JP6091005B2 - 車両用シート - Google Patents
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Description
チャイルドシート非装着時にベゼルの開口を覆うキャップを取り付ければ、パッド凹部内のアンカが見えなくなり、外観意匠を損なうことはない。しかし、ベゼルに対してキャップを分離可能に設けると、キャップを分離した際に紛失しやすいため、ベゼルに対してキャップを揺動可能に取り付けた構成がよく知られている。
この構成では、ベゼルによってパッド凹部が隠されるとともに、チャイルドシート非装着時にはキャップがパッド凹部を覆ってパッド凹部内のアンカを隠すため、外観意匠の低下が避けられる。チャイルドシート装着時においては、ベゼルのキャップを揺動してアンカを露出させ、パッド凹部内のアンカのフロントバーにチャイルドシートの係合部材を係合させて、チャイルドシートが車両用シートに装着される。
さらに、チャイルドシート装着時においては、キャップがベゼルに格納されているため、見栄えがよく、さらに、外力が加わらないため、破損しない。
すなわち、請求項1に係る本発明によれば、チャイルドシートの保持に使用されるアンカを格納する凹部がトリムカバーで覆われたパッドに形成され、開口を持つベゼルがパッド凹部に被せられ、キャップでベゼルの開口が覆われる車両用シートにおいて、前記ベゼル、前記キャップの間に設けた係合可能な係合穴、係合突起の組合せからなり、係合穴、係合突起のいずれか一方は前記ベゼルに、他方は前記キャップに設けられた保持手段によってベゼルの開口を覆う位置にキャップを保持し、前後方向に直線状に延びたガイド溝がベゼルの左右側面に設けられるとともにヒンジピンが前記キャップに設けられてガイド溝にスライド可能に嵌合され、規制ピンが、前記ベゼルの開口を覆うキャップの背面に当接してベゼル内方へのキャップの揺動を規制可能にベゼルの左右側面から内側に突出し、前記ヒンジピンを前記ガイド溝に押し込んでスライドさせる押力が前記ベゼルの開口を覆うキャップに加わると、規制ピンにキャップの背面が摺接されてヒンジピンを揺動中心としてキャップが揺動してベゼルに格納される。
チャイルドシート20は、たとえばその背面22の下部から後方へ延びた左右の係合部材24を持ち、係合部材は、長溝状の切欠きからなる係合口24aを先端に有している。アンカ30は、前方に互いに平行に延びた左右のサイドバー30aの前端をフロントバー30bで連結した平面視略コ字形状にワイヤ材を折曲加工して成形され、たとえばシートクッションのサイドフレーム(図示しない)の後端間で左右方向に架設された連結パイプ(図示しない)に固定されて、前方に延出している。
実施例では、ベゼル40はその開口40Fの周囲にフランジ41を一体に有して形成されているが、これに限られない。しかし、ベゼル40をフランジ付とすれば、パッド凹部14−1aの周囲のトリムカバー端末をフランジの下面に重ねて縫着することより、ベゼルをトリムカバーに容易に取付けられる。
ベゼル40を底付とし、底壁(背面)にアンカ30の挿通される挿通穴を設けて、アンカを挿通穴からベゼル内に突出させてもよい。
ベゼル40は、たとえばその前面の下方が上方より前に位置する斜面形状にその前面が形成され、キャップ50は左右の袖(側部)50Sを持つ平面視略コ字形状に形成されている。
ベゼルの左右の側面40Sの上部には、前後方向に直線状に延びた左右一対のガイド溝42が設けられているとともに、ガイド溝に嵌合されてガイド溝に沿ってスライド可能な左右一対のヒンジピン52が袖50Sの上部から外側に突出し、ヒンジピンをガイド溝に嵌合させてキャップがベゼルに取付けられている(組み込まれている)。
ガイド溝42は、前後方向で略水平に延びた貫通溝形状とされ、ベゼルの天井面(上面)40Upとの間にキャップ50を格納する空間を確保するように、前後方向でのキャップの長さ(厚さ)に対応する距離だけベゼルの天井面から離反して形成されている。
たとえば、規制ピン44、ヒンジピン52はいずれも円柱形状とされる。
ベゼル40、キャップ50の間にはベゼルの開口を覆う位置でキャップをベゼルに保持する保持手段60が設けられている。保持手段60は、キャップの左右の袖50Sの下部で外側に突出する左右一対の係合突起54と、規制ピン44の下方でベゼルの左右の側面40Sに形成された対応する左右一対の係合穴46との組み合わせから構成されている。たとえば、図5に示すように、係合突起54は部分球形状の突起、係合穴46はベゼルの側面を貫通する穴(貫通穴)とされ、係合突起が係合穴に嵌まり込む(係合する)ことによって、キャップはベゼルに保持される。貫通穴に代えて、部分球形状の係合突起54に対応した部分球形のくぼみを係合穴としてもよい。
そして、保持板ばねなどの独立部材を必要とすることなく、キャップ50は初期位置に保持されるため、部材点数が増えることもなく、構成の複雑化を招くこともない。
このように、後方へのキャップ50の動き(揺動)が規制ピン44で規制されるとともに、前方へのキャップの動き(揺動)がガイド溝の前端42Frへのヒンジピン52の押し付けによって規制されて、キャップがガタなく保持されるため、車両の走行時におけるガタに起因する異音の発生が防止できる。
キャップの背面50Saの後端が規制ピン44に乗り上げられるまでキャップ50が跳ね上げられると、ガイド溝42に沿ってスライドしたヒンジピン52はガイド溝の後端42Rrに当接してスライドが阻止される。そしてこの位置で、キャップ50の前面はベゼルの天井面40Upから僅かに離反し、キャップの下端がベゼルの開口40Fとほぼ面一(つらいち)となって、キャップはベゼル40に格納される(格納位置;図4(C))。
また、係合部材24がキャップ50の前面を押圧せず、キャップの前面が係合部材と接触しないため、ISO−FIXアンカのマークMをキャップの前面に描いてアンカの位置を明示できる。
必要なら、格納位置でキャップの前面の下端が上端よりも上に位置するようにキャップの背面50Saに斜面形状を設定したり、ガイド溝42を前後方向で水平に延ばすことなく、その後端42Rrが前端42Frより下に位置するように前後方向で傾斜した直線形状にガイド溝を形成すれば、格納位置からのキャップの離脱を防止できる。
さらに、図3に一点鎖線で示すように、キャップの背面50Saの後端に規制ピン44の係合可能な係合穴50Sa’を設けて、格納位置で規制ピン44を係合孔に係合させれば、キャップが格納位置から容易に離脱せず、格納位置に確実に保持できる。たとえば、係合穴50Sa’は円弧形状とされる。
図6(A)(B)は本発明の他の実施例(実施例2)に係る車両用シートにおける、図4の(A)(C)に対応するキャップの初期位置、格納位置でのベゼル、キャップの断面図をそれぞれ示す。この実施例2において、上記実施例(実施例1)と共通する構成部材については同じ参照符号を付してその説明を省略し、実施例1と異なる構成を主として説明する。
実施例1では、キャップをベゼル内でその上部(天井面直下)に格納するために、ガイド溝、規制ピンがベゼルの上部、ヒンジピンがキャップの上部にそれぞれ設けられているのに対して、実施例2では下部(下面の上)に格納するために、ガイド溝、規制ピンがベゼルの下部、ヒンジピンがキャップの下部にそれぞれ設けられている点で、実施例2は実施例1と相違する。
そして、キャップの左右の袖の後端50Saに規制ピン44を摺接させながら、ヒンジピン52を中心としてキャップ50を揺動させ、ヒンジピンがガイド溝の後端42Rrに当接するまでスライドさせると、キャップ50が下面40Loの上でベゼルに格納される(格納位置;図6(B))。
12 シートバック
14 シートクッション
14−1 パッド(シートパッド)
14−1a 凹部
20 チャイルドシート
24 係合部材
30 アンカ
40 ベゼル
40F 開口
40Up 天井面(上面)
40Lo 下面
41 フランジ
42 ガイド溝
42Fr、42Rr 前端、後端
44 規制ピン
46 係合穴(保持手段)
50 キャップ
50S 袖
50Sa 背面
52 ヒンジピン
54 係合突起(保持手段)
60 保持手段
Claims (6)
- チャイルドシートの保持に使用されるアンカを格納する凹部がトリムカバーで覆われたパッドに形成され、開口を持つベゼルがパッド凹部に被せられ、キャップでベゼルの開口が覆われる車両用シートにおいて、
前記ベゼル、前記キャップの間に設けた係合可能な係合穴、係合突起の組合せからなり、係合穴、係合突起のいずれか一方は前記ベゼルに、他方は前記キャップに設けられた保持手段によってベゼルの開口を覆う位置にキャップを保持し、
前後方向に直線状に延びたガイド溝がベゼルの左右側面に設けられるとともにヒンジピンが前記キャップに設けられてガイド溝にスライド可能に嵌合され、
規制ピンが、前記ベゼルの開口を覆うキャップの背面に当接してベゼル内方へのキャップの揺動を規制可能にベゼルの左右側面から内側に突出し、
前記ヒンジピンを前記ガイド溝に押し込んでスライドさせる押力が前記ベゼルの開口を覆うキャップに加わると、規制ピンにキャップの背面が摺接されてヒンジピンを揺動中心としてキャップが揺動してベゼルに格納される車両用シート。 - チャイルドシートの保持に使用されるアンカを格納する凹部がトリムカバーで覆われたパッドに形成され、開口を持つベゼルがパッド凹部に被せられ、キャップでベゼルの開口が覆われる車両用シートにおいて、
前記ベゼルは上下左右の壁面を持つ断面略矩形の箱型形状に、前記キャップは左右の袖を持つ略板状体にそれぞれ形成され、
前記ベゼル、前記キャップの間に設けた係合可能な保持手段によってベゼルの開口を覆う位置にキャップを保持し、
前後方向に直線状に延びたガイド溝がベゼルの左右側面に設けられるとともにヒンジピンが前記キャップに設けられてガイド溝にスライド可能に嵌合され、
規制ピンが、前記ベゼルの開口を覆うキャップの袖の背面に当接してベゼル内方へのキャップの揺動を規制可能にベゼルの左右側面から内側に突出し、
前記ヒンジピンを前記ガイド溝に押し込んでスライドさせる押力が前記ベゼルの開口を覆うキャップに加わると、規制ピンにキャップの袖の背面が摺接されてヒンジピンを揺動中心としてキャップが揺動し跳ね上げられて、前面の下端が上端よりも上に位置してベゼルの天井面の直下に格納される車両用シート。 - 格納された位置で前記キャップの前面の下端が上端よりも上に位置する斜面形状にキャップの袖の背面が形成されている請求項2記載の車両用シート。
- 前記ガイド溝は、その後端が前端より下に位置する前後方向で傾斜した直線形状に形成されている請求項2記載の車両用シート。
- 格納位置で規制ピンに係合可能な係合穴がキャップの左右の袖に設けられ、跳ね上げられたキャップが係合穴を規制ピンに係合させてベゼルに格納される請求項2〜4のいずれか記載の車両用シート。
- チャイルドシートの保持に使用されるアンカを格納する凹部がトリムカバーで覆われたパッドに形成され、開口を持つベゼルがパッド凹部に被せられ、キャップでベゼルの開口が覆われる車両用シートにおいて、
前記ベゼル、前記キャップの間に設けた係合可能な保持手段によってベゼルの開口を覆う位置にキャップを保持し、
前記ベゼルは上下左右の壁面を持つ断面略矩形の箱型形状に、前記キャップは左右の袖を持つ略板状体にそれぞれ形成され、
前後方向に直線状に延びたガイド溝が前記ベゼルの左右側面の下部に設けられ、
規制ピンが、前記ベゼルの開口を覆う前記キャップの背面に当接して前記ベゼル内方への前記キャップの揺動を規制可能に、ガイド溝の前端の後方および上方で前記ベゼルの左右側面から内側に突出し、
ヒンジピンが前記キャップの左右の袖の下部に設けられてガイド溝にスライド可能に嵌合され、
前記ヒンジピンを前記ガイド溝に押し込んでスライドさせる押力が前記ベゼルの開口を覆うキャップに加わると、規制ピンにキャップの背面が摺接されてヒンジピンを揺動中心としてキャップが揺動してベゼルの底面の上に格納される車両用シート。
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