JP6093772B2 - タンパク質の混合モードクロマトグラフィー精製用の固相 - Google Patents

タンパク質の混合モードクロマトグラフィー精製用の固相 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2011年10月19日に出願された米国仮特許出願第61/549,146号に基づく恩典を主張するものであり、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
1.発明の分野
免疫グロブリンまたは他のタンパク質を、精製または単離の目的で液体源から抽出する技術、特にクロマトグラフィーの分離技術および材料について提供する。
2.先行技術の記載
主に哺乳類の体液または細胞培養回収物である液体源からの免疫グロブリン及び他のタンパク質の抽出は、診断および治療用途ならびに一般的な実験室研究のために、十分に濃縮された形態または精製された形態でタンパク質を得るのに重要である。しかし、タンパク質、及び特に免疫グロブリンの精製はしばしば、低収率、費用のかかる分離媒体の使用、分離媒体の生成物への浸出のような要素に見舞われ、抽出プロセスで使用された異物の安全な廃棄に関する懸念がある。本発明では、これらの問題の少なくともいくつかに対処することを追及する。
免疫グロブリン及び他のタンパク質の非常に効率的な抽出(すなわち精製)が、陽イオン交換官能基及び疎水性官能基と大きい孔の支持マトリックスとを組み合わせた混合モードクロマトグラフィーシステムの使用によって達成され得ることが現在見出されている。直径の中央値が0.5μm以上である孔を有し、直径0.1μm未満の孔が実質的にない固体マトリックスに対して結合するリガンドに陽イオン交換官能基及び疎水性官能基が包含され、このリガンドは、リガンドの疎水性基で、1〜3個の原子の鎖であるリンケージを介して支持マトリックスに結合している。従来通りの結合および溶出条件を用いて、マトリックス-支持リガンドに対するタンパク質の結合が低いpHで達成され、結合したタンパク質の溶出が、より高いpHで達成される。例えば、高収率の、高度に精製された免疫グロブリンが、液体源を一回分離媒体に通すことによって達成される。分離媒体、すなわちマトリックス-支持リガンドは、それ自体が新規であり、マトリックスへのリガンドの結合方法も同様である。
いくつかの態様において、溶液源からタンパク質を精製するための方法が、以下の通り提供される:
(a)溶液源のタンパク質を、リガンドを介して固体支持体に結合させるために、溶液源を、固体支持体に結合したリガンドを含む混合モードクロマトグラフィー媒体に接触させる工程であって、リガンドが、疎水性基と、カルボキシル基またはスルホ基のいずれかとを含み、疎水性基が、ペプチドを含むリンケージによってカルボキシル基またはスルホ基に連結されており、固体支持体が、直径の中央値が0.5μm以上である孔を有し、直径0.1μm以下の孔は実質的に持たず、リガンドが疎水性基で、1〜3個の原子の鎖を介して固体支持体に結合している、工程;及び
(b)結合したタンパク質を固体支持体から溶出する工程。
いくつかの態様において、タンパク質は抗体である。
いくつかの態様において、接触させる工程(工程(a))はpH4.0〜約6.0で行われ、溶出する工程(工程(b))はpH約6.1〜約8.5で行われる。
本発明の範囲内のある方法は、以下の工程を含む:
(a)溶液源の抗体の少なくとも一部を、リガンドを介して固体支持体に結合させるために、pH4.0〜約6.0で、抗体を含む溶液源を、固体支持体に結合したリガンドを含む混合モードクロマトグラフィー媒体に接触させる工程であって、リガンドが、疎水性基と、カルボキシル基またはスルホ基のいずれかとを含み、固体支持体が、直径の中央値が0.5μm以上である孔を有し、直径0.1μm以下の孔は実質的に持たず、リガンドが疎水性基で、1〜3個の原子の鎖を介して固体支持体に結合している、工程;及び
(b)結合した抗体を、pH約6.1〜約8.5で固体支持体から溶出する工程。
いくつかの態様では、疎水性基はフェニル基であり、いくつかの態様では、フェニル基は、ペプチド含有リンケージによって、酸部分と連結している。
いくつかの態様では、リガンドはベンズアミド酢酸である。いくつかの態様において、リンケージは、ベンズアミド酢酸のフェニル環のパラ位にあるアルキルアミノ基であり、これによってリガンドとリンケージが一緒になって、パラアミノベンズアミド酢酸基を構成する。
いくつかの態様において、固体支持体は、中央値が約25μm〜約150μmの粒子サイズを有する粒子からなる。
いくつかの態様では、固体支持体は膜である。いくつかの態様では、固体支持体はモノリスである。
いくつかの態様では、混合モードクロマトグラフィー用媒体が提供される。いくつかの態様では、混合モード媒体は、固体支持体に結合したリガンドを含み、リガンドは、疎水性基と、カルボキシル基またはスルホ基のいずれかとを含み、固体支持体は、直径の中央値が0.5μm以上である孔を有し、直径0.1μm以下の孔を実質的に持たず、かつ、リガンドは疎水性基で、1〜3個の原子の鎖によって固体支持体に結合している。
いくつかの媒体において、粒子は、中央値が約25μm〜約150μmである粒子サイズを有する。いくつかの媒体では、疎水性基はフェニル基であり、いくつかの場合、フェニル基は、ペプチド含有リンケージによって酸部分と連結している。いくつかの媒体において、リガンドはベンズアミド酢酸である。これらの媒体のいくつかにおいて、リガンドは疎水性基で、ベンズアミド酢酸のフェニル環のパラ位にあるアルキルアミノ基によって固体支持体に結合しており、これによってリガンド及びアルキルアミノ基が一緒になって、4-アミノベンズアミド酢酸基を構成する。
本明細書ではまた、混合モードクロマトグラフィー媒体を製造するための方法も提供され、以下の工程を含む。
(a)直径の中央値が0.5μm以上である孔を有し、直径0.1μm以下の孔は実質的になく、かつ、約200〜約300μmol/mLのジオール密度を有する、ジオール官能性固体粒子上で、ジオール基をアルデヒド基に酸化し、それによってジオール官能性固体粒子をアルデヒド官能性固体粒子に変換する工程;及び
(b)アミン官能性リガンドをアルデヒド官能性粒子に結合する工程であって、アミン官能性リガンドが、カルボキシル基またはスルホ基のいずれかと連結したアミン置換疎水性基を含む、工程。
この方法のいくつかの態様において、疎水性基はフェニル基であり、かつ、これらの態様のいくつかにおいて、フェニル基は、ペプチド含有リンケージによってカルボキシル基に連結されている。いくつかの態様において、リガンドは、ベンズアミド酢酸である。
この明細書を通して「スルホ基」なる用語は、式-SO3Hを有する基を意味する。
[本発明1001]
以下の工程を含む、溶液源からのタンパク質の精製のための方法:
(a)該溶液源中のタンパク質を、リガンドを介して固体支持体に結合させるために、該溶液源を、固体支持体に結合したリガンドを含む混合モードクロマトグラフィー媒体に接触させる工程であって、該リガンドが、疎水性基と、カルボキシル基及びスルホ基からなる群より選択される酸部分とを含み、ここで、該疎水性基が、ペプチド含有リンケージによって該酸部分に連結され、該固体支持体が、直径の中央値が0.5μm以上である孔を有し、直径0.1μm以下の孔は実質的に持たず、該リガンドが該疎水性基で、1〜3個の原子の鎖を介して固体支持体に結合している、工程;及び
(b)そのように結合した該タンパク質を、該固体支持体から溶出する工程。
[本発明1002]
タンパク質が抗体である、本発明1001の方法。
[本発明1003]
工程(a)が、pH約4.0〜約6.0で行われ、工程(b)が、pH約6.1〜約8.5で行われる、本発明1001または1002の方法。
[本発明1004]
疎水性基がフェニル基である、本発明1001の方法。
[本発明1005]
リガンドが、ベンズアミド酢酸である、本発明1001の方法。
[本発明1006]
リガンドが、2-ベンズアミドエタンスルホン酸である、本発明1001の方法。
[本発明1007]
リンケージが、ベンズアミド酢酸のフェニル環上のパラ位のアルキルアミノ基であり、それによって、リガンド及び鎖が一緒になって、2-(4-アミノベンズアミド)酢酸基を構成する、本発明1005の方法。
[本発明1008]
リンケージが、2-ベンズアミドエタンスルホン酸のフェニル環上のパラ位のアルキルアミノ基であり、それによって、リガンド及び鎖が一緒になって、2-(4-アミノベンズアミド)エタンスルホン酸基を構成する、本発明1006の方法。
[本発明1009]
固体支持体が、中央値が約25μm〜約150μmの粒子サイズを有する粒子からなる、本発明1001の方法。
[本発明1010]
固体支持体が膜である、本発明1001の方法。
[本発明1011]
固体支持体がモノリスである、本発明1001の方法。
[本発明1012]
溶液源が、ハロゲン化アルカリ金属及びハロゲン化アルカリ土類金属より選択される塩を、約50mM〜約300mMの濃度で含む、本発明1001の方法。
[本発明1013]
溶液源が、ハロゲン化アルカリ金属及びハロゲン化アルカリ土類金属より選択される塩を、約100mM〜約150mMの濃度で含む、本発明1001の方法。
[本発明1014]
固体支持体に結合したリガンドを含む混合モードクロマトグラフィー媒体であって、該リガンドが、疎水性基と、カルボキシル基及びスルホ基からなる群より選択される酸部分とを含み、ここで、該疎水性基が、ペプチド含有リンケージによって該酸部分に連結され、該固体支持体が、直径の中央値が0.5μm以上である孔を有する粒子を含み、直径0.1μm以下の孔は実質的に持たず、該リガンドが該疎水性基で、1〜3個の原子の鎖を介して固体支持体に結合している、混合モードクロマトグラフィー媒体。
[本発明1015]
粒子が、中央値が約25μm〜約150μmである粒子サイズを有する、本発明1014の混合モードクロマトグラフィー媒体。
[本発明1016]
疎水性基がフェニル基である、本発明1014の混合モードクロマトグラフィー媒体。
[本発明1017]
酸部分がカルボキシル基である、本発明1016の混合モードクロマトグラフィー媒体。
[本発明1018]
酸部分がスルホ基である、本発明1016の混合モードクロマトグラフィー媒体。
[本発明1019]
リガンドが、ベンズアミド酢酸である、本発明1014の混合モードクロマトグラフィー媒体。
[本発明1020]
リガンドが、2-ベンズアミドエタンスルホン酸である、本発明1014の混合モードクロマトグラフィー媒体。
[本発明1021]
リンケージが、ベンズアミド酢酸のフェニル環上のパラ位のアルキルアミノ基であり、それによって、リガンド及び鎖が一緒になって、2-(4-アミノベンズアミド)酢酸基を構成する、本発明1019の混合モードクロマトグラフィー媒体。
[本発明1022]
リンケージが、2-ベンズアミドエタンスルホン酸のフェニル環上のパラ位のアルキルアミノ基であり、それによって、リガンド及び鎖が一緒になって、2-(4-アミノベンズアミド)エタンスルホン酸基を構成する、本発明1020の混合モードクロマトグラフィー媒体。
[本発明1023]
以下の工程を含む、混合モードクロマトグラフィー媒体を製造するための方法:
(a)直径の中央値が0.5μm以上である孔を有し、直径0.1μm以下の孔を実質的に持たず、かつ約200〜約300μmol/mLのジオール密度を有するジオール官能性固体粒子上で、ジオール基をアルデヒド基に酸化する工程であって、それによって該ジオール官能性固体粒子をアルデヒド官能性固体粒子に変換する、工程;及び
(b)アミン官能性リガンドを該アルデヒド官能性粒子に結合する工程であって、該アミン官能性リガンドが、カルボキシル基またはスルホ基からなる群より選択された酸部分と連結したアミン置換疎水性基を含む、工程。
[本発明1024]
疎水性基がフェニル基である、本発明1023の方法。
[本発明1025]
フェニル基が、ペプチド含有リンケージによってカルボキシル基に連結している、本発明1024の方法。
[本発明1026]
リガンドが、ベンズアミド酢酸である、本発明1023の方法。
[本発明1027]
リガンドが、2-ベンズアミドエタンスルホン酸である、本発明1023の方法。

本発明のこれらの及び他の物、局面、特徴、及び有利な点は、以下の説明によって、より理解されるであろう。
本発明に従った、p-アミノ馬尿酸官能性樹脂でのIgG1モノクローナル抗体の精製の吸光プロフィールである。 最初のカラム洗浄由来のフロースルー画分と、図1の溶出由来のプールされた二つの画分の電気泳動図である。 図1の溶出由来のプールされた二つの画分のHPLC分子ふるいクロマトグラフィー分析の吸光プロフィールである。
発明の詳細な説明と例示的態様
本明細書で説明されるリガンドにおける疎水性官能性として有用な構造基は、芳香族基及び置換された芳香族基を含む。フェニルおよびビフェニル基、特にフェニル基は、芳香族基の一般的な例であり、本明細書のある態様で使用されている。好適な置換基は、芳香族基の疎水性の性質を保持するものであり、例えば、ヘキシルのような、ある種のアルキル基を含む。免疫グロブリンに対する立体障害を生む置換基は、あまり好ましくない。陽イオン交換官能基として有用な構造基は、カルボン酸、カルボン酸塩、及び、スルホ基を含み、スルホ基それ自体及び硫酸塩の両方を含む。陽イオン交換部分及び疎水性部分は、鎖、好ましくは水素原子および置換基を除いて5個以下の原子を含む鎖によって連結され得る。そのような鎖の例は、ペプチド含有鎖であり、例えば、-R1-C(O)-NH-R2-であり、ここで、R1及びR2はアルキル基であり、R1及びR2の一つまたは両方が無くてもよい。具体的な例の一つは、-C(O)-NH-CH2-である。弱陽イオン性交換基としてのカルボキシル官能基と、疎水性基としてのフェニル官能基との間に後者のリンケージを含むリガンドは、ベンゾイルアミノ酢酸である。
リガンドを支持マトリックス(本明細書ではまた、固体支持体ともいわれる)に連結するリンケージは、その一端がリガンドの疎水性官能基に直接結合し、かつ、他の端部がマトリックスに直接結合している鎖であり、この鎖はそれによって、結合反応のためにマトリックスを活性化した結果として、マトリックスから出ている任意の基を含む。このリンケージに加えてスペーサーは含まない。上述のように、鎖は、1〜3個の原子のアミン含有鎖である。そのような鎖の例は、式-R3-NH-R4を有するものであり、ここで、R3及びR4は、メチル基またはエチル基であり、R3及びR4の一つまたは両方が、無くてもよい。そのような基の特定の例の一つが、-CH2-NH-である。リガンドがベンズアミド酢酸または、2-ベンズアミドエタンスルホン酸である態様において、リガンドのフェニル環とマトリックスの間の特定の好都合なリンケージは、リンケージのアミン基がフェニル環に対して、ベンズアミド酢酸の場合には、カルボニルアミノ酢酸基に対して、または、2-ベンズアミドエタンスルホン酸の場合にはカルボニルアミノエチルスルホン酸基に対して、パラ位で結合しているものである。
リガンドと、リンケージの少なくとも一部分との両方を形成し得る化合物の一例は、p-アミノ馬尿酸としても既知である4-アミノベンズアミド酢酸であり、その式は以下のとおりである:
Figure 0006093772

リガンドと、リンケージの少なくとも一部分との両方を形成し得る化合物の別の例は、2-(4-アミノベンズアミド)エタンスルホン酸であり、その式は以下のとおりである:
Figure 0006093772
「鎖」なる用語は、本明細書では、一連の原子が、好ましくは-A-B-C-・・・等の単結合によって、一緒に連結して直線的配置になったものを指し、ここで、原子は全て同じか、一つまたは複数の他とは異なるものを含むかのいずれかである。この用語は、置換された鎖および無置換の鎖の両方を含み、「置換された」は、例えば、-OH、-NH2及び=Oのような、水素原子以外の原子または基を指すが、すべての場合において、鎖を構成するのに示された原子の数は、例えば、「1〜3個の原子の鎖」なる表現においては、直線的配置の原子を指し、いかなる水素原子およびいかなる置換基もそこに含まない。直線的に配置された原子は、また、鎖の骨格ともいわれる。
上述のように、支持体マトリックスは、直径の中央値が0.5μm以上である孔を有し、直径0.1μm未満の孔を実質的に持たない。本発明のある態様では、孔の直径の中央値は、約0.5μm〜約2.0μmの範囲である。孔の容積は変わり得るが、多くの態様では、孔の容積は、約0.5〜約2.0cc/gの範囲であると考えられる。マトリックスは粒子、膜、またはモノリスであり得、「モノリス」は、材料の単一ブロック、ペレット、またはスラブを意味する。マトリックスとして使用される場合の粒子は、球体またはビーズであり得、滑らかな表面か、粗いまたは荒い表面かのいずれかを有する。多くの、及びいくつかのケースでは、全ての孔は貫通孔であり、粒子を貫通して伸びており、孔を通って流体力学的な流れまたは速い拡散をさせるのに十分な大きさのチャンネルとして働く。球体またはビーズの形態の時、媒体粒子の直径の中央値は、好ましくは約25μm〜約150μmの範囲内であり、ここで、「直径」なる語は、粒子の最も長い外観寸法をいう。本段落の説明に合うマトリックス及びそれらが作成されるプロセスの開示は、Hjerten et al., 米国特許第5,645,717号、Liao et al., 米国特許第5,647,979号、Liao et al., 米国特許第5,935,429号、及びLiao et al., 米国特許第6,423,666号に見いだせる。有用なマトリックスを達成するのに重合し得るモノマーの例は、酢酸ビニル、ビニルプロピルアミン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ブチル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルピロリドン(ビニルピロリジノン)であり、いくつかの場合官能基を有する。架橋剤はまた、多くの態様でも有用であり、存在するときには、一般的に、総モノマーに対して約0.1〜約0.7のモル比で構成される。架橋剤の例は、ジヒドロキシエチレンビスアクリルアミド、ジアリルタルタルジアミド、トリアリルクエン酸トリアミド、エチレンジアクリレート、ビスアクリリルシスタミン、N,N'-メチレンビスアクリルアミド、及びピペラジンジアクリルアミドである。
リガンド、及び特にアミン基を持つリガンドと結合を形成する目的のため、近接するジオールを有するモノマーを含むことがしばしば有用である。一例は、アリルオキシプロパンジオール(3-アリルオキシ-1,2-プロパンジオール)である。近接するジオールモノマーは、他のモノマーと共に使用され、コポリマーが調製され得る。ジオール含有モノマーから作成されるポリマー中のジオール基の密度は、広く変化し得、例えば、約100〜1,000μmol/mL(すなわち、充填したビーズ1mLあたり、マイクロモルレベルのジオール)の範囲内の密度であり、多くの場合には、約200〜300μmol/mLの範囲である。この説明に合い、商業的に入手可能であるマトリックスの例は、UNOsphere(登録商標)Diol(Bio-Rad Laboratories, Inc., Hercules, California USA)である。ペンダントアミン含有リガンドを、露出した近接するジオールを備えるマトリックスに対して結合させるために、全て当業界で周知の従来からの化学的技術によって、ジオールをアルデヒド基に酸化することができ、アルデヒド基をその後アミン基と結合させ、第二級アミノ結合を形成することができる。
本発明による樹脂(すなわち分離媒体)を利用するタンパク質精製は、当業者に公知の従来の手段で達成し得る。タンパク質の例は、これに限定されないが、抗体、酵素、成長調節物質、凝固因子、転写因子、及びリンタンパク質を含む。多くのそのような従来法において、使用前の樹脂は、標的タンパク質(例えば、抗体または非抗体タンパク質)の結合に使用されるであろうpHのバッファーで平衡化される。適切であれば、結合環境に影響すると考えられるイオン強度および伝導率を含むすべての性質に関して平衡化がなされ得る。
いくつかの態様において、本明細書で述べる樹脂は、標的タンパク質を生物学的試料から精製するために、「結合−溶出」モードで使用することができる。いくつかの態様では、樹脂に対する標的タンパク質の結合に続いて、標的タンパク質を溶出するためにpHの変化を使用することができる。
いくつかの態様において、いったん樹脂が平衡化されると、液体源、及び使用する場合には任意の追加の担体である液体が、好適なバッファーでpH6.0未満に維持しながら樹脂にロードされ、標的タンパク質が樹脂に結合することが可能となる。特に、本明細書に記載される混合モード樹脂は、細胞培養液の塩分濃度の範囲内(例えば、50〜300mMまたは約100〜150mM)の塩分濃度を有する溶液で機能することが見いだされた。このように、いくつかの態様では、タンパク質は、そのような塩分濃度下で樹脂にロードされる。
いくつかの態様では、液体源に存在するかもしれない任意の未結合の生物学的種を取り除くために、樹脂をその後、任意でロード工程と同じpHで、洗浄液で洗浄する。
結合したタンパク質(例えば、必要に応じて、抗体または非抗体タンパク質)を、それに続いて溶出することができる。いくつかの態様では、タンパク質はその後、6.0よりも高いpHで、溶出液を用いて溶出される。例示的pH範囲は、上述のように、結合および洗浄工程ではpH4.0〜6.0であり、溶出工程ではpH6.1〜8.5である。ある態様では、試料中および洗浄液中に塩を含んで結合および洗浄工程が行われる。この目的のために使用され得る塩の例は、ハロゲン化アルカリ金属及びハロゲン化アルカリ土類金属であり、特にハロゲン化ナトリウム及びハロゲン化カリウムであり、特定の例は、塩化ナトリウムである。塩の濃度は変わり得、ほとんどの場合、好適な濃度は約10mM〜約1Mの範囲内と考えられる。下に示す実例にみられるように、いくつかのタンパク質のための最適な溶出条件は、結合バッファーよりも高い塩濃度のバッファーを要し、他の場合には、結合バッファーよりも低い塩濃度を有するバッファーによると考えられる。任意の特定の場合における最適な選択は、通常の実験によって容易に決定される。
樹脂は、充填カラム、及び流動床または膨張床カラムを含む任意の従来からの形態でも、ロード、洗浄、および溶出のバッチ式モード、並びに、連続またはフロースルーモードを含む、任意の従来法でも使用され得る。充填されたフロースルーカラムの使用は、調製用スケールの抽出用、および分析用スケールの抽出用の両方において特に便利である。したがってカラムは、直径1cm〜1mであり得、高さ1cm〜30cm以上であり得る。
「抗体」は、免疫グロブリン、その複合体(例えば、融合体)または断片体を指す。この用語は、これに限られないが、ヒトまたは他の哺乳類の株化細胞由来の、クラスIgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMのポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を含み得、ヒト化、ヒト、単鎖、キメラ、合成、組換え、ハイブリッド、変異、移植、及びインビトロ産生抗体のような、天然型または遺伝子改変型を含む。「抗体」はまた、これに限られないが、免疫グロブリン部分を含む融合タンパク質を含む複合体を含み得る。「抗体」はまた、抗原結合性機能を保持しているかいないかによらず、Fab、F(ab')2、Fv、scFv、Fd、dAb、Fc及び他の組成の抗体断片を含み得る。
天然の、合成の、または組換えの供給源からの、未精製または部分的に精製された抗体を含む任意の抗体の調製物を本発明で使用し得る。未精製の抗体調製物は、これに限られないが、血漿、血清、腹水、牛乳、植物抽出物、微生物可溶化物、酵母可溶化物、または細胞培養用の条件培地を含む、種々の供給源から得られ得る。部分的に精製された調製物は、少なくとも一回のクロマトグラフィー、沈殿、他の分離工程、またはこれらの任意の組み合わせによって処理された未精製調製物から得られ得る。いくつかの態様では、抗体は、精製前に、プロテインAアフィニティによって精製されない。
上述のように、樹脂は、非抗体タンパク質の精製にも有用であると考えられる。治療用タンパク質の例には、これに限られないが、第VIII因子フォンビルブランド因子酵素、成長調節物質、凝固因子、転写因子、及びリンタンパク質が含まれる。
実施例1.p-アミノ馬尿酸官能性樹脂の調製
UNOsphere(登録商標)ジオール(10mL)、つまりN,N'-メチレンビスアクリルアミドで架橋されかつジオール密度が200〜300μmol/mLである、3-アリルオキシ-1,2-プロパンジオールとビニルピロリジノンのコポリマーを、球形ビーズの形態で使用した。ビーズは、10mLの0.1M酢酸ナトリウムまたは水のいずれかの中に懸濁された。過ヨウ素酸ナトリウムを50〜100mMの範囲内の濃度で添加し、得られた混合物を室温(およそ70°F(21℃))で3〜24時間インキュベートした。反応は、ジオール基のアルデヒド基への変換を150〜250μmol/mLの範囲でもたらした。得られたアルデヒド官能性樹脂を20mLのカラムに移し、100mLの水で洗浄した。
洗浄した樹脂をその後pH7.0の0.05Mリン酸ナトリウムバッファー10mLに懸濁してp-アミノ馬尿酸と混合し、得られた混合物を37℃で30分、振盪機中200rpmでインキュベートした。混合物にはその後NaBH3CN(100mg)が加えられ、反応混合物中のp-アミノ馬尿酸の濃度は25〜100mMの範囲であった。3時間の反応時間の後、得られたp-アミノ馬尿酸官能性樹脂を20mLカラムに移し、3カラム体積の水で洗浄し、その後1〜2カラム体積の0.1N NaOH水溶液で洗浄した。その後再度水で、溶出液のpHが10未満になるまで洗浄した。得られた生成物におけるp-アミノ馬尿酸リガンドの密度は、25〜100μmol/mLの範囲であった。
実施例2.免疫グロブリンのp-アミノ馬尿酸官能性樹脂への結合
内径7mm、長さ5.5cmのカラムに実施例1で調製したp-アミノ馬尿酸官能性樹脂を充填し、pH4.5の、150mM NaClを含む20mM 酢酸ナトリウムバッファーで平衡化した。その後、このバッファー中、ヒト免疫グロブリンGが1.0mg/mLである溶液を、流速1mL/分でカラムに適用した。カラムの流出物の280nmでの吸光度が、ヒトIgG溶液の1.0mg/mLに相当する値の10%に等しい値に達した時、従って10%ブレークスルーを示した時、カラムを平衡化バッファーで洗浄した。結合能は、10%ブレークスルーまでの保持時間に、流速と免疫グロブリンの濃度を掛けることによって決定した。免疫グロブリンの動的結合能は、40mg/mL(すなわち、カラム充填物 1mL当たり、免疫グロブリン40mg)であった。結合した免疫グロブリンは、pH7.0の100mMリン酸ナトリウムバッファーを用いて溶出した。
実施例3.p-アミノ馬尿酸官能性樹脂での哺乳類培養濾液からの免疫グロブリンGの精製
実施例1で準備したp-アミノ馬尿酸官能性樹脂(ビーズ1mLあたり60μmolのp-アミノ馬尿酸)の0.57cm×4cmカラムを、pH5.0の、50mM酢酸ナトリウム、125mM NaClで平衡化した。mAb1、すなわちIgG1モノクローナル抗体12mgを含む10mLのチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞培養の回収物を、線流速300cm/hでカラムに適用した。カラムをその後、平衡化バッファーを用い280nmでの吸光度がベースラインに達するまで洗浄した。約36分で、50mMリン酸ナトリウム、50mM NaClを含むpH6.2の溶出バッファーがカラムを通り、結合した抗体が溶出し、このバッファーとともに得られたプールされた溶出液を集めて、プール1と命名した。約44分で、カラムをpH7.5の20mMリン酸ナトリウム、1M NaClでさらに溶出し、吸光度がベースラインに戻るまでにこのバッファーとともに得られた溶出液をプールして、プール2と命名した。カラムをその後1M NaOHで洗浄して浄化した。光学密度は、260nmと280nmで測定し、検出器のアウトプットを図1に示した。これは、吸光度単位 対 時間(分)で表された光学密度のプロットであり、プール1及びプール2に加えて、平衡化バッファーで洗浄している間のフロースルー画分(「フロースルー」)に関する検出器のシグナルを示している。
フロースルー画分及びプール1及びプール2(図1)のポリアクリルアミドゲル電気泳動により、図2に示した電気泳動図が作成された。これは、フロースルー画分には抗体がないこと、一方、プール1には抗体が高度に濃縮されていることを示す。プール1の宿主細胞タンパク質レベルを、Cygnus Technologies(Southport, North Carolina, USA)の宿主細胞タンパク質アッセイキットCM015を用いて決定したところ、CHO細胞回収物中3.5×104ng/mgから、391 ng/mgに減少した。プール1のDNAレベルをPicoGreen アッセイにより決定したところ、CHO細胞回収物中5.0×103ng/mg超から、458ng/mgに減少した。Bio-Sil250カラム(Bio-Rad Laboratories, Inc., Hercules, California,USA)を用いた分子ふるいクロマトグラフィーをプール1及びプール2に対して行い、結果を図3に示した。この結果は、プール1が単量体抗体を含むこと、一方、プール2が少量の単量体抗体と相当量の凝集した抗体とを含むことを示す。
実施例4.免疫グロブリンGの2-(4-アミノベンズアミド)エタンスルホン酸官能性樹脂への結合
実施例1と類似の方法で調製した、同じ固体支持体上の2-(4-アミノベンズアミド)エタンスルホン酸官能性樹脂の0.7cm×5.5cmカラムを、pH4.5の20mM酢酸ナトリウム、150mM NaClで平衡化した。その後、このバッファー中、ヒト免疫グロブリンGが1.0mg/mLである溶液を、流速1mL/分でこのカラムに適用した。カラムの溶出液の280nmでの吸光度が、ヒトIgG 溶液1.0mg/mLに相当する値の10%に等しい値に達した時、従って10%ブレークスルーを示した時、カラムを平衡化バッファーで洗浄した。結合能は、10%ブレークスルーまでの保持時間に、流速および免疫グロブリン濃度を掛けることによって決定した。免疫グロブリンの動的結合能は36mg/mLであった。結合した免疫グロブリンは、pH7.0の100mMリン酸ナトリウムバッファーを用いて溶出した。回収率は87%と測定された。
実施例5.p-アミノ馬尿酸官能性樹脂への種々のタンパク質の結合および溶出の研究
結合および溶出の両方に関する最適条件を決定するために、一連のタンパク質を用いて実施例2を繰り返した。結果を以下の表に示す。
(表)p-アミノ馬尿酸官能性樹脂へのタンパク質の結合および溶出の条件
Figure 0006093772
表は、最適結合バッファーに比べて、最適溶出バッファーでの塩濃度が著しく増加していることによって示されるように、樹脂へ結合したウシ血清アルブミン、ウシ炭酸脱水酵素、及びリゾチームの結合が、主に陽イオン交換モードで起こったことを示している。逆に、ラクトフェリン及びmAbXの結合は、標的タンパク質の十分な結合を達成するために200〜300mM NaClが必要なこと、及び、完全な溶出を達成するのに、塩濃度とpHの両方の増加が必要なことによって示されるように、混合モード(陽イオン交換及び疎水性相互作用)で起こった。コンアルブミンの結合は、主に陽イオン交換モードで起こるが、このタンパク質の最適溶出バッファーにおけるNaCl濃度は、505mM、pH6で中程度であった。505mMより高い塩濃度はコンアルブミンのカラムへの結合をより強くし、その結果、溶出をより難しくした。これは、バッファーの伝導率が増すにつれて、疎水性相互作用モードへ移行することを示す。
実施例6.p-アミノ馬尿酸官能性樹脂でのIgM BFの精製
この実施例は、主たる汚染物がウシ血清アルブミン(pI=5)である試料からIgM BF(pI=5.3〜5.5)をp-アミノ馬尿酸官能性樹脂で精製するための条件を例示する。実施例1の樹脂と実施例2の手順を用い、30mLの試料を樹脂に適用し、20mMリン酸ナトリウム及び125mM NaClを含む、pH6.5の結合バッファー20mLを用いて200cm/hで洗浄し、20mMリン酸ナトリウム及び400mM NaClを含む、pH7.0の溶出バッファー10mLを用いて200cm/hで溶出し、続いて、19mLの1N NaOHでカラムを再生した。BSAは、カラムには結合しなかったが、代わりに、14mL〜56mLにわたるカラム分画収集物において、広いピークで現れた。IgMは、80mLで鋭いピークで溶出され、他の不純物は、94mLで鋭いピークで溶出された。三つのピークが、重なり合うことなく完全に分離された。
実施例7.p-アミノ馬尿酸官能性樹脂でのmAb1のポリッシング
この実施例は、p-アミノ馬尿酸官能性樹脂でmAb1を精製する条件を例示する。実施例1の樹脂と実施例2の手順を用い、試料を50mM酢酸ナトリウム及び125mM NaClを含むpH5.0の結合バッファーで35分間樹脂に適用し、その後35〜45分(15カラム体積)では100%溶出バッファーになるまで勾配溶出し、その後45〜55分(5カラム体積)では50mMリン酸ナトリウム及び50mM NaClを含むpH6.2の100%溶出バッファーで溶出した。溶出バッファーの後、55〜65分では200mMリン酸ナトリウム及び700mM NaClを含みpH7.5であるストリッピングバッファーであり、70分では最後の1N NaOHストリッピング溶液であった。mAb1は、48分で鋭いピークで溶出され、続いて、ストリッピングバッファーおよびNaOH溶液の開始時点での小さいが鋭いピークがそれぞれ続いた。すべてのピークは完全に分離されていて、重なりはなかった。この実施例は、結合バッファーに存在するものよりも、低い塩濃度で溶出が起き得ることを示している。
実施例8.p-アミノ馬尿酸官能性樹脂を用いるmAb2からのmAb2凝集物の除去
この実施例は、p-アミノ馬尿酸官能性樹脂でmAb2からmAb2凝集物を除去するための条件を例示する。直径0.56cm、長さ4cmのカラム中の実施例1の樹脂を用いて、流速300cm/hで、mAb2試料を20mM酢酸ナトリウム及び300mM NaClを含むpH4.5の結合バッファー(バッファーA)で33分間樹脂に適用した。その後、pH6.0の20mM MES及び20mM NaCl(バッファーB)で洗浄し、続いてバッファーBからバッファーC(20mMリン酸ナトリウム及び1M NaCl、pH7.5)へ、33〜52分(25カラム体積)にわたり勾配溶出し、その後52〜57分では100%バッファーCで保持し、最後に1N NaOHで再生した。42分で溶出された最初のピークと、60分で溶出された二番目のピークは両方のピークとも、完全に分離された。最初のピークは、分子ふるいクロマトグラフィー(HPLC)で分析され、試料中の凝集物が11%であったのに比較して、そのピークがモノマーを含み凝集物は0.2%未満であることが示された。モノマーの回収率は80%を超えた。
本明細書に添付された特許請求の範囲において、「一つの(a)」または「一つの(an)」なる用語は、「一つ以上」を意味することを意図している。「含む(comprise)」なる用語及びその変化形、例えば、「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」は、工程または要素の言及に先立つとき、さらなる工程または要素の追加が任意であり、除外されないことを意味することを意図している。この明細書に引用された、すべての特許、特許出願、及び他の出版された参考文献は、これによりその全体が参照により本明細書に組み入れられる。本明細書で引用された任意の参考文献または任意の一般的な先行技術と、この明細書の明確な教示の間の矛盾は、この明細書中の教示に好ましいように解決されることを意図している。これは、単語またはフレーズについて当業者が解釈する定義と、同じ用語またはフレーズのこの明細書に明確に提供された定義の間の任意の矛盾を含む。

Claims (11)

  1. 以下の工程を含む、溶液源からのタンパク質の精製のための方法:
    (a)該溶液源中のタンパク質を、リガンドを介して固体支持体に結合させるために、該溶液源を、固体支持体に結合したリガンドを含む混合モードクロマトグラフィー媒体に、pH4.0〜6.0で接触させる工程であって、
    該リガンドが、ベンズアミド酢酸を含み
    該固体支持体が、直径の中央値が0.5μm以上である孔を有し、直径0.1μm以下の孔は実質的に持たず、
    該リガンドが、該リガンドのフェニル環で、1〜3個の原子の鎖を介して固体支持体に結合している、工程;及び
    (b)そのように結合した該タンパク質を、該固体支持体から溶出する工程。
  2. タンパク質が抗体である、請求項1に記載の方法。
  3. タンパク質が非抗体タンパク質である、請求項1に記載の方法。
  4. 程(b)が、pH 6.1〜8.5で行われる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 該鎖が、ベンズアミド酢酸のフェニル環上のパラ位あり、それによって、リガンド及び鎖が一緒になって、2-(4-アミノベンズアミド)酢酸基を構成する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 固体支持体が、中央値が25μm〜150μmの粒子サイズを有する粒子からなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 固体支持体が膜である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 固体支持体がモノリスである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  9. 溶液源が、ハロゲン化アルカリ金属及びハロゲン化アルカリ土類金属より選択される塩を、50mM〜300mMの濃度で含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 溶液源が、ハロゲン化アルカリ金属及びハロゲン化アルカリ土類金属より選択される塩を、100mM〜150mMの濃度で含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  11. 溶出工程(b)が、抗体の擬集物が固体支持体に結合されたままである間に、固体支持体から単量体抗体を溶出する工程であって、それによって、単量体抗体および抗体の擬集物を含む溶液源から単量体抗体を精製する工程を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
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