JP2000303163A - 低反射黒色膜、低反射黒色積層膜、低反射黒色膜の製造方法およびカラーフィルター - Google Patents
低反射黒色膜、低反射黒色積層膜、低反射黒色膜の製造方法およびカラーフィルターInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】これまでの低反射黒色膜に比べ、光学特性およ
び耐熱性の良好なブラックマトリックス材料に用いられ
る低反射黒色(積層)膜および該低反射黒色(積層)膜
を用いたブラックマトリックスを可能にし、該ブラック
マトリックスが設けられたカラーフィルターを提供す
る。 【解決手段】基板上に形成される、(1)(1−1)基
板上に形成された少なくとも一層の低反射黒色膜が、チ
タン酸化物からなるチタン化合物を主成分とする均質組
成の金属酸化物薄膜である低反射黒色膜、(2)(2−
1)基板上に形成された低反射黒色膜が、深さ方向の面
における主成分がTiO(2-X)(式中:0≦X≦2)で
表わされるチタン化合物である金属酸化物薄膜であっ
て、前記基板側最下面から黒色膜の表面に向かう膜厚方
向に対して前記Xの値が連続的に増加または減少する傾
斜組成を有する低反射黒色膜。
び耐熱性の良好なブラックマトリックス材料に用いられ
る低反射黒色(積層)膜および該低反射黒色(積層)膜
を用いたブラックマトリックスを可能にし、該ブラック
マトリックスが設けられたカラーフィルターを提供す
る。 【解決手段】基板上に形成される、(1)(1−1)基
板上に形成された少なくとも一層の低反射黒色膜が、チ
タン酸化物からなるチタン化合物を主成分とする均質組
成の金属酸化物薄膜である低反射黒色膜、(2)(2−
1)基板上に形成された低反射黒色膜が、深さ方向の面
における主成分がTiO(2-X)(式中:0≦X≦2)で
表わされるチタン化合物である金属酸化物薄膜であっ
て、前記基板側最下面から黒色膜の表面に向かう膜厚方
向に対して前記Xの値が連続的に増加または減少する傾
斜組成を有する低反射黒色膜。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表示装置、例えば液
晶ディスプレー(LCD)等に光学濃度が高く、反射率
が低く、パターン精度が高く、高コントラストを与え、
耐熱性の良好なブラックマトリックス材料等に用いられ
る低反射黒色膜、低反射黒色積層膜、該低反射黒色(積
層)膜の製造方法および該低反射黒色(積層)膜を用い
たカラーフィルターに関する。
晶ディスプレー(LCD)等に光学濃度が高く、反射率
が低く、パターン精度が高く、高コントラストを与え、
耐熱性の良好なブラックマトリックス材料等に用いられ
る低反射黒色膜、低反射黒色積層膜、該低反射黒色(積
層)膜の製造方法および該低反射黒色(積層)膜を用い
たカラーフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】表示デバイスにコントラストを与えるた
めに液晶ディスプレー等に用いるブラックマトリックス
は、Cr系無機薄膜ブラックマトリックスまたはカーボ
ンブラックなどの黒色色材を樹脂に分散した黒色塗料
(インキ)が多用された規則正しい正方形または長方形
の網目状をしている。黒色塗料を用いた場合、反射率を
低くすることは可能なものの、遮光性が低く、光学濃度
3を確保しようとすると、膜厚を厚くせざるを得ないこ
とやパターン精度が悪いなどの欠点があった。
めに液晶ディスプレー等に用いるブラックマトリックス
は、Cr系無機薄膜ブラックマトリックスまたはカーボ
ンブラックなどの黒色色材を樹脂に分散した黒色塗料
(インキ)が多用された規則正しい正方形または長方形
の網目状をしている。黒色塗料を用いた場合、反射率を
低くすることは可能なものの、遮光性が低く、光学濃度
3を確保しようとすると、膜厚を厚くせざるを得ないこ
とやパターン精度が悪いなどの欠点があった。
【0003】またCr系無機薄膜ブラックマトリックス
の中では、金属Crブラックマトリックスが高い光学濃
度を有する利点があるものの、反射率が高い欠点を有し
ているため、Cr/CrNxやCr/CrOxなどの積層
型ブラックマトリックスが用いられてきている。しかし
これらは、いずれにせよCr系の材料を使用するためパ
ターン形成時にCr廃液が生じ、処理設備、処理コスト
を必要とするとともに、地球に優しい材料ではない。
の中では、金属Crブラックマトリックスが高い光学濃
度を有する利点があるものの、反射率が高い欠点を有し
ているため、Cr/CrNxやCr/CrOxなどの積層
型ブラックマトリックスが用いられてきている。しかし
これらは、いずれにせよCr系の材料を使用するためパ
ターン形成時にCr廃液が生じ、処理設備、処理コスト
を必要とするとともに、地球に優しい材料ではない。
【0004】このようなCr系材料に代えて、特開平9
−101404号公報には、ともに鉄を主成分とした金
属薄膜と金属酸化物薄膜とからなる積層構造を有する低
反射黒色膜が記載されている。
−101404号公報には、ともに鉄を主成分とした金
属薄膜と金属酸化物薄膜とからなる積層構造を有する低
反射黒色膜が記載されている。
【0005】また特開平10−60627号公報には、
低反射性および遮光性を有する黒色薄膜、およびその製
造法が記載されている。この黒色薄膜は、銅、クロム、
または鉄を含むものであって、基板から表面に向かって
膜厚方向に酸化度が徐々に減少するような傾斜組成を有
するものである。
低反射性および遮光性を有する黒色薄膜、およびその製
造法が記載されている。この黒色薄膜は、銅、クロム、
または鉄を含むものであって、基板から表面に向かって
膜厚方向に酸化度が徐々に減少するような傾斜組成を有
するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの黒色膜および
薄膜は、カラーフィルター作成時に用いた場合の熱加工
に対する熱安定性が充分ではない。
薄膜は、カラーフィルター作成時に用いた場合の熱加工
に対する熱安定性が充分ではない。
【0007】本発明者等は前記の課題に鑑み鋭意研究し
た結果、チタン酸化物を主成分とする金属酸化物薄膜、
チタン酸化物および金属亜鉛またはチタン酸化物および
亜鉛酸化物を主成分とする複合金属酸化物薄膜を黒色膜
とすることにより、上記課題を解決できることを見出し
た。
た結果、チタン酸化物を主成分とする金属酸化物薄膜、
チタン酸化物および金属亜鉛またはチタン酸化物および
亜鉛酸化物を主成分とする複合金属酸化物薄膜を黒色膜
とすることにより、上記課題を解決できることを見出し
た。
【0008】すなわち(1)(1−1)基板上に形成さ
れた、少なくとも一層の低反射黒色膜が、チタン酸化物
からなるチタン化合物を主成分とする均質組成の金属酸
化物薄膜であることを特徴とする低反射黒色膜、または
(1−2)前記(1−1)の金属酸化物薄膜が、さらに
亜鉛化合物を含む複合金属酸化物薄膜であることを特徴
とする低反射黒色膜、(2)(2−1)基板上に形成さ
れた低反射黒色膜が、深さ方向の面における主成分がT
iO(2-X)(式中:0≦X≦2)で表わされるチタン化
合物である金属酸化物薄膜であって、前記基板側最下面
から黒色膜の表面に向かう膜厚方向に対して前記Xの値
が連続的に増加または減少する傾斜組成を有することを
特徴とする低反射黒色膜、または(2−2)前記(2−
1)の金属酸化物薄膜が、さらに亜鉛化合物を含む複合
金属酸化物薄膜であることを特徴とする低反射黒色膜、
(3)(3−1)基板上に、それぞれチタン化合物を主
成分とする(A)光低反射層、(B)光吸収層、(C)
光遮光層の各層がこの順序、または逆の順序で形成され
ている低反射黒色積層膜において、前記(B)光吸収層
が前記(1)の低反射黒色膜であって、(A)光低反射
層と(B)光吸収層との界面におけるチタン化合物の酸
化度が、(B)光吸収層側の方が小さく、(B)光吸収
層と(C)光遮光層との界面におけるチタン化合物の酸
化度が、(C)光遮光層側の方が小さいことを特徴とす
る低反射黒色積層膜を提供することにより、光学特性が
良好で、耐熱性のあるブラックマトリックスを得ること
が可能となった。
れた、少なくとも一層の低反射黒色膜が、チタン酸化物
からなるチタン化合物を主成分とする均質組成の金属酸
化物薄膜であることを特徴とする低反射黒色膜、または
(1−2)前記(1−1)の金属酸化物薄膜が、さらに
亜鉛化合物を含む複合金属酸化物薄膜であることを特徴
とする低反射黒色膜、(2)(2−1)基板上に形成さ
れた低反射黒色膜が、深さ方向の面における主成分がT
iO(2-X)(式中:0≦X≦2)で表わされるチタン化
合物である金属酸化物薄膜であって、前記基板側最下面
から黒色膜の表面に向かう膜厚方向に対して前記Xの値
が連続的に増加または減少する傾斜組成を有することを
特徴とする低反射黒色膜、または(2−2)前記(2−
1)の金属酸化物薄膜が、さらに亜鉛化合物を含む複合
金属酸化物薄膜であることを特徴とする低反射黒色膜、
(3)(3−1)基板上に、それぞれチタン化合物を主
成分とする(A)光低反射層、(B)光吸収層、(C)
光遮光層の各層がこの順序、または逆の順序で形成され
ている低反射黒色積層膜において、前記(B)光吸収層
が前記(1)の低反射黒色膜であって、(A)光低反射
層と(B)光吸収層との界面におけるチタン化合物の酸
化度が、(B)光吸収層側の方が小さく、(B)光吸収
層と(C)光遮光層との界面におけるチタン化合物の酸
化度が、(C)光遮光層側の方が小さいことを特徴とす
る低反射黒色積層膜を提供することにより、光学特性が
良好で、耐熱性のあるブラックマトリックスを得ること
が可能となった。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、基
板上に形成された、少なくとも一層の低反射黒色膜が、
チタン酸化物からなるチタン化合物を主成分とする均質
組成の金属酸化物薄膜であることを特徴とする低反射黒
色膜 (以下、「均質組成低反射黒色膜」ということもあ
る)を提供するものである。
板上に形成された、少なくとも一層の低反射黒色膜が、
チタン酸化物からなるチタン化合物を主成分とする均質
組成の金属酸化物薄膜であることを特徴とする低反射黒
色膜 (以下、「均質組成低反射黒色膜」ということもあ
る)を提供するものである。
【0010】また、本発明は、前記均質組成低反射黒色
膜の金属酸化物薄膜が、さらに亜鉛化合物を含む複合金
属酸化物薄膜であることを特徴とする低反射黒色膜 (以
下、「均質複合組成低反射黒色膜」ということもある)
を提供するものである。
膜の金属酸化物薄膜が、さらに亜鉛化合物を含む複合金
属酸化物薄膜であることを特徴とする低反射黒色膜 (以
下、「均質複合組成低反射黒色膜」ということもある)
を提供するものである。
【0011】また、本発明は、基板上に形成された低反
射黒色膜が、深さ方向の面における主成分がTiO
(2-X)(式中:0≦X≦2)で表わされるチタン化合物
である金属酸化物薄膜であって、前記基板側最下面から
黒色膜の表面に向かう膜厚方向に対して前記Xの値が連
続的に増加または減少する傾斜組成を有することを特徴
とする低反射黒色膜 (以下、「傾斜組成低反射黒色膜」
ということもある)を提供するものである。
射黒色膜が、深さ方向の面における主成分がTiO
(2-X)(式中:0≦X≦2)で表わされるチタン化合物
である金属酸化物薄膜であって、前記基板側最下面から
黒色膜の表面に向かう膜厚方向に対して前記Xの値が連
続的に増加または減少する傾斜組成を有することを特徴
とする低反射黒色膜 (以下、「傾斜組成低反射黒色膜」
ということもある)を提供するものである。
【0012】また、本発明は、前記傾斜組成低反射黒色
膜の金属酸化物薄膜が、さらに亜鉛化合物を含む複合金
属酸化物薄膜であることを特徴とする低反射黒色膜 (以
下、「傾斜複合組成低反射黒色膜」ということもある)
を提供するものである。
膜の金属酸化物薄膜が、さらに亜鉛化合物を含む複合金
属酸化物薄膜であることを特徴とする低反射黒色膜 (以
下、「傾斜複合組成低反射黒色膜」ということもある)
を提供するものである。
【0013】また、本発明は、基板上に、それぞれチタ
ン化合物を主成分とする下記(A)、(B)および
(C)の各層がこの順序、または逆の順序で形成されて
いる低反射黒色積層膜において、前記(B)光吸収層が
前記均質(複合)組成低反射黒色膜または傾斜複合組成
低反射黒色膜であり、(A)光低反射層と(B)光吸収
層との界面におけるチタン化合物の酸化度が、(B)光
吸収層側の方が小さく、(B)光吸収層と(C)光遮光
層との界面におけるチタン化合物の酸化度が、(C)光
遮光層側の方が小さいことを特徴とする低反射黒色積層
膜を提供するものである。 (A)光低反射層、(B)光吸収層、(C)光遮光層
ン化合物を主成分とする下記(A)、(B)および
(C)の各層がこの順序、または逆の順序で形成されて
いる低反射黒色積層膜において、前記(B)光吸収層が
前記均質(複合)組成低反射黒色膜または傾斜複合組成
低反射黒色膜であり、(A)光低反射層と(B)光吸収
層との界面におけるチタン化合物の酸化度が、(B)光
吸収層側の方が小さく、(B)光吸収層と(C)光遮光
層との界面におけるチタン化合物の酸化度が、(C)光
遮光層側の方が小さいことを特徴とする低反射黒色積層
膜を提供するものである。 (A)光低反射層、(B)光吸収層、(C)光遮光層
【0014】また、本発明は、スパッタリング法または
イオンプレーティング法を用いた、チタン酸化物からな
るチタン化合物を主成分とする低反射黒色膜の製造方法
であって、膜形成工程における酸化反応を膜形成工程途
中で、抑制または促進することを特徴とする前記の傾斜
組成を有する低反射黒色膜の製造方法を提供するもので
ある。本明細書では、低反射黒色膜の製造方法には、低
反射黒色積層膜の製造方法を含む。
イオンプレーティング法を用いた、チタン酸化物からな
るチタン化合物を主成分とする低反射黒色膜の製造方法
であって、膜形成工程における酸化反応を膜形成工程途
中で、抑制または促進することを特徴とする前記の傾斜
組成を有する低反射黒色膜の製造方法を提供するもので
ある。本明細書では、低反射黒色膜の製造方法には、低
反射黒色積層膜の製造方法を含む。
【0015】また、本発明は、前記膜形成工程途中にお
ける酸化反応の抑制または促進が、酸素分圧、ターゲッ
トからの飛散または酸素プラズマとの反応を制御するこ
とにより行われるものであることを特徴とする前記の低
反射黒色膜の製造方法を提供するものである。
ける酸化反応の抑制または促進が、酸素分圧、ターゲッ
トからの飛散または酸素プラズマとの反応を制御するこ
とにより行われるものであることを特徴とする前記の低
反射黒色膜の製造方法を提供するものである。
【0016】また、本発明は、基板上に、少なくとも3
色のカラーフィルター層と該カラーフィルター層を仕切
るブラックマトリックスとが設けられたカラー液晶パネ
ルにおいて、該ブラックマトリックスが前記の低反射黒
色膜または低反射黒色積層膜であることを特徴とするカ
ラーフィルターを提供するものである。
色のカラーフィルター層と該カラーフィルター層を仕切
るブラックマトリックスとが設けられたカラー液晶パネ
ルにおいて、該ブラックマトリックスが前記の低反射黒
色膜または低反射黒色積層膜であることを特徴とするカ
ラーフィルターを提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述
する。 (1)均質組成低反射黒色膜(均質複合組成低反射黒色
膜) 本発明の均質組成低反射黒色膜は、チタン酸化物(チタ
ン亜酸化物を含む)からなるチタン化合物を主成分とす
る金属酸化物薄膜が少なくとも一層形成された金属酸化
物薄膜である。本明細書における「均質組成」とは、深
さ方向における膜の組成が後述する「傾斜組成」とは異
なり、大きく変化しないもので、チタン酸化物の2価乃
至4価のチタンが、ある一定の比率で黒色膜中に、光学
的波長レベルで均一に分散しているものである。この組
成は、チタン酸化物をTiO(2-X )とすると、式中のX
の値は、0<X<2で表わされるものである。
する。 (1)均質組成低反射黒色膜(均質複合組成低反射黒色
膜) 本発明の均質組成低反射黒色膜は、チタン酸化物(チタ
ン亜酸化物を含む)からなるチタン化合物を主成分とす
る金属酸化物薄膜が少なくとも一層形成された金属酸化
物薄膜である。本明細書における「均質組成」とは、深
さ方向における膜の組成が後述する「傾斜組成」とは異
なり、大きく変化しないもので、チタン酸化物の2価乃
至4価のチタンが、ある一定の比率で黒色膜中に、光学
的波長レベルで均一に分散しているものである。この組
成は、チタン酸化物をTiO(2-X )とすると、式中のX
の値は、0<X<2で表わされるものである。
【0018】また本明細書におけるチタン酸化物からな
るチタン化合物を主成分とする金属酸化物薄膜とは、黒
色系を呈する2価(TiO)相当および/または3価
(Ti 2O3=TiO1.5)相当のチタン酸化物が、形成
する薄膜の色相を黒色とする量を含有していればよく、
黒色でない4価(TiO2)相当のチタン酸化物を含ん
でいてもよい。ここでの相当とは、2価、3価または4
価と価数が整数でないものをも含んでいる。また本明細
書における「チタン化合物」とは、後述する亜鉛化合物
を含む複合組成の場合には、チタン・亜鉛複合酸化物を
含むものとする。
るチタン化合物を主成分とする金属酸化物薄膜とは、黒
色系を呈する2価(TiO)相当および/または3価
(Ti 2O3=TiO1.5)相当のチタン酸化物が、形成
する薄膜の色相を黒色とする量を含有していればよく、
黒色でない4価(TiO2)相当のチタン酸化物を含ん
でいてもよい。ここでの相当とは、2価、3価または4
価と価数が整数でないものをも含んでいる。また本明細
書における「チタン化合物」とは、後述する亜鉛化合物
を含む複合組成の場合には、チタン・亜鉛複合酸化物を
含むものとする。
【0019】また本明細書における「主成分」とは、チ
タン化合物が95重量%以上、好ましくは99重量%以
上含有することを指す。なお他の成分として、Ni、C
u、Fe、Mn、Si、C、S等を含んでもよい。
タン化合物が95重量%以上、好ましくは99重量%以
上含有することを指す。なお他の成分として、Ni、C
u、Fe、Mn、Si、C、S等を含んでもよい。
【0020】均質組成低反射黒色膜の膜厚は、100〜
600nmが好ましく、より好ましくは、400〜50
0nmである。膜厚が100nm未満では、遮光性が充
分に得られず、600nmを超えると作成されるカラー
フィルターに段差が生じる恐れがある。
600nmが好ましく、より好ましくは、400〜50
0nmである。膜厚が100nm未満では、遮光性が充
分に得られず、600nmを超えると作成されるカラー
フィルターに段差が生じる恐れがある。
【0021】上記均質組成低反射黒色膜は、さらに亜鉛
化合物を含んだチタン・亜鉛複合化合物を用いてもよい
(均質複合組成低反射黒色膜)。均質複合組成低反射黒
色膜は、エッチングに使用する酸として通常の無機酸の
水溶液(王水、硫酸、リン酸、次亜リン酸等)を使用す
ることができる。
化合物を含んだチタン・亜鉛複合化合物を用いてもよい
(均質複合組成低反射黒色膜)。均質複合組成低反射黒
色膜は、エッチングに使用する酸として通常の無機酸の
水溶液(王水、硫酸、リン酸、次亜リン酸等)を使用す
ることができる。
【0022】また、亜鉛化合物を含むことにより、含ま
ない場合に比べて3倍程度の高い吸光度を得ることがで
きる。なお、本明細書における亜鉛化合物とは、金属亜
鉛および亜鉛酸化物の両方を意味するものである。
ない場合に比べて3倍程度の高い吸光度を得ることがで
きる。なお、本明細書における亜鉛化合物とは、金属亜
鉛および亜鉛酸化物の両方を意味するものである。
【0023】均質複合組成低反射黒色膜は、仮に構造式
としてZnxTiyOzと表現すると、x/(x+y)が
0.1〜0.6であることが好ましく、0.2〜0.6
であることがより好ましい。なお、このとき、zはZn
とTiの酸化度に応じて、それぞれのx/(x+y)に
おいて変化するものである。この均質複合組成低反射黒
色膜はX線での解析により、アモルファス構造であるこ
とを確認することができる。
としてZnxTiyOzと表現すると、x/(x+y)が
0.1〜0.6であることが好ましく、0.2〜0.6
であることがより好ましい。なお、このとき、zはZn
とTiの酸化度に応じて、それぞれのx/(x+y)に
おいて変化するものである。この均質複合組成低反射黒
色膜はX線での解析により、アモルファス構造であるこ
とを確認することができる。
【0024】上記均質複合組成低反射黒色膜における膜
中のZn/(Zn+Ti)の原子比率は、上述したよう
に、10/100〜60/100が好ましく、20/1
00〜60/100がより好ましい。Zn/(Zn+T
i)の比率が10/100未満では、目的とする添加効
果が得られない。60/100を超えると、パターン精
度が低下する等の不具合が生じる恐れがある。 上記均
質複合組成低反射黒色膜の膜厚は、100〜600nm
が好ましく、より好ましくは100〜400nm、さら
に好ましくは200〜300nmである。膜厚が100
nm未満では、光の透過率が大きくなり遮光性が充分に
得られず、600nmを超えると作成されるカラーフィ
ルターに段差が生じる恐れがある。
中のZn/(Zn+Ti)の原子比率は、上述したよう
に、10/100〜60/100が好ましく、20/1
00〜60/100がより好ましい。Zn/(Zn+T
i)の比率が10/100未満では、目的とする添加効
果が得られない。60/100を超えると、パターン精
度が低下する等の不具合が生じる恐れがある。 上記均
質複合組成低反射黒色膜の膜厚は、100〜600nm
が好ましく、より好ましくは100〜400nm、さら
に好ましくは200〜300nmである。膜厚が100
nm未満では、光の透過率が大きくなり遮光性が充分に
得られず、600nmを超えると作成されるカラーフィ
ルターに段差が生じる恐れがある。
【0025】前記均質組成低反射黒色膜および均質複合
組成低反射黒色膜は、膜厚300nm程度で3以上の高
い遮光性を示す光学濃度、12%程度以下の低い反射率
(基板のガラスの反射を含む)を示すため、基板に単独
膜として形成することでブラックマトリックスとしての
機能を発現することができる。なお、光学濃度は、OD
値(Optical Density)=log(1/
T)で表すことができる。ここでTは、透過率を示すも
のである。なお、酸化度の異なる2種の均質組成低反射
黒色膜を積層することで、反射率を低下させることがで
きる。
組成低反射黒色膜は、膜厚300nm程度で3以上の高
い遮光性を示す光学濃度、12%程度以下の低い反射率
(基板のガラスの反射を含む)を示すため、基板に単独
膜として形成することでブラックマトリックスとしての
機能を発現することができる。なお、光学濃度は、OD
値(Optical Density)=log(1/
T)で表すことができる。ここでTは、透過率を示すも
のである。なお、酸化度の異なる2種の均質組成低反射
黒色膜を積層することで、反射率を低下させることがで
きる。
【0026】本発明の均質組成低反射黒色膜は、スパッ
タリング法またはイオンプレーティング法等金属薄膜の
形成に用いられる公知の方法を適用して形成できる。ス
パッタリング法ではターゲットとして、イオンプレーテ
ィング法では蒸発材料として、それぞれ金属チタンまた
はTiO2、Ti3O5等のチタン酸化物の粉末、小片ま
たはペレットを用いる。また、亜鉛化合物を含有させる
場合には、上記の金属チタンまたはチタン酸化物の代わ
りにTi−Zn合金を用いるか、上記の金属チタンまた
はチタン酸化物に、金属亜鉛またはZnOの粉末、小片
またはペレットを加えて膜の形成を行うことにより、ま
た2つの電子銃を用いる場合、上記の金属チタンまたは
チタン酸化物と金属亜鉛またはZnOをそれぞれ別々に
セットして用いることにより、目的物を得ることができ
る。
タリング法またはイオンプレーティング法等金属薄膜の
形成に用いられる公知の方法を適用して形成できる。ス
パッタリング法ではターゲットとして、イオンプレーテ
ィング法では蒸発材料として、それぞれ金属チタンまた
はTiO2、Ti3O5等のチタン酸化物の粉末、小片ま
たはペレットを用いる。また、亜鉛化合物を含有させる
場合には、上記の金属チタンまたはチタン酸化物の代わ
りにTi−Zn合金を用いるか、上記の金属チタンまた
はチタン酸化物に、金属亜鉛またはZnOの粉末、小片
またはペレットを加えて膜の形成を行うことにより、ま
た2つの電子銃を用いる場合、上記の金属チタンまたは
チタン酸化物と金属亜鉛またはZnOをそれぞれ別々に
セットして用いることにより、目的物を得ることができ
る。
【0027】スパッタリング法における均質組成低反射
黒色膜の形成は、使用する装置によっても異なるが、A
r−酸素混合ガスにおけるAr流量を10〜200SC
CM、酸素流量を5〜10SCCM、スパッタリング圧
力を0.1〜5Pa、DC出力を200〜1000W、
基板温度を室温〜80℃に調整することによって行うこ
とができる。特に酸素流量の制御が重要であり、酸素流
量が5SCCM未満では金属光沢を有する金属または黒
色を呈さない膜となり黒色の薄膜が得られず、酸素流量
が10SCCMを超えると光を吸収しない透明なチタン
酸化物膜となる。
黒色膜の形成は、使用する装置によっても異なるが、A
r−酸素混合ガスにおけるAr流量を10〜200SC
CM、酸素流量を5〜10SCCM、スパッタリング圧
力を0.1〜5Pa、DC出力を200〜1000W、
基板温度を室温〜80℃に調整することによって行うこ
とができる。特に酸素流量の制御が重要であり、酸素流
量が5SCCM未満では金属光沢を有する金属または黒
色を呈さない膜となり黒色の薄膜が得られず、酸素流量
が10SCCMを超えると光を吸収しない透明なチタン
酸化物膜となる。
【0028】(2)傾斜組成低反射黒色膜 本発明の傾斜組成低反射黒色膜は、基板上に形成された
低反射黒色膜が、深さ方向の面における主成分がTiO
(2-X)(式中:0≦X≦2)で表わされるチタン化合物
である金属酸化物薄膜であって、前記基板側最下面から
黒色膜の表面に向かう膜厚方向に対して前記Xの値が連
続的に増加または減少する傾斜組成を有することを特徴
とする低反射黒色膜である。
低反射黒色膜が、深さ方向の面における主成分がTiO
(2-X)(式中:0≦X≦2)で表わされるチタン化合物
である金属酸化物薄膜であって、前記基板側最下面から
黒色膜の表面に向かう膜厚方向に対して前記Xの値が連
続的に増加または減少する傾斜組成を有することを特徴
とする低反射黒色膜である。
【0029】基板側最下面から黒色膜の表面に向かう膜
厚方向に対してXの値が連続的に増加する傾斜組成を有
する低反射黒色膜は、基板の黒色膜のない方から光が入
射する場合に用いられ、また、Xの値が連続的に減少す
る傾斜組成を有する低反射黒色膜は、基板の黒色膜の方
から光が入射する場合に用いられるものである。
厚方向に対してXの値が連続的に増加する傾斜組成を有
する低反射黒色膜は、基板の黒色膜のない方から光が入
射する場合に用いられ、また、Xの値が連続的に減少す
る傾斜組成を有する低反射黒色膜は、基板の黒色膜の方
から光が入射する場合に用いられるものである。
【0030】このような傾斜組成低反射黒色膜は、前記
(1)の均質組成低反射黒色膜と同様にスパッタリング
法またはイオンプレーティング法等金属薄膜の形成に用
いられる公知の方法を適用して形成できる。スパッタリ
ング法ではターゲットとして、イオンプレーティング法
では蒸発材料として、それぞれ金属チタンの粉末、小片
またはペレットを用いる。また用いる方法としては、好
ましくは、反応性イオンプレーティング法である。この
方法は、イオンプレーティング装置内にて、蒸発材料を
イオン化して生成した蒸発イオンまたは昇華粒子イオン
と、放電によって発生させた酸素プラズマとを、場合に
より装置内のプラズマを安定化および活性化させるため
に一定量の不活性ガスを導入して反応させるものであ
り、それによってチタン酸化物の低反射黒色膜を形成す
ることができる。
(1)の均質組成低反射黒色膜と同様にスパッタリング
法またはイオンプレーティング法等金属薄膜の形成に用
いられる公知の方法を適用して形成できる。スパッタリ
ング法ではターゲットとして、イオンプレーティング法
では蒸発材料として、それぞれ金属チタンの粉末、小片
またはペレットを用いる。また用いる方法としては、好
ましくは、反応性イオンプレーティング法である。この
方法は、イオンプレーティング装置内にて、蒸発材料を
イオン化して生成した蒸発イオンまたは昇華粒子イオン
と、放電によって発生させた酸素プラズマとを、場合に
より装置内のプラズマを安定化および活性化させるため
に一定量の不活性ガスを導入して反応させるものであ
り、それによってチタン酸化物の低反射黒色膜を形成す
ることができる。
【0031】チタン化合物TiO(2-X)(式中:0≦X
≦2)を主成分とする金属酸化物薄膜が、前記基板側最
下面から黒色膜の表面に向かう膜厚方向に対して、前記
Xの値が連続的に増加する傾斜組成を有する低反射黒色
膜を形成する制御方法を以下に説明する。上記傾斜組成
を有する低反射黒色膜を形成するには、酸化反応を膜形
成工程途中で抑制することにより得られるが、好ましく
は、(第1方法)スパッタリング法またはイオンプレー
ティング法における酸素分圧を膜形成工程途中で徐々に
減少しながら形成する、(第2方法)スパッタリング法
におけるターゲットからの飛散を膜形成工程途中で徐々
に抑制する、(第3方法)イオンプレーティング法にお
ける蒸発材料からの飛散を膜形成工程途中で徐々に増加
しながら形成する、(第4方法)イオンプレーティング
法におけるコイルへの印可出力を膜形成工程途中で徐々
に減少しながら形成する、(第5方法)上記方法を併用
することにより得られる。
≦2)を主成分とする金属酸化物薄膜が、前記基板側最
下面から黒色膜の表面に向かう膜厚方向に対して、前記
Xの値が連続的に増加する傾斜組成を有する低反射黒色
膜を形成する制御方法を以下に説明する。上記傾斜組成
を有する低反射黒色膜を形成するには、酸化反応を膜形
成工程途中で抑制することにより得られるが、好ましく
は、(第1方法)スパッタリング法またはイオンプレー
ティング法における酸素分圧を膜形成工程途中で徐々に
減少しながら形成する、(第2方法)スパッタリング法
におけるターゲットからの飛散を膜形成工程途中で徐々
に抑制する、(第3方法)イオンプレーティング法にお
ける蒸発材料からの飛散を膜形成工程途中で徐々に増加
しながら形成する、(第4方法)イオンプレーティング
法におけるコイルへの印可出力を膜形成工程途中で徐々
に減少しながら形成する、(第5方法)上記方法を併用
することにより得られる。
【0032】酸素分圧を膜形成工程途中で徐々に減少す
る方法として、例えば処理開始時に3〜80SCCMの
ものを800秒迄に、好ましくは100〜300秒迄
に、0SCCMまで減少する方法をとることができる。
このときの減少率は、0.05〜0.5SCCM/秒が
好ましい。なお、この際プラズマを安定するためにアル
ゴン等のガスを導入してもよい。またコイルへの印可出
力を膜形成工程途中で徐々に減少する方法として、例え
ばイオンプレーティング法によりプラズマを発生するた
めのコイルへの印加出力を、処理開始時に50〜100
0Wのものを800秒迄に、好ましくは100〜300
秒迄に、5〜30Wと減少する方法をとることができ
る。減少率は、1〜10W/秒が好ましい。膜厚方向に
対して、前記Xの値が連続的に減少する傾斜組成を有す
る低反射黒色膜を形成する場合、制御の方向が上記の場
合と逆になる。
る方法として、例えば処理開始時に3〜80SCCMの
ものを800秒迄に、好ましくは100〜300秒迄
に、0SCCMまで減少する方法をとることができる。
このときの減少率は、0.05〜0.5SCCM/秒が
好ましい。なお、この際プラズマを安定するためにアル
ゴン等のガスを導入してもよい。またコイルへの印可出
力を膜形成工程途中で徐々に減少する方法として、例え
ばイオンプレーティング法によりプラズマを発生するた
めのコイルへの印加出力を、処理開始時に50〜100
0Wのものを800秒迄に、好ましくは100〜300
秒迄に、5〜30Wと減少する方法をとることができ
る。減少率は、1〜10W/秒が好ましい。膜厚方向に
対して、前記Xの値が連続的に減少する傾斜組成を有す
る低反射黒色膜を形成する場合、制御の方向が上記の場
合と逆になる。
【0033】単独膜としての傾斜組成低反射黒色膜は、
膜厚600nm程度で、3以上の高いOD値、5%程度
以下の低い反射率(基板のガラスの反射を含む)を示
す。
膜厚600nm程度で、3以上の高いOD値、5%程度
以下の低い反射率(基板のガラスの反射を含む)を示
す。
【0034】傾斜組成低反射黒色膜は、膜厚は、100
〜1000nmが好ましく、より好ましくは400〜8
00nmである。膜厚が100nm程度未満では、光の
透過率が大きくなり遮光性が充分に得られず、1000
nmを超えると作成されるカラーフィルターに段差が生
じる恐れがある。
〜1000nmが好ましく、より好ましくは400〜8
00nmである。膜厚が100nm程度未満では、光の
透過率が大きくなり遮光性が充分に得られず、1000
nmを超えると作成されるカラーフィルターに段差が生
じる恐れがある。
【0035】本発明の傾斜複合組成低反射黒色膜は、さ
らに亜鉛化合物を含んだチタン・亜鉛複合化合物を用い
てもよい(傾斜複合組成低反射黒色膜)。
らに亜鉛化合物を含んだチタン・亜鉛複合化合物を用い
てもよい(傾斜複合組成低反射黒色膜)。
【0036】傾斜複合組成低反射黒色膜は、前記傾斜組
成低反射黒色膜で用いたのと同じスパッタリング法また
はイオンプレーティング法等金属薄膜の形成に用いられ
る公知の方法を適用して形成できる。スパッタリング法
ではターゲットとして、イオンプレーティング法では蒸
発材料として、それぞれ(イ)金属チタンの粉末、小片
またはペレットおよび金属亜鉛またはZnOの粉末、小
片またはペレットを用いるか、(ロ)Ti−Zn合金を
用いる。好ましくは、金属チタンのペレットと金属亜鉛
のペレットを用いる。また用いる方法としては、好まし
くは、反応性イオンプレーティング法である。その他の
条件は、前記傾斜組成低反射黒色膜の形成方法と同様で
ある。
成低反射黒色膜で用いたのと同じスパッタリング法また
はイオンプレーティング法等金属薄膜の形成に用いられ
る公知の方法を適用して形成できる。スパッタリング法
ではターゲットとして、イオンプレーティング法では蒸
発材料として、それぞれ(イ)金属チタンの粉末、小片
またはペレットおよび金属亜鉛またはZnOの粉末、小
片またはペレットを用いるか、(ロ)Ti−Zn合金を
用いる。好ましくは、金属チタンのペレットと金属亜鉛
のペレットを用いる。また用いる方法としては、好まし
くは、反応性イオンプレーティング法である。その他の
条件は、前記傾斜組成低反射黒色膜の形成方法と同様で
ある。
【0037】傾斜複合組成低反射黒色膜は、亜鉛化合物
が混在することにより、亜鉛化合物が混在しない傾斜組
成低反射黒色膜に比べて、膜厚200nmで3倍程度の
高い吸光度、OD値で3以上という高い遮光性を示し、
7%程度以下の低い反射率(基板のガラスの反射を含
む)が得られる。また亜鉛化合物が混在しない傾斜組成
低反射黒色膜では、形成したブラックマトリックスをパ
ターニングする際のエッチングに強酸(HF等)を使用
する必要があるが、亜鉛化合物が混在することにより、
前記の無機酸を使用できる。
が混在することにより、亜鉛化合物が混在しない傾斜組
成低反射黒色膜に比べて、膜厚200nmで3倍程度の
高い吸光度、OD値で3以上という高い遮光性を示し、
7%程度以下の低い反射率(基板のガラスの反射を含
む)が得られる。また亜鉛化合物が混在しない傾斜組成
低反射黒色膜では、形成したブラックマトリックスをパ
ターニングする際のエッチングに強酸(HF等)を使用
する必要があるが、亜鉛化合物が混在することにより、
前記の無機酸を使用できる。
【0038】本発明の傾斜複合組成低反射黒色膜におけ
る膜中のZn/(Zn+Ti)の原子比率は、10/1
00〜60/100が好ましく、20/100〜50/
100がより好ましい。Zn/(Zn+Ti)の比率が
10/100未満では、酸に対するエッチングレートが
低くなり、黒色膜のエッチングに時間を要する、または
酸に対するエッチング温度が高くなり、実用性の点での
不具合が生じることがある。一方60/100を超える
と黒色膜の反射率が高くなると同時に、酸に対するエッ
チングレートが高くなり、パターン精度が低下する等の
不具合が生じることがある。
る膜中のZn/(Zn+Ti)の原子比率は、10/1
00〜60/100が好ましく、20/100〜50/
100がより好ましい。Zn/(Zn+Ti)の比率が
10/100未満では、酸に対するエッチングレートが
低くなり、黒色膜のエッチングに時間を要する、または
酸に対するエッチング温度が高くなり、実用性の点での
不具合が生じることがある。一方60/100を超える
と黒色膜の反射率が高くなると同時に、酸に対するエッ
チングレートが高くなり、パターン精度が低下する等の
不具合が生じることがある。
【0039】傾斜複合組成低反射黒色膜は、前記の傾斜
組成低反射黒色膜に比べて薄く、膜厚200nm程度
で、3以上の高いOD値、7%程度以下の低い反射率
(基板のガラスの反射を含む)を示す。傾斜組成低反射
黒色膜は、膜厚は、100〜600nmが好ましく、よ
り好ましくは100〜400nmである。膜厚が100
nm程度未満では、光の透過率が大きくなり遮光性が充
分に得られず、600nmを超えると作成されるカラー
フィルターに段差が生じる恐れがある。なお、本発明の
傾斜複合組成低反射黒色膜は、チタン酸化物の酸化度が
変化すると同時に、亜鉛の酸化度も同じ傾向で変化す
る。
組成低反射黒色膜に比べて薄く、膜厚200nm程度
で、3以上の高いOD値、7%程度以下の低い反射率
(基板のガラスの反射を含む)を示す。傾斜組成低反射
黒色膜は、膜厚は、100〜600nmが好ましく、よ
り好ましくは100〜400nmである。膜厚が100
nm程度未満では、光の透過率が大きくなり遮光性が充
分に得られず、600nmを超えると作成されるカラー
フィルターに段差が生じる恐れがある。なお、本発明の
傾斜複合組成低反射黒色膜は、チタン酸化物の酸化度が
変化すると同時に、亜鉛の酸化度も同じ傾向で変化す
る。
【0040】(3)低反射黒色積層膜 本発明の低反射黒色積層膜は、基板上に、それぞれチタ
ン化合物を主成分とする(A)光低反射層、(B)光吸
収層、(C)光遮光層の各層がこの順序、または逆の順
序で形成されている低反射黒色積層膜において、前記
(B)光吸収層が前記均質(複合)組成低反射黒色膜ま
たは傾斜(複合)組成低反射黒色膜であって、(A)光
低反射層と(B)光吸収層との界面におけるチタン化合
物の酸化度が、(B)光吸収層側の方が小さく、(B)
光吸収層と(C)光遮光層との界面におけるチタン化合
物の酸化度が、(C)光遮光層側の方が小さいことを特
徴とする低反射黒色積層膜である。
ン化合物を主成分とする(A)光低反射層、(B)光吸
収層、(C)光遮光層の各層がこの順序、または逆の順
序で形成されている低反射黒色積層膜において、前記
(B)光吸収層が前記均質(複合)組成低反射黒色膜ま
たは傾斜(複合)組成低反射黒色膜であって、(A)光
低反射層と(B)光吸収層との界面におけるチタン化合
物の酸化度が、(B)光吸収層側の方が小さく、(B)
光吸収層と(C)光遮光層との界面におけるチタン化合
物の酸化度が、(C)光遮光層側の方が小さいことを特
徴とする低反射黒色積層膜である。
【0041】(A)光低反射層 光低反射層は、基板から入射した光の反射を抑制する機
能を有し、積層低反射黒色膜の場合、光低反射層の膜厚
が、光の波長より充分に薄いことが好ましく、より好ま
しい膜厚は、均質組成膜では50nm以下であり、さら
に好ましくは5〜30nmであり、傾斜組成膜では50
〜300nmである。この光低反射層として、下記の条
件を満たしていれば前記均質(複合)組成低反射黒色膜
または傾斜(複合)組成低反射黒色膜を用いることが可
能であるが、酸素分圧を高い状態で膜を形成することに
よって得られる、酸化度の高いチタン酸化物透明体を用
いることが好ましい。
能を有し、積層低反射黒色膜の場合、光低反射層の膜厚
が、光の波長より充分に薄いことが好ましく、より好ま
しい膜厚は、均質組成膜では50nm以下であり、さら
に好ましくは5〜30nmであり、傾斜組成膜では50
〜300nmである。この光低反射層として、下記の条
件を満たしていれば前記均質(複合)組成低反射黒色膜
または傾斜(複合)組成低反射黒色膜を用いることが可
能であるが、酸素分圧を高い状態で膜を形成することに
よって得られる、酸化度の高いチタン酸化物透明体を用
いることが好ましい。
【0042】(B)光吸収層 光吸収層は、反射を抑制する機能および光を吸収する機
能を有し、光吸収を行うことおよび界面反射を低減する
ことがその役割である。この光吸収層には、前記均質低
反射黒色膜または均質複合低反射黒色膜が用いられる。
その膜厚は、均質組成膜では50〜200nmが好まし
く、傾斜組成膜では5〜100nmが好ましい。50n
mまたは5nmより薄いと光吸収の効果がなくなる恐れ
があり、200nmまたは100nmより厚いとカラー
フィルター形成時に支障が生じる恐れがある。
能を有し、光吸収を行うことおよび界面反射を低減する
ことがその役割である。この光吸収層には、前記均質低
反射黒色膜または均質複合低反射黒色膜が用いられる。
その膜厚は、均質組成膜では50〜200nmが好まし
く、傾斜組成膜では5〜100nmが好ましい。50n
mまたは5nmより薄いと光吸収の効果がなくなる恐れ
があり、200nmまたは100nmより厚いとカラー
フィルター形成時に支障が生じる恐れがある。
【0043】(C)光遮光層 光遮光層は、基板から入射し、光低反射層および光吸収
層を経て漏れた光を元に戻す機能、進入してきた光を吸
収する機能およびブラックマトリックスの膜厚を薄くす
る機能を有するもので、光を遮光することがその目的で
ある。この光低反射層として、下記の条件に示すよう
に、前記(B)光吸収層よりも酸化度を低くしたチタン化
合物であれば、前記均質(複合)組成低反射黒色膜また
は傾斜(複合)組成低反射黒色膜を用いることが可能で
ある。好ましい膜厚は、均質組成膜では50〜200n
mであり、傾斜組成膜では10〜100nmである。
層を経て漏れた光を元に戻す機能、進入してきた光を吸
収する機能およびブラックマトリックスの膜厚を薄くす
る機能を有するもので、光を遮光することがその目的で
ある。この光低反射層として、下記の条件に示すよう
に、前記(B)光吸収層よりも酸化度を低くしたチタン化
合物であれば、前記均質(複合)組成低反射黒色膜また
は傾斜(複合)組成低反射黒色膜を用いることが可能で
ある。好ましい膜厚は、均質組成膜では50〜200n
mであり、傾斜組成膜では10〜100nmである。
【0044】本発明の低反射黒色積層膜において、前記
(A)〜(C)の各層は、以下の条件を満たしている必
要がある。 ・(A)光低反射層と(B)光吸収層との界面における
チタン化合物の酸化度が、(B)光吸収層側の方が小さ
い。 ・(B)光吸収層と(C)光遮光層との界面におけるチ
タン化合物の酸化度が、(C)光遮光層側の方が小さ
い。 すなわち、(A)→(B)→(C)の膜の順で、チタン
化合物の酸化度は小さくなっていく。
(A)〜(C)の各層は、以下の条件を満たしている必
要がある。 ・(A)光低反射層と(B)光吸収層との界面における
チタン化合物の酸化度が、(B)光吸収層側の方が小さ
い。 ・(B)光吸収層と(C)光遮光層との界面におけるチ
タン化合物の酸化度が、(C)光遮光層側の方が小さ
い。 すなわち、(A)→(B)→(C)の膜の順で、チタン
化合物の酸化度は小さくなっていく。
【0045】光吸収層が前記均質(複合)組成低反射黒
色膜である場合には、積層させる方法として、例えば直
流型マグネトロンスパッタリング法において、酸素流量
を一定にして途中でDC出力を段階的に上げる方法によ
り、またはDC出力を一定にして途中で酸素流量を段階
的に下げる方法により、または酸素流量を段階的に下げ
つつDC出力も段階的に下げる等の前記2法を組み合わ
せた方法が挙げられる。これらの方法により、膜形成中
の酸素分圧を制御することになるが、酸素分圧を途中で
段階的に下げることにより、順次酸化度が低い2層以上
の積層膜が形成される。また光吸収層が前記傾斜(複
合)組成低反射黒色膜である場合には、光吸収層を前記
方法により傾斜組成膜を形成し、光反射層、光遮蔽層は
前記均質組成膜または傾斜組成膜により形成する。ま
た、それぞれの層は、界面におけるチタン化合物の酸化
度を基準として、前記の傾向に整合した傾斜組成を持つ
ものを用いる必要がある。また、基板上に(A)→
(B)→(C)の順序で形成されている場合の低反射黒
色積層膜は、基板側から光が入射する場合に用いられる
ものであり、逆の順序で形成されている場合の低反射黒
色積層膜は、基板の反対側から光が入射する場合に用い
られるものである。
色膜である場合には、積層させる方法として、例えば直
流型マグネトロンスパッタリング法において、酸素流量
を一定にして途中でDC出力を段階的に上げる方法によ
り、またはDC出力を一定にして途中で酸素流量を段階
的に下げる方法により、または酸素流量を段階的に下げ
つつDC出力も段階的に下げる等の前記2法を組み合わ
せた方法が挙げられる。これらの方法により、膜形成中
の酸素分圧を制御することになるが、酸素分圧を途中で
段階的に下げることにより、順次酸化度が低い2層以上
の積層膜が形成される。また光吸収層が前記傾斜(複
合)組成低反射黒色膜である場合には、光吸収層を前記
方法により傾斜組成膜を形成し、光反射層、光遮蔽層は
前記均質組成膜または傾斜組成膜により形成する。ま
た、それぞれの層は、界面におけるチタン化合物の酸化
度を基準として、前記の傾向に整合した傾斜組成を持つ
ものを用いる必要がある。また、基板上に(A)→
(B)→(C)の順序で形成されている場合の低反射黒
色積層膜は、基板側から光が入射する場合に用いられる
ものであり、逆の順序で形成されている場合の低反射黒
色積層膜は、基板の反対側から光が入射する場合に用い
られるものである。
【0046】このように3層に積層することで、例え
ば、反射率12%程度の均質複合低反射黒色膜を光吸収
層に用いた場合において、積層膜厚240nm程度で反
射率が8%の黒色薄膜を得ることができる。これは、先
に述べた酸化度の異なる2種の均質組成低反射黒色膜を
2層に積層した場合の反射率の低下より大きい。
ば、反射率12%程度の均質複合低反射黒色膜を光吸収
層に用いた場合において、積層膜厚240nm程度で反
射率が8%の黒色薄膜を得ることができる。これは、先
に述べた酸化度の異なる2種の均質組成低反射黒色膜を
2層に積層した場合の反射率の低下より大きい。
【0047】なお、先に述べた傾斜組成低反射黒色膜の
形成方法において、上記の光低反射層および光遮光層
は、光吸収層の初期工程および最終工程の酸化度制御を
それぞれ継続的に実施することにより、連続的に形成す
ることができる。この場合、全体の膜として各層間で明
確な境界が存在しない膜を得ることができるが、この方
法は、膜形成の工程を連続的に行うことができるため有
用であり、各層間で明確な境界が存在しないことで、反
射率を5%程度まで下げることが可能となる。
形成方法において、上記の光低反射層および光遮光層
は、光吸収層の初期工程および最終工程の酸化度制御を
それぞれ継続的に実施することにより、連続的に形成す
ることができる。この場合、全体の膜として各層間で明
確な境界が存在しない膜を得ることができるが、この方
法は、膜形成の工程を連続的に行うことができるため有
用であり、各層間で明確な境界が存在しないことで、反
射率を5%程度まで下げることが可能となる。
【0048】(4)基板 本発明に用いる基板としては、例えば、無アルカリガラ
ス、ソーダライムガラス等のカラーフィルターに使用し
得るガラス材質を使用できるほか、成膜することが室温
条件で可能なため、ポリカーボネート、ポリエチレンテ
レフタレート、またはポリエーテルサルフォン等の透明
なプラスチック基板も使用できる。
ス、ソーダライムガラス等のカラーフィルターに使用し
得るガラス材質を使用できるほか、成膜することが室温
条件で可能なため、ポリカーボネート、ポリエチレンテ
レフタレート、またはポリエーテルサルフォン等の透明
なプラスチック基板も使用できる。
【0049】(5)パターニング 本発明の低反射黒色膜をカラーフィルターのブラックマ
トリックスとして使用するに際して、まず形成された黒
色膜を所定のパターン状に加工する。エッチング工程に
よるパターンを形成するには、形成された黒色膜上に感
光性レジスト薄膜を形成し、所定のフォトマスクを用い
て露光し、現像する。次いで未露光のレジスト薄膜を水
洗除去した後、所定の酸によりエッチングを行い、未露
光下の黒色膜を除去する。次いで露光した感光性レジス
ト薄膜を所定のアルカリ等でレジストを除去し、その後
水洗することによって、パターニングを行うことができ
る。またパターニングは、リフトオフ法によっても行え
る。リフトオフ法による場合、まず、ガラス基板上にポ
ジ型感光性レジスト薄膜を形成した後、所定のフォトマ
スクを用いてパターン露光し、現像する。次いで、その
上に、黒色膜を形成した後、ガラス基板の薄膜を形成し
た面とは反対の面(裏面)から光源(例えば、超高圧水
銀灯)を用いて露光し、現像することにより、レジスト
のパターンとともに不要部の黒色膜を剥離して、所望の
ブラックマトリックスパターンを形成する。ここで使用
するレジストは、ネガ型であってもよく、その場合、黒
色膜形成後には露光せずにレジストパターンを公知の現
像/剥離液に溶解させることにより、所望のブラックマ
トリックスパターンを形成する。このようにパターニン
グされた黒色膜は、格子状のブラックマトリックスによ
って仕切られた各微小部分が色画素部を構成するもので
ある。次いで、赤の顔料分散レジストをブラックマトリ
ックスが形成された基板上に塗布し、ソフトべーク、露
光、現像およびポストベークを施して、赤の着色画素部
を形成する。その後、同様にして、緑、青の各着色画素
部を順次形成することにより、赤、緑、青の3原色の着
色画素部を配列したカラーフィルターが得られる。
トリックスとして使用するに際して、まず形成された黒
色膜を所定のパターン状に加工する。エッチング工程に
よるパターンを形成するには、形成された黒色膜上に感
光性レジスト薄膜を形成し、所定のフォトマスクを用い
て露光し、現像する。次いで未露光のレジスト薄膜を水
洗除去した後、所定の酸によりエッチングを行い、未露
光下の黒色膜を除去する。次いで露光した感光性レジス
ト薄膜を所定のアルカリ等でレジストを除去し、その後
水洗することによって、パターニングを行うことができ
る。またパターニングは、リフトオフ法によっても行え
る。リフトオフ法による場合、まず、ガラス基板上にポ
ジ型感光性レジスト薄膜を形成した後、所定のフォトマ
スクを用いてパターン露光し、現像する。次いで、その
上に、黒色膜を形成した後、ガラス基板の薄膜を形成し
た面とは反対の面(裏面)から光源(例えば、超高圧水
銀灯)を用いて露光し、現像することにより、レジスト
のパターンとともに不要部の黒色膜を剥離して、所望の
ブラックマトリックスパターンを形成する。ここで使用
するレジストは、ネガ型であってもよく、その場合、黒
色膜形成後には露光せずにレジストパターンを公知の現
像/剥離液に溶解させることにより、所望のブラックマ
トリックスパターンを形成する。このようにパターニン
グされた黒色膜は、格子状のブラックマトリックスによ
って仕切られた各微小部分が色画素部を構成するもので
ある。次いで、赤の顔料分散レジストをブラックマトリ
ックスが形成された基板上に塗布し、ソフトべーク、露
光、現像およびポストベークを施して、赤の着色画素部
を形成する。その後、同様にして、緑、青の各着色画素
部を順次形成することにより、赤、緑、青の3原色の着
色画素部を配列したカラーフィルターが得られる。
【0050】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例を挙げて
さらに具体的に説明するが本発明はこれらの実施例にの
み限定されるものではない。
さらに具体的に説明するが本発明はこれらの実施例にの
み限定されるものではない。
【0051】評価方法 (a)光学特性 光学濃度:空気をリファレンスとしてガラス面より光を
入射した値を分光光度計により測定。 反射率:アルミミラーに対する相対反射率(基板のガラ
スの反射を含む)を分光光度計により測定。 (b)耐薬品性 0.5%NaOH水溶液、86%H3PO4水溶液、33
%H3PO2水溶液、96%H2SO4水溶液およびHFに
対する溶解性を評価した。 (c)耐熱性 赤外線ヒーターにより大気中250℃、60分間加熱
し、試験前後の光学濃度を測定した。 (d)薄膜構造、酸化度、化学結合状態および組成 薄膜構造をX線回折法(XRD)により、酸化度、化学
結合状態および組成をX線光電子分光法(XPS)によ
り評価した。
入射した値を分光光度計により測定。 反射率:アルミミラーに対する相対反射率(基板のガラ
スの反射を含む)を分光光度計により測定。 (b)耐薬品性 0.5%NaOH水溶液、86%H3PO4水溶液、33
%H3PO2水溶液、96%H2SO4水溶液およびHFに
対する溶解性を評価した。 (c)耐熱性 赤外線ヒーターにより大気中250℃、60分間加熱
し、試験前後の光学濃度を測定した。 (d)薄膜構造、酸化度、化学結合状態および組成 薄膜構造をX線回折法(XRD)により、酸化度、化学
結合状態および組成をX線光電子分光法(XPS)によ
り評価した。
【0052】実施例1〜11、比較例1は、光の入射方
向が基板の黒色膜の形成されていない方の例である。
向が基板の黒色膜の形成されていない方の例である。
【0053】実施例1均質組成低反射黒色膜の形成 ガラス基板としてソーダライムガラスおよび金属チタン
ターゲットを反応性直流型マグネトロンスパッタリング
装置(SH350、日本真空(株)製)のチャンバー内
に設置した後、成膜を開始する前に、ターゲット上の不
純物を除去するために、Arイオンエッチングを10分
間行った。成膜時のTiO(2-X)の成膜速度は、それぞ
れ約15nm/分であり、それぞれ膜厚が200、35
0、400、430nmになるように成膜時間を調節し
た。スパッタリングガスは、Ar−酸素混合ガスを用
い、Ar流量は100SCCM、酸素流量は5.5SC
CM、DC出力450Wに制御した。このときの動作圧
力は0.4Paであった。なお基板−ターゲット間距離
は約50mmとした。このようにして反応性直流型スパ
ッタリング法によって得られた均質組成低反射黒色膜
は、黒色を呈し、2価、3価、および4価のチタン酸化
物が、一定割合で混在した黒色膜であった。図1に各膜
厚(図中記号:膜厚200nm(a)、350nm
(b)、400nm(c)、430nm(d))におけ
る均質組成低反射黒膜の吸光度スペクトルを、図2に膜
厚350nmの前記均質組成低反射黒色膜の反射率との
関係を示すグラフを、図3に空気中、523Kで1時間
加熱を行い、その前後での吸光度スペクトルの変化を測
定することによる、均質組成低反射黒色膜の耐熱性結果
を示すグラフをそれぞれ示した。また表1に耐薬品性の
結果を示した。
ターゲットを反応性直流型マグネトロンスパッタリング
装置(SH350、日本真空(株)製)のチャンバー内
に設置した後、成膜を開始する前に、ターゲット上の不
純物を除去するために、Arイオンエッチングを10分
間行った。成膜時のTiO(2-X)の成膜速度は、それぞ
れ約15nm/分であり、それぞれ膜厚が200、35
0、400、430nmになるように成膜時間を調節し
た。スパッタリングガスは、Ar−酸素混合ガスを用
い、Ar流量は100SCCM、酸素流量は5.5SC
CM、DC出力450Wに制御した。このときの動作圧
力は0.4Paであった。なお基板−ターゲット間距離
は約50mmとした。このようにして反応性直流型スパ
ッタリング法によって得られた均質組成低反射黒色膜
は、黒色を呈し、2価、3価、および4価のチタン酸化
物が、一定割合で混在した黒色膜であった。図1に各膜
厚(図中記号:膜厚200nm(a)、350nm
(b)、400nm(c)、430nm(d))におけ
る均質組成低反射黒膜の吸光度スペクトルを、図2に膜
厚350nmの前記均質組成低反射黒色膜の反射率との
関係を示すグラフを、図3に空気中、523Kで1時間
加熱を行い、その前後での吸光度スペクトルの変化を測
定することによる、均質組成低反射黒色膜の耐熱性結果
を示すグラフをそれぞれ示した。また表1に耐薬品性の
結果を示した。
【0054】実施例2均質複合組成低反射黒色膜の形成 ガラス基板としてソーダライムガラスおよび膜中のZn
/(Zn+Ti)原子比率が20%、27%、32%、
40%、55%になる金属チタンと金属亜鉛との混合物
ターゲットを実施例1と同じスパッタリングチャンバー
内に設置した後、成膜を開始する前に、ターゲット上の
不純物を除去するために、Arイオンエッチングを10
分間行った。成膜時のTiO(2-X)の成膜速度は約15
nm/分であり、下記の膜厚となるように成膜時間を調
節した。スパッタリングガスは、Ar−酸素混合ガスを
用い、Ar流量は100SCCM、酸素流量は5.5S
CCM、DC出力450Wに制御した。このときの動作
圧力は0.4Paであった。なお基板−ターゲット間距
離は約50mmとした。このようにして直流型反応性ス
パッタリング法によって得られた均質組成低反射黒色膜
は、黒色を呈し、2価、3価、および4価のチタン酸化
物が、一定割合で混在した黒色膜であった。図4に、タ
ーゲット表面のZn/(Zn+Ti)面積比率とX線光
電子分光法(XPS)により得られた膜中のZn/(Z
n+Ti)との原子比率を示した。図5に、実施例1の
Znを含まない均質組成低反射黒色膜中およびZn/
(Zn+Ti)原子比率=27%および55%の均質複
合組成低反射黒色膜中のXRDによる回折結果を示し
た。図6に、実施例1のZnを含まない均質組成低反射
黒色膜およびZn/(Zn+Ti)原子比率=20%、
27%、32%、40%、55%の均質複合組成低反射
黒色膜における吸光度スペクトルを示したZn/(Zn
+Ti)原子比率の各水準で個別に作成した。図7に、
実施例1のZnを含まない均質組成低反射黒色膜および
均質複合組成低反射黒色膜の可視光反射特性曲線(波長
と反射率の関係)を示した。図中のA〜Fは、 A:(Znを含まない)、膜厚=196nm、 B:Zn/(Zn+Ti)原子比率=20%、膜厚=2
08nm、 C:Zn/(Zn+Ti)原子比率=27%、膜厚=1
96nm、 D:Zn/(Zn+Ti)原子比率=32%、膜厚=2
18nm、 E:Zn/(Zn+Ti)原子比率=55%、膜厚=2
94nm F:Zn/(Zn+Ti)原子比率=40%、膜厚=1
80nm、 を表わす。また表1に耐薬品性の結果を示した。図5に
おいて、回折ピークが認められないことから、ここで得
られた薄膜はアモルファス構造をとっていると考えられ
る。
/(Zn+Ti)原子比率が20%、27%、32%、
40%、55%になる金属チタンと金属亜鉛との混合物
ターゲットを実施例1と同じスパッタリングチャンバー
内に設置した後、成膜を開始する前に、ターゲット上の
不純物を除去するために、Arイオンエッチングを10
分間行った。成膜時のTiO(2-X)の成膜速度は約15
nm/分であり、下記の膜厚となるように成膜時間を調
節した。スパッタリングガスは、Ar−酸素混合ガスを
用い、Ar流量は100SCCM、酸素流量は5.5S
CCM、DC出力450Wに制御した。このときの動作
圧力は0.4Paであった。なお基板−ターゲット間距
離は約50mmとした。このようにして直流型反応性ス
パッタリング法によって得られた均質組成低反射黒色膜
は、黒色を呈し、2価、3価、および4価のチタン酸化
物が、一定割合で混在した黒色膜であった。図4に、タ
ーゲット表面のZn/(Zn+Ti)面積比率とX線光
電子分光法(XPS)により得られた膜中のZn/(Z
n+Ti)との原子比率を示した。図5に、実施例1の
Znを含まない均質組成低反射黒色膜中およびZn/
(Zn+Ti)原子比率=27%および55%の均質複
合組成低反射黒色膜中のXRDによる回折結果を示し
た。図6に、実施例1のZnを含まない均質組成低反射
黒色膜およびZn/(Zn+Ti)原子比率=20%、
27%、32%、40%、55%の均質複合組成低反射
黒色膜における吸光度スペクトルを示したZn/(Zn
+Ti)原子比率の各水準で個別に作成した。図7に、
実施例1のZnを含まない均質組成低反射黒色膜および
均質複合組成低反射黒色膜の可視光反射特性曲線(波長
と反射率の関係)を示した。図中のA〜Fは、 A:(Znを含まない)、膜厚=196nm、 B:Zn/(Zn+Ti)原子比率=20%、膜厚=2
08nm、 C:Zn/(Zn+Ti)原子比率=27%、膜厚=1
96nm、 D:Zn/(Zn+Ti)原子比率=32%、膜厚=2
18nm、 E:Zn/(Zn+Ti)原子比率=55%、膜厚=2
94nm F:Zn/(Zn+Ti)原子比率=40%、膜厚=1
80nm、 を表わす。また表1に耐薬品性の結果を示した。図5に
おいて、回折ピークが認められないことから、ここで得
られた薄膜はアモルファス構造をとっていると考えられ
る。
【0055】実施例3積層(2層)複合組成低反射黒色
膜の形成 ガラス基板としてソーダライムガラスおよび膜中のZn
/(Zn+Ti)原子比率が40%になる金属チタンと
金属亜鉛との混合物ターゲットを実施例1と同じスパッ
タリングチャンバー内に設置した後、成膜を開始する前
に、ターゲット上の不純物を除去するために、Arイオ
ンエッチングを10分間行った。成膜時のTiO(2-X)
の成膜速度は約2.5nm/分であり、膜厚が10nm
になるように成膜時間を調節し、光低反射層を形成し
た。スパッタリングガスは、Ar−酸素混合ガスを用
い、Ar流量は100SCCM、酸素流量は5.5SC
CM、DC出力450Wに制御した。このときの動作圧
力は0.4Paであった。なお基板−ターゲット間距離
は約50mmとした。次いで引き続き、DC出力のみを
600Wに変え、膜厚が140nmになるように成膜時
間を調節し、光遮光層を形成した。2層の積層膜を形成
した。このようにして得られた均質組成低反射黒色膜
は、第1層目は、透明な薄膜で、第2層目は黒色を呈
し、2価、3価、および4価のチタン酸化物が、一定割
合で混在した黒色膜であった。第2層目の方が第1層目
より、酸化度が低いことが確認できた。図8に、得られ
た積層複合組成低反射黒色膜Gの反射率を単層低反射黒
色膜Fとともに示した。
膜の形成 ガラス基板としてソーダライムガラスおよび膜中のZn
/(Zn+Ti)原子比率が40%になる金属チタンと
金属亜鉛との混合物ターゲットを実施例1と同じスパッ
タリングチャンバー内に設置した後、成膜を開始する前
に、ターゲット上の不純物を除去するために、Arイオ
ンエッチングを10分間行った。成膜時のTiO(2-X)
の成膜速度は約2.5nm/分であり、膜厚が10nm
になるように成膜時間を調節し、光低反射層を形成し
た。スパッタリングガスは、Ar−酸素混合ガスを用
い、Ar流量は100SCCM、酸素流量は5.5SC
CM、DC出力450Wに制御した。このときの動作圧
力は0.4Paであった。なお基板−ターゲット間距離
は約50mmとした。次いで引き続き、DC出力のみを
600Wに変え、膜厚が140nmになるように成膜時
間を調節し、光遮光層を形成した。2層の積層膜を形成
した。このようにして得られた均質組成低反射黒色膜
は、第1層目は、透明な薄膜で、第2層目は黒色を呈
し、2価、3価、および4価のチタン酸化物が、一定割
合で混在した黒色膜であった。第2層目の方が第1層目
より、酸化度が低いことが確認できた。図8に、得られ
た積層複合組成低反射黒色膜Gの反射率を単層低反射黒
色膜Fとともに示した。
【0056】実施例4積層(3層)複合組成低反射黒色
膜の形成 実施例3と同様にして、第1層目の膜厚10nmの光低
反射層を形成した。スパッタリングガスは、Ar−酸素
混合ガスを用い、Ar流量は100SCCM、酸素流量
は5.5SCCM、DC出力450Wに制御した。この
ときの動作圧力は0.4Paであった。なお基板−ター
ゲット間距離は50mmとした。次いで引き続きDC出
力のみを500Wに変え、膜厚が50nmになるように
成膜時間を調節し、光吸収層を形成した。2層の積層膜
を形成後、さらに引き続きDC出力のみを600Wに変
え膜厚がそれぞれ60、140,180nmと3水準に
なるように成膜時間を調節し、光遮光層を形成したこの
ようにして得られた均質組成低反射黒色膜は、第1層目
は、透明な薄膜で、第2層目および第3層目は黒色を呈
し、2価、3価、および4価のチタン酸化物が、一定割
合で混在した黒色膜であった。第2層目の方が第1層目
より、第3層目の方が第2層目より、酸化度が低いこと
が確認できた。図8に、膜厚180nmの3層低反射黒
色膜Hの反射率を示した。これより、3層低反射黒色膜
Hは、実施例3の2層低反射黒色膜Gに比べて、さらに
光学特性が高いことが確認された。図9に、3層の積層
複合組成低反射黒色膜の各膜厚における吸光度の関係を
示した。
膜の形成 実施例3と同様にして、第1層目の膜厚10nmの光低
反射層を形成した。スパッタリングガスは、Ar−酸素
混合ガスを用い、Ar流量は100SCCM、酸素流量
は5.5SCCM、DC出力450Wに制御した。この
ときの動作圧力は0.4Paであった。なお基板−ター
ゲット間距離は50mmとした。次いで引き続きDC出
力のみを500Wに変え、膜厚が50nmになるように
成膜時間を調節し、光吸収層を形成した。2層の積層膜
を形成後、さらに引き続きDC出力のみを600Wに変
え膜厚がそれぞれ60、140,180nmと3水準に
なるように成膜時間を調節し、光遮光層を形成したこの
ようにして得られた均質組成低反射黒色膜は、第1層目
は、透明な薄膜で、第2層目および第3層目は黒色を呈
し、2価、3価、および4価のチタン酸化物が、一定割
合で混在した黒色膜であった。第2層目の方が第1層目
より、第3層目の方が第2層目より、酸化度が低いこと
が確認できた。図8に、膜厚180nmの3層低反射黒
色膜Hの反射率を示した。これより、3層低反射黒色膜
Hは、実施例3の2層低反射黒色膜Gに比べて、さらに
光学特性が高いことが確認された。図9に、3層の積層
複合組成低反射黒色膜の各膜厚における吸光度の関係を
示した。
【0057】実施例5積層(3層)複合組成低反射黒色
膜のブラックマトリックス化 実施例4で得た膜厚180nmの積層(3層)複合組成
低反射黒色膜上に、ネガ型レジスト(日本ゼオン株式会
社製、ZPN1100)をスピンコート法により塗布
し、100℃で10分間乾燥した後、所定のフォトマス
クを介して超高圧水銀灯(大日本スクリーン製、MAP
−1200L、出力600mJ/cm2)を用いて、4
0秒露光後、80℃にて30分間加熱した。その後、
0.45%の水酸化ナトリウム水溶液を用いて3分間現
像した後、水洗および乾燥してレジストパターンを形成
し、その後、33%H3PO2水溶液で80℃にて70秒
間エッチングし、5%の水酸化ナトリウム水溶液にて、
レジストを剥離し、水洗、乾燥することによりブラック
マトリックスを得た。図10に拡大参考写真を示した。
膜のブラックマトリックス化 実施例4で得た膜厚180nmの積層(3層)複合組成
低反射黒色膜上に、ネガ型レジスト(日本ゼオン株式会
社製、ZPN1100)をスピンコート法により塗布
し、100℃で10分間乾燥した後、所定のフォトマス
クを介して超高圧水銀灯(大日本スクリーン製、MAP
−1200L、出力600mJ/cm2)を用いて、4
0秒露光後、80℃にて30分間加熱した。その後、
0.45%の水酸化ナトリウム水溶液を用いて3分間現
像した後、水洗および乾燥してレジストパターンを形成
し、その後、33%H3PO2水溶液で80℃にて70秒
間エッチングし、5%の水酸化ナトリウム水溶液にて、
レジストを剥離し、水洗、乾燥することによりブラック
マトリックスを得た。図10に拡大参考写真を示した。
【0058】実施例6傾斜組成低反射黒色膜の形成 電子銃を装備したイオンプレーティング装置(シンクロ
ン製BMC−1100型)内に基板を設置し、配置した
蒸発材料(金属チタン)を以下の条件で蒸発させた。ま
ず、酸素ガス流量を30SCCM、プラズマ印可出力を
500Wにて膜厚260nmの光低反射層を成膜した
後、酸素ガス流量を30SCCMから0SCCMまで2
00秒で徐々に減少させて傾斜組成の膜厚約30nmの
光吸収層を成膜し、酸素ガスを遮断すると同時にプラズ
マ印可出力を0Wにした。その後、酸素ガス流量0SC
CMのまま、さらに100nmの光遮光層を成膜する事
により、傾斜組成低反射黒色薄膜を基板上に形成した。
傾斜組成を有していることは、X線光電子分光法(XP
S)により確認した。このようにして得た傾斜組成低反
射黒色膜の光学濃度は3.2であり、JISK5400
に準拠した碁盤目テープ試験の結果、剥離は認められ
ず、ブラックマトリクスに用いる諸特性を満足するもの
であった。図11に、膜厚390nmを有する傾斜組成
低反射黒色膜の反射率曲線(波長と反射率の関係)を示
した。
ン製BMC−1100型)内に基板を設置し、配置した
蒸発材料(金属チタン)を以下の条件で蒸発させた。ま
ず、酸素ガス流量を30SCCM、プラズマ印可出力を
500Wにて膜厚260nmの光低反射層を成膜した
後、酸素ガス流量を30SCCMから0SCCMまで2
00秒で徐々に減少させて傾斜組成の膜厚約30nmの
光吸収層を成膜し、酸素ガスを遮断すると同時にプラズ
マ印可出力を0Wにした。その後、酸素ガス流量0SC
CMのまま、さらに100nmの光遮光層を成膜する事
により、傾斜組成低反射黒色薄膜を基板上に形成した。
傾斜組成を有していることは、X線光電子分光法(XP
S)により確認した。このようにして得た傾斜組成低反
射黒色膜の光学濃度は3.2であり、JISK5400
に準拠した碁盤目テープ試験の結果、剥離は認められ
ず、ブラックマトリクスに用いる諸特性を満足するもの
であった。図11に、膜厚390nmを有する傾斜組成
低反射黒色膜の反射率曲線(波長と反射率の関係)を示
した。
【0059】実施例7傾斜組成低反射黒色膜の形成 実施例6と同様の装置、基板および蒸発材料(金属チタ
ン)を用いて、以下の条件で成膜を行った。まず、酸素
流量を50SCCM、プラズマ印可出力を500Wと
し、膜厚260nmの光低反射膜を成膜した後、300
秒でプラズマ印可出力を500Wから10Wまで減少さ
せて傾斜組成を膜厚80nmの光吸収層を成膜した。そ
の後、さらにプラズマ印可出力10Wで50nmの光遮
光層を成膜する事により、傾斜組成低反射黒色薄膜を基
板上に形成した。傾斜組成を有していることは、X線光
電子分光法(XPS)により確認した。このようにして
得た傾斜組成低反射黒色膜の光学濃度は3.1であり、
JISK5400に準拠した碁盤目テープ試験の結果、
剥離は認められず、ブラックマトリクスに用いるための
諸特性を満足するものであった。
ン)を用いて、以下の条件で成膜を行った。まず、酸素
流量を50SCCM、プラズマ印可出力を500Wと
し、膜厚260nmの光低反射膜を成膜した後、300
秒でプラズマ印可出力を500Wから10Wまで減少さ
せて傾斜組成を膜厚80nmの光吸収層を成膜した。そ
の後、さらにプラズマ印可出力10Wで50nmの光遮
光層を成膜する事により、傾斜組成低反射黒色薄膜を基
板上に形成した。傾斜組成を有していることは、X線光
電子分光法(XPS)により確認した。このようにして
得た傾斜組成低反射黒色膜の光学濃度は3.1であり、
JISK5400に準拠した碁盤目テープ試験の結果、
剥離は認められず、ブラックマトリクスに用いるための
諸特性を満足するものであった。
【0060】実施例8傾斜組成低反射黒色膜のブラック
マトリックス化 ガラス基板に、ネガ型レジスト(日本ゼオン株式会社
製、ZPN1100)をスピンコート法により塗布し、
100℃で10分間乾燥した後、所定のフォトマスクを
介して超高圧水銀灯(大日本スクリーン製、MAP−1
200L、出力600mJ/cm2)を用いて、40秒
露光後、80℃にて30分間加熱した。その後、0.4
5%水酸化ナトリウム水溶液を用いて3分間現像した
後、水洗および乾燥してレジストパターンを形成した。
このレジストパターンが形成されたガラス基板上に実施
例6の記載と同様にして傾斜組成低反射黒色薄膜を成膜
した。傾斜組成を有していることは、X線光電子分光法
(XPS)により確認した。その後、剥離液(5%の水
酸化ナトリウム水溶液)にて、レジストおよびレジスト
上に成膜した黒色膜を剥離し、水洗、乾燥することによ
りブラックマトリックスを得た。得られたブラックマト
リクスは、その諸特性を満足するものであった。
マトリックス化 ガラス基板に、ネガ型レジスト(日本ゼオン株式会社
製、ZPN1100)をスピンコート法により塗布し、
100℃で10分間乾燥した後、所定のフォトマスクを
介して超高圧水銀灯(大日本スクリーン製、MAP−1
200L、出力600mJ/cm2)を用いて、40秒
露光後、80℃にて30分間加熱した。その後、0.4
5%水酸化ナトリウム水溶液を用いて3分間現像した
後、水洗および乾燥してレジストパターンを形成した。
このレジストパターンが形成されたガラス基板上に実施
例6の記載と同様にして傾斜組成低反射黒色薄膜を成膜
した。傾斜組成を有していることは、X線光電子分光法
(XPS)により確認した。その後、剥離液(5%の水
酸化ナトリウム水溶液)にて、レジストおよびレジスト
上に成膜した黒色膜を剥離し、水洗、乾燥することによ
りブラックマトリックスを得た。得られたブラックマト
リクスは、その諸特性を満足するものであった。
【0061】実施例9傾斜複合組成低反射黒色膜の形成 2つの電子銃を用い、各々に対して蒸発材料として金属
チタンおよび金属亜鉛を用いた以外は、実施例6と同様
の装置および基板を用いて、傾斜複合組成低反射黒色膜
を以下の条件で形成した。まず、酸素流量を30SCC
M、プラズマ印可出力を500Wとし、膜厚170nm
の光低反射層を成膜した後、300秒でプラズマ印可出
力を500Wから10Wまで減少させて傾斜組成の膜厚
90nmの光吸収層を成膜した。その後、さらにプラズ
マ印可出力10Wで120nmの光遮光層を成膜する事
により、Zn/(Zn+Ti)が、40%の黒色薄膜を
基板上に形成した。傾斜組成を有していることは、X線
光電子分光法(XPS)により確認した。このようにし
て得た薄膜の光学濃度は3.7であり、JISK540
0に準拠した碁盤目テープ試験の結果、剥離は認められ
ず、ブラックマトリクスに用いるための諸特性を満足す
るものであった。
チタンおよび金属亜鉛を用いた以外は、実施例6と同様
の装置および基板を用いて、傾斜複合組成低反射黒色膜
を以下の条件で形成した。まず、酸素流量を30SCC
M、プラズマ印可出力を500Wとし、膜厚170nm
の光低反射層を成膜した後、300秒でプラズマ印可出
力を500Wから10Wまで減少させて傾斜組成の膜厚
90nmの光吸収層を成膜した。その後、さらにプラズ
マ印可出力10Wで120nmの光遮光層を成膜する事
により、Zn/(Zn+Ti)が、40%の黒色薄膜を
基板上に形成した。傾斜組成を有していることは、X線
光電子分光法(XPS)により確認した。このようにし
て得た薄膜の光学濃度は3.7であり、JISK540
0に準拠した碁盤目テープ試験の結果、剥離は認められ
ず、ブラックマトリクスに用いるための諸特性を満足す
るものであった。
【0062】実施例10傾斜複合組成低反射黒色膜の形
成 2つの電子銃を用い、各々に対して蒸発材料として金属
チタンおよび金属亜鉛を用いた以外は、実施例6と同様
の装置および基板を用いて,傾斜複合組成低反射黒色膜
を以下の条件で成膜した。まず,酸素流量を10SCC
M,アルゴン流量を6.5SCCM,プラズマ印可出力
を300Wとし,160nmの光低反射層を成膜した
後,250秒で酸素流量を10SCCMから0SCCM
まで減少させて膜厚60nmの傾斜組成の光吸収層を成
膜した。その後,さらに酸素流量0SCCM,アルゴン
流量6.5SCCMで70nmの光遮光層を成膜する事
により,Zn/(Zn+Ti)が、40%の黒色薄膜を
基板上に形成した。傾斜組成を有していることは、X線
光電子分光法(XPS)により確認した。このようにし
て得た薄膜の光学濃度は3.1であり,JISK540
0に準拠した碁盤目テープ試験の結果,剥離は認められ
ず,ブラックマトリクスに用いるための諸特性を満足す
るものであった。
成 2つの電子銃を用い、各々に対して蒸発材料として金属
チタンおよび金属亜鉛を用いた以外は、実施例6と同様
の装置および基板を用いて,傾斜複合組成低反射黒色膜
を以下の条件で成膜した。まず,酸素流量を10SCC
M,アルゴン流量を6.5SCCM,プラズマ印可出力
を300Wとし,160nmの光低反射層を成膜した
後,250秒で酸素流量を10SCCMから0SCCM
まで減少させて膜厚60nmの傾斜組成の光吸収層を成
膜した。その後,さらに酸素流量0SCCM,アルゴン
流量6.5SCCMで70nmの光遮光層を成膜する事
により,Zn/(Zn+Ti)が、40%の黒色薄膜を
基板上に形成した。傾斜組成を有していることは、X線
光電子分光法(XPS)により確認した。このようにし
て得た薄膜の光学濃度は3.1であり,JISK540
0に準拠した碁盤目テープ試験の結果,剥離は認められ
ず,ブラックマトリクスに用いるための諸特性を満足す
るものであった。
【0063】実施例11傾斜複合組成低反射黒色膜のブ
ラックマトリックス化 実施例10で得た膜厚290nmの積層(3層)複合組
成低反射黒色膜上に、ネガ型レジスト(日本ゼオン株式
会社製、ZPN1100)をスピンコート法により塗布
し、100℃で10分間乾燥した後、所定のフォトマス
クを介して超高圧水銀灯(大日本スクリーン製、MAP
−1200L、出力600mJ/cm2)を用いて、4
0秒露光後、80℃にて30分間加熱した。その後、
0.45%の水酸化ナトリウム水溶液を用いて3分間現
像した後、水洗および乾燥してレジストパターンを形成
し、その後、33%H3PO2水溶液で55℃にて150
秒間エッチングし、5%の水酸化ナトリウム水溶液に
て、レジストを剥離し、水洗、乾燥することによりブラ
ックマトリックスを得た。図12に拡大参考写真を示し
た。
ラックマトリックス化 実施例10で得た膜厚290nmの積層(3層)複合組
成低反射黒色膜上に、ネガ型レジスト(日本ゼオン株式
会社製、ZPN1100)をスピンコート法により塗布
し、100℃で10分間乾燥した後、所定のフォトマス
クを介して超高圧水銀灯(大日本スクリーン製、MAP
−1200L、出力600mJ/cm2)を用いて、4
0秒露光後、80℃にて30分間加熱した。その後、
0.45%の水酸化ナトリウム水溶液を用いて3分間現
像した後、水洗および乾燥してレジストパターンを形成
し、その後、33%H3PO2水溶液で55℃にて150
秒間エッチングし、5%の水酸化ナトリウム水溶液に
て、レジストを剥離し、水洗、乾燥することによりブラ
ックマトリックスを得た。図12に拡大参考写真を示し
た。
【0064】実施例12は、光の入射方向が基板の黒色
膜の形成されている方の例である。
膜の形成されている方の例である。
【0065】実施例12傾斜組成低反射黒色膜の形成 実施例6と同様の装置、基板および蒸発材料(金属チタ
ン)を用いて、以下の条件で成膜を行った。まず,アル
ゴンのみを10SCCMの流量で導入し,プラズマ出力
を300Wとし、膜厚80nmの光遮光層を成膜した。
その後、酸素ガスを徐々に導入して100秒で10SC
CMまで流量を増やして傾斜組成の膜厚50nmの光吸
収層を成膜し、酸素ガス流量が10SCCMになると同
時にアルゴンガスを遮断した。その後連続して酸素ガス
流量10SCCMのまま、さらに290nmの光低反射
層を成膜することにより、傾斜組成低反射黒色膜を基板
上に形成した。傾斜組成を有していることは、X線光電
子分光法(XPS)により確認した。このようにして得
た傾斜組成低反射黒色膜の光学濃度は3.4であり、J
IS K 5400に準拠した碁盤目テープ試験の結
果、剥離は認められず、ブラックマトリクスに用いる諸
特性を満足するものであった。
ン)を用いて、以下の条件で成膜を行った。まず,アル
ゴンのみを10SCCMの流量で導入し,プラズマ出力
を300Wとし、膜厚80nmの光遮光層を成膜した。
その後、酸素ガスを徐々に導入して100秒で10SC
CMまで流量を増やして傾斜組成の膜厚50nmの光吸
収層を成膜し、酸素ガス流量が10SCCMになると同
時にアルゴンガスを遮断した。その後連続して酸素ガス
流量10SCCMのまま、さらに290nmの光低反射
層を成膜することにより、傾斜組成低反射黒色膜を基板
上に形成した。傾斜組成を有していることは、X線光電
子分光法(XPS)により確認した。このようにして得
た傾斜組成低反射黒色膜の光学濃度は3.4であり、J
IS K 5400に準拠した碁盤目テープ試験の結
果、剥離は認められず、ブラックマトリクスに用いる諸
特性を満足するものであった。
【0066】比較例1低反射黒色積層膜の形成(特開平
10−60627の実施例) イオンプレーティング装置(UHV−350型)におい
て直流電源を適用して、反応性イオンプレーティング法
により、基板に対して成膜を行った。蒸発材料として銅
小片適量をAl2O3コーティングしたタングステンるつ
ぼに入れ、酸素ガス分圧を3Paおよびアルゴンガス分
圧1Paとし、系内を減圧(約2×10 -2Pa)した。
最初、直流出力6W(200V×30mA)から、15
分間で徐々に電流値を減少させて0.4W(200V×
2mA)とした後、0.4Wにおいて15分間成膜し、
全体としての膜厚が約150nmの酸化銅組成に傾斜を
持たせた黒色薄膜を基板上に形成した。このようにして
得た薄膜の光学濃度は3.1であり、JISK5400
に準拠した碁盤目テープ試験の結果、剥離は認められな
かったが、250℃、60分加熱した後には最表面の金
属銅の層が酸化され、光学濃度が低下し、耐熱性で問題
があった。
10−60627の実施例) イオンプレーティング装置(UHV−350型)におい
て直流電源を適用して、反応性イオンプレーティング法
により、基板に対して成膜を行った。蒸発材料として銅
小片適量をAl2O3コーティングしたタングステンるつ
ぼに入れ、酸素ガス分圧を3Paおよびアルゴンガス分
圧1Paとし、系内を減圧(約2×10 -2Pa)した。
最初、直流出力6W(200V×30mA)から、15
分間で徐々に電流値を減少させて0.4W(200V×
2mA)とした後、0.4Wにおいて15分間成膜し、
全体としての膜厚が約150nmの酸化銅組成に傾斜を
持たせた黒色薄膜を基板上に形成した。このようにして
得た薄膜の光学濃度は3.1であり、JISK5400
に準拠した碁盤目テープ試験の結果、剥離は認められな
かったが、250℃、60分加熱した後には最表面の金
属銅の層が酸化され、光学濃度が低下し、耐熱性で問題
があった。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば、低反
射黒色膜にチタン酸化物を用いることにより耐熱性が改
良される。さらに、亜鉛を用いることによりブラックマ
トリックスを用いるための諸特性を向上し、さらにブラ
ックマトリックスの形成時エッチングにおいて有利な方
法を提供することができる。また本発明によれば、成膜
することが室温条件で可能なため、基板としてプラスチ
ックをも選択可能となる。従って光学濃度、光吸収性が
高く、反射率が低く、パターン精度が高く、高コントラ
ストを与え、耐熱性の良好なブラックマトリックス材料
等に用いられる低反射黒色膜および該低反射黒色膜を用
いたブラックマトリックスを可能にし、該ブラックマト
リックスを用いた表示装置、例えば液晶ディスプレー等
を提供することができる。
射黒色膜にチタン酸化物を用いることにより耐熱性が改
良される。さらに、亜鉛を用いることによりブラックマ
トリックスを用いるための諸特性を向上し、さらにブラ
ックマトリックスの形成時エッチングにおいて有利な方
法を提供することができる。また本発明によれば、成膜
することが室温条件で可能なため、基板としてプラスチ
ックをも選択可能となる。従って光学濃度、光吸収性が
高く、反射率が低く、パターン精度が高く、高コントラ
ストを与え、耐熱性の良好なブラックマトリックス材料
等に用いられる低反射黒色膜および該低反射黒色膜を用
いたブラックマトリックスを可能にし、該ブラックマト
リックスを用いた表示装置、例えば液晶ディスプレー等
を提供することができる。
【図1】実施例1における各膜厚を有する均質組成低反
射黒膜の吸光度スペクトル曲線を示すグラフである。
射黒膜の吸光度スペクトル曲線を示すグラフである。
【図2】実施例1における膜厚350nmの均質組成低
反射黒色膜の波長と反射率との関係を示すグラフであ
る。
反射黒色膜の波長と反射率との関係を示すグラフであ
る。
【図3】実施例1における均質組成低反射黒色膜の耐熱
性(ヒーティング前後での吸光度スペクトルの測定結
果)を示すグラフである。
性(ヒーティング前後での吸光度スペクトルの測定結
果)を示すグラフである。
【図4】実施例2におけるターゲットの表面のZn/
(Zn+Ti)面積比率と均質複合低反射黒色膜中のZ
n/(Zn+Ti)との原子比率を示すグラフである。
(Zn+Ti)面積比率と均質複合低反射黒色膜中のZ
n/(Zn+Ti)との原子比率を示すグラフである。
【図5】実施例1におけるZnを含まない均質組成低反
射黒色膜中および実施例2のZnを含む均質複合組成低
反射黒色膜中のXRDによる回折結果を示すグラフであ
る。
射黒色膜中および実施例2のZnを含む均質複合組成低
反射黒色膜中のXRDによる回折結果を示すグラフであ
る。
【図6】実施例1におけるZnを含まない均質組成低反
射黒色膜および実施例2のZnを含む均質複合組成低反
射黒色膜の吸光度スペクトル曲線を示すグラフである。
射黒色膜および実施例2のZnを含む均質複合組成低反
射黒色膜の吸光度スペクトル曲線を示すグラフである。
【図7】実施例1におけるZnを含まない均質組成低反
射黒色膜および実施例2のZnを含む均質複合組成低反
射黒色膜の可視光反射特性曲線を示すグラフである。
射黒色膜および実施例2のZnを含む均質複合組成低反
射黒色膜の可視光反射特性曲線を示すグラフである。
【図8】実施例2における単層低反射黒色膜、実施例3
における2層低反射黒色膜および実施例4における3層
低反射黒色膜の反射率を示すグラフである。
における2層低反射黒色膜および実施例4における3層
低反射黒色膜の反射率を示すグラフである。
【図9】実施例5における3層の積層複合組成低反射黒
色膜の吸光度を示すグラフである。
色膜の吸光度を示すグラフである。
【図10】実施例5における積層複合組成低反射黒色膜
のパターニング後のブラックマトリックスを示す拡大参
考写真である。
のパターニング後のブラックマトリックスを示す拡大参
考写真である。
【図11】実施例6における傾斜組成低反射黒色膜の反
射率を示すグラフである。
射率を示すグラフである。
【図12】実施例11における傾斜複合組成低反射黒色
膜のパターニング後のブラックマトリックスを示す拡大
参考写真である。
膜のパターニング後のブラックマトリックスを示す拡大
参考写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 14/34 C23C 14/34 R U G02B 5/00 G02B 5/00 B 5/20 101 5/20 101 G02F 1/1335 G02F 1/1335 Fターム(参考) 2H042 AA09 AA15 AA26 2H048 BA11 BA43 BA45 BA47 BB01 2H091 FA04Y FA35Y FB06 FC03 FC10 FC26 FD04 FD13 FD22 HA07 LA03 LA17 4K029 BA48 BA49 BA50 BB02 BC07 BD09 CA03 CA05 DC02 DD00 EA06
Claims (8)
- 【請求項1】基板上に形成された、少なくとも一層のチ
タン酸化物からなるチタン化合物を主成分とする均質組
成の金属酸化物薄膜であることを特徴とする低反射黒色
膜。 - 【請求項2】請求項1記載の金属酸化物薄膜が、さらに
亜鉛化合物を含む複合金属酸化物薄膜であることを特徴
とする低反射黒色膜。 - 【請求項3】基板上に形成された低反射黒色膜が、深さ
方向の面における主成分がTiO(2-X)(式中:0≦X
≦2)で表わされるチタン化合物である金属酸化物薄膜
であって、前記基板側最下面から黒色膜の表面に向かう
膜厚方向に対して前記Xの値が連続的に増加または減少
する傾斜組成を有することを特徴とする低反射黒色膜。 - 【請求項4】請求項3記載の金属酸化物薄膜が、さらに
亜鉛化合物を含む複合金属酸化物薄膜であることを特徴
とする低反射黒色膜。 - 【請求項5】基板上に、それぞれチタン化合物を主成分
とする下記(A)、(B)および(C)の各層がこの順
序、または逆の順序で形成されている低反射黒色積層膜
において、前記(B)光吸収層が請求項1乃至4いずれ
か1つに記載の低反射黒色膜であり、(A)光低反射層
と(B)光吸収層との界面におけるチタン化合物の酸化
度が、(B)光吸収層側の方が小さく、(B)光吸収層
と(C)光遮光層との界面におけるチタン化合物の酸化
度が、(C)光遮光層側の方が小さいことを特徴とする
低反射黒色積層膜。(A)光低反射層、(B)光吸収
層、(C)光遮光層 - 【請求項6】スパッタリング法またはイオンプレーティ
ング法を用いた、チタン酸化物を主成分とする低反射黒
色膜の製造方法であって、膜形成工程における酸化反応
を膜形成工程途中で、抑制または促進することを特徴と
する傾斜組成を有する低反射黒色膜の製造方法。 - 【請求項7】前記膜形成工程途中における酸化反応の抑
制または促進が、酸素分圧、ターゲットからの飛散また
は酸素プラズマとの反応を制御することにより行われる
ものであることを特徴とする請求項6記載の低反射黒色
膜の製造方法。 - 【請求項8】基板上に、少なくとも3色のカラーフィル
ター層と前記カラーフィルター層を仕切るブラックマト
リックスとが設けられたカラー液晶パネルにおいて、該
ブラックマトリックスが請求項1乃至4いずれか1つに
記載の低反射黒色膜、または請求項5記載の低反射黒色
積層膜であることを特徴とするカラーフィルター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11108155A JP2000303163A (ja) | 1999-04-15 | 1999-04-15 | 低反射黒色膜、低反射黒色積層膜、低反射黒色膜の製造方法およびカラーフィルター |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11108155A JP2000303163A (ja) | 1999-04-15 | 1999-04-15 | 低反射黒色膜、低反射黒色積層膜、低反射黒色膜の製造方法およびカラーフィルター |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000303163A true JP2000303163A (ja) | 2000-10-31 |
Family
ID=14477356
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11108155A Pending JP2000303163A (ja) | 1999-04-15 | 1999-04-15 | 低反射黒色膜、低反射黒色積層膜、低反射黒色膜の製造方法およびカラーフィルター |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000303163A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1331288A2 (en) * | 2002-01-23 | 2003-07-30 | Moen Incorporated | Corrosion and abrasion resistant decorative coating |
WO2010026853A1 (ja) * | 2008-09-05 | 2010-03-11 | 住友金属鉱山株式会社 | 黒色被覆膜とその製造方法、黒色遮光板、及び、それを用いた絞り、光量調整用絞り装置、シャッター、並びに耐熱遮光テープ |
US8687153B2 (en) | 2008-12-19 | 2014-04-01 | Sharp Kabushiki Kaisha | Substrate, and display panel provided with substrate |
JP2014227309A (ja) * | 2013-05-20 | 2014-12-08 | 旭硝子株式会社 | カバーガラス及びカバーガラスの製造方法 |
-
1999
- 1999-04-15 JP JP11108155A patent/JP2000303163A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1331288A2 (en) * | 2002-01-23 | 2003-07-30 | Moen Incorporated | Corrosion and abrasion resistant decorative coating |
EP1331288A3 (en) * | 2002-01-23 | 2004-01-28 | Moen Incorporated | Corrosion and abrasion resistant decorative coating |
WO2010026853A1 (ja) * | 2008-09-05 | 2010-03-11 | 住友金属鉱山株式会社 | 黒色被覆膜とその製造方法、黒色遮光板、及び、それを用いた絞り、光量調整用絞り装置、シャッター、並びに耐熱遮光テープ |
KR20110052684A (ko) * | 2008-09-05 | 2011-05-18 | 스미토모 긴조쿠 고잔 가부시키가이샤 | 흑색 피복막과 그 제조 방법, 흑색 차광판 및 그것을 이용한 조리개, 광량 조정용 조리개 장치, 셔터, 및 내열 차광 테이프 |
CN102144177A (zh) * | 2008-09-05 | 2011-08-03 | 住友金属矿山株式会社 | 黑色覆膜及其制造方法、黑色遮光板及使用它的光圈、光量调节用光圈装置、快门以及耐热遮光带 |
US8542424B2 (en) | 2008-09-05 | 2013-09-24 | Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. | Black coating film and production method therefor, black light shading plate, and diaphragm, diaphragm device for light intensity adjustment, shutter using the same, and heat resistant light shading tape |
JP5299429B2 (ja) * | 2008-09-05 | 2013-09-25 | 住友金属鉱山株式会社 | 黒色被覆膜とその製造方法、黒色遮光板、及び、それを用いた絞り、光量調整用絞り装置、シャッター、並びに耐熱遮光テープ |
CN102144177B (zh) * | 2008-09-05 | 2014-11-19 | 住友金属矿山株式会社 | 黑色覆膜及其制造方法、黑色遮光板及使用它的光圈、光量调节用光圈装置、快门以及耐热遮光带 |
KR101579778B1 (ko) | 2008-09-05 | 2015-12-24 | 스미토모 긴조쿠 고잔 가부시키가이샤 | 흑색 피복막과 그 제조 방법, 흑색 차광판 및 그것을 이용한 조리개, 광량 조정용 조리개 장치, 셔터, 및 내열 차광 테이프 |
US8687153B2 (en) | 2008-12-19 | 2014-04-01 | Sharp Kabushiki Kaisha | Substrate, and display panel provided with substrate |
JP2014227309A (ja) * | 2013-05-20 | 2014-12-08 | 旭硝子株式会社 | カバーガラス及びカバーガラスの製造方法 |
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