JP6086027B2 - カバーガラス及びカバーガラスの製造方法 - Google Patents

カバーガラス及びカバーガラスの製造方法 Download PDF

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本発明は、カバーガラス及びカバーガラスの製造方法に関する。
近年、携帯電話、タブレット型端末等のディスプレイを有する電子機器の普及に伴い、ディスプレイの表面を衝撃等から保護するカバーガラスの研究開発が進められている。
これらの電子機器のカバーガラスにおいては、カバーガラスの中心部に形成され、使用者に情報や画像を表示する表示部と、カバーガラスの外周部に形成され、例えば黒塗りされている非表示部と、が設けられる。この非表示部は、表示デバイスの配線部を視認されないように隠蔽すると共に、表示デバイスからの光抜けを防止する役割を果たす。
従来から、非表示部は、スクリーン印刷法によって形成されている。しかしながら、所望の遮光性を満たすためには、非表示部を幾層にも積層する必要があるため、非表示部の膜厚が大きくなる。そのため、非表示部及び表示部に亘って形成された表示デバイス用の配線部が、この非表示部の厚みによって、断線することがあるという問題点を有していた。
そこで、特許文献1では、非表示部を、有色樹脂層と金属薄膜とで形成し、非表示部の膜厚を低減する技術が開示されている。
特開2012−226688号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、非表示部の一部が金属薄膜で形成されている。そのため、絶縁性が求められる用途に使用する場合、非表示部と表示デバイスとの間に、絶縁性を有する絶縁層を設ける必要がある。結果として、非表示部全体の膜厚が、十分に低減されないという問題点を有していた。また、絶縁層を設ける製造プロセスが必要となるため、製造コストが高くなるという問題点を有していた。
上記課題に対して、本発明は、遮光性及び絶縁性を両立するカバーガラスを提供することを目的とする。
表示デバイスの表示面側に配置されるカバーガラスであって、当該カバーガラスは、
前記表示デバイス上に形成され、少なくとも前記表示デバイスの表示面側からの光を遮光する、低次酸化物を含む遮光層(低次酸化物を顔料として含む場合を除く)と、
前記遮光層上に形成される反射色調整層と、
前記反射色調整層上に形成される透明基材と、
を順次含む、カバーガラスを提供する。

本発明によれば、遮光性及び絶縁性を両立するカバーガラスを提供できる。
本実施形態に係るカバーガラスの一例の概略構成図である。 本実施形態に係るカバーガラスの製造方法の一例のフロー図である。 本実施形態に係るカバーガラスにおける、反射率測定の結果の一例である。 本実施形態に係るカバーガラスにおける、遮光性及び絶縁性の関係の一例を説明するための概略図である。
以下、本実施形態に係るカバーガラスの詳細について、図面を参照しながら説明する。
(カバーガラスの概略構成)
先ず、本実施形態に係るカバーガラスの概略構成について説明する。図1に、本実施形態に係るカバーガラスの概略構成図を示す。
図1(a)に示すように、本実施形態のカバーガラス100は、表示デバイス200の表示面側に配置され、遮光層110と、反射色調整層120と、透明基材130とを順次含んで構成される。なお、図1(a)においては、後述する配線層205を図示していない。
遮光層110は、反射色調整層120と表示デバイス200との間に位置し、少なくとも表示デバイス200側からの光を遮光する機能を有する。本明細書において、「少なくとも表示デバイス200側からの光を遮光する」とは、遮光層110が、表示デバイス200側からの可視光を透過せずに、吸収又は反射することを意味する。
また、反射色調整層120は、遮光層110と透明基材130との間に位置し、使用者が透明基材130の視認面130a側から見た場合の色調を調整する機能を有する。
即ち、遮光層110及び反射色調整層120は、例えば矩形の透明基材130の視認面130aに対して裏面130bに、反射色調整層120及び遮光層110の順番で形成される。
また、遮光層110及び反射色調整層120は、裏面130b上の例えば外周部に、額縁状に形成される。上述の構成を有することにより、本実施形態に係るカバーガラス100を携帯電話、タブレット型端末等の電子機器に適用した場合に、使用者に情報や画像を表示する表示部210と、所望の「色」に調整されている非表示部220とを形成することができる。より具体的には、カバーガラス100上の表示部210に相当する部分は、透明基材130からなり、例えばカバーガラス100の中心部に形成される。また、カバーガラス100上の非表示部220に相当する部分は、透明基材130、反射色調整層120及び遮光層110の積層構造を有し、例えばカバーガラス100の外周部に形成される。
本実施形態に係るカバーガラス100を、携帯電話、タブレット型端末等の電子機器に適用する場合、一般的に、裏面130b側に、表示デバイス200の各種デバイス用の配線層205が形成される。配線層205は、図1(b)に示すように、透明基材130の裏面130b側の表面における、表示部210に相当する部分から、表示部210と非表示部220の境界に相当する部分である反射色調整層120及び遮光層110の厚み方向の側面を経て、遮光層110の表面に沿うようにして形成される。そのため、非表示部220を形成する反射色調整層120及び遮光層110の膜厚が大きくなった場合、表示部210に相当する透明基材の表面に沿った部分と非表示部220の側面との連続部分や、非表示部220の側面と遮光層110の表面に沿う部分との連続部分等において、配線層205が断線することがある。しかしながら、本実施形態のカバーガラス100は、後述するように、反射色調整層120及び遮光層110の膜厚を、例えば1μm〜2μm程度と薄くすることで、断線を防止できる。しかも、反射色調整層120及び遮光層110の膜厚を上記のように薄くした場合であっても、十分な遮光性及び絶縁性を担保することができる。また、遮光層110の組成及び膜厚を調整することによって、所望の遮光性及び絶縁性得ることができる。即ち、本実施形態に係るカバーガラス100は、遮光性及び絶縁性を両立するカバーガラスである。
なお、配線層205の材料としては、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)等の金属材料及びインジウム(In)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)等の酸化物並びにこれらの混合物等から形成される金属酸化物等を使用することができる。
本実施形態に係る各層の具体的構成について、より詳細に説明する。
[透明基材130]
透明基材130としては、透明な基材であれば特に制限されず、例えば各種ガラス基板、透明導電性フィルム、透明非導電性フィルム、又は各種ガラス基板上にこれらのフィルムを形成したもの等を使用することができる。
前述したように、携帯電話、タブレット型端末等の電子機器で使用されるカバーガラスは、中心部に形成され、使用者に情報や画像を表示する表示部と、カバーガラスの外周部に形成され、例えば黒塗りされている非表示部と、が設けられる。この非表示部によって、表示デバイスの配線部を視認されないように隠蔽すると共に、表示デバイスからの光抜けを防止する。
本実施形態においては、非表示部220の構成要素として、後述する反射色調整層120及び遮光層110を使用する。そのため、表示デバイスの配線部を視認されないように隠蔽し、表示デバイスからの光抜けを防止すると共に、所望の「色」の非表示部220を形成することができる。
次に、本実施形態のカバーガラス100における非表示部220を構成する反射色調整層120及び遮光層110について、説明する。
[反射色調整層120]
反射色調整層120は、使用者が透明基材130の視認面130a側からカバーガラス100を見た場合に、非表示部220の「色」を光学設計する層である。なお、本明細書において、「色」とは、「色相」、「彩度」及び「明度」のことを意味する。本実施形態に係るカバーガラス100は、この反射色調整層120を有することにより、所望の「色」を表現することができる。そのため、本実施形態のカバーガラス100は、意匠性に優れたカバーガラスである。
反射色調整層120は、限定されないが、例えば酸化物、窒化物、酸窒化物及び/又は弗化物を含む単層膜、多層膜又はこれらの混合物からなり膜厚方向に混合物比が変わる傾斜膜で形成することができる。
反射色調整層120で好ましく使用できる酸化物としては、限定されないが、例えばシリコン酸化物(SiO)、ニオブ酸化物(Nb)、チタン酸化物(TiO)ジルコニウム酸化物(ZrO)及びタンタル酸化物(Ta)等が挙げられる。
反射色調整層120で好ましく使用できる窒化物としては、限定されないが、例えばシリコン窒化物(SiN)、チタン窒化物(TiN)及びAlN(アルミニウム窒化物)等が挙げられる。
反射色調整層120で好ましく使用できる、酸窒化物としては、限定されないが、例えばチタン酸窒化物(TiON)、ケイ素酸窒化物(SiON)等が挙げられる。
反射色調整層120で好ましく使用できる弗化物としては、限定されないが、例えばマグネシウム弗化物(MgF)等が挙げられる。
[遮光層110]
遮光層110は、前述したように、表示デバイス200上に形成され、少なくとも表示デバイス200側からの光を遮光する機能を有する。そのため、遮光層110の特性として、遮光率が高いことが求められる。別の言い方をすると、遮光層110は、各色の色抜けによる混色を防止するために、表示デバイスからの必要のない光を十分に遮光することが求められる。
薄い膜厚の遮光層110によって、所望の遮光特性及び絶縁特性を得る観点から、遮光層110は、少なくとも低次酸化物を含むことが好ましい。
ここで、「低次酸化物」とは、酸素欠損を有する酸化物のことを指し、低級酸化物とも呼ばれる。低次酸化物は、酸素が欠損した箇所にホールが形成され、これによって入射される光を吸収するという特徴を有する。
低次酸化物としては、特に限定されないが、
ニオブ低次酸化物、チタン低次酸化物、ジルコニウム低次酸化物、タンタル低次酸化物、ハフニウム低次酸化物、アルミニウム低次酸化物、ケイ素低次酸化物やクロム低次酸化物などが挙げられ、これらの混合物であってもよい。
より好ましい低次酸化物としては、以下に示すニオブ低次酸化物、ケイ素及びチタンの複合低次酸化物が挙げられる。
低次酸化物としてのニオブ低次酸化物は、Nbの化学量論組成比よりも酸素の割合が低いNbOであらわされ、通常、0<a<2.5を満たし、好ましくは1.3<a<1.9を満たす。また、波長550nmにおける屈折率n及び吸収係数kの好ましい範囲は、2.35<n<2.6かつ0.03<k<1であり、より好ましくは2.35<n<2.6かつ0.1<k<0.7である。
低次酸化物としてのケイ素及びチタンの複合低次酸化物はTiSiはであらわされ、b+c=1とすると、通常、TiOとSiOのそれぞれの化学量論組成よりも酸素の割合が低い、0≦b≦1かつ0≦c≦1かつ0<d<2を満たし、好ましくは0.2<b<0.7、0.3<c<0.8、1.6<d<1.95である。また、波長550nmにおける屈折率nと吸収係数kの好ましい範囲は、1.5<n<2.4かつ0.03<k<1であり、より好ましくは1.82<n<2.1かつ0.06<k<0.6である。
遮光層110は、上記材料を含んでいれば良く、例えば、上記材料からなる膜の他に、金属からなる膜を含む、多層膜として形成されていてもよい。例えば、遮光層110として、金属からなる層を多層膜の一部に含む場合、絶縁性は低下するが、より高い遮光性を得ることができる。
低次酸化物において、遮光される光量は、酸素欠損量、遮光層110の膜厚等によって調整することができる。そのため、所望の光学特性に応じて、当業者は酸素欠損量、遮光層110の膜厚及び/又は遮光層110の組成を調整することができる。
また、本実施形態に係る遮光層は、低次酸化物を含むため、金属薄膜等を含む層と比較して、絶縁性に優れる。そのため、絶縁性を有することが好ましい用途に使用する場合においても、樹脂などの絶縁材料より形成されるオーバーコート層を形成する必要がない。
また、反射色調整層120及び遮光層110は、透明基材130の裏面側130bから表示デバイス200側に向かって縮径するテーパ形状を有することが好ましい。これにより、前述した表示デバイス200用の配線層205が更に形成された場合であっても、この遮光層110(即ち、非表示部)の厚みによる段差に起因する、配線層205の断線を防ぐことができる。
以上、本実施形態のカバーガラス100は、上述した反射色調整層120及び遮光層110を有することにより、様々な「色」を有し、小さい膜厚で遮光性及び絶縁性を両立することができる。
なお、さらなる絶縁性が必要な場合、遮光層110の上にSiOなどの高絶縁性材料からなる層を別途設けてもよい。
(カバーガラスの製造方法)
本実施形態に係る、表示デバイスの上方に配置されるカバーガラスの製造方法は、透明基材130上に、反射色調整層120を成膜する工程(S300)と、前記反射色調整層上に、少なくとも前記表示デバイス200側からの光を遮光する、低次酸化物を含む遮光層110を成膜する工程(S310)と、を含む。
S300及びS310における、反射色調整層120及び遮光層110の成膜方法としては、特に制限されないが、物理的蒸着法を利用することが好ましい。また、物理的蒸着法の具体例としては、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、等が挙げられる。
テーパ形状の反射色調整層120及び遮光層110を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、透明基材130の裏面130b上に、表示部210に相当する部分にフィルムや金属などからなるマスクを設置し、物理蒸着法により反射色調整層120、遮光層110を順次成膜することで形成できる。なお、反射色調整層120及び遮光層110を成膜した後は、このマスクを除去する。また、透明基材130の裏面130b上に、予めレジストパターンを、レジストの上部が庇構造を有するように、即ち逆テーパ型に形成しておいて、物理蒸着法により反射色調整層120及び遮光層110を順次成膜し、最後にレジストパターンを除去(リフトオフ)する方法でもよい。
次に、本実施形態のカバーガラス100の特性について、具体的な実施形態を挙げて、更に詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態のカバーガラス100が、遮光性及び絶縁性を両立すると共に、所望の「色」に設計できることを確認した実施形態について、説明する。
透明基材130に対して、スパッタリング法により、下記成膜条件によって、反射色調整層120及び遮光層110を積層した。
成膜条件としては、
ターゲット:NbO(Nb、及びNbO成膜時)、
ターゲット:Si(SiO成膜時)、
DC電源出力(W):300、
成膜圧力(Pa):0.3、
処理ガス流量(sccm):Ar/O=28/2(Nb成膜時)、22/8(SiO成膜時)、30/0(NbO成膜時)、
とした。
反射色調整層120及び遮光層110の組成及び膜厚を表1に示す。表1には、各々の実施例のカバーガラス100において、透明基材130の視認面130a側から見た場合に確認された「色相」についても併記している。
Figure 0006086027
また、図3に、本実施形態に係るカバーガラスにおける、反射率測定の結果の一例を示す。図3において、横軸は光の波長を意味し、縦軸は反射率を意味する。
表1及び図3に示されるように、本実施形態のカバーガラスは、反射色調整層の組成及び膜厚を変更することにより、可視光領域(本実施の形態においては400nm〜700nm)の光の反射率を変更することができる。即ち、本実施形態のカバーガラスは、種々の色相、彩度及び明度を有する反射色に光学設計可能であることがわかった。
また、各々の実施例で得られたカバーガラスについて、光学濃度特性値OD(オプティカルデンシティ)値を測定したところ、4.6程度であった。
例えばタッチパネルセンサ等の非表示部において、OD値4〜5程度の遮光特性を得る場合、従来のスクリーン印刷法によるブラックインキでは10μm程度、またホワイトインキでは80〜120μm程度の膜厚を必要とする。しかしながら、本実施形態のカバーガラスは、表1に示すように、所望の遮光特性、絶縁特性と様々な色調を、約1μm〜2μmの膜厚で、非表示部220に相当する部分を形成できる。
また、各々の実施例で得られたカバーガラスについて、シート抵抗値Rsを測定したところ、2.3×10Ω/□(Ω/sq.)程度であり、十分なシート抵抗値を有していた。
以上の結果から、本実施形態に係るカバーガラスは、遮光性及び絶縁性を両立すると共に、所望の「色」に設計できることがわかった。
(第2の実施形態)
本実施形態のカバーガラス100が、遮光性及び絶縁性の設計の自由度が高いことを確認した実施形態について、説明する。
透明基材130に対して、スパッタリング法により、下記成膜条件によって、ニオブ低次酸化物(NbO系)を含む遮光層110を成膜した。なお、aは成膜時の酸素流量によって変化する。
成膜条件としては、
ターゲット:NbO、
DC電源出力(W):300、
成膜圧力(Pa):0.3、
処理ガス流量(sccm):Ar/O=20〜30/0〜1、
とした。
また、同様に、下記成膜条件によって、ケイ素及びチタンの複合低次酸化物(TiSi系)を含む遮光膜110を成膜した。なお、b、c、dは成膜時の各ターゲットへの電源出力と酸素流量によって変化する。
成膜条件としては、
ターゲット:Ti及びSi、
DC電源出力(W):300又は500、
成膜圧力(Pa):0.3、
処理ガス流量(sccm):Ar/O=17〜29/3〜6、
とした。
各々の実施例で得られたカバーガラス100について、シート抵抗値Rs及びT0.1%膜厚を求めた。なお、本明細書において、「T0.1%膜厚」とは、可視光領域(本実施の形態においては400nm〜700nm)の光の最大透過率(Tmax)が0.1%以下となるために必要な膜厚のことを指す。
図4に、本実施形態に係るカバーガラスにおける、遮光性及び絶縁性の関係の一例を説明するための概略図を示す。なお、図4において、横軸はT0.1%膜厚を意味し、縦軸はシート抵抗値Rsを意味する。
図4は、遮光性に関連するT0.1%膜厚が厚いほどシート抵抗値Rsが大きくなる傾向があること、さらに、T0.1%膜厚を小さくしつつシート抵抗Rsを大きくするには、適切なT0.1%膜厚や組成を選択する必要があることを示している。本実施形態のカバーガラス100は、遮光層110の膜厚及び組成を調整することにより、T0.1%膜厚を8000nm(8μm)以下とすることができ、1×10Ω/□(Ω/sq.)のシート抵抗値を得ることができた。また、成膜条件によっては、T0.1%膜厚が2000nm(2μm)以下であり、かつ、シート抵抗値Rsが1×10Ω/□以上の、高い遮光性及び高い絶縁性を両立するカバーガラス100を得ることができた。
以上のようにして得られたニオブ低次酸化物(NbO系)とケイ素及びチタンの複合低次酸化物(TiSi系)それぞれの組成比、光学定数、T0.1%膜厚とシート抵抗Rsを表2と表3に示した。表2と表3における例7〜9と例11〜16が実施例であり、例10は比較例である。遮光性と絶縁性両立の観点から、例7、例8、例9と例12、例13、例16がより好ましい。
Figure 0006086027
Figure 0006086027
以上の結果から、本実施形態に係るカバーガラスは、遮光性及び絶縁性の設計の自由度が高いことがわかった。
100 カバーガラス
110 遮光層
120 反射色調整層
130 透明基材
200 表示デバイス
205 配線層
210 表示部
220 非表示部

Claims (14)

  1. 表示デバイスの表示面側に配置されるカバーガラスであって、当該カバーガラスは、
    前記表示デバイス上に形成され、少なくとも前記表示デバイスの表示面側からの光を遮光する、低次酸化物を含む遮光層(低次酸化物を顔料として含む場合を除く)と、
    前記遮光層上に形成される反射色調整層と、
    前記反射色調整層上に形成される透明基材と、
    を順次含む、カバーガラス。
  2. 前記低次酸化物の吸収係数kは、0.03<k<1である、請求項1に記載のカバーガラス。
  3. 前記遮光層は、膜厚が8μm以下であり、シート抵抗値Rsが1×10Ω/□以上である、請求項1又は2に記載のカバーガラス。
  4. 前記遮光層は、膜厚が4μm以下であり、シート抵抗値Rsが1×10Ω/□以上である、
    請求項3に記載のカバーガラス。
  5. 前記遮光層及び前記反射色調整層は、前記透明基材の表示デバイス側から前記表示デバイスに向かって縮径するテーパ形状を有する、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載のカバーガラス。
  6. 前記遮光層は、物理的蒸着法により形成される、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載のカバーガラス。
  7. 前記低次酸化物は、ニオブ低次酸化物NbO(但し、0<a<2.5)、又は、ケイ素及びチタンの複合低次酸化物TiSi(但し、0≦b≦1、0≦c≦1、0<d<2)を含む、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載のカバーガラス。
  8. 前記低次酸化物は、少なくとも前記ニオブ低次酸化物を含み、
    前記ニオブ低次酸化物の波長550nmにおける光学定数は、屈折率nが2.35<n<2.6であり、吸収係数kが0.03<k<1である、請求項7に記載のカバーガラス。
  9. 前記低次酸化物は、少なくとも前記ケイ素及びチタンの複合低次酸化物を含み、
    前記ケイ素及びチタンの複合低次酸化物の波長550nmにおける光学定数は、屈折率nが1.5<n<2.4であり、吸収係数kが0.03<k<1である、請求項7記載のカバーガラス。
  10. 前記反射色調整層は、酸化物層、窒化物、酸窒化物層及び/又は弗化物層を含む、単層膜又は多層膜で形成される、
    請求項1乃至9のいずれか一項に記載のカバーガラス。
  11. 表示デバイスの表示面側に配置されるカバーガラスの製造方法であって、
    透明基材上に、反射色調整層を成膜する工程と、
    前記反射色調整層上に、少なくとも前記表示デバイス側からの光を遮光する、低次酸化物を含む遮光層(低次酸化物を顔料として含む場合を除く)を成膜する工程と、
    を有する、カバーガラスの製造方法。
  12. 前記遮光層を成膜する工程は、物理的蒸着法によって実施される、
    請求項11に記載のカバーガラスの製造方法。
  13. 前記反射色調整層を成膜する工程の前に、前記透明基材上の前記遮光層を形成しない領域に、フィルム又はガラスを含むマスクを設置する工程と、
    前記遮光層を成膜する工程の後に、前記マスクを除去する工程と、
    を更に含む、請求項11又は12に記載のカバーガラスの製造方法。
  14. 前記反射色調整層を成膜する工程の前に、前記透明基材上の前記遮光層を形成しない領域に、レジストパターンを形成する工程と、
    前記遮光層を成膜する工程の後に、前記レジストパターンを除去する工程と、
    を更に含む、
    請求項11又は12に記載のカバーガラスの製造方法。
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