以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態の照明装置100の構成の一例を示す正面図であり、図2は本実施の形態の照明装置100の構成の一例を示す側面図であり、図3は本実施の形態の照明装置100の構成の一例を示す背面図であり、図4は本実施の形態の照明装置100の構成の一例を示す底面図であり、図5は図1のV−V線から見た断面図である。
本実施の形態の照明装置100は、光源部30、電源部50、光源部30及び電源部50を壁面又は支柱等に取り付けるための取付アングル1などを備える。取付アングル1は、例えば、アルミダイカスト等の高熱伝導性を有する材料により形成されている。
照明装置100は、正面視がそれぞれ略矩形状をなす光源部30及び電源部50を縦方向に並べて配置してある。光源部30及び電源部50は一体的に固定され、取付アングル1の挿通孔(不図示)に挿通されるボルト6を回転軸として所望の角度に調整することができる。
光源部30は、LEDモジュール10、LEDモジュール10から発せられる光を所要の配光特性で拡散させるためのレンズ11、LEDモジュール10を実装するLED基板12、LEDモジュール10の熱を外部へ放射するためのヒートシンク13、一面が略矩形状に開口した箱状であってLED基板12及びヒートシンク13を固定する光源ケース31などを備える。光源ケース31は、例えば、アルミダイカスト等の高熱伝導性を有する材料により形成されている。
光源ケース31の開口には、LEDモジュール10からの光を透光する透光カバー3、透光カバー3を光源ケース31に固定するための枠部4を取り付けてある。これにより、照明装置100は、透光カバー3全体から光を外部へ照射することができる。
LEDモジュール10は、複数のLEDチップで構成され、各LEDチップを並列又は直列に接続したものである。LEDモジュール10は、例えば、高圧ナトリウムランプ又は水銀灯などの光源の代替として使用することができ、比較的高輝度のものであるが、これに限定されるものではない。発光色や輝度は所要のものを使用することができる。
電源部50は、一面が略矩形状に開口した箱状の電源ケース58に収容してある。電源ケース58は、例えば、アルミダイカスト等の高熱伝導性を有する材料により形成されている。電源ケース58内の所要の位置には、感知部としてのリードスイッチ51を設けてある。リードスイッチ51の詳細は後述する。
電源ケース58の開口には、電源カバー2を取り付けてある。電源カバー2を取り付けることにより、外部から電源部50、リードスイッチ51等を目視することができず、また直接接触することはできない。
光源ケース31及び電源ケース58には、筐体5を固定してある。筐体5は、例えば、アルミダイカスト等の高熱伝導性を有する材料により形成されている。筐体5は、縦方向に複数の溝を設けた放熱フィンとして機能する。なお、光源ケース31及び電源ケース58は、一体成形したものでもよく、別個に成形したものを相互に固定してもよい。
図6は本実施の形態の電源部50の回路構成の一例を示すブロック図である。電源部50は、商用電源200からの交流電圧を受電し、光源としてのLEDモジュール10に所要の電力(直流電流、直流電圧など)を供給する。電源部50は、商用電源200(交流電源)から印加される交流電圧を整流する整流回路52、整流回路52の出力側に設けられた力率改善回路(PFC:Power Factor Correction)60、力率改善回路60の出力側に設けられ、LEDモジュール1に電力を供給する出力回路70、交流電圧の半周期をカウントし、ACゼロクロス時を判定するゼロクロス検出信号生成回路53、マイクロコンピュータ54、及びリードスイッチ51を有する磁気検出回路57などを備える。
力率改善回路60は、例えば、昇圧型の力率改善回路であり、キャパシタ61、FET64、ダイオード65、抵抗62、63などを備える。
抵抗62、63で分圧された電圧は、マイクロコンピュータ54の端子M3にAC電圧検出信号として入力される。FET64のオン/オフは、マイクロコンピュータ54の端子M1から出力されるスイッチング出力信号により制御される。力率改善回路60は、FET64を高い周波数でスイッチング動作させて、入力電流波形を入力電圧波形(交流電圧波形)と同様の正弦波状に制御することにより、商用電源200に対する力率を改善する。
出力回路70は、変圧器71、FET72、ダイオード74、抵抗73、76、77、78、79、平滑コンデンサ75、キャパシタ80などを備える。出力回路70は、力率改善回路60の出力側の電圧を、LEDモジュール10に対して出力する電圧に変換(降圧)する。
変圧器71のコイル71aに直列にダイオード74のアノードを接続してあり、コイル71aとダイオード74との接続ノードに、FET72及び抵抗73の直列回路を接続してある。ダイオード74の出力側(カソード)には、平滑コンデンサ75及び抵抗76と抵抗77との直列回路をそれぞれ接続してある。
LEDモジュール10と直列に抵抗78を接続してあり、LEDモジュール10と抵抗78との接続ノードに抵抗79とキャパシタ80との直列回路を接続してある。
マイクロコンピュータ54の端子M1(スイッチング出力)は、FET64、72それぞれのゲートに接続してある。マイクロコンピュータ54の端子M2(ゼロ電流検出)は、変圧器71のコイル71bの一端に接続してある。マイクロコンピュータ54の端子M4(ACゼロクロス検出)は、ゼロクロス検出信号生成回路53に接続してある。
マイクロコンピュータ54の端子M5(過電流検出)は、FET72と抵抗73との接続ノードに接続してある。マイクロコンピュータ54の端子M6(LED電流検出)は、抵抗79とキャパシタ80との接続ノードに接続してある。マイクロコンピュータ54の端子M7(LED電圧検出)は、抵抗76と抵抗77との接続ノードに接続してある。マイクロコンピュータ54の端子M8(感知結果)は、リードスイッチ51に接続してある。
また、マイクロコンピュータ54の端子M9、M10には、それぞれ第1スイッチ55、第2スイッチ56を接続してある。なお、第1スイッチ55及び第2スイッチ56は、製造工程において接続されるものであり、製品出荷時には取り外される。
マイクロコンピュータ54は、制御部、報知部、計時部及び無効部としての機能を有する。また、マイクロコンピュータ54は、メモリ(不図示)を具備し、後述の調光値(例えば、100%、80%、70%など)、補正値(例えば、−5%、0%、+5%など)を記憶することができる。
マイクロコンピュータ54は、端子M1からスイッチング出力信号をFET72のゲートへ出力することにより、FET72のオン/オフ状態(例えば、オン期間のデューティ比)を調整して、LEDモジュール10に流れるLED電流値を所要の値(例えば、70%〜100%など)に設定することができる。
リードスイッチ51は、磁性体を感知する感知部としての機能を有する。リードスイッチ51は、例えば、2本の強磁性体リードそれぞれの接点同士を適長離隔した状態で配置し、この2本のリードをガラス管の中に封入してある。ガラス管の中には、接点の活性化を防止するため、窒素ガスを封入してある。
リードスイッチ51は、前述の電源ケース58内に収められ、マグネット(磁石)を電源カバー2の表面に近づけることにより、マグネットの磁力でリードスイッチ51の接点は閉状態(オン状態)となる。また、マグネットを電源カバー2の表面から遠ざけることにより、リードスイッチ51の接点は開状態(オフ状態)となる。すなわち、リードスイッチ51の感知範囲内にマグネットが位置するとリードスイッチ51の接点はオンし、リードスイッチ51の感知範囲外にマグネットが位置するとリードスイッチ51の接点はオフする。
磁気検出回路57は、リードスイッチ51の接点がオン状態の場合に、例えば、ハイレベルの信号をマイクロコンピュータ54へ出力し、リードスイッチ51の接点がオフ状態の場合に、例えば、ローレベルの信号をマイクロコンピュータ54へ出力する。なお、磁気検出回路57の出力信号は、リードスイッチ51の接点のオン又はオフが区別できるものであれば、どのような信号を用いてもよい。
なお、マグネット(磁石)に代えて、鉄又はニッケルなどの材質を有する磁性体(例えば、強磁性体)の治具を用いることもできる。また、リードスイッチ51に代えて、磁性体又は磁場などを感知することができるものであれば、磁気抵抗素子など他のもので代用することもできる。
次に、本実施の形態の照明装置100の動作について説明する。以下に説明する動作は、例えば、照明装置100を所定の設置場所に設置した後で、設置場所で要求される明るさに応じてLEDモジュール10に流れるLED電流を設定して、LEDモジュール10の光出力を切り替える際の動作である。以下では、照明装置100の起動時のLED電流値のリセット処理、光出力切替モードへの移行処理、光出力の切替処理の順序で説明する。
図7は本実施の形態の照明装置100の起動時のLED電流値のリセット処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態において、起動とは、照明装置100に対して商用電源200から交流電圧を印加した時点をいい、例えば、照明装置100の点灯・消灯を制御する電源操作盤又はスイッチボックス(不図示)等の電源入切スイッチをオンした時点である。起動時には、マイクロコンピュータ54は、内蔵の各レジスタ、ポートなどの初期化を行う。マイクロコンピュータ54は、データフラッシュなどの不揮発性のメモリに記憶した調光値及び補正値を読み出す(S11)。
調光値は、LEDモジュール10の光出力、すなわち照明装置100の点灯時の明るさを設置場所の要望に応じて設定するためのものであり、例えば、100%、80%、70%などの値であるが、これらの値に限定されるものではない。なお、メモリには、直近に使用していた一の調光値が記憶されている。
補正値は、後述の工程モード(製品出荷前の製造工程)において設定される値である。補正値は、例えば、−5%、0%、+5%などの値であるが、これらの値に限定されるものではない。なお、メモリには、製造工程で設定された一の補正値が記憶されている。
マイクロコンピュータ54は、LED電流値を設定する(S12)。LED電流値は、調光値×(100+補正値)/100で求めることができる。例えば、調光値が100%、補正値が0%である場合、LED電流値は100%となる。また、調光値が80%、補正値が+5%である場合、LED電流値は84%となる。
マイクロコンピュータ54は、感知オンであるか否かを判定する(S13)。感知オンであるか否かの判定は、マグネット(磁石)又は磁性体がリードスイッチ51に近づけられたか否かを判定するものである。感知オンである場合(S13でYES)、マイクロコンピュータ54は、感知オフとなったか否かを判定する(S14)。すなわち、マグネット(磁石)又は磁性体がリードスイッチ51に近づけられた後に、リードスイッチ51から遠ざけられたかを判定する。
感知オフでない場合(S14でNO)、マイクロコンピュータ54は、ステップS14の処理を続け、何も処理を行わない。感知オフとなった場合(S14でYES)、すなわち、マグネット(磁石)又は磁性体がリードスイッチ51に近づけられた後に、リードスイッチ51から遠ざける操作が行われ場合、マイクロコンピュータ54は、メモリに調光値100%を記憶し(上書きし)(S15)、メモリに書込み値ありを示すフラグをセットする。
マイクロコンピュータ54は、調光値100%を用いてLED電流値を設定し(S16)、設定したLED電流値でLEDモジュール10を点灯し(S17)、各種割込み処理を許可するとともに、後述の各種処理へ移行すべくリセット処理を終了する。ステップS13で感知オンでない場合(S13でNO)、調光値を100%にするリセット処理を行うことなく処理を終了する。
リセット処理を設けることにより、照明装置100の直近に使用していた一の調光値が解らない場合(例えば、既設の照明装置を一旦取り外し、別の設置場所へ移し替える場合など)に、一旦調光値100%にリセットすることにより、照明装置100の調光値を判別することが可能となる。
図8は本実施の形態の照明装置100の光出力切替モードへの移行処理の手順を示すフローチャートである。光出力切替モードへの移行処理は、照明装置100の点灯時の明るさを設置場所の要望に応じて設定すべく、照明装置100の動作モードを、調光値を切り替えることができる状態にするための処理である。
マイクロコンピュータ54は、起動した時点からの経過時間を計時し、起動から60分以内であるか否かを判定する(S21)。なお、本実施の形態では、所定時間の一例として、60分を用いているが、所定時間は他の時間であってもよい。起動から60分以内である場合(S21でYES)、マイクロコンピュータ54は、感知オンであるか否かを判定する(S22)。すなわち、起動から60分以内にマグネット又は磁性体をリードスイッチ51に近づける操作が行われたか否かを判定する。
感知オンである場合(S22でYES)、マイクロコンピュータ54は、感知オンの状態が4秒(時間T1)以上であるか否かを判定する(S23)。すなわち、マグネット又は磁性体をリードスイッチ51に近づけた状態が4秒以上であるか否かを判定する。
感知オンの状態が4秒以上である場合(S23でYES)、マイクロコンピュータ54は、後述の光出力切替モードに移行し(S24)、処理を終了する。ステップS22で感知オンでない場合(S22でNO)、又はステップS23で感知オンの状態が4秒以上でない場合(S23でNO)、マイクロコンピュータ54は、ステップS21以降の処理を続ける。また、ステップS21で起動から60分以内でない場合(S21でNO)、マイクロコンピュータ54は、光出力切替モードに移行することなく処理を終了する。
上述のように、起動から60分間のみ光出力切替モードに移行することを可能とすることにより、照明装置100を設置した後に電源投入を行い、照明装置100の明るさを調整するのに必要な時間を確保することができる。また、起動から60分を経過した場合には、光出力切替モードに移行しないので、照明装置を設置した後の使用中においては、何者かが照明装置100の明るさを変更することができず、いたずら等を防止することができる。
感知オンの状態を判定する時間T1は、4秒に限定されるものではなく、他の時間とすることができる。感知オンの状態を時間T1以上継続させることにより、極めて短時間の感知オンの状態を除外して、誤って光出力切替モードに移行する事態を防止することができる。
図9及び図10は本実施の形態の照明装置100の光出力の切替処理の手順を示すフローチャートである。図9及び図10に例示する処理は、光出力切替モードにおける処理である。マイクロコンピュータ54は、メモリに記憶した調光値が100%であるか否かを判定し(S31)、調光値が100%である場合(S31でYES)、LEDモジュール10を1秒間(時間T3)消灯し(S32)、調光値80%をメモリに記憶し(S33)、メモリに書込みありのフラグをセットする。
マイクロコンピュータ54は、LED電流値(80%×補正値)を設定し(S34)、設定した調光値に切り替える(S35)。これにより、LEDモジュール10には、80%×補正値で示されるLED電流値が流れる。
調光値が100%でない場合(S31でNO)、マイクロコンピュータ54は、メモリに記憶した調光値が80%であるか否かを判定し(S36)、調光値が80%である場合(S36でYES)、LEDモジュール10を1秒間(時間T3)消灯し(S37)、調光値70%をメモリに記憶し(S38)、メモリに書込みありのフラグをセットする。
マイクロコンピュータ54は、LED電流値(70%×補正値)を設定し(S39)、ステップS35の処理を行い、設定した調光値に切り替える。これにより、LEDモジュール10には、70%×補正値で示されるLED電流値が流れる。
調光値が80%でない場合(S36でNO)、マイクロコンピュータ54は、メモリに記憶した調光値が70%であるか否かを判定し(S40)、調光値が70%である場合(S40でYES)、LEDモジュール10を2秒間(時間T4)点滅し(S41)、調光値100%をメモリに記憶し(S42)、メモリに書込みありのフラグをセットする。
マイクロコンピュータ54は、LED電流値(100%×補正値)を設定し(S43)、ステップS35の処理を行い、設定した調光値に切り替える。これにより、LEDモジュール10には、100%×補正値で示されるLED電流値が流れる。
調光値が70%でない場合(S40でNO)、マイクロコンピュータ54は、LEDモジュール10を1秒間(時間T3)消灯し(S44)、調光値100%をメモリに記憶し(S45)、メモリに書込みありのフラグをセットする。
マイクロコンピュータ54は、LED電流値(100%×補正値)を設定し(S46)、ステップS35の処理を行い、設定した調光値に切り替える。これにより、LEDモジュール10には、100%×補正値で示されるLED電流値が流れる。
マイクロコンピュータ54は、起動から60分以内であるか否かを判定し(S47)、起動から60分以内である場合(S47でYES)、感知オンであるか否かを判定する(S48)。すなわち、起動から60分以内にマグネット又は磁性体をリードスイッチ51に近づける操作が行われたか否かを判定する。
感知オンである場合(S48でYES)、マイクロコンピュータ54は、感知オンの状態が1秒(時間T2)以上であるか否かを判定する(S49)。すなわち、マグネット又は磁性体をリードスイッチ51に近づけた状態が1秒以上であるか否かを判定する。
感知オンの状態が1秒以上である場合(S49でYES)、マイクロコンピュータ54は、ステップS31以降の処理を繰り返す。これにより、起動から60分以内であれば、マグネット又は磁性体をリードスイッチ51に近づける操作を行う都度、調光値を100%、80%、70%、100%の順番で切り替えることができる。
ステップS48で感知オンでない場合(S48でNO)、又はステップS49で感知オンの状態が1秒以上でない場合(S49でNO)、マイクロコンピュータ54は、ステップS47以降の処理を続ける。また、ステップS47で起動から60分以内でない場合(S47でNO)、マイクロコンピュータ54は、光出力切替モードから抜け出し、以降は、マグネット又は磁性体をリードスイッチ51に近づける操作を行ったとしても、調光値の切替は行われない。
図11は本実施の形態の照明装置100の光出力切替モードの一例を示すタイムチャートである。図11の上段のチャートは、感知オン又は感知オフの状態の遷移を示す。図11の下段のチャートは、光出力の遷移を示す。図11において、時間T1、T2は、それぞれ4秒、1秒である。また、時間T3、T4は、それぞれ1秒及び2秒であるが、時間T1〜T4はこれらの時間に限定されるものではない。
図11に示すように、マグネット又は磁性体をリードスイッチ51に近づけた後遠ざける操作を繰り返すことにより、補正値を仮に0%とした場合、LED電流値を100%、80%、70%、100%の順番で切り替えることができる。
図11に示すように、感知オフから感知オンへの移行を検出し、感知オンの状態が時間T1を超えた時点でLEDモジュール10は時間T3の間消灯し、100%から80%調光状態に切り替わる。なお、当初の調光状態が100%ではなく、例えば、80%である場合には、70%調光状態に切り替わり、また、当初の調光状態が70%である場合には、100%調光状態に切り替わる。なお、本実施の形態では、光出力が100%の場合を100%調光状態とも称し、また光出力が80%、70%の場合を、それぞれ80%調光状態、70%調光状態とも称する。
次に、感知オフから感知オンへの移行を検出し、感知オンの状態が時間T2を超えた時点でLEDモジュール10は時間T3の間消灯し、80%から70%調光状態に切り替わる。さらに、感知オフから感知オンへの移行を検出し、感知オンの状態が時間T2を超えた時点でLEDモジュール10は時間T4の間点滅し、70%から100%調光状態に切り替わる。以降、感知オンを検出する都度、同様の処理を順番に行う。
上述のとおり、磁性体を感知する磁気検出回路57、磁気検出回路57で感知した感知結果に基づいて、LEDモジュール10のLED電流値、すなわち光出力を切り替えるべく出力回路70を制御するマイクロコンピュータ54などを備えることにより、照明装置の外部から容易にアクセスできる箇所にスイッチ等を設ける必要がなく、単にマグネット又は磁性体を照明装置100の所定の箇所(リードスイッチ51が設けられた位置)に近づけ、かつ遠ざける操作を行うだけで、照明装置100の光出力を切り替えることができ、光出力の設定を容易に行うことができる。
また、外部から物理的に接触できるスイッチ等が不要であるので、何者かにスイッチを操作され、誤った設定値にセットされるおそれもない。また、照明装置100を屋外で使用する場合でも、スイッチ取付部分の防水機能を追加する必要もない。
また、マイクロコンピュータ54は、磁気検出回路57でマグネット又は磁性体を感知する都度、複数の異なる光出力に順番に切り替えるので、照明装置100の光出力を容易に切り替えることができる。
また、マイクロコンピュータ54は、LEDモジュール10の光出力を切り替える場合、LEDモジュール10を比較的短時間消灯させるので、外部から照明装置100の光出力が切り替わったことを容易に認識することができる。LEDモジュール10の輝度が高い場合、特に調光値が100%と80%、あるいは80%と70%との間では、人間の目で光出力の切り替わりを判別することが困難であるが、短時間消灯させることにより、容易に判別することができる。
また、マイクロコンピュータ54は、所定の光出力へ切り替えた場合と、当該所定の光出力と異なる他の光出力へ切り替えた場合とで報知手段が異なるようにしてある。例えば、切替後の所定の光出力は、調光値が100%であり、他の光出力は、調光値が80%及び70%である。上述のとおり、調光値を80%又は70%に切り替える場合は、報知手段として1秒間の消灯により報知し、調光値を100%に切り替える場合は、報知手段として2秒間の点滅により報知する。これにより、所定の光出力にリセットすることを他の光出力と区別して容易に認識することができる。
また、マイクロコンピュータ54は、起動した時点からの経過時間が所定時間(例えば、60分)内である場合のみ、感知結果に基づいてLEDモジュール10の光出力を切り替える制御行う。すなわち、マイクロコンピュータ54は、起動した時点からの経過時間が所定時間(例えば、60分)を超えた場合、磁気検出回路57を停止して感知結果をマイクロコンピュータ54へ出力しないようにすることにより、光出力の切り替え制御を行わない。あるいは、マイクロコンピュータ54は、起動した時点からの経過時間が所定時間(例えば、60分)を超えた場合、磁気検出回路57が出力する感知結果を取得するものの、取得した感知結果を無効とすることにより、感知結果によらず光出力の切り替え制御を行わない。これにより、起動から60分を経過した場合には、調光状態切替モードに移行しないので、照明装置100を設置した後の使用中においては、何者かが照明装置100の明るさを変更することができず、いたずら等を防止することができる。なお、感知結果を無効とするとは、例えば、得られた感知結果を使用しないこと、感知動作そのものを行わないことを含む。
上述の実施の形態において、光出力の切り替わりをLEDモジュール10の消灯又は点滅で報知する構成であったが、これに限定されるものではなく、LEDモジュール10とは別にインジケータ(LED)を設けておき、インジケータの点灯、点滅により光出力の切り替わりを報知するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態において、調光値は、100%、80%、70%の3通りであるが、これに限定されるものではなく、他の調光値を用いることもでき、4通り以上の調光値を用いてもよい。
次に、照明装置100を出荷する前の製造工程における動作について説明する。
図6に示すように、製造工程では、製造治具として第1スイッチ55及び第2スイッチ56をそれぞれマイクロコンピュータ54の端子M9及びM10に接続する。なお、照明装置100の出荷時には、第1スイッチ55及び第2スイッチ56は取り外されている。以下では、照明装置100の工程モードへの移行処理、LED電流値の確認処理、補正値の設定処理の順序で説明する。
図12は本実施の形態の照明装置100の工程モードへの移行処理の手順を示すフローチャートである。マイクロコンピュータ54は、メモリに記憶した調光値及び補正値を読み出す(S101)。マイクロコンピュータ54は、LED電流値を設定し(S102)、設定したLED電流値でLEDモジュール10を点灯する(S103)。LED電流値は、調光値×(100+補正値)/100で求めることができる。
マイクロコンピュータ54は、起動した時点からの経過時間を計時し、起動から60分以内であるか否かを判定する(S104)。起動から60分以内である場合(S104でYES)、マイクロコンピュータ54は、第1スイッチ55がオンであるか否かを判定する(S105)。
第1スイッチ55がオンである場合(S105でYES)、マイクロコンピュータ54は、オンの状態が2秒(時間T11)以上であるか否かを判定する(S106)。第1スイッチ55がオンの状態が2秒以上である場合(S106でYES)、マイクロコンピュータ54は、後述の工程モードに移行し(S107)、電流確認モード0に移行する。
マイクロコンピュータ54は、LEDモジュール10を0.2秒間消灯し(S108)、再点灯し(S109)、工程モードへの移行処理を終了する。
ステップS105で第1スイッチ55がオンでない場合(S105でNO)、又はステップS106でオンの状態が2秒以上でない場合(S106でNO)、マイクロコンピュータ54は、ステップS104以降の処理を続ける。また、ステップS104で起動から60分以内でない場合(S104でNO)、マイクロコンピュータ54は、工程モードに移行することなく処理を終了する。
図13及び図14は本実施の形態の照明装置100のLED電流値の確認処理の手順を示すフローチャートである。図13及び図14に例示する処理は、工程モードにおける処理である。マイクロコンピュータ54は、第1スイッチ55がオンであるか否かを判定し(S121)、第1スイッチ55がオンである場合(S121でYES)、オンの状態が0.2秒(T12)以上であるか否かを判定する(S122)。
オンの状態が0.2秒以上である場合(S122でYES)、マイクロコンピュータ54は、電流確認モードが0であるか否かを判定する(S123)。
電流確認モード0は、調光値100%でLEDモジュール10を点灯させるモードであり、電流確認モード1は、調光値80%でLEDモジュール10を点灯させるモードであり、電流確認モード2は、調光値70%でLEDモジュール10を点灯させるモードである。
電流確認モードが0である場合(S123でYES)、マイクロコンピュータ54は、LEDモジュール10を0.2秒間(時間T13)消灯し(S124)、調光値100%でLEDモジュール10を点灯し(S125)、電流確認モード1に移行する(S126)。なお、調光値をメモリの書込む処理は行わない。
電流確認モードが0でない場合(S123でNO)、マイクロコンピュータ54は、電流確認モードが1であるか否かを判定する(S127)。電流確認モードが1である場合(S127でYES)、マイクロコンピュータ54は、LEDモジュール10を0.2秒間(時間T13)消灯し(S128)、調光値80%でLEDモジュール10を点灯し(S129)、電流確認モード2に移行する(S130)。なお、調光値をメモリの書込む処理は行わない。
電流確認モードが1でない場合(S127でNO)、マイクロコンピュータ54は、電流確認モードが2であるか否かを判定する(S131)。電流確認モードが2である場合(S131でYES)、マイクロコンピュータ54は、LEDモジュール10を0.2秒間(時間T13)消灯し(S132)、調光値70%でLEDモジュール10を点灯し(S133)、電流確認モード0に移行する(S134)。なお、調光値をメモリの書込む処理は行わない。
電流確認モードが2でない場合(S131でNO)、マイクロコンピュータ54は、LEDモジュール10を0.2秒間(時間T13)消灯し(S135)、調光値100%でLEDモジュール10を点灯し(S136)、電流確認モード1に移行する(S137)。なお、調光値をメモリの書込む処理は行わない。
マイクロコンピュータ54は、起動から60分経過したか否かを判定し(S138)、起動から60分経過していない場合(S138でNO)、ステップS121以降の処理を繰り返す。
起動から60分経過した場合(S138でYES)、マイクロコンピュータ54は、処理を終了する。ステップS121で第1スイッチ55がオンでない場合(S121でNO)、又はステップS122でオンの状態が0.2秒以上でない場合(S122でNO)、マイクロコンピュータ54は、ステップS138の処理を行う。
図15は本実施の形態の照明装置100のLED電流値の確認処理の一例を示すタイムチャートである。図15の上段のチャートは、第1スイッチ55のオン又はオフの状態の遷移を示す。図15の下段のチャートは、調光状態及び消灯状態の遷移を示す。図15において、時間T11、T12、T13は、それぞれ2秒、0.2秒、0.2秒であるが、時間T11〜T13はこれらの時間に限定されるものではない。
図15に示すように、第1スイッチ55をT11時間以上オン状態にすることにより、仮に補正値を0%とした場合、LED電流値を100%、80%、70%、100%の順番で切り替えることができる。
図15に示すように、第1スイッチ55をT11時間以上オン状態にすることにより、工程モードに移行する。工程モードに移行した後は、第1スイッチ55がオフ状態からオン状態になるのを検出し、オン状態がT12時間を超えた時点でLEDモジュール10は時間T13の間消灯し、当初の調光状態が100%、80%又は70%のいずれの状態であっても、一旦100%調光状態に切り替わる。次に、第1スイッチ55がオフ状態からオン状態になるのを検出し、オン状態がT12時間を超えた時点でLEDモジュール10は時間T13の間消灯し、調光状態は100%から80%に切り替わる。
次に、第1スイッチ55がオフ状態からオン状態になるのを検出し、オン状態がT12時間を超えた時点でLEDモジュール10は時間T13の間消灯し、調光状態は80%から70%に切り替わる。さらに、第1スイッチ55がオフ状態からオン状態になるのを検出し、オン状態がT12時間を超えた時点でLEDモジュール10は時間T13の間消灯し、調光状態は70%から100%に切り替わる。以降、第1スイッチ55のオン状態を検出する都度、同様の処理を順番に行う。
図16及び図17は本実施の形態の照明装置100の補正値の設定処理の手順を示すフローチャートである。図16及び図17に例示する処理は、工程モードにおける処理である。マイクロコンピュータ54は、第2スイッチ56がオンであるか否かを判定し(S151)、第2スイッチ56がオンである場合(S151でYES)、オンの状態が0.2秒(T12)以上であるか否かを判定する(S152)。
オンの状態が0.2秒以上である場合(S152でYES)、マイクロコンピュータ54は、電流補正モードが0であるか否かを判定する(S153)。
電流補正モード0は、補正値を−5%とするモードであり、電流補正モード1は、補正値を+5%とするモードであり、電流補正モード2は、補正値を0%とするモードである。
電流補正モードが0である場合(S153でYES)、マイクロコンピュータ54は、LEDモジュール10を0.2秒間(時間T13)消灯し(S154)、メモリに補正値−5%を記憶し(S156)、メモリに書込みありのフラグをセットする。マイクロコンピュータ54は、補正したLED電流値でLEDモジュール10を点灯し(S157)、電流補正モード1に移行する(S158)。
電流補正モードが0でない場合(S153でNO)、マイクロコンピュータ54は、電流補正モードが1であるか否かを判定する(S159)。電流補正モードが1である場合(S159でYES)、マイクロコンピュータ54は、LEDモジュール10を0.2秒間(時間T13)消灯し(S160)、メモリに補正値+5%を記憶し(S161)、メモリに書込みありのフラグをセットする。マイクロコンピュータ54は、補正したLED電流値でLEDモジュール10を点灯し(S162)、電流補正モード2に移行する(S163)。
電流補正モードが1でない場合(S159でNO)、マイクロコンピュータ54は、電流補正モードが2であるか否かを判定する(S164)。電流補正モードが2である場合(S164でYES)、マイクロコンピュータ54は、LEDモジュール10を0.2秒間(時間T13)消灯し(S165)、メモリに補正値0%を記憶し(S166)、メモリに書込みありのフラグをセットする。マイクロコンピュータ54は、補正なしのLED電流値でLEDモジュール10を点灯し(S167)、電流補正モード0に移行する(S168)。
電流補正モードが2でない場合(S164でNO)、マイクロコンピュータ54は、LEDモジュール10を0.2秒間(時間T13)消灯し(S169)、メモリに補正値0%を記憶し(S170)、メモリに書込みありのフラグをセットする。マイクロコンピュータ54は、補正なしのLED電流値でLEDモジュール10を点灯し(S171)、電流補正モード0に移行する(S172)。
マイクロコンピュータ54は、起動から60分経過したか否かを判定し(S173)、起動から60分経過していない場合(S173でNO)、ステップS151以降の処理を繰り返す。
起動から60分経過した場合(S173でYES)、マイクロコンピュータ54は、処理を終了する。ステップS151で第2スイッチ56がオンでない場合(S151でNO)、又はステップS152でオンの状態が0.2秒以上でない場合(S152でNO)、マイクロコンピュータ54は、ステップS173の処理を行う。
図18は本実施の形態の照明装置100の補正値の設定処理の一例を示すタイムチャートである。図18の上段のチャートは、第1スイッチ55及び第2スイッチ56のオン又はオフの状態の遷移を示す。図18の下段のチャートは、補正値の遷移を示す。図18において、時間T11、T12、T13は、それぞれ2秒、0.2秒、0.2秒であるが、時間T11〜T13はこれらの時間に限定されるものではない。
図18に示すように、第1スイッチ55をT11時間以上オン状態にすることにより、図15に例示した場合と同様に工程モードに移行する。また、工程モードに移行した後、第2スイッチ56をT12時間以上オン状態にすることにより、補正値を−5%、+5%、0%、−5%の順序で切り替えることができる。
図18に示すように、工程モードに移行した後は、第2スイッチ56がオフ状態からオン状態になるのを検出し、オン状態がT12時間を超えた時点でLEDモジュール10は時間T13の間消灯し、当初の補正値0%を補正値−5%に切り替える。なお、図18の例では、当初の補正値を0%としているが、当初の補正値は−5%でもよく、あるいは+5%でもよい。当初の補正値が−5%であれば+5%に切り替え、当初の補正値が+5%であれば0%に切り替える。
次に、第2スイッチ56がオフ状態からオン状態になるのを検出し、オン状態がT12時間を超えた時点でLEDモジュール10は時間T13の間消灯し、補正値−5%を補正値+5%に切り替える。さらに、第2スイッチ56がオフ状態からオン状態になるのを検出し、オン状態がT12時間を超えた時点でLEDモジュール10は時間T13の間消灯し、補正値+5%を補正値0%に切り替える。以降、第2スイッチ56のオン状態を検出する都度、同様の処理を順番に行う。
上述のように、第2スイッチ56を所定のT12時間以上オン状態にしてオン/オフ動作を繰り返すことにより、照明装置100のメモリ内に所望の補正値を記憶させることができる。すなわち、図15に例示するLED電流値の確認処理において、照明装置100を所要の調光値で点灯させて、LEDモジュール10に流れる電流を測定する。測定した電流が少ない場合には、図18に例示する補正値の設定処理で、例えば、補正値を+5%に設定してLEDモジュール10に流れる電流を増やす。同様に、照明装置100を所要の調光値で点灯させて、LEDモジュール10に流れる電流を測定し、測定した電流が多い場合には、図18に例示する補正値の設定処理で、例えば、補正値を−5%に設定してLEDモジュール10に流れる電流を減らす。これにより、LEDモジュール10の電気的又は光学的特性のバラツキ、あるいは出力回路70を構成する電子部品又は電気部品のバラツキ等により、LEDモジュール10に流れる電流値が許容範囲外になった場合でも、補正値を調整してLEDモジュール10に流れる電流値を許容範囲内にすることができる。また、従来のように、例えば、可変抵抗などの電気部品を用いてバラツキを許容範囲内に抑える必要もない。本実施の形態では、可変抵抗などの電気部品を使用することなく、マイクロコンピュータ54内のメモリに所望の補正値を記憶することができる。