JP6186805B2 - タッチパネル - Google Patents
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Description
しかし、ITO薄膜からなる透明導電膜は、インジウムというレアメタル(希土類元素)が使用されるために高価である点、及び、抵抗(表面抵抗率)がタッチパネルの大面積化を図るには高抵抗である点で、低コスト化及び大画面化への要求に対応し難い。
特に銅メッシュは、低抵抗性、電磁波シールド材等での使用実績、価格、メッシュの加工性等の観点から特に好ましい。
しかし、銅メッシュからなる銅層をタッチパネル用電極部材として使用すると、使用者がタッチパネルを間近に見て操作する場合や、タッチパネルを通して表示画像を見る場合、非透過性のメッシュパターンが認識され、表示画像の視認性が低下するという問題があった。
保護シートは、従来の透明硝子基板から軽量化、破損による安全性の向上の観点からプラスチック基材からなる保護フィルムを用いることが提案されている。しかしながら、上層にハードコート層を設けた保護フィルムでは、耐摩耗性、耐指紋防止性等の点で解決すべき課題があり、現在も透明硝子基板が多用されている。
保護シートに透明硝子基板を用いる場合にあっては、入力のためにペンや指で触れる最外表面側(視認側)には、摩耗防止や指紋の拭き取り易さ等の点から、反射防止層、防眩層等の機能層を積層しないのが望ましい。
(1)透明基材と、透明基材上に設けられた導電体メッシュを備えた電極及び透明硝子基板を有するタッチパネルであって、該導電体メッシュは銅層からなり、少なくとも観察者側の電極の銅層の観察者側には、透明な高屈折率層と低屈折率層とを該低屈折率層が観察者側最表面に位置する様にして順次積層させてなる色味調整層を有してなり、JIS Z 8729:2004に準拠して、色味調整層の反射色をL*a*b*で表したときのb*の値が−3以下であることを特徴とするタッチパネル、
(2)前記色味調整層は高屈折率層と低屈折率層を交互に4層に積層させてなる前記(1)に記載のタッチパネル、及び
(3)前記(1)又は(2)に記載のタッチパネルを表示面に配置した画像表示装置、
を提供するものである。
また、本発明のタッチパネルを表示面に配置した画像表示装置は、保護シートとして透明硝子基板を有しているので、耐久性、払拭により容易に指紋や汚れを除去でき、保守のし易い画像表示装置を提供できる。
図1は、本発明のタッチパネルの代表的な実施形態について、その構成を示す部分拡大断面模式図である。
電極20は、透明基材30と、その上に設けられた導電体メッシュである銅(Cu)層3と、銅層3上に設けられた、少なくとも透明高屈折率層2と透明低屈折率層1からなる色味調整層10からなり、電極フィルム20と、要すれば電極フィルム上に積層された機能層(図示省略)及び保護シートとしての透明硝子基板40を有し、また、図示してある電極フィルム20の表示板50側には、電極フィルム20と相対する電極フィルム60(図5、図6参照)が積層されている。
なお、本実施形態に於いて色味調整層10は銅層3の直上部及び透明基材30上の銅層3の無い領域(即ち、開口部)にも形成されている。しかし、色味調整層10は、透明基材30上の銅層3の無い領域(即ち、開口部)に於いては形成されていなくともよい。かかる構成とする為には、透明基材30上の全面に亙って銅層3及び色味調整層10を形成し、しかる後、開口部上の銅層3及び色味調整層10を選択的にフォトエッチング等の手法により除去することによって容易に得られる。
色味調整層10は、その目的からして、銅層3の直上部では必須であるが、透明基材30上の銅層3の無い領域(開口部)に於いては不必須(即ち、有っても無くても何れでも可)である。但し、開口部上にも色味調整層10が存在しても、当該色味調整層10は薄膜で高透明性である為、タッチパネルとしての機能上は特に支障は無い。寧ろ、開口部にも色味調整層が存在する形態の方が、目視した際の導電体メッシュの不可視性の点では多少良好(見え難く)になる。開口部上にも色味調整層10が存在する形態のタッチパネルは、透明基材30上の銅層3をフォトエッチング等の手法により導電メッシュに加工した後、全面に色味調整層10を形成する方法により得られる。
そのような意味(本発明に於いては、開口部上の色味調整層10の有無は両形態とも可能である)から、図1及び図2に於いて、開口部上の色味調整層10を破線で表示してある。
なお、本発明においては、「フィルム」の語は狭義のフィルムの他に所謂シートや板と呼称される厚みの厚いものも包含する広義の意味で使用する。
これら透明基材の厚みは、20〜3000μm程度の範囲から、用途、要求性能、価格等に応じて適宜の厚みを選択する。
導電性の効果を奏するために、銅層の厚みは0.1μm以上、より好ましくは0.3μm以上である。
銅層をこの厚みとすることで、細線化がしやすくなり、特に線幅が10μm以下、中でも特に幅7μm以下の銅層の細線を形状再現性良く加工することが可能となり、断線のない細線金属メッシュを備えた電極フィルムを得ることができる。また、銅層の厚みが必要以上に厚くなると、導電性の効果は飽和する上、メッシュパターンに加工する際の加工適性が低下し、且つ材料費も高くなる。その観点から、銅層の厚みの上限値は20μm以下、より好ましくは10μm以下とする
本発明の電極のメッシュパターンの開口率は、80〜99%程度であることが好ましい。
次に、本発明のタッチパネルの電極を構成する色味調整層10について説明する。
銅層表面の分光反射率曲線(横軸に光波長、縦軸に反射率を採り、銅の光反射率の波長依存性、即ち分光反射スペクトルを表示したもの。以下、単に反射スペクトルとも呼称する。)に於いて、可視光帯域の光反射率は波長の増加と共に増加する特性を有することが広く知られている。例えば、特開平1−119871号公報(の図5)には、図7に示すような銅の反射スペクトルが開示されている。ここからわかる様に、銅表面の光反射率は、波長480nm(緑青色)で約50%に達し、波長600nm(黄色)より長波長域では90%以上となる。そのため、銅層表面の反射光は赤色味がかって見えることになる。
そこで、本発明における色味調整層10は、波長480nm(緑色)未満の短波長帯域の可視光を、480nm以上の長波長帯域の可視光よりもより強く反射するように調整された層として、銅層3のタッチパネルの観察者(乃至操作者)側に積層する。なお、ここで、「波長480nm(緑青色)未満の長波長帯域の可視光を、480nm以上の短波長帯域の可視光よりもより強く反射する」とは、図3に於ける実施例5の反射スペクトルの様に、色味調整層10からの反射光の分光反射率曲線(反射スペクトル)が、相対的に、480nm以上の長波長域(緑〜黄〜橙〜赤)に於ける分光反射率の積分値(積分光量)に比べて、480nmよりも短波長域(紫色から青色にかけての帯域)に於ける分光反射率の積分値の方がより大きくなるよう選定されていることを意味する。
すなわち、透明基材30/銅層3/色味調整層10の積層体において、色味調整層10の干渉色(反射の際の残留反射色)を青色味がかった色に設定し、銅層からの赤色味がかった反射色と混色して無彩色化することで、銅層の赤色味を低減せしめるものである。
具体的には、以下に詳述するように、色味調整層10の干渉色(反射の際の残留反射色)の分光反射率曲線の極小値を与える波長、即ち、反射極小波長λ1を480nm以上の長波長側に移動させることで、480nm以上の長波長域に於ける反射率の積分値(積分光量)よりも、480nm未満の短波長域に於ける反射率の積分値の方がより大きくなるようにして、短波長側の反射率が上昇するようにすることである。
なお、本願発明者が評価検討した結果、後述の表1及び表2に示す如く、銅層3表面の反射光については、分光反射曲線の反射極小波長λ1とJIS Z 8729:2004規定のL*a*b*表色系(CIE(国際照明委員会)1976年推奨のL*a*b*色空間に対応)で表したときのb*の値とに相関関係が有り、λ1≧480nmであることとb*≦−3であることとが対応する(両者は等価である)ことが判明した。
従って、銅層3表面の反射色の赤味を相殺して、目視上赤味を判別不能とせしめる條件は、
λ1≧480nm
又は、
b*≦−3
となる。
なお、色味調整層10は、その残留反射光スペククトルが波長480nm未満の短波長光(青味がかった光)の積分値が波長480nm以上の長波長光(赤味がかった光)の積分値よりも多く含めば良いため、反射極小波長λ1は近赤外線領域に位置していても良く、λ1は最大830nm程度迄とする。
その際には、各色味調整層の反射極小波長λ1は、480nm〜830nmの範囲内で順次ずらすように、上記式2を使って屈折率及び厚みを選定する。各色味調整層間のλ1同士の間隔は50〜200nm程度とする。なお、各色味調整層の反射極小波長が総合された結果としての色味調整層10全層としての総合的分光反射率曲線は、その反射極小波長λ1が波長480nm以上(830nm程度以下)となるように調整される。
図2に、斯かる実施形態の代表例を図示する。ここでは、銅層3の観察者側表面上に、第1高屈折率層2´、第1低屈折率層1´、第2高屈折率層2、及び第2低屈折率層1を此の順序で積層して色味調整層10としている。
b*の値が−3以下であれば、色味調整層と銅層の色味が混色して、目視にて銅固有の赤味がかった色が視認不能な程度に無彩色化することで、銅層の赤色味を低減せしめることができる。本発明において、視感反射率Y値、反射色相a*、b*の測定算出方法は実施例に記載の方法で測定する。
b*の値を−3以下とするには、色味調整層を形成する高屈折率層及び低屈折率層の屈折率及び厚みを前記の式2によって、反射極小波長λ1がλ1≧480nmとなるように調整すればよい。具体的には、後述の如き高屈折率層及び低屈折率層の材料を選定して調整する。
低屈折率層の形成方法としては、真空蒸着、スパッタリング、プラズマCVD、イオンプレーティング等による気相法によって、低屈折率層形成材料を堆積せしめる方法、上記で述べた材料を例えば溶剤に希釈し、スピンコーティング、ロールコーティング、グラビアロールコーティング等を用いるウェットコーティング法によって低屈折率層形成材料を塗布し、次いで、乾燥後、熱や電離放射線(紫外線の場合は上述の光重合開始剤を使用する)等により塗膜を硬化せしめる方法によって得ることができる。
溶剤に希釈し塗布する方法は、これらの無機材料を微粒子化し、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹等のバインダー樹脂中に分散した材料が、容易に低屈折率層を設けることができる点で好ましい。
屈折率を高くするためは、高屈折率のバインダー樹脂を使用するか、高い屈折率を有する超微粒子をバインダー樹脂に添加することによって行なうか、あるいはこれらを併用することによって行なう。高屈折率層の屈折率は1.55〜2.70の範囲にあることが好ましい。
高屈折率層を設けるには、上記で述べた材料を真空蒸着、スパッタリング、プラズマCVD、イオンプレーティング等による気相法によって、高屈折率層形成材料を堆積せしめる方法、或いは上記で述べた材料を例えば溶剤に希釈し、スピンコーティング、ロールコーティング、印刷等の方法で基体上に設けて乾燥後、熱や放射線(紫外線の場合は上述の光重合開始剤を使用する)等により硬化させればよい。
本発明のタッチパネルは、観察者側に保護シートとしての透明硝子基板を有する。本発明において使用できる硝子としては、ソーダ硝子、カリ硝子、硼珪酸硝子、石英硝子等が挙げられる。
透明硝子基板の厚みは、保護すべきタッチパネルの大きさ、用途等から最適な厚みのものが選択され、特に制限はないが、概ね100〜5000μmの範囲である。
すなわち、本発明のタッチパネルは、銅からなる導電体メッシュ層(以下、銅メッシュとも呼称する)が不可視性であり、該銅メッシュ層が電極として用いられた、携帯用小型端末、電子ペーパー、コンピュータディスプレイ、小型ゲーム機、現金自動支払機の表示面、乗車券自動販売機、携帯電話機、電子黒板などの表示面等に装着され、特に静電容量方式のタッチパネルとして好ましく使用することができる。なお、このような表示面に用いられる表示装置は、液晶表示装置(LCD)、プラズマ表示装置(PDP)、電場発光(EL)表示装置、陰極線管(CRT)表示装置、電気泳動表示装置等のいずれであってもよい。
〔反射Y値、反射色相a*、b*の測定算出方法等〕
後述するXフィルムとYフィルムを、光学用アクリル樹脂系粘着剤を用いて所定の形態で貼り合わせたものを測定用サンプルとし、島津製作所製自記分光光度計UV−3100にて、5°正反射率を380〜780nmまでの波長範囲で測定し、分光反射率曲線及びその反射極小波長λ1を算出した。
なお、5°正反射率を測定する場合には、光学積層体である測定用サンプルのフィルムの裏面反射を防止するため、図5に示すように測定膜面とは逆側に、黒テープ(寺岡製)8を貼って測定した。
次に、この反射率データを用いて、人間が目で感じる明度として換算するソフトウエア(UV−3100に付属)により、視感反射率である反射Y値を算出した。
同様に反射率データを用いて、UV−3100付属ソフトウエアを用いて色相a* 、色相b* を算出した。これらは、JIS Z 8729:2004(JISハンドブック33「色彩−1996」日本規格協会編集)にて規定されている色座標における指標である。JIS Z 8729:2004によれば、明度L、色相a* 及び色相b* の3つの値によって、測定対象物の色調が表される。明度Lが大きいほど明度が高いことを示す。また、色相a* は赤味を表し、数値が大きいほど赤味が強いことを示し、−(マイナス)になると赤味が不足していること、言い換えれば緑色味が強いことを示している。さらに、色相b* は黄色味の指標であり、この数値が大きい場合は黄色味が強いことを示し、−(マイナス)になると黄色味が不足して青くなる事を示している。そして、色相a* 及び色相b* のいずれも0の場合は、無色を意味している。
後述するXフィルムとYフィルムを、光学用粘着剤を用いて貼り合わせ、さらに光学用アクリル樹脂系粘着材料を使用して液晶パネルと貼り合わせ(図6参照)、バックライトと組み合わせて、銅メッシュ層の不透視性を目視にて評価した。
評価は通常の室内を想定して蛍光灯下で観察し、次のような定性的な評価を行った。(液晶パネルは黒表示状態で評価を行った)
◎:蛍光灯の下、1mの距離において起動状態のタッチパネルの銅層のメッシュ線を視認 できない。
○:蛍光灯の下、2mの距離において起動状態のタッチパネルの銅層のメッシュ線を視認 できない。
×:蛍光灯の下、2mの距離において起動状態のタッチパネルの銅層のメッシュ線が視認 される。
〔電極フィルムの製造〕
透明基材として、連続帯状で無着色透明な2軸延伸PETフィルム(厚さ100μm)の一面側に、厚さ10μmの電解銅箔(導電性層)を、2液硬化型ウレタン樹脂系の透明接着剤層を介して、ドライラミネートした。
このようにして、透明基材/透明接着剤層/銅箔、の層構成の積層体を作製した。
次に、上記銅の表面全体へカゼイン系の感光性ネガ型レジストをディッピング法で塗布した。
次いで、開口部の形状が正方形でメッシュパターンの幅が10μm、メッシュパターンのピッチが300μm、バイアス角度が透明基材の長手方向に対して49度のメッシュパターン部で、そのメッシュパターンが、隣接センサー電極間絶縁分離のためにX方向に5mmピッチで、幅10μmで断線されており、かつ当該メッシュパターン部を外周する幅が15mmの開口部を有しない周縁部を形成可能なフォトマスクを用いて、水銀灯からの紫外線を照射して密着露光した。
次に、密着露光した後の積層体を水現像し、硬膜処理し、さらに100℃でベーキングした。
次いで、エッチング液として50℃、42゜ボーメの塩化第二鉄溶液をスプレー法で吹きかけてエッチングし、開口部を形成した。
次に、水洗し、レジストを剥離し、洗浄し、さらに60℃で乾燥して、メッシュパターン部を形成し、図2の如く、透明基材30/透明接着剤層/銅層(導電体メッシュ層)3、の層構成の電極フィルムを得た。
次に、得られた電極フィルムの銅層3及び開口部にITOスパッタリング(屈折率:2.0)を、真空度が5×10-6torr、基板温度が室温、アルゴンが100scc/min、酸素5scc/minを導入し、デポジットレート1.6Å/sで28nmの条件で行い、第1高屈折率層を形成した。そして、前記の第1高屈折率層に更に、Si O2 (屈折率:1.46)を、真空度が5×10-6torr、基板温度が室温、蒸着速度を26Å/sで15nmの第1低屈折率層を形成した。さらに、ITOスパッタリング(屈折率:2.0)を、真空度が5×10-6torr、基板温度が室温、アルゴンが100scc/min、酸素5scc/minを導入し、デポジットレート1.6Å/sで80nmの条件で行い、第2高屈折率層を形成した。この第2高屈折率層に更に、Si O2 (屈折率:1.46)を、真空度が5×10-6torr、基板温度が室温、蒸着速度を26Å/sで101nmの第2低屈折率層を形成し、4層構成の色味調整層10を有する図2の如き層構成の電極フィルム20からなるタッチパネルセンサー中間製品(特定方向(X方向と呼称)に銅層3の導電体メッシュからなるストライプ状電極がY方向に5mm間隔で複数本配列した、Xフィルム)を作製した。
同様にメッシュパターンが、隣接センサー電極間絶縁分離のためにY方向に5mmピッチで断線されているフォトマスクを用いること及びITO層、SiO2層を形成しないこと以外は上記と同様にしてタッチパネルセンサー中間製品(特定方向(Y方向と呼称)に銅層3の導電体メッシュからなるストライプ状電極がX方向に5mm間隔で複数本配列した、Yフィルム)を作製した。
次にこれらのX,Yフィルムを図4に重ね合わせの要部を示すようにXフィルムとYフィルムの格子が150μmずれて、重ねた時に150μmの格子ができるように重ねて貼り合せたタッチパネルを得た。なお、図4に於いて、左右方向がX方向に、又上下方向がY方向に対応する。得られたタッチパネルについて前述の方法で5°正反射率を測定して、視感反射率である反射Y値及び色相a*及びb*を求めた。
また、得られたタッチパネルを、光学用アクリル樹脂系粘着材料を使用して液晶パネルと貼り合わせ(図6参照)、バックライトと組み合わせて、銅メッシュ層の不透視性を目視にて評価した。
評価結果を表1に示す。
実施例1と同一の電極フィルムを用い、色味調整層の形成をITO層及びSiO2層による第1、及び第2の高屈折率層、低屈折率層のそれぞれの厚み及びその組み合わせを変更して、特に色相b*及び反射極小波長λ1の異なる表1に示す実施例2〜4及び比較例1〜3のタッチパネルを得て、実施例1と同様に評価した。層構成及び評価結果をまとめて表1に示す。
〔電極フィルムの製造〕
透明基材として、連続帯状で無着色透明な市販の易接着層付き2軸延伸PETフィルム(厚さ100μm)の一面側に、厚さ1μmの銅(導電性層)を、真空蒸着機を用いて形成した。
このようにして、透明基材30/易接着層/銅層3、の構成の積層体を作製した。
次いで、上記銅の表面全体へカゼイン系の感光性ネガ型レジストをディッピング法で塗布した。
次いで、開口部の形状が正方形でメッシュパターンの幅が5μm、メッシュパターンのピッチが300μm、バイアス角度が透明基材の長手方向に対して49度のメッシュパターン部で、そのメッシュパターンが、隣接センサー電極間絶縁分離のためにX方向に5mmピッチで断線されており、当該メッシュパターン部を外周する幅が15mmの開口部を有しない周縁部を形成可能なフォトマスクを用いて、水銀灯からの紫外線を照射して密着露光した。
次いで、密着露光した後の積層体を水現像し、硬膜処理し、さらに100℃でベーキングした。
次に、エッチング液として35℃、42゜ボーメの塩化第二鉄溶液をスプレー法で吹きかけてエッチングし、開口部を形成した。
次いで、水洗し、レジストを剥離し、洗浄し、さらに60℃で乾燥して、メッシュパターン部を形成し、図2の如く、透明基材30/透明接着剤層/銅層(導電体メッシュ層)3、の構成の電極フィルムを得た。
次に、得られた電極フィルムの銅層3及び開口部にITOスパッタリング(屈折率:2.0)を、真空度が5×10-6torr、基板温度が室温、アルゴンが100scc/min、酸素5scc/minを導入し、デポジットレート1.6Å/sで28nmの条件で行い、第1高屈折率層を形成した。そして、前記の第1高屈折率層に更に、Si O2(屈折率:1.46)を、真空度が5×10-6torr、基板温度が室温、蒸着速度を26Å/sで15nmの第1低屈折率層を形成した。さらに、ITOスパッタリング(屈折率:2.0)を、真空度が5×10-6torr、基板温度が室温、アルゴンが100scc/min、酸素5scc/minを導入し、デポジットレート1.6Å/sで80nmの条件で行い、第2高屈折率層を形成した。この第2高屈折率層に更に、Si O2 (屈折率:1.46)を、真空度が5×10-6torr、基板温度が室温、蒸着速度を26Å/sで101nmの第2低屈折率層を形成し、4層構成の色味調整層10を有する図2の如き層構成の電極フィルム20からなるタッチパネルセンサー中間製品(特定方向(X方向と呼称)に銅層3の導電体メッシュからなるストライプ状電極がY方向に5mm間隔で複数本配列した、Xフィルム)を作製した。
同様にメッシュパターンが、隣接センサー電極間絶縁分離のためにY方向に5mmピッチで断線されているフォトマスクを用いること及びITO層、SiO2層を形成しないこと以外は上記と同様にタッチパネルセンサー中間製品(特定方向(Y方向と呼称)に銅層3の導電体メッシュからなるストライプ状電極がX方向に5mm間隔で複数本配列した、Yフィルム)を作製した。
次にこれらのX,Yフィルムを図4に重ね合わせの要部を示すように市販の光学用粘着材料を使用して貼り合せ(XとYの格子が150μmずれて、重ねた時に150μの格子ができるように重ねて貼り合せ)タッチパネルを得た。
得られたタッチパネルについて前述の方法で5°正反射率を測定して、視感反射率である反射Y値及び色相a*及びb*を求めた。
また、得られたタッチパネルを、光学用アクリル樹脂系粘着材料を使用して液晶パネルと貼り合わせ(図6参照)、バックライトと組み合わせて、銅メッシュ層の不透視性を目視にて評価した。
評価結果を表2に示す。
実施例5と同一の銅メッシュフィルムを用い、色味調整層の形成をITO層及びSiO2層の第1、及び第2の高屈折率層及び低屈折率層のそれぞれの厚み及びその組み合わせを変更して、特に色相b*及び反射極小波長λ1の異なる表2に示す実施例6〜8及び比較例4のタッチパネルを得て、実施例5と同様に評価した。層構成及び評価結果をまとめて表2に示す。
また、上記のタッチパネルを表示面に配置した画像表示装置は、保護シートとして透明硝子基板を有しているので、耐久性に優れ、払拭により容易に指紋や汚れを除去できる画像表示装置として有効に利用できる。
2、2´ 高屈折率層
3 銅層(導電体メッシュ)
7 光学粘着剤層
8 黒テープ
10 色味調整層
20 電極フィルム
30 透明基材
40 透明硝子基板
50 表示板
60 電極フィルム
100 タッチパネル
200 画像表示装置
Claims (3)
- 透明基材と、透明基材上に設けられた導電体メッシュを備えた電極及び透明硝子基板を有するタッチパネルであって、該導電体メッシュは銅層からなり、少なくとも観察者側の電極の銅層の観察者側には、透明な高屈折率層と低屈折率層とを該低屈折率層が観察者側最表面に位置する様にして順次積層させてなる色味調整層を有してなり、JIS Z 8729:2004に準拠して、色味調整層の反射色をL*a*b*で表したときのb*の値が−6.3以下であることを特徴とするタッチパネル。
- 前記色味調整層は高屈折率層と低屈折率層を交互に4層に積層させてなる、請求項1に記載のタッチパネル。
- 請求項1又は2に記載のタッチパネルを表示面に配置した画像表示装置。
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