JP6087029B2 - 殺菌方法、殺菌用製剤、および殺菌液の製造装置 - Google Patents

殺菌方法、殺菌用製剤、および殺菌液の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は殺菌方法、殺菌用製剤、および殺菌液の製造装置に関する。本発明の殺菌方法および殺菌用製剤は、医療用器具、食品用容器、食品、その他の物品の殺菌または滅菌、歯科治療時の殺菌または滅菌、胃内の病原性微生物、創傷部位(傷口)の殺菌、滅菌、または消毒、汚水の処理、その他種々の対象物の殺菌のために利用される。
従来において、細菌やウイルスなど種々の微生物に対する殺菌または滅菌の方法は、熱や圧力などを用いる物理的手法(機械的手法)と薬剤を用いる化学的手法との二種類に大別できる。
物理的手法は、多くの場合に対象物が極端な物理条件下に曝されることになるので、滅菌可能な対象物が限定される。化学的手法の場合には、使用する化学薬剤が人体などに悪影響を及ぼす可能性があるため、残留薬剤を確実に無害化するためのプロセスが必要となり、結果としてコストと時間がかかることになる。
本発明者らは、大気圧下において生成できる低温プラズマを用いた殺菌方法を先に提案した(特許文献1、非特許文献1〜3)。これは、pHが4.8以下となるように調整された液体の近辺においてまたは液体に接触するようにプラズマを生成し、プラズマにより発生したラジカルを液体に接触させることにより、液体の中または表面に存在する菌を殺菌する方法である。この殺菌方法によると、プラズマにより生成されたスーパーオキシドアニオンラジカル(O2- ・)が液体中に拡散し、拡散したスーパーオキシドアニオンラジカル(O2- ・)が液体中のプロトン(H + )と反応してヒドロペルオキシラジカル(HOO ・)を生成する。pHを4.8以下にしてヒドロペルオキシラジカル(HOO ・)の濃度を増大させることにより、強力な殺菌力を発揮させることができる。
また、液体に対して非接触でプラズマを生成し、プラズマにより生成した活性種を電気泳動させて液体に接触させることによって、液体に対する殺菌を行うこともできる(特許文献2)。
これらの殺菌方法に用いられるプラズマ生成装置が、特許文献3に開示されている。
しかし、例えば歯科治療や医療器具の殺菌消毒にプラズマを用いるためには、医療現場にプラズマ発生装置を設置しかつ種々のガスを導入する管路を設ける必要があり、コスト上およびスペース上の問題が生じる。
この問題の解消のために、本発明者らは、プラズマを用いて殺菌活性が維持されたプラズマ処理液を生成し、これを冷凍して結氷体とするとともに冷凍状態で保存して医療現場などに運搬し、医療現場において、結氷体を解凍して殺菌活性が維持されたプラズマ処理液に戻して殺菌などを行う方法を提案した(特許文献4)。
WO2009/041049公報 WO2011/027542公報 WO2008/072390公報 WO2013/161327公報
"Strong bactericidal activity of the plasma treated water for medical application based on the reduced pH method " Katsuhisa Kitano, SatoshiIkawa, Atsushi Tani, Yoichi Nakashima, Tomoko Ohshima、2014/2、8th International Conference on Reactive Plasmas/31st Symposium on Plasma Processing、http://plasma.ed.kyushu-u.ac.jp/` icrp-8/ " 消毒のための高濃度プラズマ処理水の連続生成" 北野勝久,井川聡,中島陽一,谷篤史、2014年3月,応用物理化学会,春季講演会、https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2014s/top "Cryopreservation of plasma treated water (PTW) for disinfection" Katsuhisa Kitano, Satoshi Ikawa, Yoichi Nakashima, Atsushi Tani 、2014/5、5th International Conference on Plasma Medicine (ICPM5) 、http://icpm5.plasmabio.com/
このように、プラズマを用いまたはプラズマによる物理反応によって生成されたプラズマ処理液を用いることによって、強力な殺菌力が得られる。プラズマ処理液の殺菌力はヒドロペルオキシラジカル(HOO ・)によるものであることは分かっているが、ヒドロペルオキシラジカル(HOO ・)が何によって供給されているのか、つまりヒドロペルオキシラジカル(HOO ・)の前駆体がどのような物質であるかについて、従来において未知であった。
もしその前駆体が何であるかが分かり、それが化学反応によって合成可能であれば、より濃度の高いヒドロペルオキシラジカル(HOO ・)を供給してより強力な殺菌力が得られる可能性がある。
本発明者らは、その後の実験と研究によって、ヒドロペルオキシラジカル(HOO ・)による強力な殺菌力がどのような物質によってもたらされるのかを明らかにすることに成功した。さらに、その物質を化学反応によって効率的に合成する方法、および合成された物質により強力な殺菌を行うための条件についても知見を得た。
本発明は、それらの新しい発見および知見によるものであって、プラズマ発生装置を用いることなく、プラズマ処理液と同等またはそれ以上の強力な殺菌力を得ることのできる殺菌方法、殺菌用製剤、および殺菌液の製造装置を提供することを目的とする。
本発明の一形態に係る殺菌方法は、化学反応によって得られた過硝酸(HOONO2)を含む液体を、pH4.8以下の酸性条件下で、殺菌対象に適用することである。
また、本発明の一形態に係る殺菌用製剤は、殺菌対象に適用して当該殺菌対象の殺菌を行うための殺菌用製剤であって、亜硝酸塩またはその前駆体が入った第1の容器と、過酸化物またはその前駆体が入った第2の容器と、前記第1の容器から取り出された前記亜硝酸塩またはその前駆体と前記第2の容器から取り出された前記過酸化物またはその前駆体とを混合して過硝酸を含む液体を得るための第3の容器と、を含む殺菌用製剤である。
本発明によると、プラズマ発生装置などを用いることなく、プラズマ処理液と同等またはそれ以上の強力な殺菌力を得ることができる。
実施例1で生成された過硝酸の濃度と硝酸の濃度との関係を示す図である。 実施例1で生成された過硝酸の濃度とpHとの関係を示す図である。 実施例2で生成された過硝酸の濃度と酸の種類との関係を示す図である。 実施例3で生成された過硝酸の濃度と過酸化物の種類との関係を示す図である。 実施例4で生成された溶液のクロマトグラムおよび種々の保持時間に対応する物質の殺菌効果を示す図である。 プラズマ処理液のクロマトグラムおよび種々の保持時間に対応する物質の殺菌効果を示す比較のための図である。 実施例4における保持時間RT2.8分の物質のモル吸光係数を示す図である。 合成された過硝酸の大腸菌に対する殺菌効果を示す図である。 合成された過硝酸の枯草菌芽胞に対する殺菌効果を示す図である。 合成された過硝酸の枯草菌芽胞に対する殺菌効果におけるpHの影響を示す図である。 合成された過硝酸の枯草菌芽胞に対する殺菌活性の熱処理による消失を示す図である。 過硝酸を含む殺菌液の製造装置の概略の構成の例を示す図である。 殺菌用製剤の概略の構成の例を示す図である。 過硝酸を含む溶液の電子スピン共鳴スペクトルを示す図である。
〔本発明による形態の概略の説明〕
本発明は、次のような種々の形態をとることができる。
すなわち、一形態に係る殺菌方法は、化学反応によって得られた過硝酸(HOONO2)を含む液体を、pH4.8以下の酸性条件下で、殺菌対象に適用する。
その際に、亜硝酸と過酸化物とを混合して、例えば亜硝酸塩と過酸化物とを混合して前記過硝酸を含む液体とすることができる。亜硝酸または亜硝酸塩として、これらを生成可能な物質またはガスなどを含めることができる。
また、亜硝酸塩と過酸化物とを混合した液体に酸を混合してpH4.8以下の液体とし、この液体を前記殺菌対象に適用する。
また、亜硝酸塩と過酸化物と酸とを混合してpH2以下の液体とすることにより、前記過硝酸を合成して前記過硝酸を含む液体とし、これをバッファ液を用いて希釈することによりpH3〜4.8の液体とし、この液体を前記殺菌対象に適用する。
また、前記過酸化物に前記酸を混合してpH2以下の液体とし、この液体と前記亜硝酸塩とを混合することにより前記過硝酸を合成する。
また、前記過硝酸の合成時の温度を10℃以下とし、その後に前記液体を昇温させて前記殺菌対象への適用時の温度を20℃以上とする。
また、前記亜硝酸塩として亜硝酸ナトリウム(NaNO2 )を用い、前記過酸化物として過酸化水素(H2O2)を用いる。

また、前記酸として硝酸(HNO3)を用いる。
また、一形態に係る殺菌用製剤は、殺菌対象に適用して当該殺菌対象の殺菌を行うための殺菌用製剤であって、亜硝酸塩またはその前駆体が入った第1の容器と、過酸化物またはその前駆体が入った第2の容器と、前記第1の容器から取り出された前記亜硝酸塩またはその前駆体と前記第2の容器から取り出された前記過酸化物またはその前駆体とを混合して過硝酸を含む液体を得るための第3の容器と、を含む。
好ましくは、前記第3の容器内において混合が行われるときの液体のpHを2以下とするための酸を含んでおり、前記第3の容器内における混合が終わった後で得られる液体を前記殺菌対象への適用のために希釈してそのpHを3〜4.8とするためのバッファ液をさらに含んでなる。
また、一形態に係る殺菌液の製造装置は、亜硝酸塩を収容する第1の槽と、過酸化物を収容する第2の槽と、前記第1の槽から取り出された前記亜硝酸塩と前記第2の槽から取り出された前記過酸化物とを混合して過硝酸を含む液体を得るための第3の槽と、前記第3の槽内において混合が行われるときの液体のpHを2以下とする酸を導入するための酸導入路と、前記第3の槽内の液体を冷却するための冷却装置と、前記第3の槽内の前記過硝酸を含む液体を取り出すための取出し路と、を備える。
また、一形態に係る殺菌液による治療方法は、化学反応によって得られた過硝酸(HOONO2)を含む液体を、pH4.8以下の酸性条件下で生体に適用して殺菌を施して治療を行う。
なお、本明細書においては、生菌数の濃度を低下させることを「殺菌」という。
〔化学反応による過硝酸の生成〕
まず、化学反応によって過硝酸(ペルオキシ硝酸)を生成(合成)する方法について説明する。
すなわち、過酸化物と亜硝酸が反応することによりペルオキシナイトライト(ペルオキシ亜硝酸)が生成され、ペルオキシナイトライトが過酸化物と反応することにより過硝酸が生成される。その場合の化学反応(合成反応)は、過酸化物を過酸化水素とした場合に、次の(1)(2)(3)式で示される。
HNO2 + H22 → HOONO + H2O ……(1)
HOONO + H+ → NO2 + + H2O ……(2)
NO2 + + H22→ HOONO2 + H+ ……(3)
つまり、(1)式で示されるように、過酸化水素(H2O2)と亜硝酸(HNO2)とが反応することにより、ペルオキシナイトライト(HOONO )が生成される。ペルオキシナイトライトは寿命が短く、(2)式で示されるように、酸性条件下でプロトン(H + )と反応してニトロニウムイオン(NO2 + )と水(H2O )を生成する。また、ニトロニウムイオン(NO2 + )は、寿命が非常に短く不安定であるので、(3)式で示されるように、すぐに過酸化水素と反応して過硝酸(HOONO2)とプロトンとを生成する。ニトロニウムイオン(NO2 + )の寿命は非常に短いので、ペルオキシナイトライトが過酸化水素と反応して過硝酸が生成されるとみることもできる。このような反応が強酸性条件下で進行する。
ペルオキシナイトライトは、(1)式のように生成された後、(2)式のように分解される中間体である。これらの反応の過程において、過酸化水素は2回使われるので、過酸化水素は亜硝酸塩に対して2倍の量が必要である。

また、過硝酸の分解反応は、次の(4)(5)式で示される。
HOONO2→ HNO2 + O2 ……(4)
HOONO2 + HNO2→ 2HNO3……(5)
つまり、過硝酸は、(4)式で示されるように、自己分解して亜硝酸を生成する。また、(5)式で示されるように、自己分解して生成した亜硝酸と反応することによっても分解し、硝酸(HNO3)を生成する。このように、過硝酸は、最終的には全て硝酸と酸素とに分解される。
ところで、上の(1)式において、亜硝酸(HNO2)それ自体は不安定であり、生成されても数分から数時間で消滅するので、市場での入手が不可能である。そのため、実際に過硝酸(HOONO2)を化学合成するためには、亜硝酸塩の溶液を用い、溶液を酸性にすることでその中に亜硝酸を一時的に生成する。つまり、過硝酸の合成のために、亜硝酸塩と酸を用いる。亜硝酸塩と酸を用いることにより、低コストで過硝酸を合成できる。
そのための亜硝酸塩の例として、亜硝酸ナトリウム(NaNO2)、亜硝酸カリウム(KNO2) 、亜硝酸カルシウム(Ca(NO2)2) 、テトラフルオロほう酸ニトロニウム(NO2BF4)などがある。亜硝酸塩であれば、カチオンの種類は問わない。
また、亜硝酸(HNO2)を合成する方法として、二酸化窒素ガス(NO2 )を水溶液に溶解させる方法も用いることができる。また、事前に過酸化物を混合しておいた水溶液に二酸化窒素ガス(NO2 )を溶解させることで過硝酸(HOONO2)を合成することも可能である。
また、五酸化二窒素(N2O5)または六酸化二窒素(N2O6)などの非イオン性の固体を用いて過硝酸(HOONO2)を合成することも可能である。このように、過硝酸(HOONO2)を合成するために、水に溶けることで亜硝酸または亜硝酸イオンを生成する物質を用いることが可能である。
また、亜硝酸と過酸化物からペルオキシナイトライトを合成して過硝酸の合成原料とする代わりに、市販のペルオキシナイトライトを用いてもよい。ペルオキシナイトライトは冷凍・塩基性状態で安定であり、冷凍状態での販売が行われているものの、高価なため、上に述べた亜硝酸塩と過酸化水素とを用いて合成する方法が好適である。
また、過酸化物の例として、上に述べた過酸化水素(H2O2)の他に、過炭酸(Na2CO3・1.5H2O2 )などが用いられる。過炭酸(過炭酸ナトリウム)は、炭酸ナトリウム(Na2CO3)と過酸化水素(H2O2)とを2対3のモル比で混合した粉末状の物質である。過炭酸に水を加えることにより過酸化水素が生成される。つまり、過炭酸は過酸化水素の供給源であり、過硝酸を用いた場合でも、過硝酸の合成反応における過酸化物は過酸化水素である。しかし、過炭酸は粉末状であるので、実際の過硝酸の合成および合成された過硝酸による殺菌のためには使い勝手がよい。例えば、粉末状の過炭酸をシリンジなどに収容しておき、使用時に水を加えることによって、容易に過酸化水素を生成して使用することができる。
また、このように加水分解により過酸化水素を生成することのできる粉末状の物質として、過炭酸の他に、過酸化ナトリウム(Na2O2 )、過酸化カリウム(K2O2)、または過酸化カルシウム(CaO2)などの過酸化物も同様に用いることが可能である。
また、過酸化物と亜硝酸塩との反応により過硝酸を生成する際には、pHが2以下の強酸であることが必須条件であり、pHが低いほど過硝酸の合成効率は向上する。つまり、過硝酸の合成のためには、酸性条件がpH<2であることが必須であり、好ましくは、pH=1、pH=0.5、またはpH=0とする。pHが0まで低下すると、合成効率はそれ以上大きくならず、ほぼ一定となる。
このような酸性条件を得るために、硝酸、塩酸、硫酸などの酸を用いることができる。

これらの酸を、溶液のpHが2以下になるような必要量を混合すればよい。
また、過酸化物と亜硝酸塩と酸とを混合する順序については、亜硝酸塩と酸とを先に混合することは避ける必要がある。したがって、過酸化物と亜硝酸塩とを先に混合しまたは過酸化物と酸とを先に混合し、その後に残りの物質を混合するか、全部を同時に混合すればよい。
なお、過硝酸の工業的な合成のためには、pHを0に近づけて合成効率を高くすればよい。また、過硝酸はpHが低いほど安定であり、pHが高くなると早く分解してしまう。ただし、pHが0.5以下になると金属の腐食が問題になることがあるので、必要に応じてこの点を考慮すればよい。
また、過硝酸を殺菌に使用するにはpHを4.8以下とする必要がある。pHは低いほど殺菌効果が高いが、pHを3程度以下に下げても殺菌効果は余り変わらないので、殺菌に使用する際にはpHを3〜3.5程度とするのが実際的である。
したがって、過硝酸の合成の際にはpHを2以下とし、例えばpHを0.5〜1とし、その状態で保存し、合成された過硝酸を殺菌に使用する際にバッファ液を用いて希釈し、pHを3〜3.5に調整することが好ましい。しかし、殺菌対象が材質的に許すのであれば、合成されたpH2以下の過硝酸を、希釈することなくそのまま殺菌に使用することも可能である。
次に、過硝酸の生成の実施例について説明する。
〔過硝酸の生成の実施例1〕
濃度(モル濃度)が1Mの過酸化水素40μLに、酸として種々の濃度の硝酸50μLを氷冷で混合し、これに濃度が1Mの亜硝酸ナトリウム10μLを混合した。このときに生成された過硝酸の濃度が、図1および図2に示されている。なお、本明細書において、「濃度」は特に指定のないかぎり「モル濃度」を表し、その単位は〔M〕(Molar )、つまり〔mol/L 〕である。
すなわち、図1には実施例1で生成された過硝酸の濃度と硝酸の濃度との関係が、図2には過硝酸の濃度とpHとの関係が、それぞれ示されている。
図1に示すように、硝酸の濃度が高くなるにしたがって過硝酸の生成量が増大し、硝酸の濃度が0.5Mを越えると、過硝酸の濃度は19mMでほぼ一定となる。
図2に示すように、pHが2以上では過硝酸はほとんど生成されないが、pHが2以下になると、pHが低下するにしたがって過硝酸の生成量が増大し、pHが0まで低下すると、過硝酸の濃度は19mMでほぼ一定になる。
これらのことから、過硝酸の合成はpHが2以下の強酸性で行うことが必須であり、合成効率を考えるとpHは1以下が望ましく、pHが0まで低下すると合成効率はほぼ一定になること、が分かる。
〔過硝酸の生成の実施例2〕
濃度が1Mの過酸化水素40mLと濃度が1Mの亜硝酸ナトリウム10mLとを室温において混合し、これに1N(規定)の種々の酸50mLを混合した。このときに生成された過硝酸の濃度が図3に示されている。なお、酸として、硝酸、塩酸、または硫酸を用いた。
すなわち、図3には実施例2で生成された過硝酸の濃度と酸の種類との関係が示されて

いる。
図3に示すように、酸が硝酸、塩酸、硫酸であった場合に、過硝酸の濃度は、それぞれ、約17mM、7mM、9mMであった。つまり、いずれの酸を用いても過硝酸を合成することができること、硝酸を用いた場合が最も合成効率がよいこと、が分かる。
なお、亜硝酸は結局は硝酸になるが、他にもアルカリ物質が生成されるので、これによって溶液のpHを低下させることは期待できない。また、亜硝酸は硝酸になるので、酸として硝酸を用いた場合には同じものとなる。しかし、これによるメリットは特にはないと思われる。また、酸として硝酸を用いた場合には廃液の窒素化合物濃度が上がるので、その点に不都合がある場合には、酸として塩酸または硫酸などを使用すればよい。
〔過硝酸の生成の実施例3〕
濃度が1Mの種々の過酸化物80mLと濃度が1Mの亜硝酸塩20mLとを室温において混合し、これに1Nの硝酸100mLを混合した。このときに生成された過硝酸の濃度が図4に示されている。なお、過酸化物として、過酸化水素または過炭酸を用いた。また、亜硝酸塩として、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、または亜硝酸カルシウムを用いた。
すなわち、図4には実施例3で生成された過硝酸の濃度と過酸化物の種類との関係が示されている。各亜硝酸塩の棒グラフの左側が過酸化水素を用いた場合であり、右側が過炭酸(PCA)を用いた場合を示す。
図4に示すように、過酸化物として過酸化水素を用い、亜硝酸塩が亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸カルシウムであった場合に、過硝酸の濃度は、それぞれ、約13mM、16mM、18mMであった。また、過酸化物として過炭酸を用い、亜硝酸塩が亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸カルシウムであった場合に、過硝酸の濃度は、いずれも約5mMであった。
つまり、いずれの亜硝酸塩を用いても過硝酸を合成することができること、亜硝酸塩の種類によって合成効率に大きな差はないこと、過炭酸よりも過酸化水素を用いる方が合成効率がよいこと、が分かる。
〔過硝酸の生成の実施例1〜3のまとめ〕
これら実施例1〜3の結果から次のことがいえる。
(1) 過硝酸の合成はpHが2以下ので行うことが必須であり、合成効率の点からpHが0程度の強酸性で行うのが好ましい。
(2) 酸として硝酸を用いるのが好ましい。
(3) 種々の亜硝酸塩を用いることが可能であり、カチオンの種類は問わない。
(4) 過酸化物として過酸化水素を用いるのが好ましい。
なお、過硝酸の合成反応は室温においても進行する。つまり、室温においても過硝酸が合成されるが、合成された過硝酸それ自体は寿命に温度依存性があり、室温で保存すると早く分解して短時間で硝酸に変化してしまう。温度が5℃上がると分解速度は2倍になる。例えば20℃では0℃と比較して分解速度が16倍になる。したがって、例えば50℃になると極短時間で硝酸液になってしまう。また、過硝酸の半減期は、例えば室温では10分程度であり、0℃では数時間(2〜3時間程度)である。
過硝酸の合成時において、過酸化物と亜硝酸塩とを混ぜる際に発熱して温度が上昇するので、ゆっくり混ぜるか、または冷却しながら混ぜるのが好ましい。例えば、過硝酸の合成時の温度が10℃以下となるように、容器または溶液を冷却するか、または10℃以下に空調された室内において十分に放熱効果の得られる容器内で混合するのが好ましい。実

験室での過硝酸の合成であれば、氷の上で混合すればよい。
〔過硝酸の生成の最適条件による実施例4〕
上に述べた実施例1〜3の結果を考慮して、最適条件に近いと考えられる条件で過硝酸の合成を実施例4として行った。
実施例4では、質量パーセント濃度が30パーセントの過酸化水素120mLと1Nの硝酸80mLと質量パーセント濃度が60パーセント(8.7M)の亜硝酸ナトリウム80mLとを混合した。
これにより合成された過硝酸の濃度は420mMであり、合成効率は17パーセントであった。高い濃度の過硝酸が高い合成効率で得られた。
この実施例4では、60パーセント(8.7M)の亜硝酸ナトリウムは、亜硝酸ナトリウムの粉末を水に溶かして用いた。また、過酸化水素と硝酸と亜硝酸ナトリウムとの容積比を、3対2対2とした。この容積比が同じであれば、それぞれの容積(mL)が上に示した値から変わっても同じ結果が得られる。
なお、過硝酸の合成では、亜硝酸ナトリウムと過酸化水素とが1対2のモル比で反応するので、亜硝酸ナトリウムが過酸化水素に対して1対2よりも多くなると亜硝酸ナトリウムが余ってしまうので、合成効率の点から余り好ましくない。しかし実際には、1対1まで大きな問題はない。なお、合成効率の点からは過酸化水素が過剰な方がよい。
また、硝酸に関しては、全部を混合した結果がpH2以下になるのであればよい。例えば、硝酸を濃くするのであれば、3Nの硝酸としてその量を3分の1にしてもよい。濃硝酸を使えば、容積が小さくなって合成される過硝酸の濃度がさらに高くなる。
なお、上に述べたように、過硝酸は温度が高いと寿命が短いので、冷却によって過硝酸の合成時の温度を10℃とした。
〔過硝酸による殺菌作用〕
次に、過硝酸による殺菌作用および殺菌効果について説明する。
化学反応によって合成された過硝酸は、次の(6)式のように、極めて短寿命のスーパーオキシドアニオンラジカル(O2- ・)を生成していると考えられる。
HOONO2←→ H+ + O2 - ・ + NO2・ ……(6)
つまり、過硝酸は、プロトン(H + )、スーパーオキシドアニオンラジカル(O2- ・)、および二酸化窒素(NO2 ・)などを生成し、これらが溶液中に拡散していると考えられる。
そうした場合に、スーパーオキシドアニオンラジカル(O2- ・)は、殺菌力を持つが、その寿命は過硝酸と比較すると極めて短く秒オーダーであり、生成されてはすぐに消滅する。また、スーパーオキシドアニオンラジカル(O2- ・)は、次の(7)式のように、溶液中のプロトン(H + )と反応してヒドロペルオキシラジカル(HOO ・)を生成する。
2 - ・ + H+ ←→ HOO・ ……(7)
この(7)式で生成されるヒドロペルオキシラジカル(HOO ・)は、極めて短寿命であるが、スーパーオキシドアニオンラジカル(O2- ・)と比較してさらに強力な殺菌力を持つ。(7)式は平衡反応であり、溶液のpHに依存した平衡関係にあるので、プロトン(H + )の濃度が高いときにヒドロペルオキシラジカル(HOO ・)の濃度が高くなる。

すなわち、この平衡反応式の平衡定数を表す解離定数(酸解離定数)pKaは、4.8である。pHが4.8以上であるときには、スーパーオキシドアニオンラジカル(O2- ・)の濃度が高くなり、ヒドロペルオキシラジカル(HOO ・)の濃度は低い。しかし、pHを4.8以下にすることにより、ヒドロペルオキシラジカル(HOO ・)の濃度が高くなり、ヒドロペルオキシラジカル(HOO ・)による極めて強力な殺菌力が発揮される。つまり、殺菌力の極めて強いヒドロペルオキシラジカル(HOO ・)の濃度を高くするために、溶液のpHを4.8以下にする必要がある。
したがって、生成した過硝酸を含む溶液のpHを4.8以下にすることによって、ヒドロペルオキシラジカル(HOO ・)の濃度を高くすることができ、極めて強い殺菌力を発揮することができる。
このように、過硝酸を含む溶液のpHを4.8以下にすることによって、ヒドロペルオキシラジカル(HOO ・)を高い濃度に維持し、プラズマ処理液と同等なまたはそれ以上の殺菌効果を得ることができる。実際に、上に述べた化学反応による過硝酸の生成方法によると、プラズマ処理液による場合と比較して100倍程度高い濃度のヒドロペルオキシラジカル(HOO ・)を得ることができ、極めて強い殺菌力が発揮される。
なお、溶液中の過硝酸はスーパーオキシドアニオンラジカル(O2- ・)を生成する前駆体であり、また、スーパーオキシドアニオンラジカル(O2- ・)はヒドロペルオキシラジカル(HOO ・)を生成する前駆体であると考えられる。因みに、溶液中にスーパーオキシドアニオンラジカル(O2- ・)を消滅させる酵素を入れると、殺菌効果がなくなることが確認された。
また、溶液中にスーパーオキシドアニオンラジカル(O2- ・)が存在することは、電子スピン共鳴法により確認した。溶液にスピントラップ剤(CYPMPO)を混合して、電子スピン共鳴装置で測定したところ、図14に示すように、スーパーオキシドアニオンラジカル(O2- ・)とスピントラップ剤反応したスピンアダクトのスペクトルが得られた。
次に、殺菌作用が上に述べた化学反応によって生成された過硝酸によるものであることを検証する。
〔殺菌作用が過硝酸によるものであることの検証その1〕
上に述べた実施例4で混合し合成した溶液をサンプルとして、イオンクロマトグラフィーによって物質の分離・精製を行うとともに、保持時間(リテンションタイム)RTごとに分離・精製された物質についての殺菌効果を調べた。
図5には、実施例4において混合し合成した溶液のクロマトグラムおよび種々の保持時間で分取した物質の殺菌効果が示されている。図7には、同溶液の保持時間RTが2.8分である物質についての紫外線のモル吸光係数を示す曲線および過硝酸についての紫外線のモル吸光係数をプロットしたものが示されている。
また、比較のために、図6には、プラズマ処理液のクロマトグラムおよび種々の保持時間で分取した物質の殺菌効果が示されている。
なお、分離カラムとして、東亜DKK株式会社製のPCI−201S( 内径4.6mm、全長100mm)を用いた。カラムは氷中に配置して温度を0℃とし、測定中の過硝酸(ペルオキシ硝酸)の分解を防いだ。移動相は、塩酸、過塩素酸、メタンスルホン酸などの強酸を所定濃度になるよう調製し、流速は1.5ml/minに固定した。検出はUV検出器( 測定波長220nm) もしくはフォトダイオードアレイ検出器( 測定波長200−400nm)を用いた。溶離液として、10mMの塩酸(HCl )を含むpH2.0の溶

液を用いた。
図5において、保持時間RTが1分、2.8分、11.1分のところにクロマトグラムのピークが現れている。そのうち、保持時間RT2.8分のピーク(山)が、殺菌効果のプロット線のピーク(谷)の位置と一致している。したがって、保持時間RT2.8分の物質が殺菌活性種であることが分かる。
なお、図5に示す殺菌効果の縦軸は、評価対象に含まれている生菌数であるCFU(コロニーフォーミングユニット)のLOG値を示す。殺菌効果のピークは保持時間RT2.8分の位置にのみ現れている。
図7において、過硝酸のモル吸光係数をプロットした位置(文献値)が、保持時間RT2.8分の物質についてのモル吸光係数を示す曲線とよく一致していることが分かる。これによって、保持時間RT2.8分の物質は過硝酸であると考えられる。
なお、保持時間RT1分のピークは過酸化水素、保持時間RT11.1分のピークは硝酸イオンである。
したがって、実施例4において混合し合成した溶液の高い殺菌活性は、過硝酸によるものであると考えられる。
なお、ここでの過硝酸のモル吸光係数は、次の文献に記載された値を用いた。
Inorg. Chem. 1995, 34, 787-791“Aqueous Peroxynitric Acid (HOON02): A Novel Synthesis and Some Chemical and Spectroscopic Properties”
図6に示される、プラズマ処理液をサンプルとした同じイオンクロマトグラフィーによるクロマトグラムおよび種々の保持時間に対応する物質の殺菌効果は、図5に示されるものと酷似しており、同じ保持時間RT2.8分のピーク(山)が、殺菌効果のプロット線のピーク(谷)の位置と一致している。
したがって、実施例4において混合し合成した溶液の殺菌活性種とプラズマ処理液の殺菌活性種とは同じ物質であり、その物質は過硝酸であると考えられる。
〔殺菌作用が過硝酸によるものであることの検証その2〕
上の図5に示した保持時間RT2.8分の物質について、pH4.7、温度20℃における半減期を実際に測定し、これを同じ条件における過硝酸の半減期(文献値)と比較した。その結果は次のとおりである。
実測値 : 0.50分
文献値 : 0.51分
これらはよく一致している。これによって、保持時間RT2.8分の物質は過硝酸であると考えられる。
なお、ここでの過硝酸の半減期は、次の文献に記載された値を用いた。
J. Am. Chem. SOC. 1981, 103,2203-2206 “Preparation and Thermal Decomposition of Pernitric Acid (HOON02) in Aqueous Media ”
〔殺菌作用が過硝酸によるものであることの検証その3〕
上の図5に示した保持時間RT2.8分の物質について、分解反応の活性化エネルギーを実際に測定し、これを過硝酸の分解反応の活性化エネルギーと比較した。その結果は次のとおりである。
実測値 : 109 kJ/mol
文献値 : 110 kJ/mol
これらはよく一致している。これによって、保持時間RT2.8分の物質は過硝酸であると考えられる。
なお、ここでの過硝酸の分解反応の活性化エネルギーは、次の文献に記載された値を用いた。
J. Phys. Chem. A 1997, 101, 8822-8829 “Peroxynitric Acid Decay Mechanisms and
Kinetics at Low pH ”
上に述べた検証1〜3によって、実施例4において混合し合成した溶液の高い殺菌活性は過硝酸によるものであり、過硝酸を含む液体によって高い殺菌効果が得られたものと結論付けられる。
また、実施例4において化学反応によって合成された溶液の殺菌活性種は、プラズマによる物理反応によって生成されたプラズマ処理液の殺菌活性種と同じ物質であり、その物質は過硝酸であると結論付けられる。
なお、保持時間RT2.8分の物質について質量分析を行うことが考えられるが、質量分析を行っている間に物質が分解してしまうので、これは適切ではない。
〔化学反応で生成した過硝酸の殺菌効果〕
次に、化学反応により合成した過硝酸の殺菌効果について実験を行ったので、その実験結果について説明する。
図8には合成した過硝酸の大腸菌に対する殺菌効果が、図9には合成した過硝酸の枯草菌芽胞に対する殺菌効果が、図10には合成した過硝酸の枯草菌芽胞に対する殺菌効果におけるpHの影響が、図11には合成した過硝酸の枯草菌芽胞に対する殺菌活性の熱処理による消失が、それぞれ示されている。
なお、図8、図9、図11において、過硝酸の溶液は、そのpHが3.5であり、温度が25℃である。図10における熱処理は、過硝酸の溶液を30分間にわたって温度が60℃となるように加熱した。
図8に示されるように、合成した過硝酸の濃度が0.02mM程度以上であれば、大腸菌の菌濃度は7桁から2桁以下となり、5桁程度以上も低下することが分かる。
図9に示されるように、合成した過硝酸の濃度が0.5mM程度以上であれば、枯草菌芽胞の生菌数は6桁から2桁以下となり、4桁程度以上も低下することが分かる。
図10に示されるように、合成した過硝酸の溶液のpHが6.5の場合には、過硝酸の濃度に係わらず枯草菌芽胞の生菌数は6桁でほぼ一定であるが、pHが3.5の場合には、過硝酸の濃度が0.5mM程度以上であれば、枯草菌芽胞の生菌数は6桁から2桁以下となり、4桁程度以上も低下することが分かる。
図11に示されるように、合成した過硝酸を熱処理した場合には、過硝酸の濃度に係わらず枯草菌芽胞の生菌数は6桁でほぼ一定であり、殺菌効果が消失していることが分かる。
なお、ここでの実験において、生菌数が2桁以下になると検出限界となり、それ以上の

殺菌効果が測定できていない。したがって、合成した過硝酸の濃度をさらに高くした場合には、生菌数をさらに低下させられると予測される。ここでの実験には、合成した過硝酸の溶液を希釈して用いたので、原液を用いた場合にはさらに強力な殺菌力が発揮されると予測される。例えば、上の実施例4で合成された過硝酸の濃度は420mMであるので、それを希釈せずに用いた場合には生菌数をさらに3000桁以上低下させることができると予測される。
〔化学反応で生成した過硝酸による殺菌方法〕
次に、化学反応により合成した過硝酸による殺菌方法について説明する。
まず、化学反応により合成した過硝酸を含む溶液を、そのままの状態で殺菌対象に適用する方法がある。例えば、殺菌対象が生体、水、または小物などである場合に、スポイト、スプレー、シリンジ、または小容器などを用いて溶液を殺菌対象に滴下し、または塗布する。また、殺菌対象が医療用器具、食品用容器、その他の物品である場合に、溶液を適当な容器に収容し、その容器の中に殺菌対象を入れて溶液に浸す。
ただし、溶液のpHが2以下であるので、低いpHに耐えられない殺菌対象の場合は、pHが4.8以下の適当な値、例えば3〜3.5となるように、バッファ液を用いて溶液を希釈する必要がある。過硝酸はpHが低い方が寿命が長いので、殺菌を行う直前にバッファ液で希釈するのが好ましい。
バッファ液として、例えば、クエン酸、酒石酸、フタル酸、グリシンなどが用いられる。
また、溶液の温度が10℃以下となっている場合に、そのままの温度で殺菌対象に適用してもよいが、溶液を昇温させて殺菌対象への適用時の温度を20℃以上としてもよい。過硝酸の保存のためには温度が低い方がよいが、殺菌のためには温度はある程度高い方がよいからである。例えば、0℃では殺菌に時間がかかるが、30℃では例えば20秒くらいで十分な殺菌が行える。殺菌に時間をかけてもよい場合には低い温度で殺菌を行えばよい。殺菌を早く行いたい場合は、温度を例えば30〜40℃程度に上げればよい。
また、溶液を殺菌活性を維持した状態で保存するには、温度をできるだけ低くしておくのがよい。例えば、溶液を0℃とすることにより、数時間程度、例えば5〜8時間程度の保存が可能である。また、溶液を冷凍することによってさらに長期の保存が可能である。
例えば、溶液を歯科治療における殺菌に使用する場合に、口内の温度は体温で37℃程度、pHが3.7程度であるので、これに対応した温度およびpHとしておくのがよい。この場合に、例えば温度を20℃程度としておけば患者は冷たく不愉快に感じることがない。また、けが、火傷、褥瘡などによる創傷部位や胃内のピロリ菌の消毒に使用する場合も同様に、溶液を20℃程度としておくとよい。
また、家庭用の風呂、流し、壁などの殺菌に使用する場合は、pHを3〜4程度としておけばよい。食器の殺菌に使用する場合には、pHを3程度として殺菌した後、水で洗浄すればよい。なお、過硝酸による殺菌活性は体内に入るとその温度によって短時間で消滅するので、洗浄することなく食べることも可能である。
上に述べた以外の種々の殺菌方法を用いることも可能である。
上に述べたように、化学反応によって得られた過硝酸を含む溶液(液体)によって、プラズマ発生装置を用いることなく、プラズマ処理液と同等またはそれ以上の強力な殺菌力

を得ることができる。
〔過硝酸を含む殺菌液の製造装置〕
次に、過硝酸を含む殺菌液の製造装置1について説明する。
図12には、過硝酸を含む殺菌液の製造装置1の概略の構成の例が示されている。
図12において、製造装置1は、第1の槽11、第2の槽12、第3の槽13、酸供給槽21、酸導入路21c、冷却装置22、攪拌機23、および制御装置30などを備える。
第1の槽11は、亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸塩を収容する。第2の槽12は、過酸化水素などの過酸化物を収容する。酸供給槽21は、第3の槽内13において混合が行われるときの液体のpHを2以下とするために、硝酸などの酸を収容する。
第1の槽11、第2の槽12、および酸供給槽21には、それぞれ、バルブ11b、12b、21bを介して、第3の槽13に開口する導入路11c、12c、21cが接続されている。これら導入路11c、12c、21cは、バルブ11b、12b、21bが開いたときに、各槽に収容された液体を第3の槽13に導入する。
第3の槽13は、第1の槽11から取り出された亜硝酸塩と第2の槽12から取り出された過酸化物とを混合して過硝酸を含む液体である殺菌液SEを得るための槽である。第3の槽13には、バルブ13bを介して、第3の槽13内の過硝酸を含む殺菌液SEを取り出すための取出し路13cが接続されている。
なお、バルブ11b、12b、21b、13bは、いずれも電磁操作のバルブであり、制御装置30によって開閉が制御される。
冷却装置22は、第3の槽内13に導入された液体および混合された殺菌液SEを、例えば10℃程度となるように冷却する。攪拌機23は、第3の槽内13において混合が行われるときの液体を攪拌する。
制御装置30は、バルブ11b、12b、21b、13bの開閉、および冷却装置22および攪拌機23の運転などを制御する。制御装置30によって、各液を第3の槽13に送る順序および量などが制御される。図示は省略したが、製造装置1には種々のセンサが設けられており、各液体および殺菌液SEの温度、液位、流量、pHなどを検出し、検出した信号を制御装置30に送っている。
なお、必要に応じて液体または殺菌液SEを送り出すためのポンプが設けられ、制御装置30によって制御される。
制御装置30には、オペレータが操作するための種々のボタンが設けられており、それらのボタンを操作することによって自動運転および手動運転が可能となっている。
自動運転では、第3の槽13に各液体が所定の順序で導入され混合され、過硝酸を含む殺菌液SEが合成される。殺菌液SEは、第3の槽13内において、所定の温度に冷却され、保存されている。殺菌液SEは、操作したボタンに応じて、所定の量だけすぐに取出し路13cから取り出される。
本実施形態の製造装置1によると、強力な殺菌力を得ることのできる殺菌液SEを容易にかつ低コストで製造することができ、しかも、殺菌液SEが必要なときにいつでも殺菌

液SEを取り出して使用することができる。
なお、酸供給槽21に収容された酸は、第3の槽内13に導入するのでなく、またはそれとともに、第2の槽12に導入することとし、第2の槽12内の過酸化水素のpHを2以下の適当な値に調整しておくようにしてもよい。
〔殺菌用製剤〕
次に、殺菌対象に適用して当該殺菌対象の殺菌を行うための殺菌用製剤3について説明する。
図13には殺菌用製剤3の概略の構成の例が示されている。
図13において、殺菌用製剤3は、第1の容器41、第2の容器42、第3の容器43、および第4の容器44などから構成される。これらは、例えば、紙または合成樹脂などからなるフィルム状の袋とすることができる。
第1の容器41には、亜硝酸塩またはその前駆体が入っている。第2の容器42には、過酸化物またはその前駆体が入っている。第3の容器43は、第1の容器41から取り出された亜硝酸塩またはその前駆体と第2の容器42から取り出された過酸化物またはその前駆体とを混合して過硝酸を含む液体を得るための容器である。
第1の容器41、第2の容器42、および第4の容器44は、第3の容器43の内部に設けられており、第3の容器43の外部から例えば手の指などで押さえることによって破られまたは開封され、中に収容された物質または液体が出て第3の容器43の中で混合される。
なお、第2の容器42または第3の容器43には、第3の容器43内で得られる液体のpHを2以下とするための酸が入っている。しかし、別の容器を設けてそこに酸を入れておくようにしてもよい。また、第4の容器44には、第3の容器43内における混合が終わった後で得られる液体を殺菌対象への適用のために希釈してそのpHを3〜4.8とするためのバッファ液が入っている。
殺菌用製剤3は、殺菌のために使用する際に、まず第1の容器41および第2の容器42を手の指などで押さえることによって破り、中に収容された物質または液体を第3の容器43の内部に出す。これによって、第3の容器43において、過酸化物またはその前駆体と亜硝酸塩またはその前駆体とが混合され、しばらくして過硝酸が合成され、過硝酸を含む液体が得られる。過硝酸を含む液体が得られた後で、第4の容器44を同様に破り、中に収容されたバッファ液を第3の容器43の内部に出して過硝酸を含む液体のpHを3〜4.8に調整する。これによって殺菌液SEが生成される。その後、第3の容器43を破り、中の殺菌液SEを取り出して殺菌対象を殺菌する。
本実施形態の殺菌用製剤3によると、強力な殺菌力を得ることのできる殺菌液SEを、必要なときに、道具を用いることなく、容易にかつ低コストで得ることができる。殺菌用製剤3は、小型軽量とすることができ、携帯にも便利である。使い捨ても可能である。
〔過硝酸を含む殺菌液による治療方法〕
次に、過硝酸を含む殺菌液による治療方法について説明する。
すなわち、治療方法は、化学反応によって得られた過硝酸(HOONO2)を含む液体を、pH4.8以下の酸性条件下で生体に適用して殺菌を施して治療を行う。
例えば、過硝酸を含む液体(溶液)を、そのまま歯科治療の際の歯または歯肉に適用し

て殺菌を行う。口内のpHは3.7程度であり、濡れ環境にあるので、過硝酸を含む液体のpHがこれとは異なっていても、適用した際に液体のpHが4.8以下である3.7に近くなり、適度なpHによって殺菌が行われる。
過硝酸による殺菌活性は体内に入ると体温によって短時間で消滅するので、安全である。
上に述べた製造装置1または殺菌用製剤3は、殺菌液による治療装置として用いることが可能である。
上に述べた種々の実施形態および実施例において、亜硝酸塩、過酸化物、酸の種類、形態、量などは、上に述べた以外に種々変更することができる。また、殺菌液SEの合成に際しての温度、pHなどは、上に述べた以外の種々の値のものとすることができる。
その他、製造装置1および殺菌用製剤3の各部または全体の構成、構造、形状、個数、配置、方式、材質などは、本発明の主旨に沿って適宜変更することができる。
1 製造装置(殺菌液の製造装置)
3 殺菌用製剤
11 第1の槽
12 第2の槽
13 第3の槽
13c 取出し路
21 酸供給槽
21c 酸導入路
22 冷却装置
41 第1の容器
42 第2の容器
43 第3の容器
44 第4の容器
SE 殺菌液

Claims (11)

  1. 化学反応によって得られた過硝酸(HOONO2)を含む液体を、pH4.8以下の酸性条件下で、殺菌対象に適用する、
    ことを特徴とする殺菌方法。
  2. 亜硝酸塩と過酸化物とを混合して前記過硝酸を含む液体とする、
    請求項1記載の殺菌方法。
  3. 亜硝酸ガスを水溶液に溶解させて過酸化物と混合して前記過硝酸を含む液体を得る、
    請求項1記載の殺菌方法。
  4. 亜硝酸塩と過酸化物とを混合した液体に酸を混合してpH4.8以下の液体とし、この液体を前記殺菌対象に適用する、
    請求項1記載の殺菌方法。
  5. 亜硝酸塩と過酸化物と酸とを混合してpH2以下の液体とすることにより、前記過硝酸を合成して前記過硝酸を含む液体とし、これをバッファ液を用いて希釈することによりpH3〜4.8の液体とし、この液体を前記殺菌対象に適用する、
    請求項1記載の殺菌方法。
  6. 前記過酸化物に前記酸を混合してpH2以下の液体とし、この液体と前記亜硝酸塩とを混合することにより前記過硝酸を合成する、
    請求項5記載の殺菌方法。
  7. 前記過硝酸の合成時の温度を10℃以下とし、その後に前記液体を昇温させて前記殺菌対象への適用時の温度を20℃以上とする、
    請求項5または6記載の殺菌方法。
  8. 前記亜硝酸塩として亜硝酸ナトリウム(NaNO2 )を用い、前記過酸化物として過酸化水素(H2O2)を用いる、
    請求項2、4ないし7のいずれかに記載の殺菌方法。
  9. 前記酸として硝酸(HNO3)を用いる、
    請求項5ないし7のいずれかに記載の殺菌方法。
  10. 殺菌対象に適用して当該殺菌対象の殺菌を行うための殺菌用製剤であって、
    亜硝酸塩またはその前駆体が入った第1の容器と、
    過酸化物またはその前駆体が入った第2の容器と、
    前記第1の容器から取り出された前記亜硝酸塩またはその前駆体と前記第2の容器から取り出された前記過酸化物またはその前駆体とを混合して過硝酸を含む液体を得るための第3の容器と、を含み、
    前記第3の容器内において混合が行われるときの液体のpHを2以下とするための酸を含んでおり、
    前記第3の容器内における混合が終わった後で得られる液体を前記殺菌対象への適用のために希釈してそのpHを3〜4.8とするためのバッファ液をさらに含んでなる、
    ことを特徴とする殺菌用製剤。
  11. 亜硝酸塩を収容する第1の槽と、
    過酸化物を収容する第2の槽と、
    前記第1の槽から取り出された前記亜硝酸塩と前記第2の槽から取り出された前記過酸化物とを混合して過硝酸を含む液体を得るための第3の槽と、
    前記第3の槽内において混合が行われるときの液体のpHを2以下とする酸を導入するための酸導入路と、
    前記第3の槽内の液体を冷却するための冷却装置と、
    前記第3の槽内の前記過硝酸を含む液体を取り出すための取出し路と、
    を備えることを特徴とする殺菌液の製造装置。
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