JP6094184B2 - 繊維状大豆蛋白質の製造方法 - Google Patents

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本発明は繊維状大豆蛋白質の製造方法に関するものである。
エクストルーダーは食品加工分野で利用が盛んである。脱脂大豆、分離大豆蛋白等の大豆蛋白原料を主原料として、各種のその他の原料を組み合わせたり、製造条件を変える等して、種々の肉様蛋白の製造方法が知られている。
例えば、大豆蛋白原料、および水をエクストルーダーにより加熱、加圧下に反応させる際にカルシウム及び澱粉類を併用して配合し、ダイより押し出す方法(特許文献1)、植物蛋白原料、乳ホエイ蛋白原料及び水を主成分として押出機を用いて加熱加圧する方法(特許文献2)、大豆蛋白原料、カルシウム、及び水をエクストルーダーにより加熱、加圧下に反応させダイより押し出す方法(特許文献3)等がある。
特許文献1の技術ではしなやかさや舌触り、喉通りの良い食感が得られ、特許文献2の技術では繊維感、歯切れ感、のど越しが良く、風味が良好なものが得られ、特許文献3の技術では硬くて、弾力性に富み、噛みごたえのある食感が得られる。
特開2000−279099号公報 特開2003−180256号公報 特開平6−165644号公報
しかしながら、特許文献1〜3の技術では、繊維感、硬さがあり、弾力が抑制され、歯切れ感の良い食感のもの、例えばツナ様の食感のものは得られていない。すなわち特許文献1の技術では繊維感、硬さ、弾力性、歯切れの点で満足できるものでなく、また、特許文献2の技術では硬さや弾力の点で満足できるものでない上、乳蛋白との併用が必要であった。また、特許文献3の技術では弾力や繊維感等の点で満足できるものが得られていない。
本発明では、大豆蛋白素材を用いて、繊維感、硬さがあり、弾力が抑制され、歯切れの良い食感のもの、例えばツナ様の食感のものを提供することを課題とした。
本発明者らは上記の課題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、大豆蛋白原料、カルシウム、澱粉類および水をエクストルーダーにより加熱、加圧下にダイより押し出し、該押し出し物を、pH5以下の酸性溶液及び/または塩を含む溶液で水戻しした後に破砕することにより、繊維感、硬さがあり、弾力が抑制され、歯切れの良い食感を有する繊維状大豆蛋白質を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)大豆蛋白原料、カルシウム、澱粉類および水をエクストルーダーにより加熱、加圧下にダイより押し出し、該押し出し物をpH5以下の酸性溶液及び/または塩を含む溶液で水戻しした後、破砕することを特徴とする、繊維状大豆蛋白質の製造方法。
(2)水戻しする条件が、酸性溶液のpHが4.1を超え、かつ塩を含む溶液の塩濃度が15重量%以上、または酸性溶液のpHが4.1以下、かつ塩を含む溶液の塩濃度が11重量%以上、または酸性溶液のpHが3.9以下、かつ塩を含む溶液の塩濃度が2重量%以上、または酸性溶液のpHが3.7以下、かつ塩を含む溶液の塩濃度が0.1重量%以上、または酸性溶液のpHが3.5以下のいずれかから選択される、(1)記載の繊維状大豆蛋白質の製造方法。
(3)水戻しの水の量が押し出し物の重量の5倍量以上である、(1)または(2)記載の繊維状大豆蛋白質の製造方法。
(4)水戻し後、さらに押し出し物の重量の10倍量以上の水で洗浄する、(1)〜(3)記載の繊維状大豆蛋白質の製造方法。
である。
本発明により、繊維感、硬さがあり、弾力が抑制され、歯切れ感の良い食感を有する繊維状大豆蛋白質を提供することが可能となる。これは、これまでの繊維状大豆蛋白質では得られなかったユニークな食感であり、例えば、ツナ様等の食品に応用することが可能となる。
(大豆蛋白原料)
本発明に用いる大豆蛋白原料として、全脂大豆粉や全脂濃縮蛋白、脱脂大豆粉、豆乳粉末、濃縮大豆蛋白、分離大豆蛋白等が挙げられ、なかでも、脱脂大豆粉、豆乳粉末、濃縮大豆蛋白、分離大豆蛋白を用いると、効果がより顕著に得られるため好ましい。
大豆蛋白原料には、必要に応じてその他の蛋白を併用することができる。例えば、落花生、菜種、綿実などの油糧種子由来の蛋白や、小麦、トウモロコシ、米等の穀物由来の蛋白等、加熱ゲル形成植物性蛋白が好ましく、その他動物由来、微生物由来の蛋白も用いることができる。原料中の蛋白質含量は乾物換算で40〜85重量%が好ましく、より好ましくは50〜75重量%が適当である。蛋白質含量が40重量%未満では食感が弱すぎて噛みごたえが得られない場合がある。また、85重量%より高ければ組織が硬すぎて繊維状にほぐれない場合がある。
(カルシウム)
本発明に用いるカルシウムは、カルシウム塩が好ましく、わずかでも解離してカルシウムイオンとなる化合物であれば特に制限するものではない。例えば、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、水酸化カルシウム等を用いることができる。
カルシウム塩の配合量は、カルシウムとして原料中のカルシウム含量が乾物換算で、好ましくは0.01〜3重量%、より好ましくは0.1〜2重量%が適当である。カルシウム含量が低すぎるとほとんど効果が得られない場合がある。また、カルシウム含量が高すぎると繊維が強くなりすぎる場合がある。
(澱粉類)
本発明に用いる澱粉類は、小麦粉、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉などその由来を問わず、また、それらの化工澱粉でも差支えない。澱粉類の配合量は、原料中の澱粉含量が乾物換算で、好ましくは6〜40重量%、より好ましくは8〜30重量%が適当である。澱粉含量が低すぎると効果が低くなる場合がある。また、澱粉含量が高すぎると噛みごたえが出ない場合がある。
(水)
本発明に用いる水は、原料中の水分が好ましくは12〜50重量%、より好ましくは20〜44重量%となるような範囲で用いることが適当である。
(その他の原料)
本発明には上記の原料の他、本発明の効果に影響を与えない範囲で他の原料を配合することができる。例えば、蛋白質として、落花生,菜種,綿実等の油糧種子由来の蛋白質、小麦,トウモロコシ,米等の穀物由来の蛋白質、カゼイン,卵白,乳ホエイ等の動物由来の蛋白質、微生物由来の蛋白質等が挙げられる。また、油脂として、大豆油,オリーブ油,菜種油,落花生油,ゴマ油,ひまわり油,パーム油,コーン油,ヤシ油,カカオ脂,綿実油,米油等の植物由来の油脂、牛脂,豚脂,魚鯨脂等の動物由来の油脂が挙げられ、これらの分別,硬化,エステル交換等の加工油脂も含まれる。
また、レシチン,モノグリセリン脂肪酸エステル,ポリグリセリン脂肪酸エステル,プロピレングリコール脂肪酸エステル,有機酸モノグリセリド,シュガーエステル,ソルビタン脂肪酸エステル等の乳化剤、ビタミン類、味剤、香料等も配合することができる。
(エクストルーダー)
本発明では、大豆蛋白原料、カルシウム、澱粉類および水をエクストルーダーにより加熱、加圧下にダイより押し出して押し出し物を得る。
本発明に用いるエクストルーダーは、一軸エクストルーダーや二軸以上の複数エクストルーダーを用いることができる。中でも、品質の安定性の点から二軸型のものが好ましい。エクストルーダーは、原料供給口、バレル内をスクリューにおいて原料送り、混合、圧縮、加熱機構を有し、さらに先端バレルに装着されたダイを有するものであれば利用できる。バレルはジャケットを有していても有していなくてもよく、これにより加熱するしないは自由である。
本発明でエクストルーダー処理する際の温度は、先端バレル温度が好ましくは、120〜200℃、より好ましくは140〜180℃が適当である。
また、加圧は、ダイ部圧力が好ましくは5〜100kg/cm2、より好ましくは10〜70kg/cm2が適当である。 ダイはスクリュー方向に押し出すダイでも、送りの外周方向に押し出すダイ(いわゆるペリフェラルダイ)でもよい。
(水戻し)
エクストルーダー処理して得られた押し出し物は、水戻しされるが、水戻しする前に必要に応じて乾燥することができる。水戻しする方法として、pH5以下の酸性溶液で水戻しする方法、塩を含む溶液で水戻しする方法、pH5以下の酸性溶液及び塩を含む溶液で水戻しする方法のいずれかの方法により行われる。pH5以下の酸性溶液及び塩を含む溶液で水戻しする方法は、pH5以下の酸性溶液及び塩を含む溶液で同時に水戻しを行っても良いし、pH5以下の酸性溶液で水戻しした後塩を含む溶液で水戻しを行っても良いし、塩を含む溶液で水戻しを行った後pH5以下の酸性溶液で水戻しを行っても良い。
pH5以下の酸性溶液や塩を含む溶液で水戻しすることにより、繊維感、硬さがあり、弾力が抑制され、歯切れ感の良い食感を付与する効果がある。また、pH5以下の酸性溶液及び塩を含む溶液で水戻しをすることにより、目的の食感が得られる効果がより高くなるため好ましい。さらに、pH5以下の酸性溶液及び塩を含む溶液で水戻しする方法の中でも、風味が良好となる点で、pH5以下の酸性溶液で水戻しした後塩を含む溶液で水戻しをする方法、あるいは塩を含む溶液で水戻しを行った後pH5以下の酸性溶液で水戻しする方法が好ましい。
水戻しする際の添加する水の量は、エクストルーダー処理して得られた押し出し物の重量に対して、好ましくは5倍量以上、より好ましくは10倍量以上、さらにより好ましくは15倍量以上が適当である。
水戻しした後、酸味や塩を除くために、水で洗浄することができる。酸味や塩を除く度合いは目的に応じて種々選択されるが、酸味や塩に由来する風味の影響が少なくなる程度に洗浄することが好ましい。洗浄する水の量は、エクストルーダー処理して得られた押し出し物の重量に対して、好ましくは10倍量以上、より好ましくは50倍量以上、さらにより好ましくは80倍量以上が適当である。
押し出し物は水戻しした後必要に応じて脱水される。脱水する度合いは目的に応じて種々選択されるので特に限定されない。
(酸性溶液)
酸性溶液として、無機酸、有機酸またはそれらの塩を水などの溶媒に溶解したものを用いることができる。無機酸として、塩酸、硫酸、リン酸化合物等が挙げられる。また、有機酸として、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、酢酸、穀物酢、酒石酸、乳酸、グルコン酸等が挙げられる。これらの酸は1種以上を併用して使用することができる。
エクストルーダー処理して得られた押し出し物は、pH5以下の酸性溶液で水戻しすることが必要である。
本発明の効果をより高めることができる点で、好ましくは、pHが4.5以下、より好ましくは4.1以下、さらにより好ましくは3.8以下、さらに最も好ましくは3.7以下が適当である。また、pHが低すぎると風味や食感が悪くなる場合があることから、pHは2.0以上が好ましく、より好ましくは2.5以上、さらにより好ましくは3.0以上が適当である。
(押し出し物の酸性溶液処理後のpH)
また、pH5以下の酸性溶液で水戻しした結果、エクストルーダー処理して得られた押し出し物のpHは概ね6.2以下となるが、本発明の効果がより高まる点で、好ましくはpHが5.9以下、より好ましくは5.6以下、さらにより好ましくは5.3以下、さらに最も好ましくは5.2以下が適当である。また、pHが低すぎると風味や食感が悪くなる場合があることから、pHは2.1以上が好ましく、より好ましくは3.0以上、さらにより好ましくは3.9以上である。
(塩を含む溶液)
塩の種類として、塩化ナトリウム,クエン酸ナトリウム,塩化カリウム等のアルカリ金属塩、塩化カルシウム,塩化マグネシウム等のアルカリ土類金属塩等を用いることができる。これらの塩類は1種以上を併用して使用することができる。
塩を含む溶液の塩濃度として、好ましくは2重量%以上、より好ましくは3重量%以上、さらにより好ましくは9重量%以上、さらに最も好ましくは12重量%以上が適当である。また、塩濃度は高すぎても、食感に対する効果に差が出ない場合や、風味に影響する場合もあるため、25重量%以下が好ましく、より好ましくは20重量%以下が適当である。
また、使用する塩の量は、繊維状大豆蛋白質の重量1に対して、概ね0.1以上、好ましくは0.4以上、より好ましくは1.0以上、さらにより好ましくは2.0以上である。また、使用する塩の量が多すぎても、食感に対する効果に差が出ない場合や、風味に影響する場合もあるため、6.0以下が好ましく、より好ましくは4.5以下が適当である。
水戻しする条件は、塩を使用せず、酸性溶液でのみ水戻しをする場合、本発明の効果を高めることができる点で、pHが3.5以下が好ましい。酸性溶液を使用せず、塩のみで水戻しをする場合、本発明の効果を高めることができる点で、塩を含む溶液の塩濃度として15重量%以上が好ましい。
また、pH5以下の酸性溶液及び塩を含む溶液で水戻しをする場合、次の組み合わせでより効果を高めることができる点で好ましい。
すなわち、水戻しする条件が、酸性溶液のpHが4.1を超えかつ、塩を含む溶液の塩濃度が15重量%以上、好ましくは酸性溶液のpHが4.5以下、または酸性溶液のpHが4.1以下かつ、塩を含む溶液の塩濃度が11重量%以上、好ましくは13重量%以上、または酸性溶液のpHが3.9以下かつ、塩を含む溶液の塩濃度が2重量%以上、好ましくは10重量%以上、または酸性溶液のpHが3.7以下かつ、塩を含む溶液の塩濃度が0.1重量%以上、好ましくは2重量%以上である。
さらにこれらの中でも、酸性溶液のpHが3.5以上3.7以下かつ、塩を含む溶液の塩濃度が0.1重量%以上で効果が非常に高く、最も好ましい。
(破砕)
押し出し物は水戻しされた後、破砕(カッティング)される。破砕は例えば、カッターミキサー等の器具を用いて行うことができ、目的に応じた大きさに破砕され、繊維状大豆蛋白質を得ることができる。
(殺菌)
破砕された繊維状大豆蛋白質は必要に応じて殺菌される。殺菌する方法はいかなる方法でもよく、特に制限されないが、例えば、レトルト殺菌、または間接加熱方式あるいは直接加熱方式によるUHT滅菌などが挙げられる。レトルト殺菌は、バッチ式、連続式のいずれの方式でも行うことができる。
(用途)
このようにして得られた繊維状大豆蛋白質は、繊維感、硬さ、があり、弾力が抑制され、歯切れが良好な食感を有し、従来の繊維状大豆蛋白質には見られないユニークな食感を有する。
このようなユニークな食感は例えば、ツナ様等の食品に応用することが可能となる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの例示によって制限されるものではない。なお、例中の部および%は何れも重量基準を意味する。
(製造例1)
分離大豆蛋白(ニューフジプロE、蛋白質含量92%、不二製油株式会社製)55部、脱脂大豆(蛋白質含量53%)25部と小麦粉20部を混合し、さらにこの混合原料に対してカルシウム量が0.5部となるように硫酸カルシウムを混合した。この混合物100部、水40部を二軸エクストルーダーに供給して加熱、加圧処理を行い解砕した繊維状大豆蛋白質Aを得た。なお、エクストルーダー処理は、スクリュー回転数200rpm、バレル入口側温度80℃、中央部120℃、出口側150℃、ダイの穴の径5mm、粉体原料流量30kg/hrの条件で行った。
(試験例1)
製造例1で得られた繊維状大豆蛋白質A 1部に水20部を添加してケンウッドミキサーで30分間撹拌し、水戻しを行った。次に、繊維状大豆蛋白質Aの重量に対して3倍量になるまで脱水し、カッターミキサーでカッティングを行った後、レトルト処理(121℃、20分)をし、繊維状大豆蛋白質を得た(比較例1)。この繊維状大豆蛋白質について、食感(繊維感、硬さ、弾力感、歯切れ感)を表1の記載に基づいて官能評価し、結果を表2に示した。
(表1)
Figure 0006094184
各項目の評価を総合的に判断して、品質の合否を判断した。
すなわち、総合評価として、◎:非常に良好、○良好、△:やや良好、×;不良 とし、総合評価として◎、○、△のものを合格と判断した。
(試験例2〜7)酸性溶液による水戻し
製造例1で得られた繊維状大豆蛋白質A 1部に対し、穀物酢を使用して種々のpHに調整した酸性溶液20部を添加してケンウッドミキサーで30分間撹拌し水戻しを行った後、酸味を除くため、100部の水で流水洗浄を行った以外は試験例1と同様にして繊維状大豆蛋白質を得た(試験例2〜7)。官能評価結果を表2に示した。
(表2)
Figure 0006094184
表2の結果のように、酸性溶液処理のみを行った場合、pHを3.44、3.18にすることで総合評価として良好となり合格品質のものが得られた。
(試験例8〜13)塩添加による水戻し
製造例1で得られた繊維状大豆蛋白質A 1部に対し、塩として食塩を使用して種々の食塩濃度に調整した食塩水20部を添加してケンウッドミキサーで30分間撹拌し水戻しを行った後、脱塩するため、100部の水で流水洗浄を行った以外は試験例1と同様にして繊維状大豆蛋白質を得た(試験例8〜13)。官能評価結果を表3に示した。
(表3)
Figure 0006094184
表3の結果のように、酸性溶液で処理しない場合においても、食塩濃度15%の場合、総合評価としてやや良好となり合格品質のものが得られた。
(試験例14〜19)酸性溶液処理と塩添加の併用による水戻し
製造例1で得られた繊維状大豆蛋白質A 1部に対し、塩として食塩を使用して種々の食塩濃度に調整した食塩水20部を添加してケンウッドミキサーで30分間撹拌し水戻しを行った後、脱塩するため、100部の水で流水洗浄を行った。次に、穀物酢を使用して種々のpHに調整した酸性溶液20部を添加してケンウッドミキサーで30分間撹拌し水戻しを行った後、酸味を除くため、100部の水で流水洗浄を行った。その後の操作は試験例1と同様にして繊維状大豆蛋白質を得た(試験例14〜19)。繊維感、硬さ、弾力感、歯切れ感を評価した結果をもとに総合評価した結果を表4に示した。
(表4)
Figure 0006094184
表4の結果のように、添加する食塩の濃度が高くなるほど本発明の効果が高まる傾向にあった。また、酸性溶液で処理後のpHは3.61以下の場合、食塩濃度に関係なく効果が高く総合評価として良好にある傾向にあった。また。pHが3.8、4.04、4.49の場合でも食塩濃度が高くなると、効果が高くなる傾向にあり、総合評価として良好になる傾向にあった。
以上、試験例1〜19の結果から、大豆蛋白原料、カルシウム、澱粉類および水をエクストルーダーにより加熱、加圧下にダイより押し出しした押し出し物を、pH5以下の酸性溶液及び/または塩を含む溶液で水戻しした後に破砕することにより、繊維感、硬さがあり、弾力が抑制され、歯切れ感の良い、食感を有する繊維状大豆蛋白質を得ることが可能となった。

Claims (3)

  1. 大豆蛋白原料、カルシウム、澱粉類および水をエクストルーダーにより加熱、加圧下にダイより押し出し、該押し出し物を、酸性溶液のpHが4.1を超え、かつ塩を含む溶液の塩濃度が15重量%以上、または酸性溶液のpHが4.1以下、かつ塩を含む溶液の塩濃度が11重量%以上、または酸性溶液のpHが3.9以下、かつ塩を含む溶液の塩濃度が2重量%以上、または酸性溶液のpHが3.7以下、かつ塩を含む溶液の塩濃度が0.1重量%以上、または酸性溶液のpHが3.5以下のいずれかから選択される条件、で水戻しした後、破砕することを特徴とする、繊維状大豆蛋白質の製造方法。
  2. 水戻しの水の量が押し出し物の重量の5倍量以上である、請求項1記載の繊維状大豆蛋白質の製造方法。
  3. 水戻し後、さらに押し出し物の重量の10倍量以上の水で洗浄する、請求項1または2記載の繊維状大豆蛋白質の製造方法。
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