<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図4はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機主部12は、ベース体としての本体枠13と、その本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機主部12のうち本体枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として本体枠13が前方へ回動可能とされている。
本体枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、本体枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1〜図3を参照する。
前扉枠14は本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、左右の賞球ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。この遊技球発射ハンドル41の構成については、後に詳細に説明する。
次に、本体枠13について詳細に説明する。図5は本体枠13の正面図である。
本体枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース51を主体に構成されている。樹脂ベース51の中央部には略楕円形状の窓孔52が形成されている。樹脂ベース51には遊技盤61が着脱可能に取り付けられている。遊技盤61は合板よりなり、遊技盤61の前面に形成された遊技領域PEが樹脂ベース51の窓孔52を通じて本体枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤61の構成を図6に基づいて説明する。遊技盤61には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口62,可変入賞装置63(詳しくは可変入賞装置63に設けられた大入賞口),作動口64,スルーゲート65及び可変表示ユニット66等がそれぞれ設けられている。一般入賞口62は、左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられている。一般入賞口62、可変入賞装置63及び作動口64に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤61の最下部にはアウト口67が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口67を通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤61には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘68が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット66には、作動口64への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置71が設けられている。また、可変表示ユニット66には、図柄表示装置71を囲むようにしてセンターフレーム72が配設されている。センターフレーム72の上部には、第1特定ランプ部73及び第2特定ランプ部74が設けられている。また、センターフレーム72の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部75,76が設けられている。下側の保留ランプ部75は、図柄表示装置71及び第1特定ランプ部73に対応しており、遊技球が作動口64を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部75の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部76は、第2特定ランプ部74に対応しており、遊技球がスルーゲート65を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部76の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置71は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置71には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部73では、作動口64への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部74では、遊技球のスルーゲート65の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口64に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。
可変入賞装置63は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置63の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置63が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤61には、内レール部53と外レール部54とが取り付けられており、これら内レール部53と外レール部54とにより誘導レールが構成され、後述する遊技球発射機構から発射された遊技球を遊技領域PEの上部に案内する案内通路が区画形成されている。
遊技球発射機構80は、図5に示すように、樹脂ベース51における窓孔52の下方に取り付けられている。遊技球発射機構80は、電磁式のソレノイド81と、発射レール82と、球送り機構83とからなり、ソレノイド81への電気的な信号の入力により当該ソレノイド81の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構83によって発射レール82上に置かれた遊技球を遊技領域PEに向けて打ち出す。なお、遊技球発射機構80の電動アクチュエータはソレノイド81に限定されることはなく、発射モータなどを用いてもよい。
発射レール82と案内通路(詳しくは外レール部54)との間には遊技球の通過を許容する隙間が設けられており、この隙間より下方にファール球通路36が配されている。仮に遊技球発射機構80から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として案内通路内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路36を介して下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
また、本体枠13(詳しくは樹脂ベース51)の前面において発射レール82の左側には、左右一組の排出口86,87が形成されると共に、その前方に、同排出口86,87より排出された遊技球を上皿33又は下皿34のいずれかに案内するための遊技球案内ユニット35が取り付けられている。便宜上以下の説明では、排出口86を第1排出口、排出口87を第2排出口ともいう。これら排出口86,87は、本体枠13の背面に設けられた遊技球分配部136(図4参照)に通じており、基本的に第1排出口86より遊技球の排出が行われ、この第1排出口86も含め上皿33に通じる通路が遊技球で一杯になると、第1排出口86に代えて第2排出口87より遊技球の排出が行われるようになっている。
遊技球案内ユニット35の球排出通路37(詳しくは下皿16に連なる通路部分)には、下皿34に排出された遊技球によって当該下皿34が一杯(満タン)になったことを検知する満タン検知センサ38が取り付けられている。満タン検知センサ38は、後述する主制御装置92に対して電気的に接続されており、当該満タン検知センサ38からの検知信号が主制御装置92に入力される。これにより、主制御装置92にて下皿34が満タンであるか否かを把握することが可能となっている。
次に、遊技盤61の背面の構成を説明する。図7は遊技盤61を後方より見た斜視図である。遊技盤61の背面には、主制御装置ユニット90及び音声ランプ制御装置ユニット100が搭載されている。
主制御装置ユニット90は、合成樹脂製の取付台91を有し、取付台91に主制御装置92が搭載されている。主制御装置92は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス93に収容されて構成されている。
音声ランプ制御装置ユニット100は、音声ランプ制御装置101と、取付台102とを具備する構成となっており、取付台102上に音声ランプ制御装置101が装着されている。音声ランプ制御装置101は、主制御装置92からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス103に収容されて構成されている。
次に、裏パックユニット15について図3及び図4を参照して説明する。
裏パックユニット15は、裏パック111を備えており、当該裏パック111に対して、払出機構部112及び制御装置集合ユニット113が取り付けられている。裏パック111は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部112などが取り付けられるベース部121と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部122とを有する。
ベース部121には、その右上部に外部端子板123が設けられている。外部端子板123には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。
ベース部121には、保護カバー部122を迂回するようにして払出機構部112が配設されている。すなわち、裏パック111の最上部には上方に開口したタンク131が設けられており、タンク131には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク131の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール132が連結され、タンクレール132の下流側には上下方向に延びるケースレール133が連結されている。ケースレール133の最下流部には払出装置134が設けられている。払出装置134より払い出された遊技球は、当該払出装置134の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿33又は下皿34に排出される。
払出機構部112には、裏パック基板135が設置されている。裏パック基板135には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ135aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部121の下端部には、制御装置集合ユニット113が取り付けられている。制御装置集合ユニット113は、横長形状をなす取付台141を有し、取付台141に払出制御装置142と電源・発射制御装置143(以下、電源装置143又は発射制御装置143ともいう)とが搭載されている。これら払出制御装置142と電源装置143とは、払出制御装置142がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置142は、基板ボックス144内に払出装置134を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置142から払出装置134への払出指令の信号は上述した裏パック基板135により中継される。また、払出制御装置142には状態復帰スイッチ145が設けられている。例えば、払出装置134における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ145が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源装置143は、基板ボックス146内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置143にはRAM消去スイッチ147が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
ここで、図8〜図11に基づき遊技球発射ハンドル41の構成について説明する。図8は遊技球発射ハンドル41を前方から見た斜視図、図9は遊技球発射ハンドル41を後方から見た斜視図、図10は遊技球発射ハンドル41の側面図、図11は遊技球発射ハンドル41の分解斜視図である。なお、図8においては、遊技球発射ハンドル41を操作している右手H及び前扉枠14を2点鎖線によって示している。
図8に示すように、遊技球発射ハンドル41は、前扉枠14に装着されるハンドルベース150と、遊技球の発射操作に際して回動操作される回動操作部材160と、遊技球発射ハンドル41の前面側を構成する前部カバー170とを備えている。
ハンドルベース150は、前扉枠14への取付対象としての取付基部151を有している。この取付基部151が前扉枠14にネジ止めされることで、遊技球発射ハンドル41は前扉枠14に対して一体化されている。取付基部151は前扉枠14から遊技機前方に延びる筒状部151aを有し、その前端縁には、略半球状をなす半球状拡径部152が形成されている(図9参照)。
図10に示すように、半球状拡径部152の前方には上記回動操作部材160が配置されている。回動操作部材160は、図11に示すように、その外殻を構成する外環部161と、ハンドルベース150に対する取付部としての内環部162とを有している。半球状拡径部152の中央にはパチンコ機10の前方(軸部153の中心軸線方向と同一方向)に延びる円筒状の軸部153が形成されており、内環部162には軸部153に対応する孔状の軸受け部163が形成されている。軸受け部163に軸部153が挿通され軸受け部163の内壁面と軸部153の外壁面とが当接することにより、すなわち回動操作部材160が軸部153に軸支されていることにより、回動操作部材160はハンドルベース150に対して軸部153の中心軸線を基準として回動可能な状態で装着された状態となっている。
外環部161には、内環部162とは反対側に隆起した指掛け操作部164が複数形成されている。このように、回動操作部材160に指掛けを許容する部位を設けることにより、回動操作部材160の回動操作の容易化を図っている(図8参照)。
半球状拡径部152の内部には軸部153の中心軸線方向と同一方向に延びるボス154が複数形成されている。回動操作部材160にはこれらボス154が挿通される長孔状の回動規制部165が設けられている。回動規制部165は、外環部161と内環部162との間に配されているとともにそれら環部161,162に沿って延びる弧状をなしており、同回動規制部165に沿ったボス154の移動が許容されている。
回動操作部材160の回動操作量が所定の値になった場合には、ボス154が回動規制部165の端部に対して回動方向の先側から当接して、それ以上の回動操作が阻止されることとなる。つまり、これらボス154及び回動規制部165によって回動操作部材160が所定の範囲内で回動可能となるように規制されている。
なお、遊技球発射ハンドル41は付勢部材(詳しくはバネ)を備えており、この付勢部材によって回動操作部材160がパチンコ機10の正面視にて反時計周り方向に付勢されている。非操作時においては回動操作部材160が当該付勢部材の付勢力によって回動範囲内の所定の位置(以下、初期位置という)に待機した状態となっている。
回動操作部材160の前方には前部カバー170が配置されている。前部カバー170は、ハンドルベース150との間に回動操作部材160を挟んだ状態で同ハンドルベース150に対して固定されている。具体的には、上述したボス154は中空状をなしており、前部カバー170においてボス154の先端部と対向する位置にはネジ孔が形成されている。半球状拡径部152には、ボス154に連通する連通孔155が形成されており、パチンコ機10の後方から連通孔155を通じてボス154に挿入されたネジ156の先端部が前部カバー170のネジ孔に螺着されている。これにより、前部カバー170,回動操作部材160,ハンドルベース150が一体化され、回動操作部材160のハンドルベース150からの脱落が防止されている。
前部カバー170は、パチンコ機10の前方に突出した略半球形状の把持部171を有している。回動操作部材160の操作時には、この把持部171に手を掛けることで(手を載せることで)、手や腕の重量の一部を遊技球発射ハンドル41に預けることができる。これにより、遊技球発射ハンドル41の操作時の安定性向上と同操作に起因した疲労の軽減とが図られている。
半球状拡径部152の内部には、回動操作部材160の回動操作量を検知するためのギア部品175,176及び可変抵抗器が設置されており、同可変抵抗器に関しては上記電源・発射制御装置143に対して電気的に接続されている。回動操作部材160が回動操作された場合には、ギア部品175,176の回転に応じて可変抵抗器の抵抗値が変化することとなる。そして、その抵抗値が電源・発射制御装置143に出力されることで、当該電源・発射制御装置143にて回動操作量が把握される構成となっている。
また、半球状拡径部152の内部には、回動操作部材160を操作した状態において遊技球の発射を停止させる発射止めスイッチ177と、発射止めスイッチ177の操作状態を検知するプッシュセンサ178とが設置されている。プッシュセンサ178の検知信号が電源・発射制御装置143に出力されることで、当該電源・発射制御装置143にて発射止めスイッチ177が操作されているか否かが把握される。
さらには、ハンドルベース150には回動操作部材160が実際に手で触れられていることを検知する検知センサ(詳しくはタッチセンサ)が内蔵されている。このタッチセンサは電源・発射制御装置143に対して電気的に接続されており、当該タッチセンサからの検知信号が電源・発射制御装置143に出力されることで、当該電源・発射制御装置143にて回動操作部材160が手で触れられているか否かが把握される。
次に、遊技を行う際の遊技球発射ハンドル41の操作について簡単に説明する。遊技者は、回動操作部材160を回動操作することで、遊技球の発射速度の調整を行う。具体的には、遊技球発射ハンドル41に内蔵された付勢部材の付勢力に抗して回動操作部材160を(遊技機正面視における時計回り方向に)回動操作することで遊技球の発射速度が大きくなり、付勢方向(遊技機正面視における反時計回り方向)に戻すことで遊技球の発射速度が小さくなる。以下、遊技球の発射速度が大きくなる方向を増加方向といい、遊技球の発射速度が小さくなる方向を減少方向として区別する。
回動操作部材160の回動操作量に基づき前記可変抵抗器の抵抗値が変化し、その抵抗値が電源・発射制御装置143に出力される。電源・発射制御装置143においては、その抵抗値に基づいて遊技球発射機構80(詳しくはソレノイド81)における遊技球の発射速度が設定される。こうして所定の速度にて遊技球発射機構80から打ち出された遊技球は、図6に示す内外のレール部53,54の間(案内通路)を通り、作動口64や釘68等が設けられた遊技領域PEに到達する。
通常、遊技領域PEに到達した遊技球は、釘68等によって流下経路が適度にばらつきながら、作動口64に向けて案内されやすくなっている。より詳しくは、図6に示したように釘68等は遊技領域PEに適度に分散されて配置されており、遊技球の勢い等により、作動口64に向かって案内される頻度が変化し得る。このような遊技球の流下経路の変化は、専ら遊技球の発射速度(すなわち到達位置)に依存している。作動口64への遊技球の入賞をトリガとして大当たり等の判定がなされるため、より多くの遊技球を作動口64へ導くべく遊技球の発射速度の調整が行われる。
回動操作部材160の回動操作量を調整し所望とする発射速度を実現できた後には、その回動位置(操作位置)から回動操作部材160がずれないように当該回動操作部材160を保持する。これにより、所望とする発射速度を維持した状態で遊技を継続することができる。仮に、遊技中に遊技球発射ハンドル41から手を離す等した場合、付勢部材の付勢力によって、回動操作部材160は初期位置に復帰する。このため、再遊技に際しては、上述した回動操作部材160の操作(発射速度の調整)が再度行われることとなる。
ここで、遊技球発射ハンドル41の外観についてより詳細に説明する。図6に示すように、遊技球発射ハンドル41の外形は、少なくとも遊技球発射ハンドル41を遊技者が握った際の手の接触範囲において、略球状をなしている(指掛け操作部164等の出っ張りを除く)。詳しくは、ハンドルベース150の取付基部151を除いたほぼ外周全域が略球状をなしている。より具体的には、図10に示すように、複数に分割された球面等の曲面によって、すなわち半球状拡径部152の外面と外環部161の外面と把持部171の外面とによって1つの仮想球面Gが構成されている。
半球状拡径部152の外面と外環部161の外面との境界部位における隙間寸法は、コイン等の異物の侵入を抑制可能な程度(本実施の形態においては0.5mm程度)に設定されており、外環部161の外面と把持部171の外面との境界部位における隙間寸法も上記寸法と同程度に設定されている。各境界部位を同一仮想球面G上に配し、隙間寸法を小さくすることで、それら境界部位における段差の発生が抑えられている。詳しくは、仮想球面Gの放射方向における段差の発生が抑制されている。なお、各境界部位における隙間寸法がコインの厚み寸法等よりも小さく設定されているため、それら境界部位にコイン等が挟み込まれ、回動操作部材160が固定されるといった不都合が回避されている。
このように、遊技球発射ハンドル41の外形を略単一球面状をなすように形成することで、遊技球発射ハンドル41に対する把持方向のばらつきを許容しやすくなっている。具体的に説明すれば、遊技球発射ハンドル41は、パチンコ機10の前方から回動操作部材160の中心軸線に沿って真っ直ぐ把持した場合に持ちやすくなるように設定されていることが多い。しかしながら、現実的には、遊技者によって把持方向がばらついたり、遊技中の姿勢等の変化に起因して把持方向が変わったりすると考えられる。上述の如く手が接触する部位にて段差や曲率の変化が抑えられていることで、把持方向のばらつきに起因して遊技球発射ハンドル41の掴み具合が変化するといった不都合を抑制することができる。すなわち、把持方向のばらつきに起因して遊技球発射ハンドル41の操作性が低下することを抑制可能となっている。
本実施の形態における遊技球発射ハンドル41は、遊技状況等に応じて当該遊技球発射ハンドル41の外形を変化させるハンドル可変機構200を備えていることを特徴の1つとしている。そこで以下、ハンドル可変機構200及びそれに関連する構成について図11及び図12に基づき詳細に説明する。図12は、遊技球発射ハンドル41の内部構造を示す概略図である。なお、図12においては便宜上、変形後の遊技球発射ハンドル41の一部(詳しくは後述する可動部材の一部)を2点鎖線によって示している。
<ハンドル可変機構200>
図12に示すように、ハンドル可変機構200は、移動可能に設けられた可動部材210と、同可動部材210を駆動させる駆動部230とを有している。
可動部材210は、中空の略段付円柱状をなしており、当該可動部材210の中心軸線が上記回動操作部材160の回動中心軸線と一致するようにして配置されている。可動部材210には、ハンドルベース150の上記軸部153(詳しくは貫通孔153a)に挿通される挿通部211が形成されている。挿通部211は、その外径寸法が貫通孔153aの内径寸法と同等となるように形成されており、軸部153によって当該貫通孔153a内を軸線方向に摺動可能な状態で保持されている。このように、軸部153によって可動部材210が保持される点に着目すれば、当該軸部153を「保持部153」と称することも可能である。
前部カバー170において貫通孔153aの延長上となる部分、詳しくは把持部171の中央部分には、遊技球発射ハンドル41の内外に貫通する開口部172が形成されている。可動部材210(詳しくは挿通部211)は、貫通孔153aに対応させて形成されており、この開口部172を通じて可動部材210の一端部が遊技機前方に露出した状態となっている。
より詳しくは、可動部材210において軸部153よりも前側となる部位には、挿通部211よりも外径寸法が大きくなるように形成された拡径部221が形成されている。上記開口部172は、この拡径部221より僅かに大きく形成されており、同開口部172を通じた拡径部221の突出が許容されている。
開口部172の周縁部分には、遊技球発射ハンドル41の内側に起立するフランジ部173が形成されており、当該フランジ部173によって開口部172周辺における前部カバー170の強度低下が抑制されている。
フランジ部173は、上記取付基部151と同一方向(遊技機後方)に延びる円筒状をなしており、このフランジ部173の内面に対して上記拡径部221の外面が対向している。可動部材210の移動方向は上述した軸部153によって規定されているが、仮に同可動部材210に対して軸線方向とは異なる方向への負荷が生じた場合には、このフランジ部173に対して可動部材210(拡径部221)が当接することにより、可動部材210の移動経路のばらつきが抑えられることとなる。
拡径部221において開口部172から露出している側の端部は、遊技球発射ハンドル41の外側に凸となる曲面状をなしており、その曲面部分(以下便宜上、曲面部222と称する)の上記仮想球面Gからの突出が回避されている。より詳しくは、曲面部222は、把持部171の外面を含んだ仮想球面Gと重なるように形成されている。これにより、曲面部222の採用に起因して把持部171を把持しにくくなるといった不都合が生じることを回避し、更には曲面部222に把持部171と同様の機能を付与することが可能となっている。
拡径部221における曲面部222とは反対側の端部には、可動部材210の放射方向に突出する突起223が形成されている。突起223は、可動部材210の中心軸線を囲む環状をなしており、その前面が上記フランジ部173の先端と所定の隙間を隔てて前後に対向している。可動部材210が遊技機前方へとスライド移動した際には、同フランジ部173に対して突起223が当たることで、同方向へのそれ以上の移動が阻止されることとなる。つまり、フランジ部173及び突起223には、可動部材210の最前位置を規定するとともに、開口部172からの可動部材210の脱落を阻止する機能が付与されている。
挿通部211において拡径部221が形成されている側とは反対側の端部には、上述した駆動部230からの駆動力を可動部材210に伝達する伝達部材としてのラック212と、当該ラック212を保持するホルダ部213とが設けられている。ホルダ部213において貫通孔153aからハンドルベース150の筒状部151a内に突出している部位には、ラック212の歯部を当該ホルダ部213外に露出させる開口部が形成されており、その開口先には駆動部230が配設されている。なお、ラック212に関しては、ホルダ部213に対して保持されているだけでなく、同ホルダ部213に対して接着されており、同ホルダ部213の開口部を通じたラック212の浮き上がりや脱落等が回避されている。
駆動部230は、ステッピングモータ231と、上記ラック212と対をなす伝達部材としてのピニオン232とによって構成されており、ピニオン232の歯部がラック212の歯部に対して係合している。ステッピングモータ231は、電源・発射制御装置143に対して電気的に接続されており、当該電源・発射制御装置143からの信号に基づいて駆動する。
このように可動部材210の駆動源としてステッピングモータ231を採用することにより、可動部材210の位置をステッピングモータ231へ出力される駆動信号(詳しくは駆動信号のステップ数)に基づいて特定することが可能となっている。但し、可動部材210については遊技球発射ハンドル41が操作された場合等に外力が加わると想定される部位であるため、同外力等によって同可動部材210の前後位置にずれが生じ得る。そこで、このような位置ずれの影響等を払拭すべく可動部材210の位置を検知する位置検知センサ240が設けられている。位置検知センサ240は、駆動部230と同様に筒状部151a内に収容されており、電源・発射制御装置143に対して電気的に接続されている。この位置検知センサ240から出力される検知情報に基づいて、同電源・発射制御装置143にて可動部材210の位置を把握可能となっている。
ここで、本実施の形態においては、初期位置に配置されている可動部材210が遊技機後方へ押圧された場合等に同可動部材210の遊技機後方への移動を規制する規制手段に関して特徴的な構成を有している。以下、図12に基づきこの規制手段について説明する。
挿通部166及び拡径部221の段差部分(以下便宜上、段差部215と称する)は、回動操作部材160の前方に位置しており、回動操作部材160側(遊技機後方)を向く平面状をなしている。内環部162において、段差部215と対向している部分には、段差部215側に突出して設けられ、上述した軸受け部163の一部を構成する前側環状突部167が形成されている。
前側環状突部167の先端部は、ハンドルベース150の軸部153よりも前方に位置している。つまり、軸部153においては、軸受け部163からの遊技機前方への突出が回避されている。前側環状突部167の先端部(詳しくは前面)は、段差部215に対して僅かな隙間を隔てて対向している。可動部材210が後方に移動した場合には、上記段差部215が環状突部167の前面167aに対して当接することとなる。
また、回動操作部材160の内環部162には、前側環状突部167と共に上記軸受け部163の一部を構成する後側環状突部168が形成されている。一方、ハンドルベース150の軸部153には、後側環状突部168の先端部分に対して遊技機後方から対向する対向部157が形成されている。詳しくは、軸部153は段付円筒状をなしており、当該軸部153の基端側には先端側よりも外径が大きくなるように形成された拡径部が形成されている。そして、この境界部位に形成された段差部分により上記対向部157が構成されている。回動操作部材160が可動部材210に押される等して遊技機後方に移動した場合には、環状突部168の後面168aが対向部157に対して当接することとなる。
ここで、図13に基づき、遊技球発射ハンドル41が操作される際の可動部材210の動きについて説明する。図13は可動部材210の動きを示す概略図である。なお、図13においては便宜上、遊技球発射ハンドル41を操作している手Hの一例を2点鎖線によって示している。
既に説明したように、可動部材210の曲面部222は前部カバー170に形成された開口部172から遊技機前方に露出している。この曲面部222に関しては、遊技機上方を向く成分を有しており、把持部171に対してが載せられた場合には、手の平等が曲面部222に当たりやすくなっている。
図13(a)→図13(b)に示すように、曲面部222が上方又は前方から押圧された場合には、同可動部材210が後方へ移動し、可動部材210の段差部215が回動操作部材160の前側環状突部167(詳しくはその前面167a)に対して当接する。
図13(b)→図13(c)に示すように、可動部材210が更に押し込まれると、同可動部材210と一体となって回動操作部材160が後方へ移動する。これにより、回動操作部材160の後側環状突部168がハンドルベース150の上記対向部157に対して当接し、それ以上の移動が規制されることとなる。
このように、可動部材210及び回動操作部材160の移動が対向部157によって規制された状態では、回動操作部材160が可動部材210及びハンドルベース150によって挟まれた状態となり、段差部215及び前側環状突部167の前面167aの接触部分と、対向部157及び後側環状突部168の後面168aの接触部分との両箇所に、回動操作部材160の回動を妨げる摩擦が生じる。このため、可動部材210が最奥位置にて押圧されていない場合と比べて、回動操作部材160の回動を妨げる抵抗が大きくなり、同回動操作部材160を所望とする回動位置にて保持することが容易となる。
また、回動操作部材160を初期位置へと戻すように作用する付勢力が、指掛け操作部164と接触している部位(例えば指等)に集中することを抑制し、同付勢力を手の平等に好適に分散させることができる。これにより、指掛け操作部164に接触している部位への負荷を低減することが可能となる。
以上詳述したように、可動部材210とハンドルベース150とによって回動操作部材160を挟むとともに可動部材210の押圧操作によって回動操作部材160の回動を妨げるような抗力を発生させる構成を採用することにより、回動操作部材160を保持する際の疲労低減に貢献することができ、更には所望とする回動位置での保持機能を好適に高めることができる。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図14のブロック図に基づいて説明する。図14では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置92に設けられた主制御基板301には、主制御回路302と停電監視回路303(電断監視回路)とが内蔵されている。主制御回路302には、MPU311が搭載されている。
MPU311には、当該MPU311により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM312(不揮発性情報記憶手段)と、そのROM312内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM313(揮発性情報記憶手段)と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM313は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御装置143に設けられた電源・発射制御基板321からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
ここで、MPU311にて大当たり発生判定を行う上での電気的な構成について図14及び図15を用いて説明する。
MPU311は遊技に際し各種カウンタ情報(詳しくは図14に示すRAM313の各種カウンタエリア313aの情報)を用いて、大当たり抽選、第1特定ランプ部73の発光色の設定や、図柄表示装置71の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図15に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置71が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、第1特定ランプ部73に表示される色の切り替えを行う期間及び図柄表示装置71における図柄の変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、下側の作動口64に付随する電動役物を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C4,CINI,CSは、RAM313の各種カウンタエリア313aに設けられている。
カウンタC1〜C4,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM313の抽選カウンタ用バッファに適宜格納される。RAM313には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア及び電役保留エリアが設けられており、このうち保留球格納エリアには、作動口64への遊技球の入球履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜676)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が作動口64に入球したタイミングでRAM313の保留球格納エリアに格納される。
大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。そして、本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2によって、大当たりが終了した後に、確変状態とするか通常状態とするかを決定することとしている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が作動口64に入球したタイミングでRAM313の保留球格納エリアに格納される。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が作動口64に入球したタイミングでRAM313の保留球格納エリアに格納される。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSによって、第1特定ランプ部73に表示される色の切り替えを行う期間としての切替表示時間が決定される。この切替表示時間は、図柄表示装置71の図柄の変動表示時間に相当する。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1特定ランプ部73に表示される色の切り替え開始時及び図柄表示装置71による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
なお、1遊技回の開始に際しては、主制御基板301のMPU311にて、保留球格納エリアに格納されている各カウンタC1〜C3,CSの値を用いて遊技結果(大当たり当否抽選,通常/確変の振分抽選による抽選結果)や第1特定ランプ部73に表示される色の切り替え時間が決定されるが、ここで決定された遊技結果(抽選結果)の情報や切り替え時間の情報は遊技回用コマンドとして音声ランプ制御装置101に送信される。音声ランプ制御装置101では、当該遊技回用コマンドに基づいて、図柄表示装置71等における変動パターンやリーチ発生の有無といった該当する遊技回の演出内容を決定する。
また、スルーゲート65への入賞が発生したタイミングでその時点での電役開放カウンタC4の値が取得され、その取得した値に基づいて電動役物を開放状態とするか否かの抽選が実行される。
再び図14を参照して説明すれば、MPU311には入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU311の入力側には、主制御基板301に設けられた停電監視回路303、払出制御装置142に設けられた払出制御基板324、満タン検知用の検知センサ38等の各種検知センサやその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路303には電源・発射制御基板321が接続されており、MPU311(主制御回路302)には停電監視回路303を介して電力が供給される。
一方、MPU311の出力側には、停電監視回路303、払出制御基板324及び中継端子板325が接続されている。払出制御基板324には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板325を介して主制御回路302から音声ランプ制御装置101に設けられた音声ランプ制御基板326に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路303は、主制御回路302と電源・発射制御基板321とを中継し、また電源・発射制御基板321から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
払出制御基板324は、払出装置134により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU331は、そのMPU331により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM332と、ワークメモリ等として使用されるRAM333とを備えている。
払出制御基板324のRAM333は、主制御回路302のRAM313と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御基板321からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
払出制御基板324のMPU331には、入出力ポートが設けられている。MPU331の入力側には、主制御回路302、電源・発射制御基板321、及び裏パック基板135が接続されている。また、MPU331の出力側には、主制御回路302及び裏パック基板135が接続されている。
電源・発射制御基板321は、電源部322と発射制御部323とを備えている。電源部322は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路302や払出制御基板324等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路302や払出制御基板324等に対して供給する。その概要としては、電源部322は、裏パック接続基板229を介して供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電力、ロジック用の+5V電力などを生成し、これら+12V電力、+5V電力を主制御回路302や払出制御基板324等に対して供給する。
発射制御部323は、遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作にしたがって遊技球発射機構80の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構80は所定の発射条件が整っている場合に、具体的には上記タッチセンサ190から接触検知の信号が出力され且つ上記可変抵抗器195から回動操作部材160の操作検知の信号が出力されている場合に駆動される。
発射制御部323には、演算装置であるMPU341が搭載されている。MPU341は、当該MPU341により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM342と、ワークメモリ等として使用されるRAM343とを備えている。
また、電源・発射制御基板321のMPU341には、入出力ポートが設けられている。MPU341の入力側には、停電監視回路303、裏パック基板135、中継端子板325、遊技球発射ハンドル41の各種検知センサ(詳しくはプッシュセンサ178,タッチセンサ190,位置検知センサ240)及び可変抵抗器195が接続されている。また、MPU331の出力側には、主制御回路302、払出制御基板324、遊技球発射ハンドル41のハンドル可変機構200(詳しくはステッピングモータ231)、遊技球発射機構80のソレノイド81が接続されている。
音声ランプ制御基板326は、各種ランプ部23〜25やスピーカ部26、及び表示制御装置327を制御するものである。演算装置であるMPU351は、そのMPU351により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM352と、ワークメモリ等として使用されるRAM353とを備えている。
音声ランプ制御基板326のMPU351には入出力ポートが設けられている。MPU351の入力側には中継端子板325に中継されて主制御回路302が接続されており、主制御回路302から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部23〜25、スピーカ部26、及び表示制御装置327を制御する。表示制御装置327は、音声ランプ制御基板326から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置71を制御する。
<主制御装置92にて実行される各種処理>
次に、主制御装置92のMPU311にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU311では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図16のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU311により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、満タン検知信号の監視処理を実行する。すなわち、主制御装置92に接続されている満タン検知センサ38からの信号を読み込むとともに同信号を判定して検知情報(詳しくは満タン検知情報)を保存する。
ここで、監視処理においては、満タン検知センサ38からの信号がHIレベルであるか否かを判定する。満タン検知センサ38からの検知信号は、下皿34が満タンではない場合にはLOWレベル信号が出力されており、下皿34が満タンとなった場合にHIレベル信号が出力される構成となっており、MPU311にてHIレベル信号が出力されていると判定した場合には、同MPU311(詳しくはRAM313)の各種フラグ格納エリア313bに満タン検知フラグを格納する。この満タン検知フラグが格納されることで、後述する外部出力処理にて電源・発射制御装置143に満タンコマンドが出力される。
ステップS102では、満タン検知センサ以外の各種センサ検知の読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置92に接続されている各種検知センサやスイッチ等からの信号を読み込むとともにそれら信号を判定して検知情報(例えば入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS103では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM313の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM313の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS105にて、作動口64への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行する。作動口用の入賞処理では、作動口64への入賞が発生していた場合には、保留球格納エリアに記憶されている始動保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS104にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を保留球格納エリアの保留用エリアに格納する。この場合、保留用エリアの第1エリア〜第4エリアのうち最初の空き保留エリア、すなわち現状の始動保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。また、音声ランプ制御装置101に対して、始動保留記憶数と対応する第1保留ランプ部75を点灯させるための処理を実行する。
続くステップS106にて、スルーゲート65への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。スルー用の入賞処理では、スルーゲート65への入賞が発生していた場合には、電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS104にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、音声ランプ制御装置101に対して、役物保留記憶数と対応する第2保留ランプ部76を点灯させるための処理を実行する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図17のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、当該通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S206の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS208,S209のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信し、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置101に対して送信する。また、各種フラグ格納エリア313bに満タン検知フラグが格納されている場合には、ハンドル可変機構200による報知実行用の満タンコマンドを電源・発射制御装置143に送信する。
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントすると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM313の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、賞球コマンド設定処理を行う。賞球コマンド設定処理においては、先ず各種フラグ格納エリア313bに格納されている入賞検知に対応したフラグを参照して、一般入賞口62等の各種入球部にて入賞が発生したか否かを判別し、入賞が発生した場合には同入賞に応じて払い出す遊技球の数を決定する。そして、下皿34が満タンで無い場合に、すなわち各種フラグ格納エリア313bに満タン検知フラグが格納されていない場合に、上述した処理で決定した遊技球の数に基づき払出制御装置142へ出力する賞球コマンドの設定を行う。
一方、各種フラグ格納エリア313bに満タン検知フラグが格納されている場合には、賞球コマンドの設定を行うこと無く本賞球コマンド設定処理を終了する。つまり、下皿34が満タンである場合には、遊技球の払い出しが不可となる。なお、遊技球の払い出しが不可となっている期間中に遊技球の入賞が発生した場合には、同入賞に基づく賞球の数は主制御装置92にて記憶され、上記満タン状態が解除された場合に当該記憶された賞球の数に応じた遊技球の払い出しを再開する。満タン状態となることにより遊技者が本来得られるはずの特典(遊技球の払い出し)を得られなくなるといった不都合が発生することを回避している。
その後、ステップS204では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置71による図柄の変動表示の設定、変動表示を行う第1特定ランプ部73の表示制御などを行う。
その後、ステップS205では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行するとともに、開閉実行モードにおいては、大入賞口を開放状態とするよう可変入賞装置63の制御等が実行される。
ステップS206では、下側の作動口64に設けられた電動役物を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、電動役物を開放状態とするか否かの判定などを行う。
続くステップS207では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する(ステップS208,S209)。つまり、ステップS208では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM313の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS209では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM313の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
<ハンドル装置可変処理>
本実施の形態においては、下皿34が満タンである場合に遊技球発射ハンドル41を可変させることにより遊技球の発射操作を抑制することを特徴の1つとしている。ここで、図18のフローチャートを参照して、電源・発射制御装置143のMPU341にて実行されるハンドル装置可変処理について説明する。
ハンドル装置可変処理においては、先ずステップS301にて下皿34が満タンであるか否かを判定する。言い換えれば、遊技球の払い出しが不可となっているか否かを判定する。当該ステップS301の処理においては、主制御装置92から満タンコマンドを受信しているか否かを判別し、当該満タンコマンドを受信している場合には肯定判定を行うとともに同満タンコマンドを受信していない場合には否定判定を行う。
ステップS301にて肯定判定した場合、すなわち下皿34が満タンとなり遊技球の払い出しが不可となっている場合には、続くステップS302にてハンドル可変機構200の可動部材210が移動中であるか否かを判定する。具体的には、ハンドル可変機構200の駆動部230(詳しくはステッピングモータ231)に対して、駆動信号が出力されている最中であるか否かを判定する。
同ステップS302にて肯定判定した場合、すなわち可動部材210が移動中である場合には、そのまま本ハンドル装置可変処理を終了する。一方、ステップS302にて否定判定した場合、すなわち可動部材210が停止中である場合(上記駆動信号が出力されている最中でない場合)には、続くステップS303に進む。
ステップS303においては、遊技球発射ハンドル41の回動操作部材160が操作されているか否かを判定する。具体的には、タッチセンサ190からの検知信号に基づいて上記回動操作部材160に対して指等が接触しているか否かを判定するとともに、上記可変抵抗器195からの情報に基づいて回動操作部材160が初期位置から移動しているか否かを判定する。言い換えれば、遊技球発射機構80(詳しくはソレノイド81)に対して駆動信号が出力されているか否かを判定する。ステップS303にて否定判定した場合には、すなわち回動操作部材160が操作されておらず遊技球発射機構80が動作中でない場合には、そのまま本ハンドル装置可変処理を終了する。一方、ステップS303にて肯定判定した場合には、続くステップS304〜S311に進む。
ステップS304〜S311の処理においては、下皿34が満タン、可動部材210が停止中、且つ遊技球の発射操作中であることを条件として、可動部材210の移動処理を実行する。以下の説明においては、適宜図19を参照する。図19は、遊技球発射ハンドル41におけるハンドル可変機構200の動作を示す動作説明図である。なお、図19においては便宜上、遊技球の発射操作を行っている遊技者等の手の一例(手H)を2点鎖線を用いて概略的に示している。
先ず、ステップS304においては、可動部材210が第1位置(初期位置〜上述した押圧位置:図19(a)参照)に配置されているか否かを判定する。具体的には、上述した位置検知センサ240からの検知信号に基づいて、可動部材210が第1位置に待機中であるか否かを判定する。
既に説明したように、可動部材210が第1位置に配置されている状態では、回動操作部材160を手とハンドルベース150とによって挟むことにより、同回動操作部材160の回動が抑制される。具体的には、回動操作部材160と可動部材210及びハンドルベース150との接触部分に生じる摩擦によって、回動操作部材160の初期位置へ向けての移動を妨げる抗力が発生し、同回動操作部材160を所望とする操作位置にて保持することが容易化されている。この押圧位置への移動ストロークはステッピングモータ231のバックラッシュを利用しており僅か(0.5mm程度)となるように設定されており、上記位置検知センサ240においては、可動部材210が上述の如く押圧位置に押し込まれていた場合であっても同可動部材210が第1位置に存在しているとして検知信号を出力するように設定されている。
ステップS304にて肯定判定した場合、すなわち可動部材210が第1位置に待機している場合には、ステップS305に進む。ステップS305においては、第2位置への移動処理を実行する。具体的には、ハンドル可変機構200の駆動部230(詳しくはステッピングモータ231)に対して所定のステップ数の駆動信号を出力する。これにより、可動部材210が遊技機前方へ移動し、当該可動部材210の開口部172からの突出量が増大することとなる。
なお、第2位置への移動処理にて出力される駆動信号のステップ数は、ステッピングモータ231の回動によって可動部材210が第1位置から第2位置へ移動し同第2位置にて停止するように設定されており、MPU341のROM342に第2位置への移動処理に対応する情報として予め記憶されている。
一方、ステップS304にて否定判定した場合、すなわち可動部材210が第1位置以外の位置に待機している場合には、ステップS306に進む。ステップS306においては、可動部材210が第2位置(第1位置よりも突出量が大きくなる位置:図19(b)参照)に配置されているか否かを判定する。具体的には、上述した位置検知センサ240からの検知信号に基づいて、可動部材210が第2位置に待機中であるか否かを判定する。
ステップS306にて肯定判定した場合、すなわち可動部材210が第2位置に待機している場合には、ステップS307に進む。ステップS307においては、第3位置への移動処理を実行する。具体的には、ハンドル可変機構200の駆動部230(詳しくはステッピングモータ231)に対して所定のステップ数の駆動信号を出力する。これにより、可動部材210が遊技機前方へ移動し、可動部材210の開口部172からの突出量が増大することとなる。
なお、第3位置への移動処理にて出力される駆動信号のステップ数は、ステッピングモータ231の回動によって可動部材210が第2位置から第3位置に移動し同第3位置にて停止するように設定されており、MPU341のROM342に第3位置への移動処理に対応する情報として予め記憶されている。
一方、ステップS306にて否定判定した場合、すなわち可動部材210が第1位置,第2位置以外の位置に待機している場合には、ステップS308に進む。ステップS308においては、可動部材210が第3位置(第2位置よりも突出量が大きくなる位置:図19(c)参照)に配置されているか否かを判定する。具体的には、上述した位置検知センサ240からの検知信号に基づいて、可動部材210が第3位置に待機中であるか否かを判定する。
ステップS308にて肯定判定した場合、すなわち可動部材210が第3位置に待機している場合には、ステップS309に進む。ステップS309においては、第4位置(最大突出位置:図19(d)参照)への移動処理を実行する。具体的には、ハンドル可変機構200の駆動部230(詳しくはステッピングモータ231)に対して所定のステップ数の駆動信号を出力する。これにより、可動部材210が遊技機前方へ移動し、可動部材210の開口部172からの突出量が増大することとなる。
なお、第4位置への移動処理にて出力される駆動信号のステップ数は、ステッピングモータ231の回動によって可動部材210が第3位置から第4位置に移動し同第4位置にて停止するように設定されており、MPU341のROM342に第4位置への移動処理に対応する情報として予め記憶されている。
一方、ステップS308にて否定判定した場合、すなわち可動部材210が第1位置〜第3位置以外の位置に待機している場合には、ステップS310に進む。ステップS310においては、可動部材210が第4位置(第3位置よりも突出量が大きくなる最大突出位置)に配置されているか否かを判定する。具体的には、上述した位置検知センサ240からの検知信号に基づいて、可動部材210が第4位置に待機中であるか否かを判定する。
ステップS310にて肯定判定した場合、すなわち可動部材210が第4位置に待機している場合には、そのまま本ハンドル装置可変処理を終了する。
ここで、図19を参照して、各移動処理において規定されている可動部材210の移動量について補足説明する。第2位置への移動処理において規定されている可動部材210の移動量LAは、第3位置への移動処理において規定されている可動部材210の移動量LBよりも小さく設定されており、第4位置への移動処理において規定されている可動部材210の移動量LCは、上記移動量LBよりも大きく設定されている。つまり、移動量LA<移動量LB<移動量LCとなっており、報知レベル(警告レベル)が高まるにつれ移動量の増加率が大きくなっている。このため、第1位置から第4位置へ移動するにつれて、開口部172からの突出量は加速的に増加することとなる。これは、報知機能の煩わしさが高まることを抑えつつ、下皿34が満タンであるにも係らず発射操作を継続していることに対する報知機能(警告機能)を高めるための工夫である。
再び図18に戻り、ステップS310にて否定判定した場合、すなわち可動部材210が第1位置〜第4位置のいずれの位置にも待機していない場合には、続くステップS311の位置合わせ処理を実行する。本実施の形態における可動部材210については、遊技者等による押圧操作を許容している。このため、同押圧操作による押圧力が過度に大きくなると、可動部材210の位置が変化し得る。そこで上記位置合わせ処理を実行することで、そのような変化による動作不良等の発生を抑制している。
具体的には、位置合わせ処理においては、ステッピングモータ231を逆回転させる駆動信号を出力し、可動部材210を後退させる(突出方向とは反対側に移動させる)。その後、位置検知センサ240からの検知信号により可動部材210が第1位置〜第4位置のいずれかに到達したことが把握できた時点で上記駆動信号の出力を停止する。これにより、可動部材210の位置合わせが完了する。
次に、ステップS301にて否定判定した場合について説明する。ステップS301にて否定判定した場合、すなわち下皿34が満タンでない場合には、ステップS312に進む。ステップS312においては、位置検知センサ240からの検知信号に基づいて可動部材210が第1位置に待機しているか否かを判定する。可動部材210が第1位置に待機している場合には、そのまま本ハンドル装置可変処理を終了する。
一方、ステップS312にて否定判定した場合、すなわち報知を終了するタイミングにおいては、続くステップS313にて第1位置への移動処理(復帰処理又は報知解除処理)を実行する。第1位置への移動処理においては、ステッピングモータ231を逆回転させる駆動信号を出力して可動部材210を後退させる(突出方向とは反対側に移動させる)。その後、位置検知センサ240からの検知信号により可動部材210が第1位置に到達したことが把握できた時点で上記駆動信号の出力を停止する。これにより、可動部材210が第1位置に復帰し、ハンドル可変機構200による報知が解除されることとなる。
次に、遊技の流れに基づいたハンドル可変機構200の動作の一例について説明する。
遊技球発射ハンドル41を操作することで遊技領域PEに射出された遊技球が作動口64へ入賞すると、主制御装置92のMPU311にて大当たり(特別遊技状態)の抽選が行われる。この抽選の結果、大当たりに当選した場合には、通常遊技状態から特別遊技状態へと移行され可変入賞装置63が開放される。
可変入賞装置63(詳しくは大入賞口)への入賞が発生すると多量の遊技球が払い出されることとなり、それら払い出された遊技球は先ず上皿33へと誘導される。この際、上皿33における許容量を超えた遊技球が払い出されると、それら遊技球は下皿34に誘導されることとなる。
その後、下皿34が満タンになると、満タン検知センサ38から主制御装置92に満タン検知の信号が出力される。このようにして、主制御装置92にて下皿34が満タンである旨が把握されると、払出装置134による遊技球の払い出しが一時的に停止されることとなる。この間に、可変入賞装置63への入賞が発生した場合には、同入賞に基づく賞球情報が主制御装置92にて記憶されたままとなり、上記満タン状態が解消された後に、未払いの遊技球が払い出されることとなる。
ここで、上述の如く主制御装置92に下皿34が満タンである旨が把握された場合には、遊技球の払い出しを停止するとともに、図柄表示装置71の表示画面にて、下皿34が満タンである旨を示唆する表示(例えば「球を抜いてください」等の表示)がなされる。また、これに併せてハンドル可変機構200を駆動することにより、遊技球発射ハンドル41による発射操作が困難となる状態へ移行される。
具体的には、図19(a)→図19(b)に示すように、可動部材210が第1位置から第2位置へ移動する。これにより、回動操作部材160を手の平Pとハンドルベース150によって挟持することが困難となる。詳しくは、可動部材210の段差部215が回動操作部材160の前側環状突部167(詳しくはその前面167a)から離間し、可動部材210を遊技機後方へ押圧することで、段差部215及び前側環状突部167の接触部位と対向部157及び後側環状突部168の接触部位とに生じる摩擦抵抗を高めることが困難となる。このため、図19(b)に示す状態にて遊技球の発射を継続しようとすれば指F等を回動操作部材160の指掛け操作部164に対して当接させる等して同回動操作部材160の初期位置への復帰を阻止する必要が生じる。
また、図19(a)に示す状態では手の平Pによって可動部材210の曲面部222が押圧されているが、同可動部材210の開口部172からの突出に伴って同手の平Pが遊技機前方に押されることとなる。これにより、遊技者は遊技球発射ハンドル41が変形した旨を把握することができる。
図19(b)に示すように、可動部材210が移動して、遊技球の発射操作が難しくなった場合に、同遊技球発射ハンドル41(詳しくは回動操作部材160)から手を離すと、可動部材210のそれ以上の突出が回避されることとなる。但し、同可動部材210を第1位置(初期位置)に復帰させるには、下皿34から遊技球を取り出す等して、満タン状態を解除する必要がある。
また、図19(b)に示す状態において、一方の手を遊技球発射ハンドル41に添えたまま(回動操作部材160に触れたまま)、他方の手等で下皿34に貯留されている遊技球を取り出す等して満タン状態が解除された場合には、可動部材210が後退して、図19(a)に示す状態に復帰する。これにより、遊技球発射ハンドル41の操作が容易化されることとなる。
一方、図19(b)に示す状態にて、下皿34が満タンのまま遊技球発射ハンドル41による発射操作を継続すると、可動部材210が第2位置へ移動し、同可動部材210の開口部172からの突出量が増大することとなる。この際、図19(a)→図19(b)における増加量LAよりも、図19(b)→図19(c)における増加量LBのほうが大きく設定されており、図19(c)に示す状態では、可動部材210の曲面部222回動操作部材160の指掛け操作部164から遠ざかることにより、指Fの付け根に近い位置で指掛け操作部164を操作することが難しくなる。
係る状態にておいては、遊技球発射ハンドル41(詳しくは回動操作部材160)から指を離すことで、それ以上の可動部材210の突出が回避されることとなる。また、満タン状態が解除された場合には、可動部材210が第1位置(初期位置)に復帰する。これにより、操作性の低下が払拭されることとなる。
可動部材210が第3位置に配された状態にて満タン状態のまま遊技球の発射操作が継続されると、可動部材210が遊技機前方に移動し第4位置へと到達する。この際、図19(b)→図19(c)における増加量LBよりも、図19(c)→図19(d)における増加量LCのほうが大きく設定されており、図19(d)に示す状態では、可動部材210の曲面部222回動操作部材160の指掛け操作部164から更に遠ざかることにより、指Fの付け根に近い位置で指掛け操作部164を操作することが一層難しくなる。
係る状態にておいては、満タン状態が解除されることで可動部材210が第1位置(初期位置)に復帰する。これにより、操作性の低下が払拭されることとなる。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
パチンコ機10において下皿34が満タンになると、遊技球の払い出しが満タン状態が解消されるまで遅延されることとなり、遅延期間中の入賞に基づいた遊技球の払い出しも上記満タン状態が解消されるまで遅延されることとなる。これにより、遊技球の払い出しが不可となることに起因した不利益の発生を抑制することができる。
しかしながら、係る構成においては、仮に遅延期間中に不正信号が出力される等して誤検知等を発生させるといった不正行為が行われた場合には、上記遅延が終了した後に正当な取得に係る遊技球と不正な取得に係る遊技球とがまとめて払い出されることとなる。このため、ホール管理者等にとって払い出し状況等を目視等によって確認することにより不正行為を見つけることが困難になると想定される。
この点、本実施の形態においては、遊技球の払い出しが一時的停止された場合、すなわちパチンコ機10に払い出しに関する異常が発生している場合には、遊技球発射ハンドル41が変形することにより、遊技球の払い出しが許容されている状態と比較して遊技球の発射操作が困難となる。これにより、遊技球の発射操作を抑制することができ、上述したような不正行為の隠蔽工作を難しくすることができる。
特に、遊技球発射ハンドル41が変形することにより、発射操作を困難化することで、遊技者に対して遊技球の発射操作を控えたほうが好ましい状況であることを示唆することができる。遊技球発射ハンドル41は、遊技の進行に際して操作される部位であるため、同遊技球発射ハンドル41に対して示唆機能を付与することで、同機能を好適に発揮させることができる。
また、遊技球発射ハンドル41が変形することで他の遊技者やホール管理者等の注意を引きやすくなると想定される。つまり、遊技球発射ハンドル41に視覚的な報知機能を付与することができ、異常の早期発見等に貢献することができる。
遊技球発射ハンドル41が前扉枠14の前面に設けられている構成においては、同遊技球発射ハンドル41へのアクセスが遊技機前方から行われやすいと想定される。そこで、ハンドル可変機構200によって前部カバー170の一部を構成している可動部材210を変形させる構成とすることにより、例えばハンドルベース150の一部を変形させる構成と比較して以下の有利な効果を期待できる。すなわち、遊技球の発射操作時に遊技者の手等が触れやすいと想定される前部カバー170の一部を変形させることで、遊技者に対して可動部材210の移動による触覚的な変化を好適に伝えることができる。また、前部カバー170に関しては、ハンドルベース150等と比較して遊技機前方からの視認性が高いと想定され、上記報知機能の向上が期待できる。
前部カバー170は、回動操作部材160よりも前側に位置していることから、同回動操作部材160を手動操作しようとした場合には、指や手の平等が前部カバーに対して近接又は当接しやすいと想定される。特に、前部カバー170については、遊技球発射ハンドル41に対して手を添えている状態にて手の重みを預けやすい部位であると想定され、当該前部カバーが上記手動操作の際に手の載置対象となりやすいと考えられる。
ここで、前部カバー170の一部を構成する可動部材210が回動操作部材160から遠ざかる側に変位することにより、同可動部材210の変位によって指や手の平等が回動操作部材160から遠ざかる側に押されやすくなる。つまり、可動部材210の変位によって手を回動操作部材160から遠ざけることにより同回動操作部材160へのアクセスを妨げやすくなり、遊技球の発射操作の困難化を好適に実現することが可能となる。故に、遊技球発射ハンドル41が変形した際の示唆機能等を好適に向上することができる。
回動操作部材160においては指掛け操作部164が当該回動操作部材160の周方向に並べて配設されている。これにより、遊技球発射ハンドル41を遊技機側方(左方や右方から)から把持する場合と比較して、同遊技球発射ハンドル41を遊技機前方から把持することでそれら指掛け操作部164を好適に利用することができる。具体的には、各指掛け操作部164に対して各指を個々に引っ掛けることで、操作負荷を各指に好適に分散させることができ、発射操作に起因した疲れ等を好適に抑えることができる。このような操作を行った場合には遊技球発射ハンドル41に添えた手の平が前部カバー170側を向くこととなる。このように手の平が前部カバー170と対向している状態にて回動操作部材160を回動させた場合には、指先の位置は回動操作量に応じて変化しやすいものの、手の平の位置は指先の位置と比較して変化が小さくなると想定される。
そこで、前部カバー170において回動操作部材160の回動中心寄りとなる位置に可動部材210を配する構成とすれば、回動操作量によらず可動部材210を手に対して接触させやすくなる。これにより、ハンドル可変機構200による示唆機能等が、回動操作部材160の操作量によって発揮されにくくなる場合が生じることを好適に抑制することができる。これにより、実用上好ましい構成を実現できる。
前部カバー170については、遊技球発射ハンドル41に対して手を添えている状態にて手の重みを預けやすい部位であると想定される。特に、前部カバー170が遊技機前方に凸となる略半球状をなしていることで、同前部カバー170の上側半球部分に対して手を載せやすくなっている。
そこで、前部カバー170(詳しくは把持部171)において遊技機上方を向く成分を有している範囲に可動部材210(詳しくは曲面部222)を配置することにより、可動部材210が移動することで、同可動部材210を手に対して接触させやすくなる。これにより、上記示唆機能を好適に発揮させることが可能となる。
遊技球の発射操作を行う場合には、指掛け操作部164に対して指を引っ掛けた状態で回動操作部材160を回動させるとともに、所望とする操作位置にて指掛け操作部164に対して引っ掛けた指を固定することにより、遊技球の発射強度を一定化することができる。係る構成においては、発射操作を行う際に指掛け操作部164に当接している指に生じる負荷が大きくなりやすいと想定される。この点、本特徴においては、上記可動部材210を回動操作部材160側へ押圧することにより、同回動操作部材160の回動が妨げられることとなる。これにより、発射操作時に指に生じる負荷を手の平等に好適に分散させることができる。つまり、可動部材210には発射操作時の疲労を低減する機能が付与されている。このため、発射操作が行われる場合に同可動部材210に対してアクセスされる機会を増やすことができ、上記示唆機能等を好適に発揮させることが可能となる。
例えば特別遊技状態においては、異常の発生に伴って直ちに遊技球の発射操作(遊技の進行)を不可としてしまうと、本来得られるはずであった特典等の取りこぼしが生じやすくなると想定される。具体的には、可変入賞装置63の開放期間が限られているため、遊技球を発射すべきタイミングで、遊技球の発射操作を行うことができなかった場合には、本来得られるはずの遊技球の払い出しを受けることができなくなる。特に、遊技機の仕様を熟知していない初心者の場合には、上記示唆に伴って直ぐに遊技球発射ハンドル41から手を離すことにより、上記取りこぼしに起因した損失が大きくなりやすいと考えられる。
この点、本実施の形態においては可動部材210の突出量が発射操作の継続によって徐々に大きくなり、遊技球の発射操作が満タン時における同発射操作の継続によって徐々に困難化される構成を採用することで、遊技者に対して操作停止までの猶予期間を与えることができる。これにより、遊技者が故意に発生させた異常等でないにも係らず、発射操作が困難となることで同遊技者が不利益を被るといった不都合を好適に抑制することができる。
上述した満タン状態は、遊技者に不正な意図が無い場合であっても発生し得る。そこで、発射操作回避を可動部材210の初期位置への復帰条件とするのではなく、満タン状態の解消を初期状態への復帰条件とした。このため、可動部材210が遊技機前方への移動を開始した後、同可動部材210が第4位置へ到達する前の段階にて、発射操作を困難ながら継続している場合であっても、下皿34の満タン状態を解消することで、可動部材210が初期位置へと復帰することとなる。これにより、上記特別遊技状態中等に生じ得る不利益を好適に抑えることができる。
また、可動部材210を第2位置→第3位置→第4位置の順に移動させることで、突出量を段階的に増加させる構成とし、遊技者が発射操作を止めた場合には、第4位置へ到達する前に可動部材210の移動を停止する構成とした。このように、発射操作の回避によって可動部材210の移動を停止させることにより、可動部材210を初期位置へ復帰させるのに要する期間を短縮することができ、異常解消後の遊技進行の円滑化に貢献することができる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、遊技機における異常の発生を条件として遊技球発射ハンドル41を変形させる構成を採用したが、本実施の形態では遊技球発射ハンドル41を変形させる条件が上記第1の実施の形態と異なっている。具体的には、演出手段の一つとして遊技球発射ハンドル41を変形させる構成を採用している。そこで、以下に遊技球発射ハンドル41の変形に関連する構成について詳細に説明する。なお、以下の説明では上記第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、同一の構成については基本的に説明を省略する。因みに、遊技球発射ハンドル41の構成については同様であるため説明を省略する。
先ず、図20のブロック図を参照して電気的構成における相違点について説明する。第1の実施の形態におけるハンドル可変機構200は、電源・発射制御装置143(詳しくは電源・発射制御基板321)に対して電気的に接続されていたのに対して、本実施の形態におけるハンドル可変機構200は音声ランプ制御装置101(詳しくは音声ランプ制御基板326)に対して電気的に接続されている。つまり、ハンドル可変機構200における可動部材210の位置検知用の検知センサ(位置検知センサ240)からの検知信号は音声ランプ制御装置101に対して入力され、ハンドル可変機構200におけるステッピングモータ231に対しては音声ランプ制御装置101から駆動信号が出力される。
遊技球発射ハンドル41におけるタッチセンサ190に関しては電源・発射制御基板321に対して電気的に接続されており、遊技球発射ハンドル41が操作されているかを電源・発射制御装置143にて把握可能となっている。このタッチセンサ190からの検知信号等に基づいて発射操作が行われていると判定した場合には、その旨を示すコマンドが中継端子板325を通じて音声ランプ制御装置101に対して出力される。
本実施の形態においては、遊技結果が大当たりに対応する遊技結果となった場合に、ハンドル可変機構200による演出を実行する構成が採用されている。そこで以下、図21のフローチャートを参照して第1の実施の形態に示した遊技状態移行処理について補足説明し、その後、図22のフローチャートを参照して音声ランプ制御装置101にて実行されるハンドル装置可変処理について説明する。遊技状態移行処理は主制御装置92のMPU311にて定期的に行われる処理である。
<遊技状態移行処理>
先ず、ステップS401では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS402に進み、1の遊技回の第1特定ランプ部73における変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS403にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、主制御装置92のRAM313における各種フラグ格納エリア313bに、確変大当たりフラグ、通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記確変大当たりフラグ及び通常大当たりフラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS404にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのオープニング用に可変入賞装置63の大入賞口の開放を開始することなく待機するためのオープニング用待機時間(開始用待機期間)を設定する。具体的には、RAM313の各種カウンタエリア313aに設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM312に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報をセットする。この場合に、開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かによりセットされる待機時間情報が異なっており、当該待機時間情報は低頻度入賞モードの方が高頻度入賞モードよりも待機時間が短くなるように設定されている。例えば、高頻度入賞モードでは、待機時間が1secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されており、低頻度入賞モードでは、待機時間が0.2secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されている。ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理(図16)が実行される度に1減算される。
続くステップS405では、今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM313に、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。高頻度入賞モードでない場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には、ステップS406にて、RAM313の各種カウンタエリア313aに設けられたラウンドカウンタRCに、「2」をセットする。ラウンドカウンタRCは、大入賞口が開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、高頻度入賞モードである場合には、ステップS407にて、ラウンドカウンタRCに、「15」をセットする。
ステップS406又はステップS407の処理を実行した後は、ステップS408にてオープニングコマンドを設定した後に、本遊技状態移行処理を終了する。ステップS408にて設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図17)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置101に送信される。このオープニングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。
音声ランプ制御装置101では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードにおけるランプ部23の発光パターンやスピーカ部26からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるようにランプ部23やスピーカ部26を制御する。また、音声ランプ制御装置101は、上記オープニングコマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置327に送信する。表示制御装置327では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を図柄表示装置71において開始させる。
一方、開閉実行モード中である場合(ステップS401:YES)には、ステップS409に進む。ステップS409では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS410にて大入賞口開閉処理を実行する。
大入賞口開閉処理では、大入賞口が閉鎖中である場合には、ラウンドカウンタRCが「1」以上であることを条件として、可変入賞装置63を駆動状態とすることで大入賞口を開放させる。また、大入賞口が開放中である場合には、当該大入賞口の開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入賞していることを条件として、可変入賞装置63の駆動状態を停止し、大入賞口を閉鎖させる。
ステップS410にて大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップS411にてラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS412にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。ここで、本パチンコ機10では、開閉実行モードの終了に際しては図柄表示装置71などにてエンディング用の演出が実行されるように構成されており、エンディング用の待機時間とは当該エンディング用の演出が終了するまで主制御装置92にて次の遊技回の開始を待機するための期間である。
ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS413にて、エンディングコマンドを設定する。当該エンディングコマンドは、通常処理(図17)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置101に送信される。音声ランプ制御装置101は、受信したエンディングコマンドに基づいて、ランプ部23やスピーカ部26における開閉実行モード用の演出を終了させる。また、音声ランプ制御装置101は、上記エンディングコマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置327に送信する。表示制御装置327では、受信したエンディングコマンドに基づいて、図柄表示装置71における開閉実行モード用の演出を終了させる。
続くステップS414では、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。当該移行処理では、RAM313に確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグのいずれが格納されているか否かを判定する。そして、確変大当たりフラグが格納されている場合には、当否抽選モードを高確率モードに設定するとともにサポートモードを高頻度サポートモードに設定し、通常大当たりフラグが格納されている場合には、当否抽選モードを低確率モードに設定するとともにサポートモードを高頻度サポートモードに設定する。
ちなみに、通常大当たりフラグが格納されている場合には、RAM313の各種カウンタエリア313aにおける遊技回数カウンタに終了基準回数である「100」をセットする。かかる遊技回回数カウンタは、上述した変動開始処理が実行される度に1減算され、遊技回数カウンタの値が「0」となった場合にはサポートモードが低頻度サポートモードに設定される。
その後、ステップS415にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、確変大当たりフラグ、通常大当たりフラグのいずれかが格納されている場合には、それを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。
<ハンドル装置可変処理>
次に、図22のフローチャートを参照して音声ランプ制御装置101にて実行される。ハンドル装置可変処理について説明する。ハンドル装置可変処理は、音声ランプ制御装置101のMPU351にて定期的に実行される処理である。
ハンドル装置可変処理においては先ず、ステップS501にて、今回の遊技結果が大当たりに対応するものであるか否かを判定する。具体的には、主制御装置92にて実行される大当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合には、同主制御装置92からその旨を示すコマンドが音声ランプ制御装置101に出力される。ステップS501においてはその大当たり対応コマンドを受信している場合に肯定判定する。
ステップS501にて肯定判定した場合には、続くステップS502にて演出実行抽選に当選しているか否かを判定する。具体的には、音声ランプ制御装置101のROM352には、主制御装置92から出力された遊技回用コマンドに対応する演出抽選用テーブルが記憶されており、同演出抽選テーブルを用いて抽選を行うことで、ハンドル可変機構200による演出を実行するか否かを決定する。
ステップS502又はステップS501にて否定判定した場合には、そのまま本ハンドル装置可変処理を終了する。
一方、ステップS502にて肯定判定した場合、すなわち大当たりに当選し且つハンドル可変機構200による演出抽選に当選した場合には、続くステップS503に進む。ステップS503においては、遊技球発射ハンドル41の回動操作部材160が操作されているか否かを判定する。具体的には、タッチセンサ190からの検知信号に基づいて上記回動操作部材160に対して指等が接触しているか否かを判定するとともに、上記可変抵抗器からの情報に基づいて回動操作部材160が初期位置から移動しているか否かを判定する。言い換えれば、遊技球発射機構80(詳しくはソレノイド81)に対して駆動信号が出力されているか否かを判定する。
ステップS503にて否定判定した場合には、ステップS504に進む。ステップS504では、主制御装置92から受信している保留球数コマンドが最大保留数(詳しくは上限「4」)に対応するものであるか否かを判定する。本ステップS504にて肯定判定した場合又は上記ステップS503にて肯定判定した場合、すなわち遊技球の発射操作中又は保留数が最大である場合には、以下のステップS505〜S513に示す演出用処理を実行する。
先ずステップS505においては演出の開始タイミングであるか否かを判定する。具体的には、ROM352には図柄の変動表示開始後どのタイミングにて演出を開始するかが予めカウント数(タイミングデータ)として記憶されているとともに、RAM353の各種カウンタエリア353aには同カウント数をセットする開始タイミング用タイマカウンタが設けられている。本ステップS503にて否定判定するたびに同開始タイミング用タイマカウンタの値を減算し、当該開始タイミング用タイマカウンタの値が0となった場合に、ステップS503にて肯定判定する。これにより、詳しく変動表示が行われている期間中であってリーチ変動表示が実行されるタイミングにて、遊技球発射ハンドル41の変形による演出が開始される。
ステップS505にて肯定判定した場合には、続くステップS506に進む。ステップS506の第2位置への移動処理においては、ハンドル可変機構200のステッピングモータ231に対して所定パルス数の駆動信号を出力し、可動部材210を第1位置から第2位置へ移動させる。
ステップS506にて可動部材210の移動処理を実行した後、又はステップS505にて否定判定した場合には、続くステップS507にてハンドル可変機構200の可動部材210が移動中であるか否かを判定する。具体的には、ハンドル可変機構200の駆動部230(詳しくはステッピングモータ231)に対して、駆動信号が出力されている最中であるか否かを判定する。同ステップS507にて否定判定した場合、すなわち可動部材20が移動中でない場合には、ステップS508〜S511に進む。
ステップS508〜511の処理においては、可動部材210が停止中であることを条件として、可動部材210の移動処理を実行する。先ず、ステップS508においては、可動部材210が第2位置に配置されているか否かを判定する。具体的には、上述した位置検知センサ240からの検知信号に基づいて、可動部材210が第2位置に待機中であるか否かを判定する。
ステップS508にて肯定判定した場合、すなわち可動部材210が第2位置に待機している場合には、ステップS509に進む。ステップS509においては、第3位置への移動処理を実行する。具体的には、ハンドル可変機構200の駆動部230(詳しくはステッピングモータ231)に対して所定のステップ数の駆動信号を出力する。これにより、可動部材210が遊技機前方へ移動し、当該可動部材210の開口部172からの突出量が増大することとなる。
一方、ステップS508にて否定判定した場合には、ステップS510に進み、可動部材210が第3位置に配置されているか否かを判定する。具体的には、上述した位置検知センサ240からの検知信号に基づいて、可動部材210が第3位置に待機中であるか否かを判定する。当該ステップS510にて肯定判定した場合、すなわち可動部材210が第3位置に待機している場合には、ステップS511に進む。ステップS511においては、第4位置への移動処理を実行する。具体的には、ハンドル可変機構200の駆動部230(詳しくはステッピングモータ231)に対して所定のステップ数の駆動信号を出力する。これにより、可動部材210が遊技機前方へ移動し、当該可動部材210の開口部172からの突出量が増大することとなる。
ステップS509,S511にて可動部材210の移動処理を実行した後、ステップS505にて肯定判定をした場合、又はステップS504にて否定判定した場合には、ステップS512に進む。ステップS512では、ハンドル可変機構200による演出を終了するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、ROM352には図柄の変動表示開始後どのタイミングにて演出を終了するかを定めたタイミングデータ(詳しくはカウント数)が記憶されているとともに、RAM353の各種カウンタエリア353aには同カウント数をセットする終了タイミング用タイマカウンタが設けられている。本ステップS512にて否定判定するたびに同終了タイミング用タイマカウンタの値を減算し、当該終了タイミング用タイマカウンタの値が0となった場合に、ステップS512にて肯定判定する。
ステップS512にて肯定判定した場合には、続くステップS513にて第1位置への移動処理(復帰処理又は演出解除処理)を実行する。第1位置への移動処理においては、ステッピングモータ231に対して同ステッピングモータ231を逆回転させる駆動信号を出力して可動部材210を後退させる(突出方向とは反対側に移動させる)。その後、位置検知センサ240からの検知信号により可動部材210が第1位置に到達したことが把握できた時点で上記駆動信号の出力を停止する。これにより、可動部材210が第1位置に復帰し、ハンドル可変機構200による演出が解除されることとなる。ステップS513にて可動部材210の移動処理を実行した後、又はステップS501,S502にて否定判定した場合には、ハンドル装置可変処理用のフラグ等を消去して本ハンドル装置可変処理を終了する。
ここで、ステップS512に示した演出の終了タイミングについて補足説明する。上述した遊技球発射ハンドル41による演出は、大当たり当選時において実行される。大当たり当選時には、可変入賞装置63の開放に先行して、上述したオープニング画像(詳しくは動画)の表示が行われる。本実施の形態においては、遊技球発射ハンドル41を用いた演出の終了タイミングは、オープニング画像が表示されている期間中であって可変入賞装置63が開放される前のタイミングとなるように設定されている。より詳しくは、可動部材210が第1位置に復帰した後のタイミングにて回動操作部材160を操作すれば、同操作に基づいて発射された遊技球が、可変入賞装置63の開放に間に合うように設定されている。
以上詳述した第2の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技球発射ハンドル41を遊技状況に応じて変形させることにより、触覚的且つ視覚的な演出を行うことができる。例えば、ランプ部等による視覚的な演出やスピーカ部等による聴覚的な演出とは異なり、視覚及び触覚に対して複合的にうったえる演出を実現することができる。これにより、遊技機における演出の多様化に貢献することが可能である。
遊技球発射ハンドル41を有する構成においては、遊技進行に際して同遊技球発射ハンドル41が手動操作される。この際、遊技者の手が同遊技球発射ハンドル41に対して触れた状態となりやすい。そこで、このように遊技者の手が触れやすい部位を変形させることにより、触覚的に同特定の遊技結果となったことを示唆することが可能となる。このように遊技者が触れる可能性の高い部位に、触覚的な示唆機能を付与することで、演出機能を好適に発揮させることが可能となる。
本実施の形態においては、遊技球発射ハンドル41による発射操作が行われていない場合には、ハンドル可変機構200による演出が不可となる。このため、係る演出等を体感したい遊技者に遊技球の発射操作を促すことができる。これにより、遊技機における稼働率向上に貢献することができる。
保留球数に上限が設けられている構成においては、同保留球数が上限に達している状態にて遊技球の発射を継続した場合に遊技球が無駄に消費される可能性が高くなる。そこで、遊技球発射ハンドル41による発射操作が行われていない場合であっても保留球数が上限に達していることを条件として遊技球発射ハンドル41における演出を許容する構成とした。これにより、遊技者が遊技球発射ハンドル41における演出を期待して遊技球の発射操作を継続することにより同遊技者に対して不利益が生じやすくなるといった不都合を好適に払拭することができる。これにより、演出機能等の向上を図りつつそれに起因した遊技の健全性の低下を好適に抑制することができる。
作動口64への入球が発生することで図柄表示装置71の表示画面にて図柄が変動表示される。このように図柄が変動表示されていることを条件としてハンドル可変機構200よる可動部材210の移動が開始される構成とすることで、同ハンドル可変機構200による演出等を体感したい遊技者に図柄が変動表示されている最中での遊技球の発射操作を促すことができる。これにより、遊技機における稼働率向上に貢献することができる。
特に、絵柄の変動表示中に示唆演出としてリーチ変動表示を行う構成においては、同リーチ変動表示が行われている場合に、同リーチ変動表示に注目しようとして遊技球の発射操作が一時的に停止されやすいと想定される。これは、遊技機における稼働率を低下させる要因となり得るため好ましくない。この点、リーチ変動表示が行われている場合に可動部材210の移動を開始させる構成とすることで、リーチ変動表示中での発射操作の回避を好適に抑制することができる。これにより、遊技機における稼働率の低下を抑えることができる。
遊技球の発射操作を行う場合には、指掛け操作部164に対して指を引っ掛けた状態で操作部材を回動させるとともに、所望とする操作位置にて指掛け操作部164に対して引っ掛けた指を固定することにより、遊技球の発射強度を一定化することができる。係る構成においては、発射操作を行う際に指掛け操作部164に当接している指に生じる負荷が大きくなりやすいと想定される。この点、可動部材210(詳しくは曲面部222)を回動操作部材160側に押圧することにより、同回動操作部材160の回動が妨げられることとなる。これにより、上記指に生じる負荷を好適に分散させることができる。つまり、可動部材210には発射操作時の疲労を低減する機能が付与されている。このため、発射操作が行われる場合に同可動部材210に対してアクセスされる機会を増やすことができ、上記演出機能を好適に発揮させることができる。
遊技球の発射操作を行う場合には、遊技球発射ハンドル41の前部カバー170に対して手を載せることにより、手の重みの一部を同遊技球発射ハンドル41に対して預けることができる。そこで、可動部材210によって前部カバーの一部を構成することにより、遊技球発射ハンドル41に対して手を添えた際の可動部材210へのアクセスを促進することができる。これにより、上述した演出機能を一層好適に発揮させることができる。
特に、前部カバー170の把持部171は回動操作部材160とは反対側に凸となる略半球状をなしており、可動部材210の曲面部222は、当該可動部材210が初期位置に配置されている状態にて上記把持部171を含む仮想球面G上に位置するようにして配置されている。これにより、可動部材210が押圧された場合に、当該押圧力を可動部材210を回動操作部材160側へと移動させるように作用させることができる。これにより、手の重みを利用して、回動操作部材160を所望とする位置に保持することが可能となり、実用上好ましい構成を実現できる。
特別遊技状態の抽選に当選した場合には、遊技回終了後に特別遊技状態に移行する。この移行期間中においては遊技球の発射を継続することが遊技者の不利益になる可能性がある。特に、遊技機の仕様を熟知していない遊技初心者においては、上記不利益を被りやすいと想定される。この点、遊技球発射ハンドル41による演出が大当たり時に実行される構成とし、同演出によって遊技球の発射操作を困難とすることにより、以下の効果が期待できる。すなわち、上述した不都合を払拭し、遊技者が被る不利益を抑えることができる。
ハンドルの復帰が特別遊技状態への移行に対して遅れることで、遊技者が本来享受できるはずの利益を享受できなくなる可能性が高まる。つまり不利益が生じる可能性がある。特に、遊技機の仕様を熟知していない遊技初心者にとっては、遊技球発射ハンドル41が復帰するまでまって遊技球の発射を再開することで不利益が大きくなることは好ましくない。この点、本実施の形態においては、大当たり当選時に遊技球発射ハンドル41による演出を実行する場合には、特別遊技状態への移行が完了し可変入賞装置63が開放されるまでに遊技球発射ハンドル41が変形前の状態に復帰する構成とした。これにより、上記不都合の発生を好適に抑えることができる。
例えば、遊技球発射ハンドル41を発光させる構成を採用した場合、遊技者の注意が図柄表示装置71等に向きやすい点に鑑みると発光による演出効果を好適に機能させることが難しいと想定される。この点、操作対象としての遊技球発射ハンドル41を変形させる構成とすれば、同遊技球発射ハンドル41による演出機能を好適に発揮させることができる。
また、例えば遊技球発射ハンドル41を振動させる構成等を採用した場合には、確かに遊技者に対して触覚的な変化を伝えることができる。しかしながら、遊技球発射ハンドル41については、遊技球の発射速度を微妙に調整することで、遊技進行に有利不利の差が生じる部位である。ここで、上記振動によって演出を行う構成とすれば同振動によって回動操作部材160の位置がずれるとした場合には、同演出が遊技者にとって不利に働く可能性が高くなる。この点、本特徴においては、回動操作部材の回動中心軸線方向に可動部材210が移動するため、それによって回動操作部材160の位置が変化することを好適に抑制することができる。これにより、遊技球発射ハンドル41に演出機能を付与しつつ、それに起因した操作性の低下等を好適に抑制することができる。
<第3の実施の形態>
上記第2の実施の形態におけるハンドル可変機構200においては可動部材210の駆動部230がステッピングモータ231を有する構成とし、同ステッピングモータ231からの動力をラック212及びピニオン232を用いて可動部材210に伝える構成としたが、本実施の形態においては、駆動部及び駆動部からの動力を可動部材に伝える構成が上記第2の実施の形態と異なっている。そこで以下、図23に基づき駆動部及びそれに付随する構成について説明する。図23は本実施の形態における遊技球発射ハンドルの内部構造を示す概略図である。なお、以下の説明では、上記第2の実施の形態との相違点を中心に説明し、同一の構成については基本的に説明を省略する。
遊技球発射ハンドル41Xにおける駆動部230Xは上記ステッピングモータ231に代えてソレノイド231Xを有している。ソレノイド231Xは、円柱状のシャフト501Xと、同シャフト501Xと同一方向に延びる円筒状のプランジャ502Xとを有している。それらシャフト501X及びプランジャ502Xは、磁性ステンレス鋼等の強磁性体によって形成されており、同プランジャ502Xの内部にシャフト501Xが圧入された状態で一体化されている。プランジャ502Xは、その中心軸線がシャフト501Xの中心軸線と重なる(一致する)ように形成されているとともに、シャフト501Xの略中央に(詳しくは軸線方向における略中間位置)に配されている。つまり、シャフト501X及びプランジャ502Xが一体化された状態においては、プランジャ502Xの両側からシャフト501Xが突出している。
プランジャ502Xは、励磁コイル503Xが巻きつけられたボビン504Xに対して挿通されており、同励磁コイル503Xが通電されることにより、プランジャ502Xが上記中心軸線方向に移動される構成となっている。
ソレノイド231Xは、これらボビン504X及びプランジャ502Xを収容する金属製のケース505Xを有している。ケース505Xには、当該ケース505Xの内外に貫通する貫通孔が形成されており、当該貫通孔に上記シャフト501Xを軸支する軸受け部材506が取り付けられている。シャフト501Xが軸受け部材506Xによって軸支されることで、同シャフト501Xの移動方向が規定されている。
シャフト501Xは、上記軸受け部材506Xから上記可動部材210X側に突出している。この突出している部分が、可動部材210Xの挿通部211Xに形成されたホルダ213Xに対して取り付けられている。
ケース505Xにおいて軸受け部材506Xが取り付けられた内壁面と上記プランジャ502Xと間には、プランジャ502X(シャフト501X)を可動部材210Xとは反対側に付勢する付勢手段としのコイルバネ507Xが設けられている。このコイルバネ507Xによって付勢されたプランジャ502Xはホルダ213Xにおける可動部材210Xとは反対側の内壁面に対して当接することで同付勢方向への移動が阻止されている。これにより、シャフト501Xが初期位置にて待機した状態となっている。上述の如く励磁コイル503が通電された場合には、シャフト501Xが上記付勢力に抗して可動部材210X側に移動することとなる。
ここで、図23の部分拡大図を参照してソレノイド231Xと可動部材210Xとの連結構造について説明する。ホルダ213Xはシャフト501Xの中心軸線と同一方向に延びる円筒状をなしており、当該ホルダ213Xに対してシャフト501Xが挿通されている。ホルダ213Xの内径寸法は、シャフト501Xの外径寸法よりも若干大きく設定されており、当該ホルダ213X内でのシャフト501Xの移動が許容されている。
ホルダ213Xの中間部位、詳しくは上記シャフト501Xが挿通されている部分には、内外に貫通する貫通孔511Xが形成されており、当該貫通孔511Xに対してホルダ213Xの外側からピン部材512Xが挿通されている。ピン部材512Xは、その先端部分がホルダ213X内に突出しており、この先端部分との干渉を回避するようにしてシャフト501Xには凹部508Xが形成されている。つまり、この凹部508Xに対してピン部材512Xが嵌まった状態となっている。
凹部508Xは、シャフト501Xの軸線方向に延びており、その前面508aXがピン部材512Xの先端部に対して遊技機前方から当接している。一方、凹部508Xの後面508bXについては、ピン部材512Xに対して所定の隙間を隔てて対峙している。この隙間寸法D5は、上記第2の実施の形態における隙間寸法D1及び隙間寸法D2の和よりも僅かに大きく設定されている(図12参照)。
ホルダ213Xに挿通されたシャフト501Xの先端(前側の端部)が上記挿通部211の後面に対して所定の隙間を隔てて対向している。この隙間寸法D6は、上記第1の実施の形態における隙間寸法D1及び隙間寸法D2の和よりも僅かに大きく設定されている(図12参照)とともに、上記隙間寸法D5よりも小さく設定されている。
以上詳述した連結構造を採用することにより、可動部材210の後方への移動、すなわち可動部材210の押圧操作が許容され、第2の実施の形態に示した回動操作部材160の挟持機能を発揮することが可能となっている。
ここで、図24に基づき本実施の形態におけるハンドル可変機構200Xの動作について説明する。図24はハンドル可変機構200Xの動作を示す概略図である。
図24(a)に示すように可動部材210Xが初期位置に待機している状態にて遊技機後方に押圧された場合には、可動部材210Xが後方に移動する。この際、可動部材210Xのピン部材512は、ハンドル可変機構200Xにおけるシャフト501Xの凹部508内を移動する。これにより、シャフト501Xとピン部材512との干渉が回避されるため、可動部材210Xの移動が妨げられることはない。
図24(b)に示すように、可動部材210が最も後寄りととなる位置に移動すると、上記第1及び第2の実施の形態と同様に、回動操作部材160がハンドルベース150と可動部材210Xによって挟まれた状態となる。この際、回動操作部材160の回動を妨げるようにして、上記回動操作部材160,ハンドルベース150,可動部材210X間に生じる摩擦力が高まり、回動操作部材160を操作位置にて保持することが容易となる。
図24(b)に示す状態にて、ソレノイド231Xの励磁コイル503Xが通電されると、プランジャ502Xがコイルバネ507Xの付勢力に抗して可動部材210X側に移動する。この際、シャフト501Xにおける凹部508の後面508bが可動部材210Xのピン部材512に対して遊技機後方から当接し、同ピン部材512が遊技機前方に押されることとなる。これにより、可動部材210Xが遊技機前方に移動し、同可動部材210Xが前部カバー170の開口部172から突出する。そして、同可動部材210Xの突条部223が前部カバー170のフランジ部173に対して遊技機後方から当接することにより、同可動部材210Xの前方への移動が妨げられることとなる。すなわち、可動部材210Xが最前位置にて待機することとなる。
このように、可動部材210Xが開口部172から突出した状態において、上記励磁コイル503Xの通電が解除されると、コイルバネ507Xの付勢力により、プランジャ502Xが遊技機後方(初期位置)へと押されることとなる。この際、シャフト501Xにおける凹部508の前面508aが可動部材210のピン部材512に対して遊技機前方から当接し、可動部材210Xが遊技機後方へと引っ張られることとなる。その後、プランジャ502がケース505の後側壁面に対して当接することにより、それ以上の後方への移動が阻止され、可動部材210Xが初期位置に復帰することとなる(図24(a)参照)。
ここで、本実施の形態におけるハンドル装置可変処理は、上記第2の実施の形態とはその制御内容が異なっている。そこで以下、図25のフローチャートを参照して、本実施の形態におけるハンドル装置可変処理について説明する。
ハンドル装置可変処理においては先ず、ステップS601にて、今回の遊技結果が大当たりに対応するものであるか否かを判定する。ステップS601にて肯定判定した場合には、続くステップS602にて演出実行抽選に当選しているか否かを判定する。ステップS502又はステップS501にて否定判定した場合には、そのまま本ハンドル装置可変処理を終了する。なお、これらステップS601,S602の各処理については、上記第2の実施の形態におけるステップS501,S502の各処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
一方、ステップS602にて肯定判定した場合、すなわち大当たりに当選し且つハンドル可変機構200による演出抽選に当選した場合には、以下のステップS603〜S613に示す演出用処理を実行する。
先ずステップS603においては演出の開始タイミングであるか否かを判定する。具体的には、ROM352には図柄の変動表示開始後どのタイミングにて演出を開始するかが予めカウント数(タイミングデータ)として記憶されているとともに、RAM353の各種カウンタエリア353aには同カウント数をセットする開始タイミング用タイマカウンタが設けられている。本ステップS603にて否定判定するたびに同開始タイミング用タイマカウンタの値を減算し、当該開始タイミング用タイマカウンタの値が0となった場合に、ステップS603にて肯定判定する。
ステップS603にて肯定判定した場合には、続くステップS604に進む。ステップS604のハンドル可変処理においては、ハンドル可変機構200のソレノイド231X(詳しくは励磁コイル503X)に対して電圧を印加することで、プランジャ502Xを駆動することにより、可動部材210Xを最大突出位置に向けて移動させる。
ステップS604にてソレノイド231Xを駆動した後は、続くステップS605にてRAM353の各種カウンタエリア353aにおけるウェイトタイマカウンタに「1000」をセットする。
ステップS604にてウェイトタイマカウンタをセットした後、又はステップS603にて否定判定した場合には、続くステップS606に進む。ステップS606では、ウェイトタイマカウンタが「0」になっているか否かを判定する。
ステップS604にて肯定判定した場合、すなわちウェイトタイマカウンタが「0」である場合には、続くステップS607にて遊技球発射ハンドル41が操作されているか否かを判定する。具体的には、タッチセンサ190からの検知信号に基づいて上記回動操作部材160に対して指等が接触しているか否かを判定するとともに、可変抵抗器195からの情報に基づいて回動操作部材160が初期位置から移動しているか否かを判定する。言い換えれば、電源・発射制御装置143からの操作検知コマンドに基づいて、遊技球発射機構80(詳しくはソレノイド81)に対して駆動信号が出力されているか否かを判定する。
ステップS607にて肯定判定した場合には、続くステップS608の印加電圧更新処理に進む。当該ステップS608においては、このタイミングにてソレノイド231X(詳しくは励磁コイル503X)に印加されている電圧を参照して、予め設定された最大電圧に達していないと判定した場合には、印加電圧を増加させる。これにより、より強い力で可動部材210Xが遊技機前方に押されることとなる。より詳しくは、印加する電圧は予め複数のレベル(具体的には電圧が最も小さい第1レベル〜電圧が最も大きい第5レベル)に分けてROM352に記憶されており、印加電圧選択テーブルを参照することで、1レベル上の電圧が選択される構成となっている。また、現状にて印加電圧が既に最大値に達している場合には、現状の電圧を維持したまま、本電圧更新処理を終了する。
ステップS607の印加電圧更新処理を実行した後は、続くステップS609にてウェイトタイマカウンタに「500」をセットする。
ここで、ステップS606にて否定判定した場合について説明する。ステップS606にて否定判定した場合には、ウェイトタイマカウンタを「1」減算する。これにより、ステップS605の処理を行った後は、次の印加電圧更新処理が少なくとも2secに亘って回避され、ステップS609の処理を行った後は、次の印加電圧更新処理が少なくとも1secに亘って回避されることとなる。
ステップS610の更新処理を行った後、ステップS607にてタイマカウンタを更新した後、又はステップS607にて否定判定した場合には、続くステップS611に進む。
ステップS611では、ハンドル可変機構200による演出を終了するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、ROM352には図柄の変動表示開始後どのタイミングにて演出を終了するかを定めたタイミングデータ(詳しくはカウント数)が記憶されているとともに、RAM353の各種カウンタエリア353aには同カウント数をセットする終了タイミング用タイマカウンタが設けられている。本ステップS611にて否定判定するたびに同終了タイミング用タイマカウンタの値を減算し、当該終了タイミング用タイマカウンタの値が0となった場合に、ステップS611にて肯定判定する。
ステップS611にて肯定判定した場合には、続くステップS612にて初期位置への復帰処理(演出解除処理)を実行する。復帰処理においては、ソレノイド231Xへの電圧の印加を終了し、同ソレノイド231Xに内蔵されたコイルバネ507の付勢力によってプランジャ502X(可動部材210X)を初期位置に復帰させる。
ステップS611にて復帰処理を行った後は続くステップS613にてウェイトタイマカウンタをリセットし(「0」をセットし)、本ハンドル装置可変処理を終了する。また、上記ステップS601,S602の各処理にて否定判定した場合にも、本ハンドル装置可変処理を終了する。
なお、ステップS611に示した演出の終了タイミングについては、上記第2の実施の形態と同様となっている。すなわち、上述した遊技球発射ハンドル41による演出は、大当たり当選時において実行される。大当たり当選時には、可変入賞装置63の開放に先行して、上述したオープニング画像(詳しくは動画)の表示が行われる。本実施の形態においては、遊技球発射ハンドル41Xを用いた演出の終了タイミングは、オープニング画像が表示されている期間中であって可変入賞装置63が開放される前のタイミングとなるように設定されている。より詳しくは、可動部材210Xが初期位置に復帰した後のタイミングにて回動操作部材160を操作すれば、同操作に基づいて発射された遊技球が、可変入賞装置63の開放に間に合うように設定されている。
以上詳述した第3の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技球発射ハンドル41を把持している手に対して可動部材210Xが当たった場合に、同可動部材210Xの変位が妨げられることを許容できる。これにより、例えば、可動部材210Xの変位を必須とする構成と比較して、ハンドル装置変形時の操作性の低下を好適に抑制することができる。また、可動部材210Xの移動が妨げられた場合であっても、同抵抗をソレノイド231Xにて吸収することができる。これにより、例えばソレノイド231Xにおける動力を可動部材210Xに対して伝達する部位等に負荷が集中することを回避することができ、ハンドル可変機構200の耐久性向上に貢献することができる。
仮にソレノイド231Xによる駆動力(可動部材210に生じる付勢力)を弱く設定すると、遊技球発射ハンドル41の変形による報知や演出の機能が発揮されにくくなると想定される。一方、上記付勢力を強く設定すると、可動部材210Xが遊技機者の手等に対して当たった際に手に生じる衝撃が過度に強くなると想定される。これは、遊技者に対して不快感を与える要因となり得るため好ましくない。
そこで、本実施の形態においては遊技球発射ハンドル41の変形によって報知や演出が行われている場合に遊技球の発射操作が継続されることで付勢力が増大する構成を採用することにより、報知や演出の機能を好適に発揮させつつ、それに起因した手等への負担を抑えることができる。これにより、実用上好ましい構成が実現できる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記各実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記各実施の形態では、タッチセンサ190からの検知信号に基づいて回動操作部材160に対して指等が接触しているか否かを判定するとともに、可変抵抗器195からの情報に基づいて回動操作部材160が初期位置から移動しているか否かを判定することにより、回動操作部材160が操作されているか否かを判定する構成としたが、発射操作の判定条件については、これらに限定されるものではない。例えば、上記2つの条件のうち一方を省略することも可能である。
但し、遊技球発射機構80(詳しくはソレノイド81)を駆動して遊技球を遊技領域PEに向けて発射するには、上記2つの条件での肯定判定が必要となる。遊技球発射ハンドルに付与された報知機能や演出機能を好適に発揮させるには、上記発射操作の判定条件を遊技球発射機構80の駆動条件と統一することが好ましい。言い換えれば、回動操作部材を遊技者等が触っていることを遊技球の発射条件とする構成を採用した場合、ハンドル可変機構の動作条件を同発射条件と同一としてもよい。
(2)上記第1の実施の形態では、ハンドル可変機構200(詳しくはステッピングモータ231等)を電源・発射制御装置143によって制御する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば主制御装置92や、音声ランプ制御装置101、表示制御装置327等の他の制御装置によって同ハンドル可変機構200を制御する構成としてもよい。
また、第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、ハンドル可変機構200,200X(詳しくはステッピングモータ231やソレノイド231X)を音声ランプ制御装置101によって制御する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、主制御装置92や表示制御装置327等の他の制御装置によって同ハンドル可変機構200,200Xを制御する構成としてもよい。
(3)上記各実施の形態では、「ハンドル装置」としての遊技球発射ハンドル41の変形部位を前部カバー170に配する構成としたが、同遊技球発射ハンドル41の変形部位を例えば「基部」としてのハンドルベース150に配する構成としてもよいし、「操作部材」としての回動操作部材160に配する構成としてもよい。
但し、遊技者の手の接触範囲及び接触頻度を考慮すれば、ハンドルベース150よりも前部カバー170を変形部位(「可動部」としての可動部材210)の配設対象とするほうが好ましい。また、仮に回動操作部材160を変形可能にした場合、同回動操作部材160の操作性が低下しやすいと想定されるため、望ましくは上記各実施の形態に示したように前部カバー170を変形部位の配設対象とすることが好ましい。
また、上記各実施の形態では、前部カバー170の一部(可動部材210)が変位する構成としたが、前部カバー170の全体が変位する構成としてもよい。
更には、ハンドルベース150,回動操作部材160,前部カバー170のうち複数に対して「可動部」に相当する構成を配設してもよい。
(4)上記各実施の形態では、遊技球発射ハンドル41の前部カバー170における変形部位を前部カバー170の中央部分、詳しくは当該前部カバー170において回動操作部材160の中心軸線寄りとなる部分に配したが、変形部位の配置については任意である。
但し、遊技球の発射操作時における手の載りやすさを考慮すれば、少なくとも前部カバー170において上方を向く成分を有している範囲の少なくとも一部を含むようにして上記変形部位を配することが好ましい。また、回動操作部材160が回動式であり且つ当該回動操作部材160の周方向に配設された複数の指掛け操作部164を有する構成においては、回動操作部材160の操作によって手の位置が変化しにくい部分、すなわち回動操作部材160の中心軸線寄りとなる部分に配することが好ましい。
(5)上記各実施の形態では、前部カバー170が遊技機前方に凸となる半球状をなす構成を採用したが、これに限定されるものではない。例えば、前部カバーが遊技機前方を向いた円板状、又は前後方向に延びる有底の筒状とすることも可能である。
(6)上記各実施の形態では、可動部材210を遊技機後方に押し込むことで、回動操作部材160の回動を妨げる抗力としての摩擦力が高まる構成を採用したが、これを変更し、例えば可動部材210を遊技機後方に押し込むことで回動操作部材160の回動を機構的に止めるロック装置を採用してもよい。
但し、係る変更を行う場合には、遊技者に上記押圧操作を継続して貰うことが好ましい。故に、可動部材を初期位置へ向けて、すなわち押圧方向とは反対方向に向けて付勢する付勢手段を併用し、可動部材の押圧操作が終了することで、同可動部材を初期位置へと復帰させる構成とするとよい。
なお、ハンドル可変機構を有する遊技球発射ハンドルにおいては回動操作部材160の移動を妨げる構成を必ずしも必須とするものではなく、同構成を省略することも可能である。但し、ハンドル可変機構による報知機能や演出機能を好適に発揮させるには、可動部材210に対して遊技者の手が接触していることが好ましい。故に、望ましくは上述の如く遊技者が可動部材210に対して手を接触等させることによるメリットを享受できるような工夫を施すとよい。
(7)上記各実施の形態では、可動部材210を初期位置に復帰させる際に、同可動部材210を途中で停止させない構成としたが、初期位置の復帰に際して途中位置で一時停止させる構成とすることも可能である。つまり、初期位置への移動を段階的に行う構成としてもよい。
特に、第1の実施の形態に示したように、可動部材210に遊技機における異常発生を示唆する機能を付与している場合には、発生している異常が完全に解消される場合と、一時定期に解消される場合とがあると想定される。このような場合には、可動部材210を初期位置へと一気に戻すのではなく、徐々に戻す構成とすることで、実用上好ましい構成を実現できる。
(8)上記第1の実施の形態及び上記第2の実施の形態では、遊技球の発射操作の継続を条件として、可動部材210の突出量が段階的に変化する構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、可動部材210が第2位置へ到達した後は、発射操作が継続されている期間中にて「駆動部」としてのステッピングモータ231が回動し続ける構成とすることも可能である。より詳しくは、発射操作の継続を条件として、可動部材210が最大突出位置に到達するまでステッピングモータ231の回動を継続させることも可能である。これにより、可動部材210の突出量を無段階的(例えば操作継続期間に対して比例するようにして)変化させることができる。
また、各位置間での移動量を同等に設定し、それら各位置間での変形速度(変位速度)を変化させる構成としてもより。例えば、第1位置→第2位置での変形速度<第2位置→第3位置での移動速度<第3位置→第4位置での移動速度、となるように設定することで、遊技球発射ハンドル41を操作中の手に生じる負荷が大きくなることを抑制しつつ、報知機能や演出機能を向上させることができる。
(9)上記第1の実施の形態では、パチンコ機10における異常の監視対象を下皿34に付随する満タン検知センサ38からの満タン検知の信号としたが、これに限定されるものではない。例えば、遊技球の払い出しが許容されている状態であるか否かを監視対象とし、遊技球の払い出しが不可となった場合に、異常が発生していると判定する構成とすることも可能である。
また、異常監視の対象を遊技球の払い出しとは関係なく設定することも可能である。例えば、前扉枠14の開放や球詰まり等の発生を異常監視の対象とすることも可能である。
但し、遊技球の発射操作を抑制できる点に鑑みれば、遊技進行に関連するものを異常監視の対象とすることが好ましい。例えば、入球部等への入球状況を監視し、過度に多くの入球が発生している場合に遊技球発射ハンドル41を変形させる構成としてもよい。
(10)上記第1の実施の形態では、下皿34から遊技球を取り除く等して異常状態としての満タン状態が解消されることにより遊技球発射ハンドル41のハンドル可変機構200(詳しくは可動部材210)が初期状態に復帰する構成としたが、例えば上記変形例に示すように球詰まり等の監視する構成においては、遊技機主部12の背面側に復帰スイッチを設け、同復帰スイッチが操作されることで、ハンドル可変機構200が初期状態に復帰する構成としてもよい。これにより、復帰時に遊技球発射ハンドル41(詳しくはハンドル可変機構200)に対して人の手が触れる機会を減らすことができる。
(11)上記第1の実施の形態では、可動部材210の位置合わせに関する処理を行う構成とし、第2の実施の形態ではこれを省略する構成としたが、この位置合わせに関する処理に関しては任意である。但し、可動部材210が突出方向へ移動した場合には、遊技者の手等に衝突することで、反力が生じると想定される。特に、可動部材210に対して回動操作部材160の回動を妨げる機能を付与している場合においては、ステッピングモータ231のバックラッシュを利用して可動部材210の後退を許容しているため、上記反力が大きくなると可動部材210が位置ずれし得る。故に、望ましくは、上記第1の実施の形態に示した位置合わせに関する構成を採用し、上記位置ずれ等による動作不具合等の発生を抑えるとよい。
(12)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、リーチ変動表示が行われている最中に遊技球発射ハンドル41の変形(可動部材210の第2位置への移動)を開始する構成としたが、同変形の開始タイミングは必ずしもリーチ変動表示中に限定されるものではない。
例えば、変動表示が行われている最中であって、上記リーチ変動表示が行われる前のタイミングにて変形を開始する構成を採用してもよいし、更には変動表示の開始前のタイミングや変動表示の停止後のタイミングにて上記変形を開始する構成を採用してもよい。
(13)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、遊技結果が大当たりに対応する遊技結果となった際にハンドル可変機構200による演出が行われた場合には、可動部材210が、特別遊技状態への移行処理においてオープニング画像が表示されている期間中に初期状態に復帰する構成としたが、これに限定されるものではない。少なくとも、特別遊技状態に移行され可変入賞装置63が開放されるまでの期間にて復帰する構成とすればよい。
(14)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、遊技結果が大当たりに対応する遊技結果となり、且つ遊技球発射ハンドル41(詳しくはハンドル可変機構200)による演出を実行するか否かの抽選を行う構成としたが、ハンドル可変機構200による演出を実行するための条件は、必ずしも上記2つの条件に限定されるものではない。例えば、遊技結果が大当たりに対応する遊技結果となっていない場合にもハンドル可変機構200による演出を実行することで、遊技球発射ハンドル41による演出機能の多様化に貢献することができる。
(15)上記第2実施の形態及び第3の実施の形態においては、大当たりが発生する期待度に応じて可動部材210の突出量を変化させる構成を採用することも可能である。例えば期待度が大きくなるにつれて可動部材210の突出量が大きく設定される構成とすればよい。
(16)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、遊技球発射ハンドル41による演出実行時に、可動部材210が前部カバー170から突出する側へ移動する構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、遊技球発射ハンドル41による演出実行時に可動部材210が前部カバー170から突出する側とは反対側へ移動する構成としてもよい。
例えば、可動部材210の曲面部222が仮想球面G上に重なっている状態から、同可動部材210が遊技機後方へ移動することにより、前部カバー170の一部を凹ませる構成とするとよい。
また、前部カバー170に曲面部222に移動を許容する凹部を形成し、同曲面部222の移動範囲を同凹部内に限定することも可能である。この場合、曲面部222によって手が過度に押圧されることを抑制できる。
(17)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.遊技機本体(遊技機主部12)の前面に設けられ、遊技領域(遊技領域PE)に向けて遊技球を発射すべく操作されるハンドル装置(遊技球発射ハンドル41)と、
遊技機にて異常が発生しているか否かを監視する異常監視手段(主制御装置92のMPU311において満タン信号監視処理を実行する機能)と、
前記異常監視手段によって異常の発生が確認された場合に、第1形態から同第1形態よりも遊技球の発射が困難又は不可となる第2形態に前記ハンドル装置を変形させる可変手段(ハンドル可変機構200や電源・発射制御装置143)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、遊技機にて異常が発生している場合にハンドル装置が第1形態から第2形態へと変形する。これにより、遊技球の発射操作が困難又は不可となり、異常発生時の遊技の継続を抑制することができる。このようにして遊技進行に係る構成(ハンドル装置)にて触覚的・視覚的な変化を生じさせることにより、遊技者に対して発射操作(遊技の進行)を回避すべき状況であることを示唆することができるとともにホール管理者等に対して異常等が発生している可能性がある旨を報知することができる。
特徴A2.前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部(ハンドルベース150)と、
前記基部に固定され、前記ハンドル装置の前面部を構成する前部カバー(前部カバー170)と、
前記基部と前記前部カバーとの間に設けられ、遊技球の発射操作に応じて回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な操作部材(回動操作部材160)と
を有し、
前記可変手段は、前記前部カバーの少なくとも一部を変形させることにより、前記ハンドル装置を前記第1形態から前記第2形態へ移行させることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
ハンドル装置が遊技機本体の前面に設けられている構成においては、同ハンドル装置へのアクセスが遊技機前方から行われやすいと想定される。そこで、本特徴に示すように、前部カバーの一部を変形させる構成とすれば、例えば基部の一部を変形させる構成と比較して以下の有利な効果を期待できる。
すなわち、遊技球の発射操作時に遊技者の手等が触れやすいと想定される前部カバーの一部を変形させることで、遊技者に対して第2形態への移行による触覚的な変化を好適に伝えることができる。また、前部カバーに関しては、基部等と比較して遊技機前方からの視認性が高いと想定され、視覚的な示唆機能の向上に貢献することができる。
特徴A3.前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部(ハンドルベース150)と、
前記基部に固定され、前記ハンドル装置の前面部を構成する前部カバー(前部カバー170)と、
前記基部と前記前部カバーとの間に設けられ、遊技球の発射操作に応じて回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な操作部材(回動操作部材160)と
を有し、
前記可変手段は、
前記前部カバーの少なくとも一部を構成し、前記操作部材から遠ざかる側及び同操作部材に近づく側に変位可能な可動部(可動部材210等)と、
前記可動部を駆動させる駆動部(ステッピングモータ231等)と、
前記駆動部を駆動制御して前記可動部を前記操作部材から遠ざかる側へ変位させることにより、前記ハンドル装置を前記第1形態から前記第2形態へ移行させる制御部(電源・発射制御装置143)と
を有していることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A3によれば、ハンドル装置が遊技機本体の前面に配設されており、同ハンドル装置においては操作部材よりも前側に前部カバーが位置していることから、同操作部材を手動操作しようとした場合には、指や手の平等が前部カバーに対して近接又は当接しやすいと想定される。特に、前部カバーについては、ハンドル装置に対して手を添えている状態にて手の重みを預けやすい部位であると想定される。
ここで、本特徴においては、前部カバーの少なくとも一部が前記操作部材から遠ざかる側に変位することによりハンドル装置が第1形態から第2形態へ移行する。この際、同可動部の変位によって指や手の平等が操作部材から遠ざかる側に押されやすくなる。つまり、可動部の変位によって手を操作部材から遠ざけることにより同操作部材へのアクセスを妨げやすくなり、遊技球の発射操作の困難化を好適に実現することが可能となる。故に、ハンドル装置が変形した際の示唆機能等を好適に向上することができる。
また、基部等を変形させる場合と比較して、上記変形の視認性を好適に向上させることができる。
特徴A4.前記操作部材は、前記操作部材の外周部から当該操作部材の外方に突出して設けられ、前記発射操作がなされる場合に、指が引っ掛けられた状態にて前記回動方向へ操作される指掛け操作部(指掛け操作部164)を複数有し、
前記指掛け操作部は、前記操作部材の周方向に並べて配設されており、
前記可動部は、前記前部カバーにおいて前記操作部材の回動中心寄りとなる位置に配されていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4に示すように指掛け操作部が操作部材の周方向に並べて配設されている構成においては、ハンドル装置を遊技機側方(左右から)把持する場合と比較して、同ハンドル装置を遊技機前方から把持することでそれら指掛け操作部を好適に利用することができる。具体的には、各指掛け操作部に対して各指を個々に引っ掛けることで、操作負荷を各指に好適に分散させることができ、発射操作に起因した疲れ等を好適に抑えることができる。このような操作を行った場合にはハンドル装置に添えた手の平が前部カバー側を向くこととなる。このように手の平が前部カバーと対峙している状態にて操作部材を回動させた場合には、指先の位置は回動操作量に応じて変化しやすいものの、手の平の位置は指先の位置と比較して変化が小さくなると想定される。
そこで、本特徴に示すように、前部カバーにおいて操作部材の回動中心寄りとなる位置に可動部を配する構成とすれば、回動操作量によらず可動部を手に対して接触させやすくなる。これにより、第1形態から第2形態への変形による示唆機能等が、操作部材の操作量によって発揮されにくくなる場合が生じることを好適に抑制することができる。これにより、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A5.前記前部カバーは、遊技機前方に凸となる略半球状をなしており、
前記可動部は、当該可動部の少なくとも一部が前記前部カバーにおいて遊技機上方を向く成分を有している範囲に配されていることを特徴とする特徴A3又は特徴A4に記載の遊技機。
特徴A3にて説明したように、前部カバーについては、ハンドル装置に対して手を添えている状態にて手の重みを預けやすい部位であると想定される。特に、本特徴に示すように、前部カバーが遊技機前方に凸となる略半球状をなしている場合には、同前部カバーの上側半球部分に対して手が載せられやすいと想定される。
そこで、可動部の少なくとも一部が前部カバーにおいて遊技機上方を向く成分を有している範囲に位置するようにして同可動部を配置すれば、第2形態への移行時に可動部が移動することで、同可動部を手に対して接触させやすくなる。これにより、特徴A1等に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴A6.前記操作部材は、前記操作部材の外周部から当該操作部材の外方に突出して設けられ、前記発射操作がなされる場合に、指が引っ掛けられた状態にて前記回動方向へ操作される指掛け操作部(指掛け操作部164)を有し、
前記可動部は、前記操作部材側への変位が許容されており、
前記可動部が前記操作部材側へ押圧された状態にて、当該可動部と前記操作部材とを当接させることにより、同可動部と前記操作部材との間に同操作部材の回動を妨げる抗力を発生させる抗力発生手段(可動部材210の段差部215や回動操作部材160の前側環状突部167)を備えていることを特徴とする特徴A3乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A6によれば、遊技球の発射操作を行う場合には、指掛け操作部に対して指を引っ掛けた状態で操作部材を回動させるとともに、所望とする操作位置にて指掛け操作部に対して引っ掛けた指を固定することにより、遊技球の発射強度を一定化することができる。係る構成においては、発射操作を行う際に指掛け操作部に当接している指に生じる負荷が大きくなりやすいと想定される。この点、本特徴においては、上記可動部を押圧することにより、操作部材の回動が妨げられることとなる。これにより、発射操作時に指に生じる負荷を好適に分散させることができる。つまり、可動部には発射操作時の疲労を低減する機能が付与されている。このため、発射操作が行われる場合に同可動部に対してアクセスされる機会を増やすことができ、上記特徴A1等に示したハンドル装置による示唆機能等を好適に発揮させることができる。
なお、「前記抗力発生手段は、第1抗力発生手段であり、前記可動部が前記操作部材側へ押圧された状態にて、前記操作部材が前記可動部に押されることで前記ベース部と当接し、前記操作部材が前記可動部材と前記ベース部とによっては挟まれることにより同操作部材と同ベース部との間に前記操作部材の回動を妨げる抗力を発生させる第2抗力発生手段を有する」構成を併用することにより実用上好ましい構成を実現することができる。
特徴A7.前記可動部は、前記操作部材側への変位が許容されており、
前記可動部が前記操作部材側へ押された状態にて、前記操作部材の回動を規制する規制手段と、
前記可動部材を前記操作部材から遠ざかる側に向けて付勢する付勢手段と
を備えていることを特徴とする特徴A3乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A7によれば、可動部を押圧し続けることにより、操作部材を所望とする位置にて待機させることができる。これにより特徴A6に示した効果と類似の効果が期待できる。但し、本特徴に示す構成においては、可動部に当接している部位に対する操作負荷が、上記特徴A6に示した構成と比較して大きくなりやすいと想定される。つまり、上記特徴A6においては、例えば手の指掛け操作部に当接している部位と、可動部に当接している部位とに負荷が分散することが可能であったのに対して、本特徴においては、手の可動部に当接している箇所に集中しやすいと想定される。故に、望ましくは、付勢手段による付勢力を弱く設定することが好ましい。
特徴A8.前記可動部は、前記カバー部から突出可能に設けられており、
前記制御部は、
遊技球の発射操作が行われているか否かを判定する操作判定手段(電源・発射制御装置143のMPU341において遊技球発射ハンドル41からの信号を監視する機能)と、
前記可変手段は、前記異常監視手段によって異常の発生が確認されている状態にて、前記操作判定手段によって前記操作が行われていると判定されている場合に前記可動部の前記カバー部からの突出量を増加させる増加手段(電源・発射制御装置143のMPU341においてハンドル装置可変処理のステップS304〜S311の各種処理を実行する機能)と
を有していることを特徴とする特徴A3乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。
例えば遊技者にとって有利な遊技状態においては、異常の発生に伴って直ちに遊技の進行を不可としてしまうと、本来得られるはずであった特典等の取りこぼしが生じやすくなると想定される。つまり、異常発生時に可動部の突出量がいきなり大きくなると、遊技進行が妨げられ、上記特典等の取りこぼしが生じやすくなると想定される。特に、遊技機の仕様を熟知していない初心者の場合には、上記示唆に伴って直ぐにハンドル装置から手を離すことにより、上記取りこぼしに起因した損失が大きくなりやすいと考えられる。
そこで、本特徴においては可動部の突出量が発射操作の継続によって徐々に大きくなる構成とすることで、遊技者に対して操作停止までの猶予期間を与えることができる。これにより、遊技者が故意に発生させた異常等でないにも係らず、発射操作が困難となることで同遊技者が不利益を被るといった不都合を好適に抑制することができる。
特徴A9.前記制御部は、
前記突出量を増加させている状況下にて、前記操作判定手段によって遊技球の発射操作が行なわれていないと判定された場合に、前記突出量の増加を停止させる停止手段(電源・発射制御装置143のMPU341においてハンドル装置可変処理のステップS303を実行する機能)と、
前記異常が解消された場合に、前記ハンドル装置を前記第2形態から前記第1形態に復帰させる復帰手段(電源・発射制御装置143のMPU341においてハンドル装置可変処理のステップS312,S313を実行する機能)と
を有していることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、遊技者が発射操作を止めることにより、ハンドル装置の変形が停止する。発射操作を止めることにより、少なくとも異常発生中の遊技継続を抑えるという効果が発揮されたことになり、それ以上の変形による効果は小さくなると想定される。そこで、発射操作の回避によってハンドル装置の変位を停止すれば、第2形態から第1形態への復帰に要する期間を短縮することができ、異常解消後の遊技進行の円滑化に貢献することができる。
特徴A10.前記増加手段は、当該増加手段によって増加される前記可動部の突出量の増加率が前記発射操作の継続によって大きくなるように設定されていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、特徴A9に示した効果を一層顕著なものとすることができる。
特徴A11.前記可変手段は、復帰操作手段が操作された場合に、前記ハンドル装置を前記第2形態から前記第1形態に復帰させる復帰手段を有し、
前記遊技機本体は、支持対象(外枠11)によって開閉可能に支持されており、
前記復帰操作手段は、前記遊技機本体の背面側に配されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A10のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、ハンドル装置を第1形態に復帰させる復帰手段を有する構成においては、同第1形態への復帰が妨げられることは好ましくない。そこで、復帰操作手段を遊技機本体の背面側に配することにより、以下の効果が期待できる。
第2形態から第1形態に復帰させる際には、遊技機本体を開放させる必要が生じる。この場合、操作ハンドルを把持したまま遊技機本体を開放することは困難となるため、第1形態への復帰時にハンドル装置が把持されたままとなることを抑制することができる。これにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
また、遊技者によってハンドル装置が把持されにくい状況をつくり出すことで、第2形態から第1形態への復帰期間を短縮したとしても発射ハンドルの変形に起因した遊技者の手に生じる負荷の発生を回避し、異常解消後の遊技再開へ向けてハンドル装置を第1形態へと迅速に復帰させることができる。
例えば、遊技機本体が回動可能に設けられている場合には、ハンドル装置を同遊技機本体の回動先端側に配するとともに、復帰操作手段を遊技機本体の回動基端側に配するとよい。
特徴A12.前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(可変入賞装置63)と、
前記入球部へ遊技球が入球した場合に遊技球を払い出す払出手段(払出装置134)と、
前記払出手段による遊技球の払い出しを阻害する阻害状況であることを特定する阻害状況特定手段(満タン検知センサ38)と、
前記阻害状況特定手段により前記阻害状況であることが特定された場合に同阻害状況が解消されるまで前記払出手段による遊技球の払い出しを遅延させる払出遅延手段(主制御装置92のMPU311における賞球コマンド設定処理を実行する機能)と
を備え、
前記異常監視手段は、前記払出遅延手段によって遊技球の払い出しが遅延されているか否かを監視するものであることを特徴とする特徴A1乃至特徴A11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A12に示すように阻害状況(異常が発生している状況)である場合に遊技球の払い出しを遅延させる構成を採用すれば、異常発生に起因して遊技者が不利益を被る可能性を好適に低減することができる。
しかしながら、係る構成においては、仮に遅延期間中に入球部等に対して不正信号が出力される等して誤検知等を発生させるといった不正行為が行われた場合には、上記遅延が終了した後に正当な取得に係る遊技球と不正な取得に係る遊技球とがまとめて払い出されることとなる。このため、払い出し状況等を目視等によって確認することにより不正行為を見つけることが困難になると想定される。そこで、本特徴に示す払出遅延手段を有する遊技機に対して、特徴A1に示した技術的特徴を適用すれば、そのような不都合の発生を抑え、実用上好ましい構成を実現することができる。
特徴A13.前記ハンドル装置は、前記第1形態から前記第2形態へ変形することにより、前記発射操作を困難にするものであり、
前記可変手段は、前記阻害状況が解消された場合に、前記ハンドル装置を前記第1形態へ復帰させる復帰手段を備えていることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
特徴A12に示した構成においては、不正な意図が無い場合であっても上記阻害状況となる可能性がある。係る構成においては、ハンドル装置の操作回避を第1形態への復帰条件とするのではなく、異常状態(阻害状況)の解消を第1形態への復帰条件とすることで、以下の効果が期待できる。すなわち、ハンドル装置が第1形態から第2形態への変形を開始した際に、異常の発生要因を突き止めてそれを解消することで、発射操作を継続しつつ同ハンドル装置を第1形態へと復帰させることができる。これにより、発射操作を継続できなくなり遊技者が不利益(本来取得できるはずであった特典の取りこぼし)を被ることを好適に抑制することができる。
上記特徴A群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機は各種制御装置を有しており、同制御装置によって遊技機に異常が発生していないかを監視することが可能となっている。遊技機にはそれら制御装置に対して電気的に接続されたランプ部やスピーカ部等が設けられており、遊技機に異常が発生していることが制御装置によって確認された場合にはそれらランプ部やスピーカ部等を動作させることにより、異常が発生している旨の報知が実行される。これにより、遊技者やホール管理者は、遊技機に異常が発生している旨を把握することが可能となる。
ここで、上述したランプ部やスピーカ部等の報知手段に関しては、いずれも視覚又は聴覚に働きかけて異常報知への注目度を高めることを目的としている。しかしながら、このような報知手段を採用した場合であっても、報知が行われていることに気づくのが遅れたり、あるいは気づいたとしても同報知が無視されたりする可能性がある。これは、報知機能を好適に発揮させる上での妨げとなり得るため好ましくない。
特徴B1.遊技機本体(遊技機主部12)の前面に設けられ、遊技領域(遊技領域PE)に向けて遊技球を発射すべく操作されるハンドル装置(遊技球発射ハンドル41,41X)と、
遊技状況に応じて前記ハンドル装置を変形可能な可変手段(ハンドル可変機構200,200Xや音声ランプ制御装置101)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、ランプ部等による視覚的な演出やスピーカ部等による聴覚的な演出とは異なる触覚的且つ視覚的な演出を行うことが可能となり、新たな演出の実現に貢献することができる。
ハンドル装置を有する構成においては、遊技進行に際して同ハンドル装置が手動操作される。この際、遊技者の手が同ハンドル装置に対して触れた状態となりやすい。そこで、本特徴に示すように遊技状況に応じてハンドル装置が変形する構成とすれば、触覚的に例えば特定の遊技状況となったことを示唆することが可能となる。これにより、ハンドル装置に示唆機能や演出機能を付与することが可能となり、遊技機における演出の多様化に貢献することができる。特に、遊技者が触れる可能性の高い部位に、触覚的な示唆機能を付与することで、演出機能を好適に発揮させることが可能となる。
特徴B2.前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部(ハンドルベース150)と、
前記基部に固定され、前記ハンドル装置の前面部を構成する前部カバー(前部カバー170)と、
前記基部と前記前部カバーとの間に設けられ、遊技球の発射操作に応じて回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な操作部材(回動操作部材160)と
を有し、
前記可変手段は、
前記基部の一部又は前記前部カバーの一部を構成するとともに変位可能に設けられた可動部(可動部材210,210X)と、
前記可動部を駆動する駆動部(ステッピングモータ231やソレノイド231X等)と、
遊技状況に応じて、前記可動部が前記ハンドル装置から突出する位置へと変位するように前記駆動部を駆動制御することにより、前記ハンドル装置を変形させることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、特徴B1に示した技術的思想を好適に実現することができる。特に、操作部材ではなく、基部又は前部カバーの一部から可動部が突出する構成とすることによより、例えば可動部が操作部材の一部を構成している場合と比較して、可動部の変位に起因した操作部材の操作位置の変化を抑えることができ、演出機能の付与によって操作部材の操作性(所望とする操作位置にて保持するための機能)が低下することを好適に抑制することができる。これにより実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B3.遊技球の発射操作が行われているか否かを判定する操作判定手段(音声ランプ制御装置101のMPU351において操作検出コマンドの入力を監視する機能)を備え、
前記可変手段は、前記発射操作が行われていない場合に、前記ハンドル装置の変形を制限する制限手段(音声ランプ制御装置101のMPU351においてハンドル装置可変処理のステップS503の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、発射操作が行われていない場合には、可変手段による演出等が不可となるため、係る演出等を体感したい遊技者に遊技球の発射操作を促すことができる。これにより、遊技機における稼働率向上に貢献することができる。
特徴B4.前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(作動口64)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置92のMPU202における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段が取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(RAM313の保留球格納エリア)と
を備え、
前記可変手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数が前記上限となっている場合には、前記遊技球の発射操作が行われていない場合であっても前記制限手段による前記制限を解除する制限解除手段(音声ランプ制御装置101のMPU351においてハンドル装置可変処理のステップS504の処理を実行する機能)を有していることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4に示すように、取得情報記憶手段に上限が設けられている構成においては、取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数が当該上限に達している状態にて遊技球の発射を継続した場合に遊技球が無駄に消費される可能性が高くなる。そこで、記憶された取得情報の数が上限に達している場合に、上記特徴B3に示した変形制限を解除する構成とすれば、遊技者が発射ハンドルにおける演出を期待して遊技球の発射操作を継続することにより、同遊技者に対して不利益が生じやすくなるといった不都合を好適に払拭することができる。これにより、演出機能等の向上を図りつつそれに起因した遊技の健全性の低下を好適に抑制することができる。
特徴B5.前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(作動口64)と、
前記入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、遊技状況に応じた絵柄を変動表示可能な表示装置(図柄表示装置71)を備え、
前記可変手段は、前記表示装置にて絵柄が変動表示されている場合に、前記ハンドル装置の変形を開始させることを特徴とする特徴B1乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B5によれば、入球部への入球が発生することで絵柄が変動表示される。このように絵柄が変動表示されている状況下にて、可変手段による変形が開始される構成とすることで、可変手段による演出等を体感したい遊技者に絵柄が変動表示されている最中での遊技球の発射操作を促すことができる。これにより、遊技機における稼働率向上に貢献することができる。
特徴B6.前記表示装置にて前記変動表示が行われている最中に、同表示装置において遊技者に有利な特別遊技状態が発生する期待度を示唆する示唆手段を備え、
前記可変手段は、前記示唆が行われている場合に前記ハンドル装置の変形を開始させることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
絵柄の変動表示中に示唆を行う構成においては、同示唆が行われている場合に遊技球の発射操作を一時的に停止されることが想定される。これは、遊技機における稼働率を低下させる要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴においては、示唆が行われている場合にハンドル装置の変形を開始させる構成とすることで、示唆が行われている最中での発射操作の回避を好適に抑制することができる。これにより、遊技機における稼働率の低下を抑えることができる。
特徴B7.前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部(ハンドルベース150)と、
前記基部に固定され、前記ハンドル装置の前面部を構成する前部カバー(前部カバー170)と、
前記基部と前記前部カバーとの間に設けられ、遊技球の発射操作に応じて回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な操作部材(回動操作部材160)と
を有し、
前記可変手段は、
前記基部の一部又は前記前部カバーの一部を構成するとともに前記ハンドル装置から突出する側へ変位可能に設けられた可動部(可動部材210X)と、
前記可動部を前記前部カバーを駆動する駆動部(ステッピングモータ231等)と、
遊技状況に応じて、前記可動部が前記ハンドル装置から突出する位置へと変位するように前記駆動部を駆動制御することにより、前記ハンドル装置を変形させる制御部(音声ランプ制御装置101)と、
を備え、
前記制御部によって前記駆動部が駆動制御されている場合には、同可動部材が前記突出する側へ付勢された状態となることを特徴とする特徴B1乃至特徴B6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B7によれば、例えば発射ハンドルを把持している手に対して可動部が当たった場合に、同可動部の変位が妨げられることを許容できる。これにより、例えば、可動部の変位を必須とする構成と比較して、ハンドル装置変形時の操作性の低下を好適に抑制することができる。
特徴B8.前記制御部は、
前記駆動制御が行われている最中にて遊技球の発射操作が行われているか否かを判定する操作判定手段(音声ランプ制御装置101のMPU351においてハンドル装置可変処理のステップS604の処理を実行する機能)と、
前記操作判定手段によって操作が行われていると判定した場合に、前記付勢力を増大させる付勢力増大手段(音声ランプ制御装置101のMPU351においてハンドル装置可変処理のステップS608の処理を実行する機能)と
を有していることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
特徴B7に示した構成においては、仮に付勢力を弱く設定すると、ハンドル装置の変形による報知や演出の機能が発揮されにくくなると想定される。一方、付勢力を強く設定すると、可動部が遊技機者の手等に対して当たった際に生じる衝撃が過度に強くなると想定される。これは、遊技者に対して不快感を与える要因となり得るため好ましくない。そこで、本特徴に示すように、例えばハンドル装置の変形によって報知や演出が行われている場合に遊技球の発射操作が継続されることで付勢力が増大する構成とすれば、報知や演出の機能を好適に発揮させつつ、それに起因した手等への負担を抑えることができる。これにより、実用上好ましい構成が実現できる。
特徴B9.前記駆動部は、ソレノイドであり、
前記可動部は、前記ソレノイドに設けられた可動軸体(シャフト501及びプランジャ502)に設けられていることを特徴とする特徴B7又は特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、特徴B7に示した構成を好適に実現することができる。この場合、駆動力を伝達するギア等の伝達部材が不要となり、可動部が変位した場合に元の位置へと押し戻される等した場合であっても、それにより上記伝達部材に負荷が発生することを好適に抑制できる。これにより、ハンドル装置の変形機能を好適に担保することができる。
特徴B10.前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部(ハンドルベース150)と、
前記基部に固定され、前記ハンドル装置の前面部を構成する前部カバー(前部カバー170)と、
前記基部と前記前部カバーとの間に設けられ、遊技球の発射操作に応じて回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な操作部材(回動操作部材160)と
を有し、
前記可変手段は、
前記前部カバーの一部を構成するとともに、当該前部カバーに形成された凹部内にて変位可能に設けられた可動部と、
前記可動部を前記前部カバーを駆動する駆動部と、
遊技状況に応じて、前記可動部が前記ハンドル装置の内側へ向けて変位するように前記駆動部を駆動制御することにより、前記ハンドル装置を変形させる制御部と
を有していることを特徴とする特徴B1乃至特徴B6のいずれか1つに記載の遊技機。
ハンドル装置を変形する構成においては、同変形を迅速に行うことにより、遊技進行の円滑化や報知や演出のインパクトを好適に向上させることができる。しかしながら、仮に可動部が同ハンドル装置の外側に突出する構成において変形速度を高めると、ハンドル装置を把持している手に対して可動部が当たった際に生じる負荷が大きくなると懸念される。
この点、本特徴においては、可動部を遊技者の手等から遠ざかる側へ移動させるため、上述の如く変形の迅速化を図ったとしても、それに起因した上記不都合の発生を好適に抑制することができる。これにより、実用上好ましい構成を実現することができる。
なお、特徴B7等との組み合わせにおいては、同特徴B7に示した「制御部」と本特徴に示す「制御部」とを同一のものとすることも可能である。
特徴B11.前記制御部は、遊技状況に応じて前記ハンドル装置を第1形態から第2形態に変形させるように設定されており、
前記前部カバーの前面は略半球状をなしており、
前記可動部は、前記第1形態においては当該可動部において前記凹部から露出している面が前記前部カバーの前面を含む仮想曲面上に位置するようにして配置されていることを特徴とする特徴B10に記載の遊技機。
特徴B11によれば、可動部に前部カバーと同様の機能を付与することができ、同可動部へのアクセスを促進することができる。これにより、ハンドル装置における報知や演出機能を好適に発揮させることができる。
なお、第1形態である場合に、凹部から突出する側に付勢する付勢手段を有する構成とすることで実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B12.前記操作部材は、同操作部材の外周部から当該操作部材の外方に突出して設けられ、前記回動操作がなされる場合に、指が引っ掛けられた状態にて前記回動方向へ操作される指掛け操作部(指掛け操作部164)を有し、
前記可動部は、前記操作部材側への変位が許容されており、
前記可動部が前記操作部材側へ押圧された状態にて、当該可動部と前記操作部材とを当接させることにより、同可動部と前記操作部材との間に同操作部材の回動を妨げる抗力を発生させる抗力発生手段(可動部材210,210Xの段差部215や回動操作部材160の前側環状突部167)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B12によれば、遊技球の発射操作を行う場合には、指掛け操作部に対して指を引っ掛けた状態で操作部材を回動させるとともに、所望とする操作位置にて指掛け操作部に対して引っ掛けた指を固定することにより、遊技球の発射強度を一定化することができる。係る構成においては、発射操作を行う際に指掛け操作部に当接している指に生じる負荷が大きくなりやすいと想定される。この点、本特徴においては、上記可動部を押圧することにより、操作部材の回動が妨げられることとなる。これにより、上記指に生じる負荷を好適に分散させることができる。つまり、可動部には発射操作時の疲労を低減する機能が付与されている。このため、発射操作が行われる場合に同可動部に対してアクセスされる機会を増やすことができ、上記特徴B1等に示したハンドル装置による報知や演出の機能を好適に発揮させることができる。
なお、「前記抗力発生手段は、第1抗力発生手段であり、前記可動部が前記操作部材側へ押圧された状態にて、前記操作部材が前記可動部に押されることで前記ベース部と当接し、前記操作部材が前記可動部材と前記ベース部とによっては挟まれることにより同操作部材と同ベース部との間に前記操作部材の回動を妨げる抗力を発生させる第2抗力発生手段を有する」構成を併用するよとにより実用上好ましい構成を実現することができる。
特徴B13.前記可動部は、前記操作部材側への変位が許容されており、
前記可動部が前記操作部材側へ押された状態にて、前記操作部材の回動を規制する規制手段と、
前記可動部を前記操作部材とは反対側に付勢する付勢手段と
を備えていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B13によれば、可動部を押圧し続けることにより、操作部材を所望とする位置にて待機させることができる。これにより特徴B12に示した効果と類似の効果が期待できる。但し、本特徴に示す構成においては、可動部に当接している部位に対する操作負荷が、上記特徴B12に示した構成と比較して大きくなりやすいと想定される。つまり、上記特徴B12においては、例えば手の指掛け操作部に当接している部位と、可動部に当接している部位とに負荷が分散することが可能であったのに対して、本特徴においては、手の可動部に当接している箇所に集中しやすいと想定される。故に、望ましくは、付勢手段による付勢力を弱目に設定することが好ましい。
特徴B14.前記前部カバーは、遊技機前方に凸となる略半球状をなしており、
前記可動部は、当該可動部の少なくとも一部が前記前部カバーにおいて遊技機上方を向く成分を有している範囲に配されていることを特徴とする特徴B12又は特徴B13に記載の遊技機。
遊技球の発射操作を行う場合には、ハンドル装置の前部カバーに対して手を載せることにより、手の重みの一部をハンドル装置に対して預けることができる。そこで、本特徴に示す構成を採用すれば、前部カバーに対して手を載せることで、可動部へのアクセスを促進することができ、特徴B12や特徴B13に示した効果を一層好適に発揮させることができる。
特徴B15.前記可変手段は、遊技状況に応じて前記ハンドル装置を第1形態から第2形態に変形させるように設定されており、
前記前部カバーの前面は略半球状をなしており、
前記可動部は、前記第1形態においては当該可動部において前記凹部から露出している面が前記前部カバーの前面を含む仮想曲面上に位置するようにして配置されていることを特徴とする特徴B14に記載の遊技機。
特徴B15によれば、可動部が押圧された場合に、当該押圧力を可動部を操作部材側へと移動させるように作用させることができる。これにより、手の重みを利用して、操作部材を所望とする位置に保持することが可能となり、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B16.前記可変手段は、遊技状況に応じて前記ハンドル装置を第1形態から第2形態に変形させるように設定されており、
前記ハンドル装置は、前記第2形態においては、前記第1形態と比べて遊技球の発射操作が困難又は不可となるように構成されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B15のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B16によれば、遊技状況が遊技者にとって遊技球の発射操作を控えたほうがよい場合に、ハンドル装置が第2形態へと変形することにより同発射操作を困難又は不可となる。これにより、遊技球の発射操作を抑え、遊技者が不利益を被ることを好適に抑制することができる。
特徴B17.遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う遊技状態抽選手段(主制御装置92のMPU311において大当たり乱数カウンタC1等に基づき遊技回処理を実行する機能)と、
前記第1形態から前記第2形態への前記ハンドル装置の変形を実行するか否かの抽選を行う変形抽選手段(主制御装置92のMPU311においてリーチ乱数カウンタC3等にもとづき遊技回処理を実行する機能)と
を備え、
前記可変手段は、前記遊技状態抽選手段による抽選結果が前記特別遊技状態の発生に対応する抽選結果となり且つ前記変形抽選手段による抽選結果が前記ハンドル装置の変形に対応する抽選結果となった場合に前記ハンドル装置が前記第2形態となるよう前記可変手段を制御する制御部(音声ランプ制御装置101)を有していることを特徴とする特徴B16に記載の遊技機。
特徴B17によれば、ハンドル装置の変形に対する期待度が高まり、同ハンドル装置における演出や報知機能を好適に発揮させることができる。
特徴B18.遊技者に有利な特別遊技状態が発生する期待度を示唆する示唆手段を備え、
前記制御部は、前記示唆手段によって前記示唆が行われているタイミングにて前記ハンドル装置が前記第2形態となるように前記可変手段を制御することを特徴とする特徴B17に記載の遊技機。
特徴B18によれば、ハンドル装置への注目度を高め、同ハンドル装置を変形させることによる演出や報知機能を好適に発揮させることができる。
特徴B19.前記遊技状態抽選手段による抽選結果が前記特別遊技状態の発生に対応する抽選結果となった場合に、遊技回終了後に遊技状態を前記特別遊技状態へ移行させる移行手段(主制御装置92のMPU311において遊技状態移行処理を実行する機能)を有し、
前記移行手段による前記特別遊技状態への移行期間内にて前記可変手段を制御することにより前記ハンドル装置の前記第2形態から前記第1形態への復帰を開始させる復帰手段を備えていることを特徴とする特徴B17又は特徴B18に記載の遊技機。
ハンドル装置が第1形態から第2形態に変形することにより、遊技球の発射操作が難しくなる構成においては、遊技進行に応じて第1形態へ復帰させることが好ましい。特に、本特徴に示すように、特別遊技状態へ移行する構成においては、特別遊技状態への移行期間内にてハンドル装置の第1形態への復帰を開始させることにより、特別遊技状態へ移行した後のタイミングにおいて遊技球の発射操作が困難なままとなることを抑制し、遊技進行の円滑化を図ることができる。
特徴B20.前記遊技状態抽選手段による抽選結果が前記特別遊技状態の発生に対応する抽選結果となった場合に、遊技回終了後に遊技状態を前記特別遊技状態へ移行させる移行手段(主制御装置92のMPU311において遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、特別遊技状態となった場合に第1状態から同第1状態よりも遊技球の入球が容易となる第2状態へと切り替る可変入球部(可変入賞装置63)と、
を備えていることを特徴とする特徴B19に記載の遊技機。
特別遊技状態の抽選に当選した場合には、遊技回終了後に特別遊技状態に移行する。この移行期間中においては遊技球の発射を継続することが遊技者の不利益になる可能性がある。特に、遊技機の仕様を熟知していない遊技初心者においては、上記不利益を被りやすいと想定される。
この点、本特徴に示す構成に対して特徴B19に示した技術的思想を適用すれば、上述した不都合を払拭し、遊技者が被る不利益を好適に抑えることができる。
特徴B21.前記遊技領域に設けられ、特別遊技状態となった場合に第1状態から同第1状態よりも遊技球の入球が容易となる第2状態へと切り替る可変入球部(可変入賞装置63)を有し、
前記復帰手段は、前記可変入球部が前記第2状態へと切り替るまでに前記第1形態への復帰が完了するように設定されていることを特徴とする特徴B19に記載の遊技機。
特徴B21によれば、特徴B19に示した効果を一層好適なものとすることができる。
すなわち、第2状態から第1状態に復帰するまでの期間が予め設定されている構成においては、ハンドルの復帰が特別遊技状態への移行に対して遅れることで、遊技者が本来享受できるはずの利益を享受できなくなる可能性が高まる。つまり不利益が生じる可能性がある。特に、遊技機の仕様を熟知していない遊技初心者にとっては、ハンドル装置が復帰するまで待って遊技球の発射を再開することで不利益が大きくなることは好ましくない。この点、本特徴によれば、そのような不都合の発生を抑え実用上好ましい構成を実現することができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構80)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール53,54)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘68等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口62等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。