JP6051846B2 - 車両用リヤサスペンション装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術にあっては、アッパーリンクをAアームで構成し、リアリンクを前側リンク部材および後側リンク部材で構成し、さらにトーコントロールリンクを設け、横力入力に対して各入力分担の関係が、後側ロアリンク>前側ロアリンク>トーコントロールリンクとなるように取付位置を調整して、タイヤ横力に対する仮想キングピン軸回りのモーメントを小さくするようにしている。
本発明の課題は、横力コンプライアンスステアを考慮することなく転舵初期時の横力に対する剛性を向上させることができるようにすることである。
(第1実施形態)
(構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る自動車1の構成を示す概略図である。
図1において、自動車1は、ステアバイワイヤシステムSBWを備えている。このステアバイワイヤシステムSBWは、車体1Aと、ステアリングホイール2と、入力側ステアリング軸3と、操舵角度センサ4と、操舵トルクセンサ5と、操舵反力アクチュエータ6と、操舵反力アクチュエータ角度センサ7と、転舵アクチュエータ8と、転舵アクチュエータ角度センサ9と、出力側ステアリング軸10と、転舵トルクセンサ11と、ピニオンギア12と、ピニオン角度センサ13と、ステアリングラック部材14と、タイロッド15と、タイロッド軸力センサ16と、車輪17FR,17FL,17RR,17RLと、車両状態パラメータ取得部21と、車輪速センサ24FR,24FL,24RR,24RLと、コントロール/駆動回路ユニット26と、メカニカルバックアップ27とを備えている。
入力側ステアリング軸3は、操舵反力アクチュエータ6を備えており、ステアリングホイール2から入力された操舵入力に対し、操舵反力アクチュエータ6による操舵反力を加える。
操舵トルクセンサ5は、入力側ステアリング軸3に設置してあり、入力側ステアリング軸3の回転トルク(即ち、ステアリングホイール2への操舵入力トルク)を検出する。そして、操舵トルクセンサ5は、検出した入力側ステアリング軸3の回転トルクをコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
操舵反力アクチュエータ角度センサ7は、操舵反力アクチュエータ6の回転角度(即ち、操舵反力アクチュエータ6に伝達した操舵入力による回転角度)を検出し、検出した回転角度をコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
転舵アクチュエータ角度センサ9は、転舵アクチュエータ8の回転角度(即ち、転舵アクチュエータ8が出力した転舵のための回転角度)を検出し、検出した回転角度をコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
転舵トルクセンサ11は、出力側ステアリング軸10に設置してあり、出力側ステアリング軸10の回転トルク(即ち、ステアリングラック部材14を介した車輪17FR,17FLの転舵トルク)を検出する。そして、転舵トルクセンサ11は、検出した出力側ステアリング軸10の回転トルクをコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
ピニオン角度センサ13は、ピニオンギア12の回転角度(即ち、ステアリングラック部材14を介して出力される車輪17FR,17FLの転舵角度)を検出し、検出したピニオンギア12の回転角度をコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
タイロッド15は、ステアリングラック部材14の両端部と車輪17FR,17FLのナックルアームとを、ボールジョイントを介してそれぞれ連結している。
車輪17FR,17FL,17RR,17RLは、タイヤホイールにタイヤを取り付けて構成したものである。
後輪(車輪17RR,16RL)はリヤサスペンション装置1Cを介して車体1Aに設置してある。
車輪速センサ24FR,24FL,24RR,24RLは、各車輪の回転速度を示すパルス信号を、車両状態パラメータ取得部21およびコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
なお、メカニカルバックアップ27は、例えばケーブル式ステアリング機構や電磁クラッチ等によって構成することができる。
図2は第1実施形態に係るフロントサスペンション装置1Bの構成を模式的に示す斜視図である。図3は、図2のフロントサスペンション装置1Bの構成を模式的に示す平面図である。図4は、図2のフロントサスペンション装置1Bの構成を模式的に示す側面図である。
本発明に適用し得るフロントサスペンション装置1Bとしては、例えば国際公開第2012/073469号パンフレットに記載されたフロントサスペンション装置を適用することができる。
そして、左右のショックアブソーバ40の外筒間にスタビライザ41が連結されている。このスタビライザ41は、車両後方側の直線部41aが車体側部材に固定されたブラケット42によって回動可能に支持されている。
(キングピン傾角の影響)
図5は、キングピン傾角とスクラブ半径とを軸とする座標において、ラック軸力の分布の一例を示す等値線図である。
図5においては、ラック軸力が小、中および大の3つの場合における等値線を例として示している。
タイヤ捻りトルク入力に対し、キングピン傾角が大きくなるほど、その回転モーメントが大きくなり、ラック軸力は大きくなる。したがって、キングピン傾角としては、一定の値より小さく設定することが望まれるが、スクラブ半径との関係から、例えばキングピン傾角15度以下とすると、ラック軸力を望ましいレベルまで小さくすることができる。
具体的にスクラブ半径とキングピン傾角とを決定する場合には、例えば、図5に示すラック軸力の分布を示す等値線をn次曲線(nは2以上の整数)として近似し、上記一点鎖線で囲んだ領域の中から、n次曲線の変曲点(またはピーク値)の位置によって定めた値を採用することができる。
図2〜4に示すフロントサスペンション構造において、キャスター角0度、キャスタートレイル0mm、スクラブ半径+10mmに設定したものとすると、ラック軸力は、フロントサスペンション装置1Bと同方式の懸架構造で、キングピン軸に関する設定をステアバイワイヤ方式の操舵装置を備えていない構造に合わせて設定したときの比較例に対し約30%低減することができる。
図7は、ポジティブスクラブとした場合のセルフアライニングトルクを説明する概念図である。
図7に示すように、タイヤに働く復元力(セルフアライニングトルク)は、キャスタートレイル、ニューマチックトレイルの和に比例して大きくなる。
ここで、ポジティブスクラブの場合、キングピン軸の接地点から、タイヤ接地中心を通るタイヤの横すべり角β方向の直線に下ろした垂線の足の位置によって定まるホイールセンタからの距離εc(図10参照)をキャスタートレイルとみなすことができる。
本実施形態においては、キャスター角を0に近づけることによる直進性への影響を、ポジティブスクラブとすることで低減することができる。また、ステアバイワイヤ方式を採用していることから、転舵アクチュエータ8によって最終的に目的とする直進性やステア特性を確保することができる。
そのため、ラック軸力をより小さいものとすることができることから、キングピン軸KS周りのモーメントをより小さくでき、転舵アクチュエータ8の出力を低減することができる。また、より小さい力で車輪の向きを制御できる。即ち、操縦性・安定性の向上を図ることができる。
また、キングピン傾角を一定の範囲(15度以下)に制限したことに対しては、転舵アクチュエータ8での転舵を行うことにより、運転者が操舵操作に重さを感じることを回避できる。また、路面からの外力によるキックバックについても、転舵アクチュエータ8によって外力に対抗できるため、運転者への影響を回避できる。即ち、操縦性・安定性の向上を図ることができる。
次に、転舵アクチュエータ8を制御するコントロール/駆動回路ユニット26における転舵制御部50の転舵制御について図11〜図15を伴って説明する。
即ち、コントロール/駆動回路ユニット26には、前述したように、トルクセンサ5で検出する入力側ステアリング軸3の操舵トルクTsと、車両状態パラメータ取得部21で取得した車速Vと、操舵反力アクチュエータ角度センサ7で検出したアクチュエータ6の回転角θmiとが入力されている。
転舵制御部50は、前述した国際公開第2012/073469号パンフレットに記載された転舵制御部を基礎とし、これに遅延時間算出部を加えた構成としている。
転舵角偏差演算部61は、転舵制御部50から出力される目標舵角補正値δ*aから転舵アクチュエータ角度センサ9から出力される転舵アクチュエータ角度に基づく実転舵角δrを減算して舵角偏差Δδを算出し、算出した舵角偏差Δδを転舵モータ制御部62に出力する。
電流偏差演算部63は、入力される駆動指令電流im*から転舵アクチュエータ8を構成する転舵モータ8aに供給するモータ電流を検出するモータ電流検出部64から出力されるモータ電流imrを減算して電流偏差Δiを算出し、算出した電流偏差Δiをモータ電流制御部65に出力する。
そして、転舵制御部50は、例えばマイクロコンピュータ等の演算処理装置を備えており、図9に示す転舵制御処理を所定時間(例えば1μsec)毎のタイマ割込処理として実行する。
次いで、ステップS2に移行して、操舵角θsに基づいてステアリングホイール2が中立位置を保持している状態から右または左に操舵された操舵開始状態であるか否かを判定し、操舵開始状態ではないときにはステップS3に移行する。
このステップS5では、車速Vおよび操舵角センサ4で検出した操舵角θsが入力され、これらに基づいて目標転舵角δ*を算出する。
Δfl=af・TL …………(1)
Δfr=af・TR …………(2)
この(3)式において、キャスタートレイルεを通常のサスペンション装置で設定されるキャスタートレイルεc0から本実施形態で設定するキャスタートレイルεc2を減算した値に設定することにより、本発明に適用するフロントサスペンション装置1Bで不足する補完すべきセルフアライニングトルクTsaを算出することができる。
また、前述した駆動力制御装置23から出力される駆動力TLおよびTRの左右の駆動力差に基づいてトルクステア現象で転舵時に発生する発生トルクThを推定し、操舵トルクセンサ5で検出した操舵トルクTsから発生トルクThを減じてセルフアライニングトルクTsaを算出することもできる。同様に、左右の駆動輪17RR,17RLの制動力差に基づいてセルフアライニングトルクTsaを算出することができる。
δ*a=δ*+Ga(Ac+Asa+Adis) …………(2)
また、ステップS2の判定結果が操舵開始状態であるときには、ステップS11に移行し、ステップS1で読込んだ操舵角θsを微分して操舵角速度θsvを算出してからステップS12に移行する。
この図11の処理において、ステップS5の処理が目標転舵角演算部51に対応し、ステップS6〜S10およびステップS15〜S18の処理が転舵応答性制御部52に対応に対応し、このうちステップS15〜S18の処理が遅延制御部52aに対応し、ステップS11〜S14の処理が遅延時間算出部53に対応している。
次に、上記転舵制御部50の動作を図13および図14を伴って説明する。
今、ステアリングホイール2を中立位置に保持して直進走行しているものとする。
この直進走行状態では、転舵制御処理におけるステップS5で演算される目標転舵角δ*が零となる。このため、アクチュエータ制御装置54で制御される転舵モータ8aによって、ラック軸14が中立位置に制御され、タイロッド15を介して転舵輪17FRおよび17FLの転舵角δrが零に制御される。
また、ステアリングホイール2が中立位置を保持して直進走行しているので、ヨーレートセンサ22で検出される車両のヨーレートγは零であり、転舵制御処理におけるステップS7で前記(3)式に従って算出されるセルフアライニングトルクTsaは、転舵角δrが零であることにより重心点横滑り角βが零となり、ヨーレートγも零であるので、零となる。
したがって、転舵制御処理におけるステップS9で算出される加算後目標転舵角δ*aも零となり、これがアクチュエータ制御装置54に供給される。このアクチュエータ制御装置54では、転舵角偏差演算部61から出力される転舵角偏差Δδも零となり、転舵モータ制御部62から出力されるモータ電流指令値im*も零となる。このためモータ電流制御部65からモータ電流imtは出力されず、転舵モータ8aは停止状態を維持し、ラック軸14が中立位置を維持して転舵輪17FRおよび17FLの転舵角δtが“0”に制御される。
ところが、ステアリングホイール2を中立位置に保持した直進走行状態を維持している状態からステアリングホイール2を右(または左)に操舵する状態となると、転舵制御処理におけるステップS2で直進走行状態からの操舵による旋回状態への移行が検出される。
このため、目標転舵角δ*がそのままアクチュエータ制御装置54に供給される。したがって、目標転舵角δ*に一致するように転舵モータ8aが回転駆動される。この間、コンプライアンスステア制御値Ac、セルフアライニングトルク制御値Asaおよび外乱補償値Adidを加える直進性担保を担保するステア特性制御が停止される。
このとき、フロントサスペンション装置1Bのキャスター角が零に設定されている。このキャスター角と転舵応答性と操縦安定性との関係は、図13(a)に示すように、キャスター角が零であるときには転舵応答性が高い状態をとなるが、操縦安定性を確保することはできない、即ち、キャスター角に対する転舵応答性と操縦安定性とはトレードオフの関係が存在する。
この初期応答期間T1では、フロントサスペンション装置1Bは、上述したように、キャスター角が零に近い値であり、転舵応答性が高いので、図14(a)で実線図示の特性線L1で示すように、一点鎖線図示の特性線L2で示す一般的なステアバイワイヤ形式の操舵系を有する車両における転舵応答特性(ヨーレート)より高い転舵応答特性(ヨーレート)とすることができる。このとき、運転者のステアリングホイール2の操舵による操舵角変化に対応した転舵角変化となるので、運転者に違和感を与えることはない。
そして、算出した遅延時間τに基づいて制御ゲインGaを決定するので、前述した第3実施形態と同様に車速Vおよび操舵角速度θsvに基づいて転舵状態に応じた最適な遅延時間τを設定することができる。
そして、転舵初期の遅延時間τが経過するまでの間で転舵制御部50によるステア特性制御が停止され、フロントサスペンション装置1Bの高い転舵応答性で転舵を行い、遅延時間τが経過した後に転舵制御部50によるステア特性制御が開始されてフロントサスペンション装置1Bを含めた車両のステア特性が制御される。
図16は、リヤサスペンション装置1Cの構成を模式的に示す斜視図である。図17はリヤサスペンション装置1Cの構成を模式的に示す部分平面図である。図18はリヤサスペンション装置1Cの構成を模式的に示す図であって、(a)は部分正面図、(b)は部分側面図である。
ロアリンク部材76は、車輪側取付点76aから車両前後方向の前方側に斜めに延長する第1リンク76bと、車輪側取付点76aから車両車幅方向内側に延長する第2リンク76cと、第1リンク76bおよび第2リンク76cの車体側取付点76dおよび76e間を結ぶ第3リンク76fとで構成されている。
また、第1リンク76bの車体側取付点76dが第2リンク76cの車体側取付点76eに対し車両上下方向上方に配置され、第3リンク76fは図18(b)に示すように、後ろ下がりに傾斜している。
したがって、第1アッパーリンク77および第2アッパーリンク78の車輪側取付点77aおよび78aがアクスルキャリア73の車軸32より上方側で個別に取付けられている。
この仮想アッパーピボット点UPと前述したロアピボット点LPとを結ぶ線がキングピン軸KSとなり、このキングピン軸KSのキングピン傾角が、図18(a)に示すように、垂直に近い例えば6度程度に設定されている。
本実施形態のリヤサスペンション装置1Cでは、アッパーリンク部材を2本のI型リンクでなる第1アッパーリンク77および第2アッパーリンク78で構成することにより、アクセルキャリア33に連結する車輪側取付点77aおよび78aより車幅方向外側で仮想アッパーピボット点UPを形成することができる。
これに対して、ロアリンク部材76は、ロアピボット点LPとなる車輪側取付点76aが車両上面視においてホイールセンタよりも車両前後方向前側で、車両前面視において他のリンクよりも車幅方向外側に配置されている。
したがって、タイヤ接地面中心を着力点とする横力が発生したとき、この横力をロアリンク部材76と横剛性調整リンク79とで分散して受けることができる。このとき、アクスルキャリア73が横力によってキングピン軸KS回りに回転するが、ロアリンク部材76は車輪側取付点76aがロアピボット点LPとなっているため、回転モーメントに対しては抗力を発生しない。
また、車輪17RRおよび17RLがバウンドしてリヤサスペンション装置1Cがストロークした場合に、第2アッパーリンク78の長さが第1アッパーリンク77より長く、第2アッパーリンク78の傾斜が第1アッパーリンク77の傾斜より緩やかである。このため、第2アッパーリンク78の車輪側取付点78aの車幅方向内側への移動量は、第1アッパーリンク77の車輪側取付点77aの車幅方向内側への移動量より小さくなる。
この結果、図18(a)に示すように、車両前面視においてキングピン軸KSのキングピン傾角の変化が少なくなり、キャンバー角変化を抑制することができる。
しかも、上記各剛性を向上させるために、車体側部材にピン間バーなどの補剛部品を追加する必要がないとともに、横力コンプライアンスステアの変化を小さくしているので、横力コンプライアンスステアと横剛性とのトレードオフが生じることがなく、リンク配置やブッシュ剛性差を細かく設計する必要もない。
(1)後輪を支持する車軸を有する車輪支持部材と車体側部材とをサスペンションリンクで連結するリヤサスペンション装置であって、前記車軸より上側で、前記車輪支持部材と前記車体側部材とを個別に連結する第1アッパーリンク部材および第2アッパーリンク部材と、前記車軸より下側で且つ当該車軸より車両前後方向前側で、前記車輪側支持部材と前記車体側部材とを連結するAアーム構成のロアリンク部材と、前記車軸より下側で且つ車軸より車両前後方向後側で、前記車輪側支持部材と前記車体側部材とを連結する横剛性調整リンク部材とを備えている。
さらに、ロアリンク部材、第1アッパーリンク部材、第2アッパーリンク部材および横剛性調整リンク部材を支持する車体側部材に補剛部品を追加する必要がないとともに、横剛性と横力コンプライアンスステアとのトレードオフを考慮する必要がないので、リンク配置の自由度を向上させることができるとともに、ブッシュ剛性の細かな調整を必要とせず、リヤサスペンション装置を軽量、小型化することができる。
この構成によると、遅延制御部で、ステア特性制御の開始を遅らせるので、遅延制御を正確に行い、初期転舵応答特性をフロントサスペンション装置自体の高転舵応答性とすることができる。このとき、遅延時間τを車速及び操舵角速度の少なくとも一方に基づいて設定することにより、走行状況に応じた最適な遅延時間を設定することができる。
この構成によると、ロアリンク部材の車輪側取付点がロアピボット点となるので、第1アッパーリンク部材および第2のアッパーリンク部材との仮想アッパーピポット点を結ぶキングピン軸のキングピン傾角を垂直に近い立った状態に設定することができる。
この構成によると、第1アッパーリンク部材および第2アッパーリンク部材の車輪側の延長線の交点でなる仮想アッパーピボット点が第1アッパーリンク部材および第2アッパーリンク部材の車輪側取付点より車両上下方向の上方に位置することになり、タイヤ横力が発生したときの横剛性を向上させることができる。
この構成によると、剛性調整リンク部材で、タイヤ横力が発生したときのキングピン軸回りの回転モーメントを確実に受けることができとともに、タイヤ横力の分担分を増やして横構成およびトー剛性を向上させることができるとともに、リヤサスペンション装置のコンプライアンスステアを小さく抑制することができる。
なお、上記第1の実施形態では、フロントサスペンション装置1BとしてAアーム形状を有する2本の第1リンク37および第2リンク38で構成する場合について説明したが、これに限定されるものではない。即ち、図20で模式的に示すように、ロアアームを2本のI型リンクで構成されるトランスバースリンク91とコンプレッションリンク92とで構成し、トランスバースリンク91とコンプレッションリンク92とを車輪17FR,17FL近傍で互い交差させるように配置するようにしてもよい。
フロントサスペンション装置1Bを図20のように構成することにより、上面視でトランスバースリンク91とコンプレッションリンク92との交点が仮想ロアピボット点LPとなるので、仮想ロアピボット点LPを車輪17FR,17FLより車両車幅方向内側に設定することができる。このため、仮想ロアピボット点LPを通るキングピン軸KSをステアリングホイール2が中立位置にある状態でタイヤ接地面内を通り、且つポジティブスクラブに設定することができる。
さらに、上記実施形態では、転舵制御部50で図9に示す転舵制御処理を実行する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、目標転舵角演算部51、遅延制御部を含む転舵応答性設定部52、遅延時間算出部53をハードウェアで構成することもできる。
Claims (5)
- 後輪を支持する車軸を有する車輪支持部材と車体側部材とをサスペンションリンクで連結するリヤサスペンション装置であって、
前記車軸より上側で、前記車輪支持部材と前記車体側部材とを個別に連結する第1アッパーリンク部材および第2アッパーリンク部材と、
前記車軸より下側で且つ車軸より車両前後方向前側で、前記車輪側支持部材と前記車体側部材とを連結するAアーム構成のロアリンク部材と、
前記車軸より下側で且つ車軸より車両前後方向後側で、前記車輪側支持部材と前記車体側部材とを連結する横剛性調整リンク部材と
を備え、
前記ロアリンク部材の車輪側取付点が上面視で前記第1アッパーリンク部材および前記第2アッパーリンク部材の車輪側取付点より車両車幅方向外側に設定されていることを特徴とする車両用リヤサスペンション装置。 - ステアリングホイールと機械的に切り離された転舵輪を転舵するアクチュエータを制御してステア特性を制御するステアバイワイヤシステムで構成される転舵制御装置を備え、前記転舵制御装置を、転舵初期に所定時間ステア特性制御を停止してフロントサスペンション装置の転舵応答性により転舵し、所定時間が経過したときにステア特性制御を開始するように構成した車両に搭載されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用リヤサスペンション装置。
- 前記転舵制御装置は、前記ステアリングホイールが中立位置から操舵されたときに、ステア制御の開始を所定時間遅延させる遅延制御部を備えていることを特徴とする請求項2に記載の車両用リヤサスペンション装置。
- 前記第1アッパーリンク部材および第2アッパーリンク部材は、車輪側支持点から車体側支持点に行くに従い車両上下方向の高さが低くなるように傾斜配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用リヤサスペンション装置。
- 前記剛性調整リンク部材は、車輪側取付部および車体側取付部のブッシュ剛性を他のリンク部材のブッシュ剛性より高めたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車両用リヤサスペンション装置。
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