JP6088176B2 - アスコルビン酸リン酸化酵素改変体 - Google Patents

アスコルビン酸リン酸化酵素改変体 Download PDF

Info

Publication number
JP6088176B2
JP6088176B2 JP2012180470A JP2012180470A JP6088176B2 JP 6088176 B2 JP6088176 B2 JP 6088176B2 JP 2012180470 A JP2012180470 A JP 2012180470A JP 2012180470 A JP2012180470 A JP 2012180470A JP 6088176 B2 JP6088176 B2 JP 6088176B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amino acid
residue
acid sequence
substituted
seq
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012180470A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014036612A (ja
Inventor
英之 岩田
英之 岩田
雄二 枝
雄二 枝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THERMOSTABLE ENZYME LABORATORY CO., LTD.
Cosmos Technical Center Co Ltd
Nikko Chemicals Co Ltd
Original Assignee
THERMOSTABLE ENZYME LABORATORY CO., LTD.
Cosmos Technical Center Co Ltd
Nikko Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THERMOSTABLE ENZYME LABORATORY CO., LTD., Cosmos Technical Center Co Ltd, Nikko Chemicals Co Ltd filed Critical THERMOSTABLE ENZYME LABORATORY CO., LTD.
Priority to JP2012180470A priority Critical patent/JP6088176B2/ja
Publication of JP2014036612A publication Critical patent/JP2014036612A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6088176B2 publication Critical patent/JP6088176B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

本発明は、高収率でアスコルビン酸−2−リン酸を得ることが可能なアスコルビン酸リン酸化酵素の改変体に関する。
アスコルビン酸−2−リン酸は、アスコルビン酸の安定化誘導体であり、医薬品、食品、化粧品等の分野で広く使用されている。アスコルビン酸−2−リン酸(本明細書においてアスコルビン酸−2−リン酸を「AsA2P」と略記することがある)を効率よく製造する方法については従来より研究されている。このような方法としては、例えば、アスコルビン酸とリン酸基供与体から、シュードモナス属に属する微生物由来の酵素を用いてアスコルビン酸−2−リン酸を製造する方法が特許文献1等に記載されている。しかしながら、本発明者らは、特許文献1に記載される酵素(シュードモナス属菌種由来の野生型アスコルビン酸リン酸化酵素)を使用してアスコルビン酸のリン酸化について検討を行った結果、酵素濃度を上げるにつれて反応産物の分解が生じることを見出した。また、他の生物由来の酵素を用いた場合にも同様の傾向が認められることが特許文献2や非特許文献1及び2において報告されている。前述のように、アスコルビン酸−2−リン酸は、産業上の利用価値が高いことから、より一層効率よく産生することが可能な酵素及び産生方法が求められていた。
特開平4−53494号公報 特開2001−245676号公報
Appl Environ Microbiol. 2000 , 66(7): 2811-2816, Phosphorylation of Nucleosides by the Mutated Acid Phosphatase from Morganella morganii Protein Eng. (2002) 15 (7): 539-543. Enhancement of nucleoside phosphorylation activity in an acid phosphatase
本発明は、高収率でアスコルビン酸−2−リン酸を生成することが可能なアスコルビン酸リン酸化酵素の改変体を提供することを主な目的とする。また、本発明は、当該酵素改変体を用いたアスコルビン酸−2−リン酸を製造する方法を提供する。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、アスコルビン酸リン酸化酵素のアミノ酸配列に特定の変異を導入することによって反応産物であるアスコルビン酸−2−リン酸の分解が抑制され、高収率でアスコルビン酸−2−リン酸が得られることを見出した。本発明はこのような知見に基づいて更に研究を重ねた結果完成されたものである。即ち、本発明は下記態様のアスコルビン酸リン酸化酵素改変体、DNA、ベクター、形質転換体及びアスコルビン酸−2−リン酸の製造方法を提供する。
項1.以下の(A)〜(C)のいずれかに示すアスコルビン酸リン酸化酵素改変体:
(A)配列番号1で示されるアミノ酸配列において、115位のアラニン残基がアルギニン残基に置換されたアミノ酸配列からなるアスコルビン酸リン酸化酵素改変体;
(B)前記(A)のアミノ酸配列において、115位以外のアミノ酸残基の1個又は複数個が置換、付加、挿入又は欠失されたアミノ酸配列を含み、且つリン酸基供与体の存在下でアスコルビン酸に作用させた場合にアスコルビン酸−2−リン酸の生成を阻害しない、アスコルビン酸リン酸化酵素改変体;
(C)前記(A)のアミノ酸配列において、115位以外のアミノ酸残基のアミノ酸配列に対する配列同一性が30%以上であるアミノ酸配列を含み、且つリン酸基供与体の存在下でアスコルビン酸に作用させた場合にアスコルビン酸−2−リン酸の生成を阻害しない、アスコルビン酸リン酸化酵素改変体。
項2.更に、配列番号1で示されるアミノ酸配列において、116位のヒスチジン残基がグルタミン残基に置換されたアミノ酸配列を有する、項1に記載の酵素改変体。
項3.項1又は2に記載の酵素改変体をコードする単離されたDNA。
項4.項3に記載のDNAを含むベクター。
項5.項4に記載のベクターにより宿主細胞を形質転換して得られる、形質転換体。
項6.以下の(A)〜(C)のいずれかに示すアスコルビン酸リン酸化酵素改変体を、リン酸基供与体の存在下でアスコルビン酸に作用させ、アスコルビン酸−2−リン酸を製造する方法:
(A)配列番号1で示されるアミノ酸配列において、115位のアラニン残基がアルギニン残基に置換されたアミノ酸配列からなるアスコルビン酸リン酸化酵素改変体;
(B)前記(A)のアミノ酸配列において、115位以外のアミノ酸残基の1個又は複数個が置換、付加、挿入又は欠失されたアミノ酸配列を含み、且つリン酸基供与体の存在下でアスコルビン酸に作用させた場合にアスコルビン酸−2−リン酸の生成を阻害しない、アスコルビン酸リン酸化酵素改変体;
(C)前記(A)のアミノ酸配列において、115位以外のアミノ酸残基のアミノ酸配列に対する配列同一性が30%以上であるアミノ酸配列を含み、且つリン酸基供与体の存在下でアスコルビン酸に作用させた場合にアスコルビン酸−2−リン酸の生成を阻害しない、アスコルビン酸リン酸化酵素改変体。
項7.前記リン酸基供与体がポリリン酸である、項6に記載の方法。
本発明のアスコルビン酸リン酸化酵素は、リン酸基供与体の存在下でアスコルビン酸に作用させた場合、優れた触媒能を発揮することができる。更に、本発明のアスコルビン酸リン酸化酵素によれば、生成されたアスコルビン酸−2−リン酸の分解が抑制され、高収率でアスコルビン酸−2−リン酸を得ることが可能である。
配列番号1で示されるアスコルビン酸リン酸化酵素のアミノ酸配列、及び該アミノ酸配列に対応する塩基配列(配列番号2)である。アミノ酸配列において、115位のAlaを丸で示す。 アスコルビン酸リン酸化酵素改変体(改変体3)のアミノ酸配列(配列番号5)及び当該アミノ酸配列をコードする塩基配列(配列番号6)を表す。図中、実線はプラスミドベクターpET22b(+)によりコードされるアミノ酸配列を示す。破線はスペーサー領域として挿入した配列を示す。また、A115Rに相当する部分を丸で示す。 酵素改変体の作製方法を示す概略図である。 改変体1〜8を用いた場合に生成されたAsA2Pの量を示すグラフである。 改変体7及び8を用いた場合に生成されたAsA2Pの量を示すグラフである。 改変体3にさらにアミノ酸変異を導入したアスコルビン酸リン酸化酵素改変体9〜23を用いた場合に生成されたAsA2Pの量を示すグラフである。 野生型のアスコルビン酸リン酸化酵素を用いてAsA2Pを生成した場合、経時的にAsA2Pが分解されることを示すグラフである。
本明細書において、アミノ酸、ペプチド、タンパク質は、以下に示すIUPAC−IUB生化学命名委員会(CBN)で採用された略号を用いて表される。
A=Ala=アラニン、C=Cys=システイン、
D=Asp=アスパラギン酸、E=Glu=グルタミン酸、
F=Phe=フェニルアラニン、G=Gly=グリシン、
H=His=ヒスチジン、I=Ile=イソロイシン、
K=Lys=リシン、L=Leu=ロイシン、
M=Met=メチオニン、N=Asn=アスパラギン、
P=Pro=プロリン、Q=Gln=グルタミン、
R=Arg=アルギニン、S=Ser=セリン、
T=Thr=トレオニン、V=Val=バリン、
W=Trp=トリプトファン、Y=Tyr=チロシン
また、特に明示しない限り、ペプチドおよびタンパク質のアミノ酸残基の配列は、左端から右端にかけてN末端からC末端となるように表される。また、参照を容易にするため、一般的に用いられている次の命名法を適用する。
即ち、1つは、“もとのアミノ酸;位置;置換したアミノ酸”と記述する方法であり、例えば、位置115におけるアラニンのアルギニンへの置換はAla115Arg又はA115Rと表される。また、多重変異については、スラッシュ記号“/”により分けることで表記する。例えば、A115R/N130Tとは、位置115のアラニンをアルギニンへ、且つ、位置130のアスパラギンをトレオニンへ置換することを示す。
1.アスコルビン酸リン酸化酵素改変体
本発明のアスコルビン酸リン酸化酵素改変体は、以下の(A)〜(C)のいずれかに示す特徴を有するものである:
(A)配列番号1で示されるアミノ酸配列において、115位のアラニン残基がアルギニン残基に置換されたアミノ酸配列からなるアスコルビン酸リン酸化酵素改変体;
(B)前記(A)のアミノ酸配列において、115位以外のアミノ酸残基の1個又は複数個が置換、付加、挿入又は欠失されたアミノ酸配列を含み、且つリン酸基供与体の存在下でアスコルビン酸に作用させた場合にアスコルビン酸−2−リン酸の生成を阻害しない、アスコルビン酸リン酸化酵素改変体;
(C)前記(A)のアミノ酸配列において、115位以外のアミノ酸残基のアミノ酸配列に対する配列同一性が30%以上であるアミノ酸配列を含み、且つリン酸基供与体の存在下でアスコルビン酸に作用させた場合にアスコルビン酸−2−リン酸の生成を阻害しない、アスコルビン酸リン酸化酵素改変体。
本明細書において、配列番号1で示されるアミノ酸配列において、115位のアラニン残基をアルギニン残基に置換する変異を、A115Rと表記することがある。また、本明細書において当該アスコルビン酸リン酸化酵素改変体を「本発明の酵素改変体」と略記することがある。
配列番号1で示されるアミノ酸配列は、配列番号3で示される野生型アスコルビン酸リン酸化酵素のアミノ酸配列において24位のプロリンから249位のバリンに相当する226個のアミノ酸残基からなる。なお、配列番号3で示される野生型アスコルビン酸リン酸化酵素のアミノ酸配列に対応する塩基配列は、配列番号4で示される。
野生型のアスコルビン酸リン酸化酵素の起源は特に限定されないが、例えば、クレブシエラ属、セルロモナス属、アルカリゲネス属、エアロモナス属、ブレビバクテリウム属、シュードモナス属、スフィンゴモナス属等に属するアスコルビン酸とリン酸基供与体からL−アスコルビン酸−2−リン酸を生成する反応を触媒し得る酵素を生産することが可能な微生物が挙げられる。このような微生物として、より具体的には、クレブシエラ・オキシトーカ(Klebsiella oxytoca)(ATCC8724)、セルロモナス・カルテ(Cellulomonas cartae)(ATCC21681)、アルカリゲネス・ユートロファス(Alcaligenes eutrophus)(ATCC17697)、エアロモナス・ハイドロフィラ(Aeromonas hydrophila)(ATCC11163)、ブレビバクテリウム・リチカム(Brevibacterium lyticum)(ATCC15921)、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum)(ATCC13826)、シュードモナス・リボフラビナ(Pseudomonas riboflavina)(ATCC9526)、シュードモナス・マルトフィリア(Pseudomonas maltophilia)(ATCC17806)、スフィンゴモナス・トレペリ(Sphingomonas trueperi)、ブレブンディモナス・ディミヌタ(Brevundimonas diminuta)(ATCC11568)、グルコンアセトバクター・ハンセニイ(Gluconacetobacter hansenii)(ATCC23761)、キサントモナス・オリザエ(Xanthomonas oryzae)(NBRC3312)等が例示され、中でもスフィンゴモナス・トレペリ(Sphingomonas trueperi)が好ましい微生物として挙げられる。ここで、ATCCはAmerican Type Culture Collectionによる寄託番号を表し、NBRCはBiological Resource Centerによる寄託番号を表す。
配列番号1で示される野生型のアスコルビン酸リン酸化酵素の部分配列をコードする遺伝子は、配列番号2に示されるポリヌクレオチドに相当する。このポリヌクレオチドは、例えば、遺伝子工学の分野において従来公知の方法により前述の菌株から取得することができる。
より具体的には、前述の菌株のゲノムDNAを作製した後、当該ゲノムDNAを適当な制限酵素で切断し、同一の制限酵素、又は共通の切断末端を与える制限酵素で切断したプラスミド又はファージにリガーゼ等を用いて連結することによりゲノムDNAライブラリーを作製する。次いで、アスコルビン酸リン酸化酵素の塩基配列に基づき設計したプライマーセットを用いて、これらのゲノムDNAライブラリーを鋳型としたPCRを行うことによりアスコルビン酸リン酸化酵素をコードしている遺伝子を得ることができる。具体的なプライマーの塩基配列としては、下表2に示されるプライマー1及び2のセットが例示される。或いは、上記塩基配列に基づき設計したプローブを用いて、これらのゲノムDNAライブラリーをスクリーニングすることによって、アスコルビン酸リン酸化酵素をコードしている遺伝子を得ることもできる。
また、有機合成化学的手法により、配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるポリヌクレオチド又は配列番号2で示される塩基配列を有するポリヌクレオチドを得ることができる。
本発明の酵素改変体は、配列番号1で示されるアミノ酸配列において前記所定のアミノ酸置換(A115R)を有することにより、リン酸基供与体の存在下でアスコルビン酸を効率的にリン酸化し、AsA2Pを産生することができる。また、前記所定のアミノ酸置換を有する本発明の酵素改変体は、触媒するアスコルビン酸のリン酸化反応において、従来問題となっていた反応性生成物(AsA2P)の分解が顕著に抑制されるため、高収率でAsA2Pを得ることができる。
本発明の酵素改変体は、リン酸基供与体の存在下でアスコルビン酸に作用させた場合にアスコルビン酸−2−リン酸の生成を阻害しない限り、A115Rのアミノ酸置換に加え、配列番号1で表わされるアミノ酸配列に対して、更に1個又は複数個、例えば、1個又は数個、或いは例えば1〜20個、より好ましくは1〜10個、更に好ましくは1〜5個のアミノ酸が、置換、付加、挿入又は欠失されたアミノ酸配列を含んでいてもよい。アミノ酸の欠失又は付加はN末端又はC末端のいずれに対して行ってもよく、両方の末端に対して行ってもよい。
配列番号1で示されるアミノ酸配列にアミノ酸を付加する場合、付加されるアミノ酸の数は例えば1〜20個、好ましくは1〜10個、更に好ましくは1〜5個が挙げられる。付加されるアミノ酸配列は、配列番号3で示される野生型アスコルビン酸リン酸化酵素のアミノ酸配列の部分配列を含むものであってもよい。付加されるアミノ酸配列の具体的な例としてD−T−Aの3アミノ酸残基をN末端に付加する場合を挙げることができる。また、本発明の酵素改変体の活性を損なわない範囲で後述するベクターに由来する配列が含まれていてもよい。更に、配列番号1で示されるアミノ酸配列のC末端に、Hisタグ等のタンパク質精製用の配列が付加されていてもよい。
また、アミノ酸を欠失する場合、本発明の酵素改変体の活性を損なわない限り、配列番号1で示されるアミノ酸配列の例えばN末端又はC末端から、好ましくはN末端から例えば1〜20個、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜5個のアミノ酸を欠失させてもよい。
また、アミノ酸を挿入する場合、本発明の酵素改変体の活性を損なわない限り、配列番号1で示されるアミノ酸配列の任意の場所に例えば1〜20個、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜5個のアミノ酸残基を挿入することが可能であるが、後述するアスコルビン酸リン酸化酵素としての活性中心以外の部位において挿入されることが好ましい。
配列番号1で示されるアミノ酸配列においてアミノ酸置換を行う場合には、側鎖官能基の性質に基づく保存的置換であることが好ましい。天然アミノ酸は、側鎖官能基によって非極性アミノ酸、非電荷アミノ酸、酸性アミノ酸及び塩基性アミノ酸の各カテゴリーに分類される。保存的置換とは、もとのアミノ酸残基と置換後のアミノ酸残基が同一のカテゴリーに分類されるアミノ酸残基であることを指す。ここで、「非極性アミノ酸」として具体的には、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、メチオニン、フェニルアラニン、及びトリプトファン;「非電荷アミノ酸」として、グリシン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、及びグルタミン;「酸性アミノ酸」として、アスパラギン酸及びグルタミン酸;「塩基性アミノ酸」として、リジン、アルギニン、及びヒスチジンがそれぞれ挙げられる。
これらの変異は、本発明の酵素改変体のリン酸化活性を損なわないよう、活性中心以外の部位において導入されることが好ましい。本発明の酵素改変体の活性中心は配列番号1で示されるアミノ酸配列において115〜135位に相当し、好ましくは117〜132位、更に好ましくは121〜127位以外のアミノ酸残基に変異を導入することが望ましい。
配列番号1で示されるアミノ酸配列において、115位のアラニン残基をアルギニン残基に置換する変異以外に導入され得る変異について、具体的には、116位のヒスシジン残基がグルタミン残基に置換された改変体が例示される。更に、前記A115R/H116Qの変異に加えて、130位のアスパラギン残基がトレオニン残基に置換されているもの(A115R/H116Q/N130T)又は55位のアスパラギン酸残基がヒスチジン残基に置換されているもの(A115R/H116Q/D55H)が例示される。
本発明の酵素改変体は、配列番号1で示されるアミノ酸配列において、115位のアラニン残基がアルギニン残基に置換された改変体が顕著に優れた酵素活性を有している。本発明の酵素改変体として、好ましくはA115R又はA115R/H116Q、更に好ましくはA115Rのみの変異を有している酵素改変体が挙げられる。
配列番号1で示されるアミノ酸配列において特定のアミノ酸残基に変異を導入する方法は特に限定されず、従来公知の方法から適宜選択することができるが、例えば、部位特異的変異導入法が挙げられ、Inverse PCRに基づく手法やQuikChange II Kit(ストラタジーン社製)の市販キットを利用することにより実施され得る。また、2個所以上に変異を導入する場合には上記方法に準じた方法を繰り返すことにより、目的とする本発明の酵素改変体をコードするポリペプチドを得ることができる。部位特異的変異導入法によって図2に示されるアミノ酸配列を有する本発明の酵素改変体を得る場合、使用され得る具体的なプライマーセットは下表2の改変体3に使用されるものが例示される。
また、本発明のアスコルビン酸リン酸化酵素として、配列番号1で示されるアミノ酸配列において115位以外のアミノ酸残基に対する配列同一性が30%以上、好ましくは35%以上、より好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上であるアミノ酸配列を含み、且つリン酸基供与体の存在下でアスコルビン酸に作用させた場合にアスコルビン酸−2−リン酸の生成を阻害しないものが包含される。N末端及び/又はC末端にアミノ酸が付加されている場合のポリペプチドの配列同一性については、付加されたアミノ酸を除いて評価する。
ここで、ポリペプチドの配列同一性については、対比される2つのポリペプチドを最適に整列させ、アミノ酸が両方の配列で一致した位置の数を比較アミノ酸総数で除し、この結果に100を乗じた数値で表わされる。具体的には、ポリペプチドの配列同一性は、「GENETYX Ver.10」(ゼネティックス社)のMaximum matchingプログラムをデフォルトのパラメーターで用いることで決定することができる。
また、「リン酸基供与体の存在下でアスコルビン酸に作用させた場合にアスコルビン酸−2−リン酸の生成を阻害しない」とは、生成されたアスコルビン酸−2−リン酸が経時的に分解されないことを指す。より具体的には、アスコルビン酸及びリン酸供与体を含む反応液組成物に本発明の酵素改変体を添加し、37℃で酵素反応を行って得られるアスコルビン酸−2−リン酸の収率が、野生型のアスコルビン酸リン酸化酵素に比べて10%以上、好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上増加することを指す。アスコルビン酸−2−リン酸の収率は、HPLC解析により生成されたアスコルビン酸−2−リン酸を定量することにより確認できる。具体的なHPLC解析の条件は後述する実施例において記載される。
前記(B)又は(C)に示される本発明の酵素改変体の好適な例として、具体的なアミノ酸配列(配列番号5)及び対応する塩基配列(配列番号6)が図2に示される。また、配列番号5で示されるアミノ酸配列において、1個又は複数個、例えば、1個又は数個、或いは例えば1〜20個、より好ましくは1〜10個、更に好ましくは1〜5個のアミノ酸が、置換、付加、挿入又は欠失されたアミノ酸配列を含み、且つリン酸基供与体の存在下でアスコルビン酸に作用させた場合にアスコルビン酸−2−リン酸の生成を阻害しないものも本発明の酵素改変体の好適な例として包含される。例えば、配列番号5において142位のグルタミンがヒスチジンに置換されたアミノ酸配列を有するものが好適なものとして挙げられる。更に、配列番号5において141位(配列番号1の115位に相当する)以外のアミノ酸残基のアミノ酸配列に対する同一性が30%以上、好ましくは35%以上、より好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上であるアミノ酸配列を含み、且つリン酸基供与体の存在下でアスコルビン酸に作用させた場合にアスコルビン酸−2−リン酸の生成を阻害しないものも本発明の酵素改変体の好適な例として含まれる。アミノ酸残基の置換、欠失、付加又は挿入、及びアミノ酸配列の同一性については、上述の通りである。
本発明の酵素改変体は、これらのアミノ酸配列をコードするDNAを有するベクターを宿主細胞に導入して形質転換体を作製し、当該形質転換体を培養して得ることができる。具体的には下記「形質転換体」の欄で詳述する。
DNA
本発明は前記リン酸化酵素改変体をコードする単離されたDNAを提供する。本発明の酵素改変体をコードするDNAは、後述する方法に従って導入される宿主細胞内において、本発明の酵素改変体を発現し得るものであれば如何なるものでもよく、任意の非翻訳領域を含んでいてもよい。
また、本発明の酵素改変体をコードするDNAとして、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対応する塩基配列(配列番号2で示される塩基配列)からなるDNAに相補的な塩基配列を含むDNAと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAであって、且つリン酸基供与体の存在下でアスコルビン酸に作用させた場合にアスコルビン酸−2−リン酸の生成を阻害しないアスコルビン酸リン酸化酵素の改変体をコードするDNAが挙げられる。
ここで、「配列番号2で示される塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列を含むDNAと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA」とは、配列表の配列番号2に示した塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAをプローブとして、ストリンジェントな条件下にコロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法、あるいはサザンハイブリダイゼーション法等を用いることにより得られるDNAを意味する。
ここで、ストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNAとは、例えば、コロニーあるいはプラーク由来のDNAを固定化したフィルターを用いて、0〜0.3MのNaCl存在下、55℃でハイブリダイゼーションを行った後、2倍濃度のSSC溶液(標準食塩−クエン酸緩衝液(standard saline citrate):1倍濃度のSSC溶液の組成は、150mM塩化ナトリウム、15mMクエン酸ナトリウムである)を用い、20℃の条件下でフィルターを洗浄することにより取得できるDNAを挙げることができる。好ましくは20℃で1倍濃度のSSC溶液で洗浄、より好ましくは2倍濃度のSSC溶液で洗浄することにより取得できるDNAである。
上記の条件にてハイブリダイズ可能なDNAとしては、配列表の配列番号2に示されるDNAとの配列相同性が好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上のDNAを挙げることができ、コードされるポリペプチドが、上記の活性を有する限り、本発明の酵素改変体をコードするDNAに包含される。
また、DNAの配列相同性は、GAP、BLASTN、FASTA、BLASTA、BLASTX等の公知のコンピュータープログラムを用いて決定することもできる。また、前記DNAは、前述の遺伝子工学的手法や化学的な合成等により入手できる。
ベクター
本発明は、更に、前記DNAを宿主細胞内に導入して発現させるために用いられる、前記DNAを含むベクターを提供する。このようなベクターとしては、適切な宿主細胞内で該DNAがコードする遺伝子を発現できるものであればいずれでもよい。このようなベクターとしては、例えば、プラスミドベクター、ファージベクター、コスミドベクターなどが挙げられる。また、他の宿主株との間での遺伝子交換が可能なシャトルベクターも使用され得る。
本発明においてベクターは、前記本発明の酵素改変体をコードするDNAと作動可能に連結された、プロモーター(T7プロモーター、lacUV5プロモーター、trpプロモーター、trcプロモーター、tacプロモーター、lppプロモーター、tufBプロモーター、recAプロモーター、pLプロモーター等の機能的プロモーター;転写要素(例えばエンハンサー、CCAATボックス、TATAボックス、SPI部位等);シグナル配列(具体的には、核移行シグナル、小胞体移行シグナル、PTS1(Peroxisomal targeting signal 1)PTS2等)などの制御因子を含んでいてもよい。ベクターとしては当該分野において一般的に使用されるものから適宜選択して用いることができるが、具体的には、pET22b(+)ベクター、pET39b(+)ベクター等が例示される。
ここで、作動可能に連結とは、遺伝子の発現を調節するプロモーター、エンハンサー等の種々の調節エレメントと遺伝子が、宿主細胞中で作動し得る状態で連結されることをいう。制御因子のタイプおよび種類が、宿主に応じて変わり得ることは、当業者に周知の事項である。
形質転換体
本発明は、前記DNAを含むベクターを宿主細胞に導入して得られる形質転換体を提供する。宿主細胞としては、前述の本発明の酵素改変体をコードするDNAを含む発現ベクターにより形質転換され、当該DNAによりコードされた酵素改変体を発現することができる細胞であれば、特に制限はされない。
宿主細胞としては、例えば、エシェリヒア(Escherichia)属、バチルス(Bacillus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、セラチア(Serratia)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ラクトバチルス(Lactobacillus)属等の細菌;ロドコッカス(Rhodococcus)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属等の放線菌;サッカロマイセス(Saccharomyces)属、クライベロマイセス(Kluyveromyces)属、シゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)属、チゴサッカロマイセス(Zygosaccharomyces)属、ヤロウイア(Yarrowia)属、トリコスポロン(Trichosporon)属、ロドスポリジウム(Rhodosporidium)属、ピキア(Pichia)属、キャンディダ(Candida)属等の酵母;ノイロスポラ(Neurospora)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、セファロスポリウム(Cephalosporium)属、トリコデルマ(Trichoderma)属等のカビなどの微生物が挙げられる。これらのうち、導入および発現効率の観点から細菌が好ましく、エシェリヒア属の細菌である大腸菌(Escherichia coli)の細胞が特に好ましい。
形質転換の方法は公知であり、宿主細胞の種類等により適宜選択することができ、具体的には、コンピテントセル法、エレクトロポレーション法、ヒートショック法等が例示される。
形質転換体の培養は、宿主細胞として用いた細胞の種類に応じて従来公知の培養条件に基づいて行うことができる。例えば、大腸菌細胞を宿主細胞として用いた場合の培養条件としては、振盪培養又は通期培養等の好気的条件のもと、培養温度20〜40℃、培養期間6〜24時間、培養液のpH5〜8を挙げることができる。また、使用する培養培地についても、宿主細胞が生育可能且つ本発明の酵素改変体を産生可能あれば特に限定されず、当該分野において通常採用される、炭素源、窒素源、無機物、アミノ酸、核酸、ビタミン類等を必要量含有する培地を使用することができる。
例えば、大腸菌等の原核生物又は酵母等を宿主として得られる形質転換体を培養する場合、培地としては、該生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行える培地であれば天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。
炭素源としては、該生物が資化し得るものであればよく、グルコース、フラクトース、スクロース、デンプン若しくはデンプン加水分解物等の炭水化物;酢酸、プロピオン酸等の有機酸;エタノール、プロパノール等のアルコール類等が挙げられる。培地中に含有される炭素源の濃度としては、通常0.1〜10重量%が挙げられる。
また、窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸;有機酸のアンモニウム塩;その他の含窒素化合物;ペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーンスチープリカー、カゼイン加水分解物、大豆粕および大豆粕加水分解物等が例示される。培地中に含有される窒素源の濃度としては、通常0.1〜10重量%が挙げられる。
無機塩類としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等を用いることができる。培地中に含有される無機塩類の濃度としては、通常0.01〜1重量%が挙げられる。
pHの調整は、公知の無機または有機の酸、アルカリ溶液、尿素、炭酸カルシウム、アンモニア等を用いて行うことができる。また、培養中必要に応じて、アンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
培養終了後、培養物よりアスコルビン酸リン酸化酵素改変体を採取することができ、通常の酵素採取方法に従って行うことができる。酵素採取方法としては、例えば、培養した菌体を超音波破砕して菌体抽出液を調製し、硫安分画、イオン交換、クロマトフォーカシング、ゲル濾過等の酵素精製方法が挙げられる。
2.アスコルビン酸−2−リン酸を製造する方法
本発明は、前述される本発明の酵素改変体を、リン酸基供与体の存在下でアスコルビン酸に作用させ、アスコルビン酸−2−リン酸を製造する方法を提供する。本発明のAsA2Pを製造する方法においては、アスコルビン酸、リン酸基供与体及び酵素改変体を溶媒に添加して反応液組成物を調製し、酵素反応を行うことができる。あるいは、本発明の酵素改変体の産生能を有する微生物の培養物を、リン酸基供与体の存在下でアスコルビン酸に作用させることによりアスコルビン酸−2−リン酸を製造してもよい。
本発明の方法において、本発明の酵素改変体の産生能を有する微生物の培養物とは、菌体を含む培養液、培養菌体、またはその処理物を意味する。ここでその処理物とは、例えば、無細胞抽出液、凍結乾燥菌体、アセトン乾燥菌体、またはそれら菌体の磨砕物等を意味する。さらに、これらの培養物は、固定化酵素あるいは固定化菌体として用いることもできる。なお、固定化は、当業者に周知の方法(例えば物理的吸着法、包括法等)で行うことができる。
本発明の酵素改変体の産生能を有する微生物としては、例えば、上記本発明の酵素改変体をコードするDNAを含むベクターが導入された形質転換体が挙げられる。
リン酸基供与体としては、本発明の酵素改変体に対するリン酸基の供給源として機能し、AsA2Pが生成される限り特に限定されないが、例えば、一般式(1):Hn+2n3n+1(式中、n≧2)で表わされるポリリン酸が挙げられる。ポリリン酸の重合度は特に限定されないが、好ましくは2〜10000個、更に好ましくは2〜1000個の前記構成単が重合しているものが挙げられる。ポリリン酸として具体的には、ジリン酸(n=2:ピロリン酸)、トリリン酸(n=3)、テトラリン酸(n=4)等が例示される。また、一般式(1)においてn=5以上のリン酸が重合したものもリン酸基供与体として好適に使用することができる。これらの重合度の異なるポリリン酸を2種以上組み合せた混合物をリン酸基供与体として使用してもよい。
更に、本発明で使用されるリン酸基供与体として、前記ポリリン酸のエステルや、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等のポリリン酸塩を使用することもできる。ポリリン酸のエステルとして具体的には、アデノシン二リン酸(ADP)、アデノシン三リン酸(ATP)等が例示される。また、ポリリン酸塩として具体的には、ピロリン酸ナトリウム(Na427)、トリポリリン酸ナトリウム(Na5310)、テトラポリリン酸ナトリウム(Na6413)、ピロリン酸アンモニウム塩、トリポリリン酸アンモニウム塩等が例示される。また、リン酸基供与体として前記ポリリン酸の他に、パラニトロフェニルホスフェート、アセチルリン酸等が挙げられる。
本発明においてリン酸基供与体として、好ましくはジリン酸、トリリン酸、テトラリン酸等のポリリン酸、アデノシン二リン酸(ADP)、アデノシン三リン酸(ATP)等のポリリン酸のエステル;ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム等のポリリン酸のアルカリ金属塩;パラニトロフェニルホスフェート、アセチルリン酸が挙げられ、より好ましくはポリリン酸、ポリリン酸のエステル、ポリリン酸塩が挙げられ、更に好ましくはポリリン酸、ポリリン酸のエステルが挙げられ、特に好ましくはポリリン酸が挙げられる。これらのリン酸基供与体を1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合せてもよい。
反応に使用される本発明の酵素改変体の濃度としては、反応液組成物中、0.0001〜1重量%、好ましくは0.001〜0.1重量%、更に好ましくは0.001〜0.01重量%が挙げられる。また、リン酸基供与体の濃度としては、0.5〜20重量%、好ましくは1〜15重量%、更に好ましくは2〜10重量%が挙げられる。また、アスコルビン酸の濃度としては、0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜20重量%、更に好ましくは1〜10重量%が挙げられる。
本発明の酵素改変体(ポリペプチド)1重量部あたりのリン酸基供与体の添加割合としては、100〜30000重量部、好ましくは250〜20000重量部、更に好ましくは500〜15000重量部が挙げられる。また、本発明の酵素改変体(ポリペプチド)1重量部あたりのアスコルビン酸の添加割合としては、100〜40000重量部、好ましくは500〜30000重量部、更に好ましくは1000〜25000重量部が挙げられる。
また、反応温度としては、10〜60℃、好ましくは20〜50℃、更に好ましくは30〜40℃が挙げられる。
本発明の酵素改変体の至適pHとしては、pH2〜7、好ましくはpH3〜6、更に好ましくはpH4〜5が挙げられる。pHの調製は、塩酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、ソルビン酸、乳酸、マレイン酸、硫酸、リン酸、リンゴ酸、アルギニン、アンモニア水、ジイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、及びこれらの塩等の緩衝剤従来公知の緩衝剤を用いて行うことができる。
本発明のアスコルビン酸−2−リン酸を製造する方法において、反応時間は、アスコルビン酸−2−リン酸が生成され得る限り特に限定されないが、例えば、1〜50時間、好ましくは5〜40時間、更に好ましくは10〜30時間が挙げられる。
反応溶媒としては、通常、イオン交換水、蒸留水、超純水等の水性溶媒を使用することができる。また、水性溶媒中には、本発明の効果を損なわない範囲でメタノール、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の有機溶媒;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリエチレングリコールp−オクチルフェニルエーテル(商品名Triton X−100)、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(商品名Tween 20)等の非イオン界面活性剤が含まれていてもよい。反応性の向上及び酵素の安定化の観点から、溶媒中には、特に非イオン界面活性剤が含有されていることが好ましい。有機溶媒の添加量としては、通常0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、更に好ましくは5〜20重量%が例示される。また、非イオン界面活性剤の添加量としては、通常0.0001〜0.1重量%、好ましくは0.0005〜0.05重量%、更に好ましくは0.001〜0.01重量%が例示される。
上記反応によりAsA2Pが得られる。得られたAsA2Pは、必要に応じて、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、吸着カラムクロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー等のカラムクロマトグラフィーによる方法;ポリエチレングリコール(PEG)およびメチルペンタンジオール(MPD)等の沈澱剤を用いる方法;酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩を用いて析出させる方法等を挙げることができる。
以下に試験例等を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
アスコルビン酸リン酸化酵素改変体の調製
アスコルビン酸リン酸化酵素への変異の導入は、下表1に示されるプライマーセットを使用して、アスコルビン酸リン酸化酵素のN末端側をコードする領域とC末端側をコードする領域の2か所をそれぞれ増幅した。この時、使用したプライマーに、目的の箇所にアミノ酸置換が生じるように変異が導入されているため、得られるPCR産物には目的の箇所に各変異が導入されている。得られたPCR産物をベクターに挿入して形質転換体を作製し、当該形質転換体により各アスコルビン酸リン酸化酵素改変体を作製した。
(変異の導入及び形質転換体の作製)
A115R/H116Q酵素改変体(改変体3)の作製方法を例に変異の導入及び形質転換体の作製について以下に記載する。
Sphingomonas trueperi (JCM10278)からゲノムDNAを調製し、特開平4−53494号公報に記されるアスコルビン酸リン酸化酵素遺伝子をPCRにより増幅した。PCRに用いたプライマーセットは、プライマー1(フォワードプライマー)及びプライマー6(リバースプライマー)、ならびにプライマー3(フォワードプライマー)及びプライマー2(リバースプライマー)である。得られたPCR産物を制限酵素(NcoI及びNheI、又はNheI及びXhoI)で消化し、NcoI及びXhoIで制限酵素処理したpET22b(+)ベクター(Novagen)との三者ライゲーションによりこれらを連結して、アスコルビン酸リン酸化酵素発現用ベクターを得た。なお、該ベクターには、配列番号1で示されるアミノ酸配列が挿入されており、更にT7プロモーター、産生されるタンパク質をペリプラズムに移行するためのpelBシグナル、タンパク質精製のためのHisタグ遺伝子、及び薬剤選択のためのアンピシリン耐性遺伝子が保持されている。ベクターに挿入された塩基配列と対応するアミノ酸配列を図2に示す。
上記方法により得られたベクターをヒートショック法により大腸菌BL21(DE3)株(Novagen)に形質転換した。前記プライマー1を使用することにより、配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端にD−T−Aの3アミノ酸残基が付加された配列が大腸菌のpelBシグナル配列に組み込まれる形でベクターが構築される。しかし、酵素改変体の成熟体となった際には、シグナル配列は切断され、N末端はAspとなると考えられる。ここで、アミノ酸配列D−T−Aは、配列番号3で示される野生型アスコルビン酸リン酸化酵素において21〜23位のアミノ酸配列に相当する。図3に改変体3の製造方法の概略図を示す。
その他の改変体についても、下表1及び2に示されるプライマーセットを用いて同様の方法により作製した。
各プライマー番号と対応する配列番号、塩基配列及び制限酵素サイト名を下表2に示す。
表2中、下線で示される塩基配列は制限酵素の切断部位を表し四角で囲まれる塩基配列は置換するアミノ酸をコードする部位を表す。
(形質転換体の培養)
アスコルビン酸リン酸化酵素発現用ベクターを有する大腸菌BL21(DE3)株の形質転換体の培養は、0.2重量%グルコース、0.5重量%カザミノ酸、0.1mg/mlアンピシリンを含むLB培地(ナカライテスク(株)製:(組成)1重量%トリプトン;0.5重量%乾燥酵母エキス;0.5重量%塩化ナトリウム)中で、培養温度27℃にてインキュベートした。培養液の600nmにおける光学密度が0.5になったら、0.1mMとなるようにイソプロピル−β−チオガラクトピラノシドを添加し、更に培養温度27℃で16〜24時間、培養を行った。
培養後、湿菌体重量15gを150mMの塩化ナトリウムを含む20mMトリス−HCl緩衝液(pH8.0)に懸濁し、超音波ホモジナイザー(TOMY UD201)を用いて細胞抽出液を得た。この抽出液を20,000×gにて20分間遠心分離操作を行い、上清画分を回収した。60%飽和度となるよう硫酸アンモニウムを加え、20,000×gにて20分間遠心分離操作を行い、沈殿を回収した。この硫安分画後の沈殿を20mMトリス−HCl緩衝液(pH7.5)に懸濁し、50mM塩化ナトリウムを含む20mMトリス−HCl緩衝液(pH7.5)にて透析を行った。透析後、His−Trap HPカラムを用いたアフィニティー精製を行った。アスコルビン酸リン酸化酵素を含むフラクションを回収後、20mMトリス−HCl緩衝液(pH7.5)にて透析し、アスコルビン酸リン酸化酵素を取得した。
精製条件
アフィニティー精製の条件は次の通りである。
カラム:His−Trap HP(GE healthcare製)
平衡化緩衝液:20mM トリス−HCl(pH7.5)、50mM塩化ナトリウム
溶出緩衝液:20mM トリス−HCl(pH7.5)、50mM塩化ナトリウム、1M イミダゾール
(溶出緩衝液を0−50%のグラジエントで溶出)
流速:5.0ml/min
精製機器:AKTA prime plus(GE healthcare)
HPLC解析条件
後述する試験例及び比較例において採用されたHPLC解析条件は次の通りである。
カラム:YMC−Pack ODS−A(150×4.6mm)(YMC社製)
溶離液:
酢酸緩衝溶液(80mM,pH5.0)/メタノール=98/2(体積比)
(2.8mMヘキシルアミン及び0.1mM EDTAを含有する)
検出波長:254nm
流速:0.8ml/min
カラム温度:35℃
注入量:10μl
HPLC機器:日立HPLC LaChrom Elite seri L−2000
[試験例1−1]
アスコルビン酸(300mM)、リン酸基供与体としてポリリン酸(2重量%)(商品名:ポリリン酸、ナカライテスク社製)、及びTriton X−100(1重量%)を含む超純水(NaOHでpH4.5に調整)に、上記表1において改変体1〜8として示されるアミノ酸変異が導入されたアスコルビン酸リン酸化酵素の改変体を各15μg/mlとなるよう添加し、37℃の恒温エアーインキュベーター内で一晩反応させた。その後、反応液をHPLCに使用される溶離液(酢酸緩衝溶液)で100倍に希釈し、HPLC解析に供して生成されたAsA2Pの量を測定した。結果を図4に示す。
図4に示されるように、評価に用いられた改変体のうち、A115R/H116Q(改変体3)及びA115R/H116(改変体8)を用いた場合のみ生成されたAsA2Pの経時的な分解が抑制されていることが示された。
[試験例1−2]
改変体7及び改変体8として示されるアミノ酸変異が導入されたアスコルビン酸リン酸化酵素の改変体について、産生されたAsA2P量の測定結果を図5に抜き出し比較した。図5に示されるように、改変体8(A115R/H116)を用いた場合は、前記試験例1に示される改変体3(A115R/H116Q)と同様にAsA2Pの経時的な分解が抑制されていることが示された。これに対し、改変体7(A115/H116Q)を用いた場合はAsA2Pの分解が生じ、経時的にAsA2Pの量が低下した。即ち、第115位のアミノ酸残基をアラニンからアルギニンに置換することによって反応産物の分解が抑制され、第116位のヒスチジンのグルタミンへの置換は反応生成物の分解に影響を与えないことが示された。
[試験例2]
改変体3に更に一アミノ酸変異を導入したTriple mutantを作製し、AsA2Pの生成について評価した。アスコルビン酸(100mM)、リン酸基供与体としてポリリン酸(2重量%)(商品名:ポリリン酸、ナカライテスク社製)、及びTriton X−100(1重量%)を含む超純水(NaOHでpH4.5に調整)に、A115Rに加えて上記表1において改変体9〜23として示されるアミノ酸変異が導入されたアスコルビン酸リン酸化酵素の改変体を各15μg/mlとなるよう添加し、37℃の恒温エアーインキュベーター内で一晩反応させた。その後、反応液をHPLCに使用される溶離液(酢酸緩衝溶液)で100倍に希釈し、HPLC解析に供して生成されたAsA2Pの量を測定した。コントロールとして改変体3(A115R/H116Q)を使用し、同様の条件で反応及び測定を行った。結果を図6に示す。
図6に示されるように、評価に用いられた改変体のうち、図6中、N130T(改変体9)及びD55H(改変体14)の酵素反応性は、改変体3より低いものの、他のTriple mutantに比べて明らかに高いAsA2Pの産生量を示した。
[比較例1]
野生型アスコルビン酸リン酸化酵素を用いた場合のAsA2Pの生成について評価した。アスコルビン酸(50mM)、リン酸供与体としてポリリン酸(2重量%)(商品名:ポリリン酸、ナカライテスク社製)、及びTriton X−100(1重量%)を含む超純水(NaOHでpH4.5に調整)に、野生型アスコルビン酸リン酸化酵素を4.5μg/ml、9μg/ml、18μg/ml又は90μg/mlとなるよう添加し、37℃の恒温エアーインキュベーターで反応させた。反応から0、1、2、4、6、8、及び16時間点において、反応液をHPLCに使用される溶離液(酢酸緩衝溶液)で100倍に希釈し、HPLC解析に供して生成されたAsA2Pの量を測定した。結果を図7に示す。
図7に示されるように、いずれの濃度で野生型のアスコルビン酸リン酸化酵素を添加した場合も生成されたAsA2Pの量が経時的に減少することが示された。
配列番号1は、野生型アスコルビン酸リン酸化酵素において24位のプロリン残基〜249位バリン残基に相当するアミノ酸配列である。
配列番号2は、野生型アスコルビン酸リン酸化酵素において24位のプロリン残基〜249位バリン残基に相当するアミノ酸配列をコードする塩基配列である。
配列番号5は、アスコルビン酸リン酸化酵素改変体(改変体3)のアミノ酸配列である。
配列番号6は、アスコルビン酸リン酸化酵素改変体(改変体3)をコードする塩基配列である。
配列番号7は、プライマー1の塩基配列である。
配列番号8は、プライマー2の塩基配列である。
配列番号9は、プライマー3の塩基配列である。
配列番号10は、プライマー4の塩基配列である。
配列番号11は、プライマー5の塩基配列である。
配列番号12は、プライマー6の塩基配列である。
配列番号13は、プライマー7の塩基配列である。
配列番号14は、プライマー8の塩基配列である。
配列番号15は、プライマー9の塩基配列である。
配列番号16は、プライマー10の塩基配列である。
配列番号17は、プライマー11の塩基配列である。
配列番号18は、プライマー12の塩基配列である。
配列番号19は、プライマー13の塩基配列である。
配列番号20は、プライマー14の塩基配列である。
配列番号21は、プライマー15の塩基配列である。
配列番号22は、プライマー16の塩基配列である。
配列番号23は、プライマー17の塩基配列である。
配列番号24は、プライマー18の塩基配列である。
配列番号25は、プライマー19の塩基配列である。
配列番号26は、プライマー20の塩基配列である。
配列番号27は、プライマー21の塩基配列である。
配列番号28は、プライマー22の塩基配列である。
配列番号29は、プライマー23の塩基配列である。
配列番号30は、プライマー24の塩基配列である。
配列番号31は、プライマー25の塩基配列である。
配列番号32は、プライマー26の塩基配列である。
配列番号33は、プライマー27の塩基配列である。
配列番号34は、プライマー28の塩基配列である。
配列番号35は、プライマー29の塩基配列である。
配列番号36は、プライマー30の塩基配列である。
配列番号37は、プライマー31の塩基配列である。

Claims (7)

  1. 以下の(A)〜(H)のいずれかに示すアスコルビン酸リン酸化酵素改変体:
    (A)配列番号1で示されるアミノ酸配列において、115位のアラニン残基がアルギニン残基に置換されたアミノ酸配列からなるアスコルビン酸リン酸化酵素改変体;
    (B)前記(A)のアミノ酸配列において、115位以外のアミノ酸残基の1個又は数個が置換、付加、挿入又は欠失されたアミノ酸配列を含み、且つリン酸基供与体の存在下でアスコルビン酸に作用させた場合にアスコルビン酸−2−リン酸の生成を阻害しない、アスコルビン酸リン酸化酵素改変体;
    (C)配列番号1で示されるアミノ酸配列において、115位のアラニン残基がアルギニン残基に置換、且つ116位のヒスチジン残基がグルタミン残基に置換されたアミノ酸配列からなるアスコルビン酸リン酸化酵素改変体;
    (D)前記(C)のアミノ酸配列において、115位及び116位以外のアミノ酸残基の1個又は数個が置換、付加、挿入又は欠失されたアミノ酸配列を含み、且つリン酸基供与体の存在下でアスコルビン酸に作用させた場合にアスコルビン酸−2−リン酸の生成を阻害しない、アスコルビン酸リン酸化酵素改変体;
    (E)配列番号1で示されるアミノ酸配列において、115位のアラニン残基がアルギニン残基に置換、116位のヒスチジン残基がグルタミン残基に置換、且つ130位のアスパラギン残基がトレオニン残基に置換されたアミノ酸配列からなるアスコルビン酸リン酸化酵素改変体;
    (F)前記(E)のアミノ酸配列において、115位、116位、及び130位以外のアミノ酸残基の1個又は数個が置換、付加、挿入又は欠失されたアミノ酸配列を含み、且つリン酸基供与体の存在下でアスコルビン酸に作用させた場合にアスコルビン酸−2−リン酸の生成を阻害しない、アスコルビン酸リン酸化酵素改変体;
    (G)配列番号1で示されるアミノ酸配列において、115位のアラニン残基がアルギニン残基に置換、116位のヒスチジン残基がグルタミン残基に置換、且つ55位のアスパラギン残基がヒスチジン残基に置換されたアミノ酸配列からなるアスコルビン酸リン酸化酵素改変体;
    (H)前記(G)のアミノ酸配列において、115位、116位、及び55位以外のアミノ酸残基の1個又は数個が置換、付加、挿入又は欠失されたアミノ酸配列を含み、且つリン酸基供与体の存在下でアスコルビン酸に作用させた場合にアスコルビン酸−2−リン酸の生成を阻害しない、アスコルビン酸リン酸化酵素改変体。
  2. 以下の(A)、(C)、(E)、又は(G)のいずれかに示すアスコルビン酸リン酸化酵素改変体:
    (A)配列番号1で示されるアミノ酸配列において、115位のアラニン残基がアルギニン残基に置換されたアミノ酸配列からなるアスコルビン酸リン酸化酵素改変体;
    (C)配列番号1で示されるアミノ酸配列において、115位のアラニン残基がアルギニン残基に置換、且つ116位のヒスチジン残基がグルタミン残基に置換されたアミノ酸配列からなるアスコルビン酸リン酸化酵素改変体;
    (E)配列番号1で示されるアミノ酸配列において、115位のアラニン残基がアルギニン残基に置換、116位のヒスチジン残基がグルタミン残基に置換、且つ130位のアスパラギン残基がトレオニン残基に置換されたアミノ酸配列からなるアスコルビン酸リン酸化酵素改変体;
    (G)配列番号1で示されるアミノ酸配列において、115位のアラニン残基がアルギニン残基に置換、116位のヒスチジン残基がグルタミン残基に置換、且つ55位のアスパラギン残基がヒスチジン残基に置換されたアミノ酸配列からなるアスコルビン酸リン酸化酵素改変体。
  3. 請求項1又は2に記載の酵素改変体をコードする単離されたDNA。
  4. 請求項3に記載のDNAを含むベクター。
  5. 請求項4に記載のベクターにより宿主生物を形質転換して得られる、形質転換体。
  6. 請求項1又は2に記載のアスコルビン酸リン酸化酵素改変体を、リン酸基供与体の存在下でアスコルビン酸に作用させ、アスコルビン酸−2−リン酸を製造する方法。
  7. 前記リン酸基供与体がポリリン酸である、請求項6に記載の方法。
JP2012180470A 2012-08-16 2012-08-16 アスコルビン酸リン酸化酵素改変体 Active JP6088176B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012180470A JP6088176B2 (ja) 2012-08-16 2012-08-16 アスコルビン酸リン酸化酵素改変体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012180470A JP6088176B2 (ja) 2012-08-16 2012-08-16 アスコルビン酸リン酸化酵素改変体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014036612A JP2014036612A (ja) 2014-02-27
JP6088176B2 true JP6088176B2 (ja) 2017-03-01

Family

ID=50285246

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012180470A Active JP6088176B2 (ja) 2012-08-16 2012-08-16 アスコルビン酸リン酸化酵素改変体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6088176B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3122663B2 (ja) * 1990-06-21 2001-01-09 協和醗酵工業株式会社 アスコルビン酸―2―リン酸の製造法
JP3941390B2 (ja) * 1995-05-25 2007-07-04 味の素株式会社 変異型酸性フォスファターゼ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014036612A (ja) 2014-02-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102324118B1 (ko) 변이형 나이트릴 히드라타아제, 그 변이형 나이트릴 히드라타아제를 코드하는 핵산, 그 핵산을 포함하는 발현 벡터 및 형질전환체, 그 변이형 나이트릴 히드라타아제의 제조 방법, 및 아마이드 화합물의 제조 방법
JP4304727B2 (ja) ヌクレオシド−5’−燐酸エステルの製造法
US9193958B2 (en) Method of enzymatically synthesizing 3′-phosphoadenosine-5′-phosphosulfate
WO1996037603A1 (fr) Procede de production du nucleoside-5'-phosphate
JP4663631B2 (ja) 放線菌由来のampデアミナーゼ及びその利用
US9926542B2 (en) Practical method for enzymatically synthesizing cyclic di-GMP
JP3941390B2 (ja) 変異型酸性フォスファターゼ
JP6088176B2 (ja) アスコルビン酸リン酸化酵素改変体
JP6534612B2 (ja) グリセロールのリン酸化物の製造方法
CN114480340A (zh) 嗜盐胆碱激酶突变体及其应用
CN115210379A (zh) 修饰型转谷氨酰胺酶
JP6959978B2 (ja) アシル転移酵素の活性を有する微生物及びその用途
KR20200045978A (ko) 신규 알코올 탈수소효소와 그 돌연변이체, 및 이를 이용한 알데히드 화합물의 생산 방법
KR20090079570A (ko) Gmp 전환활성이 감소된 구아노신 모노포스페이트카이네이즈 변이체
KR102424603B1 (ko) 알코올 탈수소효소 변이체, 및 이를 이용한 알데히드 화합물의 생산 방법
KR101922792B1 (ko) 플라노코쿠스 유래 신규한 스쿠알렌 합성효소 및 이의 용도
EP4310180A1 (en) A microorganism of corynebacterium genus having enhanced l-arginine or l-citrulline productivity and a method for producing l-arginine or l-citrulline using the same
JP7311496B2 (ja) 改変型エステラーゼ及びその用途
TW201734199A (zh) 具有提高的l-胺基酸生產力的微生物和使用其的l-胺基酸的生產方法
KR20230160222A (ko) 개변형 니코틴아미드 포스포리보실트랜스퍼라아제
CN117222658A (zh) 突变SpoT蛋白和利用其生产L-氨基酸的方法
CN116802283A (zh) 组氨酸导致的反馈抑制得到减少的atp-prt变体及表达该变体的组氨酸生产菌株
JPWO2006104124A1 (ja) 新規パントテン酸キナーゼ遺伝子及びその利用方法
JP2009183255A (ja) ペプチド合成酵素、その遺伝子、及びそれらの用途

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150804

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160510

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20160705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160908

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170203

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6088176

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250