JP2023027804A - 抗ウイルス性成形体およびその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】新型コロナウイルスなどのウイルスを不活性化できる抗ウイルス性成形体を提供する。【解決手段】銀系抗ウイルス剤を含み、表面のぬれ張力が40~60mN/mであり、かつ水で抽出した単位面積当たりの銀イオン量が200ng/cm2以上である抗ウイルス性成形体を調製する。前記抗ウイルス性成形体は、親水性基を有する樹脂をさらに含んでいてもよい。前記抗ウイルス性成形体は、前記樹脂が硬化性樹脂であり、前記硬化性樹脂および前記抗ウイルス剤を含む硬化性組成物の硬化物であってもよい。前記抗ウイルス性成形体は、表面の水接触角が40°以下であってもよい。前記抗ウイルス性成形体は、コロナウイルスを温度25℃で24時間作用させたとき、感染価の対数減少値が2以上であってもよい。前記抗ウイルス性成形体は、基材表面の少なくとも一部の領域に積層された抗ウイルス層であってもよい。【選択図】なし

Description

本開示は、抗ウイルス性を有する成形体およびその用途に関する。
各種製品・部材の表面には、目的に応じ加工が施され、各種機能が付与されることが多い。その中でも、近年、基材表面に抗菌・抗ウイルス層を設ける技術が注目を集めている。例えば、医療現場で使われる医療装置は、複数の患者と連続的に接触するものが多い。また、タッチパネルの表面は不特定多数の操作者が直接指で触れるため、その表面に細菌やウイルス等が繁殖していると病気に感染する虞がある。そこで、各種装置の表面に抗菌・抗ウイルス層を設けることにより、病気の感染のリスクを低減することが可能となる。このような技術としては、例えば、特許文献1においては、銀を含む抗菌剤および親水性基を有するモノマーを含む硬化性組成物の硬化物組成物に硬化処理した抗菌層を有する抗菌層付き基材が開示されている。特許文献2においては、酸化チタン粉末と亜酸化銅(酸化銅(I):CuO)粉末との混合物である抗ウイルス剤を含む抗ウイルス性基材が開示されている。
特開2015-189196号公報 特許第6159895号公報
しかし、特許文献1および2の基材では、抗ウイルス活性が十分ではなく、例えば、2020年2月頃から世界的に流行している新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対して不活性化することはできなかった。
従って、本開示の目的は、新型コロナウイルスなどのウイルスを不活性化できる抗ウイルス性成形体およびその用途を提供することにある。
本発明者等は、銀系抗ウイルス剤を含み、表面のぬれ張力が40~60mN/mに調整され、かつ水で抽出した単位面積当たりの銀イオン量が200ng/cm以上に調整された抗ウイルス性成形体が新型コロナウイルスなどのウイルスを不活性化できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本開示の抗ウイルス性成形体は、銀系抗ウイルス剤を含み、表面のぬれ張力が40~60mN/mであり、かつ水で抽出した単位面積当たりの銀イオン量が200ng/cm以上である。前記抗ウイルス性成形体は、親水性基を有する樹脂をさらに含んでいてもよい。前記抗ウイルス性成形体は、前記樹脂が硬化性樹脂であり、前記硬化性樹脂および前記銀系抗ウイルス剤を含む硬化性組成物の硬化物であってもよい。前記抗ウイルス性成形体は、表面の水接触角が40°以下であってもよい。前記抗ウイルス性成形体は、コロナウイルス(SARS-CoV-2)を温度25℃で24時間作用させたとき、感染価の対数減少値が2以上であってもよい。前記抗ウイルス性成形体は、基材表面の少なくとも一部の領域に積層された抗ウイルス層であってもよい。
本発明には、基材と、この基材表面の少なくとも一部の領域に積層された抗ウイルス層とを含む複合成形体であって、前記抗ウイルス層が前記抗ウイルス性成形体である複合成形体も含まれる。前記基材は、透明材料であってもよい。前記透明材料は、ガラス、セルロースエステル、(メタ)アクリル系重合体、ポリエステルまたはポリカーボネートであってもよい。
本発明には、前記複合成形体を含むタッチパネルセンサーも含まれる。
本発明には、銀系抗ウイルス剤を含む抗ウイルス性成形体において、表面のぬれ張力を40~60mN/mに調整し、かつ水で抽出した単位面積当たりの銀イオン量を200ng/cm以上に調整することにより、コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染価を低減する方法も含まれる。
本開示では、抗ウイルス性成形体が銀系抗ウイルス剤を含み、表面のぬれ張力が40~60mN/mに調整され、かつ水で抽出した単位面積当たりの銀イオン量が200ng/cm以上に調整されているため、ウイルスを不活性化でき、特に、コロナウイルスを効果的に不活性化できる。
[抗ウイルス性成形体]
本開示の抗ウイルス性成形体は、銀系抗ウイルス剤を含み、表面特性として、濡れ特性および抽出銀イオン量(水を抽出液とした特定の抽出試験による銀イオン量)が特定の範囲に調整されている。
(表面特性)
本開示の抗ウイルス性成形体における表面のぬれ張力(濡れ指数)は40~60mN/m(40mN/m以上60mN/m以下)であり、好ましくは40~55mN/m、さらに好ましくは40~50mN/mである。ぬれ張力が小さすぎると、抗ウイルス性が低下する。特に、本開示の抗ウイルス性成形体では、後述する銀イオン量が高くても、ぬれ張力が小さいと、抗ウイルス性が低下する。一方、ぬれ張力が大きすぎると、表面の滑り性が低下する傾向があり、耐擦傷性試験において傷が入り易くなる。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、ぬれ張力は、慣用の方法で測定でき、例えば、JIS K 6768:1999に準拠して測定できる。
本開示の抗ウイルス性成形体における表面の水接触角は50°以下(特に40°以下)であってもよく、例えば1~40°、好ましくは2~35°、さらに好ましくは3~30°、より好ましくは4~20°、最も好ましくは5~10°である。水接触角が大きすぎると、抗ウイルス性が低下する虞がある。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、水接触角は、慣用の方法で測定でき、例えば、自動・動的接触角計を用いて測定でき、詳細には、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
本開示の抗ウイルス性成形体の水で抽出した単位面積当たりの銀イオン量は200ng/cm以上(例えば200~10000ng/cm程度)であり、好ましくは300ng/cm以上(例えば300~5000ng/cm)、さらに好ましくは500ng/cm以上(例えば500~3000ng/cm)、より好ましくは700ng/cm以上(例えば700~2000ng/cm)、最も好ましくは900ng/cm以上(例えば900~1500ng/cm)である。前記銀イオン量が少なすぎると、抗ウイルス性が低下する。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、前記銀イオン量は、サンプルを抽出液としての水に室温(23℃)および大気圧下で24時間浸漬させ、前記抽出液に抽出された銀イオン量を測定し、得られた値を前記サンプルにおける前記抽出液との接触面積で除して、単位面積当たりの銀イオン量を得る抽出試験によって測定でき、詳細には、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
(抗ウイルス剤)
本開示の抗ウイルス性成形体は、銀系抗ウイルス剤を含む。本開示では、銀系抗ウイルス剤の種類は、抗ウイルス性成形体の表面に前記銀イオン量を付与できればよく、特に限定されるものではない。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、銀系抗ウイルス剤は、銀単体、銀イオン、銀化合物の形態で銀を含む抗ウイルス剤を意味する。
銀化合物としては、例えば、酸化物[酸化銀(I)、酸化銀(II)など]、窒化物(アジ化銀など)、硫化物(硫化銀など)、シアン化物(シアン化銀、シアン化銀カリウムなど)、ハロゲン化物[フッ化銀(I)、フッ化銀(II)、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀など]、ハロゲン酸塩(塩素酸銀、臭素酸銀、ヨウ素酸銀など)、過ハロゲン酸銀塩(過臭素酸銀、過塩素酸銀など)、無機酸塩(例えば、硝酸銀、亜硝酸銀、硫酸銀、亜硫酸銀、シュウ酸銀、リン酸銀、炭酸銀、ヒ酸銀、シアン酸銀、ホウ酸銀、クロム酸銀、アンチモン酸銀、バナジン酸銀、モリブデン酸銀、モリブデン酸銀ナトリウム、タングステン酸銀、タングステン酸銀ナトリウム、セレン酸銀、亜セレン酸銀、過マンガン酸銀、過レニウム酸銀、テトラフルオロホウ酸銀、ヘキサフルオロリン酸銀、ヘキサフルオロヒ酸銀、ヘキサフルオロアンチモン酸銀など)、有機酸塩(酢酸銀、プロピオン酸銀、クエン酸銀、トルエンスルホン酸銀、安息香酸銀、トリフルオロ酢酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀、パーフルオロ酪酸銀など)、錯体(ヒスチジン銀錯体、メチオニン銀錯体、システイン銀錯体、アスパラギン酸銀錯体、ピロリドンカルボン酸銀錯体、オキソテトラヒドロフランカルボン酸銀錯体、イミダゾール銀錯体など)などが挙げられる。これらの銀化合物は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
これらの銀単体、銀イオンおよび銀化合物のうち、耐熱性や抗ウイルス性などの点から、酸化銀、モリブデン酸やタングステン酸などの無機酸の塩が好ましい。無機酸塩は、銀を含んでいればよく、複塩であってもよい。
銀系抗ウイルス剤は、担体に担持された形態であってもよい。担体としては、例えば、ゼオライト、リン酸塩(リン酸ジルコニウム、リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、リン酸亜鉛カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸チタンなど)、ハイドロタルサイト、シリカ、アルミナ、酸化チタンなどが挙げられる。
銀系抗ウイルス剤中における銀の割合は、例えば0.1質量%以上であってもよく、例えば0.1~90質量%、好ましくは0.3~50質量%、さらに好ましくは0.5~30質量%である。
銀系抗ウイルス剤の形状は、繊維状、粒状(球状、楕円体状、多面体状など)、不定形状などであってもよいが、取り扱い性などの点から、粒状が汎用される。
銀系抗ウイルス剤の個数平均粒径は、例えば0.01~30μm、好ましくは0.1~20μm、さらに好ましくは0.5~10μm、より好ましくは1~5μm、最も好ましくは2~4μmである。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、個数平均粒径は、レーザー回折散乱法などにより測定できる。
銀系抗ウイルス剤の割合は、抗ウイルス性成形体中0.001~30質量%程度の範囲から選択でき、例えば0.01~10質量%、好ましくは0.1~5質量%、さらに好ましくは0.3~3質量%、より好ましくは0.5~2質量%、最も好ましくは0.8~1.5質量%である。銀系抗ウイルス剤の割合が少なすぎると、抗ウイルス性が低下する虞があり、逆に多すぎると、抗ウイルス性成形体の機械的特性や成形性が低下する虞がある。
抗ウイルス性成形体が樹脂成分を含む場合、銀系抗ウイルス剤の割合は、樹脂成分(特に、硬化性樹脂)100質量部に対して、例えば0.01~10質量部、好ましくは0.05~5質量部、さらに好ましくは0.1~3質量部、より好ましくは0.3~2質量部、最も好ましくは0.4~1質量部である。
本開示の抗ウイルス性成形体は、抗ウイルス剤として、銀系抗ウイルス剤に加えて、他の抗ウイルス剤をさらに含んでいてもよい。他の抗ウイルス剤としては、銀系抗ウイルス剤以外の慣用の抗ウイルス剤を利用できる。慣用の抗ウイルス剤としては、例えば、銅を含む抗ウイルス剤、錫を含む抗ウイルス剤、亜鉛を含む抗ウイルス剤、有機系抗ウイルス剤などが挙げられる。これら他の抗ウイルス剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
他の抗ウイルス剤の割合は、銀系抗ウイルス剤100質量部に対して100質量部以下であり、例えば50質量部以下、好ましくは30質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。他の抗ウイルス剤の割合が多すぎると、抗ウイルス性が低下する虞がある。
銀系抗ウイルス剤の割合は、抗ウイルス剤中50質量%以上であってもよく、好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、より好ましくは99質量%以上であり、最も好ましくは100質量%である。
(樹脂成分)
本開示の抗ウイルス性成形体は、成形性および機械的特性のバランスに優れる点から、抗ウイルス剤に加えて、樹脂成分を含むのが好ましい。
樹脂成分は、成形体の表面に前記ぬれ張力を付与できる点から、親水性樹脂が好ましい。親水性樹脂は、抗ウイルス性成形体の表面に前記ぬれ張力を付与できれば、特に限定されず、熱可塑性樹脂であってもよく、硬化性樹脂であってもよい。また、樹脂成分は、主鎖が親水性骨格(ポリオキシエチレン骨格など)を有する樹脂、側鎖に親水性基(例えば、カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシル基、アミド基、スルホン酸基、4級アンモニウム塩基、エーテル基、ポリオキシエチレン基など)を有する樹脂のいずれであってもよい。これらのうち、機械的特性などに優れる点から、親水性基を有する樹脂が好ましく、成形性および機械的特性などに優れる点から、親水性基を有する硬化性樹脂(以下「親水性硬化性樹脂」と称する)が好ましい。
親水性硬化性樹脂は、親水性基を有する単量体(以下「親水性単量体」と称する)および/または親水性基を有するオリゴマー(または樹脂、特に低分子量樹脂)(以下「親水性オリゴマー」と称する)であってもよい。
親水性単量体としては、カルボキシル基(または酸無水物基)を有する単量体(カルボキシル基含有単量体)、ヒドロキシル基を有する単量体(ヒドロキシル基含有単量体)、アミド基を有する単量体(アミド基含有単量体)、スルホン酸基を有する単量体(スルホン酸基含有単量体)、4級アンモニウム塩基を有する単量体(4級アンモニウム塩基含有単量体)、エーテル基を有する単量体(エーテル基含有単量体)、ポリオキシエチレン基を有する単量体(ポリオキシエチレン基含有単量体)などが挙げられる。
カルボキシル基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などの不飽和カルボン酸またはその酸無水物;多価不飽和カルボン酸またはその酸無水物と直鎖または分岐鎖アルコールとのハーフエステル(マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノ2-エチルヘキシルなど)などが挙げられる。カルボキシル基含有単量体は、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などの塩であってもよい。
ヒドロキシル基含有単量体としては、不飽和脂肪酸のヒドロキシアルキルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシC2-6アルキルエステル;マレイン酸モノ2-ヒドロキシエチルメチル、マレイン酸ジ(2-ヒドロキシプロピル)などのマレイン酸モノまたはジヒドロキシC2-6アルキルエステルなど]、ヒドロキシル基を有する脂肪族、脂環族または芳香族ビニル化合物(例えば、α-ヒドロキシスチレンなど)などが挙げられる。
アミド基含有単量体としては、例えば、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基またはC1-4アシル基等の置換基で置換されていてもよいC2-8カルボン酸アミド[例えば、(メタ)アクリルアミド、α-エチル(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミドなど]などが挙げられる。
スルホン酸基含有単量体としては、例えば、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸などのスルホン酸基を有する脂肪族、脂環族または芳香族ビニル化合物などが挙げられる。スルホン酸基含有単量体は、ナトリウム塩などの塩であってもよい。
4級アンモニウム塩基含有単量体としては、例えば、4級アンモニウム塩基を有する(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
エーテル基含有単量体としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類などが挙げられる。
ポリオキシアルキレン基含有単量体としては、例えば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの親水性単量体は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらの親水性単量体のうち、カルボキシル基含有単量体、特に、(メタ)アクリル酸又はその塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩など)、ヒドロキシル基含有単量体[(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルなど]、ポリオキシアルキレン単位を有する単量体[ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなど]が好ましい。
親水性オリゴマーとしては、例えば、ビスフェノールA-エチレンオキシド付加体の(メタ)アクリレート、親水性基(例えば、カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシル基、アミド基、スルホン酸基、4級アンモニウム塩基、エーテル基、ポリオキシエチレン基など)を有するエポキシ(メタ)アクリレート[親水性基および2以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能性エポキシ(メタ)アクリレート]、前記親水性基を有するポリエステル(メタ)アクリレート[前記親水性基および2以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能性ポリエステル(メタ)アクリレート]、前記親水性基を有するウレタン(メタ)アクリレート[前記親水性基および2以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能性ウレタン(メタ)アクリレート]、前記親水性基を有するシリコーン(メタ)アクリレート[前記親水性基および2以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能性シリコーン(メタ)アクリレート]などが挙げられる。
これらの親水性オリゴマーは、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、親水性基を有するウレタン(メタ)アクリレートが好ましく、親水性基および複数の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレートが特に好ましい。
樹脂成分が親水性硬化性樹脂を含む場合、樹脂成分は、親水性基を有さない硬化性樹脂(以下「非親水性硬化性樹脂」と称する)をさらに含んでいてもよい。非親水性硬化性樹脂は、親水性基を有さない単量体(以下「非親水性単量体」と称する)および/または親水性基を有さないオリゴマー(以下「非親水性オリゴマー」と称する)であってもよい。
非親水性単量体としては、例えば、単官能性単量体[(メタ)アクリル酸エステルなどの(メタ)アクリル系単量体、ビニルピロリドンなどのビニル系単量体、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレートなどの橋架環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートなど]、2官能性単量体[エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどのアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(ポリ)オキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アダマンタンジ(メタ)アクリレートなどの橋架環式炭化水素基を有するジ(メタ)アクリレート]、3官能以上の多官能性単量体[グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの3~6官能性(メタ)アクリレートなど]などが挙げられる。
非親水性オリゴマーとしては、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂のいずれであってもよいが、生産性などの点から、光硬化性樹脂が好ましい。光硬化性樹脂(光硬化樹脂前駆体成分)は、紫外線や電子線などの活性エネルギー線により硬化または架橋して樹脂を形成可能な化合物であってもよい。
非親水性硬化性樹脂の割合は、親水性硬化性樹脂100質量部に対して100質量部以下であってもよく、好ましくは80質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、最も好ましくは10質量部以下である。非親水性硬化性樹脂の割合が多すぎると、成形体表面のぬれ張力が低下する虞がある。
親水性硬化性樹脂の割合は、樹脂成分中50質量%以上であってもよく、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、最も好ましくは100質量%である。
(硬化剤)
樹脂成分が親水性硬化性樹脂を含む場合、抗ウイルス性成形体は、親水性硬化性樹脂および銀系抗ウイルス剤を含む硬化性組成物の硬化物で形成されており、前記硬化性組成物は、親水性硬化性樹脂に加えて、親水性硬化性樹脂の種類に応じて、さらに硬化剤を含んでいてもよい。前記硬化性組成物は、例えば、熱硬化性樹脂では、アミン類、多価カルボン酸類などの硬化剤を含んでいてもよく、光硬化性樹脂では光重合開始剤を含んでいてもよい。光重合開始剤としては、慣用の成分、例えば、アセトフェノン類またはプロピオフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、アシルホスフィンオキシド類などが例示できる。
光重合開始剤などの硬化剤の割合は、親水性硬化性樹脂を含む硬化性樹脂100質量部に対して、例えば0.1~20質量部、好ましくは0.5~10質量部、さらに好ましくは1~5質量部である。
硬化性組成物は、さらに硬化促進剤を含んでいてもよい。特に、硬化性組成物は、光硬化性樹脂では、光硬化促進剤、例えば、第三級アミン類(ジアルキルアミノ安息香酸エステルなど)、ホスフィン系光重合促進剤などを含んでいてもよい。
(他の成分)
前記硬化性組成物は、さらに他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、慣用の添加剤、例えば、抗菌剤、抗カビ剤、防腐剤、レベリング剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、界面活性剤、水溶性高分子、カップリング剤(チタンカップリング剤、シランカップリング剤)、充填剤、架橋剤、着色剤、難燃剤、滑剤、ワックス、防曇剤、粘度調整剤、増粘剤、消泡剤などが挙げられる。他の成分の合計割合は、硬化性樹脂100質量部に対して、例えば0.01~100質量部、好ましくは0.1~10質量部、さらに好ましくは0.5~5質量部である。
(抗ウイルス性)
本開示の抗ウイルス性成形体は抗ウイルス性に優れている。本開示の抗ウイルス性成形体は、ヒトまたは非ヒト動物に対して感染力を有するウイルスに有効であるが、対象となるウイルスは、エンベロープを有するウイルス(エンベロープウイルス)、エンベロープを有さないウイルス(非エンベロープウイルス)のいずれのウイルスであってもよい。また、対象となるウイルスは、DNAウイルス、RNAウイルスのいずれのウイルスであってもよい。
本開示の抗ウイルス性成形体が有効なエンベロープウイルスとしては、例えば、インフルエンザウイルス、風疹ウイルス、エボラウイルス、コロナウイルス、麻疹ウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、ワクシニアウイルス、ムンプスウイルス、アルボウイルス、RSウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、黄熱ウイルス、日本脳炎ウイルス、ヒト免疫不全(エイズ)ウイルス(HIV)、狂犬病ウイルス、ハンタウイルス、デングウイルス、ニパウイルス、ラッサウイルスなどが挙げられる。
本開示の抗ウイルス性成形体が有効な非エンベロープウイルスとしては、例えば、アデノウイルス、ノロウイルス、アストロウイルス、ロタウイルス、B19ウイルス、ヒトパピローマウイルス、A型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、ポリオウイルス、サポウイルス、エンテロウイルス、コクサッキーウイルス、ヒトパルボウイルス、脳心筋炎ウイルス、ポリオーマウイルス、BKウイルス、JCウイルス、エコーウイルス、ライノウイルスなどが挙げられる。
本開示の抗ウイルス性成形体は、これらのウイルスのうち、エンベロープウイルス(特に、RNAウイルス)に対して効果的であり、SARSコロナウイルス(SARS-CoV-1)、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)、MERSコロナウイルス(MERS-CoV)などのコロナウイルスに対して特に効果的であり、コロナウイルス感染症(COVID-19)を引き起こすコロナウイルス(SARS-CoV-2)に対して最も効果的である。
本開示の抗ウイルス性成形体は、コロナウイルス(SARS-CoV-2)を温度25℃で24時間作用させたとき、感染価の対数減少値が1.5以上(特に2以上)であってもよく、好ましくは2.5以上、さらに好ましくは3以上(例えば3~10)、より好ましくは3.5以上(例えば3.5~8)、最も好ましくは3.7以上(例えば3.7~5)である。本開示では、銀系抗ウイルス剤を含む抗ウイルス性成形体において、表面のぬれ張力を40mN/m以上に調整し、かつ水で抽出した単位面積当たりの銀イオン量を200ng/cm以上に調整することにより、コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染価を低減(感染価の対数減少値を向上)する方法を提供できる。前記感染価が小さすぎると、抗ウイルス性が低下する虞がある。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、前記感染価はTCID50法に準拠して測定でき、詳細には、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
(抗ウイルス性成形体の形状および構造)
本開示の抗ウイルス性成形体の形状は、特に限定されず、用途に応じて適宜選択できる。具体的な形状としては、例えば、線状、繊維状、糸状などの一次元形状;フィルム状、シート状、板状などの二次元形状;柱状、ブロック状、錐状、球状、凹または凸状、棒状、中空状(管状)、リング状などの三次元形状などが挙げられる。
本開示の抗ウイルス性成形体が硬化性樹脂および前記抗ウイルス剤を含む硬化性組成物の硬化物で形成されている場合、抗ウイルス性成形体の形状および構造は、成形性などの点から、二次元形状であるが好ましく、基材表面の少なくとも一部の領域に積層された抗ウイルス層であるのが好ましい。すなわち、本開示の抗ウイルス性成形体を前記抗ウイルス層として、前記基材と組み合わせることにより、複合成形体を調製できる。硬化性組成物の硬化物で形成された抗ウイルス層は、抗ウイルス性に加えてハードコート性を有するハードコート層として機能させてもよい。
本開示の抗ウイルス性成形体が前記抗ウイルス層である場合、基材は特に限定されないが、基材も二次元形状である基材層であってもよい。その場合、抗ウイルス層は、基材層表面の少なくとも一部の領域に積層されていればよいが、生産性などの点から、基材層の片面または両面の全領域に積層されているのが好ましい。
基材の材質は、用途に応じて適宜選択でき、特に限定されず、各種の有機材料(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂など)および無機材料(ガラス、セラミックス、金属など)から選択できる。
基材が基材層であり、本開示の抗ウイルス性成形体が基材層の表面に積層された抗ウイルス層であり、基材層と抗ウイルス層との積層体が光学機器または電子機器、特に、ヒトの手が触れる機会の多いタッチパネルセンサーなどの表示面などに利用される場合は、基材層は透明フィルム(またはシート)であってもよい。すなわち、本開示の複合成形体は、タッチパネルなどのタッチセンサーの構成要素であってもよく、特に、タッチセンサーにおいて指などで接触するための表示面を形成する構成要素であってもよい。
透明フィルム(またはシート)は、透明材料で形成されていればよい。透明材料は、用途に応じて選択でき、ガラスなどの無機材料であってもよく、有機材料であってもよい。無機材料としては、例えば、ガラス、石英、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウムなどが挙げられる。有機材料としては、例えば、セルロースエステル、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、(メタ)アクリル系重合体(ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリレート樹脂)などが例示できる。
これらのうち、透明性などの点から、ガラスなどの無機材料や、セルロースエステル、ポリエステル、ポリカーボネートなどの有機材料が汎用され、透明性などの点から、ガラス、セルロースエステル、(メタ)アクリル系重合体、ポリエステルまたはポリカーボネートが好ましい。さらに、強度や成形性などの点から、有機材料が好ましく、セルロースエステル、ポリエステルまたはポリカーボネートが特に好ましい。
セルロースエステルとしては、セルローストリアセテート(TAC)などのセルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどのセルロースアセテートC3-4アシレートなどが挙げられる。
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリアルキレンアリレートなどが挙げられる。
ポリカーボネートとしては、例えば、ビスフェノールA型ポリカーボネートなどのビスフェノール型ポリカーボネートなどが例示できる。
これらのうち、機械的特性や透明性、光学的等方性などのバランスに優れる点から、TACなどのセルロースアセテート、PETなどのポリエステルが好ましく、PETなどのポリC2-4アルキレン-アリレートが好ましい。
透明フィルムも、抗ウイルス性成形体の項で例示された慣用の添加剤を含んでいてもよい。好ましい態様および割合も抗ウイルス性成形体と同様である。
透明フィルムは、未延伸フィルムであってもよく、1軸または2軸延伸フィルムであってもよい。
透明フィルムは、表面処理(例えば、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾンや紫外線照射処理など)されていてもよく、易接着層を有していてもよい。
基材層の厚み(平均厚み)は、例えば5~2000μm、好ましくは15~1000μm、さらに好ましくは20~500μm、より好ましくは100~400μm、最も好ましくは188~350μmである。
抗ウイルス層の厚み(平均厚み)は、例えば1~20μm、好ましくは1.5~10μm、さらに好ましくは2~9μm、より好ましくは3~8μm、最も好ましくは4~6μmである。抗ウイルス層の厚みが薄すぎると、抗ウイルス性が低下する虞があり、厚すぎると、抗ウイルス性成形体の生産性が低下する虞がある。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、基材層および抗ウイルス層の平均厚みは、光学式膜厚計を用いて、任意の10箇所を測定し、平均値を算出して求めることができる。
透明フィルムと透明フィルムの少なくとも一方の面に積層された抗ウイルス層との積層体において、全光線透過率は、例えば70%以上(例えば70~100%)、好ましくは80~99%、さらに好ましくは85~98%、より好ましくは88~97%である。全光線透過率が低すぎると、透明性が低下する虞がある。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、全光線透過率は、JIS K 7361に準拠して測定できる。
[抗ウイルス性成形体の製造方法]
本開示の抗ウイルス性成形体は、形状および構造に応じて慣用の成形方法によって製造できる。本開示の抗ウイルス性成形体が硬化性樹脂および抗ウイルス剤を含む硬化性組成物の硬化物で形成された抗ウイルス層である場合、本開示の抗ウイルス性成形体は、基材の上に、硬化性樹脂および抗ウイルス剤を含む硬化性組成物を塗布して乾燥し、抗ウイルス層前駆体を得る乾燥工程、前記抗ウイルス層前駆体を硬化させる硬化工程を経て製造してもよい。
乾燥工程において、前記硬化性組成物は溶媒を含んでいてもよい。溶媒は、硬化性樹脂の種類および溶解性に応じて選択でき、少なくとも固形分(例えば、硬化性樹脂、硬化剤、その他添加剤)を均一に溶解できる溶媒であればよい。そのような溶媒としては、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサンなど)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレンなど)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタンなど)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、水、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなど)、セロソルブ類[メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル(1-メトキシ-2-プロパノール)など]、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)などが例示できる。また、溶媒は混合溶媒であってもよい。これらの溶媒のうち、1-メトキシ-2-プロパノールなどのセロソルブ類が好ましい。
組成物中の溶質(硬化性樹脂、硬化剤、その他添加剤)の濃度は、流延性やコーティング性などを損なわない範囲で選択でき、例えば1~80質量%、好ましくは10~70質量%、さらに好ましくは15~50質量%、最も好ましくは20~40質量%である。
塗布方法としては、慣用の方法、例えば、ロールコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、リバースコーター、バーコーター、コンマコーター、ディップ・スクイズコーター、ダイコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、シルクスクリーンコーター法、ディップ法、スプレー法、スピナー法などが挙げられる。これらの方法のうち、バーコーター法やグラビアコーター法などが汎用される。なお、必要であれば、塗布液は複数回に亘り塗布してもよい。
前記組成物を流延または塗布した後、乾燥させて溶媒を蒸発させてもよい。乾燥は、自然乾燥であってもよいが、溶媒の沸点に応じて、例えば30~200℃、好ましくは40~150℃、さらに好ましくは45~120℃、より好ましくは50~100℃、最も好ましくは70~90℃の温度で乾燥させてもよい。
このようにして得られた抗ウイルス層前駆体は、活性光線(紫外線、電子線など)や熱などによって硬化させることにより、抗ウイルス層が得られる。硬化性組成物の硬化は、硬化性樹脂の種類に応じて、加熱、光照射などを組み合わせてもよい。
加熱温度は、適当な範囲、例えば、50~150℃程度から選択できる。光照射は、光硬化成分などの種類に応じて選択でき、通常、紫外線、電子線などが利用できる。汎用的な光源は、通常、紫外線照射装置である。
光源としては、例えば、紫外線の場合は、Deep UV ランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、レーザー光源(ヘリウム-カドミウムレーザー、エキシマレーザーなどの光源)などを利用できる。照射光量(積算光量としての照射エネルギー)は、塗膜の厚みにより異なり、例えば10~10000mJ/cm、好ましくは20~5000mJ/cm、さらに好ましくは30~3000mJ/cmである。光照射は、必要であれば、不活性ガス雰囲気中で行ってもよい。
なお、本明細書に開示された各々の態様は、本明細書に開示された他のいかなる特徴とも組み合わせることができる。
以下に、実施例に基づいて本開示をより詳細に説明するが、本開示はこれらの実施例によって限定されるものではない。実施例および比較例で用いた原料は以下の通りであり、得られたコーティングフィルムを以下の方法で評価した。
[原料]
親水性基を含有するアクリレートA:アイカ工業(株)製「アイカアイトロンZ-942-5」、固形分40質量%、開始剤含有
親水性基を含有するアクリレートB:東亜合成(株)製「アロニックスMT-3567」、固形分100質量%
UV硬化性ウレタンアクリレート:共栄社化学(株)製「HX-RSC-NA」、固形分50質量%、開始剤含有
UV硬化性シリコーン系アクリレートA:(株)トクシキ製「AU-230」、固形分54質量%、フィラー粒子(平均粒径0.6μm)および開始剤含有
UV硬化性シリコーン系アクリレートB:(株)トクシキ製「AS-201S」、固形分59質量%、開始剤含有
光開始剤:IGMジャパン(同)製「Omnirad184」
架橋ポリメタクリル酸メチルの真球状粒子:積水化成品工業(株)製「テクポリマーSSX-115HXE」、平均粒径15μm
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム:三菱ケミカル(株)製「ダイアホイル」
抗ウイルス剤:住化エンバイロメンタルサイエンス(株)製「ネオシントールAV-18F」。
[ぬれ張力]
富士フイルム和光純薬(株)製の濡れ試薬(ぬれ張力試験用混合液)を使用し、実施例および比較例で得られた積層フィルムの抗ウイルス層に対して、JIS K 6768:1999に準拠して室温(23℃)および湿度50%RHにおいて測定した。
[水接触角]
自動・動的接触角計(協和界面科学(株)製「型式DCA-UZ」)を使用し、実施例および比較例で得られた積層フィルムの抗ウイルス層に対し、室温(23℃)および湿度50%RHにおいて、約2μLの純水の液滴を滴下し、滴下後2秒時点での接触角を3点測定して平均した。
[抗ウイルス性評価]
実施例および比較例で得られた積層フィルム(5cm角)の表面を80体積%エタノールで清拭して消毒、乾燥した後、100μLのウイルス液(SARS-CoV-2/JP/Hiroshima-46059T/2020株)を抗ウイルス層の上に滴下し、上から無菌パラフィルム(4cm角)をかぶせて液体を広げた。湿箱に入れて24時間室温(23℃)で保存した後に、パラフィルムを取り去り、900μLの細胞培養液DMEMを加えて液体を回収した。さらに同試薬(細胞培養液DMEM)で10倍段階希釈してTCID50法によってウイルス感染価の対数減少値を測定した。詳しくは、抗ウイルス性能は、未処理の対照フィルム(ポリエチレンフィルム)を用いて得られたウイルス感染価の対数減少値をブランクとし、ブランクに対する増加分を抗ウイルス活性値として示した。
[抽出銀イオン量]
抽出試験では、純水を抽出液として用い、実施例および比較例で得られた積層フィルムの抗ウイルス層(抗ウイルス層の面積:49cm(7cm×7cm))と抽出液(液量:100mL)とを室温(23℃)および大気圧下で24時間接触させた。なお、抗ウイルス層と抽出液とを接触させる方法としては、抽出液中に前記積層フィルムを浸漬する方法で実施した。
次に、24時間浸漬後、抽出液から前記積層フィルムを回収して、抽出液10mLを採取し、0.06mLの濃硝酸を添加して抽出された銀イオン量(ng)を測定した。抽出液中の銀イオン量の測定は、原子吸光分析(アジレント・テクノロジー社製「Agilent 5110」)を用いて実施し、あらかじめ作成した検量線より銀イオン量を求めた。
[実施例1]
親水性基を含有するアクリレートA100質量部に、抗ウイルス剤0.3質量部を添加した。この溶液を、ワイヤーバーを用いて、PETフィルム上に流延した後、80℃のオーブン内に1分間放置し、溶液中の溶媒を蒸発させることで、厚みが約5μmのコート層を形成した。その後、高圧水銀ランプにより紫外線をコート層に約5秒間照射(積算光量約300mJ/cm照射)することにより、実施例1の積層フィルムを得た。
[比較例1]
親水性基を含有するアクリレートB5質量部、光開始剤0.2質量部、UV硬化性ウレタンアクリレート90質量部、メチルエチルケトン5質量部を混合した。また、この混合物に、抗ウイルス剤0.5質量部を添加した。この溶液を、ワイヤーバーを用いて、PETフィルム上に流延した後、80℃のオーブン内に1分間放置し、溶液中の溶媒を蒸発させることで、厚みが約5μmのコート層を形成した。その後、高圧水銀ランプにより紫外線をコート層に約5秒間照射(積算光量約300mJ/cm照射)することにより、比較例1の積層フィルムを得た。
[比較例2]
UV硬化性シリコーン系アクリレートA50質量部、UV硬化性シリコーン系アクリレートB8質量部、架橋ポリメタクリル酸メチルの真球状粒子0.4質量部、メチルエチルケトン42質量部を混合した。また、この混合物に、抗ウイルス剤0.35質量部を添加した。この溶液を、ワイヤーバーを用いて、PETフィルム上に流延した後、80℃のオーブン内に1分間放置し、溶液中の溶媒を蒸発させることで、厚みが約10μmのコート層を形成した。その後、高圧水銀ランプにより紫外線をコート層に約5秒間照射(積算光量約300mJ/cm照射)することにより、比較例2の積層フィルムを得た。
実施例および比較例で得られた積層フィルムの評価結果を表1に示す。
Figure 2023027804000001
表1の結果から明らかなように、実施例のフィルムは、抗ウイルス性が高い。
本開示の抗ウイルス性成形体は、ウイルスの不活性化が要求される各種の成形体、例えば、衝立などの日用品、容器、電気・電子機器部品、自動車などの車両部品、建築資材などに利用でき、特に、厳格な抗ウイルス活性が要求される医療分野の成形体、例えば、医療機器のタッチパネルセンサー表面のハードコート層として特に有用である。

Claims (11)

  1. 銀系抗ウイルス剤を含み、表面のぬれ張力が40~60mN/mであり、かつ水で抽出した単位面積当たりの銀イオン量が200ng/cm以上である抗ウイルス性成形体。
  2. 親水性基を有する樹脂をさらに含む請求項1記載の抗ウイルス性成形体。
  3. 前記樹脂が硬化性樹脂であり、前記硬化性樹脂および前記銀系抗ウイルス剤を含む硬化性組成物の硬化物である請求項2記載の抗ウイルス性成形体。
  4. 表面の水接触角が40°以下である請求項1~3のいずれか一項に記載の抗ウイルス性成形体。
  5. コロナウイルス(SARS-CoV-2)を温度25℃で24時間作用させたとき、感染価の対数減少値が2以上である請求項1~4のいずれか一項に記載の抗ウイルス性成形体。
  6. 基材表面の少なくとも一部の領域に積層された抗ウイルス層である請求項1~5のいずれか一項に記載の抗ウイルス性成形体。
  7. 基材と、この基材表面の少なくとも一部の領域に積層された抗ウイルス層とを含む複合成形体であって、前記抗ウイルス層が、請求項1~6のいずれか一項に記載の抗ウイルス性成形体である複合成形体。
  8. 前記基材が透明材料である請求項7記載の複合成形体。
  9. 前記透明材料が、ガラス、セルロースエステル、(メタ)アクリル系重合体、ポリエステルまたはポリカーボネートである請求項8記載の複合成形体。
  10. 請求項7~9のいずれか一項に記載の複合成形体を含むタッチパネルセンサー。
  11. 銀系抗ウイルス剤を含む抗ウイルス性成形体において、表面のぬれ張力を40~60mN/mに調整し、かつ水で抽出した単位面積当たりの銀イオン量を200ng/cm以上に調整することにより、コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染価を低減する方法。
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