JP6082176B2 - 燻煙装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燻煙装置に関する。
ハエ、カ、ゴキブリ等の衛生害虫、細菌、カビ等の微生物等の有害生物の駆除等に、燻煙装置が汎用されている。燻煙装置は、燻煙剤又は燻蒸剤(以下、燻煙剤という)と、該燻煙剤を加熱する手段(加熱手段)とを有するものである。燻煙剤は、種々の燃焼剤又は発泡剤等を混合した発熱性基剤と、有効成分である薬剤とが主成分である。このような燻煙装置では、加熱手段により発熱性基剤を燃焼又は分解し、生じた燃焼熱又は分解熱で薬剤を気化し、空気中に放出、拡散する。あるいは、発熱性基剤の分解により発生するガス又は煙粒子の働きにより、気化した薬剤を短時間の内に空気中に放出、拡散する(以下、薬剤の空気中への放出、拡散を揮散という)。こうして揮散した薬剤により、有害生物の防除等を行うことのできる優れた製剤である。
これら燻煙剤の発熱性基剤としては、ニトロセルロース、アゾジカルボンアミド、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等が一般的である。中でも、アゾジカルボンアミドは優れた燻煙剤用途の発泡剤として、現在最もよく使用されている。例えば、殺虫薬剤とアゾジカルボンアミドとを混合した組成物を酸化カルシウムの水和反応熱等により間接加熱方式で加熱し、アゾジカルボンアミドの分解生成ガスにより薬剤を揮散させる燻煙装置が提案され(例えば、特許文献1〜2)、実用に供されている。
一般的に、燻煙装置における燻煙剤の加熱は、燻煙剤の一部分をマッチで点火して燻煙剤を燃焼させたり、酸化カルシウム等の加熱剤の水和反応熱により燻煙剤を加熱する手法が用いられる。このように、燻煙装置は、発熱性基剤の燃焼等を利用するため、不燃性の容器が用いられている。不燃性の容器としては、アルミニウムやブリキ等の金属製缶が用いられている。昨今では、ブリキの代替として、錫を用いない鋼板であるTFS(ティンフリースティール)が用いられるようになっている。このように、容器を金属製とすることで、燻煙中に容器が発火したり、加熱により変形したりすることを防止できる。
一方で、環境負荷の低減の観点から、燻煙装置の容器を紙製とする試みもなされている。例えば、紙製の容器に燻煙剤を入れ、アルミラミネートの蓋を有するくん煙容器が提案されている(例えば、特許文献3)。また、例えば、発熱物質を収容した外容器と、外容器の内部に配置され被加熱物質を収容した内容器とを備え、外容器の壁部材が紙層、合成樹脂層及び金属層からなる自己発熱装置が提案されている(例えば、特許文献4)。紙は金属に比べて熱伝導性が低いため、薬剤の揮散が不十分になるおそれがある。このため、特許文献3、4では、容器の一部に金属素材を用いることで、紙の熱伝導性を補っている。
特公昭58−28842号公報 特公昭59−49201号公報 特開平6−7065号公報 特開2000−350547号公報
しかしながら、加熱剤による発熱は高温であり、特に酸化カルシウムの水和反応による発熱温度は300〜400℃となる。そして、金属製の容器を採用した場合には、熱伝導性が高いため、容器の外周面も300〜400℃となる。一方、容器を単に紙製とした場合、紙は熱伝導性が低いものの、容器と加熱剤が直接接触しているため、容器の外周面は300〜400℃となる。さらに、外周面の焦げの発生や容器の変形のおそれがある。このように、容器の外周面が高温になると、燻煙中又は燻煙後の燻煙装置の取り扱いが煩雑となる。このため、従来の燻煙装置は、燻煙装置の本体をさらに収納容器等の中に入れ、その外周面が露出しないようにされている。
そこで、本発明は、薬剤を十分に揮散でき、かつ容器の外周面の温度上昇を抑え、取り扱いが容易な燻煙装置を目的とする。
本発明の燻煙装置は、燻煙剤が充填された有底筒状の外容器と、該外容器の内部に設けられ、水和反応により発熱する加熱剤が充填された内容器とを有し、前記内容器は、その外周面が前記外容器の内周面と離間して設けられ、前記外容器は、その基材が断熱性を有し、かつその内周面が赤外線反射素材で被覆されていることを特徴とする。
前記外容器の内周面と前記内容器の外周面との間には、前記燻煙剤が充填されていることが好ましく、前記基材は、紙製であることが好ましく、前記赤外線反射素材は、アルミニウムであることが好ましく、前記外容器の底面には、前記内容器に水が流入する通水孔が形成されていることが好ましい。
本発明の燻煙装置によれば、薬剤を十分に揮散でき、かつ容器の外周面の温度上昇を抑え、取り扱いが容易となる。
本発明の第一の実施形態にかかる燻煙装置を示す断面図である。 本発明の第二の実施形態にかかる燻煙装置を示す断面図である。 比較例に用いた燻煙装置を示す断面図である。
本発明の燻煙装置について、以下に実施形態を挙げて説明する。
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態にかかる燻煙装置について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の第一の実施形態にかかる燻煙装置8の断面図である。燻煙装置8は、外容器10と、内容器20とを有している。
外容器10は、略円筒形の側壁部12と、側壁部12の天面側に設けられた蓋部14と、側壁部12の底面側に設けられた底部16とで概略構成されている。蓋部14には、気化した薬剤を流出させる通煙孔15が形成されている。外容器10は、内周面10bに赤外線反射素材が被覆された2層構造のものとされている。
外容器10内には、内容器20が設けられ、燻煙剤30と加熱剤22とが内容器20を介して接するように充填されている。
内容器20は、外容器10における蓋部14から底部16に向かうに従って、その径が大きくなる略円錐台の形状であり、底部16側が開口部とされたものである。内容器20は、その開口部の周縁が、底部16と接し、かつ外容器10の内周面10bと接するように設けられている。内容器20は、燻煙剤30に埋設され、内容器20内には加熱剤22が充填されている。こうして、内容器20の外周面20aと外容器10の内周面10bとは離間され、内容器20の外周面20aと外容器10の内周面10bとの間には燻煙剤30が充填されている。
側壁部12の材質は、基材の表面に、赤外線反射素材の膜又は層が設けられたものである。赤外線反射素材とは、波長1000nmにおける反射率(25℃環境下)が、70%以上のものである。
赤外線反射率は、JIS K5602に準じて測定できる。
赤外線反射素材としては、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス、銀(Ag)、ニッケル・クロム(Ni−Cr)等の金属箔又は金属蒸着膜等が挙げられる。あるいは、これらの金属蒸着膜を形成した樹脂フィルムをガラス基材に貼り付けてなる熱線反射ガラスが挙げられる。中でも、赤外線の反射効率、製造の簡便性等の観点から、金属箔又は金属蒸着膜が好ましい。さらに、前記金属箔又は前記金属蒸着膜の材質としては、赤外線反射率80%以上のものが好ましく、90%以上のものがより好ましい。このような材質としては、アルミニウム、銀等が挙げられ、中でも、加工が容易であり、かつ安価であるアルミニウムがより好ましい。
赤外線反射素材で被覆される基材は、断熱性を有するものであれば特に限定されず、加熱剤の発熱温度に応じて決定することができる。例えば、加熱剤として酸化カルシウムを用いた場合、その水和反応により発熱温度は300〜400℃となる。従って、基材には、このような温度においても溶融しない材質を選択する。
断熱性を有するとは、断熱性の指標である熱伝導率が、50%以下であることをいう。基材に用いる材質の熱伝導率は、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下である。50%以下であれば、薬剤を効率的に揮散できると共に、側壁部12の外周面の温度上昇をより抑制できる。
基材の熱伝導率は、例えば、以下に示す方法により測定できる。
ヒーター(CORNING PC−400D(タイテック株式会社製))の発熱面に熱電対A(CS−11E−010−1−TC1−AMP、アンリツ株式会社製)を接触させ、ヒーターを300℃に発熱させる。
平板(40mm×40mm)状の基材を試料とし、この試料の一方の面に熱電対B(ST−11E−015、アンリツ株式会社製)を貼り付けたものを用意する。試料の他方の面をヒーターの発熱面に接触させ、熱電対A及び熱電対Bで測定した温度をサーモロガー(AM−8000E、アンリツ株式会社製)で記録する。ヒーターの発熱面に試料を接触させてから1分後の測定結果を用い、下記(1)式にて熱伝導率を算出する。
熱伝導率(%)=試料表面温度(℃)/ヒーター温度(℃)×100 ・・・(1)
このような材質としては、例えば、紙類又は紙類の成形加工品である紙製の材料、パルプやコットン等の不織布、コルク等を用いた木材製の材料又はこれらにポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の樹脂層を設けた積層物、セラミックス等が挙げられる。中でも、基材は、紙製の材料又は木材製の材料が好ましく、紙製の材料がより好ましい。熱伝導性が比較的低い紙製や木材製のものを基材とすることで、外容器10の外周面10aの温度上昇を低減できる。加えて、紙製であれば、加工が容易である。
紙類は、JIS P0001で定義される「紙」の他、JIS P0001で定義される「板紙」を含む概念である。また、紙製とは、紙類、紙類の成形加工品でありJIS Z0104で定義される「段ボール」、JIS P0001で定義される不織布の内、紙の原料となるパルプを用いたものを含む概念である。
側壁部12の材質としては、紙製の中でも、ライナー紙等の段ボール原紙、白板紙、色板紙等の紙器用板紙、防水原紙、紙管原紙等の雑板紙等の板紙、段ボールが好ましい。板紙、段ボールは、自立性を有するため成形が容易であると共に、高い断熱性を有するためである。
基材として板紙を用いる場合、板紙の坪量は、例えば、200〜1000g/mが好ましく、400〜1000g/mがより好ましい。200g/m以上であれば、必要な自立性を有すると共に、断熱性が高まり、薬剤をより効率的に揮散できる。1000g/m以下であれば、成形が容易である。
基材として段ボールを用いる場合、段ボールの坪量は、例えば、両面段ボール(中芯:Aフルート)であれば、200〜1000g/mが好ましく、500〜1000g/mがより好ましい。200g/m以上であれば、必要な自立性を有すると共に、断熱性が高まり、薬剤をより効率的に揮散できる。1000g/m以下であれば、成形が容易である。
基材としてコルクを用いる場合、コルクの密度は、0.1〜0.5g/cmが好ましく、0.2〜0.4g/cmがより好ましい。0.1g/cm未満であると、強度が不十分となるおそれがあり、0.5g/cm超であると、断熱性が不十分となるおそれがある。
側壁部12の厚みは、側壁部12に求める強度、断熱性等を勘案して決定でき、例えば、1〜20mmとされる。
蓋部14の材質は特に限定されず、例えば、側壁部12と同様の材質や、金属又はセラミックス等が挙げられ、中でも、側壁部12と同様に、基材に赤外線反射素材の膜又は層を設けた積層体が好ましい。
通煙孔15の大きさは、気化した薬剤が流出できる大きさであればよい。また、通煙孔15の数量は特に限定されず、燻煙装置8の大きさや、燻煙剤の発煙量等を勘案し決定できる。
底部16は、不織布からなるものである。不織布の材質は、加熱剤の発熱温度等を勘案して決定でき、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、パルプ、コットン等が挙げられる。不織布の種類は特に限定されず、例えば、スパンボンド、メルトブロー、サーマルボンド、ケミカルボンド、スパンレース、ニードルパンチ等の公知の製造方法により得られる不織布が挙げられる。
内容器20は、加熱剤22の水和反応熱を燻煙剤30に伝導できるものであり、かつ、前記水和反応熱により溶融しないものである。内容器20の材質としては、アルミニウム、銅、ステンレス等の金属が挙げられる。
内容器20の厚みは、内容器20に求める強度等を勘案して決定でき、例えば、0.1〜0.5mmとすることが好ましい。
加熱剤22は、水との水和反応により任意の温度に発熱するものであり、例えば、酸化カルシウム(生石灰)、酸化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、酸化鉄等が挙げられ、中でも、取り扱いが容易であることから酸化カルシウムが好ましい。
加熱剤22の充填量は、燻煙装置8の大きさや燻煙剤30の量等を勘案して決定できる。例えば、加熱剤/燻煙剤の質量比は、2〜6.5とされる。
燻煙剤30は、薬剤を含有する。薬剤は、例えば、殺虫剤、忌避剤、誘引剤、昆虫成長調節剤等の害虫駆除剤、抗菌剤、殺菌剤、防カビ剤等の微生物駆除剤、芳香剤、消臭剤等が挙げられる。害虫駆除剤としては、例えば、ペルメトリン、アレスリン、レスメトリン、サイフェノトリン、プラレスリン、フェノトリン、フェンバレレート、フェンプロパトリン、エトフェンプロックス等のピレスロイド系薬剤、フェニトロチオン、ジクロルボス(DDVP)、ダイアジノン、プロチオホス、バイテックス等の有機リン系薬剤、プロポクスル、メトキサジアゾン等のカーバメイト系薬剤等が挙げられる。微生物駆除剤としては、例えば、イソフタロニトリル、プロシミドン、バイレトン、モレスタン等の農薬用殺菌剤、サイアベンダゾール、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート(IPBC)、IF−1000等の環境衛生用殺菌剤等が挙げられる。
これらの薬剤は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
燻煙剤30中の薬剤の配合量は、薬剤の種類等を勘案して決定でき、例えば、1〜30質量%の範囲で決定することが好ましい。上記範囲内であれば、所望する薬剤効果が発揮されると共に、薬剤を効率的に揮散できる。
燻煙剤30には、必要に応じ発熱性基剤を配合できる。発熱性基剤は、例えば、有機発泡剤や燃焼剤等、従来、燻煙剤に用いられる公知の発熱性基剤が挙げられる。中でも、発熱性基剤としては、有機発泡剤が好ましい。有機発泡剤には、加熱により熱分解して多量の熱を発生すると共に炭酸ガスや窒素ガス等(以下、総じてガスという)を発生するものが用いられる。有機発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、ニトロセルロース、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。有機発泡剤の中でも、分解温度、ガス発生量等の観点から、アゾジカルボンアミドが好ましい。
これらの発熱性基剤は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
燻煙剤30中の発熱性基剤の配合量は、薬剤の種類等を勘案して決定でき、例えば、50〜85質量%の範囲で決定することが好ましく、60〜75質量%の範囲で決定することがより好ましい。上記範囲内であれば、所望する薬剤効果が発揮されると共に、薬剤を効率的に揮散できる。
燻煙剤30には、本発明の効果を疎外しない範囲で、発熱助剤、安定剤、結合剤、賦形剤、香料、色素等の添加剤を配合できる。これらのうち、特に、発熱助剤、安定剤、結合剤及び賦形剤のいずれか1種又は2種以上を含有することが好ましい。
発熱助剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、尿素等が挙げられる。
燻煙剤30中、発熱助剤の含有量は、燻煙剤の総質量の0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜15質量%がより好ましい。
安定化剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、エポキシ化合物(エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等)等が挙げられる。
結合剤としては、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、デキストリン、ヒドロキシプロピルスターチ、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられる。
賦形剤としては、クレー(含水ケイ酸アルミニウム)、タルク、珪藻土、カオリン、ベントナイト、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム等が挙げられる。
燻煙剤30の充填量は、燻煙の対象とする空間の規模、燻煙剤30中の薬剤の種類や配合量等を勘案して決定でき、例えば、6〜8畳(10〜13m)当たり10〜12.5gとされる。
燻煙剤30は、粉状、粒状、錠剤等の固形製剤として調製される。固形製剤は、目的とする剤形に応じて、公知の製造方法を用いて調製することができる。例えば、粒状の製剤とする場合は、押出し造粒法、圧縮造粒法、撹拌造粒法、転動造粒法、流動層造粒法等、公知の造粒物の製造方法により製造できる。
押出し造粒法による製造方法の具体例としては、燻煙剤30の各成分を、ニーダー等により混合し、さらに適量の水を加えて混合し、得られた混合物を一定面積の開孔を有するダイスを用い、前押し出しあるいは横押し出し造粒機を用い造粒する。該造粒物は、さらにカッター等を用いて一定の大きさに切断し乾燥してもよい。
次に、燻煙装置8を用いた燻煙方法について、発熱性基剤に有機発泡剤を用いた場合を例にして説明する。まず、水を入れた水収納容器を用意する。次いで、底部16が水に浸るように、燻煙装置8を前記水収納容器内に静置する。水収納容器内に燻煙装置8を静置すると、水が底部16を浸透して内容器20内に流入する。流入した水と加熱剤22とが接触すると、水和反応により発熱する。水和反応で生じた水和反応熱は、内容器20を介して燻煙剤30に伝導する。この際、内容器20の外周面20aと外容器10の内周面10bとが離間しているため、加熱剤22の水和反応熱が外容器10に伝わりにくい。加えて、内容器20の外周面20aと外容器10の内周面10bとの間に燻煙剤30が充填されているため、加熱剤22の水和反応熱は、主に薬剤の気化又は発熱性基剤の燃焼もしくは分解(以下、揮散反応という)に利用される。このため、水和反応熱は、内容器の外周面と外容器の内周面との間に充填された燻煙剤の揮散反応に利用され、外容器まで伝導しにくくなる。さらに、外容器10の内周面10bには赤外線反射素材が被覆されているため、水和反応熱が外容器10内に反射される。こうして、赤外線反射素材により反射された水和反応熱は、外容器10の外部に放熱されずに、速やかに燻煙剤30全体に伝達される。
燻煙剤30は、任意の温度に達すると、薬剤が気化すると共に、有機発泡剤が分解しガスを発生する。そして、気化した薬剤はガスと共に通煙孔15から流出し、空気中に拡散する。
上述のとおり、内容器の外周面と外容器の内周面とが離間しているため、外容器に伝わる水和反応熱の熱量が少なくなり、外容器の外周面の温度上昇を抑制できる。加えて、外容器の外周面と外容器の内周面との間に燻煙剤が充填されているため、外容器の外周面の温度上昇をさらに抑制できる。さらに、外容器の側壁部の基材が断熱性を有するため、外容器の外周面の温度上昇を抑制できる。
加水和反応熱は、赤外線反射素材により外容器内に蓄積されるため、燻煙剤を任意の温度まで急速に加熱し、薬剤を十分に揮散できる。
本実施形態では、外容器の側壁部の基材を熱伝導性の低い紙製としているため、外容器の外周面の温度上昇をより抑制できる。
本実施形態では、外容器の底面から水を流入させる構造であるため、複雑な構造を有することなく、加熱剤を発熱させることができる。
(第二の実施形態)
本発明の第二の実施形態にかかる燻煙装置について、図2を用いて説明する。図2は、本発明の第二の実施形態にかかる燻煙装置100の断面図である。なお、第一の実施形態の燻煙装置8と同一構成要素には同一符号を付し、その説明を省略し、異なる部分について主に説明する。即ち、燻煙装置100において、燻煙装置8と異なる点は、内容器120の形状及び設置位置である。
燻煙装置100は、外容器110と、内容器120とを有している。外容器110には、燻煙剤30が充填されている。内容器120は、その天面120bが燻煙剤30から露出して設けられている。内容器120内には、加熱剤22が充填されている。
外容器110は、側壁部12と、側壁部12の天面側に設けられた蓋部14と、側壁部12の底面側に設けられた底部116とで概略構成されている。底部116には、加熱剤の水和反応に用いる水が内容器120内に流入する通水孔117が形成されている。
内容器120は、天面120bから底面に掛けて、その径が略同一の略円筒形で、天面120bが塞がれた形状である。内容器120は、その底面の周縁が外容器110の内周面110bと離間している。こうして、内容器120の外周面120aと外容器110の内周面110bとは離間され、内容器120の外周面120aと外容器110の内周面110bとの間には燻煙剤30が充填されている。
内容器120の材質は、内容器20の材質と同様である。
内容器120の厚みは、内容器20の厚みと同様である。
底部116は、加熱剤22と接する領域にのみ通水孔117が設けられている。このような底部116としては、紙製、金属製のシート状基材に通水孔117を穿設したもの等が挙げられる。
通水孔117の大きさは、内容器120内に水が流入し、かつ加熱剤22がこぼれ出さない大きさであればよい。
本実施形態の燻煙装置によれば、内容器の外周面から外容器の内周面までの距離が、内容器の天面から底面に掛けてほぼ均一である。このため、燻煙剤の充填許容量が第一の実施形態に比べ増量した場合でも、加熱剤の発熱を均等に燻煙剤に伝えることが可能となる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
第一及び第二の実施形態では、側壁部の形状は円筒形である。しかしながら、側壁部の形状はこれに限定されず、例えば、横断面の形状が多角形の角筒形であってもよい。また、例えば、天面から底面に向かうに従って、その径が大きくなるような形状や、両端面から中央に向かうに従って、その径が大きくなるような形状であってもよい。
第一の実施形態では、内容器が略円錐台とされているが、内容器の形状はこれに限定されない。例えば、円錐形、多角錐形、欠球形、円柱形、立方体形、袋状等であってもよい。
第二の実施形態では、内容器が略円柱形とされているが、内容器の形状はこれに限定されず、例えば、円錐形、多角錐形、欠球形、円錐台形、立方体形、袋状等であってもよい。
第一の実施形態では、内容器の天面が燻煙剤に埋もれているが、内容器の設置位置はこれに限定されず、第二の実施形態のように燻煙剤から露出させてもよい。燻煙剤の加熱効率を上げ、薬剤の揮散を良好にする観点から、内容器は、第一の実施形態のように燻煙剤に埋設されていることが好ましい。
第一の実施形態では、底部に不織布が用いられているが、底部はこれに限定されない。底部は、例えば、板状の紙類、金属等に貫通孔を穿設したものであってもよいし、紙製、金属製のメッシュ等であってもよい。
また、第二の実施形態では、加熱剤と接する領域にのみ通水孔が設けられたシート状の底部が用いられている。しかしながら、底部はこれに限定されず、例えば、通水孔を形成する代わりに、加熱剤と接する領域のみを不織布としてもよい。
第一及び第二の実施形態では、外容器の底部に通水孔を設け、内容器内に水を流入させ、加熱剤の水和反応を生じさせる機構である。しかしながら、本発明はこれに限定されず、内容器内に加熱剤と共に水を収容した容体を設置し、燻煙時に該容体から水を放出する機構としてもよい。このような加熱部を採用した場合は、不織布等の透水性を有する素材や、通水孔を設けた部材でなくてもよい。
第二の実施形態では、内容器の天面が塞がれている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、内容器の天面の一部に開口部を設け、燻煙時には該開口部から水を注入してもよい。
第一及び第二の実施形態では、外容器内に1つの内容器が設けられている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、内容器が2つ以上設けられていてもよい。
第一及び第二の実施形態では、通煙孔が形成された蓋部が外容器に設けられている。しかしながら、外容器は、蓋部が設けられず、天面が開口した形態であってもよい。
第一及び第二の実施形態では、内容器の外周面と外容器の内周面との間に燻煙剤が充填されている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、内容器の外周面と外容器の内周面との間には、燻煙剤が充填されていなくてもよい。
以下に、実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(使用原料)
[燻煙剤]
<薬剤>
・ペルメトリン:エクスミン(商品名)、住友化学株式会社製
<発熱性基剤>
・アゾジカルボンアミド(ADCA):ダイブローAC.2040(C)(商品名)、大日精化工業株式会社製
<発熱助剤>
・酸化亜鉛:日本薬局方 酸化亜鉛、真比重5.6g/cm(20℃)、堺化学工業株式会社製
<結合剤>
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC):メトローズ60SH−50(商品名)、信越化学工業株式会社製
<賦形剤>
・クレー: NK−300(商品名)、昭和KDE株式会社製
[加熱剤]
・酸化カルシウム:「特開平01−308825号」に記載の方法に従い、消石灰を二酸化炭素が存在しない条件下で、4時間、600℃に加熱して脱水させた粒径1〜5mmの粒状の酸化カルシウム。
[燻煙装置]
<側壁部の基材>
各例の燻煙装置の側壁部に用いた材質は、以下のとおりである。
≪仕様1≫
・外層(基材):ライナー紙、厚み1.3mm、坪量400g/m、熱伝導率;44.7%
・内層:アルミニウム箔、厚み9μm、赤外線反射率;94%
≪仕様2≫
・外層(基材):段ボール、両面段ボール(表面及び裏面;坪量180g/m、中芯;坪量160g/m,Aフルート)、厚み5mm、坪量520g/m、熱伝導率;25.5%
・内層:アルミニウム箔、厚み9μm、赤外線反射率;94%
≪仕様3≫
・外層(基材):コルク、厚み2mm、密度0.24g/cm、熱伝導率;31.5%
・内層:アルミニウム箔、厚み9μm、赤外線反射率;94%
≪仕様4≫
・単層:ライナー紙、坪量400g/m、熱伝導率;44.7%
≪仕様5≫
・単層:TFS、厚み0.25mm、赤外線反射率;72%、熱伝導率;62.5%
<蓋部>
≪仕様1≫
ライナー紙(坪量;400g/m)を材料とし、該材料の中央にφ9mmの通煙孔(中央通煙孔)を1個設け、さらに中央通煙孔の周縁回りに、φ6mmの通煙孔を等間隔で4個設けたもの。
<底部>
≪仕様1≫
ライナー紙(坪量;400g/m)を材料とし、該材料の中央にφ9mmの通水孔(中央通水孔)を1個設け、中央通水孔の周縁回りに、φ6mmの通水孔を等間隔で4個設けたもの。
≪仕様2≫
ブリキ(厚み0.22mm)製の板に不織布(厚み0.7mm)を貼着し、φ7mmの通水孔を3段×3列(計9個)で設けたもの。
<内容器>
・アルミニウム製カップ1(Alカップ1):No.6、アルミニウム製、厚み;0.01mm、寸法;天面φ60mm、底面φ40mm、高さ33mm
・アルミニウム製カップ2(Alカップ2):No.4、アルミニウム製、厚み;0.01mm、寸法;天面φ60mm、底面φ53mm、高さ15mm
・TFS製カップ(TFSカップ):Tin Free Steel製(缶飲料用で汎用の鋼板)、厚み;0.25mm、寸法;φ40mm、高さ50mm
(実施例1)
[燻煙剤の調製]
表1に示す燻煙剤混合物の組成に従い、水以外の成分をらいかい機(石川式攪拌らいかい機)に投入し混合した。混合後、水を加えさらに混合し、燻煙剤混合物を得た。得られた燻煙剤混合物を直径2mmの開孔を有するダイスの前押し出し造粒機(EXK−1、株式会社不二パウダル製)を用い造粒し造粒物を得た。得られた造粒物を長さ2〜5mmに切断し、70℃に設定した乾燥機(RT−120HL、アルプ株式会社製)により、109.5質量部から100質量部にまで乾燥させ、顆粒状の燻煙剤を得た。
[燻煙装置の作製]
表1の仕様に従い、図1の燻煙装置8と同様の燻煙装置を作製した。仕様1の材料を直径65mm、高さ50mmの円筒として、内周面にアルミニウム箔が設けられた側壁部を作製し、この側壁部の底面に底部を装着し有底筒状の外容器とした。内容器に加熱剤37gを充填した。内容器(Alカップ1)をその開口部が底部側となるようにし、内容器の中に加熱剤が収納されるようにして、前記外容器内に設置した。次いで、「[燻煙剤の調製]」で得られた燻煙剤10gを外容器内に充填した。燻煙剤を充填後、側壁部の天面に蓋部を装着し、燻煙装置を作製した。作製した燻煙装置は、内容器の外周面と外容器の内周面との離間(以下、内外容器離間という)が、内容器の天面周縁において5mmとなっていたため、表1中の「内外容器離間の有無」の欄に「有」と記載した。作製した燻煙装置にて燻煙を行い、揮散率及び外容器の外周面温度を測定し、その結果を表1に示す。
(実施例2)
内容器をTFSカップとした以外は、実施例1と同様にして、図2の燻煙装置100と同様の燻煙装置を作製した。作製した燻煙装置にて燻煙を行い、揮散率及び外容器の外周面温度を測定し、その結果を表1に示す。
(実施例3)
側壁部を仕様2とした以外は、実施例1と同様にして燻煙装置を作製した。作製した燻煙装置にて燻煙を行い、揮散率及び外容器の外周面温度を測定し、その結果を表1に示す。
(実施例4)
側壁部を仕様3とし、底部を仕様2とした以外は、実施例1と同様にして燻煙装置を作製した。作製した燻煙装置にて燻煙を行い、揮散率及び外容器の外周面温度を測定し、その結果を表1に示す。
(比較例1)
[燻煙剤の調製]
表1に示す組成に従い、実施例1と同様にして燻煙剤を得た。
[燻煙装置の作製]
表1の仕様に従い、図3に示す燻煙装置900と同様の燻煙装置を作製した。
図3に示す燻煙装置900は、外容器910と、内容器920とを有するものである。
外容器910は、略円筒形の側壁部912と、側壁部912の天面側に設けられた蓋部14と、側壁部912の底面側に設けられた底部916とで概略構成されている。
外容器910内には、外容器910の蓋部14から底部916向かうに従って、その径が大きくなる略円錐台の内容器920が設けられている。内容器920は、外容器910の底部916側が開口部とされ、開口部の周縁が、側壁部912における蓋部14から底部916との間で、外容器910の内周面910bと接したものとされている。
外容器910内には、底部916側に加熱剤22が充填されると共に、内容器920を介して燻煙剤30が加熱剤22を覆うように充填されている。
この燻煙装置900は、外容器910の底面側において、加熱剤22が外容器910の内周面910bと接しているものである。
なお、底部916は、不織布、又は紙製もしくは金属製のシート状基材に通水孔を穿設したもの等が挙げられる。
側壁部として、仕様4の材料を直径65mm、高さ50mmの円筒を作製した。側壁部に底部を装着し有底筒状の外容器とし、該外容器に加熱剤37gを充填した。充填した加熱剤の上に内容器(Alカップ2)をその開口部が底部側となるように、前記外容器内に設置した。次いで、「[燻煙剤の調製]」で得られた燻煙剤10gを、内容器を覆うように外容器内に充填した。燻煙剤を外容器に充填後、外容器に蓋部を装着し、燻煙装置を作製した。作製した燻煙装置にて燻煙を行い、揮散率及び外容器の外周面温度を測定し、その結果を表1に示す。
なお、比較例1は加熱剤が外容器の内周面に接触しているため、表1中の「内外容器離間の有無」の欄に「無」と記載した。
(比較例2)
側壁部を仕様4の材料とした以外は、実施例1と同様にして燻煙装置を作製した。作製した燻煙装置にて燻煙を行い、揮散率及び外容器の外周面温度を測定し、その結果を表1に示す。
(比較例3)
側壁部を仕様1の材料とした以外は、比較例1と同様にして燻煙装置を作製した。作製した燻煙装置にて燻煙を行い、揮散率及び外容器の外周面温度を測定し、その結果を表1に示す。
(比較例4)
側壁部を仕様5の材料とした以外は、実施例1と同様にして燻煙装置を作製した。作製した燻煙装置にて燻煙を行い、揮散率及び外容器の外周面温度を測定し、その結果を表1に示す。
(評価方法)
[揮散率]
プラスティックカップ(水ではじめるバルサン(商品名)25g用)に水23mLを入れ、該プラスティックカップを内容積6.38m(6380L)の試験室の中央に設置した。該プラスティックカップに、各例の燻煙装置を静置し、燻煙を開始した。燻煙開始5分後に、試験室内の空気をファンで攪拌した。攪拌後、真空ポンプを用いて試験室内の空気20Lを回収用カラムに通流し、試験室内に揮散した薬剤を吸着させた。該回収用カラムには、クロマト用シリカゲル(Wakogel C−100、和光純薬工業株式会社製)を用いた。
次いで、薬剤を吸着させた後、アセトンを回収用カラムに通流し、通流したアセトンを回収した。こうして、クロマト用シリカゲルに吸着した薬剤を溶出させた。回収したアセトンを試料として、ガスクロマトグラフ法によりアセトン中の薬剤量(A)を定量した。一方、燻煙剤中の薬剤量(B)をガスクロマトグラフ法により定量した。これらの定量結果から、下記(2)式により揮散率を算出した。
揮散率(質量%)=(A/20L)×(1/B)×6380L×100%・・・(2)
[外容器の外周面温度]
シャーレ(φ90mm)に水23mLを入れ、該シャーレを縦3.42m×横3.82m×高さ2.40mの試験室の中央に設置した。各例の燻煙装置の外容器外周面に熱電対静止表面用温度センサ(ST−23E−015−TS1−ANP、安立計器株式会社製、以下、単に温度センサという)を耐熱テープで貼付した。温度センサは、外容器の外周面の天面から10mm下方、中央部、底面から10mm上方の3箇所に貼付した。温度センサを貼付した燻煙装置を前記シャーレに静置し、燻煙を開始した。燻煙中の外容器の外周面温度は、温度センサにより1秒毎の経時温度として計測した。計測データは、データロガー(COMPACT THERMO LOGGER AM−8000E、安立計器株式会社製)により取得した。燻煙終了後、データロガーに記録された計測温度中から、最高到達温度を抽出し、その結果を表1に外周面温度として記載した。
Figure 0006082176
表1に示すとおり、外容器の内周面にアルミニウム箔(赤外線反射素材)を設け、内外容器離間を設けた実施例1〜4は、いずれも薬剤の揮散率が65質量%以上であり、かつ外周面温度が103〜121℃であった。
一方、内外容器離間を設けず、外容器の内周面にアルミニウム箔を設けなかった比較例1は、薬剤の揮散率が45質量%と低く、外周面温度が323℃に達していた。また、内外容器離間を設け、外容器の内周面にアルミニウム箔を設けなかった比較例2は、外周面温度が124℃と低かったものの、薬剤の揮散率が42質量%と低いものであった。また、内外容器離間を設けず、外容器の内周面にアルミニウム箔を設けた比較例3は、薬剤の揮散率が66質量%と高かったものの、外周面温度が287℃に達していた。側壁部をTFSの単層とした比較例4は、薬剤の揮散率が38質量%と低く、かつ外周面温度が194℃に達していた。
以上の結果から、内外容器離間を設け、基材が断熱性を有し、かつ内周面が赤外線反射素材で被覆されたものを外容器とした本発明の燻煙装置は、薬剤を十分に揮散でき、かつ容器の外周面の温度上昇を抑え、取り扱いが容易となることが判った。
8、100 燻煙装置
10、110 外容器
10a、110a 外容器の外周面
10b、110b 外容器の内周面
20、120 内容器
20a、120a 内容器の外周面
22 加熱剤
30 燻煙剤
117 通水孔

Claims (2)

  1. 燻煙剤が充填された有底筒状の外容器と、該外容器の内部に設けられ、水和反応により発熱する加熱剤が充填された内容器とを有し、
    前記外容器は、天面側に蓋部を備え、
    前記内容器は、その外周面が前記外容器の内周面と離間して設けられ、かつ、前記外容器における蓋部から底部に向かうに従って、その径が大きくなる形状であり、
    前記内容器は、下端に形成された開口部の周縁が前記外容器の前記底部と接しかつ前記外容器の内周面と接して設けられており、
    前記外容器は、その基材が断熱性を有し、かつその内周面が赤外線反射素材で被覆され、
    前記内容器の高さは、前記外容器の高さよりも低く、前記蓋部と前記内容器の天面との間に空間が形成され、
    前記外容器の内周面と前記内容器の外周面との間には、前記燻煙剤が充填され、かつ、前記内容器が、前記燻煙剤に埋設されており、
    前記外容器の底面には、前記内容器に水が流入する通水孔が形成されていることを特徴とする燻煙装置。
  2. 前記内容器が金属からなることを特徴とする、請求項に記載の燻煙装置。
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