JP7372781B2 - 液面検出装置、液面検出方法及び液面検出プログラム - Google Patents

液面検出装置、液面検出方法及び液面検出プログラム Download PDF

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Description

本発明は、容器内の液体の液面を検出する技術に関する。
従来、例えばヘリコプターにおいては、トランスミッション内の潤滑油量を、潤滑系統の油圧により間接的に監視している。しかし、潤滑油量を直接的には監視していないため、仮に潤滑油が漏洩していた場合にこれを直ちには検知できず、ドライランに至ってしまうおそれがある。
そこで、潤滑油を収容するケース(容器)の内側に油量計又は油面計を設け、これにより潤滑油の油量又は油面高さを検出することが考えられる(例えば、特許文献1参照)。
特開2008-014267号公報
しかしながら、容器の内側に計測器を設けるのは、トランスミッションの改修を要することや、点検・交換に手間が掛かること等、困難な点が多い。
そのため、油量又は油面高さを容器の外部から精度良く検出できることが望ましい。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、液体を収容する容器の外部から好適に液面高さを検出することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、液面検出装置であって、
液体を収容した容器を加振して超音波振動を発生させる振動子と、
前記振動子から発振されて前記容器を伝播する振動波を検出する振動センサと、
前記振動子の動作を制御するとともに、前記振動センサの検出信号を演算処理する制御手段と、
を備え、
前記振動子及び前記振動センサは、前記容器内の液面を上下に挟むように前記容器の壁外面に配置され、
前記制御手段は
前記振動子により、所定の周波数帯域に亘る超音波振動を発生させ、
前記振動センサが検出した振動波のうち、所定の周波数よりも高い高周波成分に基づいて前記液面の高さとして当該高さのノミナル値を算出し、所定の周波数よりも低い低周波成分に基づいて前記ノミナル値を補正する、
ことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液面検出装置において、
前記容器内の液体の温度を計測する温度センサを備え、
前記制御手段は、算出した前記液面の高さを、前記温度センサが計測した温度に基づいて補正する、
ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の液面検出装置において、
前記振動子は、傾斜していない常態の前記容器における平面位置が互いに異なるように少なくとも3つ設けられ、
前記振動センサは、前記少なくとも3つの振動子に対応させて、前記平面位置が互いに異なるように少なくとも3つ設けられている、
ことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の液面検出装置において、
前記制御手段は、前記少なくとも3つの振動子により、互いに異なる周波数で前記容器を加振させる、
ことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1~4のいずれか一項に記載の液面検出装置において、
航空機に搭載され、当該航空機の潤滑油溜まり内の潤滑油の液面の検出、又は燃料タンク内の燃料の液面の検出を行う、
ことを特徴とする。
請求項6及び請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の液面検出装置と同様の特徴を具備する液面検出方法及び液面検出プログラムである。
本発明によれば、振動子及び振動センサが容器内の液面を上下に挟むように容器の壁外面に配置され、振動子から発振されて振動センサに検出された超音波振動の振動波に基づいて、液面の高さが算出される。
これにより、液体を収容する容器の外部から、好適に液面高さを検出することができる。
第1実施形態に係る診断システムの診断対象であるトランスミッションAssyを示す断面図である。 第1実施形態に係る診断システムの概略の機能構成を示すブロック図である。 第1実施形態における液面検出処理の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態における液面検出処理での液面高さの検出原理を説明するための図である。 第2実施形態に係る診断システムの診断対象である航空機の燃料タンクを示す図であって、(a)が航空機の外観図、(b)が燃料タンクのタンク室を示す図である。 第2実施形態に係る診断システムの概略の機能構成を示すブロック図である。 第2実施形態における液面検出処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態におけるタンク室内の液面が揺動した状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[1.第1実施形態]
<1-1 診断システムの構成>
まず、本発明の第1実施形態に係る診断システム10の構成について説明する。
図1は、診断システム10の診断対象であるトランスミッションAssy20を示す断面図であり、図2は、診断システム10の概略の機能構成を示すブロック図である。
第1実施形態に係る診断システム10は、本発明に係る液面検出装置の一例であり、図示しないヘリコプターに搭載されて、このヘリコプターのトランスミッションAssy20内の潤滑油量を監視するシステムである。
トランスミッションAssy20は、エンジンの出力を適切な回転数や角度に変換してローターへ伝達するものであり、回転数や角度等の変換を行うギヤとそれを支持するベアリングとを備えている。また、トランスミッションAssy20は、図1に示すように、これらのギヤやベアリングを潤滑する潤滑油30用の図示しないポンプのほか、潤滑油30を収容するオイルサンプ23を有している。オイルサンプ23は金属又は複合材で構成されている。
具体的に、診断システム10は、図1及び図2に示すように、アクチュエータ11と、振動センサ12と、温度センサ13と、制御装置14とを備えて構成されている。
アクチュエータ11は、オイルサンプ23に振動を加えるものであり、オイルサンプ23の壁外面の上端に取り付けられている。
振動センサ12は、アクチュエータ11から発振されてオイルサンプ23を伝播する振動波を検出するものであり、本実施形態では、超音波振動を検知する光ファイバセンサである。この振動センサ12は、アクチュエータ11に対応した位置に配置される。具体的に、振動センサ12は、アクチュエータ11との間で潤滑油30の液面30aを上下に挟むように、オイルサンプ23の壁外面のうち、アクチュエータ11の下方に位置する下端に取り付けられている。
温度センサ13は、オイルサンプ23の壁外面下側に取り付けられ、オイルサンプ23の壁面温度を計測する。この温度センサ13は、オイルサンプ23の壁面温度から、間接的に潤滑油30の温度を取得するためのものである。
制御装置14は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ(記憶装置)等を備えたコンピュータであり、診断システム10の各部を中央制御する。具体的に、制御装置14は、パイロットによる操作や所定のプログラムに基づいて、アクチュエータ11の動作を制御したり、振動センサ12や温度センサ13からの検出信号を演算処理してオイルサンプ23内の液面30aの高さを算出したりする。
また、制御装置14には、後述の液面検出処理を実行するための液面検出プログラム141が予め記憶されている。
<1-2 診断システムによる液面検出処理>
続いて、診断システム10がオイルサンプ23内の液面30aを検出して潤滑油30の過不足を判定する液面検出処理について説明する。
図3は、この液面検出処理の流れを示すフローチャートであり、図4は、液面検出処理における液面30aの高さの検出原理を説明するための図である。
第1実施形態における液面検出処理は、オイルサンプ23内の潤滑油30の液面30aの高さを検出し、健全な量の潤滑油30を保持できているか否かを診断する処理である。この液面検出処理は、制御装置14が液面検出プログラム141を読み出して展開することで実行される。
図3に示すように、液面検出処理が実行されると、まず制御装置14は、潤滑油30の温度を取得する(ステップS1)。
具体的に、制御装置14は、温度センサ13によりオイルサンプ23の壁面温度を取得し、この壁面温度に基づいて潤滑油30の温度を算出する。この温度の算出は、予め取得した壁面温度と潤滑油温との関係を表す関係式又はテーブル等を用いて行ってもよいし、伝熱計算を行って求めてもよい。
なお、このステップでの潤滑油30の温度の取得は、後述のステップS4における液面30aの高さの算出までに行われていればよい。
次に、制御装置14は、アクチュエータ11を駆動してオイルサンプ23に振動を加える(ステップS2)。ここでは、制御装置14は、所定の周波数レンジに亘る広帯域の超音波振動(ラム波)を発生させる。
次に、制御装置14は、振動センサ12により、アクチュエータ11から発振されてオイルサンプ23を伝わる振動波を検出する(ステップS3)。
次に、制御装置14は、ステップS1で取得した潤滑油30の温度と、ステップS3で検出した振動波とに基づいて、潤滑油30の液面30aの高さを算出する(ステップS4)。
このステップでは、制御装置14は、まず、ステップS3で検出した振動波にフィルタ処理を施し、所定の周波数よりも高い所定の周波数帯を持つ高周波成分と、所定の周波数よりも低い所定の周波数帯を持つ低周波成分とを抽出する。高周波成分及び低周波成分それぞれの閾値となる所定の周波数や周波数帯幅は、異なっていてもよい。
それから、制御装置14は、このうちの高周波成分に基づいて、潤滑油30の液面30aの高さのノミナル値を算出する。オイルサンプ23を伝搬する振動波は、油量が多いと減衰が大きく、油量が少ないと減衰が小さい(図4(a)、(b)参照)。また一般に、高周波の振動は減衰しやすく指向性が高いため、液面30aを検知しやすい。そこで、検出した振動波のうちの高周波成分から、潤滑油30の液面30aの大まかな位置をノミナル値として求める。このときの液面30aの高さ(のノミナル値)の算出手法は特に限定されず、例えば、振動波の波形と液面30aの高さとの相関データを予め取得しておき、これを用いて算出すること等とすればよい。
そして、制御装置14は、ステップS1で取得した潤滑油30の温度と、検出した振動波のうちの低周波成分とに基づいて、液面30aの高さのノミナル値を補正する。潤滑油30は温度に応じて粘度が変化し、振動波の伝搬しやすさも変わる。また、低周波の振動は、高周波に比べて減衰しにくいが温度の影響を受けやすいため、低周波成分からは潤滑油30の温度影響に関するより正確な情報が得られる。そこで、振動波のうちの低周波成分と、潤滑油30の温度とに基づいて、液面30aの高さのノミナル値を、温度による変化分だけ補正する。このときの補正手法は、例えば、潤滑油30の温度と振動波形との相関データを予め取得しておき、これを用いて補正すればよい。
こうして、潤滑油30の温度の影響が加味された、より正確な液面30aの高さが算出される。
次に、制御装置14は、ステップS4で算出した液面30aの高さが所定の閾値よりも低いか否かを判定する(ステップS5)。このときの閾値は、例えばドライランが発生する油量範囲の上限値である。
そして、液面30aの高さが所定の閾値よりも高いと判定した場合(ステップS5;No)、制御装置14は、潤滑油30が所要の油量を満足していると判断し、後述のステップS7に処理を移行する。
また、ステップS5において、液面30aの高さが所定の閾値よりも低いと判定した場合には(ステップS5;Yes)、制御装置14は、潤滑油30が所要の油量に足りていないと判断し、パイロットに潤滑油30の不足を警告する(ステップS6)。
次に、制御装置14は、液面検出処理を終了させるか否かを判定し(ステップS7)、終了させないと判定した場合には(ステップS7;No)、上述のステップS1へ処理を移行する。そして、液面検出処理を終了させると判定されるまで、液面30aの高さ(すなわち油量)の算出とその過不足の判定とが繰り返され、潤滑油30の油量の監視が続けられる。
一方、例えば機体の停止等により液面検出処理を終了させると判定した場合には(ステップS7;Yes)、制御装置14は、液面検出処理を終了させる。
以上のように、本発明の第1実施形態によれば、アクチュエータ11及び振動センサ12がオイルサンプ23内の潤滑油30の液面30aを上下に挟むようにオイルサンプ23の壁外面に配置され、アクチュエータ11から発振されて振動センサ12に検出された超音波振動の振動波に基づいて、液面30aの高さが算出される。
これにより、潤滑油30を収容するオイルサンプ23の外部から、好適に液面30aの高さを検出することができる。ひいては、アクチュエータ11及び振動センサ12を潤滑油30と非接触にできるので、トランスミッションAssy20の整備性を向上させることができる。
また、第1実施形態によれば、実測された潤滑油30の温度に基づいて液面30aの高さが補正されるので、温度の影響を加味したより正確な液面30aの高さを算出することができる。
また、第1実施形態によれば、振動センサ12が検出した振動波のうち、高周波成分に基づいて液面30a高さのノミナル値が算出され、低周波成分に基づいて当該ノミナル値が補正される。つまり、高周波成分により液面の大まかな位置が検出され、温度の影響を受けやすい低周波成分によりこの位置が補正される。
これにより、温度の影響を加味したさらに正確な液面30aの高さを算出することができる。
[2.第2実施形態]
続いて、本発明の第2実施形態に係る診断システム40について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
この第2実施形態における診断システム40は、主に、液面の揺動を検知できる点で、上記第1実施形態のものと異なる。
<2-1 診断システムの構成>
まず、第2実施形態に係る診断システム40の構成について説明する。
図5は、診断システム40の診断対象である航空機50の燃料タンク52を示す図であって、(a)が航空機50の外観図、(b)が燃料タンク52のうちのタンク室53を示す模式図である。また、図6は、診断システム40の概略の機能構成を示すブロック図である。
第2実施形態に係る診断システム40は、本発明に係る液面検出装置の一例であり、航空機50に搭載されて、この航空機50の燃料タンク52内の燃料油量を監視するシステムである。
燃料タンク52は、図5(a)に示すように、航空機50の胴体51内に設置され、内部に燃料を収容している。この燃料タンク52は、複数のタンク室53に区画されている。各タンク室53は、区画壁に設けられた孔部により、隣り合うタンク室53と内部を連通させている。また、燃料タンク52は金属又は複合材で構成されている。
具体的に、診断システム40は、図5(b)及び図6に示すように、3つのアクチュエータ41(41a~41c)と、3つの振動センサ42(42a~42c)と、温度センサ43と、制御装置44とを備えて構成されている。
なお、3つのアクチュエータ41、3つの振動センサ42及び温度センサ43は、複数のタンク室53の各々に設けられるものであるが、以下では、1つのタンク室53のみに設けられて当該タンク室53の液面検出に用いられるものとして説明する。
3つのアクチュエータ41は、燃料タンク52(タンク室53)に振動を加えるものである。これら3つのアクチュエータ41は、タンク室53内における燃料60の液面60aの揺動を検知できるように、傾斜していない常態のタンク室53における互いに異なる平面位置(鉛直方向と直交する水平面内における位置)に取り付けられている。具体的には、3つのアクチュエータ41のうちの第1アクチュエータ41aがタンク室53の前壁外面53aの右端上端に、第2アクチュエータ41bがタンク室53の前壁外面53aの左端上端に、第3アクチュエータ41cがタンク室53の後壁外面53bの中央上端に、それぞれ設置されている。
なお、3つのアクチュエータ41の位置は、常態のタンク室53における互いに異なる水平面内の位置であればよく、本実施形態のものに限定されない。さらに言えば、アクチュエータ41は、このような位置に配置された3つを含んでいれば、その数量は特に限定されない。
3つの振動センサ42は、燃料タンク52(タンク室53)を伝播する振動波を検出するものであり、本実施形態では、超音波振動を検知する光ファイバセンサである。これら3つの振動センサ42は3つのアクチュエータ41に対応しており、各々が対応するアクチュエータ41の下方に配置される。具体的には、3つの振動センサ42のうちの第1振動センサ42aがタンク室53の前壁外面53aの右端下端に、第2振動センサ42bがタンク室53の前壁外面53aの左端下端に、第3振動センサ42cがタンク室53の後壁外面53bの中央下端に、それぞれ設置されている。
なお、3つの振動センサ42は、3つのアクチュエータ41に対応させて、常態のタンク室53における平面位置(水平面内の位置)が互いに異なるように設けられていればよく、本実施形態の位置に限定されない。さらに言えば、振動センサ42は、3つのアクチュエータ41に対応付けられた3つを含んでいれば、その数量は特に限定されない。
温度センサ43は、燃料タンク52(タンク室53)の壁外面下側に取り付けられ、当該タンク室53の壁面温度を計測する。この温度センサ43は、タンク室53の壁面温度から、間接的に燃料60の温度を取得するためのものである。
制御装置44は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ(記憶装置)等を備えたコンピュータであり、診断システム40の各部を中央制御する。具体的に、制御装置44は、パイロットによる操作や所定のプログラムに基づいて、3つのアクチュエータ41の動作を制御したり、3つの振動センサ42や温度センサ43からの検出信号を演算処理して燃料タンク52内の液面60aの高さを算出したりする。
また、制御装置44には、後述の液面検出処理を実行するための液面検出プログラム441が予め記憶されている。
<2-2 診断システムによる液面検出処理>
続いて、診断システム40が燃料タンク52(タンク室53)内の液面60aを検出して燃料60の過不足を判定する液面検出処理について説明する。
図7は、この液面検出処理の流れを示すフローチャートであり、図8は、タンク室53内の潤滑油30の液面30aが揺動した状態を示す図である。
第2実施形態における液面検出処理は、燃料タンク52(タンク室53)内の燃料60の液面60aの高さを検出し、健全な量の燃料60を保持できているか否かを診断する処理である。この液面検出処理は、制御装置44が液面検出プログラム441を読み出して展開することで実行される。
図7に示すように、液面検出処理が実行されると、まず制御装置44は、燃料60の温度を取得する(ステップT1)。
具体的に、制御装置44は、上記第1実施形態の液面検出処理におけるステップS1と同様にして燃料60の温度を取得する。すなわち、制御装置44は、温度センサ43によりタンク室53の壁面温度を取得し、この壁面温度に基づいて燃料60の温度を算出する。この温度の算出は、予め取得した壁面温度と燃料油温との関係を表す関係式又はテーブル等を用いて行ってもよいし、伝熱計算を行って求めてもよい。
なお、このステップでの燃料60の温度の取得は、後述のステップT4における液面60aの高さの算出までに行われていればよい。
次に、制御装置44は、3つのアクチュエータ41を駆動してタンク室53に振動を加える(ステップT2)。ここでは、制御装置44は、各アクチュエータ41により、所定の周波数レンジに亘る広帯域の超音波振動(ラム波)を発生させる。
次に、制御装置44は、3つの振動センサ42により、それぞれ対応するアクチュエータ41から発振されて燃料タンク52を伝わる振動波を検出する(ステップT3)。
なお、3つのアクチュエータ41から互いに異なる周波数の振動を発生させることで、3つの振動センサ42が各々の対応するアクチュエータ41からの振動を判別しやすくしてもよい。
次に、制御装置44は、ステップT1で取得した燃料60の温度と、ステップT3で検出した振動とに基づいて、3つの振動センサ42の各々の平面位置における燃料60の液面60aの高さを算出する(ステップT4)。
このステップでは、制御装置44は、3つの振動センサ42の各々が検出した振動波から、常態のタンク室53における当該振動センサ42の平面位置(水平面内の位置)における燃料60の液面60aの高さを算出する。具体的に、制御装置44は、上記第1実施形態の液面検出処理におけるステップS4と同様にして、各振動センサ42の平面位置における液面60aの高さを算出する。
すなわち、制御装置44は、まず、ステップT3で検出した振動波にフィルタ処理を施し、所定の周波数よりも高い所定の周波数帯を持つ高周波成分と、所定の周波数よりも低い所定の周波数帯を持つ低周波成分とを抽出する。
それから、制御装置44は、このうちの高周波成分に基づいて、燃料60の液面60aの高さのノミナル値を算出する。このときの液面60aの高さ(のノミナル値)の算出手法は特に限定されず、例えば、振動波の波形と液面60aの高さとの相関データを予め取得しておき、これを用いて算出すること等とすればよい。
そして、制御装置44は、ステップT1で取得した燃料60の温度と、検出した振動波のうちの低周波成分とに基づいて、液面60aの高さのノミナル値を補正する。このときの補正手法は、例えば、燃料60の温度と振動波形との相関データを予め取得しておき、これを用いて補正すればよい。
こうして、図8に示すように、3つの振動センサ42の常態での平面位置における液面60aの高さh1~h3が算出される。これらの高さh1~h3の差をみることにより、タンク室53の傾斜や機体の加減速等による液面60aの揺動を検知することができる。
次に、制御装置44は、ステップT4で算出した3つの液面60aの高さh1~h3に基づいて、タンク室53が常態にある場合の液面60aの高さを推定する(ステップT5)。
具体的に、制御装置44は、3つの液面60aの高さh1~h3と、当該液面60aの高さh1~h3に対応する3つの振動センサ42の位置関係とに基づいて、タンク室53が傾斜していない常態にある場合(すなわち、液面60aが揺動していない場合)での液面60aの推定高さを算出する。
次に、制御装置44は、ステップT5で算出した液面60aの推定高さが所定の閾値よりも低いか否かを判定する(ステップT6)。
そして、液面60aの推定高さが所定の閾値よりも高いと判定した場合(ステップT6;No)、制御装置44は、燃料60が所要の油量を満足していると判断し、後述のステップT8に処理を移行する。
また、ステップT6において、液面60aの推定高さが所定の閾値よりも低いと判定した場合には(ステップT6;Yes)、制御装置44は、燃料60が所要の油量に足りていないと判断し、パイロットに燃料60の不足を警告する(ステップT7)。
次に、制御装置44は、液面検出処理を終了させるか否かを判定し(ステップT8)、終了させないと判定した場合には(ステップT8;No)、上述のステップT1へ処理を移行する。そして、液面検出処理を終了させると判定されるまで、液面60aの推定高さ(すなわち油量)の算出とその過不足の判定とが繰り返され、燃料60の油量の監視が続けられる。
一方、例えば機体の停止等により液面検出処理を終了させると判定した場合には(ステップT8;Yes)、制御装置44は、液面検出処理を終了させる。
以上のように、本発明の第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
さらに、第2実施形態によれば、3つのアクチュエータ41が、常態の燃料タンク52(タンク室53)における平面位置が互いに異なるように設けられ、3つの振動センサ42が、3つのアクチュエータ41に対応させて、平面位置が互いに異なるように設けられている。
そのため、3つの振動センサ42が検出した振動波に基づいて、当該3つの振動センサ42の平面位置における3つの液面60aの高さh1~h3が算出される。そして、この液面60aの高さh1~h3に基づいて、液面60aが揺動していない場合の液面60aの高さが求められる。
これにより、機体のバンクや加減速等によって液面30aが揺動している場合であっても、燃料60の量をより正確に検出することができる。ひいては、燃料60の残量をより正確に検出できるため、運航時の安全性を向上させることができる。
また、第2実施形態では、3つのアクチュエータ41から互いに異なる周波数を発生させることにより、3つの振動センサ42の各々において、対応するアクチュエータ41からの振動をより確実に判別させることができる。
[3.変形例]
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した第1及び第2の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、オイルサンプ又はタンク室の壁面温度を計測して、これから油温を求め、この油温に基づいて液面高さを補正することとした。しかし、計測する温度及び補正に用いる温度は、油温と相関がある温度であればよい。
また、上記実施形態では、検出した振動波のうちの低周波成分と、油温とに基づいて、液面高さのノミナル値を補正することとした。しかし、これらいずれかのみ(つまり、振動波の低周波成分のみ、又は油温のみ)に基づいて、液面高さのノミナル値を補正することとしてもよい。
また、上記実施形態では、アクチュエータと振動センサにより潤滑油又は燃料の液面高さを検出することとしたが、当該アクチュエータと振動センサにより、壁面のクラックや損傷を併せて検知することとしてもよい。これらは、例えば振動波の変化の態様等に基づいて識別することができる。これにより、容器の損傷等と内部の液体レベルの変化との相関を判別することができ、例えば容器が損傷して内部の液体が漏れた場合には、液体レベルの低下の原因を速やかに特定することができる。
また、アクチュエータと振動センサは、液面を上下に挟んで、互いに対応付けられていればよい。したがって、対応するアクチュエータと振動センサとが常態での互いの平面位置(水平面内の位置)を同じくしていなくともよいし、アクチュエータと振動センサとが一対一で対応していなくともよい。
また、上記実施形態では、ヘリコプターのトランスミッションAssy20におけるオイルサンプ23内の潤滑油30の液面30aの検出や、航空機50の燃料タンク52(タンク室53)内の燃料60の液面60aの検出を例に挙げて説明した。しかし、本発明は、これらの適用例に限定されず、容器内の液体の液面を検出する技術に広く適用可能である。
10、40 診断システム
11、41 アクチュエータ
12、42 振動センサ
13、43 温度センサ
14、44 制御装置
20 トランスミッションAssy
23 オイルサンプ
30 潤滑油
30a 液面
52 燃料タンク
53 タンク室
53a 前壁外面
53b 後壁外面
60 燃料
60a 液面
141、441 液面検出プログラム

Claims (7)

  1. 液体を収容した容器を加振して超音波振動を発生させる振動子と、
    前記振動子から発振されて前記容器を伝播する振動波を検出する振動センサと、
    前記振動子の動作を制御するとともに、前記振動センサの検出信号を演算処理する制御手段と、
    を備え、
    前記振動子及び前記振動センサは、前記容器内の液面を上下に挟むように前記容器の壁外面に配置され、
    前記制御手段は
    前記振動子により、所定の周波数帯域に亘る超音波振動を発生させ、
    前記振動センサが検出した振動波のうち、所定の周波数よりも高い高周波成分に基づいて前記液面の高さとして当該高さのノミナル値を算出し、所定の周波数よりも低い低周波成分に基づいて前記ノミナル値を補正する、
    ことを特徴とする液面検出装置。
  2. 前記容器内の液体の温度を計測する温度センサを備え、
    前記制御手段は、算出した前記液面の高さを、前記温度センサが計測した温度に基づいて補正する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液面検出装置。
  3. 前記振動子は、傾斜していない常態の前記容器における平面位置が互いに異なるように少なくとも3つ設けられ、
    前記振動センサは、前記少なくとも3つの振動子に対応させて、前記平面位置が互いに異なるように少なくとも3つ設けられている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液面検出装置。
  4. 前記制御手段は、前記少なくとも3つの振動子により、互いに異なる周波数で前記容器を加振させる、
    ことを特徴とする請求項3に記載の液面検出装置。
  5. 航空機に搭載され、当該航空機の潤滑油溜まり内の潤滑油の液面の検出、又は燃料タンク内の燃料の液面の検出を行う、
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の液面検出装置。
  6. 容器内の液体の液面を検出する液面検出方法であって、
    液体を収容した容器を加振して超音波振動を発生させる振動子と、前記振動子から発振されて前記容器を伝播する振動波を検出する振動センサとが、前記容器内の液面を上下に挟むように前記容器の壁外面に配置され、
    制御手段が
    前記振動子により、所定の周波数帯域に亘る超音波振動を発生させ、
    前記振動センサが検出した振動波のうち、所定の周波数よりも高い高周波成分に基づいて前記液面の高さとして当該高さのノミナル値を算出し、所定の周波数よりも低い低周波成分に基づいて前記ノミナル値を補正する、
    ことを特徴とする液面検出方法。
  7. 容器内の液体の液面を検出する液面検出プログラムであって、
    液体を収容した容器を加振して超音波振動を発生させる振動子と、前記振動子から発振されて前記容器を伝播する振動波を検出する振動センサとが、前記容器内の液面を上下に
    挟むように前記容器の壁外面に配置され、
    コンピュータが
    前記振動子により、所定の周波数帯域に亘る超音波振動を発生させ、
    前記振動センサが検出した振動波のうち、所定の周波数よりも高い高周波成分に基づいて前記液面の高さとして当該高さのノミナル値を算出し、所定の周波数よりも低い低周波成分に基づいて前記ノミナル値を補正する、
    ことを特徴とする液面検出プログラム。
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