JP6090031B2 - 車両用電源制御装置および車両用電池の充電方法 - Google Patents

車両用電源制御装置および車両用電池の充電方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両に用いられる車両用電源制御装置に関する。
従来より、電気自動車等において、車両駆動用の電動モータに電力を供給する車両用電源として、パワー電池とエネルギー電池とを併用することが知られている。パワー電池とエネルギー電池とは、出力密度及びエネルギー密度が互いに異なる。エネルギー電池は、パワー電池よりもエネルギー密度が大きく、高容量にすることが可能である。一方、パワー電池は、エネルギー電池よりも出力密度が大きく、高出力にすることが可能である。また、前記各電池として、車外に設けられた充電器により充電可能なものが知られている。
例えば、特許文献1には、電動モータへの電力供給時には、パワー電池とエネルギー電池とを車両駆動用の電動モータに対して並列に接続してパワー電池により電動モータへ電力を供給しつつエネルギー電池によりパワー電池を充電させ、これら電池を充電器により充電する際には、充電器とパワー電池およびエネルギー電池とをそれぞれ個別に接続して、各電池を個別にその充電特性に合わせた電圧、電流により充電するものが開示されている。
特開2011−250686号公報
前記特許文献1の装置では、充電器によってパワー電池とエネルギー電池とを充電する場合、これら電池を個別に充電器に接続せねばらないとともに、これらを異なる電圧、電流で充電せねばならず、充電に係る操作が煩雑になる。
ここで、パワー電池とエネルギー電池とを並列に接続した状態で充電器によりこれら電池を同時に充電することが考えられるが、単に充電器とこれら電池を接続しただけでは、各電池で充電レートが異なるために次のような問題が生じる。すなわち、エネルギー電池はパワー電池に比べて内部抵抗が大きくその充電レートが低いため、充電レートをこのエネルギー電池にあわせて低く設定した場合には充電時間が長くなるという問題が生じる。一方、充電レートをパワー電池にあわせて高く設定した場合には、パワー電池のみが先に満充電されてしまい、その後エネルギー電池を充電するために充電レートを再設定せねばならず操作が煩雑になるという問題が生じる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、容易な操作で、かつ、短時間でパワー電池とエネルギー電池とを充電可能な車両用電源制御装置の提供を目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、車両用電源制御装置であって、パワー電池と、前記パワー電池よりも出力密度が小さくかつエネルギー密度が大きいエネルギー電池と、前記各電池を互いに並列に接続するとともに、所定の充電器に接続される並列回路と、前記充電器と前記並列回路との接続状態を、前記充電器から前記各電池に電流が供給されて当該各電池が前記充電器により充電される外部充電状態と、前記充電器から前記各電池に電流が供給されない一方前記パワー電池から前記エネルギー電池に循環電流が供給されて当該エネルギー電池が前記パワー電池により充電される内部充電状態とに切替え可能な切替手段と、前記切替手段を制御可能な充電制御手段とを備え、前記充電制御手段は、前記各電池の開放電圧差を算出可能であり、前記充電器による充電が開始されてから前記各電池の電池容量が目標容量に到達するまでの充電期間中、前記切替手段によって、前記接続状態が前記外部充電状態のときに前記開放電圧差が予め設定された第1基準電圧差を越えると前記接続状態を前記外部充電状態から前記内部充電状態に切替えるとともに、前記接続状態が前記内部充電状態のときに前記開放電圧差が予め設定された第2基準電圧差未満に低下すると前記接続状態を前記内部充電状態から前記外部充電状態に切替えることを特徴とする車両用電源制御装置を提供する。
この装置によれば、充電器と並列回路とを接続するだけで充電器と各電池とを接続することができる上、充電途中で充電レートを変更する必要がないので、充電に係る操作が容易になるとともに、充電レートをパワー電池に合わせた高い値にすることができ充電時間を短くすることができる。
具体的には、この装置では、各電池が並列回路によって互いに接続されており、この並列回路と充電器とを接続するだけでこれら電池を同時に接続することができる。ここで、各電池が並列に接続されていることから、前記接続状態が前記外部充電状態とされて充電器から両電池に同時に電流が供給されるとパワー電池の方がエネルギー電池よりも早期に充電されていく。しかしながら、この装置では、これら電池の開放電圧差が第1基準電圧差を越えると充電器から各電池に電流が供給されない内部充電状態とされ、この内部充電状態が、各電池の開放電圧差が第2基準電圧差より小さくなるまで維持され、各電池の開放電圧差が第2基準電圧差より小さくなり各電池の開放電圧が近い値となって初めて再び外部充電状態とされて充電器からの充電が再開されるよう構成されており、充電途中で各電池の開放電圧差が近い値に修正される。そのため、充電器の充電レートをパワー電池に合わせた高い値としても、パワー電池とエネルギー電池とを最終的にほぼ同じタイミングで目標容量に到達させることができ、充電途中で充電器の充電レートを変更するという操作を行うことなく、すなわち、容易な操作で、かつ、短時間で各電池を充電することができる。特に、この装置では、前記接続状態が内部充電状態とされている期間中、パワー電池によってエネルギー電池が充電されており、この内部充電状態の期間も有効に電池の充電が行われるので、充電時間をより確実に短くすることができる。
また、本発明は、車両に設けられて互いに並列に接続されたパワー電池と、当該パワー電池よりも出力密度が小さくかつエネルギー密度が大きいエネルギー電池とを充電するための車両用電池の充電方法であって、前記各電池を並列に接続する並列回路と前記各電池を充電可能な充電器とを接続する充電器接続工程と、前記各電池の開放電圧差を算出する開放電圧差算出工程と、前記開放電圧差が予め設定された第1基準電圧差を超えるまで、前記充電器から供給された電流によって前記各電池を充電する外部充電工程と、前記外部充電工程の直後に実施されて、前記開放電圧の差が予め設定された第2基準電圧未満に低下するまで、前記充電器から前記各電池に電流を供給しない一方前記パワー電池と前記エネルギー電池との間で循環電流を発生させて当該エネルギー電池を前記パワー電池により充電する内部充電工程とを含み、前記充電器による充電が開始されてから前記各電池の電池容量が目標容量に到達するまでの充電期間中、前記外部充電工程と前記内部充電工程とを含む内外充電工程を繰り返し実施することを特徴とする車両用電池の充電方法を提供する(請求項5)。
この方法を用いることによっても、充電レートをパワー電池に合わせた高い値にして充電時間を短くしつつ、充電に係る操作を容易にすることができる。
すなわち、この方法では、各電池の開放電圧差が第1基準電圧差を越えるまで充電器から各電池に電流が供給される外部充電工程が実施されて、その後、充電器から各電池に電流が供給されない一方循環電流の供給によりエネルギー電池がパワー電池によって充電される内部充電工程が各電池の開放電圧差が第2基準電圧差より小さくなるまで実施される。そのため、充電器の充電レートをパワー電池に合わせた高い値としても、パワー電池とエネルギー電池とを最終的にほぼ同じタイミングで目標容量に到達させることができ、エネルギー電池のみを充電するために充電途中で充電器の充電レートを変更するという操作を省略して容易な操作で、かつ、短時間で各電池を充電することができる。特に、内部充電工程中は、パワー電池によってエネルギー電池が充電されており、この内部充電工程の期間中も電池の充電を有効に行うことができるので、充電時間をより確実に短くすることができる。
前記車両用電源制御装置において、前記第1基準電圧差は、予め設定された前記充電期間の目標値と、前記接続状態が前記内部充電状態のときの前記エネルギー電池の発熱量とに基づいて設定されるのが好ましい(請求項2)。
また、前記充電方法において、前記第1基準電圧差は、予め設定された前記充電期間の目標値と、前記内部充電工程実施時の前記エネルギー電池の発熱量とに基づいて設定されるのが好ましい(請求項6)。
このようにすれば、充電期間を目標値に合わせた適切な期間にすることができるとともに、各電池間を流れる循環電流の値を、この循環電流を受けてエネルギー電池が発熱する量ひいてはエネルギー電池の寿命に応じた適切な値にしてエネルギー電池の早期劣化を抑制することができる。
また、前記車両用電源制御装置において、前記充電制御手段は、前記循環電流を検出可能であって、当該検出した循環電流に基づき前記第1基準電圧差を補正するのが好ましい(請求項3)。
また、前記充電方法において、前記循環電流を検出する循環電流検出工程と、直前に実施された前記内部充電工程で発生した前記循環電流の検出値に基づいて、前記第1基準電圧差を補正する第1基準電圧差補正工程とを含むのが好ましい(請求項7)
このようにすれば、前記第1基準電圧差の値を電池の劣化等に合わせたより適切な値にして、充電期間や各電池の発熱量をより適切な状態にすることができる。
前記第1基準電圧差の具体的値としては、50mV以上200mV以下の値が挙げられる(請求項4、8)。
以上説明したように、本発明によれば、容易な操作で、かつ、短時間でパワー電池とエネルギー電池とを充電することができる。
本発明の実施形態に係る車両用電源制御装置を示す概略回路図である。 従来の充電方法を用いた場合におけるパワー電池とエネルギー電池のSOCの変化を示した図である。 本発明の実施形態に係る車両用電源制御装置による充電制御の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る車両用電源制御装置を用いた場合における充電時のパワー電池とエネルギー電池のSOCの変化を示した図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用電源制御装置1を示す概略図である。この車両用電源制御装置1は、例えば、電動モータ5によって車両の駆動輪(不図示)が駆動される電動車両(電気自動車)に搭載される。
車両用電源制御装置1は、電動モータ5に電力を供給可能なパワー電池2(図1では、P電池と記載)およびエネルギー電池3(図1では、E電池と記載)と、パワー電池2とエネルギー電池3とを並列に接続する第1回路(並列回路)20とを有している。パワー電池2およびエネルギー電池3は、車外に設けられた充電器により充電可能であり、車両用電源制御装置1には、この装置1と充電器とを接続して充電器から各電池2,3への電流を供給可能にする充電用プラグ50が設けられている。各電池2,3は、家庭用電源である普通充電器と、普通充電器よりも高電圧(400V程度)の充電器であって自動車販売店やコンビニエンスストア、高速道路のパーキングエリア等に設置された急速充電器とによってそれぞれ充電可能であるが、図1では、充電器として急速充電器90を示している。第1回路20には、充電用プラグ50により車両用電源制御装置1と急速充電器90とが接続されている状態において、急速充電器90から第1回路20ひいては各電池2,3に充電電流が供給される外部充電状態と、急速充電器90から第1回路20ひいては各電池2,3に充電電流が供給されない内部充電状態とに切替可能なスイッチ22(切替手段)が設けられている。
また、車両用電源制御装置1は、コントローラ12と、パワー電池2の電流、電圧を計測するP電池電流・電圧センサ16、エネルギー電池3の電流、電圧を計測するE電池電流・電圧センサ17、エネルギー電池3の温度を計測するE電池温度センサ18、パワー電池2の温度を計測するP電池温度センサ19とを有している。コントローラ12は、周知のマイクロコンピュータをベースとするコントローラであって、プログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)と、例えばRAMやROMにより構成されてプログラム及びデータを格納するメモリと、電気信号の入出力をする入出力(I/O)バスと、を備えている。コントローラ12は、後述するように、前記スイッチ22等を制御する。
パワー電池2とエネルギー電池3の詳細について説明する。
パワー電池2は、エネルギー電池3よりも出力密度が大きいすなわち内部抵抗が小さい一方、エネルギー密度が小さい電池である。エネルギー電池3は、エネルギー密度が大きいことに伴い、パワー電池2よりも電池容量が大きく設定されている。ここでは、前記出力密度は、重量出力密度及び体積出力密度の両方を含み、前記エネルギー密度は、重量エネルギー密度及び体積エネルギー密度の両方を含む。本実施形態では、パワー電池2及びエネルギー電池3の開放電圧OCV(Open Circuit Voltage)は、例えば300〜400Vであり、初期の開放電圧は略同じであることが好ましい。
本実施形態では、パワー電池2として、リチウムイオン二次電池が用いられている。このパワー電池2は、複数の電池セルが互いに直列接続された単一の電池モジュールからなる。なお、パワー電池2の電池の種類および具体的構造はこれに限らない。例えば、複数の電池モジュールが互いに並列接続されたものであってもよい。
パワー電池2のエネルギー容量は、市場一般の1日当たりの車両走行距離を走行可能な量に設定されている。具体的には、市場一般の所定のパーセンタイル(本実施形態では80パーセンタイル)をカバーする(賄う)1日当たりの走行距離をL(km)、電費(電気自動車の電力消費率)をε(km/kWh)、パワー電池2の実効エネルギー容量をE′(kWh)とし、パワー電池2の充電率(SOC:State Of Charge)の使用範囲(パワー電池2の所定の上限充電率から所定の下限充電率までの範囲)をβとして、パワー電池2のエネルギー容量E(kWh)は、
L/ε≦E′=E・β…(1)
を満たすように設定されている。
例えば、市場一般の80パーセンタイルをカバーする1日当たりの走行距離Lを40(km)、電費εを10(km/kWh)、パワー電池2の充電率の使用範囲βを0.7(パワー電池2の上限充電率が0.9、下限充電率が0.2)に設定した場合には、パワー電池2のエネルギー容量E(kWh)は、
E≧L/(ε・β)=40/(10×0.7)=5.7
に設定される。この条件を満たしかつ後述の電動モータ5の要求出力を満たす電池が、本実施形態のパワー電池2として選択されている。こうして選択されるパワー電池2は、軽量・コンパクトなものであることが好ましい。
本実施形態では、エネルギー電池3としても、リチウムイオン二次電池が用いられている。このエネルギー電池3は、互いに直列接続された複数の電池セルをそれぞれ含む複数の電池モジュールが互いに並列接続されたものからなる。エネルギー電池3は、その全部又は一部を交換可能になっている。なお、エネルギー電池3の電池の種類および具体的構造はこれに限らない。
エネルギー電池3は、その許容連続放電Cレートで放電することでパワー電池2を予め設定された所定の要求充電時間内(例えば、30分以内)に充電可能になっている。具体的には、パワー電池2の充電率の使用範囲をβ、パワー電池2のエネルギー容量に対するエネルギー電池3のエネルギー容量の比をα、エネルギー電池3の許容連続放電Cレートをx(C)、エネルギー電池3の充電率の使用範囲(エネルギー電池3の所定の上限充電率から所定の下限充電率までの範囲)をβ′、要求充電時間をTH(h)とすると、エネルギー電池3は、
β/(x・α・β′)≦TH…(2)
を満たすように設定されている。
例えば、パワー電池2の充電率の使用範囲βを0.7(パワー電池2の上限充電率が0.9、下限充電率が0.2)、エネルギー電池3の充電率の使用範囲β′を0.9、要求充電時間THを0.5(h)に設定した場合には、エネルギー電池3として、
x・α≧β/(β′・T)=0.7/(0.9×0.5)=1.56
を満たす電池が選択される。こうして選択されるエネルギー電池3は、軽量・コンパクトなものであることが好ましい。
エネルギー電池3は、その一部の電池セルによってパワー電池2を充電可能なときには、その一部の電池セルのみによってパワー電池2を充電可能になっている。例えば、パワー電池2の充電可能量がエネルギー電池3の所定の電池モジュールの放電可能量よりも小さい場合は、この電池モジュールの電池セルのみによってパワー電池2が充電される。一方、パワー電池2の充電可能量がエネルギー電池3の所定の電池モジュールの放電可能量よりも大きい場合は、この所定の電池モジュールの放電可能な電池セルとエネルギー電池3の他の電池モジュールの電池セルとによって、パワー電池2が充電される。
通常時(充電器による充電が行われていない場合)の車両用電源制御装置1の動作について説明する。
車両用電源制御装置1は、電動モータ5に電力を供給するインバータ4を有するとともに、このインバータ4とパワー電池2とを接続する第2回路8を有する。第2回路8は、第1回路20に接続されている。
本実施形態では、車両走行中、パワー電池2とエネルギー電池3の両方が、第1回路20、電力供給回路8およびインバータ4を介して、電動モータ5に電力を供給する。詳細には、エネルギー電池3の出力密度は小さくエネルギー電池3からの供給電力量(エネルギー電池3の放電電力量)は所定量以下の一定値である。そこで、パワー電池2は、必要電力のうちこの一定値を除いた分を電動モータ5に供給する。また、車両停止中、エネルギー電池3は、第1回路20を介してパワー電池2に電力を供給し、パワー電池2を充電する。本実施形態では、電動モータ5は、車両減速時に回生電力を発生させるように構成されており、この回生電力は、第2回路8およびインバータ4を介してパワー電池2に供給される。インバータ4は、コントローラ12により制御される。
また、車両用電源制御装置1は、エネルギー電池3から、電動モータ5及びパワー電池2以外の車載電装品に電力を供給する第3回路9を更に備えている。図1に示すように、車載電装品としては、電動モータ5よりも低電圧・低出力の電気負荷である電動空調装置41やカーアクセサリ42(図1では、ACCと記載)等が挙げられる。また、本実施形態では、車載電装品として、エンジンにより駆動される車両に一般的に搭載されている12Vの鉛蓄電池43(図1では、12V電池と記載)が設けられている。
通常時、エネルギー電池3は、電動空調装置41に電力を供給して作動させ、電動空調装置41はエネルギー電池3の電力を受けて車両の車室内の空気の温度や湿度、清浄度等の調節を行う。また、エネルギー電池3は、DC−DCコンバータ13を介してカーオーディオやカーナビゲーション等のカーアクセサリ42に電力を供給して作動させる。また、エネルギー電池3は、DC−DCコンバータ13を介して鉛蓄電池43に電力を供給し、鉛蓄電池43を充電する。鉛蓄電池43は、電動モータ5よりも低電圧・低出力の電気負荷(ここでは、コントローラ12等)に電力を供給する。なお、カーアクセサリ42には、鉛蓄電池43からの電力が供給されてもよい。
充電器による充電時、すなわち、急速充電器90に接続された場合の車両用電源制御装置1の動作について説明する。
まず、従来の充電方法およびその問題点について説明する。
図2は、従来の充電方法を用いて急速充電器90によりパワー電池2とエネルギー電池3とを充電した際の各電池2,3のSOCの時間変化を示したグラフである。この図2において、実線SOCはパワー電池2のSOCの時間変化であり、破線SOCはエネルギー電池3のSOCの時間変化である。従来においても、パワー電池2とエネルギー電池3とは基本的に並列に接続されている。パワー電池2とエネルギー電池3とは、並列に接続されていることから、また、前述のように、これら電池間で電流のやりとりがあることから、充電開始時の各電池2,3のOCVはほぼ同じ値である。
急速充電器90による充電が開始されると、各電池2,3のSOCはほぼ同じ値(図2では、約0.3)から増加していく。ただし、前述のように、パワー電池2の内部抵抗の方がエネルギー電池3の内部抵抗よりも小さい。そのため、急速充電器90から供給された電流は主としてパワー電池2に供給され、パワー電池2のSOCは、エネルギー電池3のSOCよりも急速に増加していく。このようにパワー電池2に主として電流が供給し続けられる結果、従来の方法では、時間t1にてパワー電池2のSOCのみが目標SOC(ここでは、0.8に設定されている)に到達し、さらに、時間t2にて、エネルギー電池3が十分に充電されていない状態で、パワー電池2の電圧ひいてはパワー電池2とエネルギー電池3とが接続された並列回路の電圧が上限電圧に到達する。
前記並列回路の電圧が上限電圧に到達すると、エネルギー電池3が十分に充電されていないにも関わらず、急速充電器90から並列回路側への電流の供給は停止してしまう。そこで、従来の方法では、このようにエネルギー電池3が満充電されない状態で充電が一旦停止した旨およびエネルギー電池3の充電が完了していない旨を使用者に報知する。そして、使用者によって、充電器の接続先をエネルギー電池3のみに切り替えさせて、エネルギー電池3のみの充電を開始させる。
ここで、エネルギー電池3は、その内部抵抗が大きいために電流に対する発熱量が大きい。そのため、エネルギー電池3のみを充電する場合には、その熱劣化を抑制するべくパワー電池2とエネルギー電池3とを同時に充電していた場合に比べて急速充電器90の充電レートを低くせねばならない。そこで、従来の方法では、エネルギー電池3のみの充電を開始するのに伴って、急速充電器90の充電レートを低い値に切り替える。このようにして、時間t2後は、エネルギー電池3のみが低い充電レートで充電されていき、時間t3においてエネルギー電池3のSOCがようやく目標値に到達する。
以上のように、従来では、使用者に充電先の切替作業を行わせるとともに充電レートを充電途中で低い値に切り替えるという方法で、各電池2,3の両方を目標SOCに到達させていた。そのため、充電のための操作が煩雑になる、また、充電レートを変更可能なように充電器側および並列回路側を構成せねばならずこれらの構成が複雑になる、さらに、エネルギー電池3のみの充電開始後の充電レートが低くなり充電完了までの時間すなわち充電時間が長くなるという問題を有していた。
本発明者らは、前記従来の方法が含む問題を解決するべく鋭意研究の結果、充電器から各電池2,3に充電電流を供給してこの充電電流により各電池2,3を充電する外部充電工程と、充電器からの充電電流の供給を停止してパワー電池2とエネルギー電池3との間で発生する循環電流を利用してパワー電池2によりエネルギー電池3を充電させる内部充電工程とを含む内外充電工程を繰り返し実施するという方法を含む本発明の充電方法を発明した。
本実施形態に係る充電方法について、図3に示したフローチャートおよび図4を用いて説明する。
本実施形態では、コントローラ12に、機能的に充電制御部(充電制御手段)12aが設けられている。この充電制御部12aは、以下に説明するように、前記内外充電工程の実施回数等を算出するとともに、前記スイッチ22の切替操作を行う。
まず、充電が開始される、すなわち、充電用プラグ50により車両用電源制御装置1に急速充電器90が接続される、すなわち充電器接続工程が実施されると、充電制御部12aは、各電池2,3の電圧が上限電圧未満かどうかを判定する(ステップS1)。具体的には、充電制御部12aは、各電池2,3の電流・電圧センサ16,17で計測された値と、予め記憶していた各電池の上限電圧とを比較する。
前記ステップS1での判定がNOの場合、すなわち、各電池2,3の電圧が上限電圧以上の場合は、充電不要(充電不能)であるため、充電制御部12aは、ステップS20に進み充電を終了する。
一方、ステップS1での判定がYESの場合、すなわち、各電池2,3の電圧が上限電圧未満の場合、充電制御部12aは、ステップS2に進む。充電制御部12aは、ステップS2において、内外充電工程の繰り返し回数Kを算出するとともに、内部充電工程の各回ごとの循環電流Icの目標値である目標循環電流Ic_trg(N)の値を算出する。この内外充電工程の繰り返し回数Kおよび目標循環電流Ic_trg(N)の算出手順の詳細については後述する。また、充電制御部12aは、各回の内部充電工程において電池2,3間に生じる循環電流Icが前記目標循環電流Ic_trg(N)となるような第1基準電圧差△V1(N)を算出する。具体的には、充電制御部12aは、パワー電池2の内部抵抗をR、エネルギー電池3の内部抵抗をRとして、△V1(N)=(R+R)×Ic_trg(N)の式より算出する。充電制御部12aは、その後、ステップS3において、Nを初期値の1に設定する。
充電制御部12aは、ステップS3の後、ステップS4に進み、急速充電器90によって各電池2,3を充電する外部充電を実施する。すなわち外部充電工程を開始する。具体的には、充電制御部12aは、スイッチ22を閉じて急速充電器90と第1回路20との接続状態を、これらが電気的に接続されて急速充電器90から各電池2,3に電流が供給され、これら電池2,3が急速充電器90により充電される外部充電状態にする。これにより、各電池2,3には、第1回路20を介して急速充電器90から電流が供給され、各電池2,3は急速充電器90からの電流により充電されていく。
ここで、前述のように、パワー電池2とエネルギー電池3とは第1回路20によって互いに並列に接続されているとともに、パワー電池2の方がエネルギー電池3よりも内部抵抗が小さい。そのため、急速充電器90からの電流は、主としてパワー電池2に供給される。これに伴い、図4に示すように、本実施形態においても、充電開始後、外部充電が実施されることで、パワー電池2のSOC(SOC)の方がエネルギー電池3のSOC(SOC)よりも急速に増加していく。なお、本実施形態においても、パワー電池2とエネルギー電池3とは、並列に接続されていることから、また、前述のように、これら電池間で電流のやりとりがあることから、充電開始時の各電池2,3のOCVひいてはSOCはほぼ同じ値である。
前記外部充電を実施しながら、充電制御部12aは、ステップS5において、現在のパワー電池2のSOCの値SOCおよびエネルギー電池のSOCの値SOCを算出するとともに、ステップS6において、パワー電池2のOCVの値OCVおよびエネルギー電池のOCVの値OCVを算出する。
具体的には、各電池2,3のSOCは、初期(出荷時)のSOCの値と、各電池2,3に入力および各電池2,3から出力された電流の時間積分を各電池2,3の電池容量で割った値との和で算出される。すなわち、初期のパワー電池2のSOCの値をSOC1とし、パワー電池2に対して入出力した電流をI(t)とし、パワー電池2の電池容量をCとすると、パワー電池2の時刻tでのSOCの値SOC(t)は、次の式で算出される。
SOC(t)=SOC1+∫I(t)・dt/C
また、初期のエネルギー電池3のSOCの値をSOC1とし、エネルギー電池3に対して入出力した電流をI(t)とし、エネルギー電池3の電池容量をCとすると、エネルギー電池3の時刻tでのSOCの値SOC(t)は、次の式で算出される。
SOC(t)=SOC1+∫I(t)・dt/C
ここで、初期のSOCの値SOC1は、初期(出荷時)に計測された各電池のOCVの値から導かれ、各電池2,3に対して入出力する電流の値I(t),I(t)は、前記各電池2,3の電流・電圧センサ16,17により計測された値が用いられる。充電制御部12aは、通常時か充電時かによらず、上記式を用いてパワー電池2およびエネルギー電池3のSOCをそれぞれ時々刻々算出しており、ステップS5においても、同様にして、各電池2,3のSOCの値が算出する。なお、各電池2,3の電池容量CP、の値は、電池2,3の劣化を考慮して、適正なタイミングで補正される。
また、充電制御部12aには、SOCとOCVとのマップが記憶されている。ステップS6において、充電制御部12aは、このマップから、前記算出した各電池2,3のSOCの値に対応する値を抽出することで、時刻tすなわち現在の各電池2,3のOCVの値を算出する。
ステップS6にて各電池2,3のOCVを算出した充電制御部12aは、ステップS7において、これらOCVの差を算出するとともに(開放電圧差算出工程)、この差が、前記ステップS2で算出した第1基準電圧差△V1(N)以上かどうかを判定する。
ステップS7での判定がNOの場合、すなわち、パワー電池2のOCVの値OCVからエネルギー電池3のOCVの値OCVを引いた値が第1基準電圧差△V1(N)に到達していない場合には、充電制御部12aは、ステップS4に戻り、ステップS4〜S7を繰り返す。
このように、充電制御部12aは、外部充電が開始されてから各電池2,3のOCVの差が第1基準電圧差△V1(N)以上になるまでの間、外部充電を継続する。
外部充電の実施に伴い、パワー電池2とエネルギー電池3のOCVの差が第1基準電圧差△V1(N)以上となりステップS7での判定がYESとなると、充電制御部12aは、ステップS8に進み、外部充電を停止して内部充電を実施する。すなわち、内部充電工程を実施する。具体的には、充電制御部12aは、スイッチ22を開いて急速充電器90と第1回路20との接続状態を、これらが電気的に接続されていない内部充電状態にする。
スイッチ22が開かれると、パワー電池2とエネルギー電池3とが第1回路20により互いに並列に接続されておりパワー電池2のOCVの方がエネルギー電池3のOCVよりも高いことから、パワー電池2からエネルギー電池3に循環電流が流れ、パワー電池2によりエネルギー電池3が充電される内部充電が開始する。すなわち、図4に示すように、時刻t11において外部充電を停止してスイッチ22が開かれると、パワー電池2のSOCは減少していき、エネルギー電池3のSOCが増加していく。これに伴い、各電池2,3のSOCおよびOCVの差は縮まっていく。
充電制御部12aは、スイッチ22を開放して内部充電を実現しながら、ステップS9において、エネルギー電池3に流れた循環電流の平均値である実平均循環電流Ic_realを算出する。具体的には、充電制御部12aは、E電池・電流センサ17によりエネルギー電池3に流入した電流を循環電流として計測してその平均値を算出していく(循環電流検出工程)。
また、充電制御部12aは、ステップS10において、現在のパワー電池2のSOCの値SOCおよびエネルギー電池のSOCの値SOCを算出するとともに、ステップS11において、パワー電池2のOCVの値OCVおよびエネルギー電池のOCVの値OCVを算出する。そして、充電制御部12aは、ステップS12において、これら電池2,3のOCVの差が第2基準電圧差△V2未満かどうか、すなわち、これら電池2,3のOCVの差が内部充電の実施に伴い第2基準電圧差△V2未満まで低下したかどうかを判定する。本実施形態では、この第2基準電圧差△V2は、50mVに設定されており、各電池2,3のOCVの差がほぼ0かどうかが判定される。
ステップS12での判定がNOの場合、すなわち、電池2,3のOCVの差が第2基準電圧差△V2未満まで低下していない場合は、充電制御部12aは、ステップS8に戻り、ステップS8〜S12を繰り返す。
このように、充電制御部12aは、外部充電が停止されて内部充電が開始されてからパワー電池2とエネルギー電池3のOCVの差が第2基準電圧差△V2未満に低下するまでの間、スイッチ22を開放して内部充電を継続する。例えば、図4に示す例では、時刻t11から時刻t12までの間、1回目の内部充電が実施される。
内部充電の実施に伴い、パワー電池2とエネルギー電池3のOCVの差が第2基準電圧差△V2未満まで低下して、ステップS12での判定がYESとなると、充電制御部12aは、ステップS13に進む。
ステップS13において、充電制御部12aは、各電池2,3の電圧が上限電圧以上となったかどうかを判定する。この判定がYESの場合、すなわち、各電池2,3の電圧が上限電圧以上となり、各電池2,3のSOCが目標容量以上になったと判定すると、充電制御部12aは、ステップS20に進み充電を終了する。一方、この判定がNOの場合、すなわち、各電池2,3の電圧が上限電圧未満であって各電池2,3のSOCがまだ目標容量に到達していないと判定すると、充電制御部12aは、ステップS14に進み、Nをカウントアップするとともに第1基準電圧差△V1(N)の値をNに応じた値に更新した後、ステップS15に進む。
充電制御部12aは、ステップS15において、ステップS9で算出した直前に実施された内部充電で流れた循環電流の平均値すなわち実平均循環電流Ic_real(N−1)がステップS2で算出した目標循環電流Ic_trg(N−1)の値とずれているかどうかを判定する。
ステップS15の判定がYESの場合、すなわち、実平均循環電流と目標循環電流との間にずれが生じている場合は、充電制御部12aは、ステップS16において、次回以降の第1基準電圧差△V1(N)の値を補正する(第1基準電圧差補正工程)。本実施形態では、各電池2,3の内部抵抗の和が、劣化や部品ばらつきにより、想定値の(R+R)から(R+R)×Ic_trg(Nー1)/Ic_real(N−1)にずれたために、循環電流が目標値からずれたとして、第1基準電圧差△V1(N)を、△V1´(N)=△V1(N)×Ic_trg(Nー1)/Ic_real(N−1)の式を用いて△V1´(N)に補正する。なお、実平均循環電流Ic_realが目標循環電流Ic_trgの値よりも小さい場合は、想定した回数で充電が終了しないおそれがあるため、この場合には、目標容量と実容量との差等に基づいて第1基準電圧差△V1(N)を上記式で算出される値よりも大きい値に補正してもよい。充電制御部12aは、ステップS16の後、ステップS4に戻る。
一方、ステップS15での判定がNOの場合は、充電制御部12aは、第1基準電圧差△V1を補正することなく、ステップS4に戻る。
ステップS4に戻ると、充電制御部12aは、再び、ステップS7での判定がYESとなるまで、すなわち、各電池2,3のOCVの差が第1基準電圧差△V1(N)以上となるまで、ステップS4からステップS7を実施して、再び外部充電を実施する。また、充電制御部12aは、ステップS7での判定がYESとなると、ステップS12での判定がYESとなるまで、すなわち、各電池2,3のOCVの差が第2基準電圧差△V2未満となるまで、ステップS8からステップS12を実施して、再び内部充電を実施する。
このようにして、充電制御部12aは、ステップS13での判定がYESとなるまで、すなわち、各電池2,3の電圧が上限電圧以上となり、各電池2,3のSOCが目標容量に到達するまで、ステップS4〜ステップS7の外部充電工程とステップS8〜ステップS12の内部充電工程とを含む内外充電工程、および、ステップS14〜ステップS16を繰り返し実施する。ここで、前述のように、ステップS2にて内外充電工程を実施する回数Kを算出しており、内外充電工程は基本的にこの回数Kだけ実施されるが、この回数によらず、本実施形態では、ステップS13での判定がYESとなるまで内外充電工程が実施される。すなわち、各電池2,3等の想定外の劣化等により、想定した回数K以上、あるいは、この回数K未満、内外充電工程が実施される場合がある。なお、想定した回数K以上に内外充電工程が実施される場合には、その追加された回数の目標循環電流Ic_trg(N)および第1基準電圧差△V1(N)は、直前の回での値を用いればよい。
図4に示す例では、内外充電工程は3回実施されており、前述のように時刻t11まで1回目の外部充電が実施され、時刻t11から時刻t12までの1回目の内部充電が実施されるとともに、時刻t12から時刻t13まで2回目の外部充電が実施され、時刻t13から時刻t14まで2回目の内部充電が実施され、時刻t14から時刻t15まで3回目の外部充電が実施され、時刻t15から時刻t16まで3回目の内部充電が実施されて、各電池2,3のSOCは時刻t16で同時に目標SOCに到達している。ここで、内部充電工程の実施によって各電池2,3のOCVの差がほぼ0になることに伴い、内部充電工程終了時点において各電池2,3のSOCはほぼ同じ値となる。
以上のように、本実施形態に係る充電方法では、外部充電の実施に伴いパワー電池2が早期に充電されていくが、パワー電池2とエネルギー電池3のOCVの差が第1基準電圧差△V1を越えると外部充電が停止されて内部充電に切り替えられ、これら電池2,3のOCVの差が第2基準電圧差△V2未満、すなわち、ほぼ同じ値になってはじめて外部充電が再開される。そして、この外部充電と内部充電とが繰り返されて、充電期間中、各電池2,3のOCVの差が近い値に調整されつつ各電池2,3が充電されていく。そのため、急速充電器90の充電レートをパワー電池2に合わせた高い値としつつ、パワー電池2とエネルギー電池3とを最終的にほぼ同じタイミングで目標容量に到達させることができる。すなわち、本実施形態にかかる充電方法を用いれば、充電時間を短くしつつ、充電途中で急速充電器90の充電レートを変更せねばならないという従来の問題を解決して操作を容易に、かつ、構造を簡素化することができる。特に、パワー電池3によってエネルギー電池3を充電することで各電池2,3のOCVの差を近い値に調整するという方法をとっており、このOCV差の調整期間すなわち内部充電の期間をエネルギー電池3の充電に有効に利用することができ、充電時間をより確実に短くすることができる。
次に、前記ステップS2において実施される内外充電工程の繰り返し回数Kおよび目標循環電流Ic_trg(N)の算出手順について説明する。
内外充電工程の繰り返し回数Kおよび目標循環電流Ic_trg(N)は、内外充電工程をK回実施することで目標時間内に各電池2,3のSOCを目標SOC以上にすることができ、かつ、各回の内部充電工程においてエネルギー電池3の温度が上限温度を超えない値に設定される。
具体的には、
充電開始時のパワー電池2のSOCをSOC
充電開始時のエネルギー電池3のSOCをSOC
内外充電工程をK回実施した後のパワー電池2のSOCをSOC(K)
内外充電工程をK回実施した後のエネルギー電池3のSOCをSOC(K)
各電池2,3の目標SOCをSOCtrg
N回目の外部充電工程の実施時間を△t_r(N)
N回目の内部充電工程の実施時間を△t_c(N)
目標充電期間を△t_trg
N回目の内部充電開始時のエネルギー電池3の温度をTstart(N)
N回目の内部充電工程の実施に伴うエネルギー電池3の温度上昇量を△T_c(N)
エネルギー電池3の上限温度をTmax
として、
SOC(K)≧SOC_trg・・・(1)
SOC(K)≧SOC_trg・・・(2)
Figure 0006090031
Tstart(N)+△T_c(N)≦Tmax N=1〜K・・・(4)
を満足する値に設定される。
ここで、各電池2,3の目標SOCであるSOCtrg、目標充電期間△t_trg、エネルギー電池3の上限温度をTmaxは予め設定された値である。
また、本実施形態では、充電終了時点での両電池2,3のSOCは同じ値となる。そのため、前記式(1)、(2)は、次のように表すことができる。
SOC(K)=SOC(K)≧SOC_trg・・・(5)
各電池2,3のSOCは、充電開始時のパワー電池2のSOCと、外部充電で増加したSOCと、内部充電で増減したSOCとの和であり、電池のSOCは、供給・放出した電流をIとし、その時間を△tとし、電池容量をCとすると、SOC=I×△t/Cで表される。
そのため、内外充電工程をK回実施した後のパワー電池2のSOCであるSOC(K)は、パワー電池2の電池容量をCとし、充電開始時のSOCをSOC_startとし、N回目の外部充電工程時に急速充電器から供給された充電電流をIr_P(N)とし、N回目の外部充電工程の実施時間を△t_r(N)とし、N回目の内部充電工程時の循環電流をIc(N)とし、内部充電工程の実施時間を△t_c(N)とすると、次のように表すことができる。
Figure 0006090031
また、内外充電工程をN回実施した後のエネルギー電池3のSOCであるSOC(N)は、パワー電池2の電池容量をCとし、充電開始時のSOCをSOC_startとし、N回目の外部充電工程時に急速充電器から供給された充電電流をIr_E(N)とし、N回目の外部充電工程の実施時間を△t_r(N)とし、N回目の内部充電工程時の循環電流をIc(N)とし、内部充電工程の実施時間を△t_c(N)とすると、次のように表すことができる。
Figure 0006090031
ここで、外部充電工程時に急速充電器90からパワー電池2およびエネルギー電池3に供給される電流Ir_P(N)およびIr_E(N)は、急速充電器90の供給電流と各電池2,3の抵抗とから決定されるものであり既知である。
また、N回目の内部充電開始時のエネルギー電池3の温度Tstart(N)の値は、充電開始時のエネルギー電池3の温度とN−1回の内部充電実施に伴うエネルギー電池3の温度上昇量とN回の外部充電実施に伴うエネルギー電池3の温度上昇量との和である。そして、エネルギー電池3の温度上昇量△Tは、エネルギー電池3の抵抗R、エネルギー電池3の熱容量h、エネルギー電池3に△t時間供給された電流Iを用いて、△T=I^2×R×△t/hで算出される。従って、式(4)は、充電開始時のエネルギー電池3の温度をT0とし、x回目の外部充電工程時に急速充電器90から供給された電流をIr_E(x)とし、x回目の外部充電工程の実施時間を△t_r(x)とし、x回目の内部充電工程時の循環電流をIc(x)とし、内部充電工程の実施時間を△t_c(x)とすると、次の式(8)のように表すことができる。
Figure 0006090031
ここで、充電開始時のエネルギー電池3の温度T0は、E電池温度センサ18により検出される。
以上の式(3)、(5)〜(8)式に基づき、内外充電工程の回数Kおよび各回での目標循環電流Ic_trg(N)の値が決定される。
例えば、パワー電池2,エネルギー電池3が、各々、電池容量が10Ah、58Ahで内部抵抗がそれぞれ0.5mΩ、2mΩのリチウムイオン電池であって、急速充電器90の充電電流が120Aの場合において、充電目標時間を1800秒とし、目標SOCを0.8とし、エネルギー電池3の上限温度を50℃とすると、エネルギー電池3の温度が25℃で、各電池2,3のSOCが0.2の状態から、各電池2,3を充電する場合、目標循環電流Ic_trg(N)は200〜150の間に設定されるとともに、内外充電工程の繰り返し回数Kは3回に設定される。この目標循環電流を満足する第1基準電圧差△V1は、50mV〜200mVであり、各回の第1基準電圧差△V1は、例えば、初回及び第2回の第1基準電圧差△V1は、上限値に近い190mVに設定され、3回目の第1基準電圧差△V1は、それぞれ150mVに設定される。そして、これらの値を用いて本実施形態に係る充電方法を用いて各電池2,3を充電すると、その充電時間は1140秒となり、充電目標時間1800秒を満足するとともに、従来の方法で充電した場合の1260秒よりも早くなる。
以上のようにして、本実施形態では、目標循環電流ひいては第1基準電圧差△V1が、充電期間が目標充電期間以内におさまり、かつ、エネルギー電池3の温度が上限温度を超えないように設定される。そのため、エネルギー電池3の早期劣化を抑えつつ、より確実に目標充電期間内に各電池2,3を充電させることができる。
なお、前記例では、第1基準電圧差△V1が1回目および2回目とそれ以降とで異なる場合について示したが、これらが同じ値であってもよい。ただし、内外充電工程の実施回数が多いほどエネルギー電池3の温度は高くなるため、前記のように実施回数が大きいほど対応する第1基準電圧差△V1を小さくするのが好ましい。
また、前記実施形態では、内外充電工程の繰り返し回数Kおよび各回の第1基準電圧差△V1を、充電を開始する毎に算出する場合について示したが、これらの値として実験等で別途求めた値を用いるようにして、この充電毎に繰り返し回数K等を算出する工程を省略してもよい。すなわち、充電制御部12aに予め設定した繰り返し回数K等記憶させておき、図3に示すフローチャートにおいてステップ2を省略して、この記憶している繰り返し回数K、目標循環電流および第1基準電圧差△V1を抽出するようにしてもよい。ここで、本発明者らは、前述のように、充電目標時間を満足し、かつ、エネルギー電池3の熱劣化を抑制するには、第1基準電圧差△V1が50〜200mVに設定されるのが好ましいことを突き止めており、前記のように第1基準電圧差△V1を充電毎に算出しない場合であっても、第1基準電圧差△V1の値は、この範囲に設定されるのが好ましい。
また、内外充電工程の繰り返し回数Kの算出、設定は省略してもよい。この場合には、各電池2,3のSOCが目標容量に到達するまで内外充電工程を繰り返し実施させればよい。
また、前記実施形態では、充電器として急速充電器90を用いた場合について示したが、普通充電器により充電する場合にも、本方法を適用可能である。ただし、急速充電器90は普通充電器よりも充電レートが高く設定されている。そのため、急速充電器90により各電池2,3を充電する場合に本方法を適用すれば、特に有効である。
1 車両用電源制御装置
2 パワー電池
3 エネルギー電池
8 第1回路(並列回路)
12 コントローラ
12a 充電制御部(充電制御手段)
22 スイッチ(切換手段)
90 急速充電器(充電器)

Claims (8)

  1. 車両用電源制御装置であって、
    パワー電池と、
    前記パワー電池よりも出力密度が小さくかつエネルギー密度が大きいエネルギー電池と、
    前記各電池を互いに並列に接続するとともに、所定の充電器に接続される並列回路と、
    前記充電器と前記並列回路との接続状態を、前記充電器から前記各電池に電流が供給されて当該各電池が前記充電器により充電される外部充電状態と、前記充電器から前記各電池に電流が供給されない一方前記パワー電池から前記エネルギー電池に循環電流が供給されて当該エネルギー電池が前記パワー電池により充電される内部充電状態とに切替え可能な切替手段と、
    前記切替手段を制御可能な充電制御手段とを備え、
    前記充電制御手段は、前記各電池の開放電圧差を算出可能であり、前記充電器による充電が開始されてから前記各電池の電池容量が目標容量に到達するまでの充電期間中、前記切替手段によって、前記接続状態が前記外部充電状態のときに前記開放電圧差が予め設定された第1基準電圧差以上になると前記接続状態を前記外部充電状態から前記内部充電状態に切替えるとともに、前記接続状態が前記内部充電状態のときに前記開放電圧差が予め設定された第2基準電圧差未満に低下すると前記接続状態を前記内部充電状態から前記外部充電状態に切替えることを特徴とする車両用電源制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用電源制御装置において、
    前記第1基準電圧差は、予め設定された前記充電期間の目標値と、前記接続状態が前記内部充電状態のときの前記エネルギー電池の発熱量とに基づいて設定されることを特徴とする車両用電源制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両用電源制御装置において、
    前記充電制御手段は、前記循環電流を検出可能であって、当該検出した循環電流に基づき前記第1基準電圧差を補正することを特徴とする車両用電源制御装置。
  4. 請求項2または3に記載の車両用電源制御装置において、
    前記第1基準電圧差は、50mV以上200mV以下に設定されていることを特徴とする車両用電源制御装置。
  5. 車両に設けられて互いに並列に接続されたパワー電池と当該パワー電池よりも出力密度が小さくかつエネルギー密度が大きいエネルギー電池とを、充電器により充電するための車両用電池の充電方法であって、
    前記各電池の開放電圧差を算出する開放電圧差算出工程と、
    前記開放電圧差が予め設定された第1基準電圧差以上となるまで、前記充電器から供給された電流によって前記各電池を充電する外部充電工程と、
    前記外部充電工程の直後に実施されて、前記開放電圧差が予め設定された第2基準電圧未満に低下するまで、前記充電器から前記各電池に電流を供給しない一方前記パワー電池と前記エネルギー電池との間で循環電流を発生させて当該エネルギー電池を前記パワー電池により充電する内部充電工程とを含み、
    前記充電器による充電が開始されてから前記各電池の電池容量が目標容量に到達するまでの充電期間中、前記外部充電工程と前記内部充電工程とを含む内外充電工程を繰り返し実施することを特徴とする車両用電池の充電方法。
  6. 請求項5に記載の車両用電池の充電方法において、
    前記第1基準電圧差は、予め設定された前記充電期間の目標値と、前記内部充電工程実施時の前記エネルギー電池の発熱量とに基づいて設定されることを特徴とする車両用電池の充電方法。
  7. 請求項5または6に記載の車両用電池の充電方法において、
    前記循環電流を検出する循環電流検出工程と、
    直前に実施された前記内部充電工程で発生した前記循環電流の検出値に基づいて、前記第1基準電圧差を補正する第1基準電圧差補正工程とを含むことを特徴とする車両用電池の充電方法。
  8. 請求項6または7に記載の車両用電池の充電方法において、
    前記第1基準電圧差は、50mV以上200mV以下に設定されていることを特徴とする車両用電池の充電方法。
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