JP6083565B2 - 微細構造体の製造方法 - Google Patents

微細構造体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6083565B2
JP6083565B2 JP2013081190A JP2013081190A JP6083565B2 JP 6083565 B2 JP6083565 B2 JP 6083565B2 JP 2013081190 A JP2013081190 A JP 2013081190A JP 2013081190 A JP2013081190 A JP 2013081190A JP 6083565 B2 JP6083565 B2 JP 6083565B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microstructure
mold
basic
area
outer peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013081190A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014204068A (ja
Inventor
崇 鶴田
崇 鶴田
鉄平 岩瀬
鉄平 岩瀬
裕太 森山
裕太 森山
和田 紀彦
紀彦 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2013081190A priority Critical patent/JP6083565B2/ja
Publication of JP2014204068A publication Critical patent/JP2014204068A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6083565B2 publication Critical patent/JP6083565B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

本発明は、光学フィルム、レンズ、ディスプレイなどの光学部品の表面に反射防止等の光学的機能を付与した微細構造体、その製造方法、及び微細構造金型に関するものである。
従来、構造体の微細加工には、半導体製造プロセスで一般に用いられるフォトリソグラフィ技術や電子線描画法が適用されてきた。微細加工を実現するためのパターン転写技術の一つであるフォトリソグラフィ法は、パターンの微細化に伴い、加工寸法が光露光の光源の波長に近づいてきたため、リソグラフィ技術の限界を迎えつつある。
そのため、更なる微細化や高精度化を進めるために、荷電粒子線装置の一種である電子線描画(EB描画)装置が用いられるようになった。しかし、パターンの微細化及び描画数の増加が図られる一方で、装置の大型化や高精度な制御機構が必要になる等、装置の製造コストが高くなるという欠点があった。
一方、微細な凹凸パターンの形成を低コストで行うための技術が特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特許文献1は、基板上に形成したい凹凸パターンを反転させた反転凹凸パターンを有する金型を、基板の表面に形成されたレジスト膜層に対して型押しすることで、所定の凹凸パターンを転写するものである。
また、特許文献2に記載のナノインプリント技術によれば、シリコンウエハを金型として用いて、型押し転写により、レジスト膜層に25nm以下の微細な凹凸パターンを形成することが可能である。
ところで、近年においては、例えば液晶ディスプレイに代表されるように光学部品の大面積化、かつ高性能化が望まれている。液晶ディスプレイで画像を見るための構造としては、その内部に光の屈折率を調整するための導光板や位相差フィルム等を内蔵したものが知られている。そして、これらの導光板や位相差フィルム等には、微細な凹凸パターンがその表面に転写された微細構造の実現が必要である。例えば液晶ディスプレイにおいて、この微細構造を実現しようとすると、一体物で継ぎ目がない大面積の微細構造体が必要となる。
しかしながら、特許文献1や特許文献2の様に一体物で大面積の微細構造体を製造するには、大面積原版を作製する装置コストや製造コストが莫大になるため、例えば、基材上に複数の個片の基本微細構造体を並べて配置することで、継ぎ目の影響の少ない微視構造体としている(例えば、特許文献3参照)。
特許文献3では、図9に示すように、端部がアンダーカットとなった基本微細構造体1502を、基材1503上に並べて配置して、接着層1504を介して接着させている。この基本微細構造体1502を、隙間を設けた状態で基材1503上に複数個並べて多面付けすることで、微細構造体1501を構成している。このように構成された微細構造体1501の表面に微細な凹凸パターンが転写されている。
米国特許5259926号明細書 米国特許5772905号明細書 特開2010−80670号公報
しかしながら、従来の技術では、ナノインプリント技術を繰り返し行うことで、微細構造を大型化できる一方で、転写されたパターンの間にパターンが形成されていない部分が発生する。このパターンが形成されていない部分が発生して、繋ぎ目になり、性能を満たさない場合が発生するという課題がある。
そこで、本発明は、従来の微細構造体の製造方法の課題を考慮し、複数の基本微細構造パターンを高い精度で並べて繋ぎ合わせてなる微細構造体の製造方法を提供することを目的とする。
第1の本発明は、
表面に基本微細構造を有した微細構造金型を、基板上に予め配置した硬化性樹脂に繰り返し押し付けることにより、前記基本微細構造が連続している微細構造体を製造する微細構造体の製造方法であって、
前記微細構造金型の中央部は前記基板の表面に対して平行であり、前記微細構造金型の外周部は前記基板の表面から後退しながら傾斜し、
前記微細構造金型を前記硬化性樹脂に押し付ける際、前記微細構造金型の前記中央部の圧力よりも、前記外周部の圧力の方が弱くなる圧力分布を持つように押し付け
さらに、
前記繰り返し押し付けるとは、既に前記押し付けが完了して第1の基本微細構造が形成されたエリア内の前記外周部に対応する外周部エリアに前記外周部に沿って前記硬化性樹脂が盛り上がり、前記盛り上がりに前記押し付けが行われることにより、第2の基本微細構造が形成される予定のエリア内の前記中央部に対応する中央部エリアの周辺部がオーバーラップするように繰り返し押し付けることであり、
前記盛り上がりとは、
前記中央部と、前記外周部と、が成す傾斜角度を傾斜角度θ1とし、
前記盛り上がりの最外周部に位置する微細構造転写と接していない盛り上がり端部と、未転写の前記硬化樹脂の面と、が成す傾斜角度を傾斜角度θ2とした時、
θ1<θ2の関係になる盛り上がりである
ことを特徴とする、微細構造体の製造方法である。
また、第の本発明は、
前記第1の基本微細構造の前記中央部エリアでは、前記基本微細構造が完成されており、前記第1の基本微細構造の前記外周部エリアでは、前記基本微細構造が未完成であることを特徴とする、上記第1の本発明の微細構造体の製造方法である。
また、第の本発明は、
前記外周部の圧力は、前記中央部側から遠ざかるにつれて徐々に低下することを特徴とする、上記第1〜の何れかの本発明の微細構造体の製造方法である。
また、第の本発明は、
前記硬化性樹脂は、前記微細構造金型を前記硬化性樹脂に押し付け時に半硬化状態を有し、前記微細構造金型を剥離後も一定期間、前記基本微細構造の形状を保つことを特徴とする、上記第1〜の何れかの本発明の微細構造体の製造方法である。
本発明によれば、小面積の微細構造金型の端部に掛かる転写圧力を低減させ樹脂流動を制御しながら転写を繰り返すことで、目視上不連続のない、大面積微細構造体を得ることができる。
本発明の実施の形態1における製造装置の概略図 (a):本発明の実施の形態1におけるモールドの概略側面図、(b):本発明の実施の形態1におけるモールドの概略平面図、(c):本発明の実施の形態1におけるモールドの概略部分拡大図 本発明の実施の形態1におけるモールドの転写プロセス説明図 本発明の実施の形態1におけるモールド剥離後の微細構造転写エリア全体の模式図 (i)〜(iv):本発明の実施の形態1におけるプロセスフロー説明図 (i)〜(iii):本発明の実施の形態1における比較例のプロセスフロー説明図 本発明の実施の形態1における繰り返し転写の説明図 本発明の実施の形態1における製造装置の変形例の概略図 本発明の実施の形態1における製造装置の変形例のモールド剥離後の微細構造転写エリア全体の模式図 特許文献3に記載された従来の微細構造パターンを示す断面図
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における製造装置の概略図である。図2(a)〜(c)はモールドの概略図である。図3はモールドの転写プロセス説明図である。図4は単独転写エリア説明図である。
図1に示す様に、固定されたヘッド1にベース2がベース2の斜面を固定ツメ(図示せず)を介して取付けられている。ベース2の下面には予めモールド3が接着シート(図示せず)を介して貼り付けられている。また、ベース2をヘッド1に取付ける前に、モールド3の表面にはピラニア溶液で洗浄した後にフッ素系の離型処理を施してある。
ヘッド1に対向して配置されたステージ6には、反応性硬化樹脂5を表面に成膜された基板4が固定ツメ(図示せず)を介して取付けられている。基板4はガラスであり、樹脂成膜面側に反応性硬化樹脂5との密着性を向上するためのカップリング処理を施してある。
なお、ここでは基板4の材質をガラスとしたが、シリコンウエハや樹脂シートなどを用いても良い。反応性硬化樹脂5は、成膜時は固形分濃度20〜60wt%(残りは溶剤成分)の液状であり、基板4に滴下してスピンコートにより成膜され、その後のベーク処理にて溶剤成分を乾燥させ半硬化状態を成す。
ステージ6は制御コントローラ(図示せず)により直交する3軸のX軸/Y軸/Z軸のX/Y/Zそれぞれの方向に1μm以下の送り精度で駆動でき、Z軸はモールド3が反応性硬化樹脂5に転写する際のプレス圧力をロードセル(図示せず)を用いてモニタリング可能である。
なお、本実施の形態のモールド3は、本発明の微細構造金型の一例であり、本実施の形態の反応性硬化樹脂5は、本発明の硬化性樹脂の一例である。
図2(a)〜(c)に示す様に、基本微細構造を有する側のモールド3の外周端部は、基板4の表面から後退しながら傾斜したテーパ形状を成す(図2(a)のテーパ部32参照)。このテーパ部32はレンズ加工を代表する超精密加工により形成されており、テーパ部32完成後、表面に半導体プロセスを代表する電子線描画およびドライエッチングにより基本微細構造が形成されている。
一方、モールド3の中央寄りのフラット部31においては、隣接する凸部頂点間のピッチPが可視光の波長以下の凹凸形状が無数に配列されており、凸部頂点から凹部底面までの形状高さH1が400nm以下の基本微細構造を成す。
テーパ部32においては、フラット部31と同時に微細構造加工が施されるが、電子線描画時の焦点深度が異なるため、テーパ部32における凸部頂点から凹部底面までの形状高さH2はフラット部31から外周方向へ離れるほど徐々に形状高さH2が低下する微細構造を成す。テーパ部32における隣接する凸部頂点間のピッチPはフラット部と同じである。テーパ角度については、5°とした。
図3は、基板4上に成膜された反応性硬化樹脂5にモールド3の転写プロセス説明図である。
図2(b)、図3に示す様に、モールド3はフラット部31から接触し始め、プレス圧力の増加に伴い反応性硬化樹脂5がフラット部31からテーパ部32の方向へ樹脂流動すると共に、徐々にテーパ部外側へと転写範囲が広がっていき、反応性硬化樹脂5にはモールド3の形状全体(フラット部31+テーパ部32)に沿って基本微細構造が転写される。テーパ部32により転写される転写エリアの外周部については、テーパ角度に沿って反応性硬化樹脂5が緩やかに盛り上がるが(図3参照)、その盛り上がり量は数十nm程度と極微量である。
図4は、モールド剥離後の基本微細構造転写エリア全体の模式図である。
基本微細構造転写エリアは、モールド3のフラット部31で構造転写された第1エリア311と、テーパ部32で構造転写された、構造高さが徐々に低下する第2エリア321で構成される。転写プロセス中は反応性硬化樹脂5は半硬化状態であるため、基本微細構造はモールド剥離後も一定期間転写形状を保つ。
ここまで単押し(単独転写)プロセスについて述べたが、以後は、複数押し(大面積転写)について図を用いて説明する。
図5(a)の(i)〜(iv)は、本実施の形態におけるプロセスフロー説明図であり、本実施の形態のモールド3で複数押しをする際の反応性硬化樹脂5の樹脂層の動きを説明した図である。図5(b)の(i)〜(iii)は、本実施の形態における比較例のプロセスフロー説明図であり、フラット部のみの従来のモールド3aで複数押しをする際の樹脂層の動きを説明した図である。なお便宜上、図5(a)、図5(b)共、基本微細構造の表記は省略する。
図5(a)において、傾斜角度θ1はモールド3により転写された第1エリア311と第2エリア321が成す傾斜角度であり、本実施の形態で用いたテーパ5°に相当する。
一方、傾斜角度θ2は第2エリア321の最外周部に位置する微細構造転写のない盛り上がり端部5a1と、未転写の反応性硬化樹脂5の面5a2とが成す傾斜角度であり、60°〜90°の傾斜角度である。ここで、傾斜角度θ1と傾斜角度θ2はθ1<θ2の関係になる。
転写工程において、第1番目のプレス動作により形成された基本微細構造体の第2エリア321は、モールド3の外周方向に傾斜角度θ1に沿いながら盛り上がり、第2エリア321の最外周部に相当する微細構造転写のない鈍角な盛り上がり部まで広がっている(図5(a)の(i)参照)。
次に、モールド剥離後、ステージ6は第2番目に転写する位置まで平行移動し(モールド3は、ステージ6に対して、図5(a)の(ii)に示す右向きの矢印6aの方向に相対的に移動する)、再度プレス動作に移行する。
この際の転写位置は、モールド3のフラット部31の周辺部(フラット部31の内、テーパ部32に近い部分)が第1番目に転写した基本微細構造体の第2エリア321に完全にオーバーラップする位置とする。
プレス動作に入り、モールド3のフラット部31の周辺部と第2エリア321が接触すると、第2エリア321の頂点部から反応性硬化樹脂5が押し潰され変形移動するが、頂点部を境に第1番目の基本微細構造体側はモールド3のテーパ角度に沿った傾斜角度θ1であり、第2番目に転写する基本微細構造体側は90°以下の傾斜角度θ2であり、θ1<θ2の関係にあるため、第2エリア321の変形移動量の大部分が第2番目に転写する基本微細構造体側(図5(a)の(ii)の右向きの矢印参照)へ押し流される。
即ち、第2エリア321の反応性硬化樹脂5は、傾斜が急峻である面の方が崩れやすいからである。
そして、そのままモールド3のフラット部が第1番目に転写された第1エリア311と同じプレス圧力になるまで加圧される。この際、第1番目の基本微細構造体の第1エリア311にも樹脂の変形移動が発生し、極微量の盛り上がり部分10が発生するが、その盛り上がり部分10の高さは数nm〜数十nmである(図5(a)の(iii)参照)。
樹脂の変形量が少ないことと、テーパ部32で再度微細構造転写するため、光学性能や外観性能上、特に問題にはならない。
また、第2エリア321の盛り上がり形状をコントロールできるため、上記オーバーラップ量を必要最小限にできる。したがって、複数押し(大面積転写)時のプレス回数を少なくすることができる。
加圧中、一定期間保持した後、剥離工程へ移行する。(図5(a)の(iv)参照)。
転写プロセス中は反応性硬化樹脂5は半硬化状態であるため、基本微細構造体はモールド剥離後も一定期間転写形状を保つ。
以上のプロセスを繰り返すことで、小面積のモールドから大面積の微細構造体が作製可能となる。好ましくは、第1番目に転写した基本微細構造から隙間を空けないように格子状に配列することでより高精度な微細構造体を得ることが出来る。
ここで、本発明の効果をより明確にするために、従来のテーパなしのモールド3aを使用した比較例について説明する。
図5(b)に示す通り、従来のモールド3aは端部までフラットである。
傾斜角度θ3はモールド3aにより転写されたフラットな微細構造転写エリアと、モールド3aのプレス圧力によって盛り上がった形状とが成す傾斜角度であり、モールド3aの側面に沿うようにほぼ90°の傾斜角度になる。
一方、傾斜角度θ4はモールド3aの側面に沿って盛り上がった形状の最外周部に位置する盛り上がり端部5b1と、未転写の反応性硬化樹脂5の面5b2とが成す傾斜角度であり、60°〜90°の傾斜角度である。
ここで、傾斜角度θ3と傾斜角度θ4はθ3≧θ4の関係になる。
即ち、図5(b)の(i)に示す様に、反応性硬化樹脂5がモールド3aにプレスされると、反応性硬化樹脂5はモールド3aのプレス圧力によってモールド3aの外周方向に押出されながら盛り上がり、微細構造転写のない状態で広がっていく。この盛り上がった形状部分は、モールド3aの側面に沿った位置を頂点とし、第2番目以降に転写する方向に向かってなだらかな斜面を形成する。
次に、モールド剥離後、上記テーパ付きのモールド3で説明した動作と同様にステージ6は第2番目の転写位置に平行移動し(モールド3aは、ステージ6に対して、図5(b)の(ii)に示す右向きの矢印6aの方向に相対的に移動する)、再度プレス動作に移行する。
プレス動作に入り、モールド3aと盛り上がり形状部分αが接触すると、盛り上がり形状部分αの樹脂は、頂点部から押し潰され変形移動するが、傾斜角度θ3と傾斜角度θ4の差が大きいほど、傾斜が急峻な面の方が崩れやすいので、第1番目に転写済みの基本微細構造体側(図5(b)の(ii)の左向きの矢印5α参照)への変形移動量が増加する。
また、傾斜角度θ3と傾斜角度θ4の差が少ない場合は、盛り上がり形状部分αの頂点部を境にした両側へ同等の反応性硬化樹脂5が変形移動する。
そして、そのままモールド3aが第1番目に転写された微細構造と同じプレス圧力になるまで加圧されると、元々第2番目の転写位置で発生する盛り上がり分に加え、第1番目に盛り上がった形状部分αの大部分が足された状態で第1番目に転写済みの微細構造体側に新たな盛り上がり形状部分βとして発生する(図5(b)の(iii)参照)。
この従来のモールド3aでは盛り上がり部分βへの基本微細構造の再転写も出来ないため、従来のモールド3aによる盛り上がり部分βは光学性能の面でも外観性能の面でも不良となる。
また、ナノレベルの基本微細構造を転写するプロセス故、モールドや基板の平行度を一定にすることが困難であるため、盛り上がり量が一定でない。その一定でない盛り上がり量をカバーするためには広い面積をオーバーラップさせて転写を繰り返すことが対策として考えられるが、オーバーラップ量を大きく取ることにより、大面積の微細構造体のプロセスタイムが長くなる。
図6は、本実施の形態における繰り返し転写の説明図であり、本実施の形態のモールド3を用いて転写した基本微細構造体を格子状に配列した一例である。
第1番目に転写される基本微細構造体は、フラット部31で転写される第1エリア311とテーパ部32で転写される第2エリア321から成る。第1番目に転写された基本微細構造体の第2エリア321は、第2番目以降に転写するフラット部31でオーバーラップして再転写されるため、前述の図5(a)で説明したθ1、θ2の関係により、大部分の体積は第2番目以降に転写する方向へ変形移動し、第1番目に転写している方向へは光学性能および外観性能で問題のないレベルの極微小な変形移動量に抑えることができる。
このプロセスを繰り返すことで、複数の基本微細構造体の集合体の最外周よりも内側のエリアにおいては、光学性能および外観性能で問題のない大面積微細構造体が製造可能となる。
複数の基本微細構造体の集合体の最外周に位置する第2エリア321はモールド3で再プレスされないため、第2エリア321の形状が残ることになる。
また、完成した大面積微細構造体はまだ半硬化状態であるため、反応性の光線露光または加熱することで硬化状態となる。本実施の形態では、紫外線に反応性のある樹脂を用いたため、所定の転写回数を終了した後に紫外線露光を実施した。
以上のように、モールド端部をテーパ状にしてプレス時のプレス圧力分布を意図的に複数持たせることで、繰り返し転写時の樹脂の盛り上がり部への安定した再転写が可能となり、盛り上がり部への樹脂流動による体積を制御することで、光学性能上も外観性能上も不連続のない大面積微細構造体を得ることができる。
また、小面積のモールドから大面積の微細構造体を作製することは、モールドに掛かるイニシャルコストを抑えるだけでなく、多品種の大面積微細構造体を得ることができる。
これまではプレス圧力分布を構成する方法の一つとしてテーパ付きモールド3を代表例として説明したが、以下はその他の方法として、板状モールドを用いた例について図を用いて説明する。なお、テーパ付きモールド3と重複する内容については同じ番号を付け、説明を省略する。
図7は板状モールド8を用いた場合の製造装置の概略図である。図8はモールドおよびモールド剥離後の微細構造転写エリア全体の模式図である。
図7において、固定されたヘッド1にベース7がベース7の斜面を固定ツメ(図示せず)を介して取付けられている。ベース7の下面には予めフラットな板状モールド8が接着シート(図示せず)を介して貼り付けられている。板状モールド8は電解鍍金により作製された金属モールドであり、本実施の形態ではNi材を用い、厚みは0.3mmとした。ベース7のモールド取付け部は、貼り付ける板状モールド8の微細構造範囲より小さな面積の段付き形状をしている。また、ベース7をヘッド1に取付ける前に、板状モールド8の表面には離型処理を施してある。その他の装置構成や使用する樹脂材料については上記テーパ付きモールドと重複するため説明を省略する。
尚、ここでは、板状モールド8は、厚みが0.3mmのNi材を用いたが、これに限らず例えば、硬化性樹脂に押し付けられた際、中央部より外周部の方が基板の面から後退しながら傾斜する、変形可能な部材であればどの様な材料でも良い。
図8は、板状モールド8の剥離後の基本微細構造転写エリア全体の模式図である。板状モールド8の中央寄りで構造転写された第1エリア81と、外寄りで構造転写された構造高さが徐々に低下する第2エリア82で構成される。
第1エリア81はベース7のプレス圧力を受けるため基本微細構造が完全に転写されるが、第2エリア82は反応性硬化樹脂5側(基板4、ステージ6含む)からの反力で押し返されるため基本微細構造が内側から徐々に構造高さが低下して転写されるため、板状モールド8と板状モールド8の基本微細構造範囲より小さな底面積のベース7を用いることで、上記テーパ付モールド3と同等の効果を得ることができる。
また、電解鍍金により作製された板状モールド8は複製が容易なため、大面積微細構造体製造時のスペアモールドを持つ点でもコスト的に有利である。
本発明の微細構造体の製造方法は、ディスプレイ製品やレンズ製品全般における光学的品質課題を解決するものとして適用可能であり、表面に無数の凹凸構造を有した微細構造体やその製造方法、及び微細構造金型において、微細構造体の品質向上およびコストダウンを実現できる。
1 ヘッド
2 ベース
3 モールド
3aモールド
4 基板
5 反応性硬化樹脂
6 ステージ
7 ベース
8 板状モールド
31 フラット部
32 テーパ部
81 第1エリア
82 第2エリア
311 第1エリア
321 第2エリア

Claims (4)

  1. 表面に基本微細構造を有した微細構造金型を、基板上に予め配置した硬化性樹脂に繰り返し押し付けることにより、前記基本微細構造が連続している微細構造体を製造する微細構造体の製造方法であって、
    前記微細構造金型の中央部は前記基板の表面に対して平行であり、前記微細構造金型の外周部は前記基板の表面から後退しながら傾斜し、
    前記微細構造金型を前記硬化性樹脂に押し付ける際、前記微細構造金型の前記中央部の圧力よりも、前記外周部の圧力の方が弱くなる圧力分布を持つように押し付け
    さらに、
    前記繰り返し押し付けるとは、既に前記押し付けが完了して第1の基本微細構造が形成されたエリア内の前記外周部に対応する外周部エリアに前記外周部に沿って前記硬化性樹脂が盛り上がり、前記盛り上がりに前記押し付けが行われることにより、第2の基本微細構造が形成される予定のエリア内の前記中央部に対応する中央部エリアの周辺部がオーバーラップするように繰り返し押し付けることであり、
    前記盛り上がりとは、
    前記中央部と、前記外周部と、が成す傾斜角度を傾斜角度θ1とし、
    前記盛り上がりの最外周部に位置する微細構造転写と接していない盛り上がり端部と、未転写の前記硬化樹脂の面と、が成す傾斜角度を傾斜角度θ2とした時、
    θ1<θ2の関係になる盛り上がりである
    ことを特徴とする、微細構造体の製造方法。
  2. 前記第1の基本微細構造の前記中央部エリアでは、前記基本微細構造が完成されており、前記第1の基本微細構造の前記外周部エリアでは、前記基本微細構造が未完成であることを特徴とする、請求項1に記載の微細構造体の製造方法。
  3. 前記外周部の圧力は、前記中央部側から遠ざかるにつれて徐々に低下することを特徴とする、請求項1〜の何れかに記載の微細構造体の製造方法。
  4. 前記硬化性樹脂は、前記微細構造金型を前記硬化性樹脂に押し付け時に半硬化状態を有し、前記微細構造金型を剥離後も一定期間、前記基本微細構造の形状を保つことを特徴とする、請求項1〜の何れかに記載の微細構造体の製造方法。
JP2013081190A 2013-04-09 2013-04-09 微細構造体の製造方法 Active JP6083565B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013081190A JP6083565B2 (ja) 2013-04-09 2013-04-09 微細構造体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013081190A JP6083565B2 (ja) 2013-04-09 2013-04-09 微細構造体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014204068A JP2014204068A (ja) 2014-10-27
JP6083565B2 true JP6083565B2 (ja) 2017-02-22

Family

ID=52354217

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013081190A Active JP6083565B2 (ja) 2013-04-09 2013-04-09 微細構造体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6083565B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6489309B2 (ja) * 2015-05-14 2019-03-27 パナソニックIpマネジメント株式会社 インプリント方法およびインプリント装置
CN108572405B (zh) * 2017-03-10 2019-10-25 中国科学技术大学 一种微透镜及其制作方法
JP7218114B2 (ja) * 2018-07-12 2023-02-06 キヤノン株式会社 平坦化装置、平坦化方法及び物品の製造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008093970A (ja) * 2006-10-12 2008-04-24 Toray Ind Inc 微細形状転写用金型および微細形状転写シートの製造装置
JP4815464B2 (ja) * 2008-03-31 2011-11-16 株式会社日立製作所 微細構造転写スタンパ及び微細構造転写装置
JP5193662B2 (ja) * 2008-04-09 2013-05-08 株式会社日立ハイテクノロジーズ 微細構造転写装置
CN102947073B (zh) * 2010-06-23 2015-07-15 日本曹达株式会社 压印用复制模的制造方法
US9450752B2 (en) * 2011-04-29 2016-09-20 Nokia Technologies Oy Method and apparatus for providing service provider-controlled communication security
JP2013000944A (ja) * 2011-06-15 2013-01-07 Panasonic Corp 光学シート及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014204068A (ja) 2014-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5411557B2 (ja) 微細構造転写装置
JP4401383B2 (ja) 構造化された素子の製造
CN109937127B (zh) 结构的显微光刻制造
JP4580411B2 (ja) ソフトモールド及びその製造方法
JP6012944B2 (ja) 光学素子の製造方法および表面加工装置
KR101470959B1 (ko) 미세구조체의 제조방법 및 미세구조 금형
JP5637785B2 (ja) 原版、及びそれを用いた物品の製造方法
JP5102731B2 (ja) 微細構造体
JP5480530B2 (ja) 微細構造転写方法及び微細構造転写装置
JP6083565B2 (ja) 微細構造体の製造方法
WO2013038912A1 (ja) 微細構造形成用型および光学素子の製造方法
JP5102910B2 (ja) 微細構造体の製造方法
KR102463923B1 (ko) 임프린트 패턴 형성 방법 및 임프린트 장치
JP2011523597A (ja) 微細工具の加工
JP2013161997A (ja) 微細構造パターン集合体の製造方法およびその製造装置
JP6008131B2 (ja) 光学部材の製造方法
WO2019187907A1 (ja) 樹脂積層光学体及びその製造方法
JP6540848B2 (ja) ナノインプリント用テンプレート
JP2019171812A (ja) フィルム版、およびこれを用いた液滴輸送構造部の製造方法
JP5732622B2 (ja) 光学部材の製造装置
KR101974575B1 (ko) 싱크로트론 엑스선을 이용한 초소형 다중 경사 구조체 제조 방법
US20210373217A1 (en) Fine pattern forming method, imprint mold manufacturing method, imprint mold, and optical device
JP2019171811A (ja) 液滴輸送構造体、およびその製造方法
KR20230161886A (ko) 평탄화 공정, 장치 및 물품 제조 방법
JP2006058773A (ja) 硬化性光学素子材料の成形方法及び光学部品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20150312

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20150318

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160906

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161014

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170111

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6083565

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151