JP6087212B2 - 蒸発装置 - Google Patents

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本発明は、蒸発炉及びそれを備えた蒸発装置に関する。
従来、被処理物の表面に蒸発材料を堆積または成膜する方法として、例えば下記特許文献1に記載されるように、真空容器内において蒸発材料にプラズマ照射を行うことによって蒸発材料を蒸発させてイオン化し、被処理物の表面にイオン化した蒸発材料を付着させて堆積または成膜するRPD法(反応性プラズマ蒸着法:Reactive Plasma Deposition法)が知られている。
特開2006−348318号公報
ここで、RPD法では、例えばプラズマビームの照射により蒸発材料に電流を流し、蒸発材料を直接的に加熱蒸発させる場合がある。この場合、電気伝導率の低い材料や絶縁材料等を蒸発材料として用いる際には、蒸発材料に電流が流れにくいことから当該蒸発材料が蒸発しにくいことが懸念される。
この点、プラズマビームの照射により、真空容器内にて蒸発材料を保持するハース機構に電流を流して加熱し、この熱をハース機構から蒸発材料に伝熱させて加熱蒸発させることも考えられる。しかし、このようにハース機構から蒸発材料に伝熱させる場合、例えば蒸発材料においてハース機構との距離が遠い部分(特に材料中心部)へ十分に伝熱されないこと等のため、蒸発材料の一部が残存してしまうおそれがあった。
そこで本発明は、蒸発材料の残存可能性を低減できる蒸発炉及びそれを備えた蒸発装置を提供することを課題とする。
本発明に係る蒸発炉は、反応性プラズマ蒸着法において蒸発材料を蒸発させる際に用いられる蒸発炉であって、蒸発材料が挿入される挿入部と、挿入部を画成する本体部と、を備え、本体部の電気伝導率は、蒸発材料の電気伝導率よりも高くされ、本体部の融点は、蒸発材料の蒸発温度よりも高くされ、本体部は、蒸発材料の挿入方向から見て挿入部よりも内側に位置する部分を有することを特徴とする。
この本発明の蒸発炉では、蒸発材料の電気伝導率よりも電気伝導率が高い本体部の少なくとも一部が、挿入方向から見て蒸発材料が挿入される挿入部よりも内側に位置する部分を有するため、その外側だけでなく内側からも蒸発材料へ伝熱させることが可能になる。また、本体部の融点は、蒸発材料の蒸発温度よりも高いことから、蒸発材料の蒸発時に本体部が溶融することを抑制できる。また、本体部と蒸発材料とが当接する領域が増加することになり、より効率的に本体部から蒸発材料に伝熱させることが可能となる。さらに、このような構成の蒸発炉を用いることから、蒸発材料内でハース機構などの加熱部品との距離が遠い部分が、蒸発炉を用いない場合よりも減少する。従って、本発明によれば、蒸発材料の残存可能性を低減できる。
また、本体部は、挿入方向から見て挿入部よりも外側に位置する部分をさらに有していてもよい。これにより、本体部と蒸発材料との当接領域がさらに増えることになり、より効率的に本体部から蒸発材料に伝熱させることが可能となる。
ここで、本発明に係る蒸発炉の一態様として、挿入部は、挿入方向に沿って貫通する少なくとも一つの貫通孔を有していてもよい。このとき、貫通孔は複数形成されていると共に、挿入方向から見て本体部の中心周りに並設されていてもよい。
また、本発明に係る蒸発炉の一態様として、本体部は、挿入方向に沿って延在する第1柱状部を有し、挿入部は、第1柱状部と同軸の筒孔を有していてもよい。
また、本発明に係る蒸発炉の一態様として、本体部は、挿入方向に沿って延在する複数の第2柱状部を有し、挿入部は、複数の第2柱状部の周囲空間として画成されていてもよい。
また、本発明に係る蒸発装置は、上記蒸発炉と、蒸発材料または蒸発炉の少なくとも一方と当接するハース機構と、を備えることを特徴とする。この蒸発装置においても、上記蒸発炉により、蒸発材料の残存可能性を低減できるという作用効果が奏される。
本発明によれば、蒸発材料の残存可能性が低減することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る蒸発炉を備えた成膜装置の断面図である。 図1の蒸発炉を示す斜視図である。 図1の蒸発炉の第1変形例を示す斜視図である。 図1の蒸発炉の第2変形例を示す斜視図である。 図1の蒸発炉の第3変形例を示す斜視図である。 図1の蒸発炉の第4変形例を示す斜視図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る一実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明において同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る蒸発炉を備えた成膜装置の断面図である。本実施形態では、蒸発炉を備えて行うRPD法の例として、イオンプレーティング法の実施に用いられる蒸発装置の一つである成膜装置を説明する。イオンプレーティング法とは、蒸発させた成膜材料(蒸発材料)を真空容器内に拡散させて、成膜対象物の表面に成膜材料を付着させることにより成膜を行う方法である。
なお、説明の便宜上、図1には、XYZ座標系を示す。Y軸方向は、後述する成膜対象物が搬送される方向である。X軸方向は、成膜対象物と後述するハース機構とが対向する方向である。Z軸方向は、X軸方向とZ軸方向とに直交する方向である。
図1に示すように、本実施形態の成膜装置1は、成膜対象物11の板厚方向が水平方向となるように、成膜対象物11を直立または直立させた状態から傾斜した状態で、成膜対象物11が真空チャンバー10内に配置されて搬送される、いわゆる縦型の成膜装置である。この場合には、X軸方向は水平方向且つ成膜対象物の板厚方向であり、Y軸方向は水平方向であり、Z軸方向は鉛直方向となる。一方、成膜装置1の一実施形態では、成膜対象物11の板厚方向が略鉛直方向となるように成膜対象物11が真空チャンバー10内に配置されて搬送されるいわゆる横型の成膜装置であってもよい。この場合には、Z軸及びY軸方向は水平方向であり、X軸方向は鉛直方向且つ板厚方向となる。なお、以下、縦型の場合を例に説明する。
本実施形態の成膜装置1は、ハース機構2、搬送機構3、輪ハース6、プラズマ源7、圧力調整装置8、及び真空チャンバー10を備えている。また、ハース機構2は、蒸発炉100を保持している。
真空チャンバー10は、成膜材料Maの膜が形成される成膜対象物11を搬送するための搬送室10aと、成膜材料Maを拡散させる成膜室10bと、プラズマ源7から照射されるプラズマビームPを真空チャンバー10に受け入れるプラズマ口10cとを有している。搬送室10a、成膜室10b、及びプラズマ口10cは互いに連通している。搬送室10aは、所定の搬送方向(図中の矢印A)に(Y軸に)沿って設定されている。また、真空チャンバー10は、導電性の材料からなり接地電位に接続されている。
搬送機構3は、成膜材料Maと対向した状態で成膜対象物11を保持する成膜対象物保持部材16を搬送方向Aに搬送する。搬送機構3は、搬送室10a内に設置された複数の搬送ローラ15によって構成されている。搬送ローラ15は、搬送方向Aに沿って等間隔に配置され、成膜対象物保持部材16を支持しつつ搬送方向Aに搬送する。なお、成膜対象物11は、例えばガラス基板やプラスチック基板などの板状部材が用いられる。
プラズマ源7は、圧力勾配型であり、その本体部分が成膜室10bの側壁に設けられたプラズマ口10cを介して成膜室10bに接続されている。プラズマ源7は、真空チャンバー10内でプラズマビームPを生成する。プラズマ源7において生成されたプラズマビームPは、プラズマ口10cから成膜室10b内へ出射される。プラズマビームPは、プラズマ口10cに設けられたステアリングコイル(図示せず)によって出射方向が制御される。
圧力調整装置8は、真空チャンバー10に接続され、真空チャンバー10内の圧力を調整する。圧力調整装置8は、例えば、ターボ分子ポンプやクライオポンプ等の減圧部と、真空チャンバー10内の圧力を測定する圧力測定部とを有している。
ハース機構2は、蒸発炉100を保持するための機構である。ハース機構2は、真空チャンバー10の成膜室10b内に設けられ、搬送機構3から見てX軸方向の負方向に配置されている。ハース機構2は、プラズマ源7から出射されたプラズマビームPを蒸発炉100及び成膜材料Maに導く主陽極、またはプラズマ源7から出射されたプラズマビームPが導かれる主陽極である主ハース17を有している。
主ハース17は、X軸方向の正方向に延びた筒状であって、蒸発炉100を保持する保持部17aと、保持部17aから突出したフランジ部17bとを有している。主ハース17は、真空チャンバー10が有する接地電位に対して正電位に保たれているため、プラズマビームPを吸引する。そして、蒸発炉100の先端部分が、この保持部17aの一端において成膜室10bに露出している。
輪ハース6は、プラズマビームPを誘導するための電磁石を有する補助陽極である。輪ハース6は、蒸発炉100を保持する主ハース17の保持部17aの周囲に配置されている。輪ハース6は、環状のコイル9と環状の永久磁石部20と環状の容器12とを有し、コイル9及び永久磁石部20は容器12に収容されている。輪ハース6は、コイル9に流れる電流の大きさに応じて、蒸発炉100及び成膜材料Maに入射するプラズマビームPの幅・太さ、または、主ハース17に入射するプラズマビームPの幅・太さを制御する。また、永久磁石部20は、所望の膜厚分布を得ることができるように、磁力の調整を行い易い構造となっていてもよい。
蒸発炉100は、プラズマビームPの照射により電流が流れることで加熱される炉である。蒸発炉100は、X軸方向に沿う中心軸を有する柱状の炉であり、上述のように主ハース17の保持部17aによって保持されている。蒸発炉100は、X軸方向に沿って貫通する挿入部102を有しており、この挿入部102に成膜材料Maが充填される。本実施形態においては、挿入部102は複数の貫通孔110を有するが、貫通孔110は一つでもよい。なお、蒸発炉100の具体的構成については、後述する。
成膜材料(蒸発材料)Maには、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸化マグネシウムなどの絶縁封止材料が例示される。成膜材料Maが絶縁性物質や電気伝導率の低い材料からなる場合、主ハース17及び蒸発炉100にプラズマビームPが照射されると、プラズマビームPからの電流によって主ハース17及び蒸発炉100が加熱される。発生した熱が成膜材料Maに伝熱されることにより、成膜材料Maの先端部分が蒸発し、プラズマビームPによりイオン化された成膜材料粒子Mbが成膜室10b内に拡散する。成膜室10b内に拡散した成膜材料粒子Mbは、成膜室10bのX軸正方向へ移動し、搬送室10a内において成膜対象物11の表面に付着する。
成膜材料Maは、蒸発炉100の挿入部102の形状に倣って成形された固体物であり、蒸発炉100の挿入部102に充填される。そして、最先端側の成膜材料Maの先端部分が主ハース17の上端との所定の位置関係を保つように、成膜材料Maの消費に応じて、成膜材料Maがハース機構2のX負方向側(主ハース17の下端側)から順次押し出される。
上述のように、蒸発炉100がプラズマビームPの照射により加熱されることによって、当該蒸発炉100から挿入部102に充填された成膜材料Maに伝熱される。蒸発炉100は、成膜材料Maよりも電気伝導率が高い材料を用いて形成されている。加えて、成膜材料Maの蒸発温度よりも高い融点である材料を用いて形成されている。このような特性を有する材料として、例えばタングステンやタンタル及びその窒化物が挙げられる。これらの材料を用いて蒸発炉100を形成することによって、成膜材料Maの蒸発時に蒸発炉100が溶融することが抑制できる。さらに、蒸発炉100はハース機構2に対し着脱可能となっており、これにより例えば、蒸発炉100をハース機構2から取り外して洗浄をすることで、何度でも再利用することができる。もしくは、蒸発炉100の挿入部102に充填された成膜材料Maが全て蒸発した後、蒸発炉100をハース機構2から取り外し、蒸発炉100を使い捨てとしてもよい。
なお、成膜材料Maが蒸発炉100に用いられる材料よりも電気伝導率が低い材料であれば、ITOやZnOなどの透明導電材料や他の電気伝導率が高い材料を成膜材料Maとして用いることもできる。成膜材料Maが電気伝導率が高い材料からなる場合、プラズマビームPが照射されると、プラズマビームPが蒸発炉100だけでなく成膜材料Maにも直接入射し成膜材料Maが加熱される。つまり、成膜材料Maは蒸発炉100からの伝熱だけでなく、自身がプラズマビームPにより加熱されることで蒸発する。そして、プラズマビームPによりイオン化された成膜材料粒子Mbが成膜室10b内に拡散される。
次に、図2を参照しながら、本実施形態に係る蒸発炉100の詳細な構成について説明する。図2は、図1に示される成膜装置1にて備えられている蒸発炉100の斜視図である。図2に示すように、蒸発炉100は、本体部101と、成膜材料Maが充填される挿入部102と、を有する。
本体部101は、円柱状であり、挿入部102を画成している。本体部101は、成膜材料Maの挿入方向(X軸方向)から見て複数の貫通孔110よりも内側に位置する部分を有する。本体部101は、プラズマビームPが照射されて電流が流れることによって、加熱される部分である。本体部101は、上述のように成膜材料Maよりも電気伝導率が高く、成膜材料Maの蒸発温度よりも高い融点である材料を用いて形成されている。本体部101の融点は、成膜材料Maの蒸発温度よりも高いことから、成膜材料Maの蒸発時に本体部101が溶融することを抑制できる。
挿入部102は、成膜材料Maが挿入されると共に成膜材料Maを保持する部分である。挿入部102は、図2に示すように、本体部101の軸方向に沿って貫通する複数の貫通孔110を有する。複数の貫通孔110の各々は断面円形であり、挿入方向から見て本体部101の中心周りに並設されている。すなわち、複数の貫通孔110を画成する本体部101は、挿入方向から見て挿入部102よりも内側に存在する部分を有しており、蓮状に形成されている。なお、ここでの断面円形には、円形に限らず楕円形や円に近い形状も含まれる。
挿入部102によって保持される成膜材料Maは、貫通孔110の形状に倣うように成形されている。つまり、成膜材料Maは、貫通孔110に隙間なく充填されるように成形されている。
以上、このような構成の蒸発炉100を用いることから、成膜材料Maの電気伝導率よりも電気伝導率が高い本体部101が、挿入方向から見て成膜材料Maが挿入される挿入部102よりも内側に位置する部分を有することとなる。すなわち、本体部101には、成膜材料Maが挿入される挿入部102よりも軸方向内側(本体部101の断面径方向の内側)に位置する部分が設けられることとなる。これによって、蒸発炉100の内側から成膜材料Maに伝熱させることが可能になる。また、本体部101と成膜材料Maとが当接する領域が増加するため、より効率的に本体部101から成膜材料Maに伝熱されることが可能となる。さらに、このような構成の蒸発炉100を用いることから、成膜材料Ma内で加熱部品との距離が遠い部分が、蒸発炉100を用いない場合よりも減少する。従って、蒸発炉100によれば、成膜材料Maの残存可能性を低減できる。
また、本体部101は、挿入方向から見て挿入部102よりも外側に位置する部分をさらに有する。すなわち、本体部101には、成膜材料Maが挿入される挿入部102よりも軸方向外側(本体部101の断面径方向の外側)に位置する部分が設けられる。これによって、蒸発炉100の外側からも成膜材料Maに好適に伝熱させることが可能になる。従って、本体部101と成膜材料Maとの当接領域がさらに増加し、より効率的に本体部101から成膜材料Maに伝熱させることが可能となる。
図3は、図1の蒸発炉100の第1変形例を示す斜視図である。図3に示すように、蒸発炉200は、本体部201と、成膜材料Maが充填される挿入部202と、を有する。本体部201は、円柱状であり、上記本体部101と同じ材料を用いて形成される。
挿入部202は、本体部201の軸方向に沿って貫通する複数の貫通孔210を有している。図2に示される蒸発炉100と異なり、複数の貫通孔210の一は、挿入方向から見て本体部201の中心に位置するように、本体部201によって画成されている。
以上、このような構成の蒸発炉200を用いても、成膜材料Maの電気伝導率よりも電気伝導率が高い本体部201が、挿入方向から見て成膜材料Maが挿入される挿入部202よりも内側に存在する部分を有することから、蒸発炉200の外側だけでなく内側からも成膜材料Maに伝熱させることが可能になる。また、このような構成の蒸発炉200を用いることから、成膜材料Ma内で加熱部品との距離が遠い部分が、蒸発炉200を用いない場合よりも減少する。従って、成膜材料Maの残存可能性を低減できるという上記作用効果が奏される。さらに、本体部201と成膜材料Maとが当接する領域が一層増加させることができ、より効率的に本体部201から成膜材料Maに伝熱されることが可能になる。
図4は、図1の蒸発炉100の第2変形例を示す斜視図である。図4に示すように、蒸発炉300は、本体部301及び挿入部302を有する。本体部301は、円柱状であり、上記本体部101と同じ材料を用いて形成される。
挿入部302は、本体部301の周囲空間として画成され、本体部301と同軸の筒孔310を有する。成膜材料Maは、画成された挿入部302の形状に倣うように筒状に成形され、本体部301の周囲を覆いながら、本体部301と当接する。従って、本体部301は、挿入方向から見て挿入部302よりも内側に存在する。
なお、成膜材料Maは、例えば、複数に分割されて成形され、これらを組み合わせた形状が筒孔310の形状に倣うような形状であってもよい。このように、組み合わせて成る成膜材料Maを用いることで、挿入部202の形状が複雑であっても、挿入部202への成膜材料Maの挿入をスムーズに行うことができる(上記または下記に示される成膜材料Maについても同様)。
蒸発炉300を例えば図1に示す成膜装置1に組み込んだ場合、筒状の成膜材料Maの内周面は蒸発炉300と当接し、成膜材料Maの外周面はハース機構2と当接する。このとき、プラズマビームPが照射されることで蒸発炉300及び主ハース17に電流が流れ、各々が加熱される。そして、成膜材料Maには蒸発炉300及び主ハース17の各々から伝熱され、成膜材料Maが加熱蒸発する。
以上、このような構成の蒸発炉300を用いることから、成膜材料Maの電気伝導率よりも電気伝導率が高い本体部301が、挿入方向から見て成膜材料Maが挿入される挿入部302よりも内側に存在する部分を有することから、蒸発炉200においても、効率的に本体部301から成膜材料Maに伝熱される。また、このような構成の蒸発炉300を用いることから、蒸発炉300を用いない場合よりも成膜材料Ma内で加熱部品との距離が遠い部分が減少する。従って、蒸発炉300によれば、成膜材料Maの残存可能性を低減できるという上記作用効果が奏される。
図5は、図1の蒸発炉100の第3変形例を示す斜視図である。図5に示すように、蒸発炉400は、本体部401及び挿入部402を有する。本体部401は、第1本体部420及び第2本体部421を有する。
第1本体部420は、円柱状であり、本体部101と同じ材料を用いて形成される。第2本体部421は、第1本体部420と同軸の筒状であり、本体部101と同じ材料を用いて形成される。また、第1本体部420は、第2本体部421の孔内に収容されている。
挿入部402は、第1本体部420の外周面及び第2本体部421の内周面により画成されている。すなわち、挿入部402は、第1本体部420と第2本体部421との隙間を埋める筒状であって、本体部401と同軸の筒孔410を有するように画成されている。筒孔410には、筒孔410の形状に倣うように筒状に成形された成膜材料Maが挿入され充填される。従って、第1本体部420は、挿入方向から見て挿入部402よりも内側に位置する。また、第2本体部421は、挿入方向から見て挿入部402よりも外側に位置する。
以上、このような構成の蒸発炉400を用いることから、筒状に成形された成膜材料Maは、挿入方向から見た内側において第1本体部420と当接し、挿入方向から見た外側において第2本体部421と当接することから、より効率的に本体部401から成膜材料Maに伝熱される。また、このような構成の蒸発炉400を用いることから、蒸発炉400を用いない場合よりも成膜材料Ma内で加熱部品との距離が遠い部分が減少する。従って、蒸発炉400によれば、成膜材料Maの残存可能性を低減できるという上記作用効果が奏される。
図6は、図1の蒸発炉100の第4変形例を示す斜視図である。図6に示すように、蒸発炉500は、本体部501及び挿入部502を有する。本体部501は、複数の柱状部520を有する。
複数の柱状部520は、挿入方向に沿って延在する円柱状であり、本体部101と同じ材料を用いて形成される。複数の柱状部520は、それぞれが一定の間隔を空けて並設されており、ここでは、挿入方向から見て、周方向に沿って並設されている。図6において、複数の柱状部520はそれぞれ独立しているが、それに限らず、例えば接続部などを介して互いに結合していてもよい。
挿入部502は、複数の柱状部520の周囲空間として画成されている。本実施形態の挿入部502は、複数の柱状部520の各々の側面部を覆って(含んで)筒状外形になるように画成されている。挿入部502内には、挿入部502の形状に倣うように成形された成膜材料Maが挿入及び充填され、当該成膜材料Maが、複数の柱状部520の各々と当接する。つまり、成膜材料Maは、蓮状に成形されている。
蒸発炉500を例えば図1に示す成膜装置1に組み込んだ場合、成膜材料Maは、内側の一部は蒸発炉500と当接し、外周側はハース機構2と当接する。このとき、プラズマビームPが照射されることで蒸発炉500及び主ハース17に電流が流れ、各々が加熱される。そして、成膜材料Maには蒸発炉500及び主ハース17の各々から伝熱され、成膜材料Maが加熱蒸発する。
以上、このような構成の蒸発炉500を用いることから、成膜材料Maの電気伝導率よりも電気伝導率が高い本体部501が、挿入方向から見て成膜材料Maが挿入される挿入部502よりも内側に存在する部分を有することから、効率的に本体部501から成膜材料Maに伝熱される。また、このような構成の蒸発炉500を用いることで、蒸発炉500を用いない場合よりも成膜材料Ma内で加熱部品との距離が遠い部分が減少する。従って、蒸発炉500によれば、成膜材料Maの残存可能性を低減できるという上記作用効果が奏される。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、図2に示す本体部101や図6に示す複数の柱状部420は円柱状外形であるが、これに限定されず、例えば直方体外形でもよいし、その他の柱状外形でもよい。
また、上記実施形態では、蒸発炉100を成膜装置1へ適用したが、これに限定されず、本発明に係る蒸発炉は、例えばアルミナの還元を行う還元装置などの他の蒸発装置に適用することもできる。
1…成膜装置(蒸発装置)、6…輪ハース、7…プラズマ源、10…真空チャンバー、11…成膜対象物、17…主ハース、100、200、300、400、500…蒸発炉、101、201、301、401、501…本体部、102、202、302、402、502…挿入部、110、210…貫通孔、310、410…筒孔、420…第1本体部、421…第2本体部、520…柱状部、Ma…成膜材料(蒸発材料)。

Claims (5)

  1. 反応性プラズマ蒸着法において蒸発材料を蒸発させる際に用いられる蒸発炉と、
    前記蒸発材料または前記蒸発炉の少なくとも一方と当接するハース機構と、を備え、
    前記蒸発炉は、
    前記蒸発材料が挿入される挿入部と、
    前記挿入部を画成する本体部と、を備え、
    前記本体部の電気伝導率は、前記蒸発材料の電気伝導率よりも高くされ、
    前記本体部の融点は、前記蒸発材料の蒸発温度よりも高くされ、
    前記本体部は、前記蒸発材料の挿入方向から見て前記挿入部よりも内側に位置する部分を有し、
    前記挿入部は、前記挿入方向に沿って貫通する少なくとも一つの貫通孔を有し、
    前記蒸発材料は、前記貫通孔の形状に倣って形成された固体物であり、
    前記貫通孔は、ハース機構を前記挿入方向に沿って貫通するように設けられている、ことを特徴とする蒸発装置
  2. 前記本体部は、前記挿入方向から見て前記挿入部よりも外側に位置する部分をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の蒸発装置
  3. 前記貫通孔は、複数形成されていると共に、前記挿入方向から見て前記本体部の中心周りに並設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の蒸発装置
  4. 前記本体部は、前記挿入方向に沿って延在する第1柱状部を有し、
    前記挿入部は、前記第1柱状部と同軸の筒孔を有することを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の蒸発装置
  5. 前記本体部は、前記蒸発材料の挿入方向に沿って延在する複数の第2柱状部を有し、
    前記挿入部は、前記複数の第2柱状部の周囲空間として画成されていることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の蒸発装置
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