JP6094206B2 - 車両用サスペンション装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車体を懸架する車両用サスペンション装置に関する。
従来、車両用の操舵装置では、ステアリングホイールと転舵輪との間の機械的連結を切り離したステアバイワイヤ(SBW)方式が採用されている。
このステアバイワイヤを採用した車両では、ステアリングホイールへの操舵入力に基づいて転舵輪を転舵させる操舵トルクを調整可能なアクチュエータを備えている。このアクチュエータは、ステアリングホイールの操舵状態に応じて安定した車両挙動を維持することが要求される。
例えば、特許文献1に記載の技術では、第1ロアリンク部材と第2ロアリンク部材との交点をロアピボット点とするキングピン軸がタイヤ接地面内を通るように設定したサスペンション装置と、転舵輪を転舵するアクチュエータを転舵制御する転舵制御装置とを有し、転舵初期に転舵制御装置を所定時間停止させてサスペンション装置の転舵応答性により転舵し、所定時間が経過したときに転舵制御装置の転舵制御を開始するようにしている。
国際公開第2012/073469号パンフレット
しかしながら、特許文献1に記載の技術にあっては、転舵初期時のみサスペンション装置の剛性が必要となり、所定時間経過後には転舵制御装置による転舵制御によって所定の転舵剛性を得るようにしているが、転舵制御装置では、前後剛性及びキャンバー剛性を補完することはできないので、前後剛性及びキャンバー剛性については確保するようにしている。
本発明の課題は、車両用サスペンション装置のキングピン軸がタイヤ接地面内を通るように設定する際に、転舵時にタイヤ接地面に入力される横力に対して良好な剛性バランスを得ることができるようにすることである。
以上の課題を解決するため、本発明に係る車両用サスペンション装置は、転舵時に、タイヤ接地面に作用する横力に対してステアリングラック部材の車体取付点とロアリンクの車体取付点との剛性分担量を転舵輪が変形によるトー角変化を抑制するように調整した。
本発明によれば、転舵時にタイヤ接地面に横力が作用したときに、ステアリングラック部材の車体取付点とロアリンクの車体取付点との剛性分担量を転舵輪が変形によるトー角変化を抑制するので、変形によるトー角変化を考慮しなくてよく、転舵制御を容易に且つ正確に行うことができる。
本発明の第1実施形態に係る自動車の構成を示す概略図である。 サスペンション装置の構成を模式的に示す平面図である。 サスペンション装置の具体的構成をブッシュ断面形状とともに示す平面図である。 キングピン軸の路面着地点と横力との関係を示すグラフである。 ポジティブスクラブとした場合のセルフアライニングトルクを説明する概念図である。 第1実施形態に適用し得る転舵制御装置の具体的構成を示すブロック図である。 サスペンション装置の特性を示す図であって、(a)はキャスタ角と応答性及び安定性との関係を示す図、(b)はキャスタトレイルと横力低減代及び直進性との関係を示す図である。 転舵応答特性を示す図であって、(a)は車両の応答特性の変化を示す特性線図、(b)は制御特性の切換タイミングを示す図である。 第1実施形態のサスペンション装置の応用例の模式的構成を示す平面図である。 第1実施形態のサスペンション装置の応用例の具体的構成を示す平面図である。
以下、図を参照して本発明を適用した自動車の実施の形態を説明する。
(第1実施形態)
(構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る自動車1の構成を示す概略図である。
図1において、自動車1は、ステアバイワイヤシステムSBWを備えている。このステアバイワイヤシステムSBWは、車体1Aと、ステアリングホイール2と、入力側ステアリング軸3と、操舵角度センサ4と、操舵トルクセンサ5と、操舵反力アクチュエータ6と、操舵反力アクチュエータ角度センサ7と、転舵アクチュエータ8と、転舵アクチュエータ角度センサ9と、出力側ステアリング軸10と、転舵トルクセンサ11と、ピニオンギア12と、ピニオン角度センサ13と、ステアリングラック部材14と、タイロッド15と、タイロッド軸力センサ16と、車輪17FR,17FL,17RR,17RLと、車両状態パラメータ取得部21と、車輪速センサ24FR,24FL,24RR,24RLと、コントロール/駆動回路ユニット26と、メカニカルバックアップ27とを備えている。
ステアリングホイール2は、入力側ステアリング軸3と一体に回転するよう構成され、運転者による操舵入力を入力側ステアリング軸3に伝達する。
入力側ステアリング軸3は、操舵反力アクチュエータ6を備えており、ステアリングホイール2から入力された操舵入力に対し、操舵反力アクチュエータ6による操舵反力を加える。
操舵角度センサ4は、入力側ステアリング軸3に備えられ、入力側ステアリング軸3の回転角度(即ち、運転者によるステアリングホイール2への操舵入力角度)を検出する。そして、操舵角度センサ4は、検出した入力側ステアリング軸3の回転角度をコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
操舵トルクセンサ5は、入力側ステアリング軸3に設置してあり、入力側ステアリング軸3の回転トルク(即ち、ステアリングホイール2への操舵入力トルク)を検出する。そして、操舵トルクセンサ5は、検出した入力側ステアリング軸3の回転トルクをコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
操舵反力アクチュエータ6は、モータ軸と一体に回転するギアが入力側ステアリング軸3の一部に形成されたギアに噛合しており、コントロール/駆動回路ユニット26の指示に従って、ステアリングホイール2による入力側ステアリング軸3の回転に対して反力を付与する。
操舵反力アクチュエータ角度センサ7は、操舵反力アクチュエータ6の回転角度(即ち、操舵反力アクチュエータ6に伝達した操舵入力による回転角度)を検出し、検出した回転角度をコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
転舵アクチュエータ8は、モータ軸と一体に回転するギアが出力側ステアリング軸10の一部に形成されたギアに噛合しており、コントロール/駆動回路ユニット26の指示に従って、出力側ステアリング軸10を回転させる。
転舵アクチュエータ角度センサ9は、転舵アクチュエータ8の回転角度(即ち、転舵アクチュエータ8が出力した転舵のための回転角度)を検出し、検出した回転角度をコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
出力側ステアリング軸10は、転舵アクチュエータ8を備えており、転舵アクチュエータ8が入力した回転をピニオンギア12に伝達する。
転舵トルクセンサ11は、出力側ステアリング軸10に設置してあり、出力側ステアリング軸10の回転トルク(即ち、ステアリングラック部材14を介した車輪17FR,17FLの転舵トルク)を検出する。そして、転舵トルクセンサ11は、検出した出力側ステアリング軸10の回転トルクをコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
ピニオンギア12は、ステアリングラック部材14に形成したラックと噛合しており、出力側ステアリング軸10から入力した回転をステアリングラック部材14に伝達する。
ピニオン角度センサ13は、ピニオンギア12の回転角度(即ち、ステアリングラック部材14を介して出力される車輪17FR,17FLの転舵角度)を検出し、検出したピニオンギア12の回転角度をコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
ステアリングラック部材14は、ピニオンギア12と噛合するラックを有し、ピニオンギア12の回転を車幅方向の直線運動に変換する。本実施形態において、ステアリングラック部材14は、前輪の車軸よりも車両前方側に位置している。
タイロッド15は、ステアリングラック部材14の両端部と車輪17FR,17FLのナックルアームとを、ボールジョイントを介してそれぞれ連結している。
タイロッド軸力センサ16は、ステアリングラック部材14の両端部に設置されたタイロッド15それぞれに設置してあり、タイロッド15に作用している軸力を検出する。そして、タイロッド軸力センサ16は、検出したタイロッド15の軸力をコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
車輪17FR,17FL,17RR,17RLは、タイヤホイールにタイヤを取り付けて構成したものであり、サスペンション装置1Bを介して車体1Aに設置してある。これらのうち、前輪(車輪17FR,17FL)は、タイロッド15によってナックルアームが揺動することにより、車体1Aに対する車輪17FR,17FLの向きが変化する。
また、車両1には車両1のヨーレートγを検出するヨーレートセンサ22が設けられ、このヨーレートセンサ22で検出したヨーレートγをコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
車両状態パラメータ取得部21は、車輪速センサ24FR,24FL,24RR,24RLから出力される車輪の回転速度を示すパルス信号を基に車速を取得する。また、車両状態パラメータ取得部21は、車速と各車輪の回転速度とを基に、各車輪のスリップ率を取得する。そして、車両状態パラメータ取得部21は、取得した各パラメータをコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
車輪速センサ24FR,24FL,24RR,24RLは、各車輪の回転速度を示すパルス信号を、車両状態パラメータ取得部21およびコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
コントロール/駆動回路ユニット26は、自動車1全体を制御するものであり、各部に設置したセンサから入力する信号を基に、入力側ステアリング軸3の操舵反力、前輪の転舵角、あるいはメカニカルバックアップ27の連結について、各種制御信号を、操舵反力アクチュエータ6、転舵アクチュエータ8、あるいはメカニカルバックアップ27等に出力する。
また、コントロール/駆動回路ユニット26は、各センサによる検出値を使用目的に応じた値に換算する。例えば、コントロール/駆動回路ユニット26は、操舵反力アクチュエータ角度センサ7によって検出された回転角度を操舵入力角度に換算したり、転舵アクチュエータ角度センサ9によって検出された回転角度を車輪の転舵角に換算したり、ピニオン角度センサ13によって検出されたピニオンギア12の回転角度を車輪の転舵角に換算したりする。
なお、コントロール/駆動回路ユニット26は、操舵角度センサ4によって検出された入力側ステアリング軸3の回転角度、操舵反力アクチュエータ角度センサ7によって検出された操舵反力アクチュエータ6の回転角度、転舵アクチュエータ角度センサ9によって検出された転舵アクチュエータ8の回転角度、および、ピニオン角度センサ13によって検出されたピニオンギア12の回転角度を監視し、これらの関係を基に、操舵系統におけるフェールの発生を検出することができる。そして、操舵系統におけるフェールを検出すると、コントロール/駆動回路ユニット26は、メカニカルバックアップ27に対し、入力側ステアリング軸3と出力側ステアリング軸10とを連結させる指示信号を出力する。
メカニカルバックアップ27は、コントロール/駆動回路ユニット26の指示に従って、入力側ステアリング軸3と出力側ステアリング軸10とを連結し、入力側ステアリング軸3から出力側ステアリング軸10への力の伝達を確保する機構である。ここで、メカニカルバックアップ27に対しては、通常時には、コントロール/駆動回路ユニット26から、入力側ステアリング軸3と出力側ステアリング軸10とを連結しない状態を指示している。そして、操舵系統におけるフェールの発生により、操舵角度センサ4、操舵トルクセンサ5および転舵アクチュエータ8等を介することなく操舵操作を行う必要が生じた場合に、入力側ステアリング軸3と出力側ステアリング軸10とを連結させる指示が入力する。
なお、メカニカルバックアップ27は、例えばケーブル式ステアリング機構等によって構成することができる。
図2は、第1実施形態に係るサスペンション装置1Bの構成を模式的に示す平面図である。図3は、図2のサスペンション装置1Bの具体的構成を示す底面図である。
本発明によるサスペンション装置1Bは、ホイールハブに取り付けられた車輪17FR,17FLを懸架しており、車輪17FR,17FLを回転自在に支持する車軸(アクスル)32を有するアクスルキャリア33、車体側の支持部から車体幅方向に配置されてアクスルキャリア33に連結する複数のリンク部材を備えている。
複数のリンク部材は、図2に示すように、車軸32より車両上下方向下側に配置されたロアリンク部材LRと、車軸32より車両上下方向上側に配置されたアッパーリンク部材URとで構成されている。
ロアリンク部材LRは、第1ロアリンク(第1ロアリンク部材)としての横力支持リンクとなるトランスバースリンク(トランスバースリンク部材)37と、第2ロアリンク(第2ロアリンク部材)としてのコンプレッションリンク(コンプレッションリンク部材)38とを備えている。これらトランスバースリンク37及びコンプレッションリンク38とは車体側支持点が連結部39によって連結されて、Aアームの構成を有する。これらトランスバースリンク37およびコンプレッションリンク38は、車体側と各1箇所の支持部で連結し、アクスルキャリア33側と各1箇所の取り付け部で連結している。
アッパーリンク部材URは、第1アッパーリンク(第1アッパーリンク部材)としてのアッパーテンションリンク40と、第2アッパーリンク(第2アッパーリンク部材)としてアッパーコンプレッションリンク41とを有する。これらアッパーテンションリンク40及びアッパーコンプレッションリンク41は、車体側と各1箇所の支持部で連結し、アクスルキャリア33側と共通の取り付け部43で連結した独立した部材からなるIアームで構成されている。
また、サスペンション装置1Bのロアリンク部材LR及びステアリングラック部材14の具体的構成は、図3に示すように、サスペンションメンバー50の左右両側のサイドメンバー51L及び51Rにそれぞれトランスバースリンク37の車体側取付部51tとコンプレッションリンク38の車体側取付部51cとが形成されている。また、サスペンションメンバー50のサイドメンバー51L及び51R間を連結する前後のクロスメンバー52F及び52Rの内トランスバースリンク37の車体側取付部51tよりはやや後方側のクロスメンバー52Fの車両幅方向の中央部より位置に2つのステアリングラック部材14を取付けるラック取付部53R及び53Lが形成されている。
また、ステアリングラック部材14は、図3に示すように、ラックハウジング55にラック軸(図示せず)が車両幅方向に移動可能に内装され、ラックハウジング55に形成されたピニオンボックス56に内装されたピニオン(図示せず)がラック軸に噛合されている。ラックハウジング55には、長手方向の左右両端部側に取付ブラケット57R及び57Lが突出形成され、これら取付ブラケット57R及び57Lの双方にブッシュ58が配設されている。ここで、ブッシュ58は、図3で拡大図示するように、軸挿通部58aの車両車幅方向に車幅方向の幅が車両上下方向の幅より狭いすぐり59が形成されている。このため、ラックハウジング55がすぐりの幅に対応する変形量だけ移動可能に構成され、車両前後方向に対しては大きな剛性を有している。
一方、ロアリンク部材LRを構成するトランスバースリンク37の車体側取付点にも前述したブッシュ58と同一の構成を有し、車幅方向にすぐり60aを有する1つのブッシュ60が配置されている。このため、トランスバースリンク37もラックハウジング55と同様に、すぐり60aの幅に対応する変形量だけ移動可能に構成され、車両前後方向に対しては大きな剛性を有している。
そして、ロアリンク部材LRでは、トランスバースリンク37及びコンプレッションリンク38の交点を仮想ロアピボット点LPとし、アッパーリンク部材ULでは、テンショリンク部材40とコンプレッションリンク部材41の共通の車輪側取付部43がアッパーピボット点UPとなる。これら仮想ロアピボット点LP及びアッパーピボット点UPとを結ぶ線がキングピン軸KSとなる。そして、キングピン軸KSは、ステアリングホイール2が中立位置にある状態(直進走行状態)で、図2に示すように、タイヤ接地面61内を通るように設定されている。また、キングピン軸KSを、キャスタトレイルがタイヤ接地面内を通るように設定している。より具体的には、本実施形態におけるサスペンション装置1Bでは、キャスタ角をゼロに近い値とし、キャスタトレイルがゼロに近づくようにキングピン軸を設定している。これにより、転舵時のタイヤ捻りトルクを低減でき、キングピン軸KS周りのモーメントをより小さくすることができる。
また、キャスタ角を0度とすることは、サスペンション剛性を向上させることができ、また、キャスタトレイル0mmとすることは、キングピン軸KSの路面着地点と横力との関係を示す図4において符号3で示すように、キングピン軸KSの路面着地点がタイヤ接地面におけるタイヤ接地中心点(着力点)Oに一致させることを意味し、これにより大きな横力低減効果を発揮させることができる。
なお、タイヤ接地中心点(着力点)Oを含むタイヤ接地面内のキングピン軸KSの接地点が符号2及び符号4である場合にも、キングピン軸KSの接地点が符号1及び符号5で示すようにタイヤ接地面から前後方向に外れた位置とする場合に比較して横力を小さくすることができる。特に、キングピン軸KSの接地点がタイヤ接地中心点(着力点)より車両前方側とした場合の方がタイヤ接地中心点(着力点)より車両後方とした場合に比較して横力を小さく抑制することができる。
図5は、ポジティブスクラブとした場合のセルフアライニングトルクを説明する概念図である。この図5において、転舵時にタイヤ接地中心点(着力点)Oに車体の旋回外側に向かう遠心力が作用すると、この遠心力に抗するように旋回中心に向かう横力が発生する。なお、βは横すべり角である。
図5に示すように、タイヤに働く復元力(セルフアライニングトルク)は、キャスタトレイル、ニューマチックトレイルの和に比例して大きくなる。
ここで、ポジティブスクラブの場合、キングピン軸の接地点から、タイヤ接地中心を通るタイヤの横すべり角β方向の直線に下ろした垂線の足の位置によって定まるホイールセンタからの距離εc(図11参照)をキャスタトレイルとみなすことができる。
そのため、ポジティブスクラブのスクラブ半径が大きければ大きいほど、転舵時にタイヤに働く復元力は大きくなる。
本実施形態においては、キングピン軸の設定をポジティブスクラブとすると共に、ロアリンク部材を交差させない場合に比べて、初期スクラブ半径を大きく確保できることで、キャスタ角を0に近づけることによる直進性への影響を低減するものである。また、ステアバイワイヤ方式を採用していることから、転舵アクチュエータ8によって最終的に目的とする直進性を確保することができる。
そして、前述した転舵力としてのラック軸力を低減することができるキングピン特性を得るために、例えばキャスタトレイルを20mm、車両走行時のニューマチックトレイルを30mm、最小回転半径を考慮したナックルアーム半径を130mmに設定することができる。
上記のようにキングピン特性を設定すると、ステアリングラック部材14の車輪側取付点Psと、トランスバースリンク37の車輪側取付点Ptとの関係は、図2に示すように設定されている。すなわち、転舵輪17FR及び17FLに対する横力の着力点が、上述したように、タイヤ接地面内の接地中心位置Pecとなる。この接地中心位置Pecは車軸32の中心線Lsに対して車両前後方向後方側にニューマチックトレイルに対応する30mm離れており、キングピン軸KSの路面接地点Pkが車軸32の中心線Lsに対して車両前後方向前方にキャスタートレイルに対応する20mm離れ、さらに、トランスバースリンク37の車輪側取付点Ptは車軸32の中心線から車両前後方向で後方にナックルアーム半径に相当する130mm離れた位置となる。
このとき、車両が転舵を開始して、図2に示すように、タイヤ接地面内の接地中心位置Pecを着力点として横力Fyが作用すると、着力点Pecとステアリングラック部材14の車輪側取付点Psとの車両前後方向の距離L1が100mmとなるとともに、着力点Pecとキングピン軸KSの路面接地点Pkとの車両前後方向の距離L2は50mmとなる。このとき、キャスタ角を小さく設定しているので、トランスバースリンク37の車輪側取付点Ptとキングピン軸KSの路面接地点Pkとの差は小さく、トランスバースリンク37の車輪側取付点Ptと横力Fyの着力点Pecとの車両前後方向の距離はキングピン軸KSの路面接地点Pkとの距離L2と略等しくなる。
このため、着力点Pecとステアリングラック部材14の車輪側取付点Psとの距離L1と、着力点Pecとトランスバースリンク37の車輪側取付点Ptとの距離L2との比は略2:1となる。
そして、ロアリンク部材LRでは、横力Fyに対してはトランスバースリンク37が支配的に支持する横力支持リンクとなり、コンプレッションリンク38では横力Fyの分担支持量は少ない。このため、トランスバースリンク37の車体側取付点のブッシュ60で横力Fyの分力を支持することになり、横力支持リンクとなる。
一方、横力Fyは、アクスルキャリア33に取付けられているステアリングラック部材14にも入力される。このとき、ステアリングラック部材14は、図3に示すように、車両車幅方向に延長するラックハウジング55にその中央位置に対する車両車幅方向両側に取付ブラケット57R及び57Lが取付けられ、これら取付ブラケット57R及び57Lが車両車幅方向に直列に配置されている。そして、これら取付ブラケット57R及び57Lがブッシュ60と同一構成のブッシュ58を介してクロスメンバー51Fのラック取付部53R及び53Lに取付けられている。
したがって、ステアリングラック部材14に入力される横力Fyの分力は、2つのブッシュ58によって分割して支持される。
このとき、ステアリングラック部材14の車輪側取付点Psに入力される横力Fyの分力は、横力Fyの着力点Pecとステアリングラック部材14の車輪側取付点Psとの距離L1がトランスバースリンク37の車輪側取付点Ptと着力点Pecとの距離L2の約2倍であるので、トランスバースリンク37の車輪側取付点Ptに入力される横力Fyの分力の2倍となる。しかしながら、ステアリングラック部材14では、2つのブッシュ58によって横力Fyの分力を受けるので、1つのブッシュ58が受け持つ横力Fyの分力と、トランスバースリンク57のブッシュ60が受け持つ横力Fyの分力とが等しくなる。
このため、ブッシュ58とブッシュ60とが同一の比較的柔らかいブッシュ剛性を有するので、横力Fyによるブッシュ58とブッシュ60との変形量が略等しくなる。このため、転舵輪17FR及び17FLに横力が作用したときの転舵輪17FR及び17FLの車体内側への移動量が等しくなり、ブッシュ58及び61による変形量によるトー角変化を抑制することができる。
なお、ステアリングラック部材14のブッシュ60及びトランスバースリンク37のブッシュ58は、車両前後方向についてはすぐり59及び60aが形成されていないので、車両の加速時や制動時の前後力に対して高いブッシュ剛性を発揮することができる。
次に、転舵アクチュエータ8を制御するコントロール/駆動回路ユニット26における操舵応答性制御について図11〜図15を伴って説明する。
すなわち、コントロール/駆動回路ユニット26には、前述したように、トルクセンサ5で検出する入力側ステアリング軸3の操舵トルクTsと、車両状態パラメータ取得部21で取得した車速Vと、操舵反力アクチュエータ角度センサ7で検出したアクチュエータ6の回転角θmiとが入力されている。
このコントロール/駆動回路ユニット26には、図11に示す転舵制御部70が設けられている。この転舵制御部70は、目標転舵角演算部71、転舵応答性設定部72およびアクチュエータ制御装置73を備えている。
目標転舵角演算部71は、車速Vおよび回転角θmiが入力され、これらに基づいて転舵アクチュエータ8を駆動するための目標転舵角δを算出する。
転舵応答性設定部72は、直進性担保部75と遅延制御部76とを備えている。
直進性担保部75は、直進性補完部75aと外乱補償部75bとを備えている。
直進性補完部75aは、車速Vと、ピニオン角度センサ13で検出したピニオン角度に基づいて算出される転舵輪17FR,17FLの実転舵角δrと、ヨーレートセンサ22で検出したヨーレートγに基づいて下記(1)式の演算を行ってセルフアライニングトルクTsaを算出し、算出したセルフアライニングトルクTsaに所定ゲインKsaを乗算して直進性補正値としてのセルフアライニングトルク制御値Asa(=Ksa・Tsa)を算出する。
Figure 0006094206
ここで、εcはキャスタトレイル、Kfは前輪1輪当たりのコーナリングパワー、βは重心点滑り角、Lfは重心点前輪軸間距離、Krは後輪1輪当たりのコーナリングパワー、Lrは重心点後輪軸間距離、mは車両の質量、Lは前輪後輪軸間距離である。
この(1)式において、キャスタトレイルεを通常のサスペンション装置で設定されるキャスタトレイルεc0から本実施形態で設定するキャスタトレイルεc2を減算した値に設定することにより、本発明に適用するサスペンション装置1Bで不足する補完すべきセルフアライニングトルクTsaを算出することができる。
なお、セルフアライニングトルクTsaは、上記(1)式によって算出する場合に限らず、車両の横加速度Gyを検出する横加速度センサを設け、車両の横加速度Gyと車両のヨーレートγとに基づいて車両の運動方程式に基づいてヨーレートγの微分値と横加速度Gyとに基づいて横力Fyを算出し、この横力Fyにニューマチックトレイルεnを乗算することにより、算出することができる。さらには、ステアリングホイール2の操舵角θsと、セルフアライニングトルクTsaとの関係を、車速Vをパラメータとして実測するか又はシミュレーションによって算出した制御マップを参照して操舵角センサ4で検出した操舵角θsと車速Vとに基づいてセルフアライニングトルクTsaを算出することもできる。また、転舵輪17FR,17FLを駆動輪とする場合には、左右の駆動力差に基づいてトルクステア現象で転舵時に発生する発生トルクThを推定し、操舵トルクセンサ5で検出した操舵トルクTsから発生トルクThを減じてセルフアライニングトルクTsaを算出することもできる。同様に、左右の転舵輪17FR,17FLの制動力差に基づいてセルフアライニングトルクTsaを算出することができる。
外乱補償部75bは、操舵トルクセンサ5からの操舵トルクTs、転舵アクチュエータ角度センサ9からの回転角θmo、およびモータ電流検出部74からのモータ電流imrが入力され、車両に入力される外乱を周波数帯域毎に分離してそれぞれ推定し、これらの外乱を抑制するための外乱補償値Adisを算出する。
この外乱補償部75bでは、例えば特開平2007−237840号公報に記載されているように、運転者による操舵入力である操舵トルクTsと転舵アクチュエータ8による転舵入力を制御入力とし、実際の操舵状態量を制御量とするモデルにおいて、前記制御入力をローパスフィルタに通した値と、前記制御量を前記モデルの逆特性と前記ローパスフィルタとに通した値との差に基づいて外乱を推定する複数の外乱推定部を有する。各外乱推定部は、ローパスフィルタのカットオフ周波数を異ならせることにより、外乱を複数の周波数帯域毎に分離する。
そして、外乱補償部75bおよび直進性補完部75aで算出された外乱補償値Adisおよびセルフアライニングトルク制御値Asaが加算器75cで加算され直進性担保制御値δaを算出する。この直進性担保制御値δaは、遅延制御部76に供給される。
遅延制御部76は、図22に示すように、操舵開始検出部76a、単安定回路76b、ゲイン調整部76cおよび乗算器76dを有する。
操舵開始検出部76aは、操舵角センサ4で検出した操舵角θsに基づいて中立位置を維持する状態から右操舵又は左操舵したタイミングを検出して中立状態からの操舵開始を表す操舵開始信号SSを単安定回路76bに出力する。
また、単安定回路76bは操舵開始検出部76aから出力される操舵開始信号に基づいて所定の遅延時間例えば0.1秒の間オン状態となる制御開始遅延信号をゲイン調整部76cに出力する。
ゲイン調整部76cは、制御開始遅延信号がオン状態であるときに、制御ゲインGaを“0”に設定し、制御開始遅延信号がオフ状態であるときに制御ゲインGaを“1”に設定し、設定した制御ゲインGaを乗算器76dに出力する。
乗算器76dでは、直進性担保部75から出力される直進性担保制御値δaが入力され、この直進性担保制御値δaに制御ゲインGaを乗算し、乗算結果を目標転舵角演算部71からの目標転舵角δが入力された加算器76eに供給する。
したがって、遅延制御部76では、操舵開始検出部76aで中立状態を維持している状態から右操舵又は左操舵を行った操舵開始状態を検出したときに、直進性担保部75で算出された直進性担保制御値δaを目標転舵角δに加算する直進性担保制御を単安定回路76bで設定される所定時間例えば0.1秒間停止させるようにゲイン調整部76cで、直進性担保制御値δaに乗算する制御ゲインGaを“0”に設定する。そして、ゲイン調整部76cでは、0.1秒経過後に単安定回路76bの出力信号がオフ状態に反転すると、ゲイン調整部76cで、直進性担保制御値δaを目標転舵角δに加算する直進性担保制御を開始するように制御ゲインGaを“1”に設定する。
また、遅延制御部76は、ステアリングホイール2の操舵が継続されているときには、操舵開始検出部76aで中立状態からの操舵開始を検出しないので、単安定回路76bの出力がオフ状態を維持することにより、ゲイン調整部76cで制御ゲインGaが“1”に設定される。このため、直進性担保部75で演算された直進性担保制御値δaをそのまま加算器76eに供給する。このため、目標転舵角δに直進性担保制御値δaが加算されて直進性担保制御が行われる。
アクチュエータ制御装置73は、転舵角偏差Δδを算出する転舵角偏差演算部81と、転舵モータ制御部82と、電流偏差演算部83とモータ電流制御部85とを備えている。
転舵角偏差演算部81は、加算器76eから出力される目標舵角補正値δaから転舵アクチュエータ角度センサ9から出力される転舵アクチュエータ角度に基づく実転舵角δrを減算して舵角偏差Δδを算出し、算出した舵角偏差Δδを転舵モータ制御部62に出力する。
転舵モータ制御部82は、入力される転舵角偏差Δδが零となるようにアクチュエータ8を構成する転舵モータ8aの駆動指令電流imを算出し、算出した駆動指令電流imを電流偏差演算部63に出力する。
電流偏差演算部83は、入力される駆動指令電流imから転舵アクチュエータ8を構成する転舵モータ8aに供給するモータ電流を検出するモータ電流検出部64から出力されるモータ電流imrを減算して電流偏差Δiを算出し、算出した電流偏差Δiをモータ電流制御部85に出力する。
モータ電流制御部85は、入力される電流偏差Δiが零となるように、すなわち、実際のモータ電流imrが駆動指令電流imに追従するようにフィードバック制御し、転舵モータ駆動電流imrを転舵モータ8aに出力する。
(第1の実施形態の動作)
次に、上記第1の実施形態の動作を図13および図14を伴って説明する。
今、ステアリングホイール2を中立位置に保持して直進走行しているものとする。
この直進走行状態では、目標転舵角演算部71で演算される目標転舵角δが零となる。このため、アクチュエータ制御装置54で制御される転舵モータ8aによって、ステアリングラック部材14が中立位置に制御され、タイロッド15を介して転舵輪17FRおよび17FLの転舵角δrが零に制御される。このとき、ステアリングホイール2が中立位置を保持しているので、ヨーレートセンサ22で検出される車両のヨーレートγは零であり、直進性補完部75aで前記(1)式に従って算出されるセルフアライニングトルクTsaは、転舵角δrが零であることにより重心点横滑り角βが零となり、ヨーレートγも零であるので、零となる。
外乱補償部75bでは、外乱を抑制する外乱補償値Adisが算出されるので、この外乱を生じていないときには外乱補償値Adisも零となる。
したがって、アクチュエータ制御装置73の転舵角偏差演算部81から出力される転舵角偏差Δδも零となり、転舵モータ制御部82から出力されるモータ電流指令値imも零となる。このためモータ電流制御部85からモータ電流imtは出力されず、転舵モータ8aは停止状態を維持し、ステアリングラック部材14が中立位置を維持して転舵輪17FRおよび17FLの転舵角δtが“0”に制御される。
この直進走行状態で、転舵輪17FRおよび17FLの少なくとも一方が轍にはまったり、マンホールの蓋を通過したりして転舵輪17FRおよび17FLの一方が転舵されたり、ヨー角が発生したりすると、直進性補完部75aで算出されるセルフアライニングトルクTsaが増加する。このとき、前述したサスペンション装置1Bのようにステアリングホイール2が中立位置にある状態でキングピン軸KSがタイヤ接地面を通るように設定して転舵応答性を向上させた場合には、サスペンション装置1B自体で発生するセルフアライニングトルクTsaが不足することになる。
しかしながら、本実施形態では、前述した(1)式に基づいてセルフアライニングトルクを算出するので、この(1)式におけるキャスタートレイルεcを通常のサスペンション装置と同様の値に設定しておくことにより、算出されるセルフアライニングトルクTsaはキャスタートレイルεcに対応した値を算出することができる。そして、算出したセルフアライニングトルクTsaにゲインKsaを乗算して、直進性補正値Asaを算出し、この直進性補正値Asaを遅延制御部76に供給する。このとき、遅延制御部76では直進走行状態であるので操舵開始検出部76aで操舵開始を検出することはなくゲイン調整部76cでゲインGaが“1”に設定されているので、直進性補正値Asaがそのまま加算器76eに供給される。このため、目標転舵角δが直進性補正値Asaで補正されることにより、アクチュエータ制御装置73で転舵アクチュエータ8を構成する転舵モータ8aが駆動制御されて、セルフアライニングトルクTsaに相当する転舵トルクを発生させ、これがステアリングラック部材14およびタイロッド15を介して転舵輪17FRおよび17FLに伝達される。
このため、転舵輪17FRおよび17FLでセルフアライニングトルクTsaを発生させて、サスペンション装置1へのセルフアライニングトルク不足を補完して車両の直進性を担保することができる。
ところが、ステアリングホイール2を中立位置に保持した直進走行状態を維持している状態からステアリングホイール2を右(又は左)に操舵する状態となると、この直進走行状態からの操舵による旋回状態への移行が操舵開始検出部76aで検出される。
このため、単安定回路76bから所定時間例えば0.1秒間オン状態となる制御遅延信号がゲイン調整部76cに出力される。したがって、ゲイン調整部76cで、制御遅延信号がオン状態を継続している間制御ゲインGaが“0”に設定される。このため、乗算器76dから出力される乗算出力は“0”となり、直進性担保制御値δaの加算器76eへの出力が停止される。
したがって、ステアリングホイール2の中立位置から操舵を開始した時点から0.1秒の初期応答期間T1の間は制御ゲインGaが“0”に設定されるので、乗算器76dから出力される乗算出力が“0”となり、目標転舵角δに対する直進性担保制御が図9(b)で実線図示のように停止される。
このため、操舵角センサ4で検出した操舵角θsが目標転舵角演算部71に供給され、この目標転舵角演算部71で演算された目標転舵角δがそのまま転舵角偏差演算部81に供給される。このため、目標転舵角δに一致するように転舵モータ8aが回転駆動される。この間、直進性担保部75における直進性担保制御が停止される。
したがって、初期応答期間T1では、キングピン軸KSの路面接地点がタイヤの接地面内の接地中心位置より車両前後方向の前方側に設定され、且つキャスタ角が零に近い値に設定されたサスペンション装置1Bによる転舵が開始される。
このとき、サスペンション装置1Bのキャスタ角が零に設定されている。このキャスタ角と転舵応答性と操縦安定性との関係は、図8(a)に示すように、キャスタ角が零であるときには転舵応答性が高い状態をとなるが、操縦安定性を確保することはできない、すなわち、キャスタ角に対する転舵応答性と操縦安定性とはトレードオフの関係が存在する。
このため、中立位置から操舵を開始した初期状態では、ステアバイワイヤ制御による直進性担保制御は実行されないことにより、この初期転舵をサスペンション装置1Bが賄うことになる。
この初期応答期間T1では、サスペンション装置1Bは、上述したように、キャスタ角が零に近い値であり、転舵応答性が高いので、図9(a)で実線図示の特性線L1で示すように、一点鎖線図示の特性線L2で示す一般的なステアバイワイヤ形式の操舵系を有する車両における転舵応答特性(ヨーレート)より高い転舵応答特性(ヨーレート)とすることができる。このとき、運転者のステアリングホイール2の操舵による操舵角変化に対応した転舵角変化となるので、運転者に違和感を与えることはない。
ところが、サスペンション装置1Bによる転舵応答性のみで初期応答期間T1を越えて転舵を継続すると、図9(a)で破線図示の特性線L3のように中期応答期間T2および後期応答期間T3で操舵による車両の転舵応答性が敏感になる。また、中期応答期間T2から後期応答期間T3に掛けての車両の内側への巻き込み現象が大きくなってしまう。
このため、上記第1の実施形態では、図9(b)に示すように、初期応答期間T1が経過する例えば0.1秒後に、直進性補完部75aおよび外乱補償部75bで構成される直進性担保部75による目標転舵角δに対する直進性担保制御がステップ状に開始される。このため、サスペンション装置1Bによる車両の転舵応答性を抑制して車両のふらつきを抑制するとともに、図8(b)で点線図示のように、ステアバイワイヤ制御によってサスペンション装置1Bの直進性を補完して、操縦安定性を確保することができる。
その後、中期応答期間T2が終了する例えば0.3秒経過後には、直進性担保部75による直進性担保制御により一般的な車両の転舵応答特性に比較しても転舵応答特性をより抑制してアンダーステア傾向とすることができる。これにより、図9(a)で実線図示の特性線L1で示すように、操縦安定性を向上させることができ、特性線L1で示す理想的な車両の転舵応答特性を実現することができる。
このように、転舵輪17FR及び17FLを転舵した場合に、転舵輪17FR及び17FLに横力Fyが作用することになるが、前述したしたように、横力Fyの分力をステアリングラック部材14の車輪側取付点Psに入力される分力が、トランスバースリンク37の車輪側取付点Ptに入力される分力の倍となるように設定しており、且つトランスバースリンク37では、車体側取付点で、1つのブッシュ60によって比較的柔らかいブッシュ剛性で受け、ステアリングラック部材14では、車体側取付点で2つのブッシュで.横力Fyの分力を受けることになる。
このため、トランスバースリンク37のブッシュ60の変形量とステアリングラック部材14の2つのブッシュ58の変形量とを等しくして、ブッシュ剛性の相違によるステアリングラック部材14及びトランスバースリンク37の車両幅方向への移動量を等しくして転舵輪17FR及び17FLのブッシュ剛性による変形量を略等しくすることができる。
このため、横力Fyがタイヤ接地面内の着力点Pecに作用したときに、ブッシュ58及び61の変形によって転舵輪17FR及び17FLのトー角変化が生じることを抑制することができる。
このため、転舵制御部70でアクチュエータ制御装置73を制御する際に、転舵輪17FR及び17FLのブッシュ剛性によるトー角変化を考慮する必要がないので、転舵制御を容易に行うことができる。
(第1実施形態の効果)
(1)転舵輪を回転自在に支持する車軸を有するアクスルキャリアと、前記車軸より下側で、前記車体側部材と前記アクスルキャリアとを個別に連結する第1ロアリンク部材及び第2ロアリンク部材と、前記転舵輪を転舵し前記車体側部材に取付けられたステアリングラック部材と、前記ステアリングラック部材を駆動するアクチュエータを駆動制御する転舵制御装置とを備え、前記第1ロアリンク部材及び第2ロアリンク部材の一方が他方に比較して横力の分担量が多い横力支持リンク部材として設定され、第1ロアリンク部材と第2ロアリンク部材との交点をロアピボット点とするキングピン軸がタイヤ接地面内を通るように設定し、前記横力支持リンク部材と前記ステアリングラック部材との車体側取付位置におけるブッシュ剛性を前記転舵輪の変形によるトー角変化を抑制するように設定している。
このため、第1ロアリンク部材と第2ロアリンク部材との交点をロアピボット点とするキングピン軸がタイヤ接地面内を通るように設定することにより、転舵力を低減させて車両の転舵応答性を向上させた場合に、タイヤ接地面内の着力点Pecに横力が作用したときに、横力支持リンク部材とステアリングラック部材とのブッシュ変形量の相違に基づく転舵輪のトー角変化を確実に抑制することができる。したがって、転舵輪を転舵制御装置で転舵制御する場合に、転舵時にブッシュ剛性によるトー角変化を考慮する必要がないので、転舵制御を容易に行うことができるとともに、転舵角を正確に制御することができる。
(2)前記横力支持リンク部材の車輪側取付点と、前記ステアリングラック部材の車輪側取付とが横力の着力点に対して一方が車両前後方向前方に、他方が車両前後方向後方にそれぞれ配置されている。
このように、横力の着力点に対して横力支持リンク部材及びステアリングラック部材の車輪側取付点が横力の着力点を挟んで車両前後方向に配置されているので、横力による転舵輪のキングピン軸回りの転舵を抑制して正確な転舵角制御を行うことができる。
(3)横力支持リンク部材がトランスバースリンク部材で構成されている。
この構成によると、トランスバースリンク部材は、車両車幅方向に延長して配置するので、横力に対して斜めに延長するコンプレッションリンク部材やテンションリンク部材に対して大きな抗力を発生することができる。
(4)前記横力支持リンク部材の車輪取付点と前記ステアリングラック部材の車輪取付点との横力の着力点に対する車両前後方向距離に応じて当該横力支持リンク部材の車体側取付点のブッシュ剛性及び当該ステアリングラック部材の車体側取付点のブッシュ剛性が設定されている。
このように構成することにより、横力支持リンク部材及びステアリングラック部材の車体取付点での横力に対する剛性バランスを正確にとることができ、両車体取付点でのブッシュの変形による転舵輪のトー角変化を正確に抑制することができる。
(6)前記横力支持リンク部材の転舵輪取付点と横力の着力点との車両前後方向距離に対して前記ステアリングラック部材の転舵輪取付点と横力の着力点との車両前後方向距離を倍に設定したときに、前記横力支持リンク部材の車体側取付点のブッシュ剛性に対して前記ステアリングラック部材の車体側取付点のブッシュ剛性を2倍に設定している。
この構成によると、横力支持リンク部材の車輪側取付点及びステアリングラック部材の車輪側取付点で受ける横力によるモーメント荷重をブッシュ剛性で等しくバランスさせることができ、転舵輪のブッシュ剛性の差によるトー角変化を確実に抑制することができる。
(7)前記ステアリングラック部材の車体側取付点を2個所として、前記ステアリングラック部材の車体側取付点と前記横力支持リンク部材の車体側取付点とのブッシュ構造を同一構造としている。
この構成によると、ブッシュ構造を統一することができ、この分部品点数を減少させることができる。
(第1実施形態の変形例)
なお、上記第1実施形態においては、ロアリンク部材LRをトランスバースリンク37とコンプレッションリンク38とで構成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、横力支持リンクとしてのトランスバースリンク37とテンションリンクとでロアリンク部材を構成することができる。
また、上記第1実施形態では、ロアリンク部材LRの横力支持リンク部材への横力の分力とステアリングラック部材への横力の分力とを1対2に設定した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、横力を分担する分力比は任意に設定することができ、これに応じてブッシュ剛性をバランスさせて、転舵時の横力によるブッシュの変形に伴う転舵輪のトー角変化を抑制するようにすればよい。
(第1実施形態の応用例)
上記第1の実施形態では、ステアリングラック部材14の車輪側取付点が車軸32の中心線より車両前後方向後方に位置する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図9及び図10に示すように、ステアリングラック部材14が車軸32の中心線に対して車両前後方向前方側に位置する場合でも上記第1実施と同様の作用効果を得ることができる。
すなわち、図9及び図10の構成では、前述した第1実施形態の構成において、図9に示すように、サスペンション装置1Bのステアリングラック部材14の車輪側取付点Psをキングピン軸KSの路面接地点Pecに対して車両前後方向前方側に配置している。また、トランスバースリンク37を一本のIリンクで構成し、コンプレッションリンク38を省略し、このコンプレッションリンク38に代えてトランスバースリンク37とは分離されたIリンクで構成されるテンションリンク90が配置されていることを除いては前述した第1の実施形態と同様の構成を有し、図1との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
ここで、トランスバースリンク37の車輪側取付点Ptrと、テンションリンク90の車輪側取付点Ptnとがアクスルキャリア33の略同一位置に配置され、ステアリングラック部材14に接続されたタイロッド15がテンションリンク90の下側を通ってアクスルキャリア33から車両前後方向前方に突出された突出部33aの先端に取付けられている。また、アッパーリンク部材URの車輪側取付点となるアッパーピボット点UPが横力Fyの着力点より車両前後方向公報に配置されている。
そして、横力Fyの着力点Pecと、ステアリングラック部材14のタイロッド15の車輪側取付点Psと、トランスバースリンク37の車輪側取付点Ptrとが図9に示すように設定されている。すなわち、アッパーリンク部材URのアッパーピボット点UPと、ロアリンク部材LRのロアピボット点LPとを結ぶキングピン軸KSがタイヤ接地面内を通るように設定して転舵力すなわちラック軸力を低減することができるキングピン特性とするために、キャスタトレイルεcを20mmとし、車両走行時のニューマチックトレイルεnを30mmとし、さらに最小回転半径を考慮したナックルアーム半径を150mmに設定されている。この場合、横力Fyの着力点Pecと車軸32の中心線までの車両前後方向の距離L2が30mm、車軸32の中心線からキングピン軸KSの路面接地点Pkとの車両前後方向距離L3が20mm、キングピン軸KSの路面接地点Pkとステアリングラック部材14の車輪側取付点Psとの車両前後方向距離L1が100mmに設定されている。
そして、上記変形例のサスペンション装置1Bの具体的構成は、図10に示すように構成されている。すなわぢ、アクスルキャリア33の車軸32より下方側にアクスルキャリア33に対して回動可能に取付けられたリンク取付部91に、トランスバースリンク37の車体側取付点が接続されているとともに、リンク取付部91にテンションリンク90の車体側取付部が取付けられている。さらに、トランスバースリンク37の車体側取付点及びテンションリンク90の車体側取付点がサスペンションメンバー92のサイドフレーム93の車両戦後方向前後位置にそれぞれブッシュ94及び95を介して揺動可能に支持されている。
また、アクスルキャリア33の車軸32より車両前後方向の前方側に突出するに突出片33aにステアリングラック部材14のタイロッド15が回動可能に支持され、ステアリングラック部材14のラックハウジング96がサスペンションメンバー92におけるクロスメンバー97の車両の車幅方向の2個所に形成されたラック取付部98にブッシュ99を介して支持されている。
そして、ブッシュ94とブッシュ99とは同一の構成を有し、車両車幅方向にすぐりが形成されている。
(応用例の動作)
この変形例でも、前述した第1実施形態と同様に、転舵が行われたときに、転舵初期時に転舵制御装置70の転舵制御が例えば0.1秒の遅延時間分遅延されることにより、転舵制御装置70の転舵制御が一時停止され、サスペンション装置1Bによる高転舵応答性によって転舵が開始される。その後、0.1秒が経過した後に転舵制御装置70による転舵制御が開始されて最適な転舵特性で転舵制御を行うことができる。
この転舵時に、サスペンション装置1Bに横力Fyが作用すると、図9に示すように、横力Fyの着力点がタイヤ接地面内の接地面中心点Pecとなり、この着力点は車軸32の中心線から車両前後方向後方にニューマチックトレイルεn=30mmに相当する距離L2分離れている。また、車軸32の中心線から車両前後方向前方側にキャスタトレイルεc=20mmに対応する距離L3だけ離れた位置にキングピン軸KSの路面接地点Pkがあり、この路面接地点Pkから車両前後方向前方側に距離L1(=100mm)だけ離れた位置にステアリングラック部材14の車輪側取付点Psが配置されている。
このとき、横力Fyに対する支点が、図9に示すように、アッパーリンク部材URの車輪側取付点UPとなり、タイヤ接地面中心点Pecに対して車両前後方向後方にあるので、前述した第1の実施形態と同様に、トランスバースリンク37の車輪側取付点Ptrに作用する横力Fyの分力がステアリングラック部材14の車輪側取付点Psに作用する横力Fyの分力に対して半分となる。このため、トランスバースリンク37の車体側取付点のブッシュ94とステアリングラック部材14の2つの車体側取付点のブッシュ99との剛性バランスをとることができ、前述した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(応用例の効果)
(1)前記横力支持リンク部材と、前記ステアリングラック部材とが横力の着力点に対して車両前方側にそれぞれ配置されている。
この構成でも、着力点に作用する横力に対する横力支持リンク部材のブッシュ剛性とステアリングラック部材とのブッシュ剛性とをバランスさせることにより、転舵時のブッシュ剛性の差による転舵輪のトー角変化を抑制して正確な転舵制御を行うことができる。この場合も、ブッシュ剛性の違いによる転舵輪のトー角変化を考慮することなく転舵制御を行うことができるので、転舵制御を容易に行うことができるとともに、転舵角を正確に制御することができる。さらに、ステアリングラック部材を車軸の中心線よりも車両前後方向前方側に配置することができるので、レイアウトの自由度を向上させることができる。
1…自動車、1A…車体、1B…サスペンション装置、2…ステアリングホイール、3…入力側ステアリング軸、4…ハンドル角度センサ、5…操舵トルクセンサ、6…操舵反力アクチュエータ、7…操舵反力アクチュエータ角度センサ、8…転舵アクチュエータ、9…転舵アクチュエータ角度センサ、10…出力側ステアリング軸、11…転舵トルクセンサ、12…ピニオンギア、13…ピニオン角度センサ、14…ステアリングラック部材、15…タイロッド、16…タイロッド軸力センサ、17FR,17FL,17RR,17RL…車輪、21…車両状態パラメータ取得部、24FR,24FL,24RR,24RL…車輪速センサ、26…駆動回路ユニット、27…メカニカルバックアップ、32…車軸、33…アクスルキャリア、LR…ロアリンク部材、37…トランスバースリンク(第1のリンク部材)、38…コンプレッションリンク(第2のリンク部材)、UR…アッパリンク部材、58,60…ブッシュ、70…転舵制御部、71…目標転舵角演算部、72…転舵応答性設定部、73…アクチュエータ制御装置、75…直進性担保部、76…遅延制御部、90…テンションリンク、94,99…ブッシュ

Claims (6)

  1. 転舵輪を回転自在に支持する車軸を有するアクスルキャリアと、
    前記車軸より下側で、車体側部材と前記アクスルキャリアとを個別に連結する第1ロアリンク部材及び第2ロアリンク部材と、
    前記転舵輪を転舵し前記車体側部材に取付けられたステアリングラック部材と、
    前記ステアリングラック部材を駆動するアクチュエータを駆動制御する転舵制御装置とを備え、
    前記第1ロアリンク部材及び第2ロアリンク部材の一方が他方に比較して横力の分担量が多い横力支持リンク部材として設定され、
    第1ロアリンク部材と第2ロアリンク部材との交点をロアピボット点とするキングピン軸がタイヤ接地面内を通るように設定し、
    前記横力支持リンク部材の車輪取付点と前記ステアリングラック部材の車輪取付点との横力の着力点に対する車両前後方向距離に応じて、前記転舵輪の変形によるトー角変化を抑制するように、前記横力支持リンク部材の車体側取付点のブッシュ剛性及び前記ステアリングラック部材の車体側取付点のブッシュ剛性が設定されていることを特徴とする車両用サスペンション装置。
  2. 横力の着力点に対して、前記横力支持リンク部材の車輪側取付点が車両前後方向前方に配置され、前記ステアリングラック部材の車輪側取付点が車両前後方向後方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用サスペンション装置。
  3. 前記横力支持リンク部材と、前記ステアリングラック部材とが横力の着力点に対して車両前方側にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用サスペンション装置。
  4. 前記横力支持リンク部材は、トランスバースリンク部材で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用サスペンション装置。
  5. 前記横力支持リンク部材の転舵輪取付点と横力の着力点との車両前後方向距離に対して前記ステアリングラック部材の転舵輪取付点と横力の着力点との車両前後方向距離を倍に設定したときに、前記横力支持リンク部材の車体側取付点のブッシュ剛性に対して前記ステアリングラック部材の車体側取付点のブッシュ剛性を2倍に設定したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用サスペンション装置。
  6. 前記ステアリングラック部材の車体側取付点を2個所として、前記ステアリングラック部材の車体側取付点と前記横力支持リンク部材の車体側取付点とのブッシュ構造を同一構造としたことを特徴とする請求項に記載の車両用サスペンション装置。
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