JP6091411B2 - 圧延機の板厚制御方法 - Google Patents
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Description
例えば、自動板厚制御でよく用いられる式であって、出側板厚、ロールギャップ、荷重の間で成り立つ式として一般に知られているゲージメータ式を式(1)に示す。
BISRA−AGCの基本的な考え方は、圧延荷重が変動しても出側板厚が変動しないようにロールギャップを操作することである。したがって、式(1)にΔh=0を代入したときのΔSをBISRA−AGCによるロールギャップの指令量とする。
差やミル定数の誤差があることを見越して、BISRA−AGCによるロールギャップの操作によって板厚変動が生じることを防止するために、チューニング率αを導入し、通常はチューニング率αを1より小とする。
このようにBISRA−AGCは、後方張力変動、前方張力変動などあらゆる要因が重なった結果としての圧延荷重の変動に基づき、ロールギャップを操作するが、この荷重に計測誤差があるために、チューニング率αを1より小としてロールギャップの操作量を小さくせざるを得ず、結果として荷重変動による出側板厚を除去しきれないという問題がある。
そこで、本発明は、後方張力と前方張力に基づきロールギャップを操作することで、荷重の計測誤差の影響を受けずに、後方張力変動と前方張力変動による板厚変動を低減することを目的とする。加えて、本発明は、後方張力と前方張力に基づきロールギャップを操作する板厚制御とAGCとを同時に使用した際に、過剰に制御することを防止することを目的とする。
本発明に係る圧延機の板厚制御方法は、圧延機に備えられた複数の圧延スタンドで圧延される圧延材の板厚を制御する板厚制御方法であって、前記圧延スタンドの入側に備えられた張力計で検出された後方張力と、前記圧延スタンドの出側に備えられた張力計で検出された前方張力に基づき、前記圧延スタンドのロールギャップを操作する板厚制御方法と、前記圧延スタンドに備えられたロードセルで検出された圧延荷重に基づきロールギャップを操作するAGCと、を同時に行うに際し、前記AGCにおいては、前記ロードセルで検出された圧延荷重から、後方張力変動および前方張力変動による荷重変動分を差し引いた値に基づき、ロールギャップを操作することを特徴とする。
ップを操作する板厚制御方法とAGCとを同時に使用した際に、過剰に制御することを防止することが可能となる。
タンデム型の圧延機1は、複数の圧延スタンド2を連続的に備えるものであって、この圧延機1に本発明の板厚制御方法は適用されるものとなっている。なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
圧延スタンド2は、上下一対の圧延ロール(ワークロール3,3)と、それぞれの圧延ロールをバックアップするバックアップロール4,4を備える。圧延スタンド2の圧延ロールは、ロールギャップ制御装置8によりその圧下位置が変更可能となっていて、ギャップ量が可変とされている。また、圧延スタンド2には、圧延荷重を計測するロードセル5(荷重計測装置)が設置されている。
この圧延機1においては、圧延材Wは複数の圧延スタンド2を通ることで所望の板厚、板幅、板クラウンの製品板へと圧延され、コイル巻き取り機で巻き取られ次の工程へと搬送される。
以下、本発明での板厚制御方法の詳細を、図1のブロック図、及び図2に示すフローチャートを基に説明する。
まず、図2のSTEP1では、板厚制御装置9にて、後方張力計6で計測した後方張力、前方張力計7で計測した前方張力に基づき、ロールギャップへの指令値ΔStを、式(5)により計算する。
次に、STEP2において、荷重計算装置10にて、ロードセル5で計測した荷重と、後方張力、前方張力に基づき、AGC部11で用いるための荷重ΔPBを、式(6)により計算する。式(6)では、ロードセル5で検出された圧延荷重から、後方張力変動および前方張力変動による荷重変動分を差し引くことを行っている。なお、本実施形態のAGC部11では、BISRA−AGCを行っている。
次に、STEP5では、ロールギャップ制御装置8にて、入力されたロールギャップの指令値ΔSt+ΔSBに従い、ロールギャップを制御する。
板厚制御装置9にて、式(5)にてロールギャップへの指令値ΔStを計算する理由を以下に示す。
次に、荷重ΔPBを式(6)により計算する理由について以下に示す。
まず、式(5)にて、ミル定数、影響係数、後方張力および前方張力の計測値に誤差がなく、Kb=1、Kf=1とした場合について説明する。この場合、後方張力および前方張力が変化したときに、板厚制御装置9により出側板厚の変動を0にすることができるため、Δh=0となる。従って、このときの荷重変動は、式(2)より以下の様になる。
本シミュレーションにおいては、図3(a)に示す後方張力変動による荷重変動、図3(b)に示す前方張力変動による荷重変動、図3(c)に示すその他要因による荷重変動を与えたときの出側板厚偏差を評価した。なお、図3(d)は、後方張力変動による荷重変動、前方張力変動による荷重変動、その他要因による荷重変動を全て加えた変動の総量を示したものである。図3(a)〜図3(d)における横軸は時間(sec)であり、縦軸は荷重(ton)である。
図4(a)は、従来手法である「BISRA−AGC」を適用して板厚を制御した結果を示している。
図4(b)は、「後方張力と前方張力に基づき、圧延スタンド2のロールギャップを操作する板厚制御方法」のみを採用した際のシミュレーション結果を示している。
図4(d)は、過制御の抑制を行いつつ、「後方張力と前方張力に基づき、圧延スタンド2のロールギャップを操作する板厚制御方法」と「BISRA−AGC」を同時に採用した際のシミュレーション結果を示している。
図4(a)の結果から明らかなように、BISRA−AGCを適用したときは、ロールギャップの操作量が不足しており、出側板厚偏差が除去しきれていない。しかしながら、図4(b)に示すように、「後方張力と前方張力に基づき、圧延スタンド2のロールギャップを操作する板厚制御方法」を適用したときは、BISRA−AGCを適用したときよりもロールギャップの操作量が大きく、出側板厚偏差を小さくできている。
図4(d)に示すように、過制御の抑制を行いつつ、「後方張力と前方張力に基づき、圧延スタンド2のロールギャップを操作する板厚制御方法」と「BISRA−AGC」を同時に適用したときは、最も出側板厚偏差を小さくできている。つまり、圧延スタンド2
の後方張力と前方張力の変動による出側板厚の変動を低減しつつ、BISRA−AGCを併用することによる過剰な制御を抑制しつつ、適切な板厚制御が実現できている。
例えば、圧延材Wとしては鋼材に限定されず、アルミ材や銅材などであってもよい。
2 圧延スタンド
3 ワークロール
4 バックアップロール
5 ロードセル
6 後方張力計
7 前方張力計
8 ロールギャップ制御装置
9 板厚制御装置
10 荷重計算装置
11 AGC部
W 圧延材
Claims (1)
- 圧延機に備えられた複数の圧延スタンドで圧延される圧延材の板厚を制御する板厚制御方法であって、
前記圧延スタンドの入側に備えられた張力計で検出された後方張力と、前記圧延スタンドの出側に備えられた張力計で検出された前方張力に基づき、前記圧延スタンドのロールギャップを操作する板厚制御方法と、前記圧延スタンドに備えられたロードセルで検出された圧延荷重に基づきロールギャップを操作するAGCと、を同時に行うに際し、
前記AGCにおいては、前記ロードセルで検出された圧延荷重から、後方張力変動および前方張力変動による荷重変動分を差し引いた値に基づき、ロールギャップを操作することを特徴とする圧延機の板厚制御方法。
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013271951A JP6091411B2 (ja) | 2013-12-27 | 2013-12-27 | 圧延機の板厚制御方法 |
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Family Applications (1)
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