JP6081219B2 - 回転機械の監視システム及び回転機械の監視方法 - Google Patents

回転機械の監視システム及び回転機械の監視方法 Download PDF

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本発明の実施形態は、回転機械を構成するロータの回転を監視する技術に関する。
ターボ形流体機械、例えばポンプ等の回転機械においては、所定の運転状態で作動しているかを確認するため、一般的に、流量や圧力の他、ロータの回転速度を監視している。また、ロータのうち外周面が略円筒状をなしている部分(以下、回転軸部と記す)や、当該回転軸部を受ける軸受等の異常を早期に検知するため、回転軸部の振動、すなわち回転軸部の径方向の変位を検出する技術が提案されている。
特開2002−285975公報
特許文献1に記載の技術においては、ポンプのケーシング外に超音波送受信装置を設け、回転軸部の表面との間における超音波の伝達に要する時間の変化を計測することで、回転部の振動や、回転軸部を受ける軸受の摩耗量を推定している。このように超音波送受信装置をセンサとしてケーシング外に設置することで、ケーシング内にセンサ類を設置する必要がなくなり、またセンサのためにケーシングに穴をあけるなどの加工が不要となる。センサ類の点検を行う場合や、センサ類を交換する場合においても、回転機械の運転を停止してケーシング内の流体を抜く必要がなくなる。
しかし、特許文献1に記載の技術においては、回転軸部の径方向の変位や振動を検出することはできるものの、ロータすなわち回転軸部の回転速度を精度良く算出することが困難であるという問題がある。また、回転軸部の軸方向の変位や振動を検出することはできないという問題もある。
そこで、本発明の実施形態は、回転軸部の回転状態を精度良く検出可能な、回転機械の監視技術を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の実施形態に係る回転機械の監視システムは、回転機械を構成するケーシング内に設けられ、当該回転機械を構成するロータのうち、その軸心を中心として略円筒状または円柱形状をなす外周面を有する部分である回転軸部と、前記ケーシング外に設けられ、当該ケーシングを通して前記回転軸部に向けて超音波を発する超音波送信部と、前記ケーシング外に設けられ、前記回転軸部により反射された超音波を、当該ケーシングを通して受信する超音波受信部と、当該超音波受信部により受信された超音波受信波に基づいて、前記回転軸部の回転状態を算出する処理装置と、を備え、前記回転軸部には、その軸心からの径方向距離が前記外周面に比べて異なるよう構成されており且つ前記超音波送信部から発せられた超音波を前記超音波受信部に向けて反射可能な検出面が、形成されており、前記検出面により反射された超音波と外周面で反射された超音波とを超音波受信部が受信し、これら超音波受信波に基づいて前記回転軸部の回転状態を前記処理装置が算出するものであり、前記処理装置は、前記超音波送信部から発信された超音波が、前記回転軸部で反射され、当該反射された超音波が前記超音波受信部に到達して受信されるまでの時間の長さである到達時間を算出する到達時間算出部と、当該到達時間算出部により算出された到達時間の時間変化に基づいて、前記検出面で反射された超音波による検出面信号を、前記到達時間の閾値判定により分離する信号分離部と、当該信号分離部により分離された検出面信号に基づいて、前記回転軸部の回転速度を算出する回転速度算出部と、を有し、前記回転速度算出部は、前記回転軸部の1回転ごとに検出される検出面信号の時間間隔に基づいて前記回転軸部の回転速度を算出することを特徴とする。また、本発明の他の態様に係る回転機械の監視システムは、回転機械を構成するケーシング内に設けられ、当該回転機械を構成するロータのうち、その軸心を中心として略円筒状または円柱形状をなす外周面を有する部分である回転軸部と、前記ケーシング外に設けられ、当該ケーシングを通して前記回転軸部に向けて超音波を発する超音波送信部と、前記ケーシング外に設けられ、前記回転軸部により反射された超音波を、当該ケーシングを通して受信する超音波受信部と、当該超音波受信部により受信された超音波受信波に基づいて、前記回転軸部の回転状態を算出する処理装置と、を備え、前記検出面は、前記回転軸部の周方向に不等間隔をあけて3つ配列されており、前記処理装置は、前記超音波送信部から発信された超音波が前記回転軸部で反射されて前記超音波受信部に到達して受信されるまでの到達時間を用いて、当該超音波受信部が受信した信号のうち当該検出面からの信号を検出するものであり、当該検出面からの信号が受信される時間間隔と、3つの前記検出面の周方向における間隔とに基づいて、当該回転軸部が回転する向きを判定する回転方向判定部を、さらに備えることを特徴とする。また、本発明の他の態様に係る回転機械の監視システムは、回転機械を構成するケーシング内に設けられ、当該回転機械を構成するロータのうち、その軸心を中心として略円筒状または円柱形状をなす外周面を有する部分である回転軸部と、前記ケーシング外に設けられ、当該ケーシングを通して前記回転軸部に向けて超音波を発する超音波送信部と、前記ケーシング外に設けられ、前記回転軸部により反射された超音波を、当該ケーシングを通して受信する超音波受信部と、当該超音波受信部により受信された超音波受信波に基づいて、前記回転軸部の回転状態を算出する処理装置と、を備え、前記回転軸部には、その軸心からの径方向距離が前記外周面に比べて異なるよう構成されており且つ前記超音波送信部から発せられた超音波を前記超音波受信部に向けて反射可能な検出面が、形成されており、前記検出面により反射された超音波と外周面で反射された超音波とを超音波受信部が受信し、これら超音波受信波に基づいて前記回転軸部の回転状態を前記処理装置が算出するものであり、前記検出面は、前記回転軸部の周方向に複数配列されており、前記処理装置は、当該検出面で反射されて前記超音波受信部により受信された超音波に基づいて、当該回転軸部が回転する向きを判定する回転方向判定部を、さらに備え、前記検出面は、前記回転軸部の軸心からの径方向距離が、それぞれ異なるよう構成されていることを特徴とする。また、本発明の他の態様に係る回転機械の監視システムは、回転機械を構成するケーシング内に設けられ、当該回転機械を構成するロータのうち、その軸心を中心として略円筒状または円柱形状をなす外周面を有する部分である回転軸部と、前記ケーシング外に設けられ、当該ケーシングを通して前記回転軸部に向けて超音波を発する超音波送信部と、前記ケーシング外に設けられ、前記回転軸部により反射された超音波を、当該ケーシングを通して受信する超音波受信部と、当該超音波受信部により受信された超音波受信波に基づいて、前記回転軸部の回転状態を算出する処理装置と、を備え、前記回転軸部には、その軸心からの径方向距離が前記外周面に比べて異なるよう構成されており且つ前記超音波送信部から発せられた超音波を前記超音波受信部に向けて反射可能な検出面が、形成されており、前記検出面により反射された超音波と外周面で反射された超音波とを超音波受信部が受信し、これら超音波受信波に基づいて前記回転軸部の回転状態を前記処理装置が算出するものであり、前記回転軸部には、前記外周面に比べて径方向内側に凹むリセスが形成されており、前記検出面は、当該リセスの底を画定する面であり、前記検出面は、前記リセスの底を画定する面である第1底面と、周方向において第1底面と隣り合って設けられ、前記回転軸部の軸心からの径方向の距離が、第1底面に比べて長くなるよう構成された面である第2底面と、を含み、前記処理装置は、第1底面で反射されて前記超音波受信部により受信された超音波と、第2底面で反射されて前記超音波受信部により受信された超音波に基づいて、当該回転軸部が回転する向きを判定する回転方向判定部をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明の実施形態に係る回転機械の監視方法は、回転機械を構成するケーシング外から、当該ケーシングを通して、当該回転機械を構成するロータのうち、その軸心を中心として略円筒状または円柱形状をなす外周面を有する部分である回転軸部に向けて超音波送信部が超音波を発し、前記回転軸部により反射された超音波を、前記ケーシングを通して、当該ケーシング外に設けられた超音波受信部が受信し、受信された超音波受信波に基づいて、前記回転軸部の回転状態を処理装置が算出する、回転機械の監視方法であって、前記回転軸部には、その軸心からの径方向距離が前記外周面に比べて異なるよう構成されており、且つ前記超音波送信部から発せられた超音波を前記超音波受信部に向けて反射可能な検出面が、形成されており、前記超音波受信部は、前記検出面により反射された超音波と外周面で反射された超音波とを受信し、前記処理装置は、受信された超音波受信波に基づいて前記回転軸部の回転状態を算出するものであり、前記処理装置により、前記超音波送信部から発信された超音波が、前記回転軸部で反射され、当該反射された超音波が前記超音波受信部に到達して受信されるまでの時間の長さである到達時間を算出するステップと、算出された到達時間の時間変化に基づいて、前記検出面で反射された超音波による検出面信号を、前記到達時間の閾値判定により分離するステップと、分離された検出面信号の時間間隔に基づいて、前記回転軸部の回転速度を算出するステップと、を含み、前記回転速度を算出するステップは、前記回転軸部の1回転ごとに検出される検出面信号の時間間隔に基づいて前記回転軸部の回転速度を算出することを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、回転軸部の回転速度や変位等の回転状態を精度良く検出することができる。
第1の実施形態の監視システムの概略構成を示す説明図であり、回転機械については、回転中心軸に直交する横断面を示している。 第1の実施形態の回転機械のロータの検出面と超音波送受信装置との配置関係を示す上面図であり、回転機械のケーシングについては回転中心軸を含み且つ超音波送受信装置を通る縦断面を示している。 第1の実施形態の監視システムのハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。 第1の実施形態の超音波受信部が受信した超音波受信波の時間変化と到達時間を示すタイミングチャートである。 第1の実施形態の回転軸部が1回転した場合の到達時間の時間変化を示すグラフである。 第1の実施形態の回転軸部が連続して回転した場合の到達時間の時間変化を示すグラフである。 第1の実施形態の回転軸部が連続して回転した場合の到達時間の時間変化を示すグラフであり、信号の分離に用いられる閾値を説明するグラフである。 第1の実施形態の回転軸部が連続して回転した場合の到達時間の時間変化を示すグラフであり、(a)は、回転軸部の径方向の変動による到達時間変化波形を示し、(b)は、検出面により反射されたパルス波形を示している。 第1の実施形態の回転軸部の径方向の変位のうち変動成分とDC成分を示すグラフである。 第1の実施形態の回転軸部の径方向の変位を示す時間波形に対して、周波数分析を行った結果を示すグラフである。 第1の実施形態の回転機械の回転中心軸と、回転軸部の回転の中心との位置関係の一例を示す図である。 第1の実施形態の変形例の監視システムの構成を示す図であり、回転軸部の検出面と、発信側超音波センサと、送信側超音波センサとの配置関係を示す上面図である。 第1の実施形態の変形例の回転軸部を示す部分断面図である。 第2の実施形態の回転軸部を示す断面図である。 第2の実施形態の回転軸部が連続して回転した場合の到達時間の時間変化を示すグラフである。 第3の実施形態の監視システムの概略構成を示す説明図であり、回転機械については、回転中心軸に直交する横断面を示している。 第3の実施形態の回転軸部の検出面と、超音波送受信装置との配置関係を示す上面図であり、回転機械のケーシングについては、回転中心軸を含み且つ超音波送受信装置を通る縦断面を示している。 第3の実施形態の回転軸部の軸心を含む縦断面図である。 第3の実施形態の監視システムのハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。 第3の実施形態の超音波受信部が受信した超音波受信波の時間変化と、超音波受信波の受信レベルを示すグラフである。 第3の実施形態の超音波受信部が受信した超音波受信波の受信レベルの時間変化を示すグラフである。 第3の実施形態の変形例の監視システムの概略構成を示す説明図であり、回転機械については、回転中心軸に直交する横断面を示している。 回転軸部の横断面の一例を示す横断面図であり、(a)には、検出面で超音波を反射した場合を示し、(b)には、外周面で超音波を反射させた場合を示している。 検出面で反射された到達時間のパルス波形の一例を示すグラフである。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態により、本発明が限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
〔第1の実施形態〕
まず、本実施形態の回転機械の監視システムの概略構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施形態の監視システムの概略構成を示す説明図である。なお、図1において、回転機械は、その回転中心軸に直交する横断面が示されている。図2は、本実施形態の回転機械のロータの検出面と超音波送受信装置との配置関係を示す上面図である。なお、図2において、回転機械のケーシングは、回転中心軸を含み且つ超音波送受信装置を通る縦断面が示されている。
なお、各図において、回転機械10の回転中心軸を点A又は一点鎖線Aで示す。特に、回転機械10のロータの回転軸部22の軸心を、点A2又は一点鎖線A2で示す。回転軸部22がケーシング12に対して径方向に変位していない場合、回転機械10の回転中心軸Aと、回転軸部22の軸心A2は一致する。
また、回転中心軸Aの周方向のうち、ロータの回転軸部が回転する所定の向き(以下、単に「回転方向」と記す)を、特に矢印C1で示す。また、回転軸部の径方向内側を図に矢印R1で示し、径方向外側を図に矢印R2で示す。なお、図1においては、回転機械のうち、ケーシングの断面と共に、ロータのうち回転軸部の断面が示されている。
図1に示すように、回転機械10は、その回転中心軸を中心に回転するロータ(例えば、羽根車)の回転軸部22と、回転軸部22を含むロータを囲うよう設けられ、当該ロータを収容するケーシング12を有している。ケーシング12とロータの外周面24との間には、流体が流通可能な通路15が形成されている。本実施形態の回転機械10は、通路15を流れる流体と、ロータ(例えば、羽根車)との間においてエネルギーの変換を連続的に行う「ターボ形流体機械」である。
より具体的には、本実施形態の回転機械10は、ターボ形流体機械のうち、機械的エネルギーを流体の運動エネルギーに変換する「ポンプ」である。ロータには、図示しない案内羽根等が設けられており、ロータが所定の方向(図に矢印C1で示す)に回転すると、通路15には、空気や水等の流体が流れる。ロータは、ケーシング12内において、後述する「径方向変位」が生じない場合には、回転機械10の回転中心軸を中心に回転する。
回転軸部22は、ロータのうち、その外周面24が当該回転中心軸を軸心とする略円筒形状をなしている部分である。例えば、回転機械10がポンプであり、ロータがポンプの羽根車である場合、上述した回転軸部22は、ロータのうち案内羽根等を除いた部分であり、回転中心軸を軸心として略円柱状に構成された部分である。換言すれば、回転軸部22の径方向外側の円筒状の表面が外周面24である。
外周面24は、ロータの軸心からの径方向の距離(以下、単に「径方向距離」と記す)が、一定の値となるよう構成されている。すなわち、回転軸部22は、所定の外径に形成されている。また、回転軸部22のうち、その軸心からの径方向の距離が、外周面24に比べて異なるように構成された面(以下、検出面と記す)44がある。検出面44は、ロータの回転速度等を検出するために用いられ、超音波を反射可能に構成されている。当該検出面44の詳細な形状等については、後述する。
本実施形態の監視システム1においては、図1に示すように、2つの超音波送受信装置30,31が設けられている。超音波送受信装置30は、回転軸部22に向けて超音波を送信する機能(以下、超音波送信部と記す)と、回転軸部22により反射された超音波を受信する機能(以下、超音波受信部と記す)とを兼ね備えた装置である。超音波送受信装置31は、超音波送受信装置30と略同一の機能を備えた装置として構成されている。なお、超音波は、2万Hz以上の周波数の音波(音響的振動)を適用することが、直進性が高く、小さな音源でも大きな音圧が得られるため望ましい。超音波送受信装置30,31においては、それぞれ、1つの超音波素子(例えば、圧電素子)を、超音波の送信と、超音波の受信で共用している。
超音波送受信装置30は、ケーシング12外に設けられており、より具体的には、回転中心軸から図に一点鎖線矢印Xで示す所定の方向(以下、X軸方向と記す)に配置されている。超音波送受信装置30は、ケーシング12の外面に設けられ、当該ケーシング12を通して、回転中心軸に向けて超音波を送信可能に構成されている。
一方、超音波送受信装置31は、ケーシング12外に設けられており、より具体的には、回転中心軸から図に一点鎖線矢印Yで示す所定の方向(以下、Y軸方向と記す)に配置されている。この一点鎖線矢印Yで示す方向は、上述した一点鎖線矢印Xで示す方向に対して例えば90度の角度が付けられて設定されている。超音波送受信装置31は、超音波送受信装置30と同様に、ケーシング12の外面に設けられ、当該ケーシング12を通して、回転中心軸に向けて超音波を送信可能に構成されている。
このように2つの超音波送受信装置30,31を、回転中心軸に直交する断面において、回転中心軸からの向きを異ならせて配置することで、ロータの回転軸部22の径方向の変位のうち、X軸方向の変位と、Y軸方向の変位とを別々に検出することが可能となっている。
図2に示すように、本実施形態の監視システム1において、回転軸部22には、その外周面24から径方向内側に凹むリセス(recess)40が形成されている。当該リセス40のうち径方向内側の底は、超音波送受信装置30が発した超音波を反射可能な検出面44となっている。すなわち、検出面44は、リセス40の底を画定する面である。本実施形態において、検出面44は、回転軸部22の径方向に直交する方向に延びており、平面状に構成されている。本実施形態において、検出面44は、回転軸部22の径方向に直交する平面状に構成されており、回転軸部22の周方向において1か所設けられている。検出面44は、ケーシング12を挟んで超音波送受信装置30と対向可能に配設されている。検出面44の位置は、回転中心軸(図2に一点鎖線Aで示す)に直交し、且つX軸(図1、図2に一点鎖線Xで示す)を含む仮想面上である。換言すれば、超音波送受信装置30は、回転中心軸を中心として検出面44の径方向外側に配置されている。
同様に、図1に示すように、超音波送受信装置31も、回転中心軸を中心として検出面44の径方向外側に配置されている。換言すれば、検出面44は、回転中心軸に直交し、且つY軸(図1に一点鎖線Yで示す)を含む面上に配置されており、ケーシング12を挟んで超音波送受信装置31と対向可能に配置されている。
本実施形態において、検出面44は、回転軸部22の軸心からの径方向距離が、回転軸部22の外周面24に比べて短くなるよう構成されている。例えば、検出面44が超音波送受信装置30と対向しているとき、検出面44と超音波送受信装置30との距離は、外周面24と超音波送受信装置30との距離に比べて長くなるように回転軸部22は構成されている。
以上のように構成された回転機械10において、ロータ及びその回転軸部22が回転しているとき、超音波送受信装置30からは、周期的に超音波が発せられる。発せられた超音波は、図1に矢印Sで示すように、回転軸部22のうち外周面24により反射される。外周面24で反射された超音波は、超音波送受信装置30に到達する。すなわち、超音波送受信装置30は、回転軸部22により反射された超音波を受信する。同様に、超音波送受信装置31から発せられた超音波は、図1に矢印S1で示すように、回転軸部22の外周面24により反射されて、超音波送受信装置31に受信される。
なお、超音波送受信装置30,31から超音波が発せられてから、回転軸部22により反射されて、超音波送受信装置30,31に到達して、当該超音波送受信装置30,31に受信されるまでに要する時間の長さを、以下の説明において、単に「到達時間」と記す。
超音波送受信装置30、31から発せられた超音波が、回転軸部22のうち、外周面24ではなく、検出面44により反射された場合、外周面24の径方向距離と検出面44の径方向距離との差の分だけ、到達時間は、長くなる。本実施形態において、検出面44は、回転軸部22の周方向において1か所設けられているため、ロータが1回転するにつき、到達時間は1度長くなる。
また、回転機械10において、回転するロータの回転軸部22が、回転中心軸に対して径方向に変位している場合、すなわち回転軸部22の軸心が、回転により回転機械の回転中心軸(図に点Aで示す)に対して径方向に偏っている場合にも、到達時間は、変化する。
なお、ロータの回転軸部22が径方向及び軸方向に変位していない、すなわち回転軸部22の軸心が、回転機械10の回転中心軸(図に点A又は一点鎖線Aで示す)に一致して回転している運転状態を、以下の説明において「正常な運転状態」と記す。
回転軸部22が、超音波送受信装置30,31側に変位してれば、到達時間は、正常な運転状態に比べて短くなる。一方、回転軸部22が、超音波送受信装置30,31とは反対側に変位していれば、到達時間は、正常な運転状態に比べて長くなる。本実施形態の監視システム1において、上述した到達時間は、超音波送受信装置30,31により受信された超音波に基づいて、処理装置100により算出される。
次に、本実施形態の監視システム1の構成について、図1及び図3を用いて説明する。図3は、本実施形態の監視システムのハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。
図3に示すように、監視システム1は、超音波を発する機能を有する超音波送信部32と、反射された超音波を受信する機能を有する超音波受信部33とを有している。超音波送信部32及び超音波受信部33は、上述した超音波送受信装置30(図1参照)に含まれている。なお、径方向のうちY軸方向の変位を検出可能な超音波送受信装置31にも、超音波送信部32及び超音波受信部33が含まれている。なお、以下の説明においては、説明を簡単なものにするため、径方向のうちX軸方向の変位を検出可能な超音波送受信装置30が受信した超音波に係る信号の処理について説明する。
また、監視システム1は、超音波を送信する機能すなわち超音波送信部32を制御すると共に、超音波を受信する機能すなわち超音波受信部33により受信された超音波に係る信号を処理して各種のパラメータを演算する装置(以下、単に「処理装置」と記す)100を有している。処理装置100は、回転軸部22の回転状態、すなわち回転速度、回転方向、径方向の変位、軸方向の変位等、各種の演算処理を実行可能に構成されている。処理装置100は、主記憶装置(RAM)(図示せず)を含んでおり、情報通信線90を介して、超音波送受信装置30の超音波受信部33から、受信した超音波に係る信号を受けている。
また、監視システム1は、各種の情報を記憶する補助記憶装置(以下、単に「記憶装置」と記す)150を有している。記憶装置150には、例えば、ハードディスクやEPROMが用いられ、処理装置100が実行する各種のプログラムやデータベースが予め記憶されている。加えて、監視システム1は、各種の情報を表示する表示装置160を有している。表示装置160は、いわゆるコンピュータ・ディスプレイであり、処理装置100が実行した各種の演算の結果等を表示する。監視システム1において、超音波送受信装置30の超音波送信部32及び超音波受信部33、処理装置100、記憶装置150、表示装置160は、情報通信線90を介して接続されており、相互に各種の情報を送受信可能に構成されている。
次に、本実施形態の監視システム1において、処理装置100が実行する各種の演算等の処理について、図1、図3〜図11を用いて説明する。
図4は、本実施形態の超音波受信部が受信した超音波受信波の時間変化と到達時間を示すタイミングチャートである。図5は、本実施形態の回転軸部が1回転した場合の到達時間の時間変化を示すグラフである。図6は、本実施形態の回転軸部が連続して回転した場合の到達時間の時間変化を示すグラフである。図7は、本実施形態の回転軸部が連続して回転した場合の到達時間の時間変化を示すグラフであり、信号の分離に用いられる閾値を説明するグラフである。図8は、本実施形態の回転軸部が連続して回転した場合の到達時間の時間変化を示すグラフである。なお、図8において、(a)は、回転軸部の径方向の変動による到達時間変化波形を示し、(b)は、検出面により反射されたパルス波形を示している。
図9は、本実施形態の回転軸部の径方向の変位のうち変動成分とDC成分を示すグラフである。図10は、本実施形態の回転軸部の径方向の変位を示す時間波形に対して、周波数分析を行った結果を示すグラフである。図11は、本実施形態の回転機械の回転中心軸と、回転軸部の回転の中心との位置関係の一例を示す図である。
図1及び図3に示すように、処理装置100は、超音波送受信装置30が回転軸部22に向けて周期的に連続して超音波を発するよう超音波送信部32を制御する。発せられた超音波は、回転軸部22のうち外周面24又は検出面44により反射される。反射された超音波は、超音波送受信装置30に到達し、超音波受信部33において受信される。
まず、処理装置100は、超音波受信部33から、受信された超音波の時間変化(以下、単に「超音波受信波」と記す)に係るアナログ信号を取得する。処理装置100のA/D変換部102は、取得された超音波受信波のアナログ信号をディジタル信号に変換する。変換されたディジタル信号は、記憶装置150に記憶される。
処理装置100の到達時間算出部104は、この超音波受信波のディジタル信号に基づいて、超音波が発せられてから受信されるまでに要する時間の長さである到達時間を算出する。なお、到達時間は、超音波送受信装置30から発せられた超音波が、回転軸部22により反射されて超音波送受信装置30に到達するまでの、超音波の往復に要する時間の長さである。
図1に示すように、回転している回転軸部22は、製造上の問題や組立ばらつき等により、その軸心が、回転機械10の回転中心軸から径方向に僅かにずれて、その外周面24には、径方向の変位いわゆる「振れ」が生じる場合がある。このような場合、図4の超音波受信波で示すように、超音波送信部32が周期的に超音波を発するタイミングt=t1,t2,t3,t4,t5(すなわち回転軸部22の回転角位置)に応じて、それぞれの到達時間ΔT1,ΔT2,ΔT3,ΔT4,ΔT5は、わずかに異なる。
加えて、発せられた超音波が、回転軸部22のうち外周面24ではなく検出面44により反射された場合、図4に超音波受信波のうちt=t6で示すように、到達時間ΔT6は、外周面24により反射された場合の到達時間ΔT1〜ΔT5に比べて相当に長いものとなる。回転軸部22が1回転するにつき、超音波受信部33は、検出面44により反射された超音波を1回受信する。
このように、回転軸部22の1回転あたりの到達時間の変化は、図5に示すように、超音波を発するタイミング(すなわち回転軸部22の回転角位置)に応じてΔT1〜ΔT6と変化する。さらに、回転軸部22が複数回転したときの到達時間の変化を、図6に示す。検出面44で反射された超音波受信波の到達時間ΔT6は、外周面24で反射された超音波受信波に比べて大きくレベルが異なる。このため、回転軸部22の径方向の変位、すなわち外周面24の径方向の振れを算出する際には、検出面44で反射された超音波受信波の到達時間を取り除く必要がある。
そこで、処理装置100の信号分離部106は、図7で示すように、所定の閾値(図に破線Eで示す)を超える部分については、検出面44で反射された超音波受信波の到達時間である、すなわち外周面24で反射された超音波受信波の到達時間ではないと判定する。信号分離部106は、検出面44で反射された超音波受信波の到達時間であると判定した部分については、図8(a)に示すように、その前後にある外周面24で反射された超音波受信波の到達時間と同一の値、又は、これに近い値に変更する。このように変更することにより、回転軸部22の径方向の振動すなわち径方向への変位による到達時間の時間変化を示す波形(以下、到達時間変化波形と記す)を得ることができる。
処理装置100は、得られた到達時間変化波形を、記憶装置150に記憶させる。これと共に、処理装置100は、上述した閾値(図に破線Eで示す)を超える部分については、図8(b)に示すように、それ以外の値をゼロとする波形(以下、パルス波形と記す)を新たに生成して、記憶装置150に記憶させる。
そして、処理装置100の回転速度算出部120は、上述したパルス波形から、回転軸部22が1回転するのに要した時間を算出し、この時間に基づいて回転軸部22の回転速度を算出する。また、処理装置100は、図8(b)に示すパルス波形を基準として、図8(a)に示す到達時間変化波形において各点が示す位相、すなわち回転軸部22の回転角位置を算出することができる。この位相(回転角位置)は、回転軸部22が振動している方向を判定するのに用いられる。
一方、処理装置100の径方向変位算出部110は、上述した到達時間変化波形と、ケーシング12内の通路15を流れる流体の音速に基づいて、回転軸部22の径方向の変位を算出する。到達時間に上述した音速を乗じることで、回転軸部22の径方向の変位を算出することができる。
図9に示すように、径方向変位算出部110は、回転軸部22の径方向の変位を、時間tに応じて変動する成分(以下、変動成分と記す)と、時間tに応じて変動しない成分(以下、DC成分と記す)に分けることができる。この変動成分は、回転軸部22の径方向の振動の大きさや、その周波数の評価に用いられる。一方、DC成分は、回転軸部22の回転の中心の評価に用いられる。すなわち回転軸部22の回転の中心(すなわち軸心)が、回転機械10の回転中心軸からどれだけ偏った状態で回転しているかを評価することができる。
図9に示す回転軸部22の径方向の変位を示す時間波形に対して周波数分析を行った結果を図10に示す。上述したDC成分、回転軸部22の回転速度と同期した成分(以下、回転周波数1次成分と記す)、回転周波数1次成分の2倍の周波数の成分(以下、回転周波数2次成分と記す)等が算出される。DC成分からは、図11に示すように、回転軸部22の回転の中心(図に点A2で示す)が、回転機械10の回転中心軸(図に点Aで示す)に対して、どの位置にあるかを推定することができる。なお、回転機械10の回転中心軸は、例えば、図示しない軸受の設計値により、その位置が定まる。また、変動成分からは、回転軸部22が径方向に振動しているときの振動の大きさや、その周波数を推定することができる。
処理装置100の回転機械状態判定部130は、回転軸部22の回転速度、DC成分及び変動成分等の情報を、正常な運転状態の値と比較する。正常な運転状態の値は、予め実験やシミュレーション等により求められており、記憶装置150に予め記憶されている。回転機械状態判定部130は、回転速度算出部120により算出された回転速度、径方向変位算出部110により算出されたDC成分及び変動成分を、正常な運転状態の値と比較することにより、回転機械10の異常を早期に検出することができる。
以上に説明したように、本実施形態の監視システム1は、回転機械10を構成するケーシング12内に設けられ、当該回転機械10を構成するロータのうち、その軸心を中心として略円筒状をなす外周面24を有する部分である回転軸部22と、ケーシング12外に設けられ、当該ケーシング12を通して回転軸部22に向けて超音波を発する超音波送信部32と、ケーシング12外に設けられ、回転軸部22により反射された超音波を、ケーシング12を通して受信する超音波受信部33とを備える。
この監視システム1において、回転軸部22には、その軸心からの径方向距離が前記外周面24に比べて異なるよう構成されており、且つ超音波送信部32から発せられた超音波を前記超音波受信部33に向けて反射可能な検出面44が形成されているものとした。回転する回転軸部22の検出面44により反射された超音波と外周面24で反射された超音波とを超音波受信部33が受信し、これら超音波受信波を処理装置100が演算処理する。すなわち、処理装置100は、超音波受信部33が受信したこれにより、監視システム1は、回転軸部22の回転速度や変位を精度良く検出することができる。
また、本実施形態の監視システム1において、処理装置100は、超音波送信部32から発信された超音波が、回転軸部22で反射され、当該反射された超音波が超音波受信部33に到達して受信されるまでの時間の長さである「到達時間」を算出する到達時間算出部104を有している。加えて、処理装置100は、到達時間算出部104により算出された到達時間の時間変化に基づいて、前記検出面で反射された超音波による信号を分離する信号分離部106と、当該信号分離部106により分離された前記信号に基づいて回転軸部22の回転速度を算出する回転速度算出部120とを有するものとした。これにより、処理装置100は、検出面44で反射された超音波の到達時間を示す信号に基づいて回転軸部22の回転速度を精度良く算出することができる。
また、本実施形態の監視システム1において、処理装置100は、信号分離部106により前記信号が分離された到達時間の時間変化に基づいて、前記回転軸部22の径方向の変位を算出する径方向変位算出部110をさらに備えるものとした。これにより、処理装置100は、検出面44で反射された超音波の到達時間を示す信号に基づいて回転速度を精度良く算出すると共に、当該信号が分離された到達時間の時間変化に基づいて回転軸部22の径方向の変位をも算出することができる。
また、本実施形態の監視システム1において、回転軸部22には、外周面24に比べて径方向内側に凹むリセス40が形成されており、検出面44は、当該リセス40の底を画定する面であるものとした。回転軸部22にリセス40を形成するだけで、軸心からの径方向距離が外周面24に比べて異なる検出面44を容易に実現することができる。
なお、検出面44は回転軸部22に直接形成されるだけでなく、検出面44を有する円環形状部材を回転軸部22の周囲に設ける構成としてもよい。さらに検出面44は回転軸部22に対して凹形状として形成されるだけでなく、凸形状として形成してもよい。この場合、処理装置100は、凸形状によって到達時間が短くなるパルス波形を検出する。
なお、上述した実施形態において、監視システム1は、径方向のうちX軸方向の変位を検出する超音波送受信装置30と、径方向のうちY軸方向の変位を検出する超音波送受信装置31とを有するものとしたが、超音波送受信装置の態様は、これに限定されるものではない。径方向のうちX軸方向の変位を検出する超音波送受信装置30のみや、Y軸方向の変位を検出する超音波送受信装置31のみを設けるものとしても良い。
また、上述した実施形態において、超音波を発する超音波送信部32と、回転軸部22により反射された超音波を受信する超音波受信部33は、超音波を送信する機能と超音波を受信する機能とを兼ね備えた超音波送受信装置30に含まれているものとしたが、本発明に係る超音波送信部及び超音波受信部の態様は、これに限定されるものではない。
例えば、図12に示す変形例のように、回転軸部22に向けて超音波を発する超音波送信部としての超音波センサ32aと、回転軸部22により反射された超音波を受信する超音波受信部としての超音波センサ33aとを、ケーシング12外に設けるものとしても良い。
この変形例においては、回転軸部22とケーシング12との間を流れる流体の速度を算出可能である。具体的には、超音波センサ32aから超音波を発し、回転軸部22で反射された超音波を超音波センサ33aで受信する。続いて、超音波センサ33aから超音波を発し、回転軸部22で反射された超音波を超音波センサ32aで受信する。回転軸部22とケーシング12との間において軸方向の流れがある場合には、超音波センサ32aと超音波センサ33aとの間の経路(図に矢印Fで示す)において、超音波センサ32aから超音波センサ33aに向かう場合(往路)と、超音波センサ33aから超音波センサ32aに向かう場合(復路)で、超音波の伝播速度が異なる。処理装置100は、往路における超音波の伝播速度と、復路における超音波の伝播速度との算出することにより、流体の速度を算出することが可能である。
また、上述した実施形態において、回転軸部22に形成された検出面44は、回転軸部22の径方向に直交する方向に延びており、平面状に構成されているものとしたが、本発明に係る検出面の形態は、これに限定されるものではない。
例えば、図13に示す変形例のように、2段の底面46,47を有するリセス40Bを回転軸部22に形成することも好適である。この変形例においては、超音波送信部32から発せられた超音波を、超音波受信部33に向けて反射する検出面44Bとして、リセス40Bの底を画定する面である第1底面46が、回転軸部22に形成されている。加えて回転軸部22には、検出面44Bとして、周方向(周方向のうち所定の向きを図に矢印C1で示す)において第1底面46と隣り合って設けられ、軸心(図に点A2で示す)からの径方向距離が第1底面46に比べて長くなるよう構成された面である第2底面47が形成されている。
このような検出面44Bが形成された回転軸部22が、所定の回転方向(図に矢印C1で示す)に回転すると、第1底面46で反射された超音波の到達時間は、第2底面で反射された超音波の到達時間に比べて僅かに長いものとなる。すなわち、所定の回転方向に回転している場合には、検出面44Bで反射された超音波の到達時間は、短くなるよう変化し、所定の回転方向とは逆向きに回転している場合には、超音波の到達時間は、長くなるよう変化する。図3に示す処理装置100において、回転方向判定部122は、このような検出面44Bで反射された超音波の到達時間の変化に基づいて、回転軸部22が、所定の回転方向に回転しているか否かを判定することができる。
このように、検出面44Bは、リセス40Bの底を構成する面である第1底面46と、周方向において第1底面46と隣り合って設けられ、前記回転軸部22の軸心からの径方向の距離が、第1底面46に比べて長くなるよう構成された面である第2底面47とを含んでいる。この態様によっても、図3に示す処理装置100の回転方向判定部122は、第1底面46で反射されて前記超音波受信部33により受信された超音波と、第2底面47で反射されて前記超音波受信部33により受信された超音波に基づいて、当該回転軸部22が回転する向きを判定することが可能である。
なお、上述した実施形態においては、回転軸部22には、超音波を反射する検出面44(又は検出面44B)が、回転軸部22の周方向に1箇所形成されるものとしたが、本発明に係る検出面の態様は、これに限定されるものではない。回転軸部の周方向に検出面を複数設けることも好適であり、これについて以下に説明する。
〔第2の実施形態〕
本実施形態の監視システムについて、図1、図3、図14及び図15を用いて説明する。図14は、本実施形態の回転軸部を示す断面図である。図15は、本実施形態の回転軸部が連続して回転した場合の到達時間の時間変化を示すグラフである。本実施形態は、回転軸部の周方向に不等間隔をあけて検出面が複数配列されている点で、第1の実施形態と異なっており、以下に詳細を説明する。なお、第1の実施形態と略共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図14に示すように、本実施形態の回転軸部22Bには、回転軸部22の軸心(図に点A2で示す)の周方向(周方向のうち所定の向きを図に矢印C1で示す)において不等間隔をあけて、3つのリセス40a,40c,40eが形成されている。リセス40aを画定する径方向内側の底面は、上述した超音波送信部が発した超音波を、超音波受信部に向けて反射可能な検出面44aとなっている。同様に、リセス40cを画定する径方向内側の底面が、検出面44cであり、リセス40eを画定する径方向内側の底面が検出面44eである。
検出面44aは、回転軸部22Bの軸心からの径方向距離が、検出面44cに比べて短くなるよう構成されている。加えて、検出面44cは、軸心からの径方向距離が、検出面44eに比べて短くなるよう構成されている。なお、以下の説明において、理解を容易にするために、回転軸部22Bの軸心からの径方向距離が短い順に、第1検出面44a、第2検出面44c、第3検出面44eと記す。
また、回転軸部22Bは、第1検出面44aと第2検出面44cとの間の周方向の間隔が、第2検出面44cと第3検出面44eとの間の周方向の間隔に比べて長くなるよう構成されている。加えて、回転軸部22Bは、第3検出面44eと第1検出面44aとの周方向の間隔が、第1検出面44aと第2検出面44cとの周方向の間隔に比べて長くなるよう構成されている。
このように構成された回転軸部22Bは、図1及び図14に示すように所定の回転方向(図に矢印C1で示す)に連続して回転すると、図15に示すように、第1検出面44aで反射された超音波の到達時間を示すパルス波形P1と、第2検出面44cで反射された超音波の到達時間を示すパルス波形P2との間に生じる時間間隔Gは、第3検出面44eで反射された超音波の到達時間を示すパルス波形P3とパルス波形P2との間に生じる時間間隔Hに比べて長いものとなる。加えて、パルス波形P3とパルス波形P1との間に生じる時間間隔Iは、上述した時間間隔Gに比べて長いものとなる。
加えて、超音波の到達時間ΔTは、図15に示すように、第1検出面44aで反射された超音波の到達時間(図に「ΔT1」で示す)が最も長くなる。この到達時間の次に、第2検出面44cで反射された超音波の到達時間(図に「ΔT2」で示す)が長く、その次に、第3検出面44eで反射された超音波の到達時間(図に「ΔT3」で示す)が長くなる。
このような到達時間変化波形に基づいて、図3に示す処理装置100の回転速度算出部120は、超音波受信部33が、第1検出面44aで反射された超音波の到達時間ΔT1を受信してから、再び到達時間ΔT1を受信するまでに要した時間を算出することにより、回転軸部22Bの回転速度を算出することができる。なお、回転速度算出部120が、時間間隔Gを検出してから、再び時間間隔Gを検出するまでに要した時間を算出することにより、回転軸部22Bの回転速度を算出することも可能である。
加えて、処理装置100の回転方向判定部122は、到達時間変化波形(図15参照)に基づいて、回転軸部22Bが回転している向き、すなわち回転方向を判定することができる。回転軸部22Bが、図に矢印C1で示す所定の回転方向に回転している場合には、図15に示すように、最も長い到達時間ΔT1が超音波受信部33に受信された直後に、その次に長い到達時間ΔT2が受信され、その直後に、到達時間ΔT3が受信される。このように、到達時間ΔTが長い順に受信された場合、回転方向判定部122は、回転軸部22Bが、所定の回転方向に回転しているものと判定する。
一方、図15に示す到達時間変化波形とは異なり、第3検出面44eにより反射された超音波の到達時間ΔT3が受信された直後に、到達時間ΔT2が受信され、その後に、最も長い到達時間ΔT1が受信された場合には、回転方向判定部122は、回転軸部22Bが、所定の回転方向とは逆向きに回転しているものと判定する。
なお、回転方向判定部122は、図15に示す到達時間変化波形において、時間間隔Iを検出した後に、より短い時間間隔Gを検出した場合や、当該時間間隔Gを検出した後に、さらに短い時間間隔Hを検出した場合に、回転軸部22Bが所定の回転方向に回転しているものと判定することもできる。一方、時間間隔Gが検出された後に、より長い時間間隔Iが検出された場合や、時間間隔Hが検出された後に、より長い時間間隔Gが検出された場合には、回転方向判定部122は、回転軸部22Bが、所定の回転方向とは逆向きに回転しているものと判定することもできる。以上のようにして、本実施形態の監視システムにおいては、処理装置100の回転方向判定部122が、回転軸部22Bすなわち回転機械10のロータが回転している向き(回転方向)を判定することができる。
以上に説明したように本実施形態において、検出面44a,44c,44eは、前記回転軸部22Bの周方向に複数配列されており、処理装置100は、検出面44a,44c,44eで反射されて超音波受信部33により受信された超音波に基づいて、回転軸部22Bが回転する向きを判定する回転方向判定部122を、さらに備えるものとした。このように構成された監視システムにおいては、回転軸部22Bの回転速度だけでなく、回転軸部22Bが回転している方向や、回転軸部22Bの回転角位置を検出することが可能となる。
また、本実施形態において、検出面44a,44c,44eは、回転軸部22Bの周方向に不等間隔をあけて3つ設けられているものとした。不等間隔をあけて3つ設けることにより、回転軸部22Bが回転している方向を判定可能としつつ、検出面44a,44c,44eすなわちリセス40a,40c,40eを回転軸部22Bに形成する個数を、最小限ものとすることができる。
また、本実施形態において、検出面44a,44c,44eは、回転軸部22Bの軸心からの径方向距離が、それぞれ異なるよう構成されているものとした。検出面44a,44c,44eごとに、超音波受信部33により受信された超音波の到達時間が異なるため、検出面で反射された超音波の到達時間を示すパルス波形が、どの検出面により反射されたものであるかを、精度良く検出することができる。
〔第3の実施形態〕
本実施形態の監視システムについて、図16〜図21を用いて説明する。図16は、本実施形態の監視システムの概略構成を示す説明図である。なお、図16において、回転機械は、その回転中心軸に直交する横断面が示されている。図17は、本実施形態の回転軸部の検出面と、超音波送受信装置との配置関係を示す上面図である。なお、図17において、回転機械のケーシングは、回転中心軸を含み、且つ超音波送受信装置を通る縦断面が示されている。図18は、本実施形態の回転軸部の軸心を含む縦断面図である。なお、図17は、回転軸部が軸方向に変位していない場合、すなわち所定の位置にある場合を示しており、図18は、回転軸部が、所定の位置から軸方向に変位した場合を示している。
図19は、本実施形態の監視システムのハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。図20は、本実施形態の超音波受信部が受信した超音波受信波の時間変化と、超音波受信波の受信レベルを示すグラフである。図21は、本実施形態の超音波受信部が受信した超音波受信波の受信レベルの時間変化を示すグラフである。
本実施形態においては、回転軸部に、外周面に比べて径方向外側に突出する突出部が形成されており、当該突出部の表面が、上述した検出面となっている点で、第1の実施形態と異なっており、以下に詳細を説明する。なお、第1の実施形態と略共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図16に示すように、本実施形態の監視システム1Cにおいて、回転軸部22Cには、その外周面24から径方向外側に突出する部分(以下、突出部と記す)50が形成されている。突出部50のうち超音波送受信装置30に対向する表面は、超音波送受信装置30が発した超音波を反射可能な検出面55となっている。
図16及び図17に示すように、検出面55は、回転中心軸(図に一点鎖線Aで示す)に直交し、且つX軸(図に一点鎖線Xで示す)を含む面上に配置されている。換言すれば、本実施形態の超音波送受信装置30は、回転中心軸を中心として検出面55の径方向外側に配置されている。本実施形態において、突出部50及びその検出面55は、回転軸部22Cの軸心を中心として周方向に延びている。より具体的には、突出部50及びその検出面55は、回転軸部22の軸心を中心として環状に延びている。このように構成された検出面55は、回転軸部22Cが回転しているとき、常に、ケーシング12を挟んで超音波送受信装置30と対向することが可能となっている。
本実施形態において、検出面55は、回転軸部22Cの軸心からの径方向距離が、回転軸部22Cの外周面24に比べて長くなるよう構成されている。例えば、検出面55が超音波送受信装置30と対向しているとき、検出面55と超音波送受信装置30との距離は、外周面24と超音波送受信装置30との距離に比べて長くなるように回転軸部22Cは構成されている。
また、検出面55は、図17及び図18に示すように、回転軸部22Cを構成する面のうち、回転軸部22Cの軸心を含む断面において、径方向外側に凸となって湾曲している面である。回転軸部22Cが、図18に矢印Dで示すように、所定の位置から軸方向に変位している場合、検出面55のうち、超音波が入射する領域(以下、入射領域と記す)55aは、超音波送受信装置30が発した超音波の伝播方向(図に矢印S3で示す)対して傾きを有することとなる。
検出面55は、径方向外側に凸となって湾曲しているため、回転軸部22Cが所定の位置から軸方向に変位すると、検出面55の入射領域が変わり、超音波の伝播方向に対して入射領域が超音波を反射する角度が変化する。この角度の変化に応じて、検出面55で反射されて超音波送受信装置30が受信する超音波の振幅(以下、受信レベルと記す)が変化することとなる。
図16及び図19に示すように、本実施形態の監視システム1Cにおいて、処理装置100Cは、到達時間算出部104において到達時間算出すると共に、当該受信波の振幅である受信レベルを、受信レベル算出部108が算出する。回転軸部22Cが軸方向に変動している場合、図20及び図21に示すように、超音波送信部32(図19参照)が周期的に超音波を発するタイミングt=t1,t2,t3,t4,t5(すなわち回転軸部22Cの回転角位置)に応じて、受信レベルMは、それぞれ、M1,M2,M3,M4,M5,M6と変化する。
受信レベルMは、回転軸部22Cが、所定の位置(図17参照)から軸方向に変位していない場合は、図20及び図21にM3で示すように比較的大きい。一方、回転軸部22Cが所定の位置から軸方向に変位する(例えば、図18参照)に従って、受信レベルMは、例えば図20にM4及びM5で示すように低下する。
受信レベルに対する回転軸部22Cの軸方向の変位は、予め実験やシミュレーションにより求められており、記憶装置150に予め記憶されている。処理装置100Cの軸方向変位算出部140は、受信レベル算出部108により算出された受信レベルと、記憶装置150に記憶された受信レベルに対する軸方向の変位に基づいて、回転軸部22Cすなわち回転機械10のロータの軸方向の変位を算出することができる。
なお、本実施形態の処理装置100Cにおいても、図20に示す到達時間ΔTの時間変化に基づいて、径方向変位算出部110が、第1の実施形態と同様にして、回転軸部22Cの径方向の変位を算出することが可能である。
以上に説明したように、本実施形態の回転軸部22Cには、外周面24に比べて径方向外側に突出する突出部50が形成されており、検出面55は、当該突出部50を画定する面のうち、回転軸部22Cの軸心を含む断面において、径方向外側に凸となって湾曲している面である。処理装置100Cは、当該検出面55で反射されて前記超音波受信部33により受信された超音波に基づいて、当該回転軸部22Cの軸方向の変位を算出する軸方向変位算出部140をさらに備えるものとした。超音波受信部33が受信した超音波の振幅すなわち受信レベルに応じて、回転軸部22Cの軸方向の変位を求めることができる。
また、本実施形態の回転軸部22Cにおいては、突出部50および検出面55は、回転軸部22Cの軸心を中心として周方向に延びているものとした。回転軸部22Cが1回転する間のうち検出面55が超音波を反射できる時間が比較的長くなるので、回転軸部22Cの軸方向の変位を精度良く検出することができる。
なお、本実施形態において、突出部50及びその表面を画定する検出面55は、回転軸部22Cの軸心を中心として環状に延びているものとしたが、本発明に係る突出部の形態は、これに限定されるものではない。突出部は、回転軸部の外周面に比べて径方向外側に突出していれば良い。
例えば、図22に示す変形例の回転軸部のように、複数の突出部50a,50c、50eを、周方向に配列することも好適である。突出部50a,50c,50eの表面が、それぞれ検出面55a,55c,55eとなる。この変形例の場合、軸方向変位算出部140が回転軸部22Dの軸方向の変位を算出するだけでなく、処理装置100Bの回転速度算出部120が、超音波受信波の波形に基づいて回転軸部22Dの回転速度を算出することができる。加えて、回転方向判定部122が、回転軸部22Dが回転している向きを判定することも可能である。
〔他の実施形態〕
上述した実施形態において、超音波送受信装置30,31(図1参照)を構成するセンサが劣化した場合や、超音波センサ32a,33a(図12参照)が劣化した場合等においては、算出された変位量の校正が必要となる。上述した実施形態のように、超音波を用いて距離を計測している場合は、上述した到達時間と、超音波が伝播する媒体の音速により当該距離を算出している。正確な距離を計測するためには、当該音速の値を正しく設定する必要がある。
そこで、図23に示すように、リセス40の深さすなわち外周面24から検出面44までの径方向距離と、検出面44で反射された到達時間のパルス波形(図24に「深さに該当する部分」で示す)から音速を算出することにより、変位量の校正を行うことができる。図23に(a)で示すように、検出面44で超音波を反射した場合と、図23に(b)で示すように外周面24で超音波を反射させた場合で到達時間を比較することにより、回転軸部の径方向変位や軸方向変位を正しく算出することが可能となる。また、上述した音速と媒体の温度との関係を予め求めておくことで、当該関係と媒体中の音速から、通路15(図1参照)を流れる流体の温度を検出できる。
なお、上述した実施形態の監視システムにおいて、処理装置は、回転軸部の回転状態、すなわち、回転速度、径方向の変位、軸方向の変位等を演算処理するものとしたが、処理装置が演算処理するものは、上述した回転軸部の回転状態に限定されるもではない。
なお、上述した各実施形態において、回転軸部は、回転中心軸を軸心とする略円筒形状に構成されているものとしたが、本発明に係る回転軸部の形状は、これに限定されるものではない。本発明に係る回転軸部は、その外周面が回転中心軸を軸心とする略円筒形状をなしていれば良い。例えば、回転軸部は、略円柱形状をなしているものとしても良い。
また、上述した各実施形態において、回転機械は、機械的エネルギーを流体の運動エネルギーに変換するポンプであるものとしたが、本発明に係る監視技術が適用可能な回転機械は、これに限定されるものではない。本発明に係る監視技術は、ケーシング内においてロータが回転する回転機械であれば適用することができる。本発明に係る監視技術は、遠心式、斜流式、軸流式等、様々なターボ形流体機械に適用することができ、例えば、ガスタービンやターボ圧縮機等に適用することができる。
また、上述した各実施形態の回転機械は、ケーシングとロータとの間に形成される通路を流れる流体と、当該ロータとの間においてエネルギーの変換を連続的に行うターボ形流体機械であるものとしたが、本発明に係る回転機械の形態は、これに限定されるものではない。本発明に係る監視技術は、ターボ形流体機械以外であっても、ケーシング内においてロータが回転し、且つケーシングとロータとの間に形成された通路を流体が流れるものであれば、適用することができる。さらに回転軸部であるロータは円筒形状だけでなく、円柱形状であってもよい。
また、上述した実施形態の処理装置は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に記載したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、上述した実施形態の処理装置の構成の一部を他の構成に置き換えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
また、上述した処理装置の各構成、機能、例えば処理装置、記憶装置等は、それらの一部又は全部を、例えば、集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良い。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することにより、ソフトウェアで実現しても良い。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク等の記憶装置、または、SDカードやDVD等の記録媒体におくことができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態はその他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明と均等の範囲に含まれる。
1,1C 監視システム
10 回転機械
12 ケーシング
15 通路
22,22B,22C,22D 回転軸部
24 外周面
30,31 超音波送受信装置
32 超音波送信部
33 超音波受信部
40,40B リセス
44,44B 検出面
46 第1底面
47 第2底面
50 突出部
55 検出面
100,100B,100C 処理装置
102 A/D変換部
104 到達時間算出部
106 信号分離部
108 受信レベル算出部
110 径方向変位算出部
120 回転速度算出部
122 回転方向判定部
130 回転機械状態判定部
140 軸方向変位算出部
150 記憶装置
160 表示装置

Claims (11)

  1. 回転機械を構成するケーシング内に設けられ、当該回転機械を構成するロータのうち、その軸心を中心として略円筒状または円柱形状をなす外周面を有する部分である回転軸部と、
    前記ケーシング外に設けられ、当該ケーシングを通して前記回転軸部に向けて超音波を発する超音波送信部と、
    前記ケーシング外に設けられ、前記回転軸部により反射された超音波を、当該ケーシングを通して受信する超音波受信部と、
    当該超音波受信部により受信された超音波受信波に基づいて、前記回転軸部の回転状態を算出する処理装置と、
    を備え、
    前記回転軸部には、その軸心からの径方向距離が前記外周面に比べて異なるよう構成されており且つ前記超音波送信部から発せられた超音波を前記超音波受信部に向けて反射可能な検出面が、形成されており、
    前記検出面により反射された超音波と外周面で反射された超音波とを超音波受信部が受信し、これら超音波受信波に基づいて前記回転軸部の回転状態を前記処理装置が算出するものであり、
    前記処理装置は、
    前記超音波送信部から発信された超音波が、前記回転軸部で反射され、当該反射された超音波が前記超音波受信部に到達して受信されるまでの時間の長さである到達時間を算出する到達時間算出部と、
    当該到達時間算出部により算出された到達時間の時間変化に基づいて、前記検出面で反射された超音波による検出面信号を、前記到達時間の閾値判定により分離する信号分離部と、
    当該信号分離部により分離された検出面信号に基づいて、前記回転軸部の回転速度を算出する回転速度算出部と、
    を有し、
    前記回転速度算出部は、前記回転軸部の1回転ごとに検出される検出面信号の時間間隔に基づいて前記回転軸部の回転速度を算出する
    ことを特徴とする回転機械の監視システム。
  2. 前記検出面は、前記回転軸部の周方向において1か所のみ形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転機械の監視システム。
  3. 前記処理装置は、
    前記信号分離部により前記信号が分離された到達時間の時間変化に基づいて、前記回転軸部の径方向の変位を算出する径方向変位算出部を、
    さらに備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転機械の監視システム。
  4. 前記回転軸部には、前記外周面に比べて径方向内側に凹むリセスが形成されており、
    前記検出面は、当該リセスの底を画定する面である
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の回転機械の監視システム。
  5. 回転機械を構成するケーシング内に設けられ、当該回転機械を構成するロータのうち、その軸心を中心として略円筒状または円柱形状をなす外周面を有する部分である回転軸部と、
    前記ケーシング外に設けられ、当該ケーシングを通して前記回転軸部に向けて超音波を発する超音波送信部と、
    前記ケーシング外に設けられ、前記回転軸部により反射された超音波を、当該ケーシングを通して受信する超音波受信部と、
    当該超音波受信部により受信された超音波受信波に基づいて、前記回転軸部の回転状態を算出する処理装置と、
    を備え、
    前記検出面は、前記回転軸部の周方向に不等間隔をあけて3つ配列されており、
    前記処理装置は、
    前記超音波送信部から発信された超音波が前記回転軸部で反射されて前記超音波受信部に到達して受信されるまでの到達時間を用いて、当該超音波受信部が受信した信号のうち当該検出面からの信号を検出するものであり、
    当該検出面からの信号が受信される時間間隔と、3つの前記検出面の周方向における間隔とに基づいて、当該回転軸部が回転する向きを判定する回転方向判定部を、さらに備える
    ことを特徴とする回転機械の監視システム。
  6. 回転機械を構成するケーシング内に設けられ、当該回転機械を構成するロータのうち、その軸心を中心として略円筒状または円柱形状をなす外周面を有する部分である回転軸部と、
    前記ケーシング外に設けられ、当該ケーシングを通して前記回転軸部に向けて超音波を発する超音波送信部と、
    前記ケーシング外に設けられ、前記回転軸部により反射された超音波を、当該ケーシングを通して受信する超音波受信部と、
    当該超音波受信部により受信された超音波受信波に基づいて、前記回転軸部の回転状態を算出する処理装置と、
    を備え、
    前記回転軸部には、その軸心からの径方向距離が前記外周面に比べて異なるよう構成されており且つ前記超音波送信部から発せられた超音波を前記超音波受信部に向けて反射可能な検出面が、形成されており、
    前記検出面により反射された超音波と外周面で反射された超音波とを超音波受信部が受信し、これら超音波受信波に基づいて前記回転軸部の回転状態を前記処理装置が算出するものであり、
    前記検出面は、前記回転軸部の周方向に複数配列されており、
    前記処理装置は、
    当該検出面で反射されて前記超音波受信部により受信された超音波に基づいて、当該回
    転軸部が回転する向きを判定する回転方向判定部を、さらに備え、
    前記検出面は、前記回転軸部の軸心からの径方向距離が、それぞれ異なるよう構成されている
    ことを特徴とする回転機械の監視システム。
  7. 回転機械を構成するケーシング内に設けられ、当該回転機械を構成するロータのうち、その軸心を中心として略円筒状または円柱形状をなす外周面を有する部分である回転軸部と、
    前記ケーシング外に設けられ、当該ケーシングを通して前記回転軸部に向けて超音波を発する超音波送信部と、
    前記ケーシング外に設けられ、前記回転軸部により反射された超音波を、当該ケーシングを通して受信する超音波受信部と、
    当該超音波受信部により受信された超音波受信波に基づいて、前記回転軸部の回転状態を算出する処理装置と、
    を備え、
    前記回転軸部には、その軸心からの径方向距離が前記外周面に比べて異なるよう構成されており且つ前記超音波送信部から発せられた超音波を前記超音波受信部に向けて反射可能な検出面が、形成されており、
    前記検出面により反射された超音波と外周面で反射された超音波とを超音波受信部が受信し、これら超音波受信波に基づいて前記回転軸部の回転状態を前記処理装置が算出するものであり、
    前記回転軸部には、前記外周面に比べて径方向内側に凹むリセスが形成されており、
    前記検出面は、当該リセスの底を画定する面であり、
    前記検出面は、
    前記リセスの底を画定する面である第1底面と、
    周方向において第1底面と隣り合って設けられ、前記回転軸部の軸心からの径方向の距離が、第1底面に比べて長くなるよう構成された面である第2底面と、
    を含み、
    前記処理装置は、
    第1底面で反射されて前記超音波受信部により受信された超音波と、第2底面で反射されて前記超音波受信部により受信された超音波に基づいて、当該回転軸部が回転する向きを判定する回転方向判定部を
    さらに備えることを特徴とする回転機械の監視システム。
  8. 前記回転軸部には、前記外周面に比べて径方向外側に突出する突出部が形成されており、
    前記検出面は、当該突出部を画定する面のうち、前記回転軸部の軸心を含む断面において、径方向外側に凸となって湾曲している面であり、
    前記処理装置は、
    当該検出面で反射されて前記超音波受信部により受信された超音波に基づいて、当該回転軸部の軸方向の変位を算出する軸方向変位算出部を、
    さらに備えることを特徴とする請求項に記載の回転機械の監視システム。
  9. 前記検出面は、前記回転軸部の軸心を中心として周方向に延びている
    ことを特徴とする請求項に記載の回転機械の監視システム。
  10. 前記検出面は、前記回転軸部の周方向に複数配列されており、
    前記処理装置は、前記軸方向変位算出部が当該回転軸部の軸方向の変位を算出すると共に、前記回転速度算出部が回転軸部の回転速度を算出する
    ことを特徴とする請求項に記載の回転機械の監視システム。
  11. 回転機械を構成するケーシング外から、当該ケーシングを通して、当該回転機械を構成するロータのうち、その軸心を中心として略円筒状または円柱形状をなす外周面を有する部分である回転軸部に向けて超音波送信部が超音波を発し、前記回転軸部により反射された超音波を、前記ケーシングを通して、当該ケーシング外に設けられた超音波受信部が受信し、受信された超音波受信波に基づいて、前記回転軸部の回転状態を処理装置が算出する、回転機械の監視方法であって、
    前記回転軸部には、その軸心からの径方向距離が前記外周面に比べて異なるよう構成されており、且つ前記超音波送信部から発せられた超音波を前記超音波受信部に向けて反射可能な検出面が、形成されており、
    前記超音波受信部は、前記検出面により反射された超音波と外周面で反射された超音波とを受信し、
    前記処理装置は、受信された超音波受信波に基づいて前記回転軸部の回転状態を算出するものであり、
    前記処理装置により、
    前記超音波送信部から発信された超音波が、前記回転軸部で反射され、当該反射された超音波が前記超音波受信部に到達して受信されるまでの時間の長さである到達時間を算出するステップと、
    算出された到達時間の時間変化に基づいて、前記検出面で反射された超音波による検出面信号を、前記到達時間の閾値判定により分離するステップと、
    分離された検出面信号の時間間隔に基づいて、前記回転軸部の回転速度を算出するステップと、を含み、
    前記回転速度を算出するステップは、前記回転軸部の1回転ごとに検出される検出面信号の時間間隔に基づいて前記回転軸部の回転速度を算出する
    ことを特徴とする回転機械の監視方法
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