JP6087706B2 - 細胞死抑制組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、オイデスマン型セスキテルペノイド誘導体を有効成分とする高カリウム環境下での細胞死抑制組成物に関する。
日本をはじめ、北米、ヨーロッパ諸国では生活環境の変化と社会の高齢化によって脳・神経疾患ならびに循環器障害の多発が顕在化している。なかでも壮年期に発症する認知症のような神経疾患や虚血性心疾患の増加は大きな社会問題になっている。また、筋萎縮性側索硬化症(ALS)・パーキンソン病・加齢による大脳機能障害(アルツハイマー、老年性記憶障害等)における脳神経細胞死、脳梗塞などの虚血性脳機能障害の予後に起きる脳神経細胞死、さらに心筋梗塞や狭心症の治療予後に派生する心筋細胞死には、細胞死が大きく関わっていることが明らかになってきた。
認知症には、アルツハイマー型認知症と脳血管認知症、レビー小体認知症、前頭側頭型認知症などがある。脳血管性の認知症は脳の血管にコレステロールがたまり、血管が硬くなる動脈硬化によって引き起こされる。認知症の治療に優れた治療薬はなく、回想法や運動療法などと組み合せて、症状の進行を抑制し、日常生活を維持していくのが現状である。
アルツハイマー病の神経病理学的特徴は、大脳皮質や海馬での神経原線維変性、老人斑と大量の神経細胞脱落である。神経原線維変性は微小管結合タンパクの1つであるタウタンパクが過剰にリン酸化され線維封入体となったもので、老人斑はアミロイドβタンパクの細胞外蓄積である。アルツハイマー病ではこのアミロイドβタンパクの蓄積が神経原線維変性を加速し、繊維化したタウタンパクは細胞内輸送を阻害する。さらにはアミロイドβタンパク自体がシナプスの機能障害などの細胞毒性を有する。
神経細胞(ニューロン)は、細胞体(脳細胞)、樹状突起、軸策、シナプスで構成されている。ニューロンはシナプス結合を介して信号伝達しており、ニューロンを同時刺激することにより、2つのニューロン間の信号伝達が持続的に向上する。このことを、神経科学の分野において、長期増強(LTP)という。記憶はこのシナプスに貯えられているとみられているので、長期増強は記憶の主要なメカニズムであると広く考えられている。特に、海馬LTPの機構解明が進んでおり、シナプス後細胞にカルシウムイオンが流入すること、このカルシウムの流入がグルタミン酸受容体の一種のNMDA受容体を介して行なわれることが認められている。
このNMDA受容体は静止膜電位時にマグネシウムによってブロックされ、シナプス後細胞へのカルシウムの流入が阻害されているが、脱分極によりマグネシウムのブロックから開放され、受容体にグルタミン酸が結合した際に、カルシウムの細胞内への流入が起きてLTPが成立する(記憶の成立)。そして、長期記憶は、数分以内に成立するLTPに引き続いて伝達効率の増大状態を長期維持する相であり、タンパクの新合成を伴い、ニューロンの形態変化を介して、シナプスの新生が起こるのだろうと考えられている。
このように、記憶・学習行動などヒトの脳機能を実現するために、神経回路が物理的・生理的に、その性質を変化できることをシナプスの可塑性といい、アポトーシスによるニューロンの減少と発芽によるシナプス接合部の増加という物理的な変化とLTPにより信号の通りがよくなるという生理的な変化が含まれる。
神経線維の電気信号の発生は、ニューロンを取り巻く膜の内側と外側に存在するイオンのアンバランスによるもので、細胞の内側にはカリウムイオンが多く、外側には主としてナトリウムイオンと塩素イオンが多く分布しており、細胞内外の濃度差で生じる電位差に起因するものである。このイオンの濃度勾配で生じ電位差が静止電位であり、この状態を膜が分極しているという。
この電位差が刺激によって一時的に逆転(脱分極)する現象が活動電位であり、インパルスやスパイクとも呼ばれる。発生した活動電位はシナプスに向かって軸索方向に伝播され、プレシナプスに達するとカルシウムチャネルが開いてカルシウムイオンが流入し、神経伝達物質がシナプス間隙に放出することにより情報が伝達される。以上のようにして電気インパルスは神経細胞間を伝達され、同様の過程が多数のニューロンで繰り返し行われる。これが神経細胞の情報伝達処理の概観である。
神経細胞の活動が円滑に維持されるためには、静止膜電位を深く維持する必要がある。そのためには細胞外のカリウムイオンを低濃度に保つ必要がある。そして、細胞外のカリウムイオンを保つ要因として、(1)ATP生成とNaK-ATPアーゼ活性、(2)アストロサイトのカリウムイオンの取り込みが挙げられる。
ATPは生命活動におけるエネルギー源であり、基礎代謝におけるATP消費の40%がNaK-ATPアーゼで、その内訳は脳が13%、腎が10%を占めることが知られている。そして細胞内ATPが、例えば筋肉の収縮、生体物質の生合成、イオン輸送などを起こす際にエネルギーとして重要な働きを果たしている。
また、虚血などの酸素欠乏によりATP産生不足が起こるとカリウムイオン濃度が上昇することになる。これは、ATP不足でNaK-ATPアーゼ機能が低下するためである。そして、細胞外にカリウムイオン濃度が上昇すると脱分極を誘導し、細胞内カルシウムイオン濃度が上昇してアポトーシスによる神経細胞死が生じることになる。
一方、認知機能低下ではNaK-ATPアーゼが低下することも知られており、細胞外にカリウムイオンが停滞することが認知機能低下の一因であることが示唆される。
ATP産生はミトコンドリアが担っており、神経細胞への酸素及び基質の供給が必要である。虚血によりこれらの供給が停止すると、嫌気的な反応が促進され、細胞内に乳酸と水素イオン濃度が上昇する。細胞内の水素イオンの増加は細胞膜上のNa-H交換系を介して細胞外へ水素イオンをくみ出すと同時に細胞内にナトリウムイオン流入を引き起こす。これによりナトリウムイオンの過負荷が誘発されると、Na-Ca交換系を介してカルシウムイオンの流入しカルシウムイオンの過負荷が誘導される。この過負荷により、膜タンパクやミトコンドリアの変性を引き起こすことになる。
ミトコンドリアは細胞質のカルシウムイオン濃度を低下させようとカルシウムイオンを取り込むが、ミトコンドリア内に大量のカルシウムイオン蓄積の結果、ミトコンドリア膜電位の低下をまねく。ミトコンドリア内膜の膜電位は約-180mVで、この値は細胞膜の約-90mVよりも低値となる。ミトコンドリア内膜の電子伝達系はミトコンドリア内膜を境界にした電気的勾配を作り出し、それを起電力にしてF1/F0ATPアーゼでADPをATPへと変換する。この膜電位の低下はATP産生能の低下を意味するものであり、細胞内のカルシウムイオンやナトリウムイオンの上昇はミトコンドリアのエネルギー産生能の低下を引き起こすことになる。
アデニル酸キナーゼ(AK)は、エネルギー代謝に必要不可欠の酵素で、マグネシウムイオンの存在下、ATPとADPから、ADPを2分子生成するリン酸転移反応を可逆的に触媒し、細菌
から哺乳動物まで広く存在する酵素である。哺乳動物には、AK1、AK2、AK3の3種類があり、AK1は細胞質に存在し、骨格筋、脳及び赤血球に見出される。AK2はミトコンドリア膜間スペースに、AK3はミトコンドリアマトリックスに存在し、肝臓や腎臓にみられる。
哺乳類の場合、通常細胞内のAMP濃度は、ATP濃度の約1/100、ADP濃度の約1/10程度でほぼ平衡に達しており、ATPが枯渇するより前にエネルギー産生を亢進させるネガティブフィードバック制御が、効果的に働くことになる。AKはATPが枯渇したときにATPを生成することで虚血による細胞死を抑制することが知られており、AK2虚血耐性遺伝子として低酸素/再酸素化ストレスにおいて細胞死抑制効果があることが分かってきている。
また、血流が乏しく低グルコースのような飢餓条件に暴露されると酸化的リン酸化にスイッチングが起こり、より効果的にATPを作り出すためにAMPキナーゼ(AMP依存性タンパク質キナーゼ)の活性が高まり適応を図るようになるが、AMPキナーゼはLKB1によってリン酸化されて活性化することが知られている。
ATPは膜輸送体のエネルギー源であり、イオン輸送性ATPアーゼやABC(ATP-Binding Cassette)輸送体により、イオン、アミノ酸やペプチドなどが輸送される。認知症との関連性が知られているアミロイドβの除去に関与する脳内HDL産生にはApoE及びABCA1が関与すること考えられており、ABCA1欠損によりアミロイドβの脳内沈着が加速することも報告されている(非特許文献1)ことから、アストロサイトで新生された未成熟なHDLにABC輸送体を介してコレステロールが取り込まれ成熟することにより、アミロイドβのクリアランス機能が向上すると考えられる。このように、アミロイドβもATP加水分解に依存して脳から排泄されるといえる。
それゆえに、神経細胞の活動が円滑に維持されるためには、細胞外のカリウムイオンを低濃度に保ち静止膜電位を深く維持する必要がある。そのためには、AKの賦活化或いはミトコンドリアにおけるATP生成低下を抑制することにより、細胞膜NaK-ATPアーゼなどのATPアーゼを活性化することが大切である。
一方、アルツハイマーのような認知症でみられる神経細胞死(アポトーシス)において、過剰なグルタミン酸によるNMDA受容体の過剰な活性化や細胞内カルシウムの急激な上昇が主要な原因であることがよく知られている。
このような過剰なグルタミン酸は、認知症でみられるような虚血での低酸素と低グルコースにより起こり得ることが示唆される。ATPが枯渇すると、ナトリウムポンプ活性が低下し、細胞内ナトリウムイオンが増加、細胞外カリウムイオンが増加し、膜電位の脱分極が生ずる。
ニューロンやアストロサイトのグルタミン酸トランスポーターは負の膜電位(細胞外ナトリウム高濃度)により促進されるので、細胞外カリウムイオンが増加して脱分極することにより、グルタミン酸トランスポーターの機能が低下し、グルタミン酸が細胞外に貯留することになる。また、脱分極により、電位依存性カルシウムチャネルからカルシウムイオンが細胞内に流入して、細胞内のカルシウム依存性プロテアーゼが活性化され、アポトーシスが起きる。
一方、細胞内のカルシウムイオンは、形質膜や小胞体に存在するCa-ATPアーゼ(Caポンプ)やNa-Ca交換輸送系により、定常的に低く抑えられている。ニューロンのエネルギー代謝の低下は、これらの機能も低下させる。カルシウムイオンの上昇がアポトーシスの直接的な原因となる。
それゆえに、カリウムイオンの恒常性維持は、認知症や総合失調症のような神経疾患の治療に重要である。
以上のように、正常な神経活動としてニューロンを維持し、記憶を成立させるべくニューロンの新生を行なうためには、脳内の神経細胞、毛細血管やアストロサイトからなる微小環境が重要ある。即ち、細胞外のカリウムイオンを低濃度に保ち静止膜電位を深く維持すること、そのためにはAKの賦活化或いはミトコンドリアにおけるATP生成低下を抑制することは、細胞外環境の恒常性を維持してアポトーシスを抑制する。即ち、ニューロンを保護することであり、認知症の予防や治療に有用であると考えられる。
例えば、認知症の治療薬としては、コリンエステラーゼ阻害薬、NMDA受容体拮抗薬やアミロイドβの産生・代謝に関与する酵素阻害薬及び免疫療法などが開発されてきている。例えば、軽度から中程度のアルツハイマー病に対しての第一選択薬はコリンエステラーゼ阻害薬の単剤使用であるが、副作用等により使用継続が困難であるか臨床効果がみられない場合は、別のコリンエステラーゼ阻害薬に変更したり、あるいはNMDA阻害薬の使用を考慮することが推奨されているが、これらは対症療法的な治療手段であるため、薬理効果と副作用のモニタリングを行いながら治療継続する必要がある。この治療反応性は、認知、ADL、行動など多角的な見地から評価されるべきものとされている。
一方、認知症の改善の目的で、脳血流を改善する方法が種々提案されており、例えば、脳血流を促進する物質として、イフェンプロジル、シンナリジン、ニセルゴリン、ビンポセチン、ビンカミン、エストロゲン、イチョウ葉、丹参などが知られているが、満足できる効果は得られていない。
また、脳血流を改善する手段として、人尿性キニナーゼを有効成分とする脳機能改善剤(特許文献1)、エンドセリン変換酵素阻害剤(特許文献2)、ムラサキイモ由来の血液循環改善剤(特許文献3)、イソロイシン、ロイシン及びバリンを有効成分とする医薬組成物(特許文献4)、コリンエステラーゼ阻害剤と加味温胆湯との併用(特許文献5)、アンジオテンシン2受容体阻害剤を有効成分とするアルツハイマー病の予防又は治療のための医薬(特許文献6)が提案されている。
また、脳虚血疾患の改善として、システインプロテアーゼインヒビター(特許文献7)、L−ブチルフタリド(特許文献8)が提案されている。また、神経伝達機能改善剤としてセレノシステイン含有タンパク質(特許文献9)、神経成長刺激としてRho−キナーゼ阻害剤(特許文献10)、細胞増殖因子(特許文献11)、NMDA受容体活性化のためグリシントランスポーター阻害剤(特許文献12)やシンナミド化合物の併用(特許文献13)、アミロイドβ抑制のための多価不飽和脂肪酸(特許文献14)、丹参由来成分(特許文献15)やリポタンパク質関連ホスホリパーゼA2阻害剤(特許文献16)が提案されている。しかし、これらの提案はいずれも根本的な治療手段ではないので、満足する効果が得られていないのが現状である。
AK賦活化は、神経細胞の細胞死を原因とする疾患、例えばアルツハイマー、認知症、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病等に有用と考えられるが、AK賦活化によりATP生成を促進し、細胞外カリウムイオンが生理的な状態より高濃度の条件で生じる神経細胞死を抑制する物質は知られていなかった。更に、このようなAK活性化やAK酵素タンパク質を増加させるAK賦活作用を有する物質は、神経細胞死を原因とする疾患以外にも、脳梗塞などの虚血性脳機能障害の予後に起きる脳神経細胞死、狭心症や心筋梗塞のような虚血性心疾患、虚血性大腸炎や虚血性視神経症などの虚血性疾患の治療や予防に有用であると考えられる。
また、AMPキナーゼは、蛋白合成、ミトコンドリア生合成、アポトーシス、オートファ
ジーといった多彩な機能に関わり、認知症、アルツハイマーに代表される神経変性疾患、糖尿病のような代謝疾患、癌、心疾患、脳卒中など多くの疾患との関わりも指摘されている(非特許文献2、3)。
特開平5−155781号公報 特開平9−12455号公報 特開2001−145471号公報 WO2005/072721号公報 特開2006−176503号公報 WO2009/001661号公報 特表2002−507579号公報 特表2007−518744号公報 特開2004−182616号公報 特表2005−525301号公報 WO2006/011600号公報 特開2009−185010号公報 特表2010−524844号公報 特表2009−502745号公報 特表2009−511467号公報 特表2010−526805号公報
Hirsch-Reinshagen等:J Biol. Chem., 280, 43243(2005) Gallagher E.J.等:Ann. N.Y. Acad. Sci.,1243,54(2011) Steinberg G. R.等:AMPK in Health and Disease. Physiol. Rev.,89(3), 1025(2009)
本発明は、細胞外カリウムイオンが滞留して生じる細胞死に対して、細胞内ATP不足を補い細胞死を抑制することにより、(1)神経細胞死を原因とするアルツハイマー、認知症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)等や、(2)脳梗塞などの虚血性脳機能障害の予後に起きる脳神経細胞死、(3)狭心症、心筋梗塞のような虚血性疾患、(4)糖尿病のような代謝疾患、(5)癌、(6)脳卒中の予防・治療に有効な物質を提供することを目的とする。
神経細胞の活動が円滑に維持されるためには、細胞外のカリウムイオンを低濃度に保ち静止膜電位を深く維持する必要がある。しかし、細胞外カリウムイオンが滞留して生じる細胞死に対して、細胞内ATP不足を補い細胞死を抑制する物質は知られていなかった。
そこで本発明者らは上記課題を解決するため鋭意研究を行ったところ、オイデスマン型セスキテルペノイド誘導体に、細胞外カリウムイオン濃度が上昇して生じる神経細胞死に対する抑制作用があることを見出した。
前記オイデスマン型セスキテルペノイド誘導体は、細胞外カリウムイオン濃度の上昇で生じる神経細胞死に対する抑制作用を有し、細胞外カリウムイオン濃度の上昇で起こるAT
P産生低下を抑制することが確認された。即ち、細胞外カリウムイオン濃度が上昇して起こるATP産生低下に対して、ATP不足を補い、それにより細胞外カリウムイオンを低濃度に保ち、細胞外にカリウムイオンが停滞して生じる細胞死を抑制する。これにより、神経細胞死を原因とするアルツハイマー、認知症、筋萎縮性側索硬化症や、脳梗塞などの虚血性脳機能障害の予後に起きる脳神経細胞死、狭心症、心筋梗塞のような虚血性心疾患、虚血性大腸炎や虚血性視神経症などの虚血性疾患、糖尿病のような代謝疾患、癌、脳卒中の予防・治療に有効であることが示唆された。
すなわち、本発明は、下記の一般式(1)、(2)又は(3)で示されるオイデスマン型セスキテルペノイド誘導体を有効成分とする高カリウム環境下での細胞死抑制組成物を提供する。





また、本発明は、前記オイデスマン型セスキテルペノイド誘導体が、アトラクチレノリドIII、アトラクチレノリドII、β−オイデスモール、アトラクチレノリドIのいずれか一つ以上である細胞死抑制組成物を提供する。
また、本発明は、前記組成物が、生薬または生薬エキスを有効成分とする細胞死抑制組成物を提供する。
また、本発明は、前記生薬が白朮又は蒼朮である細胞死抑制組成物を提供する。
また、本発明は、前記細胞死抑止組成物を有効成分とする細胞賦活剤を提供する。
また、本発明は、前記細胞死抑止組成物を有効成分とする細胞死に起因する疾患の治療剤を提供する。
また、本発明は、前記細胞死に起因する疾患が、アルツハイマー、認知症、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、脳梗塞、脳虚血性疾患、狭心症、心筋梗塞、虚血性心疾患、虚血性大腸炎、虚血性視神経症、虚血性疾患、代謝疾患、癌、脳卒中のいずれか一つ以上である治療剤を提供する。
本発明により神経細胞死を原因とするアルツハイマー、認知症、筋萎縮性側索硬化症や、脳梗塞などの虚血性脳機能障害の予後に起きる脳神経細胞死、狭心症、心筋梗塞のような虚血性心疾患、虚血性大腸炎や虚血性視神経症などの虚血性疾患、糖尿病のような代謝疾患、癌、脳卒中の予防及び治療に有効である細胞死抑制組成物を提供する。
細胞外電解質の神経細胞に対する影響(ATP産生量変化) 細胞外電解質の神経細胞に対する影響(細胞生存率変化) ATP生成量低下に対する生薬成分の効果 細胞生存率低下に対する生薬成分の効果 培養上清中AK活性に対する生薬成分の効果 高カリウム環境下でのATP産生量変化 高カリウム環境下での細胞生存率変化 高カリウム環境下での細胞外AK活性変化 ATP生成量低下に対する生薬成分の効果(1) ATP生成量低下に対する生薬成分の効果(2) ATP生成量低下に対する生薬成分の効果(3) ATP生成量低下に対する生薬成分の効果(4) PC細胞生存率低下に対する生薬成分の効果(1) PC細胞生存率低下に対する生薬成分の効果(2) PC細胞生存率低下に対する生薬成分の効果(3) PC細胞生存率低下に対する生薬成分の効果(4) 培養上清中AK活性に対する生薬成分の効果(1) 培養上清中AK活性に対する生薬成分の効果(2) 培養上清中AK活性に対する生薬成分の効果(3) 培養上清中AK活性に対する生薬成分の効果(4)
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の細胞死抑制剤の有効成分としては、オイデスマン型セスキテルペノイド誘導体(1)、(2)又は(3)を含むものであれば特に制限はない。
具体的には、オイデスマン型セスキテルペノイド誘導体の一般式(1)でRがHのアトラクチレノリドII、RがOHのアトラクチレノリドIII、一般式(2)のβ−オイデスモール、一般式(3)のアトラクチレノリドIを挙げることができる。
そして、オイデスマン型セスキテルペノイド誘導体のアトラクチレノリドI、アトラクチレノリドII、アトラクチレノリドIIIは生薬の白朮、β−オイデスモールは生薬の蒼朮を、それぞれ粉砕して得られる生薬末として使用することができる。
更に、原料生薬を極性または非極性溶媒を用いて常法によって抽出して得られる抽出液、濃縮液及び乾燥物のような生薬エキスとして使用することができる。抽出方法としては、加熱抽出、加温抽出、低温抽出などが挙げられる。また、抽出溶媒は、水の他に、エタノール、酢酸エチルやアセトンなどの有機溶媒が挙げられ、それらを単独で用いるか、または2種類以上を適宜混合して使用することができる。
具体的な生薬エキスの調製例としては、前記生薬をその重量に対して5〜25倍量、好ましくは8〜20倍量の水を加えて、通常80〜100℃で30分間〜2時間加熱してエキスを煎出し、熱水抽出分離することにより得られる。この熱水抽出液は、必要に応じて減圧濃縮して濃縮エキスとし、さらに、噴霧乾燥、減圧濃縮乾燥、凍結乾燥等により乾燥エキス粉末とすることもできる。
また、得られた濃縮エキスを、種々カラムクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等の適当な分離精製手段を用いて本発明の化合物を単離することもできる。
有効量は0.1pM以上であることが望ましい。経口剤としての有効量は、患者の年齢、体重、疾患の程度によって異なるが、通常成人で本発明の化合物として、0.1mg〜500mg、好ましくは1mg〜100mgを、1日数回に分けての服用が適当である。
このようにして得られたエキス粉末や本発明の化合物はそのままの形で使用することもできるが、通常、食品及び/又は医薬品に使用される通常の賦形剤(例えば、結晶セルロース、ショ糖脂肪酸エステル、白糖等)を加え、例えば、乾式造粒法或は湿式造粒法により造粒して製造し、このようにした造粒物をそのまま使用することもできるが、それらをさらに打錠機を用いた圧縮成形物として使用することもできる。
また、コンプライアンスの観点から服用性を改善するために被覆剤で被覆したフィルムコート剤とすることもできる。また、成分の安定性の点や簡単に摂取できる形態として、粉砕したものをそのまままた上記造粒物をハードカプセルやソフトカプセルに充填し摂取してもよい。
また、抽出したエキスや単離した本発明の化合物に、通常、液状の食品などに使用される甘味料、酸味料、乳化剤、フレーバー、分散助剤などの賦形剤を加えて溶解し、液体の形状として製造することもできる。
以上のような、内服固形の顆粒、錠剤、散剤、液剤の形態だけではなく、半固形状の形態のもの及び、水や湯などに溶解し液状にして用いることができる粉末状の形態などに加工することもできる。
以下、試験例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
(試験例1)細胞外電解質の神経細胞に対する影響について、次の試験により確認した。
すなわち、PC12細胞をKClによる脱分極後にグルタミン酸を添加したときのATP産生量及び細胞生存率の変化を調べた。
(試験方法)
1)神経前駆細胞及び培養
ラット副腎髄質由来褐色細胞腫PC12(独立行政法人理化学研究所 バイオリソースセンターより購入)は、1型コラーゲンでコートした100mmディッシュを用いて、1×106個/ディッシュとなるように播種し、10%熱不活性化ウマ血清及び10%熱不活性化ウシ胎児血清(FBS)を有し、抗生物質(100IU/mlのペニシリン及び100mg/mlのストレプトマイシン)を補足した10mlのDMEM(ダルベッコ変法イーグル培地)中で、5%CO2を含む湿気のある雰囲気中37℃に調整したインキュベーターにより維持した。約7日間でコンフルエントに達した。その間、2回の培地交換を行なった。
2)PC12細胞に対する脱分極剤KCl及び細胞死誘導剤グルタミン酸の添加の影響
PC12細胞をKClの添加により細胞外のカリウムイオン濃度を高めて脱分極をさせた後に、神経細胞興奮因子であるグルタミン酸(L-グルタミン酸)を添加することで細胞死を誘導させることが可能なKCl及びグルタミン酸の添加量の検討を行った。1型コラーゲンでコートした96ウェルプレートに、PC12細胞を1×104個/ウェルで播種し、一晩培養した。その後、各ウェルの培地を吸引し、血清無添加のDMEM培地で希釈した0〜70mMKClを100μl/ウェルずつ添加した。24時間後に、0〜30mMグルタミン酸を100μl/ウェルずつ添加し、ウェルの総量200μl/ウェルとした。そして、インキュベーター内にプレートを静置し、24時間後に細胞内ATP量と細胞生存率の測定を行った。
3)細胞内ATP量の測定
各ウェルから培養上清を150μlずつ抜き、50μl/ウェルずつATP反応試薬(Cell Titer-GloTM LuminescentCell ViabilityAssay、Promega社製)を添加した。添加後、遮光したプレートを2分間振盪させた後、10分間常温で静置した。その後、プレートをホワイトプレートに移し、ルミノメーター(Centro/CentroXS3 LB960、Berthold Technologys社製
)でルシフェラーゼ発光をATP量として測定した。尚、ATP量は培地のみを添加し試験を行った場合の発光率100%とした。
4)細胞生存率の測定
各ウェルから培養上清をアスピレーターで全て吸引し、DMEM培地で10倍に希釈したCCK8試薬を100μl/ウェル添加し、インキュベーターで4時間反応させた後、吸光度計(Multiskan Spectrum 、Thermo Fisher Scientific社製)で吸光度を測定した。尚、細胞生存率は培地のみを添加し試験を行った場合の細胞内ATP量を100%とした。
(試験結果)
結果を図1及び2に示す。細胞内ATP量は、10mMグルタミン酸のみの刺激に比べて、50mM以上の KClで処理した後にグルタミン酸刺激した方が、ATPの生成を強く抑制することが確認された。一方、細胞生存率は、10mM以上のグルタミン酸のみの刺激に比べて、50mM以上のKCl添加24時間後に10mM以上のグルタミン酸の添加で更に細胞生存率が低下した。以上から、50mMKClにて脱分極させた後に10mMグルタミン酸の添加でATP生成の抑制及び細胞死を誘導することが確認できた。尚、グルタミン酸添加により、培地のpHが低下するが、グルタミン酸20mM以下では細胞生存率に影響がないことを確認した。
以上の結果より、PC12細胞をKClによる脱分極後にグルタミン酸を添加したときのATP生成量及び細胞生存率の低下に対する効果の確認する試験方法として、PC12細胞を1×104個/ウェルで播種し、一晩培養後に、血清無添加DMEM培地を用い、55mMKClを100μl/ウェルずつ添加し、24時間後に10mMグルタミン酸を100μl/ウェルずつ添加し、その24時間後に細胞内ATP量及び細胞生存率の測定を行うこととした。
(試験例2)PC12細胞をKClによる脱分極後にグルタミン酸を添加したときのATP産生量及び細胞生存率の低下に対する本発明の各有効成分の効果を次の試験により確認した。
(試験方法)
1)神経前駆細胞及び培養
ラット副腎髄質由来褐色細胞腫PC12(独立行政法人理化学研究所 バイオリソースセンターより購入)は、1型コラーゲンでコートした100mmディッシュを用いて、1×106個/ディッシュとなるように播種し、10%熱不活性化ウマ血清及び10%熱不活性化ウシ胎児血清(FBS)を有し、抗生物質(100IU/mlのペニシリン及び100mg/mlのストレプトマイシン)を補足した10mlのDMEM(ダルベッコ変法イーグル培地)中で、5%CO2を含む湿気のある雰囲気中37℃に調整したインキュベーターにより維持した。約7日間でコンフルエントに達した。その間、2回の培地交換を行なった。
2)PC12細胞に対する脱分極剤KCl及び細胞死誘導剤グルタミン酸の添加の影響
1型コラーゲンでコートした96ウェルプレートに、PC12細胞を1×104個/ウェルで播種し、一晩培養した。その後、各ウェルの培地を吸引し、血清無添加のDMEM培地で希釈した110mMKClを50μl/ウェルと、同様の培地で希釈した本発明のるアトラクチレノリドIII(実施例1)、β−オイデスモール(実施例2)、パキマ酸(参考例3)、デヒドロパキマ酸(参考例3)の試料溶液を50μl/ウェルずつ添加した(培養液中カリウムイオン濃度は55mM)。
24時間後に、20mMグルタミン酸を100μl/ウェルずつ添加し、ウェルの総量200μl/ウェルとした(培養液中グルタミン酸濃度は10mM)。そして、インキュベーター内にプレートを静置し、24時間後に細胞内ATP量と細胞生存率、上清中のアデニル酸キナーゼ活性の測定を行った。
3)細胞内ATP量の測定
各ウェルから培養上清を150μlずつ抜き、50μl/ウェルずつATP反応試薬(Cell Titer-GloTM Luminescent Cell Viability Assay、Promega社製)を添加した。添加後、遮光したプレートを2分間振盪させた後、10分間常温で静置し、ルミノメーター(Centro/CentroXS3 LB960、Berthold Technologys社製)でルシフェラーゼ発光をATP量として測定した。尚、ATP量は培地のみを添加し試験を行った場合の発光率100%とした。
4)細胞生存率の測定
各ウェルから培養上清をアスピレーターで全て吸引し、DMEM培地で10倍に希釈したCCK8試薬を100μl/ウェル添加し、インキュベーターで4時間反応させた後、吸光度計(Multiskan Spectrum 、Thermo Fisher Scientific社製)で吸光度を測定した。尚、細胞生存率は培地のみを添加し試験を行った場合の細胞内ATP量を100%とした。
5)AK活性の測定
各ウェルから培養上清を20μlずつホワイトプレートに移した後にルミノメーター(Centro/CentroXS3 LB 960、Berthold Technologies社製)に設置し、オートインジェクターで各ウェルに50μlずつ AK Detection Reagent(ToxiLight BioAssay Kit、LONZA社製)を添加した。5分間静置後、ルミノメーターでルシフェラーゼ発光をAK活性として測定した。尚、AK活性は培地のみを添加し試験を行った場合のAK活性を100%とした。
(試験結果)
結果を図3〜5に示す。PC12細胞は55mMKClによる脱分極下、10mMグルタミン酸の添加によりATPの産生が低下し細胞死が誘導されたが、10 nM〜100μMのアトラクチレノリドIII、β-オイデスモール、パキマ酸及びデヒドロパキマ酸を添加することにより、ATP量の低下抑制作用が認められ、CCK8による細胞生存率が110〜120%増加した。
一方、培養上清中のAK活性については、濃度依存的に有意に増加し、特にデヒドロパキマ酸が顕著であった。このAK活性の増加は、各成分添加で細胞死が増えていないことから、AK酵素タンパクが増加したことによる結果であることが示唆される。
(試験例3)細胞外電解質の神経細胞に対する影響について、次の試験により確認した。
すなわち、PC12細胞にKClを添加したときのATP産生量及び細胞生存率、細胞外AK活性の変化を調べた。
(試験方法)
1)神経前駆細胞及び培養
ラット副腎髄質由来褐色細胞腫PC12(独立行政法人理化学研究所 バイオリソースセンターより購入)は、1型コラーゲンでコートした100mmディッシュを用いて、1×106個/ディッシュとなるように播種し、10%熱不活性化ウマ血清及び10%熱不活性化ウシ胎児血清(FBS)を有し、抗生物質(100IU/mlのペニシリン及び100mg/mlのストレプトマイシン)を補足した10mlのDMEM(ダルベッコ変法イーグル培地)中で、5%CO2を含む湿気のある雰囲気中37℃に調整したインキュベーターにより維持した。約7日間でコンフルエントに達した。その間、2回の培地交換を行なった。
2)PC12細胞に対するKClの添加の影響
PC12細胞に対して細胞死誘導に適したKCl添加量の検討を行った。1型コラーゲンでコートした96ウェルプレートに、PC12細胞を1×104個/ウェルで播種し、一晩培養した。その後、各ウェルの培地を吸引し、血清無添加のDMEM培地で希釈した0〜100mMKClを100μl/ウェルずつ添加した。そして、インキュベーター内にプレートを静置し、24時間後に細胞内ATP量と細胞生存率の測定を行った。
3)細胞内ATP量の測定
各ウェルから培養上清を100μlずつ抜き、50μl/ウェルずつDMEM培地を加えた後、50μl/ウェルずつATP反応試薬(Cell Titer-GloTM LuminescentCell ViabilityAssay、Promega社製)を添加した。添加後、遮光したプレートを2分間振盪させた後、10分間常温で静置した。その後、ルミノメーター(Centro/CentroXS3 LB960、Berthold Technologys社製)でルシフェラーゼ発光をATP量として測定した。尚、ATP量は培地のみを添加し試験を行った場合の発光率100%とした。
4)細胞生存率の測定
各ウェルから培養上清をアスピレーターで全て吸引し、DMEM培地で10倍に希釈したCCK8試薬を100μl/ウェル添加し、インキュベーターで4時間反応させた後、吸光度計(Multiskan Spectrum 、Thermo Fisher Scientific社製)で吸光度を測定した。尚、細胞生存率は培地のみを添加し試験を行った場合の細胞内ATP量を100%とした。
5)AK活性の測定
各ウェルから培養上清を20μlずつホワイトプレートに移した後にルミノメーター(Centro/CentroXS3 LB 960、Berthold Technologies社製)に設置し、オートインジェクターで各ウェルに50μlずつ AK Detection Reagent(ToxiLight BioAssay Kit、LONZA社製)を添加した。5分間静置後、ルミノメーターでルシフェラーゼ発光をAK活性として測定した。尚、AK活性は培地のみを添加し試験を行った場合のAK活性を100%とした。
(試験結果)
結果を図6〜8に示す。細胞内ATP量は、55mM以上の KCl添加でATPの生成を顕著に低下した。また細胞生存率は、70mM以上のKCl添加で細胞生存率が顕著に低下した。一方、AK活性は90mM以上のKCl添加でAK活性が顕著に増加した。
以上から、70mMKCl添加でATP生成の抑制及び細胞死の誘導、AK活性の増加を確認できた。以上の結果より、PC12細胞に対してKClを添加したときのATP生成量及び細胞生存率の低下に対する効果を確認する試験方法として、PC12細胞を1×104個/ウェルで播種する。続いて、一晩培養後に、血清無添加DMEM培地を用い、70mMKClを100μl/ウェルずつ添加し、24時間後に被験試料を添加し細胞内ATP量、CCK8による細胞生存率及び上清中のAK活性の測定を行うこととした。
(試験例4)PC12細胞へKClを添加したときのATP産生量及び細胞生存率の低下に対する本発明の各有効成分の効果を次の試験により確認した。
(試験方法)
1)神経前駆細胞及び培養
ラット副腎髄質由来褐色細胞腫PC12(独立行政法人理化学研究所 バイオリソースセンターより購入)は、1型コラーゲンでコートした100mmディッシュを用いて、1×106個/ディッシュとなるように播種し、10%熱不活性化ウマ血清及び10%熱不活性化ウシ胎児血清(FBS)を有し、抗生物質(100IU/mlのペニシリン及び100mg/mlのストレプトマイシン)を補足した10mlのDMEM(ダルベッコ変法イーグル培地)中で、5%CO2を含む湿気のある雰囲気中37℃に調整したインキュベーターにより維持した。約7日間でコンフルエントに達した。その間、2回の培地交換を行なった。
2)PC12細胞に対するKCl添加による細胞死に対する抑制効果
1型コラーゲンでコートした96ウェルプレートに、PC12細胞を1×104個/ウェルで播種し、一晩培養した。その後、各ウェルの培地を吸引し、血清無添加の70mMKCl 添加DMEM培地で希釈した本発明のアトラクチレノリドI(Stanford Materials company社より購入)、アトラクチレノリドII(Stanford Materials company社より購入)、アトラクチレノリドIII(実施例1)、パキマ酸(参考例3)、デヒドロパキマ酸(参考例3)、β−オ
イデスモール(実施例2)、リグスチリド(参考例4)、アリソールA(和光純薬工業社より購入)、ギンセノシド Rg1(参考例5)、エルゴステロール(和光純薬工業社より購入)の試料溶液を100μl/ウェルずつ添加した(培養液中カリウムイオン濃度は70mM)。24時間後に細胞内ATP量と細胞生存率、上清中のアデニル酸キナーゼ活性の測定を行った。
3)細胞内ATP量の測定
各ウェルから培養上清を100μlずつ抜き、50μl/ウェルずつDMEM培地を加えた後、50μl/ウェルずつATP反応試薬(Cell Titer-GloTM Luminescent Cell Viability Assay、Promega社製)を添加した。添加後、遮光したプレートを2分間振盪させた後、10分間常温で静置し、ルミノメーター(Centro/CentroXS3 LB960、Berthold Technologys社製)でルシフェラーゼ発光をATP量として測定した。尚、ATP量は培地のみを添加し試験を行った場合の発光率100%とした。
4)細胞生存率の測定
各ウェルから培養上清をアスピレーターで全て吸引し、DMEM培地で10倍に希釈したCCK8試薬を100μl/ウェル添加し、インキュベーターで4時間反応させた後、吸光度計(Multiskan Spectrum 、Thermo Fisher Scientific社製)で吸光度を測定した。尚、細胞生存率は培地のみを添加し試験を行った場合の細胞内ATP量を100%とした。
5)AK活性の測定
各ウェルから培養上清を20μlずつホワイトプレートに移した後にルミノメーター(Centro/CentroXS3 LB 960、Berthold Technologies社製)に設置し、オートインジェクターで各ウェルに50μlずつ AK Detection Reagent(ToxiLight BioAssay Kit、LONZA社製)を添加した。5分間静置後、ルミノメーターでルシフェラーゼ発光をAK活性として測定した。尚、AK活性は培地のみを添加し試験を行った場合のAK活性を100%とした。
(試験結果)
結果を図9〜20に示す。PC12細胞は70mMKClの添加によりATPの産生が低下し細胞死が誘導されるが、0.1pM〜100nMのアトラクチレノリドI、アトラクチレノリドII、アトラクチレノリドIII、パキマ酸、デヒドロパキマ酸、β−オイデスモール、リグスチリド、アリソールA、ギンセノシド Rg1、エルゴステロールを添加することにより、ATP量の有意な低下抑制作用が認められ、CCK8による細胞生存率も有意に増加した。一方、培養上清中のAK活性も増加したが、細胞賦活化による細胞増殖が促進した結果であると推察される。
以下に、実施例および参考例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1(アトラクチレノリドIII)
粉末化した白朮1kgにメタノールを5L加え、室温で24時間抽出し、ろ過後抽出液を得た。更に、残渣にメタノール3Lを加え、同様に室温24時間して抽出液を得た。これら抽出液を合わせて、減圧濃縮し、白朮抽出エキスを得た。このエキスをヘキサンで抽出し、ヘキサン画分約50gを得た。この画分10gをシリカゲルカラムを用い、ヘキサン/酢酸エチル(100:0→0:100)及びメタノールで順次溶出した。TLCによりアトラクチレノリドIIIが確認された画分約2gについてヘキサンで再結晶すると、アトラクチレノリドIII(350mg)を得た。
実施例2(β−オイデスモール)
粉末化した蒼朮1kgにエタノールを5L加え、室温で24時間抽出し、ろ過後抽出液
を得た。更に、残渣にエタノール3Lを加え、同様に室温24時間抽出後ろ過して抽出液を得た。これら抽出液を合わせて、減圧濃縮し、蒼朮抽出エキスを得た。このエキスを酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル画分約30gを得た。この画分10gをシリカゲルカラムを用い、ジエチルエーテル/酢酸エチル(100:2→100:100)で順次溶出し、TLCによりβ−オイデスモールが確認された画分を回収して、β−オイデスモール(180mg)を得た。
参考例3(デヒドロパキマ酸及びパキマ酸)
粉末化した茯苓5kgにメタノールを加えて3時間加熱還流抽出し、ろ過後、抽出液を減圧濃縮し、茯苓抽出エキスを得た。このエキスをシリカゲルカラムを用い、クロロホルム/メタノール(1:0→1:1)で順次溶出した。次に、所望の画分を90%メタノール溶液を溶媒として、逆相系分取高速液体クロマトグラフィーを繰り返し付し、デヒドロパキマ酸(50mg)、パキマ酸(200mg)を得た。
参考例4(リグスチリド)
粉末化したセンキュウ5kgをエタノール25Lに5日間放置し、ろ過後、抽出液を減圧乾燥した。抽出物を水に懸濁し酢酸エチル3Lにて抽出し、酢酸エチル画分を減圧乾燥し、センキュウ抽出エキスを得た。このエキスをシリカゲルカラムを用い、n−ヘキサン/酢酸エチル混液(3:1)を用い、TLCによりリグスチリドが確認された画分を回収して、リグスチリド(1500mg)を得た。
参考例5(ギンセノシドRg1)
粉末化した人参5kgをメタノール5Lで加熱抽出し、ろ過後、抽出液を減圧乾燥した。抽出物を水3Lに懸濁し、水飽和ブタノールILで抽出し、減圧乾燥して、人参抽出エキスを得た。このエキスをシリカゲルカラムを用い、クロロホルム/メタノール/水混液(65:35:10)下層を用い、TLCによりリグスチリドが確認された画分を回収して、ギンセノシドRg1(100mg)を得た。
実施例6(アトラクチレノリドIII含有の白朮抽出エキス)
白朮100gに精製水を1L加え、100℃で1時間加熱してエキスを煎出し、熱時抽出液を分離し、凍結乾燥したエキス41.5gを得た。
実施例7(β−オイデスモール含有の蒼朮抽出エキス)
蒼朮100gに精製水を1L加え、100℃で1時間加熱してエキスを煎出し、熱時抽出液を分離し、凍結乾燥したエキス41.4gを得た。
参考例8(デヒドロパキマ酸及びパキマ酸含有の茯苓抽出エキス)
茯苓160gに精製水を1.6L加え、100℃で1時間加熱してエキスを煎出し、熱時抽出液を分離し、凍結乾燥したエキス3.6gを得た。
実施例9(顆粒剤)
白朮抽出エキス(実施例6) 1380g
ヒドロキシプロピルセルロース 70g
乳糖 1050g
合計 2500g
(製造方法)
上記の各成分を混合し、その混合物を常法により顆粒とし、2.5gずつに分包して実施例9の顆粒剤を得た。
実施例10(顆粒剤)
アトラクチレノリドIII(実施例1) 30g
ヒドロキシプロピルセルロース 70g
乳糖 7397g
合計 7500g
(製造方法)
上記の各成分を混合し、その混合物を常法により顆粒とし、2.5gずつに分封して実施例10の顆粒剤を得た。
参考例11(錠剤)
デヒドロパキマ酸(参考例3) 50g
結晶セルロース 200g
乳糖 590g
クロスカルメロースナトリウム 100g
含水二酸化ケイ素 50g
ステアリン酸マグネシウム 10g
小 計 1000g
(製造方法)
「日局」製剤総則、錠剤の項に準じて錠剤を製する。すなわち上表に記載の、デヒドロパキマ酸からステアリン酸マグネシウムまでの成分をとり、一錠重量200mgの参考例11の錠剤を得た。
実施例12(液剤)
蒼朮抽出エキス(実施例7) 4100g
白糖 8000g
精製水 残 量
合計 90kg
(製造方法)
上記成分に精製水を加えて加熱溶解し、冷後、精製水を加えて全量90kgとする。この液を30gずつ容器に分注し、締栓後、加熱殺菌し実施例12の液剤を得た。
参考例13(エルゴステロール含有の猪苓末顆粒剤)
猪苓末 4500g
ヒドロキシプロピルセルロース 225g
乳糖 2775g
合計 7500g
(製造方法)
上記の各成分を混合し、その混合物を常法により顆粒とし、2.5gずつに分封して参考例13の顆粒剤を得た。
参考例14(アリソールA含有の沢瀉末顆粒剤)
沢瀉末 3000g
ヒドロキシプロピルセルロース 200g
乳糖 4300g
合計 7500g
(製造方法)
上記の各成分を混合し、その混合物を常法により顆粒とし、2.5gずつに分封して参考例14の顆粒剤を得た。

Claims (4)

  1. トラクチレノリドIII、アトラクチレノリドII、アトラクチレノリドIのいずれか一つ以上からなる神経細胞死抑制用剤
  2. アトラクチレノリドIII、アトラクチレノリドII、アトラクチレノリドIのいずれか一つ以上からなる神経細胞賦活剤。
  3. アトラクチレノリドIII、アトラクチレノリドII、アトラクチレノリドIのいずれか一つ以上からなる神経細胞死に起因する疾患の治療剤。
  4. 前記神経細胞死に起因する疾患が、アルツハイマー、認知症、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、脳梗塞、脳虚血性疾患、虚血性視神経症、脳卒中のいずれか一つ以上である請求項3に記載の治療剤。
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