JP6084378B2 - 検査システム - Google Patents

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Description

本発明は、検査システムに関する。
特許文献1には、ターニングロールが記載されている。このターニングロールは、例えばサイロ等の大型で薄肉の円筒体について溶接等の検査作業を行う際に、円筒体を横向きの状態で支持して回転させることができる。
実開平6−628号公報
近年、被検査物回転装置を使用して非破壊検査を行う場合、被検査物の大型肉厚化に対応して、検査装置の高出力化や高感度化などの性能向上の必要性が高まっている。
しかし、検査装置の性能向上だけでは、被検査物回転装置を駆動する電気モータから発生するノイズを除去できない。ここで、ノイズとは、ノーマルモード・ノイズやコモンモード・ノイズなどの電気的ノイズ及び電動機や電源配線から空中や磁性体を伝播してくる電磁ノイズをいう。
一般に、検査装置が超音波探傷装置の場合は、ノイズの影響を大きく受けることが知られている。
このノイズを低減するためには、ノイズの発生源の1つである電気モータを被検査物から絶縁することが考えられる。
しかし、ノイズは、例えば、大型品の被検査物回転装置の動力伝達機構として使用される金属製のギアやローラ等を介して、被検査物から検査装置へと伝播し、絶縁することが困難な場合がある。
例えば、絶縁物を設けることで、低周波及び中周波のノイズをある程度抑制する効果が期待される。しかし、絶縁物は、その特性上高周波ノイズを通しやすく、特に超音波探傷検査では数MHzの高周波ノイズを絶縁物のみで遮蔽することは困難である。
本発明は、発生するノイズを抑制できる検査システムを提供することを目的とする。
前記目的に沿う発明に係る検査システムは、断面の外形が円形状の被検査物に接する複数のローラがそれぞれ設けられ、前記被検査物を軸回りに回転可能にそれぞれ支持する第1の支持部及び第2の支持部を有する被検査物回転装置と、前記被検査物回転装置によって回転する前記被検査物を検査する超音波探傷装置と、を備えた検査システムにおいて、
前記被検査物は、外径が300〜3000mmの範囲にある鍛鋼品又は鋳鋼品であり、前記超音波探傷装置によって発見すべき欠陥の大きさは、1.5〜3mmの範囲にあって、前記被検査物回転装置は、油圧作動油によって作動し、前記第1の支持部の少なくとも1つの前記ローラを駆動するための油圧モータを有し、前記油圧作動油が流れる圧力伝達管が前記油圧モータに接続され、該圧力伝達管は絶縁ホースからなって、かつ該油圧モータを駆動する圧力源となる油圧ポンプを内部に有する制御装置が、前記超音波探傷装置の超音波探触子から離れた位置に配置され、前記油圧ポンプ及び該油圧ポンプを駆動する電気モータAから発生するノイズを減衰させる
発明に係る検査システムにおいて、
前記被検査物回転装置は、前記各ローラの位置を変更する位置変更機構と、
前記位置変更機構を駆動するための電気モータと、
前記電気モータのシャフトの回転を拘束させるための拘束部と、
前記被検査物を検査している間は、前記電気モータの駆動電流の供給を停止するモータ制御器と、を更に有していてもよい。
発明に係る検査システムにおいて、
前記拘束部は機械式ブレーキであってもよい。
請求項1〜記載の検査システムにおいては、ローラが油圧作動油によって作動する油圧モータによって駆動されるので、発生するノイズが抑制される。
請求項記載の検査システムにおいては、油圧モータに接続される圧力伝達管を伝播するノイズが抑制される。
請求項記載の検査システムにおいては、超音波探傷装置によって、より小さな欠陥を発見できる。
請求項記載の検査システムにおいては、被検査物を検査している間は、位置変更機構を駆動するための電気モータの駆動電流の供給が停止するので、被検査物を検査している間に電気モータが発生するノイズが抑制される。
請求項記載の検査システムにおいては、拘束部が機械式ブレーキであるので、ノイズが抑制される。
本発明の第1の実施の形態に係る超音波探傷検査システムの説明図である。 (A)、(B)はそれぞれ、同超音波探傷検査システムの超音波探傷装置の出力結果であって、ノイズの影響を受けていない場合の信号を示す説明図及びノイズの影響を受けた場合の信号を示す説明図である。 (A)、(B)、(C)はそれぞれ、本発明の第2の実施の形態に係る超音波探傷検査システムを左側面、正面、右側面から見た場合のローラ位置変更機構の説明図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、各図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態に係る超音波探傷検査システム(検査システムの一例)10は、被検査物OBJを破壊することなく、その内部の欠陥を発見することができる。超音波探傷検査システム10は、図1に示すように、被検査物回転装置12と、超音波探傷装置(検査装置の一例)16と、を備えている。
なお、以下、電気ノイズ等の各種ノイズについては、区別なく単に「ノイズ」という。
被検査物回転装置12は、円柱状や円筒状の被検査物OBJを軸AX1(中心軸)回りに回転可能に支持できる。ここで、被検査物OBJは、例えば、鍛鋼品(圧延ロールやタービンロータ等)や鋳鋼品である。
被検査物回転装置12は、第1の支持部21、油圧モータ14a、14b、及び第2の支持部22を有している。
第1の支持部21は、ベース部24及び1組の駆動ローラ(ローラの一例)26a、26bを有している。
ベース部24は、床面に設置される。
1組の駆動ローラ26a、26bは、それぞれ、図示しない軸受を介してベース部24に設けられ、実質的に水平方向に延びる軸AX2、AX3回りに回転できる。駆動ローラ26a、26bは、それぞれ、被検査物OBJの一端部の下側の異なる外周位置にて、その被検査物OBJに接する。
なお、被検査物OBJの仕様等により、駆動ローラの数や配置が異なる場合がある。
油圧モータ(圧力モータ、ローラ駆動部、及び駆動部の一例)14a、14bは、油圧作動油によって動作し、駆動ローラ26a、26bをそれぞれ駆動できる。油圧モータ14a、14bは、制御装置28によって動作が制御される。制御装置28の内部には、油圧モータ14a、14bを駆動するための圧力源となる油圧ポンプ(不図示)が設けられている。この油圧ポンプは、電気モータ(不図示)によって駆動されるため、ノイズの発生源となりうる。しかし、制御装置28が超音波探傷装置16の超音波探触子32から十分に離れた位置に配置されることによって、ノイズの影響を抑えられる。
また、油圧モータ14a、14bは、油圧作動油が流れる圧力伝達管34を介して制御装置28に接続されている。圧力伝達管34は、絶縁ホース及び絶縁継手によって構成され、電気的に絶縁されているので、制御装置28からのノイズが減衰する。なお、圧力伝達管34は、高レジスタンスかつ低キャパシタンスであることが好ましい。
なお、駆動ローラ26a、26bのうち、少なくとも1つの駆動ローラのみが油圧モータにより駆動されてもよい。また、複数の駆動ローラが、1つの油圧モータにより駆動されてもよい。
第2の支持部22は、ベース部44及び1組の従動ローラ(ローラの一例)46a、46bを有している。
ベース部44は、床面に設置される。
1組の従動ローラ46a、46bは、それぞれ、図示しない軸受を介してベース部44に設けられ、実質的に水平方向に延びる軸AX4、AX5回りに回転できる。各従動ローラ46a、46bは、それぞれ、被検査物OBJの他端部の下側の異なる外周位置にて、その被検査物OBJに接する。
なお、被検査物OBJの仕様等により、従動ローラの数や配置が異なる場合がある。
超音波探傷装置16は、超音波探触子32を被検査物OBJの外周面に当て、欠陥の存在を示す反射波である傷エコーを電気信号に変換して検出することにより、内部の欠陥を発見できる。なお、この傷エコーは、図2(A)X部に示すように現れる。
超音波探傷装置16により発見すべき欠陥の大きさは、例えば径が300〜3,000mmのシャフト状の被検査物OBJについて、1.5〜3.0mmである。従って、超音波探傷装置16の信号処理部33にノイズ(図2(B)に示すY部参照)が混入すると、欠陥を識別することができなくなる。
次に、超音波探傷検査システム10の動作について説明する。
(ステップS1)
油圧モータ14a、14bを駆動する。第1の支持部21に設けられた駆動ローラ26a、26bがそれぞれ軸AX2、AX3回りに回転する。
(ステップS2)
駆動ローラ26a、26bに接触する被検査物OBJが軸AX1回りに回転する。第2の支持部22に設けられ、被検査物OBJに接触する従動ローラ46a、46bがそれぞれ従動回転する。
(ステップS3)
超音波探傷装置16の超音波探触子32を被検査物OBJに当て、被検査物OBJを一回転させる。その結果、回転位置と欠陥の大きさとの関係を表すデータが得られる。
(ステップS4)
超音波探触子32を軸方向に順次ずらし、前述のステップS3を実行する。全軸長についてデータが取得される。
このように、被検査物OBJを回転させる被検査物回転装置12は、油圧モータ14a、14bにより駆動されるので、電気モータにより駆動される場合と比較して、超音波検査装置16に伝播するノイズの大きさが抑えられる。
<第2の実施の形態>
続いて、本発明の第2の実施の形態に係る超音波探傷検査システム50について説明する。第1の実施の形態に係る超音波探傷検査システム10と同一の構成要素については、同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
超音波探傷検査システム50は、第1の支持部21と第2の支持部22との間の距離D1を変更する第1の位置変更機構61(図3(B)参照)を有している。また、超音波探傷検査システム50は、駆動ローラ26aと駆動ローラ26bとの間の距離D2aを変更する第2の位置変更機構62a(図3(A)参照)を有している。更に、超音波探傷検査システム50は、従動ローラ46aと従動ローラ46bとの間の距離D2bを変更する第2の位置変更機構62b(図3(C)参照)を有している。
第1の位置変更機構61は、ボールねじ(不図示)と、このボールねじを駆動する電磁ブレーキ付き電気モータBM1(図3(B)参照)を有している。第1の位置変更機構61は、この電磁ブレーキ付き電気モータBM1を用いてボールねじを駆動することによって、第1の支持部21と第2の支持部22との間の距離D1を変更できる。
第2の位置変更機構62aは、ボールねじ(不図示)と、このボールねじを駆動する電磁ブレーキ付き電気モータBM2a(図3(A)参照)を有している。第2の位置変更機構62aは、この電磁ブレーキ付き電気モータBM2aを用いてボールねじを駆動することによって、駆動ローラ26aと駆動ローラ26bとの間の距離D2aを変更できる。
第2の位置変更機構62bは、ボールねじ(不図示)と、このボールねじを駆動する電磁ブレーキ付き電気モータBM2b(図3(C)参照)を有している。第2の位置変更機構62bは、この電磁ブレーキ付き電気モータBM2bを用いてボールねじを駆動することによって、従動ローラ46aと従動ローラ46bとの間の距離D2bを変更できる。
なお、各電磁ブレーキは、供給される電源がオフになると作動する。
また、各位置変更機構61、62a、62bが有するボールねじに代えて、ラックアンドピニオン機構とすることも可能である。
各電磁ブレーキ付き電気モータBM1、BM2a、BM2bは、モータ制御器70より制御される。
モータ制御器70は、被検査物OBJを検査している間は、電磁ブレーキ付き電気モータBM1、BM2a、BM2bを駆動するための電流の供給を停止する。また、モータ制御器70は、各電磁ブレーキ(拘束部の一例)への電源供給を停止して各電磁ブレーキを作動させ、電磁ブレーキ付き電気モータBM1、BM2a、BM2bのシャフトの回転を停止する。すなわち、各電磁ブレーキによって、電磁ブレーキ付き電気モータBM1、BM2a、BM2bのシャフトの回転が拘束される。このように、被検査物OBJを検査している間は、各電磁ブレーキ付き電気モータBM1、BM2a、BM2b及び各電磁ブレーキに対する電源供給がそれぞれ停止されるので、電磁ブレーキ付き電気モータBM1、BM2a、BM2b及び各電磁ブレーキが発生するノイズが抑制される。
なお、電磁ブレーキは、必ずしも電気モータに内蔵されている必要はなく、電気モータのシャフトの回転を停止させることができればよい。また、電磁ブレーキに代えて、機械式ブレーキとしてもよい。
本発明は、前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能である。例えば、前述の実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて発明を構成する場合も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、被検査物OBJの形状は、円柱状、円筒状、シャフト状に限定されるものではなく、ディスク状であってもよい。被検査物OBJは、断面の外形が円形状であればよい。
また、圧力モータに接続される圧力伝達管を流れる油圧作動油は、高レジスタンス(高抵抗)且つ低キャパシタンス(低静電容量)であることが好ましい
また、拘束部は、電磁ブレーキや機械式ブレーキに限定されるものではなく、ばね及び油圧クランプを用いた機構としてもよい。
10 超音波探傷検査システム、12:被検査物回転装置、14a、14b:油圧モータ、16:超音波探傷装置、21:第1の支持部、22:第2の支持部、24:ベース部、26a、26b:駆動ローラ、28:制御装置、32:超音波探触子、33:信号処理部、34:圧力伝達管、44:ベース部、46a、46b従動ローラ、50:超音波探傷検査システム、61:第1の位置変更機構、62a、62b:第2の位置変更機構、70:モータ制御器、BM1、BM2a、BM2b:電磁ブレーキ付き電気モータ、OBJ:被検査物

Claims (3)

  1. 断面の外形が円形状の被検査物に接する複数のローラがそれぞれ設けられ、前記被検査物を軸回りに回転可能にそれぞれ支持する第1の支持部及び第2の支持部を有する被検査物回転装置と、前記被検査物回転装置によって回転する前記被検査物を検査する超音波探傷装置と、を備えた検査システムにおいて、
    前記被検査物は、外径が300〜3000mmの範囲にある鍛鋼品又は鋳鋼品であり、前記超音波探傷装置によって発見すべき欠陥の大きさは、1.5〜3mmの範囲にあって、前記被検査物回転装置は、油圧作動油によって作動し、前記第1の支持部の少なくとも1つの前記ローラを駆動するための油圧モータを有し、前記油圧作動油が流れる圧力伝達管が前記油圧モータに接続され、該圧力伝達管は絶縁ホースからなって、かつ該油圧モータを駆動する圧力源となる油圧ポンプを内部に有する制御装置が、前記超音波探傷装置の超音波探触子から離れた位置に配置され、前記油圧ポンプ及び該油圧ポンプを駆動する電気モータAから発生するノイズを減衰させることを特徴とする検査システム。
  2. 請求項記載の検査システムにおいて、
    前記被検査物回転装置は、前記各ローラの位置を変更する位置変更機構と、
    前記位置変更機構を駆動するための電気モータと、
    前記電気モータのシャフトの回転を拘束させるための拘束部と、
    前記被検査物を検査している間は、前記電気モータの駆動電流の供給を停止するモータ制御器と、を更に有することを特徴とする検査システム。
  3. 請求項記載の検査システムにおいて、
    前記拘束部は機械式ブレーキであることを特徴とする検査システム。
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