JP6094206B2 - 車両用サスペンション装置 - Google Patents
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Description
このステアバイワイヤを採用した車両では、ステアリングホイールへの操舵入力に基づいて転舵輪を転舵させる操舵トルクを調整可能なアクチュエータを備えている。このアクチュエータは、ステアリングホイールの操舵状態に応じて安定した車両挙動を維持することが要求される。
本発明の課題は、車両用サスペンション装置のキングピン軸がタイヤ接地面内を通るように設定する際に、転舵時にタイヤ接地面に入力される横力に対して良好な剛性バランスを得ることができるようにすることである。
(第1実施形態)
(構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る自動車1の構成を示す概略図である。
図1において、自動車1は、ステアバイワイヤシステムSBWを備えている。このステアバイワイヤシステムSBWは、車体1Aと、ステアリングホイール2と、入力側ステアリング軸3と、操舵角度センサ4と、操舵トルクセンサ5と、操舵反力アクチュエータ6と、操舵反力アクチュエータ角度センサ7と、転舵アクチュエータ8と、転舵アクチュエータ角度センサ9と、出力側ステアリング軸10と、転舵トルクセンサ11と、ピニオンギア12と、ピニオン角度センサ13と、ステアリングラック部材14と、タイロッド15と、タイロッド軸力センサ16と、車輪17FR,17FL,17RR,17RLと、車両状態パラメータ取得部21と、車輪速センサ24FR,24FL,24RR,24RLと、コントロール/駆動回路ユニット26と、メカニカルバックアップ27とを備えている。
入力側ステアリング軸3は、操舵反力アクチュエータ6を備えており、ステアリングホイール2から入力された操舵入力に対し、操舵反力アクチュエータ6による操舵反力を加える。
操舵トルクセンサ5は、入力側ステアリング軸3に設置してあり、入力側ステアリング軸3の回転トルク(即ち、ステアリングホイール2への操舵入力トルク)を検出する。そして、操舵トルクセンサ5は、検出した入力側ステアリング軸3の回転トルクをコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
操舵反力アクチュエータ角度センサ7は、操舵反力アクチュエータ6の回転角度(即ち、操舵反力アクチュエータ6に伝達した操舵入力による回転角度)を検出し、検出した回転角度をコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
転舵アクチュエータ角度センサ9は、転舵アクチュエータ8の回転角度(即ち、転舵アクチュエータ8が出力した転舵のための回転角度)を検出し、検出した回転角度をコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
転舵トルクセンサ11は、出力側ステアリング軸10に設置してあり、出力側ステアリング軸10の回転トルク(即ち、ステアリングラック部材14を介した車輪17FR,17FLの転舵トルク)を検出する。そして、転舵トルクセンサ11は、検出した出力側ステアリング軸10の回転トルクをコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
ピニオン角度センサ13は、ピニオンギア12の回転角度(即ち、ステアリングラック部材14を介して出力される車輪17FR,17FLの転舵角度)を検出し、検出したピニオンギア12の回転角度をコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
タイロッド15は、ステアリングラック部材14の両端部と車輪17FR,17FLのナックルアームとを、ボールジョイントを介してそれぞれ連結している。
車輪17FR,17FL,17RR,17RLは、タイヤホイールにタイヤを取り付けて構成したものであり、サスペンション装置1Bを介して車体1Aに設置してある。これらのうち、前輪(車輪17FR,17FL)は、タイロッド15によってナックルアームが揺動することにより、車体1Aに対する車輪17FR,17FLの向きが変化する。
車両状態パラメータ取得部21は、車輪速センサ24FR,24FL,24RR,24RLから出力される車輪の回転速度を示すパルス信号を基に車速を取得する。また、車両状態パラメータ取得部21は、車速と各車輪の回転速度とを基に、各車輪のスリップ率を取得する。そして、車両状態パラメータ取得部21は、取得した各パラメータをコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
コントロール/駆動回路ユニット26は、自動車1全体を制御するものであり、各部に設置したセンサから入力する信号を基に、入力側ステアリング軸3の操舵反力、前輪の転舵角、あるいはメカニカルバックアップ27の連結について、各種制御信号を、操舵反力アクチュエータ6、転舵アクチュエータ8、あるいはメカニカルバックアップ27等に出力する。
なお、メカニカルバックアップ27は、例えばケーブル式ステアリング機構等によって構成することができる。
本発明によるサスペンション装置1Bは、ホイールハブに取り付けられた車輪17FR,17FLを懸架しており、車輪17FR,17FLを回転自在に支持する車軸(アクスル)32を有するアクスルキャリア33、車体側の支持部から車体幅方向に配置されてアクスルキャリア33に連結する複数のリンク部材を備えている。
複数のリンク部材は、図2に示すように、車軸32より車両上下方向下側に配置されたロアリンク部材LRと、車軸32より車両上下方向上側に配置されたアッパーリンク部材URとで構成されている。
図5に示すように、タイヤに働く復元力(セルフアライニングトルク)は、キャスタトレイル、ニューマチックトレイルの和に比例して大きくなる。
そのため、ポジティブスクラブのスクラブ半径が大きければ大きいほど、転舵時にタイヤに働く復元力は大きくなる。
そして、前述した転舵力としてのラック軸力を低減することができるキングピン特性を得るために、例えばキャスタトレイルを20mm、車両走行時のニューマチックトレイルを30mm、最小回転半径を考慮したナックルアーム半径を130mmに設定することができる。
そして、ロアリンク部材LRでは、横力Fyに対してはトランスバースリンク37が支配的に支持する横力支持リンクとなり、コンプレッションリンク38では横力Fyの分担支持量は少ない。このため、トランスバースリンク37の車体側取付点のブッシュ60で横力Fyの分力を支持することになり、横力支持リンクとなる。
このとき、ステアリングラック部材14の車輪側取付点Psに入力される横力Fyの分力は、横力Fyの着力点Pecとステアリングラック部材14の車輪側取付点Psとの距離L1がトランスバースリンク37の車輪側取付点Ptと着力点Pecとの距離L2の約2倍であるので、トランスバースリンク37の車輪側取付点Ptに入力される横力Fyの分力の2倍となる。しかしながら、ステアリングラック部材14では、2つのブッシュ58によって横力Fyの分力を受けるので、1つのブッシュ58が受け持つ横力Fyの分力と、トランスバースリンク57のブッシュ60が受け持つ横力Fyの分力とが等しくなる。
なお、ステアリングラック部材14のブッシュ60及びトランスバースリンク37のブッシュ58は、車両前後方向についてはすぐり59及び60aが形成されていないので、車両の加速時や制動時の前後力に対して高いブッシュ剛性を発揮することができる。
すなわち、コントロール/駆動回路ユニット26には、前述したように、トルクセンサ5で検出する入力側ステアリング軸3の操舵トルクTsと、車両状態パラメータ取得部21で取得した車速Vと、操舵反力アクチュエータ角度センサ7で検出したアクチュエータ6の回転角θmiとが入力されている。
このコントロール/駆動回路ユニット26には、図11に示す転舵制御部70が設けられている。この転舵制御部70は、目標転舵角演算部71、転舵応答性設定部72およびアクチュエータ制御装置73を備えている。
転舵応答性設定部72は、直進性担保部75と遅延制御部76とを備えている。
直進性担保部75は、直進性補完部75aと外乱補償部75bとを備えている。
直進性補完部75aは、車速Vと、ピニオン角度センサ13で検出したピニオン角度に基づいて算出される転舵輪17FR,17FLの実転舵角δrと、ヨーレートセンサ22で検出したヨーレートγに基づいて下記(1)式の演算を行ってセルフアライニングトルクTsaを算出し、算出したセルフアライニングトルクTsaに所定ゲインKsaを乗算して直進性補正値としてのセルフアライニングトルク制御値Asa(=Ksa・Tsa)を算出する。
この(1)式において、キャスタトレイルεを通常のサスペンション装置で設定されるキャスタトレイルεc0から本実施形態で設定するキャスタトレイルεc2を減算した値に設定することにより、本発明に適用するサスペンション装置1Bで不足する補完すべきセルフアライニングトルクTsaを算出することができる。
この外乱補償部75bでは、例えば特開平2007−237840号公報に記載されているように、運転者による操舵入力である操舵トルクTsと転舵アクチュエータ8による転舵入力を制御入力とし、実際の操舵状態量を制御量とするモデルにおいて、前記制御入力をローパスフィルタに通した値と、前記制御量を前記モデルの逆特性と前記ローパスフィルタとに通した値との差に基づいて外乱を推定する複数の外乱推定部を有する。各外乱推定部は、ローパスフィルタのカットオフ周波数を異ならせることにより、外乱を複数の周波数帯域毎に分離する。
遅延制御部76は、図22に示すように、操舵開始検出部76a、単安定回路76b、ゲイン調整部76cおよび乗算器76dを有する。
また、単安定回路76bは操舵開始検出部76aから出力される操舵開始信号に基づいて所定の遅延時間例えば0.1秒の間オン状態となる制御開始遅延信号をゲイン調整部76cに出力する。
乗算器76dでは、直進性担保部75から出力される直進性担保制御値δaが入力され、この直進性担保制御値δaに制御ゲインGaを乗算し、乗算結果を目標転舵角演算部71からの目標転舵角δ*が入力された加算器76eに供給する。
転舵角偏差演算部81は、加算器76eから出力される目標舵角補正値δ*aから転舵アクチュエータ角度センサ9から出力される転舵アクチュエータ角度に基づく実転舵角δrを減算して舵角偏差Δδを算出し、算出した舵角偏差Δδを転舵モータ制御部62に出力する。
電流偏差演算部83は、入力される駆動指令電流im*から転舵アクチュエータ8を構成する転舵モータ8aに供給するモータ電流を検出するモータ電流検出部64から出力されるモータ電流imrを減算して電流偏差Δiを算出し、算出した電流偏差Δiをモータ電流制御部85に出力する。
モータ電流制御部85は、入力される電流偏差Δiが零となるように、すなわち、実際のモータ電流imrが駆動指令電流im*に追従するようにフィードバック制御し、転舵モータ駆動電流imrを転舵モータ8aに出力する。
次に、上記第1の実施形態の動作を図13および図14を伴って説明する。
今、ステアリングホイール2を中立位置に保持して直進走行しているものとする。
この直進走行状態では、目標転舵角演算部71で演算される目標転舵角δ*が零となる。このため、アクチュエータ制御装置54で制御される転舵モータ8aによって、ステアリングラック部材14が中立位置に制御され、タイロッド15を介して転舵輪17FRおよび17FLの転舵角δrが零に制御される。このとき、ステアリングホイール2が中立位置を保持しているので、ヨーレートセンサ22で検出される車両のヨーレートγは零であり、直進性補完部75aで前記(1)式に従って算出されるセルフアライニングトルクTsaは、転舵角δrが零であることにより重心点横滑り角βが零となり、ヨーレートγも零であるので、零となる。
したがって、アクチュエータ制御装置73の転舵角偏差演算部81から出力される転舵角偏差Δδも零となり、転舵モータ制御部82から出力されるモータ電流指令値im*も零となる。このためモータ電流制御部85からモータ電流imtは出力されず、転舵モータ8aは停止状態を維持し、ステアリングラック部材14が中立位置を維持して転舵輪17FRおよび17FLの転舵角δtが“0”に制御される。
ところが、ステアリングホイール2を中立位置に保持した直進走行状態を維持している状態からステアリングホイール2を右(又は左)に操舵する状態となると、この直進走行状態からの操舵による旋回状態への移行が操舵開始検出部76aで検出される。
このため、操舵角センサ4で検出した操舵角θsが目標転舵角演算部71に供給され、この目標転舵角演算部71で演算された目標転舵角δ*がそのまま転舵角偏差演算部81に供給される。このため、目標転舵角δ*に一致するように転舵モータ8aが回転駆動される。この間、直進性担保部75における直進性担保制御が停止される。
このとき、サスペンション装置1Bのキャスタ角が零に設定されている。このキャスタ角と転舵応答性と操縦安定性との関係は、図8(a)に示すように、キャスタ角が零であるときには転舵応答性が高い状態をとなるが、操縦安定性を確保することはできない、すなわち、キャスタ角に対する転舵応答性と操縦安定性とはトレードオフの関係が存在する。
この初期応答期間T1では、サスペンション装置1Bは、上述したように、キャスタ角が零に近い値であり、転舵応答性が高いので、図9(a)で実線図示の特性線L1で示すように、一点鎖線図示の特性線L2で示す一般的なステアバイワイヤ形式の操舵系を有する車両における転舵応答特性(ヨーレート)より高い転舵応答特性(ヨーレート)とすることができる。このとき、運転者のステアリングホイール2の操舵による操舵角変化に対応した転舵角変化となるので、運転者に違和感を与えることはない。
このため、上記第1の実施形態では、図9(b)に示すように、初期応答期間T1が経過する例えば0.1秒後に、直進性補完部75aおよび外乱補償部75bで構成される直進性担保部75による目標転舵角δ*に対する直進性担保制御がステップ状に開始される。このため、サスペンション装置1Bによる車両の転舵応答性を抑制して車両のふらつきを抑制するとともに、図8(b)で点線図示のように、ステアバイワイヤ制御によってサスペンション装置1Bの直進性を補完して、操縦安定性を確保することができる。
このため、横力Fyがタイヤ接地面内の着力点Pecに作用したときに、ブッシュ58及び61の変形によって転舵輪17FR及び17FLのトー角変化が生じることを抑制することができる。
このため、転舵制御部70でアクチュエータ制御装置73を制御する際に、転舵輪17FR及び17FLのブッシュ剛性によるトー角変化を考慮する必要がないので、転舵制御を容易に行うことができる。
(1)転舵輪を回転自在に支持する車軸を有するアクスルキャリアと、前記車軸より下側で、前記車体側部材と前記アクスルキャリアとを個別に連結する第1ロアリンク部材及び第2ロアリンク部材と、前記転舵輪を転舵し前記車体側部材に取付けられたステアリングラック部材と、前記ステアリングラック部材を駆動するアクチュエータを駆動制御する転舵制御装置とを備え、前記第1ロアリンク部材及び第2ロアリンク部材の一方が他方に比較して横力の分担量が多い横力支持リンク部材として設定され、第1ロアリンク部材と第2ロアリンク部材との交点をロアピボット点とするキングピン軸がタイヤ接地面内を通るように設定し、前記横力支持リンク部材と前記ステアリングラック部材との車体側取付位置におけるブッシュ剛性を前記転舵輪の変形によるトー角変化を抑制するように設定している。
このように、横力の着力点に対して横力支持リンク部材及びステアリングラック部材の車輪側取付点が横力の着力点を挟んで車両前後方向に配置されているので、横力による転舵輪のキングピン軸回りの転舵を抑制して正確な転舵角制御を行うことができる。
この構成によると、トランスバースリンク部材は、車両車幅方向に延長して配置するので、横力に対して斜めに延長するコンプレッションリンク部材やテンションリンク部材に対して大きな抗力を発生することができる。
このように構成することにより、横力支持リンク部材及びステアリングラック部材の車体取付点での横力に対する剛性バランスを正確にとることができ、両車体取付点でのブッシュの変形による転舵輪のトー角変化を正確に抑制することができる。
この構成によると、横力支持リンク部材の車輪側取付点及びステアリングラック部材の車輪側取付点で受ける横力によるモーメント荷重をブッシュ剛性で等しくバランスさせることができ、転舵輪のブッシュ剛性の差によるトー角変化を確実に抑制することができる。
この構成によると、ブッシュ構造を統一することができ、この分部品点数を減少させることができる。
なお、上記第1実施形態においては、ロアリンク部材LRをトランスバースリンク37とコンプレッションリンク38とで構成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、横力支持リンクとしてのトランスバースリンク37とテンションリンクとでロアリンク部材を構成することができる。
また、上記第1実施形態では、ロアリンク部材LRの横力支持リンク部材への横力の分力とステアリングラック部材への横力の分力とを1対2に設定した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、横力を分担する分力比は任意に設定することができ、これに応じてブッシュ剛性をバランスさせて、転舵時の横力によるブッシュの変形に伴う転舵輪のトー角変化を抑制するようにすればよい。
上記第1の実施形態では、ステアリングラック部材14の車輪側取付点が車軸32の中心線より車両前後方向後方に位置する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図9及び図10に示すように、ステアリングラック部材14が車軸32の中心線に対して車両前後方向前方側に位置する場合でも上記第1実施と同様の作用効果を得ることができる。
そして、ブッシュ94とブッシュ99とは同一の構成を有し、車両車幅方向にすぐりが形成されている。
この変形例でも、前述した第1実施形態と同様に、転舵が行われたときに、転舵初期時に転舵制御装置70の転舵制御が例えば0.1秒の遅延時間分遅延されることにより、転舵制御装置70の転舵制御が一時停止され、サスペンション装置1Bによる高転舵応答性によって転舵が開始される。その後、0.1秒が経過した後に転舵制御装置70による転舵制御が開始されて最適な転舵特性で転舵制御を行うことができる。
この転舵時に、サスペンション装置1Bに横力Fyが作用すると、図9に示すように、横力Fyの着力点がタイヤ接地面内の接地面中心点Pecとなり、この着力点は車軸32の中心線から車両前後方向後方にニューマチックトレイルεn=30mmに相当する距離L2分離れている。また、車軸32の中心線から車両前後方向前方側にキャスタトレイルεc=20mmに対応する距離L3だけ離れた位置にキングピン軸KSの路面接地点Pkがあり、この路面接地点Pkから車両前後方向前方側に距離L1(=100mm)だけ離れた位置にステアリングラック部材14の車輪側取付点Psが配置されている。
(1)前記横力支持リンク部材と、前記ステアリングラック部材とが横力の着力点に対して車両前方側にそれぞれ配置されている。
この構成でも、着力点に作用する横力に対する横力支持リンク部材のブッシュ剛性とステアリングラック部材とのブッシュ剛性とをバランスさせることにより、転舵時のブッシュ剛性の差による転舵輪のトー角変化を抑制して正確な転舵制御を行うことができる。この場合も、ブッシュ剛性の違いによる転舵輪のトー角変化を考慮することなく転舵制御を行うことができるので、転舵制御を容易に行うことができるとともに、転舵角を正確に制御することができる。さらに、ステアリングラック部材を車軸の中心線よりも車両前後方向前方側に配置することができるので、レイアウトの自由度を向上させることができる。
Claims (6)
- 転舵輪を回転自在に支持する車軸を有するアクスルキャリアと、
前記車軸より下側で、車体側部材と前記アクスルキャリアとを個別に連結する第1ロアリンク部材及び第2ロアリンク部材と、
前記転舵輪を転舵し前記車体側部材に取付けられたステアリングラック部材と、
前記ステアリングラック部材を駆動するアクチュエータを駆動制御する転舵制御装置とを備え、
前記第1ロアリンク部材及び第2ロアリンク部材の一方が他方に比較して横力の分担量が多い横力支持リンク部材として設定され、
第1ロアリンク部材と第2ロアリンク部材との交点をロアピボット点とするキングピン軸がタイヤ接地面内を通るように設定し、
前記横力支持リンク部材の車輪取付点と前記ステアリングラック部材の車輪取付点との横力の着力点に対する車両前後方向距離に応じて、前記転舵輪の変形によるトー角変化を抑制するように、前記横力支持リンク部材の車体側取付点のブッシュ剛性及び前記ステアリングラック部材の車体側取付点のブッシュ剛性が設定されていることを特徴とする車両用サスペンション装置。 - 横力の着力点に対して、前記横力支持リンク部材の車輪側取付点が車両前後方向前方に配置され、前記ステアリングラック部材の車輪側取付点が車両前後方向後方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用サスペンション装置。
- 前記横力支持リンク部材と、前記ステアリングラック部材とが横力の着力点に対して車両前方側にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用サスペンション装置。
- 前記横力支持リンク部材は、トランスバースリンク部材で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用サスペンション装置。
- 前記横力支持リンク部材の転舵輪取付点と横力の着力点との車両前後方向距離に対して前記ステアリングラック部材の転舵輪取付点と横力の着力点との車両前後方向距離を倍に設定したときに、前記横力支持リンク部材の車体側取付点のブッシュ剛性に対して前記ステアリングラック部材の車体側取付点のブッシュ剛性を2倍に設定したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用サスペンション装置。
- 前記ステアリングラック部材の車体側取付点を2個所として、前記ステアリングラック部材の車体側取付点と前記横力支持リンク部材の車体側取付点とのブッシュ構造を同一構造としたことを特徴とする請求項5に記載の車両用サスペンション装置。
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