<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、図2に示すように、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図3に基づいて説明する。遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口33,下作動口34,スルーゲート35及び可変表示ユニット36等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32及び作動口33,34に遊技球が入ると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット36には、作動口33,34への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。センターフレーム42の上部には、メイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。また、センターフレーム42の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部45,46が設けられている。下側の保留ランプ部45は、図柄表示装置41及びメイン表示部43に対応しており、遊技球が作動口33,34を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部46は、役物用表示部44に対応しており、遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、複数の変動表示領域として、例えば左、中及び右に並べて図柄列が設定され、各図柄列において図柄が縦方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たり状態という)が発生することとなる。
なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。また、図柄列は上、中及び下に並べて設定され、各図柄列において図柄が横方向にスクロールされる構成としてもよく、これ以外の変動表示態様であってもよい。
メイン表示部43では、作動口33,34への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、役物用表示部44では、遊技球のスルーゲート35への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には下作動口34に付随する電動役物34aが所定時間だけ開放状態となる。なお、メイン表示部43及び役物用表示部44は後述する主制御装置により表示制御されるとともに、電動役物34aも後述する主制御装置により駆動制御される。
ちなみに、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、図柄表示装置41にて変動表示が開始され、作動口33,34への入賞に基づき実行された抽選処理の結果に対応した所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放されるものが一般的である。なお、可変入賞装置32は、後述する主制御装置により駆動制御される。
遊技盤24には、内レール部25と外レール部26とが取り付けられており、これら内レール部25と外レール部26とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構51から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構51は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられている。遊技球発射機構51は、電磁式のソレノイド52と、発射レール53と、球送り機構54とからなり、ソレノイド52への電気的な信号の入力により当該ソレノイド52の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構54によって発射レール53上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。なお、遊技球発射機構51の電動アクチュエータはソレノイド52に限定されることはなく、発射モータなどを用いてもよい。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、透明性を有する窓パネル62が嵌め込まれている。窓部61の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿65aが設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿66aが設けられている。上皿65aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構51側へ導くための機能を有する。また、下皿66aは、上皿65a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿65a及び下皿66aには、裏パックユニット15の払出装置から払い出された遊技球が排出される。
下側膨出部66の右方には、手前側へ突出するようにして発射操作装置71が設けられている。この発射操作装置71が設けられた位置について詳細には、窓部61よりも下方であるとともに、上皿65aよりも下方の位置であり、さらには遊技機本体12の回動先端側となる一方の側部に近い位置に発射操作装置71が配置されている。遊技機本体12の前面を正面視で見た場合で言えば、右下の隅角部分の位置である。発射操作装置71が操作されることにより、遊技球発射機構51から遊技球が発射される。
発射操作装置71の構成について詳細に説明する。図4(a)は前方から見た発射操作装置71の斜視図であり、図4(b)は後方から見た発射操作装置71の斜視図であり、図5は前方から見た発射操作装置71の分解斜視図であり、図6は後方から見た発射操作装置71の分解斜視図であり、図7は発射操作装置71の断面図である。
発射操作装置71は、図4(a),(b)に示すように、前扉枠14に固定される基部72と、発射操作装置71の前面側を構成する前面ユニット73と、基部72及び前面ユニット73の間に設けられ、遊技球の発射操作に際して回転操作(回動操作)される操作ハンドル74と、を備えている。
基部72は、ABS樹脂などの不透明な材料により筒状に形成されており、図5及び図6に示すように、一方の開口側はその内径及び外径が共に拡径されている(以下、この拡径された領域を拡径領域75という)。また、基部72には、拡径領域75と同一軸線上において当該軸線と同一方向に延びる軸孔部76が一体形成されている。軸孔部76には、ハンドル用軸部材77が上記軸線を中心として回転可能に支持されており、このハンドル用軸部材77の中間位置に形成された固定用環部77aに固定させて操作ハンドル74が設けられている。
操作ハンドル74は、ABS樹脂により形成されており、その周面全体に金属膜がメッキされている。なお、操作ハンドル74の周面全体に金属膜がメッキされているのではなく、操作ハンドル74の操作に際して触れられる表面と後述する電極が設けられる位置とに亘って金属膜がメッキされている構成としてもよく、操作ハンドル74を金属製としてもよい。
操作ハンドル74は、内側環部81と、外側環部82とが同心円となるように一体形成された二重環形状をなしている。内側環部81の中央において操作ハンドル74の軸線方向に貫通したハンドル側軸孔部83に対して、上記ハンドル用軸部材77における固定用環部77aよりも前側の円柱部77bが挿通されている。つまり、操作ハンドル74は基部72に対して同一軸線上となるように配置されている。なお、外側環部82の外周面には径方向へ突出させて指掛け部84が一体形成されており、当該指掛け部84に指を掛けた状態で操作ハンドル74の回転操作を行うことができるようになっている。
操作ハンドル74は、上記軸線を中心として回転可能となっているが、その回転範囲は、基部72において拡径領域75よりも前方へと突出するように一体形成された複数のボス79a〜79cとの当接により規制される。詳細には、ボス79a〜79cは基部72の軸線方向に延びており、当該ボス79a〜79cは操作ハンドル74の内側環部81と外側環部82との間に形成された一対のガイド孔85a,85bを後方から前方へと貫通している。
これらガイド孔85a,85bは、内側環部81と外側環部82との間の空間が、両環部81,82を連結するように180度間隔で形成された一対の連結部により区画されていることで形成されている。ガイド孔85a,85bを区画する周面のうち、操作ハンドル74の径方向の内側及び外側のそれぞれを規定する内側環部81の外周面と外側環部82の内周面とは、操作ハンドル74の軸線周りに一定の曲率の曲面となっている。また、これら外周面及び内周面は、少なくともガイド孔85a,85b内側への段差が形成されておらず、さらにはガイド孔85a,85b外側への凹みも形成されていない。
パチンコ機10の正面視において操作ハンドル74の時計周り方向の回転移動が、所定のガイド孔85aとボス79aとの当接により所定の回転位置にて規制されるとともに、反時計周り方向の回転移動が、他のガイド孔85bとボス79bとの当接により所定の回転位置にて規制される。そして、操作ハンドル74に対して、ハンドル用の付勢手段としてハンドル用バネ86が設けられていることで、操作ハンドル74は反時計周り方向に常時付勢され、付勢力に抗する力が付与されていない状況では上記各所定の回転位置のうち後者の側である初期回転位置に配置される。なお、ハンドル用の付勢手段は、操作ハンドル74を初期回転位置に向けて付勢できるのであれば具体的な構成は任意である。
操作ハンドル74の基部72からの抜けを防止するようにして、当該操作ハンドル74の前方に前面ユニット73が設けられている。前面ユニット73は、全体としてその表面が前方に向けて滑らかな凸形となる球面状に形成されており、さらに複数層構造を有している。当該複数層構造として、前面ユニット73は合成樹脂製の内側ベース91及び外側ベース92を備えている。外側ベース92は、内側ベース91の後側を規定する円環状の内側ベース環部93を、軸線周りに囲むようにして設けられている。
ここで、内側ベース91に対する外側ベース92の固定に係る構成について説明する。
外側ベース92は、後端側を軸線に向けて絞るようにして第1環状段差部94が形成されており、当該第1環状段差部94よりも後端側には軸線周りに円環状となった外側ベース環部95を備えている。外側ベース環部95には、径方向に貫通する一対の係止孔96が180度間隔で形成されている。一対の係止孔96は、内側ベース環部93において後端縁部から前側へと凹ませるようにして形成された係止用凹部97に対応している。なお、外側ベース環部95及び内側ベース環部93の一方に位置決め用凸部98が形成されているとともに、他方に位置決め用凹部99が形成されており、これらの嵌め合わせにより、対応する同士の係止孔96と係止用凹部97との重ね合わせが自ずと行われる。
内側ベース91には上記係止孔96との間で係止関係を生じさせるための一対の弾性固定部材101が設けられている。弾性固定部材101は合成樹脂製であり、厚み方向に貫通した固定用孔102が形成されたベース板部103と、当該ベース板部103において固定用孔102が形成された側の端部に一体形成された爪部104と、を備えている。ベース板部103及び爪部104はそれぞれ薄肉に形成されており、上記厚み方向に弾性変形可能となっている。
一対の弾性固定部材101は、図6に示すように、内側ベース91の裏面に形成された固定用ボス105に対して、固定用孔102を通じてネジ止めされることで、内側ベース91に固定されている。この状態では、図7に示すように、爪部104が係止用凹部97よりも径方向の外側に突出することとなる。当該爪部104が係止孔96の周縁部に係止されていることで、内側ベース91に外側ベース92が固定されている。
爪部104は先端に向かうほど後側へ向かうように形成されており、さらに上記固定用ボス105にベース板部103をネジ止めした際には内側ベース91の裏面との当接を通じて爪部104が後側へ反るように弾性固定部材101が弾性変形する。そして、この弾性変形した状態の爪部104の先端が係止孔96の周縁部において後側の縁部に前側から当たることで、外側ベース92に対して後方へ向けた力を付与した状態で当該外側ベース92が内側ベース91に固定されている。
上記のように外側ベース92が固定された内側ベース91は、基部72の後側から挿入された図示しないネジにより上記ボス79a〜79cに対してネジ止めされており、これにより前面ユニット73が基部72に固定されている。この場合、外側ベース92の外側ベース環部95は、図7に示すように、内側ベース環部93よりも後方へ延出しており、操作ハンドル74の外側環部82の内側に入り込んでいる。また、外側ベース92の第1環状段差部94は後方を向いており、外側環部82の前側端面と僅かな隙間を隔てて対向している。当該隙間は、1円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨及び500円硬貨といった硬貨や、遊技ホールにおいてパチンコ機10とともに設置されるスロットマシン用の遊技メダルを、外側ベース環部95と外側環部82との間に差し込むことが不可又は行いづらくなるように規定されている。
操作ハンドル74の外側環部82はその前側が前面ユニット73と前後に対向しているだけでなく、その後側が基部72と前後に対向している。詳細には、基部72は既に説明したとおり拡径領域75を備えているが、当該拡径領域75を規定する周壁部には、前端側を軸線に向けて絞るようにして第2環状段差部106が形成されており、当該第2環状段差部106よりも前端側には軸線周りに円環状となった基部側環部107を備えている。基部側環部107が、操作ハンドル74の外側環部82の内側に入り込んでいる。また、第2環状段差部106は前方を向いており、外側環部82の後側端面と僅かな隙間を隔てて対向している。当該隙間は、1円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨及び500円硬貨といった硬貨や、遊技ホールにおいてパチンコ機10とともに設置されるスロットマシン用の遊技メダルを、基部側環部107と外側環部82との間に差し込むことが不可又は行いづらくなるように規定されている。
ここで、操作ハンドル74は、遊技球発射機構51からの遊技球の発射を行わせるべく、ハンドル用バネ86の付勢力に抗する方向に回転操作されるが、ハンドル用バネ86により初期回転位置に向けて付勢されているため、操作ハンドル74を所定の回転位置に手動操作している状態を解除すると、操作ハンドル74は初期回転位置に自ずと復帰する。当該構成の場合、操作ハンドル74と前面ユニット73との間、又は操作ハンドル74と基部72との間にコインや硬貨を差し込み、操作ハンドル74を無理に仮固定しようとする行為が想定される。これに対して、既に説明したとおり、操作ハンドル74の外側環部82が第1環状段差部94及び第2環状段差部106のそれぞれに対して前後に対向しており、さらにはそれらの隙間はコインや硬貨を差し込むことが不可又は行いづらいように規定されている。したがって、上記のような仮固定を行うことが阻止され、かかる仮固定に起因した発射操作装置71の破損等の発生を抑制することができる。
操作ハンドル74の回転操作量を後述する電源及び発射制御装置175において把握すべく、基部72にはその回転操作に伴って回転するギア部品111a,111bが設けられている。ギア部品111a,111bは基部72に内蔵されている可変抵抗器と接続されており、ギア部品111a,111bの回転に応じて可変抵抗器の抵抗値が変化し、その抵抗値に応じた信号が電源及び発射制御装置175にて受けられる。
また、基部72には、操作ハンドル74を回転操作した状態において遊技球の発射を停止させるために操作される発射止めスイッチ112と、発射止めスイッチ112が操作されていることを検知するプッシュセンサ113と、が設けられている。プッシュセンサ113の検知信号が電源及び発射制御装置175に出力されることで、当該電源及び発射制御装置175にて発射止めスイッチ112が操作されているか否かが把握される。
次に、操作ハンドル74を任意の回転位置にて保持することを補助するために手動操作される補助操作部121について、図4乃至図6に加え、図8及び図9を参照しながら説明する。
図8(a)は前面ユニット73の一部を分解した状態を前方から見た斜視図であり、図8(b)は前面ユニット73の一部を分解した状態を後方から見た斜視図である。なお、図8(a)及び図8(b)においては外側ベース92の一部を破断した状態を示している。また、図9(a)は発射操作装置71の正面図であり、図9(b)は図9(a)のA―A線断面図であり、図9(c)は図9(a)のB―B線断面図である。
既に説明したとおり、前面ユニット73はその表面を構成するようにして外側ベース92を備えているが、図5及び図6に示すように、当該外側ベース92はその前側に円形の開口部92aが形成された筒状をなしている。前面ユニット73は外側ベース92の開口部92aを埋めるようにして設けられた補助操作部121を備えている。補助操作部121は、ABS樹脂により形成されており、その周面全体に金属膜がメッキされている。なお、補助操作部121の周面全体に金属膜がメッキされているのではなく、補助操作部121の操作に際して触れられる表面と後述する電極が設けられる位置とに亘って金属膜がメッキされている構成としてもよく、補助操作部121を金属製としてもよい。
補助操作部121は、軸周りに環状をなす補助ベース122と、当該補助ベース122から前方へ膨出するように一体形成された前側湾曲部123と、を備えており、当該前側湾曲部123はその表面が前方に向けて滑らかな凸形となる球面状に形成されている。
補助操作部121の裏面側には補助用軸部材124が固定されている。補助用軸部材124は、図8(b)に示すように、軸ベース125の一端側に貫通孔126が形成されているとともに、軸ベース125の他端側に外方へと突出させて一対の補助操作用軸部127が一体形成されている。当該補助用軸部材124は、一対の補助操作用軸部127が前側湾曲部123よりも後方において補助ベース122の周縁よりも径方向の外方へ突出するようにして固定されている。
補助用軸部材124に対応させて、図8(a)に示すように、内側ベース91の前面には後側軸受け部131が一体形成されているとともに、図8(b)に示すように、外側ベース92の裏面には前側軸受け部132が一体形成されている。補助操作用軸部127が、回転可能な状態で、前側軸受け部132と後側軸受け部131とにより前後に挟持されていることで、補助操作部121が両ベース91,92に一体化されている。この場合、各軸受け部131,132による補助操作用軸部127の軸支箇所は、外側ベース92の開口部92aの上縁部分となっている。
補助操作部121の補助ベース122は開口部92aを前後に挿通しており、補助ベース122と開口部92aの周縁部とが干渉しないように両者の間には隙間が確保されている。また、補助操作部121の前側湾曲部123は開口部92aよりも前方へと突出しており、当該前側湾曲部123の球面状をなす表面は外側ベース92の球面状をなす表面に対して連続又は概ね連続している。これにより、既に説明したとおり、前面ユニット73は全体としてその表面が前方に向けて滑らかな凸形となる球面状に形成されている。
補助操作部121が上記のように設けられていることにより、前側湾曲部123を押圧することで補助操作部121はその上側を回動軸として後方へ向けて回動する。当該補助操作部121の押圧力を操作ハンドル74に伝達するようにして、図5及び図6に示すように、内側ベース91の裏面側にはリンク部材141が設けられている。なお、リンク部材141は合成樹脂製に形成されており非導電性となっている。
リンク部材141の一端には外方へと突出させて一対のリンク用軸部142が一体形成されている。リンク用軸部142に対応させて、内側ベース91の裏面及び基部72のボス79b,79cには軸受け用リブ143a,143bが一体形成されている。リンク用軸部142が軸受け用リブ143a,143bにより支持されていることで、リンク部材141が内側ベース91の裏面側において回動可能に支持されている。
リンク部材141の軸支箇所は、図9(a)に示すように、発射操作装置71を正面視で見た場合に、内側ベース91における径方向外寄りであって右斜め上側の位置となっており、一対のリンク用軸部142を結んだ直線は右下がりとなっている。また、当該軸支箇所は、外側ベース92の開口部92aよりも径方向外側の位置となっている。リンク部材141は、上記リンク用軸部142を回動軸として前後方向に回動可能となっている。
リンク部材141においてリンク用軸部142が形成された側とは反対側の端部である自由端部144は、図9(a)に示すように、発射操作装置71を正面視で見た場合に、内側ベース91における径方向外寄りであって下側の位置となっている。また、自由端部144の位置は、開口部92aにおける下寄りの周縁部の真後ろの位置となっている。
ちなみに、リンク部材141は、弾性固定部材101やハンドル用軸部材77を避けるようにして蛇行させて形成されている。さらにまた、内側ベース91は中央側が前方へと突出するように段差形状となっており、リンク部材141の自由端部144寄りの領域は前方突出部145の裏面に沿うようにして配置されている。
自由端部144に対して前方の位置には、図8(a)に示すように、内側ベース91の露出用孔部146が存在している。これにより、自由端部144は補助操作部121側に向けて露出しており、さらには内側ベース91における後段部147の前面よりも前方に突出している。リンク部材141に対しては、図5及び図6に示すように、リンク用の付勢手段としてリンク用バネ148が設けられていることで、図8(b)に示すように、リンク部材141は自由端部144が露出用孔部146から前方へと突出してリンク部材141及び内側ベース91の当接によりそれ以上前方へ回動できない側に向けて常時付勢されている。なお、リンク用の付勢手段は、リンク部材141を初期回動位置に向けて付勢できるのであれば具体的な構成は任意である。
自由端部144の前方には補助操作部121における補助ベース122の周縁部が存在しているが、当該周縁部には周囲の領域よりも前方へと凹む押圧用凹部151が形成されている。押圧用凹部151の底面には、図8(b)に示すように、後方へと突出した押圧用凸部152が一体形成されている。当該押圧用凸部152が形成された位置は、補助操作部121の下寄りの位置となっている。つまり、押圧用凸部152は、補助操作部121の回動軸に対して、軸線を挟んだ反対側寄りの位置に形成されている。
押圧用凸部152は、図9(b)に示すように、リンク部材141の自由端部144に対してその前方から当接している。この場合、リンク部材141がリンク用バネ148により付勢されて初期回動位置に配置されている状況では、自由端部144により押圧用凸部152が前方へ押された状態となる。この状態における補助操作部121の位置が当該補助操作部121の初期回動位置である。
リンク部材141において自由端部144とは反対側の端部には、上記のとおりリンク用軸部142が形成されているが、図6に示すように、当該端部にはさらにリンク用軸部142が形成された部位から後方へ突出させて回転規制部153が一体形成されている。回転規制部153は、図9(c)に示すように、操作ハンドル74における外側環部82の内側、詳細には操作ハンドル74の上側のガイド孔85b内に入り込んでいる。
ここで、リンク部材141は前面ユニット73に設けられているため操作ハンドル74の回転に追従しない。この場合に、ガイド孔85bと回転規制部153との位置関係は、操作ハンドル74がいずれの回転位置であっても当該回転規制部153がガイド孔85b内に入り込む位置関係に設定されている。
回転規制部153において外側環部82の内周面と径方向に対向する対向面154には凹凸を形成することで高摩擦化処理が施されている。また、リンク用軸部142が内側ベース91の裏面に設けられているとともに回転規制部153が軸線方向に沿って内側環部81に向けて突出しているため、当該リンク用軸部142から対向面154までの距離は、リンク用軸部142から自由端部144までの距離よりも短く設定されている。
なお、高摩擦化処理を施す手法は、凹凸を形成することに限定されることはなく、例えばゴム板を上記対向面154に貼り付ける手法を採用してもよく、ゴム層を上記対向面154に形成する手法を採用してもよい。また、回転規制部153は板状ではなく角柱状をなしており、強度の向上が図られている。
補助操作部121及びリンク部材141が上記のように設けられていることによる作用について、図10を参照しながら説明する。図10(a)は補助操作部121が押圧操作されていない状態における発射操作装置71の様子を模式的に示した説明図であり、図10(b)は補助操作部121が押圧操作されている状態における発射操作装置71の様子を模式的に示した説明図である。
図10(a)に示すように、補助操作部121が押圧操作されていない状況では、リンク用バネ148の付勢力によりリンク部材141が初期回動位置に配置されているとともに、補助操作部121が初期回動位置に配置されている。この状態では、リンク部材141の回転規制部153は操作ハンドル74の外側環部82に当接していない。
図10(b)に示すように、補助操作部121が押圧操作された状況では、補助操作部121の押圧用凸部152が後方へ移動するように補助操作部121が初期回動位置から回動する。
ここで、発射操作装置71は既に説明したとおり遊技機本体12の前面において右下の隅角部分に設けられているため、遊技者の肩の高さは発射操作装置71よりも上方であって、発射操作装置71に近い側の肩の位置は発射操作装置71よりも左方の位置にある。したがって、遊技者は、右斜め下方であって前斜め下方に腕を伸ばして発射操作装置71を握ることとなる。また、図4(a)において二点鎖線で示すように、遊技者は通常の態様で操作ハンドル74を回転操作する場合、前面ユニット73に手の平を当てた状態で発射操作装置71を握るとともに、その握っている手の指を操作ハンドル74の指掛け部84に当てた状態で当該操作ハンドル74の回転操作を行う。
これに対して、前側湾曲部121は、前面ユニット73の中央、すなわち前方に最も凸となった箇所よりも上寄りの位置であって左寄りの位置に、受け面の一部として特定受け領域が存在するように形成されているとともに、当該特定受け領域は斜め上方を向き且つ左に向けて下り傾斜している。したがって、遊技者が上記のように発射操作装置71を握った場合には、当該遊技者の手の平が前側湾曲部123に対して自然と斜め上方から触れることとなる。よって、遊技者は手の平を利用して補助操作部121の押圧操作を無理なく行うことができる。さらには、操作ハンドル74を回転操作する場合、手首を軸にして手を回すこととなるが、上記のように手の平で補助操作部121を押圧操作することができるため、操作ハンドル74の回転位置がいずれであっても補助操作部121を押圧操作することが可能となる。
また、既に説明したとおり、補助操作用軸部127は、補助操作部121の前側湾曲部123よりも後方であって上方の位置において支持されているため、手の平が触れる上記特定受け領域の回動方向には下方に向けた成分が含まれる。したがって、遊技者は斜め下方に向けて腕を伸ばしている状態においてその伸ばしている方向に補助操作部121を押圧することで、補助操作部121を初期回動位置から後方へ押圧することができる。つまり、遊技者は手の重みを預けるようにして発射操作装置71を握っている状態のその重みを利用して補助操作部121を押圧操作することができる。これにより、補助操作部121の操作性の向上が図られ、さらには補助操作部121の操作を継続した場合の疲労の低減が図られる。
補助操作部121が押圧操作されることで、補助操作部121の回動に伴って、押圧用凸部152はリンク部材141の自由端部144を後方へと押す。自由端部144が押圧用凸部152により押されることで、リンク部材141は初期回動位置から回動し、それに伴って回転規制部153の対向面154が上方へと移動する。そして、当該対向面154が、操作ハンドル74の外側環部82の内周面に対して径方向の内側から当接する。これにより、操作ハンドル74には、回転方向に対して直交する方向への外力がリンク部材141から付与されることとなり、当該外力はハンドル用バネ86の付勢力に抗する力として機能する。よって、操作ハンドル74を回転操作している力を緩めたとしても、当該操作ハンドル74をその回転位置にて保持させることが可能となる。
また、回転規制部153の対向面154には高摩擦化処理が施されているため、操作ハンドル74に対して大きな摩擦力を付与することが可能となり、上記回転位置にて保持させる力を向上させることができる。また、リンク用軸部142から対向面154までの距離は、リンク用軸部142から自由端部144までの距離よりも短く設定されているため、補助操作部121からリンク部材141の自由端部144に付与された力は、てこの原理により増幅された状態で操作ハンドル74の外側環部82に付与される。この点からも、上記回転位置にて保持させる力を向上させることができる。
また、ガイド孔85bと回転規制部153との位置関係は、既に説明したとおり、操作ハンドル74がいずれの回転位置であっても当該回転規制部153がガイド孔85b内に入り込む位置関係に設定されているため、操作ハンドル74がいずれの回転位置に配置されている状況であっても補助操作部121の押圧操作を通じた操作ハンドル74の変位規制を行うことができる。
また、上記操作ハンドル74の変位規制は外側環部82の内周面と回転規制部153の対向面154との面接触に起因して行われるため、その規制力を上回る操作力で操作ハンドル74を回転操作すれば、操作ハンドル74を変位させることは可能である。したがって、操作ハンドル74の変位規制を行った状態で、操作ハンドル74の回転位置の調整を行うことが可能である。さらには、外側環部82の内周面において上記面接触が生じ得る当接対象面は、既に説明したとおり、一定の曲率の曲面状に形成されているとともに、段差や凹みが形成されていないため、この点からも、操作ハンドル74の変位規制を行った状態で、操作ハンドル74の回転位置の調整を行うことが可能である。
以上のように補助操作部121を備えた発射操作装置71には、図6に示すように、操作ハンドル74を遊技者が触れていることを検知するためのハンドル用タッチセンサ155が設けられているだけでなく、補助操作部121を遊技者が触れていることを検知するための補助操作用タッチセンサ156が設けられている。各タッチセンサ155,156は、電源及び発射制御装置と電気的に接続されており、当該電源及び発射制御装置において操作ハンドル74や補助操作部121が操作されていることが把握される。
次に、発射操作装置71への手動操作に応じて遊技球を発射させるための電気的構成について、図11のブロック図に基づいて説明する。
遊技球の発射に係る電気的構成の説明に先立ち、先ずパチンコ機10において遊技を進行させる制御を行うための電気的な構成を説明する。
内枠13の背面側には、主制御装置161と、音声ランプ制御装置171と、表示制御装置172とが搭載されている。また、裏パックユニット15には、払出装置173を含む払出機構部と、払出制御装置174と、電源及び発射制御装置175とが搭載されている。
主制御装置161は、遊技の主たる制御を司る主制御基板162を具備している。主制御基板162は、電源及び発射制御装置175の電源及び発射制御基板176に設けられた電源部177と接続されている。電源部177は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板162に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。ちなみに、当該動作電力は主制御基板162だけでなく、払出制御装置174や表示制御装置172といった他の機器にも供給される。
なお、主制御装置161には図示しない停電監視基板が設けられており、当該停電監視基板において停電の発生が確認された場合には主制御基板162に対して停電信号が送信されるようになっている。
主制御基板162には、MPU163が搭載されている。MPU163には、当該MPU163により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM164と、そのROM164内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM165と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
MPU163には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU163の入力側には、図示しない各種センサが接続されている。当該各種センサの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置31、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35といった入賞対応入球部に対して1対1で設けられた検知センサが含まれており、MPU163において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU163では上作動口33及び下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選及び大当たり結果種別抽選を実行するとともに、各遊技回のリーチ発生抽選や表示継続期間の決定抽選を実行する。
ここで、MPU163にて各種抽選を行うための構成について説明する。
MPU163は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図12に示すように、大当たり発生抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43及び図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM165の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ165aに適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファ165aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア165bに格納される。
保留球格納エリア165bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ165aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留用エリアREは、保留数記憶エリアNAを備えており、当該保留数記憶エリアNAには上作動口33又は下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留球格納エリア165bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM164における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリアに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留球格納エリア165bに格納される。
本パチンコ機10では、(1)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における当否抽選モード、(2)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という2つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。当否抽選モードとしては、上述したとおり低確率モードと高確率モードとが設定されている。
サポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき役物用表示部44にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部44における1回の表示継続期間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM164における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。なお、終了基準回数が経過した後に、低頻度サポートモードに移行する。
確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
振分テーブルにおいて、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が確変大当たり結果に対応しているが、この数値の振分は任意である。また、大当たり結果の振分先は、上記の2種類に限定されることはなく、例えば、開閉実行モードにおいて遊技球の獲得期待値が高低となるように複数のモードを設定し、当該開閉実行モードの移行先のモードに差異を設けることで大当たり結果の種別を上記の2種類よりも増やす構成としてもよい。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置41における表示演出の一種として期待演出が設定されている。
期待演出には、上記リーチ表示と、当該リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や大当たり結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
予告表示には、図柄表示装置41の表示画面において図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
リーチ表示は、開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、ROM164のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。一方、予告表示を行うか否かの決定は、主制御装置161において行うのではなく、表示制御装置172において行われる。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43における表示継続期間と、図柄表示装置41における図柄の表示継続期間とをMPU163において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、メイン表示部43における変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM165の電役保留エリア165cに格納される。そして、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
MPU163の出力側には、払出制御装置174が接続されているとともに、音声ランプ制御装置171が接続されている。払出制御装置174には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。払出制御装置174は、主制御装置161から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置173により賞球や貸し球の払出制御を行う。
音声ランプ制御装置171は、主制御装置161から受信した演出用コマンドに基づいて、各遊技回における演出内容や開閉実行モード中の演出内容を決定し、その決定結果に基づいて表示ランプ部63やスピーカ部64を駆動制御する。また、音声ランプ制御装置171は、その決定結果に対応したコマンドを表示制御装置172に送信する。表示制御装置172では、その受信したコマンドに応じて図柄表示装置41を表示制御することで、当該図柄表示装置41において遊技回の演出に対応した画像の表示や開閉実行モードの演出に対応した画像の表示を行わせる。
また、MPU163の入力側及び出力側には、電源及び発射制御基板176に設けられた発射制御部178が接続されている。発射制御部178には、発射操作装置71に内蔵された可変抵抗器181及びプッシュセンサ113が電気的に接続されている。発射制御部178では、可変抵抗器181を通じて受信した電気信号に応じて操作ハンドル74の回転操作量を把握するとともに、プッシュセンサ113から受信した電気信号に応じて発射止めスイッチ112の操作の有無を把握する。また、発射制御部178には、ハンドル用タッチセンサ155及び補助操作用タッチセンサ156が接続されている。
ハンドル用タッチセンサ155は、メッキが施された操作ハンドル74の外部に露出していない箇所に設けられた電極182に対して、信号線183を通じて電気的に接続されている。当該ハンドル用タッチセンサ155にはコンデンサが内蔵されており、遊技者の手が操作ハンドル74の外表面に接触してコンデンサの静電容量が変化すると、ハンドル操作検知に対応した所定の電気信号を発射制御部178に出力する。発射制御部178では当該所定の電気信号の受信により、遊技者の手が操作ハンドル74の外表面に接触していると認識する。
なお、遊技者の手が操作ハンドル74に触れていることを検知できるのであれば、センサの種類や検知方法の具体的な構成は任意である。
補助操作用タッチセンサ156は、メッキが施された補助操作部121の外部に露出していない箇所に設けられた電極184に対して、信号線185を通じて電気的に接続されている。当該補助操作用タッチセンサ156にはコンデンサが内蔵されており、遊技者の手が補助操作部121の外表面に接触してコンデンサの静電容量が変化すると、補助操作検知に対応した所定の電気信号を発射制御部178に出力する。発射制御部178では当該所定の電気信号の受信により、遊技者の手が補助操作部121の外表面に接触していると認識する。
なお、遊技者の手が補助操作部121に触れていることを検知できるのであれば、センサの種類や検知方法の具体的な構成は任意である。また、図5及び図6などにおいて符号「186」は、補助操作部121の電極184と補助操作用タッチセンサ156とを電気的に接続する信号線185を通すための貫通孔である。
発射制御部178は、可変抵抗器181、プッシュセンサ113、ハンドル用タッチセンサ155及び補助操作用タッチセンサ156の検知結果のうち、プッシュセンサ113、ハンドル用タッチセンサ155及び補助操作用タッチセンサ156の検知結果を、信号線191〜193を通じて主制御装置161のMPU163に送信する。MPU163では、その検知結果に応じて所定の処理を実行し、遊技球の発射を許可できる状況であれば、信号線194を通じて発射制御部178に発射許可コマンドを送信する。
発射制御部178は、遊技球発射機構51のソレノイド52と電気的に接続されており、MPU163から発射許可コマンドを受信した場合には、操作ハンドル74の回転操作量に応じた駆動信号をソレノイド52に出力する。これにより、操作ハンドル74の回転操作量に応じた勢いで、遊技球発射機構51から遊技領域に向けて遊技球が発射される。
次に、主制御装置161のMPU163にて遊技球の発射許可を行うための処理構成について説明する。
当該発射許可を行うための処理の説明に先立ち、MPU163における基本的な処理構成を説明する。MPU163では、遊技を進行させる場合にタイマ割込み処理及び通常処理を実行する。
タイマ割込み処理は、例えば2msec周期といったように比較的短い周期で定期的に起動される。当該タイマ割込み処理の概要を図13のフローチャートに示す。図13に示すように、先ずステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。続くステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM165の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104ではスルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、スルーゲート35への入賞が発生していた場合には、電役保留エリア165cに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。
続くステップS105では上作動口33又は下作動口34への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行する。作動口用の入賞処理では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生していた場合には、保留球格納エリア165bに記憶されている始動保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を保留球格納エリア165bの保留用エリアREに格納する。この場合、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち現状の始動保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。ステップS105の処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
次に、通常処理の流れを図14のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理である。その概要として、ステップS201〜S206の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS208,S209のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM165の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS202では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、遊技回の実行中及び開閉実行モード中のいずれでもなく、且つ保留球格納エリア165bに保留情報が保留記憶されていることを条件として、保留球格納エリア165bのデータシフト処理が実行される。具体的には、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されているデータを実行エリアAEにシフトする。その後、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる。また、データシフト処理が実行された場合、当否抽選処理、種別判定処理及び遊技回開始用処理が実行される。
当否抽選処理では、実行エリアAEにシフトされた保留情報のうち大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報と、現状の当否抽選モードに対応した当否テーブルとを参照して、大当たり当選となるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、さらに種別判定処理を実行する。種別判定処理では、実行エリアAEにシフトされた保留情報のうち大当たり種別カウンタC2に係る数値情報と、振分テーブルとを参照して、大当たり種別を特定する。
遊技回開始用処理では、実行エリアAEにシフトされた保留情報のうちリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報と、リーチ用テーブルとを参照して大当たり非当選であってもリーチ発生となるか否かを判定する。また、遊技回開始用処理では、大当たり当選の有無、大当たり種別及びリーチ発生の有無に対応した変動表示時間テーブルをROM164から読み出し、その読み出した変動表示時間テーブルと、そのタイミングにおける変動種別カウンタCSの数値情報とから今回の遊技回の変動表示時間を決定する。そして、遊技回開始用処理では、その決定した変動表示時間に対応した絵柄の変動表示をメイン表示部43にて開始させるとともに、変動表示時間の情報を含む変動用コマンドと、大当たり当選の有無及び大当たり種別の情報を含む種別コマンドとを、音声ランプ制御装置171に送信する。
また、遊技回制御処理では、遊技回の実行中において変動表示中処理を実行し、変動開始用処理にて決定した変動表示時間が経過している場合にはメイン表示部43において、その遊技回における大当たり当選の有無及び大当たり種別に対応した停止結果を表示させた状態で絵柄の変動表示を終了させる。また、遊技回の終了を指示するための終了コマンドを、音声ランプ制御装置171に送信する。
その後、ステップS203では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、大当たり当選に対応した遊技回が終了している場合に開閉実行モードへの移行処理を実行し、可変入賞装置32の開閉処理を開始する。なお、開閉実行モードを開始する場合、開閉実行モード中、及び開閉実行モードを終了する場合などに、開閉実行モード用の各種コマンドを音声ランプ制御装置171に送信する。また、開閉実行モードが終了した場合には、当該モードの開始契機となった遊技回に係る大当たり種別に対応させて、当否抽選モードの移行やサポートモードの移行を実行する。
続くステップS204では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM165の電役保留エリア165cに格納されている情報を用いて電動役物34aを開放状態とするか否かの判定、電動役物34aの開閉処理及び役物用表示部44の表示制御などを行う。
その後、ステップS205では、遊技球発射制御処理を実行する。当該遊技球発射制御処理については後に詳細に説明する。
続くステップS206では、RAM165に停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板において停電の発生が確認され当該停電監視基板からMPU163のNMI端子に停電信号が入力されることにより格納される。
停電フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS207にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS208では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS209では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。
一方、ステップ206にて、停電フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS210以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS210では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS211にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS212にてRAM165のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
次に、ステップS205にて実行される遊技球発射制御処理について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS301では、RAM165に設けられた発射カウンタHCの値が300以上であるか否かを判定する。発射カウンタHCは、タイマ割込み処理(図13)が起動される度に1加算されるように更新される。ここで、タイマ割込み処理は2msec周期で起動されるため、発射カウンタHCが0から300に達する間には0.6secの時間が必要となる。なお、ステップS301にて判定する時間は0.6secに限定されることはなく、遊技球の発射を良好に行うことができるのであれば、具体的な時間は任意である。
発射カウンタHCの値が300未満の場合には、そのまま本遊技球発射制御処理を終了する。一方、発射カウンタHCの値が300以上の場合には、ステップS302にて発射カウンタHCを0クリアし、ステップS303に進む。
ステップS303では、発射制御部178から受信している信号に応じて、ハンドル用タッチセンサ155がONとなっているか否かを判定する。また、ステップS304では、発射制御部178から受信している信号に応じて、補助操作用タッチセンサ156がONとなっているか否かを判定する。ステップS303及びステップS304の結果、ハンドル用タッチセンサ155及び補助操作用タッチセンサ156のいずれか一方でもONとなっていない場合には、そのまま本遊技球発射制御処理を終了する。
ハンドル用タッチセンサ155及び補助操作用タッチセンサ156の両方がONとなっている場合には、ステップS305に進む。ステップS305では、発射制御部178から受信している信号に応じて、発射止めスイッチ112がONとなっているか否かを判定する。発射止めスイッチ112がONとなっている場合には、そのまま本遊技球発射制御処理を終了する。発射止めスイッチ112がONとなっていない場合には、ステップS306に進む。
ステップS306では、発射制御部178に向けて発射許可コマンドを送信する。その後に、本遊技球発射制御処理を終了する。発射制御部178は、主制御装置161のMPU163から発射許可コマンドを受信することで、既に説明したように、操作ハンドル74の回転操作量に応じた駆動信号をソレノイド52に出力する。これにより、操作ハンドル74の回転操作量に応じた勢いで、1個の遊技球が遊技球発射機構51から遊技領域に向けて発射される。
すなわち、本パチンコ機10では、遊技者が発射止めスイッチ112を操作しておらず、さらに操作ハンドル74及び補助操作部121の両方を触れている状態で操作ハンドル74が回転操作されることで、基準発射周期である0.6secに1回、1個の遊技球が発射される。また、操作ハンドル74を一定の回転位置に維持するとともに、遊技球の発射が許容される態様での発射操作装置71の操作を継続することで、基準発射周期の経過毎に1個の遊技球の発射が同一又は略同一の勢いで行われ続ける。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
操作ハンドル74がハンドル用バネ86により初期回転位置に付勢されている構成において、補助操作部121及びリンク部材141を設けたことにより、操作ハンドル74に対する操作力を緩めたとしても補助操作部121を押圧操作しておけば、当該操作ハンドル74を所定の位置に配置した状態を維持することができる。これにより、操作ハンドル74を所定の位置に維持する場合の疲労の低減が図られ、それに伴って異物により強引に操作ハンドル74を仮固定しようとする行為を抑制することが可能となる。
また、補助操作部121は操作ハンドル74とは別に設けられており、補助操作部121に対する押圧操作は操作ハンドル74への回転操作とは独立して行うことが可能である。これにより、操作ハンドル74を所定の位置に回転操作する場合には補助操作部121に対する押圧操作を行わないようにすることで、操作ハンドル74の変位規制が行われないようにしながら操作ハンドル74の位置を調整することができる。よって、操作ハンドル74の操作性を低下させることなく上記のような優れた効果を奏することができる。
補助操作部121は発射操作装置71の前面ユニット73に設けられており、さらに操作ハンドル74を回転操作しようとして通常の態様で発射操作装置71を握った場合に手の平で押圧操作可能な位置に設けられている。これにより、遊技者は手の平を利用して補助操作部121の押圧操作を無理なく行うことができる。
また、補助操作部121の表面において遊技者の手の平が斜め上方から触れることとなる特定受け領域の回動方向には下方に向けた成分が含まれる。したがって、遊技者は斜め下方に向けて腕を伸ばしている状態においてその伸ばしている方向に補助操作部121を押圧操作することで、補助操作部121を初期回動位置から後方へ押圧することができる。つまり、遊技者は手の重みを預けるようにして発射操作装置71を握っている状態のその重みを利用して補助操作部121を押圧操作することができる。これにより、補助操作部121の操作性の向上が図られ、さらには補助操作部121の操作を継続した場合の疲労の低減が図られる。
補助操作部121が押圧操作された場合には、その操作力がリンク部材141に付与され、それに伴ってリンク部材141が変位して操作ハンドル74に当接し上記操作力を当該操作ハンドル74に伝達することで当該操作ハンドル74の変位規制が行われる。つまり、補助操作部121が押圧操作された場合の操作力は電気的な構成を介することなく機械的に操作ハンドル74に伝達されて当該操作ハンドル74の変位規制が行われる。これにより、操作ハンドル74の変位規制を、電気的な構成を要することなく行うことができる。
また、電気的な構成を要する場合、補助操作部121に対する操作に対応した電気信号が電源及び発射制御装置175や主制御装置161に入力されることとなる。そうすると、その電気信号の入力を通じて、主制御装置161のMPU163における制御を不正に操作する行為が想定される。特に、発射操作装置71は遊技に際して必ず操作される部位であり、当該部位に設けられた補助操作部121に対して不正な操作が行われたとしても、それを発見することが難しい。これに対して、上記のように操作ハンドル74の変位規制を電気的な構成を要することなく行えるようにすることで、上記のような不正行為が行われないようにしながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
また、補助操作部121の押圧操作を通じた操作ハンドル74の変位規制は、リンク部材141に形成された回転規制部153の対向面154と操作ハンドル74の外側環部82の内周面との当接により行われる。そして、補助操作部121の押圧操作を通じた両者の当接は操作ハンドル74の回転位置がいずれであっても生じるように構成されている。したがって、操作ハンドル74の回転位置がいずれの位置であっても、当該操作ハンドル74の回転規制を行うことができる。
補助操作部121には補助操作用タッチセンサ156が設けられており、補助操作部121が遊技者により触れられていない場合には遊技球の発射が禁止される。したがって、遊技領域に向けて遊技球発射機構51から遊技球を発射させるためには、遊技者は補助操作部121に少なくとも触れる必要が生じる。そして、上記のとおり補助操作部121を押圧操作した場合には操作ハンドル74の変位規制が行われる。これにより、遊技者にとっては異物により強引に操作ハンドル74を仮固定する必要性が低減され、補助操作部121に対する押圧操作を通じた変位規制を行いながら操作ハンドル74の操作を行うことが期待される。よって、補助操作部121を設けたことの効果を好適に発揮させることができる。
また、操作ハンドル74にハンドル用タッチセンサ155が設けられているとともに当該タッチセンサ155がON状態となっていない場合には遊技球の発射が禁止される構成に対して上記補助操作用タッチセンサ156の構成を適用することで、発射操作装置71に触れることなく遊技球の発射を継続させるためには、異物を強引に差し込むなどして操作ハンドル74を所定の位置に仮固定するとともに、操作ハンドル74及び補助操作部121の両方について擬似的に触れているような状態とする必要が生じる。このような行為は遊技者にとって煩雑なものとなり、さらには上記のとおり補助操作部121を押圧操作すれば操作ハンドル74の変位規制を行うことができるため、発射操作装置71に触れることなく遊技球の発射を継続させる行為を抑制することが可能となる。
また、補助操作部121が押圧操作されていることではなく、当該補助操作部121が触れられていることを遊技球の発射許可の条件としたことにより、遊技領域へ向けた遊技球の発射の勢いを確認しながら操作ハンドル74の位置の調整を行う場合に、補助操作部121の押圧操作を通じた操作ハンドル74の変位規制を行う必要がないため、当該調整に際して変位規制に抗する力を付与する必要が生じない。よって、当該調整を行い易くなる。また、当該構成であっても、遊技球の発射を行わせるためには補助操作部121に触れる必要があるため、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、発射操作装置において補助操作部121の操作を操作ハンドル74に伝達する構成が上記第1の実施形態と異なっている。当該相違する構成について以下に説明する。なお、以下の説明では、上記第1の実施形態と同様の構成については同一の番号を付すとともに、基本的にその説明を省略する。
図16は本実施形態における発射操作装置201の分解斜視図であり、図17(a)は前面ユニット202の一部を分解した状態を前方から見た斜視図であり、図17(b)は前面ユニット202の一部を分解した状態を後方から見た斜視図である。
図16に示すように、発射操作装置201は、上記第1の実施形態における発射操作装置71と同様に、基部72と、前面ユニット202と、操作ハンドル74と、を備えている。また、前面ユニット202は、内側ベース203と、外側ベース92と、補助操作部121と、を備えており、補助操作部121に設けられた補助用軸部材124の補助操作用軸部127を内側ベース203と外側ベース92との間に挟んだ状態で、これら内側ベース203と外側ベース92とが弾性固定部材101により固定されている。この場合、補助操作部121の軸支箇所は上記第1の実施形態と同様であり、さらには外側ベース92の開口部92aを通じて露出した補助操作部121の前側湾曲部123に対する軸支箇所の位置関係も上記第1の実施形態と同様である。
但し、補助操作部121が押圧操作された場合の操作力を操作ハンドル74に伝達するリンク部材205の構成は、上記第1の実施形態におけるリンク部材141と異なっている。当該リンク部材205は、内側ベース203における内側ベース環部204の外周部分に沿うようにして形成されたリンクベース206と、当該リンクベース206の両端から内側ベース203の径方向の内側に向けて起立させて形成された一対のリンクアーム207と、が一体形成されてなる。一対のリンクアーム207は相互に同一の形状となっており、リンクベース206から連続し起立方向の先端に向けた途中位置に前後方向の蛇行が生じるように形成された易弾性変形部208と、当該易弾性変形部208の起立方向の先端に対して一体形成された固定部209と、を備えている。
リンク部材205は、図17(a)及び図17(b)に示すように、内側ベース203の裏面側であって、補助操作部121の軸支箇所に対して軸線を挟んだ反対側、すなわち内側ベース203の下端部分において、リンクベース206が外周側及び固定部209が内側ベース203の軸線側となるように設けられている。そして、一対の固定部209が内側ベース203の裏面に対してネジ止めされている。
内側ベース環部204の下端部分には、軸周りの所定範囲に亘って、外周側から内側に凹んだ露出用凹部211が形成されており、リンク部材205のリンクベース206は当該露出用凹部211を通じて補助操作部121側に露出している。ちなみに、図17(a)に示すように、リンクベース206は、内側ベース環部204において露出用凹部211を挟んだ両側を掛け渡すようにして配置されており、さらにリンクベース206の外周部分は内側ベース環部204の外周部分の曲面と概ね連続している。また、固定部209による固定箇所は、リンクベース206を基準として若干前方に入り込んだ位置となっているため、易弾性変形部208の付勢力により、リンク部材205の自然状態ではリンクベース206が内側ベース203の裏面に後方から接している。
リンク部材205が設けられた軸周りの位置は、内側ベース203と外側ベース92とを固定するための弾性固定部材101が設けられた位置と重なっている。この場合に、当該弾性固定部材101と内側ベース203との間には、軸線方向に所定の空間が生じており、当該空間を利用してリンク部材205が設けられている。また、弾性固定部材101の爪部104は、リンクベース206よりも径方向の外側に突出することとなるが、リンクベース206の後端側において爪部104と対峙する位置には前方へと凹んだ干渉回避用凹部212が形成されている。
干渉回避用凹部212の底面は、リンク部材205の自然状態において爪部104に対して所定の距離分、離れた位置にある。これにより、リンク部材205は、リンクベース206が爪部104に前方から当接するまでの範囲で、上記固定部209を回動軸として自然状態の位置から後方へ向けて回動可能となっている。
リンクベース206の前方には、補助操作部121における補助ベース122の周縁部が存在しており、当該周縁部においてリンクベース206と対向する位置には径方向外側に向けて突出した押圧用フランジ213が一体形成されている。当該押圧用フランジ213が形成された位置は、補助操作部121の下端部分となっている。つまり、押圧用フランジ213は、補助操作部121の回動軸に対して、軸線を挟んだ反対側の位置に形成されている。
当該押圧用フランジ213とリンクベース206との位置関係について、図18を参照しながら説明する。図18(a)は補助操作部121が初期回動位置に配置されている状況における発射操作装置201の一部を拡大して示す縦断面図であり、図18(b)は補助操作部121が押圧操作されている状況における発射操作装置201の一部を拡大して示す縦断面図である。
図18(a)に示すように、補助操作部121が押圧操作されていない状況では、補助操作部121が初期回動位置に配置されており、さらに押圧用フランジ213とリンクベース206とは接しておらずリンク部材205は自然状態となっている。また、リンクベース206の後側端面214は、操作ハンドル74の外側環部82の前側端面215に対してその前方にて対向している。
ここで、リンク部材205は前面ユニット202に設けられているため操作ハンドル74の回転に追従しない。この場合に、外側環部82の前側端面215は操作ハンドル74の軸線周りに連続しており、当該操作ハンドル74がいずれの回転位置であっても、リンクベース206の後側端面214は外側環部82の前側端面215と対向する。
図18(b)に示すように、補助操作部121が押圧操作された状況では、補助操作部121の押圧用フランジ213が後方へ移動するように補助操作部121が初期回動位置から回動する。この場合、上記第1の実施形態における発射操作装置71と同様に、図18(a)においては図示しない補助操作用軸部127は補助操作部121の前側湾曲部123よりも後方であって上方の位置において支持されている。したがって、遊技者は、前側湾曲部123の表面において前方に最も凸となった箇所よりも上側の領域を斜め上方から斜め下方に押圧することで、補助操作部121を初期回動位置から後方へ押圧することができる。
補助操作部121が押圧操作されることで、補助操作部121の回動に伴って、押圧用フランジ213はリンクベース206を後方へと押す。リンクベース206が押圧用フランジ213により押されることで、易弾性変形部208の弾性変形を通じてリンク部材205が自然状態の位置、すなわち初期回動位置から回動し、それに伴ってリンクベース206の後側端面214が操作ハンドル74の外側環部82における前側端面215に前方から当接する。これにより、操作ハンドル74には、回転方向に対して直交する方向への外力がリンク部材205から付与されることとなり、当該外力はハンドル用バネ86の付勢力に抗する力として機能する。よって、操作ハンドル74を回転操作している力を緩めたとしても、当該操作ハンドル74をその回転位置にて保持させることが可能となる。
また、上記操作ハンドル74の変位規制は外側環部82の前側端面215とリンクベース206の後側端面214との面接触に起因して行われるため、その規制力を上回る操作力で操作ハンドル74を回転操作すれば、操作ハンドル74を変位させることは可能である。したがって、操作ハンドル74の変位規制を行った状態で、操作ハンドル74の回転位置の調整を行うことが可能である。さらには、外側環部82の前側端面215において上記面接触が生じ得る当接対象面は、少なくとも前方への段差が形成されておらず、また後方への凹みも形成されていない。この点からも、操作ハンドル74の変位規制を行った状態で、操作ハンドル74の回転位置の調整を行うことが可能である。
なお、リンクベース206の後側端面214に上記第1の実施形態におけるリンク部材141の対向面154と同様に、高摩擦化処理を施してもよい。これにより、上記回転位置にて保持させる力を向上させることができる。
以上のとおり、本実施形態においても、操作ハンドル74を回転操作させるべく発射操作装置201を握っている状態の手の平により補助操作部121を押圧操作することで、操作ハンドル74の回転操作力を緩めたとしても、所望の回転位置にて操作ハンドル74を保持することができる。これにより、コインなどの異物を操作ハンドル74と前面ユニット202との間などに差し込まなくても、疲労を抑えながら、操作ハンドル74を所望の回転位置に回転させた状態の保持を行うことができる。よって、当該異物が差し込まれることに起因した発射操作装置201の破損の発生を抑制することができる。
<第3の実施形態>
上記第1の実施形態の発射操作装置71に対して、本実施形態の発射操作装置221において相違する構成について、図19を参照しながら説明する。
図19(a)は発射操作装置221の正面図であり、図19(b)は補助操作部222が押圧操作されていない状態における発射操作装置221の様子を模式的に示した説明図であり、図19(c)は補助操作部222が押圧操作されている状態における発射操作装置221の様子を模式的に示した説明図である。なお、以下の説明では、上記第1の実施形態と同様の構成については同一の番号を付すとともに、基本的にその説明を省略する。
発射操作装置221には、上記第1の実施形態における発射操作装置71と同様に、操作ハンドル74の回転操作を緩めた状態において当該操作ハンドル74を所定の回転位置に保持するために操作される補助操作部222が設けられている。補助操作部222の軸支箇所は上記第1の実施形態と同様であり、さらには外側ベース92の開口部92aを通じて前方に露出した補助操作部222の前側湾曲部223に対する軸支箇所の位置関係も上記第1の実施形態と同様である。
当該構成において、本実施形態の補助操作部222には、前側湾曲部223よりも後側を構成する補助ベース224の外周面に、外方に向けて起立するとともに軸線周りに連続する円環状に形成された被覆用フランジ225が一体形成されている。被覆用フランジ225は、図19(a)に示すように、開口部92aの周縁部と補助ベース224との境界が前方に露出しないように、当該境界よりも前方の位置において当該境界と対向するように形成されている。
被覆用フランジ225は、図19(b)に示すように補助操作部222が初期回動位置に配置されている状況において外側ベース92の表面と接触しない位置に形成されているとともに、図19(c)に示すように補助操作部222が押圧操作されてその回動方向の限界位置に配置されている状況においても外側ベース92の表面と接触しない位置に形成されている。これにより、補助操作部222の押圧操作を通じて操作ハンドル74を所望の回転位置に保持しようとする行為が、被覆用フランジ225により阻害されてしまうことが防止される。但し、初期回動位置及び限界位置のいずれに配置されている状況であっても、被覆用フランジ225は上記境界に対してその前方の位置にて対向している。
上記のように被覆用フランジ225は、外側ベース92の表面に対して離間されているが、その間の距離はコインや厚紙といった異物を、開口部92aの周縁部と補助ベース224との境界に差し込もうとする行為を不可とする又は行いづらくする距離に設定されている。これにより、異物を用いて、押圧操作した位置に補助操作部222を強引に仮固定しようとする行為を抑制することが可能となる。
<第4の実施形態>
本実施形態では、発射操作装置において補助操作部及びその操作を操作ハンドルに伝達する構成が上記第1の実施形態と異なっている。当該相違する構成について、図20を参照しながら説明する。
図20(a)は本実施形態における発射操作装置231の一部破断部分を含む正面図であり、図20(b)は発射操作装置231の縦断面を模式的に示す説明図である。なお、以下の説明では、上記第1の実施形態と同様の構成については同一の番号を付すとともに、基本的にその説明を省略する。
図20(a)に示すように、補助操作部232は、操作ハンドル233における外側環部234の外周面から外方に突出するようにして当該操作ハンドル233に軸支されている。補助操作部232は、補助操作用の軸部235を基準として一端側が補助側長手部236となり他端側が補助側短手部237となるように形成されており、補助操作用の軸部235の方向が操作ハンドル233の軸線方向となり、且つ補助側長手部236の先端側が操作ハンドル233から外方に突出するように配置されている。そして、その外方に突出した補助側長手部236を、操作ハンドル233の操作方向と同一方向に押圧することが可能となっているとともに、当該押圧操作が行われた場合には補助側短手部237の先端が外側環部234の内周面に近付くように補助操作部232が回動する。
操作ハンドル233には、その内側に第1リンク部材241と、第2リンク部材245とが設けられており、これら第1リンク部材241及び第2リンク部材245は操作ハンドル233に軸支されている。第1リンク部材241は、第1リンク用の軸部242を基準として一端側が第1リンク側長手部243となり他端側が第1リンク側短手部244となるように形成されており、第2リンク部材245は、第2リンク用の軸部246を基準として一端側が第2リンク側長手部247となり他端側が第2リンク側短手部248となるように形成されている。
第1リンク部材241は、第1リンク用の軸部242の方向が操作ハンドル233の軸線方向となり、且つ第1リンク側長手部243が補助側短手部237に対して径方向の外側となるように配置されている。また、第2リンク部材245は、第2リンク用の軸部246の方向が操作ハンドル233の軸線方向となり、且つ第2リンク側長手部247が第1リンク側短手部244に対して、径方向の内側となるように配置されている。また、第2リンク側短手部248はその先端が、第2リンク用の軸部246よりも外側環部234の内周面に近い位置に配置されている。
補助操作部232、第1リンク部材241及び第2リンク部材245を含む補助操作手段には、補助操作部232を操作ハンドル233の操作方向とは逆方向、すなわち反時計周り方向に付勢し、さらには第2リンク側短手部248の先端を外側環部234の内周面から離間させる方向に付勢する付勢手段として、図示しないバネが設けられている。
バネとして例えば、第2リンク部材245を初期回動位置に付勢するバネを設ける構成が考えられる。この場合、補助操作部232が手動操作されていない状況では第2リンク側短手部248の先端が外側環部234の内周面から離間された位置に第2リンク部材245が配置されるとともに、その付勢力が第1リンク部材241を通じて補助操作部232に伝達されることで、操作ハンドル233の操作方向と同一方向への補助側長手部236の変位を許容した初期回動位置に補助操作部232が配置される。また、上記構成に限定されることはなく、第2リンク部材245に加えて、第1リンク部材241及び補助操作部232の少なくとも一方に初期回動位置へ付勢するためのバネを設けてもよい。
上記構成においては、初期回動位置に配置されている補助操作部232の補助側長手部236を操作ハンドル233の操作方向と同一方向に押圧操作することで、第1リンク側長手部243が補助側短手部237により操作ハンドル233の内周面に向けて押され、それに伴って第2リンク側長手部247が第1リンク側短手部244により操作ハンドル233の軸線に向けて押される。そして、これに伴って第2リンク側短手部248が操作ハンドル233の内周面に近接する位置に移動する。
ここで、図20(b)に示すように、第2リンク側短手部248には基部238側へと突出した回転規制部249が設けられている。当該回転規制部249は、補助操作部232が上記のように押圧操作されて第2リンク側短手部248が操作ハンドル233の内周面に近接する位置に移動した場合に、基部238の内周面に内側から当接するように形成されている。これにより、基部238と回転規制部249との摩擦力が生じることとなり、当該摩擦力は図示しないハンドル用バネの付勢力に抗する力として機能する。よって、操作ハンドル233を回転操作している力を緩めたとしても、当該操作ハンドル233をその回転位置にて保持させることが可能となる。
また、補助操作部232は操作ハンドル233に設けられているため、遊技者は操作ハンドル233を回転操作しようとしている手の指を利用して補助操作部232を操作することができる。さらには、補助操作部232が操作ハンドル233の位置の変更に追従して変位されることとなるため、操作ハンドル233の位置がいずれの位置であっても、一定の態様で補助操作部232を操作することができる。
また、補助操作部232は操作ハンドル233において当該操作ハンドル233の回転方向と同一方向に操作するように設けられている。これにより、遊技者は、操作ハンドル233を回転操作しようとする場合の操作力を付与する方向と同一方向に補助操作部232を操作すればよいため、操作ハンドル233を回転操作しようとしている手の指を利用して補助操作部232を操作する場合の操作性の向上が図られる。
また、補助操作部232、第1リンク部材241及び第2リンク部材245において、支点である各軸部235,242,246から遠い側の端部が、補助操作部232の手動操作に対する力の伝達方向の上流側に配置され、各軸部235,242,246から近い側の端部が下流側に配置されている。したがって、てこの原理により、回転規制部249を基部238の内周面に当接させる力を、補助操作部232の手動操作力に対して増幅させることができる。
なお、補助操作部232において基部238の内周面と当接する面に、上記第1の実施形態におけるリンク部材141の対向面154と同様に、高摩擦化処理を施してもよい。
<第5の実施形態>
操作ハンドル252よりもパチンコ機10前方に設けられた補助操作部253の操作態様によって遊技球の発射を止めることができるという構成に着目した場合、図21(a)に示す変形例のように、補助操作部253が操作ハンドル252の初期回転位置への復帰規制として機能しない構成としてもよい。本構成では、補助操作部253の回動先端側の後方に操作検知スイッチ254が設けられており、補助操作部253の操作の有無が当該操作検知スイッチ254により検知される。この検知結果は、電源及び発射制御装置175を通じて主制御装置161に送信される。なお、本発射操作装置251では、操作ハンドル252よりも後方に位置する発射止めスイッチは設けられていない。
図21(b)は、主制御装置161のMPU163により実行される本実施形態の遊技球発射制御処理を示すフローチャートである。
先ずステップS401では、RAM165に設けられた発射カウンタHCの値が300以上であるか否かを判定する。発射カウンタHCの内容は上記第1の実施形態と同様である。発射カウンタHCの値が300未満の場合には、そのまま本遊技球発射制御処理を終了する。一方、発射カウンタHCの値が300以上の場合には、ステップS402にて発射カウンタHCを0クリアし、ステップS403に進む。
ステップS403では、ハンドル用タッチセンサ155(図21(a)では図示略)がONとなっているか否かを判定する。ONとなっていない場合には、そのまま本遊技球発射制御処理を終了する。ONとなっている場合には、ステップS404にて、操作検知スイッチ254がONとなっているか否かを判定する。操作検知スイッチ254がONとなっていない場合には、そのまま本遊技球発射制御処理を終了する。ONとなっている場合には、ステップS405にて、発射制御部178に向けて発射許可コマンドを送信した後に、本遊技球発射制御処理を終了する。発射許可コマンドが送信されることにより1個の遊技球の発射が行われることは上記第1の実施形態と同様である。
上記構成によれば、遊技者は基本的に補助操作部253を操作するとともに、遊技球の発射を停止したい場合には操作ハンドル252の回転操作を継続しながら、手の平を浮かせるなどといった操作により補助操作部253の操作を止めて遊技球の発射を停止させることができる。これにより、遊技球の発射に際しては操作ハンドル252を握った状態にさせることができるとともに、当該握った状態にさせる構成を利用して、操作ハンドル252を回転操作した状態での遊技球の発射の停止操作を可能とすることができる。
また、補助操作部253の回動軸255は上記第1の実施形態と同様に、補助操作部253の前側湾曲部256よりも上方であって後方の位置に設けられているため、遊技球の発射を継続したい場合であっても、発射操作装置251を握っている状態の手の平で無理なく補助操作部253を操作することができる。よって、遊技者の疲労を低減させながら、上記のような優れた効果を奏することができる。
なお、上記のように補助操作部253が触れられていることではなく、補助操作部253が押圧操作されていることを検知する構成を、上記第1の実施形態のように補助操作部121の押圧操作を通じて操作ハンドル74の変位規制が行われる構成に適用してもよい。但し、本構成において遊技球の発射の勢いを確認しながら操作ハンドル74の位置の調整を可能とするためには、上記第1の実施形態と同様に、補助操作部121の押圧操作を通じた操作ハンドル74の変位規制を行いながら、当該操作ハンドル74の位置を調整することができる構成とする必要がある。
また、補助操作部253が操作されている場合に遊技球の発射が許可されるのではなく、補助操作部253が操作されている場合に遊技球の発射が禁止される構成としてもよい。この場合、補助操作部253が上記第1の実施形態における発射止めスイッチ112と同様の機能を有することとなるが、当該発射止めスイッチ112と異なり、発射操作装置251を握っている手の平を利用して発射止め操作を行うことができる。
<他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態に対して適用してもよい。また、以下の各構成を、適用対象として例示した実施形態以外の実施形態に対して適用してもよい。
(1)上記第1の実施形態における補助操作部121の補助用軸部材124が軸支される位置を、図22(a)の変形例に示す位置に変更してもよい。この場合、当該軸支箇所は、発射操作装置71の正面視で左斜め上側の位置となる。発射操作装置71は前扉枠14の右下の隅角部分に設けられているため、遊技者は手を斜め右下に伸ばして発射操作装置71を握ることとなる。そうすると、補助操作部121の前側湾曲部123には遊技者の手の平が左斜め上方から接することとなる。これに対して、上記のように補助操作部121の軸支箇所が左斜め上側の位置に配置されていることで、前側湾曲部123の表面において前方に最も凸となった箇所よりも上側の領域を右斜め下方に押圧すれば補助操作部121を初期回動位置から後方へ押圧することができる。よって、遊技者は発射操作装置71を握った状態で手の平を用いて補助操作部121を容易に押圧操作することができ、補助操作部121の操作性の向上が図られる。
(2)図22(b)に示す変形例の発射操作装置261のように、補助操作部262と操作ハンドル263との間にリンク部材が介在していない構成としてもよい。当該構成では、補助ベース264の上端部分に回動軸265が設けられているとともに、その回動軸265が設けられた位置から後方へと突出するように回転規制部266が形成されている。そして、補助操作部262が押圧操作された場合には回転規制部266が一体的に回動し、当該回転規制部266が操作ハンドル263の内周面に内側から当接する。本構成の場合、構成の簡素化を図りつつ、操作ハンドル263の初期回転位置への復帰規制を行うことができる。
なお、当該構成であっても、回転規制部266の操作ハンドル263との当接面及び操作ハンドル263の内周面の少なくとも一方に高摩擦化処理を施してもよい。また、回動軸265と回転規制部266の当接面との間の距離を、回動軸265と前側湾曲部267との間の距離よりも短く設定することで、手動操作力に対する回転規制力の増幅を図るようにしてもよい。
また、図22(b)の構成において、補助操作部262の回転規制部266が操作ハンドル263の内周面に常に接触しており、遊技者が補助操作部262を押圧した場合にはその押圧力が操作ハンドル263の内周面に伝達されて、操作ハンドル263の変位規制が行われる構成としてもよい。この場合、補助操作部262は実質的に変位しないため、補助操作部262を初期回動位置や初期位置に付勢するための部材を設ける必要がなくなる。
(3)上記第1の実施形態において、補助操作部121が回動可能に軸支されているのではなく、スライド移動可能に支持されている構成としてもよい。当該構成において、補助操作部121のスライド移動の方向は任意であるが、発射操作装置71を握っている手の重みにより補助操作部121を押圧操作可能とするためには以下の構成が好ましい。すなわち、前斜め下方であって右斜め下方に腕を伸ばして発射操作装置71を握った場合の手の平が当たるように補助操作部121の受け面の位置を設定し、さらには付勢手段の付勢力によって初期位置に配置されている補助操作部121が押圧操作された場合のスライド移動の方向を、前斜め下方であって右斜め下方となるように補助操作部121のスライド移動の方向を定めるとよい。但し、当該スライド移動の方向は斜め下方に限定されることはなく、鉛直下方に設定されていてもよく、また右斜め下方であって前斜め下方であることに限定されることはなく、いずれか一方に設定されていてもよい。
また、上記構成においてもリンク部材141については回動可能に設けるとともに、補助操作部121からリンク部材141への力点から支点までの距離を、リンク部材141から操作ハンドル74への作用点から支点までの距離よりも長く設定することで、補助操作部121への操作力に対する操作ハンドル74への規制力の増幅を図ることができる。
(4)補助操作部121の回動軸の位置は、前側湾曲部123において遊技者の手の平が斜め上方から触れる領域よりも上方の位置に限定されることはなく、例えば当該触れる領域と同じ高さ位置であってもよい。この場合であっても、上記領域を下方に押すことで補助操作部121を変位させることができるため、当該補助操作部121の操作性の向上を図ることは可能である。
また、上記触れる領域よりも下方の位置であってもよい。当該構成を、補助操作部121の回動軸が前側湾曲部123よりも後方に配置されている構成に適用した場合、手の平を利用して補助操作部121を変位させるためには、当該補助操作部121に対して若干持ち上げるような力を加える必要が生じる。一方、補助操作部121の回動軸が前側湾曲部123よりも前方に配置されている構成に適用した場合には、手の平を利用して補助操作部121を変位させるためには、手の重みにより補助操作部121を下方に押すように操作すればよい。
(5)補助操作部121はその前面が中央にて前方に凸となる曲面状をなしているのではなく、前面ユニット73の縦方向の中央よりも下方の位置まで前方に向かって下り傾斜となっている構成としてもよい。また、補助操作部121の表面に鉛直上方又は略鉛直上方を向く面が設定されており、当該面を下方に押圧することで補助操作部121が初期回動位置(又は初期位置)から変位する構成としてもよい。この場合、補助操作部121の表面を、手の重みを預けるために利用し易くなり、さらには手の重みを預けた場合には補助操作部121を押圧した状態となる。
(6)補助操作部121を基部72に対して設けてもよい。この場合、上記第1の実施形態と異なり、発射操作装置71を握っている手の平により補助操作部121を操作するのではなく、操作ハンドル74を回転操作している指により補助操作部121を操作する必要が生じる。本構成において、補助操作部121を操作した場合の操作力が電気的な構成を介在させることなく機械的に操作ハンドル74に伝達される構成とした場合、上記第1の実施形態と同様に、補助操作部121の操作力に対して操作ハンドル74への操作力を増幅させる増幅構造を設けることが好ましい。また、本構成に対して、補助操作部121を操作した状態で操作ハンドル74の位置の調整を行うことができる構成や、補助操作部121が操作されている場合にのみ遊技球の発射が許可される構成を適用してもよい。
(7)補助操作部121の操作を通じた操作ハンドル74の変位規制が行われている状況であっても操作ハンドル74の位置の調整を行うことができる構成に代えて、補助操作部121が操作されている場合には操作ハンドル74の変位が実質的に不可となる構成としてもよい。例えば、補助操作部121が押圧操作された場合には操作ハンドル74とリンク部材141との間で係止関係が生じ、当該係止関係を構成している部位を破壊する程度の力を掛けない限り操作ハンドル74を変位させることができなくなる構成としてもよい。
(8)上記第1の実施形態において発射操作装置71を握っている手の平を用いて操作ハンドル74の変位規制を行うことができるという作用効果や、補助操作部121に少なくとも触れていないと遊技球の発射が許可されないため補助操作部121の操作を促すことができるという作用効果や、上記第4の実施形態において操作ハンドル233を回転操作している指を利用して操作ハンドル233の変位規制を行うことができるという作用効果に着目した場合、補助操作部121,232が操作された場合の操作力が機械的に伝達されることで操作ハンドル74,233の変位規制が行われる構成を必須とする必要はなく、補助操作部121,232の操作が検知されている場合にはソレノイドなどの電動アクチュエータにより操作ハンドル74,232の変位規制が行われる構成としてもよい。
また、上記のように電気的に操作ハンドル74,232の変位規制が行われる構成においては、遊技者により操作された場合に変位する補助操作部121,232に代えて、遊技者により触れられた場合にそれがタッチセンサなどにより検知される非変位部を設けてもよい。
(9)上記第1の実施形態において発射操作装置71を握っている手の平により補助操作部121を操作することで操作ハンドル74の変位規制を行うことができるという作用効果や、補助操作部121への操作力を電気的な構成を介在させることなく機械的に伝達することで操作ハンドル74の変位規制を行うことができるという作用効果や、上記第4の実施形態において操作ハンドル233を回転操作している指を利用して補助操作部232を操作することで操作ハンドル233の変位規制を行うことができるという作用効果に着目した場合、補助操作部121,232に少なくとも触れていないと遊技球の発射が許可されない構成を必須とする必要はなく、補助操作部121,232が触れられていなくても遊技球の発射が許可される構成としてもよい。この場合、補助操作用タッチセンサ156を不具備としてもよい。
(10)上記第1の実施形態において、発射止めスイッチ112を不具備としてもよい。この場合であっても、補助操作部121を触れている状態と触れていない状態との切り換えを通じて、遊技球の発射が許可されている状態と禁止されている状態との切り換えを行うことができる。また、上記第1の実施形態において、ハンドル用タッチセンサ155を不具備としてもよい。
(11)上記第1の実施形態において、補助操作部121が操作された場合にはハンドル用バネ86の付勢力よりも大きな規制力が付与されて操作ハンドル74の初期回転位置への復帰が完全に止められる構成に限定されることはなく、上記規制力が付勢力よりも若干小さい程度であり、操作ハンドル74の初期回転位置への復帰が完全に止められるのではなく抑えられる構成としてもよい。
(12)ハンドル用タッチセンサ155や補助操作用タッチセンサ156として、静電容量の変化を検知するセンサを用いる構成に限定されることはなく、熱の変化を検知するセンサを用いてもよい。
(13)主制御装置161のMPU163において遊技球の発射許可及び禁止を行うための電気的な構成は、上記第1の実施形態の構成に限定されることはなく任意である。例えば、ハンドル用タッチセンサ155と補助操作用タッチセンサ156との検知結果が個別にMPU163に送信されるのではなく、発射制御部178に設けられたAND回路といった論理回路を通じて、両タッチセンサ155,156がONとなっている場合にのみHIレベル信号といった両方がONである旨の条件成立に対応した信号がMPU163に送信される構成としてもよい。また、上記論理回路として、両タッチセンサ155,156がONとなっており且つプッシュセンサ113がOFFとなっている場合ののみ上記条件成立に対応した信号がMPU163に送信される構成としてもよい。
(14)環状であって回転操作される操作ハンドル74が設けられた発射操作装置71ではなく、レバー式であって回動操作される操作ハンドルが設けられた発射操作装置に対して、補助操作部121が操作されている場合にのみ遊技球の発射が許可される構成を適用してもよい。また、上記レバー式の操作ハンドルが所定の操作位置に保持されている場合には所定の勢いによる遊技球の発射が継続される構成においては、当該発射操作装置に対して、補助操作部121を通じた操作ハンドルの変位規制の構成を適用してもよい。
(15)発射操作装置71の位置は遊技機本体12の前面の右下隅角部分に限定されることはなく、左下隅角部分や中央寄りの部分であってもよい。この場合であっても、上記第1の実施形態のように補助操作部121の操作性を向上させるためには、発射操作装置71を握っている手の平を利用して操作可能な位置に補助操作部121を設けることが好ましく、さらには手の重みを利用して補助操作部121を操作することができる位置に当該補助操作部121を設けることが好ましい。
(16)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される発射操作装置(発射操作装置71,201,221,231)を備え、
前記発射操作装置は、
遊技機本体(遊技機本体12)の前面側に設けられ、予め定められた初期位置から操作されるとともに、遊技球の発射を継続させるべく所定の位置に操作された状態が遊技者によって維持される発射操作部(操作ハンドル74,233など)と、
前記初期位置に向けて前記発射操作部を付勢する付勢手段(ハンドル用バネ86)と、
を備えている遊技機において、
予め定められた態様での操作及び接触の少なくとも一方であって前記発射操作部の操作とは独立して行うことが可能な特定動作を受ける受け部(第1の実施形態及び第2の実施形態においては補助操作部121、第3の実施形態においては補助操作部222、第4の実施形態においては補助操作部232)を有し、当該受け部において前記特定動作が受けられた場合に、前記付勢手段の付勢力に抗する抗力を生じさせることで前記発射操作部の前記初期位置への復帰を規制する規制手段(第1の実施形態においては補助操作部121及びリンク部材141など、第2の実施形態においては補助操作部121及びリンク部材205など、第3の実施形態においては補助操作部222及びリンク部材141など、第4の実施形態においては補助操作部232及び各リンク部材241,245など)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、発射操作部を所定の位置に操作した状態で受け部に対して特定動作を行うことで、発射操作部に対する操作力を緩めたとしても上記所定の位置に配置した状態を維持することができる。これにより、発射操作部を所定の位置に維持する場合の疲労の低減が図られ、それに伴って異物により強引に発射操作部を仮固定しようとする行為を抑制することが可能となる。
また、受け部に対する特定動作は発射操作部への操作とは独立して行うことが可能であるため、発射操作部を所定の位置に操作する場合には受け部に対する特定動作を行わないようにすることで、規制手段による規制が行われないようにしながら発射操作部の位置を調整することができる。よって、発射操作部の操作性を低下させることなく上記のような優れた効果を奏することができる。
なお、規制手段による規制には、発射操作部の初期位置への復帰を完全に止める状態だけでなく、発射操作部の初期位置への復帰を抑える状態も含まれる。これは、以下の特徴においても同様である。
特徴A2.前記受け部は、前記発射操作部を操作しようとして前記発射操作装置に触れている手によって前記特定動作を行うことが可能な位置に設けられていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、発射操作部を操作している手により受け部に対して特定動作を行うことができるため、当該受け部に対する特定動作を行い易くなる。
特徴A3.前記受け部は、前記発射操作部とは別の位置に設けられていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、発射操作部の操作及び受け部に対する特定動作のうちいずれか一方のみを行おうとした場合に他方も行ってしまう可能性が低減される。よって、発射操作部の操作及び受け部に対する特定動作の両行為のうち一方のみを選択的に行い易くなる。
特徴A4.前記受け部は、前記特定動作として、前記発射操作部を前記初期位置から回動操作する場合に操作力が付与される方向とは異なる方向への操作が行われた場合に変位可能に設けられており、
前記規制手段は、前記受け部が前記異なる方向へ変位した場合に前記規制を行うものであることを特徴とする特徴A2又はA3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、発射操作部及び受け部のうちいずれか一方のみを操作しようとした場合に他方も操作してしまう可能性が低減されるため、選択的な操作を行う場合の操作性の向上が図られる。
特徴A5.前記発射操作装置は、前記遊技機本体に固定される基部(基部72)と、前記発射操作部よりも前面側を構成する前面部(第1の実施形態及び第3の実施形態においては前面ユニット73、第2の実施形態においては前面ユニット202)と、を備えており、
前記受け部は、前記前面部に設けられていることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
遊技者が発射操作部を操作しようとする場合、基本的に遊技機前方から発射操作装置側へ腕を出して当該操作を行う。この場合に、特徴A5によれば、前面部に受け部が設けられているため、発射操作部を操作しようとしている手の先側ではなく根元側に受け部が存在することとなり、当該受け部に対する特定動作を行い易くなる。
特徴A6.前記発射操作装置は、前記前面部に手の平を当てた状態で当該発射操作装置を握るとともに、その握っている手の指を前記発射操作部に当てた状態で当該発射操作部の回動操作を行う通常態様による操作を可能とする位置に設けられており、
前記受け部は、前記通常態様による操作が行われる場合に前記手の平で前記特定動作を行うことが可能な位置に設けられていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、通常態様により発射操作部の回動操作を行おうとしている手の平を利用して受け部に対して特定動作を行うことができるため、遊技者は受け部に対する特定動作を無理なく行うことが可能となる。
また、通常態様により発射操作部を回動操作する場合、手首を軸にして手を回すこととなるが、この際、遊技者は、発射操作部の回動位置がいずれであっても手の平を前面部に当接させた状態を容易に維持することが可能である。そして、当該手の平にて特定動作を行うことが可能な位置に受け部が設けられていることで、発射操作部の回動位置がいずれであっても、遊技者は受け部に対する特定動作を無理なく行うことが可能となる。
特徴A7.前記遊技機本体の前面には前記遊技領域を遊技機前方から視認可能とする窓部(窓部61)が設けられているとともに、当該窓部よりも下方の位置に前記発射操作装置が設けられており、
前記受け部は、前記特定動作として特定の操作が行われた場合に、変位するように設けられており、
前記受け部の変位を生じさせる操作態様として、前記通常態様による操作を行っている前記手の平により前記受け部を下方に向けて押圧する態様又はその手の平を当てている方向である斜め下方に向けて前記受け部を押圧する態様が含まれるように、前記受け部の変位方向を規定する方向規定部(補助用軸部材124)を備えていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、手の重みを預けるようにして発射操作装置を握っている状態のその重みを利用して受け部を操作することができる。これにより、受け部の操作性の向上が図られ、さらには受け部の操作を継続した場合の疲労の低減が図られる。
特徴A8.前記遊技機本体の前面には前記遊技領域を遊技機前方から視認可能とする窓部(窓部61)が設けられているとともに、当該窓部よりも下方の位置であって前記遊技機本体の一方の側部に偏倚させた位置に前記発射操作装置が設けられており、
前記発射操作部は、前記初期位置から回動操作されるとともに、遊技球の発射を継続させるべく所定の回動位置に操作された状態が遊技者によって維持されるものであり、
前記前面部は、その表面が遊技機前方に凸形となる曲面状に形成されており、
前記受け部は、前記前面部の前記凸形の前方頂部よりも上寄りの位置であって前記一方の側部とは反対側の側部寄りの位置に配置された特定受け領域を有していることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A8によれば、遊技機前方から発射操作装置側へ腕を出して発射操作部の回動操作を行おうとした場合の手の平を重ねることができる位置に、受け部の受け面が存在することとなる。これにより、発射操作部の回動操作を行おうとしている手の平を利用して受け部に対して特定動作を行うことができるため、遊技者は受け部に対する特定動作を無理なく行うことが可能となる。
また、発射操作部を回動操作する場合、手首を軸にして手を回すこととなるが、この際、遊技者は、発射操作部の回動位置がいずれであっても手の平を前面部に当接させた状態を容易に維持することが可能である。そして、当該手の平にて特定動作を行うことが可能な位置に受け部が設けられていることで、発射操作部の回動位置がいずれであっても、遊技者は受け部に対する特定動作を無理なく行うことが可能となる。
特徴A9.前記遊技機本体の前面には前記遊技領域を遊技機前方から視認可能とする窓部(窓部61)が設けられているとともに、当該窓部よりも下方の位置であって前記遊技機本体の一方の側部に偏倚させた位置に前記発射操作装置が設けられており、
前記発射操作部は、前記初期位置から回動操作されるとともに、遊技球の発射を継続させるべく所定の回動位置に操作された状態が遊技者によって維持されるものであり、
前記受け部は、前記特定動作を受ける受け面として、上方若しくは前斜め上方を向く、又は前記一方の側部とは反対側の側部に向けて下り傾斜した特定受け領域を有していることを特徴とする特徴A5又はA8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、受け部の受け面には、遊技機前方から発射操作装置側へ腕を出して発射操作部の回動操作を行おうとした場合の手の平側を向く特定受け領域が含まれている。これにより、発射操作部の回動操作を行おうとして手の平を利用して受け部に対して特定動作を行うことができるため、遊技者は受け部に対する特定動作を無理なく行うことが可能となる。
また、発射操作部を回動操作する場合、手首を軸にして手を回すこととなるが、この際、遊技者は、発射操作部の回動位置がいずれであっても手の平を前面部に当接させた状態を容易に維持することが可能である。そして、当該手の平にて特定動作を行うことが可能な位置に受け部が設けられていることで、発射操作部の回動位置がいずれであっても、遊技者は受け部に対する特定動作を無理なく行うことが可能となる。
特徴A10.前記受け部は、前記特定動作として特定の操作が行われた場合に変位可能に設けられており、
前記受け部の変位を生じさせる操作態様として、前記特定受け領域が向く方向側から当該特定受け領域を下方又は斜め下方に押圧する態様が含まれるように、前記受け部の変位方向を規定する方向規定部(補助用軸部材124)を備えていることを特徴とする特徴A8又はA9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、手の重みを預けるようにして発射操作装置を握っている状態のその重みを利用して受け部を操作することができる。これにより、受け部の操作性の向上が図られ、さらには受け部の操作を継続した場合の疲労の低減が図られる。
特徴A11.前記受け部は回動可能に支持されているとともに、
その回動軸は、前記特定受け領域よりも後方であって、当該特定受け領域と同じ高さ位置又はそれよりも上方の位置に設けられていることを特徴とする特徴A8乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、受け部が回動可能に支持されていることにより、当該受け部を変位可能に支持するために必要な発射操作装置の内部空間の縮小化が図られる。この場合に、受け部の回動軸が、特定受け領域よりも後方であって、当該特定受け領域と同じ高さ位置又はそれよりも上方の位置に設けられていることにより、手の重みを預けるようにして発射操作装置を握っている状態のその重みを利用して受け部を操作することができる。
特徴A12.前記回動軸は、前記一方の側部とは反対側の側部寄りに偏倚させた位置に設けられていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
発射操作装置が遊技機本体の一方の側部に偏倚させた位置に設けられている構成においては、遊技者が発射操作装置を操作しようとする場合、基本的に、反対側の側部の側から上記一方の側部の側へ腕を出して当該操作を行う。そうすると、発射操作装置にかかる手の重みの方向は、上記反対側の側部の側から上記一方の側部の側へ向けた成分を有することとなる。これに対して、特徴A12によれば、受け部の回動軸は一方の側部とは反対側の側部寄りに偏倚させた位置に設けられているため、手の重みを利用した受け部の回動を行わせ易くなる。
特徴A13.前記前面部は、遊技機前方に凸となるように湾曲させて形成されており、
前記受け部は、その受け面が前記前面部の湾曲面の一部を構成するように形成されていることを特徴とする特徴A5乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A13によれば、受け部が発射操作装置の前面部に設けられた構成において、受け部の受け面が前面部の湾曲面の一部を構成するように形成されていることにより、発射操作部を操作しようとして発射操作装置を握る場合の当該握り操作が行いづらくなることを抑制できる。
特徴A14.前記発射操作部は、前記初期位置から回動操作されるとともに、遊技球の発射を継続させるべく所定の回動位置に操作された状態が遊技者によって維持されるものであり、
前記受け部(第4の実施形態における補助操作部232)は、前記発射操作部又はそれよりも後方の位置に設けられていることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
特徴A14によれば、遊技者は、発射操作部を回動操作しようとしている手の指を利用して受け部に対して特定動作を行うことが可能となる。
特徴A15.前記規制手段は、前記発射操作部の回動位置の変更に追従して前記受け部の位置が変更されるように形成されていることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
特徴A15によれば、発射操作部の回動位置がいずれの位置であっても、一定の態様で受け部に対して特定動作を行うことが可能となる。
特徴A16.前記受け部は、前記特定動作として、前記発射操作部を前記初期位置から回動操作する場合の操作方向と同一方向に操作されるように設けられていることを特徴とする特徴A14又はA15に記載の遊技機。
特徴A16によれば、遊技者は、発射操作部を回動操作しようとする場合の操作力を付与する方向と同一方向に受け部を操作すればよいため、発射操作部を回動操作しようとしている手の指を利用して受け部を操作する場合の操作性の向上が図られる。
特徴A17.前記規制手段は、前記受け部に対して前記特定動作が行われた場合に生じさせる規制力が、前記発射操作部を前記初期位置に向けて付勢する付勢力に抗するものの前記発射操作部の手動による変位を許容するものとなるように形成されていることを特徴とする特徴A1乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A17によれば、受け部に対する特定動作を通じた発射操作部の変位規制を行いつつ、当該発射操作部の位置の調整を行うことができる。これにより、発射操作部の位置の調整を行う場合の操作性の向上が図られる。
特徴A18.前記規制手段は、前記発射操作部及び当該発射操作部に追従しない側のうち当該規制手段が設けられていない側に形成された当接対象面(第1の実施形態においては外側環部82の内周面、第2の実施形態においては前側端面215)に対して当接することで規制力を生じさせる規制面(第1の実施形態においては対向面154、第2の実施形態においては後側端面214)を有しており、当該規制力により前記発射操作部の変位を規制するものであり、
前記当接対象面は、前記発射操作部の回動位置が少なくとも所定の範囲に含まれている状況では、当該当接対象面に前記規制面が当接した状態での前記発射操作部の変位を許容するように形成されていることを特徴とする特徴A1乃至A17のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A18によれば、受け部に対する特定動作を解除しなくても、発射操作部の位置の調整を行うことができる。これにより、受け部に対する特定動作を通じて発射操作部の変位規制を行っている状態から発射操作部の位置の調整を行う場合の操作性の向上が図られる。
なお、前記発射操作部が環状をなしているとともにその軸線を回動軸として回動可能に設けられている構成においては、前記当接対象面は、前記軸線周りに形成されており、前記規制面が当接してくる側に向けて突出する段差が形成されていない構成とするとよい。
特徴A19.前記受け部は、前記発射操作装置の内部に支持されているとともに、当該発射操作装置の表面に形成された開口部(開口部92a)を介して当該発射操作装置の外部に露出しており、さらに前記特定動作として特定の操作が行われた場合に、変位するように設けられており、
前記規制手段による規制を行うために必要な前記受け部の変位を阻害しないようにしながら、前記開口部と前記受け部との隙間への異物の挿入を阻害するように当該隙間に対して前記発射操作装置の外部から対向する挿入阻害部(被覆用フランジ225)をさらに備えていることを特徴とする特徴A1乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A19によれば、受け部と開口部との隙間に異物を挿入して、規制手段による発射操作部の回動規制を強引に保持しようとする行為を抑制することができる。
特徴A20.前記受け部は、前記特定動作として特定の操作が行われた場合に、変位するように設けられており、
前記規制手段は、前記受け部が手動操作されて予め定められた規制操作方向に変位した場合にそれに従って変位し、前記受け部が手動操作された場合の操作力を前記発射操作部又は当該発射操作部を回動可能に支持する側の部位に伝達する伝達部(第1の実施形態及び第3の実施形態においてはリンク部材141、第2の実施形態においてはリンク部材205、第4の実施形態においてはリンク部材241,245)を有し、当該伝達部による力の伝達を通じて前記規制を行うものであることを特徴とする特徴A1乃至A19のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A20によれば、受け部の操作を通じた発射操作部の回動規制を、電気的な構成を要することなく行うことができる。
特徴A21.前記伝達部は、前記発射操作部及び当該発射操作部に追従しない側のうち当該規制手段が設けられていない側に形成された当接対象面(第1の実施形態及び第3の実施形態においては外側環部82の内周面、第2の実施形態においては前側端面215、第4の実施形態においては基部238の内周面)に対して当接することで規制力を生じさせる規制面(第1の実施形態及び第3の実施形態においては対向面154、第2の実施形態においては後側端面214、第4の実施形態においては回転規制部249)を有しており、当該規制力により前記発射操作部の変位を規制するものであり、
前記当接対象面は、前記発射操作部がいずれの位置であっても、前記受け部に対して前記特定の操作された場合には前記規制面との当接を生じさせて前記規制力を生じさせるように形成されていることを特徴とする特徴A20に記載の遊技機。
特徴A21によれば、受け部の操作を通じた発射操作部の回動規制を、電気的な構成を要することなく行う構成において、発射操作部の回動位置がいずれの位置であっても、当該発射操作部の回動規制を行うことができる。
特徴A22.前記伝達部により伝達される規制力を、前記受け部に対する操作力に対して増幅させる増幅構造を備えていることを特徴とする特徴A20又はA21に記載の遊技機。
特徴A22によれば、受け部の操作を通じた発射操作部の変位規制を行う場合に必要な受け部への操作力の低減が図られる。
なお、増幅構造としては、受け部及び伝達部の少なくとも一方を回動可能に設け、当該回動対象に上記操作力が付与される「力点」と回動軸の「支点」との間の距離を、上記規制力を付与対象に対して付与する「作用点」と上記「支点」との間の距離よりも長く設定する構成が考えられる。また、当該構成に代えて又は加えて、伝達部及び当該伝達部の当接対象の少なくとも一方の当接面の摩擦力を高くする構成が考えられる。
特徴A23.前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
前記受け部に対して前記特定動作が行われていること又は当該受け部が触れられていることのいずれかの事象を検知する受け部用検知手段(補助操作用タッチセンサ156)と、
当該受け部用検知手段により前記事象が検知されていることを少なくとも一の条件として、前記遊技領域に向けて遊技球が発射されるように前記発射手段を駆動制御する駆動制御手段(主制御装置161のMPU163における遊技球発射制御処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A22のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A23によれば、遊技領域に向けて発射手段から遊技球を発射させるためには、受け部に少なくとも触れる必要が生じる。そして、上記特徴A1の構成を備えていることにより、受け部を操作した場合には発射操作部の変位規制が行われる。これにより、遊技者にとっては異物により強引に発射操作部を仮固定する必要性が低減され、受け部に対する特定動作を通じた変位規制を行いながら発射操作部の操作を行うことが期待される。よって、受け部を設けたことの効果を好適に発揮させることができる。
特徴A24.前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
前記発射操作部が触れられていることを検知する操作用検知手段(ハンドル用タッチセンサ155)と、
前記発射操作装置に設けられた前記受け部に対して前記特定動作が行われていること又は当該受け部が触れられていることのいずれかの事象を検知する受け部用検知手段(補助操作用タッチセンサ156)と、
前記操作用検知手段により前記発射操作部が触れられていることが検知されており、且つ前記受け部用検知手段により前記事象が検知されていることを少なくとも一の条件として、前記遊技領域に向けて遊技球が発射されるように前記発射手段を駆動制御する駆動制御手段(主制御装置161のMPU163における遊技球発射制御処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A22のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A24によれば、遊技領域に向けて発射手段から遊技球を発射させるためには、発射操作部に触れるだけでなく、受け部に少なくとも触れる必要が生じる。これにより、実際に発射操作装置に触れていないにも関わらず、擬似的に触れている状態として遊技球を発射させようとする行為が行いづらくなる。
さらにまた、上記特徴A1の構成を備えていることにより、受け部に対して特定動作を行った場合には発射操作部の変位規制が行われる。これにより、遊技者にとっては異物により強引に発射操作部を仮固定する必要性が低減され、受け部に対する特定動作を通じた変位規制を行いながら発射操作部の操作を行うことが期待される。よって、受け部を設けたことの効果を好適に発揮させることができる。
特徴A25.前記規制手段は、前記特定動作として前記受け部に外力が付与されて、当該受け部が予め定められた方向に変位した場合に前記規制を行うものであり、
前記受け部用検知手段は、前記事象として、前記受け部が触れられていることを検知するものであることを特徴とする特徴A23又はA24に記載の遊技機。
特徴A25によれば、遊技球の発射を行わせるための受け部に関する条件は、受け部を触れていることである。したがって、遊技領域へ向けた遊技球の発射の勢いを確認しながら発射操作部の位置の調整を行う場合に、受け部の操作を通じた発射操作部の変位規制を行う必要がないため、当該調整に際して変位規制に抗する力を付与する必要が生じない。よって、当該調整を行い易くなる。また、当該構成であっても、遊技球の発射を行わせるためには受け部に触れる必要があるため、上記特徴A23又は上記特徴A24にて説明したような優れた効果を奏することができる。
上記特徴A群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種であるパチンコ機は、遊技機本体の前面に発射操作装置を備えており、当該発射操作装置が操作されることで発射装置が動作し、遊技領域の上部に遊技球が発射される。
従来の発射操作装置は、遊技機本体に固定された基部と、発射操作装置の前面側を構成する前面カバーと、これら基部及び前面カバーの間において回動自在に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作される操作ハンドルと、を備えている。遊技者は、操作ハンドルの回動量を調節し、所望の飛距離となる回動位置に操作ハンドルを維持して遊技を行う。
ここで、上記操作ハンドルは非操作時において初期回動位置に自ずと復帰するように付勢されている。しかしながら、このように初期回動位置に向けて付勢された構成においては、所望の飛距離で遊技球が発射される状態を維持するためには上記付勢力に抗する力を操作ハンドルに付与し続ける必要があり、疲労による遊技意欲の減退が生じてしまうことが懸念される。
また、このような疲労を回避しようとして、前面カバーと操作ハンドルとの間の隙間にコインなどの異物を強引に差し込み、操作ハンドルの回動位置の保持を手動によらずに行う行為が想定される。この場合、発射操作装置の損傷や故障の原因となるおそれがある。
<特徴B群>
特徴B1.遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される発射操作装置(発射操作装置71,201,221,231)を備え、
前記発射操作装置は、
遊技機本体(遊技機本体12)の前面側に設けられ、予め定められた初期位置から操作されるとともに、遊技球の発射を継続させるべく所定の位置に操作された状態が遊技者によって維持される発射操作部(操作ハンドル74,233など)と、
前記初期位置に向けて前記発射操作部を付勢する付勢手段(ハンドル用バネ86)と、
を備えている遊技機において、
予め定められた態様での操作及び接触の少なくとも一方である特定動作を受ける受け部(第1の実施形態及び第2の実施形態においては補助操作部121、第3の実施形態においては補助操作部222、第4の実施形態においては補助操作部232)と、
前記特定動作が行われた場合に当該受け部にて受けられた力を前記発射操作部又は当該発射操作部を変位可能に支持する側の部位に伝達することで前記付勢手段の付勢力に抗する抗力を生じさせて、前記発射操作部の前記初期位置への復帰を規制する伝達部(第1の実施形態及び第3の実施形態においてはリンク部材141、第2の実施形態においてはリンク部材205、第4の実施形態においてはリンク部材241,245)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、発射操作部を所定の位置に操作した状態で受け部に対して特定動作を行うことで、発射操作部に対する操作力を緩めたとしても上記所定の位置に配置した状態を維持することができる。これにより、発射操作部を所定の位置に維持する場合の疲労の低減が図られ、それに伴って異物により強引に発射操作部を仮固定しようとする行為を抑制することが可能となる。また、受け部に対する特定動作を通じた発射操作部の変位規制を、電気的な構成を要することなく行うことができる。
なお、伝達部による規制には、発射操作部の初期位置への復帰を完全に止める状態だけでなく、発射操作部の初期位置への復帰を抑える状態も含まれる。これは、以下の特徴においても同様である。
特徴B2.前記伝達部は、前記発射操作部及び当該発射操作部に追従しない側のうち当該伝達部が設けられていない側に形成された当接対象面(第1の実施形態及び第3の実施形態においては外側環部82の内周面、第2の実施形態においては前側端面215、第4の実施形態においては基部238の内周面)に対して当接することで規制力を生じさせる規制面(第1の実施形態及び第3の実施形態においては対向面154、第2の実施形態においては後側端面214、第4の実施形態においては回転規制部249)を有しており、当該規制力により前記発射操作部の変位を規制するものであり、
前記当接対象面は、前記発射操作部がいずれの位置であっても、前記受け部に対して前記特定動作が行われた場合には前記規制面との当接を生じさせて前記規制力を生じさせるように形成されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、受け部に対する特定動作を通じた発射操作部の変位規制を、電気的な構成を要することなく行う構成において、発射操作部がいずれの位置であっても、当該発射操作部の変位規制を行うことができる。
特徴B3.前記伝達部により伝達される規制力を、前記受け部にて受けられた力に対して増幅させる増幅構造を備えていることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、受け部に対する特定動作を通じた発射操作部の変位規制を行う場合に必要な受け部への力の低減が図られる。
特徴B4.前記発射操作部は、前記初期位置から回動操作されるとともに、遊技球の発射を継続させるべく所定の回動位置に操作された状態が遊技者によって維持されるものであり、
前記受け部は、前記発射操作部又はそれよりも後方の位置に設けられていることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、遊技者は、発射操作部を回動操作しようとしている手の指を利用して受け部に対して特定動作を行うことができる。
特徴B5.前記受け部は、その位置が、前記発射操作部の回動位置の変更に追従して変更されるように形成されていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、発射操作部の回動位置がいずれの位置であっても、一定の態様で受け部に対する特定動作を行うことができる。
特徴B6.前記受け部は、前記特定動作として、前記発射操作部を前記初期位置から回動操作する場合の操作方向と同一方向に操作されるように設けられていることを特徴とする特徴B4又はB5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、遊技者は、発射操作部を回動操作しようとする場合の操作力を付与する方向と同一方向に受け部を操作すればよいため、発射操作部を回動操作しようとしている手の指を利用して受け部を操作する場合の操作性の向上が図られる。
特徴B7.前記伝達部は、前記受け部に対して前記特定動作が行われた場合に生じさせる規制力が、前記発射操作部を前記初期位置に向けて付勢する付勢力に抗するものの前記発射操作部の手動による変位を許容するものとなるように形成されていることを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B7によれば、受け部に対する特定動作を通じた発射操作部の変位規制を行いつつ、当該発射操作部の位置の調整を行うことができる。これにより、発射操作部の位置の調整を行う場合の操作性の向上が図られる。
特徴B8.前記伝達部は、前記発射操作部及び当該発射操作部に追従しない側のうち当該伝達部が設けられていない側に形成された当接対象面(第1の実施形態及び第3の実施形態においては外側環部82の内周面、第2の実施形態においては前側端面215、第4の実施形態においては基部238の内周面)に対して当接することで規制力を生じさせる規制面(第1の実施形態及び第3の実施形態においては対向面154、第2の実施形態においては後側端面214、第4の実施形態においては回転規制部249)を有しており、当該規制力により前記発射操作部の変位を規制するものであり、
前記当接対象面は、前記発射操作部の位置が少なくとも所定の範囲に含まれている状況では、当該当接対象面に前記規制面が当接した状態での前記発射操作部の変位を許容するように形成されていることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B8によれば、受け部に対する特定動作を完全に解除しなくても、発射操作部の位置の調整を行うことができる。これにより、受け部に対する特定動作を通じた発射操作部の変位規制を行っている状態から発射操作部の位置の調整を行う場合の操作性の向上が図られる。
なお、前記発射操作部が環状をなしているとともにその軸線を回動軸として回動可能に設けられている構成においては、前記当接対象面は、前記軸線周りに形成されており、前記規制面が当接してくる側に向けて突出する段差が形成されていない構成とするとよい。
また、上記特徴B1乃至B8のいずれか1の構成に対して、上記特徴A2乃至A25のいずれか1にて限定した構成を適用してもよく、この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
上記特徴B群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種であるパチンコ機は、遊技機本体の前面に発射操作装置を備えており、当該発射操作装置が操作されることで発射装置が動作し、遊技領域の上部に遊技球が発射される。
従来の発射操作装置は、遊技機本体に固定された基部と、発射操作装置の前面側を構成する前面カバーと、これら基部及び前面カバーの間において回動自在に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作される操作ハンドルと、を備えている。遊技者は、操作ハンドルの回動量を調節し、所望の飛距離となる回動位置に操作ハンドルを維持して遊技を行う。
ここで、上記操作ハンドルは非操作時において初期回動位置に自ずと復帰するように付勢されている。しかしながら、このように初期回動位置に向けて付勢された構成においては、所望の飛距離で遊技球が発射される状態を維持するためには上記付勢力に抗する力を操作ハンドルに付与し続ける必要があり、疲労による遊技意欲の減退が生じてしまうことが懸念される。
また、このような疲労を回避しようとして、前面カバーと操作ハンドルとの間の隙間にコインなどの異物を強引に差し込み、操作ハンドルの回動位置の保持を手動によらずに行う行為が想定される。この場合、発射操作装置の損傷や故障の原因となるおそれがある。
<特徴C群>
特徴C1.遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される発射操作装置(発射操作装置71,201,221,231,251)を備え、
前記発射操作装置は、
遊技機本体(遊技機本体12)の前面側に設けられ、遊技球を発射させるべく操作される発射操作部(操作ハンドル74,233,252など)と、
当該発射操作部とは区別して設けられた受け部(補助操作部121,222,232,253)と、
当該受け部が予め定められた態様で操作されていること又は当該受け部が触れられていることのいずれかの事象を検知する受け部用検知手段(補助操作用タッチセンサ156、操作検知スイッチ254)と、
当該受け部用検知手段により前記事象が検知されていることを少なくとも一の条件として、前記遊技領域に向けて遊技球が発射されるように発射手段を駆動制御する駆動制御手段(主制御装置161のMPU163における遊技球発射制御処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、遊技領域に向けて発射手段から遊技球を発射させるためには、発射操作部に触れるだけでなく、受け部に少なくとも触れる必要が生じる。これにより、実際に発射操作装置に触れていないにも関わらず、擬似的に触れている状態として遊技球を発射させようとする行為が行いづらくなる。
特徴C2.遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される発射操作装置(発射操作装置71,201,221,231,251)を備え、
前記発射操作装置は、
遊技機本体(遊技機本体12)の前面側に設けられ、遊技球を発射させるべく操作される発射操作部(操作ハンドル74,233,252など)と、
当該発射操作部が触れられていることを検知する操作用検知手段(ハンドル用タッチセンサ155)と、
前記発射操作部とは区別して設けられた受け部(補助操作部121,222,232,253)と、
当該受け部が予め定められた態様で操作されていること又は当該受け部が触れられていることのいずれかの事象を検知する受け部用検知手段(補助操作用タッチセンサ156、操作検知スイッチ254)と、
前記操作用検知手段により前記発射操作部が触れられていることが検知されており、且つ前記受け部用検知手段により前記事象が検知されていることを少なくとも一の条件として、前記遊技領域に向けて遊技球が発射されるように発射手段を駆動制御する駆動制御手段(主制御装置161のMPU163における遊技球発射制御処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C2によれば、遊技領域に向けて発射手段から遊技球を発射させるためには、発射操作部に触れるだけでなく、受け部に少なくとも触れる必要が生じる。これにより、実際に発射操作装置に触れていないにも関わらず、擬似的に触れている状態として遊技球を発射させようとする行為が行いづらくなる。
特徴C3.前記発射操作部は、付勢手段(ハンドル用バネ86)の付勢力により初期位置に向けて付勢されているとともに、遊技球の発射を継続させるべく所定の位置に操作された状態が遊技者によって維持されるものであり、
前記受け部は、予め定められた態様での操作及び接触の少なくとも一方である特定動作を受けるものであり、
さらに、前記受け部において前記特定動作が受けられた場合に、前記付勢手段の付勢力に抗する抗力を生じさせることで前記発射操作部の前記初期位置への復帰を規制する規制手段(第1の実施形態においては補助操作部121及びリンク部材141など、第2の実施形態においては補助操作部121及びリンク部材205など、第3の実施形態においては補助操作部222及びリンク部材141など、第4の実施形態においては補助操作部232及び各リンク部材241,245など)を備えていることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、発射操作部を所定の位置に操作した状態で受け部に対して特定動作を行うことで、発射操作部に対する操作力を緩めたとしても上記所定の位置に配置した状態を維持することができる。これにより、発射操作部を所定の位置に維持する場合の疲労の低減が図られ、それに伴って異物により強引に発射操作部を仮固定しようとする行為を抑制することが可能となる。
また、上記特徴C1の構成を備えており、遊技領域に向けて発射手段から遊技球を発射させるためには、受け部に少なくとも触れる必要が生じる。これにより、遊技者にとっては異物により強引に発射操作部を仮固定する必要性が低減され、受け部に対する特定動作を通じた変位規制を行いながら発射操作部の操作を行うことが期待される。よって、受け部を設けたことの効果を好適に発揮させることができる。
特徴C4.前記規制手段は、前記特定動作として前記受け部に外力が付与されて、当該受け部が予め定められた方向に変位した場合に前記規制を行うものであり、
前記受け部用検知手段は、前記事象として、前記受け部が触れられていることを検知するものであることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、遊技球の発射を行わせるための受け部に関する条件は、受け部を触れていることである。したがって、遊技領域へ向けた遊技球の発射の勢いを確認しながら発射操作部の位置の調整を行う場合に、受け部の操作を通じた発射操作部の変位規制を行う必要がないため、当該調整に際して変位規制に抗する力を付与する必要が生じない。よって、当該調整を行い易くなる。また、当該構成であっても、遊技球の発射を行わせるためには受け部に触れる必要があるため、上記特徴C1にて説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴C5.前記発射操作装置は、前記遊技機本体に固定される基部(基部72)と、前記発射操作部よりも前面側を構成する前面部(第1の実施形態及び第3の実施形態においては前面ユニット73、第2の実施形態においては前面ユニット202)と、を備えており、
前記受け部は、前記前面部に設けられていることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
遊技者が発射操作部を操作しようとする場合、基本的に遊技機前方から発射操作装置側へ腕を出して当該操作を行う。この場合に、特徴C5によれば、前面部に受け部が設けられているため、発射操作部を操作しようとしている手の先側ではなく根元側に受け部が存在することとなり、受け部に対する操作又は受け部に対する接触を行い易くなる。
特徴C6.前記発射操作装置は、前記前面部に手の平を当てた状態で当該発射操作装置を握るとともに、その握っている手の指を前記発射操作部に当てた状態で当該発射操作部の回動操作を行う通常態様による操作を可能とする位置に設けられており、
前記受け部は、前記通常態様による操作が行われる場合に前記手の平で触れることが可能な位置に設けられていることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
特徴C6によれば、通常態様により発射操作部の回動操作を行おうとしている手の平を利用して受け部に対する操作又は受け部に対する接触を行うことが可能となるため、遊技者は受け部に対する当該行為を無理なく行うことが可能となる。
また、通常態様により発射操作部を回動操作する場合、手首を軸にして手を回すこととなるが、この際、遊技者は、発射操作部の回動位置がいずれであっても手の平を前面部に当接させた状態を容易に維持することが可能である。そして、当該手の平で触れることが可能な位置に受け部が設けられていることで、発射操作部の回動位置がいずれであっても、遊技者は受け部に対する操作又は接触を無理なく行うことが可能となる。
特徴C7.前記遊技機本体の前面には前記遊技領域を遊技機前方から視認可能とする窓部(窓部61)が設けられているとともに、当該窓部よりも下方の位置に前記発射操作装置が設けられており、
前記受け部用検知手段は、前記事象として、前記受け部が特定の方向に変位したことを検知するものであり、
前記特定の方向への前記受け部の変位を生じさせる操作態様として、前記通常態様による操作を行っている前記手の平により前記受け部を下方に向けて押圧する態様又はその手の平を当てている方向である斜め下方に向けて前記受け部を押圧する態様が含まれるように、前記受け部の変位方向を規定する方向規定部(補助用軸部材124)を備えていることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
特徴C7によれば、手の重みを預けるようにして発射操作装置を握っている状態のその重みを利用して受け部を操作することができる。これにより、受け部の操作性の向上が図られ、さらには受け部の操作を継続した場合の疲労の低減が図られる。
特徴C8.前記遊技機本体の前面には前記遊技領域を遊技機前方から視認可能とする窓部(窓部61)が設けられているとともに、当該窓部よりも下方の位置であって前記遊技機本体の一方の側部に偏倚させた位置に前記発射操作装置が設けられており、
前記発射操作部は、前記初期位置から回動操作されるとともに、遊技球の発射を継続させるべく所定の回動位置に操作された状態が遊技者によって維持されるものであり、
前記前面部は、その表面が遊技機前方に凸形となる曲面状に形成されており、
前記受け部は、前記前面部の前記凸形の前方頂部よりも上寄りの位置であって前記一方の側部とは反対側の側部寄りの位置に配置された特定受け領域を有していることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
特徴C8によれば、遊技機前方から発射操作装置側へ腕を出して発射操作部の回動操作を行おうとした場合の手の平を重ねることができる位置に、受け部の受け面が存在することとなる。これにより、発射操作部の回動操作を行おうとしている手の平を利用して受け部に対する操作又は受け部に対する接触を行うことが可能となるため、遊技者は受け部に対する当該行為を無理なく行うことが可能となる。
また、発射操作部を回動操作する場合、手首を軸にして手を回すこととなるが、この際、遊技者は、発射操作部の回動位置がいずれであっても手の平を前面部に当接させた状態を容易に維持することが可能である。そして、当該手の平で触れることが可能な位置に受け部が設けられていることで、発射操作部の回動位置がいずれであっても、遊技者は受け部に対する操作又は接触を無理なく行うことが可能となる。
特徴C9.前記遊技機本体の前面には前記遊技領域を遊技機前方から視認可能とする窓部(窓部61)が設けられているとともに、当該窓部よりも下方の位置であって前記遊技機本体の一方の側部に偏倚させた位置に前記発射操作装置が設けられており、
前記発射操作部は、前記初期位置から回動操作されるとともに、遊技球の発射を継続させるべく所定の回動位置に操作された状態が遊技者によって維持されるものであり、
前記受け部は、操作される又は触れられる受け面として、上方若しくは前斜め上方を向く、又は前記一方の側部とは反対側の側部に向けて下り傾斜した特定受け領域を有していることを特徴とする特徴C5又はC8に記載の遊技機。
特徴C9によれば、受け部の受け面には、遊技機前方から発射操作装置側へ腕を出して発射操作部の回動操作を行おうとした場合の手の平を向く特定受け領域が含まれている。これにより、発射操作部の回動操作を行おうとしている手の平を利用して受け部に対する操作又は受け部に対する接触を行うことが可能となるため、遊技者は受け部に対する当該行為を無理なく行うことが可能となる。
また、発射操作部を回動操作する場合、手首を軸にして手を回すこととなるが、この際、遊技者は、発射操作部の回動位置がいずれであっても手の平を前面部に当接させた状態を容易に維持することが可能である。そして、当該手の平で触れることが可能な位置に受け部が設けられていることで、発射操作部の回動位置がいずれであっても、遊技者は受け部に対する操作又は接触を無理なく行うことが可能となる。
特徴C10.前記受け部用検知手段は、前記事象として、前記受け部が特定の方向に変位したことを検知するものであり、
前記特定の方向への前記受け部の変位を生じさせる操作態様として、前記特定受け領域が向く方向側から当該特定受け領域を下方又は斜め下方に押圧する態様が含まれるように、前記受け部の変位方向を規定する方向規定部(補助用軸部材124)を備えていることを特徴とする特徴C8又はC9に記載の遊技機。
特徴C10によれば、手の重みを預けるようにして発射操作装置を握っている状態のその重みを利用して受け部を操作することができる。これにより、受け部の操作性の向上が図られ、さらには受け部の操作を継続した場合の疲労の低減が図られる。
特徴C11.前記受け部は回動可能に支持されているとともに、
その回動軸は、前記特定受け領域よりも後方であって、当該特定受け領域と同じ高さ位置又はそれよりも上方の位置に設けられていることを特徴とする特徴C8乃至C10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C11によれば、受け部が回動可能に支持されていることにより、当該受け部を変位可能に支持するために必要な発射操作装置の内部空間の縮小化が図られる。この場合に、受け部の回動軸が、特定受け領域よりも後方であって、当該特定受け領域と同じ高さ位置又はそれよりも上方の位置に設けられていることにより、手の重みを預けるようにして発射操作装置を握っている状態のその重みを利用して受け部を操作することができる。
特徴C12.前記回動軸は、前記一方の側部とは反対側の側部寄りに偏倚させた位置に設けられていることを特徴とする特徴C11に記載の遊技機。
発射操作装置が遊技機本体の一方の側部に偏倚させた位置に設けられている構成においては、遊技者が発射操作装置を操作しようとする場合、基本的に、反対側の側部の側から上記一方の側部の側へ腕を出して当該操作を行う。そうすると、発射操作装置にかかる手の重みの方向は、上記反対側の側部の側から上記一方の側部の側へ向けた成分を有することとなる。これに対して、特徴C12によれば、受け部の回動軸は一方の側部とは反対側の側部寄りに偏倚させた位置に設けられているため、手の重みを利用した受け部の回動を行わせ易くなる。
特徴C13.前記前面部は、遊技機前方に凸となるように湾曲させて形成されており、
前記受け部は、その受け面が前記前面部の湾曲面の一部を構成するように形成されていることを特徴とする特徴C5乃至C12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C13によれば、受け部が発射操作装置の前面部に設けられた構成において、受け部の受け面が前面部の湾曲面の一部を構成するように形成されていることにより、発射操作部を操作しようとして発射操作装置を握る場合の当該握り操作が行いづらくなることを抑制できる。
上記特徴C群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種であるパチンコ機は、遊技機本体の前面部に発射操作装置を備えており、当該発射操作装置が操作されることで発射装置が動作し、遊技領域の上部に遊技球が発射される。
従来の発射操作装置は、遊技機本体に固定された基部と、発射操作装置の前面部を構成する前面カバーと、これら基部及び前面カバーの間において回動自在に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作される操作ハンドルと、を備えている。遊技者は、操作ハンドルの回動量を調節し、所望の飛距離となる回動位置に操作ハンドルを保持した姿勢を維持して遊技を行う。
また、操作ハンドルの表面には金属膜がメッキされているとともに、当該操作ハンドルの表面が実際に手で触れられていることを静電容量の変化を通じて検知するタッチセンサが基部に内蔵されており、タッチセンサから検知信号が出力されていない間は操作ハンドルが初期位置から回動されていたとしても遊技球の発射は禁止される。これにより、操作ハンドルを所定量回動させた状態でコインなどの異物を強引に差し込み、発射操作装置に触れることなく遊技球の発射を継続させるという行為の抑制が図られている。
しかしながら、上記のように操作ハンドルへの接触を検知するタッチセンサが設けられている構成であったとしても、所定量回動させた状態の操作ハンドルを金属製の異物により固定するとともに、その異物をアースに接続する行為が想定される。この場合、発射操作装置に触れることなく遊技球の発射を継続させることができてしまう。
<特徴D群>
特徴D1.遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される発射操作装置(発射操作装置71,201,221,231,251)を備え、
前記発射操作装置は、
遊技機本体(遊技機本体12)の前面側に設けられ、遊技球を発射させるべく操作される発射操作部(操作ハンドル74,252など)と、
前記発射操作装置における前記発射操作部よりも遊技機前側の位置に設けられているとともに、前記発射操作装置を握っている手の当該発射操作部との接触箇所よりも手首側の部位を接触させることが可能な位置に設けられた受け部(補助操作部121,222,253)と、
当該受け部が予め定められた態様で操作されていること又は当該受け部が触れられていることのいずれかの事象を検知する受け部用検知手段(補助操作用タッチセンサ156、操作検知スイッチ254)と、
当該受け部用検知手段により前記事象が検知されていることに基づき、遊技球の発射許可又は遊技球の発射規制のいずれかを行う駆動制御手段(主制御装置161のMPU163における遊技球発射制御処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、発射操作部を操作している状況であっても、受け部を操作する若しくは受け部に触れる行為を行う又は行わないことにより、遊技球の発射規制を行うことができる。そして、当該受け部は、発射操作装置を握っている手の当該発射操作部との接触箇所よりも手首側の部位を接触させることが可能な位置に設けられている。よって、受け部に対する上記行為及びその行為の解除を通じた、遊技球の発射許可と遊技球の発射規制との間の切り換えの操作を、発射操作部を操作している位置の影響を受けることなく行うことができ、当該切り換え操作の操作性の向上が図られる。
特徴D2.前記発射操作装置は、前記遊技機本体に固定される基部(基部72)と、前記発射操作部よりも前面側を構成する前面部(第1の実施形態及び第3の実施形態においては前面ユニット73、第2の実施形態においては前面ユニット202)と、を備えており、
前記受け部は、前記前面部に設けられていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
遊技者が発射操作部を操作しようとする場合、基本的に遊技機前方から発射操作装置側へ腕を出して当該操作を行う。この場合に、特徴D2によれば、前面部に受け部が設けられているため、発射操作部を操作しようとしている手の先側ではなく根元側に受け部が存在することとなり、受け部に対する操作又は受け部に対する接触を行い易くなる。
特徴D3.前記発射操作装置は、前記前面部に手の平を当てた状態で当該発射操作装置を握るとともに、その握っている手の指を前記発射操作部に当てた状態で当該発射操作部の回動操作を行う通常態様による操作を可能とする位置に設けられており、
前記受け部は、前記通常態様による操作が行われる場合に前記手の平で触れることが可能な位置に設けられていることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、通常態様により発射操作部の回動操作を行おうとしている手の平を利用して受け部に対する操作又は受け部に対する接触を行うことが可能となるため、遊技者は受け部に対する当該行為を無理なく行うことが可能となる。
また、通常態様により発射操作部を回動操作する場合、手首を軸にして手を回すこととなるが、この際、遊技者は、発射操作部の回動位置がいずれであっても手の平を前面部に当接させた状態を容易に維持することが可能である。そして、当該手の平で触れることが可能な位置に受け部が設けられていることで、発射操作部の回動位置がいずれであっても、遊技者は受け部に対する操作又は接触を無理なく行うことが可能となる。
特徴D4.前記遊技機本体の前面には前記遊技領域を遊技機前方から視認可能とする窓部(窓部61)が設けられているとともに、当該窓部よりも下方の位置に前記発射操作装置が設けられており、
前記受け部用検知手段は、前記事象として、前記受け部が特定の方向に変位したことを検知するものであり、
前記特定の方向への前記受け部の変位を生じさせる操作態様として、前記通常態様による操作を行っている前記手の平により前記受け部を下方に向けて押圧する態様又はその手の平を当てている方向である斜め下方に向けて前記受け部を押圧する態様が含まれるように、前記受け部の変位方向を規定する方向規定部(補助用軸部材124)を備えていることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
特徴D4によれば、手の重みを預けるようにして発射操作装置を握っている状態のその重みを利用して受け部を操作することができる。これにより、受け部の操作性の向上が図られ、さらには受け部の操作を継続した場合の疲労の低減が図られる。
特徴D5.前記遊技機本体の前面には前記遊技領域を遊技機前方から視認可能とする窓部(窓部61)が設けられているとともに、当該窓部よりも下方の位置であって前記遊技機本体の一方の側部に偏倚させた位置に前記発射操作装置が設けられており、
前記発射操作部は、前記初期位置から回動操作されるとともに、遊技球の発射を継続させるべく所定の回動位置に操作された状態が遊技者によって維持されるものであり、
前記前面部は、その表面が遊技機前方に凸形となる曲面状に形成されており、
前記受け部は、前記前面部の前記凸形の前方頂部よりも上寄りの位置であって前記一方の側部とは反対側の側部寄りの位置に配置された特定受け領域を有していることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D5によれば、遊技機前方から発射操作装置側へ腕を出して発射操作部の回動操作を行おうとした場合の手の平を重ねることができる位置に、受け部の受け面が存在することとなる。これにより、発射操作部の回動操作を行おうとしている手の平を利用して受け部に対する操作又は受け部に対する接触を行うことが可能となるため、遊技者は受け部に対する当該行為を無理なく行うことが可能となる。
また、発射操作部を回動操作する場合、手首を軸にして手を回すこととなるが、この際、遊技者は、発射操作部の回動位置がいずれであっても手の平を前面部に当接させた状態を容易に維持することが可能である。そして、当該手の平で触れることが可能な位置に受け部が設けられていることで、発射操作部の回動位置がいずれであっても、遊技者は受け部に対する操作又は接触を無理なく行うことが可能となる。
特徴D6.前記遊技機本体の前面には前記遊技領域を遊技機前方から視認可能とする窓部(窓部61)が設けられているとともに、当該窓部よりも下方の位置であって前記遊技機本体の一方の側部に偏倚させた位置に前記発射操作装置が設けられており、
前記発射操作部は、前記初期位置から回動操作されるとともに、遊技球の発射を継続させるべく所定の回動位置に操作された状態が遊技者によって維持されるものであり、
前記受け部は、操作される又は触れられる受け面として、上方若しくは前斜め上方を向く、又は前記一方の側部とは反対側の側部に向けて下り傾斜した特定受け領域を有していることを特徴とする特徴D2又はD5に記載の遊技機。
特徴D6によれば、受け部の受け面には、遊技機前方から発射操作装置側へ腕を出して発射操作部の回動操作を行おうとした場合の手の平を向く特定受け領域が含まれている。これにより、発射操作部の回動操作を行おうとしている手の平を利用して受け部に対する操作又は受け部に対する接触を行うことが可能となるため、遊技者は受け部に対する当該行為を無理なく行うことが可能となる。
また、発射操作部を回動操作する場合、手首を軸にして手を回すこととなるが、この際、遊技者は、発射操作部の回動位置がいずれであっても手の平を前面部に当接させた状態を容易に維持することが可能である。そして、当該手の平で触れることが可能な位置に受け部が設けられていることで、発射操作部の回動位置がいずれであっても、遊技者は受け部に対する操作又は接触を無理なく行うことが可能となる。
特徴D7.前記受け部用検知手段は、前記事象として、前記受け部が特定の方向に変位したことを検知するものであり、
前記特定の方向への前記受け部の変位を生じさせる操作態様として、前記特定受け領域が向く方向側から当該特定受け領域を下方又は斜め下方に押圧する態様が含まれるように、前記受け部の変位方向を規定する方向規定部(補助用軸部材124)を備えていることを特徴とする特徴D5又はD6に記載の遊技機。
特徴D7によれば、手の重みを預けるようにして発射操作装置を握っている状態のその重みを利用して受け部を操作することができる。これにより、受け部の操作性の向上が図られ、さらには受け部の操作を継続した場合の疲労の低減が図られる。
特徴D8.前記受け部は回動可能に支持されているとともに、
その回動軸は、前記特定受け領域よりも後方であって、当該特定受け領域と同じ高さ位置又はそれよりも上方の位置に設けられていることを特徴とする特徴D5乃至D7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D8によれば、受け部が回動可能に支持されていることにより、当該受け部を変位可能に支持するために必要な発射操作装置の内部空間の縮小化が図られる。この場合に、受け部の回動軸が、特定受け領域よりも後方であって、当該特定受け領域と同じ高さ位置又はそれよりも上方の位置に設けられていることにより、手の重みを預けるようにして発射操作装置を握っている状態のその重みを利用して受け部を操作することができる。
特徴D9.前記回動軸は、前記一方の側部とは反対側の側部寄りに偏倚させた位置に設けられていることを特徴とする特徴D8に記載の遊技機。
発射操作装置が遊技機本体の一方の側部に偏倚させた位置に設けられている構成においては、遊技者が発射操作装置を操作しようとする場合、基本的に、反対側の側部の側から上記一方の側部の側へ腕を出して当該操作を行う。そうすると、発射操作装置にかかる手の重みの方向は、上記反対側の側部の側から上記一方の側部の側へ向けた成分を有することとなる。これに対して、特徴D8によれば、受け部の回動軸は一方の側部とは反対側の側部寄りに偏倚させた位置に設けられているため、手の重みを利用した受け部の回動を行わせ易くなる。
上記特徴D群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種であるパチンコ機は、遊技機本体の前面部に発射操作装置を備えており、当該発射操作装置が操作されることで発射装置が動作し、遊技領域の上部に遊技球が発射される。
従来の発射操作装置は、遊技機本体に固定された基部と、発射操作装置の前面部を構成する前面カバーと、これら基部及び前面カバーの間において回動自在に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作される操作ハンドルと、を備えている。遊技者は、操作ハンドルの回動量を調節し、所望の飛距離となる回動位置に操作ハンドルを保持した姿勢を維持して遊技を行う。
また、操作ハンドルを正規に回動操作した状態において遊技球の発射を停止させる発射止めスイッチが設けられた構成も知られている。この場合、遊技者は、操作ハンドルの回動量を所望のものとした状態を維持しながら、遊技球の発射を一時的に停止させることができる。
ここで、発射止めスイッチは操作ハンドルよりもパチンコ機奥側となる基部に設けられているため、当該発射止めスイッチを操作するためには操作ハンドルを操作している手の指先を使う必要がある。この場合に、操作ハンドルは手首を軸にして回動操作されるため、回動操作時の指先の位置によっては発射止めスイッチが操作しづらくなってしまうことが懸念される。そうすると、例えば操作ハンドルを所望の回動位置とした状態で発射止めスイッチを操作しようとした場合に、操作ハンドルの回動位置がずれてしまうことが考えられ、発射止めスイッチの機能が良好に発揮されない状況が生じ得る。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。