以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
図1は、本実施形態の遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、この外枠102にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠104と、この中枠104に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠106と、を備えている。
中枠104は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤108が保持されている。また、前枠106には、ガラス製または樹脂製の透過板110が保持されている。そして、これら中枠104および前枠106を外枠102に対して閉じると、遊技盤108と透過板110とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機100の正面側から、透過板110を介して遊技盤108が視認可能となる。
図2は、遊技機100の正面図である。この図に示すように、前枠106の下部には、遊技機100の正面側に突出する操作ハンドル112が設けられている。この操作ハンドル112は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル112を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル112の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤108に設けられたレール114a、114b間を上昇して遊技領域116に導かれることとなる。
遊技領域116は、遊技盤108と透過板110との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。遊技盤108には、多数の釘や風車が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
遊技領域116は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bを備えている。第1遊技領域116aは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、第2遊技領域116bは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。レール114a、114bが遊技領域116の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域116aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域116bに進入することとなる。
また、遊技領域116には、遊技球が入球可能な一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122が設けられており、これら一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。遊技球の入球に基づいて払い出される賞球数は、入賞口ごとに異なっていてもよい。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120内には第1始動領域が設けられ、また、第2始動口122内には第2始動領域が設けられている。そして、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球して第1始動領域または第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な大役遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
第1始動口120は、遊技領域116の下部であって、第1遊技領域116aを流下する遊技球のみが入球可能であるか、もしくは、第1遊技領域116aに進入した遊技球の方が、第2遊技領域116bに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に配置されている。
また、第2始動口122は、第2遊技領域116bに位置しており、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが入球可能であるか、もしくは、第2遊技領域116bに進入した遊技球の方が、第1遊技領域116aに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に配置されている。この第2始動口122は、可動片122bを有する始動可変入賞装置によって構成されており、第2始動口122への遊技球の進入容易性が可変するようになっている。具体的には、第2始動口122は、可動片122bが開閉可能に設けられており、この可動片122bが閉状態にあるときには、第2始動口122への遊技球の進入が不可能もしくは困難となっている。これに対して、第2遊技領域116bに設けられたゲート124を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片122bが所定時間、開状態に制御される。このように、可動片122bが開状態になると、当該可動片122bが遊技球を第2始動口122に導く受け皿として機能し、第2始動口122への遊技球の入球が容易となる。
さらに、第2遊技領域116bには、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが入球可能であるか、もしくは、第2遊技領域116bに進入した遊技球の方が、第1遊技領域116aに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に第1大入賞口126および第2大入賞口128が設けられている。なお、第1大入賞口126および第2大入賞口128をまとめて単に大入賞口ともよぶ。第1大入賞口126には、開閉扉126bが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉126bが第1大入賞口126を閉鎖して、第1大入賞口126への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の大役遊技が実行されると、開閉扉126bが開放されて、開閉扉126bが受け皿として機能し、第1大入賞口126への遊技球の入球が可能となる。そして、第1大入賞口126に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
また、第2大入賞口128は、開閉扉128bが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉128bが第2大入賞口128を閉鎖して、第2大入賞口128への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の大役遊技が実行されると、開閉扉128bが開放されて、開閉扉128bが受け皿として機能し、第2大入賞口128への遊技球の入球が可能となる。そして、第2大入賞口128に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。大入賞口への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球数は、大入賞口ごとに異なっていてもよい。
なお、遊技領域116の最下部には、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、第1大入賞口126、第2大入賞口128のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出する排出口130が設けられている。
そして、遊技機100には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置200、可動装置からなる演出役物装置202、さまざまな点灯態様や発光色に制御される複数のランプからなる演出照明装置204および枠部照明装置240、スピーカからなる音声出力装置206、遊技者の操作を受け付けるとともに、振動による演出を行う演出操作装置208が設けられている。
演出表示装置200は、画像を表示する画像表示部からなる演出表示部200aを備えており、この演出表示部200aを、遊技盤108の略中央部分において、遊技機100の正面側から視認可能に配置している。この演出表示部200aには、図示のように演出図柄210a、210b、210cが変動表示され、これら各演出図柄210a、210b、210cの停止表示態様によって大役抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行されることとなる。変動演出では、演出表示部200aに加えて演出役物装置202、演出照明装置204、音声出力装置206および演出操作装置208等の複数の演出装置の動作が行われる。
演出役物装置202は、演出表示部200aよりも前面に配置され、通常、遊技盤108の背面側に退避しているが、上記の演出図柄210a、210b、210cの変動表示中などに、演出表示部200aの前面まで可動して、遊技者に大当たりの期待感を付与するものである。
演出照明装置204は、演出役物装置202や遊技盤108等に設けられており、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。
図2では図示を省略するが、遊技機100には枠部照明装置240(図42参照、詳細は後述する)は、前枠106の上部位置や側部位置に設けられている。
音声出力装置206は、前枠106の上部位置や外枠102の最下部位置に設けられ、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、遊技機100の正面側に向けてさまざまな音声を出力する。
演出操作装置208は、遊技者の押下操作を受け付ける押下ボタンと、遊技者の回転操作を受け付ける回転操作部と、電気的駆動源の駆動によって押下ボタンを振動させるボタン駆動部とで構成され、遊技機100の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板110よりも下方位置に設けられている。この演出操作装置208は、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて有効化されるものであり、操作有効時間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、さまざまな演出が実行される。また、ボタン駆動部は、電気的駆動源であるモータ(例えば、ステッピングモータ)とモータにより回転される偏心錘(例えば、略半円柱形状の金属製のブロック体)とを有している。ボタン駆動部において偏心錘は、重心がモータの回転軸から径方向外方へずれるように該回転軸に取り付けられている。これにより、ボタン駆動部がモータの駆動により偏心錘を回転すると、重心が回転軸より径方向外方へずれた偏心錘の遠心力によってボタン駆動部を有する押下ボタンが振動し、押下ボタンに触れている遊技者にその振動が伝達される。これにより、演出操作装置208による振動演出が実行される。ボタン駆動部の駆動は、電飾制御基板350からのコマンドによって制御される。
なお、図中符号132は、遊技機100から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿であり、この上皿132が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿134に導かれることとなる。また、この下皿134の底面には、当該下皿134から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ134aを図中左右方向にスライドさせることにより、当該球抜きつまみ134aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿134の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
また、遊技盤108には、遊技領域116の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が設けられている。これら各表示器160〜172は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については後述する。
図3は、第2大入賞口128を説明するための図である。上記したように、第2遊技領域116bには、第1大入賞口126と第2大入賞口128とが設けられているが、このうち、第2大入賞口128の内部には、特定領域140bが設けられている。
図3(a)に示すように、第2大入賞口128の内部には、導出路128dが設けられており、第2大入賞口128は、当該第2大入賞口128に入球した遊技球が、導出路128dに導かれるように傾斜している。そして、導出路128dには、遊技球が通過可能な孔からなる特定領域140bおよび非特定領域140cが設けられており、第2大入賞口128に入球した遊技球が、特定領域140bおよび非特定領域140cのいずれかを通過して、遊技盤108の背面側に排出されるように構成されている。
そして、第2大入賞口128には、特定領域140bおよび非特定領域140cを開閉する可動部材142が設けられている。この可動部材142は、その可動(スライド)によって、特定領域140bへの遊技球の進入を可能とする状態と、特定領域140bへの遊技球の進入を不可能とする状態とに切り換える。より詳細には、可動部材142が、図3(b)に示す位置に変位すると、非特定領域140cが可動部材142によって塞がれ、遊技球は特定領域140bを通過可能となる。一方、可動部材142が、図3(c)に示す位置に変位すると、特定領域140bが可動部材142によって塞がれ、遊技球は非特定領域140cを通過可能となる。詳しくは後述するが、大役遊技の実行中に特定領域140bに遊技球が進入した場合には、当該大役遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定され、大役遊技の実行中に特定領域140bに遊技球が進入しなかった場合には、当該大役遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定されることとなる。
(制御手段の内部構成)
図4は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
主制御基板300は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板300は、メインCPU300a、メインROM300b、メインRAM300cを備えている。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM300cは、メインCPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
本実施形態の遊技機100は、主に第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート124を遊技球が通過することによって開始される普通遊技とに大別される。そして、主制御基板300のメインROM300bには、特別遊技および普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
上記主制御基板300には、一般入賞口118に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口120に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口122に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ122s、ゲート124を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ124s、第1大入賞口126に遊技球が入球したことを検出する第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口128に遊技球が入球したことを検出する第2大入賞口検出スイッチ128s、特定領域140bに遊技球が進入したことを検出する特定領域検出スイッチ140sが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板300に検出信号が入力されるようになっている。
また、主制御基板300には、第2始動口122の可動片122bを作動する普通電動役物ソレノイド122cと、第1大入賞口126を開閉する開閉扉126bを作動する第1大入賞口ソレノイド126cと、第2大入賞口128を開閉する開閉扉128bを作動する第2大入賞口ソレノイド128cと、第2大入賞口128内に設けられた可動部材142を可動する可動部材駆動ソレノイド142cと、が接続されており、主制御基板300によって、第2始動口122、第1大入賞口126、第2大入賞口128および特定領域140bの開閉制御がなされるようになっている。
さらに、主制御基板300には、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が接続されており、主制御基板300によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
また、遊技機100には、電波を検知する電波検知センサ、磁気を検知する磁気検知センサ、中枠104や前枠106の開放状態を検知する扉開放センサ等、異常または不正の可能性があることを検知する異常検知センサ174が複数設けられており、各異常検知センサ174から主制御基板300に異常検知信号が入力されるように構成されている。
そして、主制御基板300には、払出制御基板310および副制御基板330が接続されている。
払出制御基板310は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。この払出制御基板310も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板300に対して双方向に通信可能に接続されている。この払出制御基板310には遊技情報出力端子板312が接続されており、主制御基板300から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板310および遊技情報出力端子板312を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
また、払出制御基板310には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ314が接続されている。払出制御基板310は、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ314を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、遊技球の払い出しが払出検知スイッチ315sによって検出され、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ316sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。払出モータ314の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出検知スイッチ315sからの検知信号および払出球計数スイッチ316sからの計数信号が払出制御基板310に入力される。
また、払出制御基板310には、下皿134の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ318sが接続されている。この皿満タン検出スイッチ318sは、賞球として払い出される遊技球を下皿134に導く通路に設けられており、当該通路を遊技球が通過するたびに、遊技球検出信号が払出制御基板310に入力されるようになっている。
そして、下皿134に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿134に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ318sから払出制御基板310に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板310は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿134が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板300に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板300に送信する。
また、払出制御基板310には、発射制御基板320が双方向に通信可能に接続されている。この発射制御基板320は、払出制御基板310から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。この発射制御基板320は、操作ハンドル112に設けられ、当該操作ハンドル112に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ112sと、操作ハンドル112の操作角度を検出する操作ボリューム112aと、が接続されている。そして、タッチセンサ112sおよび操作ボリューム112aから信号が入力されると、発射制御基板320において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド112cを通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
副制御基板330は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板330は、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330cを備えており、主制御基板300に対して、当該主制御基板300から副制御基板330への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU330aは、主制御基板300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM330bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行するためのコマンドを、画像制御基板340または電飾制御基板350に送信する。このとき、サブRAM330cは、サブCPU330aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
画像制御基板340は、上記演出表示部200aに画像を表示させる画像表示制御を行うものであり、CPU、ROM、RAM、VRAMを備えている。この画像制御基板340のROMには、演出表示部200aに表示される図柄や背景等の画像データが多数格納されており、副制御基板330から送信されたコマンドに基づいて、CPUが、画像データをROMからVRAMに読み出して、演出表示部200aの画像表示を制御する。
電飾制御基板350は、副制御基板330から送信されたコマンドに基づいて、音声出力装置206から音声を出力させる音声出力制御を行う。また、電飾制御基板350は、副制御基板330から送信されるコマンドに基づいて、演出役物装置202を可動したり演出照明装置204および枠部照明装置240を点灯制御したりする。さらに電飾制御基板350は、演出操作装置208が押下操作されたことを検出する演出操作装置検出スイッチ208sから操作検出信号が入力された際に、所定のコマンドを副制御基板330に送信し、演出操作装置208のボタン駆動部の駆動を制御して押下ボタンの振動を制御する。
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されており、電源基板を介して商用電源から各基板に電力供給がなされている。また、電源基板にはコンデンサからなるバックアップ電源が設けられている。
次に、本実施形態の遊技機100における遊技について、メインROM300bに記憶されている各種テーブルと併せて説明する。
前述したように、本実施形態の遊技機100は、特別遊技と普通遊技の2種類の遊技が並行して進行するものであり、これら両遊技を進行する際の遊技状態として、低確率遊技状態または高確率遊技状態のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。
各遊技状態の詳細については後述するが、低確率遊技状態というのは、第1大入賞口126および第2大入賞口128が開放される大役遊技を実行する権利獲得の確率が低く設定された遊技状態であり、高確率遊技状態というのは、大役遊技を実行する権利獲得の確率が高く設定された遊技状態である。
また、非時短遊技状態というのは、可動片122bが開状態になりにくく、第2始動口122に遊技球が入球しにくい遊技状態であり、時短遊技状態というのは、非時短遊技状態よりも可動片122bが開状態になりやすく、第2始動口122に遊技球が入球しやすい遊技状態である。なお、遊技機100の初期状態は、低確率遊技状態および非時短遊技状態に設定され、この遊技状態を本実施形態では通常遊技状態と称する。
遊技者が操作ハンドル112を操作して遊技領域116に遊技球を発射させるとともに、遊技領域116を流下する遊技球が第1始動口120または第2始動口122に入球すると、遊技者に遊技利益を付与するか否か、すなわち遊技者に有利な状態に移行するか否かの抽選(以下、「大役抽選」という)が行われる。遊技者に有利な状態への移行には、大役遊技が実行されることや、大役遊技の実行後に遊技状態が高確率遊技状態および時短遊技状態の少なくとも一方に移行することが含まれる。この大役抽選において、大当たりに当選すると、第1大入賞口126および第2大入賞口128が開放されるとともに当該第1大入賞口126および第2大入賞口128への遊技球の入球が可能となる大役遊技が実行される。以下では、大役抽選方法について説明する。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、大役抽選に係る種々の乱数値(大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数)が取得されるとともに、これら各乱数値がメインRAM300cの特図保留記憶領域に記憶される。以下では、第1始動口120に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特1保留とよび、第2始動口122に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特2保留とよぶ。
メインRAM300cの特図保留記憶領域は、8つの記憶部(第1〜第8記憶部)を有している。そして、第1始動口120に遊技球が入球すると、特1保留を特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶し、第2始動口122に遊技球が入球すると、特2保留を特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶する。例えば、第1始動口120に遊技球が入球したとき、特図保留記憶領域の第1〜第8記憶部のいずれにも保留が記憶されていない場合には、第1記憶部に特1保留を記憶する。また、例えば、第1記憶部〜第3記憶部に特1保留または特2保留が記憶されている状態で、第1始動口120に遊技球が入球した場合には、特1保留を第4記憶部に記憶する。なお、第2始動口122に遊技球が入球した場合にも、上記と同様に、第1記憶部〜第8記憶部の中で、特1保留および特2保留が記憶されていない、最も番号(序数)の小さい記憶部に特2保留が記憶される。
ただし、特図保留記憶領域に記憶可能な特1保留数(X1)および特2保留数(X2)は、それぞれ4つに設定されている。したがって、例えば、第1始動口120に遊技球が入球したときに、特図保留記憶領域に既に4つの特1保留が記憶されている場合には、当該第1始動口120への遊技球の入球によって新たに特1保留が記憶されることはない。同様に、第2始動口122に遊技球が入球したときに、特図保留記憶領域に既に4つの特2保留が記憶されている場合には、当該第2始動口122への遊技球の入球によって新たに特2保留が記憶されることはない。
図5は、大当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜65535の範囲内から1つの大当たり決定乱数が取得される。そして、大役抽選を開始するとき、すなわち、大当たりの判定を行うときの遊技状態に応じて大当たり決定乱数判定テーブルが選択され、当該選択された大当たり決定乱数判定テーブルと取得された大当たり決定乱数とによって大役抽選が行われる。
低確率遊技状態において、特1保留および特2保留について大役抽選を開始する場合には、図5(a)に示すように、低確時大当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この低確時大当たり決定乱数判定テーブルによれば、大当たり決定乱数が10001〜10164であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/399.6となる。
また、高確率遊技状態において、特1保留および特2保留について大役抽選を開始する場合には、図5(b)に示すように、高確時大当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この高確時大当たり決定乱数判定テーブルによれば、大当たり決定乱数が10001〜10618であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/106となる。このように、高確率遊技状態である場合には、低確率遊技状態である場合に比べて、大当たり確率が約4倍となる。なお、低確率遊技状態において「大当たり」となる大当たり決定乱数(10001〜10164)は、高確率遊技状態においても「大当たり」となる。
図6は、当たり図柄乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜99の範囲内から1つの当たり図柄乱数が取得される。そして、上記の大役抽選により「大当たり」の判定結果が導出された場合に、取得している当たり図柄乱数と当たり図柄乱数判定テーブルとによって、特別図柄の種別が決定される。このとき、特1保留によって「大当たり」に当選した場合には、図6(a)に示すように、特1用当たり図柄乱数判定テーブルが選択され、特2保留によって「大当たり」に当選した場合には、図6(b)に示すように、特2用当たり図柄乱数判定テーブルが選択される。以下では、当たり図柄乱数によって決定される特別図柄、すなわち、大当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を大当たり図柄とよび、ハズレの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄をハズレ図柄とよぶ。
図6(a)に示す特1用当たり図柄乱数判定テーブル、および、図6(b)に示す特2用当たり図柄乱数判定テーブルによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、特別図柄の種別(大当たり図柄)が決定される。なお、ここでは、特1用当たり図柄乱数判定テーブル、および、特2用当たり図柄乱数判定テーブルにおいて、異なる大当たり図柄がそれぞれ決定されることとした。しかしながら、両テーブルにおいて同一の大当たり図柄が決定されるようにしてもよいし、保留種別を問わず、1の当たり図柄乱数判定テーブルを参照して特別図柄の種別(大当たり図柄)を決定してもよい。
また、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、当該抽選結果が特1保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Xが決定され、当該抽選結果が特2保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Yが決定される。つまり、当たり図柄乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「大当たり」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に参照されることはない。
図7は、リーチグループ決定乱数判定テーブルを説明する図である。このリーチグループ決定乱数判定テーブルは複数設けられており、保留種別や保留数、さらには遊技状態等に応じて、予め設定されたテーブルが選択される。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜10006の範囲内から1つのリーチグループ決定乱数が取得される。上記のように、大役抽選結果が導出されると、当該大役抽選結果を報知する変動演出パターンを決定する処理が行われる。本実施形態では、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、変動演出パターンを決定するにあたって、まず、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブルとによってグループ種別が決定される。
例えば、通常遊技状態に設定されているときに、特1保留に基づいて「ハズレ」の大役抽選結果が導出された場合において、大役抽選を行うときの特1保留および特2保留の合計数(以下、単に「保留数」という)が0〜2個であれば、図7(a)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル1が選択される。同様に、通常遊技状態に設定されているときに、特1保留に基づいて「ハズレ」の大役抽選結果が導出された場合において、大役抽選を行うときの保留数が3〜4個であれば、図7(b)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル2が選択され、保留数が5〜7個であれば、図7(c)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル3が選択される。なお、図7において、グループ種別の欄に記載しているグループxは、任意のグループ番号を示している。したがって、取得したリーチグループ決定乱数と、参照するリーチグループ決定乱数判定テーブルの種類とに応じて、グループ種別として種々のグループ番号が決定されることとなる。
なお、ここでは、通常遊技状態において、特1保留に基づいて「ハズレ」の大役抽選結果が導出されたときに参照されるリーチグループ決定乱数判定テーブルについて説明したが、メインROM300bには、この他にも多数のリーチグループ決定乱数判定テーブルが記憶されている。
また、大役抽選結果が「大当たり」であった場合には、変動演出パターンを決定するにあたってグループ種別を決定することはない。つまり、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「大当たり」であった場合に参照されることはない。
図8は、リーチモード決定乱数判定テーブルを説明する図である。このリーチモード決定乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に選択されるハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルと、大役抽選結果が「大当たり」であった場合に選択される大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとに大別される。なお、ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルは、上記のように決定されたグループ種別ごとに設けられており、大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルは、保留種別ごとに設けられている。また、各リーチモード決定乱数判定テーブルは、遊技状態や図柄の種別ごとにも設けられている。ここでは、所定の遊技状態および図柄種別において参照されるグループx用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図8(a)に示し、特1用大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図8(b)に示し、特2用大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図8(c)に示す。
第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜250の範囲内から1つのリーチモード決定乱数が取得される。そして、上記の大役抽選の結果が「ハズレ」であった場合には、図8(a)に示すように、上記のグループ種別の抽選により決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択されたハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。また、上記の大役抽選の結果が「大当たり」であった場合には、図8(b)、(c)に示すように、読み出された保留種別に対応する大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択された大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。
また、各リーチモード決定乱数判定テーブルにおいては、リーチモード決定乱数に、変動モード番号とともに、後述する変動パターン乱数判定テーブルが対応付けられており、変動モード番号が決定されるのと同時に、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。なお、図8において、変動パターン乱数判定テーブルの欄に記載しているテーブルxは、任意のテーブル番号を示している。したがって、取得したリーチグループ決定乱数と、参照するリーチモード決定乱数判定テーブルの種類とに応じて、変動モード番号と、変動パターン乱数判定テーブルのテーブル番号とが決定されることとなる。また、本実施形態において、変動モード番号および後述する変動パターン番号は、16進数で設定されている。以下において、16進数を示す場合には「H」を付するが、図8〜図10に○○Hと記載しているのは、16進数で示される任意の値を示すものである。
以上のように、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合には、まず、図7に示すリーチグループ決定乱数判定テーブルとリーチグループ決定乱数とによってグループ種別が決定される。そして、決定されたグループ種別と遊技状態に応じ、図8(a)に示すハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とによって、変動モード番号および変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
一方、大役抽選結果が「大当たり」であった場合には、決定された大当たり図柄(特別図柄の種別)、大当たり当選時の遊技状態等に応じ、図8(b)および図8(c)に示す大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とによって、変動モード番号、変動パターン乱数判定テーブルが決定されることとなる。
図9は、変動パターン乱数判定テーブルを説明する図である。ここでは、所定のテーブル番号xの変動パターン乱数判定テーブルxを示すが、変動パターン乱数判定テーブルは、この他にも、テーブル番号ごとに多数設けられている。
第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜238の範囲内から1つの変動パターン乱数が取得される。そして、上記の変動モード番号と同時に決定された変動パターン乱数判定テーブルと、取得した変動パターン乱数とに基づいて、図示のように変動パターン番号が決定される。
このように、大役抽選が行われると、大役抽選結果、決定された図柄種別、遊技状態、保留数、保留種別等に応じて、変動モード番号、変動パターン番号が決定される。これら変動モード番号、変動パターン番号は、変動演出パターンを特定するものであり、そのそれぞれに、変動演出の態様および時間が対応付けられている。
図10は、変動時間決定テーブルを説明する図である。上記のように、変動モード番号が決定されると、図10(a)に示す変動時間1決定テーブルにしたがって変動時間1が決定される。この変動時間1決定テーブルによれば、変動モード番号ごとに変動時間1が対応付けられており、決定された変動モード番号に応じて、対応する変動時間1が決定される。
また、上記のように、変動パターン番号が決定されると、図10(b)に示す変動時間2決定テーブルにしたがって変動時間2が決定される。この変動時間2決定テーブルによれば、変動パターン番号ごとに変動時間2が対応付けられており、決定された変動パターン番号に応じて、対応する変動時間2が決定される。このようにして決定された変動時間1、2の合計時間が、大役抽選結果を報知する変動演出の時間、すなわち、変動時間となる。
以上のようにして変動モード番号が決定されると、当該決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンドが副制御基板330に送信され、変動パターン番号が決定されると、当該決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330においては、受信した変動モードコマンドに基づいて、主に変動演出の前半の態様が決定され、受信した変動パターンコマンドに基づいて、主に変動演出の後半の態様が決定されることとなるが、その詳細については後述する。
図11は、特別電動役物作動ラムセットテーブルを説明する図である。この特別電動役物作動ラムセットテーブルは、大役遊技を制御するための各種データが記憶されたものであり、大役遊技中は、この特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して、第1大入賞口ソレノイド126cおよび第2大入賞口ソレノイド128cが通電制御される。なお、実際は、特別電動役物作動ラムセットテーブルは、大当たり図柄の種別ごとに複数設けられており、決定された大当たり図柄の種別に応じて、対応するテーブルが大役遊技の開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、1つのテーブルに全ての大当たり図柄の制御データを示す。
特別図柄A〜Eが決定されると、図11に示すように、特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して大役遊技が実行される。大役遊技は、第1大入賞口126および第2大入賞口128が所定回数開閉される複数回のラウンド遊技で構成されている。この特別電動役物作動ラムセットテーブルによれば、オープニング時間(最初のラウンド遊技が開始されるまでの待機時間)、特別電動役物最大作動回数(1回の大役遊技中に実行されるラウンド遊技の回数)、開放大入賞口(各ラウンド遊技において開放される第1大入賞口126および第2大入賞口128)、特別電動役物開閉切替回数(1ラウンド遊技中の第1大入賞口126および第2大入賞口128の開放回数)、ソレノイド通電時間(第1大入賞口126および第2大入賞口128の開放回数ごとの第1大入賞口ソレノイド126cおよび第2大入賞口ソレノイド128cの通電時間、すなわち、1回の第1大入賞口126および第2大入賞口128の開放時間)、規定数(1回のラウンド遊技における第1大入賞口126および第2大入賞口128への最大入賞可能数)、大入賞口閉鎖有効時間(ラウンド遊技間の第1大入賞口126および第2大入賞口128の閉鎖時間、すなわち、ラウンド間インターバル時間)、大入賞口閉鎖有効時間(ラウンド遊技内の第1大入賞口126および第2大入賞口128の閉鎖時間、すなわち、ラウンド内インターバル時間)、エンディング時間(最後のラウンド遊技が終了してから、通常の特別遊技が再開されるまでの待機時間)が、大役遊技の制御データとして、大当たり図柄の種別ごとに、図示のように予め記憶されている。
図12は、特別図柄A〜Eの大入賞口の開放態様を示す図である。なお、図12においては、エンディング時間をEDと表している。大役抽選によって、特別図柄Aが決定されると、図11に示す特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して大役遊技が実行され、図12(a)に示すように、1〜5回目のラウンド遊技として、第1大入賞口126が29.0秒開放すること、または、第1大入賞口126に8個の遊技球が入球する(カウントC=8)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技が実行される。そして、5回目のラウンド遊技が終了すると、6回目のラウンド遊技として、第1大入賞口126が0.1秒開放し5秒閉鎖する開閉態様が15回繰り返し行われること、または、第1大入賞口126に8個の遊技球が入球する(カウントC=8)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技が実行される。その後、7〜9回目のラウンド遊技として、第2大入賞口128が0.05秒開放すること、または、第1大入賞口126に8個の遊技球が入球する(カウントC=8)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技が実行される。なお、各ラウンド遊技間のインターバル時間、すなわち、第1大入賞口126および第2大入賞口128の閉鎖時間は、6回目と7回目のラウンド遊技間のインターバル時間を除いて2.0秒に設定され、6回目と7回目のラウンド遊技間のインターバル時間が5.0秒に設定されている。
また、大役抽選によって、特別図柄Bが決定されると、特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して大役遊技が実行され、図12(b)に示すように、1〜5回目のラウンド遊技として、特別図柄Aが決定された場合の1〜5回目のラウンド遊技と同様のラウンド遊技が実行される。そして、5回目のラウンド遊技が終了すると、6回目のラウンド遊技として、第1大入賞口126が0.1秒開放し5秒閉鎖する開閉態様が15回繰り返し行われること、または、第1大入賞口126に8個の遊技球が入球する(カウントC=8)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技が実行される。その後、7回目のラウンド遊技として、第2大入賞口128が0.05秒開放し3.5秒閉鎖した後、28秒開放すること、または、第2大入賞口128に8個の遊技球が入球する(カウントC=8)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技が実行される。続いて、8〜9回目のラウンド遊技として、第2大入賞口128が0.05秒開放すること、または、第2大入賞口128に8個の遊技球が入球する(カウントC=8)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技が実行される。なお、各ラウンド遊技間のインターバル時間、すなわち、第1大入賞口126および第2大入賞口128の閉鎖時間は、6回目と7回目のラウンド遊技間のインターバル時間を除いて2.0秒に設定され、6回目と7回目のラウンド遊技間のインターバル時間が5.0秒に設定されている。
また、大役抽選によって、特別図柄Cが決定されると、特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して大役遊技が実行され、図12(c)に示すように、1〜5回目のラウンド遊技として、特別図柄Aが決定された場合の1〜5回目のラウンド遊技と同様のラウンド遊技が実行される。そして、5回目のラウンド遊技が終了すると、6回目のラウンド遊技として、第1大入賞口126が0.1秒開放し5秒閉鎖する開閉態様が21回繰り返し行われること、または、第1大入賞口126に8個の遊技球が入球する(カウントC=8)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技が実行される。その後、7〜9回目のラウンド遊技として、特別図柄Bが選択された場合の7〜9回目のラウンド遊技と同様のラウンド遊技が実行される。なお、各ラウンド遊技間のインターバル時間、すなわち、第1大入賞口126および第2大入賞口128の閉鎖時間は、6回目と7回目のラウンド遊技間のインターバル時間を除いて2.0秒に設定され、6回目と7回目のラウンド遊技間のインターバル時間が5.0秒に設定されている。
また、大役抽選によって、特別図柄Dが決定されると、特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して大役遊技が実行され、図12(d)に示すように、1〜5回目のラウンド遊技として、特別図柄Aが決定された場合の1〜5回目のラウンド遊技と同様のラウンド遊技が実行される。そして、5回目のラウンド遊技が終了すると、6回目のラウンド遊技として、第1大入賞口126が0.1秒開放すること、または、第1大入賞口126に8個の遊技球が入球する(カウントC=8)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技が実行される。その後、7〜9回目のラウンド遊技として、特別図柄Bが選択された場合の7〜9回目のラウンド遊技と同様のラウンド遊技が実行される。なお、各ラウンド遊技間のインターバル時間、すなわち、第1大入賞口126および第2大入賞口128の閉鎖時間は、2.0秒に設定されている。
また、大役抽選によって、特別図柄Eが決定されると、特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して大役遊技が実行され、図12(e)に示すように、1〜6回目のラウンド遊技として、第1大入賞口126が29.0秒開放すること、または、第1大入賞口126に8個の遊技球が入球する(カウントC=8)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技が実行される。そして、6回目のラウンド遊技が終了すると、7〜9回目のラウンド遊技として、第2大入賞口128が29.0秒開放すること、または、第2大入賞口128に8個の遊技球が入球する(カウントC=8)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技が実行される。その後、10〜16回目のラウンド遊技として、第1大入賞口126が29.0秒開放すること、または、第1大入賞口126に8個の遊技球が入球する(カウントC=8)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技が実行される。なお、各ラウンド遊技間のインターバル時間、すなわち、第1大入賞口126および第2大入賞口128の閉鎖時間は、2.0秒に設定されている。
このように、大役抽選によって特別図柄A、B、C、Dが決定された場合には、9回のラウンド遊技が実行され、大役抽選によって特別図柄Eが決定された場合には、16回のラウンド遊技が実行される。すなわち、特2保留に基づいて大役抽選が行われた場合の方が、第1保留に基づいて大役抽選が行われた場合よりも、多量の賞球を獲得することができる。なお、特1保留に基づいて大役抽選を行う場合と、特2保留に基づいて大役抽選を行う場合のラウンド数が同一となるように設定することも考えられる。
なお、大役抽選によって特別図柄A、B、Cが決定された場合には、演出ラウンドとしての6回目のラウンド遊技において、第1大入賞口126が最長で0.1秒しか開放されないため、第1大入賞口126に遊技球を入球させることが極めて困難となっており、当該ラウンド遊技中に規定数の遊技球が入球されることはない。したがって、特別図柄AおよびBが決定された場合には、6回目のラウンド遊技が約75秒の遊技時間となり、特別図柄Cが決定された場合には、6回目のラウンド遊技が約105秒の遊技時間となる。
また、いずれの大役遊技においても、1〜6回目のラウンド遊技が、第1大入賞口126によって実行され、7〜9回目のラウンド遊技が、第2大入賞口128によって実行される。ここで、第2大入賞口128には、特定領域140bが設けられており、第2大入賞口128に入球した遊技球が特定領域140bに進入すると、大役遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定される。したがって、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定させるためには、7〜9回目のラウンド遊技中に、少なくとも1個の遊技球を第2大入賞口128に入球させなければならない。
特別図柄B、C、Dが決定されて大役遊技が実行された場合には、7回目のラウンド遊技において、第2大入賞口128が最長で28.0秒開放される。また、特別図柄Eが決定されて大役遊技が実行された場合には、7〜9回目のラウンド遊技において第2大入賞口128が最長で29.0秒開放される。このため、特別図柄B、C、D、Eが決定されて大役遊技が実行された場合には、確実に第2大入賞口128に遊技球を入球させることが可能となっている。第2大入賞口128に遊技球を入球させることが可能なラウンド遊技を第1特定ラウンド遊技という。一方、特別図柄Aが決定されて大役遊技が実行された場合には、7回目のラウンド遊技において、第2大入賞口128が最長で0.05秒しか開放されないため、第2大入賞口128に遊技球を入球させることが極めて困難となっている。第2大入賞口128に遊技球を入球させることが極めて困難なラウンド遊技を第2特定ラウンド遊技という。
また、7回目のラウンド遊技中においては、特定領域140bへの遊技球の進入可否を左右する可動部材142が可動する。このとき、第2大入賞口128の開閉扉128bおよび可動部材142は、特別図柄B、C、D、Eが決定されて大役遊技が実行された場合には、特定領域140bに遊技球が進入可能となる第1の態様で開閉制御され、特別図柄Aが決定されて大役遊技が実行された場合には、特定領域140bに遊技球が進入不可能もしくは特定領域140bに遊技球の進入が困難である第2の態様で開閉制御される。特別図柄Eが決定されて大役遊技が実行された場合は、7回目のラウンド遊技中だけでなく8回目および9回目のラウンド遊技中にも、開閉扉128bおよび可動部材142が第1の態様で開閉制御され、特定領域140bに遊技球が進入可能となる。このように、第1特定ラウンド遊技においては開閉扉128bおよび可動部材142が第1の態様で開閉制御され、第2特定ラウンド遊技においては、開閉扉128bおよび可動部材142が第2の態様で開閉制御される。
図13は、7回目のラウンド遊技における第2大入賞口128の開放態様および可動部材142による特定領域140bの開閉態様を説明する図である。この図に示すように、可動部材142は、第2大入賞口128の開放と同時に、特定領域140bを一瞬(0.05秒程度)開放した後、しばらくの間(例えば、3.5秒程度)、特定領域140bを閉鎖状態に維持し、その後、再び特定領域140bを開放した状態に維持する。そして、特別図柄Aが決定されて大役遊技が実行された場合には、当該大役遊技の開始時に0.05秒のみ第2大入賞口128が開放される。この間に、仮に第2大入賞口128に遊技球が入球したとしても、当該遊技球が特定領域140bに到達するまでには所定の時間を要する。そのため、第2大入賞口128に入球した遊技球が特定領域140bに到達したときには、必ず、特定領域140bが閉鎖されており、その結果、特別図柄Aが決定されて大役遊技が実行された場合に、特定領域140bに遊技球が進入することはない。
なお、遊技球が第2大入賞口128に噛みこんでしまったり、あるいは、何らかの理由で第2大入賞口128内に長時間に亘って遊技球が滞留してしまったりする等、不測の事態が生じた場合には、特別図柄Aが決定された場合であっても、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入する可能性がある。したがって、本明細書においては、理解を容易にするために、「必ず」、「確実に」という文言を用いて説明しているが、これは、遊技機100の状態が、遊技を進行するにあたって適切な状態に置かれており、かつ、不測の事態が生じていないことを前提とするものであり、物理的な100%を意味するものではない。
これに対して、特別図柄B、C、D、Eが決定されて大役遊技が実行された場合には、第2大入賞口128が最長で28.0秒または29.0秒開放される。したがって、第2大入賞口128の開放と同時に第2大入賞口128に入球した1〜2個程度の遊技球は、特定領域140bを通過することができない可能性はあるが、その後に第2大入賞口128に入球した遊技球は、確実に特定領域140bを通過することができる。
つまり、特別図柄B、C、D、Eが決定されて大役遊技が実行された場合には、第2大入賞口128に遊技球を入球させる限り、確実に、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定されることとなるが、特別図柄Aが決定されて大役遊技が実行された場合には、大役遊技の終了後に、必ず、低確率遊技状態に設定されることとなる。
ここで、図6で説明したとおり、第2始動口122に遊技球が入球して大当たりに当選した場合には、特別図柄Eが決定されるため、大当たりに当選すれば、必ず、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定されることとなる。これに対して、第1始動口120に遊技球が入球して大当たりに当選した場合には、特別図柄A、B、C、Dのいずれかが決定されるため、大当たりに当選した場合に、45%の確率で、大役遊技の終了後に低確率遊技状態に設定されることとなる。
つまり、特定領域140bへの遊技球の進入が可能な第1特定ラウンド遊技が含まれる大役遊技を第1大役遊技とし、特定領域140bへの遊技球の進入が不可能、もしくは、第1大役遊技よりも特定領域140bへの遊技球の進入が困難な第2特定ラウンド遊技が含まれ、第1特定ラウンド遊技が含まれない大役遊技を第2大役遊技とする。この場合、第2始動口122への遊技球の入球によって取得された乱数に基づいて決定され得る大当たり図柄には、第1大役遊技の実行が対応付けられており、第1始動口120への遊技球の入球によって取得された乱数に基づいて決定され得る大当たり図柄には、第2大役遊技の実行が対応付けられた大当たり図柄が少なくとも含まれていることとなる。
図14は、上記のようにして大役遊技が実行された場合に、当該大役遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。本実施形態においては、大役遊技が実行された場合、当該大役遊技中における特定領域140bへの遊技球の進入可否に応じて大役遊技の終了後の遊技状態が設定される。
この遊技状態設定テーブルによれば、決定された特別図柄の種別を問わず、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入した場合には、高確率遊技状態に設定されるとともに、高確率遊技状態の継続回数(以下、「高確回数」という)は170回に設定される。これは、高確率遊技状態が、大役抽選結果が170回確定するまで継続することを意味している。ただし、上記した高確回数は1の高確率遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、高確回数の設定が行われることとなる。したがって、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定された場合に、当該高確率遊技状態において大当たりの抽選結果が導出されることなく、ハズレの抽選結果が170回導出されると、低確率遊技状態に遊技状態が変更されることとなる。
また、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入した場合には、大役遊技の終了後に時短遊技状態に設定されるとともに、時短遊技状態の継続回数(以下、「時短回数」という)は170回に設定される。大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入しなかった場合には、時短遊技状態に設定されるとともに、時短回数は100回に設定される。
これは、時短遊技状態が、大役抽選結果が100回確定するまで継続することを意味している。ただし、上記した時短回数は1の時短遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、時短回数の設定が行われることとなる。
図15は、当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。遊技領域116を流下する遊技球がゲート124を通過すると、第2始動口122の可動片122bを通電制御するか否かが対応付けられた普通図柄の判定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。
なお、詳しくは後述するが、遊技球がゲート124を通過すると、0〜99の範囲内から1つの当たり決定乱数が取得されるとともに、この乱数値がメインRAM300cの普図保留記憶領域に4つを上限として記憶される。つまり、普図保留記憶領域は、当たり決定乱数をセーブする4つの記憶部を備えている。したがって、普図保留記憶領域の4つの記憶部全てに当たり決定乱数が記憶された状態で、遊技球がゲート124を通過した場合には、当該遊技球の通過に基づいて当たり決定乱数が記憶されることはない。以下では、ゲート124を遊技球が通過して普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数を普図保留とよぶ。
非時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図15(a)に示すように、非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が1〜99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、非時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は1/100となる。詳しくは後述するが、この普図抽選において当たり図柄が決定されると、第2始動口122が開状態に制御され、ハズレ図柄が決定された場合には、第2始動口122が閉状態に維持される。
また、時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図15(b)に示すように、時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0〜98であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は99/100となる。
図16(a)は、普通図柄変動時間データテーブルを説明する図であり、図16(b)は、開閉制御パターンテーブルを説明する図である。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動時間が決定される。普通図柄変動時間データテーブルは、普図抽選によって当たり図柄もしくはハズレ図柄が決定されたときに、当該普通図柄の変動時間を決定する際に参照されるものである。この普通図柄変動時間データテーブルによれば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が10秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が1秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示器168が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が消灯する。
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示器168が点灯した場合には、第2始動口122の可動片122bが、図16(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して通電制御される。なお、実際は、開閉制御パターンテーブルは、遊技状態ごとに設けられており、普通図柄が決定されたときの遊技状態に応じて、対応するテーブルが普通電動役物ソレノイド122cの通電開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、1つのテーブルに各遊技状態に対応する制御データを示す。
当たり図柄が決定されると、図16(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して第2始動口122が開閉制御される。この開閉制御パターンテーブルによれば、普電開放前時間(第2始動口122の開放が開始されるまでの待機時間)、普通電動役物最大開閉切替回数(第2始動口122の開放回数)、ソレノイド通電時間(第2始動口122の開放回数ごとの普通電動役物ソレノイド122cの通電時間、すなわち、1回の第2始動口122の開放時間)、規定数(第2始動口122の全開放中における第2始動口122への最大入賞可能数)、普電閉鎖有効時間(第2始動口122の各開放間の閉鎖時間、すなわち、休止時間)、普電有効状態時間(第2始動口122の最後の開放終了からの待機時間)、普電終了ウェイト時間(普電有効状態時間の経過後、後述する普通図柄の変動表示が再開されるまでの待機時間)が、第2始動口122の制御データとして、遊技状態ごとに、図示のように予め記憶されている。
このように、非時短遊技状態および時短遊技状態には、それぞれ、第2始動口122を開閉するための開閉制御条件が、遊技進行条件として対応付けられており、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動口122に遊技球が入球しやすくなる。つまり、時短遊技状態においては、ゲート124を遊技球が通過する限りにおいて、次々と普図抽選がなされるとともに、第2始動口122が頻繁に開放状態となるため、遊技者は遊技球の費消を低減しながら、大役抽選を行うことが可能となる。
なお、第2始動口122の開閉条件は、普通図柄の当選確率、普通図柄の変動表示の時間、第2始動口122の開放時間の3つの要素を規定するものである。そして、本実施形態では、この3つの要素の全てにおいて、非時短遊技状態よりも時短遊技状態の方を有利に設定することで、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも、第2始動口122に遊技球が入球しやすくなるように設定した。しかしながら、上記3つの要素のうち、1つまたは2つの要素のみについて、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも有利に設定してもよい。いずれにしても、時短遊技状態の方が非時短遊技状態に比べて、少なくとも1つの要素について有利となることで、総合的に時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも第2始動口122に遊技球が容易に入球するようにすればよい。つまり、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合に、第1の条件にしたがって可動片122bが開閉制御され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合に、第1の条件よりも開状態になりやすい第2の条件にしたがって可動片122bが開閉制御されればよい。
次に、遊技機100における遊技の進行に伴う主制御基板300の主な処理について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板300のCPU初期化処理)
図17は、主制御基板300におけるCPU初期化処理(S100)を説明するフローチャートである。
電源基板より電源が供給されると、メインCPU300aにシステムリセットが発生し、メインCPU300aは、以下のCPU初期化処理(S100)を行う。
(ステップS100−1)
メインCPU300aは、電源投入に応じて、初期設定処理として、メインROM300bから起動プログラムを読み込むとともに、各種処理を実行するために必要な設定処理を行う。
(ステップS100−3)
メインCPU300aは、タイマカウンタにウェイト処理時間を設定する。
(ステップS100−5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。なお、主制御基板300には、電源断検知回路が設けられており、電源電圧が所定値以下になると、電源検知回路から電源断予告信号が出力される。電源断予告信号を検出している場合には、上記ステップS100−3に処理を移し、電源断予告信号を検出していない場合には、ステップS100−7に処理を移す。
(ステップS100−7)
メインCPU300aは、上記ステップS100−3で設定したウェイト時間が経過したか否かを判定する。その結果、ウェイト時間が経過したと判定した場合にはステップS100−9に処理を移し、ウェイト時間は経過していないと判定した場合には上記ステップS100−5に処理を移す。
(ステップS100−9)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを許可するために必要な処理を実行する。
(ステップS100−11)
メインCPU300aは、RAMクリア信号がオンしているか否かを判定する。なお、遊技盤108の背面には不図示のRAMクリアボタンが設けられており、このRAMクリアボタンが押圧操作されると、RAMクリア検出スイッチがRAMクリアボタンの押圧操作を検出して、主制御基板300にRAMクリア信号が出力される。ここでは、RAMクリアボタンが押圧操作された状態で電源が投入された場合に、RAMクリア信号がオンしていると判定される。そして、RAMクリア信号がオンしていると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、RAMクリア信号はオンしていないと判定した場合にはステップS100−19に処理を移す。
(ステップS100−13)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源投入時(メインRAM300cをクリアするリセット時)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
(ステップS100−15)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理を行う。
(ステップS100−17)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理を行う。
(ステップS100−19)
メインCPU300aは、チェックサムを算出するために必要な処理を実行する。
(ステップS100−21)
メインCPU300aは、上記ステップS100−19で算出したチェックサムが、電源断時に保存されたチェックサムと不一致であるかを判定する。その結果、両者が不一致であると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、両者が不一致ではない(一致する)と判定した場合にはステップS100−23に処理を移す。
(ステップS100−23)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源復帰時(メインRAM300cをクリアせずに、電源断前のデータを維持するとき)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
(ステップS100−25)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理を行う。
(ステップS100−27)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理を行う。
(ステップS100−29)
メインCPU300aは、特別図柄の種別を示す電源投入時特図図柄種別指定コマンド、特1保留数(X1)を示す特1保留指定コマンド、特2保留数(X2)を示す特2保留指定コマンド、記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を示す特別図柄入賞順序コマンドを送信するための電源投入時サブコマンドセット処理を実行する。
(ステップS100−31)
メインCPU300aは、タイマ割込みの周期を設定する。
(ステップS100−33)
メインCPU300aは、割込みを禁止するための処理を行う。
(ステップS100−35)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数用初期値更新乱数を更新する。なお、当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値および終了値を決定するためのものである。つまり、後述する当たり図柄乱数の更新処理によって当たり図柄乱数が、当たり図柄乱数用初期値更新乱数から、当該当たり図柄乱数用初期値更新乱数−1まで1周すると、当たり図柄乱数は、そのときの当たり図柄乱数用初期値更新乱数に更新されることとなる。
(ステップS100−37)
メインCPU300aは、払出制御基板310から受信した受信データ(主コマンド)を解析し、受信データに応じた種々の処理を実行する。
(ステップS100−39)
メインCPU300aは、送信バッファに格納されているサブコマンドを副制御基板330に送信するための処理を行う。
(ステップS100−41)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS100−43)
メインCPU300aは、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を更新し、以後、上記ステップS100−33から処理を繰り返す。なお、以下では、変動演出パターンを決定するためのリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を総称して変動演出用乱数と呼ぶ。
次に、主制御基板300における割込み処理について説明する。ここでは、電源断時退避処理(XINT割込み処理)およびタイマ割込み処理について説明する。
(主制御基板300の電源断時退避処理(XINT割込み処理))
図18は、主制御基板300における電源断時退避処理(XINT割込み処理)を説明するフローチャートである。メインCPU300aは、電源断検知回路を監視しており、電源電圧が所定値以下になると、CPU初期化処理に割り込んで電源断時退避処理を実行する。
(ステップS300−1)
電源断予告信号が入力されると、メインCPU300aは、レジスタを退避する。
(ステップS300−3)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300−5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−11に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−7に処理を移す。
(ステップS300−7)
メインCPU300aは、レジスタを復帰させる。
(ステップS300−9)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行い、当該電源断時退避処理を終了する。
(ステップS300−11)
メインCPU300aは、出力ポートの出力を停止する出力ポートクリア処理を実行する。
(ステップS300−13)
メインCPU300aは、チェックサムを算出して保存するチェックサム設定処理を実行する。
(ステップS300−15)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを禁止するために必要なRAMプロテクト設定処理を実行する。
(ステップS300−17)
メインCPU300aは、電源断発生監視時間を設定すべく、ループカウンタのカウンタ値に所定の電源断検出信号検出回数をセットする。
(ステップS300−19)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300−21)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−17に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−23に処理を移す。
(ステップS300−23)
メインCPU300aは、上記ステップS300−17でセットしたループカウンタの値を1減算する。
(ステップS300−25)
メインCPU300aは、ループカウンタのカウンタ値が0でないかを判定する。その結果、カウンタ値が0ではないと判定した場合にはステップS300−19に処理を移し、カウンタ値が0であると判定した場合には上記したCPU初期化処理(ステップS100)に移行する。
なお、実際に電源断が生じた場合には、ステップS300−17〜ステップS300−25をループしている間に遊技機100の稼働が停止する。
(主制御基板300のタイマ割込み処理)
図19は、主制御基板300におけるタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。主制御基板300には、所定の周期(本実施形態では4ミリ秒、以下「4ms」という)毎にクロックパルスを発生させるリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。そして、リセット用クロックパルス発生回路によって、クロックパルスが発生すると、CPU初期化処理(ステップS100)に割り込んで、以下のタイマ割込み処理が実行される。
(ステップS400−1)
メインCPU300aは、レジスタを退避する。
(ステップS400−3)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS400−5)
メインCPU300aは、コモン出力バッファにセットされたコモンデータを出力ポートに出力し、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172を点灯制御するダイナミックポート出力処理を実行する。
(ステップS400−7)
メインCPU300aは、各種の入力ポート情報を読み込み、最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。
(ステップS400−9)
メインCPU300aは、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該主制御基板300のタイマ割込み処理の度に減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS400−11)
メインCPU300aは、上記ステップS100−35と同様、当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新処理を実行する。
(ステップS400−13)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、乱数カウンタを1加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。
なお、詳しい説明は省略するが、本実施形態では、大当たり決定乱数および当たり決定乱数は、主制御基板300に内蔵されたハードウェア乱数生成部によって更新されるハードウェア乱数を用いている。ハードウェア乱数生成部は、大当たり決定乱数および当たり決定乱数を、いずれも一定の規則にしたがって更新し、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列を変更するとともに、システムリセット毎にスタート値を変更している。
(ステップS500)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、ゲート検出スイッチ124s、第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口検出スイッチ128s、特定領域検出スイッチ140sから信号の入力があったか否か判定するスイッチ管理処理を実行する。なお、このスイッチ管理処理の詳細については後述する。
(ステップS600)
メインCPU300aは、上記の特別遊技を進行制御するための特別遊技管理処理を実行する。なお、この特別遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS700)
メインCPU300aは、上記の普通遊技を進行制御するための普通遊技管理処理を実行する。なお、この普通遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS400−15)
メインCPU300aは、各種エラーや異常の発生有無の判定および判定結果に応じた設定を行うためのエラー管理処理を実行する。具体的には、メインCPU300aは、異常検知センサ174からの異常検知信号の入力に基づいて各種エラーや異常が発生していると判定すると、発生したエラーに対応するエラーコマンドを送信バッファにセットする。メインCPU300aは、複数のエラーが発生していると判定した場合は、発生したエラーの数だけエラーコマンドをセットする。なお、各始動入賞口および各大入賞口の検出スイッチで不正な入賞や過度の入賞等のエラーが検出された場合は、上記ステップS500のスイッチ管理処理および上記ステップS600の特別遊技管理処理の一部で所定のエラー処理が実行され、エラーコマンドが送信バッファにセットされる。
なお、各始動入賞口および各大入賞口の検出スイッチが検出するエラーについて、発生し得るエラーに対応するエラーフラグを設けてもよい。この場合、ステップS500のスイッチ管理処理および上記ステップS600の特別遊技管理処理等におけるエラー検出時に対応するエラーフラグをオン状態としておき、ステップS400−15のエラー管理処理でエラーフラグの状態を確認してオン状態となっているエラーフラグに基づいてエラーコマンドのセットを行うようにしてもよい。
(ステップS400−17)
メインCPU300aは、一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口検出スイッチ128sのチェックを行い、該当する賞球制御用のカウンタ等を加算するための入賞口スイッチ処理を実行する。
(ステップS400−19)
メインCPU300aは、上記ステップS400−17でセットされた賞球制御用のカウンタのカウンタ値等に基づく払出コマンドの作成および送信を行うための払出制御管理処理を実行する。
(ステップS400−21)
メインCPU300aは、遊技情報出力端子板312から外部へ出力する外部情報用の出力データをセットするための外部情報管理処理を実行する。各種エラーや異常が発生していると判定している場合は、当該外部情報管理処理において、各種エラーや異常の発生を示す外部情報が遊技情報出力端子板312を介して、例えば遊技場のホールコンピュータ等の外部装置に出力される。
(ステップS400−23)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172等の各種表示器(LED)を点灯制御するためのコモンデータをコモン出力バッファにセットするLED表示設定処理を実行する。
(ステップS400−25)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122c、第1大入賞口ソレノイド126c、第2大入賞口ソレノイド128cおよび可動部材駆動ソレノイド142cのソレノイド出力イメージを合成し、出力ポートバッファに格納するためのソレノイド出力イメージ合成処理を実行する。
(ステップS400−27)
メインCPU300aは、各出力ポートバッファに格納されたコモン出力バッファの値を出力ポートに出力するためのポート出力処理を実行する。
(ステップS400−29)
メインCPU300aは、レジスタを復帰してタイマ割込み処理を終了する。
以下に、上記したタイマ割込み処理のうち、ステップS500のスイッチ管理処理、ステップS600の特別遊技管理処理、ステップS700の普通遊技管理処理について、詳細に説明する。
図20は、主制御基板300におけるスイッチ管理処理(ステップS500)を説明するフローチャートである。
(ステップS500−1)
メインCPU300aは、ゲート検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、ゲート124を遊技球が通過してゲート検出スイッチ124sからの検出信号がオンされたかを判定する。その結果、ゲート検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS510に処理を移し、ゲート検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−3に処理を移す。
(ステップS510)
メインCPU300aは、ゲート124への遊技球の通過に基づいてゲート通過処理を実行する。なお、このゲート通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−3)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1始動口120に遊技球が入球して第1始動口検出スイッチ120sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第1始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS520に処理を移し、第1始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−5に処理を移す。
(ステップS520)
メインCPU300aは、第1始動口120への遊技球の入球に基づいて第1始動口通過処理を実行する。なお、この第1始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−5)
メインCPU300aは、第2始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第2始動口122に遊技球が入球して第2始動口検出スイッチ122sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第2始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS530に処理を移し、第2始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−7に処理を移す。
(ステップS530)
メインCPU300aは、第2始動口122への遊技球の入球に基づいて第2始動口通過処理を実行する。なお、この第2始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−7)
メインCPU300aは、大入賞口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1大入賞口126および第2大入賞口128に遊技球が入球して第1大入賞口検出スイッチ126sおよび第2大入賞口検出スイッチ128sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、大入賞口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS500−9に処理を移し、大入賞口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−11に処理を移す。
(ステップS500−9)
メインCPU300aは、現在、大役遊技中であるか否かを判定し、第1大入賞口126および第2大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたものであるかを判定する。ここでは、大役遊技中ではないと判定した場合には、所定の不正検出処理を実行し、大役遊技中であり、第1大入賞口126および第2大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたと判定した場合には、大入賞口入賞球数カウンタを1加算して、ステップS500−11に処理を移す。
(ステップS500−11)
メインCPU300aは、特定領域検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、特定領域140bに遊技球が進入して特定領域検出スイッチ140sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、特定領域検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS540に処理を移し、特定領域検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合には当該スイッチ管理処理を終了する。
(ステップS540)
メインCPU300aは、特定領域140bへの遊技球の進入に基づいて特定領域通過処理を実行し、当該スイッチ管理処理を終了する。なお、この特定領域通過処理の詳細については後述する。
図21は、主制御基板300におけるゲート通過処理(ステップS510)を説明するフローチャートである。
(ステップS510−1)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された当たり決定乱数をロードする。
(ステップS510−3)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であるか、つまり、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が4以上であるかを判定する。その結果、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であると判定した場合には当該ゲート通過処理を終了し、普通図柄保留球数カウンタは最大値以上ではないと判定した場合にはステップS510−5に処理を移す。
(ステップS510−5)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS510−7)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の4つの記憶部のうち、取得した当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS510−9)
メインCPU300aは、上記ステップS510−1で取得した当たり決定乱数を、上記ステップS510−7で算定した対象記憶部にセーブする。
(ステップS510−11)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットし、当該ゲート通過処理を終了する。
図22は、主制御基板300における第1始動口通過処理(ステップS520)を説明するフローチャートである。
(ステップS520−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「00H」をセットする。なお、特別図柄識別値は、保留種別として特1保留および特2保留のいずれであるかを識別するためのもので、特別図柄識別値(00H)は特1保留を示し、特別図柄識別値(01H)は特2保留を示す。
(ステップS520−3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、特別図柄乱数取得処理を実行して、当該第1始動口通過処理を終了する。なお、この特別図柄乱数取得処理は、第2始動口通過処理(ステップS530)と共通のモジュールを利用して実行される。したがって、特別図柄乱数取得処理の詳細は、第2始動口通過処理の説明後に説明する。
図23は、主制御基板300における第2始動口通過処理(ステップS530)を説明するフローチャートである。
(ステップS530−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「01H」をセットする。
(ステップS530−3)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、後述する特別図柄乱数取得処理を実行する。
(ステップS530−5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。なお、詳しくは後述するが、普通遊技管理フェーズは、普通遊技の実行処理の段階、すなわち、普通遊技の進行状況を示すものであり、普通遊技の実行処理の段階に応じて更新される。
(ステップS530−7)
メインCPU300aは、上記ステップS530−5でロードした普通遊技管理フェーズが「04H」ではないかを判定する。なお、普通遊技管理フェーズの「04H」は、普通電動役物入賞口開放制御処理中であることを示すものである。この普通電動役物入賞口開放制御処理においては、普通電動役物ソレノイド122cが通電されて可動片122bが開状態に制御されることから、ここでは、第2始動口122が適正に開放され得る状態にあるかを判定することとなる。その結果、普通遊技管理フェーズが「04H」ではないと判定した場合には当該第2始動口通過処理を終了し、普通遊技管理フェーズが「04H」であると判定した場合にはステップS530−9に処理を移す。
(ステップS530−9)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該第2始動口通過処理を終了する。
図24は、主制御基板300における特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を説明するフローチャートである。この特別図柄乱数取得処理は、上記した第1始動口通過処理(ステップS520)および第2始動口通過処理(ステップS530)において、共通のモジュールを用いて実行される。
(ステップS535−1)
メインCPU300aは、上記ステップS520−1またはステップS530−1でセットした特別図柄識別値をロードする。
(ステップS535−3)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数をロードする。ここでは、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「00H」であれば、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数をロードする。また、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「01H」であれば、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数をロードする。
(ステップS535−5)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された大当たり決定乱数をロードする。
(ステップS535−7)
メインCPU300aは、上記ステップS535−3でロードした対象特別図柄保留球数が上限値以上であるかを判定する。その結果、上限値以上であると判定した場合には、ステップS535−23に処理を移し、上限値以上ではないと判定した場合には、ステップS535−9に処理を移す。
(ステップS535−9)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS535−11)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域の8つの記憶部のうち、取得した大当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS535−13)
メインCPU300aは、上記ステップS535−5でロードした大当たり決定乱数、上記ステップS400−13で更新された当たり図柄乱数、上記ステップS100−43で更新されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を取得し、上記ステップS535−11で算定した対象記憶部に格納する。
(ステップS535−15)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域に記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を更新して記憶する特別図柄保留球入賞順序設定処理を行う。
(ステップS536)
メインCPU300aは、上記ステップS535−13で対象記憶部に格納した各種の乱数に基づいて、大役仮抽選、当たり図柄仮決定、変動演出パターン仮決定をする取得時演出判定処理を実行する。
(ステップS535−17)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードする。
(ステップS535−19)
メインCPU300aは、上記ステップS535−17でロードしたカウンタ値に基づいて、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特図2保留指定コマンドをセットする。これにより、特1保留または特2保留が記憶されるたびに、特1保留数および特2保留数が副制御基板330に伝達されることとなる。
(ステップS535−21)
メインCPU300aは、上記ステップS535−15で記憶した特1保留および特2保留の入賞順序に対応する特別図柄入賞順序コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS535−23)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS535−25)
メインCPU300aは、上記ステップS535−23でロードした普通遊技管理フェーズを確認し、後述する普通電動役物入賞口開放制御状態未満であるかを判定する。その結果、普通電動役物入賞口開放制御状態未満であると判定した場合にはステップS535−27に処理を移し、普通電動役物入賞口開放制御状態未満ではないと判定した場合には当該特別図柄乱数取得処理を終了する。
(ステップS535−27)
メインCPU300aは、異常入賞があったか否かを判定するとともに、異常入賞があったと判定した場合には、所定の処理を行う始動口異常入賞エラー処理を実行する。始動口異常入賞エラー処理では、例えばメインCPU300aは、始動口異常入賞エラーが検出されたことを副制御基板330に伝達するためのエラーコマンドを送信バッファにセットする。始動口異常入賞エラー処理を実行すると、メインCPU300aは、当該特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を終了する。
図25は、上記ステップS540の特定領域通過処理を説明するフローチャートである。
(ステップS540−1)
メインCPU300aは、上記ステップS500−11で特定領域検出スイッチオン検出時であると判定した場合には、有効期間フラグがオンしているか否かを判定する。その結果、メインCPU300aは、有効期間フラグがオンしていると判定した場合にはステップS540−3に処理を移し、有効期間フラグがオンしていないと判定した場合にはステップS540−5に処理を移す。
なお、詳しくは後述するが、この有効期間フラグは、特定領域140bへの遊技球の進入を有効なものとみなすか否かを判断するためのものである。本実施形態においては、有効期間フラグは、第2大入賞口128の開閉扉128bおよび可動部材142が第1の態様で開閉制御されて特定領域140bに遊技球が進入可能となるラウンドである第1特定ラウンド遊技の開始時にオンされ、第1特定ラウンド遊技の終了時から一定時間経過した後にオフされる。第1特定ラウンド遊技には、大当たり図柄として特別図柄B、C、Dが決定されたことに基づく大役遊技中における7回目のラウンド遊技および大当たり図柄として特別図柄Eが決定されたことに基づく大役遊技中における7〜9回目のラウンド遊技が該当する。
(ステップS540−3)
上記ステップS540−1において、有効期間フラグがオンしていると判定した場合には、メインCPU300aは、特定領域進入フラグをオンし、当該特定領域通過処理を終了する。なお、特定領域進入フラグは、大役遊技中において、特定領域140bに有効に遊技球が進入したことを示すものである。また、既に特定領域進入フラグがオンしている場合には、そのまま当該特定領域通過処理を終了する。
(ステップS540−5)
一方、上記ステップS540−1において、有効期間フラグがオンしていないと判定した場合には、メインCPU300aは、所定のエラー処理を実行する。ステップS540−5にでは、例えば遊技場のホールコンピュータ等の外部装置へエラー発生を示す外部情報の出力処理が行われる。
有効期間フラグは、上述のように第1特定ラウンド遊技の開始時にオンされる(ステップS640−9)。したがって、有効期間フラグがオンしていない、すなわち第1特定ラウンド遊技中でないにも関わらずステップS500−11で特定領域140bへの遊技球の進入が検知された場合、遊技球が第2大入賞口128に噛みこんでしまった等の不測の事態が発生していることが推測される。このため、遊技機100において、第1特定ラウンド遊技中以外の特定領域140bへの遊技球の進入はエラーとみなされる。なお、第2大入賞口128が開放していない状態すなわち、第2大入賞口が開放しないラウンド遊技(第1特定ラウンド遊技および第2特定ラウンド遊技のいずれでもないラウンド遊技)では、特定領域140bへの遊技球の進入が検知され(ステップS500−11のYES)、かつ有効期間フラグがオンしていない(ステップS540−1のNO)と判定されてステップS540−5の処理は実行されることはない。したがって、ステップS540−5の処理は、例えば第2特定ラウンド遊技中に不具合が発生した場合に実行される処理である。
(ステップS540−7)
メインCPU300aは、エラーが検出されたことを示すエラーコマンドを送信バッファにセットし、当該特定領域通過処理を終了する。
図26は、特別遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球を契機とする特別遊技と、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技とが、同時並行して進行する。特別遊技に係る処理は、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした特別遊技に係る各処理を特別遊技管理フェーズによって管理している。
図26に示すように、メインROM300bには、特別遊技を実行制御するための複数の特別遊技制御モジュールが格納されており、これら特別遊技制御モジュールごとに、特別遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、特別遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「特別図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「特別図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「特別図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「大入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「大入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「大入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「大入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
図27は、主制御基板300における特別遊技管理処理(ステップS600)を説明するフローチャートである。
(ステップS600−1)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS600−3)
メインCPU300aは、上記ステップS600−1でロードした特別遊技管理フェーズに対応する特別遊技制御モジュールを選択する。
(ステップS600−5)
メインCPU300aは、上記ステップS600−3で選択した特別遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
(ステップS600−7)
メインCPU300aは、特別遊技の制御時間を管理する特別遊技タイマをロードし、当該特別遊技管理処理を終了する。
図28は、主制御基板300における特別図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動待ち処理は、特別遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
(ステップS610−1)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値の合計、すなわち、特1保留数(X1)および特2保留数(X2)の合計値を確認する。
(ステップS610−3)
メインCPU300aは、上記ステップS610−1で確認した合計値が「0」でないかを判定する。その結果、合計値が「0」ではないと判定した場合にはステップS610−7に処理を移し、合計値は「0」であると判定した場合にはステップS610−5に処理を移す。
(ステップS610−5)
メインCPU300aは、保留が途切れると客待ちコマンドを送信バッファにセットするとともに、客待ち状態に設定するための客待ち設定処理を実行し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。なお、客待ちコマンドは、保留が途切れた際に1度だけ送信される。
(ステップS610−7)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域の第1記憶部〜第8記憶部に記憶されている特1保留および特2保留を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部〜第8記憶部に記憶されている特1保留および特2保留を、第1記憶部〜第7記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている特1保留および特2保留を、第0記憶部にブロック転送する。なお、この特別図柄記憶エリアシフト処理においては、第0記憶部に転送された保留種別に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、特1保留または特2保留が「1」減算したことを示す、保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。さらに、ここでは、特図保留記憶領域に記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を更新して記憶する。
(ステップS610−9)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数、保留種別、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかを識別する特別図柄確率状態フラグをロードし、対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択して大役抽選を行い、その抽選結果を記憶する特別図柄当たり判定処理を実行する。
(ステップS610−11)
メインCPU300aは、特別図柄を決定するための特別図柄図柄判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610−9の大役抽選の結果が大当たりであった場合には、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS610−9の大役抽選の結果がハズレであった場合には、保留種別に対応するハズレ用の特別図柄判定データ(ハズレ図柄の種別)をセーブする。このようにして、特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−13)
メインCPU300aは、上記ステップS610−11で抽出した特別図柄判定データに対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。なお、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162は、それぞれ7セグで構成されており、7セグを構成する各セグメントには番号(カウンタ値)が対応付けられている。ここで決定する特別図柄停止図柄番号は、最終的に点灯するセグメントの番号(カウンタ値)を示すものである。
(ステップS611)
メインCPU300aは、変動モード番号および変動パターン番号を決定する特別図柄変動番号決定処理を実行する。この特別図柄変動番号決定処理の詳細は後述する。
(ステップS610−15)
メインCPU300aは、上記ステップS611で決定された変動モード番号および変動パターン番号をロードするとともに、変動時間決定テーブルを参照して、変動時間1および変動時間2を決定する。そして、決定した変動時間1、2の合計時間を、特別図柄変動タイマにセットする。
(ステップS610−17)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162において、特別図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、特別図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。なお、特別図柄表示図柄カウンタは、第1特別図柄表示器160に対応する特別図柄1表示図柄カウンタと、第2特別図柄表示器162に対応する特別図柄2表示図柄カウンタとが別個に設けられており、ここでは、保留種別に対応するカウンタにカウンタ値が設定される。
(ステップS610−19)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特図2保留指定コマンドをセットする。また、ここでは、上記ステップS610−7で記憶した特1保留および特2保留の入賞順序に対応する特別図柄入賞順序コマンドを送信バッファにセットする。これにより、特1保留または特2保留が消化されるたびに、特1保留数および特2保留数、ならびに、これら各保留の入賞順序が副制御基板330に伝達されることとなる。
(ステップS610−21)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
図29は、主制御基板300における特別図柄変動番号決定処理を説明するフローチャートである。
(ステップS611−1)
メインCPU300aは、上記ステップS610−9における大役抽選の結果が大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップS611−3に処理を移し、大当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS611−5に処理を移す。
(ステップS611−3)
メインCPU300aは、リーチグループ決定乱数判定テーブルをセットする。
(ステップS611−5)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値の合計、すなわち、特1保留数(X1)および特2保留数(X2)の合計値を確認する。
(ステップS611−7)
メインCPU300aは、現在の遊技状態、上記ステップS611−5で確認した合計値、保留種別に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブルをセットする。そして、セットしたリーチグループ決定乱数判定テーブルと、上記ステップS610−7で第0記憶部に転送したリーチグループ決定乱数とに基づいて、リーチグループ(グループ種別)を決定する。
(ステップS611−9)
メインCPU300aは、リーチグループ決定乱数判定テーブルをセットする。
(ステップS611−11)
メインCPU300aは、上記ステップS611−3または上記ステップS611−9でセットしたリーチグループ決定乱数判定テーブルと、上記ステップS610−7で第0記憶部に転送したリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号を決定する。また、ここでは、変動モード番号とともに、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
(ステップS611−13)
メインCPU300aは、上記ステップS611−11で決定した変動モード番号に対応する変動モードコマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS611−15)
メインCPU300aは、上記ステップS611−11で決定した変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS610−7で第0記憶部に転送した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定する。
(ステップS611−17)
メインCPU300aは、上記ステップS611−15で決定した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドを送信バッファにセットして、当該特別図柄変動番号決定処理を終了する。
図30は、主制御基板300における特別図柄変動中処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動中処理は、特別遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
(ステップS620−1)
メインCPU300aは、特別図柄変動ベースカウンタを更新する処理を実行する。なお、特別図柄変動ベースカウンタは、所定周期(例えば100ms)で1周するようにカウンタ値が設定される。具体的には、特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であった場合には、所定のカウンタ値(例えば25)がセットされ、カウンタ値が「1」以上であった場合には、現在のカウンタ値から「1」減算した値にカウンタ値を更新する。
(ステップS620−3)
メインCPU300aは、上記ステップS620−1で更新した特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であった場合にはステップS620−5に処理を移し、カウンタ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−9に処理を移す。
(ステップS620−5)
メインCPU300aは、上記ステップS610−15で設定された特別図柄変動タイマのタイマ値を所定値減算する特別図柄変動タイマ更新処理を行う。
(ステップS620−7)
メインCPU300aは、上記ステップS620−5で更新した特別図柄変動タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS620−15に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−9に処理を移す。
(ステップS620−9)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントの点灯時間を計時する特別図柄表示タイマを更新する。具体的には、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
(ステップS620−11)
メインCPU300aは、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS620−13に処理を移し、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該特別図柄変動中処理を終了する。
(ステップS620−13)
メインCPU300aは、更新対象の特別図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新し、当該特別図柄変動中処理を終了する。これにより、7セグを構成する各セグメントが、所定時間おきに順次点灯することとなる。
(ステップS620−15)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「02H」に更新する。
(ステップS620−17)
メインCPU300aは、対象の特別図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS610−13で決定した特別図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に、決定された特別図柄が停止表示されることとなる。
(ステップS620−19)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示されたことを示す特図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS620−21)
メインCPU300aは、特別図柄を停止表示する時間である特別図柄変動停止時間を特別遊技タイマにセットし、当該特別図柄変動中処理を終了する。
図31は、主制御基板300における特別図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この特別図柄停止図柄表示処理は、特別遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
(ステップS630−1)
メインCPU300aは、上記ステップS620−21でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該特別図柄停止図柄表示処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS630−3に処理を移す。
(ステップS630−3)
メインCPU300aは、大役抽選の結果を確認する。
(ステップS630−5)
メインCPU300aは、大役抽選の結果が大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップS630−15に処理を移し、大当たりではないと判定した場合にはステップS630−7に処理を移す。
(ステップS630−7)
メインCPU300aは、回数切り管理処理を実行する。ここでは、特別図柄確率状態フラグをロードして、現在の遊技状態が低確率遊技状態であるか高確率遊技状態であるかを確認する。そして、遊技状態が高確率遊技状態であった場合には、高確回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、高確回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、低確率遊技状態に対応する特別図柄確率状態フラグをセットする。これにより、高確率遊技状態において、大当たりに当選することなく、特別図柄が所定回数確定したところで、遊技状態が低確率遊技状態に移行することとなる。
また、ここでは、遊技状態が非時短遊技状態であるか時短遊技状態であるかを識別するための普通図柄時短状態フラグをロードして、現在の遊技状態が非時短遊技状態であるか時短遊技状態であるかを確認する。そして、遊技状態が時短遊技状態であった場合には、時短回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、時短回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、非時短遊技状態に対応する普通図柄時短状態フラグをセットする。これにより、時短遊技状態において、大当たりに当選することなく、特別図柄が所定回数確定したところで、遊技状態が非時短遊技状態に移行することとなる。
(ステップS630−9)
メインCPU300aは、特別図柄が確定したときの遊技状態を示す特図確定時遊技状態確認指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−11)
メインCPU300aは、上記ステップS630−7で更新した高確回数および時短回数を副制御基板330に伝達するための回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−13)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の保留に基づく特別遊技管理処理が終了し、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく特別図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
(ステップS630−15)
メインCPU300aは、確定した特別図柄の種別に応じて、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータをセットする。
(ステップS630−17)
メインCPU300aは、特別電動役物最大作動回数設定処理を行う。具体的には、上記ステップS630−15でセットしたデータを参照し、特別電動役物最大作動回数カウンタに、カウンタ値として所定数(特別図柄の種別に対応するカウンタ値=ラウンド数)をセットする。なお、この特別電動役物最大作動回数カウンタは、これから開始する大役遊技において実行可能なラウンド数を示すものである。一方、メインRAM300cには、特別電動役物連続作動回数カウンタが設けられており、各ラウンド遊技の開始時に、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を「1」加算することで、現在のラウンド遊技数が管理される。ここでは、大役遊技の開始に伴って、この特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値をリセット(「0」に更新)する処理が併せて実行される。
(ステップS630−19)
メインCPU300aは、上記ステップS630−15でセットしたデータを参照し、特別遊技タイマに、タイマ値として所定のオープニング時間をセーブする。
(ステップS630−21)
メインCPU300aは、大役遊技の開始を副制御基板330に伝達するためのオープニング指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−23)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「03H」に更新し、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、大役遊技が開始されることとなる。
図32は、主制御基板300における大入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放前処理は、特別遊技管理フェーズが「03H」であった場合に実行される。
(ステップS640−1)
メインCPU300aは、特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口開放前処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS640−3に処理を移す。
(ステップS640−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS640−5)
メインCPU300aは、第1大入賞口126および第2大入賞口128の開放開始(ラウンド遊技の開始)を副制御基板330に伝達するための大入賞口開放指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS641)
メインCPU300aは、大入賞口開閉切替処理を実行する。この大入賞口開閉切替処理については後述する。
(ステップS640−7)
メインCPU300aは、開始するラウンド遊技が特定領域140bに遊技球が進入可能な第1特定ラウンド遊技であるか否かを判定する。
具体的には、メインCPU300aは、決定された大当たり図柄の種別とラウンド遊技の回数に基づいて、開始するラウンド遊技が第1特定ラウンド遊技であるか否かを判定する。まず、メインCPU300aは、大当たり図柄の種別が特別図柄B,C,D,Eのいずれかであるかを判定する。大当たり図柄の種別が特別図柄B,C,D,Eのいずれかで有ると判定すると、メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値に基づいて、開始するラウンド遊技が何回目であるかを判定する。その結果、メインCPU300aは、大当たり図柄の種別が特別図柄B,C,Dのいずれかであり且つ開始するラウンド遊技が7回目であると判定した場合、または大当たり図柄の種別が特別図柄Eであり且つ開始するラウンド遊技が7〜9回目のいずれかのラウンド遊技であると判定した場合に、開始するラウンド遊技が第1特定ラウンド遊技であると判定し、ステップS640−9に処理を移す。一方、メインCPU300aは、大当たり図柄の種別が特別図柄Aであると判定した場合、または大当たり図柄の種別が特別図柄B,C,Dのいずれかであり且つ開始するラウンド遊技が7回目のラウンド遊技でない場合、または大当たり図柄の種別が特別図柄Eであり且つ開始するラウンド遊技が7〜9回目のラウンド遊技ではないと判定した場合に、開始するラウンド遊技が第1特定ラウンド遊技でないと判定し、ステップS640−11に処理を移す。
(ステップS640−9)
メインCPU300aは、有効期間フラグをオンする。これにより、第1特定ラウンド遊技の開始に伴って、特定領域140bへの遊技球の進入が有効化される。
(ステップS640−11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「04H」に更新し、当該大入賞口開放前処理を終了する。
図33は、主制御基板300における大入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
(ステップS641−1)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数(1回のラウンド遊技中における第1大入賞口126および第2大入賞口128の開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641−3に処理を移す。
(ステップS641−3)
メインCPU300aは、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータを参照し、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、第1大入賞口ソレノイド126cおよび第2大入賞口ソレノイド128cを通電制御するためのソレノイド制御データ、ならびに、第1大入賞口ソレノイド126cおよび第2大入賞口ソレノイド128cの通電時間もしくは通電停止時間であるタイマデータを抽出する。
(ステップS641−5)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、第1大入賞口ソレノイド126cおよび第2大入賞口ソレノイド128cの通電を開始するか、もしくは、第1大入賞口ソレノイド126cおよび第2大入賞口ソレノイド128cの通電を停止するための大入賞口ソレノイド通電制御処理を実行する。この大入賞口ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、第1大入賞口ソレノイド126cおよび第2大入賞口ソレノイド128cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
(ステップS641−7)
メインCPU300aは、不図示の可動部材制御テーブルをセットするとともに、当該テーブルを参照して、可動部材駆動ソレノイド142cの通電制御を行う。
(ステップS641−9)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、特別遊技タイマにセーブする。なお、ここで特別遊技タイマにセーブされるタイマ値は、第1大入賞口126および第2大入賞口128の1回の最大開放時間となる。
(ステップS641−11)
メインCPU300aは、第1大入賞口ソレノイド126cおよび第2大入賞口ソレノイド128cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS641−5において、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS641−11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップS641−13)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
図34は、主制御基板300における大入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放制御処理は、特別遊技管理フェーズが「04H」であった場合に実行される。
(ステップS650−1)
メインCPU300aは、上記ステップS641−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS650−5に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS650−3に処理を移す。
(ステップS650−3)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS650−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641に処理を移す。
(ステップS641)
上記ステップS650−3において、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS641の処理を実行する。
(ステップS650−5)
メインCPU300aは、上記ステップS500−9で更新された大入賞口入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、第1大入賞口126または第2大入賞口128に、1ラウンド中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該大入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS650−7に処理を移す。
(ステップS650−7)
メインCPU300aは、第1大入賞口ソレノイド126cおよび第2大入賞口ソレノイド128cの通電を停止して第1大入賞口126および第2大入賞口128を閉鎖するために必要な大入賞口閉鎖処理を実行する。これにより、第1大入賞口126および第2大入賞口128が閉鎖状態となる。
(ステップS650−9)
メインCPU300aは、大入賞口閉鎖有効時間(インターバル時間)を特別遊技タイマにセーブする。
(ステップS650−11)
メインCPU300aは、特定領域140bへの遊技球の進入を有効なものとみなすか否かを判定するための有効期間フラグがオン状態であるかを判定する。その結果、有効期間フラグがオン状態であると判定した場合はステップS650−13に処理を移し、有効期間フラグがオン状態でなくオフ状態であると判定した場合にはステップS650−15に処理を移す。
(ステップS650−13)
メインCPU300aは、有効期間フラグをオフする有効期間フラグオフタイマをセットする。なお、有効期間フラグオフタイマは、ステップS400−9のタイマ更新処理でタイマ割込処理の度に減算されていき、0になると有効期間フラグがオフになる。
(ステップS643)
メインCPU300aは、第1特定ラウンド遊技中において特定領域140bに遊技球が入球したか否かを判定する特定領域未通過判定処理を実行する。特定領域未通過判定処理の詳細は後述する。
(ステップS650−15)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「05H」に更新する。
(ステップS650−17)
メインCPU300aは、第1大入賞口126および第2大入賞口128が閉鎖されたことを示す大入賞口閉鎖指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口開放制御処理を終了する。
図35は、主制御基板300における特定領域未通過判定処理を説明するフローチャートである。特定領域未通過判定処理は、図34に示す大入賞口開放制御処理において第1特定ラウンドの終了時であると判定された場合(上記ステップS650−11のYES)に実行される(上記ステップS643)。
(ステップS643−1)
メインCPU300aは、上記ステップS650−11で第1特定ラウンド遊技の終了時であると判定すると、ステップS643−1において、終了する第1特定ラウンド遊技が未通過判定対象ラウンド遊技か否かを判定する。未通過判定対象ラウンド遊技は、第1特定ラウンド遊技が実行される第1大役遊技中において最後に実行される第1特定ラウンド遊技である。具体的には、第1特定ラウンド遊技のうち、大当たり図柄として特別図柄B、C、Dが決定されたことに基づく大役遊技中では、第1特定ラウンド遊技が7回目のラウンド遊技の1回しか行われないため、この7回目のラウンド遊技が未通過判定対象ラウンド遊技に該当する。また、大当たり図柄として特別図柄Eが決定されたことに基づく大役遊技中では、第1特定ラウンド遊技が7〜9回目の3回行われるため、3回目の第1特定ラウンド遊技すなわち9回目のラウンド遊技が未通過判定対象ラウンド遊技に該当する。メインCPU300aは、終了する第1特定ラウンド遊技が未通過判定対象ラウンド遊技であると判定すると、ステップS643−3の処理へ移る。一方、メインCPU300aは、終了する第1特定ラウンド遊技が未通過判定対象ラウンド遊技でないと判定すると、後続の処理を行わずに特定領域未通過判定処理を終了する。
(ステップS643−3)
メインCPU300aは、ステップS643−3において、特定領域140bに有効に遊技球が進入したことを示す特定領域進入フラグがオンしているか否かを判定する。その結果、特定領域進入フラグがオンしていると判定した場合には、メインCPU300aは、後続の処理を行わずに当該特定領域未通過判定処理を終了する。一方、特定領域進入フラグがオンしていないと判定した場合には、メインCPU300aは、ステップS643−5に処理を移す。
(ステップS643−5)
ステップS643−5において、メインCPU300aは、上記ステップS643−3において、特定領域進入フラグがオンしていないと判定したことに基づいて、所定のエラー処理を実行し、ステップS643−5の処理へ移る。遊技機100では、特定領域140bへの遊技球の進入が可能な状態であるにも関わらず、未通過判定対象ラウンド遊技の終了時までに特定領域140bへの遊技球の進入が検知されない場合、何らかのエラーが発生したとみなされる。ステップS643−5では、エラー処理として例えば遊技場のホールコンピュータ等の外部装置へエラー発生を示す外部情報の出力処理が行われる。
(ステップS643−7)
ステップS643−7において、メインCPU300aは、エラーが検出されたことを示すエラーコマンドを送信バッファにセットし、当該特定領域未通過判定処理を終了する。
図36は、主制御基板300における大入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この大入賞口閉鎖有効処理は、特別遊技管理フェーズが「05H」であった場合に実行される。
(ステップS660−1)
メインCPU300aは、上記ステップS650−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口閉鎖有効処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS660−3に処理を移す。
(ステップS660−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致するか、すなわち、予め設定された回数のラウンド遊技が終了したかを判定する。その結果、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致すると判定した場合にはステップS660−9に処理を移し、一致しないと判定した場合にはステップS660−5に処理を移す。
(ステップS660−5)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「03H」に更新する。
(ステップS660−7)
メインCPU300aは、所定の大入賞口閉鎖時間を特別遊技タイマにセーブし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。これにより、次のラウンド遊技が開始されることとなる。
(ステップS660−9)
メインCPU300aは、エンディング時間を特別遊技タイマにセーブするエンディング時間設定処理を実行する。
(ステップS660−11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「06H」に更新する。
(ステップS660−13)
メインCPU300aは、エンディングの開始を示すエンディング指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。
図37は、主制御基板300における大入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この大入賞口終了ウェイト処理は、特別遊技管理フェーズが「06H」であった場合に実行される。
(ステップS670−1)
メインCPU300aは、上記ステップS660−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該大入賞口終了ウェイト処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS670−3に処理を移す。
(ステップS670−3)
メインCPU300aは、大役遊技終了後の遊技状態を設定するための状態設定処理を実行する。ここでは、上記ステップS540−3で特定領域進入フラグがオンされている場合には、高確率遊技状態および時短遊技状態に設定するとともに高確回数および時短回数を設定し、特定領域進入フラグをオフする。また、上記ステップS540−3で特定領域進入フラグがオンされていない場合には、低確率遊技状態および時短遊技状態に設定するとともに、時短回数を設定する。
(ステップS670−5)
メインCPU300aは、大役遊技の終了後に設定される遊技状態を伝達するための遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS670−7)
メインCPU300aは、上記ステップS670−3でセーブした高確回数および時短回数に対応する回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS670−9)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該大入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、特別図柄の変動表示が再開されることとなる。
既に説明したとおり、本実施形態では、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技に係る処理が、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした普通遊技に係る各処理を普通遊技管理フェーズによって管理している。
メインROM300bには、普通遊技を実行制御するための複数の普通遊技制御モジュールが格納されており、これら普通遊技制御モジュールごとに、普通遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、普通遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「普通図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「普通図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「普通図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「普通電動役物入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「普通電動役物入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
ここで、普通遊技制御モジュールの各処理について説明する。本実施形態では、主制御基板300における普通遊技管理処理において、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードし、ロードした普通遊技管理フェーズに対応する普通遊技制御モジュールを選択する。
主制御基板300における普通遊技管理処理において、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズとして「00H」をロードし普通遊技制御モジュールとして普通図柄変動待ち処理を選択したら、普図保留が「0」であるかを判定し、「0」と判定したら普通図柄変動待ち処理を終了する。一方、メインCPU300aは、普図保留が「0」でないと判定したら、普図保留記憶領域の第1記憶部に記憶されていた普図保留(当り決定乱数)について普図抽選を行う普通図柄当り判定処理、普図抽選の結果に対応し最終的に普通図柄表示器168を点灯するか否かを示す普通図柄停止図柄番号の設定処理、普通図柄変動時間を決定する普通図柄変動時間の決定処理、普通図柄の変動表示を開始するための普通図柄表示図柄カウンタの設定処理、普通図柄当たり判定処理によって決定された図柄種別(当たり図柄またはハズレ図柄)に基づく普通図柄指定コマンドの送信バッファへの設定処理などを実行する。また、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該普通図柄変動待ち処理を終了する。
主制御基板300における普図遊技管理処理において、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズとして「01H」をロードし普通遊技制御モジュールとして普通図柄変動中処理を選択したら、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定したら、普通図柄表示器168の点灯および消灯を繰り返えすために、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値(普通図柄表示器168の消灯または点灯を示すカウンタ値)の更新設定処理を実行し、普通図柄変動待ち処理を終了する。普通図柄表示図柄カウンタが消灯を示すカウンタ値と点灯を示すカウンタ値とが交互に更新設定されることにより、普通図柄表示器168は、普通図柄変動時間にわたって、所定時間おきに点灯、消灯を繰り返す(点滅する)こととなる。
一方、メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定したら、普通図柄表示図柄カウンタに、普通図柄表示待ち処理において決定していた普通図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、普図抽選の結果が報知されることとなる。また、メインCPU300aは、普通図柄を停止表示する時間である普通図柄変動停止時間の設定処理や普通図柄の停止表示が開始されたことを示す普図停止指定コマンドの送信バッファへの設定処理などを実行し、さらに、普通遊技管理フェーズを「02H」に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。
主制御基板300における普図遊技管理処理において、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズとして「02H」をロードし普通遊技制御モジュールとして普通図柄停止図柄表示処理を選択したら、普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定したら普通図柄停止図柄表示処理を終了する。
一方、メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定し、普図抽選の結果が当たりではない(ハズレである)と判定したら普通遊技管理フェーズを「00H」に更新して普通図柄停止図柄表示処理を終了する。また、メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定し、普図抽選の結果が当たりであると判定したら普通遊技タイマのタイマ値として普電開放前時間をセーブするとともに普通遊技管理フェーズを「03H」に更新して普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、第2始動口122の開閉制御が開始されることとなる。
主制御基板300における普図遊技管理処理において、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズとして「03H」をロードし普通遊技制御モジュールとして普通電動役物入賞口開放前処理を選択したら、普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定し、このタイマ値が「0」でないと判定したら普通電動役物入賞口開放前処理を終了する。
一方、メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定したら、普通電動役物入賞口開閉切替処理を実行する。普通電動役物入賞口開閉切替処理において、メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数(1回の開閉制御中における第2始動口122の可動片122bの開閉回数)の上限値であると判定すると普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了する。一方、当メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が普通電動役物開閉切替回数の上限値でないと判定すると、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始または通電停止するための普通電動役物ソレノイド通電制御処理を実行する。この普通電動役物ソレノイド通電制御処理の実行により、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始または通電停止の制御がなされることとなる。
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、第2始動口122の1回の最大開放時間となるタイマ値を普通遊技タイマにセーブする。メインCPU300aは、上述の普通電動役物ソレノイド通電制御処理において普通電動役物ソレノイド122cの通電開始制御処理を実行したと判定したら普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新して普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了し、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始制御処理を実行していないと判定したら普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を更新せずに普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了する。
メインCPU300aは、普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了したら、普通遊技管理フェーズを「04H」に更新し、普通電動役物入賞口開放前処理を終了する。
主制御基板300における普図遊技管理処理において、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズとして「04H」をロードし普通遊技制御モジュールとして普通電動役物入賞口開放制御処理を選択したら、普通電動役物入賞開閉切替処理においてセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」であるか否かを判定し、このタイマ値が「0」であると判定したら、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が普通電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が上限値であると判定したら後述する普通電動役物閉鎖処理を実行し、当該カウンタ値が上限値でないと判定したら上述の普通電動役物入賞開閉切替処理を実行する。
一方、メインCPU300aは、普通電動役物入賞開閉切替処理においてセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定したら、上述の第2始動口通過処理で更新された普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達し、1回の開閉制御中の最大入賞可能数と同数の遊技球が第2始動口122に入球しているかを判定し、入球数が規定数に到達していないと判定したら普通電動役物入賞口開放制御処理を終了する。一方、メインCPU300aは、入球数が規定数に到達していると判定しら、第2始動口122を閉鎖状態とするために、普通電動役物ソレノイド122cの通電を停止して第2始動口122を閉鎖するために必要な普通電動役物閉鎖処理を実行し、普電有効状態時間を普通遊技タイマにセーブするとともに、普通遊技管理フェーズを「05H」に更新して普通電動役物入賞口開放制御処理を終了する。
主制御基板300における普図遊技管理処理において、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズとして「05H」をロードし普通遊技制御モジュールとして普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を選択したら、上述の普通電動役物入賞口開放制御処理でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定したら普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了する。
一方、メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定したら、普電終了ウェイト時間を普通遊技タイマにセーブし、普通遊技管理フェーズを「06H」に更新して普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了する。
主制御基板300における普図遊技管理処理において、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズとして「06H」をロードし普通遊技制御モジュールとして普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を選択したら、上述の普通電動役物入賞口閉鎖有効処理でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定したら普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了する。
一方、メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定したら、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新して普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、普図保留が記憶されている場合には、普通図柄の変動表示が再開されることとなる。
以上のように、主制御基板300において各種の処理が実行されることにより、特別遊技および普通遊技が進行することとなるが、こうした遊技の進行中には、主制御基板300から送信されるコマンドに基づいて、副制御基板330において、さまざまな演出を実行するための制御が行われる。以下では、副制御基板330における処理および遊技機100に発生した異常やエラーを報知するエラー報知演出および演出操作装置208の押下ボタンを振動させるボタン振動演出の制御について説明する。
(副制御基板330のサブCPU初期化処理)
図38は、副制御基板330のサブCPU初期化処理(S1000)を説明するフローチャートである。
(ステップS1000−1)
サブCPU330aは、電源投入に応じて、サブROM330bからCPU初期化処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM330cに記憶されるフラグ等の初期化、設定処理を行う。
(ステップS1000−3)
次に、サブCPU330aは、各演出乱数を更新する処理を行うとともに、以後は、割込み処理が行われるまで当該ステップS1000−3の処理を繰り返し行う。なお、演出乱数は複数種類設けられており、ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
(副制御基板330のサブタイマ割込み処理)
図39は、副制御基板330のサブタイマ割込み処理(S1100)を説明するフローチャートである。副制御基板330には、所定の周期でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(不図示)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU330aはタイマ割込み処理プログラムを読み込んで当該サブタイマ割込み処理を開始する。
(ステップS1100−1)
サブCPU330aは、レジスタを退避する。
(ステップS1100−3)
サブCPU330aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS1100−5)
サブCPU330aは、副制御基板330で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該副制御基板330のサブタイマ割込み処理の度に1ずつ減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS1200)
サブCPU330aは、サブRAM330cの受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を行う。副制御基板330においては、主制御基板300からコマンドが送信されると、コマンド受信割込み処理が行われ、主制御基板300から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。ここでは、コマンド受信割込み処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析することとなる。
(ステップS1300)
サブCPU330aは、大役遊技の実行に同時期に実行される大当たり演出の態様を決定する大当たり演出決定処理を実行する。大当たり演出は、演出表示部200a、演出役物装置202、演出照明装置204および音声出力装置206といった演出装置を用いて実行される。大当たり演出は大当たりに当選したことを遊技者に報知する演出でもあり、変動演出とともに大役抽選結果を報知するための演出に含まれる。
(ステップS1400)
サブCPU330aは、遊技機100に各種エラーや異常が発生していることを報知するエラー報知演出の実行を制御するためのエラー報知処理を実行する。
(ステップS1500)
サブCPU330aは、ボタン振動演出を制御するボタン振動演出制御処理を実行する。
(ステップS1100−7)
サブCPU330aは、サブRAM330cの送信バッファにセットされているコマンドを画像制御基板340や電飾制御基板350へ送信する。
(ステップS1100−9)
サブCPU330aは、レジスタを復帰して当該サブタイマ割込み処理を終了する。
図40は、上記コマンド解析処理のうち、図柄種別指定コマンドを受信した際に実行される図柄種別指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、図柄種別指定コマンドは、主制御基板300において、図28のステップS610−11でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(図17参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1210−1)
図柄種別指定コマンドを受信すると、サブCPU330aは、当該図柄種別指定コマンドに対応する特別図柄の種別情報を記憶し、当該図柄種別指定コマンド受信処理を終了する。
次に、大当たり演出おける各演出装置の動作態様を決定する大当たり演出決定処理について図41を参照しながら説明する。
(ステップS1300−1)
ステップS1300−1において、サブCPU330aは、大当たりに当選したことに基づいて実行されるラウンド遊技の開始を示す大入賞口開放指定コマンドを受信したか否かを判定する。サブCPU330aは、大入賞口開放指定コマンドを受信しており、ラウンド遊技の開始時であると判定すると、ステップS1300−3の処理へ移る。一方、サブCPU330aは、大入賞口開放指定コマンドを受信しておらず、ラウンド遊技の開始時でないと判定すると、後続の処理を行わずに大当たり演出決定処理を終了する。なお、サブCPU330aは、大入賞口開放指定コマンドの受信回数に基づいて、開始されるラウンド遊技が何回目のラウンド遊技であるかを判断するようになっている。
(ステップS1300−3)
ステップS1300−3において、サブCPU330aは、上記ステップS1210−1で記憶した特別図柄(大当たり図柄)の種別に応じた態様で大当たり演出を実行するための大当たり演出指定コマンドを作成する。遊技機100では、大当たり図柄A〜Eのそれぞれについてラウンド遊技の回数に対応した大当たり演出が用意されている。大当たり演出指定コマンドは、大当たり図柄およびラウンド遊技の回数に対応する大当たり演出を各演出装置に実行させるためのコマンドである。具体的に、大当たり演出指定コマンドには、大当たり演出画像制御コマンドと大当たり演出電飾制御コマンドとの2種類のコマンドがある。大当たり演出画像制御コマンドは、大当たり図柄およびラウンド遊技の回数に対応した所定の動画像を演出表示部200aで再生表示させるためコマンドである。また、大当たり演出電飾制御コマンドは、大当たり図柄およびラウンド遊技の回数に対応した態様で演出役物装置202を可動させ、演出照明装置204を構成する各ランプを点灯させ、大当たり図柄に対応した音声を音声出力装置206に出力させるためのコマンドである。大当たり演出画像制御コマンドおよび大当たり演出電飾制御コマンドには、大当たり図柄およびラウンド遊技の回数の情報が含まれている。
サブCPU330aは、ステップ1300−3において、作成した大当たり演出画像制御コマンドおよび大当たり演出電飾制御コマンドを送信バッファにセットし、大当たり演出画像制御コマンドを画像制御基板340に送信し、大当たり演出電飾制御コマンドを電飾制御基板350に送信する。
画像制御基板340は、大当たり演出画像制御コマンドを受信すると、大当たり図柄の情報を読み込み、大当たり図柄およびラウンド遊技の回数に対応する動画像を演出表示部200aで再生表示する。大当たり演出画像制御コマンドにはラウンド遊技の回数の情報が含まれるため、画像制御基板340は、例えば「7ラウンド!」のように現在のラウンド遊技の回数を動画像の再生表示に合わせて演出表示部200aに表示することも可能である。また、電飾制御基板350は、大当たり演出電飾制御コマンドを受信すると、大当たり図柄の情報を読み込み、大当たり図柄に対応するパターンで演出役物装置202を動作させるとともに、大当たり図柄に対応する態様で演出照明装置204の各ランプを点灯させ、大当たり図柄に対応する音声を音声出力装置206から出力する。大当たり演出電飾制御コマンドにもラウンド遊技の回数の情報が含まれるため、電飾制御基板350は、例えばラウンド遊技の回数ごとに演出照明装置204の各ランプの点灯態様や音声出力装置206から出力する音声を変更することも可能である。
(ステップS1300−5)
ステップS1300−5において、サブCPU330aは、大当たり図柄の種別が特別図柄B,C,D,Eのいずれかであるか否かを判定する。その結果、大当たり図柄の種別が特別図柄B,C,D,Eのいずれかであると判定すると、サブCPU330aはステップS1300−7の処理へ移る。一方、サブCPU330aは、大当たり図柄の種別が特別図柄B,C,D,Eのいずれでもない、すなわち特別図柄Aであると判定すると、後続の処理を行わずに大当たり演出決定処理を終了する。
(ステップS1300−7)
ステップS1300−7において、サブCPU330aは、ボタン振動演出実行コマンドを作成して大当たり演出決定処理を終了する。ボタン振動演出実行コマンドは、演出操作装置208を振動させることを電飾制御基板350に指示するコマンドである。サブCPU330aは、ステップS1300−7において、作成したボタン振動実行コマンドを送信バッファにセットし、当該ボタン振動実行コマンドを電飾制御基板350に送信する。これにより、大当たり図柄の種別が特別図柄B,C,D,Eのいずれかである場合に、大当たり演出における演出表示部200a、演出役物装置202、演出照明装置204および音声出力装置206による動作に合わせて演出操作装置208の押下ボタンが振動するボタン振動演出が大当たり演出の一部として実行される。電飾制御基板350は、大当たり図柄およびラウンド遊技の回数に応じて予め定められた期間中においてボタン振動演出を実行すると、ボタン振動演出を終了する。ボタン振動演出において、演出操作装置208の押下ボタンが振動すると演出操作装置208の押下ボタンに触れている遊技者に振動が伝わるため、演出表示部200a、演出役物装置202、演出照明装置204および音声出力装置206による演出の臨場感が更に高められ、遊技の興趣の向上を図ることができる。なお、ボタン振動演出が実行される場合には、例えばボタン振動演出に先立って演出表示部200aにおいて演出操作装置208の操作を遊技者に促す画像が表示される。また、ボタン振動演出は、大当たり演出の一部として実行されるのみでなく、例えば変動演出と合わせて実行されてもよい。
(エラー報知演出の一例)
次に、エラー報知演出について説明する。エラー報知演出は、演出表示部200a、枠部照明装置240および音声出力装置206といった演出装置の動作によって遊技機100に各種エラーや異常が発生したことを報知する演出である。エラー報知演出は、主制御基板300から副制御基板330にエラーコマンドが送信されたことに基づいて、サブCPU330aの制御により演出表示部200a、演出照明装置204、枠部照明装置240、音声出力装置206等の複数の演出装置において実行される。エラー報知演出は、各種エラーや異常の発生に伴い、変動演出中や大当たり演出中においても実行され得る。詳しくは後述するが、変動演出や大当たり演出における複数の演出装置の動作に加えて、枠部照明装置240の点灯動作等が行われる。このため、変動演出中や大当たり演出中にエラー報知演出が実行される場合、遊技機100での消費電流が増大し、電源が供給可能な電流量の上限値を超過する事態が発生し、これにより、例えば電気的に駆動する部材の可動不良や電源断が生じるおそれがある。したがって、本実施形態による遊技機100では、消費電流が上限値を超過するのを回避するため、エラー報知演出を実行する場合に、変動演出や大当たり演出に用いられる複数の演出装置のうち少なくとも1つの演出装置の動作が抑制される場合がある。遊技機100は、エラー報知演出の実行時において複数の演出装置のうち少なくとも1つの演出装置の動作を抑制することで、消費電流が増大するのを防止し、電気的に駆動する部材の可動不良や電源断が生じるおそれを低減することができる。
(枠部照明装置240の構成)
まず、エラー報知演出に用いられる枠部照明装置240の構成について図42を参照しながら説明する。図42は、前枠106に設けられた枠部照明装置240を図示した遊技機100の正面図である。
図42に示すように、枠部照明装置240は、枠トップ電飾ユニット241、枠上サイド電飾ユニット243および枠下サイド電飾ユニット245を有している。枠トップ電飾ユニット241は前枠106の上部位置において2つの音声出力装置206の間に設けられている。また、枠上サイド電飾ユニット243は前枠106の左右側部の半分より上にそれぞれ設けられ、枠下サイド電飾ユニット245は、前枠106の左右側部の半分より下にそれぞれ設けられている。
また、枠トップ電飾ユニット241にはガラス枠トップランプ46が組み込まれ、左右の枠上サイド電飾ユニット243のそれぞれにはガラス枠装飾ランプ48が組み込まれ、左右の枠下サイド電飾ユニット245のそれぞれにはガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。各LEDランプ46,48,50は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。
ガラス枠トップランプ46、ガラス枠装飾ランプ48、ガラス枠装飾ランプ50は、それぞれ複数のLEDランプ群により構成されている。
例えば、ガラス枠トップランプ46は、中央上部に配置された2個のLEDランプ46bとLEDランプ46bの左右両側の下方に配置された6個のLEDランプ46aとの合計8個のLEDランプにより構成されている。
左右のガラス枠装飾ランプ48は、前枠106の左側部近傍で上方から下方に向けて配置されたLEDランプ48a〜48gと、前枠106の右側部側近傍で上方から下方に向けて配置されたLEDランプ48h〜48nとの18個のLEDランプによりLEDランプ群を構成している。
また、左右のガラス枠装飾ランプ50は、左側のガラス枠装飾ランプ48の下方に配置されたLEDランプ50a〜50iと、右側のガラス枠装飾ランプ48の下方に配置されたLEDランプ50j〜50rとの18個のLEDランプによりLEDランプ群を構成している。
ガラス枠トップランプ46、左右のガラス枠装飾ランプ48および左右のガラス枠装飾ランプ50を構成するLEDランプ46a,46b,48a〜48n,50a〜50rは、それぞれフルカラーLEDランプにより構成されている。フルカラーLEDランプは、光の三原色に対応する3つの基本発光体、すなわち、赤色LEDランプ、緑色LEDランプ、および青色LEDランプが1パッケージ化されたランプである。なお、各LEDランプは、単色のLEDランプであってもよい。
(エラー報知の仕様の一例)
遊技機100のメインROM300bには、各種エラーについて、エラーの名称とエラーの発生を判定するためのエラー発生条件とが紐付けられて記憶されている。また、サブROM330bには、各種エラーについて、報知の優先順位やエラーの名称、エラー報知演出におけるエラーの報知態様およびエラー報知の終了を判定するためのエラー解除条件が紐付けられて記憶されている。遊技機100において発生し得るエラーは、不正に関するエラーと払出に関するエラーに大別される。
ここで、遊技機100における不正等に関するエラーとその報知態様について、図43および図44を参照しながら説明する。図43および図44は、各種エラーのうち不正等に関するエラーについてメインROM300bおよびサブROM330bに記憶されている情報を一覧形式にまとめて、エラー報知の仕様の一例を説明する図である。ここで、不正に関するエラーとは、遊技機100における機器の不具合や不正行為によって発生した各種エラーや異常をいう。また、エラー報知とは、エラー報知演出によるエラー発生の報知をいう。
本実施形態による遊技機100では、不正に関するエラーが発生したことに基づいて主制御基板300がエラーコマンドを送信すると、エラーコマンドを受信した副制御基板330によって、図43および図44に記載の仕様でのエラー報知、すなわちエラー報知演出が実行される。なお、図43および図44では、不正に関するエラーについて汎用的な記載としており、遊技機100で発生し得るエラーに特化していないため、機種によっては発生しないエラーも含まれる。
図43および図44に示す一覧の最上段は、左から順に「優先順位」、「エラー名称」「ガラス枠上エラー報知LED」、「ガラス枠装飾LED」、「G盤装飾LED」、「音声報知」、「液晶報知」、「エラー発生条件」、「エラー解除条件」の9つの項目に区分されている。
図43および図44中に示す「優先順位」は、エラー状態を報知する際の優先度を示している。「優先順位」の欄には、図43には上から順に1から8までの数値が記載され、図44には上から順に9から17までの数値が記載されている。不正や不具合等の遊技の進行に影響を与える可能性が高いエラーや遊技者に不利益を生じさせる可能性が高いエラーには、優先度の高い順番が振り当てられている。例えば、優先順位が「1」のRAMクリアと、優先順位が「2」の不正入賞エラーとが同時に発生した場合、優先順位が高いRAMクリアについて、枠部照明装置240の各LEDランプ点灯、音声出力装置206による音声報知、演出表示部200aにおける液晶報知といったエラー報知演出が実行される。
図43および図44中に示す「エラー名称」は、報知の対象となるエラーに名づけられた名前を示している。「エラー名称」欄には、図43において8種類、図44において9種類のエラーの名称が記載されている。
図43および図44中に示す「ガラス枠上エラー報知LED」は、図42に示すガラス枠トップランプ46の上側の2個のLEDランプ46bを示している。「ガラス枠上エラー報知LED」の欄には、エラー報知時におけるLEDランプ46bの点灯態様が記載されている。
図43および図44中に示す「ガラス枠装飾LED」は、図42に示すガラス枠トップランプ46の6個のLEDランプ46a、左右のガラス枠装飾ランプ48の18個のLEDランプ48a〜48n、左右のガラス枠装飾ランプ50の18個のLEDランプ50a〜50rを示している。「ガラス枠装飾LED」の欄には、エラー報知時におけるLEDランプ46a、LEDランプ48a〜48nおよびLEDランプ50a〜50rの点灯態様が記載されている。
図43および図44中に示す「G盤装飾LED」は、図42に示す演出照明装置204を示している。「G盤装飾LED」の欄には、エラー報知時における演出照明装置204の全消灯の実行有無が記載されている。
図43および図44中に示す「音声報知」は、音声や警告音による音声出力装置206を用いたエラー報知の態様を示している。「音声報知」の欄には、エラー報知時における音声出力装置206での警告音出力および音声メッセージの出力有無や、音声メッセージが出力される場合のメッセージ内容が記載されている。
図43および図44中に示す「液晶報知」は、文字情報等の表示による演出表示部200aを用いたエラー報知の態様を示している。「液晶報知」の欄には、エラー報知時における演出表示部200aでの文字情報等の表示有無や文字情報等の表示が行われる場合における文字情報内容が記載されている。
このように、図43および図44に示す一覧の3列目から7列目の「ガラス枠上エラー報知LED」、「ガラス枠装飾LED」、「G盤装飾LED」、「音声報知」および「液晶報知」の欄には、エラー報知の仕様として、枠部照明装置240、音声出力装置206、演出照明装置204および演出表示部200aのエラー報知時における動作態様が記載されている。すなわち、これら5つの項目欄の記載内容は、各演出装置におけるエラー報知演出の態様を示している。
図43および図44中に示す「エラー発生条件」は、主制御基板300においてエラーが発生したと判定するための条件を示している。主制御基板300において「エラー発生条件」に記載の条件が満たされたと判定されたときに、エラーコマンドが副制御基板330に送信され、サブCPU330aの制御によりエラー報知演出が開始される。このため、「エラー発生条件」は、エラー報知演出の開始契機を判定するための条件でもある。「エラー発生条件」の欄には、主制御基板300のメインCPU300aが制御基板300においてエラーが発生したと判定してエラーコマンドを送信するための要件が記載されている。
図43および図44中に示す「エラー解除条件」は、エラー報知が終了される条件、すなわちエラー報知演出の終了契機を判定するための条件を示している。「エラー解除条件」の欄には、副制御基板330のサブCPU330aがエラー報知演出を終了するための要件が記載されている。
以下、図43および図44に記載された各2つのエラーを例として、エラー報知演出の態様の詳細を説明する。まず、図43に記載の不正に関するエラーのうち、「RAMクリア」および「確変領域異常通過エラー」の2つのエラー状態について優先順位の高い順に各エラー状態が発生したときのエラー報知内容を具体的に説明する。
図43に示すように、「RAMクリア」は優先順位が「1」に設定されており、図43および図44に示す不正に関するエラーの中で最も優先度が高くなっている。また、「RAMクリア」に対応する「ガラス枠上報知LED」欄にはLEDランプ46bの点灯態様として「青点灯」が記載されている。「RAMクリア」に対応する「ガラス枠装飾LED」欄にはLEDランプ48a〜48nおよびLEDランプ50a〜50rの点灯態様として「フルカラー部赤点灯」が記載されている。「RAMクリア」に対応する「G盤装飾LED」欄には、演出照明装置204の消灯の有無として「全消灯」が記載されている。「RAMクリア」に対応する「音声報知」欄には、「メモリーをクリアしました(機種依存音声可)」が記載されている。「RAMクリア」に対応する「液晶報知」欄には、演出表示部200aにおける文字情報等の出力の有無として「無し(デフォルト画面の表示)」が記載されている。
「RAMクリア」に対応する「エラー発生条件」欄には、「RAMクリア時」と記載されている。したがって、メインRAM300cがクリアされたとき、具体的には、例えば遊技盤108の背面に設けられた不図示のRAMクリアボタンが押圧操作されて主制御基板300にRAMクリア信号が出力され、メインRAM300cのクリアが実行されたとメインCPU300aに判定されたときに「RAMクリア」のエラーの発生条件が満たされる。メインCPU300aは、例えば上記ステップS400−15のエラー管理処理において「RAMクリア」のエラー状態が発生したと判定し、エラーコマンドを副制御基板330に送信する。ただし、遊技機100では、電源投入時の主制御基板300のCPU初期化処理における主制御基板300へのRAMクリア信号の出力(ステップS100−11)はエラーとはみなさない。
「エラー発生条件」が満たされてメインCPU300aに「RAMクリア」が発生したと判定されると、「ガラス枠上エラー報知LED」、「ガラス枠装飾LED」、「G盤装飾LED」、「音声報知」および「液晶報知」の欄に記載されたように、図42に示すLEDランプ46bが青色で点灯され、LEDランプ48a〜48nおよびLEDランプ50a〜50rが赤色で点灯され、図3に示す演出照明装置204を構成する全てのランプが消灯され、音声出力装置206から、「メモリーをクリアしました」という音声メッセージが出力される態様によるエラー報知演出が実行される。なお、「RAMクリア」を報知するエラー報知演出では、演出表示部200aにおける文字情報等の出力は行われず、遊技機100の電源投入時に表示される初期表示(例えば、ロゴ表示)が行われる。
「RAMクリア」に対応する「エラー解除条件」欄には、「31秒間」と記載されている。「31秒間」は、「RAMクリア」のエラーが発生したことを報知するエラー報知演出が実行される期間を示している。このため、エラー報知演出の開始から31秒間の経過後にエラーが解除されてエラー報知演出が終了する。具体的には、サブCPU330aは、「RAMクリア」の発生を示すエラーコマンドを主制御基板300から受信したことに基づいて、枠部照明装置240における各種LEDランプや音声出力装置206等でエラー報知演出を開始し、開始から31秒間が経過すると、エラー報知演出を終了する制御を行う。なお、31秒間のエラー報知演出実行期間は、副制御基板330の所定のタイマにおいて計測される。「エラー解除条件」に「61秒間」と記載されている他のエラーも同様に、所定のタイマによってエラー報知演出実行期間が計測され、エラー報知演出の開始から61秒間が経過すると実行期間の満了によってエラー報知演出を終了する。
次に、図43に記載されている「確変領域異常通過エラー」のエラー報知内容について説明する。図43および図44に記載の「確変領域」は、特定領域140bに該当する。
図43に示すように、「確変領域異常通過エラー」は、優先順位が「6」に設定されており、図43および図44に示す不正に関するエラーのうち6番目の優先度で報知される。
「確変領域異常通過エラー」に対応する「ガラス枠上報知LED」欄には「青点灯」が記載されている。また、「確変領域異常通過エラー」に対応する「ガラス枠装飾LED」欄には「フルカラー部赤点灯」が記載されている。「確変領域異常通過エラー」に対応する「G盤装飾LED」欄には、演出照明装置204の消灯の有無として「全消灯」が記載されている。「確変領域異常通過エラー」に対応する「音声報知」欄には、「無し」が記載されている。また、「確変領域異常通過エラー」に対応する「液晶報知」欄には、「確変領域異常通過を検出しました 係員を呼んで下さい」と記載されている。
「確変領域異常通過エラー」に対応する「エラー発生条件」欄には、「確変領域のある大入賞口のショート開放ラウンド中に確変領域への遊技球の通過を検知した場合」と記載されている。遊技機100において、「確変領域のある大入賞口」は第2大入賞口128に該当し、「確変領域のある大入賞口のショート開放ラウンド中」は、特定領域141bが設けられた第2大入賞口128に遊技球を入球させることが極めて困難なラウンド遊技である第2特定ラウンド遊技中が該当する。
遊技機100では、第2特定ラウンド遊技中に特定領域141bへの遊技球の入球があったとメインCPU300aに判定されたとき、具体的には、特定領域通過処理(図25参照)において、有効期間フラグがオン状態でない期間である第2特定ラウンド遊技中に特定領域141bへの遊技球の入球があったことを主制御基板300のメインCPU300aが判定(ステップS540−1のNO)したときに「確変領域異常通過エラー」の発生条件が満たされ、エラーコマンドが送信バッファにセットされ(ステップS540−7)、副制御基板330に送信される。
「エラー発生条件」が満たされてメインCPU300aに「確変領域異常通過エラー」が発生したと判定されると、「ガラス枠上エラー報知LED」、「ガラス枠装飾LED」、「G盤装飾LED」、「音声報知」および「液晶報知」の欄に記載されたように、LEDランプ46bが青色で点灯され、LEDランプ48a〜48nおよびLEDランプ50a〜50rが赤色で点灯され、演出照明装置204を構成する全てのランプが消灯され、エラー発生前に実行されていた演出の表示態様に代わって「確変領域異常通過を検出しました 係員を呼んで下さい」という内容の文字情報が遊技者に視認され易い態様で演出表示部200aに表示されるエラー報知態様によるエラー報知演出が実行される。なお、「確変領域異常通過エラー」を報知するためのエラー報知演出では、音声出力装置206からの警告音や音声メッセージの出力は行われない。
「確変領域異常通過エラー」に対応する「エラー解除条件」欄には、「電源断まで」と記載されている。したがって、「確変領域異常通過エラー」が発生した場合、遊技機100の電源断が行われるまでエラー報知演出が継続される。なお、遊技機100の電源断は通常、遊技場の係員によって実行される。
次に、図44に記載の不正に関するエラーのうち、「扉開放エラー」および「確変領域未通過エラー」の2つのエラー状態について優先順位の高い順に各エラー状態のエラー報知内容を具体的に説明する。
図44に示すように、「扉開放エラー」は、優先順位が「11」に設定されており、図43および図44に示す不正に関するエラーのうち11番目の優先度で報知される。遊技機100において、「扉開放エラー」の対象となる扉は、中枠104や前枠106が該当する。
「扉開放エラー」に対応する「ガラス枠上報知LED」欄には、「青点灯」が記載されている。「扉開放エラー」に対応する「ガラス枠装飾LED」欄には、「フルカラー部赤点灯」が記載されている。「扉開放エラー」に対応する「G盤装飾LED」欄には、演出照明装置204の消灯の有無として「全消灯」が記載されている。「扉開放エラー」に対応する「音声報知」の欄には、『警告音+「扉が開いています」(扉開放後、約15秒間必ず報知します)」が記載されている。「扉開放エラー」に対応する「液晶報知」欄には、「扉が開いています」が記載されている。
「扉開放エラー」に対応する「エラー発生条件」欄には、「扉開放時」と記載されている。遊技機100には、異常検知センサ174として中枠104や前枠106の開放状態を検知する扉開放センサが設けられている。メインCPU300aが上記ステップS400−15のエラー管理処理において異常検知センサ174から扉開放センサが中枠104や前枠106の開放状態を検知したことを示す異常検知信号が入力されたと判定したときに「扉開放エラー」の発生条件が満たされ、エラーコマンドが副制御基板330に送信される。
「エラー発生条件」が満たされてメインCPU300aに「扉開放エラー」が発生したと判定されると、「ガラス枠上エラー報知LED」、「ガラス枠装飾LED」、「G盤装飾LED」、「音声報知」および「液晶報知」の欄に記載されたように、LEDランプ46bが青色で点灯され、LEDランプ48a〜48nおよびLEDランプ50a〜50rが赤色で点灯され、演出照明装置204を構成する全てのランプが消灯され、例えば「ブーブー」というブザー音による警告音とともに「扉が開いています」という音声メッセージが約15秒間にわたって出力され、エラー発生前に実行されていた演出の表示態様に代わって「扉が開いています」という内容の文字情報が遊技者に視認され易い態様で演出表示部200aに表示されるエラー報知態様によるエラー報知演出が実行される。
「扉開放エラー」に対応する「エラー解除条件」の欄には、「扉閉鎖時」と記載されている。したがって「扉開放エラー」が発生した場合、開放状態となっている中枠104や前枠106が閉鎖されるまでの間エラー報知演出が継続され、中枠104や前枠106が閉鎖されたことに基づいてエラー報知演出が終了する。本実施形態による遊技機100では、中枠104や前枠106が開放状態となっている間は繰り返し「扉開放エラー」に対応するエラーコマンドが副制御基板330へ送信される。副制御基板330は、「扉開放エラー」に対応するエラーコマンドを受信している間はエラー報知を継続し、開放状態となっている中枠104や前枠106が閉鎖されて「扉開放エラー」に対応するエラーコマンドが送信されなくなるとエラー報知を終了する。なお、中枠104や前枠106の閉鎖作業は通常、遊技場係員により行われる。
次に、図44に記載されている「確変領域未通過エラー」のエラー報知内容について説明する。図44に示すように、「確変領域未通過エラー」は優先順位が「15」に設定されており、図43および図44に示す不正に関するエラーのうち15番目の優先度で報知される。
「確変領域未通過エラー」に対応する「ガラス枠上報知LED」欄にはLEDランプ46bの点灯態様として「青点灯」が記載されている。また、「確変領域未通過エラー」に対応する「ガラス枠装飾LED」欄にはLEDランプ48a〜48nおよびLEDランプ50a〜50rの点灯態様として「フルカラー部緑点灯」が記載されている。また、「確変領域未通過エラー」に対応する「G盤装飾LED」欄には、演出照明装置204の消灯の有無として「−」が記載されている。「G盤装飾LED」欄における「−」の記載は、エラー報知の際に演出照明装置204を構成するランプの全消灯が実行されないことを示している。「確変領域未通過エラー」に対応する「音声報知」欄には、「無し」が記載されている。「確変領域未通過エラー」に対応する「液晶報知」欄には、「無し」が記載されている。
「確変領域未通過エラー」に対応する「エラー発生条件」欄には、「確変領域のある大入賞口のロング開放ラウンド中に確変領域への遊技球の通過を検知しなかった場合」と記載されている。上述のように、遊技機100において第2大入賞口128が「確変領域のある大入賞口」に該当する。また、「確変領域のある大入賞口のロング開放ラウンド中」は、特定領域141bが設けられた第2大入賞口128に遊技球を入球させることが可能なラウンド遊技である第1特定ラウンド遊技中に該当する。
遊技機100において、メインCPU300aは、第1特定ラウンド遊技中に特定領域141bへの遊技球の入球がなかったと判定したときに「確変領域未通過エラー」の発生条件が満たされたと判定し、エラーコマンドを送信する。具体的には、メインCPU300aは、特定領域未通過判定処理(図35参照)において、大当たり図柄として特別図柄B、C、D、Eが決定されたことに基づく大役遊技中における未通過判定対象ラウンドの終了時に、特定領域140bに有効に遊技球が進入したことを示す特定領域進入フラグがオンしていないと判定(ステップS643−3のNO)すると、エラーコマンドを送信する。大当たり図柄として特別図柄B、C、Dが決定された場合の7回目のラウンド遊技または大当たり図柄として特別図柄Eが決定された場合の9回目のラウンド遊技が未通過判定対象ラウンドに該当する。詳しくは後述するが、本実施形態による遊技機100では、「確変領域未通過エラー」を報知するためのエラー報知演出は、未通過判定対象ラウンドの次のラウンド遊技の開始に合わせて実行される。
「エラー発生条件」が満たされてメインCPU300aに「確変領域未通過エラー」が発生したと判定されると、「ガラス枠上エラー報知LED」、「ガラス枠装飾LED」、「G盤装飾LED」、「音声報知」および「液晶報知」の欄に記載されたように、LEDランプ46bが青色で点灯され、LEDランプ48a〜48nおよびLEDランプ50a〜50rが緑色で点灯される態様によるエラー報知演出が実行される。「確変領域未通過エラー」を報知するためのエラー報知演出では、演出照明装置204を構成するランプは全消灯せず、音声出力装置206から警告音や音声メッセージは出力されず、演出表示部200aにエラー報知に関する文字情報等は出力されず、実行中の演出が継続される。
「確変領域未通過エラー」に対応する「エラー解除条件」欄には、「次の条件装置作動または電源断まで」と記載されている。したがって、「確変領域未通過エラー」が発生した場合、エラー報知が開始されてから次のラウンド遊技が実行されるまでまたは遊技機100の電源断が行われるまでエラー報知が継続される。
(払出に関するエラー処理内容)
次に、遊技機100における払出に関するエラーとその報知態様について、図45を参照しながら説明する。図45は、各種エラーのうち払出に関するエラーについてメインROM300bおよびサブROM330bに記憶されている情報を一覧形式にまとめて、エラー報知の仕様の一例を説明する図である。ここで、払出に関するエラーとは、遊技球の払出に関して払出制御基板310が検知する各種エラーをいう。
本実施形態による遊技機100では、図45に記載の払出に関するエラーが検知されたことが払出制御基板310を介して主制御基板300に通知される。これに基づいてメインCPU300aがエラーコマンドを送信し、エラーコマンドを受信した副制御基板330によって、エラー報知演出が実行される。なお、図45では、払出に関するエラーについて汎用的な記載としており、遊技機100で発生し得るエラーに特化していないため、機種によっては発生しないエラーも含まれる。
図45に示す一覧の最上段は、「優先順位」、「ガラス枠上エラー報知LED」、「ガラス枠装飾LED」、「G盤装飾LED」、「音声報知」、「液晶報知」、「エラー発生条件」および「エラー解除条件」の9つの項目に区分されている。これら9つの項目については、図43および図44と同じであるため説明は省略する。
図45中に示すように、「球詰まりエラー」は優先順位が「1」に設定されており、図45に記載の払出に関するエラーの中で最も優先度が高くなっている。ただし、本実施形態による遊技機100では、払出に関するエラーのいずれよりも図43および図44に示す不正に関するエラーの報知が優先される。このため、例えば、払出に関するエラー報知の優先順位が「1」である「球詰まりエラー」と、不正等に関するエラー報知の優先順位が「17」の「演出可動体モータエラー」とが同時に発生した場合には、「演出可動体モータエラー」の発生を報知するエラー報知演出が実行される。
以下、図45に示す「払出計数スイッチエラー」を例として、エラー報知演出の態様の詳細を説明する。図45に示すように、「払出計数スイッチエラー」は優先順位が「2」に設定されており、図45に示す払出に関するエラーのうち2番目の優先度で報知される。
「払出計数スイッチエラー」に対応する「ガラス枠上報知LED」欄にはLEDランプ46bの点灯態様として「高速赤点滅(100ms周期)」が記載されている。「払出計数スイッチエラー」に対応する「ガラス枠装飾LED」欄にはLEDランプ48a〜48nおよびLEDランプ50a〜50rの点灯態様として「−」が記載されている。図45において「ガラス枠装飾LED」欄に記載された「−」は、エラー報知演出において、LEDランプ48a〜48nおよびLEDランプ50a〜50rが用いられないことを示している。「払出計数スイッチエラー」に対応する「G盤装飾LED」欄には、演出照明装置204の消灯の有無として「−」が記載されている。「G盤装飾LED」欄に記載された「−」は図43および図44における同項目と同様に、エラー報知演出の際に演出照明装置204を構成するランプの全消灯が実行されないことを示している。「払出計数スイッチエラー」に対応する「音声報知」欄には、「無し」が記載されている。「払出計数スイッチエラー」に対応する「液晶報知」欄には、演出表示部200aにおける文字情報等の出力の有無として「無し」が記載されている。
「払出計数スイッチエラー」に対応する「エラー発生条件」には、「払出計数スイッチエラー信号が300ms連続でオン検知」と記載されている。遊技機100では払出球計数スイッチ316sが「払出計数スイッチ」に該当する。払出球計数スイッチ316sは、払出制御基板310を介して払出計数スイッチエラー信号を主制御基板300へ送信する。払出計数スイッチエラー信号には、払出球計数スイッチ316sがエラーの発生を検知していることを示す信号(オン検知信号)と、エラーの発生を検知していないことを示す信号(オフ検知信号)がある。メインCPU300aが払出計数スイッチエラー信号のうちオン検知信号を300ms連続で受信すると「払出計数スイッチエラー」の発生条件が満たされ、エラーコマンドにより「払出計数スイッチエラー」の発生が副制御基板330に通知される。
「エラー発生条件」が満たされてメインCPU300aに「払出計数スイッチエラー」が発生したと判定されると、「ガラス枠上エラー報知LED」に記載されたように、LEDランプ46bが100ms周期で赤色での点灯と消灯を繰り返す態様のエラー報知演出が実行される。「ガラス枠装飾LED」、「G盤装飾LED」、「音声報知」および「液晶報知」の欄に記載されたように、LEDランプ48a〜48n、LEDランプ50a〜50r、音声出力装置206および演出表示部200aは用いられない。このため、「払出計数スイッチエラー」を報知するためのエラー報知演出では、LEDランプ48a〜48nおよびLEDランプ50a〜50rは実行中の演出における点灯態様を継続する。また、音声出力装置206は警告音や音声メッセージを出力せずに実行中の演出における音声出力態様を継続し、演出表示部200aはエラー報知に関する文字情報等を出力せずに実行中の演出における表示態様を継続する。
「払出計数スイッチエラー」に対応する「エラー解除条件」欄には、「払出計数スイッチエラー信号が300ms連続でオフ検知」と記載されている。したがって「払出計数スイッチエラー」が発生した場合、メインCPU300aが払出計数スイッチエラー信号のうちオフ検知信号を300ms連続で受信するまではエラー報知演出が継続され、メインCPU300aが払出計数スイッチエラー信号のうちオフ検知信号を300ms連続で受信したことに基づいてエラー報知演出が終了される。
図43から図55で説明したように、不正に関するエラーの報知時には、ガラス枠上報知LED(2個のLEDランプ46b)は青色で点灯し、払出に関するエラー報知時には、ガラス枠上報知LED(2個のLEDランプ46b)は赤色等で連続点灯または点滅する。LEDランプ46bは通常の演出では点灯しないため、遊技機100では、エラー報知演出におけるLEDランプ46bの点灯態様によって、どのようなエラーが発生したのかが一見して分かり易いように構成されている。
払出に関するエラー報知の態様としては、図45に示すように「ガラス枠装飾LED」の欄には全て「−」が記載されており、LEDランプ48a〜48nおよびLEDランプ50a〜50rを用いたエラー報知演出は行われない。また、「音声報知」および「液晶報知」欄にも全て「−」が記載され、払出に関するエラーの報知時には、音声出力装置206からの音声メッセージ等の出力や演出表示部200aにおける文字情報の出力は行われない。
このように、払出に関するエラーの報知は、ガラス枠上報知LEDのみを用いて行われるので、遊技機100では、払出に関するエラーが発生した場合に適切にエラーを報知しつつも、遊技者の違和感や不安感を抑制して通常の遊技を継続させることができる。また、遊技機100では、払出に関するエラーが発生した場合に消費電力を極端に増大させずに払出に関するエラーの報知を実行することができる。
(エラー報知処理の一例)
次に、副制御基板(エラー報知手段の一例)330が行うエラー報知処理の流れを、図46を用いて説明する。図46は、エラー報知処理の流れの一例を示すフローチャートである。エラー報知処理は、遊技機100において各種エラーが発生した場合に、図43から図45に示すエラー報知の態様に応じたエラー報知演出を実行するための処理である。エラー報知処理は、図39を用いて説明したサブタイマ割込み処理の1ステップ(ステップS1400)である。したがって、サブタイマ割込み処理が実行される毎に、エラー報知処理も実行される。
(ステップS1400−1)
ステップS1400−1においてサブCPU330aは、エラー報知演出が実行中であることを示すエラー報知中フラグがオン状態か否かを判定する。サブCPU330aは、エラー報知中フラグがオン状態でありエラー報知演出の実行中であると判定すると、ステップS1401の処理に移る。一方、サブCPU330aは、エラー報知中フラグがオフ状態でありエラー報知演出の実行中でないと判定すると、ステップS1400−3の処理に移る。
(ステップS1401)
ステップS1401においてサブCPU330aは、エラー報知の解除タイミングである場合に、実行中のエラー報知演出を終了するためのエラー報知解除処理を実行する。ここで、エラー報知の解除タイミングとは、図43から図45の「エラー解除条件」の欄に示す要件を満たしているとサブCPU330aによって判定され、エラー報知演出が終了される時点をいう。エラー報知解除処理の詳細は後述する。
(ステップS1400−3)
ステップS1400−3においてサブCPU330aは、主制御基板300からエラーコマンドを受信しているか否かを判定する。サブCPU330aは、エラーコマンドを受信していると判定すると、ステップS1400−5の処理に移る。一方、サブCPU330aは、エラーコマンドを受信していないと判定すると、後述するステップS1400−5からステップS1400−13の処理を実行せずにエラー報知処理を終了してサブタイマ割り込み処理(図39参照)に処理を戻す。
(ステップS1400−5)
ステップS1400−5においてサブCPU330aは、報知対象となるエラー(以降、「報知対象エラー」と称する場合がある)を決定する。具体的には、サブCPU330aは、まず上記ステップS1400−3で受信していると判定されたエラーコマンドに含まれる情報から、発生したエラーが図43から図45に示すいずれのエラーに該当するかを特定する。遊技機100において、同時に複数のエラーが発生した場合には、主制御基板300から複数のエラーコマンドが送信される。このため、エラー報知演出が実行中でない場合(エラー報知中フラグがオフ状態である場合)、サブCPU330aは、受信した全てのエラーコマンドの中から最も優先順位の高いエラーを報知対象エラーに決定する。例えば、図43に示す「不正入賞エラー」(優先度「2」)の発生を示すエラーコマンドと「電波エラー」(優先度「4」)の発生を示すエラーコマンドとを受信している場合、サブCPU330aは、「不正入賞エラー」を報知対象エラーに決定する。
これに対し、エラー報知演出が実行中である場合(エラー報知中フラグがオン状態である場合)、サブCPU330aは、報知中のエラーおよびエラーコマンドに含まれる情報から報知対象エラーを決定する。例えば、図43に示す「大入賞口過剰入賞エラー」(優先度「3」)の報知中に、「磁気エラー」(優先度「5」)の発生を示すエラーコマンドを受信した場合、サブCPU330aは、「磁気エラー」よりも優先度の高い「大入賞口過剰入賞エラー」を報知対象エラーに決定する。したがって、すでに報知中である「大入賞口過剰入賞エラー」の報知は継続される。また例えば、図44に示す「満タンエラー」(優先度「14」)の報知中に、「振動エラー」(優先度「9」)の発生を示すエラーコマンドを受信した場合、サブCPU330aは、「満タンエラー」よりも優先度の高い「振動エラー」を報知対象エラーに決定する。これにより、報知中の「満タンエラー」は解除タイミングになる前に終了され、「振動エラー」の報知が開始される。サブCPU330aは、報知対象エラーとして報知中のエラー以外のエラーが決定されると、サブRAM330cの所定の記憶領域に記憶されている報知対象エラーを識別するための情報(例えば、図43から図45に示す「エラー名称」)を新たに決定した報知対象エラーの情報に更新する。
(ステップS1400−7)
ステップS1400−7においてサブCPU330aは、報知対象エラーに決定されたエラーが図43および図44に示す不正に関するエラーか否かを判定する。サブCPU330aは、報知対象エラーが不正に関するエラーであると判定すると、ステップS1400−9の処理に移る。一方、サブCPU330aは、報知対象エラーが不正に関するエラーでない、すなわち払出に関するエラーであると判定するとステップS1400−11の処理に移る。
(ステップS1400−9)
ステップS1400−9においてサブCPU330aは、不正に関するエラーが報知中であることを示す不正エラーフラグをオン状態にする。ただし、不正エラーフラグが既にオン状態である場合には、ステップS1400−9の処理は実行されない。
(ステップS1400−11)
ステップS1400−11においてサブCPU330aは、報知対象エラーに応じたエラー報知演出の態様を含むエラー報知指定コマンドを作成する。具体的には、エラー報知指定コマンドには、報知対象エラーに対応するエラー報知演出における枠部照明装置240、演出照明装置204、音声出力装置206の動作態様を指定する情報(図43から図45の「ガラス枠上エラー報知LED」、「ガラス枠装飾LED」、「G盤装飾LED」、「音声報知」欄の内容)が含まれるエラー報知電飾指定コマンドと、演出表示部200aの動作態様を指定する情報(図43から図45の「液晶報知」欄の内容)が含まれるエラー報知画像指定コマンドの2種類がある。なお、図43から図45に示すように、「液晶報知」欄に「−」が記載され、エラー報知演出において演出表示部200aでの文字情報等の表示が行われない場合があるが、この場合も、文字情報等を表示しない旨の情報を含むエラー報知画像指定コマンドが作成される。
サブCPU330aは、ステップS1400−11において、作成した2種類のエラー報知指定コマンドを送信バッファにセットする。送信バッファにセットされたエラー報知指定コマンドのうち、エラー報知演出における演出表示部200aの動作態様を指定するエラー報知指定コマンドは、サブタイマ割り込み処理のステップS1100−7の処理において画像制御基板340に送信される。また、エラー報知演出における枠部照明装置240および音声出力装置206の動作態様を指定するエラー報知指定コマンドは、サブタイマ割り込み処理のステップS1100−7の処理において電飾制御基板350に送信される。画像制御基板340および電飾制御基板350は、エラー報知指定コマンドを受信したことに基づいて、エラー報知演出を開始する。エラー報知演出の実行中に実行中のエラー報知演出で放置されているエラーと異なるエラーについてのエラーコマンドを新たに受信した場合、画像制御基板340および電飾制御基板350は、実行中のエラー報知演出を終了して新たに受信したエラー報知指定コマンドに基づくエラー報知演出を開始する。
(ステップS1400−13)
ステップS1400−13においてサブCPU330aは、エラー報知演出が実行中であることを示すエラー報知中フラグをオン状態にするとエラー報知処理を終了してサブタイマ割り込み処理(図39参照)に処理を戻す。ただし、エラー報知中フラグが既にオン状態である場合には、ステップS1400−13の処理は実行されない。
このように、遊技機100では、報知中のエラーも考慮した上で最も優先度の高いエラーを報知対象エラーに決定する。これにより、エラー報知中において報知中のエラーよりも優先度の高いエラーが発生した場合に、エラー解除条件に依存することなく優先度の低いエラーについてのエラー報知演出を終了させて、優先度の高いエラーについてのエラー報知を開始できる。したがって、遊技機100では、適切なエラー報知が行われずに遊技者の利益が損なわれることや、不正行為が継続されることを防ぐことができる。
(エラー解除処理の一例)
次に、図46に示すエラー報知処理の上記ステップS1401で実行されるエラー報知解除処理の流れを、図47を用いて説明する。図47は、エラー報知解除処理の流れの一例を示すフローチャートである。
(ステップS1401−1)
上記エラー報知処理でエラー報知中フラグがオン状態であってエラー報知演出が実行中であると判定されると(ステップS1400−1のYES)、ステップS1401−1においてサブCPU330aは、報知中のエラーの解除タイミングであるかを判定する。具体的には、サブCPU330aは、報知中のエラーについて、図43から図45の「エラー解除条件」の欄に示す要件が満たされ、実行中のエラー報知演出を終了するタイミングであるか否かを判定する。例えば、報知中のエラーが図43に示す「電波エラー」である場合、「エラー解除条件」の欄には「60秒間」と記載されている。したがって、サブCPU330aは、「電波エラー」を報知するためのエラー報知演出が開始されてから60秒間のエラー報知期間が経過しているか否かを判定する。
エラー報知期間は、エラー報知演出の開始時に副制御基板330の所定のタイマにおいて計測が開始され、上記ステップS1100−5においてサブタイマ割込み処理の度にタイマのカウンタ値が1ずつ減算され、0になるとエラー報知期間の満了となる。このため、「電波エラー」を報知するためのエラー報知演出中において、サブCPU330aは、エラー報知期間を計測するタイマのカウンタ値が0であればエラー報知期間の満了によってエラー報知演出を終了するタイミングであると判定し、カウンタ値が0より大きければエラー報知期間が満了しておらずエラー報知演出が終了するタイミングでないと判定する。サブCPU330aは、エラー報知演出が終了するタイミング、すなわちエラーの解除タイミングであると判定すると、ステップS1401−3の処理に移る。一方、サブCPU330aは、エラーの解除タイミングでないと判定すると、後続の処理を実行せずにエラー報知解除処理を終了してサブタイマ割り込み処理(図39参照)に戻る。
(ステップS1401−3)
ステップS1401−3においてサブCPU330aは、上記ステップS1401−1で解除タイミングであると判定されたエラーが図43および図44に示す不正に関するエラーであるか否かを判定する。サブCPU330aは、解除タイミングであるエラーが不正に関するエラーであると判定すると、ステップS1401−5の処理に移る。一方、サブCPU330aは、解除タイミングであるエラーが不正に関するエラーでないと判定すると、ステップS1401−7の処理に移る。
(ステップS1401−5)
ステップS1401−5においてサブCPU330aは、不正に関するエラーが報知中であることを示す不正エラーフラグをオフ状態に設定する。
(ステップS1401−7)
ステップS1401−7においてサブCPU330aは、エラー報知を解除してエラー報知演出を終了させるエラー報知解除コマンドを作成して送信バッファにセットする。送信バッファにセットされたエラー報知解除コマンドは、サブタイマ割り込み処理のステップS1100−7の処理において画像制御基板340および電飾制御基板350に送信される。画像制御基板340および電飾制御基板350がエラー報知解除コマンドを受信することにより、枠部照明装置240、音声出力装置206および演出表示部200aにおけるエラー報知演出が終了される。
(ステップS1401−9)
ステップS1401−9においてサブCPU330aは、エラー報知演出が実行中であることを示すエラー報知中フラグをオフ状態に設定してエラー報知解除処理を終了し、サブタイマ割り込み処理(図39参照)に戻る。また、このときサブCPU330aは、ステップS1400−5においてサブRAM330cの所定の記憶領域に記憶された報知対象エラーを識別するための情報を更新して、エラー報知演出による報知が終了したエラーの名称を削除する。
次に、サブタイマ割り込み処理(図39参照)のステップS1500において副制御基板(ボタン振動演出制御手段の一例)330が行うボタン振動演出制御処理の流れを、図48を用いて説明する。図48は、ボタン振動演出制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。上述のように、ボタン振動演出は、大当たり演出決定処理(図41参照)において大当たり図柄が特別図柄B,C,D,Eのいずれかであると判定されたとき(ステップS1300−5のYES)に、大当たり演出の一部として実行される。
(ステップS1500−1)
ステップS1500−1においてサブCPU330aは、不正エラーフラグがオン状態かつボタン振動禁止フラグがオフ状態であるか否かを判定する。ボタン振動禁止フラグは、ボタン振動演出を行わないように電飾制御基板350を制御するためのフラグである。不正エラーフラグがオン状態かつボタン振動禁止フラグがオフ状態であることは、不正に関するエラーについてのエラー報知演出が新たに開始されるタイミングであることを示す。サブCPU330aは、不正エラーフラグがオン状態かつボタン振動禁止フラグがオフ状態であって不正に関するエラーについてのエラー報知演出が新たに開始されるタイミングであると判定すると、ステップS1500−3の処理に移る。一方、サブCPU330aは、不正エラーフラグがオン状態かつボタン振動禁止フラグがオフ状態でないと判定すると、ステップS1500−7の処理に移る。
(ステップS1500−3)
ステップS1500−3においてサブCPU330aは、ボタン振動禁止フラグをオン状態に設定する。
(ステップS1500−5)
ステップS1500−5においてサブCPU330aは、電飾制御基板350にボタン振動演出を実行させないためのボタン振動禁止コマンドを作成し、送信バッファへセットする。送信バッファにセットされたボタン振動禁止コマンドは、サブタイマ割り込み処理のステップS1100−7(図39参照)の処理において電飾制御基板350に送信される。電飾制御基板350は、ボタン振動禁止コマンドを受信すると、所定の記憶領域に記憶されているボタン駆動禁止フラグをオン状態に設定してボタン振動演出の実行を禁止する。電飾制御基板350は、ボタン駆動禁止フラグがオン状態であれば、ボタン振動演出実行コマンドを受信しても演出操作装置208のボタン駆動部を駆動しない。このため、ボタン駆動禁止フラグがオフ状態になるまで、ボタン振動演出は実行されない。また、電飾制御基板350は、ボタン振動禁止コマンドを受信したときにボタン振動演出が実行中である場合は、演出操作装置208のボタン駆動部の駆動を停止させる。これにより、不正エラーフラグがオン状態であって不正に関するエラーについてのエラー報知演出の実行中には、ボタン振動演出が実行されなくなる。
(ステップS1500−7)
ステップS1500−7においてサブCPU330aは、不正エラーフラグがオフ状態かつボタン振動禁止フラグがオン状態であるか否かを判定する。不正エラーフラグがオフ状態かつボタン振動禁止フラグがオン状態であることは、不正に関するエラーについてのエラー報知演出が終了するタイミングであることを示す。サブCPU330aは、不正エラーフラグがオフ状態かつボタン振動禁止フラグがオン状態であって不正に関するエラーについてのエラー報知演出が終了するタイミングであると判定すると、ステップS1500−9の処理へ移る。一方、サブCPU330aは、不正エラーフラグがオフ状態かつボタン振動禁止フラグがオン状態でないと判定すると、後続のステップS1500−9およびステップS1500−11の処理を実行せずに、ボタン振動演出制御処理を終了してサブタイマ割り込み処理(図39参照)に戻る。
(ステップS1500−9)
ステップS1500−9においてサブCPU330aは、ボタン振動禁止フラグをオフ状態に設定する。これにより、ボタン振動演出の実行禁止は解除されてボタン振動演出の実行が可能となる。
(ステップS1500−11)
ステップS1500−11においてサブCPU330aは、電飾制御基板350にボタン振動演出の実行を許可するためのボタン振動許可コマンドを作成する。送信バッファにセットされたボタン振動許可コマンドは、サブタイマ割り込み処理のステップS1100−7の処理において電飾制御基板350に送信される。電飾制御基板350は、ボタン振動許可コマンドを受信するとボタン振動禁止フラグをオフ状態に設定する。このため、以降、電飾制御基板350は、ボタン振動演出実行コマンドを受信すると演出操作装置208のボタン駆動部を駆動してボタン振動演出を実行する。このように、不正に関するエラーについてのエラー報知演出が終了すると、ボタン振動演出が実行可能となる。
以上説明したように、本実施形態による遊技機100では、副制御基板330が実行するボタン振動演出制御処理によって、不正に関するエラーを報知するためのエラー報知演出中にはボタン振動演出を行わないように制御することができる。
図43および図44に示すように、不正に関するエラーを報知するためのエラー報知演出では、枠部照明装置240の各種LEDランプの点灯や音声出力装置206における音声メッセージの出力および演出表示部200aにおける文字情報等の表示が実行され得る。このため、例えば、不正に関するエラーを報知するためのエラー報知演出が変動演出中や大当たり演出中といった複数の演出装置が動作しているときに実行されると、変動演出や大当たり演出のための動作に加えて、エラー報知演出における動作が複数の演出装置で実行され、遊技機100における消費電流が増大して消費電流が上限値を超えるおそれがある。本実施形態による遊技機100では、不正に関するエラーを報知するためのエラー報知演出の実行時には、副制御基板330から電飾制御基板350へボタン振動禁止コマンドを送信することで、電飾制御基板350がボタン振動演出を実行しないように構成されている。このように、遊技機100は、エラー報知演出の実行時に、演出装置(ここでは、演出操作装置208)の動作を抑制することで、消費電流の増大を防止し、消費電流が上限値を超えるおそれを低減することができる。ただし、図45に示すように、払出に関するエラーを報知するためのエラー報知演出では、枠部照明装置240のガラス枠トップランプ46の2つのLEDランプ46bが点灯するのみであって消費電流が上限値を超えるおそれが低い。このため、払出に関するエラーを報知するためのエラー報知演出の実行時には演出装置の動作の抑制は行われず、ボタン振動演出が実行可能となっている。
(大当たり演出中に実行されるエラー報知演出の制御の一例)
次に、本実施形態において、大当たり演出および大当たり演出中に実行されるエラー報知演出の制御の流れの一例を、図49および図50を用いて説明する。具体的には、大当たり図柄が特別図柄Eである場合の9回目のラウンド遊技と同期して大当たり演出が開始され、9回目のラウンド遊技中に生じた「確変領域未通過エラー」(図44参照)を報知するためのエラー報知演出が10回目のラウンド遊技と同期した大当たり演出中に実行され、11回目のラウンド遊技と同期した大当たり演出の開始時にエラー報知演出が終了する場合の制御の流れの一例を、図49および図50を用いて説明する。
図49では、大当たり演出の一例が例示されている。また、図50では、大当たり演出中に実行されるエラー報知演出の一例が例示されている。本例では、大当たり図柄が特別図柄Eである場合の9回目のラウンド遊技および11回目のラウンド遊技と同期して実行される大当たり演出を、図49を用いて説明し、10回目のラウンド遊技と同期して実行される大当たり演出および「確変領域未通過エラー」を報知するためのエラー報知演出を、図50を用いて説明する。
9回目のラウンド遊技の開始時において、サブCPU330aは、大当たり演出決定処理(図41参照)において主制御基板300からラウンド遊技の開始を示す大入賞口開放指定コマンドを受信したと判定し(ステップS1300−1のYES)、大当たり図柄である特別図柄Eおよび9回目のラウンド遊技に対応する大当たり演出を実行するための大当たり演出指定コマンド(大当たり演出画像指定コマンド、大当たり演出電飾指定コマンド)を作成して送信バッファにセットする(ステップS1300−3)。送信バッファにセットされた大当たり演出画像指定コマンドは、サブタイマ割り込み処理のステップS1100−7(図39参照)の処理において画像制御基板340に送信され、大当たり演出電飾指定コマンドは、ステップS1100−7の処理において電飾制御基板350に送信される。また、サブCPU330aは、大当たり図柄が特別図柄Eであると判定し(ステップS1300−5のYES)、大当たり演出の一部としてボタン振動演出を実行するためのボタン振動演出実行コマンドを作成して送信バッファにセットする。(ステップS1300−7)。送信バッファにセットされたボタン振動演出実行コマンドは、サブタイマ割り込み処理のステップS1100−7の処理において電飾制御基板350に送信される。
本例では、9回目のラウンド遊技の開始時点では、図43から図45に示すエラーは発生しておらずエラー報知演出中でもない。このため、サブCPU330aは、エラー報知処理(図46参照)において、エラー報知中フラグがオン状態でないと判定し(ステップS1400−1のNO)、エラーコマンドを受信していないと判定し(ステップS1400−3のNO)、エラー報知処理を終了する。したがって、エラー報知指定コマンドは作成されず、エラー報知演出も実行されない。
さらに、9回目のラウンド遊技の開始時点では、図43から図45に示すエラーは発生しておらずエラー報知演出中でもないことから、不正エラーフラグおよびボタン振動禁止フラグはオフ状態に設定されている。このため、サブCPU330aは、ボタン振動演出制御処理(図48参照)において、不正エラーフラグがオン状態かつボタン振動禁止フラグがオフ状態でないと判定し(ステップS1500−1のNO)、不正エラーフラグがオフ状態かつボタン振動禁止フラグがオン状態でないと判定し(ステップS1500−7のNO)、ボタン振動演出制御処理を終了する。
図49では不図示であるが、画像制御基板340が大当たり演出画像指定コマンドを受信したことで、演出表示部200a内では、大当たり演出として大当たり図柄が特別図柄Eである場合の9回目のラウンド遊技に対応する所定の動画像が再生表示される。また、図49に示すように、電飾制御基板350が大当たり演出電飾指定コマンドを受信したことで、大当たり演出として大当たり図柄が特別図柄Eである場合の9回目のラウンド遊技に対応する態様で演出役物装置202が可動し、演出照明装置204が点灯し、音声出力装置206からはBGM楽曲等の音声が出力される。なお、図49では、演出役物装置202の近傍の二重線によって2つの演出役物装置202が上下に揺動している可動態様を表している。また、図49では、黒色での塗りつぶしによって演出照明装置204を構成する複数のランプ(ここでは、ランプ204a〜204cの3つのランプ)が点灯していることを表しており、音声出力装置206の近傍に記載した八分音符記号によって音声出力装置206からの音声の出力を表している。
さらに、電飾制御基板350がボタン振動演出実行コマンドを受信したことで、図49に示す大当たり演出の一部として演出操作装置208においてボタン駆動部が駆動されてボタン振動演出が実行され、演出操作装置208の押下ボタンが振動する。図49では、演出操作装置208の左右近傍に記載した三角波線によって押下ボタンが振動していることを表している。演出操作装置208の押下ボタンが振動を開始すると、演出表示部200aでは動画像の再生表示に合わせて遊技者に演出操作装置208の操作を促す画像が表示され、画像に従って演出操作装置208の操作を行った遊技者は、演出表示部200a、演出役物装置202および演出照明装置204による視覚的な演出効果と音声出力装置206による聴覚的な演出効果とに加えて演出操作装置208による触覚的な演出効果を体感することができる。このように、遊技機100では、大当たり演出において複数の演出装置が既定の動作(大当たり演出画像指定コマンド、またはボタン振動演出実行コマンドに基づく動作)を行うことで、多彩な演出態様を実現し、遊技の興趣の向上を図ることができる。なお、図49に示す大当たり演出中の遊技機100では、図43から図45に示す何れのエラーも発生していないため、エラー報知演出も実行されていない。このため、図49に示す大当たり演出中には枠部照明装置240を構成するいずれのLEDランプは点灯せずに消灯している。図49では、消灯状態のLEDランプ46a,46b、LEDランプ48a〜48nおよびLEDランプ50a〜50rは、白抜きの円で表されている。
大当たり図柄が特別図柄Eである場合の9回目のラウンド遊技は第1特定ラウンド遊技に該当するため、第2大入賞口128が開放されるとともに、特定領域140bが第1の態様で開閉制御されて、特定領域140bに遊技球が進入可能となっている。ここで、大当たり図柄が特別図柄Eである場合の未通過対象ラウンドである9回目のラウンド遊技の終了時において、図44に示す「確変領域未通過エラー」が発生したとする。この場合、主制御基板300における特定領域未通過判定処理(図35参照)において、メインCPU300aは、未通過対象ラウンドの終了時であると判定し(ステップS643−1のYES)、特定領域進入フラグがオンしていないと判定し(ステップS643−3のNO)、エラー処理を実行し(ステップS643−5)、特定領域未通過判定処理におけるエラー(図44に示す「確変領域未通過エラー」)の情報を含むエラーコマンドをセットして副制御基板330に送信する(ステップS643−7)。
副制御基板330のサブCPU330aは、エラー報知処理(図46参照)において、エラー報知演出中でないためエラー報知中フラグがオン状態でないと判定し(ステップS1400−1のNO)、ステップS643−7で主制御基板300から送信されたエラーコマンドを受信していると判定し(ステップS1400−3のYES)、受信したエラーコマンドの情報に基づいて報知対象エラーを「確変領域未通過エラー」に決定し、サブRAM330cの所定の記憶領域に記憶された報知対象エラーを識別するための情報を更新する(ステップS1400−5)。また、サブCPU330aは、報知対象エラーが「確変領域未通過エラー」であることから不正に関するエラーであると判定し(ステップS1400−7のYES)、不正エラーフラグをオン状態に設定し(ステップS1400−9)、図44に示す「ガラス枠上エラー報知LED」、「ガラス枠装飾LED」、「G盤装飾LED」、「音声報知」および「液晶報知」の欄に該当する情報に基づいて報知対象エラーである「確変領域未通過エラー」に応じたエラー報知演出の態様の情報を含むエラー報知指定コマンド(エラー報知画像指定コマンド、エラー報知電飾指定コマンド)を作成して送信バッファにセットし(ステップS1400−11)、エラー報知中フラグをオン状態に設定する(ステップS1400−13)。送信バッファにセットされたエラー報知画像指定コマンドは、サブタイマ割り込み処理のステップS1100−7(図39参照)の処理において画像制御基板340に送信され、エラー報知電飾指定コマンドは、ステップS1100−7の処理において電飾制御基板350に送信される。
画像制御基板340はエラー報知画像指定コマンドを受信し、電飾制御基板350はエラー報知画像指定コマンドを受信すると、次のラウンド遊技の開始時(本例では10回目のラウンド遊技の開始時)に合わせて「確変領域未通過エラー」を報知するためのエラー報知演出を実行する。
また、副制御基板330のサブCPU330aは、ボタン振動演出制御処理(図48参照)において、不正エラーフラグがオン状態かつボタン振動禁止フラグがオフ状態であって不正に関するエラー(ここでは、「確変領域未通過エラー」)についてのエラー報知演出が新たに開始されると判定し(ステップS1500−1のYES)、ボタン振動禁止フラグをオン状態に設定し(ステップS1500−3)、ボタン振動禁止コマンドを作成して送信バッファにセットする(ステップS1500−5)。送信バッファにセットされたボタン振動禁止コマンドは、サブタイマ割り込み処理のステップS1100−7(図39参照)の処理において電飾制御基板350に送信される。
電飾制御基板350は、ボタン振動禁止コマンドを受信すると、ボタン駆動禁止フラグをオン状態に設定する。また、電飾制御基板350は、ボタン振動禁止コマンドの受信時においてボタン振動演出が実行中であれば演出操作装置208の押下ボタンの振動を停止させ、ボタン振動許可コマンドを受信してボタン駆動禁止フラグをオフ状態に設定するまでは、ボタン振動演出実行コマンドを受信してもボタン振動演出を実行しない。
遊技機100において「確変領域未通過エラー」が発生した場合、図50に示すように、各演出装置では図44に示す「確変領域未通過エラー」に対応する「ガラス枠上エラー報知LED」、「ガラス枠装飾LED」、「G盤装飾LED」、「音声報知」および「液晶報知」の欄に記載の態様でエラー報知演出が実行される。具体的には、電飾制御基板350は、「確変領域未通過エラー」を報知するためのエラー報知電飾指定コマンドを受信すると、10回目のラウンド遊技の開始時において、枠部照明装置240を構成するLEDランプのうち、図44に示す「ガラス枠上エラー報知LED」に該当する2個のLEDランプ46bを青色で点灯し、「ガラス枠装飾LED」に該当するガラス枠トップランプ46の6個のLEDランプ46a、左右のガラス枠装飾ランプ48の18個のLEDランプ48a〜48n、左右のガラス枠装飾ランプ50の18個のLEDランプ50a〜50rを緑色で点灯する。図50では、2個のLEDランプ46bの青色での点灯を斜線の網掛けで表し、LEDランプ48a〜48n,50a〜50rの緑色での点灯を点の網掛けで表している。
図44に示す「確変領域未通過エラー」に対応する「G盤装飾LED」欄には「−」が記載されている。このため、「確変領域未通過エラー」を報知するためのエラー報知演出では演出照明装置204を構成するランプの全消灯は実行されず、大当たり演出電飾指定コマンドでの指定に基づいた点灯態様を維持している。また、図44に示す「確変領域未通過エラー」に対応する「音声報知」欄には「無し」が記載されている。このため、「確変領域未通過エラー」を報知するためのエラー報知演出では音声出力装置206から警告音や音声メッセージは出力されず、大当たり演出電飾指定コマンドでの指定に基づいた音声出力態様が維持される。また、図44に示す「確変領域未通過エラー」に対応する「液晶報知」欄にも「無し」が記載されている。このため、画像制御基板340がエラー報知画像指定コマンドを受信しても、エラー報知演出に関する画像表示は行われず、大当たり演出画像指定コマンドでの指定に基づいた表示態様が継続される。
10回目のラウンド遊技の開始時において、サブCPU330aは、大当たり演出決定処理(図41参照)において主制御基板300からラウンド遊技の開始を示す大入賞口開放指定コマンドを受信したと判定すると(ステップS1300−1のYES)、大当たり図柄である特別図柄Eおよび10回目のラウンド遊技に対応する大当たり演出を実行するための大当たり演出指定コマンド(大当たり演出画像指定コマンド、大当たり演出電飾指定コマンド)を作成して送信バッファにセットする(ステップS1300−3)。また、サブCPU330aは、大当たり図柄が特別図柄Eであると判定し(ステップS1300−5のYES)、大当たり演出の一部としてボタン振動演出を実行するためのボタン振動演出実行コマンドを作成して電飾制御基板350へ送信する(ステップS1300−7)。
図50では不図示であるが、画像制御基板340が大当たり演出画像指定コマンドを受信したことで、演出表示部200a内では、大当たり演出として大当たり図柄が特別図柄Eの場合の10回目のラウンド遊技に対応する所定の動画像が再生表示される。また、電飾制御基板350が大当たり演出電飾指定コマンドしたことで、図50に示すように大当たり演出として大当たり図柄が特別図柄Eの場合の10回目のラウンド遊技に対応する態様で演出役物装置202が可動し、演出照明装置204が点灯し、音声出力装置206からBGM楽曲等の音声が出力される。なお、図49と同様に、図50でも演出役物装置202の近傍の二重線によって2つの演出役物装置202が上下に揺動している可動態様を表し、黒色での塗りつぶしによって演出照明装置204を構成する複数のランプ(ここでは、ランプ204a〜204fの6のランプ)が点灯していることを表し、音声出力装置206の近傍に記載した八分音符記号によって音声出力装置206からの音声の出力を表している。
ただし、電飾制御基板350は、ステップS1500−11で作成されたボタン振動禁止コマンドを受信したことによりボタン駆動禁止フラグをオン状態に設定している。このため、10回目のラウンド遊技の開始時において、ステップS1300−7でサブCPU330aが作成したボタン振動演出実行コマンドを受信しても、ボタン振動演出を実行しない。したがって、図50に示す10回目のラウンド遊技に伴う大当たり演出では、ボタン振動演出は実行されない。図50では演出操作装置208の左右に三角波線を記載しないことで押下ボタンが振動していないことが表されている。電飾制御基板350がボタン振動演出を実行しないため演出操作装置208の押下ボタンは振動しないが、演出操作装置208による遊技者の操作は受付けられるため、エラー報知演出の実行中においても大当たり演出において遊技者に演出操作装置208の操作を促す画像が表示され、演出操作装置208の操作に基づく演出が実行される。
11回目のラウンド遊技の開始時において、サブCPU330aは、大当たり演出決定処理において主制御基板300からラウンド遊技の開始を示す大入賞口開放指定コマンドを受信したと判定すると(ステップS1300−1のYES)、大当たり図柄である特別図柄Eおよび11回目のラウンド遊技に対応する大当たり演出を実行するための大当たり演出指定コマンド(大当たり演出画像指定コマンド、大当たり演出電飾指定コマンド)を作成して送信バッファにセットする(ステップS1300−3)。また、サブCPU330aは、大当たり図柄が特別図柄Eであると判定し(ステップS1300−5のYES)、大当たり演出の一部としてボタン振動演出を実行するためのボタン振動演出実行コマンドを作成して電飾制御基板350へ送信する(ステップS1300−7)。
また、サブCPU330aは、エラー報知処理においてエラー報知中フラグがオン状態であると判定し(ステップS1400−1)、エラー報知解除処理(ステップS1401)を実行する。サブCPU330aは、エラー報知解除処理(図47参照)において、エラー報知演出が開始された10回目のラウンド遊技の次のラウンド遊技である11回目のラウンド遊技の開始時であり、図44に示す「確変領域未通過エラー」に対応する「エラー解除条件」が満たされていると判定する(ステップS1401−1のYES)。また、「確変領域未通過エラー」は不正に関するエラーであるので、サブCPU330aは、不正に関するエラーの解除タイミングであると判定し(ステップS1401−3のYES)、不正エラーフラグをオフ状態に設定し(ステップS1401−5)、報知中エラー解除コマンドを作成して送信バッファにセットする(ステップS1401−7)。送信バッファにセットされた報知中エラー解除コマンドは、サブタイマ割り込み処理のステップS1100−7の処理において画像制御基板340および電飾制御基板350に送信される。さらに、サブCPU330aは、エラー報知中フラグをオフ状態に設定して(ステップS1401−9)、エラー報知処理へ戻る。エラー報知処理に戻ると、サブCPU330aは、11回目のラウンド遊技の開始時にはエラーが発生していないためエラーコマンドを受信していないと判定し(S1400−3のNO)、エラー報知処理を終了する。
さらに、サブCPU330aは、ボタン振動演出制御処理(図48参照)において、不正エラーフラグがオン状態かつボタン振動禁止フラグがオフ状態でないと判定し(ステップS1500−1のNO)、不正エラーフラグがオフ状態かつボタン振動禁止フラグがオン状態であって不正に関するエラーを報知するためのエラー報知演出の終了時であると判定し(ステップS1500−7のYES)、ボタン振動禁止フラグをオフ状態に設定し(ステップS1500−9)、ボタン振動許可コマンドを作成して電飾制御基板350へ送信する(ステップS1500−11)。
図49では不図示であるが、画像制御基板340が大当たり演出画像指定コマンドを受信したことで、演出表示部200a内では、大当たり演出として大当たり図柄が特別図柄Eである場合の11回目のラウンド遊技に対応する所定の動画像が再生表示される。また、電飾制御基板350が大当たり演出電飾指定コマンドを受信したことで、大当たり演出として大当たり図柄が特別図柄Eである場合の11回目のラウンド遊技に対応する態様で演出役物装置202、演出照明装置204および音声出力装置206が動作する。具体的には、図49に示すように、11回目のラウンド遊技での大当たり演出において、9回目のラウンド遊技での大当たり演出と同様に、2つの演出役物装置202が上下に揺動し、演出照明装置204を構成する複数のランプ(ここでは、ランプ204a〜204cの3つのランプ)が点灯し、音声出力装置206がBGM楽曲等の音声を出力する。
また、電飾制御基板350は、不正に関するエラー(ここでは、「確変領域未通過エラー」)の解除タイミングであることに伴って報知中エラー解除コマンドを受信すると、11回目のラウンド遊技の開始時において、10回目のラウンド遊技中に「確変領域未通過エラー」を報知するためのエラー報知演出において点灯していたガラス枠トップランプの8個のLEDランプ46a,46b、左右のガラス枠装飾ランプ48の18個のLEDランプ48a〜48n、左右のガラス枠装飾ランプ50の18個のLEDランプ50a〜50rを消灯して、エラー報知演出を終了する。このため、図49に示すように11回目のラウンド遊技における大当たり演出の開始時には、ガラス枠トップランプの8個のLEDランプ46a,46b、左右のガラス枠装飾ランプ48の18個のLEDランプ48a〜48n、左右のガラス枠装飾ランプ50の18個のLEDランプ50a〜50rが消灯している。なお、「確変領域未通過エラー」を報知するためのエラー報知演出では演出表示部200aを用いたエラー報知は行われていないため、画像制御基板340では報知中エラー解除コマンドを受信したことに基づく処理は行われない。
このように、11回目のラウンド遊技に同期して実行される大当たり演出の開始時においては、図50で例示したエラー報知演出は終了される。このため、11回目のラウンド遊技の開始時には、図49に示すように、各演出装置は9回目のラウンド遊技の開始時と同様の通常の大当たり演出における既定の動作が行われる。
また、電飾制御基板350がボタン振動許可コマンドを受信したことで、電飾制御基板350においてボタン駆動禁止フラグがオフ状態に設定される。このため、ボタン振動演出の禁止が解除され、11回目のラウンド遊技開始時に電飾制御基板350がボタン振動演出実行コマンドを受信したことに基づいて、大当たり演出にの一部として演出操作装置208においてボタン駆動部が駆動されて演出操作装置208の押下ボタンが振動し、ボタン振動演出が実行される。このようにして、不正に関するエラー(ここでは、「確変領域未通過エラー」)の解除タイミングにおいて、動作が抑制されていた演出操作装置208が既定の動作(大当たり演出中におけるボタン振動演出の動作)に復帰する。
このように、本実施形態による遊技機100では、不正に関するエラーを報知するためのエラー報知演出が実行される場合に、複数の演出装置のうち演出操作装置208の動作を抑制する。具体的には、演出操作装置208におけるボタン振動演出の実行を禁止する。これにより、遊技機100は、消費電流の増大を防止して消費電流が上限値を超えることを回避して、電気的に駆動する部材の可動不良や電源断が生じるおそれを低減しながら適切なエラー報知を行うことができる。また、遊技機100では、エラー報知演出中においても、複数の演出装置のうち動作が抑制された演出装置以外の演出装置(ここでは、演出表示部200a、演出役物装置202、演出照明装置204および音声出力装置206)の既定の動作(大当たり演出指定コマンドに基づく動作)を維持する。不正に関するエラーを報知するためのエラー報知演出中においても、演出表示部200a、演出役物装置202、演出照明装置204および音声出力装置206等による大当たり演出の主たる演出は継続するので、遊技機100は、ボタン振動演出が実行されないことによって遊技者に与える不安感や違和感を低減して、遊技者の遊技の継続を妨げないようにするとともに、複数の演出装置による演出効果を維持しながら適切なエラー報知を行うことができる。
また、遊技機100は、不正に関するエラーの発生を報知するエラー報知演出が終了するタイミングで、動作を抑制された演出操作装置208を既定の動作(大当たり演出中におけるボタン振動演出の動作)に復帰させる。これにより、遊技機100は、エラー報知演出の終了時において動作を抑制した演出装置を、大当たり演出において実行される通常通りの既定の動作に速やかに復帰させることができるため、遊技者の遊技に対する意欲を向上させることができる。
また、本例では、大当たり演出中に実行される不正に関するエラーを報知するためのエラー報知演出の制御の流れの一例を説明したが、変動演出中に不正に関するエラーを報知するためのエラー報知演出が実行される場合も同様に、演出操作装置208でのボタン振動演出が禁止され、エラー報知演出の終了タイミングでボタン振動演出の禁止が解除されて演出操作装置208が既定の動作に復帰する。また、エラー報知演出中においても、動作が抑制されている演出操作装置208以外の演出装置は、変動演出における既定の動作(変動モードコマンド、変動パターンコマンドに応じた動作)を維持する。
(変形例)
上記実施形態では、エラー発生時における演出の制御処理を簡潔にするため、図43および図44に示す不正に関するエラーの発生を報知するエラー報知演出中に、一律で演出操作装置208のボタン振動演出を禁止するとしたが、これに限られない。例えば、エラー報知演出中に2つの演出役物装置202の両方が駆動すると消費電流が遊技機100における上限値を超過するおそれがある場合は、図48に示すボタン振動演出制御処理において、エラー報知演出中に2つの演出役物装置202の両方が駆動する演出が実行されるか否かを判定し、エラー報知演出中に2つの演出役物装置202の両方が駆動するときにはボタン振動演出を禁止するようにしてもよい。
上記実施形態におけるボタン振動演出は、演出操作装置208の押下ボタンの振動の強度を複数段階に設定可能としてもよい。例えば、押下ボタンの振動の強度は強・中・弱の3段階あり、不正に関するエラーのエラー報知演出中には、押下ボタンの振動の強度を弱にすることで、消費電流の増大を抑制するようにしてもよい。
上記実施形態では、不正に関するエラーを報知するためのエラー報知演出中において抑制される演出装置の動作として演出操作装置208の動作(ボタン振動演出)を例示したが、これに限られない。例えば、エラー報知演出中において遊技機100の複数の演出装置のうち、演出照明装置204や2つの演出役物装置202の動作を抑制するようにしてもよい。具体的には、演出照明装置204を構成する複数のランプのうち点灯するランプの個数を制限または演出照明装置204を構成する複数のランプを全消灯したり、2つの演出役物装置202のうち少なくとも1つ、または両方の駆動を禁止したりしてもよい。また、不正に関するエラーを報知するためのエラー報知演出中において、演出操作装置208および演出照明装置204を構成する複数のランプのうちの1つのランプ、演出操作装置208および2つのうち1つの演出役物装置202等の複数の演出装置の動作を抑制するようにしてもよい。
上記実施形態では、1〜6、10〜16回目のラウンド遊技が第1大入賞口126で実行され、7〜9回目のラウンド遊技が第2大入賞口128で実行されることとしたが、いずれの大入賞口で大役遊技を実行するかは適宜設定可能である。
また、上記実施形態では、特定領域140bに遊技球が進入しなかった場合には、大役遊技の終了後に、相対的に有利度合いが低い非特別遊技状態として低確率遊技状態および時短遊技状態に設定され、特定領域140bに遊技球が進入した場合には、非特別遊技状態よりも相対的に有利度合いが高い特定遊技状態として高確率遊技状態および時短遊技状態に設定させるようにした。しかしながら、各遊技状態における具体的な遊技進行条件は限定されないが、相対的に有利度合いが低い非特別遊技状態と、非特別遊技状態よりも相対的に有利度合いが高い特別遊技状態との少なくとも2つの遊技状態が設けられていればよい。
また、上記実施形態における遊技盤108の盤面構成は一例に過ぎず、適宜設計可能であることは言うまでもない。
また、上記実施形態における遊技状態の設定は一例に過ぎず、上記と同様の遊技性を担保可能な範囲において、適宜設定可能である。
なお、上記実施形態における図28のステップS610−9およびステップS610−11の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の抽選手段に相当する。
上記実施形態および上記実施形態の変形例による遊技機100の主な構成およびその効果について説明する。
遊技機100は、所定のエラー(例えば、図43および図44に示す不正に関するエラー)を報知するエラー報知手段(ステップS1400のエラー報知処理を実行するサブCPU330a)と複数の前記演出装置の演出動作を制御する演出装置制御手段(例えば、ステップS1300の大当たり演出決定処理を実行するサブCPU330a)を備え、演出装置制御手段は、エラー報知手段によって所定のエラーが報知される場合に、複数の演出装置(2つの演出役物装置202、演出照明装置204、演出操作装置208)のうち少なくとも1つの演出装置の動作を抑制する。
これにより、遊技機100は、不正に関するエラーを報知するためのエラー報知演出中において、消費電流が増大して上限値を超えることを防止することができる。ここで、演出装置の動作の抑制には、例えば2つの演出役物装置202のうち1つの演出役物装置の駆動の制限、演出照明装置204における点灯するランプの個数の制限および演出操作装置208におけるボタン振動演出の禁止および振動の強度の調整(強→弱)が含まれる。
演出装置制御手段は、エラー報知手段によって所定のエラーが報知される場合に、複数の演出装置のうち、動作が抑制された演出装置(2つの演出役物装置202、演出照明装置204、演出操作装置208のうち少なくとも1つ)以外の演出装置の既定の動作を維持する。
これにより、遊技機100は、複数の演出装置による演出効果を維持しながら、適切なエラー報知を行うことができる。
演出装置制御手段は、エラー報知手段による所定のエラーの報知が終了するときに、動作が抑制された演出装置(2つの演出役物装置202、演出照明装置204、演出操作装置208のうち少なくとも1つ)を既定の動作に復帰させる。
これにより、、エラー報知演出の終了時において速やかに動作を抑制された演出装置の動作を復帰させて、遊技者の遊技に対する意欲を向上させることができる。
演出装置制御手段は、エラー報知手段によって所定のエラーが報知される場合に、複数の演出装置のうち少なくとも1つの演出装置の既定の動作を禁止することを特徴とする。ここで、既定の動作の禁止には、ボタン振動演出の禁止、大当たり演出や変動演出において副制御基板330からのコマンドに基づく演出照明装置204の複数のランプの点灯禁止(全消灯)および2つの演出役物装置202の駆動の禁止が含まれる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。