JP6092144B2 - 抗菌層付き基材、抗菌シート、放射線撮影装置、タッチパネル - Google Patents

抗菌層付き基材、抗菌シート、放射線撮影装置、タッチパネル Download PDF

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Description

本発明は、抗菌層付き基材、抗菌シート、放射線撮影装置、およびタッチパネルに関する。
各種製品・部材の表面には、目的に応じ加工が施され、各種機能が付与されることが多い。その中でも、近年、基材表面に抗菌層を設ける技術が注目を集めている。
例えば、医療現場で使われる医療装置は、複数の患者と連続的に接触するものが多い。また、タッチパネルの表面は不特定多数の操作者が直接指で触れるため、その表面に細菌等が繁殖していると病気に感染する恐れがある。そこで、各種装置の表面に抗菌層を設けることにより、細菌の増殖や、病気の感染のリスクを低減することが可能となる。
このような技術としては、例えば、特許文献1においては、シリカゲル担体に銀錯体を担持させた銀系抗菌剤、シリカゲルおよび有機結合剤からなる徐放性抗菌材料が開示されている。
特開平09−131389号公報
一方、近年、各種装置(例えば、医療装置、タッチパネル)の使用頻度をより高めるために、より短時間で抗菌作用を示すことが求められている。
また、抗菌作用をより長時間維持できることも求められている。
つまり、短時間で抗菌作用を示すと共に、抗菌性を長時間維持できる抗菌層が求められている。
本発明者らは、特許文献1に記載の抗菌層付き基材について検討を行ったところ、上記要件を十分に満たすものではなく、さらなる改良が必要であった。
本発明は、上記実情を鑑みて、短時間で抗菌作用を示すと共に、抗菌性を長時間維持できる抗菌層を備える抗菌層付き基材を提供することを目的とする。
また、本発明は、抗菌シート、並びに、上記抗菌層付き基材を備える放射線撮影装置およびタッチパネルを提供することも目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) 基材と、基材表面の少なくとも一部に配置された抗菌層とを有する、抗菌層付き基材であって、
抗菌層が、銀を含む第1抗菌剤と、上記第1抗菌剤とは異なる、銀を含む第2抗菌剤とを有し、
抗菌層に含まれる単位面積当たりの銀含有量をP、後述する抽出試験より測定される単位面積当たりの銀イオン量をQとした場合、以下の式(1)および式(2)の関係を満たす、抗菌層付き基材。
式(1) 6.0≦P/Q
式(2) 15.0≦Q
ここで、Pの単位はng/cmであり、Qの単位はng/cmである。
(2) 式(3)の関係を満たす、(1)に記載の抗菌層付き基材。
式(3) 15.0≦Q≦25.0
(3) 第1抗菌剤が、銀、並びに、リン酸亜鉛カルシウムおよびリン酸カルシウムからなる群から選択されるいずれか一つの担体を含み、
第2抗菌剤が、銀、並びに、ゼオライトからなる担体を含む、(1)または(2)に記載の抗菌層付き基材。
(4) 抗菌層が親水性基を有するポリマーを含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の抗菌層付き基材。
(5) 親水性基がポリオキシアルキレン基を含む、(4)に記載の抗菌層付き基材。
(6) (1)〜(5)のいずれかに記載の抗菌層付き基材を表面に有する、放射線撮影装置。
(7) (1)〜(5)のいずれかに記載の抗菌層付き基材を表面に有する、タッチパネル。
(8) 抗菌剤を含む抗菌シートであって、
抗菌剤が、銀を含む第1抗菌剤と、第1抗菌剤とは異なる、銀を含む第2抗菌剤とを含み、
抗菌シートに含まれる単位面積当たりの銀含有量をP、後述する抽出試験より測定される単位面積当たりの銀イオン量をQとした場合、以下の式(1)および式(2)の関係を満たす、抗菌シート。
式(1) 6.0≦P/Q
式(2) 15.0≦Q
ここで、Pの単位はng/cmであり、Qの単位はng/cmである。
(9) 式(3)の関係を満たす、(8)に記載の抗菌シート。
式(3) 15.0≦Q≦25.0
(10) 第1抗菌剤が、銀、並びに、リン酸亜鉛カルシウムおよびリン酸カルシウムからなる群から選択されるいずれか一つ担体を含み、
第2抗菌剤が、銀、および、ゼオライトからなる担体を含む、(8)または(9)に記載の抗菌シート。
(11) さらに、親水性基を有するポリマーを含む、(8)〜(10)のいずれかに記載の抗菌シート。
(12) 親水性基がポリオキシアルキレン基を含む、(11)に記載の抗菌シート。
本発明によれば、短時間で抗菌作用を示すと共に、抗菌性を長時間維持できる抗菌層を備える抗菌層付き基材を提供することができる。
また、本発明によれば、抗菌シート、並びに、上記抗菌層付き基材を備える放射線撮影装置およびタッチパネルを提供することもできる。
本発明の抗菌層付き基材の一実施態様の断面図である。
以下に、本発明の抗菌層付き基材、抗菌シート、放射線撮影装置およびタッチパネルについて説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の特徴点の一つとしては、銀を含む抗菌剤を2種使用すると共に、抗菌層からの銀量の溶出量を制御している点が挙げられる。特に、抗菌層に含まれる単位面積当たりの銀含有量Pと、後述する抽出試験より測定される単位面積当たりの銀イオン量Qとを所定の範囲に調整することにより、所望の効果が得られることを見出している。
なお、本発明のより優れた態様としては、後述するように、第1抗菌剤が、銀、並びに、リン酸亜鉛カルシウムおよびリン酸カルシウムからなる群から選択されるいずれか一つの担体を含み、第2抗菌剤が、銀、並びに、ゼオライトからなる担体を含む態様が挙げられる。この場合、第1抗菌剤から溶出した銀イオンの一部が、一旦第2抗菌剤の中の多孔性の担体に再び保持され、保持された銀イオンが第1抗菌剤からの銀イオンの溶出が終わった後に進行するために、結果として銀イオンがより長時間にわたって溶出し続けることを見出している。
以下では、まず、本発明の抗菌層付き基材について詳述する。
図1は、本発明の抗菌層付き基材の一実施態様の断面図である。図1に示すように、抗菌層付き基材10は、基材12と、基材12上に配置された抗菌層14とを有する。なお、抗菌層14は、基材12の表面の少なくとも一部に配置されていればよい。
以下、各部材について詳述する。
<基材>
基材は、抗菌層を支持する役割を果たし、その種類は特に制限されない。また、基材は、後述するように各種装置の一部(例えば、前面板)を構成するものであってもよい。
基材の形状は特に制限されないが、板状、フィルム状、シート状、チューブ状、繊維状、粒子状などが挙げられる。また、後述する抗菌層が配置される基材表面は、平坦面でも、凹面でも、凸面でもよい。
基材を構成する材料は特に制限されず、例えば、金属、ガラス、セラミックス、プラスチック(樹脂)などが挙げられる。なかでも、取り扱い性の点から、プラスチックが好ましい。言い換えれば、樹脂基材が好ましい。
<抗菌層>
抗菌層は、基材の表面の少なくとも一部に配置され、抗菌作用を有する層である。
抗菌層は、銀を含む第1抗菌剤(以後、単に「第1抗菌剤」とも称する)と、第1抗菌剤とは異なる、銀を含む第2抗菌剤(以後、単に「第2抗菌剤」とも称する)を少なくとも含む。つまり、抗菌層に、2種の銀を含む抗菌剤(以後、単に「銀系抗菌剤」とも称する)が少なくとも含まれる。
第1抗菌剤および第2抗菌剤としては、銀(銀原子)が含まれていればよく、その種類は特に制限されない。また、銀の形態も特に制限されず、例えば、金属銀、銀イオン、銀塩(銀錯体を含む)など形態で含まれる。なお、本明細書では、銀錯体は銀塩の範囲に含まれる。
なお、銀塩としては、例えば、酢酸銀、アセチルアセトン酸銀、アジ化銀、銀アセチリド、ヒ酸銀、安息香酸銀、フッ化水素銀、臭素酸銀、臭化銀、炭酸銀、塩化銀、塩素酸銀、クロム酸銀、クエン酸銀、シアン酸銀、シアン化銀、(cis,cis−1,5−シクロオクタジエン)−1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン酸銀、ジエチルジチオカルバミン酸銀、フッ化銀(I)、フッ化銀(II)、7,7−ジメチル−1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−4,6−オクタンジオン酸銀、ヘキサフルオロアンチモン酸銀、ヘキサフルオロヒ酸銀、ヘキサフルオロリン酸銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、イソチオシアン酸銀、シアン化銀カリウム、乳酸銀、モリブデン酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、酸化銀(I)、酸化銀(II)、シュウ酸銀、過塩素酸銀、ペルフルオロ酪酸銀、ペルフルオロプロピオン酸銀、過マンガン酸銀、過レニウム酸銀、リン酸銀、ピクリン酸銀一水和物、プロピオン酸銀、セレン酸銀、セレン化銀、亜セレン酸銀、スルファジアジン銀、硫酸銀、硫化銀、亜硫酸銀、テルル化銀、テトラフルオロ硼酸銀、テトラヨードムキュリウム酸銀、テトラタングステン酸銀、チオシアン酸銀、p−トルエンスルホン酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀、トリフルオロ酢酸銀およびバナジン酸銀等が挙げられる。
また、銀錯体の一例としては、ヒスチジン銀錯体、メチオニン銀錯体、システイン銀錯体、アスパラギン酸銀錯体、ピロリドンカルボン酸銀錯体、オキソテトラヒドロフランカルボン酸銀錯体またはイミダゾール銀錯体などが挙げられる。
第1抗菌剤および第2抗菌剤としては、例えば、上記銀塩などの有機系の抗菌剤と、後述する担体を含む無機系の抗菌剤が挙げられるが、その種類は特に制限されない。
なかでも、短時間で抗菌作用を示す、および/または、抗菌性を長時間維持できる点(以後、単に「本発明の効果がより優れる点」とも称する)で、第1抗菌剤および第2抗菌剤が、担体と、担体上に担持された銀とを含む銀担持担体であることが好ましい。
担体の種類は特に制限されず、リン酸亜鉛カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、リン酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト、リン酸チタン、チタン酸カリウム、含水酸化ビスマス、含水酸化ジルコニウム、ハイドロタルサイトなどが挙げられる。なお、ゼオライトとしては、例えば、チャバサイト、モルデナイト、エリオナイト、クリノプチロライト等の天然ゼオライト、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト等の合成ゼオライトが挙げられる。
上記銀担持担体の平均粒径は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、0.1〜10μmが好ましく、0.1〜2μmがより好ましい。なお、上記平均粒径は、顕微鏡により少なくとも10個の任意の銀担持担体の直径を測定し、それらを算術平均した値である。
なお、上述したように、銀は、銀イオン、金属銀、および、銀塩のいずれの形態で含まれていてもよい。
第2抗菌剤の好適態様としては、担体として多孔質体(例えば、ゼオライト、リン酸ジルコニウム、リン酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム)を用いた銀担持担体であることが好ましい。
また、第1抗菌剤および第2抗菌剤の最好適態様としては、本発明の効果がより優れる点で、第1抗菌剤が、銀、並びに、リン酸亜鉛カルシウムおよびリン酸カルシウムからなる群から選択されるいずれか一つの担体を含み、第2抗菌剤が、銀、並びに、ゼオライトからなる担体を含むことが好ましい。言い換えれば、第1抗菌剤が、リン酸亜鉛カルシウムおよびリン酸カルシウムからなる群から選択されるいずれか一つの担体と、この担体に担持された銀とを含む銀担持触媒であり、第2抗菌剤がゼオライトからなる担体と、この担体に担持された銀とを含む銀担持触媒である。
第1抗菌剤および第2抗菌剤中における銀の含有量は特に制限されないが、例えば、上記銀担持担体の場合、銀の含有量は、銀担持担体全質量に対して、0.1〜30質量%が好ましく、0.3〜10質量%がより好ましい。
抗菌層中における上記第1抗菌剤および上記第2抗菌剤の総含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、抗菌層全質量に対する銀の含有量が0.0001〜1質量%(好ましくは、0.001〜0.1質量%)となるように第1抗菌剤および第2抗菌剤を抗菌層に含有させることが好ましい。
なお、抗菌層中における銀量は、第1抗菌剤中の銀および第2抗菌剤中の銀の合計量を意図する。
また、抗菌層中における第1抗菌剤(または第2抗菌剤)の含有量は特に制限されないが、抗菌層の機械的強度がより優れ、本発明の効果がより優れる点で、抗菌層全質量に対して、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.01〜1質量%がさらに好ましい。
抗菌層には、上述した、第1抗菌剤および第2抗菌剤以外の成分が含まれていてもよい。
例えば、抗菌層には、親水性基を有するポリマー(以後、単に「親水性ポリマー」とも称する)が含まれていてもよい。抗菌層に親水性ポリマーが含まれることにより、抗菌層がより親水性を示し、水などを用いた洗浄により抗菌層上に付着した汚染物質をより容易に除去することが可能となる。
親水性基の種類は特に制限されず、例えば、ポリオキシアルキレン基(例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、オキシエチレン基とオキシプロピレン基がブロックまたはランダム結合したポリオキシアルキレン基)、アミノ基、カルボキシル基、カルボキシル基のアルカリ金属塩、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基、スルファモイル基、スルホン酸基、スルホン酸基のアルカリ金属塩などが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、ポリオキシアルキレン基が好ましい。
親水性ポリマーの主鎖の構造は特に制限されず、例えば、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレアなどが挙げられる。
なお、ポリ(メタ)アクリレートとは、ポリアクリレートおよびポリメタクリレートの両方を含む概念である。
親水性ポリマーの好適態様の一つとしては、上記親水性基を有するモノマー(以後、単に「親水性モノマー」とも称する)を重合させて得られるポリマーが挙げられる。
親水性モノマーとは、上記親水性基と重合性基とを有する化合物を意図する。親水性基の定義は上述の通りである。
親水性モノマー中における親水性基の数は特に制限されないが、抗菌層がより親水性を示す点より、2個以上が好ましく、2〜6個がより好ましく、2〜3個がさらに好ましい。
重合性基の種類は特に制限されず、例えば、ラジカル重合性基、カチオン重合性基、アニオン重合性基などが挙げられる。ラジカル重合性基としては、(メタ)アクリロイル基、アクリルアミド基、ビニル基、スチリル基、アリル基などが挙げられる。カチオン重合性基としては、ビニルエーテル基、オキシラニル基、オキセタニル基などが挙げられる。なかでも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
なお、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基およびメタアクリロイル基の両方を含む概念である。
親水性モノマー中における重合性基の数は特に制限されないが、得られる抗菌層の機械的強度がより優れる点で、2個以上が好ましく、2〜6個がより好ましく、2〜3個がさらに好ましい。
親水性モノマーの好適態様の一つとしては、以下の式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006092144
式(1)中、Rは、置換基(1価の置換基)を表す。置換基の種類は特に制限されず、公知の置換基が挙げられ、例えば、ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基(例えば、アルキル基、アリール基)、上記親水性基などが挙げられる。
は、重合性基を表す。重合性基の定義は上述の通りである。
は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基の種類は特に制限されず、例えば、−O−、−CO−、−NH−、−CO−NH−、−COO−、−O−COO−、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリール基、および、それらの組み合わせが挙げられる。
は、ポリオキシアルキレン基を表す。ポリオキシアルキレン基とは、以下の式(2)で表される基を意図する。
式(2) *−(OR−*
式(2)中、Rは、アルキレン基(例えば、エチレン基、プロピレン基)を表す。mは、2以上の整数を表し、2〜10が好ましく、2〜6がより好ましい。なお、*は、結合位置を表す。
nは、1〜4の整数を表す。
親水性ポリマーを得る際には、上記親水性モノマーと他のモノマー(親水性基を含まないモノマー)とを併用してもよい。つまり、親水性モノマーと、他のモノマー(親水性モノマー以外のモノマー)とを共重合させて得られる親水性ポリマーを使用してもよい。
他のモノマーの種類は特に制限されず、重合性基を有する公知のモノマーであれば適宜使用できる。重合性基の定義は、上述の通りである。
なかでも、抗菌層の機械的強度がより優れる点で、重合性基を2以上有する多官能モノマーが好ましい。多官能モノマーは、いわゆる架橋剤として作用する。
多官能モノマー中に含まれる重合性基の数は特に制限されず、抗菌層の機械的強度がより優れる点、および、取り扱い性の点から、2〜10個が好ましく、2〜6個がより好ましい。
多官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートが挙げられる。
親水性モノマーと他のモノマー(特に、多官能モノマー)との混合比(親水性モノマーの質量/他のモノマーの質量)は特に制限されないが、抗菌層の親水性の制御がしやすい点から、0.01〜10が好ましく、0.1〜10がより好ましい。
なお、抗菌層中における上記親水性ポリマーの含有量は特に制限されないが、抗菌層上の汚染物質の洗浄による除去性がより優れる点で、抗菌層全質量に対して、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。
(抗菌層の製造方法)
抗菌層の製造方法は特に制限されず、公知の方法が採用できる。例えば、上述した第1抗菌剤および第2抗菌剤を含む組成物を基材上に塗布して抗菌層を形成する方法や、別途作製した第1抗菌剤および第2抗菌剤を含む抗菌シートを基材上の所定の位置に貼り付ける方法などが挙げられる。
なかでも、抗菌層の厚みや表面凹凸の調整がより容易である点から、上述した、親水性モノマー、並びに、第1抗菌剤および第2抗菌剤を含む組成物(硬化性組成物)を基材上の所定の位置に塗布して塗膜を形成し、塗膜に硬化処理を施すことにより抗菌層を形成する方法(塗布法)が好ましい。
組成物には、第1抗菌剤および第2抗菌剤が含まれるが、他の成分(上記他のモノマー、滑剤、溶媒(水または有機溶媒))が含まれていてもよい。
なお、組成物には、重合開始剤が含まれていてもよい。重合開始剤が含まれることにより、塗膜中での重合がより効率よく進行し、機械的強度に優れる抗菌層が形成される。重合開始剤の種類は特に制限されず、硬化処理の方法により最適な種類が選択されるが、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤が選択される。より具体的には、ベンゾフェノン、フェニルフォスフィンオキシドなどの芳香族ケトン類、α−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物(BASF IRGACURE184、127、2959、DAROCUR1173など)、フェニルフォスフィンオキシド系化合物(MAPO:BASF LUCIRIN TPO、BAPO:BASF IRGACURE 819)などが挙げられる。
組成物中に含まれる重合開始剤の含有量は特に制限されないが、親水性モノマーおよび他のモノマーの合計質量100質量部に対して、0.1〜15質量部が好ましく、1〜6質量部がより好ましい。
組成物を塗布する方法は特に制限されず、公知の塗布方法が採用される。
また、硬化処理の方法は特に制限されず、加熱処理または光照射処理が挙げられる。
(抗菌層の特性)
抗菌層の平均厚みは特に制限されないが、機械的特性および抗菌性の点からは、0.5〜20μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。
なお、抗菌層の平均厚みの測定方法としては、抗菌層のサンプル片を樹脂に包埋して、ミクロトームで断面を削り出し、削り出した断面を走査電子顕微鏡で観察し測定する。抗菌層の任意の10点の位置における厚みを測定し、それらを算術平均する。
抗菌層の表面の水接触角は特に制限されないが、洗浄などによる抗菌層上の汚染物質の除去性がより優れ、抗菌性がより優れる点で、40°以下が好ましく、30°以下がより好ましく、25°以下がさらに好ましい。下限は特に制限されないが、使用される材料特性の点から、5°以上の場合が多い。
なお、本明細書において、水接触角は、JIS R 3257:1999の静滴法に基づいて測定を行う。測定には、株式会社ニック製LSE-ME1(ソフトウェア2win mini)を用いる。より具体的には、純水を用いて室温20℃で、水平を保った抗菌層表面上に液滴2μlを滴下し、滴下後20秒時点での接触角を測定する。
<抗菌層付き基材>
上記で述べた基材と抗菌層とを備える抗菌層付き基材は、抗菌層に含まれる単位面積当たりの銀含有量をP(ng/cm)、以下の抽出試験より測定される単位面積当たりの銀イオン量をQ(ng/cm)とした場合、以下の式(1)および式(2)の関係を満たす。
式(1) 6.0≦P/Q
式(2) 15.0≦Q
以下では、まず、上記PおよびQの測定方法について詳述する。
抗菌層に含まれる単位面積当たりの銀含有量P(ng/cm)とは、抗菌層中に含まれる銀量(ng)を抗菌層の主面の面積(cm)で除した値である。なお、抗菌層の主面の面積とは、図1においては、抗菌層14の基材12側とは反対側の主面14aの面積を意図する。
銀含有量Pの値が大きいほど抗菌層中に含まれる銀量が多いことを意図し、銀含有量Pの大きさは、上記式(1)の関係を満たしていれば特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、90ng/cm以上が好ましく、120ng/cm以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、膜の変色や脆化を防止する観点から、10000ng/cm以下が好ましく、1000ng/cm以下がより好ましい。
銀含有量Pの測定方法は、所定の大きさ(面積)に調整した抗菌層を用いて、原子吸光分析(イエナ製 cotrAA700)により抗菌層中の銀量を測定し、得られた銀量を上記面積で除して、銀含有量Pを求める。より具体的には、抗菌層に含まれる銀を全て溶出させ、得られた溶液を用いて上記原子吸光分析して、あらかじめ作成しておいた検量線から銀量を求めて、抗菌層の面積で除して、銀含有量Pを求める。抗菌層に含まれる銀を全て溶出させる方法としては、無機分析における前処理として一般的に知られる湿式灰化処理を用いる。
以下、抽出試験の方法について詳述する。
抽出試験では、JIS Z 2801:2010に規定された1/500普通ブイヨン培地を抽出液として用いる。この抽出液の温度を35±1℃に制御して、抗菌層付き基材中の抗菌層(抗菌層の面積:4cm(2cm×2cm))と抽出液(液量:9mL)とを1時間接触させる。なお、抗菌層と抽出液とを接触させる方法としては、抽出液中に抗菌層付き基材を浸漬する方法が実施される。
次に、1時間終了後、抽出液から抗菌層付き基材を回収して、抽出液に抽出された銀イオン量(ng)を測定する。抽出液中の銀イオン量の測定は、原子吸光分析(装置名イエナ製 cotrAA700)を用いて実施し、あらかじめ作成した検量線より銀イオン量を求める。
なお、銀イオン量を測定する際には、必要に応じて、測定の安定性を高めるため、抽出液に硝酸(約1mL)を加えることが好ましい。
次に、得られた銀イオン量を、抗菌層の抽出液との接触面積(4cm)で除して、単位面積当たりの銀イオン量Q(ng/cm)を算出する。抗菌層の抽出液との接触面積とは、抗菌層と抽出液とを接触させた際に抗菌層表面の抽出液と接触していた面積を意図し、例えば、図1においては抗菌層14の基材12側とは反対側の主面14aの面積を意図する。
この得られた銀イオン量Qは、抗菌層からの銀イオンの溶出(抽出)の程度を表しており、以下の式(2)の関係を満たす。式(2)は、Qが15.0ng/cm以上であることを意図する。
式(2) 15.0≦Q
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、式(3)の関係を満たすことが好ましい。
式(3) 15.0≦Q≦25.0
さらに、本発明の効果がより優れる点で、Qは17.0〜24.0ng/cmが好ましく、19.0〜21.0ng/cmがより好ましい。
銀イオン量Qが15.0ng/cm未満の場合、短時間での抗菌性に劣る。
上述した銀含有量Pと銀イオン量Qとは、以下の式(1)の関係を満たす。式(1)は、P/Qが6.0以上であることを意図する。なお、P/Qは、PをQで除した値である。
式(1) 6.0≦P/Q
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、P/Qは7.0以上が好ましく、10.0以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、抗菌性の持続効果が飽和する点から、20.0以下が好ましく、15.0以下がより好ましい。
P/Qが6未満の場合、長時間にわたって所定の抗菌性を示すことができない。
上記抗菌層付き基材は、種々の用途に適用することができ、種々の装置の表面に配置することができる。この抗菌層付き基材が表面に配置された装置は、短時間での抗菌性、および、長時間にわたった抗菌性が得られる。
抗菌層付き基材が適用される装置としては、例えば、放射線撮影装置、タッチパネルなどが挙げられる。
なお、上述した抗菌層は、それ自体を抗菌シートとして使用することもできる。抗菌シートの構成は上述した抗菌層と同じであり、上記抽出試験も抗菌層の代わりに抗菌シートを用いて実施される。つまり、上述した所定の抽出液と抗菌シートとを接触させ、抽出液に抽出された銀イオン量を測定し、得られた値を抗菌シートの抽出液との接触面積で除して、得られた単位面積当たりの銀イオン量が、上述した所定の範囲であればよい。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(硬化性組成物の調製)
以下に示す各成分を混合して、硬化性組成物を調製した。
親水性モノマー:Miramer M4004(東洋ケミカルズ社製) 76質量部
架橋剤:A-DPH(新中村化学工業株式会社製) 21質量部
重合開始剤:IRGACURE(BASF社製) 3質量部
溶剤成分(その1):メチルアルコール 15質量部
溶剤成分(その2):プロピレングリコールモノメチルエーテル 35質量部
(抗菌剤の調製)
(第1抗菌剤:リン酸亜鉛カルシウムに担持された銀を含む抗菌剤)
水酸化カルシウム、酸化亜鉛およびリン酸を反応させ、リン酸塩を得た。これに硝酸銀を添加し、洗浄、ろ過、乾燥、破砕することで、第1抗菌剤(銀担持担体)を得た。得られた第1抗菌剤の平均粒径は1μmであり、銀イオン含有量は3質量%相当であった。
(第2抗菌剤:ゼオライトに担持された銀を含む抗菌剤)
硝酸銀水溶液にゼオライトを接触させて、ゼオライト中のイオン交換可能なイオンと銀イオンとを置換させることで、第2抗菌剤を得た。得られた第2抗菌剤の平均粒径は1.51μmであり、銀イオン含有量は0.5質量%相当であった。
<実施例および比較例>
上記で調製された硬化性組成物の全固形分100質量部に対して、表1に示す割合(質量部)に従って、第1抗菌剤および第2抗菌剤を添加して混合し、抗菌層形成用の硬化性組成物を調製した。
得られた抗菌層形成用の硬化性組成物を、ポリカーボネートシート(旭硝子製カーボグラスCFR110C)に塗布し、60℃で30分乾燥させたあと、UV照射によりモノマーを硬化させることで、抗菌層を形成し、評価サンプル(抗菌層付き基材)を作製した。
<評価>
得られた実施例および比較例の評価サンプルを用いて、以下の評価を行った。結果は表1にまとめて示す。
(銀含有量Pの測定)
上記実施例および比較例で作製した評価サンプルを、抗菌層の大きさ(面積)が25cmとなるように切り出した。その後、得られたサンプルに湿式灰化処理を行い、あらかじめ作成した検量線を用いながら原子吸光分析(イエナ製 cotrAA700)で銀含有量(ng)を求め、得られた値を抗菌層の面積で除して、銀含有量P(ng/cm)を求めた。
(銀イオン量Qの測定)
上記実施例および比較例で作製した評価サンプルを、抗菌層の大きさ(面積)が4cmとなるように切り出した。切り出した評価サンプルを菌液(JIS Z 2801:2010に規定された1/500普通ブイヨン培地)9mlに35℃下で1時間浸漬した。この菌液に硝酸を1ml添加し、あらかじめ作成した検量線を用いながら原子吸光分析(イエナ製 cotrAA700)で銀イオン量を求め、得られた値を抗菌層の面積で除して、銀イオン量Q(ng/cm)を求めた。
(抗菌性)
抗菌性評価は、JIS Z 2801:2010に記載の評価方法に準拠し、菌液への接触時間24時間を1時間に変更して試験を実施した。それぞれの試験後の菌数(個/cm2)を測定し、以下の基準に従って評価を行った。菌種は大腸菌を用いた。試験が成立していることを確認するため、抗菌層を設けていないポリカーボネートシート(旭硝子製カーボグラスCFR110C)を同時に評価し、1時間接触後の菌数(個/cm2)が、6.2×102(個/cm2)以上であることを確認した。実用上、「A」または「B」が好ましい。
「A」:菌数が1個/cm2未満
「B」:菌数が1個/cm2以上10個/cm2未満
「C」:菌数が10個/cm2以上
(耐久性試験後の抗菌性評価)
上記手順で作製した評価サンプルが長時間にわたって抗菌性が得られることを評価するために、以下の耐久性試験を実施した。通常、部材表面に配置された抗菌層は、汚れが付着すると、水拭きされる場合が多く、このときの銀が水に溶出してしまい、抗菌性が低下する主要因となる。従って、以下の摩耗試験後においても優れた抗菌性を示せば、抗菌層が使用された際にも長期間にわたって抗菌性を維持できることがわかる。
耐久性試験は、上記手順で作製した評価サンプル(抗菌層付き基材)の抗菌層表面に荷重500gをかけながら湿布で36000回摩擦したあと、上記(抗菌性)で述べた方法にて抗菌性の評価実験を実施し、以下の基準に従って評価を行った。菌種は大腸菌を用いた。湿布は、純水を浸したポリエステル布(製品名 アンティコン)を用いた。実用上、「A」または「B」が好ましい。
「A」:菌数が1個/cm2未満
「B」:菌数が1個/cm2以上10個/cm2未満
「C」:菌数が10個/cm2以上
表1中の「銀含有率(wt%)」は、抗菌層中に含まれる銀の抗菌層全質量に対する割合(質量%)を意図する。
Figure 0006092144
表1に示すように、本発明の抗菌層付き基材は、短時間での抗菌性に優れると共に、長時間にわたった抗菌性にも優れることが確認された。特に、実施例2〜4に示すようにP/Qが10以上の場合、より優れた効果が得られることが確認された。
一方、所定の要件を満たさない比較例1〜8では、所望の効果が得られなかった。
10 抗菌層付き基材
12 基材
14 抗菌層

Claims (12)

  1. 基材と、前記基材表面の少なくとも一部に配置された抗菌層とを有する、抗菌層付き基材であって、
    前記抗菌層が、銀を含む第1抗菌剤と、前記第1抗菌剤とは異なる、銀を含む第2抗菌剤とを有し、
    前記抗菌層に含まれる単位面積当たりの銀含有量をP、以下の抽出試験より測定される単位面積当たりの銀イオン量をQとした場合、以下の式(1)および式(2)の関係を満たす、抗菌層付き基材。
    式(1) 6.0≦P/Q
    式(2) 15.0≦Q
    ここで、Pの単位はng/cmであり、Qの単位はng/cmである。
    また、前記抽出試験は、JIS Z 2801:2010に規定された1/500普通ブイヨン培地を抽出液として用い、前記抽出液の温度を35±1℃に制御して、前記抗菌層付き基材中の前記抗菌層と前記抽出液とを1時間接触させ、前記抽出液に抽出された銀イオン量を測定し、得られた値を前記抗菌層の前記抽出液との接触面積で除して、単位面積当たりの銀イオン量であるQを得る試験である。
  2. 式(3)の関係を満たす、請求項1に記載の抗菌層付き基材。
    式(3) 15.0≦Q≦25.0
  3. 前記第1抗菌剤が、銀、並びに、リン酸亜鉛カルシウムおよびリン酸カルシウムからなる群から選択されるいずれか一つの担体を含み、
    前記第2抗菌剤が、銀、並びに、ゼオライトからなる担体を含む、請求項1または2に記載の抗菌層付き基材。
  4. 前記抗菌層が親水性基を有するポリマーを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗菌層付き基材。
  5. 前記親水性基がポリオキシアルキレン基を含む、請求項4に記載の抗菌層付き基材。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の抗菌層付き基材を表面に有する、放射線撮影装置。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の抗菌層付き基材を表面に有する、タッチパネル。
  8. 抗菌剤を含む抗菌シートであって、
    前記抗菌剤が、銀を含む第1抗菌剤と、前記第1抗菌剤とは異なる、銀を含む第2抗菌剤とを含み、
    前記抗菌シートに含まれる単位面積当たりの銀含有量をP、以下の抽出試験より測定される単位面積当たりの銀イオン量をQとした場合、以下の式(1)および式(2)の関係を満たす、抗菌シート。
    式(1) 6.0≦P/Q
    式(2) 15.0≦Q
    ここで、Pの単位はng/cmであり、Qの単位はng/cmである。
    また、前記抽出試験は、JIS Z 2801:2000に規定された1/500普通ブイヨン培地を抽出液として用い、前記抽出液の温度を35±1℃に制御して、前記抗菌シートと前記抽出液とを1時間接触させ、前記抽出液に抽出された銀イオン量を測定し、得られた値を前記抗菌シートの前記抽出液との接触面積で除して、単位面積当たりの銀イオン量を得る試験である。
  9. 式(3)の関係を満たす、請求項8に記載の抗菌シート。
    式(3) 15.0≦Q≦25.0
  10. 前記第1抗菌剤が、銀、並びに、リン酸亜鉛カルシウムおよびリン酸カルシウムからなる群から選択されるいずれか一つ担体を含み、
    前記第2抗菌剤が、銀、および、ゼオライトからなる担体を含む、請求項8または9に記載の抗菌シート。
  11. さらに、親水性基を有するポリマーを含む、請求項8〜10のいずれか1項に記載の抗菌シート。
  12. 前記親水性基がポリオキシアルキレン基を含む、請求項11に記載の抗菌シート。
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