JP6081188B2 - フェノール樹脂発泡体積層板とその製造方法 - Google Patents

フェノール樹脂発泡体積層板とその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フェノール樹脂発泡体積層板とその製造方法に関する。
フェノール樹脂発泡体積層板を製造する方法としては、フェノール樹脂に界面活性剤、発泡剤、触媒を添加して混合し、該混合組成物を走行する面材上に連続的に吐出して、更に反対の面を面材で被覆し、スラット型ダブルコンベアを通過させる方法が従来より知られている。
ここで、スラット型コンベアを用いた製造方法において可撓性面材を使用する場合には、スラットの痕がフェノール樹脂発泡体積層板に残るという問題がある。このスラット痕を改善する方法として、特許文献1には硬化完了前の状態で走行方向に延伸する方法が開示されている。
特許第3837226号
しかし、例えば、フェノール樹脂組成物をマルチポート分配管を通して供給する場合には、分配管間が完全に充填されないことによって、得られるフェノール樹脂発泡体に流れ方向に平行な溝が発生し、幅方向の表面平滑性が悪化するという問題もある。
ここで、フェノール樹脂発泡体積層板は表面平滑性が悪化すると、接合等させる板状材(例えば建材ボード、パネル)等との間に空間層が生じてしまい、断熱性能の低下を引き起こしてしまう場合がある。この結果、フェノール樹脂発泡体の優れた断熱性能が十分発揮されなくなる恐れがある。
本発明は、スラット痕だけでなく、流れ方向に平行な溝も抑制することで長手方向及び幅方向の表面平滑性を向上させて、板状材等の部材と接合等される際に十分に断熱性能を発揮するフェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[5]を提供する。
[1]フェノール樹脂発泡体を芯材とし、フェノール樹脂発泡体の両面上に可撓性面材を接着層なく張り合わせてなるフェノール樹脂発泡体積層板において、表面平滑性が長手方向0.60mm以下、幅方向0.60mm以下であるフェノール樹脂発泡体積層板。
[2]フェノール樹脂に界面活性剤、発泡剤、触媒を添加して混合し、混合組成物を走行する第1の可撓性面材上に連続的に吐出し、更に第2の可撓性面材で反対の面を被覆し、第1スラット型ダブルコンベアを通過させてフェノール樹脂発泡体積層板を製造する方法において、第1スラット型ダブルコンベアを通過した連続帯状発泡体を、硬化完了前状態で走行方向に延伸率が1.0%以上6.0%以下で延伸する工程と、第2ダブルコンベアで1kPa以上100kPa以下の圧力を掛ける工程と、を備える、フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法。
[3]発泡体が第1スラット型ダブルコンベアを通過後、第2ダブルコンベアに到達するまでの滞留時間が9分以内である、[2]の製造方法。
[4]第1スラット型ダブルコンベアと第2ダブルコンベアとの間の温度が60℃以上110℃以下である、[2]又は[3]の製造方法。
本発明の一実施形態であるフェノール樹脂発泡体積層板の斜視図である。 本発明の一実施形態であるフェノール樹脂発泡体積層板の製造方法を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、本実施の形態という。)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板は、フェノール樹脂発泡体を芯材とし、フェノール樹脂発泡体の両面上に可撓性面材を接着層なく張り合わせてなり、表面平滑性が長手方向0.60mm以下、幅方向0.60mm以下の積層板である。
図1は、本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板の斜視図である。図1に示すとおり、フェノール樹脂発泡体積層板10は、フェノール樹脂発泡体1を芯材とし、フェノール樹脂発泡体1の両面上(両側の主面上に)に可撓性面材2(例えば第2の可撓性面材)、可撓性面材3(例えば第1の可撓性面材)を、接着層を用いずに張り合わせてなる。
芯材であるフェノール樹脂発泡体1は、フェノール樹脂に少なくとも界面活性剤、発泡剤、触媒を添加して混合し、混合により得られる発泡性フェノール樹脂組成物を発泡させたものである。フェノール樹脂発泡体1の厚みは特に限定されないが、主として断熱材として用いられる用途上の観点からは、3〜200mm程度であることが好ましい。また密度は、15〜100kg/mであることが好ましい。
フェノール樹脂は、フェノールとホルムアルデヒドを出発原料とするものであり、塩基性触媒下にて反応せしめて得られるレゾール性フェノール樹脂であることが好ましい。また、発泡硬化過程における比較的緩やかな反応速度や、製品の断熱性能の経時劣化が少ないという点から、尿素及び/又はジシアンジアミド、メラミンを含む変性フェノール樹脂であることがさらに好ましい。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板10においては、フェノール樹脂発泡体1の表面と可撓性面材2及び該表面と可撓性面材3との間には接着剤層が設けられず、可撓性面材2及び可撓性面材3が直接フェノール樹脂発泡体1の表面に張り合わされている。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板において、表面平滑性は長手方向0.60mm以下、幅方向0.60mm以下である。表面平滑性が長手方向0.60mm以下、幅方向0.60mm以下であると、従来の積層板と比べ、施工時における他の板状材料との隙間を低減することができ、フェノール樹脂発泡体積層板自体の優れた断熱性能を十分発揮することが可能となる。また、貼り合わせ複合化における接着性向上の効果も得られる。好ましくは表面平滑性が長手方向0.50mm以下、幅方向0.50mm以下であり、より好ましくは表面平滑性が長手方向0.45mm以下、幅方向0.45mm以下である。
可撓性面材2、3は、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン等からなる不織布、織布、ガラス繊維不織布、水酸化カルシウム紙、水酸化アルミニウム紙、珪酸マグネシウム紙等の無機繊維紙、クラフト紙のような紙類などが挙げられ、一般にロール状の形状で提供されている。これらのうち、面材と発泡体との接着強度の点からは繊維径が0.01〜3デニールの不織布、織布、無機繊維紙が好ましく、特に発泡体積層板の取り扱い易さ、及び経済性の点からは合成繊維不織布、あるいは紙類が最も好ましい。更に、発泡性フェノール樹脂の滲み出しを抑える点から、構成する繊維の径が18ミクロン以下である不織布が好ましい。また、製造上の面材の取り扱い易さや、製品としての曲げ剛性の点から、目付は20〜400g/cm程度であることが好ましい。
可撓性面材2、3の厚みは、およそ0.1〜1mmの範囲であることが好ましい。また面材の厚み斑は、0.30mm以下であることが好ましく、0.20mm以下であることがより好ましく、0.10mm以下であることがさらに好ましい。面材の厚み斑が0.30mmより大きいと、芯材の平滑性に関わらずフェノール樹脂発泡体積層板の表面平滑性が損なわれる傾向にあるため好ましくない。
次に、本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板の製造方法について説明する。
本製造方法は、フェノール樹脂に界面活性剤、発泡剤、触媒を添加して混合し、混合組成物を走行する第1の可撓性面材上に連続的に吐出し、更に第2の可撓性面材で反対の面を被覆し、第1スラット型ダブルコンベアを通過させてフェノール樹脂発泡体積層板を製造する方法において、第1スラット型ダブルコンベアを通過した連続帯状発泡体を、硬化完了前状態で走行方向に延伸率が1.0%以上6.0%以下で延伸する工程と、第2ダブルコンベアで1kPa以上100kPa以下の圧力を掛ける工程と、を備える、フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法である。
以下、本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板の製造方法について、図2を用いて説明する。図2は、フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法に用いられる製造装置100の構成も示すものであり、フェノール樹脂組成物(界面活性剤を含む)と発泡剤、触媒をミキサーで混合し、下面材12上に供給する装置11、連続的に走行する下面材(第1の可撓性面材)12及び上面材(第2の可撓性面材)13、一定速度で回転する金属板等からなる第1スラット型ダブルコンベア14が用いられる。このスラット型ダブルコンベア14は、連続的に供給される発泡性フェノール樹脂組成物を加熱し、所定の厚みに成形しつつ、発泡硬化せしめる役割を有する。また、第1スラット型ダブルコンベア14を通過した連続帯状発泡体19は、第2ダブルコンベア15で把持され、かつ所定の倍率で延伸及び圧力を掛けられる。第1スラット型ダブルコンベア14の出口部には、該発泡体19の硬化を促進するべく、加熱用箱体17が設けられていることが好ましい。
この第1スラット型ダブルコンベア14の出口部においては、連続帯状発泡体19は硬化がかなり進行しているが、若干の変形が可能な程度の柔軟性を有した硬化完了前の状態である。第1スラット型コンベア14の出口部において連続帯状発泡体19が変形不能なまで硬化が進行していると、第2ダブルコンベア15における延伸及び圧力付与の効果が不十分となってしまう。
また、上述したように、尿素、ジシアンジアミド、メラミンの少なくとも一つを含む変性フェノール樹脂は、硬化反応性が緩やかなものになるために第1スラット型ダブルコンベア14の出口部における硬化状態を適度な範囲に保ち易く、特に好ましいものである。そして、発泡体積層板19の熱伝導率の経時変化を小さなものとするためには、積層板を60℃から140℃程度の温度にて、数時間保持(ポストキュア)し、硬化をさらに進行せしめることが好ましい。
連続発泡積層板19の延伸は、例えば、第2ダブルコンベア15の移動速度を第1スラット型ダブルコンベア14の移動速度より大きく設定すること等により行われ、発泡体把持の正確さや、連続製造に適しているため、第2ダブルコンベア15としてスラット型ダブルコンベアを用いることが好ましい。
また、この際、第2ダブルコンベア15は、連続帯状発泡体19を平滑化するために、空気圧、油圧等を用いた圧力調整装置によって圧力制御ができる必要がある。連続帯状発泡体19は、延伸により長手方向に引っ張られることによって変形が起き、更に第2ダブルコンベア15で圧力を掛けることにより、表面平滑性が大幅に向上する。
本実施形態における延伸率とは、第2ダブルコンベア15の移動速度と第1スラット型ダブルコンベア14との移動速度の比であり、以下の式で表される。
Figure 0006081188
走行方向の延伸率は、1.0%以上6.0%以下となることが好ましく、1.5%以上4.0%以下となることがより好ましく、2.0%以上3.5%以下となることがさらに好ましい。延伸率が1.0%より小さいと、スラット型ダブルコンベア14と第2ダブルコンベア15の間で帯状発泡体が余剰となってうねってしまう現象が生じ、連続して成形することが出来なくなる傾向にある。また、延伸率が6%を越えて大きすぎると、部分的に発泡体19が破断したり、長手方向の寸法安定性が悪くなり、施工時に隙間ができやすくなったりする傾向にあるので好ましくない。また、上記第1スラット型コンベア14の移動速度は特に制限はないが、生産性の点から、1〜80m/分であることが好ましい。第2ダブルコンベア15の移動速度も特に制限はないが、生産性の点から、1〜85m/分であることが好ましい。
上述した変性フェノール樹脂製造の基本工程は、次の通りである。
(イ)塩基性触媒下におけるフェノールとホルムアルデヒドを出発原料とするレゾール性フェノール樹脂の調製
(ロ)酸による樹脂の中和
(ハ)上記レゾール樹脂に対して尿素、及びあるいはジシアンアミドを添加し変性フェノール樹脂とする工程
(ニ)真空ストリッパー等による水分の除去。
出発原料であるフェノールとホルムアルデヒドは、そのモル比率が1:1.7ないし1:3のものがより好適に用いられ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基性触媒を加えて40〜100℃に加熱して合成されることが好ましい。ホルムアルデヒドは経済性と貯蔵安定性のバランスから、通常濃度30%程度から60%程度のものまでを好適に用いる事ができる。変性剤である尿素及びまたはジシアンジアミド、メラミンの添加量は、発泡体物性の観点から、出発原料であるホルムアルデヒドの5モル%から30モル%の範囲がより好ましい。尿素及びまたはジシアンジアミド、メラミンの添加量が5モル%より少ないと断熱性能の耐老化性が優れるという長所を失う場合がある。また、30モル%を越えると、発泡体の機械強度が劣ったものとなる等の問題が生じる場合があり好ましくない。
変性剤の添加は、酸による中和前でも良いし中和後であってもよいが、遊離のホルムアルデヒドと反応するのに十分な温度と時間を加えることが好ましい。通常30℃において6時間程度の反応時間で十分である。
次に変性フェノール樹脂を、発泡に適当な範囲の水分率と粘度になるように、真空ストリッパー等を用いて樹脂中の遊離水分を減量せしめることが好ましい。通常、水分率は1〜20重量%、40℃における粘度が1000〜50000cps程度になるように調製されることが好ましい。
上記の水分率と粘度を調製された変性フェノール樹脂に界面活性剤を溶解せしめ、さらにミキサーヘッドにて発泡剤、及び硬化触媒を添加、混合して、導管を通して走行する下面材上に連続的に吐出されてもよい。面材上に吐出する方式としては、マルチポート分配管方式等を用いることが本実施形態においては特に好ましい。
界面活性剤は、非イオン系界面活性剤が通常使用することができる。例えば、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン系界面活性剤、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体、アルキレンオキサイドとノニルフェノール、ドデシルフェノールのようなアルキルフェノールとの縮合物、アルキレンオキサイドとひまし油の縮合物、ポリオオキシエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル類が挙げられる。これら界面活性剤は、単独あるいは複数のものを混合して使用してもよい。
発泡剤は、ジフルオロメタン(HFC32)、1、1、1、2−テトラフルオロエタン(HFC134a)、1、1−ジフルオロエタン(HFC152a)等のHFC類、1−クロロ−1、1ジフルオロエタン(HCFC142b)等のHCFC類、ブタン、ノルマルペンタン、シクロペンタン、イソペンタン等の炭化水素類、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリド等の塩素化脂肪族炭化水素を使用することができる。
触媒は、無機酸、有機酸等の酸性化合物や、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、フェノールスルホン酸等の芳香族スルホン酸類等の硬化触媒が好適に用いられる。硬化助剤として、レゾルシノール、クレゾール、o−メチロールフェノール、p−メチロールフェノール等を添加することもできる。さらに、硬化触媒、硬化助剤をジエチレングリコール等の溶媒に希釈して用いることもできる。
上下の面材で挟まれた発泡性フェノール樹脂組成物は、第1スラット型ダブルコンベア14を通過する際に、発泡硬化して連続帯状発泡体19となるが、第1スラット型ダブルコンベア14の温度が60℃より低いと発泡硬化が不十分で、発泡体積層板の強度や熱伝導率が不十分なものとなる傾向にある。一方、110℃を超えると、発泡体19のセル膜の破壊が起こりやすく、熱伝導率が悪化する等の問題が起こりやすいため、第1スラット型ダブルコンベア14の温度は60℃から110℃程度であることが好ましい。
発泡体19が第1スラット型ダブルコンベア14を通過後、第2ダブルコンベア15に到達するまでの滞留時間とは、発泡体が第1スラット型ダブルコンベア14の最下流部を通過後、第2ダブルコンベア15の最上流部に到達するまでの時間である。発泡体19が第1スラット型ダブルコンベアを通過後、第2ダブルコンベアに到達するまでの滞留時間は9分以内であることが好ましく、7分以下となることがより好ましく、5分以下となることがさらに好ましい。滞留時間が9分より長いと第2ダブルコンベアに到達するまでに硬化が進み過ぎてしまい、平滑化効果が小さくなってしまうため好ましくない。
第1スラット型ダブルコンベア14と第2ダブルコンベア15との間の温度とは、発泡体19が第1スラット型ダブルコンベア14を通過後、第2ダブルコンベア15に到達するまでの滞留時間の7割以上滞留する範囲の温度である。より好ましくは8割以上滞留する範囲の温度であり、さらに好ましくは9割以上滞留する範囲の温度である。
第1スラット型ダブルコンベア14と第2ダブルコンベア15との間の温度は、図1に示すような延伸部加熱用箱体17などを用いて制御することができ、この範囲が広いほど発泡体の硬化状態を安定的に制御できるため好ましい。第1スラット型ダブルコンベア14と第2ダブルコンベア15との間の温度は、60℃以上110℃以下が好ましく、70℃以上105℃以下がより好ましく、80℃以上100℃以下がさらに好ましい。温度が60℃より低いと発泡体の硬化が遅れ発泡過多となってくる現象が生じ、連続して成形することができにくくなる傾向にあり、また温度が110℃より高いと独立気泡率が低下する傾向にあるので好ましくない。
第2ダブルコンベア15でかける圧力とは、発泡体19に接する上下スラット面間にかける圧力である。第1スラット型ダブルコンベア14で成形した後、第2ダブルコンベア15で1kPa以上100kPa以下の圧力をかけるが、5kPa以上70kPa以下が好ましく、10kPa以上30kPa以下がより好ましい。圧力が1kPaより低いと十分な平滑化効果が得られず、また圧力が100kPaより高いと発泡体が潰れてしまうことがある。
スラット型ダブルコンベア14を通過し、第二ダブルコンベア15で延伸された連続帯状発泡体19は、切断機18において長手方向に所定の長さに切断され、ポストキュア工程にて硬化をさらに進行せしめられる。また、ポストキュア温度は60℃より低いと、発泡体積層板19の熱伝導率の経時変化や高温(例えば90℃)での寸法変化が大きいものとなり、一方、140℃より高いと、発泡体が脆くなり、発泡体積層板の機械的強度が低くなる等の問題が生じるので、ポストキュア温度は60℃から140℃の範囲が好ましい。
以下に実施例、比較例により本発明をさらに詳細に説明する。
本実施例において、各測定値は下記の測定方法により測定した。
(1)表面平滑性
幅1.1m、長さ1.1mに切断した発泡板を平坦な定盤上に置き、幅方向中央部の高さを長手方向に、レーザー変位計を用いて走査速度1.0cm/sで90cmに渡って測定した。得られた900点の高さの最大値と最小値の差を求め、長手方向の表面平滑性とした。同様に、長手方向中央部の高さを幅方向に測定し、最大値と最小値の差を幅方向の表面平滑性とした。
(2)発泡体積層板の厚み測定
発泡体積層板の厚みは、レーザー変位計を用いて測定した。
(3)密度
JIS K 7222に準じて測定した。なお発泡体積層板の密度とは、面材を剥離して除去した後の発泡体についての密度である。
(4)面材厚み及び厚み斑
ダイヤルゲージ(最小目盛0.01mm、測定面積78.5mm、測定荷重769mN)で面材の幅方向1.0mに渡って、10cm間隔で11ヶ所の測定を行い、その平均値を厚みとした。また上記11点の最大値と最小値の差を厚み斑とした。
(実施例1)
(1)変性フェノール樹脂組成物の製造
反応器に52%ホルムアルデヒド3500kgと99%フェノール2510kgを仕込み、プロペラ回転式の攪拌器により攪拌し、温調器により反応器内部液温度を40℃に調節した。次いで50%NaOH水溶液を加え攪拌しながら昇温して、反応を行わせた。オストワルド粘度が60センチストークス(25℃における測定値)に到達した段階で、反応液を冷却し、尿素を570kg(ホルムアルデヒド仕込み量の15モル%に相当)添加した。その後、さらに芳香族スルホン酸50%水溶液を添加して中和し、変性フェノール樹脂を得た。
次に、上記樹脂を水分量が6重量%になるまで薄膜蒸発器にて脱水処理を施し、40℃にて粘度6000cpsの樹脂を得た。その樹脂に界面活性剤として、エチレンオキシド−プロプレンオキシドブロック共重合体(BASF社製、「プルロニックF−127」)とエトキシ化アルキルフェノール(HuntsmanChemical社製、「ハーフォームPI」)の1対1重量比混合物を4重量%加えて溶解し、変性フェノール樹脂組成物を得た。
(2)発泡体積層板の製造
上記の変性フェノール樹脂組成物と、発泡剤と、触媒とを下記の配合割合にてミキシングヘッドに供給し、マルチポート分配管を通して、移動する下面材上に発泡性の変性フェノール樹脂組成物(発泡性フェノール樹脂組成物)を供給した。
変性フェノール樹脂組成物 100重量部
発泡剤 7.0重量部
触媒 14.0重量部
発泡剤としては、イソペンタン/イソブタン混合物(重量比50:50)を用いた。また触媒としては、特開昭63−10642号公報に開示の有機スルホン酸系混合組成物を用いた。また下面材としては、ポリエステル製不織布(旭化成工業(株)製、「スパンボンドET5030」、坪量30g/m、厚み0.15mm、厚み斑0.10mm、繊維径14μm)を使用した。
次に、発泡性の変性フェノール樹脂組成物が発泡した発泡体を、上記下面材と同種の上面材で被覆した後に、第1スラット型ダブルコンベアに供給した。第1スラット型ダブルコンベアの移動速度を4.00m/分に設定し、また温度は全長に渡って80〜90℃に制御した。そして、第1スラット型ダブルコンベアを通過した連続発泡体を、図1に示すような第2ダブルコンベアにて上下より把持し、移動速度を4.12m/分(延伸率3.0%)、第2ダブルコンベアでかける圧力を10kPa、第1スラット型ダブルコンベアを通過後第2ダブルコンベアに到達するまでの滞留時間を5.0分、第1スラット型ダブルコンベアと第2ダブルコンベアとの間の温度を90℃としてフェノール樹脂発泡体積層板を製造した。走行方向への延伸は第1スラット型ダブルコンベア出口以降にてなされるが、第1スラット型ダブルコンベア出口における連続帯状発泡体は、軽く指で押しても回復してくる程度に柔軟性を有しており、硬化完了していない状態であった。また、得られた発泡体は樹脂の滲み出しがなく、良好なものであった。
連続発泡板は、第2ダブルコンベアの後方に設置された切断機18にて長さ1.9mに切断し、ポストキュアオーブンにて硬化を完了させた。ポストキュアは、オーブン温度を室温から75℃に昇温させて15分間保ち、次に80℃にて30分間保ち、次に85℃にて30分間保ち、次に92℃にて140分間保ち、その後室温まで冷却し、全体として約4時間かけて硬化を終了せしめた。得られた発泡体積層板の密度は約27kg/m、厚みは約40mmであった。ポストキュア後の発泡体には指で押した際に形状回復してくる程の柔軟性はなかった。
(実施例2)
第2ダブルコンベアでかける圧力を5kPa、第1スラット型ダブルコンベアを抜けて第2ダブルコンベアに到達するまでの滞留時間を7.0分とする以外は実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を製造した。
(実施例3)
第2ダブルコンベアの移動速度を4.08m/分(延伸率2.0%)、第2ダブルコンベアでかける圧力を70kPa、第1スラット型ダブルコンベアと第2ダブルコンベア間の温度を100℃とする以外は実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を製造した。
(実施例4)
第2ダブルコンベアの移動速度を4.20m/分(延伸率5.0%)、第1スラット型ダブルコンベアと第2ダブルコンベア間の温度を80℃とする以外は実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を製造した。
(比較例1)
第2ダブルコンベアでかける圧力を0.5kPa、第1スラット型ダブルコンベアを抜けて第2ダブルコンベアに到達するまでの滞留時間を10.0分、第1スラット型ダブルコンベアと第2ダブルコンベア間の温度を50℃とする以外は実施例4と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を製造した。
(比較例2)
第2ダブルコンベアの移動速度を4.02m/分(延伸率0.5%)とする以外は実施例3と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を製造した。
(比較例3)
第2ダブルコンベアを開放して製造した以外は比較例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を製造した。
表1は、実施例1〜4及び比較例1〜3の製造条件及び得られたフェノール樹脂発泡体積層板の表面平滑性をまとめたものである。
Figure 0006081188
表1に示すとおり、実施例1〜4では、表面平滑性が長手方向及び幅方向の両方で0.60mm以下となり、優れた表面平滑性を実現した。一方、比較例1及び3は、長手方向及び幅方向の両方で表面平滑性が0.60mmより大きくなり、表面平滑性に劣るフェノール樹脂発泡体積層板となった。なお、比較例2では延伸率が所定の範囲より低く第1スラット型ダブルコンベアと第2ダブルコンベアの間で発泡が進んでしまうため、帯状発泡体が余剰となってうねってしまう現象が生じ、連続して成形することが出来なかった。
1・・・フェノール樹脂発泡体(芯材)、2、3・・・可撓性面材、10・・・フェノール樹脂発泡体積層板、11・・・ミキサー及び供給装置、12・・・下面材(下側の可撓性面材)、13・・・上面材(上側の可撓性面材)、14(14a、14b)・・・第1スラット型ダブルコンベア、15(15a、15b)・・・第2ダブルコンベア、16・・・第1スラット型ダブルコンベア加熱用箱体、17・・・延伸部加熱用箱体、18・・・切断機、19・・・フェノール樹脂発泡体積層板。

Claims (4)

  1. フェノール樹脂発泡体を芯材とし、前記フェノール樹脂発泡体の両面上に可撓性面材を接着層なく張り合わせてなるフェノール樹脂発泡体積層板において、表面平滑性が長手方向0.60mm以下、幅方向0.60mm以下であり、前記可撓性面材は、不織布、織布、ガラス繊維不織布、無機繊維紙、または紙類である、フェノール樹脂発泡体積層板。
  2. フェノール樹脂に界面活性剤、発泡剤、触媒を添加して混合し、混合組成物を走行する第1の可撓性面材上に連続的に吐出し、更に第2の可撓性面材で反対の面を被覆し、第1スラット型ダブルコンベアを通過させてフェノール樹脂発泡体積層板を製造する方法において、前記第1スラット型ダブルコンベアを通過した連続帯状発泡体を、硬化完了前状態で走行方向に延伸率が1.0%以上6.0%以下で延伸する工程と、第2ダブルコンベアで1kPa以上100kPa以下の圧力を掛ける工程と、を備え、前記第1の可撓性面材及び前記第2の可撓性面材は、不織布、織布、ガラス繊維不織布、無機繊維紙、または紙類である、フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法。
  3. 発泡体が第1スラット型ダブルコンベアを通過後、第2ダブルコンベアに到達するまでの滞留時間が9分以内である、請求項2に記載の製造方法。
  4. 第1スラット型ダブルコンベアと第2ダブルコンベアとの間の温度が60℃以上110℃以下である、請求項2または3に記載の製造方法。
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