JP6088757B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、数十ゲームから数百ゲーム程度の短期的な出玉率を、予め設定した上限の出玉率未満に制限することができ、射幸性を適度な範囲に抑制することができるとともに、遊技の興趣が低下することを出来るだけ防止することができる遊技機を提供することを目的とする。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、遊技として、通常の遊技である通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技である有利遊技を備え、有利遊技として、大有利遊技と、大有利遊技よりも有利さの程度が相対的に低い小有利遊技とを備え、小有利遊技、大有利遊技及び通常遊技を含む複数の遊技の間で遊技の移行を制御する遊技移行制御手段と、大有利遊技の実行を禁止する禁止期間を制御する禁止期間制御手段と、有利遊技中において、出玉率を制限するための数をカウントするカウント手段と、を備え、禁止期間制御手段は、いずれかの有利遊技中において、カウント手段によるカウントに基づいて、予め設定した上限の出玉率以上の出玉率とならないようにするための所定の制限条件が成立した場合に、禁止期間を設定するように形成され、遊技移行制御手段は、禁止期間中は、大有利遊技を実行可能であっても大有利遊技に移行させないとともに、大有利遊技以外の他の遊技には移行可能に形成されていると共に、大有利遊技の遊技回数をカウントする遊技回数カウント手段を備え、禁止期間制御手段は、遊技回数カウント手段によりカウントされた、今回開始された大有利遊技の終了までの遊技回数に基づいて、少なくとも、このカウントされた大有利遊技の遊技回数より多い遊技回数を、今回の大有利遊技の終了から次回の大有利遊技開始までの移行の禁止期間として設定するように形成されていることを特徴とする。
また、「有利さの程度が相対的に低い」とは、出玉率(遊技媒体の投入数に対する払い出し数の比率)が低いことや、所定の抽選の抽選確率が低いことなどを意味する。ここで「所定の抽選」としては、例えばスロットマシン1においては、役の抽選、ARTなどの有利遊技に移行するための抽選、ARTなどの有利遊技のゲーム数を加算(上乗せ)するための抽選、ARTなどの有利遊技のセット数を加算(上乗せ)するための抽選などを挙げることができる。なお、有利遊技は、全ての要素を考慮して全体として通常遊技よりも有利であればよく、いずれかの要素が通常遊技よりも不利であってもよい。
また、「予め設定した上限の出玉率以上の出玉率とならないようにするための所定の制限条件」が成立したか否かの判断時は、有利遊技中であればいつでもよく、例えば毎遊技、判断を行うようにしてもよく、また、例えば有利遊技の所定の終了時にのみ、判断を行うようにしてもよい。
すなわち本発明では、有利遊技中において出玉率を制限するための数をカウントし、このカウントに基づいて、予め設定した上限の出玉率以上の出玉率とならないようにするための所定の制限条件が成立した場合には、大有利遊技の実行を禁止する禁止期間を設定する。そして、禁止期間中は、大有利遊技を実行しないようにしたので、数十ゲームから数百ゲーム程度の短期的な出玉率を、予め設定した上限の出玉率未満に抑制することができ、射幸性を適度な範囲に抑制することができる。また、本発明によれば、禁止期間中においては、大有利遊技は実行されないが小有利遊技は実行可能であるので、遊技の興趣が低下することを出来るだけ防止することができる。また、本発明によれば、小有利遊技に移行した場合に、遊技者は、これが所定の制限条件が成立したことによるものなのか、すなわち禁止期間中であることによるものなのか、所定の制限条件とは異なる予め設定した移行条件が成立したことによるものなのかは分からないので、所定の制限条件が成立したことを出来るだけ遊技者に知られないようにすることができる。
すなわち本発明によれば、数十ゲームから数百ゲーム程度の短期的な出玉率を、予め設定した上限の出玉率未満に制限することができ、射幸性を適度な範囲に抑制することができるとともに、遊技の興趣が低下することを出来るだけ防止することができる遊技機を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態を、遊技機としてスロットマシンを例に、図面に基づき説明する。
以下、「正面」とは、スロットマシン1において遊技を行う際に遊技者が向き合う面をいい、「右側」とは、スロットマシン1の正面に向き合って遊技を行う遊技者から見て右側をいい、「左側」とは、スロットマシン1の正面に向き合って遊技を行う遊技者から見て左側をいう。
(スロットマシン1)
スロットマシン1は、図1に示すように、正面側が開口する方形箱状の筐体11と、この筐体11の正面開口を開閉自在に設けられた前扉3を有している。前記筐体11の内部において、開口上部には、3個の回転リール40を有するリールユニット60が設置され、開口下部には、ホッパーユニット65と、電源ユニット5が設けられている。また、前記リールユニット60の上方には、スロットマシン1の全体の動作を制御するための制御装置20(図2参照)が配置されている。
各回転リール40は、合成樹脂からなる回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるテープ状のリールテープとを備えている。このリールテープの外周面には、図3に示すように、「赤7A」、「赤7B」、「BAR」、「リプレイA」、「リプレイB」、「スイカ」、「ベルA」、「ベルB」、「ベルC」、「チェリー」などの図柄が、1つの回転リール40につき21個ずつ、表示されている。なお、図3において左端の数字は、各図柄を特定するための図柄番号を示している。
また、特に図示しないが、各回転リール40には、リールユニット60に設けられたインデックスセンサ60A(図2参照)に検知される検知部としてのスタートインデックスが設けられている。スタートインデックスは、例えば回転ドラムの内側や回転ドラムとステッピングモータをつなぐスポークに設けられた突片とすることができる。
前記ホッパーユニット65は、図1に示すように、筐体11の内部に設けられた払い出し装置であって、遊技の結果に基づいて、遊技者にメダルを払い出すためのものである。前記電源ユニット5は、スロットマシン1の主電源のON/OFFを行うものである。
前記ベットスイッチ16は、カウンター状の操作部3Aの上面左側に設けられたボタンスイッチであって、クレジットをメダル投入に代えるためのものである。ここで、クレジットとは、次ゲーム以降に使用するためのメダルをあらかじめ遊技機内部に貯留しておくことであり、スロットマシン1は、メダル投入口14から投入されたメダル、又は入賞により払い出されるメダルを、最大50枚まで、遊技機内部に貯留する扱いができるように形成されている。
前記スタートスイッチ30は、操作部3Aの正面左側に設けられたレバー状のスイッチであって、回転リール40の回転を開始させるためのものである。スタートスイッチ30の筐体内部側には、特に図示しないが、レバーの位置移動を検出する接触センサあるいは遮光センサが設けられており、センサの検出信号がスタートスイッチ30の操作信号として扱われるようになっている。
ストップスイッチ50は、操作部3Aの正面中央部に設けられた3個のボタンスイッチであって、回転中の回転リール40を停止させるためのものである。ここで、3個のストップスイッチ50について、個々のストップスイッチ50を特定して説明する場合には、正面視したときに左側に位置するストップスイッチ50を左停止スイッチ51と称し、中央に位置するストップスイッチ50を中停止スイッチ52と称し、右側に位置するストップスイッチ50を右停止スイッチ53と称するものとし、個々のストップスイッチ50を特定しない場合には、単にストップスイッチ50というものとする。3個のストップスイッチ50は、それぞれ、3個の回転リール40に対応して設けられている。具体的には、左リール41には左停止スイッチ51が対応し、中リール42には中停止スイッチ52が対応し、右リール43には右停止スイッチ53が対応している。各ストップスイッチ50の筐体内部側には、特に図示しないが、ボタンの位置移動を検出する接触センサあるいは遮光センサがそれぞれ設けられており、センサの検出信号が各ストップスイッチ50の操作信号として扱われるようになっている。そして、左停止スイッチ51の操作により左リール41を停止させることができ、中停止スイッチ52の操作により中リール42を停止させることができ、右停止スイッチ53の操作により右リール43を停止させることができる。
上記制御装置20は、図示しないが、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/Oなどを備えている。ここでCPUは、1個に限定されず、二個以上のCPUで制御するようにしてもよい。また、CPU、ROM、RAM及びI/Oなどは一体化されてワンチップを構成してもよい。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、図2に示すように、メイン制御装置21及びサブ制御装置22を構成する。メイン制御装置21とサブ制御装置22との間における信号の送受信は、メイン制御装置21における内部データの信頼性を担保すべく、メイン制御装置21からサブ制御装置22への一方通行となるように形成されている。
そして、制御装置20の入力側には、図2に示すように、メダルセンサ15、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、ストップスイッチ50、インデックスセンサ60Aの各パーツが接続されている。ここで、メダルセンサ15は、図1に示すように、メダルセレクター4に内蔵された検知センサであって、投入されたメダルの通過を検知するものである。インデックスセンサ60Aは、特に図示しないが、リールユニット60の枠体に設けられた検知部であって、回転リール40の回転を検知するためのものである。
メイン制御装置21は、主として遊技を制御するものであって、具体的には役の抽選(役抽選)、回転リール40の回転・停止及びメダルの払い出しなどの遊技の進行を制御するものである。そして、メイン制御装置21は、図2に示すように、役抽選手段70、メイン状態移行制御手段80、リール制御手段90、遊技結果判定手段100、ホッパー制御手段110、遊技制御情報送信手段120などの各手段として機能する。
(役抽選手段70)
役抽選手段70は、複数の役のいずれかに当選か否かの役抽選を行うものである。具体的には、複数の図柄から構成される図柄組合せが対応付けられた所定の「役」について、当選したか否かを乱数抽選(役抽選)により決定するものであり、図2に示すように、役抽選テーブル71と、判定手段72とを備えている。そして、スタートスイッチ30の操作信号を受信したタイミングで、特に図示しないカウント抽出手段がループカウンタの数値を読み取り、判定手段72がこの数値と役抽選テーブル71とを比較して、当選の有無を判定するものである。
ここで、スロットマシン1は、ストップスイッチ50の操作によって所定の当選役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に揃って表示される(以下、このことを「入賞」という。)と、役に応じた利益が付与されるようになっている。前記役としては、入賞により所定枚数のメダルが払い出される小役と、入賞により次遊技においてメダルを新たに投入することなく再度の遊技を行える再遊技役とを備えている。本実施の形態では、ボーナスゲームの開始契機となるボーナス役は設けられていない。
ここで、抽選の結果、いずれかの役が当選すると、当選した役に対応する当選フラグが成立する。当選した役が小役の場合には小役フラグ(ベル1フラグ、チェリー2フラグなど)が、再遊技役の場合にはリプレイフラグ(リプレイ1フラグ、リプレイ2フラグなど)がそれぞれ成立する。小役フラグ及びリプレイフラグは当該遊技限りでリセットされる。また、本実施の形態では、以下に述べるように、役抽選テーブル71には、複数の役が同時に当選となる重複当選領域が設けられており、カウント抽出手段が抽出したループカウンタのカウントデータが前記した重複当選領域に属する場合には、当該領域に含まれる役の全てについて、それぞれに対応する当選フラグを成立させることになる。
本実施の形態における役抽選テーブル71の概念図を図6に示す。ここで、図6は、複数の役抽選テーブル71に設定されている当選領域の有無を示したものであり、役抽選テーブル71に左欄に示した当選領域が含まれている場合を丸印で表し、その当選領域が含まれていない場合にはバツ印で表している。
役抽選テーブル71としては、図6に示すように、通常状態において用いられる通常テーブルと、RT1状態において用いられるRT1テーブルと、RT2状態において用いられるRT2テーブルと、RT3状態において用いられるRT3テーブルとが設けられている。
各役抽選テーブル71には、当選領域としては、一の役に対応付けられた当選領域である単独当選領域の他に、複数種類の役に対応付けられた重複当選領域が設定されている。図6において、「維持リプレイ」、「ベル」、「スイカ」の当選領域は、それぞれ、リプレイ1役、ベル10役、スイカ役の単独当選領域である。一方、当選領域の「通常リプレイ」はリプレイ1役及びリプレイ2役の重複当選領域となっており、「突入リプレイ1」はリプレイ3役〜リプレイ10役の重複当選領域となっており、「突入リプレイ2」はリプレイ1役及びリプレイ3役〜リプレイ10役の重複当選領域となっており、「突入リプレイ3」はリプレイ3役〜リプレイ7役及びリプレイ9役の重複当選領域となっており、「突入リプレイ4」はリプレイ1役、リプレイ3役〜リプレイ7役及びリプレイ9役の重複当選領域となっている。
ここで、上記したベル役の9個の重複当選領域に対しては、3個のストップスイッチ50に基づく3通りの操作順序(押し順)が、それぞれ割り当てられている。具体的には、「左ベル1」、「左ベル2」及び「左ベル3」の各当選領域に対しては、左停止スイッチ51を最初に操作する押し順(以下、「左第一停止」という。)が、「中ベル1」、「中ベル2」及び「中ベル3」の各当選領域に対しては、中停止スイッチ52を最初に操作する押し順(以下、「中第一停止」という。)が、「右ベル1」、「右ベル2」及び「右ベル3」の各当選領域に対しては、右停止スイッチ53を最初に操作する押し順(以下、「右第一停止」という。)が、それぞれ割り当てられている。割り当てられている押し順が、各当選領域の当選に対する正解の押し順となる。このように押し順が割り当てられているベル役の当選領域を、「押し順ベル」と称する。そして、前記「押し順ベル」のいずれかが当選した場合、正解の押し順で、ストップスイッチ50が操作(停止操作)されたか否かによって、ベル役が入賞し得るか否かが変化するようになっているが、これについては後述する。なお、押し順の設定は、上記した3通りを設定する場合に限られない。例えば、同一領域に含まれる役の組合せがそれぞれ異なる重複当選領域を例えば6個設け、3個のストップスイッチ50に基づく6通りの押し順(左中右、左右中、中左右、中右左、右中左、右左中)を、6個の重複当選領域にそれぞれ割り当てることもできる。
さて、図6では明記していないが、各役抽選テーブル71における小役の当選領域の全領域に対する割合(以下、「抽選確率」という。)は、通常テーブル、RT1テーブル、RT2テーブル及びRT3テーブルの全てにおいて、同一に設定されている。また、各役抽選テーブル71における再遊技役の抽選確率(再遊技役の当選領域の抽選確率の合算値)は、RT3テーブルが最も高く、次にRT2テーブルが高く、RT1テーブルが最も低くなるように設定されている。通常テーブルは、RT1テーブルと同一に設定されているが、RT2テーブルよりも低ければ、RT1テーブルと同一でなくてもよい。これにより、メイン状態がRT2、RT3である遊技は、新たなメダルのベットなしで遊技を行える再遊技の回数が増えるとともに、小役の抽選確率は変化しないので、手持ちのメダルの目減りが少なくなることから、メイン状態が通常状態又はRT1である遊技よりも遊技者にとって有利な遊技となっている。
まず、抽選確率について説明する。
本実施の形態では、ベル役の抽選確率(「ベル」及び「左ベル1」以下「右ベル3」までの10個の当選領域の抽選確率の合算値)は、6/30に設定されている。ベル役以外の小役の抽選確率(スイカ役及びチェリー役の抽選確率の合算値)は、1/30に設定されている。上述の如く、これらの小役の抽選確率は、各役抽選テーブル71で共通である。RT3テーブルでは、再遊技役(「維持リプレイ」)の抽選確率は、23/30に設定されている。なお、RT3テーブルには、ハズレの領域は設定されていない。RT2テーブルでは、再遊技役の抽選確率(「維持リプレイ」及び「突入リプレイ1」以下「突入リプレイ4」までの5個の当選領域の抽選確率の合算値)は、13/30に設定されており、ハズレの抽選確率は、10/30に設定されている。
つぎに、メイン状態がRT2である遊技における1ゲーム当たりのメダルの純増加枚数について説明する。上述の如く、本実施の形態では、30ゲーム間で、ベル役に6回当選し、スイカ役又はチェリー役に1回当選し、再遊技役の抽選確率は13/30であるので、再遊技役に13回当選する。ベル役の払い出し枚数は15枚で、スイカ役及びチェリー役の払い出し枚数は3枚であるので、当選した役の全てに入賞するとすると、30ゲーム間で、93枚(=15枚×6回+3枚×1回)のメダルが払い出されることとなる。30ゲーム間で小役に7回(ベル役6回、他の小役1回)入賞し、ハズレの抽選確率は10/30であるので、メダルを新たに17回(=7回+10回)投入することになり、1回あたり3枚のメダルを投入する必要があるので、30ゲーム間で、51枚(=3枚×17回)のメダルを投入することとなる。したがって、30ゲーム間で、42枚(=93枚−51枚)のメダルを遊技者は獲得することができることとなり、1ゲーム当たりのメダルの純増加枚数は、1.4枚(=42枚/30ゲーム)となる。
なお、上記した役抽選テーブル71の構成や抽選確率は一例であって、上記した態様や数値に限られるものではなく、RT3テーブルが最も遊技者にとって有利であり、次にRT2テーブルが遊技者にとって有利であり、かつ、通常テーブル及びRT1テーブルよりも、RT3テーブル及びRT2テーブルの方が遊技者にとって有利となっていればよいものである。
メイン状態移行制御手段80は、メイン状態を決定し、メイン状態の移行を制御するものであり、図2に示すように、移行条件判定手段81と、メイン状態記憶手段82とを備えている。
移行条件判定手段81は、後述する遊技結果判定手段100の判定結果に基づいて、遊技状況が、メイン状態を移行させるための所定条件に該当するか否かを判定するものである。また、メイン状態記憶手段82は、前記移行条件判定手段81の判定結果に基づいて、現在のメイン状態を記憶する所定の状態フラグを成立させるものである。
メイン状態記憶手段82は、状態フラグとして、RTフラグ(RT1〜3フラグ)を設定する。RTフラグは、所定のRT移行条件成立に基づきセットされ、RT終了条件成立に基づきリセットされる。詳細には、RT1フラグはRT1移行時、RT2フラグはRT2移行時、RT3フラグはRT3移行時にセットされ、各RT状態の終了決定時にリセットされる。なお、通常状態においては通常状態フラグを設定してもよいし、状態フラグを特に設定しないようにしてもよい。
(メイン状態の移行)
ここで、上記構成を有するメイン状態移行制御手段80の制御に基づくメイン状態の移行の具体例を、図7及び図8に基づき説明する。
RT1中においては、「突入リプレイ1」又は「突入リプレイ3」が当選し、中第一停止で停止操作されると、RT2図柄が表示されRT2に移行し、右第一停止で停止操作されると、RT3図柄が表示されRT3に移行する。また、「突入リプレイ2」又は「突入リプレイ4」が当選し、中第一停止で停止操作されると、RT3図柄が表示されRT3に移行し、右第一停止で停止操作されると、RT2図柄が表示されRT2に移行する。なお、「突入リプレイ1」、「突入リプレイ2」、「突入リプレイ3」又は「突入リプレイ4」が当選し、左第一停止で停止操作されると、RT1図柄が表示されRT1が維持される。一方、「通常リプレイ」が当選し、左第一停止以外の押し順で停止操作された場合には、所定の再遊技役(リプレイ2役)に対応する図柄組合せが表示され、通常状態に戻るようになっている。
(リール制御手段90)
リール制御手段90は、スタートスイッチ30及びストップスイッチ50の操作信号に基づいて、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものであり、図2に示すように、回転制御手段91と、停止制御手段92とを備えている。
(回転制御手段91)
回転制御手段91は、スタートスイッチ30の有効な操作信号を受信した場合に、リールユニット60のステッピングモータを駆動させて回転リール40を回転させるものである。具体的には、規定数のベットがされている状態でスタートスイッチ30の操作信号を入力した場合には、前遊技における回転リール40の回転開始から一定時間(4.1秒、いわゆるウエイト時間)が経過していることを条件に、各回転リール40のステッピングモータに駆動信号を出力することにより、全ての回転リール40の回転を一斉に、あるいは所定の順番で開始させる。そして、全ての回転リール40の回転速度が所定の定常回転速度(例えば80rpm)に達すると、この定常回転速度で定速回転を行わせるものとなっている。
停止制御手段92は、リールユニット60に設けられた回転リール40の回転を検知するためのインデックスセンサ60A(図2参照)の検知信号に基づき、現時点における回転リール40の回転角度を把握し、ストップスイッチ50が操作された時点での回転リール40の回転角度から、所定の有効ライン上に位置している図柄を特定することができるようになっている。そして、特定された図柄を基準として、この基準図柄から回転方向にあらかじめ定められた個数(最大スベリコマ数、例えば4コマ)移動したときの図柄までの範囲で、対応する回転リール40を停止させるように形成されている。換言すれば、停止制御手段92は、ストップスイッチ50が操作された時点から対応する回転リール40が停止するまでに、この回転リール40が回転する回転量があらかじめ定められたコマ数の範囲内となるように、ステッピングモータの駆動停止を制御するものである。具体的には、前記基準図柄をその位置に停止させてもよい場合にはそのまま回転リール40を停止させ、その位置に停止させてはいけない場合には、回転リール40が停止するまでの時間を遅らせて、有効ライン上からその当選図柄を蹴飛ばして停止させる。また、最大スベリコマ数の範囲内に、当選図柄が含まれている場合には、回転リール40が停止するまでの時間を遅らせて、有効ライン上にその当選図柄を引き込んで停止させる。これらの停止制御は、各当選領域に対応して設けられた制御データに基づき行われる。
ここで、重複当選領域が当選した場合の引き込み制御について詳述する。
まず、「押し順ベル」、すなわち図6に示す「左ベル1」〜「右ベル3」のいずれかの当選領域が当選した場合の停止制御について説明する。
本実施の形態では、図3のリール図柄の配列に示すように、ベル10役及びベル11役に対応する図柄組合せに含まれる図柄は、全ての回転リール40において、最大スベリコマ数の範囲内に配置されている。つまり、ストップスイッチ50の操作のタイミングにかかわらず、有効ライン上に引き込み可能な配置となっている。一方、ベル1役〜ベル9役に対応するそれぞれの図柄の組合せに含まれる図柄は、全ての回転リール40において、最大スベリコマ数の範囲内に配置されているわけではない。つまり、ストップスイッチ50の操作のタイミングに応じて、有効ライン上に引き込み可能な配置となっている。そして、停止制御手段92は、役抽選により、「左ベル1」などの「押し順ベル」が当選した場合には、ストップスイッチ50の操作態様に応じて、ベル10役及びベル11役に対応する図柄の組合せ、又はベル10役及びベル11役以外の当選した他のベル役に対応する図柄の組合せ、又はブランクを有効ライン上に停止表示させるように停止制御を行う。
なお、本実施の形態では、正解役(ベル10役及びベル11役)と不正解役(それ以外のベル役)の配当が同じ設定となっているが、不正解役は正解役よりも払い出しが少ないように設定してもよい。また、この場合には、不正解役についても、当選していれば必ず引き込める設定にしてもよい。また、同時当選している役の配当は同じだが、正解押し順だと複数役が重複して入賞し、不正解押し順だと単独の役しか入賞しないかいずれの役も入賞しないように形成してもよい。
ここで、全ての再遊技当選領域は、当選すればいずれかの再遊技役が必ず入賞する設定となっているが、「通常リプレイ」、「突入リプレイ1」、「突入リプレイ2」、「突入リプレイ3」、「突入リプレイ4」の当選時に表示される図柄組合せは、ストップスイッチ50の押し順によってそれぞれ異なるものとなっている。
「通常リプレイ」が当選した場合において、左第一停止でストップスイッチ50が操作された場合には、リプレイ2役に対応付けられたいずれかの図柄組合せを構成する図柄(リプレイ2役の図柄)に優先して、リプレイ1役の図柄を引き込んで、リプレイ1役に対応付けられた図柄組合せを表示(以下、「役を表示」という。)させる停止制御が行われる(制御方法について以下同様)。リプレイ1役は、メイン状態の移行契機となっていないので(図4参照)、リプレイ1役が表示された場合には、メイン状態は維持される(図7参照)。一方、左第一停止以外の押し順でストップスイッチ50が操作された場合には、リプレイ2役を表示させるような停止制御が行われる。リプレイ2役は、通常状態への移行契機となっているので、リプレイ2役が表示された場合には、メイン状態が通常状態に移行する(通常状態ではメイン状態が維持される)。
遊技結果判定手段100は、ストップスイッチ50の操作によって回転リール40が全て停止したときに、当該遊技の結果を判定するためのものである。
具体的には、前記した所定の記憶部に記憶されている当該遊技の停止図柄の情報に基づき、有効ライン上に揃った図柄の組合せが、所定の役に対応付けられたものか否かを判断し、所定の役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示されたと判断した場合には、その判定結果情報を、ホッパー制御手段110及びメイン状態移行制御手段80に送信する。判定結果情報を受信したホッパー制御手段110は、入賞メダルの払い出し処理を行い、メイン状態移行制御手段80は、RT状態等への移行処理、あるいは再遊技作動処理を行う。
ホッパー制御手段110は、遊技結果判定手段100の判定結果及び精算スイッチ17の操作に基づいて、ホッパーユニット65を作動させメダルを払い出させるものである。すなわち、遊技結果判定手段100が払い出し小役の入賞を判定した場合には、当該小役入賞に応じたメダルを払い出し、クレジットが1以上ある場合に精算スイッチ17が操作されたときには、クレジットとして貯留されているメダルを払い出すようになっている。
(遊技制御情報送信手段120)
遊技制御情報送信手段120は、メイン制御装置21における制御に関する情報あるいは所定のコマンドを、サブ制御装置22へ送信するものである。例えば、現時点のメイン状態、役抽選の結果、停止操作の態様、遊技結果、メダルの払い出しなど、遊技の進行に関する情報や、演出を開始させたり終了させたりするためのコマンドを、所定の契機で、サブ制御装置22へ送信する。
サブ制御装置22は、主として遊技の演出を制御するものであって、具体的には画像表示部67やランプ68やスピーカ69などを制御して、役抽選の結果や、遊技の進行に応じて、遊技の演出の実行を制御するものである。そして、サブ制御装置22は、図2に示すように、遊技制御情報受信手段130、サブ状態移行制御手段140、報知実行手段150、演出制御手段160、AT制御手段170などの各手段として機能する。
(遊技制御情報受信手段130)
遊技制御情報受信手段130は、遊技制御情報送信手段120から送信されたメイン制御装置21における制御に関する情報あるいは所定のコマンドを受信するものである。
サブ状態移行制御手段140は、サブ状態を決定し、サブ状態の移行を制御するためのものであり、特に図示しないが、移行条件判定手段と、サブ状態記憶手段とを備えている。
移行条件判定手段は、メイン制御装置21から送信されて受信した諸情報に基づいて、遊技状況が、サブ状態を移行させるための所定条件に該当するか否かを判定するためのものである。具体的には、移行条件判定手段は、メイン制御装置21から送信されて受信した所定の遊技結果情報(メイン状態に関する情報、当該遊技での停止図柄の情報)に基づいて、所定のサブ状態への移行又は終了(他のサブ状態への移行)を決定するようになっている。なお、サブ状態の移行の具体例については後述する。
また、本実施の形態では、ART(有利遊技)として、メイン状態がRT3で、かつ、サブ状態がサブBIG状態又はサブREG状態であるボーナスART(大有利遊技)と、メイン状態がRT2で、かつ、サブ状態がサブART状態であるノーマルART(小有利遊技)とを備えている。ボーナスARTとしては、サブ状態がサブBIG状態であるBBと、サブ状態がサブREG状態であるRBとを備えている。これらのARTは、メイン状態が通常状態又はRT1で、かつ、サブ状態がサブ通常状態である通常遊技よりも再遊技役の抽選確率が高くかつベルナビなどが行われるので、遊技者にとって有利なものとなっている。
ここで、上記構成を有するサブ状態移行制御手段140の制御に基づくサブ状態の移行の具体例を、図7及び図9に基づき説明する。
前述したように、スロットマシン1は、初期状態(工場出荷時等)においては、メイン状態は通常状態であり、サブ状態もサブ通常状態となっている。そして、サブ通常状態中に、後述するボーナス抽選に当選すると、後述するボーナス禁止期間(禁止期間)中でないことを条件として、サブBIG内部中状態又はサブREG内部中状態に移行する。すなわち、移行条件判定手段がサブBIG内部中状態又はサブREG内部中状態への移行を決定し、サブ状態記憶手段がサブBIG内部中状態中フラグ又はサブREG内部中フラグをセットする(サブ状態移行時において以下同様)。サブBIG内部中状態中又はサブREG内部中状態中においては、ボーナスARTへの移行を遊技者に報知する所定のボーナスART当選報知演出が行われ、その後、サブBIG状態又はサブREG状態に移行可能な押し順のナビ(以下、「RT3移行ナビ」という。)が行われるようになっている。
ここで、RT1中は、「通常リプレイ」及び「突入リプレイ1」〜「突入リプレイ4」が抽選対象となっている(図6参照)。サブBIG内部中状態中で、かつ、RT1中においては、BIG図柄を表示可能とするRT3移行ナビが行われ、当該ナビに従うことで、RT3に移行する。具体的には、「突入リプレイ1」の当選時には、右第一停止を促すRT3移行ナビが行われ、「突入リプレイ2」の当選時には、中第一停止を促すRT3移行ナビが行われる。一方、「通常リプレイ」、「突入リプレイ3」又は「突入リプレイ4」の当選時には、左第一停止を促すRT1維持ナビが行われ、当該ナビに従うことで、RT1が維持される。また、サブREG内部中状態中で、かつ、RT1中においては、REG図柄を表示可能とするRT3移行ナビが行われ、当該ナビに従うことで、RT3に移行する。具体的には、「突入リプレイ3」の当選時には、右第一停止を促すRT3移行ナビが行われ、「突入リプレイ4」の当選時には、中第一停止を促すRT3移行ナビが行われる。一方、「通常リプレイ」、「突入リプレイ1」又は「突入リプレイ2」の当選時には、左第一停止を促すRT1維持ナビが行われ、RT1が維持される。なお、「突入リプレイ1」〜「突入リプレイ4」の当選時にRT3移行ナビ又はRT1維持ナビに従わなかった場合には、RT2図柄が表示され、メイン状態がRT2に移行することがある。これについては後述する。また、「通常リプレイ」の当選時にRT1維持ナビに従わなかった場合には、リプレイ2役が表示され、メイン状態が通常状態に移行する。通常状態中にあってはベルナビが行われず、RT1への移行を促すようにしている。
また、サブ通常状態中に、後述するART抽選に当選すると、サブART内部中状態に移行する。サブART内部中状態中においては、ノーマルARTへの移行を遊技者に報知する所定のノーマルART当選報知演出が行われた後、サブART状態に移行可能な押し順のナビ(以下、「RT2移行ナビ」という。)と、ベルナビと、RT1を維持するためのRT1維持ナビが行われるようになっている。
(報知実行手段150)
報知実行手段150は、画像表示部67やランプ68やスピーカ69などの演出装置に補助演出を実行させるものである。報知実行手段150が実行可能な補助演出には、ベルナビと、RT3移行ナビと、RT2移行ナビと、RT1維持ナビと、RT2維持ナビとが設けられている。本実施の形態における前記したこれらのナビは、いわゆる押し順ナビである。押し順ナビは、画像表示部67に、停止操作すべきストップスイッチ50の位置を左、中、右などの文字で表示させたり、スピーカ69から音声により指示したり、ストップスイッチ50のボタンの内部に設けた発光体の発光色を変化させて、最初に操作すべきストップスイッチ50を示すことなどにより行われる。
演出制御手段160は、画像表示部67やランプ68やスピーカ69などの演出装置の作動を制御するものである。演出制御手段160は、AT制御手段170や報知実行手段150や、図示しない演出決定手段の決定に基づき、ROMに記憶されている演出データをもとに、ボーナスART当選報知演出や、ノーマルART当選報知演出や、所定のナビや、各種演出などを各演出装置に行わせる。
(AT制御手段170)
AT制御手段170は、ATを制御するものである。AT制御手段170は、図2に示すように、実行抽選手段171、ゲーム数カウンタ172、BIGストックカウンタ173、REGストックカウンタ174、ARTストックカウンタ175、ペナルティカウンタ176、制限カウンタ177、ボーナス禁止カウンタ178を備えている。そして、メイン制御装置21から送信される役抽選の結果や遊技結果に関する情報、サブ状態フラグの種類及び前記各カウンタのカウント値に基づき、ATの実行を制御する。
実行抽選手段171は、サブBIG状態又はサブREG状態への移行の有無及びそのセット数や、サブART状態への移行の有無及びそのセット数を抽選により決定するものである。サブBIG状態又はサブREG状態への移行の有無及びそのセット数を決定するボーナス抽選は、サブ通常状態、サブART内部中状態又はサブART状態中において、毎ゲーム、スタートスイッチ30の操作を契機に行う。また、ボーナス抽選では、「サブBIG状態1セット当選」、「サブBIG状態2セット当選」、「サブREG状態1セット当選」、「サブREG状態2セット当選」、並びに「サブBIG状態2セット及びサブREG状態1セット当選」などの、サブ状態とそのセット数との組み合わせからなる当選領域を対象として抽選を行う。また、本実施の形態では、サブ通常状態中よりもサブART内部中状態及びサブART状態中の方が当選し易いように(抽選確率が高くなるように)設定されている。サブ通常状態中にボーナス抽選に当選すると、後述するボーナス禁止期間中でないことを条件として、その当選の態様に応じてサブBIG内部中状態又はサブREG内部中状態となるとともに、その当選の態様に係るセット数が、後述するBIGストックカウンタ173又はREGストックカウンタ174にストックされる。なお、「サブBIG状態2セット及びサブREG状態1セット当選」となった場合にサブBIG内部中状態又はサブREG内部中状態となるかは、抽選により決定される。一方、サブART内部中状態又はサブART状態中にボーナス抽選に当選すると、サブ状態は現在の状態のままで、その当選の態様に係るセット数が、後述するBIGストックカウンタ173又はREGストックカウンタ174に一旦ストックされる。
サブART状態への移行の有無及びそのセット数を決定するART抽選は、サブ通常状態、サブBIG内部中状態、サブREG内部中状態、サブBIG状態又はサブREG状態中において、所定の契機時(例えばスイカ役やチェリー役の当選時など)に行う。また、ART抽選では、「1セット当選」や「2セット当選」などの当選領域を対象として抽選を行う。サブ通常状態中にART抽選に当選すると、サブART内部中状態となるとともに、その当選の態様に係るセット数が、後述するARTストックカウンタ175にストックされる。一方、サブBIG内部中状態、サブREG内部中状態、サブBIG状態又はサブREG状態中にART抽選に当選すると、サブ状態は現在の状態のままで、その当選の態様に係るセット数が、後述するARTストックカウンタ175に一旦ストックされる。なお、ART抽選は、ボーナス抽選と同様、毎ゲーム行うようにしてもよい。
ゲーム数カウンタ172は、ARTの1セットに係るゲーム数をカウントするものである。本実施の形態では、RT1からRT2又は3への移行を契機に、ゲーム数カウンタ172に1セットに係るゲーム数に相当する所定値をセットし、ゲーム数のカウントを開始する。具体的には、1ゲームが行われるごとに、1ゲームに相当する単位値(本実施の形態では「1」)をゲーム数カウンタ172から減算することにより、ゲーム数をカウントする。1セット消化後さらに連続してもう1セットARTが継続する場合には、1セットの消化時にゲーム数カウンタ172にゲーム数を再びセットし、ゲーム数のカウントを再び開始する。なお、サブBIG状態、サブREG状態又はサブART状態中においてブランクが表示され、メイン状態がRT1に転落(移行)した場合には、ゲーム数のカウントを継続しつつ、転落したRT1中において、上述のRT3移行ナビ又はRT2移行ナビが行われる。
BIGストックカウンタ173は、上述したボーナスARTであるBBのセット数、具体的にはサブBIG状態のセット数をストック(貯留)するものである。REGストックカウンタ174は、BBのセット数、具体的にはサブREG状態のセット数をストック(貯留)するものである。本実施の形態では、上述のボーナス抽選に当選すると、その当選の態様に係るセット数に相当する所定値を、BIGストックカウンタ173又はREGストックカウンタ174に加算する。BIGストックカウンタ173に所定値が加算されることにより、BB(サブBIG状態)のセット数がストックされ、REGストックカウンタ174に所定値が加算されることにより、RB(サブREG状態)のセット数がストックされる。そして、サブBIG状態の1セットの開始時に、BIGストックカウンタ173から1セットに相当する単位値(本実施の形態では「1」)を減算する。また、サブREG状態の1セットの開始時に、REGストックカウンタ174から1セットに相当する単位値(本実施の形態では「1」)を減算する。
ARTストックカウンタ175は、ノーマルARTのセット数、具体的にはサブART状態のセット数をストック(貯留)するものである。本実施の形態では、上述のART抽選に当選すると、その当選の態様に係るセット数に相当する所定値を、ARTストックカウンタ175に加算する。これにより、ノーマルART(サブART状態)のセット数がストックされる。そして、サブART状態の1セットの開始時に、ARTストックカウンタ175から1セットに相当する単位値(本実施の形態では「1」)を減算する。
(ペナルティカウンタ176)
ペナルティカウンタ176は、ペナルティゲーム数をカウントするものである。本実施の形態では、上述した通常遊技中において、左第一停止以外の押し順でストップスイッチ50を操作した場合に、所定のペナルティゲーム数(例えば10ゲーム)に相当する所定値をペナルティカウンタ176にセットし、ペナルティゲーム数のカウントを開始する。具体的には、1ゲームが行われるごとに、1ゲームに相当する単位値をペナルティカウンタ176から減算することにより、ペナルティゲーム数をカウントする。そして、ペナルティカウンタ176がペナルティゲーム数を有している間は、ペナルティ期間の扱いとなって、所定のペナルティが課せられる。本実施の形態では、ペナルティ期間中は、ボーナス抽選やART抽選が行われない。
(制限カウンタ(カウント手段)177)
制限カウンタ177は、短期的な出玉率を制限するためのものである。本実施の形態では、ARTのゲーム数、具体的にはサブBIG状態又はサブREG状態中のゲーム数(出玉率を制限するための数)をカウントすることによって、短期的な出玉率を制限する。具体的には、400ゲーム間で出玉率が300%(予め設定した上限の出玉率)以上とならないように制限する。上述の如く、本実施の形態では、メイン状態がRT3である遊技のメダルの純増加枚数は、2.4枚に設定されているので、ボーナスART(BB及びRB)のメダルの純増加枚数は2.4枚であり、出玉率は443%である。また、メイン状態がRT2である遊技のメダルの純増加枚数は、1.4枚に設定されているので、ノーマルARTのメダルの純増枚数は1.4枚であり、出玉率は182%である。本実施の形態では、ボーナスARTが最も出玉率が高く、ノーマルARTが、ボーナスARTの次に出玉率が高いものとなっている。ノーマルARTは、ボーナスARTよりも出玉率は低いが、上述の如く、ボーナス抽選の抽選確率をサブ通常状態中よりも優遇しているので、ボーナスARTをストックする遊技といった位置付けとなっている。そして、本実施の形態では、これらのARTが連続する場合に、400ゲーム間で出玉率が300%以上とならないように、ボーナスARTを制限する。具体的には、400ゲーム間に占めるボーナスARTのゲーム数が4割程度(約160ゲーム)となるように制限する。このようにすることで、仮に、残りの6割の全てが、ボーナスARTの次に高い出玉率であるノーマルARTとなっても、出玉率は、286.4%(=443%×0.4+182%×0.6)となり、300%未満に制限することができる。
本実施の形態では、制限カウンタ177には、ボーナスARTゲーム数カウンタ(遊技回数カウント手段)と、ノーマルARTゲーム数カウンタとが設けられている。ボーナスARTゲーム数カウンタは、ボーナスARTのゲーム数をカウントするものである。具体的には、ボーナスARTが1ゲーム行われるごとに、1ゲームに相当する単位値(本実施の形態では「1」)をボーナスARTカウンタに累積加算する。これにより、ボーナスARTのゲーム数をカウントする。ノーマルARTゲーム数カウンタは、ノーマルARTのゲーム数をカウントするものである。具体的には、ノーマルARTが1ゲーム行われるごとに、1ゲームに相当する単位値(本実施の形態では「1」)をノーマルARTカウンタに累積加算する。これにより、ノーマルARTのゲーム数をカウントする。
(1)ボーナスARTとノーマルARTとの合算のゲーム数に対するボーナスARTのゲーム数の割合が4割以上であること、具体的には、
(ボーナスARTゲーム数カウンタのカウント値)÷(ボーナスARTゲーム数カウンタのカウント値+ノーマルARTゲーム数カウンタのカウント値)≧0.4
であること(以下、この計算式を「計算式(A)」という。)
(2)ボーナスARTのゲーム数が所定のゲーム数(本実施の形態では160ゲーム)に達したこと、具体的にはボーナスARTカウンタが所定のゲーム数に相当する所定の上限値(本実施の形態では「160」)に達したこと
そして、ボーナスARTの1セットの終了時に、上記(1)の制限条件が成立していた場合には、BB(サブBIG状態)又はRB(サブREG状態)のセット数がストックされていても(大有利遊技を実行可能であっても)、サブBIG状態又はサブREG状態を終了する。また、ノーマルARTの1セットの終了時に、上記(1)の制限条件が成立していた場合には、サブBIG状態又はサブREG状態のセット数がストックされていても(大有利遊技を実行可能であっても)、サブBIG内部中状態又はサブREG内部中状態に移行しない。ひいてはサブBIG状態又はサブREG状態に移行しない。
ボーナスARTゲーム数カウンタ及びノーマルARTゲーム数カウンタは、後述するボーナス禁止期間の経過により、初期値にリセットされる。
なお、出玉率の制限としては、上記した400ゲーム間で出玉率が300%を超えないようにするものに限られるものではなく、適宜設定可能なものである。
ボーナス禁止カウンタ178は、ボーナスART(大有利遊技)の実行を禁止するボーナス禁止期間(禁止期間)の禁止ゲーム数をカウントするものである。本実施の形態では、上記した(1)又は(2)の制限条件が成立した場合に、所定の禁止ゲーム数に相当する所定値をボーナス禁止カウンタ178にセットし、禁止ゲーム数のカウントを開始する。具体的には、1ゲームが行われるごとに、1ゲームに相当する単位値(本実施の形態では「1」)をボーナス禁止カウンタ178から減算する。これにより、禁止ゲーム数をカウントする。そして、ボーナス禁止カウンタ178が禁止ゲーム数を有している間は、ボーナス禁止期間の扱いとなって、ボーナスARTの実行が禁止される。具体的には、上述のボーナス抽選に当選したり、BB(サブBIG状態)又はRB(サブREG状態)のセット数をストックしていても(大有利遊技を実行可能であっても)、ボーナス禁止期間が経過するまでは、サブ状態を、サブBIG内部中状態、サブREG内部中状態、サブBIG状態又はサブREG状態に移行させない。
(スロットマシン1の作動)
以下、図10〜図16に示すフローチャートに基づいて、本実施の形態に係るスロットマシン1の動作の概略を説明する。まず、スロットマシン1のメイン制御装置21における処理であるメイン制御処理について説明する。
ステップ101において、役抽選手段70により、役抽選が行われるとともに、遊技制御情報送信手段120により、役抽選の結果を示す情報がサブ制御装置22へ送信される。そして、次のステップ102に進む。
ステップ102において、回転制御手段91により、全ての回転リール40の回転が開始され、全ての回転リール40の回転速度が所定の定常回転速度に達すると、この定常回転速度で定速回転が行われる。そして、次のステップ103に進む。
ステップ104において、停止制御手段92により、操作されたストップスイッチ50に対応する回転リール40の停止制御が行われる。そして、次のステップ105に進む。
ステップ105において、すべての回転リール45の回転が停止したか否かが判断される。ここで、すべての回転リール40の回転が停止したと判断されると、次のステップ106に進む。一方、すべての回転リール45の回転が停止していないと判断されると、ステップ103に戻る。
ステップ107において、遊技結果に応じた処理が行われる。すなわち、所定の役に対応する図柄が有効ライン上に表示された場合には、メダルの払い出しや、再遊技作動や、メイン状態の移行処理などが行われる。そして、遊技制御情報送信手段120により、現在のメイン状態を示す情報などがサブ制御装置22へ送信される。そして、当該メイン制御処理が終了する。
まず、サブ制御処理のうち、ゲーム開始時に、サブ状態がサブ通常状態である場合の処理である通常中の処理について説明する。
図11に示すステップ200において、ボーナス抽選処理が行われる。具体的には、ボーナス抽選が行われ、この抽選に当選すると、その当選の態様に係るセット数が、BIGストックカウンタ173又はREGストックカウンタ174にストックされる。そして、ステップ201に進む。
ステップ202において、ボーナス禁止カウンタ178が「1」以上であるか否かが判断される。ここで、「1」以上である、すなわちボーナス禁止期間中であると判断されると、ボーナス禁止カウンタ178から「1」が減算される(ステップ203)。これにより、禁止ゲーム数がカウントされる。そして、ステップ204に進む。一方、「1」以上でないと判断されると、ボーナス禁止期間中でないので禁止ゲーム数はカウントされず、ステップ204に進む。
まず、ボーナス禁止カウンタ178が「1」以上である、すなわちボーナス禁止期間中である場合(ステップ204でY)について説明する。ARTストックカウンタ175が「1」以上である、すなわちノーマルART(サブART状態)のセット数がストックされていれば(ステップ205でY)、サブART内部中状態に移行する(ステップ206)が、ストックされていなければ(ステップ205でN)、サブ状態は移行しない(サブ通常状態のままとなる)。そして、ステップ214に進む。このように、サブ通常状態中で、かつ、ボーナス禁止期間中においては、サブART内部中状態にのみ移行可能とし、サブBIG内部中状態、サブREG内部中状態、サブBIG状態又はサブREG状態には、移行しないようにしている。すなわち、ボーナスART(大有利遊技)を実行可能であってもボーナスARTに移行させないとともに、ノーマルART(小有利遊技)には移行可能にしている。
REGストックカウンタ174のみが「1」以上である、すなわちRB(サブREG状態)のセット数のみがストックされている場合(ステップ207でN、ステップ212でN、かつ、ステップ213でY)には、サブREG内部中状態に移行する(ステップ211)。そして、ステップ214に進む。
つぎに、サブ制御処理のうち、ゲーム開始時に、サブ状態がサブBIG内部中状態又はサブREG内部中状態である場合の処理であるボーナス内部中の処理について説明する。
図12に示すステップ300において、ART抽選処理が行われる。ここでは、上記したステップ201と同様の処理が行われる。そして、ステップ301に進む。なお、サブBIG内部中状態又はサブREG内部中状態中においては、ボーナス抽選は行われない。
ステップ301において、所定のナビを実行するナビ処理が行われる。具体的には、RT1中においては、上述したボーナスART当選報知演出が行われた後においてのみベルナビ、RT3移行ナビ及びRT1維持ナビを行う。サブART状態の終了後にサブBIG内部中状態又はサブREG内部中状態に移行した場合には、RT2中に滞在することになるので、当該RT2中においても、上述したボーナスART当選報知演出が行われた後においてベルナビ、RT3移行ナビ及びRT2維持ナビを行う。通常状態中においては、RT1へ移行させるために、ベルナビを行わない。そして、ステップ302に進む。
RT1中において、RT2図柄又はRT3図柄が表示される(ステップ302でY)と、サブBIG内部中状態中である場合(ステップ303でY)には、サブBIG状態に移行し(ステップ304)、サブREG内部中状態中である場合(ステップ303でN)には、サブREG状態に移行する(ステップ306)。サブBIG状態に移行すると、BIGストックカウンタ173から「1」(1セットに相当する単位値)が減算され(ステップ304)、ゲーム数カウンタ172に「84」(BBの1セットに係るゲーム数である84ゲームに相当する所定値)がセットされる(ステップ308)。サブREG状態に移行すると、REGストックカウンタ174から「1」(1セットに相当する単位値)が減算され(ステップ307)、ゲーム数カウンタ172に「21」(RBの1セットに係るゲーム数である21ゲームに相当する所定値)がセットされる(ステップ308)。一方、RT2図柄又はRT3図柄が表示されなければ(ステップ302でN)、サブ状態は移行しない(現在のサブBIG内部中状態又はサブREG内部中状態のままとなる)。
つぎに、サブ制御処理のうち、ゲーム開始時に、サブ状態がサブBIG状態又はサブREG状態である場合の処理であるボーナス中の処理について説明する。
図13に示すステップ400において、ART抽選処理が行われる。ここでは、上記したステップ201と同様の処理が行われる。そして、ステップ401に進む。なお、サブBIG状態又はサブREG状態中においては、ボーナス抽選は行われない。
ステップ401において、ゲーム数カウンタ172から「1」が減算される。これにより、1セットに係るゲーム数がカウントされる。ここでは、メイン状態に関係なく、ゲーム数がカウントされる。そして、ステップ402に進む。
ステップ403において、ナビ処理が行われる。具体的には、RT3中においては、ベルナビを行う。RT1中においては、ベルナビ、RT3移行ナビ及びRT1維持ナビを行い、RT2中においては、ベルナビ、RT3移行ナビ及びRT2維持ナビを行う。通常状態中においては、RT1に移行させるために、ベルナビを行わない。ここで、サブBIG状態又はサブREG状態中に、メイン状態がRT1となる場合とは、RT3中のベルナビに従わなかったことによりブランクが表示された場合である。メイン状態がRT2となる場合とは、RT3からRT1に転落した後にさらに、ナビに従わなかったことによりRT2図柄が表示された場合である。メイン状態が通常状態となる場合とは、RT3からRT1に転落した後にさらに、ナビに従わなかったことによりリプレイ2役が表示された場合である。そして、ステップ404に進む。
まず、ゲーム数カウンタ172が「0」となったとき(ステップ404でY)における、ボーナスARTゲーム数カウンタが「160」(所定の上限値)以上である、すなわち上述した(2)の制限条件が成立した場合(ステップ405でY)について説明する。ARTストックカウンタ175が「1」以上であれば、すなわちノーマルART(サブART状態)のセット数がストックされていれば(ステップ408でY)、サブART内部中状態に移行する(ステップ409)が、ストックされていなければ(ステップ408でN)、サブ通常状態に移行する(ステップ410)。そして、ボーナスARTゲーム数カウンタがカウントしたボーナスARTのゲーム数を所定倍(本実施の形態では1.4倍)したゲーム数に相当する所定値がボーナス禁止カウンタ178にセットされる(ステップ411)。このように、サブBIG状態又はサブREG状態中において、上述した(2)の制限条件が成立した場合には、サブ通常状態又はサブART内部中状態にのみ移行可能とし、サブBIG状態又はサブREG状態を終了するようにしている。すなわち、ボーナスART(大有利遊技)を継続して実行可能であっても、ノーマルART(小有利遊技)又は通常遊技にのみ移行可能としている。さらに、ボーナス禁止カウンタ178に禁止ゲーム数をセットすることで、ボーナス禁止期間を発生させ、その後の所定期間にわたって、サブBIG内部中状態、サブREG内部中状態、サブBIG状態又はサブREG状態に移行させないようにしている。すなわち、ボーナスART(大有利遊技)を実行可能であってもボーナスARTに移行させないようにしている。
REGストックカウンタ174のみが「1」以上である場合(ステップ412でN、ステップ422でN、かつ、ステップ423でY)には、サブREG状態となり(ステップ418及びステップ419)、REGストックカウンタ174から「1」が減算され(ステップ420)、ゲーム数カウンタ172に「21」がセットされる(ステップ421)。
BIGストックカウンタ173、REGストックカウンタ174及びARTストックカウンタ175のいずれも「1」以上でない、すなわちいずれもストックされていない場合(ステップ412でN、ステップ422でN、ステップ423でN、かつ、ステップ424でN)には、サブ通常状態に移行する(ステップ426)。これによってボーナスARTが終了する。このように、サブBIG状態又はサブREG状態中において、上述した(1)及び(2)の制限条件のいずれもが成立していない場合には、何らの制限も設けることなく、いずれのサブ状態にも移行可能としている。
つぎに、サブ制御処理のうち、ゲーム開始時に、サブ状態がサブART内部中状態である場合の処理であるART内部中の処理について説明する。
図14に示すステップ500において、ボーナス抽選処理が行われる。ここでは、上記したステップ200と同様の処理が行われる。そして、ステップ501に進む。なお、サブART内部中状態においては、ART抽選は行われない。
ステップ501において、ボーナス禁止カウンタ178が「1」以上であるか否かが判断される。ここで、「1」以上である、すなわちボーナス禁止期間中であると判断されると、ボーナス禁止カウンタ178から「1」が減算される(ステップ502)。これにより、禁止ゲーム数がカウントされる。そして、ステップ503に進む。一方、「1」以上でないと判断されると、ボーナス禁止期間中でないので禁止ゲーム数はカウントされず、ステップ503に進む。
ステップ504〜507において、サブART内部中状態中におけるサブ状態の移行について説明する。RT1中において、RT2図柄又はRT3図柄が表示される(ステップ504でY)と、サブART状態に移行し(ステップ505)、ARTストックカウンタ175から「1」が減算され(ステップ506)、ゲーム数カウンタ172に「50」(ART状態の1セットに係るゲーム数である50ゲームに相当する所定値)がセットされる(ステップ507)。一方、RT2図柄又はRT3図柄が表示されなければ(ステップ302でN)、サブ状態は移行しない(現在のサブART内部中状態のままとなる)。そして、ステップ508に進む。
そして、当該ART内部中の処理は終了する。
つぎに、サブ制御処理のうち、ゲーム開始時に、サブ状態がサブART状態である場合の処理であるART中の処理について説明する。
図15に示すステップ600において、ボーナス抽選処理が行われる。ここでは、上記したステップ200と同様の処理が行われる。そして、ステップ601に進む。なお、サブART状態においては、ART抽選は行われない。
ステップ602において、ノーマルARTゲーム数カウンタに「1」が加算される。これにより、サブART状態(ノーマルART)中のゲーム数が累積してカウントされる。ここでは、メイン状態に関係なく、ゲーム数がカウントされる。そして、ステップ603に進む。なお、メイン状態がRT2中であること、すなわちノーマルART中であることを条件として、ゲーム数をカウントするようにしてもよい。
ステップ605において、ナビ処理が行われる。具体的には、RT2中においては、ベルナビ及びRT2維持ナビを行い、RT1中においては、ベルナビ、RT2移行ナビ及びRT1維持ナビを行う。RT3中においては、RT1を経由してRT2に移行させるために、ベルナビを行わない。通常状態中においては、RT1に移行させるために、ベルナビを行わない。ここで、サブART状態中に、メイン状態がRT1となる場合とは、RT2中のベルナビに従わなかったことによりブランクが表示された場合である。メイン状態がRT3となる場合とは、RT2中のRT2維持ナビに従わなかったことによりRT3図柄が表示された場合である。メイン状態が通常状態となる場合とは、RT2からRT1に転落した後にさらに、ナビに従わなかったことによりリプレイ2役が表示された場合である。そして、ステップ606に進む。
ステップ608〜ステップ628において、サブART状態中におけるサブ状態の移行について説明する。本実施の形態では、サブART状態中におけるサブ状態の移行は、ゲーム数カウンタ172が「0」となったとき、すなわち1セットに係るゲーム数の経過時(ステップ608でY)に行われる。したがって、1セットに係るゲーム数が経過していないとき(ステップ608でN)には、サブ状態は移行しない(現在のサブART状態のままとなる)。
REGストックカウンタ174のみが「1」以上である場合(ステップ618でN、ステップ623でN、かつ、ステップ624でY)には、サブREG内部中状態に移行する(ステップ622)。
ARTストックカウンタ175のみが「1」以上である場合(ステップ618でN、ステップ623でN、ステップ624でN、かつ、ステップ625でY)には、ARTストックカウンタ175から「1」が減算され(ステップ626)、ゲーム数カウンタ172に「50」がセットされる(ステップ627)。
そして、当該ボーナス中の処理は終了する。
以上説明したように、本実施の形態では、1ゲーム当たりのメダルの純増加枚数が2.4枚であるボーナスART(BB及びRB)と、1ゲーム当たりのメダルの純増加枚数が1.4枚であるノーマルARTとの出玉率が異なる2種類のARTを備えている。そして、ボーナスART及びノーマルARTのゲーム数を別々にカウントし、当該カウントに基づく上述した(1)又は(2)の制限条件が、ボーナスARTの1セットの終了時に成立した場合には、ボーナスARTをさらに1セット継続可能であっても、出玉率が最も高いボーナスARTを実行しない、すなわち禁止するようにしている。具体的には、ノーマルART又は通常遊技に移行させるようにしている。さらに、上述した(1)又は(2)の制限条件が成立した場合には、ボーナスARTを禁止するボーナス禁止期間を発生させ、その後の所定期間にわたって、ボーナスARTを禁止するようにしている。また、ノーマルARTの1セットの終了時に、ボーナス禁止期間中又は上述した(1)の制限条件が成立した場合にも、ボーナスARTを実行可能であっても、出玉率が最も高いボーナスARTを実行しない、すなわち禁止するようにしている。具体的には、ノーマルARTを維持する又は通常遊技に移行させるようにしている。この場合にも、ボーナス禁止期間を発生させ、その後の所定期間にわたって、ボーナスARTを禁止するようにしている。これらにより、上述した(1)又は(2)の制限条件が成立した場合には、出玉率が最も高いボーナスARTが実行されなくなるとともに、ボーナス禁止期間中もボーナスARTが実行されないので、400ゲーム間で出玉率が300%以上とならないようにすることができ、すなわち短期間の出玉率を制限することができ、射幸性を適度な範囲に抑制することができる。
また、本実施の形態では、ボーナスARTが実行されないことが、セット数のストックが無いことによるものなのか、上述した(1)又は(2)の制限条件が成立したことやボーナス禁止期間中であることによるものなのかは、遊技者は分からないので、出玉率の抑制が行われたことを、出来るだけ遊技者に知られないようにすることができ、遊技の興趣が低下することを防止することができる。
(第2の実施の形態)
上述した実施の形態では、ゲーム数に基づいて出玉率を抑制するものであったが、本実施の形態では、実際のメダルの投入枚数と払い出し枚数とに基づいて出玉率を抑制する。以下、上述した第1の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付しそれらの詳細な説明は簡略化するとともに、上述した第1の実施の形態との相違点を中心に本発明の第2の実施の形態を説明する。
本実施の形態では、遊技制御情報送信手段120は、投入されたメダルの枚数を示す情報である投入枚数情報及び払い出すメダルの枚数を示す情報である払い出し枚数情報もサブ制御装置22へ送信する。ここで、投入されたメダルには、メダル投入口14から投入されたものと、ベットスイッチ16の操作により投入されたものとに限り、再遊技による自動ベットは含まない。また、払い出すメダルの枚数には、小役の入賞によるものに限り、再遊技役の入賞によるものは含まない。
(AT制御手段170)
本実施の形態では、制限カウンタ177として、ノーマルARTカウンタに代えて、投入枚数カウンタと、払い出し枚数カウンタとを備えている。
払い出し枚数カウンタは、払い出されたメダルの枚数(出玉率を制限するための数)をカウントするものである。本実施の形態では、遊技制御情報受信手段130が払い出し枚数情報を受信したときに、受信した払い出し枚数情報に基づいて、払い出すメダルの枚数に相当する所定値を払い出し枚数カウンタに累積加算する。これにより、払い出された枚数をカウントする。なお、1枚に相当する単位値を「1」としている。
そして、本実施の形態では、短期的な出玉率を制限する制限条件(所定の制限条件)として、上述の(1)の条件に代えて、以下の(3)の条件を設けている。
(3)出玉率が280%以上であること、具体的には、
(払い出し枚数カウンタのカウント値)÷(投入枚数カウンタのカウント値)≧2.8
であること(以下、この計算式を「計算式(B)」という。)
すなわち、本実施の形態では、制限条件として、上述の(2)の条件と上記(3)の条件とを設けている。そして、ボーナスARTの1セットの終了時に、上記(3)の制限条件が成立していた場合には、BB(サブBIG状態)又はRB(サブREG状態)のセット数がストックされていても、サブBIG状態又はサブREG状態を終了する。また、ノーマルARTの1セットの終了時に、上記(3)の制限条件が成立していた場合には、BB(サブBIG状態)又はRB(サブREG状態)のセット数がストックされていても、サブBIG内部中状態又はサブREG内部中状態に移行しない。ひいてはサブBIG状態又はサブREG状態に移行しない。
なお、上記(3)の制限条件では、出玉率が300以上とならないように、一定のゆとりを設けて280%としているが、これに限られるものではない。
(スロットマシン1の作動)
以下、本実施の形態に係るスロットマシン1の動作の概略を、上述した第1の実施の形態のフローに基づいて説明する。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態とは、ボーナス内部中の処理、ボーナス中の処理、ART内部中の処理及びART中の処理が相違する。以下、相違点を中心に説明する。
本実施の形態では、まず、投入されたメダルの枚数をカウントする投入枚数カウント処理が行われて、ステップ300に進む。この投入枚数カウント処理では、遊技制御情報受信手段130が投入枚数情報を受信した場合に、投入されたメダルの枚数(本実施の形態では「3枚」)に相当する所定値(「3」)が、投入枚数カウンタが累積加算される。これにより、投入されたメダルの枚数がカウントされる。
ステップ300〜ステップ301において、上述した第1野実施の形態と同様の処理が行われる。
ステップ302〜ステップ308において、上述した第1の実施の形態と同様の処理が行われる。そして、当該ボーナス内部中の処理は終了する。
つぎに、ボーナス中の処理を図13に基づいて説明する。
ステップ400〜ステップ403において、上述した第1の実施の形態と同様の処理が行われる。
そして、本実施の形態では、ステップ404の前に、上記した払い出し枚数カウント処理が行われる。そして、ステップ404に進む。
ステップ404〜ステップ405において、上述した第1の実施の形態と同様の処理が行われる。
つぎに、ART内部中の処理を図14に基づいて説明する。
本実施の形態では、まず、上記した投入枚数カウント処理が行われて、ステップ500に進む。
ステップ500〜ステップ503において、上述した第1の実施の形態と同様の処理が行われる。
ステップ504〜ステップ509において、上述した第1の実施の形態と同様の処理が行われる。そして、当該ボーナス内部中の処理は終了する。
つぎに、ART中の処理を図15に基づいて説明する。
本実施の形態では、まず、上記した投入枚数カウント処理が行われて、ステップ600に進む。
ステップ600〜ステップ601において、上述した第1の実施の形態と同様の処理が行われる。そして、本実施の形態では、ノーマルARTゲーム数カウンタは備えていないので、ステップ602の処理は行われず、ステップ603に進む。
そして、本実施の形態では、ステップ608の前に、上記した払い出し枚数カウント処理が行われる。そして、ステップ608に進む。
ステップ608〜ステップ609において、上述した第1の実施の形態と同様の処理が行われる。
ステップ610において、本実施の形態では、投入枚数カウンタのカウント値と払い出し枚数カウンタのカウント値に基づいて、上述した計算式(B)の演算が行われて、出玉率が算出される。そして、ステップ611において、本実施の形態では、演算結果が「2.8」以上である、すなわち上述した(3)の制限条件が成立したか否かが判断される。そして、この演算結果が「2.8」以上である、すなわち上述した(3)の制限条件が成立した場合(ステップ611でY)には、上述した第1の実施の形態と同様の処理(ステップ612〜ステップ617)が行われる。このように、上述した(3)の制限条件が成立した場合にも、サブ通常状態又はサブART内部中状態にのみ移行可能とし、サブBIG状態又はサブREG状態を終了するようにしている。すなわち、ボーナスART(大有利遊技)を実行可能であっても、通常遊技にのみ移行可能又はノーマルART(小有利遊技)を維持するようにしている。さらに、上述した第1の実施の形態と同様に、ボーナス禁止期間を発生させ、その後の所定期間にわたって、サブBIG内部中状態、サブREG内部中状態、サブBIG状態又はサブREG状態に移行させないようにしている。すなわち、ボーナスART(大有利遊技)を実行可能であってもボーナスARTに移行させないようにしている。
このような構成としても、上述した第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
なお、本実施の形態では、上記した(3)の制限条件において、出玉率が300%以上とならないように、一定のゆとりを設けて上限の出玉率を280%としているので、投入枚数及び払い出し枚数のカウントをサブBIG状態、サブREG状態又はサブART状態中においてのみ行うようにしてもよい。このようにすると、サブ制御装置22における処理を簡略化することができる。
上述した実施の形態では、サブ通常状態中で、かつ、ボーナス禁止期間中においても、サブART内部中状態及びサブART状態中と同様に、ボーナス抽選を優遇するようにしてもよい。このようにすると、ボーナス禁止期間中においても、ボーナスARTに対する期待感を遊技者に持たせることができ、遊技の興趣が低下することを出来るだけ防止することができる。
また、上述した実施の形態では、RT1を経由することなく、RT3からRT2へ直接移行可能としてもよい。例えば、RT3テーブルにおいても「突入リプレイ1」〜「突入リプレイ4」の当選領域を設けることにより、RT3中においてもRT2図柄が表示されるようにすることができる。この場合には、RT3中においては、サブBIG状態又はサブREG状態中は、RT3を維持するためのRT3維持ナビ(RT3移行ナビと同一である。)を行い、これ以外のAT状態中は、RT2移行ナビを行うようにすることができる。
また、上述した実施の形態では、上述した(1)、(2)又は(3)の制限条件が成立した場合や、ボーナス禁止期間中において、ボーナスART(BB又はRB)のセット数をストックしているときには、ボーナスARTの1セットを、ノーマルARTに変換して実行するようにしてもよい。例えば、ボーナスARTの1セットで獲得できる枚数の期待値とほぼ同一の期待値となるように、ノーマルARTを実行するようにすることができる。具体的には、メダルの純増加枚数が2.4枚で1セットが84ゲームのBBでは、約200枚(=2.4枚×84ゲーム)のメダルを遊技者は獲得することができるので、ノーマルARTのゲーム数を143ゲームとして、ノーマルARTを行うことができる。ノーマルARTのメダルの純増加枚数は、1.4枚であるので、遊技者は、約200枚(1.4枚×143ゲーム)のメダルを獲得することができる。この場合には、BIGストックカウンタ173から「1」を減算するとともに、ノーマルARTの開始時には1セットのゲーム数である50ゲームのみを表示し、その後に、ノーマルARTが143ゲーム継続するように、後告知でゲームを、一度に又は複数回に分けて上乗せするようにすることができる。このようにすると、ノーマルARTの開始時には、ボーナスARTのセット数のストックが無いことによるものなのか、上述した(1)、(2)又は(3)の制限条件が成立したことやボーナス禁止期間中であることによるものなのかは、遊技者は分からないので、出玉率の抑制が行われたことを、出来るだけ遊技者に知られないようにすることができ、遊技の興趣が低下することを防止することができる。
また、上述した実施の形態では、ARTの1セットを所定のゲーム数としているが、これに限られるものではない。例えば、所定回数のベルナビを1セットとしてもよい。すなわち、ベルナビの回数によって1セットを管理してもよい。また、例えば、所定のゲーム数の経過後に、毎ゲーム、終了抽選を行い、この終了抽選により1セットの終了が決定された場合に1セットを終了するようにしてもよい。すなわち、終了抽選によって1セットを管理してもよい。
また、上述した実施の形態では、ARTを有利遊技としているがこれに限られるものではなく、役抽選の結果を遊技者に報知する、いわゆるAT(アシストタイム)、再遊技役の抽選確率が通常遊技とは異なる、いわゆるRT(リプレイタイム)、いわゆる目押しを可能としたCT(チャレンジタイム)などとしてもよい。
また、本発明は、スロットマシン以外の遊技機にも応用できる。例えば、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いてスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット遊技機などにも応用できるものである。
また、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形および改良なども含むものである。また、本発明は、上述した実施の形態を適宜組み合わせる、または組み替えることもできる。
140 サブ状態移行制御手段(遊技移行制御手段)
177 制限カウンタ(カウント手段)
178 ボーナス禁止カウンタ(禁止期間制御手段)
Claims (1)
- 遊技として、
通常の遊技である通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技である有利遊技を備え、
有利遊技として、大有利遊技と、大有利遊技よりも有利さの程度が相対的に低い小有利遊技とを備え、
小有利遊技、大有利遊技及び通常遊技を含む複数の遊技の間で遊技の移行を制御する遊技移行制御手段と、
大有利遊技の実行を禁止する禁止期間を制御する禁止期間制御手段と、
有利遊技中において、出玉率を制限するための数をカウントするカウント手段と、を備え、
禁止期間制御手段は、
いずれかの有利遊技中において、カウント手段によるカウントに基づいて、予め設定した上限の出玉率以上の出玉率とならないようにするための所定の制限条件が成立した場合に、禁止期間を設定するように形成され、
遊技移行制御手段は、
禁止期間中は、大有利遊技を実行可能であっても大有利遊技に移行させないとともに、大有利遊技以外の他の遊技には移行可能に形成されていると共に、
大有利遊技の遊技回数をカウントする遊技回数カウント手段を備え、
禁止期間制御手段は、
遊技回数カウント手段によりカウントされた、今回開始された大有利遊技の終了までの遊技回数に基づいて、少なくとも、このカウントされた大有利遊技の遊技回数より多い遊技回数を、今回の大有利遊技の終了から次回の大有利遊技開始までの移行の禁止期間として設定するように形成されていることを特徴とする遊技機。
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