JP6088542B2 - Aktキナーゼ阻害剤としての置換イミダゾピラジン類 - Google Patents

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Description

本願発明の分野
本発明は、置換イミダゾピラジン化合物、それらの製造方法およびそれらの使用に関する。
既知の技術的背景
癌は、合衆国で二番目に蔓延している死因であり、年間450,000名の死亡を引き起こしている。癌の推定される環境的および遺伝的原因のいくつかの同定が具体的に進展している一方で、癌および関連疾患を標的とするさらなる治療法が必要とされている。特に、調節不全の成長/増殖に関連する疾患を処置するための治療方法への要望がある。
癌は、生存の増強/アポトーシスへの耐性などの機能的能力および無限の増殖能力を獲得した細胞の選択過程の後に生じる複雑な疾患である。従って、確立された腫瘍の個々の特徴を対象とする癌治療薬を開発するのが好ましい。
哺乳動物細胞の重要な生存シグナルを媒介すると示された1つの経路は、血小板由来増殖因子受容体(PDGF−R)、ヒト上皮細胞増殖因子2/3受容体(HER2/3)またはインシュリン様増殖因子1受容体(IGF−1R)などの受容体チロシンキナーゼを含む。これらの受容体は、リガンドによる各々の活性化後、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(Pi3K)/Akt経路を活性化する。ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(Pi3K)/Aktタンパク質キナーゼ経路は、細胞の成長、増殖および生存の制御の中枢であり、腫瘍の進行を推進する。従って、セリン−スレオニン特異的シグナル伝達キナーゼのクラスの内で、アイソザイムAkt1(PKBα)、Akt2(PKBβ)およびAkt3(PKBγ)を有するAkt(タンパク質キナーゼB;PKB)は、治療介入のために関心が高いものである。Aktは、主にPi3−キナーゼ依存的に活性化され、その活性化は、本質的にはPi3Kの機能的アンタゴニストとして作用する腫瘍抑制因子PTEN(ホスファターゼおよびテンシンホモログ)を介して調節される。
Pi3K/Akt経路は、基礎的な細胞機能(例えば、転写、翻訳、成長および生存)を調節し、糖尿病および癌を含むヒトの疾患に関係づけられている。この経路は、乳癌および前立腺癌などの幅広い腫瘍の実体において、頻繁に過活性化される。上方調節は、上流にありその直接的活性化に関与する受容体チロシンキナーゼ(例えば、EGFR、HER2/3)の過剰発現または恒常的活性化、または、PTENの喪失などのいくつかの成分の機能獲得または喪失突然変異に起因し得る。この経路は、ヒトの癌における他のいかなる経路よりも頻繁に、突然変異、増幅および再編成を含む遺伝子の変化の標的であり、あり得る例外はp53および網膜芽細胞腫経路である。Pi3K/Akt経路の変化は、腫瘍の進行、生存、血管形成および転移を推進する生物学的事象のカスケードを引き起こす。
Aktキナーゼの活性化は、栄養取り込みの増加を促進し、脂質前駆体およびアミノ酸を細胞の成長および増殖を支える同化過程に向け直すグルコース依存性代謝に細胞を変換する。これらの過剰に活性化されたAktを伴う代謝形質は、好気的解糖への代謝的変換(ワールブルク効果)を示す悪性腫瘍へ導く。この点で、Pi3K/Akt経路は、グルコース欠乏または低酸素などの不都合な成長条件に拘わらない生存の中枢であると論じされている。
活性化されたPI3K/Akt経路のさらなる一面は、プログラムされた細胞死(「アポトーシス」)から細胞を保護することであり、故に、生存シグナルを伝達すると考えられる。腫瘍細胞における抗アポトーシス的シグナル伝達のモジュレーターとして作用することにより、Pi3K/Akt経路、特にAkt自体が、癌治療の標的である。活性化されたAktは、細胞の生存、タンパク質合成または細胞の運動などの様々なシグナル伝達経路に影響するいくつかの標的、例えば、BAD、GSK3またはFKHRL1をリン酸化し、調節する。また、このPi3K/Akt経路は、従来の抗癌剤に対する腫瘍細胞の耐性の主要部を担う。従って、Pi3K/Akt経路の阻害は、同時に、腫瘍細胞の増殖(例えば、代謝作用の阻害を介して)を阻害し、アポトーシス促進性物質に対して鋭敏化し得る。
Akt阻害は、Trail、カンプトテシンおよびドキソルビシンなどのアポトーシス性刺激に対して、腫瘍細胞を選択的に鋭敏化する。腫瘍の遺伝子的背景/分子的統制に応じて、Akt阻害剤は、単剤治療でもアポトーシス性細胞死を誘導し得る。
WO2008/070016より、非特異的なAkt阻害剤であると考えられる三環式Aktキナーゼ阻害剤が知られている。具体的な化合物に関するデータは一切開示されていない。様々なAkt阻害剤が、WO2009/021990、WO2010088177、WO2010104705、WO2010114780、WO2011033265、WO2011055115に開示されている。WO2007/096764より、カンナビノイド受容体モジュレーターとしてのイミダゾ[1,2−a]ピラジンを一般的に含めた二環式ヘテロアリール誘導体が知られている。その刊行物において、Y.Liら(Bioorg. Med. Chem. Lett. 2009, 19, 834-836 およびその中の引用文献)が、最適なAkt阻害剤を見つけることは困難であることを詳細に記述している。多発性疾患状態(例えば、癌など)におけるAkt阻害剤の応用可能性は、いまだ利用することが望まれている新規のAkt阻害剤の提供を可能にする。
本発明の説明
上記の問題の解決法は、改善されたAkt阻害剤の提供であり、これにより現行化合物は改善された薬物動態プロファイルを有する。この度、下記で詳細に説明する新規の置換イミダゾピラジン化合物が、改善された薬物動態プロファイルを有するAkt阻害剤であることが見出された。
第1の態様に従い、本発明は、式(I)
Figure 0006088542

[式中、
は、水素、ヒドロキシ、あるいは1−6C−アルキルまたは1−6C−アルコキシから選択された基であって、ここで該基は、所望により1回またはそれ以上、次のものから選択される同一または異なる置換基により置換されていてもよい:ヒドロキシ、ハロゲン、1−6C−アルキル、1−4C−ハロアルキル、1−6C−アルコキシ、−NR、シアノ、(=O)、−C(O)NR、−C(O)OR、−NHC(O)R10、−NHS(O)10、ヘテロアリール、ここで該置換基は、所望により1−6C−アルコキシにより置換されていてもよく、
は、水素、ハロゲン、C(O)OR、CO(NR)または1−6C−アルキル基であって、ここで該基は、所望により1回またはそれ以上、次のものから選択される同一または異なる置換基により置換されていてもよい:ヒドロキシ、ハロゲン、1−6C−アルキル、1−4C−ハロアルキル、1−6C−アルコキシ、−NR、シアノ、−C(O)NR、−C(O)OR、−NHC(O)R10、−NHS(O)10、−NH−(1−6C−アルキレン)−O−(1−6C−アルキル)、
は、水素、1−6C−アルキルであり、
は、所望により1−6C−アルキル、ハロゲン、シアノにより置換されていてもよいフェニルであり、
は、水素、ハロゲンであり、
は、水素、1−6C−アルキルであり、
Xは、−CH−であり、
Yは、−CH−、−CH(OH)−であり、
、Rは、同一または異なっていてもよく、
これらは、水素、ヒドロキシ、3−7C−シクロアルキルであるか、または1−4C−アルキル、1−6C−アルコキシから選択される基であって、ここで該基は、所望により1回またはそれ以上、次のものから選択される同一または異なる置換基により置換されていてもよいか:ハロゲン、ヒドロキシ、モノ−もしくはジ−(1−4C−アルキルアミノ)、1−4C−アルコキシまたは3−7C−シクロアルキル;または
およびRは、それらが結合している窒素と一体となって飽和または不飽和3−6C−ヘテロ環式環を形成してもよく、これは所望により(=O)により置換されていてもよい、
は、水素、1−6C−アルキルであり、
10は、1−4C−アルキル(所望により1回またはそれ以上、同一または異なるハロゲンまたはヒドロキシにより置換されていてもよい)あるいは3−7C−シクロアルキルである]
の化合物、該化合物のN−オキシド、塩、互変異性体もしくは立体異性体、または該N−オキシド、互変異性体もしくは立体異性体の塩である。
本発明の別の態様は、請求項1に記載の式(I):
[式中、
は、水素、ヒドロキシ、1−6C−アルキル、1−6C−アルコキシであり、
は、水素、ハロゲン、1−6C−アルキル、(CO)OR、(CO)NRであり、
は、水素であり、
は、所望により1−6C−アルキル、ハロゲン、シアノにより置換されていてもよいフェニルであり、
は、水素であり、
は、水素であり、
Xは、−CH−であり、
Yは、−CH−、−CH(OH)−であり、
、Rは、同一または異なっていてもよく、
これらは、水素、ヒドロキシであるか、または1−4C−アルキル、1−6C−アルコキシから選択された基であって、ここで該基は、所望により1回またはそれ以上、次のものから選択される同一または異なる置換基により置換されていてもよい:ハロゲン、ヒドロキシ、モノ−もしくはジ−(1−4C−アルキルアミノ)、1−4C−アルコキシまたは3−7C−シクロアルキル;または
およびRは、それらが結合している窒素と一体となって飽和または不飽和3−6C−ヘテロ環式環を形成してもよく、これは所望により(=O)により置換されていてもよい、
は、水素、1−6C−アルキルである]
の化合物、該化合物のN−オキシド、塩、互変異性体もしくは立体異性体、または該N−オキシド、互変異性体もしくは立体異性体の塩である。
本発明の別の態様は、請求項1に記載の式(I):
[式中、
は、水素、ヒドロキシ、1−6C−アルキル、1−6C−アルコキシであり、
は、水素、ハロゲン、1−6C−アルキル、(CO)OR、(CO)NRであり、
は、水素であり、
は、フェニルであり、
は、水素であり、
は、水素であり、
Xは、−CH−であり、
Yは、−CH−であり、
、Rは、同一または異なっていてもよく、これらは水素、1−4C−アルキルであり、
は、水素、1−6C−アルキルである]
の化合物、該化合物のN−オキシド、塩、互変異性体もしくは立体異性体、または該N−オキシド、互変異性体もしくは立体異性体の塩である。
本発明の別の態様は、請求項1に記載の式(I):
[式中、
は、水素、ヒドロキシ、1−3C−アルキル、1−3C−アルコキシであり、
は、水素、ハロゲン、1−3C−アルキル、(CO)O(1−3C−アルキル)、(CO)NHであり、
は、水素であり、
は、フェニルであり、
は、水素であり、
は、水素であり、
Xは、−CH−であり、
Yは、−CH−である]
の化合物、該化合物のN−オキシド、塩、互変異性体もしくは立体異性体、または該N−オキシド、互変異性体もしくは立体異性体の塩である。
本発明の別の態様は、請求項1に記載の式(I)の化合物であって、それは以下からなる群から選択される:

2−[4−(1−アミノシクロブチル)フェニル]−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−8−オール、
1−[4−(6,8−ジメチル−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)フェニル]シクロブタンアミン、

1−[4−(6−ブロモ−8−メトキシ−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)フェニル]シクロブタンアミン、

1−[4−(6−エチル−8−メトキシ−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)フェニル]−シクロブタンアミン、

エチル2−[4−(1−アミノシクロブチル)フェニル]−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボキシレート

2−[4−(1−アミノシクロブチル)フェニル]−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボキサミド、

メチル2−[4−(1−アミノシクロブチル)フェニル]−8−メトキシ−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]−ピラジン−6−カルボキシレート

2−[4−(1−アミノシクロブチル)フェニル]−8−メトキシ−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボキサミド。
本発明の別の態様は、上記表に特定されるとおりの式(I)の化合物のN−オキシド、塩、互変異性体もしくは立体異性体、または該N−オキシド、互変異性体もしくは立体異性体の塩である
本発明の一態様は、請求項5に記載したような表題名およびその構造を特徴とする実施例に記載したとおりの式(I)の化合物ならびに実施例の化合物に具体的に開示されたあらゆる残基のサブコンビネーションである。
本発明の一態様は、実施例ならびにその合成に使用されたような中間体に開示された化合物である。
本発明の別の態様は、中間体IIIであって、式中の全ての残基は、請求項1−4ならびに下記の反応スキームIとして規定される。
本明細書に開示されたとおりの本発明の実施態様が式(I)の化合物に関する場合、それらの態様は、請求項および実施例に開示されたとおりの式(I)の化合物を意味する。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物であって、式中のRは、水素、ヒドロキシ、1−6C−アルキル、1−6C−アルコキシである。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物に関し、式中のRは、水素、ヒドロキシ、1−3C−アルキル、1−3C−アルコキシである。
本発明のさらなる態様は、式(I)の化合物に関し、式中のRは、水素、ヒドロキシ、メチル、メトキシである。
本発明の一態様は、式(I)の化合物に関し、式中のRは、1−6C−アルキル、特に1−3C−アルキルであって、該アルキルは非置換である。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物であり、式中のRは、水素、ハロゲン、1−6C−アルキル、(CO)OR、(CO)NRである。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物に関し、式中のRは、水素、ハロゲン、1−3C−アルキル、(CO)O(1−3C−アルキル)、(CO)NRである。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物に関し、式中のRは、水素、ハロゲン、1−3C−アルキル、(CO)O(1−3C−アルキル)、(CO)NRである。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物に関し、式中のRは、水素、ハロゲン、1−3C−アルキル、(CO)O(1−3C−アルキル)、(CO)NHである。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物に関し、式中のRは、1−6C−アルキル、特に1−3C−アルキル、さらに具体的にはメチルまたはエチルであり、前記アルキルは非置換である。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物に関し、式中のRは、水素、臭素、メチル、エチル、−C(O)−OCH、−C(O)−OCHCH、−C(O)(NH)である。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物に関し、式中のRは、水素である。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物に関し、式中のRは非置換フェニルである。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物に関し、式中のRは水素である。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物に関し、式中のRは水素である。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物に関し、式中のR/Rは、水素または非置換1−3C−アルキルである。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物に関し、式中のR/Rは、水素である。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物に関し、式中のRは、水素である。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物に関し、式中のRは1−3C−アルキル、特にメチルまたはエチルである。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物に関し、式中のR10は、水素である。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物に関し、式中のXは、−CH−である。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物に関し、式中のYは、−CH−、−CH−(OH)−である。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物に関し、式中のYは−CH−である。
上記態様の全ての実施形態において、本発明は式(I)の化合物に関し、式中のRは水素であり、かつRは水素である。
上記態様の別の実施態様において、本発明は式(I)の化合物に関し、式中のR、Rは水素であり、Rは非置換フェニル環である。
上記態様のさらなる態様において、本発明は式(I)の化合物に関し、式中のRは、水素であり、Rはフェニルである。
上記態様のさらなる態様において、本発明は式(I)の化合物に関し、式中のRおよびRの少なくとも一つは水素ではない。
上記態様の別の実施態様において、本発明は式(I)の化合物に関し、式中のRおよびRの双方は水素でない。
発明の別の実施態様、特許請求の範囲に記載された化合物であって、この定義は、具体的に例示化合物およびそのサブコンビネーションとして、好ましいか、またはより好ましい定義に従って限定される。
定義
特に断りのない限り、特許請求の範囲において、下記に定義される構成要素は、所望によりヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、1−6C−アルキル、1−4C−ハロアルキル、1−6C−アルコキシ、−NR、シアノ、(=O)、−C(O)NR、−C(O)OR、−NHC(O)R10、−NHS(O)10から選択される置換基で同一または異なって1回またはそれ以上置換されていてもよい。ハロゲンで数回置換されたアルキルとしては、完全にハロゲン化されたアルキル部分、例えばCFも含まれる。
構成要素が1より多い部分から構成される場合、例えば−O−(1−6C−アルキル)−3−7C−シクロアルキル、置換可能な位置は、これらの部分の適切な位置でありうる。この構成要素の末端のハイフンは、分子の残りの部分への結合点を示す。置換基で置換された環は、環窒素原子上においても環の好適な位置のいずれかでありうる。
本明細書で用いられる用語「含む」には、「からなる」が含まれる。
本明細書内において「上記に記載される」または「上記に」と表現される場合、前出の明細書内で開示されたものを意味する。
本発明の範囲において「適切な」とは、当業者の知識内の方法で化学的に実施し得ることを意味する。
「1−6C−アルキル」は、1個ないし6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基である。例は、メチル、エチル、nプロピル、イソ−プロピル、nブチル、イソ−ブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、好ましくは1個ないし4個の炭素原子(1−4C−アルキル)、より好ましくは1個ないし3個の炭素原子(1−3C−アルキル)である。本明細書で言及される別の数の炭素原子を有する他のアルキル構成要素は、それらの鎖の長さの差異を考慮にいれて、上記の通りに定義される。アルキル鎖を構成要素の2つの他の部分間の架橋部分として含有する構成要素の部分は、通常「アルキレン」部分と呼ばれ、鎖の好ましい長さを含む上記アルキルの定義に従って定義され、例えば、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン,N−ブチレン、イソブチレン、tert−ブチレンなどである。
「モノまたはジ−1−4C−アルキルアミノ」基は、窒素原子が付加された、独立して1または2個の上記に記載の1−4C−アルキル基を含有する。例としては、メチルアミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノおよびジイソプロピルアミノ基である。
「ハロゲン」は、本発明の意味の範囲内において、ヨウ素、臭素、塩素またはフッ素であり、好ましくは「ハロゲン」は、本発明の意味の範囲内において、塩素またはフッ素であり、合成内での脱離基として必要とされるハロゲン原子は、ヨウ素または臭素が好ましく、Rの場合にはそれは臭素である。
「1−4C−ハロアルキル」は、少なくとも1個の水素がハロゲン原子で置換されている、1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基である。例としては、クロロメチルまたは2−ブロモエチルである。部分的または完全にフッ素化されたC1−C4−アルキル基について、以下の部分的または完全にフッ素化された基が考えられ、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、1,2−ジフルオロエチル、1,1,1−トリフルオロエチル、テトラフルオロエチルおよびペンタ−フルオロエチルであり、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル、1,1−ジフルオロエチルまたは1,1,1−トリフルオロエチルが好ましい。部分的または完全にフッ素化されたC1−C4−アルキル基は、用語1−4C−ハロアルキルに包含されるとみなされる。
「1−6C−アルコキシ」は、酸素原子に加えて、1個ないし6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基を含む基を表す。言及し得る例は、ヘキソキシ、ペントキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、エトキシおよびメトキシ基であり、好ましいのはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシである。
「3−7C−シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチル、好ましくはシクロプロピルを表す。
用語「3−7C−ヘテロアリール」または「ヘテロシクリル」は、4〜10個、好ましくは、4〜7個の環原子、およびN、O、S、SO、SOからなる群からの3個まで、好ましくは2個までのヘテロ原子および/またはヘテロ基を含有する、単環または多環式、好ましくは、単環または二環式、より好ましくは、単環式の非芳香族ヘテロ環基を意味する。ヘテロシクリル基は、飽和または部分的に不飽和であり、特に断りがなければ、1−4C−アルキル、1−4C−ハロアルキル、1−4C−アルコキシ、ヒドロキシ、フッ素または(=O)から選択される置換基で同一または異なって1回またはそれ以上適宜置換されていてもよく、前記1−4C−アルキルは、ヒドロキシでさらに適宜置換されていてもよく、前記二重結合した酸素原子は、適切な位置でヘテロシクリル環の炭素原子と一緒にカルボニル基を生じるものである。特に好ましいヘテロ環基は、O、NおよびSからなる群からの2個までのヘテロ原子を有する4〜7員単環式飽和ヘテロシクリル基である。例として、および好ましくは、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、アゼチジニル、3−ヒドロキシアゼチジニル、3−フルオロアゼチジニル、3,3−ジフルオロアゼチジニル、ピロリジニル、3−ヒドロキシピロリジニル、ピロリニル、ピペリジニル、3−ヒドロキシピペリジニル、4−ヒドロキシピペリジニル、3−フルオロピペリジニル、3,3−ジフルオロピペリジニル、4−フルオロピペリジニル、4,4−ジフルオロピペリジニル、ピペラジニル、N−メチル−ピペラジニル、N−(2−ヒドロキシエチル)−ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、アゼパニル、ホモピペラジニル、N−メチル−ホモピペラジニルが挙げられる。
NR7基は、例えば、NH、N(H)CH、N(CH、N(H)CHCHおよびN(CH)CHCHであり、好ましいものはNHである。
−NR7の場合、RおよびRが、それらが結合している窒素原子と一体となって3−6C−ヘテロ環を形成する時、用語「3−6C−ヘテロ環」には、4〜7個の環原子を含有し、1または2個の窒素原子または1個の窒素原子および1個の酸素原子を有する、全ての飽和または不飽和の非アリールヘテロ環が含まれる。3−6C−ヘテロ環は、所望により1−4C−アルキル、1−4C−ハロアルキル、1−4C−アルコキシ、ヒドロキシ、フッ素または(=O)から選択される置換基で同一または異なって1回またはそれ以上置換されていてもよく、前記酸素原子は、二重結合により環の炭素原子に連結され、カルボニル基を形成し、ラクタム部分を生じる窒素原子とは別に、または環の他の炭素原子に位置することができるものであり、前記1−4C−アルキルは、ヒドロキシでさらに所望により置換されていてもよいものである。好ましい例は、アゼチジン、3−ヒドロキシアゼチジン、3−フルオロアゼチジン、3,3−ジフルオロアゼチジン、ピロリジン、ピロリジン−2−オン、3−ヒドロキシピロリジン、ピペリジン、3−ヒドロキシピペリジン、4−ヒドロキシピペリジン、3−フルオロピペリジン、3,3−ジフルオロピペリジン、4−フルオロピペリジン、4,4−ジフルオロピペリジン、1H−ピリジン−2−オン、ピペラジン塩、N−メチル−ピペラジン、N−(2−ヒドロキシエチル)−ピペラジン、モルホリンである。
「アリール」は、原則として、6〜10個の炭素原子を有する単環または二環式芳香族炭素環基を意味し、例としてはフェニルまたはナフチルである。フェニルが好ましい。前記アリール部分は、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、1−6C−アルキル、1−4C−ハロアルキル、1−6C−アルコキシ、−NR、シアノ、−C(O)NR、−C(O)OR、−NHC(O)R10、−NHS(O)10によって同一または異なって1回またはそれ以上置換することができる。本発明の一態様において、フェニル部分が置換基である場合、置換されていないか、または1回のみ置換される。
用語「ヘテロアリール」は、単環式5もしくは6員芳香族ヘテロ環または縮合二環式芳香族部分を意味し、以下に限定されないが、5員ヘテロアリール基として、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル(1,2,4−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリルまたは1,2,3−トリアゾリル)、チアジアゾリル(1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル)およびオキサジアゾリル(1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリルまたは1,2,4−オキサジアゾリル)、ならびに6員ヘテロアリール基として、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニルおよびピリダジニル、ならびに縮合環基として、例えば、フタリジル−、チオフタリジル−、インドリル−、イソインドリル−、ジヒドロインドリル−、ジヒドロイソインドリル−、インダゾリル−、ベンゾチアゾリル−、ベンゾフラニル−、ベンズイミダゾリル−、ベンゾオキサジノニル(benzoxazinonyl)−、キノリニル−、イソキノリニル−、キナゾリニル−、キノキサリニル−、シンノリニル−、フタラジニル−、1,7−または1,8−ナフチリジニル−、クマリニル−、イソクマリニル−、インドリジニル−、イソベンゾフラニル−、アザインドリル−、アザイソインドリル−、フラノピリジル−、フラノピリミジニル−、フラノピラジニル−、フラノピリダジニル−が挙げられ、好ましい縮合環基はインダゾリルである。好ましい5または6員ヘテロアリール基は、フラニル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニルまたはピリダジニルである。より好ましい5または6員ヘテロアリール基は、フラン−2−イル、チエン−2−イル、ピロール−2−イル、チアゾリル、オキサゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、ピリジン−2−イル、ピリジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピラジン−2−イルまたはピリダジン−3−イルである。
NH(CO)R10基としては、例えばNH(CO)CH、NH(CO)C、NH(CO)C、NH(CO)CH(CHが挙げられる。
NHS(O)10基としては、例えばNHS(O)CH、NHS(O)、NHS(O)、NHS(O)CH(CHが挙げられる。
C(O)NR基としては、例えばC(O)NH、C(O)N(H)CH、C(O)N(CH、C(O)N(H)CHCH、C(O)N(CH)CHCHあるいはC(O)N(CHCHが挙げられる。−NRの場合には、RおよびRが、それらが結合している窒素原子と一体となって3−6C−ヘテロ環式環を形成し、用語「3−6C−ヘテロ環式環」は、上記に定義される。
C(O)OR基としては、例えばC(O)OH、C(O)OCH、C(O)OC、C(O)C、C(O)CH(CH、C(O)OC、C(O)OC11、C(O)OC13が挙げられる;C(O)O(1−6C−アルキル)については、アルキル部分が直線または分岐鎖であってもよい。
一般に、特に断りがなければ、ヘテロアリールまたはヘテロアリーレン基には、その全ての可能な異性体形態、例えば、その位置異性体が含まれる。よって、例えば、以下に限定されないが、用語「ピリジニル」または「ピリジニレン」には、ピリジン−2−イル、ピリジン−2−イレン、ピリジン−3−イル、ピリジン−3−イレン、ピリジン−4−イルおよびピリジン−4−イレンが含まれ;あるいは用語「チエニル」または「チエニレン」には、チエン−2−イル、チエン−2−イレン、チエン−3−イルおよびチエン−3−イレンが含まれる。
本明細書に記載される所望により置換されていてもよい構成要素は、特に断りがない限り、いずれかの可能な位置で互いに独立して1回またはそれ以上置換されていてもよい。変数が構成要素中で1回より多い場合、各定義は独立したものである。
またはRの場合には、1−6C−アルキルまたは1−6C−アルコキシから選択される基は、ヒドロキシ、ハロゲン、1−6C−アルキル、1−4C−ハロアルキル、1−6C−アルコキシ、−NR、シアノ、(=O)、−C(O)NR、−C(O)OR、−NHC(O)R10、−NHS(O)10、ヘテロアリールから選択された基により同じまたは異なって1回またはそれ以上置換されていてもよく、本発明の場合には、好ましくは1−6C−アルキルから選択された基であって、1−6C−アルキルは非置換であることが理解される。
本明細書で言及されるヘテロアリール基、ヘテロアリーレン基またはヘテロ環式基は、断りのない限り、任意の位置で、例えば、任意の置換可能な環内炭素または環内窒素原子で、それらの与えられた置換基または親の分子の基により置換されていてよい。同様に、任意のヘテロアリールまたはヘテロシクリル基は、化学的に適切であるならば、任意の適切な原子を介して分子の残りの部分に結合することが可能であると理解される。断りのない限り、本明細書で言及される原子価が満たされていないヘテロアリールまたはヘテロアリーレン環の任意のヘテロ原子は、原子価を満たす水素原子を有すると想定される。断りのない限り、四級化できるアミノまたはイミノ型の環内窒素原子(−N=)を含有する環は、好ましくは、これらのアミノまたはイミノ型の環内窒素原子において、上記の置換基または親の分子の基により四級化されていなくてよい。
本発明の化合物の特徴について、用語「薬物動態的プロファイル」は、ある単一のパラメーターまたはその組み合わせを意味し、適切な実験で測定される透過性、バイオアベイラビリティ、暴露および薬力学的パラメーター(例えば、薬理学的効果の期間または大きさ)などが含まれる。改善された薬物動態的プロファイル(例えば、低容量を用いて同じ効果を達成できる)を有する化合物は、より長期の作用期間を達成すること、または双方の効果の組み合わせを達成することができる。
本発明の化合物の塩は、全ての無機および有機酸付加塩ならびに塩基との塩、とりわけ全ての薬学的に許容される無機および有機酸付加塩ならびに塩基との塩、特に薬学分野で慣用されている、全ての薬学的に許容される無機および有機酸付加塩ならびに塩基との塩が含まれる。
本発明の一態様は、全ての無機および有機酸付加塩、とりわけ全ての薬学的に許容される無機および有機酸付加塩、特に薬学分野で慣用されている、全ての薬学的に許容される無機および有機酸付加塩を含む本発明の化合物の塩である。本発明の別の態様は、ジ−およびトリカルボン酸との塩である。
酸付加塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、スルファミン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、D−グルコン酸塩、安息香酸塩、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸塩、酪酸塩、サリチル酸塩、スルホサリチル酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、シュウ酸得、マロン酸塩、ピルビン酸塩、アセト酢酸塩、酒石酸塩、ステアリン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ナフタリンジスルホン酸塩およびトリフルオロ酢酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
塩基との塩の例としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、マグネシウム塩、チタン塩、メグルミン塩、アンモニウム塩、NHまたは1〜16個のC−原子を有する有機アミンに由来し得る塩、例えば、エチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、エチルジイソプロピルアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、ジメチルアミノエタノール塩、プロカイン塩、ジベンジルアミン塩、N−メチルモルホリン塩、アルギニン塩、リシン塩、エチレンジアミン塩、N−メチルピペリジン塩およびグアニジウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。
塩は、水に不溶性の塩を含み、特に水溶性塩を含む。
当業者によると、本発明の式(I)の化合物ならびにそれらの塩は、例えば結晶形で単離されるとき、種々の量の溶媒を含んでいてよい。すなわち、本発明の範囲には、本発明の式(I)の化合物の全ての溶媒和物、特に全ての水和物、ならびに本発明の式(I)の化合物の塩の全ての溶媒和物、特に全ての水和物が含まれる。
本発明において、用語「組み合わせ」は、当業者に公知のように使用され、固定された組み合わせ、固定されていない組み合わせ、すなわち複数部分のキット(kit-of-parts)として存在してもよい。
本発明において、「固定された組み合わせ」は、当業者に公知のように使用され、第一活性成分と第二活性成分とが1つの単位用量中に、または単一の物質中に共に存在する組み合わせとして定義される。「固定された組み合わせ」の一例は、第一活性成分と第二活性成分とが同時投与のための混合物(例えば製剤)中に存在する医薬組成物である。「固定された組み合わせ」の別の例は、第一活性成分と第二活性成分とが、混合物中ではなく1つの単位中に存在する医薬組成物である。
本発明において、「固定されていない組み合わせ」または「複数部分のキット」は、当業者に公知のように使用され、第一活性成分と第二活性成分とが2つ以上の単位中に存在する組み合わせとして定義される。固定されていない組み合わせまたは複数部分のキットの一例は、第一活性成分と第二活性成分とが別々に存在する組み合わせである。固定されていない組み合わせまたは複数部分のキットの成分は、別々に、連続して、一斉に、同時に、または時間をずらして投与され得る。
用語「(化学療法用)抗癌剤」としては、特に限定されないが、次のものが挙げられる:131I−chTNT、アバレリクス、アビラテロン、アクラルビシン、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アムルビシン、アムサクリン、アナストロゾール、アルグラビン、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アザシチジン、バシリキシマブ、BAY80−6946、BAY1000394、ベロテカン、ベンダムスチン、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、ビスアントレン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブセレリン、ブスルファン、カバジタキセル、ホリナートカルシウム、レボホリナートカルシウム、カペシタビン、カルボプラチン、カルモフール、カルムスチン、カツマキソマブ、セレコキシブ、セルモロイキン、セツキシマブ、クロラムブシル、クロルマジノン、クロルメチン、シスプラチン、クラドリビン、クロドロン酸、クロファラビン、クリサンタスパーゼ(crisantaspase)、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダルベポエチンα、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、デガレリクス、デニロイキンジフチトクス、デノスマブ、デスロレリン、塩化ジブロモスピジウム、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドキソルビシン+エストロン、エクリズマブ、エドレコロマブ、酢酸エリプチニウム、エルトロンボパグ、エンドスタチン、エノシタビン、エピルビシン、エピチオスタノール、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エプタプラチン、エリブリン、エルロチニブ、エストラジオール、エストラムスチン、エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、ファドロゾール、フィルグラスチム、フルダラビン、フルオロウラシル、フルタミド、フォルメスタン、ホテムスチン、フルベストラント、硝酸ガリウム、ガニレリクス、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、グルトキシム、ゴセレリン、ヒスタミン二塩酸塩、ヒストレリン、ヒドロキシカルバミド、I−125シード、イバンドロン酸、イブリツモマブチウキセタン、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、イミキモド、インプロスルファン、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、イピリムマブ、イリノテカン、イクサベピロン、ランレオチド、ラパチニブ、レナリドマイド、レノグラスチム、レンチナン、レトロゾール、ロイプロレリン、レバミソール、リスリド、ロバプラチン、ロムスチン、ロニダミン、マソプロコール、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メルファラン、メピチオスタン、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトキサレン、レブリン酸メチルアミノ、メチルテストステロン、ミファムルチド、ミルテホシン、ミリプラチン、ミトブロニトール、ミトグアゾン、ミトラクトール、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ネダプラチン、ネララビン、ニロチニブ、ニルタミド、ニモツズマブ、ニムスチン、ニトラクリン、オファツムマブ、オメプラゾール、オプレルベキン、オキサリプラチン、p53遺伝子療法、パクリタキセル、パリフェルミン、パラジウム−103シード、パミドロン酸、パニツムマブ、パゾパニブ、ペグアスパラギナーゼ、PEG−エポエチンベータ(メトキシPEG−エポエチンベータ)、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンアルファ−2b、ペメトレキセド、ペンタゾシン、ペントスタチン、ペプロマイシン、ペルホスファミド、ピシバニール、ピラルビシン、プレリキサフォル、プリカマイシン、ポリグルサム、ポリエストラジオールホスフェート、ポリサッカライド−K、ポルフィマーナトリウム、プララトレキサート、プレドニムスチン、プロカルバジン、キナゴリド、ラジウム−223クロリド、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラニムスチン、ラゾキサン、レファメチニブ、レゴラフェニブ、リセドロン酸、リツキシマブ、ロミデプシン、ロミプロスチム、サルグラモスチム、シプリューセル−T、シゾフィラン、ソブゾキサン、グリシジダゾール(glycididazole)ナトリウム、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、タラポルフィン、タミバロテン、タモキシフェン、タソネルミン、テセロイキン、テガフール、テガフール+ギメラシル+オテラシル、テモポルフィン、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、テストステロン、テトロホスミン、サリドマイド、チオテパ、チマルファシン、チオグアニン、トシリズマブ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラベクテジン、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トリロスタン、トリプトレリン、トロホスファミド、トリプトファン、ウベニメクス、バルルビシン、バンデタニブ、バプレオチド、ベムラフェニブ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、ボリノスタット、ボロゾール、イットリウム−90ガラスマイクロスフェア、ジノスタチン、ジノスタチンスチマラマー、ゾレドロン酸、ゾルビシン。
本発明の化合物およびそれらの塩は、本発明の実施態様に含まれる互変異性体の形態で存在してもよい。
本発明の化合物は、それらの構造によって、異なる立体異性形態で存在し得る。これらの形態には、立体配置異性体または所望により立体配座異性体(それらのアトロプ異性体を含む、エナンチオマーおよび/またはジアステレオ異性体)が含まれる。故に、本発明は、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、ならびにそれらの混合物を含む。これらのエナンチオマーおよび/またはジアステレオ異性体の混合物から、純粋な立体異性形態を、当技術分野で公知の方法、好ましくはクロマトグラフィー法、とりわけアキラルまたはキラル相を用いる高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法により単離することができる。本発明はさらに、その比率に無関係に上記立体異性体の全ての混合物(ラセミ体を含む)を含む。
本発明の化合物および塩の一部は、本発明の範囲内である異なる結晶形(多形)で存在してもよい。
さらに、生物系で式(I)の化合物およびその塩に変換される式(I)の化合物およびその塩の誘導体(生物学的前駆体またはプロドラッグ)は、本発明に包含される。該生物系は、例えば哺乳動物、特にヒト対象である。該生物学的前駆体は、例えば代謝プロセスにより式(I)の化合物またはその塩に変換される。
添付の特許請求の範囲に記載の請求項1〜5記載の化合物の合成に使用される中間体、ならびに請求項1〜5記載の化合物の合成のためのそれらの使用は、本発明のさらなる態様である。好ましい中間体は、下記の中間体実施例である。
本発明の化合物は以下の通りに製造され得る。
以下のスキーム1に従って本発明の化合物を製造することができる。
スキーム1:
Figure 0006088542

ここで、X、Y、R、R、R、RおよびRは、上記で定義した意味を有し、RはRの意味を有し、また保護基であってもよい;Rは、Hまたは保護基であり、RおよびRは共に、またはYおよびRは共に環保護基を形成できる;Halは、ハロゲンであり、好ましくはCl、BrまたはIであり;Mは、金属部分、例えば−Li、−MgCl、−MgBrHalである。
一般式(I)の化合物は、一般式(II)の化合物から製造し得る。Ryは、場合によりRまたは保護基、または、さらなる操作を必要とする他のそのような前駆体であり得る。例えば、一般式(II)の化合物のRは、Boc基、−CO(OtBu)などの保護基であり得る。よって、本発明の特定の実施態様において、保護基はBoc基である。従って、一般式(I)の化合物の製造は、適切な脱保護反応により、例えば、Boc基の場合、酸性反応条件、例えばジオキサン中の4M塩酸溶液、または例えばDCMおよびメタノールなどの適切な溶媒中、環境温度での反応の使用により達成され得る。得られるアンモニウム塩は、通常、例えば当業者には既知の塩、例えば重炭酸塩、アミン塩、ヒューニッヒ塩(ジイソプロピルエチルアミン)、水酸化ナトリウム、アンモニアを用いるか、あるいはメタノール/アンモニアを用いてPoraPak(登録商標)カラムから該化合物を溶出することにより遊離アミンに変換される。Boc基を脱保護するさらなる条件、または、一般式(II)の化合物のアミノ官能基の遮断において使用するのに適当であり得るさらなる保護基は、それらの合成および脱保護を含めて、例えば、T. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, 1999, 3rd Ed., または P. Kocienski, Protecting Groups, Thieme Medical Publishers, 2000 に見出される。同様に、RがHではない時、Rは保護基であり、例えば、RおよびRが一体となって、例えばフタルアミドなどの環状の保護基を形成する。
さらに、一般式(II)の化合物は、それ自体がさらに修飾され、かくしてRまたはRに所望の官能基の導入を可能にする官能基を含み得る。そのような変換には、酸化、還元、求核性置換、求電子置換、ラジカル反応、または金属補助クロスカップリング反応などの金属に促進される反応、例えば、鈴木、スティルまたはヘック反応などが含まれる。同様に、一般式(I)の化合物も、変換が−NHR基で望まれない副反応を起こさない限り、このようにして修飾され、さらなる本発明の化合物を提供し得る。
一般式(II)の化合物は、一般式(III)の中間体ケトンおよび一般式(IV)のヘテロ環式アミンから、適切な環化反応の使用により製造し得る。例えば、一般式(II)の化合物は、(III)および(IV)を、例えばDMF、ブチロニトリル、エタノールまたはイソプロパノールなどの適切な溶媒中で、50℃ないし150℃の高温で反応させることにより製造し得る。第三級アミン(例えば、トリエチルアミンまたはジイソプロピルアミン)などの塩基性添加剤またはモレキュラーシーブなどの添加剤の使用は有益であり得る。
一般式(IV)の化合物は、購入できるか、実施例に記載の方法を使用して製造し得るか、既知方法を使用して製造し得るか、または、当業者に知られている類似の方法により製造し得る。
一般式(III)の化合物は、一般式(V)のケトンから、適切なハロゲン化反応の使用により製造し得る。例えば、ハロゲンがBrである場合、適切な臭素化反応、例えば、一般式(V)のケトンを臭化水素酸ピリジニウム過臭化物と、THFなどの適する溶媒中、適温で、例えば、0℃ないし環境温度で反応させることによる。
一般式(V)の化合物は、一般式(VI)の化合物から、既知方法を使用して、例えば、適切な有機金属反応剤(VII)をエーテル性溶媒などの適切な溶媒、例えばTHFに、低温、例えば、−78℃ないし−10℃、好ましくは−30℃ないし−10℃で添加することにより製造し得る。好ましい有機金属反応剤は、例えば、Mが−MgClまたは−MgBr、より好ましくは−MgClである、有機マグネシウム反応剤である。
一般式(VI)の化合物は、一般式(VIII)の化合物から、既知方法を使用して、例えば、パラジウム触媒シアン化反応により、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh]などの適切な触媒、二シアン化亜鉛などの適切なシアノ供給源、DMFなどの適切な溶媒(乾燥DMFが有益であり得る)および高温(例えば溶媒の沸点まで、好ましくは80℃)を使用して、製造し得る。
一般式(VIII)および(IX)の化合物は、購入できるか、下記の方法を使用して製造し得るか、既知方法を使用して製造し得るか、または、当業者に知られている類似の方法により製造し得る。
即ち、本発明の一態様は、式(III)
Figure 0006088542

[式中、R、RおよびR、XおよびYは、請求項1に記載の意味を有し、RはRまたは保護基であり;Rは水素または保護基であるか、または、RおよびRが一体となって、または、YおよびRが一体となって、環状の保護基を形成していてもよく、Halはハロゲンである]
の化合物を、式(IV)
Figure 0006088542

[式中、R、RおよびRは請求項1に記載の意味を有する]
の化合物と反応させて、その後適宜脱保護して、一般式(II)の化合物
Figure 0006088542

を形成させることを特徴とする、一般式(I)の化合物の製造方法である。
本発明のある好ましい態様は、実施例に記載の請求項1〜5の化合物の製造方法である。
本発明の別の態様は、一般式(III)の中間体:
Figure 0006088542

[式中、R、RおよびR、XおよびYは、請求項1に記載の意味を有し、RはRまたは保護基であり;Rは水素または保護基であるか、あるいはRおよびRは一体となって、またはYおよびRが一体となって、環状の保護基を形成していてもよく、Halはハロゲンである]であり、また一般式(I)の化合物を製造するためのその使用である。
出発化合物または中間体化合物にいくつかの反応中心がある場合、所望の反応中心で反応が特異的に進行するように、保護基により1個またはそれ以上の反応中心を一時的に保護することが必要な場合があることは、当業者に公知である。多くの証明されている保護基の使用についての詳細な説明は、例えば、T. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, 1999, 3rd Ed. または P. Kocienski, Protecting Groups, Thieme Medical Publisher, 2000 に見出される。
本発明の化合物は、公知の方法により、例えば真空下で溶媒を蒸留し、適切な溶媒から得られた残渣を再結晶するか、またはこれを通常の精製法の1つ、例えば適切な支持体物質でのクロマトグラフィーに付すことにより、単離および精製される。さらに、十分に塩基性または酸性の官能基を有する本発明の化合物の逆相分取HPLCは、塩の形成に至り得、例えば、十分に塩基性の本発明の化合物の場合、トリフルオロ酢酸塩またはギ酸塩の形成、または例えば、十分に酸性の本発明の化合物の場合、アンモニウム塩の形成に至り得る。このタイプの塩は、当業者に公知の種々の方法により、いずれも、それぞれその遊離塩基または遊離酸形態に変換され得るか、またはその後の生物学的アッセイに塩として使用され得る。さらに、本発明の化合物の単離中における乾燥工程は、微量の共溶媒、とりわけギ酸またはトリフルオロ酢酸などを完全に除去せず、溶媒和物または包接錯体をもたらすことがある。当業者は、どの溶媒和物または包接錯体が、その後の生物学的アッセイに使用されるのに許容され得るかを認識するであろう。本明細書に記載の単離された本発明の化合物の特定の形態(例えば塩、遊離塩基、溶媒和物、包接錯体)が、必ずしも、特定の生物学的活性を定量するための生物学的アッセイに該化合物を適用し得る唯一の形態ではないことが理解されるべきである。
本発明の式(I)の化合物の塩は、所望の酸もしくは塩基を含有する適切な溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトンもしくはメチルイソブチルケトンのようなケトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランもしくはジオキサンのようなエーテル、塩化メチレンもしくはクロロホルムのような塩素化炭化水素、またはメタノール、エタノールもしくはイソプロパノールのような低分子量脂肪族アルコール)に、遊離化合物を溶解するか、またはこれに所望の酸もしくは塩基を加えることにより、得ることができる。該酸もしくは塩基は、塩の製造において、一塩基もしくは多塩基酸または塩基であるかどうかにより、そして、どの塩が望ましいかにより、等モル量比もしくは異なる比で使用することができる。塩は、塩のための非溶媒で濾過、再沈殿、沈殿することにより、または溶媒を蒸発させることにより得られる。得られた塩は、遊離化合物に変換することができ、その後塩に変換可能である。こうして、例えば、工業的スケールの製造において工程の生成物として得られ得る薬学的に許容されない塩は、当業者に公知の方法により薬学的に許容され得る塩に変換され得る。
本発明の化合物および塩の純粋なジアステレオマーおよび純粋なエナンチオマーは、例えば不斉合成により、合成中にキラル出発化合物を使用して、そして、合成で得られるエナンチオマーまたはジアステレオマーの混合物を分離することにより、得ることができる。
エナンチオマー混合物およびジアステレオマー混合物は、当業者に公知の方法により純粋なジアステレオマーおよび純粋なエナンチオマーに分離することができる。好ましくは、ジアステレオマー混合物は結晶化、特に分別結晶、またはクロマトグラフィーにより分離される。エナンチオマー混合物は、例えばキラル補助剤を用いてジアステレオマーを作成し、得られたジアステレオマーを分離し、キラル補助剤を除去することにより、分離することができる。キラル補助剤として、例えばマンデル酸のようなキラル酸を使用してエナンチオマー塩基を分離でき、ジアステレオマー塩の形成を介してキラル塩基を使用してエナンチオマー酸を分離することができる。さらにジアステレオマーエステルのようなジアステレオマー誘導体を、それぞれアルコールのエナンチオマー混合物または酸のエナンチオマー混合物から、キラル補助剤としてそれぞれキラル酸またはキラルアルコールを使用して、形成することができる。さらにジアステレオマー錯体またはジアステレオマー包接化合物を、エナンチオマー混合物を分離するために使用してもよい。あるいは、エナンチオマー混合物は、キラル分離カラムを使用してクロマトグラフィーで分離することができる。エナンチオマーの単離のための別の適切な方法は、酵素的分離である。
本発明のある好ましい態様は、実施例に記載の請求項1〜5記載の化合物の製造方法である。
所望により、式(I)の化合物は、その塩に変換され得るか、または所望により式(I)の化合物の塩は、遊離化合物に変換されてもよい。対応する工程は、当業者に慣用されている。
所望により、式(I)の化合物は、そのN−オキシドに変換され得る。該N−オキシドはまた、中間体のために導入され得る。N−オキシドは、適切な前駆体を、0℃ないし40℃のような適切な温度にて(室温が一般的に好ましい)、ジクロロメタンのような適切な溶媒中、メタ−クロロ過安息香酸のような酸化剤で処理して製造され得る。さらに、N−オキシドを形成する対応する工程は、当業者に慣用されている。
商業的有用性
本発明の式(I)の化合物および式(I)の化合物の立体異性体は、以後、本発明の化合物と称する。特に、本発明の化合物は薬学的に許容される。本発明の化合物は、有用な薬理学的性質を有し、これは本発明の化合物を商業的に有用なものにしている。特に、それらはPi3K/Akt経路を阻害し、細胞活性を示す。それらは、疾患(例えば、過剰活性化Pi3K/Aktに依存する疾患)の治療に商業的に適用できることが期待される。Pi3K/Akt経路の異常な活性化は、ヒト腫瘍の発症と維持に必須の段階であり、従って例えばAKT阻害剤によるその阻害は、ヒト腫瘍の処置への手堅いアプローチであると理解される。最近の総説については、Garcia−Echeverria et al (Oncogene, 2008, 27, 551−5526)を参照されたい。
本発明において、細胞活性および同様の用語、例えば、リン酸化の阻害、細胞増殖の阻害、アポトーシスまたは化学的感作の誘導は、当業者に公知の意味で使用される。
本発明において、化学的感作および同様の用語は、当業者に公知の意味で使用される。これらの刺激としては、例えば細胞死受容体および生存経路のエフェクター、ならびに細胞障害薬/化学療法剤、標的化物質、最終的には放射線療法が挙げられる。本発明のアポトーシスの誘導および同様の用語は、その化合物と、または治療で日常的に使用される他の化合物と組み合わせて接触させた細胞においてプログラム細胞死を引き起こす化合物を同定するために用いられる。
本発明におけるアポトーシスは、当業者に知られているように用いられる。本発明の化合物と接触させた細胞におけるアポトーシスの誘導は、必ずしも細胞増殖の抑制と連動しているものではない。好ましくは、細胞増殖の抑制および/またはアポトーシスの誘導は、細胞増殖が異常である細胞に特異的である。
さらに、本発明の化合物は、細胞や組織におけるプロテインキナーゼ活性を阻害し、脱リン酸化基質タンパク質へのシフトを引き起こし、機能的結果として、例えばアポトーシスの誘導、細胞サイクル停止、および/または化学療法的および標的特異的抗癌剤への感作へのシフトを引き起こす。好ましい実施態様において、Pi3K/Akt経路の阻害は、単独で、または細胞障害薬または標的とする癌用治療剤と組み合わせて、本明細書に記載の細胞の作用を誘導する。
さらに、AKTシグナル伝達経路の阻害は、酸素誘導性の網膜症モデルにおいて血管新生を阻害することが見出され、脈絡膜血管新生についてAKT阻害の治療上の用途の可能性が示された(Wang et al., Acta Histochem. Cytochem. 44(2): 103-111, 2011; Yang et al., Investigative Ophthalmology & Visual Science (IOVS), April 2009, Vol. 50, No. 4)。これらの結果により、AKTの阻害は、眼の血管新生に関連する眼疾患、例えば、AMD、MDおよび糖尿病性網膜症などに有用な治療を提供しうるという結論が導き出される。
よって、本発明の一実施態様には、一般式(I)の化合物を投与することを特徴とする、眼の血管新生に関連する眼疾患、特に、AMD、MDおよび糖尿病性網膜症などの治療方法、ならびに前記疾患の治療のためのそれらの化合物の使用が含まれる。
本発明の化合物は、抗増殖性および/またはアポトーシス促進性および/または化学的感受性特性を示す。よって、本発明の化合物は、過剰増殖性疾患、特に癌の治療に有用である。それゆえ、本発明の化合物は、過剰増殖性疾患(例えば、癌)にかかっている哺乳類(例えば、ヒト)において、抗増殖性および/またはアポトーシス促進性および/または化学的増感効果を誘導するのに有用である。
本発明はさらに、下記の癌および腫瘍タイプを含む、良性新生物および悪性新生物、とりわけ悪性新生物を含む、(過)増殖性疾患および/またはアポトーシスの誘導に応答する障害の処置および/または予防、好ましくは処置のための、本発明の化合物またその薬学的に許容される塩に関する。
本発明の化合物は、グルコース枯渇、低酸素症または他の化学的ストレスのような好ましくない増殖条件にもかかわらず生存することができる癌細胞の代謝活性の阻害により、ヒトなどの哺乳動物における抗増殖性および/またはアポトーシス促進性を示す。
故に、本発明の化合物は、本明細書に記載の通り、良性または悪性挙動の疾患を処置、改善および予防するのに、例えば、細胞新生物を阻害するのに、有用である。
本発明において、新生物は、当業者に公知の意味で使用される。良性新生物は、侵攻性の転移性腫瘍をインビボで形成することができない、細胞の過剰増殖により説明される。これに対して、悪性新生物は、全身性疾患を形成することができる、例えば、離れた臓器における腫瘍転移を形成することができる、複数の細胞および生化学的異常を有する細胞により説明される。
本発明の化合物は、好ましくは悪性新生物の処置のために使用することができる。本発明の化合物で処置可能な悪性新生物の例には、固形腫瘍と血液腫瘍が含まれる。固形腫瘍は、乳房、膀胱、骨、脳、中枢および末梢神経系、大腸、内分泌腺(例えば、甲状腺および副腎皮質)、食道、子宮内膜、生殖細胞、頭頸部、腎臓、肝臓、肺、喉頭および下咽頭、中皮、卵巣、膵臓、前立腺、直腸、腎臓、小腸、軟部組織、精巣、胃、皮膚、尿管、膣および外陰部の腫瘍により例示することができる。悪性新生物は、網膜芽細胞腫とウィルムス腫瘍に例示される遺伝性癌を含む。さらに、悪性新生物は、該臓器の原発性腫瘍と、遠位の臓器における対応する二次腫瘍(「腫瘍転移」)を含む。血液腫瘍は、白血病およびリンパ腫の攻撃型および緩慢型、すなわち非ホジキン病、慢性および急性骨髄性白血病(CML/AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、ホジキン病、多発性骨髄腫およびT細胞リンパ腫により例示することができる。また、骨髄異形成症候群、血漿細胞新生物、新生物随伴症候群、および原発部位不明の癌、ならびにエイズ関連悪性腫瘍も含まれる。
本発明は、さらに好ましい態様として、黒色腫、NSCLC、脳の、胸のおよび前立腺の癌の治療方法、より好ましくは乳癌の治療方法が挙げられ、これは一般式(I)の化合物を投与すること、ならびに前記治療のための一般式(I)の化合物を使用することを含む。
本発明の別の態様は、黒色腫を治療するための本発明の化合物の使用ならびに黒色腫の治療方法であって、データはO'Reillyら(Clin.Cancer Research, 15, 2009, 2872の刊行物から得られる。
悪性新生物は、必ずしも遠位の臓器への転移の形成を必要としないことに留意すべきである。ある腫瘍は、それらの侵攻性の増殖特性により原発臓器自体に破壊的な作用を発揮する。これらは、組織および臓器構造の破壊を導き、最終的に本来の臓器機能の喪失および死をもたらし得る。
標準的な癌治療薬で頻発する不成功事例において、薬剤耐性は特に重要である。この薬剤耐性は、種々の細胞および分子的機序により引き起こされる。薬剤耐性の一面は、主要なシグナル伝達キナーゼとしてのPKB/Aktによる抗アポトーシス生存シグナルの構成的活性化により引き起こされる。Pi3K/Akt経路の阻害は、標準的化学療法剤または標的特異的癌治療薬に対する再感作を引き起こす。その結果、本発明の化合物の商業的利用可能性は、癌患者の治療の一次治療に限定されない。好ましい実施態様において、癌の化学療法剤または標的特異的抗癌剤に対する耐性を有する癌患者はまた、例えば2次または3次治療サイクルのためにこれらの化合物による処置を受け入れられる。特に、本発明の化合物は、これらの薬剤に対して腫瘍を再感作するために、標準的化学療法剤または標的化薬剤と組み合わせて使用され得る。
本発明の化合物は、上記したように良性および悪性挙動の疾患、例えば、良性または悪性新生物、特に癌、とりわけPi3K/Akt経路の阻害に感受性である癌の処置、予防または改善のために好適である。
本発明は、さらに、疾患を処置、予防または改善するための方法、好ましくは、上記病状、病気、障害または疾患の1つに罹っているヒトを含む哺乳動物を処置するための方法を含む。この方法は、薬理学的に活性であり、治療的に有効であり、かつ耐容される量の、1種またはそれ以上の本発明の化合物を、そのような処置を必要とする対象に投与することを特徴とする。
本発明は、ヒトを含む哺乳動物のPi3K/Akt経路の阻害に応答性の疾患を処置、予防または改善するための方法、好ましくは、ヒトを含む哺乳動物のPi3K/Akt経路の阻害に応答性の疾患を処置するための方法であって、薬理学的に活性であり、治療的に有効であり、かつ耐容される量の、1種またはそれ以上の本発明の化合物を、該哺乳動物に投与することを含む方法をさらに含む。
本発明は、薬理学的に活性であり、治療的に有効であり、かつ耐容される量の、1種またはそれ以上の本発明の化合物を、かかる処置を必要とする患者に投与することを含む、細胞においてプロテインキナーゼ活性を阻害する方法をさらに含む。
本発明は、哺乳動物の良性または悪性挙動の過増殖性疾患および/またはアポトーシスの誘導に応答性の障害、例えば癌、特に上記した任意の癌疾患を処置するための方法であって、薬理学的に活性であり、治療的に有効であり、かつ耐容される量の、1種またはそれ以上の本発明の化合物を、該哺乳動物に投与することを含む方法をさらに含む。
本発明は、哺乳動物の細胞過剰増殖性を阻害するか、または異常な細胞増殖を阻止するための方法であって、薬理学的に活性であり、治療的に有効であり、かつ耐容される量の、1種またはそれ以上の本発明の化合物を、該哺乳動物に投与することを含む方法をさらに含む。
本発明は、良性または悪性の新生物、特に癌の治療においてアポトーシスを誘導する方法であって、薬理学的に活性であり、治療的に有効であり、かつ耐容される量の、1種またはそれ以上の本発明の化合物を、かかる処置の必要な対象に投与することを含む方法をさらに含む。
本発明は、細胞においてタンパク質キナーゼ活性を阻害する方法であって、薬理学的に活性であり、治療的に有効であり、かつ耐容される量の、1種またはそれ以上の本発明の化合物を、かかる処置が必要な対象に投与することを含む方法をさらに含む。
本発明は、哺乳動物において化学療法剤または標的に特異的な抗癌剤に対して感作する方法であって、薬理学的に活性であり、治療的に有効であり、かつ耐容される量の、1種またはそれ以上の本発明の化合物を、該哺乳動物に投与することを含む方法をさらに含む。
本発明は、ヒトを含む哺乳動物の良性および/または悪性新生物、とりわけ悪性新生物、特に癌を処置する方法であって、薬理学的に活性であり、治療的に有効であり、かつ耐容される量の、1種またはそれ以上の本発明の化合物を、該哺乳動物に投与することを含む方法をさらに含む。
本発明はさらに、固形腫瘍および血液腫瘍の治療のための本発明の化合物の使用ならびに固形腫瘍および血液腫瘍を処置する方法であって、固形腫瘍が、乳房、膀胱、骨、脳、中枢および末梢神経系、大腸、内分泌腺(例えば、甲状腺および副腎皮質)、食道、子宮内膜、生殖細胞、頭頸部、腎臓、肝臓、肺、喉頭および下咽頭、中皮、卵巣、膵臓、前立腺、直腸、腎臓、小腸、軟部組織、精巣、胃、皮膚、尿管、膣および外陰部の腫瘍、好ましくは乳癌により例示され得る方法を含む。悪性新生物は、網膜芽細胞腫およびウィルムス腫瘍に例示される遺伝性の癌を含む。加えて、悪性新生物は、該臓器の原発性腫瘍と、遠位の臓器における対応する二次腫瘍(「腫瘍転移」)を含む。血液腫瘍は、白血病およびリンパ腫の攻撃型および緩慢型、すなわち非ホジキン病、慢性および急性骨髄性白血病(CML/AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、ホジキン病、多発性骨髄腫およびT細胞リンパ腫により例示され得る。また、骨髄異形成症候群、血漿細胞新生物、新生物随伴症候群、および原発部位不明の癌、ならびにエイズ関連悪性腫瘍も含まれる。
本発明はさらに、上記した1種以上の疾患の処置、予防および/または改善に、好ましくは、上記した1種以上の疾患の処置に使用される医薬組成物を製造するための本発明の化合物の使用に関する。
本発明はさらに、アポトーシスの誘導に応答性の過増殖性疾患および/または障害、例えば良性または悪性新生物、とりわけ悪性新生物、特に癌、とりわけ上記の癌疾患および腫瘍タイプ、特に乳癌の処置、予防または改善用の、好ましくは処置用の医薬組成物を製造するための本発明の化合物の使用に関する。
本発明はさらに、良性または悪性新生物、とりわけ悪性新生物、特に癌、例えば上記した任意の癌および腫瘍タイプを処置、予防または改善するための医薬組成物の製造のための、本発明の化合物の使用に関する。
本発明はさらに、癌を含む良性新生物および悪性新生物を含むアポトーシスの誘導に応答性の(過)増殖性疾患および/または障害の処置および/または予防のための、好ましくは処置のための、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
本発明はさらに、単一のプロテインキナーゼもしくは複数のプロテインキナーゼの機能調節異常に仲介される疾患、および/または、アポトーシスの誘導に応答性の障害の処置、予防または改善のための医薬組成物の製造のための、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用に関する。
本発明はさらに、癌を含む良性新生物および悪性新生物を含むアポトーシスの誘導に応答性の(過)増殖性疾患および/または障害の処置および/または予防のための、好ましくは処置のための、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物に関する。
本発明はさらに、化学療法剤および/または標的特異的抗癌剤に対して感作するために使用できる医薬組成物の製造のための、本発明の化合物および薬学的に許容される塩の使用に関する。
本発明はさらに、本明細書に記載の疾患、特に癌の放射線療法に対して感作するために使用できる医薬組成物の製造のための、本発明の化合物の使用に関する。
本発明はさらに、プロテインキナーゼ阻害剤療法に対して感受性で細胞新生物とは異なる疾患の処置に使用できる医薬組成物の製造のための、本発明の化合物の使用に関する。これらの非悪性疾患としては、良性前立腺肥大、神経繊維腫症、皮膚病および骨髄異形成症候群が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明はさらに、1種またはそれ以上の本発明の化合物および薬学的に許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物に関する。
本発明はさらに、1種またはそれ以上の本発明の化合物および薬学的に許容される助剤および/または添加剤を含んでなる医薬組成物に関する。
本発明の医薬組成物は、それ自体公知で当業者が熟知している方法により製造される。医薬組成物として、本発明の化合物(=活性化合物)はそのまま使用されるか、または好ましくは好適な医薬用助剤および/または添加剤と組み合わせて、例えば錠剤、被覆錠剤、糖衣錠、丸剤、カシェ剤、顆粒剤、カプセル剤、カプレット、坐薬、パッチ剤(例えばTTSとして)、エマルジョン(例えば、マイクロエマルジョンまたは脂質エマルジョン)、懸濁剤(例えばナノ懸濁剤)、ゲル剤、可溶化剤もしくは液剤(例えば無菌液剤)の形態で使用されるか、またはリポソームもしくはベータシクロデキストリンもしくはベータシクロデキストリン誘導体包接複合体などに封入され、活性化合物の含有量は有利には0.1ないし95%であり、助剤および/または添加剤の適切な選択により、活性化合物および/または所望の作用開始に正確に適した薬剤投与型(例えば、遅延放出形態または腸溶性形態)を達成することができる。
当業者は、その専門的知識により、所望の医薬製剤、調製物または組成物に適した助剤、ビヒクル、添加剤、希釈剤、担体またはアジュバントについて熟知している。溶媒、ゲル形成剤、軟膏基剤および他の活性化合物添加物に加えて、例えば抗酸化剤、分散剤、乳化剤、保存剤、可溶化剤(例えば、ポリエチレングリセロールトリリシノレート35、PEG400、トゥイーン80、カプチゾル、ソルトールHS15など)、着色剤、錯化剤、浸透促進剤、安定化剤、充填剤、結合剤、増粘剤、崩壊剤、緩衝剤、pH調節剤(例えば、中性、アルカリ性または酸性製剤を得るための)、ポリマー、滑沢剤、コーティング剤、噴射剤、張性調整剤、界面活性剤、香味剤、甘味剤または色素を使用することができる。
特に、所望の製剤および所望の投与形式に好適な種類の助剤および/または添加剤が使用される。
本発明の化合物、医薬組成物または組み合わせの投与は、当該分野で利用できる一般に認められた任意の投与形式で行われ得る。適切な投与形式の例としては、静脈内投与、経口投与、鼻内投与、非経腸投与、局所投与、経皮投与および直腸投与が挙げられる。経口投与および静脈内投与が好適である。
一般に、本発明の医薬組成物は、活性化合物の用量が、Pi3K/Akt経路阻害剤について一般的な範囲であるように投与することができる。特に、体重70kgの平均的成人患者では、1日当たり0.01ないし4000mgの範囲の活性化合物の用量が好適である。この点で、投与量は、例えば使用される具体的な化合物、処置される種、処置される対象の年齢、体重、全身的健康状態、性別および食事、投与形式および投与時間、排出速度、処置されるべき疾患の重症度、ならびに薬剤の組み合わせによって変化することが特記される。
医薬組成物は1日当たり単回用量または多数回用量、例えば1日2ないし4回投与されてもよい。医薬組成物の単回用量単位は、例えば0.01mgないし4000mg、好ましくは0.1mgないし2000mg、さらに好ましくは0.5ないし1500mg、最も好ましくは1ないし500mgの活性化合物を含むことができる。さらに、医薬組成物は、インプラント、例えば皮下もしくは筋肉内インプラントを使用して、わずかに可溶性の塩形態の活性化合物を使用して、または、ポリマーに結合した活性化合物を使用して、毎週、毎月またはさらに低頻度の投与に適合させることができる。
本発明は、さらに、例えばPi3K/Akt経路の阻害に応答性もしくは感受性の疾患、例えば良性または悪性挙動の過増殖性疾患、および/または、アポトーシスの誘導に応答性の障害、特に癌、例えば上記の任意の癌疾患を処置、予防または改善するための、本発明の化合物から選択される1種またはそれ以上の第一活性成分と、化学療法抗癌剤と標的特異的抗癌剤から選択される1種またはそれ以上の第二活性成分とを含む組み合わせ剤に関する。
本発明は、さらに、上記の疾患の処置および/または予防のための医薬生成物の製造における、唯一の活性成分としての1種またはそれ以上の本発明の化合物と、薬学的に許容される担体または希釈剤とを含んでなる医薬組成物の使用に関する。
処置または予防されるべき特定の疾患に依存して、その疾患を処置または予防するために通常投与されるさらなる治療的活性物質を、所望により本発明の化合物と共投与してもよい。本明細書において、特定の疾患を処置または予防するために通常投与されるさらなる治療剤は、治療される疾患に好適であることが知られている。
本発明の化合物の組み合わせパートナーとしての上記の抗癌剤は、その薬学的に許容される誘導体、例えば薬学的に許容される塩を含むことを意味する。
当業者は、共投与されるさらなる治療剤の1日の総投与量および投与形態を熟知している。該総1日投与量は、併用される薬剤によって広範囲に変動し得る。
本発明を実施するとき、本発明の化合物は、1種またはそれ以上の標準的治療剤(化学療法剤および/または標的特異的抗癌剤)、特に当該分野で公知の抗癌剤、例えば上記の任意のものと、併用療法において、別個に、連続して、一斉に、同時に、または時間をずらして(例えば、組み合わせ単位投与量形態として、別個の単位投与量形態として、近接する分離した単位投与量形態として、固定されたか、または固定されていない組み合わせ剤として、複数部分のキットとして、または混合物として)投与されてもよい。
この点で、本発明はさらに、治療、例えば上記の任意の疾患の治療において、別個に、連続して、一斉に、同時に、または時間をずらして使用するための、少なくとも1種の本発明の化合物である第一活性成分と、少なくとも1種の当該分野で公知の抗癌剤である第二活性成分、例えば上記の抗癌剤の1種またはそれ以上とを含んでなる組み合わせ剤に関する。
本発明はさらに、治療において、別個に、連続して、一斉に、同時に、または時間をずらして使用するための、少なくとも1種の本発明の化合物である第一活性成分と、少なくとも1種の当該分野で公知の抗癌剤である第二活性成分、例えば上記の抗癌剤の1種またはそれ以上、および、所望により薬学的に許容される担体または希釈剤とを含んでなる医薬組成物に関する。
本発明は、さらに、
a)薬学的に許容される担体または希釈剤と共に製剤化された少なくとも1種の本発明の化合物、および
b)薬学的に許容される担体または希釈剤と共に製剤化された少なくとも1種の当分野で公知の抗癌剤、例えば上記の抗癌剤の1種またはそれ以上、
を含んでなる組み合わせ製品に関する。
本発明はさらに、治療において一斉に、同時に、連続して、別個に、または時間的にずらして使用するための、本発明の化合物である第一活性成分と薬学的に許容される担体または希釈剤との調製物と、当該分野で公知の抗癌剤である第二活性成分、例えば上記の抗癌剤の1種と、薬学的に許容される担体または希釈剤との調製物とを、含んでなる複数部分のキットに関する。所望により、該キットは、例えば過増殖性疾患およびPi3K/Akt経路の阻害に応答性または感受性の疾患、例えば良性または悪性新生物、特に癌、より正確には、上記の任意の癌疾患を処置するために、治療で使用するための説明書を含む。
本発明はさらに、同時、併用、連続または別個の投与のための、少なくとも1種の本発明の化合物と少なくとも1種の当該分野で公知の抗癌剤とを含む組み合わせ製品に関する。
本発明はさらに、Pi3K/Akt経路阻害活性を有する本発明の、組み合わせ剤、組成物、製剤、調製物またはキットに関する。
さらに、本発明は、患者の過増殖性疾患および/またはアポトーシスの誘導に応答性の障害、例えば癌を、併用療法で処置するための方法であって、治療の必要な患者に本明細書に記載の組み合わせ剤、組成物、製剤、調製物またはキットを投与することを含んでなる方法に関する。
さらに、本発明は、患者の良性または悪性挙動の過増殖性疾患および/またはアポトーシスの誘導に応答性の障害、例えば癌を処置するための方法であって、本発明の化合物および薬学的に許容される担体または希釈剤と、薬理学的に活性であり、治療的に有効であり、かつ耐容される量の1種またはそれ以上の当該分野で公知の抗癌剤、例えば1種またはそれ以上の本明細書に記載の抗癌剤とを含んでなる、薬理学的に活性であり、治療的に有効であり、かつ耐容される量の医薬組成物を、別個に、一斉に、同時に、連続的に、または時間的にずらして、該処置の必要な患者に投与することを含んでなる方法に関する。
さらに、本発明は、患者の過増殖性疾患および/またはアポトーシスの誘導に応答性の障害、例えば良性または悪性新生物、例えば癌、特に上記の任意の癌疾患を、処置、予防または改善するための方法であって、本発明の化合物である第一活性化合物の一定量と、少なくとも1種の第二活性化合物の一定量(該少なくとも1種の第二活性化合物は、標準的治療薬、特に少なくとも1種の当該分野で公知の抗癌剤、例えば本明細書に記載の1種またはそれ以上の化学療法剤および標的特異的抗癌剤である)を、別個に、一斉に、同時に、連続的に、または時間的にずらして、処置の必要な患者に投与することを含んでなり、第一活性化合物と第二活性化合物の量が治療効果を与えることを特徴とする方法に関する。
さらに、本発明は、本発明の組み合わせ剤を投与することを含んでなる、患者の過増殖性疾患および/またはアポトーシスの誘導に応答性の障害、例えば良性または悪性新生物、とりわけ悪性新生物、例えば癌、特に上記の任意の癌疾患および腫瘍タイプを、処置、予防または改善するための方法に関する。
さらに、本発明は、過増殖性疾患および/またはアポトーシスの誘導に応答性の障害、例えば悪性または良性新生物、とりわけ悪性新生物、例えば癌、特に上記の疾患および腫瘍タイプを、処置、予防または改善するための、とりわけ処置するための、医薬生成物、例えば市販のパッケージまたは医薬品の製造における、本発明の組成物、組み合わせ剤、製剤、調製物またはキットの使用にさらに関する。
本発明はさらに、1種またはそれ以上の化学療法剤および/または標的特異的抗癌剤、例えば上記の任意の抗癌剤と、一斉に、同時に、連続的に、または別個に使用するための説明書とともに、1種またはそれ以上の本発明の化合物を含んでなる市販のパッケージに関する。
本発明はさらに、1種またはそれ以上の化学療法剤および/または標的特異的抗癌剤、例えば上記の任意の抗癌剤と、一斉に、同時に、連続的に、または別個に使用するための説明書とともに、基本的に唯一の活性成分として1種またはそれ以上の本発明の化合物からなる市販のパッケージに関する。
本発明はさらに、1種またはそれ以上の本発明の化合物と一斉に、同時に、連続的に、または別個に使用するための説明書とともに、1種またはそれ以上の化学療法剤および/または標的特異的抗癌剤、例えば上記の任意の抗癌剤を含んでなる市販のパッケージに関する。
本発明の併用療法に関連して記載される組成物、組み合わせ剤、調製物、製剤、キットまたはパッケージはまた、2種以上の本発明の化合物および/または2種以上の記載の当分野で公知の抗癌剤も含んでよい。
本発明の組み合わせ剤または複数部分のキットの第一および第二活性成分は、別個の製剤として(すなわち、互いに独立に)提供され、次いで、併用療法で一斉に、同時に、連続的に、別個に、または時間的にずらして使用するために一緒にされても、併用療法で一斉に、同時に、連続的に、別個に、または時間的にずらして使用するための組み合わせパックの別個の成分として一緒に包装され提供されてもよい。
本発明の組み合わせ剤または複数部分のキットの第一および第二活性成分の医薬製剤の種類は、一致しても(即ち、両方の成分が別個の錠剤もしくはカプセル剤に製剤化される)、異なってもよい(即ち、異なる投与形に適合させる、例えば一方の活性成分が錠剤もしくはカプセル剤として製剤化され、他方が例えば静脈内投与用に製剤化される)。
本発明の組み合わせ剤、組成物またはキットの第一および第二活性成分の量は共に、過剰増殖性疾患および/またはアポトーシスの誘導に応答性の障害、特に上記の疾患の1つ、例えば悪性または良性新生物、とりわけ悪性新生物、例えば本明細書に記載した癌疾患および腫瘍タイプのような癌の、処置、予防または改善のための治療的有効量を含み得る。
さらに、本発明の化合物は、癌の外科的処置の術前または術後処置で使用することができる。
さらに、本発明の化合物は、放射線療法と併用して使用することができる。
当業者には理解されるように、本発明は本明細書に記載の特定の実施態様に限定されず、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の精神および範囲内にある、該実施態様の全ての改変態様を包含する。
以下の実施例化合物は、本発明を限定することなく、本発明を詳細に例示する。その製造法が明確に記載されていない本発明の化合物は、同様の方法で製造できる。
実施例で言及される化合物およびその塩は、本発明の好適な実施態様を表し、請求項は、特定の実施例で開示されるように式(I)の化合物の残基の全ての下位組み合わせを包含する。
実験部分での用語「に従う」は、記載の方法が「同様に」使用されるという意味で使用される。
実験部分
以下の表は、それらが本文中で説明されていない限り、本段落と中間体実施例および実施例で使用される略語を列記する。当業者である有機化学者により用いられる略語の総括は、"the Journal of Organic Chemistry"(初版)に示されている;略語リストは通常、"Standard List of Abbreviations"なる表題の表に示される。ここに含まれる略語および当業者である有機化学者により用いられる全ての略語は、参照により本明細書に組み込まれる。NMRピークはスペクトルに現れるままに記載され、可能性のある高次作用は考慮されていない。
Figure 0006088542

他の略語は、当業者にはそれ自体既知の一般的な意味を有する。
本明細書に記載される本発明の種々の態様は、いかなる場合にも本発明を限定することを意味しない以下の実施例により例示される。
実施例
UPLC−MSの標準的な方法
分析UPLC−MSは、断りのない限り、UPLC−MS方法1を使用して実施した。質量(m/z)は、ネガティブモード(ES−)を記載していない場合は、ポジティブモード・エレクトロスプレー・イオン化法から報告される。
UPLC−MS方法1:
装置:Waters Acquity UPLC-MS SQD 3001;カラム:Acquity UPLC BEH C18 1.7 50x2.1mm;溶離剤A:水+0.1%ギ酸、溶離剤B:アセトニトリル;勾配:0−1.6分 1−99%B、1.6−2.0分 99%B;流速0.8ml/分;温度:60℃;注入量:2μl;DADスキャン:210−400nm;ELSD
UPLC−MS方法2:
装置:Waters Acquity UPLC-MS SQD 3001;カラム:Acquity UPLC BEH C18 1.7 50x2.1mm;溶離剤A:水+0.2%アンモニア、溶離剤B:アセトニトリル;勾配:0−1.6分1−99%B, 1.6−2.0分99%B;流速0.8ml/分;温度:60℃;注入量:2μl;DADスキャン:210−400nm;ELSD
UPLC−MS方法3:
装置:Waters Acquity UPLC-MS SQD 3001;カラム:Acquity UPLC BEH C18 1.7 50x2.1mm;溶離剤A:水+0.1%アンモニア、溶離剤b:アセトニトリル;勾配:0−1.6分1−99%B,1.6−2.0分99%B;流速0.8ml/分;温度:60℃;注入量:2μl;DADスキャン:210−400nm;ELSD
UPLC−MS方法4:
装置:Waters Acquity UPLC-MS SQD 3001;カラム:Acquity UPLC BEH C18 1.7 50x2.1mm;溶離剤A:水+0.2%アンモニア、溶離剤B:アセトニトリル;勾配:0−1.6分1−99%B,1.6−2.0分99%B;流速0.8ml/分;温度:60℃;注入量:2μl;DADスキャン:210−400nm;ELSD
UPLC−MS方法5:
装置:Waters Acquity UPLC-MS SQD;カラム:Acquity UPLC BEH C18 1.7 50x2.1mm;溶離剤A:水+0.2%アンモニア(32%)、溶離剤B:アセトニトリル;勾配:0−1.6分 1−99%B,1.6−2.0分99%B;流速0.8ml/分;温度:60℃;注入量:2μl;DADスキャン:210−400nm;ELSD
中間体実施例
中間体実施例Int−1:
tert−ブチル{1−[4−(8−メトキシ−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)フェニル]−シクロブチル}カルバメート
Figure 0006088542

工程1:tert−ブチル[1−(4−ブロモフェニル)シクロブチル]カルバメート
1−(4−ブロモフェニル)シクロブタンアミン塩酸塩[CAS1193389−40−0](8.99g、34.24mmol、1,0当量)を、DCMに溶解し、重炭酸ナトリウム水溶液および水で連続洗浄し、有機部分を乾燥して、濃縮した。
得られる物質を、窒素雰囲気下に乾燥THF(120mL)およびジイソプロピルエチルアミン(17.62mL、102.7mmol、3.0当量)に溶解して、THF(20mL)中のジ−tert−ブチルジカーボネート(8.22g、37.6mmol、1.1当量)溶液を添加した。その反応液を室温で終夜攪拌した。該混合液を、EtOAcおよび水に分割して、抽出した有機相を、塩水で洗浄し、真空で濃縮して、表題化合物を得た。
あるいは、表題化合物を、既知の方法(例えば、WO2008/70041)により製造してもよい。
工程2:tert−ブチル[1−(4−シアノフェニル)シクロブチル]カルバメート
表題化合物を、既知の方法(WO2008/70041に示される方法)により、特にtert−ブチル[1−(4−ブロモフェニル)−シクロブチル]カルバメートから製造できる。
あるいは、tert−ブチル[1−(4−シアノフェニル)シクロブチル]カルバメート(CAS1032349−97−5)は購入により入手できる。
工程3:tert−ブチル{1−[4−(フェニルアセチル)フェニル]シクロブチル}カルバメート
表題化合物を、既知の方法(WO2008/70041に示される方法)により、特にtert−ブチル[1−(4−シアノフェニル)シクロブチル]−カルバメートから製造できる。
工程4:tert−ブチル(1−{4−[ブロモ(フェニル)アセチル]フェニル}シクロブチル)カルバメート[Int−1A]
Figure 0006088542

THF(78mL)中のtert−ブチル{1−[4−(フェニルアセチル)フェニル]シクロブチル}カルバメート(5.0g、13.68mmol、1.0当量)および臭化水素酸ピリジニウム(4.38g、13.68mmol、1.0当量)の混合物を、30分0℃で撹拌した。該混合物を、EtOAcと水に分割し、該有機相を、チオ硫酸ナトリウム水溶液および塩水で洗浄して、乾燥させて、シリコン被覆濾紙をとおして濾過して、真空濃縮して、粗製表題化合物(5.44g、UPLC−MSによる93%純度)を得て、これをさらなる精製をせずに使用した。
UPLC−MS(方法4):RT=1.49分;m/z=442(ES−、M−H、M=C2326 79BrNO
工程5:tert−ブチル{1−[4−(8−メトキシ−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)フェニル]シクロブチル}カルバメート[Int−1]
Figure 0006088542
粗tert−ブチル(1−{4−[ブロモ(フェニル)アセチル]フェニル}シクロブチル)カルバメート[Int−1−A](740mg、1.67mmol、1.0当量)、3−メトキシピラジン−2−アミン(CAS−Nr.4774−10−1、417mg、3.33mmol、2当量)、トリエチルアミン(0.35mL、2.50mmol、1.5当量)の混合物を、DMF(24mL)に溶解して、3時間100℃で加熱した。冷却時に、該混合物を、酢酸エチルと水に分割して、激しく攪拌して、その後有機相を、シリコン被覆濾紙を通して濾過した。該濾液を真空濃縮した。粗製混合物から、37%の純度(UPLC、エリア%)で表題化合物[1.10g(56%の収率)]を含有する粗製生成物を得た。該生成物をさらなる精製をせずに次工程に供した。
UPLC−MS(方法1):RT=1.47分;m/z=471(M+H)
中間体例Int−2:
tert−ブチル{1−[4−(6,8−ジメチル−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)フェニル]−シクロブチル}カルバメート
Figure 0006088542

イソプロパノール(10mL)中の粗tert−ブチル(1−{4−[ブロモ(フェニル)アセチル]フェニル}シクロブチル)−カルバメート[Int−1−A](770mg、1.61mmol、1.0当量)、3,5−ジメチルピラジン−2−アミン(CAS−Nr.91678−81−8、218mg、1.77mmol、1.1当量)およびジイソプロピルエチルアミン(0.28mL、1.61mmol、1.0当量)の混合物に、3Åモレキュラーシーブを添加した。該反応混合物を、2時間、還流温度まで加熱した。これらの条件下(UPLC−MS)での転換は観察されなかった。従って、該反応液を、マイクロ波条件(単一モードの電子レンジ)下で、1時間130℃に加熱した。該反応混合物を濾過して、モレキュラーシーブを除去し、濾液を真空濃縮した。粗製混合物を、MPLC(Biotage Isolera、25gのSnap-cartridge、DCM−>DCM/エタノール95/5)により精製して、表題化合物(249mg、31%)を得た。
UPLC−MS(方法1):RT=1.40分;m/z=469(M+H)
中間体例Int−3:
tert−ブチル{1−[4−(6−ブロモ−8−メトキシ−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)フェニル]−シクロブチル}カルバメート
Figure 0006088542

ブチロニトリル(2.3mL)中の粗tert−ブチル(1−{4−[ブロモ(フェニル)アセチル]フェニル}シクロブチル)−カルバメート[Int−1−A](203mg、0.38mmol、1.0当量)、5−ブロモ−3−メトキシピラジン−2−アミン(74.6mg、0.38mmol、1等量;Jiang, B. et al. Bioorg.Med. Chem(2001), 9, 1149-1154)およびジイソプロピルエチルアミン(0.064mL、0.38mmol、1.0当量)の混合物を、17時間120℃に加熱して、6時間125℃に加熱した。該反応混合液を真空濃縮した。粗製混合物を、基本条件(カラム:Waters X-Bridge、溶離剤:ACN/水(15/85)−>ACN/水55/45)下で分取HPLCにより精製して、表題化合物(9mg、4%)を得た。
UPLC−MS(方法2):RT=1.62分;m/z=549(M)
中間体例Int−4:
tert−ブチル{1−[4−(6−エチル−8−メトキシ−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)フェニル]−シクロブチル}カルバメート
Figure 0006088542

工程1:3−メトキシ−5−ビニルピラジン−2−アミン
Figure 0006088542

ジメトキシエタン/水(3/1)(40mL)中の5−ブロモ−3−メトキシピラジン−2−アミン(800mg、3.92mmol、1等量;Jiang, B. et al. Bioorg.Med. Chem(2001), 9, 1149-1154)、トリビニルボロキシンピリジン複合体(944mg、3.92mmol、1.0当量)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)(45mg、0.04mmol、0.01当量)および炭酸カリウム(542mg、3.92mmol、1.0当量)の混合物を、室温で10分攪拌して、次いで3時間還流温度まで加熱した。該反応混合物を、水(100mL)と共に加水分解して、酢酸エチルで抽出した。得られる有機相を、塩水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空濃縮した。粗製混合物を、MPLC(カラム:Snap cartridge、溶離液:ヘキサン−>ヘキサン/酢酸エチル1/1)により精製して、表題化合物(495mg、78%)を得た。
UPLC−MS(方法2):RT=0.87分;m/z=152(M+H)
工程2:5−エチル−3−メトキシピラジン−2−アミン
Figure 0006088542

エタノール(50mL)中の3−メトキシ−5−ビニルピラジン−2−アミン(490mg、3.08mmol;工程1を参照)の溶液を、Pd/C−カートリッジを有するH−cubeを使用して、大気水素圧下で水素化した。完全な変換を観察して、回転エバポレーターを使用して揮発成分を除去して、表題化合物(500mg、95%)を得た。
HNMR(400MHz、DMSO−d6):δ[ppm]=1.18(t,3H)、2.44(q、2H、溶媒シグナルによって部分的に重複)、3.83(s,3H)、5.92(br s、2H)、7.28(s,1H)。
工程3:tert−ブチル{1−[4−(6−エチル−8−メトキシ−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)フェニル]シクロブチル}カルバメート[Int−4]
Figure 0006088542

ブチロニトリル(3.9mL)中の粗tert−ブチル(1−{4−[ブロモ(フェニル)アセチル]フェニル}シクロブチル)カルバメート[Int−1−A](288mg、0.55mmol、1.0当量)、5−エチル−3−メトキシピラジン−2−アミン(84.4mg、0.55mmol、1eq;工程2を参照)およびジイソプロピルエチルアミン(0.110mL、0.61mmol、1.1当量)の混合物を、20時間120℃で加熱した。該反応混合物を、真空濃縮した。粗製混合物を、MPLC(Isolera、50gのSnap-cartridge、溶離剤:ヘキサン−>ヘキサン/酢酸エチル1/1)により精製して、およそ50〜60の純度(UPLC)にて表題化合物(128mg、25%)を得た。このようにして得た表題化合物を、さらなる精製をせずに次工程に進めた。
UPLC−MS(方法2):RT=1.64分;m/z=499(M+H)
中間体例Int−5:
エチル2−(4−{1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロブチル}フェニル)−3−フェニル−イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボキシレート)
Figure 0006088542

ブチロニトリル(2.3mL)中の粗tert−ブチル(1−{4−[ブロモ(フェニル)アセチル]フェニル}シクロブチル)−カルバメート[Int−1−A](213mg、0.38mmol、1.0当量)、エチル5−アミノピラジン−2−カルボキシレート(CAS−Nr.54013−06−8、70.5mg、0.42mmol、1.1等量)およびジイソプロピルエチルアミン(0.055mL、0.42mmol、1.1当量)の混合物に、予め乾燥させた3Åのモレキュラーシーブ)を添加した。該混合物を、一晩120℃で加熱した。該反応混合液を、DCM/水の間を分割して、相分離器により濾過した。残留する揮発性有機成分を、回転エバポレーターの使用により除去した。並行して、同一プロトコールに従い、同じ実験をジイソプロピルエチルアミン非存在下で行なった。両実験の粗生成物を合わせて、MPLC(Biotage Isolera、25gのSnap-cartridge;溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(1/1)−>酢酸エチル)により精製して、表題化合物(69mg、14%、tert−ブチル(1−{4−[ブロモ(フェニル)アセチル]−フェニル}シクロブチル)カルバメートの合計に基づいた収量)を得た。
UPLC−MS(方法1):RT=1.43分;m/z=513(M+H)
中間体例Int−6:
メチル2−(4−{1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロブチル}フェニル)−8−メトキシ−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボキシレート)
Figure 0006088542

工程1:メチル5−アミノ−6−メトキシピラジン−2−カルボキシレート
Figure 0006088542

5−ブロモ−3−メトキシピラジン−2−アミン(2.80g、13.7mmol、1等量;Jiang, B. et al. Bioorg.Med. Chem(2001), 9, 1149-1154)、[1,1,−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]パラジウム(II)−ジクロリド(2.24g、2.75mmol、0.2当量)およびトリエチルアミン(2.10mL、15.1mmol、1.1当量)の混合物を、オートクレーブ(600mL)に置き、メタノール/THF(10/1)(135mL)に溶解した。オートクレーブに一酸化炭素(3x)を流して、その後9バールまで一酸化炭素を用いて加圧した。室温で30分後に、転換物は得られなかった。オートクレーブを、再度9バールに一酸化炭素を用いて再度加圧して、その後100℃に加熱した。反応中に、一酸化炭素の消費が見られた(CO圧の減少)。オートクレーブを、室温に冷却して、不活性ガスを流し、反応混合液をセライトの小パッドを通して濾過した。LC−MS分析により完全な転換が示された。揮発成分を、真空で除去し、このようにして得られた生成物(1.8g、62%)は、92%純度[UPLC−MS(面積-%)]にて表題化合物を含んでおり、さらなる精製をせずに次工程に使用した。
UPLC−MS(方法2):RT=0.62分;m/z=184(M+H)
工程2:メチル2−(4−{1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロブチル}フェニル)−8−メトキシ−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボキシレート)
Figure 0006088542

粗tert−ブチル(1−{4−[ブロモ(フェニル)アセチル]フェニル}シクロブチル)カルバメート[Int−1−A](715mg、1.45mmol、1.0当量)、メチル5−アミノ−6−メトキシ−ピラジン−2−カルボキシレート(265mg、1.45mmol、1等量;工程1を参照)の混合物を、エタノールに溶解した。反応容器に、4Åモレキュラーシーブを含むDean-Srtarkを取り付けて、次いで該反応混合物を、17時間還流した。反応混合液を、ジクロロメタン(20mL)で希釈して、水で処理した。有機相を、1Nの塩酸および塩水で洗浄して、ワットマン・フィルターを通して濾過し、該溶媒を、回転エバポレーターを使用して除去した。最終的に、精製をMPLC(Isolera、50g Snap-cartridge、溶離剤:ヘキサン−>ヘキサン/酢酸エチル9/1)によって行い、97mg(12%)を得た。
UPLC−MS(方法2):RT=1.46分;m/z=529(M+H)
実施例1:2−[4−(1−アミノシクロブチル)フェニル]−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−8−オール
Figure 0006088542

DCM(2.5mL)およびメタノール(1.5mL)中のカルバメートInt−1(1.10g、0.940mmol、純度〜37%、1.0当量)の混合物に、ジオキサン(4.7mL、18.7mmol、20.0当量)中の4Mの塩化水素溶液を添加して、該混合物を室温で終夜撹拌した。該混合物を氷上に注ぎ、水酸化ナトリウム水溶液(2N)を用いてアルカリ性とし、酢酸エチルで抽出した。溶媒を留去して、0℃で酢酸エチルからの結晶化により精製を達成した。得られる固体を回収して、終夜高真空下で乾燥させて、表題化合物(20mg、6%の収率)を得た。
UPLC−MS(方法1):RT=0.76分;m/z=355(ES:M−NH2)
HNMR(400MHz、MeOD):δ[ppm]=1.67(m,1H)、2.01(m,1H)、2.21(m,2H)、2.41(m,2H)、6.82(d,1H)、6.84(d,1H)および7.35−7.42(m,2H)、7.45−7.54(m,4H)、7.55−7.61(m,3H).
実施例2:1−[4−(6,8−ジメチル−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)フェニル]−シクロブタンアミン
Figure 0006088542

DCM(2.0mL)およびメタノール(1.3mL)中のカルバメートInt−2(249mg、0.53mmol、1.0当量)の混合物に、ジオキサン(2.7mL、10.6mmol、20.0当量)中の4M 塩化水素溶液を添加して、該混合物を室温で終夜撹拌した。該混合物を氷上に注ぎ、水酸化ナトリウム水溶液(2N)を用いてアルカリ性とし、DCMで抽出した。該溶媒を留去した。粗製混合物を、MPLC(Biotage Isolera、25gのSnap-cartridge、ヘキサン/酢酸エチル(1/1)−>酢酸エチル)により精製して、表題化合物(94mg、48%)を得た。
UPLC−MS(方法4):RT=1.23分;m/z=369(M+H)
HNMR(400MHz、DMSO−d6):δ[ppm]=1.58(m,1H)、1.85−2.12(m,5H)、2.23−2.29(m,5H)、2.75(s,3H)、7.34(d,2H)、7.42−7.62(m,7H)、7.69(s,1H).
実施例3:1−[4−(6−ブロモ−8−メトキシ−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)フェニル]シクロブタンアミン
Figure 0006088542

DCM(110μL)およびメタノール(70μL)中のカルバメートInt−3(〜10mg、0.02mmol、1.0当量)の混合物に、ジオキサン(80μL、0.33mmol、20.0当量)中の4Mの塩化水素の溶液を添加して、該混合物を室温で終夜撹拌した。その混合物を氷上に注ぎ、水酸化ナトリウム水溶液(2N)を用いてアルカリ性とし、DCMで抽出した。水性成分を、相分離器による濾過により取り出した。残留する揮発有機成分を、回転エバポレーターを使用して除去し、90%の純度にて表題化合物(7.8mg、95%)を得た。
UPLC−MS(方法2):RT=1.41分;m/z=449(M)
HNMR(400MHz、DMSO−d6):δ[ppm]=1.77(m,1H)、4.09(s,3H)、7.44(d,2H)、7.49(m,2H)、7.56−7.65(s,5H)および7.71(s,1H)(幾つかのプロトンが溶媒シグナルによりカバー)。
実施例4:1−[4−(6−エチル−8−メトキシ−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)フェニル]−シクロブタンアミン
Figure 0006088542

DCM(0.7mL)およびメタノール(0.44mL)中のカルバメートInt−4(60mg、0.11mmol、1.0当量)の混合物に、ジオキサン(0.54mL、2.17mmol、20.0当量)中の4M 塩化水素溶液を添加して、該混合物を室温で終夜撹拌した。該混合物を、氷上に注ぎ、水酸化ナトリウム水溶液(2N)を用いてアルカリ性とし、DCMで抽出した。水性成分を相分離器による濾過により取り出した。残留する揮発有機成分を、回転エバポレーターを使用して除去した。残留粗生成物を、MPLC(Biotage Isolera、10gのSnap-cartridge;溶離剤:DCM−>DCM/エタノール9:1)により精製して、表題化合物(30mg、70%)を得た。
UPLC−MS(方法2):RT=1.44分;m/z=399(M+1)
HNMR(400MHz、DMSO−d6):δ[ppm]=1.15(t,3H)、1.60(m,1H)、1.85−2.13(m,3H)、2.26−2.40(m,2H)、2.54(q, 2H、溶媒シグナルによって部分的にカバー)、4.06(s,3H)、7.33(d,2H)、7.39(s,1H)、7.44−7.52(m,4H)および7.53−7.63(m,3H)(N は割り当てられない)。
実施例5:エチル2−[4−(1−アミノシクロブチル)フェニル]−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボキシレート
Figure 0006088542

ブチロニトリル(2.7mL)中の粗tert−ブチル(1−{4−[ブロモ(フェニル)アセチル]フェニル}シクロブチル)−カルバメート[Int−1−A](245mg、0.44mmol、1.0当量)およびエチル5−アミノピラジン−2−カルボキシレート(CAS−Nr.54013−06−8、81.1mg、0.49mmol、1.1等量)を、120℃で1.5時間加熱した。脱保護した遊離アミンの実質量をUPLC分析により検知した。単離のために、揮発成分を、回転エバポレーターを使用して除去し、得られる粗生成物を、MPLCにより精製して[Biotage Isolera、25gのSnap-cartridge;溶離剤:DCM−>DCM/エタノール(95/5)]、表題化合物(38mg、21%)を得た。
UPLC−MS(方法1):RT=0.90分;m/z=414(M+H)
HNMR(400MHz、DMSO−d6):δ[ppm]=1.26(t,3H)、1.60(m,1H)、1.88−2.07(m,3H)、2.12(s br、2H)、2.26−2.37(m,2H)、4.30(q,2H)、7.39(d,2H)、7.57(d,4H)および7.60−7.68(m,3H).
実施例6:2−[4−(1−アミノシクロブチル)フェニル]−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボキサミド
Figure 0006088542

アンモニア(2.0mL)(メタノール中の7M溶液、〜100当量)中のエチル2−(4−{1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロブチル}フェニル)−3−フェニル−イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボキシレート[Int−5](70mg、0.14mmol、1.0当量)の溶液を、単一モードの電子レンジ中で130℃に5時間加熱した。揮発成分を、回転エバポレーターを使用して除去した。UPLCによって検出された粗アミドを、脱保護工程に直接供した。従って、原材料を、DCM/メタノール(5/3)(1.3mL)に溶解して、ジオキサン中の4Mの塩化水素(0.61mL)を添加した。その溶液を室温で終夜撹拌した。該混合物を、氷上に注ぎ、水酸化ナトリウム水溶液(2N)を用いてアルカリ性とし、DCMで抽出した。合わせた有機相を、食塩水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。該溶媒を、回転エバポレーターを使用して除去し、粗生成物を、MPLC(Biotage Isolera、25gのSnap-cartridge;溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(1/1)−>酢酸エチル)により精製して、表題化合物(20mg、40%)を得た。
UPLC−MS(方法2):RT=1.01分;m/z=384(M+H)
HNMR(400MHz、DMSO−d6):δ[ppm]=1.59(m,1H)、1.85−2.08(m,5H)、2.26−2.38(m,2H)、7.39(d,2H)、7.52−7.68(m,7H)、7.75(s br,1H)、8.09(s br,1H)、8.39(d,1H)および9.13(d,1H)。
実施例7:メチル2−[4−(1−アミノシクロブチル)フェニル]−8−メトキシ−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボキシレート
Figure 0006088542

DCM(1.59mL)およびメタノール(1.00mL)中のカルバメートInt−6(97mg、0.18mmol、1.0当量)の混合物に、ジオキサン(0.80mL、3.20mmol、17.7当量)中の4Mの塩化水素溶液を添加して、該混合物を室温で終夜撹拌した。該混合物を、氷上に注ぎ、水酸化ナトリウム水溶液(2N)を用いてアルカリ性とし、DCMで抽出した。水性成分を、相分離器による濾過により除去した。揮発成分を真空で除去して、97%の純度にて(UPLC−MS(面積-%))表題化合物(51mg、64%)を得た。
UPLC−MS(方法5):RT=1.21分;m/z=429(M+H)
HNMR(400MHz、DMSO−d6):δ[ppm]=1.58(m,1H)、1.86−2.38(m,5H)、3.79(s,3H)、4.12(s,3H)、7.36(d,2H)、7.50−7.57(m,4H)、7.58−7.66(m,3H)および8.11(s,1H)。
実施例8:2−[4−(1−アミノシクロブチル)フェニル]−8−メトキシ−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボキサミド
Figure 0006088542

アンモニア(1.73mL)(メタノール中の7Mの溶液、〜100当量)中のメチル2−[4−(1−アミノシクロブチル)フェニル]−8−メトキシ−3−フェニルイミダゾ−[1,2−a]ピラジン−6−カルボキシレート[実施例7][65mg、0.09mmol、80%の純度(UPLC 面積-%)、1.0当量]の溶液を、単一モードの電子レンジ中で2時間130℃に加熱した。揮発成分を、回転エバポレーターを使用して除去した。該溶媒は、回転エバポレーターを用いて処理し、該粗生成物を、MPLC[Biotage Isolera、10gのSnap-cartridge;溶離剤:DCM−>DCM/エタノール(8/2)]により精製して、表題化合物(22mg、43%)を得る。
UPLC−MS(方法2):RT=1.03分;m/z=414(M+H)
HNMR(400MHz、MeOD):δ[ppm]=1.74(m,1H)、2.06(m,1H)、2.24(m,2H)、2.54(m,2H)、4.28(s,3H)、7.39(d,2H)、7.49(dd,2H)、7.56−7.63(m,5H)および8.34(s,1H).
生物学的試験
本発明の化合物の商業的有用性を例示するために以下のアッセイを使用し得る。
実施例を、選択された生物学的アッセイで、1回またはそれ以上試験した。2回以上試験するとき、データは、平均値または中央値として報告され、ここで、
・平均値は、算出平均値とも呼ばれ、得られた値の合計を試験回数で割ったものを表し、そして、
・中央値は、昇順または降順に並べたとき、値の群の中央の数字を表す。データの組における値の数が奇数であれば、中央値は、中央の値である。データの組における値の数が偶数であれば、中央値は、2つの中央の値の算出平均である。
実施例は、1回またはそれ以上合成した。2回以上合成されるとき、生物学的アッセイのデータは、1つまたはそれ以上の合成バッチの試験から得られたデータの組を利用して算出した平均値または中央値を表す。
生物学的アッセイ1.0:Akt1キナーゼアッセイ
本発明の化合物のAkt1阻害活性は、以下の段落に記載されるAkt1 TR−FRETアッセイを使用して定量された。
昆虫細胞で発現されたHis標識ヒト組換えキナーゼ完全長Akt1を、Invitrogen(部品番号PV3599)から購入した。キナーゼ反応の基質として、例えばBiosynthan GmbH(Berlin-Buch, Germany)から購入できるビオチン化ペプチドビオチン−Ahx−KKLNRTLSFAEPG(アミド型のC末端)を使用した。
アッセイのために、DMSO中の試験化合物の100倍濃縮溶液(50μl)を、黒色低容量384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio-One, Frickernhausen, Germany)にピペットで入れ、アッセイ緩衝液[50mMトリス/HCl、pH7.5、5mM MgCl、1mMジチオスレイトール、0.02%(v/v)トライトンX−100(Sigma)]中の2μlのAkt1溶液を加え、混合物を22℃にて15分間インキュベートし、キナーゼ反応の開始前に、試験化合物を酵素に予め結合させた。次いで、アッセイ緩衝液中アデノシン三リン酸(ATP、16.7μM → 5μlアッセイ容量中の最終濃度は10μM)と基質(1.67μM → 5μlアッセイ容量中の最終濃度は1μM)の溶液の3μlを添加して、キナーゼ反応を開始し、生じた混合物を22℃で60分間の反応時間でインキュベートした。酵素のロットによりアッセイ中のAkt1の濃度を調整し、直線範囲にアッセイがある適切なものが選択され、典型的な酵素濃度は、約0.05ng/μl(5μlのアッセイ容量中の最終濃度)の範囲であった。
EDTA水溶液(50mM HEPES/NaOH、pH7.5中、100mM EDTA、0.1%(w/v)ウシ血清アルブミン)中の、5μlのHTRF検出試薬溶液(200nMのストレプトアビジン−XL665[Cisbio]および1.5nM抗ホスホ−セリン抗体[Millipore, cat. # 35-001]および0.75nM LANCE Eu-W 1024 標識抗マウスIgG抗体[Perkin Elmer])を加えて、反応を停止させた。
得られた混合物を22℃で1時間インキュベートして、ビオチン化リン酸化ペプチドをストレプトアビジン−XL665および抗体に結合させた。その後、リン酸化基質の量を、抗マウスIgG−Eu−キレートからストレプトアビジン−XL665への共鳴エネルギー移動の測定により評価した。すなわち、350nmで励起後の620nmおよび665nmでの蛍光発光をHTRFリーダー、例えば Rubystar(BMG Labtechnologies, Offenburg, Germany)または Viewlux(Perkin Elmer)で測定した。665nmと622nmでの発光の比を、リン酸化基質の量の尺度とした。データを標準化した(阻害剤が無い場合の酵素反応=0%阻害、酵素以外の他の全てのアッセイ成分による酵素反応=100%阻害)。通常、試験化合物は、同じマイクロタイタープレート上の20μMないし1nMの範囲内の10個の異なる濃度(20μM、6.7μM、2.2μM、0.74μM、0.25μM、82nM、27nM、9.2nM、3.1nM、および1nM、100倍濃縮ストック溶液のレベルで連続1:3希釈で、アッセイの前に調製した希釈シリーズ)で各濃度について二重測定で試験し、社内のソフトウェアを使用して4パラメータフィットによりIC50値を算出した。
生物学的アッセイ2.0:Akt2キナーゼアッセイ
本発明の化合物のAkt2阻害活性を、以下の段落に記載されるAkt2 TR−FRETアッセイを使用して定量した。
昆虫細胞で発現され、PDK1により活性化されたHis標識されたヒト組換えキナーゼ完全長Akt2を、Invitrogen(部品番号PV3975)から購入した。キナーゼ反応の基質として、例えば Biosynthan GmbH(Berlin-Buch, Germany)から購入できるビオチン化ペプチドビオチン−Ahx−KKLNRTLSFAEPG(アミド型のC末端)を使用した。
アッセイのために、DMSO中の試験化合物の100倍濃縮溶液(50μl)を、黒色低容量384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio-One, Frickernhausen, Germany)にピペットで入れ、アッセイ緩衝液[50mM トリス/塩酸、pH7.5、5mM MgCl、1mM ジチオスレイトール、0.02%(v/v)トライトンX−100(Sigma)]中のAkt2溶液(2μl)を加え、混合物を22℃で15分間インキュベートして、キナーゼ反応の開始前に、試験化合物を酵素に予め結合させた。その後、アッセイ緩衝液中のアデノシン三リン酸(ATP、16.7μM→5μlアッセイ容量中の最終濃度は10μM)および基質(1.67μM→5μlアッセイ容量中の最終濃度は1μM)溶液の3μlを添加して、キナーゼ反応を開始し、生じた混合物を22℃で60分間の反応時間でインキュベートした。酵素のロットによりアッセイ中のAkt2の濃度を調整し、直線範囲にアッセイがある適切なものが選択され、典型的な酵素濃度は、約0.2ng/μl(5μlのアッセイ容量中の最終濃度)の範囲であった。
EDTA水溶液(50mM HEPES/NaOH、pH7.5中、100mM EDTA、0.1%(w/v)ウシ血清アルブミン)中のHTRF検出試薬の溶液5μl(200nMのストレプトアビジン−XL665[Cisbio]と1.5nM抗ホスホセリン抗体[Millipore, cat. # 35-001]および0.75nM LANCE Eu-W 1024標識抗マウスIgG抗体[Perkin Elmer])を加えて、反応を停止させた。
得られた混合物を22℃で1時間インキュベートして、ビオチン化リン酸化ペプチドをストレプトアビジン−XL665および抗体に結合させた。その後、リン酸化基質の量を、抗マウスIgG−Eu−キレートからストレプトアビジン−XL665への共鳴エネルギー移動の測定により評価した。すなわち、350nmで励起後の620nmおよび665nmでの蛍光発光をTR−FRETリーダー、例えばRubystar(BMG Labtechnologies, Offenburg, Germany)またはViewlux(Perkin Elmer)で測定した。665nmと622nmでの発光の比をリン酸化基質の量の尺度とした。データを標準化した(インヒビターが無い場合の酵素反応=0%阻害、酵素以外の他の全てのアッセイ成分による酵素反応=100%阻害)。通常、試験化合物は、同じマイクロタイタープレート上の20μMないし1nMの範囲内の10個の異なる濃度(20μM、6.7μM、2.2μM、0.74μM、0.25μM、82nM、27nM、9.2nM、3.1nMおよび1nM、100倍濃縮ストック溶液のレベルで1:3の連続希釈で、アッセイの前に調製した希釈シリーズ)で各濃度について二重測定で試験し、社内のソフトウェアを使用して4パラメータフィットによりIC50値を算出した。
本発明の好適な化合物は、Akt1またはAkt2キナーゼアッセイで、中央値IC50<5μMまたは5μMで50%を超える阻害、さらに好ましくは中央値IC50<0.5μMまたは0.5μMで50%を超える阻害、さらにより好ましくは中央値IC50≦0.1μMまたは0.1μMで50%を超える阻害を示す。
以下の表は、本発明の選択された実施例の選択されたデータを示す。
Figure 0006088542
細胞アッセイ3.0:p−AKT1/2/3−S473、−T308およびp−4E−BP1−T70アッセイ
KPL−4乳房腫瘍細胞株(PIK3CAH1047R、HER2O/Eおよびホルモン非依存的)のような応答性細胞株において、PI3K−AKT−mTOR経路の阻害を評価するために、分子の作用機序を実験にて調査した。PI3K−AKT−mTOR軸のリン酸化基質を、経路阻害を反映するために読み出しとして用いた。細胞を、96ウェル細胞培養プレート上に1ウェル当たり60〜80%コンフルエントで播種した。37℃、5%CO2で一晩インキュベート後、細胞を、37℃にて2時間、化合物およびビヒクルで処理した。その後、細胞を150μlの溶解緩衝液で溶解させ、T308およびS473部位のリン酸化−AKTおよびT70部位のp−4E−BP1のレベルを、対応するAlphaScreen(登録商標)SureFire(登録商標)アッセイキット(Perkin Elmer:4E-BP1 アッセイキット Cat # TRG4E2S10K;Akt1/2/3 p−Ser 473 # TGRA4S500およびAkt1/2/3 p-Thr 308 #TGRA3S500 ならびにIgG検出キット # 6760617M)を用いてマニュアルに記載の通りに決定した。全ての測定は、少なくとも二重試験で行われ、独立した繰り返しによって確認された。
あるいは、pAKT−S473を、MULTI-SPOT(登録商標)アッセイシステム(Fa. Meso Scale Discovery, Cat# N41100B−1)の「Akt Duplex」を指示書の記載に従って使用して測定した。各アッセイは、20μgのタンパク質抽出物を用い、1ウェル中の全AKTおよびp−AKT含有量を同時に測定した。全ての測定は、少なくとも二重試験で行われ、独立した繰り返しによって確認された。P−AKTの値は、抽出物の全AKT含有量と比較したP−AKTレベルの割合として表す。
以下の表は、本発明の選択された実施例の選択されたデータを示す。
Figure 0006088542
生物学的アッセイ4.0:腫瘍細胞増殖アッセイ
72時間の薬剤曝露後に、腫瘍細胞増殖を阻害する化合物の能力を測定する細胞ベースのアッセイで、化合物を試験した。細胞生存性は、CellTiter-Glow(登録商標)(CTG、Promega、cat#G7571/2/3)を用いて測定される。CellTiter-Glow(登録商標)発光細胞生存性アッセイは、培養中の生存細胞の数を決定するための均一方法である。検出は、生存細胞からのATP量の測定のためのルシフェラーゼ反応の使用に基づく。細胞中のATP量は、細胞生存性と相関する。膜の完全性の喪失後数分以内に、細胞はATP合成能を失い、内性ATPasesが残留ATPを破壊する。故に、ATPレベルは急速に低下する。
細胞を、MTP(Corning; #3603、黒色プレート、透明平底)に90μLの増殖培地中の3000ないし5000細胞/ウェル(細胞株により異なる)で播種した。アッセイした各細胞株について、t=0時間およびt=72時間の時点の蛍光の測定のために別々のプレートに細胞を播種した。37℃で一晩インキュベーション後、10μlの培地および100μlのCTG溶液を製造業者のプロトコールに従って加えた後、t=0時点での試料の化学発光値を測定した。t=72時間の時点のプレートを、最終濃度の10倍で増殖培地中に希釈した化合物を細胞培養プレートに10μl加えて処理した。次に細胞を37℃で72時間インキュベートした。t=72時間のサンプルの化学発光値を測定した。データ分析のために、簡単に説明すると、24時間処理プレートからのデータを、100%増殖阻害(「Ci」)および増殖阻害されなかったDMSO対照(「C0」)を反映するために使用し、MTSソフトウェア・パッケージを用いてIC50およびHill係数について分析した。実験は、標準として参照化合物を用いて管理した。
本発明の好ましい化合物は、このアッセイにおいて、中央値IC50<10μM、より好ましくは中央値IC50≦1μMで、KPL−4乳癌細胞株およびMCF−7乳房腫瘍細胞株(PIK3CAE542K;E545K、ホルモン依存性)などの細胞株の細胞増殖の阻害を示す。
以下の表は、本発明の選択された実施例の選択されたデータを示す。
Figure 0006088542
実施例5.0−Caco2透過性アッセイ
Caco−2細胞(DSMZ Braunschweig, Germany から購入した)を、4.5x10細胞/ウェルの密度で、24ウェルの挿入プレート(孔のサイズ0.4μm)に播種し、15日間、10%ウシ胎児血清、1% GlutaMAX (100x, GIBCO)、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン(GIBCO)および1%非必須アミノ酸(100x)を添加したDMEM培地中で増殖させた。細胞を37℃で、加湿5%CO雰囲気中で維持した。培地を2−3日毎に交換した。透過アッセイを行う前に、培養培地を、FCSを含まないhepes−カーボネートトランスポートバッファー(hepes-carbonate transport buffer)(pH7.2)で置き換えた。単層の完全性を評価するために、経上皮電気抵抗(TEER)を測定した。試験化合物を予めDMSOに溶解し、管腔側または基底膜側の区画に最終濃度2μMで添加した。37℃で2時間インキュベートする前および後に、両区画から試料を取った。化合物量の分析を、メタノールでの沈降の後、LC/MS/MS分析により行った。管腔側から基底膜側(A→B)および基底膜側から管腔側(B→A)の方向で、透過性(Papp)を算出した。以下の式を使用して、明らかな透過性が算出された:
app=(V/P)(1/S)(P/t)
式中、Vは、レシーバーチャンバー中の培地の体積であり、Pは、ドナーチャンバー中で測定されたt=0での試験薬物のピーク面積であり、Sは、単層の表面積であり、Pは、2時間のインキュベーション後にアクセプターチャンバー中で測定された試験薬物のピーク面積であり、tはインキュベーション時間である。基底膜側(B)から管腔側(A)への流出率は、PappB−AをPappA−Bで除すことにより算出した。加えて、化合物の回収率を算出した。アッセイの対照として、参照化合物を並行して分析した。
実施例6.0−インビボでのラット薬物動態
インビボ薬物動態実験について、試験化合物を、雄ウィスターラットに、良好な耐容性を示す量のPEG400のような可溶化剤を用いて溶液として製剤された0.3ないし1mg/kgの用量で静脈内に0.6ないし10mg/kgの用量で胃内部に投与した。
静脈内投与後の薬物動態について、試験化合物を静脈内ボーラス投与し、血液試料を、投与後2分、8分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間および24時間で採取した。予期される半減期によって、さらなる試料をより後の時点(例えば、48時間、72時間)で採取した。胃内投与後の薬物動態学的に関して、試験化合物を絶食ラットに胃内投与し、血液試料を投与後5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間および24時間で採取した。予期される半減期によって、さらなる試料をより後の時点(例えば、48時間、72時間)で採取した。血液を、リチウム−ヘパリンチューブ(Monovetten(登録商標)、Sarstedt)中に回収し、3000rpmで15分間遠心した。上清(血漿)からの100μLのアリコートを取り、400μLの冷アセトニトリルを添加して沈殿させ、−20℃にて一晩冷凍した。その後、試料を解凍し、3000rpmで、4℃にて20分間遠心した。上清のアリコートを、LCMS/MS検出を備えるAgilent 1200 HPLC-システムを用いて分析試験するために取った。PKパラメーターは、PK計算ソフトウェアを用いてノンコンパートメント分析により計算した。
静脈内投与後の濃度−時間プロフィールから得られるPKパラメーター:CLplasma:試験化合物の全血漿クリアランス(L/kg/h);CLblood:試験化合物の全血液クリアランス:血漿/血中間の濃度比であるCp/Cbを含むCLplasma*Cp/Cb(L/kg/時)。胃内投与後の濃度−時間プロフィールから計算したPKパラメーター:Cmax:最大血漿濃度(mg/L);Cmaxnorm:投与した用量で除したCmax(kg/L);Tmax:Cmaxが観察された時点(h)。静脈内投与および胃内投与の両方の濃度−時間プロフィールから計算したパラメーター:AUCnorm:投与された用量で除した、t=0hから無限(推定値)の濃度−時間曲線下の面積(kg*h/L);AUC(0−tlast)norm:投与された用量で除した、t=0hから結晶濃度を測定し得る最終時間点までの濃度−時間曲線下の面積(kg*h/L);t1/2:終末半減期(h);F:経口バイオアベイラビリティ:静脈内投与後のAUCnormで除した、胃内投与後のAUCnorm(%)。
当業者は、抗癌性化合物のインビボ効果を示す方法を熟知している。例として、以下の実施例は、マウス異種移植片モデルにおけるインビボ効果の定量化法を記載する。当業者は、そのような原理を使用して、代替の腫瘍材料からモデルを得ることができる。
実施例7.0インビボ異種移植の作用機序研究
化合物が予想された作用様式で腫瘍に作用することを実証するために、50mg/kgの化合物で一度処理したKPL−4乳房腫瘍で、AKTタンパク質のリン酸化を調べた。
これに関して、KPL−4ヒト乳房腫瘍を胸腺欠損ヌードマウスに異種移植した。KPL−4腫瘍細胞を、ATCCプロトコールに従って、10%FCSを含む推奨培地中で培養し、サブコンフルエント(70%)状態で移植用に回収した。50%マトリゲル中に懸濁した3x10個の腫瘍細胞を、雌マウスの鼠径部に皮下移植した。腫瘍を、60〜80mmの予め定められたサイズに増大させた。腫瘍がほぼ該サイズとなったとき、動物を処置群と対照群に無作為化し(グループサイズ:9匹の動物)、処置を開始した。動物を、胃管を介して行われる、50mg/kgの化合物またはビヒクルの経口投与(p.o.)で1回処置した。各動物の処置は、個々の体重に基づいた。処置の2、5および24時間後に、各3匹の動物を屠殺し、KPL−4腫瘍を切除した。約5x5x5mmの腫瘍試料を、Tissue Lyzer(Qiagen、Germany)を用いて、プロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤の存在下で、氷上にてMSD溶解バッファー中で溶解させた。腫瘍組織からの抽出物中のp−AKT S473のレベルを、ELISAベースのアッセイにおいて分析した。このアッセイは、製造業者の指示書に従い、MULTI-SPOT(登録商標)アッセイシステム(Fa. Meso Scale Discovery, Cat# N41100B-1)の「Akt Duplex」に基づく。各アッセイは、20μgのタンパク質抽出物を使用し、1ウェル中の全AKTおよびp−AKT含有量を同時に測定した。全ての測定は、少なくとも二重試験で行われ、独立した繰り返しによって確認された。
P−AKTの値は、抽出物の全AKT含有量と比較したP−AKTレベルの割合として表す。ビヒクル処置した腫瘍は、このモデルにおけるP−AKTの基底レベルを決定するために分析され、ビヒクルレベルに対してP−AKT(%)を決定するための標準化対照として使用された。
本発明の好ましい化合物は、このアッセイにおいて、ビヒクルレベルと比較して、処置後2時間で、より好ましくは処置後5時間で、さらにより好ましくは処置後24時間で、P−AKT<30%を示す。
実施例7.1 インビボ異種移植片効果の研究
化合物の治療有効性および耐容性を決定するために、ヌードマウスに異種移植したKPL−4乳房腫瘍の腫瘍増殖が観察され得る。マウスを、ビヒクルまたは化合物で処置した。
これに関して、KPL−4異種移植片を上記の通りに確立した。腫瘍を25〜35mmの予め定められたサイズに増大させた。腫瘍がほぼ該サイズとなったとき、動物を処置群と対照群に無作為化し(グループサイズ:8匹の動物)、処置を開始した。各動物の処置は個々の体重に基づき、経口投与(p.o.)は、胃管を介して行われた。経口投与量は、マウス当たり10ml/kgであった。マウスを50mg/kgの化合物で1日1回処置した。
腫瘍応答を、測径器を用いて腫瘍面積(最も長い直径およびその垂直線から得る)を決定することにより評価した。動物の体重を、処置に関連する毒性を測定するためにモニターした。腫瘍面積および体重の測定を、1週間に2〜3回行った。SigmaStat ソフトウェアを用いて統計分析を評価した。一元配置分散分析法を行い、対照との相違を、一対比較法(Dunn's 法)により比較した。T/C比(処置/対照)を、試験の最後での最終腫瘍重量で計算した。

Claims (15)

  1. 式(I):
    Figure 0006088542
    [式中、
    は、水素、ヒドロキシ、あるいは1−6C−アルキルまたは1−6C−アルコキシから選択される基であって、ここで該基は、所望により1回またはそれ以上、次のものから選択される同一または異なる置換基により置換されていてもよい:ヒドロキシ、ハロゲン、1−6C−アルキル、1−4C−ハロアルキル、1−6C−アルコキシ、−NR、シアノ、(=O)、−C(O)NR、−C(O)OR、−NHC(O)R10、−NHS(O)10、ヘテロアリール、ここで該置換基は、所望により1−6C−アルコキシにより置換されていてもよい、
    は、水素、ハロゲン、C(O)OR、CO(NR)、または1−6C−アルキル基であって、ここで該基は、所望により1回またはそれ以上、次のものから選択される同一または異なる置換基により置換されていてもよい:ヒドロキシ、ハロゲン、1−6C−アルキル、1−4C−ハロアルキル、1−6C−アルコキシ、−NR、シアノ、−C(O)NR、−C(O)OR、−NHC(O)R10、−NHS(O)10、−NH−(1−6C−アルキレン)−O−(1−6C−アルキル)、
    は、水素、1−6C−アルキルであり、
    は、所望により1−6C−アルキル、ハロゲン、シアノにより置換されていてもよいフェニルであり、
    は、水素、ハロゲンであり、
    は、水素、1−6C−アルキルであり、
    Xは、−CH−であり、
    Yは、−CH−、−CH(OH)−であり、
    、Rは、同一または異なっていてもよく、
    これらは水素、ヒドロキシ、3−7C−シクロアルキル、または1−4C−アルキルもしくは1−6C−アルコキシから選択される基であって、ここで該基は、所望により1回またはそれ以上、次のものから選択される同一または異なる置換基により置換されていてもよい:ハロゲン、ヒドロキシ、モノ−もしくはジ−(1−4C−アルキルアミノ)、1−4C−アルコキシ、または3−7C−シクロアルキル;または
    およびRは、それらが結合している窒素と一体となって飽和または不飽和3−6C−ヘテロ環式環を形成してもよく、これは所望により(=O)により置換されていてもよい、
    は、水素、1−6C−アルキルであり、
    10は、1−4C−アルキル(所望により、同一または異なるハロゲンまたはヒドロキシにより1回またはそれ以上置換されていてもよい)あるいは3−7C−シクロアルキルである]
    の化合物、該化合物のN−オキシド、塩、互変異性体もしくは立体異性体、または該N−オキシド、互変異性体もしくは立体異性体の塩。
  2. 請求項1に記載の式(I):
    [式中
    は、水素、ヒドロキシ、1−6C−アルキル、1−6C−アルコキシであり、
    は、水素、ハロゲン、1−6C−アルキル、(CO)OR、(CO)NRであり、
    は、水素であり、
    は、所望により1−6C−アルキル、ハロゲン、シアノにより置換されていてもよいフェニルであり、
    は、水素であり、
    は、水素であり、
    Xは、−CH−であり、
    Yは、−CH−、−CH(OH)−であり、
    、Rは、同一または異なっていてもよく、
    これらは、水素、ヒドロキシ、または1−4C−アルキルもしくは1−6C−アルコキシから選択される基であって、ここで該基は、所望により1回またはそれ以上、次のものから選択される同一または異なる置換基により置換されていてもよい:ハロゲン、ヒドロキシ、モノ−もしくはジ−(1−4C−アルキルアミノ)、1−4C−アルコキシまたは3−7C−シクロアルキル;または
    およびRは、それらが結合している窒素と一体となって飽和または不飽和3−6C−ヘテロ環式環を形成してもよく、これは所望により(=O)により置換されていてもよい、
    は、水素、1−6C−アルキルである]
    の化合物、該化合物のN−オキシド、塩、互変異性体もしくは立体異性体、または該N−オキシド、互変異性体もしくは立体異性体の塩。
  3. 請求項1に記載の式(I):
    [式中、
    は、水素、ヒドロキシ、1−6C−アルキル、1−6C−アルコキシであり、
    は、水素、ハロゲン、1−6C−アルキル、(CO)OR、(CO)NRであり、
    は、水素であり、
    は、フェニルであり、
    は、水素であり、
    は、水素であり、
    Xは、−CH−であり、
    Yは、−CH−であり、
    、Rは、同一または異なっていてもよく、これらは水素、1−4C−アルキルであり、
    は、水素、1−6C−アルキルである]
    の化合物、該化合物のN−オキシド、塩、互変異性体もしくは立体異性体、または該N−オキシド、互変異性体もしくは立体異性体の塩。
  4. 請求項1に記載の式(I):
    [式中、
    は、水素、ヒドロキシ、1−3C−アルキル、1−3C−アルコキシであり、
    は、水素、ハロゲン、1−3C−アルキル、(CO)O(1−3C−アルキル)、(CO)NHであり、
    は、水素であり、
    は、フェニルであり、
    は、水素であり、
    は、水素であり、
    Xは、−CH−であり、
    Yは、−CH−である]
    の化合物、該化合物のN−オキシド、塩、互変異性体もしくは立体異性体、または、該N−オキシド、互変異性体もしくは立体異性体の塩。
  5. 下記化合物から選択される請求項1に記載の式(I)の化合物、該化合物のN−オキシド、塩、互変異性体もしくは立体異性体、または該N−オキシド、互変異性体もしくは立体異性体の塩:
    2−[4−(1−アミノシクロブチル)フェニル]−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−8−オール、
    1−[4−(6,8−ジメチル−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)フェニル]−シクロブタンアミン、
    1−[4−(6−ブロモ−8−メトキシ−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)フェニル]シクロブタンアミン、
    1−[4−(6−エチル−8−メトキシ−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)フェニル]−シクロブタンアミン、
    エチル2−[4−(1−アミノシクロブチル)フェニル]−3−フェニルイミダゾ[1,
    2−a]ピラジン−6−カルボキシレート、
    2−[4−(1−アミノシクロブチル)フェニル]−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボキサミド、
    メチル2−[4−(1−アミノシクロブチル)フェニル]−8−メトキシ−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]−ピラジン−6−カルボキシレート、
    2−[4−(1−アミノシクロブチル)フェニル]−8−メトキシ−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボキサミド。
  6. 疾患の治療または予防用の医薬の調製のための、請求項1〜5のいずれか一項記載の一般式(I)の化合物の使用。
  7. 疾患が、過増殖性疾患および/またはアポトーシスの誘導に応答性の障害である、請求項6に記載の一般式(I)の化合物の使用。
  8. 過増殖性疾患および/またはアポトーシスの誘導に応答性の障害が、良性または悪性新生物である、請求項7に記載の一般式(I)の化合物の使用。
  9. 新生物が癌である、請求項8に記載の一般式(I)の化合物の使用。
  10. 癌疾患が乳癌である、請求項9に記載の一般式(I)の化合物の使用。
  11. 少なくとも1種の薬学的に許容可能な助剤と一緒に、少なくとも1種の請求項1〜5のいずれか一項記載の一般式(I)の化合物を含む、医薬組成物。
  12. 良性または悪性新生物の治療のための、請求項11に記載の組成物。
  13. 癌の治療のための、請求項11に記載の組成物。
  14. 乳癌の治療のための、請求項11に記載の組成物。
  15. 1またはそれ以上の請求項1〜5のいずれかに記載の一般式(I)の化合物から選択される第一活性成分、および1またはそれ以上の化学療法用の抗癌剤および標的特異的抗癌剤から選択される第二活性成分を含む、組み合わせ医薬
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