JP6085986B2 - デュアルピニオン式電動パワーステアリング装置のラック軸の製造方法 - Google Patents

デュアルピニオン式電動パワーステアリング装置のラック軸の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、デュアルピニオン式電動パワーステアリング装置のラック軸の製造方法に関する。
従来、デュアルピニオン式電動パワーステアリング装置として、図10に示すものが知られている(例えば、特許文献1参照)。図10において、車輪1、2を操舵する操舵機構3、4のタイロッド3a、4aが、ラック軸5の両端に連結されている。ラック軸5は、長手方向に移動可能に不図示のギヤボックスに支持されている。ラック軸5には、図10の左方の第1の領域A1に、第1のラック歯5aが直線状に形成され、右方の第2の領域A2に、第2のラック歯5bが直線状に形成されている。
第1のラック歯5aには、第1のピニオン6が噛合している。第1のピニオン6は、トルクセンサ7を介してステアリングシャフト8に連結されており、ステアリングシャフト8の上端には、ステアリングホイール9が取り付けられている。トルクセンサ7は、制御装置13に電気的に接続されており、ステアリングシャフト8に伝達された操舵力を検出し、制御装置13に対して操舵力に応じた検出信号を送信可能となっている。尚、制御装置13は、不図示のセンサにより車速に応じた信号も受信可能となっている。
第2のラック歯5bには、第2のピニオン10が噛合している。第2のピニオン10は、減速器11を介してアシストモータ12に連結されている。アシストモータ12は、制御装置13に対して電気的に接続されており、制御装置13からの駆動信号に応じて操舵補助力を出力可能となっている。
また、特許文献1では、ラック軸5に熱間加工が施され、また、第2のラック歯5bの熱間加工後に、軸線方向の位置ズレや位相ズレを抑制すべく、第1のラック歯5aに切削加工が施されることが記載されている。
特開2002−154442号公報
しかしながら、特許文献1に記載のラック軸の製造方法によれば、熱間加工のため、第1のラック歯に仕上げ加工(切削加工)が必要となり、取り代が必要となることから歩留まりが良くないという課題がある。
また、各ラック歯5a、ラック歯5bが形成される部分を除く、第1及び第2の領域A1、A2の断面形状については考慮されておらず、また、第1のラック歯5a及び第2のラック歯5bは、同一の歯幅で設計されている。このため、ラック軸5は、第1のラック歯5a側で要求される仕様と、第2のラック歯5b側で要求される仕様の両方に最適なものではなかった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、仕上げ加工が不要で、良好な精度、且つ、歩留まりの良いデュアルピニオン式電動パワーステアリング装置のラック軸の製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) ステアリングホイールからの操舵力を伝達する第1のピニオンと噛合可能な直線状の第1のラック歯が形成される第1の領域と、アシストモータからの動力を伝達する第2のピニオンと噛合可能な直線状の第2のラック歯が形成される、前記第1の領域から軸方向に離間した第2の領域と、を有するデュアルピニオン式電動パワーステアリング装置のラック軸の製造方法であって、 中実の円柱状の素材が用いられ、
前記第1のラック歯と前記第2のラック歯とは、別々に据え込まれると共に、別々に冷間鍛造され、
前記第1又は第2のラック歯を据え込む際に使用される押圧パンチは、前記第1又は第2のラック歯と対向する面に凸曲面形状を有することを特徴とするデュアルピニオン式電動パワーステアリング装置のラック軸の製造方法。
(2) 前記第1のラック歯と前記第2のラック歯は、周方向において互いに異なる位相に形成されることを特徴とする(1)に記載のデュアルピニオン式電動パワーステアリング装置のラック軸の製造方法。
(3) 前記第1のラック歯に対して背面側の部分を支持する受型を用いて、前記第1の領域を据え込むことで、前記第1の領域に、前記受型の支持面に対応した曲面を形成することを特徴とする(1)または(2)に記載のデュアルピニオン式電動パワーステアリング装置のラック軸の製造方法。
(4) 一様な直径の前記円柱状の素材が用いられることを特徴とする(1)(3)のいずれかに記載のデュアルピニオン式電動パワーステアリング装置のラック軸の製造方法。
(5) 仕様がそれぞれ異なる複数の前記ラック軸を製造する際、一様な直径の前記円柱状の素材を用いると共に、前記複数のラック軸において共通の仕様を有する前記第2のラック歯が鍛造されることを特徴とする(1)(3)のいずれかに記載のデュアルピニオン式電動パワーステアリング装置のラック軸の製造方法。
また、本発明のデュアルピニオン式電動パワーステアリング装置のラック軸の製造方法によれば、中実の円柱状の素材が用いられ、第1のラック歯と第2のラック歯とは、別々に据え込まれると共に、別々に冷間鍛造されるので、加工荷重を高くすることなく成形できる。また、冷間鍛造のため、良好な精度になり、仕上げ加工が不要で、且つ、歩留まりの良いラック軸となる。さらに、第1又は第2のラック歯を据え込む際に使用される押圧パンチは、第1又は第2のラック歯と対向する面に凸曲面形状を有するので、ラック歯側肩部を幅方向に膨らませることができる。
(a)は、本実施形態のラック軸の正面図であり、(b)は、(a)のI−I線に沿った断面図であり、(c)は、(a)のI´−I´線に沿った断面図である。 入力荷重が加わったときの曲げ強度を説明するための図である。 ステアリング装置のギヤユニット部分の断面図である。 (a)〜(f)は、ラック軸の製造方法を説明するための図である。 ラック歯の加工を2段階に分けて行う場合の形状変化を示し、(a)〜(c)はそれぞれ、図4(b)、(d)、(f)のV−V線に沿った断面図である。 図5(b)と(c)との間での歯の形状変化の状態を示す拡大断面図である。 第1のラック歯5aを形成する際、据え込み工程を説明するための断面図である。 (a)〜(c)は、第1のラック歯の断面形状を示す図である。 (a)及び(b)は、第1のラック歯の外形を示す図である。 車両のデュアルピニオン式電動パワーステアリング装置を示す概略構成図である。
以下、本発明の一実施形態に係るデュアルピニオン式電動パワーステアリング装置のラック軸及びその製造方法について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、ラック軸が適用されるデュアルピニオン式電動パワーステアリング装置の構成は、図10で説明したものと実質的に同じであるので、各構成部品については、同一符号を用いて説明する。
図1に示すように、本実施形態のラック軸5は、ステアリングホイール9からの操舵力を伝達する第1のピニオン6と噛合可能な直線状の第1のラック歯5aが形成される第1の領域A1と、アシストモータ12からの動力を伝達する第2のピニオン10と噛合可能な直線状の第2のラック歯5bが形成される第2の領域A2と、を有する。
また、ラック軸5の左右両端には、タイロッド3a、4aがねじ込まれて固定される雌ねじ部14a、14bが同心で軸方向に沿って形成されている。
第1の領域A1と第2の領域A2とは、ラック軸5の軸方向において互いに離間して設けられており、また、第1のラック歯5aと第2のラック歯5bは、周方向において互いに異なる位相に形成されている。
また、ラック軸5は、後述するように、一様な直径の円柱状の素材20を用いて製造されるが、第1のラック歯5aを含む第1の領域A1と、第2のラック歯5bを含む第2の領域A2は、それぞれ別々に冷間鍛造される。そして、第1の領域A1と第2の領域A2は、図1(b)及び(c)に示すように、各ラック歯5a、5bが形成される部分を除く断面形状において、互いに異なって形成される。なお、第1のラック歯5aと第2のラック歯5bの形状は、任意であり、互いに異なって形成されてもよい。
具体的に、第2の領域A2は、第2のラック歯5bに対して背面側の部分15bに、雌ねじ部14a、14bの中心を結んだねじ中心Cと曲率中心O2が一致する曲面R2を有する。一方、第1の領域A1は、第1のラック歯5aに対して背面側の部分15aに、ねじ中心Cからオフセットした位置に曲率中心O1を持った曲面R1を備える。
さらに、第2のラック歯5bは、車種によらず、共通の仕様とすることで、コストダウンを図っており、また、ラック軸5の素材の直径は、この第2のラック歯5bの仕様に合わせて、全車種で共通としている。
一方、ラック軸5の第1の領域A1において、第1のラック歯5aの仕様は、車種に応じて異なることから、冷間鍛造によって、第1のラック歯5aの歯幅や背面側の部分15aの曲面R1の形状を変更するようにしている。
このように、図2に示すように、第1の領域A1の高さH1や幅W1を変えることで、想定される入力に対して、断面2次モーメントや断面係数を必要な値に調整することができる。特に、第1の領域A1の高さH1は、曲面R1の曲率中心O1の位置を変えることで変化させることができ、曲面R1の曲率中心O1の位置は、ラック軸5の曲げ剛性に有効である。
さらに、図3に示すように、曲面R1の曲率中心O1の位置をねじ中心Cに対して第1のピニオン6側にずらすと、ラックガイド16を第1のピニオン6側に近づけることができ、近づいた分だけ省スペース化を図ることができる。なお、必要に応じて、曲率中心O1の位置を第1のピニオン6から離れる方向にずらしてもよい。
<ラック軸の製造方法>
次に、上記実施形態のラック軸5の製造方法について説明する。先ず、図4(a)に示すように、車種によらず、炭素鋼、ステンレス鋼等の金属材製で、一様な直径の円柱状の素材20を用い、第2のラック歯5bを形成すべき第2の領域A2を、受型34の上面に設けた、断面円弧形の凹溝部35内に載置する。
次いで、図4(b)に示すように、凹溝部35に沿って長い押圧パンチ36の下端面により、素材20をこの凹溝部35に向けて強く押圧する、据え込み加工を行なう。押圧パンチ36の下端面の形状は、一般的には平坦面とする。また、受型34の凹溝部35の形状も背面側の部分15bの曲面R2の形状に合わせることで、据え込み工程によって、凹溝部35の形状に対応した曲面R2を形成することができる。但し、凹溝部35の幅方向に関して、曲率半径が大きな凹曲面としたり、幅方向両端部が受型34に向けて直線的若しくは曲線的に突出する、(据え込み加工後の形状の上端部を抱き込む様な)凹形状とする事もできる。いずれにしても、図4(b)に示した据え込み加工では、素材20の軸方向一部で第2のラック歯5bを形成すべき部分を、上下方向に押し潰すと共に、水平方向の幅寸法を拡げて、中間素材21とする。
この中間素材21は、部分の外周面に、背面側の部分15bとなるべき部分円筒面部22と、断面の径方向に関してこの部分円筒面部22と反対側に存在する平坦面部23と、これら両面部22、23同士を連続させる、曲率半径が比較的小さい、1対の曲面部24、24とを備える。
次いで、この中間素材21を、受型34の凹溝部35から取り出して、図4(c)、(d)に示す歯成形工程が行われる。その際、中間素材21の幅が保持孔42の両内側面44、44の幅より若干大きいので、ダイス41には、アプローチ45が設けられる。アプローチ45は、わずかなテーパー形状を有し、保持孔42の両内側面44、44に滑らかにつながり、歯成形用パンチ46Aを押すことで中間素材21をスムースに保持孔42に送り込む。この保持孔42は、U字形の断面形状を有し、底部43の曲率半径は、受型34の凹溝部35の内面の曲率半径とほぼ一致している。また、両内側面44、44は、互いに平行な平面としている。
中間素材21を、ダイス41の保持孔42にセットしたならば、次いで、図4(c)及び(d)に示すように、歯成形工程において、この保持孔42内に歯成形用パンチ46Aを挿入し、この歯成形用パンチ46Aにより、中間素材21をアプローチ45から保持孔42内に強く押し込み、図5(b)に示すような歯を成形する。中間素材21は、保持孔42の内面により、第2のラック歯5bを形成すべき平坦面部23を除き、拘束されている。
次いで、歯成形用パンチ46Aを上昇させてから、素ラック27を保持孔42から取り出し、図4(e)、(f)に示す歯仕上げ工程が行われる。その際にも、素ラック27の幅は、弾性回復のため、保持孔42Bの両内側面44B、44Bの幅より若干大きいので、ダイス41Bには、アプローチ45Bが設けられる。アプローチ45Bは、わずかなテーパー形状を有し、保持孔42Bの両内側面44B、44Bに滑らかにつながり、歯仕上げ用パンチ46Bを押すことで中間素材21をスムースに保持孔42Bに送り込む。また、両内側面44B、44Bは互いに平行な平面としている。
なお、図4(e)の歯仕上げ工程で用いるダイス41Bは、図4(c)の歯成形工程のダイス41と同型で、交換可能である。
ここで、歯成形用パンチ46Aは、得るべきラック歯の圧力角(20°)よりも小さな圧力角(10°)に見合う形状を有し、歯仕上用パンチ46Bは、得るべきラック歯の圧力角(20°)に見合う形状を有する。したがって、歯成形用パンチ46Aにより、図5(a)から図5(b)の加工を施し、図5(b)及び図6に一点鎖線で示した形状を、歯成形工程によって得る。次いで、歯仕上用パンチ46Bをこのラック歯となるべき部分に押し付ける事により、図6に斜格子で示した、各歯の側面に存在する金属材料を、これら各歯の先端に向けて移動させ、図5(c)及び図6に実線で示した第2のラック歯5bを、歯仕上げ工程によって成形する。このように、ラック歯5bの加工を2段階に分けて行なえば、圧力角が小さいため、歯成形用パンチ46Aに加わる応力を小さく抑えて、この歯成形用パンチ46Aの耐久性を確保できる。又、得られるラック歯5bの精度を確保し易い。一方、歯仕上げ用パンチ46Bは、図6の斜格子の部分を変形させるだけなので、加工荷重を小さく抑えることができ、設備を大きくする必要がない。
次に、第2のラック歯5b、及びその背面側の部分15bと同様の工程で、第1のラック歯5a、及びその背面側の部分15aの加工が行われる。なお、第1のラック歯5aの据え込み工程では、図7に示すように、押圧パンチ36の下端面36aを凸曲面形状とすることで、図1(b)に示すラック歯側肩部Dを幅方向に膨らませることができる。また、受型34の凹溝部35の形状も背面側の部分15aの曲面R1の形状に合わせることで、据え込み工程によって、凹溝部35の形状に対応した曲面R1を形成することができる。なお、ここでの受型34やダイス41、41Bの底部の形状は、据え込み工程、歯成形工程、歯仕上げ工程、いずれも曲面R1と同じにしている。一方、受型34、ダイス41、41Bの底部の形状が、各工程で異なり、歯仕上げ工程で曲面R1を形成することも、当然可能である。
また、歯成形工程時や歯仕上工程時には、歯成形用パンチ46Aや歯仕上用パンチ46Bは、ラック歯5aの仕様によって変更し、ダイス41、41Bの保持孔42、42Bも歯幅に応じて断面の幅を変更する。また、ダイス41、41Bの保持孔42、42Bも背面側の部分15aの曲面R1の形状に合わせることで、材料のすべりが少なくなり、ダイス41、41Bの摩耗を減らすことができる。また、歯成形工程のダイス41と歯仕上げ工程のダイス41Bが同型なので、寿命のための予備の在庫ダイスが少なくて済み、コストダウンを図ることができる。
このように、図4(a)〜図4(f)まで、第1の領域A1と第2の領域A2とをそれぞれ別々に冷間鍛造を施して、仕上げ加工を行うことなく、第1及び第2のラック歯5a、5bを含む所望の形状のラック軸5を成形することができる。なお、第1の領域A1の方法で、第2の領域A2を成形することも可能である。
ここで、一例として、3種類の第1のラック歯5aを形成する場合の押圧パンチ36、歯成形用パンチ46A、歯仕上用パンチ46B、及び受型34、ダイス41、41Bの形状寸法を表1に示すとともに、この条件で成形した第1の領域A1の断面形状を図8(a)〜(c)に示す。
Figure 0006085986
したがって、同一の円柱状の素材20から、必要な第1のラック歯5aの仕様に合わせて、複数種類の形状の第1のラック歯5aを成形することができる。また、図8(a)に示すような歯幅の広いラック歯5aを成形する場合には、背面側の部分15aの曲面R1の曲率半径を小さくして、略三角形に近い形状とすることで、材料をラック歯側に移動させることができる。なお、図8(a)、(b)の歯中央部がわずかに凹んでいるのは、歯成形用パンチ46A、歯仕上用パンチ46Bに接触する面を減らし、加工荷重を下げるためである。
また、表2は、上記製造方法で第1のラック歯5a及び背面側の部分15aを製造した際に、曲面R1の曲率中心O1と、ねじ中心Cとの差を示しており、また、図9(a)及び(b)は、幅が27.1mmと27.8mmの2つの場合の第1の領域A1の断面形状を示している。なお、曲率中心O1とねじ中心Cとの差とは、ねじ中心Cを基準に、曲率中心O1がねじ中心Cより上側の場合をプラスとしている。
Figure 0006085986
以上説明したように、本実施形態のデュアルピニオン式電動パワーステアリング装置のラック軸5によれば、第1の領域A1と第2の領域A2は、各ラック歯5a、5bが形成される部分を除く断面形状において、互いに異なる。これにより、第1の領域A1と第2の領域A2は、第1のラック歯5a、第2のラック歯5bの仕様に応じた、歯幅や曲面を有する断面形状に設計することができる。たとえば、ステアリング側の第1のラック歯5aでは、操作のフィーリングが重視されるのでモジュールが小さいほうが好ましく、アシスト側の第2のラック歯5bでは、強度が必要となるので、モジュール及び歯幅が大きいほうが好ましい。
また、ラック軸5の両端には、一対の雌ねじ部14a、14bが形成されており、第1の領域A1は、第1のラック歯5aに対して背面側の部分15aに、一対の雌ねじ部14a、14bのねじ中心Cからオフセットした曲率中心O1を持った曲面R1を備える。これにより、要求される曲げ強度に対応することができ、また、第1のピニオン6やラックガイド16の配置を設計の要求に応じて最適化することができる。
さらに、第1のラック歯5aと第2のラック歯5bは、周方向において互いに異なる位相に形成されるので、アシストモータやギヤボックス等のアシスト機構を配置する自由度を向上することができる。特に、アシストモータや減速ギヤ(ウォーム、ウォームホイール)は、ラックから大きくはみ出し、他の車両部品と干渉する可能性があるため、2箇所のラック歯5a、5bの周方向の形成位置を変えることができればレイアウトの自由度を向上することができる。
また、本実施形態のデュアルピニオン式電動パワーステアリング装置のラック軸5の製造方法によれば、第1のラック歯5aと第2のラック歯5bとは、別々に冷間鍛造されるので、加工荷重を高くすることなく成形できる。また、冷間鍛造のため、良好な精度になり、仕上げ加工が不要で、且つ、歩留まりの良いラック軸となる。特に、歯を機械加工する場合には素材径の制約を受けるが、冷間鍛造の場合には、素材径の制約を越えて、歯幅を大きくでき、トルクの大きい要求にも対応することができ、また、背面側の部分15a、15bの曲面形状も任意に形成することができる。
また、第1のラック歯5aに対して背面側の部分15aを支持する受型34を用いて、第1の領域A1を据え込むことで、第1の領域A1に、受型34の支持面に対応した曲面R1を形成する。これにより、第1のラック歯5aが形成されるべき部分に平坦面部23を形成するとともに、背面側の部分15aに曲面R1を同時に形成することができる。
また、ラック軸5には、一様な直径の円柱状の素材20が用いられるので、材料コストを削減することができる。
さらに、仕様がそれぞれ異なる複数のラック軸5を製造する際、一様な直径の円柱状の素材20を用いると共に、複数のラック軸5において共通の仕様を有する第2のラック歯5bが鍛造されるので、第2のラック歯5bに応じた直径の素材20を用いて、任意の車種に対応したラック軸5を製造することができ、製造コストと材料コストを削減することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、適宜、変形、改良などが可能である。
上記実施形態では、第1のラック歯5aと第2のラック歯5bとは、周方向における位相が異なる位相に形成されていたが、これに限定されず、同一の位相に形成されてもよい。
また、上記実施形態では、第2の領域A2における背面側の部分15bの曲面R2の曲率中心O2は、ねじ中心Cと一致させているが、曲面R2の曲率中心O2もねじ中心Cからオフセットさせてもよい。
5 ラック軸
5a 第1のラック歯
5b 第2のラック歯
6 第1のピニオン
9 ステアリングホイール
10 第2のピニオン
12 アシストモータ
A1 第1の領域
A2 第2の領域

Claims (5)

  1. ステアリングホイールからの操舵力を伝達する第1のピニオンと噛合可能な直線状の第1のラック歯が形成される第1の領域と、アシストモータからの動力を伝達する第2のピニオンと噛合可能な直線状の第2のラック歯が形成される、前記第1の領域から軸方向に離間した第2の領域と、を有するデュアルピニオン式電動パワーステアリング装置のラック軸の製造方法であって、
    中実の円柱状の素材が用いられ、
    前記第1のラック歯と前記第2のラック歯とは、別々に据え込まれると共に、別々に冷間鍛造され、
    前記第1又は第2のラック歯を据え込む際に使用される押圧パンチは、前記第1又は第2のラック歯と対向する面に凸曲面形状を有することを特徴とするデュアルピニオン式電動パワーステアリング装置のラック軸の製造方法。
  2. 前記第1のラック歯と前記第2のラック歯は、周方向において互いに異なる位相に形成されることを特徴とする請求項に記載のデュアルピニオン式電動パワーステアリング装置のラック軸の製造方法。
  3. 前記第1のラック歯に対して背面側の部分を支持する受型を用いて、前記第1の領域を据え込むことで、前記第1の領域に、前記受型の支持面に対応した曲面を形成することを特徴とする請求項またはに記載のデュアルピニオン式電動パワーステアリング装置のラック軸の製造方法。
  4. 一様な直径の前記円柱状の素材が用いられることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載のデュアルピニオン式電動パワーステアリング装置のラック軸の製造方法。
  5. 仕様がそれぞれ異なる複数の前記ラック軸を製造する際、一様な直径の前記円柱状の素材を用いると共に、前記複数のラック軸において共通の仕様を有する前記第2のラック歯が鍛造されることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載のデュアルピニオン式電動パワーステアリング装置のラック軸の製造方法。
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