最大発射強度とすることが可能である。
発射強度が最大発射強度に設定される開始位置である調整用操作部材213の特定押圧位置(すなわち押圧ユニット235により調整用操作部材213の押圧操作力の低減が開始される位置)は、遊技領域PEを遊技球が流下することを可能とする最小の回動操作量で操作ハンドル212が回動操作されている状況において調整用操作部材213の押圧操作に基づき最大発射強度となる開始位置として設定されている。したがって、操作ハンドル212の回動操作に基づき遊技領域PEに向けて遊技球が発射されている状況で、調整用操作部材213の押圧操作を開始し、その押圧操作力が途中で低減された場合には、発射強度は常に最大発射強度となる。
なお、かかる構成においては、操作ハンドル212の回動操作量に応じて、調整用操作部材213の押圧操作力が低減されたタイミングで最大発射強度となることもあれば、調整用操作部材213の押圧操作力が低減されるよりも前のタイミングで最大発射強度となることがある。
図18を参照しながら、上記調整用操作部材213及び上記認識用手段(凹部234及び押圧ユニット235)が設けられていることによる作用について入念的に説明する。
図18(a)は操作ハンドル212の回動操作量を示すタイミングチャートであり、図18(b)は調整用操作部材213の押圧操作量を示すタイミングチャートであり、図18(c)は遊技球の発射強度を示すタイミングチャートであり、図18(d)は調整用操作部材213の押圧操作力を示すタイミングチャートである。
t1のタイミングまで、操作ハンドル212の回動操作量を除々に増加させていくことにより、発射強度もそれに伴って増加していく。そして、t1のタイミングで、操作ハンドル212の回動操作量が第1範囲の回動操作量となる。この場合、左側領域PE2を遊技球が流下することとなり、上作動口33又は下作動口34への入賞を好適に発生させることが可能となる。
その後、操作ハンドル212の回動操作量が一定に保たれ、発射強度も一定に保たれている状況であるt2のタイミングで、調整用操作部材213の押圧操作が開始されることで、操作ハンドル212の回動操作量が一定である状況で発射強度は増加していく。そして、t3のタイミングで、調整用操作部材213の押圧操作位置が特定押圧位置となることで、遊技球の発射強度は最大発射強度となる。また、このタイミングで、調整用操作部材213の凹部234に押圧部材236の突起238が入り込むことで、遊技者による調整用操作部材213の押圧操作力(すなわち遊技者が調整用操作部材213を初期回動位置から離れる方向に操作するのに必要な操作力)は、一旦低減される。この場合、右側領域PE3を遊技球が流下することとなり、可変入賞装置32への入賞を好適に発生させることが可能となる。その後、さらに調整用操作部材213の押圧操作を継続することで、t4のタイミングで、調整用操作部材213が最大押圧位置に配置されることとなる。
なお、本実施形態においては、操作ハンドル212が回動操作された場合及び調整用操作部材213が押圧操作された場合のいずれであっても、同一の可変抵抗器223の抵抗値が変化する構成であるため、電源及び発射制御基板176の発射制御部178では、可変抵抗器223から得られる信号に応じた発射強度を一義的に設定すればよい。つまり、上記第1の実施形態における対応強度設定部178aの機能を有していればよく、最大強度設定部178bの機能を有している必要がない。
以上詳述した本実施形態によれば、調整用操作部材213を押圧操作することで、その時点の遊技球の発射強度を操作ハンドル212の更なる回動操作を要することなく向上させることが可能であるため、操作ハンドル212の回動操作位置を所定の位置に保持しながら、遊技球の発射強度を増加させることが可能となる。よって、開閉実行モードとなった場合には、上作動口33への入賞が発生し易い位置に向けて遊技球が発射されるように操作ハンドル74の回動操作量を調整した状態を維持しながら、発射強度を向上させて右側領域PE3を遊技球が流下するようにさせることが可能となる。これにより、発射操作装置210の操作性が向上する。
調整用操作部材213が押圧操作されていない状況で左側領域PE2を遊技球が流下するように操作ハンドル212が回動操作されている状況では、調整用操作部材213は発射操作装置210の上部において上方に向けて突出した状態となる位置に配置され、当該調整用操作部材213を発射操作装置210の上方から下方に向けて押圧操作可能な状態となる。これにより、調整用操作部材213の操作性が向上する。
認識用手段(凹部234及び押圧ユニット235)が設けられていることにより、調整用操作部材213が特定押圧位置に配置されて最大発射強度となった場合には、調整用操作部材213を押圧するのに必要な操作力が低減される。遊技者は、押圧操作力が低減されたことを感知可能であり、調整用操作部材213を押圧操作している指を通じて、最大発射強度となったことを認識することが可能となる。これにより、遊技者は、最大押圧位置となるまで勢いよく調整用操作部材213を押圧操作しなくても、押圧操作に必要な操作力が低減される状態となるまで調整用操作部材213を押圧操作すれば最大発射強度に設定することが可能となる。したがって、調整用操作部材213の操作性を向上させることが可能となる。また、調整用操作部材213が最大押圧位置まで勢いよく押圧操作される可能性が低減されるため、発射操作装置210が破損しづらくなる。
操作ハンドル212が回動操作された場合に基部211に設けられた第1ギア部品226が回転するとともに、調整用操作部材213が押圧操作された場合にも当該第1ギア部品226が回転し、さらに操作ハンドル212が回動操作された場合における第1ギア部品226の回転方向と、調整用操作部材213が押圧操作された場合における第1ギア部品226の回転方向とが同一方向である。これにより、操作ハンドル212の回動操作による発射強度の向上と、調整用操作部材213の押圧操作による発射強度の向上とを、同一の可変抵抗器223を利用して実現することが可能となる。よって、構成の簡素化を図りながら、既に説明したような作用効果を奏することが可能となる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、発射操作装置の構成が上記第1,第2の実施形態と異なっている。以下、その相違する構成について、図19〜図21を参照しながら説明する。図19は、本実施形態の発射操作装置310を前方から見た斜視図であり、図20は前方から見た発射操作装置310の分解斜視図であり、図21は後方から見た発射操作装置310の分解斜視図である。
図19に示すように、発射操作装置310は、上記発射操作装置71,210と同様に、前扉枠14に固定される基部311と、発射操作装置310の前面側を覆うハンドルカバー312と、基部311及びハンドルカバー312の間に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作される操作ハンドル313と、を備えている。
図20に示すように、基部311には、上記基部72と同様に軸線方向に貫通した軸孔部314が一体形成され、当該軸孔部314に対して、ハンドル用軸部材315が挿通されている。但し、ハンドル用軸部材315の径方向へ突出した軸側突起315aが、軸孔部314の径方向へ凹んだ凹部314aと嵌合しており、当該ハンドル用軸部材315は軸孔部314に対して固定され、回動不可となっている。また、ハンドル用軸部材315には固定用環部77aは設けられておらず、ハンドル用軸部材315は、操作ハンドル313と固定されていない。
操作ハンドル313は、上記操作ハンドル74,212と同様に、内側環部316と、外側環部317とが形成されている。但し、操作ハンドル313における内側環部316の内側には、中側環部318が設けられており、操作ハンドル313は中側環部318、内側環部316及び外側環部317が同心円となるように一体形成された三重環形状をなしている。操作ハンドル313には、中側環部318の中央において操作ハンドル313の軸線方向に貫通させてハンドル側軸孔部319が形成されており、当該ハンドル側軸孔部319に対して上記ハンドル用軸部材315が挿通され、操作ハンドル313はハンドル用軸部材315に対して回動可能に支持されている。
図21に示すように、基部311には前方へ突出させてボス79a〜79cが一体形成されており、これに対応させるようにハンドルカバー312には後方に突出させて円筒状のボス受け部312a〜312cが一体形成されている。そして、当該ボス79a〜79cがボス受け部312a〜312cに後方から挿入されることで、基部311とハンドルカバー312とが固定されている。また、ハンドルカバー312の背面には、前方に凹ませて軸受け部312dが形成されている。そして、上記ハンドル用軸部材315が軸受け部312dに対して後方から当接し、前方への抜けと軸ぶれが防止されている。
操作ハンドル313の回動範囲は、上記操作ハンドル74,212と同様に規制されている。すなわち、図20に示すように、操作ハンドル313における内側環部316と外側環部317との間にはガイド孔85a,85bが設けられており、当該ガイド孔85a,85bに対してボス79a〜79cが挿通されている。そして、ガイド孔85a,85bとボス79a〜79cとの当接により、操作ハンドル313の回動範囲が規制されている。また、ハンドル用軸部材315にはハンドル用バネ313aが設けられている。ハンドル用バネ313aはねじりバネとして、その一端がハンドル用軸部材315に係止され、もう一端は操作ハンドル313の前面に突出させて一体形成されたバネ用突起313bと係止されている。これにより、操作ハンドル313は正面視で反時計回り方向に付勢され、ハンドル用バネ313aに抗する力が付与されていない状況では、上記回動範囲における反時計回り方向側の初期回動位置に配置されている。
操作ハンドル313の回動量を把握すべく、操作ハンドル313を前後から挟むように、操作ハンドル313の前方に第1ギア部材320が設けられているとともに、操作ハンドル313の後方には第2ギア部材321が設けられている。第1ギア部材320及び第2ギア部材321には、それぞれの中央において軸線方向に貫通した第1ギア側軸孔部320a及び第2ギア側軸孔部321aが形成されており、第1ギア側軸孔部320a及び第2ギア側軸孔部321aをハンドル用軸部材315が貫通することで、第1ギア部材320及び第2ギア部材321はハンドル用軸部材315に対して回動可能に支持されている。
第2ギア部材321には前方に突出させて複数のギア側ボス322a〜322cが一体形成されている。また当該ギア側ボス322a〜322cに対応させて、操作ハンドル313の内側環部316と中側環部318との間には一対のギア用ガイド孔323a,323bが形成され、ギア側ボス322a〜322cがギア用ガイド孔323a,323bに挿通されている。そして、第1ギア部材320には、ギア側ボス322a〜322cに対応させて、前後方向に貫通させてギア用ネジ孔324a〜324cが形成されており、図示しないネジにより、第1ギア部材320と第2ギア部材321とがギア用ネジ孔324a〜324c及びギア側ボス322a〜322cを介してネジ止め(固定)されている。
ここで、ガイド孔85a,85b及びギア用ガイド孔323a,323bと、ボス79a〜79c及びギア側ボス322a〜322cと、についてより詳細に図22(a)を参照して説明する。図22(a)は、操作ハンドル313を含めて操作ハンドル313の後側の発射操作装置310の正面図である。
ガイド孔85aにはボス79b及びボス79cが挿通され、ガイド孔85bにはボス79aが挿通されている。操作ハンドル313の初期回動位置において、ボス79b及びボス79cが挿通されたガイド孔85aにおける時計回り方向側の周面にボス79bが当接しているとともに、ボス79aが挿通されたガイド孔85bにおける時計回り方向側の周面にボス79aが当接しており、操作ハンドル313は反時計回り方向への回動が規制されている。操作ハンドル313を正面視で時計回り方向に回動させると、ボス79b及びボス79cが挿通されたガイド孔85aにおける反時計回り方向側の周面にボス79cが当接するとともに、ボス79aが挿通されたガイド孔85bにおける反時計回り方向側の周面にボス79aが当接し、操作ハンドル313は最大回動位置に配置される。したがって、操作ハンドル313は、上記初期回動位置から最大回動位置までの範囲で回動可能となっている。
ギア用ガイド孔323a,323bは、内側環部316と中側環部318との間の空間が、両環部316,318を連結するように形成された一対の連結部により区画されていることで形成されている。ギア用ガイド孔323a,323bを区画する周面のうち、中側環部318の外周面と内側環部316の内周面とは、操作ハンドル313の軸線回りに一定の曲率の曲面となっている。また、これら外周面及び内周面は、少なくともギア用ガイド孔323a,323b内側への段差が形成されておらず、さらにはギア用ガイド孔323a,323b外側への凹みも形成されていない。
ギア用ガイド孔323aにはギア側ボス322b及びギア側ボス322cが挿通され、ギア用ガイド孔323bにはギア側ボス322aが挿通されている。操作ハンドル313の初期回動位置において、ギア側ボス322b及びギア側ボス322cが挿通されたギア用ガイド孔323aにおける反時計回り方向側の周面とギア側ボス322cが当接するとともに、ギア側ボス322aが挿通されたギア用ガイド孔323bにおける反時計回り方向側の周面とギア側ボス322aとが当接している。操作ハンドル313を時計回り方向に回動させると、上記の通りギア側ボス322c及びギア側ボス322aが、ギア用ガイド孔323a及びギア用ガイド孔323bの反時計回り方向側の周面と当接していることから、第1ギア部材320及び第2ギア部材321は操作ハンドル313の回動に追従して時計回り方向に回動する。
図20及び図21の説明に戻り、操作ハンドル313の回動操作量を電源及び発射制御装置175において把握すべく、第2ギア部材321の後方には、抵抗用ギア部材325が設けられている。抵抗用ギア部材325は、基部311に設けられた可変抵抗器155において前方に突出形成された軸部326に軸支されており、抵抗用ギア部材325の回動に応じて可変抵抗器155の抵抗値が変化し、その抵抗値に応じた信号が電源及び発射制御装置175に出力される構成となっている。図21に示すように、第2ギア部材321の背面には第2ギア側歯車321bがその径方向の周面を覆うように形成されているのに対して、抵抗用ギア部材325にも抵抗側歯車325aがその径方向の周面を覆うように形成されており、第2ギア側歯車321bと抵抗側歯車325aとが噛み合っている。
抵抗用ギア部材325には、正面視で時計回り方向に付勢するギア用バネ327が設けられている。これにより、操作ハンドル313を所定回動位置まで回動操作している状況で、反時計回り方向へ回動させると、抵抗用ギア部材325はギア用バネ327の付勢力により時計回り方向へ回動する。なお、ギア用バネ327はハンドル用バネ313aの付勢力よりも小さな付勢力を付与する構成としている。
したがって、操作ハンドル313を時計回り方向に回動操作すると、上記の通り第1ギア部材320及び第2ギア部材321も時計回り方向に回動し、第2ギア部材321が回動すると、両歯車321b,325aにより抵抗用ギア部材325は反時計回り方向に回動し、操作ハンドル313の回動量に応じて遊技球の発射強度の変更がなされる。なお、本発射操作装置310においても、発射止めスイッチ112及びハンドル用タッチセンサ156が設けられており、発射止めスイッチ112がONとなっていないこと、及びハンドル用タッチセンサ156がONとなっていることを条件に、可変抵抗器155の抵抗値に応じた発射強度で遊技球が発射される。また、本発射操作装置310にも、操作ハンドル313が初期回動位置に配置される場合に発射止めスイッチ112をONとすべく、操作ハンドル313には操作片87が設けられている。
第1ギア部材320及び第2ギア部材321は、操作ハンドル313とは独立して回動させることが可能となっている。すなわち、図22(a)に示すように、ギア側ボス322b及びギア側ボス322cが挿通されたギア用ガイド孔323aにおいては、ギア用ガイド孔323aの反時計回り方向側の周面とギア側ボス322cが当接しているものの、ギア用ガイド孔323aに沿ってギア側ボス322b及びギア側ボス322cが時計回り方向に移動可能となっている。また、ギア側ボス322aが挿通されたギア用ガイド孔323bにおいても、ギア用ガイド孔323bの反時計回り方向側の周面とギア側ボス322aが当接しているものの、ギア用ガイド孔323bに沿ってギア側ボス322aが時計回り方向に移動可能となっている。したがって、第1ギア部材320及び第2ギア部材321は、ギア用ガイド孔323aの反時計回り方向側の周面とギア側ボス322cとが当接するとともに、ギア用ガイド孔323bの反時計回り方向側の周面とギア側ボス322aとが当接する初期回動位置から、ギア用ガイド孔323aの時計回り方向側の周面とギア側ボス322bとが当接するとともに、ギア用ガイド孔323bの時計回り方向側の周面とギア側ボス322aとが当接する最大回動位置までの範囲で、操作ハンドル313に対して独立して回動可能となっている。つまり、操作ハンドル313の回動操作によらず、第1ギア部材320及び第2ギア部材321が回動することによっても、抵抗用ギア部材325も回動し、可変抵抗器155の抵抗値が変化し、遊技球の発射強度の変更がなされる。
ここで、本実施形態のように、手動操作される操作ハンドル313に対してだけでなく、可変抵抗器155側の部材である抵抗用ギア部材325に対してもバネ(ギア用バネ327)が設けられているのは以下の理由によるものである。
すなわち、仮に、ギア用バネ327が設けられていない構成とすると、操作ハンドル313を時計回り方向に回動させた場合には、上記のように各部材(操作ハンドル313、第2ギア部材321及び抵抗用ギア部材325)がリンクしていることから抵抗用ギア部材325が回動し、可変抵抗器155にその回動量を伝えることが可能であるものの、操作ハンドル313を反時計回り方向に回動させた場合には、各ギア部材321,325にはハンドル用バネ313aの付勢力が伝わらず、可変抵抗器155の抵抗値を変化させることができない。また、仮に、ギア用バネ327が第2ギア部材321又は第1ギア部材320に対して設けられている構成とすると、第2ギア部材321と抵抗用ギア部材325とは両歯車321b,325aで噛み合っていることから、上記のように操作ハンドル313を反時計回り方向に回動させた場合であっても、その付勢力により、抵抗用ギア部材325を回動させて可変抵抗器155の抵抗値を変化させることはできる。しかし、設計上、両歯車321b,325aの噛み合いには若干の遊びあり、両歯車321b,325aはバネの付勢方向側に遊びがなくなるように噛み合う一方で、バネの付勢方向と反対側には遊びが生じることになる。したがって、操作ハンドル313を反時計回り方向に回動させると、上記バネの付勢方向と反対側に生じた遊びの分だけ抵抗用ギア部材325の回動が遅れ、操作ハンドル313の回動を可変抵抗器155へ伝えることができない。これに対して、本構成のように、可変抵抗器155に直結された抵抗用ギア部材325に対してギア用バネ327を設けることで、上記不具合を解消し、操作ハンドル313がいずれの方向に回動操作された場合であっても、その回動を可変抵抗器155へ伝えることが可能となっている。
次に、操作ハンドル313の回動操作によらず、第1ギア部材320及び第2ギア部材321を回動させるべく設けられた調整用操作部材330について、図20及び図21に加えて図22(b)を用いて説明する。図22(b)はハンドルカバー312を取り外した状態の発射操作装置310の正面図である。
図20に示すように、調整用操作部材330の中央には、前後方向に貫通させて調整用軸孔部331が形成されている。また、操作ハンドル313における外側環部317からは前方に突出させて調整用軸部332が一体形成されており、上記調整用軸孔部331に対して当該調整用軸部332が後方から前方へ挿通されて、調整用操作部材330は操作ハンドル313の調整用軸部332に回動可能に支持されている。
調整用操作部材330は、調整用軸孔部331を基点として軸線と交差する方向へ両側に延在している。その一方には操作部333が一体形成され、他方には増幅部334が一体形成されている。操作部333は操作ハンドル313の外側環部317に形成された開口部335から発射操作装置310の外方に突出させて配置されるよう形成されている。より詳細には、操作ハンドル313には操作ハンドル212と同様に、径方向に膨出させて指掛け部231〜233が一体形成されており、上記開口部335は当該指掛け部231〜233のうち親指を添える指掛け部231よりも反時計回り方向側における外側環部317に設けられており、当該開口部335から外方に突出するように操作部333が形成されている。
上記の通り調整用操作部材330が調整用軸部332に軸支されていることから、操作部333を押圧操作することで調整用操作部材330を回動させることが可能となっている。操作部333の操作範囲、すなわち調整用操作部材330の回動範囲は、開口部335の開口により規制されている。具体的には、開口部335の反時計回り方向側の壁面と操作部333とが当接する位置から、開口部335の時計回り方向側の壁面と操作部333とが当接する位置までの範囲で操作可能となっている。
これに対して増幅部334側においては、増幅部334を前後方向に貫通するようにハンドル軸用孔部336が形成されており、当該ハンドル軸用孔部336に対して、操作ハンドル313の回動軸である上記ハンドル用軸部材315が挿通されている。図22(b)に示すように、ハンドル軸用孔部336は、ハンドル用軸部材315を挿通させた状態で調整用操作部材330を回動させることが可能となっている。また、ハンドル軸用孔部336は、その周面が、調整用操作部材330を回動させた場合にハンドル用軸部材315の周面を沿うように湾曲させて形成されている。
ハンドル軸用孔部336の周面のうち増幅部344における回動先端側の周面には、当該回動先端側に凹ませて一対の凹部337a,337bが所定の間隔を隔てて形成されている。さらに、当該凹部337a,337bに対応させるように、上記第1ギア部材320における第1ギア側軸孔部320aの周縁からは前方に突出させて一対の突部338a,338bが一体形成されている。そして、調整用操作部材330の操作部333が開口部335の反時計回り方向側の壁面と当接している状況において、当該突部338a,338bのうち時計回り方向側に配置される338aが上記凹部337aと係合し、もう一方の突部338bは凹部337bとは係合していない。
既に説明したとおり、突部338a,338bを有する第1ギア部材320は、ギア用バネ327の付勢力により反時計回り方向に付勢されている。したがって、第1ギア部材320の突部338aと調整用操作部材330の凹部337aとが係合することで、ギア用バネ327の付勢力が調整用操作部材330に伝わり、調整用操作部材330は調整用軸部332を中心として反時計回り方向に付勢される。そして、当該付勢力に抗する力が付与されていない状況においては、調整用操作部材330の操作部333が操作ハンドル313の開口部335における反時計回り方向側の壁面と当接する位置である初期位置に配置される。
また、上述の如く、操作ハンドル313を回動操作すると第1ギア部材320もその回動に同期して回動し、さらに、調整用操作部材330が操作ハンドル313における調整用軸部332に支持されていることから、操作ハンドル313を回動させても第1ギア部材320と調整用操作部材330との位置関係は変化せず、調整用操作部材330は上記初期位置に保持される。つまり、第1ギア部材320と調整用操作部材330の位置関係が変化しないことから、第1ギア部材320の突部338aが調整用操作部材330の凹部337aに係合した状態を保持しつつ操作ハンドル313を回動操作可能となっている。
次に、調整用操作部材330が押圧操作されることに基づく、調整用操作部材330及び第1ギア部材320の動作の様子について、図23を参照して説明する。図23(a)〜図23(d)は、調整用操作部材330及び第1ギア部材320の動作について説明するための発射操作装置310の内部構造を示す模式図である。
図23(a)に示すように、調整用操作部材330は、ギア用バネ327の付勢力に抗する力が付与されていない状況においては、調整用操作部材330の操作部333が操作ハンドル313の開口部335における反時計回り方向側の壁面と当接した初期位置に配置される。この状況においては、ハンドル軸用孔部336の周面は反時計回り方向側からハンドル用軸部材315の周面と当接している。
調整用操作部材330の操作部333側が押圧操作されると、図23(b)〜図23(d)に示すように、調整用操作部材330は調整用軸部332を中心として回動する。調整用操作部材330が回動すると、増幅部334側においては、図23(b)に示すように、突部338a及び凹部337aの係合により第1ギア部材320も回動する。この場合、ハンドル軸用孔部336の周面は、増幅部334における回動基端側からハンドル用軸部材315の周面と当接している。
さらに調整用操作部材330が押圧操作されると、図23(c)に示すように、突部338a及び凹部337aは係合しつつも、さらに突部338bが凹部337bに対して係合する。この状況においては、ギア用バネ327の付勢力が突部338a及び凹部337aと突部338b及び凹部337bとのそれぞれの係合を通じて調整用操作部材330に伝わることになる。そして、調整用操作部材330の操作部333が、開口部335の時計回り方向側の壁面と当接する位置である最大操作位置まで操作されると、図23(d)に示すように、突部338a及び凹部337aは係合しない状態となる一方で、突部338b及び凹部337bは係合した状態が維持される。この状況においては、ハンドル軸用孔部336の周面は時計回り方向側からハンドル用軸部材315の周面と当接している。
したがって、調整用操作部材330のハンドル軸用孔部336は、その周面がハンドル用軸部材315の周面を沿うように形成されていることから、調整用操作部材330がいずれの回動位置に配置される状況でも、ハンドル軸用孔部336の周面のうちいずれかの箇所がハンドル用軸部材315の周面と当接する。また、凹部337a,337bが所定の間隔を隔てて設けられていることから、調整用操作部材330がいずれの回動位置に配置される状況でも、少なくともいずれか一方の凹部337a、337bに対して対応する突部338a,338bが係合する。
これら突部338a及び凹部337aの係合箇所と突部338b及び凹部337bの係合箇所は、いずれも調整用操作部材330において調整用軸部332までの距離が調整用軸部332から操作部333の外端までの距離よりも長くなるように設定されている。したがって、調整用操作部材330が回動すると、操作部333側の移動距離よりも凹部337a,337b側の移動距離のほうが長くなる。特に、突部338a,338bと係合させる凹部337a,337bを、ハンドル軸用孔部336における回動先端側に設けたことにより、その距離差は大きくなっている。これにより、調整用操作部材330の操作部333が押圧操作された場合、操作部333の移動量よりも凹部337a,337bにより突部338a,338bを介した第1ギア部材320の移動量を大きくすることが可能となっている。また、この場合の操作部333の移動量は、操作ハンドル313を同角度移動させた場合における、操作ハンドル313の外周における所定点の移動量よりも小さくなっている。
さらに、凹部337a,337bを有する調整用操作部材330の回動軸が、突部338a,338bを有する第1ギア部材320の回動軸よりも、これら凹部337a,337b及び突部338a,338bの係合箇所から離れた位置に配置されている。したがって、調整用操作部材330の凹部337a,337bと第1ギア部材320の突部338a,338bとが、内歯車と外歯車のように機能し、調整用操作部材330の回動角度よりも第1ギア部材320の回動角度のほうが大きくなる。これにより、調整用操作部材330の操作部333が押圧操作された場合、操作部333の回動角度よりも第1ギア部材320の回動角度を大きくすることが可能となっている。
つまり、本発射操作装置310によれば、調整用操作部材330が押圧操作されることにより、これら調整用操作部材330の操作量及び操作角度が増幅されて第1ギア部材320へ伝わるようになっている。さらに、調整用操作部材330によれば、操作ハンドル313が回動操作されるよりも少ない操作量で第1ギア部材320を回動させることが可能であるとともに、操作ハンドル313が回動操作されるよりも少ない操作角度で第1ギア部材320を回動させることが可能となっている。
しかし、上記の作用を実現すべく、調整用操作部材330の回動軸である調整用軸部332は、調整用操作部材330の中央よりも操作部333側に配置されていることから、特に操作部333側に調整用操作部材330を回動させる力を付与するとその回動軸に軸ぶれが生じ得る。この場合、第1ギア部材320には操作部333側に付与した力が分散した形で伝わることになり好ましくない。そこで、本実施形態においては、ハンドル用軸部材315を基部311に対して固定させたうえで、調整用操作部材330のハンドル軸用孔部336に対してハンドル用軸部材315を挿通し、ハンドル用軸部材315に沿って調整用操作部材330を回動させる形態としている。つまり、ハンドル軸用孔部336を、調整用操作部材330を回動させた場合における受け部として機能させることにより、上記軸ぶれの発生を抑制し安定性の向上を図っている。
また、上述の如く、操作ハンドル313及び調整用操作部材330のいずれを操作しても抵抗用ギア部材325を回動させることが可能な構成としているのに対して、これら操作ハンドル313及び調整用操作部材330を初期回動位置(初期位置)方向に付勢する手段として、調整用操作部材330には抵抗用ギア部材325を介して付勢するギア用バネ327が設けられており、操作ハンドル313にはハンドル用バネ313aが設けられている。可変抵抗器155側の部材である抵抗用ギア部材325に対してギア用バネ327を設けた理由は上述したが、操作ハンドル313に対してもハンドル用バネ313aを設けた理由は以下の通りである。
仮に、ハンドル用バネ313aを備えない構成とすると、操作ハンドル313を所定の回動位置に操作している状況で調整用操作部材330を操作すると、ギア用バネ327の付勢力は、抵抗用ギア部材325、第2ギア部材321及び第1ギア部材320を介して調整用操作部材330に伝わっているものの、操作ハンドル313と第1ギア部材320及び第2ギア部材321とがそれぞれ当接しない状況となるため、操作ハンドル313にはギア用バネ327の付勢力が伝わらないことになる。この場合、調整用操作部材330を操作することにより、操作ハンドル313に付与されていた付勢力が突然変化することになり、操作ハンドル313の位置変位につながりかねない。つまり、操作ハンドル313を所定の回動位置に保つ抗力が、調整用操作部材330を操作することにより変化するため、操作ハンドル313に対してさらに当該抗力を付与してしまうと、操作ハンドル313の回動位置が変位してしまう。これに対して、本構成のように操作ハンドル313に対しても直接付勢力を付与する構成とすることで、調整用操作部材330を操作したとしても操作ハンドル313にはハンドル用バネ313aの付勢力が付与されているため、操作ハンドル313を所定の回動位置に保つ抗力の変化が少なくなり、上記の位置変位を抑制することが可能となる。
また、操作ハンドル313を操作する場合にはハンドル用バネ313aの付勢力に加えてギア用バネ327の付勢力が付与され、調整用操作部材330のみ操作する場合にはギア用バネ327の付勢力が付与される構成とし、ギア用バネ327の付勢力をハンドル用バネ313aの付勢力よりも小さいものに設定した。本実施形態においては、調整用操作部材330を少ない操作量で遊技球の発射強度の変更を可能とする操作手段とする一方で、発射強度の微調整は操作ハンドル313で行う構成としている。そこで、上記のとおりギア用バネ327の付勢力をハンドル用バネ313aの付勢力よりも小さくすることで、調整用操作部材330に付与する付勢力をより小さくして操作の負担を軽減しつつ、操作ハンドル313に付与する付勢力を大きくして発射強度の微調整を可能としている。
次に、調整用操作部材330が設けられている位置と、調整用操作部材330及び操作ハンドル313が操作されることによる遊技球の発射強度の変更の様子について図24を参照して説明する。図24(a1)、図24(b1)及び図24(c1)は、発射操作装置310の内部構造を模式的に示す図であって、操作ハンドル313が回動操作された様子を説明するための図であり、図24(a2)、図24(b2)及び図24(c2)は、操作ハンドル313が回動操作された場合における発射強度を説明するための図である。
図24(a1)に示すように、調整用操作部材330を押圧操作していない状況で操作ハンドル313を第1範囲の回動操作量となるように回動操作した場合、図24(a2)に示すように、遊技球が左側領域PE2を流下する発射強度に設定される。上述の如く、操作ハンドル313を回動させても調整用操作部材330の位置変位は生じず、調整用操作部材330は初期位置に配置されている。
本実施形態であっても、左側領域PE2を流下する遊技球の方が右側領域PE3を流下する遊技球よりも上作動口33及び下作動口34への入賞が発生し易く、右側領域PE3を流下する遊技球の方が左側領域PE2を流下する遊技球よりも可変入賞装置32への入賞が発生し易い。したがって、通常遊技状態では、遊技者は操作ハンドル313を図24(a1)に示す状態、すなわち第1範囲の回動操作量となるように操作ハンドル313を回動操作して、図24(a2)に示すように、左側領域PE2を遊技球が流下するようにさせる。
一方、開閉実行モードに移行した場合には、右側領域PE3を遊技球が流下するように、発射操作装置310の操作態様を変更させる。その一手法としては、最大回動位置となるように操作ハンドル313を回動操作させる手法が挙げられる。しかしながら、通常遊技状態においては上作動口33への遊技球の入賞が発生し易い位置に向けて遊技球が発射されるように操作ハンドル313の回動操作量を調整することとなるが、操作ハンドル313を最大回動位置に配置する場合にはその調整された回動位置から操作ハンドル313を回動操作する必要が生じ、遊技者にとっては好ましくない。
これに対して、調整用操作部材330が設けられていることにより、操作ハンドル313の回動操作量を維持した状態のまま右側領域PE3を流下するように遊技球を発射させることが可能となる。この場合、図24(a1)に示すように、操作ハンドル313が第1範囲の回動操作量で回動操作されている場合には、調整用操作部材330の操作部333は、発射操作装置310において左方へ突出した状態となる。すなわち、操作ハンドル313が第1範囲の回動操作量で回動操作されている場合に調整用操作部材330を操作するためには、下方から上方に向けて操作部333を押圧操作する必要が生じる。このため、第2の実施形態のように手の重みを利用して操作することができない。
但し、調整用操作部材330は、右手の親指が添えられる指掛け部231よりも正面視で反時計回り方向に設けられており、調整用操作部材330を操作する場合には、当該指掛け部231に添えた親指を調整用操作部材330に添え代えることで操作可能である。すなわち、調整用操作部材330は手の重みを利用して操作する構造に代え、力の入りやすい親指で操作する構造としており、これにより操作性の向上を図っている。
第1範囲の回動操作量となるように操作ハンドル313を回動操作している状況で、図24(b1)及び図24(c1)に示すように調整用操作部材330が徐々に押圧操作されることにより、発射強度は、図24(b2)及び図24(c2)に示すように、操作ハンドル313の回動操作量に応じた発射強度から徐々に増加する。そして、図24(c1)に示すように、調整用操作部材330の最大操作位置まで押圧操作されると、図24(c2)に示すように、遊技球の発射強度は最大発射強度となり、遊技球は返しゴム26aに衝突した後に右側領域PE3を流下することとなる発射強度で発射される。
本実施形態においては、操作ハンドル313を上記の第1範囲の回動操作量で回動操作している場合に、調整用操作部材330を操作することで遊技球の発射強度を最大発射強度とすることが可能な構成としている。換言すれば、操作ハンドル313を上記の第1範囲よりも少ない回動操作量で操作している場合には、調整用操作部材330を操作しても、遊技領域PE内に遊技球を流下させることはできるものの最大発射強度とすることはできない構成としている。より詳細に、操作ハンドル313の回動位置と調整用操作部材330の操作による遊技球の発射強度とについて説明すると、まず、操作ハンドル313を操作せずに調整用操作部材330を操作しても、発射止めスイッチがONとなっていることから遊技球は発射されない。また、操作ハンドル313を発射止めスイッチ112がONからOFFに切り換わる位置まで回動操作している状況、すなわち、遊技球の発射はなされるものの遊技領域PEへは流下せず戻り球として図示しないファール球通路を介して下皿66aに排出される発射強度となるように操作している状況においては、調整用操作部材330を操作すると遊技球は遊技領域PEを流下するように発射され、さらに調整用操作部材330を最大操作位置まで操作すると、図24(b2)に示すように、上側領域PE1から左側領域PE2及び右側領域PE3のいずれへも遊技球が流下する発射強度となる。そして、操作ハンドル313を上記の第1範囲の回動操作量で回動操作している場合に、調整用操作部材330を最大操作位置まで操作すると図24(c2)に示すように、返しゴム26aに衝突した後に右側領域PE3を流下する発射強度となる。
したがって、少なくとも操作ハンドル313を所定量回動操作している状況において調整用操作部材330を操作することで遊技球を遊技領域へ発射させることが可能であって、操作ハンドル313を上記第1範囲よりも多く回動操作している状況において調整用操作部材330を操作することで遊技球の発射強度を最大発射強度とすることが可能となっている。つまり本実施形態においては、遊技球を発射させる操作手段としての役割を操作ハンドル313に主に委ね、調整用操作部材330をあくまでその発射強度の変更を可能とする補助用の操作手段として位置づけている。なぜなら、パチンコ機10における遊技としては、遊技者が操作ハンドル313を回動操作して、意図する領域へ遊技球を発射させ、遊技領域PEに設けられた開口部へ遊技球を入球させることが本来の遊技であるところ、操作ハンドル313に設けられた調整用操作部材330は、あくまで発射操作装置310の操作性を向上させるための補助的操作部であり、操作ハンドル313の操作を伴わず調整用操作部材330のみでいずれの領域へも遊技球を発射可能とすると、パチンコ機10の本来の遊技性を抹殺しかねないからである。
但し、操作ハンドル313と調整用操作部材330とのいずれを操作しても遊技球を各遊技領域PE1〜PE4へ発射させることが可能となる、という新たな遊技を創作するという観点からすると、本実施形態においても、調整用操作部材330のみを操作することで最大発射強度まで発射強度を向上させることが可能なように設定してもよい。
以上詳述した本実施形態によれば、調整用操作部材330の操作量を増幅させて可変抵抗器155に伝え、少ない操作量で遊技球の発射強度の変更が可能となる。具体的には、調整用操作部材330の回動中心は中央よりも操作部333側に配置されており、操作部333側の回動半径のほうが増幅部334側の回動半径よりも小さい。したがって、操作部333側を操作するとその移動量よりも大きく増幅部334側は移動し、増幅部334側の凹部337a,337bと第1ギア部材320の突部338a,338bとの係合箇所もその移動に伴い操作部333側の移動量よりも大きく移動する。さらに、調整用操作部材330の回動中心は、第1ギア部材320の回動中心よりも、凹部337a,337bと突部338a,338bとの係合箇所から離間させて配置されている。したがって、調整用操作部材330の回動角度よりも第1ギア部材320の回動角度のほうが大きくなる。つまり、操作部333側の移動量と操作角度の両面からその操作量を増幅させて可変抵抗器155に伝えることが可能となり、発射操作装置310の操作性の向上を図っている。
これら調整用操作部材330の操作量は、操作ハンドル313の操作量よりも少ない操作量で遊技球の発射強度を変更可能としている。つまり、調整用操作部材330の回動中心は、操作ハンドル313における外周側に配置されており、調整用操作部材330の操作部333を操作する回動半径よりも操作ハンドル313の外周における回動半径のほうが小さい。さらに、上述の如く調整用操作部材330を第1角度回動すると、可変抵抗器155に接続された抵抗用ギア部材325は第1角度よりも大きい第2角度回動して発射強度が変更されるのに対して、操作ハンドル313を操作することによって発射強度を同程度変更するためには操作ハンドル313を第2角度回動する必要がある。これにより、調整用操作部材330を操作することで操作ハンドル313を操作するよりも少ない操作量で遊技球の発射強度を変更することが可能となっている。
操作ハンドル313の回動軸であるハンドル用軸部材315を基部311に対して固定させ、ハンドル軸用孔部336を、その周面がハンドル用軸部材315の周面を沿うように形成した。そして、ハンドル用軸部材315を調整用操作部材330のハンドル軸用孔部336に対して挿通させた状態で、ハンドル用軸部材315の周面を沿うように調整用操作部材330を回動させる構成とした。上記のとおり、調整用操作部材330の回動中心が中央よりも操作部333側に配置されることから、調整用操作部材330の軸ぶれが懸念されるところ、本構成によれば、固定軸であるハンドル用軸部材315に沿って調整用操作部材330を回動させることが可能となり、上記懸念される軸ぶれを抑制することが可能となる。
さらに、ハンドル軸用孔部336においては、凹部337a,337bを所定の間隔を隔てて設けたことにより、調整用操作部材330のいずれの回動位置においても、少なくとも凹部337a,337bのうち一方を突部338a,338bと係合させることが可能となっている。
ハンドル軸用孔部336において、第1ギア部材320との係合箇所として凹部337a,337bをハンドル軸用孔部336における回動先端側の周面に設けた。これにより、上記の操作部333側との回動半径の差をさらに大きくすることが可能となる。
調整用操作部材330の操作を、操作ハンドル313の回動操作を遊技球発射機構51に伝える可変抵抗器155に対して伝えることで、遊技球の発射強度の変更が可能な構成とした。つまり、操作ハンドル313を操作することで第1ギア部材320及び第2ギア部材321が回動し抵抗用ギア部材325を介して可変抵抗器155にその操作量が伝わる構成としたうえで、当該第1ギア部材320及び第2ギア部材321を操作ハンドル313の操作だけでなく調整用操作部材330の操作によっても回動させることが可能な構成とした。より具体的には、操作ハンドル313と第1ギア部材320及び第2ギア部材321において、ギア用ガイド孔323a,323b及びギア側ボス322a〜322cの当接により、操作ハンドル313の回動に追従して第1ギア部材320及び第2ギア部材321が回動する構成としている。さらに、ギア用ガイド孔323a,323bには最大発射強度となる方向へ空間が生じており、操作ハンドル313の操作によらず第1ギア部材320及び第2ギア部材321のみを最大発射強度となる方向へ回動させることが可能となっている。そして、第1ギア部材320及び第2ギア部材321は上記の凹部337a,337b及び突部338a,338bの係合を介して調整用操作部材330により回動させることが可能であることから、上記のとおり、調整用操作部材330の操作と操作ハンドル313の操作とをいずれも一の可変抵抗器155にてその操作量を検出することが可能となっている。これにより、部材点数を削減しつつ上述した優れた効果を奏することが可能となる。
<第4の実施形態>
本実施形態では、発射操作装置の構成が上記第1〜第3の実施形態と異なっている。以下、その相違する構成について、図25〜図27を参照しながら説明する。図25は、本実施形態の発射操作装置410を前方から見た斜視図であり、図26は前方から見た発射操作装置410の分解斜視図であり、図27は後方から見た発射操作装置410の分解斜視図である。
図25に示すように、本実施形態における発射操作装置410は、上記発射操作装置71,210と同様に、基部411と、前面ユニット412と、操作ハンドル413とを備えている。但し、各構造がそれぞれ異なっている。
図26に示すように、基部411には、軸線方向に貫通した軸孔部414が一体形成され、当該軸孔部414に対して、ハンドル用軸部材415が挿通され、発射操作装置71,210と同様に、ハンドル用軸部材415は軸孔部414を中心に回動可能となっている。また、操作ハンドル413は、操作ハンドル74と同様に、内側環部420と外側環部421とが同心円となるように一体形成された二重環形状をなしている。ハンドル用軸部材415の中間位置には径方向に突出させてハンドル受け部416が一体形成されており、当該ハンドル受け部416よりも前方のハンドル側円筒部417が、内側環部420の中央において操作ハンドル413の軸線方向に貫通したハンドル側軸孔部422に対して挿通されている。上記発射操作装置310と同様に、ハンドル用軸部材415と操作ハンドル413とは固定されておらず、ハンドル用軸部材415は操作ハンドル413に対して回動可能となっており、また上述の如く、ハンドル用軸部材415は基部411に対しても軸線を中心に回動可能となっている。
発射操作装置71,210,310と同様に、基部411には複数のボス79a〜79cが、操作ハンドル413にはガイド孔85a,85bが、それぞれ一体形成されており、操作ハンドル413の回動は、当該ボス79a〜79cとガイド孔85a,85bとの当接により規制されている。また、操作ハンドル413は、ハンドル用バネ413aによって正面視で反時計回り方向に付勢されており、ハンドル用バネ413aに抗する力が加えられていない状況においては、反時計回り側の初期回動位置に配置される。
ハンドル用軸部材415と操作ハンドル413とについて、より詳述に、図26及び図27に加えて図28を参照して説明する。図28(a)はハンドル用軸部材415の正面図であり、図28(b)は操作ハンドル413の背面図である。なお図28(a)では、操作ハンドル413の正面視における概略を二点鎖線にて表示している。
操作ハンドル413の内側環部420は、ハンドル用軸部材415の外周を覆うように円筒状に形成され、ハンドル用軸部材415の径方向への変位が規制されている。また、上記ハンドル側軸孔部422は、内側環部420の前側の規制部423により形成されている。ハンドル側軸孔部422に対して、ハンドル用軸部材415のハンドル側円筒部417を後方から前方に向けて挿通すると、ハンドル受け部416が当該規制部423に後方から当接し、ハンドル用軸部材415の前方への抜けが規制される。
図28(a)に示すように、ハンドル用軸部材415のハンドル受け部416には、その外周縁から前方に向けて突出させた一対のリンク突起418a,418bが一体形成されている。また、リンク突起418a,418bは操作ハンドル413の回動軸を中心に180°間隔で配置されている。これに対して、図28(b)に示すように、内側環部420における規制部423の背面には、リンク突起418a,418bに対応させて、外周を前方へ凹ませて外周凹部424が形成されており、リンク突起418a,418bが当該外周凹部424に対して嵌合可能となっている。外周凹部424には、その円を遮るように複数の規制板425a,425b,425c,425dが後方に向けて起立させて一体形成されており、リンク突起418a,418bと規制板425a〜425dとの当接により、操作ハンドル413に対するハンドル用軸部材415の回動が規制されている。具体的には、図28(a)に示すように、リンク突起418aが反時計回り方向側から規制板425aと当接するとともに、リンク突起418bが反時計回り方向側から規制板425cと当接する所定の回動位置から、リンク突起418aが時計回り方向側から規制板425dと当接するとともに、リンク突起418bが時計回り方向側から規制板425bと当接する所定の回動位置までの範囲で、ハンドル用軸部材415は操作ハンドル413に対して回動可能となっている。
図27に示すように、ハンドル用軸部材415のハンドル受け部416の背面には軸側歯車415aが一体形成されており、発射操作装置310と同様に基部411に設けられた抵抗用ギア部材325の抵抗側歯車325aと噛み合っている。抵抗用ギア部材325は発射操作装置310と同様に、ギア用バネ327により正面視で時計回り方向に付勢されており、当該付勢力により、ハンドル用軸部材415は反時計回り方向に付勢されている。これにより、ハンドル用軸部材415はリンク突起418a,418bが反時計回り方向側から規制板425a,425cと当接する初期回動位置に配置される。
操作ハンドル413を正面視で時計回り方向に回動すると、上述の如く、リンク突起418aと規制板425aとが当接するとともに、リンク突起418bと規制板425cとが当接しているため、操作ハンドル413の回動に追従してハンドル用軸部材415も回動する。ハンドル用軸部材415が回動すると、軸側歯車415a及び抵抗側歯車325aを介して抵抗用ギア部材325も回動し、発射操作装置310と同様に抵抗用ギア部材325に対して接続された可変抵抗器155の抵抗値が変化して、遊技球の発射強度が変化する。
なお、本発射操作装置410にも、基部411には発射止めスイッチ112及びハンドル用タッチセンサ156が設けられており、発射止めスイッチ112がONとなっていないこと、及びハンドル用タッチセンサ156がONとなっていることを条件に、可変抵抗器155の抵抗値に応じた発射強度で、遊技球発射機構51から遊技球が発射される構成としている。また、本発射操作装置410にも、操作ハンドル413が初期回動位置に配置される場合に発射止めスイッチ112をONとすべく、操作ハンドル413には操作片87が設けられている。
次に、前面ユニット412について説明する。
図26に示すように、前面ユニット412は、発射操作装置410を前方から覆うハンドルカバー430と、操作ハンドル413の操作に因らずに遊技球の発射強度を向上させることを可能とする調整用操作部材440と、調整用操作部材440の移動範囲を規制する調整側カバー441と、調整用操作部材440の操作量を可変抵抗器155へ伝える内部ユニット450とを備えている。
ハンドルカバー430は、その前方に向けて膨出するようにその表面が滑らかな凸形となる球面状に形成されているとともに、当該球面を横方向に貫通したカバー孔部431が形成されている。調整用操作部材440は略直方体状をなし、当該カバー孔部431に対して調整用操作部材440の長手方向の辺が内外へ延在するように挿通されている。
調整用操作部材440の後方には、調整用操作部材440を後方から覆うように調整側カバー441が設けられている。調整側カバー441には、前後方向に貫通した調整側規制孔部442が形成されている。当該調整側規制孔部442の開口面は、調整用操作部材440の長手方向に長い長方形となるように形成されている。これに対して、調整用操作部材440の背面には、後方に向けて起立させて一対の規制板443a,443bが一体形成されている。規制板443a,443bは、上記調整側規制孔部442の長方形の短辺に相当する幅で形成されるとともに、所定の間隔を隔てて並列させて配置されている。そして、当該規制板443a,443bを調整側規制孔部442に対して前方から後方に向けて挿通させることで、調整用操作部材440の移動が規制されている。
すなわち、調整用操作部材440は、調整側規制孔部442における長手方向の一端の周面と規制板443aとが当接する所定位置から、他方の端の周面と規制板443bとが当接する所定位置まで移動が可能となっている。つまり、調整用操作部材440は、発射操作装置410に対して操作ハンドル413の回動方向とは異なる方向に移動可能となっている。より詳細には、調整用操作部材440はハンドルカバー430に対して、操作ハンドル413の径方向へ直線的に移動可能となっている。
そして、調整用操作部材440は、カバー孔部431から近い側の規制板443aと調整側規制孔部442の周面とが当接する位置に配置される状況においては、図25に示すように、調整用操作部材440における規制板443a,443bが設けられた側とは反対側の端である操作部440aがハンドルカバー430から突出するように配置される。また、カバー孔部431から遠い側の規制板443bと調整側規制孔部442の周面とが当接する位置に調整用操作部材440が配置される状況においては、当該操作部440aの外周面はハンドルカバー430の球面と略同一面となる位置に配置されるようになっている。
ハンドルカバー430と調整側カバー441とは、調整用操作部材440の移動による位置ずれを防止すべく固定されている。具体的には、ハンドルカバー430の背面には、後方に突出させてネジ孔部430a,430bが一体形成されている。これに対して、調整側カバー441にはネジ孔441a,441bが前後方向に貫通させて形成されている。そして、これらネジ孔部430a,430b及びネジ孔441a,441bを介して、図示しないネジにより、ハンドルカバー430と調整側カバー441とがネジ止め(固定)されている。
次に、前面ユニット412の背面側を構成する内部ユニット450について説明する。内部ユニット450は、上記の調整用操作部材440の直線運動を回動運動に変換する第1ギア部材460と、当該第1ギア部材460の回動を可変抵抗器155へ伝えるべく設けられた第2ギア部材470と、第1ギア部材460及び第2ギア部材470の移動範囲を規制するギア側カバー461と、これら各部材を後方から覆う保護カバー471と、からなる。
第1ギア部材460は上記調整側カバー441の後方に設けられ、正面視で横方向に延在するように形成されている。第1ギア部材460の横方向の一端側には、前後方向に貫通させて第1ギア側軸孔部462が形成されている。これに対して、第1ギア部材460の後方に配置されるギア側カバー461には、その前面における外周縁から前方に突出させて第1ギア用軸部463が一体形成されている。そして、当該第1ギア用軸部463が第1ギア側軸孔部462に対して後方から前方に挿通されることで、第1ギア部材460はギア側カバー461の第1ギア用軸部463に対して回動可能に軸支されている。
第1ギア部材460の前面の中央には前方に突出させて調整用突起464が一体形成されている。当該調整用突起464は、調整用操作部材440の規制板443aと規制板443bとの上記所定の間隔を直径とする円柱状に形成されている。そして、当該調整用突起464を規制板443a,443bの間に後方から前方に挿入することで、調整用操作部材440と第1ギア部材460とがリンクしている。すなわち、調整用操作部材440を横方向に移動させると、調整用突起464を介して第1ギア部材460に横方向の力が加わる一方で、当該第1ギア部材460はギア側カバー461における第1ギア用軸部463に軸支されていることから、規制板443a,443bに挟まれた調整用突起464が規制板443a,443bの間をスライド移動して、第1ギア部材460が回動するようになっている。
ギア側カバー461は、第1ギア部材460の回動による軸ぶれを防止すべく、第1ギア部材460を上記調整側カバー441と挟み込むように調整側カバー441に固定されている。具体的には、ギア側カバー461にはネジ孔461a〜461cが前後方向に貫通させて形成されている。これに対して、調整側カバー441には、ネジ孔441a,441bとは別途、ネジ孔441c〜441eが前後方向に貫通させて形成されている。そして、これらネジ孔441c〜441e,461a〜461cを介して、図示しないネジにより調整側カバー441とギア側カバー461とがネジ止め(固定)されている。
第1ギア部材460及びギア側カバー461の後方には第2ギア部材470が設けられている。まず、第2ギア部材470とギア側カバー461の関係について簡単に説明する。図27に示すように、ギア側カバー461の背面の中央には、ギア用軸部465が後方に突出させて形成されている。これに対して、第2ギア部材470は円筒形をなし、当該円筒内に上記ギア用軸部465が前方から後方に向けて挿入されることで、第2ギア部材470はギア側カバー461のギア用軸部465に対して回動可能に軸支されている。また、第2ギア部材470においてギア側カバー461と当接する部分は、径方向に膨出させて複数のカバー受け部472が一体形成されている。これにより、第2ギア部材470の回動における軸ぶれが抑制されている。
次に、第1ギア部材460と第2ギア部材470との関係について説明する。図26、図27に示すように、ギア側カバー461には、前後方向に貫通させてギア側規制孔部466が形成されている。当該ギア側規制孔部466の開口面は、第1ギア部材460の回動中心である第1ギア用軸部463を中心として円弧状に一定の曲率となるように湾曲させて形成されている。これに対して、第2ギア部材470には、上記カバー受け部472のうち一の前面から前方に突出させてギア用突起473が一体形成されている。そして、ギア用突起473がギア側カバー461のギア側規制孔部466に対して後方から前方に向けて貫通している。また、第1ギア部材460の第1ギア側軸孔部462が設けられている側と横方向において反対側の端は、第1ギア側軸孔部462に向けて凹ませてギア用凹部467が形成されている。そして、ギア用突起473においてギア側カバー461の前方に突出した部分に対して当該ギア用凹部467が噛み合っている。これにより、第1ギア部材460と第2ギア部材470とがリンクしている。すなわち、第2ギア部材470は、上記のようにギア用突起473をギア側規制孔部466に挿通させた状態で回動させることが可能であり、ギア用突起473とギア用凹部467とが噛み合っていることから、第1ギア部材460を回動させると、第2ギア部材470も回動するようになっている。
上記のとおり、第1ギア部材460の回動中心を、第2ギア部材470の回動中心よりも、第1ギア部材460及び第2ギア部材470の係合箇所から離れた位置に配置しており、第3の実施形態と同様に、第1ギア部材460の内歯車に対して第2ギア部材470が噛み合うような関係となり、第1ギア部材460の回動角度よりも第2ギア部材470の回動角度のほうが大きくなる。
第2ギア部材470の後方には、保護カバー471が設けられている。保護カバー471の中央には前後方向に貫通させてカバー側軸孔部474が形成されている。当該カバー側軸孔部474に対して、第2ギア部材470においてカバー受け部472よりも後側の部分であるギア側円筒部475が挿通されている。そして、第2ギア部材470の軸ぶれを抑制すべく、保護カバー471は、第2ギア部材470を上記ギア側カバー461と挟み込むようにギア側カバー461に固定されている。具体的には、保護カバー471にはネジ孔471a〜471cが前後方向に貫通させて形成されている。これに対して、ギア側カバー461には、ネジ孔461a〜461cとは別途、ネジ孔461d〜461fが前後方向に貫通させて形成されている。そして、これらネジ孔461d〜461f,471a〜471cを介して、図示しないネジによりギア側カバー461と保護カバー471とがネジ止め(固定)されている。
次に、これら調整用操作部材440、第1ギア部材460及び第2ギア部材470の動作を可変抵抗器155へ伝える機構について説明する。
図27に示すように、第2ギア部材470におけるギア側円筒部475には、径方向に突出させてギア側突起476が一体形成されている。これに対して、上述のハンドル用軸部材415のハンドル側円筒部417には、図26に示すように、当該ギア側突起476に対応させて切欠き部417aが設けられている。そして、第2ギア部材470のギア側円筒部475をハンドル用軸部材415のハンドル側円筒部417に対して前方から後方に向けて挿通させるとともに、ギア側円筒部475のギア側突起476をハンドル側円筒部417の切欠き部417aに係合させることで、第2ギア部材470とハンドル用軸部材415とが固定されている。したがって、第2ギア部材470とハンドル用軸部材415とが一体的に回動するようになっている。また、ギア用バネ327の付勢力により、第2ギア部材470も反時計回り方向に付勢されている。
また、ハンドル用軸部材415は、操作ハンドル413の回動操作とは独立して抵抗用ギア部材325を回動させることが可能となっている。具体的には、図28(a)に示すように、リンク突起418a,418bは反時計回り方向から規制板425a,425cと当接している一方で、時計回り方向には当接していない。したがって、第2ギア部材470は、操作ハンドル413とは独立してリンク突起418a,418bが規制板425b,425dと時計回り方向から当接するまで回動させることが可能となっている。
つまり、操作ハンドル413の回動操作とは独立して調整用操作部材440を操作することに基づいて、遊技球の発射強度を変更することが可能となっている。
また、これら調整用操作部材440、第1ギア部材460及び第2ギア部材470の移動規制を行う各カバー430,441,461,471は、基部411に対して固定されている。具体的には、ギア側カバー461には、基部411に設けられたボス79a〜79cに対応させてネジ孔461a〜461fとは別途、ネジ孔461g〜461iが前後方向に貫通させて形成されている。そして、ネジ孔461g〜461iを介して図示しないネジによりボス79a〜79cとネジ止め(固定)されている。これにより、上述の如く各カバー430,441,461,471は互いに固定されていることから、いずれのカバー430,441,461,471も基部411に対して固定されている。したがって、調整用操作部材440、第1ギア部材460及び第2ギア部材470の各部材が動作してもこれらカバー430,441,461,471は位置変位が生じない。
ここで、調整用操作部材440が操作されることに基づく、第1ギア部材460及び第2ギア部材470の動作の関係について、図29を参照して説明する。図29(a)〜(d)は、調整用操作部材440、第1ギア部材460及び第2ギア部材470の動作の関係について説明するための、発射操作装置410の内部構造を模式的に示す説明図である。図29においては、第1ギア部材460及び第2ギア部材470以外の各部材については省略するとともに、ハンドルカバー430におけるカバー孔部431、ギア側カバー461におけるギア側規制孔部466、調整側カバー441における調整側規制孔部442及び調整用操作部材440を二点鎖線にて表示している。また、第1ギア部材460及び第2ギア部材470をドットハッチにて表示している。
第2ギア部材470のギア用突起473は第1ギア部材460のギア用凹部467と係合している。そして、第2ギア部材470は正面視で反時計回り方向に付勢されている。したがって、第1ギア部材460も反時計回り方向に付勢されている。また、調整用突起464が規制板443a,443bに挟み込まれていることにより、調整用操作部材440は横方向に付勢されている。当該付勢力に抗する力が付与されていない状況においては、図29(a)に示すように、調整用操作部材440は、調整用操作部材440においてカバー孔部431から近い側の規制板443aと調整側規制孔部442の周面とが当接する初期位置に配置される。
調整用操作部材440を上記初期位置から横方向に移動させると、図29(b)〜(c)に示すように、調整用操作部材440が第1ギア部材460を回動させるとともに、第1ギア部材460が第2ギア部材470を回動させる。より具体的には調整用操作部材440の規制板443a,443bと第1ギア部材460の調整用突起464との当接箇所が、調整用操作部材440操作されることにより当該操作方向と交差する方向にスライド移動し、第1ギア部材460は第1ギア用軸部463を中心に回動する。第1ギア部材460が回動すると、第2ギア部材470のギア用突起473と第1ギア部材460のギア用凹部467との係合により、第2ギア部材470も回動する。調整用操作部材440を、図29(d)に示すように、調整用操作部材440においてカバー孔部431から遠い側の規制板443bと調整側規制孔部442の周面とが当接する位置である最大操作位置まで操作すると、第1ギア部材460及び第2ギア部材470も当該位置において最大移動位置となる。
このように、調整用操作部材440を操作することで第2ギア部材470が回動する。また、上述の如く、第2ギア部材470はハンドル用軸部材415と固定されていることから、ハンドル用軸部材415と噛み合った抵抗用ギア部材325も回動し、可変抵抗器155の抵抗値は変化して遊技球の発射強度が変化する。但し、上記各発射操作装置71,210,310と同様に、操作ハンドル413が初期回動位置に配置されている状況においては、発射止めスイッチ112がONとなる構成としている。したがって、少なくとも操作ハンドル413を発射止めスイッチ112がOFFとなる位置まで初期回動位置から回動させた状況、すなわち遊技球が発射されるものの遊技領域PEには到達せず戻り球となる発射強度となる位置まで操作ハンドル413を回動させた状況で、調整用操作部材440を操作すると、その操作量に応じて遊技球の発射強度が変更される。そして、図示はしないが、調整用操作部材440が上記の最大操作位置まで操作されると、遊技球の発射強度は最大発射強度となるように設定されている。
また、操作ハンドル413を回動するとハンドル用軸部材415が回動することから、第2ギア部材470及び第1ギア部材460を介して調整用操作部材440も移動する。すなわち、操作ハンドル413の回動に追従して調整用操作部材440も移動する構成としている。そして、操作ハンドル413を初期回動位置から最大発射強度となる最大回動位置まで回動させた状況下においては、調整用操作部材440も最大操作位置まで移動するように設定されており、調整用操作部材440はそれよりも遊技球の発射強度を向上させる方向への操作が不可となる。さらに、この状況においては、リンク突起418a,418bが反時計回り方向側から規制板425a,425cと当接しており、調整用操作部材440は、操作ハンドル413の回動を伴わなければ遊技球の発射強度を減少させる方向への操作も不可となっている。したがって、本実施形態における調整用操作部材440は、操作ハンドル413を発射止めスイッチ112がOFFとなる所定位置から少なくとも最大回動位置よりも少ない回動量となる位置で回動操作している状況において、遊技球の発射強度を操作ハンドル413の操作に因らず向上させることが可能な操作手段といえる。
また、操作ハンドル413の回動に追従して調整用操作部材440が初期位置から最大操作位置まで移動していることから、操作ハンドル413を所定量操作している状況で調整用操作部材440を操作すると、操作ハンドル413を当該所定量よりも少ない量操作している状況と比較して、調整用操作部材440の最大操作位置までの操作量は相対的に少なくすむ。つまり、本実施形態における調整用操作部材440は、最大操作位置までの操作量が、操作ハンドル413の回動位置によって変化する構成といえる。
また、調整用操作部材440の操作方向が、操作ハンドル413の回動方向とは異なる方向となるように設定されている。すなわち、操作ハンドル413は回動操作により遊技球の発射強度を変更させる構成であるのに対して、調整用操作部材440は当該操作ハンドル413における径方向へ押圧操作することで遊技球の発射強度を変更可能としている。より具体的には、調整用操作部材440は操作ハンドル413の回動中心に向かう方向に直線的に操作することで遊技球の発射強度を変更可能としている。これにより、調整用操作部材440の操作に基づいて操作ハンドル413の回動位置が変化してしまうことを抑制している。
ここで、調整用操作部材440が設けられている位置について、図25を再度参照して説明する。
図25に示すように、調整用操作部材440は、発射操作装置410に遊技者の右手が添えられた状況において、手の平部分と当接する位置に配置されている。より具体的には、右手の親指の腹が調整用操作部材440と当接するようにハンドルカバー430から突出させて配置されている。したがって、遊技者が調整用操作部材440を操作する場合、右手を握りこむことで操作可能となっている。これにより、調整用操作部材440を操作する際の操作ハンドル413の位置変位が抑制され、この点、発射操作装置410の操作性の向上が図られている。
さらに、調整用操作部材440の操作においては、操作ハンドル413に添えられた右手のいずれの指の動作も必要とせず、調整用操作部材440を操作している状況において、すなわち右手を握りこんでいる状況において、いずれの指の自由も奪われていないことから、発射止めスイッチ112等を操作する状況においても不自由なく操作可能としている。この点、調整用操作部材440を操作する場合にいずれかの指での操作を必要とする構成と比較して、発射操作装置410の操作性の向上が図られている。
特に、操作ハンドル413以外の操作手段である調整用操作部材440や発射止めスイッチ112は、基部411やハンドルカバー430といった位置変位が生じない部材に設けられている。したがって、これら調整用操作部材440及び発射止めスイッチ112は操作ハンドル413を回動操作しても位置関係に変化は生じない。これにより、操作ハンドル413がいずれの回動位置に配置される状況においても、調整用操作部材440を操作しつつ発射止めスイッチ112を操作することが可能となっている。
以上、詳述した本実施形態によれば、調整用操作部材440の操作方向が操作ハンドル413の操作方向とは異なる構成としたため、調整用操作部材440を操作する際の操作ハンドル413の位置変位が抑制される。具体的には、調整用操作部材440の操作方向は操作ハンドル413における径方向である。より詳細には、調整用操作部材440は操作ハンドル413の軸線に向かう方向に操作することで遊技球の発射強度の変更を行う構成である。また、操作ハンドル413が回動操作により遊技球の発射強度が変更されるのに対して、調整用操作部材440は直線的に操作されることにより遊技球の発射強度が変更される構成としている。これにより、操作ハンドル413の位置変位を抑制しつつ調整用操作部材440を操作することが可能となり、発射操作装置410の操作性の向上が図られている。
また、調整用操作部材440を操作する際には、発射操作装置410に添えた手の指による操作を要しない構成とした。具体的には、調整用操作部材440はハンドルカバー430から横方向に突出するように設けられており、発射操作装置410に添えられた右手の平で操作可能となっている。つまり、調整用操作部材440は、右手を握りこむことで操作可能であり、調整用操作部材440を操作する際の手の動作が最小限といえる。これにより、操作ハンドル413の位置変位を好適に抑制することが可能となっている。
さらに、調整用操作部材440は指での操作を不要としていることから、調整用操作部材440及び発射止めスイッチ112を同時に操作する状況となった場合であっても不自由なくそれぞれの操作を可能としている。したがって、発射止めスイッチ112の操作性という観点からも発射操作装置410の操作性の向上が図られている。
操作ハンドル413が回動操作されると調整用操作部材440も当該回動に追従して移動する構成とした。つまり、操作ハンドル413が初期回動位置から最大回動位置まで回動操作されると、調整用操作部材440もその回動に追従して初期位置から最大操作位置まで移動する構成としている。したがって、操作ハンドル413が所定の回動位置に配置される状況においては、調整用操作部材440も操作ハンドル413の上記所定の回動位置に対応する位置に配置される。つまり、この状況において、発射強度を最大発射強度とするための調整用操作部材440の操作量は、上記初期位置から最大操作位置までの操作量と比較して少なくすむ。これにより、発射操作装置410の操作性の向上を図ることができる。
<第5の実施形態>
本実施形態では、発射操作装置の構成が上記第1〜第4の実施形態と異なっている。以下、その相違する構成について、図30〜図32を参照しながら説明する。図30は、本実施形態の発射操作装置510を前方から見た斜視図であり、図31は前方から見た発射操作装置510の分解斜視図であり、図32は後方から見た発射操作装置510の分解斜視図である。
図30に示すように、本実施形態における発射操作装置510は、上記発射操作装置71,210,310,410と同様に、基部511と、発射操作装置510を前方から覆うハンドルカバー512と、操作ハンドル513と、を備えている。
図31に示すように、基部511は、筒状に形成されており、上記各発射操作装置71と同様に、一方の開口側にはその内径及び外径をともに拡張させて拡径領域75が形成されている。当該拡径領域75の中央には前方に突出させて円筒形の円筒部514が一体形成されている。そして、当該円筒部514における円筒内部の軸孔部514aに対して、ハンドル用軸部材515が挿通されている。したがって、発射操作装置71,210と同様に、ハンドル用軸部材515は軸孔部514aを中心に回動可能に支持されている。ハンドル用軸部材515の中間位置には径方向に向けて突出させて固定用環部516が一体形成されており、当該固定用環部516に固定させて操作ハンドル513が設けられている。
操作ハンドル513は、操作ハンドル74と同様に、内側環部520と外側環部521とが同心円となるように一体形成された二重環形状をなしており、内側環部520の中央には操作ハンドル513の軸線方向に貫通したハンドル側軸孔部522が形成されている。そして、当該ハンドル側軸孔部522に対してハンドル用軸部材515における固定用環部516よりも前側の円筒部517が挿通されている。なお、操作ハンドル513にも、外側環部521の外周面には径方向へ突出させて指掛け部523,524,525が一体形成されており、当該指掛け部523〜525に指を掛けた状態で操作ハンドル513の回動操作を行うことができるようになっている。
上記各発射操作装置71,210,310,410と同様に、基部511には複数のボス79a,79cが、操作ハンドル513にはガイド孔85a,85bが、それぞれ一体形成されており、操作ハンドル513の回動は、当該ボス79a,79cとガイド孔85a,85bとの当接により規制されている。但し、本発射操作装置510においては、ボス79bが設けられておらず、その分、ガイド孔85bの貫通範囲が上記各発射操作装置71,210,310,410よりも狭められている。つまり、ボス79bが設けられておらずガイド孔85bの貫通範囲が異なるものの、操作ハンドル513の回動範囲は、上記各発射操作装置71,210,310,410における回動範囲と同範囲となっている。
操作ハンドル513の回動を可変抵抗器155に伝えるべく、ハンドル用軸部材515における固定用環部516の背面にはハンドル側歯車515aが一体形成されている。当該ハンドル側歯車515aに噛み合うようにギアユニット530が設けられている。そしてギアユニット530は可変抵抗器155に接続されている。
ギアユニット530についてより詳細に説明すると、ギアユニット530は、第1ギア部材531及び第2ギア部材532から構成されている。前側の第1ギア部材531には、その中央に軸線方向へ貫通した第1軸孔部531aが形成されており、後側の第2ギア538の中央から前方に突出させて形成された第2軸部532aが当該第1軸孔部531aに挿通され、第1ギア部材531は第2ギア部材532に対して回動可能に支持されている。そして、第2ギア部材532の背面において後方へ突出形成された第2軸孔部532bに可変抵抗器155が接続されている。
図32に示すように、第1ギア部材531の背面には後方に起立させて一対の規制板531b,531cが一体形成されている。当該規制板531b,531cはギアユニット530の軸線を中心に180°間隔に配置されている。これに対して、図31に示すように、第2ギア部材532の前面には前方に突出させて一対のリンク突起532c,532dが一体形成されている。当該リンク突起532c,532dはギアユニット530の軸線を中心に180°間隔に配置されている。第1ギア部材531を正面視で反時計回り方向へ回動させると、規制板531bとリンク突起532cとが当接するとともに、規制板531cとリンク突起532dとが当接し、第2ギア部材532も反時計回り方向へ回動する。
操作ハンドル513と固定されたハンドル用軸部材515のハンドル側歯車515aは、上記第1ギア部材531と噛み合っている。したがって、操作ハンドル513を回動させると、ハンドル側歯車515aを介して第1ギア部材531を回動させ、第1ギア部材531は規制板531b,531cとリンク突起532c,532dとにより第2ギア部材532を回動させる。そして、その回動量が可変抵抗器155に伝わり遊技球発射機構51における遊技球の発射強度が変更される。
なお、本発射操作装置510も発射止めスイッチ112及びハンドル用タッチセンサ156が設けられており、発射止めスイッチがOFFであること、及びハンドル用タッチセンサ156がONであることを条件に、操作ハンドル513の回動量に応じた発射強度で遊技球が発射される。また、操作ハンドル513が反時計回り方向側でボス79a,79cとガイド孔85a,85bとにより規制される位置に配置される状況において、発射止めスイッチ112をONとすべく操作片87が操作ハンドル513に設けられている。
次に、操作ハンドル513の操作に因らずに遊技球の発射強度を向上させることを可能とする調整用操作部材540と、調整用操作部材540の操作量を可変抵抗器155に伝える扇型ギア部材550と、について、図31、図32に加えて図33を参照して説明する。図33(a)はハンドルカバー512、操作ハンドル513を取り外した状態の発射操作装置510を正面からみてハンドル用軸部材515の一部を破断した破断図であり、図33(b)はハンドルカバー、操作ハンドル513及びハンドル用軸部材515を取り外した状態の発射操作装置510の正面図である。
図31及び図32に示すように、調整用操作部材540は基部511内部において基部511の径方向に延在させて設けられている。具体的には、調整用操作部材540は、基部511の円筒部514を跨ぐようにU字状に形成された第1板541と、当該第1板541と前後方向に並列させて設けられた第2板542と、これら第1板541と第2板542とを前後方向に連結する連結板543と、からなる。連結板543は、基部511の径方向において第1板541の外端と第2板542の内端とを連結し、調整用操作部材540はクランク状の折れ曲り形状をなしている。
基部511の拡径領域75における外周には、調整用操作部材540を露出させるように内外に貫通させた開口部544が形成されている。また、調整用操作部材540における第2板542の外端には、前後両方向に起立させて操作板545が一体形成されている。そして、上記基部511の開口部544に調整用操作部材540の操作板545が嵌合している。
図33(a)及び図33(b)に示すように、拡径領域75の外周における開口部544の周方向の両端からは、一対のガイド板546a,546bが基部511内部に向けて起立させて形成されている。当該ガイド板546a,546bは、平行に起立させて形成されている。また、ガイド板546aにおけるガイド板546bに向く面からはガイド突起547aが突出形成され、ガイド板546bにおけるガイド板546aに向く面からはガイド突起547bが突出形成されている。これに対して、図31及び図32に示すように、操作板545の内側の面には、第2板542と所定の間隔を隔てて当該ガイド突起547a,547bを前後方向に挟むようにスライド板548が起立させて一体形成されている。また、操作板545の周方向の両端には、ガイド突起547a,547bに対応させて切欠き部549a,549bが形成されている。これらにより、調整用操作部材540は基部511における径方向に移動が可能となっている。すなわち、発射操作装置410と同様に、本発射操作装置510における調整用操作部材540も、操作ハンドル513の回動方向と異なる方向に操作される構成であり、詳細には操作ハンドル513の回動軸に向かう方向へ操作される構成としている。
操作板545の前面において操作ハンドル513の外側環部521の厚み分だけ内側の位置には、前方へ向けて規制突起545aが突出形成されている。これにより、調整用操作部材540は規制突起545aと外側環部521とが当接することで、外方への移動が規制されている。また、調整用操作部材540を操作ハンドル513の軸線に向けて移動させると、上述の第1板541におけるU字の谷部分が基部511の円筒部514に当接する。したがって、調整用操作部材540は、規制突起545aと外側環部521とが当接する位置から、第1板541におけるU字の谷部分が基部511の円筒部514に当接する位置まで移動可能となっている。そして、当該規制突起545aに対して調整用バネ540bが設けられており、調整用操作部材540を操作ハンドル513の軸線から離間する方向に付勢している。すなわち、調整用操作部材540は、当該調整用バネ540bに抗する力が付与されていない状況においては、規制突起545aと外側環部521とが当接する位置である初期位置に配置され、当該調整用バネ540bに抗する力が付与されることで、第1板541のU字の谷部分が基部511の円筒部514に当接する位置である最大操作位置まで移動可能となっている。
扇型ギア部材550は、前後方向に貫通させたギア用軸孔部551を有している。当該ギア用軸孔部551に基部511の円筒部514が後方から前方に向けて挿通されており、扇型ギア部材550は基部511の円筒部514に対して回動可能に軸支されている。
扇型ギア部材550は、その前端が調整用操作部材540における第1板541と後方から当接するように配置されている。そして、扇型ギア部材550における軸の前端からは、調整用操作部材540の連結板543に向けて台形状に突出させて規制部552が一体形成されている。規制部552は、調整用操作部材540が初期位置に配置される状況において、連結板543と所定の空間を隔てて近接するように形成されている。より具体的には、調整用操作部材540が初期位置に配置される状況において扇型ギア部材550が回動可能となる程度、扇型ギア部材550の規制部552が連結板543との間に所定の空間が設けられている。そして、調整用操作部材540を初期位置から最大操作位置へ向けて押圧操作すると、調整用操作部材540の連結板543と扇型ギア部材550の規制部552とが当接する。これら連結板543と規制部552とが当接する箇所は、調整用操作部材540を操作する操作力が扇型ギア部材550の回動軸に向かうように形成されている。より具体的には、連結板543の扇型ギア部材550側の面である押圧面543aと、規制部552の連結板543側の面である規制面552aと、が平行となるように形成され、調整用操作部材540の操作力が扇型ギア部材550の回動軸に向けて伝わるようになっている。そして、各面543a,552aは、扇型ギア部材550を所定量回動させた状況でも上記平行となる関係が維持されるように、一定の曲率で湾曲させて形成されている。
したがって、調整用操作部材540が初期位置に配置される状況においては上記所定の空間により扇型ギア部材550が回動可能である。一方で、扇型ギア部材550が当該位置に配置される状況においては、押圧面543a及び規制面552aが平行となるように配置されることから、調整用操作部材540を押圧操作すると、押圧面543aと規制面552aとが当接して扇型ギア部材550は回動せず、調整用操作部材540を当該押圧面543aと規制面552aとが当接する位置以上は押圧操作することができない。
扇型ギア部材550の軸線を挟んで扇型ギア部材550における上記規制部552の反対側には、軸線を中心とした扇状に突出させて拡張部553が一体形成されている。拡張部553には、その外周端が前方に向けて突出するとともに当該突出させた部分から内側に向けてギア側歯車550aが形成されている。また、拡張部553には前後方向に貫通させてギア側貫通孔554が形成されている。当該ギア側貫通孔554は上述のギアユニット530を挿通させた状態で扇型ギア部材550を回動させることが可能なように形成されている。そして、当該ギア側貫通孔554に、ギアユニット530が挿通されるとともに、ギア側歯車550aと噛み合っている。より詳細には、ギアユニット530の第2ギア部材532における第2軸孔部532bがギア側貫通孔554に挿通されるとともに、第2ギア部材532がギア側歯車550aと噛み合っている。
すなわち、操作ハンドル513を時計回り方向に回動させると、第1ギア部材531及び第2ギア部材532は反時計回り方向に回動し、第2ギア部材532が回動することにより扇型ギア部材550も反時計回り方向に回動するようになっている。
扇型ギア部材550が回動すると、押圧面543aと規制面552aとが非平行となる。そして、各面543a,552aが非平行となることにより、調整用操作部材540を押圧操作した場合の押圧面543aと扇型ギア部材550との当接箇所が正面視で左方に移動する。つまり、調整用操作部材540を操作する操作力が、扇型ギア部材550に対して扇型ギア部材550の回動軸へ向かう方向以外にも伝わるようになる。これにより、調整用操作部材540は扇型ギア部材550を回動させつつ押圧操作することが可能となる。より具体的には、調整用操作部材540を扇型ギア部材550と当接するまで押圧操作が可能であるとともに、扇型ギア部材550と当接した後は扇型ギア部材550を回動させながら押圧操作することが可能となる。
ここで、第1ギア部材531と第2ギア部材532は、第1ギア部材531を回動させずに第2ギア部材532のみを回動させることが可能となっている。すなわち、リンク突起532c,532dが時計回り方向から規制板531b,531cと当接している状況においては、リンク突起532c,532dは反時計回り方向から規制板531b,531cと当接するまでの範囲で、第1ギア部材531を回動させずに第2ギア部材532を回動させることが可能となっている。
したがって、調整用操作部材540を押圧操作して扇型ギア部材550が回動すると、第1ギア部材531を回動させることなく第2ギア部材532を回動させることができ、第2ギア部材532に接続された可変抵抗器155の抵抗値を変化させ遊技球の発射強度の変更を行うことができる。
ここで、押圧面543aと規制面552aとが非平行となる場合の操作ハンドル513の回動位置について、より詳細に説明する。まず、上記の押圧面543aと規制面552aとが平行となる状況とは、操作ハンドル513の操作片87により発射止めスイッチ112がONとなっている状況である。操作片87はその厚みにより発射止めスイッチ112をONとする構成としている。したがって、操作ハンドル513が初期回動位置に配置される状況から所定量回動されても、操作片87の厚み分発射止めスイッチ112のON状態が維持される。また、両面543a,552aは、上述の如く、扇型ギア部材550が所定量回動しても平行関係が維持されるように湾曲させて形成されており、当該平行関係が保たれる扇型ギア部材550の回動量は、操作片87により発射止めスイッチ112のON状態が維持される操作ハンドル513の回動量に対応するように設定されている。そして、操作ハンドル513を発射止めスイッチがONからOFFへと切り換わる第1操作位置まで回動させると、遊技球の発射はなされるものの遊技領域PEに到達せず戻り球となる発射強度で発射される。つまり、両面543a,552aが非平行となる状況とは、操作ハンドル513を発射止めスイッチ112がOFFとなるように第1操作位置まで回動させた状況であり、少なくとも遊技球の発射がなされている状況である。
調整用操作部材540が最大操作位置まで操作されると、扇型ギア部材550は、第2ギア部材532を可変抵抗器155の抵抗値が遊技球の発射強度が最大発射強度となる位置まで回動させることが可能となっている。すなわち、扇型ギア部材550は、調整用操作部材540の連結板543と規制部552とが近接するとともに、押圧面543a及び規制面552aが平行となる時計回り方向側の位置から、遊技球の発射強度が最大発射強度となる反時計回り方向側の位置まで回動させることが可能となっている。そして、扇型ギア部材550を最大発射強度となる位置まで回動させると、扇型ギア部材550における規制部552及び拡張部553の調整用操作部材540を向く面が、調整用操作部材540の押圧面543aと平行となる。
扇型ギア部材550には、扇型ギア部材550を時計回り方向に付勢するギア用バネ550bが設けられている。これにより、扇型ギア部材550は、ギア用バネ550bの付勢力に抗する力が付与されていない状況においては、上記の時計回り方向側の位置である初期位置に配置される。また、扇型ギア部材550に付与された付勢力は、第2ギア部材532に伝わり、第1ギア部材531及び第2ギア部材532は、リンク突起532c,532dが時計回り方向から規制板531b,531cに当接している状況となっている。したがって、第2ギア部材532に伝わった付勢力が第1ギア部材531を時計回り方向に回動させる力として伝わり、操作ハンドル513には逆方向の反時計回り方向へ回動させる力として伝わる。そして、操作ハンドル513は、上記ギア用バネ550bの付勢力に抗する力が付与されていない状況では、反時計回り方向側の初期回動位置に配置され、操作ハンドル513を当該初期回動位置から回動させると、操作ハンドル513は時計回り方向側の最大回動位置まで操作可能となっている。
次に、操作ハンドル513及び調整用操作部材540が操作されることに基づく、ハンドル用軸部材515、ギアユニット530及び扇型ギア部材550の動作の様子を、図34を参照して説明する。図34(a)〜図34(d)は、操作ハンドル513及び調整用操作部材540が操作されることに基づく、ハンドル用軸部材515、ギアユニット530及び扇型ギア部材550の動作の様子を説明するための発射操作装置510の内部構造を模式的に示す模式図である。なお、図34においては、調整用操作部材540を二点鎖線で表示するとともに、ハンドル用軸部材515及び扇型ギア部材550をドットハッチにて表示している。また、ハンドル用軸部材515は固定用環部516におけるハンドル側歯車515aに関する部分のみ表示している。
図34(a)に示すように、操作ハンドル513の初期回動位置においては、調整用操作部材540及び扇型ギア部材550も初期位置に配置される。この場合、調整用操作部材540を操作ハンドル513の軸線に向かう方向に押圧操作すると、上述の如く調整用操作部材540の連結板543と規制部552とが近接するとともに、押圧面543a及び規制面552aが平行となっていることから、調整用操作部材540は扇型ギア部材550と当接する位置までしか押圧操作できない。つまり、調整用操作部材540を操作することで遊技球の発射操作を変更することができない。この状況においては、発射止めスイッチ112はONとなっている。操作ハンドル513を少なくとも発射止めスイッチ112がOFFとなる位置である第1操作位置まで回動操作すると、ハンドル用軸部材515がギアユニット530を回動させるとともに、扇型ギア部材550も回動する。この場合、ギアユニット530における第2ギア部材532も回動していることから可変抵抗器155の抵抗値が変化し、抵抗値に応じた発射強度で遊技球発射機構51から遊技球が発射される。但し操作ハンドル513が第1操作位置に配置される場合、遊技球は遊技領域PEに到達せず戻り球となる発射強度で発射されている。さらに、図34(b)に示すように、上記第1操作位置よりも最大回動位置側の第2操作位置まで操作ハンドル513を回動操作すると、遊技球は遊技領域PEに到達する発射強度で発射される。そして、図34(c)に示すように、操作ハンドル513を最大回動位置まで回動操作すると遊技球の最大発射強度となる。この状況においては、扇型ギア部材550における規制部552及び拡張部553の調整用操作部材540を向く面が、調整用操作部材540の押圧面543aと平行となる。また、これら操作ハンドル513の回動操作にあたり、操作ハンドル513がいずれの回動位置に配置される状況であっても調整用操作部材540の位置変位は生じておらず、調整用操作部材540は初期位置に配置されている。
一方、操作ハンドル513を第1操作位置まで回動させた状況においては、扇型ギア部材550が回動することにより、押圧面543aと規制面552aとが非平行となるとともに、調整用操作部材540を押圧操作した場合の扇型ギア部材550の規制部552との当接箇所が横方向に移動する。そして、調整用操作部材540を押圧操作した場合に扇型ギア部材550へ伝わる力は扇型ギア部材550における回動軸へ向かう方向以外にも伝わることになる。これにより、調整用操作部材540は、扇型ギア部材550を回動させつつ最大操作位置へ向けて移動させることが可能となる。調整用操作部材540を押圧操作すると、図34(d)に示すように、調整用操作部材540が扇型ギア部材550を反時計回り方向へ回動させ、調整用操作部材540の第1板541におけるU字状の谷部分が基部511の円筒部514における周面と当接する最大操作位置において、遊技球の発射強度が最大となる。調整用操作部材540が最大操作位置まで操作されると、扇型ギア部材550における規制部552及び拡張部553の調整用操作部材540を向く面が、調整用操作部材540の押圧面543aと平行となり、押圧面543aと扇型ギア部材550との当接の状態からも、調整用操作部材540を当該位置以上は操作できなくなっている。
また、調整用操作部材540の第1板541をU字状にしたことにより、調整用操作部材540は調整用操作部材540の操作方向と直交する方向への位置ずれが抑制されている。これにより、調整用操作部材540に付与された力を好適に扇型ギア部材550に伝達することが可能となっている。
ここで、調整用操作部材540が設けられている位置について詳細に説明する。
図34に示すように、調整用操作部材540は、基部511における上部に設けられている。したがって、調整用操作部材540を操作する場合には、上方から下方に向けて押圧することで調整用操作部材540を移動させることが可能である。これに対して、操作ハンドル513には、上述の如く指掛け部523〜525が設けられており、操作ハンドル513を操作する場合にはこれら指掛け部523〜525に指を掛けて正面視で時計回り方向に力を付与することで、操作ハンドル513を回動させることが可能となっている。
操作ハンドル513が第1操作位置から第2操作位置まで回動操作された場合に、遊技球が遊技領域PEへ到達する発射強度で発射される構成としているところ、操作ハンドル513が上記第2操作位置まで回動操作された状況では、図34(b)に示すように、各指掛け部523〜525が調整用操作部材540と前後に重ならない位置に配置される。より詳細には、操作ハンドル513が上記第2操作位置まで回動操作された状況では、操作ハンドル513に添えた手の親指を掛ける指掛け部523よりも正面視で反時計回り方向側に調整用操作部材540が配置されるようになっている。したがって、調整用操作部材540を操作することに基づいて遊技球の発射強度を変更する場合には、各指掛け部523〜525がその操作の妨げにならない。またこの場合、指掛け部523に添えた親指を後方へ移動させて手の重みを利用して下方へ押圧することで調整用操作部材540を下方へ移動させることが可能となっている。これにより、調整用操作部材540の操作性の向上を図ることが可能となっている。
さらに、操作ハンドル513が上記第2操作位置まで回動操作された状況では、遊技球は左側領域PE2を流下するように発射されるのに対して、この状況で調整用操作部材540を最大操作位置まで操作すると遊技球は右側領域PE3を流下するように発射される。したがって、遊技球が左側領域PE2している状況で、調整用操作部材540を操作して右側領域PE3を流下するよう発射強度を変更する場合に、上記のとおり指掛け部523〜525がその操作の妨げにならない。
次に、調整用操作部材540の操作板545と基部511との位置関係について、図35を参照して説明する。図35は発射操作装置510の断面図である。なお、図35において、最大操作位置まで操作された調整用操作部材540を二点鎖線にて表示している。
図35に示すように、基部511の開口部544は、拡径領域75の外周壁である起立壁511aを内外に貫通するとともに、基部511の外周壁において拡径させるために湾曲させた湾曲壁511bに亘って開口させて形成されている。つまり開口部544は、湾曲壁511bを開口させた部分において基部511の軸線側の周面である低位面544aと、起立壁511aの外周面と、の間に基部511の径方向へ段差が生じるように形成されている。
これに対して、調整用操作部材540の操作板545は、その後部が上記基部511の湾曲壁511bの一部をなすように湾曲させて形成されている。そして、調整用操作部材540は、低位面544aから基部511の径方向に突出するように設けられ、調整用操作部材540が初期位置に配置される状況においては、操作板545の外周面が起立壁511aの外周面と略同一面となるように配置される。操作板545の外周面についてより具体的には、起立壁511aの外周面において開口部544から操作板545側に向けて当該外周面を延長させた場合の仮想延長面と、操作板545の外周面と、が略同一面となっており、操作板545の外周面が当該仮想延長面から外方に突出しないように設けられている。更に、基部511の起立壁511aは操作ハンドル513の軸線を中心として一定の曲率を有する面となっており、操作板545の外周面も当該曲率と同一又は略同一となるような曲率で形成されている。また、操作板545の上記湾曲させた部分からは、基部511の軸線に向かう方向に起立させてスライド部545bが形成されている。調整用操作部材540を最大操作位置側へ移動させると、スライド部545bが基部511の湾曲壁511bの内面と重ね合わせ面を生じながら移動するとともに、上記低位面544aから突出した領域が基部511内部に挿入されるように移動する。
調整用操作部材540が最大操作位置まで移動した状況では、操作板545の外周面は低位面544aよりも基部511内部に移動する。より具体的には、調整用操作部材540を操作する指の先を上記低位面544aに当てた場合に当該指の腹が操作板545の外周面に当る程度、基部511内部に移動する。また、操作ハンドル513を、発射止めスイッチ112がOFFとなる位置であって遊技領域PEに到達しない発射強度となるように回動させた状況で、調整用操作部材540を、操作板545の外周面と上記低位面544aとが略同一面となる位置まで操作すると、遊技球は少なくとも右側領域PE3に到達する発射強度で発射される。
ここで、本実施形態のように、調整用操作部材540が基部511の内部に向けて押圧操作される形態の場合、移動に伴い調整用操作部材540が基部511に埋没してしまいその操作が困難となる不具合が懸念される。
上記不具合を解消する一手法として、調整用操作部材540を基部511から突出させ、移動に伴い基部511内部に埋没しないようにする手法が考えられる。しかし、操作ハンドル513に手を添えて回動操作する場合、その指の先が基部511の拡径領域75の外周に沿って移動することから、調整用操作部材540が突出していると操作ハンドル513の操作の妨げになりかねない。そこで、本実施形態では、調整用操作部材540を基部511から突出しないように設ける構成としている。より具体的には、調整用操作部材540が初期位置に配置される状況においては、調整用操作部材540における操作板545の外周面が基部511の起立壁511aの外周面と略同一面となるように配置されることから、調整用操作部材540は基部511に対して突出もせず埋没もしないように設けられている。したがって、操作ハンドル513に手を添えて回動操作する場合、突出していないことから指が調整用操作部材540と衝突することはなく、凹みも形成されていないことから指が引っかかることもない。
さらに、調整用操作部材540を上記のとおり操作ハンドル513の操作の障壁とならないように設ける一方で、基部511の開口部544を、基部511の起立壁511aの外周面とそれよりも基部511内部に配置される低位面544aとが段差をなすように形成し、調整用操作部材540の操作板545を当該低位面544aから突出させて設ける構成としている。つまり、調整用操作部材540は基部511の起立壁511aに対しては突出させないものの、基部511の低位面544aからみると突出させて設けられているといえる。したがって、調整用操作部材540を操作する場合には、当該突出させている領域を基部511の内部へ移動させることができ、上記の基部511に埋没してしまう不具合を解消することが可能となっている。
さらに本実施形態においても、発射操作装置310,410と同様に、調整用操作部材540の操作量が増幅されて遊技球の発射強度が変更される構成としている。つまり、図33(b)に示すように、扇型ギア部材550とギアユニット530との噛み合い箇所から扇型ギア部材550の回動中心までの距離を、ギアユニット530の回動中心までの距離よりも長くなるように配置しており、扇型ギア部材550が内歯車として機能し、扇型ギア部材550の回動角度よりもギアユニット530の回動角度のほうが大きくなる。したがって、調整用操作部材540を基部511内部へ移動させる構成において、移動量の面からも調整用操作部材540が基部511の内部に埋没してしまうことを抑制している。
本発射操作装置510も、発射操作装置71,210と同様に、調整用操作部材540が押圧操作されることで最大発射強度となった場合に、当該最大発射強度となったことを遊技者が容易に認識可能とする構成を備えている。
調整用操作部材540における操作板545のスライド部545bには、前方へ向けて突出させて調整側突起545cが突出形成されている。これに対して、基部511における拡径領域75には、前方に膨出させた膨出部560から基部511の径方向にむけて薄板561が設けられている。当該薄板561は、調整用操作部材540が押圧操作された場合に上記の調整側突起544bが背面から当接するように配置されている。そして、当該薄板561の背面には後方に突出させて認識用突起562が一体形成されている。
調整用操作部材540が押圧操作されると、調整用操作部材540の調整側突起545cは薄板561と当接しながら移動する。調整用操作部材540をさらに移動させると、調整側突起545cは薄板561の認識用突起562と当接し、薄板561を弾性変形させながら移動する。調整用操作部材540を最大発射強度となるまで移動させると、調整側突起545cが認識用突起562を乗り越え、その感触により遊技者は最大発射強度となったことを認識することが可能となる。
以上、詳述した本実施形態によれば、調整用操作部材540は基部511から突出しないように設けられており、調整用操作部材540を操作しない状況における操作ハンドル513の操作の妨げとならない。具体的には、調整用操作部材540は基部511の拡径領域75に設けられており、調整用操作部材540が初期位置に配置される状況では、調整用操作部材540の操作板545の外周面は基部511における起立壁511aの外周面と略同一面となるように配置されている。操作ハンドル513を操作する場合、添えた手の指が基部511の拡径領域75の外周を沿うように移動することから、調整用操作部材540が突出して設けられていると、操作ハンドル513の操作の妨げになりかねない。これに対して、上記のとおり突出していない構成としていることから操作ハンドル513の操作性を低減することなく発射強度変更用の調整用操作部材540を設けることが可能となっている。
また、調整用操作部材540が初期位置に配置される状況においては、基部511において凹みなく設けられている。したがって、操作ハンドル513を操作する際、操作ハンドル513に添えた手の指が引っかかってしまうことがない。
調整用操作部材540を基部511内部に向けて移動させることで遊技球の発射強度の変更がなされる構成として、調整用操作部材540を基部511における起立壁511aの外周面からは突出させないものの、基部511における低位面544aからは突出させて設けた。これにより、調整用操作部材540がその移動に伴い基部511に埋没し、操作が困難となる不具合を解消することが可能となっている。
調整用操作部材540の操作量が増幅されて可変抵抗器155に接続された第2ギア部材532に伝わり、遊技球の発射強度の変更がなされる構成とした。具体的には、調整用操作部材540の操作により回動する扇型ギア部材550の回動中心から扇型ギア部材550とギアユニット530との噛み合い箇所までの距離を、当該噛み合い箇所からギアユニット530の回動中心までの距離よりも長くなるように設定した。これにより、調整用操作部材540を少ない移動量で遊技球の発射強度の変更する構成とすることができ、基部511内部に埋没してしまう不具合を抑制している。
調整用操作部材540は可変抵抗器155に接続されたギアユニット530を回動させることが可能である一方で、ギアユニット530とは常時リンクしておらず、調整用操作部材540が操作されることによりリンクする構成とした。具体的には、調整用操作部材540は扇型ギア部材550を介してギアユニット530とリンクする構成であり、扇型ギア部材550と調整用操作部材540とは調整用操作部材540が押圧操作されることでリンクしてギアユニット530を回動させる構成としている。これにより、操作ハンドル513と調整用操作部材540との操作量をいずれも同じ可変抵抗器155にて検知して遊技球の発射強度の変更をなす構成において、調整用操作部材540を操作ハンドル513が回動操作されても位置変位が生じない構成とすることができる。そして上述の如く、調整用操作部材540は突出して設けられておらず、基部511の外周面と略同一面となるように配置されることから、操作ハンドル513が回動操作されても、調整用操作部材540は基部511の外周面と略同一面となるように配置された状態を保つ。換言すれば、操作ハンドル513が回動操作されることにより調整用操作部材540が基部511内部に移動してしまうことがない。したがって、操作ハンドル513が回動操作されても調整用操作部材540の設けられた箇所に凹みが形成されず、操作ハンドル513の回動操作において基部511の外周面に指を沿わせて操作する場合に指が凹みに引っかかってしまうことがない。
操作ハンドル513を所定位置以上回動させることにより、調整用操作部材540の操作に伴い遊技球の発射強度の変更を行うことが可能となる構成とした。具体的には、操作ハンドル513が初期回動位置から所定位置まで操作されている場合には、調整用操作部材540を操作する操作力が扇型ギア部材550の回動中心に伝わるように、調整用操作部材540の押圧面543aと扇型ギア部材550の規制面552aが平行となっており、調整用操作部材540を移動させても扇型ギア部材550を回動させることができない。そして、操作ハンドル513を上記所定量となる第1操作位置まで回動させることで、扇型ギア部材550が回動し、両面543a,552aが非平行となるとともに、調整用操作部材540を操作した場合の扇型ギア部材550との当接箇所がずれ、調整用操作部材540の操作力が扇型ギア部材550を回動させる方向にも伝わるようになる。仮に、操作ハンドル513を操作せずとも調整用操作部材540の操作のみにより遊技球が発射される構成とすると、発射操作装置510自体を操作せずに遊技球を発射させる不正行為を発見しにくくなるばかりか、遊技者が発射操作装置510の操作ハンドル513を操作して遊技球を発射させ遊技盤24の開口部に遊技球を入球させる、という遊技機の遊技自体を抹殺することにつながりかねない。これに対して本構成のように、少なくとも操作ハンドル513を所定量回動操作させることで調整用操作部材540の操作が可能となる構成とすることで、このような不具合が生じない。
操作ハンドル513が上記の所定位置である第1操作位置まで回動操作されると、遊技球の発射はなされるものの遊技領域PEには到達せずに戻り球となる。したがって、最低限操作ハンドル513を操作している状況といえる。この状況で、調整用操作部材540の操作に基づく遊技球の発射強度の変更が可能となることから、上記の効果を奏しつつ、調整用操作部材540の操作が制限される範囲を最低限とすることが可能となる。
なお、本実施形態は以下のように変形可能である。
第1の変形例では、調整用操作部材540の操作方向が異なっている。その内容について図36を参照して説明する。図36は第1の変形例の発射操作装置510の断面図であり、図36(a)は調整用操作部材540が初期位置に配置される場合を示し、図36(b)は調整用操作部材540が最大操作位置まで操作された場合を示している。
図36(a)に示すように、調整用操作部材540は基部511の拡径領域75内部に設けられている。これに対して、基部511には、調整用操作部材540を後方から押圧する第2調整用操作部材570が設けられている。具体的には、開口部544の代わりに、基部511の湾曲壁511bに開口部571が設けられており、当該開口部571に第2調整用操作部材570が挿通されている。そして、第2調整用操作部材570は前後方向に移動可能となっている。また、第2調整用操作部材570の前方には、調整用バネ572が設けられており、当該調整用バネ572により第2調整用操作部材570は後方へ付勢されている。但し、第2調整用操作部材570の操作ハンドル513の軸線に向く面には調整側突起573が突出形成されており、当該調整側突起573と拡径領域75の内面とが当接することにより、第2調整用操作部材570の外方への抜けが防止されている。つまり、第2調整用操作部材570は調整側突起573と拡径領域75の内面とが当接する初期位置から、調整用バネ572が弾性変形により最大限縮小する最大操作位置まで、前後方向に移動可能となっている。
調整用操作部材540の操作板545の後側部分には、後方から前方に向けて操作ハンドル513の軸線に向く方向に傾斜させた第1傾斜領域574が形成されているのに対応させて、第2調整用操作部材570の前側部分には、後方から前方に向けて操作ハンドル513の軸線から離間する方向へ傾斜させた第2傾斜領域575が形成されている。第2調整用操作部材570が上記初期位置から前方へ向けて押圧操作されると、調整用操作部材540の第1傾斜領域574を第2調整用操作部材570の第2傾斜領域575がスライド移動して調整用操作部材540が操作ハンドル513の軸線へ向かう方向へ移動し、上記の通り遊技球の発射強度が変更される。第2調整用操作部材570が最大操作位置まで押圧操作されると、遊技球の発射強度が最大発射強度となる。
本変形例においても、操作ハンドル513の操作に因らず遊技球の発射強度を変更可能とする操作部(第2調整用操作部材570)の操作方向を操作ハンドル513の操作方向と異ならせることができ、当該操作部を操作することによる操作ハンドル513の位置変位を抑制することが可能である。
第2の変形例では、調整用操作部材540が押圧操作されることで最大発射強度となった場合に、当該最大発射強度となったことを遊技者が容易に認識可能とする構成が異なっている。その異なる構成を図37に基づき説明する。図37は第2の変形例の発射操作装置510におけるハンドルカバー512、操作ハンドル513及びハンドル用軸部材515を取り外した状態の正面図であり、図37(a)は調整用操作部材540が初期位置に配置される場合を示し、図37(b)は調整用操作部材540が最大操作位置まで操作され遊技球の発射強度が最大発射強度となった場合を示している。
図37(a)に示すように、調整用操作部材540の操作板545の内面には操作ハンドル513の軸線に向けて抵抗突起590が設けられており、調整用バネ540aの端が当該抵抗突起590に対して操作ハンドル513の周方向から当接している。調整用操作部材540を押圧操作すると、調整用バネ540aは抵抗突起590に対して押し付けられるとともに弾性変形する。調整用操作部材540を最大操作位置まで操作すると、図37(b)に示すように、調整用バネ540aは抵抗突起590を乗り越えて、その感触により遊技者は最大発射強度となったことを認識することができる。
本変形例によれば、調整用操作部材540を外方に向けて付勢する部材(調整用バネ540a)を、最大発射強度となったことを遊技者に認識可能とする構成に兼用することが可能となり、発射操作装置510をより簡素な構成とすることができる。
<第6の実施形態>
本実施形態では、第5の実施形態における発射操作装置510の調整用操作部材540を操作するための構成が異なっている。以下、その相違する構成について、図38を参照しながら説明する。図38(a)は、本実施形態の発射操作装置610の側面図であり、図38(b)は、発射操作装置610の背面図である。
図38(a)及び図38(b)に示すように、本発射操作装置610の操作ハンドル513における指掛け部523の後側には、後方へ起立させて所定の間隔を隔てて一対の規制板621a,621bが一体形成されている。当該所定の間隔は、第5の実施形態に示した調整用操作部材540の周方向の幅と略同一となっている。また、図38(b)に示すように、発射操作装置610の正面視おいて当該規制板621a,621bの反時計回り方向側の規制板621aは、その反時計回り方向側の面が、操作ハンドル513の指掛け部523の反時計回り側の面と略同一面となるように配置されている。これにより、本発射操作装置610においては、操作ハンドル513に添えた右手の親指を、指掛け部523だけでなく規制板621aに添えて操作ハンドル513を回動操作することが可能となっている。
規制板621a,621bの上記所定の間隔に挟まるように、スライド部材630が設けられている。スライド部材630における規制板621a,621bと接する面には、それぞれスライド部材630から離間する方向に凹ませてスライド凹部631a,631bが形成されている。スライド凹部631a,631bは、その凹み面が基部511における径方向に長くなるように形成されている。これに対して、規制板621a,621bにはそれぞれガイド突起622a,622bが突出形成されており、それぞれスライド凹部631a,631bに挿入されている。
これにより、スライド部材630は、基部511における径方向に移動が可能となっている。より具体的には、ガイド突起622a,622bが、それぞれスライド凹部631a,631bにおける操作ハンドル513の軸線に向かう側の面と当接する位置から、スライド凹部631a,631bにおける操作ハンドル513の軸線から離間する側の面と当接する位置まで移動可能となっている。そして、スライド部材630は図示しないバネにより操作ハンドル513の軸線から離間する方向に付勢されており、当該バネの付勢力に抗する力が付与されていない状況においては、ガイド突起622a,622bが、それぞれスライド凹部631a,631bにおける操作ハンドル513の軸線に向かう側の面と当接する位置である初期位置に配置される。
但し、スライド部材630における操作ハンドル513の軸線に向かう側の面は、基部511の外周面と所定の空間を隔てて近接しており、操作ハンドル513が初期回動位置に配置される状況においては、スライド部材630は操作ハンドル513の軸線に向かう方向へ移動させると、スライド部材630は基部511の外周面と当接することで、それ以上移動させることができなくなっている。
次に、操作ハンドル513が所定量回動操作された状況におけるスライド部材630の位置について、図39を参照して説明する。図39(a)は、操作ハンドル513が所定量回動操作された状況における発射操作装置610の側面図であり、図39(b)は、操作ハンドル513が所定量回動操作された状況における発射操作装置610の背面図である。なお、図39(b)において一点鎖線にて囲んだ部分は、スライド部材630が上記初期位置から移動した状態を示すように拡大して表示している。
ここでまず、操作ハンドル513の指掛け部523〜525について、第5の実施形態との相違点を説明する。第5の実施形態では、遊技領域PEにおいて左側領域PE2を流下するように操作ハンドル513が回動操作されると、操作ハンドル513の指掛け部523は調整用操作部材540よりも正面視で時計回り方向側に配置される構成としたが、本実施形態では、この状況では、指掛け部523は調整用操作部材540よりも正面視で反時計回り方向側に配置される構成としている。
図39(a)及び図39(b)に示すように、操作ハンドル513が、調整用操作部材540の操作に基づいて遊技球の発射強度の変更が可能となる回動量よりも多い所定量回動操作されると、スライド部材630は調整用操作部材540と基部511の径方向に重なる位置に配置される。この状況において、スライド部材630を操作ハンドル513の軸線に向かう方向に移動させると、スライド部材630が調整用操作部材540における操作板545と当接する。さらにスライド部材630を移動させると、スライド部材630が調整用操作部材540を押圧し、調整用操作部材540を初期位置から最大操作位置へ向けて移動させる。そして、第5の実施形態で示したように、調整用操作部材540の移動量に応じて遊技球の発射強度が変更される。
また、スライド部材630が調整用操作部材540を最大操作位置側へ移動させると、スライド部材630は基部511の開口部544に挿入された状態となる。これにより、操作ハンドル513の位置変位が規制される。具体的には、スライド部材630は操作ハンドル513に対して設けられているのに対して、操作ハンドル513は基部511に対して回動する構成である。このような構成で、スライド部材630が基部511の開口部544に挿入されることにより、操作ハンドル513を基部511に対して回動させることができなくなる。特に、操作ハンドル513の両方向の回動が不可となることから、操作ハンドル513に付与されているギア用バネ550bの付勢力に抗する力を加えなくてもよくなるだけでなく、当該ギア用バネ550bの付勢力に抗する力を引き続き加えてしまうことによる時計回り方向への回動も規制することができる。
スライド部材630と基部511の外周面との間には所定の空間が隔てられている。そして、上述の如くスライド部材630は当該所定の空間が保たれる側である初期位置に付勢されている。したがって、スライド部材630を操作しない状況においては、操作ハンドル513の周動の抵抗とはならない。
これに対して、スライド部材630を基部511の外周面に当接するよう押圧しながら操作ハンドル513を回動操作すると、上記所定量回動操作されるとスライド部材630は当該位置以上移動させることが可能となる。図示はしないが、操作ハンドル513を基部511の開口部544に挿入可能な位置である上記所定量回動操作すると、遊技球は左側領域PE2を流下するように発射される。既に説明したとおり、本パチンコ機10においては左側領域PE2を流下させるように遊技球を発射させることで上作動口33に入球し易く、遊技者にとって有利な発射態様といえる。したがって、遊技者は、スライド部材630を基部511の外周面と当接するように押圧しながら操作ハンドル513を回動操作することにより、スライド部材630が移動可能となることによっても、操作ハンドル513の回動量が当該有利な発射態様となったことを認識することができる。
以上、詳述した本実施形態によれば、スライド部材630を操作することで操作ハンドル513の位置変位を規制することができる。具体的には、スライド部材630を押圧操作すると、調整用操作部材540を最大操作位置に向けて移動させて遊技球の発射強度の変更がなされるとともに、スライド部材630は基部511の開口部544に挿入され、操作ハンドル513が回動操作できなくなる。特に、本構成に因れば、操作ハンドル513に付与されるバネに抗する力を付与する方向だけでなく、当該バネの付勢方向への回動も不可とする構成であるところ、当該バネに抗する力を引き続き付与してしまうことによる操作ハンドル513の位置変位も規制することが可能となる。
また、スライド部材630は操作ハンドル513の指掛け部523に対して設けられており、操作ハンドル513における指掛け部523に添えた手の指で、スライド部材630を操作することが可能であり、スライド部材630の操作性の向上が図られている。
特に、スライド部材630における変位機構のうちの変位しない部位である規制板621aに指を添えることが可能な構成としたことで、指掛け部523及び規制板621aに添えた指でスライド部材630を操作してしまうことがなく、スライド部材630の誤操作を抑制することが可能となっている。
さらに、操作ハンドル513は回動操作により遊技球の発射強度を変更する構成としているのに対して、スライド部材630は操作ハンドル513の軸線に向かう方向へ直線的に移動させることで遊技球の発射強度を変更する構成としている。これにより、指掛け部523及びスライド部材630の変位機構に対して操作ハンドル513における最大回動位置に向けて力を付与する状況においては、スライド部材630を誤って操作してしまうことがなく、発射操作装置610の操作性の向上が図られている。
また、スライド部材630の規制板621aにおける操作ハンドル513の初期回動位置側の面を、指掛け部523における操作ハンドル513の初期回動位置側の面と略同一面となるように設けた。したがって、操作ハンドル513を最大操作位置に向けて操作する場合の操作面が広がり、さらに各面が段差なく設けられていることから力が加え易くなっている。
<他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態に対して適用してもよい。また、以下の各構成を、適用対象として例示した実施形態以外の実施形態に対して適用してもよい。
(1)操作ハンドル74,212とは別に設けられた操作手段121,213が操作されることにより、発射強度が向上する構成に代えて、発射強度が低下する構成としてもよい。
例えば、上記第1の実施形態においては、調整スイッチ157がON状態となった場合には、その時点の発射強度を半減させるといったように発射強度を所定割合で低減させる構成が考えられる。
また、例えば、上記第2の実施形態においては、調整用操作部材213が押圧操作された場合における第1ギア部品226及び第2ギア部品227の回転方向を、操作ハンドル212が回動操作された場合における第1ギア部品226及び第2ギア部品227の回転方向に対して逆方向とする構成が考えられる。但し、当該構成においては、操作ハンドル212の回動操作に際して第1ギア部品226及び第2ギア部品227側から調整用操作部材213及びハンドル側ギア部品222側に付与される力の方向が、調整用操作部材213を最大押圧位置に向けて回動させる方向となる。この場合、操作ハンドル212の回動操作による発射強度の調整の容易化に鑑みて、操作部材用バネ217の付勢力を、上記付与される力よりも大きな力に設定し、操作ハンドル212が回動操作されたとしても、調整用操作部材213が初期回動位置から変位しないようにすることが好ましい。
(2)上記各実施形態では、操作ハンドル74,212,313,413,513が初期回動位置に配置されている状況では、発射強度調整用の別の操作手段121,213,330,440,540,570が操作されたとしても、遊技球の発射を行えない構成としたが、これに代えて、操作ハンドル74,212,313,413,513が初期回動位置に配置されている状況であったとしても、発射強度調整用の別の操作手段121,213,330,440,540,570が操作された場合には遊技球の発射が行われる構成としてもよい。この場合、遊技者はいずれの操作手段を利用して遊技球の発射操作を行うかを選択することが可能となり、一定の発射操作を長時間継続する必要がない点で、疲労の低減が図られる。
なお、上記第1の実施形態のように調整スイッチ157がON状態となった場合にはその時点の発射強度に関係なく一義的に所定の発射強度が定められる構成においては、例えば操作ハンドル74が初期回動位置に配置されている状況で補助操作部121が押圧操作された場合に、最大発射強度に設定される構成としてもよく、左側領域PE2を遊技球が流下するような発射強度に設定される構成としてもよい。
また、上記第2〜第6の実施形態のように調整用操作部材213,330,440,540,570の押圧操作量が増加するほど発射強度が増加する構成においては、例えば操作ハンドル212,313,413,513の回動操作を行わなくても、調整用操作部材213,330,440,540,570の押圧操作を行うことで最大発射強度に設定可能な構成としてもよい。この場合、遊技領域PEへの遊技球の流入を可能とする最低限の発射強度から最大発射強度の範囲における調整を、操作ハンドル212,313,413,513の操作のみで行うことが可能であるとともに、調整用操作部材213,330,440,540,570の操作のみで行うことが可能である。
但し、第5,第6の実施形態においては、操作ハンドル513が初期回動位置に配置される状況においては、調整用操作部材540と扇型ギア部材550との位置関係により調整用操作部材540,570を操作不可とする構成としているところ、上記のように操作ハンドル513が初期回動位置に配置される状況においても調整用操作部材540,570の操作を可能とするためには、調整用操作部材540の押圧面543aと扇型ギア部材550の規制面552aとを非平行とするとともに、調整用操作部材540が移動した場合に扇型ギア部材550と当接する位置を扇型ギア部材550の回動方向側にずらすとよい。
(3)上記(2)の構成において、操作ハンドル74,212,313,413,513を不具備としてもよい。この場合、押圧操作のみにより遊技球の発射が行われるという斬新な構成を提供することが可能となる。
(4)遊技者が操作ハンドル74,212,313,413,513に触れていることがハンドル用タッチセンサ156により検知されていない状況では、発射強度調整用の操作手段121,213,330,440,540,570や当該操作手段540の位置変位を生じさせる他の操作手段630が操作されているか否かに関係なく遊技球の発射が禁止される構成としたが、これに代えて、遊技者が操作ハンドル74,212,313,413,513に触れていることがハンドル用タッチセンサ156により検知されているか否かに関係なく、発射強度調整を行うための操作手段121,213,330,440,540,570,630が操作されている場合には、遊技球の発射が行われる構成としてもよい。
また、発射強度調整を行うための操作手段121,213,330,440,540,570,630に対して、遊技者が触れていることを検知するためのタッチセンサを設けてもよい。この場合、操作ハンドル74,212,313,413,513側のタッチセンサと発射強度調整を行うための操作手段121,213,330,440,540,570,630側のタッチセンサとの両方がONとなっている場合に発射強度調整を行うための操作手段121,213,330,440,540,570,630の操作に基づく遊技球の発射が可能となる構成としてもよく、いずれか一方がONとなっている場合に発射強度調整を行うための操作手段121,213,330,440,540,570,630の操作に基づく遊技球の発射が可能となる構成としてもよい。
但し、上記第1,第6の実施形態のように操作手段121,630を押圧操作した場合に操作ハンドル74,513の変位規制を伴う構成においては、発射強度調整を行うための操作手段121,540,630のタッチセンサがONとなっていれば、操作ハンドル74,513側のタッチセンサがOFFであっても遊技球の発射が可能となる構成が好ましい。これにより、発射強度調整を行うための操作手段121,540,630の押圧操作により操作ハンドル74,513の変位規制を行っている状況であるにも関わらず、操作ハンドル74,513を操作し続けなければならないという事象の発生が抑制され、変位規制の構成を適用したことによる効果が好適に発揮される。
また、第6の実施形態のように、発射強度調整用の操作手段540を他の操作手段630により変位させる構成においては、タッチセンサを各操作手段540,630のいずれに設けても良く、いずれか一方に設けてもよい。
(5)操作ハンドル74,212,313,413,513とは別の発射強度調整用の操作手段121,213,330,440,540,570を設ける位置は、上記第1の実施形態のような発射操作装置71の前面側や、上記第2の実施形態のような複数の指掛け部231,232間、第3の実施形態のように指掛け部231の反時計回り方向側、第4の実施形態のようにハンドルカバー430、第5の実施形態のように基部511、に限定されることはなく、例えば、指掛け部84,231〜233,523〜525の上部、手前側又は後側であってもよい。
また、第6の実施形態のように、発射強度調整用の操作手段540を他の操作手段630により変位させる構成においては、当該他の操作手段630を設ける位置は、指掛け部523の後側に限定されることはなく、例えば、指掛け部524又は指掛け部525の後側であってもよく、各指掛け部523〜525の間であってもよい。また、ハンドルカバー512や基部511に対して設けてもよい。
(6)操作ハンドル74,212,313,413,513とは別の発射強度調整用の操作手段121,213,330,440,540,570を複数設けてもよい。この場合、それら操作手段を、操作ハンドル74,212,313,413,513よりも前面側と操作ハンドル74,212,313,413,513よりも奥側とのそれぞれに設ける構成としてもよく、操作ハンドル74,212,313,413,513よりも前面側及び奥側のうち少なくとも一方と、操作ハンドル74,212,313,413,513とに設ける構成としてもよい。当該構成によれば、操作ハンドル74,212,313,413,513の回動操作位置に応じて操作し易い発射強度調整用の操作手段121,213,330,440,540,570を操作すればよいため、操作性が向上する。
(7)上記第1の実施形態において、調整スイッチ157がONとなった場合には最大発射強度に設定される構成としたが、これに代えて、調整スイッチ157がONとなった場合には予め定められた発射強度であって最大発射強度とは異なる発射強度に設定される構成としてもよい。例えば、最大発射強度ではないが、右側領域PE3を遊技球が流下することとなる発射強度に設定される構成としてもよく、最大発射強度ではないがストッパ(返しゴム26a)に当たる発射強度に設定される構成としてもよい。また、調整スイッチ157がONとなった場合には、左側領域PE2を遊技球が流下することとなる発射強度に設定される構成としてもよい。当該構成においては、操作ハンドル74が最大回動位置に配置されている状況で補助操作部121を押圧操作した場合には、発射強度は低減されることとなる。
(8)操作ハンドル74,212,313,413,513とは別の発射強度調整用の操作手段121,213,330,440,540,570や操作手段540の位置変位を生じさせる他の操作手段630が操作された場合には、操作ハンドル74,212,313,413,513の回動操作量に対する発射強度の増加率を変化させる構成としてもよい。例えば、発射強度調整を行うための操作手段121,213,330,440,540,570,630が操作された場合には、操作ハンドル74,212,313,413,513の回動操作量に対する発射強度の増加率が低減される構成としてもよく、増加される構成としてもよい。また、例えば、操作ハンドル74,212,313,413,513の回動操作量に対する発射強度の増加の態様を、直線的な変化を生じさせる態様ではなく、曲線的な変化を生じさせる態様としてもよく、この場合、発射強度調整を行うための操作手段121,213,330,440,540,570,630が操作された場合には、予め定められた発射強度に設定される構成としてもよく、その時点の操作ハンドル74,212,313,413,513の回動操作量に対応した発射強度を所定の割合で増加又は減少させる構成としてもよい。また、後者の構成においては、上記所定の割合が、発射強度調整を行うための操作手段121,213,330,440,540,570,630の操作量に関係なく設定される構成としてもよく、発射強度調整を行うための操作手段121,213,330,440,540,570,630の操作量に応じて変化する構成としてもよい。
(9)上記第2〜第6の実施形態において、操作ハンドル212,313,413,513の回動操作量を検知するための検知手段と、調整用操作部材213,330,440,540,570の押圧操作量を検知するための検知手段とが、可変抵抗器223,155として同一のものが用いられる構成としたが、これに代えて、各検知手段を個別に設ける構成としてもよい。この場合、上記第2の実施形態よりも検知手段の数が増加するものの、ギア部品を利用した力の伝達を行うための構成の簡素化や、各操作量に応じた発射強度の設定の容易化が図られる。
(10)上記第2の実施形態において、調整用操作部材213の位置を、第3の実施形態のように発射止めスイッチ112を操作する指と同じ指で操作可能な位置に設けてもよい。例えば、操作ハンドル212の回動操作方向の元側に存在している指掛け部231よりも発射止めスイッチ112側に調整用操作部材213が設けられていてもよく、発射止めスイッチ112と前後方向に並ぶ位置に調整用操作部材213が設けられていてもよい。
(11)上記第2,第3の実施形態では、調整用操作部材213,330を操作する場合の操作方向が操作ハンドル212,313を操作する場合の操作方向と同一方向としたが、これに代えて、第4〜第6の実施形態のように、調整用操作部材213を操作する場合の操作方向が操作ハンドル212,313を操作する場合の操作方向と異なる方向となるようにしてもよい。例えば、第4〜第6の実施形態のように、調整用操作部材213,330をスライド式に設けて、操作ハンドル212,313の軸線に向けて操作される構成としてもよく、パチンコ機10前方に向けて又はパチンコ機10後方に向けて操作される構成としてもよい。また、第2の実施形態においては、調整用操作部材213の操作力を第1ギア部品226に伝達するためのギア部品を1個少なくする又は1個多くすることにより、調整用操作部材213の操作方向が操作ハンドル212の操作方向とは逆方向となるようにしてもよい。特に、調整用操作部材213の操作方向を、操作ハンドル212の回動方向(発射用の方向及びその逆方向)とは異なる方向とすることにより、調整用操作部材213の操作に際して操作ハンドル212の回動操作位置がずれにくくなる。
(12)上記第1の実施形態において、補助操作部121の押圧操作量が増加するほど、発射強度が向上する構成としてもよく、上記第2〜第6の実施形態において、発射強度調整用の操作手段121,213,330,440,540,570や操作手段540の位置変位を生じさせる他の操作手段630が押圧操作された場合には最大発射強度といったように予め定められた発射強度に設定される構成としてもよい。
(13)上記第1の実施形態のように操作ハンドル74とは別の発射強度調整用の操作手段121が操作された場合には予め定められた所定の発射強度に設定される構成においては、当該操作手段121を1回操作するとその操作を継続しなくても操作ハンドル74の回動操作位置とは無関係に上記所定の発射強度に設定され、当該操作手段121を再度操作すると、操作ハンドル74の回動操作位置に応じた発射強度に設定される状態となる構成としてもよい。かかる構成は、機械式及び電気式のいずれにより実現されてもよい。
機械式であれば、例えばノックペン式の構成が考えられる。具体的には、一度押圧操作されると初期位置から回動しながら軸方向に変位して、他の部材との係合により調整用位置に保持され、再度押圧操作されると、その保持されている位置からの回動と軸方向の変位を通じて初期位置に復帰するロック手段を、発射操作装置71の内部に設ける。この場合、ロック手段が初期位置に配置されている場合には調整スイッチ157がOFF状態となるようにし、ロック手段が調整用位置に配置されている場合には調整スイッチ157がON状態となるようにする。また、補助操作部121が一度操作されると、ロック手段が調整用位置に配置され、補助操作部121を再度操作すると、ロック手段が初期位置に復帰する構成とする。
また、電気式であれば、発射制御部178において、調整スイッチ157からON状態となったことを示す信号を一度受信すると、発射強度を予め定められた所定の発射強度に設定するようにし、調整スイッチ157からON状態となったことを示す信号を再度受信すると、その設定を解除する構成とする。
上記構成によれば、遊技者は、発射強度調整用の操作手段121を操作し続ける必要がないため、操作性が向上する。
なお、上記のように発射強度が所定の発射強度に保持される構成においては、操作ハンドル74が初期回動位置に復帰した場合には、その保持している状態を解除する構成とすることが好ましく、かかる構成は機械式及び電気式のいずれにより実現されてもよい。電機式であれば、発射止めスイッチ112又は操作ハンドル74が初期回動位置に配置されていることを検知するための専用のスイッチを利用して、操作ハンドル74が初期回動位置に配置されたことを検知した場合に、上記保持している状態を解除する構成が考えられる。また、機械式であれば、操作ハンドル74が初期回動位置に配置される場合に、発射強度調整用の操作手段121に当接して当該操作手段121を初期位置に押し出す部位を設ける構成が考えられる。
(14)上記第3,第4の実施形態においても、第1,第2,第5,第6の実施形態のように、遊技球の発射強度が所定の発射強度となったことを遊技者に認識させるための認識用手段の構成を設けてもよい。また、遊技球の発射強度が所定の発射強度となったことを遊技者に認識させるための認識用手段の構成は、上記各実施形態のものに限定されることはなく、例えば操作ハンドル74,212,313,413,513や発射強度調整用の操作手段121,213,330,440,540,570や操作手段540の位置変位を生じさせる他の操作手段630が操作されるのに伴って弾性変形するとともに、ある程度、弾性変形すると付勢力は維持するものの直前の状態よりも付勢力が低減されるような弾性体を設ける構成が考えられる。
また、上記のように認識させるための手法としては、操作力を低減させる手法に限定されることはなく、操作力を増加させる手法や、操作力を不要化させる手法が考えられる。また、操作力を変化させる手法に加えて又は代えて、所定の発光部を発光させる構成や、図柄表示装置41に所定の発射強度となったことを報知するための画像を表示させる構成といったように、視角により認識させる構成であってもよく、所定の発射強度となったことを報知するための音をスピーカ部64から出力させるといったように、聴覚により認識させる構成であってもよい。
(15)認識用手段は、遊技球の発射強度が最大発射強度となったことを遊技者に認識させるのではなく、左側領域PE2を遊技球が流下する発射強度となったことを遊技者に認識させる構成や、右側領域PE3を遊技球が流下する発射強度となったことを遊技者に認識させる構成や、最大発射強度ではないがストッパ(返しゴム26a)に当たる発射強度とったことを遊技者に認識させる構成といったように、予め定められた所定の領域を遊技球が流下する発射強度となったことを遊技者に認識させる構成としてもよい。また、上記(14)のように操作力とは別の要因により遊技者に認識させる場合、遊技領域における上記所定の領域に対して遊技球の検知センサを設け、当該検知センサの検知結果に基づいて、遊技者に認識させるための状態となる構成としてもよい。
(16)上記各実施形態において、操作ハンドルの回動範囲を初期回動位置から最大回動位置までと限定し初期位置からの回動量に応じて発射強度が変更される構成としたが、操作ハンドルの回動範囲を上記各実施形態のように制限せず、操作ハンドルの所定位置からの回動量(回動角度)に応じて発射強度が変更される構成としてもよい。この場合、さらに、当該回動量又は当該回動量に対応する発射強度を記憶する記憶領域を主制御装置161に設けるとともに、当該記憶した回動量又は当該回動量に対応する発射強度を消去するためのものであって遊技者が操作可能な消去手段を設け、操作ハンドルの回動位置が変位せず上記消去手段が操作されない限り、ハンドル用タッチセンサがONとなっていること及び発射止めスイッチがOFFとなっていることを条件に、上記記憶した回動量に対応する発射強度で遊技球を発射する構成とすると、操作ハンドルを回動操作することによる遊技者の手の疲労を低減することができる。つまり、遊技者は一度操作ハンドルを回動操作するだけで、その後は操作ハンドルに手を触れるだけで遊技球が発射されることから疲労低減につながる。また本構成においても、発射強度を変更する場合、操作ハンドルを回動操作すれば発射強度が変更されることから、意図する遊技領域に遊技球を発射させることが可能である。さらに本構成においても、操作ハンドルの操作に因らず遊技球の発射強度を変更可能な操作手段を設けることで、操作性の向上を図ることが可能である。
(17)上記各実施形態において、発射止めスイッチ112は操作ハンドル74,212,313,413,513を所定量回動操作した場合にOFFとなる構成とし、当該所定量回動操作している状況では、遊技球は発射されるものの遊技領域PEに到達せずに戻り球となる構成としたが、当該状況において遊技領域に到達する発射強度で遊技球が発射される構成としてもよい。
また上記第5,第6の実施形態において、調整用操作部材540の操作が不可となる状況においては、遊技球は発射されるものの遊技領域PEに到達せずに戻り球となる構成としたが、当該状況においても遊技領域に到達する発射強度で遊技球が発射される構成としてもよい。
(18)上記第3,第4の実施形態において、ギア用バネ327をハンドル用バネ313a,413aの付勢力よりも小さい付勢力を付与する構成としたが、これに限定されず、ハンドル用バネ313a,413aのほうが小さい付勢力を付与する構成としてもよく、ギア用バネ327とハンドル用バネ313a,413aとを同等の付勢力を付与する構成としてもよい。
特に、ハンドル用バネ313a,413aのほうが小さい付勢力を付与する構成とした場合、調整用操作部材330,440を操作する状況においては上記第3の実施形態と比較して相対的に大きな力を加える必要が生じる。この場合、調整用操作部材330,440の操作の微調整が可能となることから、遊技球の発射強度を微妙に変化させる場合などに有効である。またこの場合、調整用操作部材330,440の操作可能な範囲をより広範囲とすることで、発射強度の微調整をより好適に実行することが可能となる。
(19)上記第3,第4の実施形態において、ハンドル用バネ313a,413a及びギア用バネ327の2つのバネを設けたが、いずれか一方のみ設ける構成としてもよい。この場合であっても、少なくとも調整用操作部材330,440を初期位置に保つことが可能である。
(20)上記第3の実施形態において、ハンドル軸用孔部336の周面がハンドル用軸部材315の周面と当接する構成としたが、ハンドル軸用孔部336の周面とハンドル用軸部材315の周面とが所定の空間を隔てて近接する構成としてもよい。この場合、各周面の当接による摩擦抵抗が生じず、調整用操作部材330の操作性が向上する。但し、調整用操作部材330の軸ぶれを抑制するという観点からすると、調整用操作部材330の厚みによって、調整用操作部材330が前後に回動した場合にハンドル用軸部材315の周面と当接する程度近接させることが望ましい。
また、調整用操作部材330の軸ぶれを抑制するという観点からすると、調整用操作部材330の前方への移動を規制するカバーを調整用操作部材330の前方に設け、当該カバーを基部311又はハンドルカバー312に固定させるとよい。
(21)上記第3の実施形態において、凹部337a,337bの位置は、上記のものに限定されない。例えば、ハンドル軸用孔部336において増幅部334における回動基端側に設けてもよく、調整用操作部材330における増幅部334の外側に設けてもよい。また、ハンドル軸用孔部336を、増幅部334における回動先端側に広く拡張させて形成し、当該拡張させた領域に凹部337a,337bを設けてもよい。この場合、突部338a,338bとの係合箇所側の回動半径と操作部333側の回動半径の差をより大きくすることが可能となる。
(22)上記第3の実施形態において、凹部337a,337bと突部338a,338bとの係合を2箇所で行う構成としたが、当該係合箇所は、1箇所であってもよく3箇所以上であってもよい。例えば係合箇所を1箇所とする場合、第4の実施形態のように、凹部をより大きく凹ませて、突部が凹部の凹みを移動しつつ係合する構成とすると、少なくとも調整用操作部材330がいずれの回動位置に配置される状況であっても、ギア用バネ327の付勢力を調整用操作部材330に伝えることができる。
(23)上記第3の実施形態において、ハンドル用軸部材315を基部311に固定させる構成としたが、上記第1,第2,第5,第6の実施形態のように操作ハンドル313に固定させて回動する構成としてもよく、第4の実施形態のように、基部311及び操作ハンドル313のいずれに対しても回動可能な構成としてもよい。但し、ハンドル用軸部材315に対して調整用操作部材330が当接することによる操作ハンドル313の位置変位を抑制するという観点からすると、少なくともハンドル用軸部材315は操作ハンドル313と独立して回動可能な構成とすることが好ましく、また調整用操作部材330をより安定的に回動させるという観点からすると、ハンドル用軸部材315は回動しない固定軸であることが好ましい。
(24)上記第4の実施形態において、調整用操作部材440をハンドルカバー430から突出させて設けることにより、調整用操作部材440を操作する際に手の平で操作可能としたが、操作ハンドル413のみを操作する際に調整用操作部材440を操作してしまわないようにするという観点からすると、調整用操作部材440をハンドルカバー430に対して埋没させて設けてもよい。
(25)上記第4の実施形態において、調整用操作部材440を右手の親指の腹が当接する位置に設けたが、これに限定されず、右手を握りこむことにより操作可能とするためには、操作ハンドル413に添えた手の平のいずれかの部分に当接する箇所に設ければよい。
(26)上記第5,第6の実施形態において、調整用操作部材540を基部511から突出させないように配置したが、調整用操作部材540が操作ハンドル513の回動に追従しない構成とすることによる効果を奏するという観点からすると、基部511から突出させて配置してもよい。
(27)上記第5,第6の実施形態において、調整用操作部材540を基部511において後方に露出させることで、調整用操作部材540が基部511に埋没してしまい操作が困難となることを抑制したが、当該露出させる程度は限定されない。例えば、調整用操作部材540が最大操作位置まで操作されても、基部511の後方に露出している状況が保持されるように開口部544を形成してもよく、最大発射強度となる操作位置において基部511の内部に埋没する構成としてもよい。
(28)上記第5,第6の実施形態において、扇型ギア部材550が初期位置に配置される状況では調整用操作部材540を操作しても扇型ギア部材550が回動しない一方で、扇型ギア部材550が所定量回動すると調整用操作部材540の操作に伴い扇型ギア部材550を回動させることが可能となる構成としては上記のものに限定されない。要は、調整用操作部材540が操作される方向に扇型ギア部材550の回動中心を配置するとともに、調整用操作部材540が操作された場合の扇型ギア部材550と当接する押圧面543aの形状を、扇型ギア部材550が初期位置に配置される場合にはその操作力を扇型ギア部材550の回動中心に伝達する一方、扇型ギア部材550が回動することに伴い当該操作力の作用点がずれることで扇型ギア部材550を回動させる方向にも伝達する形状とする構成であればよい。
(29)上記第6の実施形態において、開口部544にスライド部材630が挿入されることにより操作ハンドル513の位置変位が抑制される構成としたが、開口部544をより広範囲に開口してもよい。具体的には、開口部544を操作ハンドル513の最大操作位置側に広範囲に開口させてもよく、操作ハンドル513の初期回動位置側に広範囲に開口させてもよい。これらの場合、開口部544にスライド部材630が挿入されることにより、操作ハンドル513の回動におけるいずれかの方向への位置変位を抑制することが可能である。
また、調整用操作部材540を他の操作手段により操作するという観点からすると、開口部544を、操作ハンドル513の回動におけるいずれの方向にも広範囲で開口させてもよい。
これらの場合、調整用操作部材540の操作板545を当該開口部544の開口範囲に合わせてその大きさを調整するとよい。但し、スライド部材630の移動に基づいて調整用操作部材540を移動させるためには、少なくともスライド部材630が調整用操作部材540の操作板545に当接して、調整用操作部材540を最大操作位置に向けて移動させることが可能となる範囲で開口部544及び操作板545の大きさを調整するとよい。
(30)上記第6の実施形態において、スライド部材630は初期位置において、スライド部材630と基部511の外周面とが当接しないように所定の空間を設けたが、初期位置にて当接させてもよい。この場合、スライド部材630が操作ハンドル513の周動の抵抗となりえることから、スライド部材630と基部511との当接面に低摩擦化処理を施すとよい。これにより、スライド部材630の操作量を少なくすることができ、スライド部材630の操作性の向上を図ることができる。
(31)上記第6の実施形態において、スライド部材630の変位機構の一部を指掛け部523の一部として利用することが可能となる構成としては上記のものに限定されない。例えば、スライド部材630の変位機構をスライド部材630の内部に設け、スライド部材630の外周面が指掛け部523の一部として利用可能な構成としてもよい。この場合であっても、指掛け部523に添えた指でスライド部材630を操作することが可能である。
(32)上記第6の実施形態において、スライド部材630の変位機構を指掛け部523の一部として利用する際に、スライド部材630を誤って操作してしまうことを抑制するためには、少なくともスライド部材630の操作方向が操作ハンドル513の最大操作位置に向けた方向とは異なる方向であればよく、例えば、スライド部材630が操作ハンドル513の初期回動位置に向けた方向に操作されるものであってもよく、前方又は後方に操作されるものであってもよい。
(33)上記第6の実施形態において、スライド部材630の変位機構及び指掛け部523における操作ハンドル513の初期回動位置側の面を略同一面とすることで、操作ハンドル513に対して最大操作位置に向けて力を加え易くする構成としたが、これに限定されず、例えば、指掛け部523に後方へ膨出させて膨出部を一体形成し、当該膨出部において操作ハンドル513の初期回動位置側の面に対して力を付与する構成としてもよい。この場合、少なくとも当該膨出部よりも操作ハンドル513の最大操作位置側にスライド部材630を設けるとよい。
(34)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると普電役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
具体的には、上作動口33は下側領域PE4に配置されるとともに、下作動口34は右側領域PE3に配置される構成といったように、上作動口33への入賞を狙う場合と下作動口34への入賞を狙う場合とで発射強度を変化させる必要がある構成に、本発明を適用してもよい。この場合、サポートモードが低頻度サポートモードである状況では、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生し易い領域を遊技球が流下するように発射強度を調整し、高頻度サポートモードである状況では、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生し易い領域を遊技球が流下するように発射強度を調整することとなる。したがって、発射強度調整を行うための操作手段121,213,330,440,540,570,630のような構成や、認識用手段のような構成を適用することにより、操作性を向上させることが可能となる。
また、遊技球が入球可能な内部空間に、その入球した遊技球が通過可能な有利口及び排出口と、入球した遊技球を有利口及び不利口のいずれかに振り分ける球振分手段と、を有する振分装置を備え、有利口に遊技球が入球した場合に、開閉実行モードといった遊技者に有利な状態に移行する構成に、本発明を適用してもよい。この場合、例えば、球振分手段への入球を可能とするために所定の入球部に遊技球を入球させる必要がある構成であって、当該所定の入球部への入球を狙って遊技球を発射させる場合と、振分装置への入球を狙って遊技球を発射させる場合とで、遊技球の発射強度を調整する必要が生じる構成が考えられる。このような構成に対して、発射強度調整を行うための操作手段121,213,330,440,540,570,630のような構成や、認識用手段のような構成を適用することにより、操作性を向上させることが可能となる。
(35)本発明は、遊技者による操作手段の操作に応じて遊技領域PEにおける遊技球の流下開始位置が変更される遊技機に適用可能である。当該遊技機として具体的には、上記パチンコ機10が挙げられ、それ以外にも、遊技球発射機構51を備えずに、遊技領域PEの上方から遊技球を流下させるノズルのような供給手段を有し、操作手段の操作に応じてその供給手段の位置を横方向に変化させるような遊技機が挙げられる。
(36)遊技球を発射可能とする操作部と、遊技球の発射強度を調整する操作部とが別に設けられている構成や、遊技球の発射は上皿65aに遊技球が貯留されている場合には遊技者の操作によらずに遊技球が発射され、遊技者の操作によりその発射強度が調整される構成に、本発明を適用してもよい。
(37)操作ハンドル74,212,313,413,513の回動操作に応じて発射強度の設定が可能であり、且つ発射強度調整を行うための操作手段121,213,330,440,540,570,630の操作に応じて発射強度の設定が可能な構成において、両方が操作されている状況では、発射強度の高い側の操作に対応した発射強度が設定される構成としてもよい。この場合、操作ハンドル74,212,313,413,513の回動操作のみにより、パチンコ機10において調整可能な全範囲の発射強度の設定が可能であるとともに、発射強度調整を行うための操作手段121,213,330,440,540,570,630の操作のみにより、パチンコ機10において調整可能な全範囲の発射強度の設定が可能である構成が好ましい。また、操作ハンドル74,212,313,413,513の回動操作量を検知するための手段である可変抵抗器223を利用して、発射強度調整を行うための操作手段121,213,330,440,540,570,630の操作量を検知する構成が好ましい。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される操作手段(第1の実施形態では操作ハンドル74、第2の実施形態では調整用操作部材213、第5の実施形態では調整用操作部材540)と、
当該操作手段が操作されたことに基づいて前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
を備え、
前記操作手段は、初期位置から最大操作位置までの範囲で操作可能な構成であり、
前記発射手段は、前記操作手段が前記最大操作位置となる前である特定操作位置となった場合に特定の発射強度による遊技球の発射を可能とする構成であり、
当該遊技機は、前記特定操作位置となったことを遊技者に認識させることを可能とする認識用手段(第1の実施形態では凹部77d及び押圧ユニット158、第2の実施形態では凹部234及び押圧ユニット235、第5の実施形態では薄板561、認識用突起562及び調整側突起543b、第5の実施形態における第2変形例では調整用バネ540b及び抵抗突起590)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、認識用手段が設けられていることにより、遊技者は特定の発射強度となったことを容易に認識することが可能となる。これにより、操作手段の操作を通じた発射強度の調整の容易化が図られ、操作性の向上が図られる。
特徴A2.前記操作手段は、前記初期位置に向けて付勢されており、前記最大操作位置に向かうほど当該操作手段の操作に要する操作力が増加する構成であり、
前記認識用手段は、前記操作手段の操作位置が前記特定操作位置となった場合に、前記最大操作位置に向けた前記操作力の変化率を変動させるものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、遊技者は操作手段の操作を行っている手を通じて、特定の発射強度となったことを認識することが可能となるため、特定の発射強度となったことの認識の容易化が図られる。
特徴A3.前記認識用手段は、前記操作手段の操作位置が前記特定操作位置となった場合に、前記操作手段の操作に要する操作力をそれまでよりも低減させるものであることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、遊技者は操作手段の操作を行っている手を通じて、特定の発射強度となったことを認識することが可能となるため、特定の発射強度となったことの認識の容易化が図られる。特に、操作手段を操作するのに要する操作力がそれまでよりも低減されるため、操作手段の操作性を低下させないようにしながら、特定の発射強度となったことの認識の容易化を図ることが可能となる。
特徴A4.前記発射手段は、前記操作手段の操作位置が前記最大操作位置となった場合には前記特定の発射強度として最大発射強度による遊技球の発射を可能とし、且つ前記特定操作位置となった時点で前記最大発射強度による遊技球の発射を可能とする構成であることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、遊技者は最大操作位置となるまで勢いよく操作手段を操作しなくても、遊技球の発射強度を最大発射強度とするためには、認識用手段の作用により最大発射強度となったことを認識できる状態となるまで操作手段を操作すればよい。したがって、操作手段の操作性が向上する。また、操作手段が最大操作位置まで勢いよく操作される可能性が低減されるため、操作手段が破損しづらくなる。
特徴A5.遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される操作手段(第1の実施形態では操作ハンドル74、第2の実施形態では調整用操作部材213、第5の実施形態では調整用操作部材540)と、
当該操作手段が操作されたことに基づいて前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
を備え、
前記操作手段は、初期位置から最大操作位置までの範囲で操作可能な構成であり、前記初期位置に向けて付勢されており、前記最大操作位置に向かうほど当該操作手段の操作に要する操作力が増加する構成であり、
前記発射手段は、前記操作手段が前記最大操作位置となる前である特定操作位置となった場合に特定の発射強度による遊技球の発射を可能とする構成であり、
当該遊技機は、前記操作手段の操作位置が前記特定操作位置となった場合に、前記最大操作位置に向けた前記操作力の変化率を変動させる認識用手段(第1の実施形態では凹部77d及び押圧ユニット158、第2の実施形態では凹部234及び押圧ユニット235、第5の実施形態では薄板561、認識用突起562及び調整側突起543b、第5の実施形態における第2変形例では調整用バネ540b及び抵抗突起590)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A5によれば、認識用手段が設けられていることにより、遊技者は特定の発射強度となったことを容易に認識することが可能となる。これにより、操作手段の操作を通じた発射強度の調整の容易化が図られ、操作性の向上が図られる。特に、遊技者は操作手段の操作を行っている手を通じて、特定の発射強度となったことを認識することが可能となるため、特定の発射強度となったことの認識の容易化が図られる。
特徴A6.遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
当該発射手段による遊技球の発射強度を調整操作可能な操作手段(第1の実施形態では操作ハンドル74、第2の実施形態では調整用操作部材213、第5の実施形態では調整用操作部材540)と、
を備え、
前記操作手段は、初期位置から最大操作位置までの範囲で操作可能な構成であり、
前記発射手段は、前記操作手段が前記最大操作位置となる前である特定操作位置となった場合に特定の発射強度による遊技球の発射を可能とする構成であり、
当該遊技機は、前記特定操作位置となったことを遊技者に認識させることを可能とする認識用手段(第1の実施形態では凹部77d及び押圧ユニット158、第2の実施形態では凹部234及び押圧ユニット235、第5の実施形態では薄板561、認識用突起562及び調整側突起543b、第5の実施形態における第2変形例では調整用バネ540b及び抵抗突起590)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A6によれば、認識用手段が設けられていることにより、遊技者は特定の発射強度となったことを容易に認識することが可能となる。これにより、操作手段の操作を通じた発射強度の調整の容易化が図られ、操作性の向上が図られる。
上記構成は、以下の構成に対して適用するとより効果的である。
「前記遊技領域には、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1入球部(上作動口33)と第2入球部(可変入賞装置32)とを備えており、
前記第1入球部は、前記特定の発射強度とは異なる発射強度により発射された遊技球が到達可能となる位置又は当該異なる発射強度により発射された遊技球が前記第2入球部よりも到達し易くなる位置に配置されており、
前記第2入球部は、前記特定の発射強度により発射された遊技球が到達可能となる位置又は前記特定の発射強度により発射された遊技球が前記第1入球部よりも到達し易くなる位置に配置されている」構成。
<特徴B群>
特徴B1.遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される発射操作装置(発射操作装置71,210,310,410,510,610)と、
当該発射操作装置が操作されたことに基づいて前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
を備え、
前記発射操作装置は、
回動操作可能に設けられ、初期回動位置からの回動操作量に応じて前記発射手段による遊技球の発射強度を向上させることを可能とする操作ハンドル(操作ハンドル74,212,313,413,513)と、
当該操作ハンドルの回動位置を変化させなくても、前記発射手段による遊技球の発射又は前記発射手段による遊技球の発射強度の変更を可能とする特定操作手段(第1の実施形態では補助操作部121、第2の実施形態では調整用操作部材213、第3の実施形態では調整用操作部材330、第4の実施形態では調整用操作部材440、第5,第6の実施形態では調整用操作部材540又は第2調整用操作部材570)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、操作ハンドルの回動操作だけでなく、特定操作手段の操作によっても遊技球の発射又は発射強度の変更を行うことが可能であるため、状況に応じて特定操作手段を操作するか否かを選択することが可能となり、発射操作装置の操作性を向上させることが可能となる。
特徴B2.前記発射手段は、前記操作ハンドルが所定の回動操作位置に配置されている場合に、前記遊技領域の所定領域(左側領域PE2)を流下する発射強度での遊技球の発射を可能とする構成であり、
前記特定操作手段は、前記操作ハンドルが少なくとも前記所定の回動操作位置に配置されている状況で操作された場合に、前記所定領域とは異なる領域(右側領域PE3)を流下する発射強度での遊技球の発射を可能とするものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、操作ハンドルの操作位置を所定の回動操作位置に調整した状態を維持しながら、所定領域とは異なる領域を流下するように遊技球を発射させることが可能となる。この場合、遊技球を流下させる領域を、所定領域から異なる領域に変化させる際に操作ハンドルの操作位置を変化させる必要が生じないため、再度、所定領域を遊技球が流下する状態に戻す際に操作ハンドルの操作位置の調整を要しない。よって、発射操作装置の操作性を向上させることが可能となる。
当該構成は、以下の構成に対して適用するとより効果的である。
「前記遊技領域には、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1入球部(上作動口33)と第2入球部(可変入賞装置32)とを備えており、
前記第1入球部は、前記所定領域を流下する遊技球が到達可能となる位置又は前記所定領域を流下する遊技球が前記第2入球部よりも到達し易くなる位置に配置されており、
前記第2入球部は、前記異なる領域を流下する遊技球が到達可能となる位置又は前記異なる領域を流下する遊技球が前記第1入球部よりも到達し易くなる位置に配置されている」構成。
特徴B3.前記特定操作手段は、前記操作ハンドルが少なくとも前記所定の回動操作位置に配置されている状況において前記発射操作装置の上方から下方に向けて力を付与することで操作可能な位置に配置されるものであることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、発射操作装置を握っている手の重みを利用して特定操作手段を操作することができるため、当該特定操作手段の操作性を向上させることが可能となる。
特徴B4.前記特定操作手段が操作されることによる遊技球の発射強度が、当該特定操作手段が操作された場合における前記操作ハンドルの回動操作位置に応じて変動し得る構成であることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、特定操作手段を操作した場合には、その時点の操作ハンドルの回動操作位置を踏まえた発射強度で遊技球が発射されるため、操作ハンドルの操作状況に応じた発射強度の調整を行うことが可能となる。
特徴B5.前記特定操作手段が操作されることによる遊技球の発射強度が、前記操作ハンドルの回動操作位置に関係なく設定される構成であることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、遊技者は特定操作手段を利用して遊技球の発射強度を調整する場合、操作ハンドルの回動操作位置を考慮することなく、当該調整を行うことができるため、当該調整に際しての操作の容易化が図られる。
特徴B6.前記特定操作手段の操作量に応じて遊技球の発射強度が変化する構成であることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、操作ハンドルの回動操作位置の調整だけでなく、特定操作手段の操作量の調整によっても、遊技球の発射強度を調整することが可能であるため、発射強度の調整の仕方が多様化する。
特徴B7.前記特定操作手段の操作を検知する操作検知手段(調整スイッチ157)と、
前記特定操作手段が操作されていることが前記操作検知手段により検知されている場合に、予め定められた発射強度で遊技球の発射を行うように前記発射手段を制御する発射制御手段(発射制御部178)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B7によれば、特定操作手段を操作した場合には予め定められた発射強度となるため、特定操作手段を操作した際にどのような発射強度となるのかを明確に把握することが可能となる。これにより、操作ハンドルとは別に特定操作手段を備えた構成において、発射操作装置の操作の容易化が図られる。
特徴B8.前記操作ハンドルが前記初期回動位置に配置されている状況では、前記特定操作手段が操作されたとしても遊技球の発射を不可とする制限手段(操作片87、発射止めスイッチ112)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B8によれば、操作ハンドルとは別に特定操作手段を備えた構成において、操作ハンドルの回動操作を行うことなく、遊技球を発射させることが不可であるため、遊技ホールにおいて、遊技者が発射操作装置を操作しているのか否かの確認の容易化が図られる。
特徴B9.前記特定操作手段が操作されている場合に、前記操作ハンドルの変位規制を行う手段(第1の実施形態ではリンク部材141、第6の実施形態ではスライド部材630を開口部544に嵌合可能とする構成)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B9によれば、操作ハンドルの回動操作位置を維持しながら発射強度を変更すべく特定操作手段を操作した場合にはその操作に起因して操作ハンドルの変位規制が行われる。これにより、操作ハンドルの回動操作位置をより確実に維持させることが可能となる。
なお、「変位規制」には、操作ハンドルの変位が生じないようにする構成や、操作ハンドルの変位は可能であるが操作ハンドルを所定の回動操作位置に保持するために必要な操作力を低減させる構成が含まれる。
特徴B10.前記操作ハンドルの回動操作量を検知する操作量検知手段(可変抵抗器223,155)と、
当該操作量検知手段による検知結果に対応した発射強度で遊技球の発射を行うように前記発射手段を制御する発射制御手段(発射制御部178)と、
を備え、
前記操作量検知手段は、前記特定操作手段の操作量も検知するものであることを特徴とする特徴B1乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B10によれば、操作量検知手段の数の増加を抑制しながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴B11.前記操作ハンドルが操作されることに基づいて変位し、前記特定操作手段が操作されることに基づいても変位する変位手段(第3の実施形態においては第2ギア部材321、第4の実施形態においてはハンドル用軸部材415)を備え、
前記操作量検知手段は、前記変位手段が変位することに基づいて、前記操作ハンドルの操作量及び前記特定操作手段の操作量を検知するものであり、
前記変位手段は、前記操作ハンドル及び前記特定操作手段のうち一方の側の操作を伝達する第1伝達部により当該操作力が伝達されることに基づき変位し、他方の側が操作された場合には前記第1伝達部とは別の第2伝達部により当該操作力が伝達されることに基づき変位するものであることを特徴とする特徴B10に記載の遊技機。
特徴B10のように操作量検知手段を操作ハンドルと特定操作手段とで共通のものを利用する構成の場合、例えば、操作ハンドル、特定操作手段及び操作量検知手段のそれぞれに対して歯車を設け、操作ハンドル及び特定操作手段のうちの一方側の歯車を、他方側の歯車と操作量検知手段側の歯車との間に介在させる構成が考えられる。この場合、操作ハンドル及び特定操作手段のうちの一方を操作すると、操作量検知手段側の歯車にその操作力が伝達するとともに、操作ハンドル及び特定操作手段のうちのもう一方側の歯車にもその操作力が伝達する構成となる。より詳細には、例えば、操作ハンドル側の歯車を、特定操作手段側の歯車と操作量検知手段側の歯車との間に介在させる構成とすると、操作ハンドルを操作した場合の操作力は、特定操作手段側の歯車及び操作量検知手段側の歯車のいずれの歯車に対しても操作ハンドル側の歯車から直接伝達され、特定操作手段を操作した場合の操作力は、操作ハンドル側の歯車を介して操作量検知手段側の歯車に伝達される。つまり、特定操作手段を操作して操作量検知手段にその操作力を伝達させるためには、操作ハンドルの操作力を伝達させる経路を利用してその操作力を伝達させる必要が生じる。したがって、操作ハンドル及び特定操作手段のいずれを操作する場合であっても相互の影響が生じ、各歯車の配置や回動方向といった設計上の自由度が低下する。これに対して、特徴B11の構成は、操作量検知手段に対して操作ハンドル及び特定操作手段の操作力を伝達する変位手段が、第1伝達部又は第2伝達部を介して変位する構成であり、操作ハンドル及び特定操作手段を操作する操作力をそれぞれ別の伝達部を介して変位手段に伝達させるため、相互の影響を低減することができる。したがって、操作ハンドル及び特定操作手段をそれぞれ個別に操作する上での相互の影響を低減し、設計の自由度を高めることが可能となる。
なお、特徴B11のより具体的な構成は、以下の構成である。
「前記変位手段は、当該変位手段の所定部位が初期位置から所定方向に向けて変位可能に設けられており、
当該所定部位が前記所定方向に向けて変位した変位量に応じて、前記操作量検知手段にて検知される操作量が変動する構成であり、
前記第1伝達部は、前記一方の側が操作された場合の操作力を前記変位手段に伝達することで前記所定部位を前記所定方向に変位させる一方、当該一方の側が操作されていない状況において前記所定部位が前記所定方向に変位することを阻止しないように設けられており、
前記第2伝達部は、前記他方の側が操作された場合の操作力を前記変位手段に伝達することで前記所定部位を前記所定方向に変位させる一方、当該他方の側が操作されていない状況において前記所定部位が前記所定方向に変位することを阻止しないように設けられている」構成。
<特徴C>
特徴C1.遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される操作手段(補助操作部121)と、
当該操作手段の操作を検知する操作検知手段(調整スイッチ157)と、
前記操作手段が操作されていることが前記操作検知手段により検知されている場合に、予め定められた発射強度で遊技球の発射を行うように発射手段を制御する発射制御手段(発射制御部178)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、操作手段を操作すれば、予め定められた発射強度で遊技球が発射されるため、当該操作手段の操作に際しては発射強度を調整するための操作を要しない。よって、遊技球を発射させる上での操作性の向上が図られる。
<特徴D群>
特徴D1.遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される発射操作装置(発射操作装置510,610)と、
当該発射操作装置が操作されたことに基づいて前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
を備え、
前記発射操作装置は、
回動操作可能に設けられ、初期回動位置からの回動操作量に応じて前記発射手段による遊技球の発射強度を向上させることを可能とする操作ハンドル(操作ハンドル513)と、
前記発射手段による遊技球の発射又は前記発射手段による遊技球の発射強度の変更を可能とする特定操作手段(調整用操作部材540又は第2調整用操作部材570)と、
を備え、
前記操作ハンドルが所定量回動操作されていない状況では、前記特定操作手段の操作を無効とする又は操作を制限する制限手段(発射止めスイッチ112又は扇型ギア部材550)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、操作ハンドル以外に特定操作手段によって遊技球の発射又は発射手段による遊技球の発射強度の変更が可能となり、発射操作装置の操作性の向上を図ることができる。但し、特定操作手段は、操作ハンドルを初期回動位置から所定量回動操作させた場合に、その操作により遊技球の発射又は発射手段による遊技球の発射強度の変更が可能となる。つまり、特定操作手段を操作することに基づき遊技球の発射又は発射手段による遊技球の発射強度の変更させる場合には、操作ハンドルを少なくとも所定量回動操作する必要が生じる構成としている。遊技者が操作ハンドルを操作する場合、操作ハンドルを把持する片手の全体が操作のために利用されるところ、本構成によれば、遊技ホールにおいて、遊技者が発射操作装置を操作しているか否かの確認を容易にすることが可能となる。したがって、遊技ホールにおける確認の容易化を図りつつ、発射操作装置の操作性の向上を図ることができる。
特徴D2.前記発射手段は、前記操作ハンドルが前記所定量回動操作された場合には、遊技球を前記遊技領域に到達しない発射強度で発射し、且つ、前記操作ハンドルが前記所定量回動操作された状況において前記特定操作手段が操作された場合には、前記遊技領域に到達する発射強度での遊技球の発射を可能とするものであることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、操作ハンドルを所定量回動操作している状況では、遊技球は発射されるものの遊技領域には到達せず戻り球となる。つまり、操作ハンドルを所定量回動操作している状況とは、最低限操作ハンドルを操作している状況といえる。この状況において、特定操作手段の操作に基づく遊技球の発射又は発射強度の変更が可能となり、その操作により遊技領域に到達する発射強度で遊技球の発射がなされる。したがって、特定操作手段の操作により遊技球を遊技領域に発射させるためには少なくとも操作ハンドルを最低限操作していればよく、特定操作手段の操作によって遊技球を発射させる場合であっても、遊技者の負担を軽減しつつ遊技ホールにおける確認の容易化を図ることが可能となる。
特徴D3.前記制限手段は、前記操作ハンドルが回動操作された場合の操作力により、前記特定操作手段の操作を不可とする不可状態と前記特定操作手段の操作を可能とする可能状態との間を変位可能な構成であることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、制限手段が不可状態と可能状態との間を変位することにより、特定操作手段の操作が不可又は可能となる。当該制限手段は操作ハンドルが回動操作された場合の操作力により変位することから、制限手段の変位を電気的な構成を利用することなく機械的な構成のみで実現することが可能となる。よって、簡素な構成で特徴D1の効果を奏することが可能となる。
特徴D4.前記制限手段が変位することに基づき前記発射強度を変更させることが可能な構成であり、
前記特定操作手段は、前記制限手段が前記可能状態となった状況で操作された場合、当該制限手段を前記発射強度が変更される側に変位させるものであることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
特徴D4によれば、特定操作手段の操作により制限手段が変位し、制限手段が変位することに基づいて遊技球の発射強度が変更される。したがって、特定操作手段の操作量を発射強度に反映させる機能を制限手段が兼ねることとなり、かかる機能の集約を通じて構成の簡素化が図られる。
なお、具体的な構成としては、以下の構成である。
「前記特定操作手段は、前記制限手段を押圧することで、操作された際に当該制限手段を変位させるものであり、
前記制限手段は、
前記不可状態において前記特定操作手段からの押圧力を、前記制限手段を前記発射強度が変更される側に変位させる力として伝わらないようにして受ける面と、
前記可能状態において前記特定操作手段からの押圧力を、前記制限手段を前記発射強度が変更される側に変位させる力として伝わるようにして受ける面と、
を備えている」構成。
特徴D5.前記制限手段は、遊技者により操作可能に設けられ、操作された場合には前記操作ハンドルが操作されている状況であっても遊技球の発射を不可とするものであり、
当該制限手段が操作されている状況では、前記特定操作手段が操作されている状況であっても遊技球の発射が不可となる構成であり、
前記操作ハンドルが初期回動位置に配置されている状況において、前記制限手段が操作状態となるように当該制限手段に操作力を付与する手段(操作片87)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D5によれば、操作ハンドル以外に特定操作手段の操作に基づいて遊技球の発射又は発射強度が変更される構成において、操作ハンドルの操作に基づく遊技球の発射を不可とする制限手段と、特定操作手段の操作に基づく遊技球の発射を不可とする制限手段と、を兼用することが可能となる。これにより発射操作装置における部材点数の削減により製造コストの低減を図ることが可能となる。
特徴D6.前記発射操作装置は、前記操作ハンドルを支持するとともに、前記操作ハンドルが操作されても変位しない支持手段(基部511、ハンドルカバー512)を備え、
前記特定操作手段は、前記支持手段に設けられており、
前記操作ハンドルは、前記特定操作手段を操作方向に変位させることを可能とする遷移手段(スライド部材630)を備え、
前記支持手段は、前記制限手段として、前記操作ハンドルが前記所定量回動操作されていない状況では前記遷移手段が操作されたとしても前記特定操作手段を操作方向に変位させることを不可とする部位を有していることを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D6によれば、操作ハンドルとは別に特定操作手段を備えた構成において、特定操作手段を操作ハンドルが操作されても変位しない支持手段に設けたことで、操作ハンドルの操作により遊技球が発射されているか、特定操作手段の操作により遊技球が発射されているか、を遊技ホールの管理者が特定することが容易となる。また、操作ハンドルが所定量回動操作されていない状況では支持手段側の制限手段が特定操作手段の変位を不可とするとともに、操作ハンドル側に設けられた遷移手段を遷移させることで特定操作手段を変位させることが可能であることから、操作ハンドルの操作に基づいて特定操作手段の変位の可否を変化させることが可能となる。かかる構成により、不正抑制(ホール管理者による管理容易化)と発射操作装置の操作性の向上との両面の効果を奏することができる。
特徴D7.前記操作ハンドルには、遊技者の手の指を添える指掛け部(指掛け部523)を備え、
前記遷移手段は当該指掛け部に設けられていることを特徴とする特徴D6に記載の遊技機。
特徴D7によれば、遷移手段が操作ハンドルの指掛け部に設けられていることから、当該指掛け部に添えた指を大きく移動させなくても遷移手段を操作することが可能となる。したがって、操作ハンドルに添えた片手で、操作ハンドル及び特定操作手段を操作することができ、発射操作装置の操作性の向上を図ることが可能となる。
特徴D8.前記遷移手段は、少なくとも前記操作ハンドルにおける発射強度を向上させる回動方向とは異なる方向に操作される構成であることを特徴とする特徴D7に記載の遊技機。
特徴D8によれば、操作ハンドルの指掛け部に設けられた遷移手段に対して、操作ハンドルにおける発射強度を向上させる方向に力を加えても遷移手段を操作してしまわない。一般的に、操作ハンドルは初期回動位置に向けて付勢する付勢手段が設けられており、操作ハンドルを操作する場合には発射強度を向上させる方向に常に力を加えている必要がある。この場合、本構成を備えずに操作ハンドルに対して遷移手段を設けると、誤って遷移手段を操作してしまわないように留意しながら操作ハンドルに力を加えることになり、操作ハンドルの操作性という観点から好ましくない。これに対して本構成によれば、操作ハンドルの操作性を低下させることなく、遷移手段を操作ハンドルに設けることが可能となる。
特徴D9.前記遷移手段は、前記指掛け部の後側に配置されており、
前記指掛け部及び前記遷移手段における前記操作ハンドルの前記初期回動位置側の面に段差が生じないように設けられていることを特徴とする特徴D7又は特徴D8に記載の遊技機。
特徴D9によれば、指掛け部及び遷移手段における操作ハンドルの初期回動位置側の面を広くすることができ、さらに段差なく設けられていることから、操作ハンドルにおける発射強度を向上させる方向に力を加えやすくなる。したがって、操作ハンドルの操作性を向上させつつ遷移手段を設けることが可能となる。
特徴D10.前記遷移手段が操作されることにより、前記支持手段に対して当該遷移手段が挿入されることにより前記操作ハンドルの位置変位が規制される(第6の実施形態では、スライド部材630を操作することによりスライド部材630が基部511の開口部544に係合して操作ハンドル513の位置変位の規制がなされる)構成であることを特徴とする特徴D6乃至D9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D10によれば、遷移手段は操作ハンドル側に設けられている一方で、操作されると支持手段に対して挿入され操作ハンドルの位置変位が規制される。これにより、操作ハンドルを所定回動量に保持した状態で遷移手段及び特定操作手段により遊技球の発射強度を変更することが可能となる。よって、発射操作装置の操作性の向上を図ることができる。
特徴D11.前記発射手段は、前記操作ハンドルが前記所定量回動操作された場合に、前記遊技領域の所定領域(左側領域PE2)を流下する発射強度での遊技球の発射を可能とする構成であり、
前記特定操作手段は、前記操作ハンドルが少なくとも前記所定量回動操作されている配置されている状況で操作された場合に、前記所定領域とは異なる領域(右側領域PE3)を流下する発射強度での遊技球の発射を可能とするものであることを特徴とする特徴D10に記載の遊技機。
特徴D11によれば、操作ハンドルの操作位置を所定量回動操作された位置に保持しながら、所定領域とは異なる領域を流下するように遊技球を発射させることが可能となる。特にこの場合、特徴D10に記載したように、遷移手段が支持手段に挿入されて操作ハンドルの位置変位が規制されることから、再度、所定領域を遊技球が流下する状態に戻す際に、発射ハンドルの操作位置の調整を要さず、発射操作装置の操作性の向上を図ることが可能となる。
当該構成は、以下の構成に適用するとより効果的である。
「前記遊技領域には、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1入球部(上作動口33)と第2入球部(可変入賞装置32)とを備えており、
前記第1入球部は、前記所定領域を流下する遊技球が到達可能となる位置又は前記所定領域を流下する遊技球が前記第2入球部よりも到達し易くなる位置に配置されており、
前記第2入球部は、前記異なる領域を流下する遊技球が到達可能となる位置又は前記異なる領域を流下する遊技球が前記第1入球部よりも到達しやすくなる位置に配置されている」構成。
また、上記構成を適用することにより、第1入球部に到達し易くなる発射強度を、遷移手段を操作しつつ操作ハンドルを回動操作することで、遷移手段を遷移させることが可能となることによっても判断することが可能となる。これにより、発射操作装置の操作性の向上を図ることができる。
なお、上記構成において、各入球部(第1入球部、第2入球部)に遊技球が到達する、とは、少なくとも所定の頻度で各入球部に入球可能な態様で遊技球が流下することを示している。
また、上記構成に代えて、以下の構成を適用しても同様の効果を奏する。
「前記遊技領域には、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1入球部(上作動口33)と第2入球部(可変入賞装置32)とを備えており、
前記第1入球部は、前記所定領域を遊技球が流下する場合のほうが前記異なる領域を遊技球が流下する場合よりも入球頻度が高くなる位置に配置されており、
前記第2入球部は、前記異なる領域を遊技球が流下する場合のほうが前記所定領域を遊技球が流下する場合よりも入球頻度が高くなる位置に配置されている」構成。
特徴D12.前記特定操作手段は、前記操作ハンドルの回動位置を変化させなくても、前記発射手段による遊技球の発射又は前記発射手段による遊技球の発射強度の変更を可能とするものであることを特徴とする特徴D1乃至D11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D12によれば、少なくとも操作ハンドルは初期回動位置から所定量回動操作している状況であれば、操作ハンドルの回動位置にかかわらず特定操作手段を操作することにより、発射手段による遊技球の発射又は発射手段による遊技球の発射強度の変更が可能となる。これにより、発射操作装置の操作性の向上を図ることができる。
<特徴E群>
特徴E1.遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される発射操作装置(発射操作装置410,510,610)と、
当該発射操作装置が操作されたことに基づいて前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
を備え、
前記発射操作装置は、
回動操作可能に設けられ、初期回動位置からの回動操作量に応じて前記発射手段による遊技球の発射強度を向上させることを可能とする操作ハンドル(操作ハンドル413,513)と、
当該操作ハンドルの回動位置を変化させなくても、前記発射手段による遊技球の発射又は前記発射手段による遊技球の発射強度の変更を可能とする特定操作手段(調整用操作部材440,540、第2調整用操作部材570)と、
を備え、
当該特定操作手段は、前記操作ハンドルにおける遊技球の発射強度を向上させる回動方向及び抑制させる回動方向のうち少なくとも一方と異なる方向に操作される構成であることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、操作ハンドル以外に特定操作手段によって遊技球の発射又は発射手段による遊技球の発射強度の変更が可能となり、発射操作装置の操作性の向上を図ることができる。さらに、特定操作手段の操作方向と操作ハンドルの操作方向との関係により、特定操作手段の操作に基づく操作ハンドルの位置変位を抑制することが可能となっている。
特に、操作ハンドルは初期回動位置に保持すべく付勢手段により付勢されていることが一般的であり、当該付勢手段の付勢力に抗する力を付与しつつ初期回動位置から操作される。この場合、操作ハンドルには、発射強度を抑制させる回動方向に上記付勢手段により付勢力が付与され、発射強度を向上させる回動方向へは遊技者により上記付勢力に抗する力が付与される。したがって、特定操作手段が、上記いずれかの回動方向と異なる方向に操作される構成であることで、少なくとも当該異なる方向に付与される力で操作ハンドルに付与されているいずれかの力を変化させてしまうことを抑制することが可能となり、操作ハンドルの位置変位を抑制することができる。すなわち、操作ハンドルを所定の回動操作位置に調整して、当該回動操作位置に対応する発射強度で遊技球の発射がなされている状態を維持しながら特定操作手段を操作することが可能となる。さらにこの場合、特定操作手段の操作後には、再度、操作ハンドルの操作位置を調整する必要がない。よって、発射操作装置の操作性を向上させることができる。
当該構成は、以下の構成に対して適用するとより効果的である。
「前記遊技領域には、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1入球部(上作動口33)と第2入球部(可変入賞装置32)とを備えており、
前記第1入球部は、前記所定領域を流下する遊技球が到達可能となる位置又は前記所定領域を流下する遊技球が前記第2入球部よりも到達し易くなる位置に配置されており、
前記第2入球部は、前記異なる領域を流下する遊技球が到達可能となる位置又は前記異なる領域を流下する遊技球が前記第1入球部よりも到達し易くなる位置に配置されている」構成。
特徴E2.前記特定操作手段は、前記操作ハンドルにおける遊技球の発射強度を向上させる回動方向及び抑制させる回動方向の両方と異なる方向に操作される構成であることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、特定操作手段の操作方向が、操作ハンドルの回動におけるいずれの回動方向とも異なる方向となる。これにより、操作ハンドルのいずれの回動方向においても特徴E1で述べた効果を奏することが可能となり、特定操作手段の操作に基づく操作ハンドルの位置変位を好適に抑制することが可能となる。
特徴E3.前記特定操作手段の操作方向は、前記操作ハンドルの回動軸に向かう方向であることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、特定操作手段の操作は操作ハンドルの回動軸に向かう方向であることから、特定操作手段に付与される力が操作ハンドルを回動させる方向には伝わらず、特定操作手段の操作による操作ハンドルの位置変位が生じにくい。
特徴E4.前記操作ハンドルが回動操作されることに基づいて変位する変位手段(第4の実施形態においてはハンドル用軸部材415、第5,第6の実施形態においてはギアユニット530)を備え、
前記発射手段は、前記変位手段が変位することに基づいて遊技球の発射強度を変更させる構成であり、
前記特定操作手段の操作力を前記操作ハンドルが初期回動位置から回動操作された場合と同一の方向に変位させる力とした状態で前記変位手段に伝達する伝達手段(第4の実施形態においては第1ギア部材460、第5,第6の実施形態においては扇型ギア部材550)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E4によれば、特定操作手段は操作ハンドルと異なる方向に操作されるものの、伝達手段により変位手段へその操作力を伝達することが可能となる。特に、特徴E1のように特定操作手段と操作ハンドルとが異なる方向に操作される構成とすると、発射手段へ各操作手段(特定操作手段及び操作ハンドル)の操作力を伝達する変位手段を別々に設ける構成も考えられるが、変位手段を操作手段ごとに設ける構成とすると、発射操作装置の大型化や製造コストの増加が懸念される。これに対して本構成によれば、伝達手段を介することで、特定操作手段の操作力を操作ハンドルと共通の変位手段に伝達することができ、当該変位手段の共通化を通じて、構成の簡素化が図られる。
なお、具体的な構成としては、以下の構成である。
「前記操作ハンドルが回動操作されることに基づいて回動する変位手段(第4の実施形態においてはハンドル用軸部材415、第5,第6の実施形態においてはギアユニット530)を備え、
前記発射手段は、前記変位手段が回動することに基づいて遊技球の発射強度を変更させる構成であり、
前記特定操作手段は、操作された場合に直線動作する構成であり、
前記特定操作手段の操作力を、直線方向の力から、前記操作ハンドルが初期回動位置から回動操作された場合と同一の方向に回動させる力とした状態で前記変位手段に伝達する伝達手段(第4の実施形態においては第1ギア部材460、第5,第6の実施形態においては扇型ギア部材550)を備えている」構成。
特徴E5.前記特定操作手段が第1位置に配置される状況では前記変位手段は変位側第1位置に配置され、前記特定操作手段が第2位置に配置される状況では前記変位手段は変位側第2位置に配置されるものであり、
前記伝達手段は、前記第1位置から前記第2位置までの移動量よりも前記変位側第1位置から前記変位側第2位置までの移動量のほうが相対的に多くなるようにするものであることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
特徴E5によれば、特定操作手段の操作量が増幅されて発射手段による遊技球の発射強度の変更がなされる。つまり、伝達手段は、特定操作手段の直線移動を回動に変換するとともに、特定操作手段の操作量を増幅することになる。これにより、一の手段により上記の効果を奏することが可能となり、発射操作装置における部材点数の削減により遊技機の製造コストを低減することができる。
特に、特定操作手段の操作量が増幅されて伝達することにより、特定操作手段を操作する場合であってもその操作量が少ないため、操作ハンドルに力が伝達してしまう機会を低減することができ、操作ハンドルの位置変位を好適に抑制することができる。
特徴E6.前記操作ハンドルを支持するとともに当該操作ハンドルの操作によっては変位しない支持手段を備え、
前記特定操作手段は、当該支持手段に設けられていることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E6によれば、特定操作手段が操作ハンドルではなく操作ハンドルの操作によっては変位しない支持手段に設けられていることから、特定操作手段を操作する場合に操作ハンドルにその操作力が伝わりにくく位置変位が生じにくい。
特徴E7.前記操作ハンドルが回動操作されることに基づいて変位する変位手段を備え、
前記発射手段は、前記変位手段が変位することに基づいて遊技球の発射強度を変更させる構成であり、
前記変位手段は、前記特定操作手段とは非連結状態で設けられており、前記操作ハンドルが回動操作されたことに基づき変位する場合には前記特定操作手段に力を伝達することなく変位し、前記特定操作手段が操作された場合には当該操作力を受けることで、前記操作ハンドルが初期回動位置から回動操作された場合と同一の方向に変位するものであることを特徴とする特徴E6に記載の遊技機。
特徴E7によれば、操作ハンドル及び特定操作手段のいずれの操作によっても変位する変位手段を、特定操作手段と非連結状態となるように設けることで、操作ハンドルの操作によっては特定操作手段を変位させない構成となる。つまり、支持手段に特定操作手段を設ける構成であっても、共通の変位手段を利用しながら特定操作手段を操作ハンドルの操作に追従しない構成とすることができる。これにより、特定操作手段の操作開始位置が操作ハンドルの操作位置によって変化せず違和感なく操作することが可能となる。
特徴E8.遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される発射操作装置(発射操作装置410,510,610)と、
当該発射操作装置が操作されたことに基づいて前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
を備え、
前記発射操作装置は、
回動操作可能に設けられ、初期回動位置からの回動操作量に応じて前記発射手段による遊技球の発射強度を向上させることを可能とする操作ハンドル(操作ハンドル413,513)と、
当該操作ハンドルの回動位置を変化させなくても、前記発射手段による遊技球の発射又は前記発射手段による遊技球の発射強度の変更を可能とする特定操作手段(調整用操作部材440,540、第2調整用操作部材570)と、
を備え、
当該特定操作手段は、前記操作ハンドルを所定の回動位置に保持する際に加えられる保持力とは異なる方向に力が加えられることで操作される構成であることを特徴とする遊技機。
特徴E8によれば、操作ハンドル以外に特定操作手段によって遊技球の発射又は発射手段による遊技球の発射強度の変更が可能となり、発射操作装置の操作性の向上を図ることができる。さらに、特定操作手段は、操作ハンドルを所定の回動位置に保持する際に加えられる保持力とは異なる方向に力を加えることで操作される構成であることから、特定操作手段へ力を加える際に、操作ハンドルに加えていた保持力の変化を少なくすることが可能となる。これにより、特定操作手段の操作に基づく操作ハンドルの位置変位を抑制することができる。
なお、上記特徴E8に対して、上記特徴E2乃至E7のいずれか1にて新たに限定した構成を適用してもよい。この場合、それら構成を適用したことによる相乗的な効果を奏する。
<特徴F群>
特徴F1.遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される発射操作装置(発射操作装置510)と、
当該発射操作装置が操作されたことに基づいて前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
を備え、
前記発射操作装置は、
回動操作可能に設けられ、初期回動位置からの回動操作量に応じて前記発射手段による遊技球の発射強度を向上させることを可能とする操作ハンドル(操作ハンドル513)と、
前記発射手段による遊技球の発射又は前記発射手段による遊技球の発射強度の変更を可能とする特定操作手段(調整用操作部材540)と、
を備え、
前記特定操作手段は、前記発射操作装置を構成する部材に形成された開口部(開口部544)を通じて当該部材の外部に露出させて設けられており、当該露出する部分として操作面を有し、
当該操作面は、前記特定操作手段が初期位置に配置される状況において、前記開口部の周縁部の少なくとも一部を生じさせる所定の周面を前記操作面側に延長させた場合の仮想延長面よりも外方に突出しないようにして設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、操作ハンドル以外に特定操作手段によって遊技球の発射又は発射手段による遊技球の発射強度の変更が可能となり、発射操作装置の操作性の向上を図ることができる。さらに、特定操作手段の操作面は、特定操作手段が設けられた開口部の所定の周面における仮想延長面よりも外方に突出しないようにして設けられていることから、操作ハンドルを操作する場合の障壁とはならない。これにより、操作ハンドルの操作性を低下させることなく特定操作手段を設けることが可能となる。
一般的に遊技機は、操作ハンドルに手を添えて遊技を行うものであり、遊技状態に応じて発射強度を変更させて遊技領域の異なる領域に遊技球を発射させる必要も生じ得る。この場合、特定操作手段及び操作ハンドルのいずれかを操作することで遊技球の発射強度を変更することが可能であることから、遊技者はいずれかの一の操作手段を選択することになる。操作ハンドルを操作して遊技球の発射強度を変更する場合、仮に特定操作手段が上記開口部の所定の周面の仮想延長面から外方に突出しているとその操作の邪魔になり得ることから、せっかく用意した特定操作手段をわずらわしいものと感じさせてしまう。これに対して本構成によれば、操作ハンドルを操作する場合であってもその操作の邪魔にならず、操作ハンドルの操作性を低下させてしまうことがない。
当該構成は、以下の構成に適用するとより効果的である。
「前記遊技領域には、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1入球部(上作動口33)と第2入球部(可変入賞装置32)とを備えており、
前記第1入球部は、前記所定領域を流下する遊技球が到達可能となる位置又は前記所定領域を流下する遊技球が前記第2入球部よりも到達し易くなる位置に配置されており、
前記第2入球部は、前記異なる領域を流下する遊技球が到達可能となる位置又は前記異なる領域を流下する遊技球が前記第1入球部よりも到達しやすくなる位置に配置されている」構成。
特徴F2.前記所定の周面は、前記開口部に対して、前記操作ハンドルを前記初期回動位置から回動操作する場合の回動元側の位置に存在していることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F2によれば、特定操作手段が操作ハンドルの回動元側の周面の仮想延長面から外方に突出していないことから、操作ハンドルを初期位置から発射強度を向上させる方向へ回動操作する際の操作の邪魔にならない。一般的に操作ハンドルは初期回動位置に向けて付勢する付勢手段が設けられており、操作ハンドルを初期回動位置から操作する場合には、当該付勢手段の付勢力に抗する力を付与しながら操作する必要がある。これに対して本構成によれば、操作ハンドルの回動操作において、初期回動位置から発射強度を向上させる方向に力を加えて操作する際に、特定操作手段がその操作の邪魔にならず、操作性を低下させることなく特定操作手段を設けることができる。
特徴F3.前記所定の周面は、前記開口部に対して、前記操作ハンドルを前記初期回動位置から回動操作する場合の回動元側及び回動先側の両方の位置に存在していることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F3によれば、特定操作手段が操作ハンドルの回動元側及び回動先側の両方の周面の仮想延長面から外方に突出していないことから、操作ハンドルを初期位置から発射強度を向上させる方向へ回動操作する際と、発射強度を低下させる方向へ回動操作する際と、の両方の操作の邪魔にならない。一般的に操作ハンドルは初期回動位置に向けて付勢する付勢手段が設けられており、操作ハンドルを初期回動位置から操作する場合には、当該付勢手段の付勢力に抗する力を付与しながら操作する必要がある。また、発射強度を低下させる方向に回動操作して発射強度を調整する場合には、通常、付勢手段の付勢力のみで操作ハンドルを回動させるのではなく、操作ハンドルに付与する力を減少させて付勢手段の付勢力との均衡を保ちながら操作する。これに対して本構成によれば、これら操作ハンドルをいずれの操作方向に操作する場合であっても、力を付与する際に特定操作手段が邪魔にならず、操作ハンドルの操作性を低下させることなく特定操作手段を設けることができる。
特徴F4.前記操作面は、前記特定操作手段が初期位置に配置されている状況において、前記開口部の周縁部の少なくとも一部を生じさせる所定の周面に対して前記発射操作装置の内部に向けた段差を生じさせないように形成されていることを特徴とする特徴F1乃至F3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F4によれば、特定操作手段が初期位置に配置されている状況においては、所定の周面の仮想延長面から外方に突出しておらず、さらに凹みもせずに設けられている。したがって、操作ハンドルを操作する際に添えた手が引っかかってしまうことによる操作ハンドルの操作性の低下が生じない。
特徴F5.前記発射操作装置を構成する部材として、軸周りに延在するとともに前記操作ハンドルの軸線側とは逆側を向く環状面を有する環状部(起立壁511a)を有し、
前記開口部は当該環状部に設けられており、
前記所定の周面は前記環状面であることを特徴とする特徴F1乃至F4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F5によれば、操作ハンドルが回動操作されるのに対して、特定操作手段は環状面を有する環状部に環状面の仮想延長面から外方に突出しないように設けられている。したがって、操作ハンドルに添えた手で操作ハンドルを回動操作する場合に、特定操作手段の操作面に触れたとしても滑らかに沿わせることが可能となり、操作ハンドルの操作性を低下させない。
特徴F6.前記操作面は、前記特定操作手段が初期位置に配置されている状況において、前記環状面と略同一の曲率となる面であって当該環状面に対して段差を生じさせない面を生じさせるように形成されていることを特徴とする特徴F5に記載の遊技機。
特徴F6によれば、特徴F5において、特定操作手段が環状面から凹みが生じないように設けられていることから、操作ハンドルを操作する場合に引っかかりがない。そして、操作面が環状面と略同一の曲率となるように形成されていることから、環状面と操作面とに滑らかに手を沿わせながら操作することが可能となり、操作ハンドルの操作性を低下させない。
特徴F7.前記環状部は、前記環状面よりも前記軸線側に存在するように延在させて設けられた延在面を有し、
前記特定操作手段は、前記延在面側においても露出するように設けられていることを特徴とする特徴F5又はF6に記載の遊技機。
特徴F7によれば、特定操作手段は環状面側だけでなく延在面側においても露出している構成となる。仮に、本構成を備えない場合、例えば、特定操作手段が軸線側に向けて操作される構成とすると、特定操作手段を操作するのに伴って特定操作手段が環状面よりも軸線側に埋没してしまい、特定操作手段の操作が困難となる不具合が懸念される。これに対して本構成によれば、特定操作手段が延在面側にも露出していることから、特定操作手段を軸線側に向けて操作される構成としても、延在面側からも操作することが可能となり上記不具合が生じない。
特徴F8.前記開口部は、前記環状面から前記延在面に亘って連続させて形成されており、
前記操作面は、前記特定操作手段が初期位置に配置されている状況において、前記開口部の周縁部において前記延在面に存在するとともに最も前記軸線側に存在する低位部(低位面544a)よりも当該軸線側とは逆側に存在していることを特徴とする特徴F7に記載の遊技機。
特徴F8によれば、特定操作手段は、環状面側には突出していないものの、低位部からみると、特定操作手段の操作面は軸線側と逆側に突出している。したがって、特定操作手段を操作した場合に、特定操作手段が埋没して操作が困難となることが抑制される。
特に、開口部が環状面から延在面に亘って連続させて形成されていることから、特定操作手段における環状面側の操作面が延在面側にまで連続して形成されているといえる。したがって、特定操作手段の環状面側の操作面を軸線側に移動させる際、延在面側に指をはみ出させながら操作することができ、特定操作手段の操作性の向上を図ることが可能となっている。
特徴F9.前記操作面は、前記特定操作手段が最大操作位置に配置されている状況において、前記軸線に対して直交する方向において前記低位部と略同一の位置、又は前記低位部よりも前記軸線側とは逆側に存在していることを特徴とする特徴F8に記載の遊技機。
特徴F9によれば、特徴F8の遊技機において、特定操作手段が最大操作位置に配置される状況にあっても、操作面が低位部よりも軸線側に埋没してしまわない。したがって、特定操作手段を初期位置から最大操作位置まで操作する際において、特定操作手段が環状面から埋没してしまって操作が困難となる不具合を抑制することができる。
特徴F10.前記発射操作装置は、前記操作ハンドルを支持するとともに当該操作ハンドルの操作によっては変位しない支持手段(基部511、ハンドルカバー512)を備え、
前記構成する部材は前記支持手段であることを特徴とする特徴F1乃至F9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F10によれば、特定操作手段は操作ハンドルの操作によっては変位しない支持手段に設けられていることから、操作ハンドルを操作した場合であっても、発射操作装置における特定操作手段の設けられた位置の変位が生じない。仮に、特定操作手段が設けられた位置が操作ハンドルの操作によって変位する構成とすると、特定操作手段を操作する際には特定操作手段の位置を把握してから操作する必要が生じる。これに対して本構成によれば、操作ハンドルがいずれの回動位置に配置される状況であっても、特定操作手段を操作する際に違和感なく操作することが可能となり、操作性の向上を図ることができる。
特徴F11.前記支持手段は、前記操作ハンドルの背面と対向させて設けられ、軸周りに延在するとともに軸線側とは逆側を向く環状面を有する環状部を有し、
前記開口部は、前記環状部に設けられており、
前記所定の周面は、前記環状面であることを特徴とする特徴F10に記載の遊技機。
特徴F11によれば、操作ハンドルが回動操作されるのに対して、特定操作手段は操作ハンドルの背面側に設けられた環状部に設けられている。したがって、遊技者が操作ハンドルに手を沿えると、指が触れ得る部位に特定操作手段が設けられているといえる。したがって、特定操作手段を操作する際に操作ハンドルに添えた手の指で操作することが可能であり、特定操作手段の操作性の向上を図ることができる。この場合であっても、環状部は環状面を有しており、特定操作手段は環状面の仮想延長面から外方に突出しないように設けられている。したがって、操作ハンドルに添えた手で操作ハンドルを回動操作する場合に、特定操作手段の操作面に触れたとしても滑らかに沿わせることが可能となり、操作ハンドルの操作性を低下させない。
特徴F12.前記操作面は、前記特定操作手段が初期位置に配置されている状況において、前記環状面と略同一の曲率となる面であって当該環状面に対して段差を生じさせない面を生じさせるように形成されていることを特徴とする特徴F11に記載の遊技機。
特徴F12によれば、特徴F11の遊技機において、特定操作手段が環状面から凹みが生じないように設けられていることから、操作ハンドルを操作する場合に引っかかりがない。そして、操作面が環状面と略同一の曲率となるように形成されていることから、環状面と操作面とに滑らかに手を沿わせながら操作することが可能となり、操作ハンドルの操作性を低下させない。
特徴F13.前記発射手段は、前記操作ハンドルが所定回動位置に配置されている場合に、前記遊技領域の所定領域を流下する発射強度での遊技球の発射を可能とする構成であり、
前記特定操作手段は、前記操作ハンドルが少なくとも当該所定回動位置に配置されている状況で操作された場合に、前記所定領域とは異なる領域を流下する発射強度での遊技球の発射を可能とするものであり、
前記操作ハンドルは、遊技者の手の指を添える指掛け部(指掛け部523〜525)を備え、
前記特定操作手段の操作面は、少なくとも前記操作ハンドルが前記所定回動位置に配置されている状況において前記指掛け部に対して軸周りに外れた位置に存在するように設けられていることを特徴とする特徴F10乃至F12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F13によれば、操作ハンドルを遊技球が遊技領域の所定領域に流下するように所定回動位置まで操作している状況で、特定操作手段を操作することで当該所定領域とは異なる領域を流下するように遊技球を発射させることができる。この場合、特定操作手段は、操作ハンドルの操作によって変位しない支持手段における、操作ハンドルの指掛け部とは軸周りに外れた位置に設けられていることから、特定操作手段を操作する際に指掛け部が邪魔にならなず、指掛け部に対して操作ハンドルを上記所定回動位置に保持する力を好適に加えながら特定操作手段を操作することが可能となる。したがって、特定操作手段を操作して遊技球が流下する遊技領域を変更する際に、操作ハンドルの回動位置を好適に保持することができ、発射操作装置の操作性の向上を図ることが可能となる。
特徴F14.前記特定操作手段の操作に基づいて変位する変位手段(ギアユニット530)を備え、
前記発射手段は、前記変位手段が変位することに基づいて遊技球の発射強度を変更させることを可能とする構成であり、
前記特定操作手段が操作された場合、当該特定操作手段の変位量よりも前記変位手段の変位量の方が多くなる構成であることを特徴とする特徴F1乃至F13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F14によれば、特定操作手段の操作量が増幅されて遊技球の発射強度の変更をすることができる。例えば、特定操作手段が軸線側に向けて操作される構成とすると、特定操作手段の操作に伴って特定操作手段が軸線側に埋没してしまい、特定操作手段の操作が困難となる不具合が懸念される。これに対して本構成によれば、特定操作手段の操作量が増幅されることから、特定操作手段が埋没してしまう量を低減することが可能となる。
特徴F15.遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される発射操作装置(発射操作装置510)と、
当該発射操作装置が操作されたことに基づいて前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
を備え、
前記発射操作装置は、
回動操作可能に設けられ、初期回動位置からの回動操作量に応じて前記発射手段による遊技球の発射強度を向上させることを可能とする操作ハンドル(操作ハンドル513)と、
前記発射手段による遊技球の発射又は前記発射手段による遊技球の発射強度の変更を可能とする特定操作手段(調整用操作部材540)と、
を備え、
前記特定操作手段は、前記発射操作装置を構成する部材に形成された開口部(開口部544)を通じて当該部材の外部に露出する一方、前記開口部の周縁部の少なくとも一部を生じさせる所定の周面に対して前記構成する部材の外側に向けた段差が生じないように設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴F15によれば、操作ハンドル以外に特定操作手段によって遊技球の発射又は発射手段による遊技球の発射強度の変更が可能となり、発射操作装置の操作性の向上を図ることができる。さらに、特定操作手段は、開口部の所定の周面と外側に段差が生じないように設けられており、操作ハンドルを操作する場合の障壁とはならない。これにより、操作ハンドルの操作性を低下させることなく特定操作手段を設けることが可能となる。
特に本構成は、開口部の周縁部の少なくとも一部を生じさせる所定の周面に対して前記構成する部材の外側に向けた段差が生じないように設けられていることから、操作ハンドルを操作する際に特定操作手段が設けられている部位に手を沿わせた場合であっても滑らかに手を沿わせて操作することが可能となっている構成といえる。
一般的に遊技機は、操作ハンドルに手を添えて遊技を行うものであり、遊技状態に応じて発射強度を変更させて遊技領域の異なる領域に遊技球を発射させる必要も生じ得る。この場合、特定操作手段及び操作ハンドルのいずれかを操作することで遊技球の発射強度を変更することが可能であることから、遊技者はいずれかの一の操作手段を選択することになる。操作ハンドルを操作して遊技球の発射強度を変更する場合、仮に特定操作手段が設けられている箇所に段差が生じているとその操作の邪魔になり得ることから、せっかく用意した特定操作手段をわずらわしいものと感じさせてしまう。これに対して本構成によれば、操作ハンドルを操作する場合であってもその操作の邪魔にならず、操作ハンドルの操作性を低下させてしまうことがない。
当該構成は、以下の構成に適用するとより効果的である。
「前記遊技領域には、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1入球部(上作動口33)と第2入球部(可変入賞装置32)とを備えており、
前記第1入球部は、前記所定領域を流下する遊技球が到達可能となる位置又は前記所定領域を流下する遊技球が前記第2入球部よりも到達し易くなる位置に配置されており、
前記第2入球部は、前記異なる領域を流下する遊技球が到達可能となる位置又は前記異なる領域を流下する遊技球が前記第1入球部よりも到達しやすくなる位置に配置されている」構成。
なお、上記特徴F15に対して、上記特徴E4乃至E14のいずれか1にて新たに限定した構成を適用してもよい。この場合、それら構成を適用したことによる相乗的な効果を奏する。
特徴F16.遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される発射操作装置(発射操作装置310,510)と、
当該発射操作装置が操作されたことに基づいて前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
を備え、
前記発射操作装置は、
回動操作可能に設けられ、初期回動位置からの回動操作量に応じて前記発射手段による遊技球の発射強度を向上させることを可能とする操作ハンドル(操作ハンドル313,513)と、
前記発射手段による遊技球の発射又は前記発射手段による遊技球の発射強度の変更を可能とする特定操作手段(調整用操作部材330,540)と、
を備え、
前記特定操作手段は、前記操作ハンドルを把持している手が当該操作ハンドルを回動操作させる場合の当該手の障害となる位置に存在しないように設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、操作ハンドル以外に特定操作手段によって遊技球の発射又は発射手段による遊技球の発射強度の変更が可能となり、発射操作装置の操作性の向上を図ることができる。さらに、特定操作手段は、操作ハンドルを回動させる場合の把持している手の障害となる位置には存在しないように設けられており、操作ハンドルの操作性を低下させない。したがって、操作ハンドルの操作性を低下させることなく特定操作手段を設けることが可能となる。
一般的に遊技機は、操作ハンドルに手を添えて遊技を行うものであり、遊技状態に応じて発射強度を変更させて遊技領域の異なる領域に遊技球を発射させる必要も生じ得る。この場合、特定操作手段及び操作ハンドルのいずれかを操作することで遊技球の発射強度を変更することが可能であることから、遊技者はいずれかの一の操作手段を選択することになる。操作ハンドルを操作して遊技球の発射強度を変更する場合、仮に特定操作手段がその操作の障害となると、せっかく用意した特定操作手段をわずらわしいものと感じさせてしまう。これに対して本構成によれば、操作ハンドルを操作する場合であってもその操作の邪魔にならず、操作ハンドルの操作性を低下させてしまうことがない。
当該構成は、以下の構成に適用するとより効果的である。
「前記遊技領域には、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1入球部(上作動口33)と第2入球部(可変入賞装置32)とを備えており、
前記第1入球部は、前記所定領域を流下する遊技球が到達可能となる位置又は前記所定領域を流下する遊技球が前記第2入球部よりも到達し易くなる位置に配置されており、
前記第2入球部は、前記異なる領域を流下する遊技球が到達可能となる位置又は前記異なる領域を流下する遊技球が前記第1入球部よりも到達しやすくなる位置に配置されている」構成。
なお、上記特徴F16に対して、上記特徴E4乃至E14のいずれか1にて新たに限定した構成を適用してもよい。この場合、それら構成を適用したことによる相乗的な効果を奏する。
<特徴G群>
特徴G1.遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される発射操作装置(発射操作装置310,410,510)と、
当該発射操作装置が操作されたことに基づいて前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
を備え、
前記発射操作装置は、
回動操作可能に設けられ、初期回動位置からの回動操作量に応じて前記発射手段による遊技球の発射強度を向上させることを可能とする操作ハンドル(操作ハンドル313,413,513)と、
前記発射手段による遊技球の発射強度の変更を可能とする特定操作手段(調整用操作部材330,440,540、第2調整用操作部材570)と、
当該特定操作手段の操作に基づいて変位する変位手段(第3の実施形態においては第2ギア部材321、第4の実施形態においてはハンドル用軸部材415、第5,第6の実施形態においてはギアユニット530)と、
を備え、
前記発射手段は、前記変位手段が変位することに基づいて遊技球の発射強度を変更させることにより、前記特定操作手段が操作されたことに対して当該発射強度の変更を可能とする構成であり、
前記特定操作手段が操作された場合、当該特定操作手段の変位量よりも前記変位手段の変位量の方が多くなる構成であることを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、操作ハンドル以外に特定操作手段によって遊技球の発射又は発射手段による遊技球の発射強度の変更が可能となり、発射操作装置の操作性の向上を図ることができる。さらに特定操作手段を操作するとその変位量よりも変位手段の変位量のほうが多くなることから、少ない操作量で遊技球の発射強度を変更することができる。
遊技機はおいては、遊技状態に応じて発射強度を変更させて遊技領域の異なる領域に遊技球を発射させる必要が生じる遊技機が知られている。この場合、本構成では、操作ハンドルを所定の位置に保持しつつ特定操作手段が操作されることが想定され、特に、特定操作手段は少ない操作量で遊技球の発射強度の変更を行うことが可能であることから、上記のように異なる領域に発射させる場合であっても特定操作手段の操作によれば少ない操作量で済み、好ましい。
当該構成は、以下の構成に適用するとより効果的である。
「前記遊技領域には、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1入球部(上作動口33)と第2入球部(可変入賞装置32)とを備えており、
前記第1入球部は、前記所定領域を流下する遊技球が到達可能となる位置又は前記所定領域を流下する遊技球が前記第2入球部よりも到達し易くなる位置に配置されており、
前記第2入球部は、前記異なる領域を流下する遊技球が到達可能となる位置又は前記異なる領域を流下する遊技球が前記第1入球部よりも到達しやすくなる位置に配置されている」構成。
特徴G2.前記特定操作手段は、所定の軸部(調整用軸部332)に軸支されていることにより回動可能となっており、
前記変位手段は、特定の軸部(ハンドル用軸部材315)に軸支されていることにより回動可能となっており、
前記特定操作手段の操作面に外力が加えられることにより当該特定操作手段が回動し、当該特定操作手段の伝達部(凹部337a,337b)を通じてその操作力が前記変位手段に向けて伝達されることで当該変位手段が回動する構成であり、
前記所定の軸部から前記伝達部までの距離が、前記特定の軸部から前記変位手段において前記特定操作手段の操作力が伝達される箇所までの距離よりも長いことを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
特徴G2によれば、特定操作手段の軸部と変位手段の軸部とを上記のように設定することで、特定操作手段と変位手段とが内歯車と外歯車との関係になり、特定操作手段の回動角度よりも変位手段の回動角度のほうが大きくなる。これにより、簡素な構成で、特定操作手段の変位量を増幅させることが可能となる。
特徴G3.前記特定操作手段は、所定の軸部に軸支されていることにより回動可能となっており、
当該特定操作手段の操作面に外力が加えられることにより当該特定操作手段が回動し、当該特定操作手段の伝達部を通じてその操作力が前記変位手段に向けて伝達されることで当該変位手段が変位する構成であり、
前記操作面から前記所定の軸部までの距離が、前記伝達部から前記所定の軸部までの距離よりも短いことを特徴とする特徴G1又はG2に記載の遊技機。
特徴G3によれば、特定操作手段の軸部の位置を上記のように設定することで、特定操作手段における操作面側の回動半径よりも伝達部側の回動半径のほうが長くなる。したがって、特定操作手段自身において変位量を増幅させることが可能となる。
特徴G4.前記特定操作手段は、前記所定の軸部よりも前記伝達部側に規制面(ハンドル軸用孔部336の周面)を有し、
当該規制面に当接することで、前記特定操作手段が前記所定の軸部に対して回動方向とは異なる方向に傾くこと又は所定量以上傾くことを規制する規制部(ハンドル用軸部材315)を備えていることを特徴とする特徴G2又はG3に記載の遊技機。
特徴G4によれば、特定操作手段の変位量を増幅させつつ、規制部により、特定操作手段の軸ぶれを抑制することが可能となる。
特に特徴G3の構成のように、特定操作手段における操作面側の回動半径のほうが短くなる構成とすると、特定操作手段は軸部に片持ち支持されている状態となり、特定操作手段の軸ぶれが大きくなり得る。これに対して本構成を採用することにより、当該軸ぶれを抑制し、特定操作手段に加えられる外力を有効に変位手段へ伝達することが可能となる。
特徴G5.前記操作ハンドルは、ハンドル側軸部(ハンドル用軸部材315)を中心として回動可能な構成であり、
前記規制部は、前記ハンドル側軸部であることを特徴とする特徴G4に記載の遊技機。
特徴G5によれば、操作ハンドルのハンドル側軸部という、既成の部材を用いて特徴G4の効果を奏することが可能となる。これにより、発射操作装置の製造コストの低減を図りつつ、上記の各効果を奏することができる。
特徴G6.前記発射操作装置は、前記操作ハンドルを支持するとともに当該操作ハンドルの操作によっては変位しない支持手段(基部311、ハンドルカバー312)を備え、
前記ハンドル側軸部は、前記支持手段に支持されていることにより、前記操作ハンドルの回動に追従しない構成であることを特徴とする特徴G5に記載の遊技機。
特徴G6によれば、規制部として機能するハンドル側軸部が支持手段に固定されていることから、操作ハンドルを操作した場合にハンドル側軸部は変位しない。換言すれば、ハンドル側軸部に外力を加えても操作ハンドルの位置変位が生じない。したがって、特定操作手段がハンドル側軸部に擦動することによる操作ハンドルの位置変位を抑制することが可能となる。
特徴G7.前記特定操作手段は、前記規制部を挿通させる貫通孔を有しており、
前記規制面は、前記貫通孔の周面であり、
前記貫通孔は、前記特定操作手段の全回動範囲において前記規制部による規制を可能とするように形成されていることを特徴とする特徴G4乃至G6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G7によれば、特定操作手段に貫通孔を設けて、当該貫通孔に規制面としての機能を持たせることで、発射操作装置内部という限られた空間の中で、上記の優れた効果を奏することが可能となる。また、特定操作手段の全回動範囲において、規制部による規制が可能となっていることから、特定操作手段の軸ぶれを好適に抑制することが可能となる。
特徴G8.前記貫通孔には、前記変位手段と噛み合う噛み合い部が設けられていることを特徴とする特徴G7に記載の遊技機。
特徴G8によれば、貫通孔に、操作ハンドルの回動軸(ハンドル側軸部)と擦動する軸ぶれ機能と、変位手段を変位させるための機能と、を備えさせることが可能となる。これにより、部材点数の削減を図るとともに、各機能を有することによる発射操作装置の大型化を抑制することが可能となる。
特徴G9.前記噛み合い部は、前記貫通孔において回動先端側の周面に設けられていることを特徴とする特徴G8に記載の遊技機。
特徴G9によれば、操作面側の回動半径と伝達部側の回動半径との差を大きくすることが可能となる。これにより、特定操作手段の操作量の増幅をより顕著なものとすることが可能となる。
特徴G10.前記噛み合い部は複数設けられており、
前記特定操作手段がいずれの回動位置に配置される状況においても、前記噛み合いのうち少なくともいずれか1にて前記変位手段と噛み合う構成であることを特徴とする特徴G8又は特徴G9に記載の遊技機。
特徴G10によれば、特定操作手段がいずれの回動位置に配置される状況においても、その操作面側に加えられた外力を変位手段へ伝達することが可能となる。特に、特徴G8の構成のように、貫通孔に変位手段と噛み合う噛み合い部を設ける構成としては、一の噛み合い部とすることも可能であるものの、一の噛み合い部とすると、特定操作手段の全回動位置においても加えられた外力を変位手段へ伝達する構成とするためには当該噛み合い部が大型化しやすい。これに対して本構成によれば、噛み合い部を複数設けることで、一の噛み合い部のサイズを小さくして、発射操作装置という限られた空間の中で上記の各効果を奏することが可能となっている。
<特徴H群>
特徴H1.遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される発射操作装置(発射操作装置71,310,510,610)と、
当該発射操作装置が操作されたことに基づいて前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
を備え、
前記発射操作装置は、
回動操作可能に設けられ、初期回動位置からの回動操作量に応じて前記発射手段による遊技球の発射強度を向上させることを可能とする操作ハンドル(操作ハンドル74,313,513)と、
操作可能に設けられ、初期位置からの操作量に応じて前記発射手段による遊技球の発射強度の変更を可能とする特定操作手段(第1の実施形態においては補助操作部121、第3,第5,第6の実施形態では調整用操作部材330,540)と、
を備え、
当該特定操作手段は、前記操作ハンドルが回動操作されても前記初期位置からの位置変位が生じない構成であることを特徴とする遊技機。
特徴H1によれば、操作ハンドル以外に特定操作手段によって遊技球の発射又は発射手段による遊技球の発射強度の変更が可能となり、発射操作装置の操作性の向上を図ることができる。さらに、特定操作手段は、操作ハンドルが回動操作されても初期位置からの位置変位が生じない。仮に、特定操作手段が設けられた位置が操作ハンドルの操作によって変位する構成とすると、特定操作手段を操作する際には特定操作手段の位置を把握してから操作する必要が生じる。これに対して本構成によれば、操作ハンドルがいずれの回動位置に配置される状況であっても、特定操作手段を操作する際に違和感なく操作することが可能となり、操作性の向上を図ることができる。
特徴H2.前記操作ハンドルが回動操作されることに基づいて変位する変位手段(扇型ギア部材550)を備え、
前記発射手段は、前記変位手段が変位することに基づいて遊技球の発射強度を変更させる構成であり、
前記変位手段は、前記特定操作手段とは非連結状態で設けられており、前記操作ハンドルが回動操作されたことに基づき変位する場合には前記特定操作手段に力を伝達することなく変位し、前記特定操作手段が操作された場合には当該操作力を受けることで、前記操作ハンドルが初期回動位置から回動操作された場合と同一の方向に変位するものであることを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
特徴H2によれば、操作ハンドル及び特定操作手段のいずれの操作によっても変位する変位手段を、特定操作手段と非連結状態となるように設けることで、操作ハンドルの操作によっては特定操作手段を変位させない構成となる。つまり、共通の変位手段を利用しながら特定操作手段を操作ハンドルの操作に追従しない構成とすることができる。したがって、部材点数の削減を図りつつ、特定操作手段の操作開始位置が操作ハンドルの操作位置によって変化せず違和感なく操作することが可能となる。
<特徴I群>
特徴I1.遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される発射操作装置(発射操作装置71,410)と、
当該発射操作装置が操作されたことに基づいて前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
を備え、
前記発射操作装置は、
遊技機本体に対して固定される基部(基部72,411)と、
当該基部に対して固定され前記発射操作装置の前面を覆う前面カバー(第1の実施形態においては前面ユニット73、第4の実施形態においてはハンドルカバー430)と、
前記基部と前面カバーとの間に回動操作可能に設けられ、初期回動位置からの回動操作量に応じて前記発射手段による遊技球の発射強度を向上させることを可能とする操作ハンドル(操作ハンドル74,413)と、
前記発射手段による遊技球の発射又は前記発射手段による遊技球の発射強度の変更を可能とする特定操作手段(第1の実施形態では補助操作部121、第4の実施形態では調整用操作部材440)と、
を備え、
前記特定操作手段は、前記前面カバーに設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴I1によれば、操作ハンドル以外に特定操作手段によって遊技球の発射又は発射手段による遊技球の発射強度の変更が可能となり、発射操作装置の操作性の向上を図ることができる。さらに、特定操作手段は前面カバーに設けられていることから、操作ハンドルに添えた手の平で操作可能である。したがって、特定操作手段を操作している状況であってもいずれの指の自由が奪われない。これにより、特定操作手段を操作しつつ、他の操作を実行することが可能となる。これにより、発射操作装置の操作性の向上を図ることが可能となる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。