JP6080432B2 - 作業機械 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの動力によって駆動する作業装置を備えた作業機械に関するものである。
従来の作業機械としては、エンジンの動力によって駆動する走行体と、エンジンの動力によって駆動する作業装置が設けられた旋回体と、を備え、所定のエンジン停止条件が成立した場合にエンジンを停止し、エンジン停止条件の成立によってエンジンが停止しているときに所定のエンジン始動条件が成立した場合にエンジンを始動させる所謂アイドリングストップ機能を有するものが知られている。
前記アイドリングストップ機能を有する作業機械では、エンジン停止条件が成立してエンジンが停止している間は全ての駆動部が停止した状態となる。このため、前記アイドリングストップ機能を有する作業機械では、例えば運転キャブ内の空調等、継続的な駆動が要求される駆動部についてもアイドリングストップ機能によるエンジンの停止と同時に駆動を停止する。前記アイドリングストップ機能を有する作業機械において、アイドリングストップ機能によってエンジンが停止しているときに継続的に一部の駆動部を駆動させる場合には、アイドリングストップ機能を解除してエンジンを駆動させなければならず、燃料の消費量が増加するとともに、静音性が低下する。
一方、従来の作業機械としては、走行体と、作業装置が設けられた旋回体と、を備え、走行体および旋回体の一方において発電された電力、または、走行体および旋回体の一方に設けられたバッテリの電力を、走行体および旋回体の他方に設けられた複数の駆動部に設けられた複数の電動機に供給することによって各駆動部を駆動させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−289983号公報
前記電動駆動の作業機械では、各駆動部が電動機によって駆動されるため、大電力を発電可能な発電機や大容量のバッテリが必要となる。このため、前記電動駆動の作業機械では、発電機やバッテリの設置スペースとして大きなスペースが必要となり、装置全体が大型化するという問題がある。
また、前記電動駆動の作業機械では、走行体に対して旋回体が旋回するため、走行体および旋回体の一方から他方への電力の供給は、スリップリングを介して行われる。前記電動駆動の作業機械では、複数の電動機のそれぞれに対応するスリップリングが必要となり、スリップリングの設置スペースが大きくなるため、装置全体が大型化するという問題がある。
本発明の目的とするところは、静音性の向上および燃料消費量の低減が可能な作業を継続的に行うことができるとともに、小型化を図ることのできる作業機械を提供することにある。
本発明は、前記目的を達成するために、エンジンの動力によって走行する走行体と、走行体に対して旋回可能であり、エンジンの動力によって駆動する作業装置が設けられた旋回体と、を備えた作業機械であって、所定のエンジン停止条件が成立した場合にエンジンを停止するエンジン停止手段と、エンジン停止手段によってエンジンが停止しているときに所定のエンジン始動条件が成立した場合にエンジンを始動させるエンジン始動手段と、走行体および旋回体の一方に設けられ、複数の駆動部のうちの一部の駆動部を駆動する電動機と、走行体および旋回体の他方側から電動機に電力を供給する電力供給手段と、使用者が作業装置の運転操作を行う運転キャブと、を備え、電動機によって駆動される装置は、運転キャブ内の温湿度を調整するヒートポンプサイクルの構成要素としての圧縮機であり、電力供給手段は、走行体及び旋回体の一方に対して他方から電力を供給するスリップリングを有し、スリップリングは、圧縮機を駆動する電動機のみに対して電力を供給するものである
これにより、電動機に対応する駆動部が電力によって駆動されることから、エンジンがアイドリングストップ機能によって停止している場合においても、駆動部の駆動が可能となる。また、走行体および旋回体の一方に設けられた複数の駆動部のうちの一部の駆動部のみが、走行体および旋回体の他方側から供給された電力によって駆動されることから、発電機およびバッテリの容量を小さくでき、大きなスリップリングを必要としない。
本発明によれば、エンジンがアイドリングストップ機能によって停止している場合においても、駆動部を駆動させることが可能となるので、エンジンの駆動状態にかかわらず継続的な駆動が要求される駆動部を駆動させることができ、低燃費化および静音性を促進することが可能となる。また、発電機およびバッテリの容量を小さくでき、大きなスリップリングを必要としないので、装置全体の小型化を図ることが可能となる。
本発明の第1実施形態を示す移動式クレーンの側面図である。 油圧供給装置、動力装置および制御系を示す概略図である。 本発明の第2実施形態を示す油圧供給装置、動力装置および制御系を示す概略図である。 本発明の第3実施形態を示す油圧供給装置、動力装置および制御系を示す概略図である。
図1および図2は、本発明の第1実施形態を示すものである。
本発明の作業機械としての移動式クレーン1は、図1に示すように、走行する車両10と、クレーン装置20と、を備えている。
車両10は、車輪11を有し、図示しないエンジン、または、エンジンおよび後述するモータジェネレータを動力源として走行する。また、車両10の前側および後側の左右両側には、クレーン作業時に車両10の転倒を防止するとともに、車両10を安定的に支持するためのアウトリガ12が設けられている。アウトリガ12は、幅方向外側に移動可能であるとともに、油圧式のジャッキシリンダ13によって下方に伸長可能である。アウトリガ12は、下端を接地させることにより車両10を地面に対して安定的に支持する。
クレーン装置20は、車両10の前後方向略中央部に水平面上を旋回可能に設けられた旋回台21と、旋回台21に対して起伏可能に設けられるとともに、伸縮可能に設けられたブーム22と、ブーム22の先端側から垂下されるワイヤロープ23と、ワイヤロープ23の巻き込みまたは繰り出しを行うためのウインチ24と、旋回台21の前側に設けられ、車両10の走行およびクレーン装置20による作業に関する操作を行うための運転キャブ25と、を備えている。
旋回台21は、ボールベアリング式またはローラベアリング式の旋回サークル21aを介して車両10に対して旋回自在に設けられ、図示しない油圧式の旋回モータ21bによって旋回する。
ブーム22は、複数のブーム部材22a,22b,22cおよび最先端側のブーム部材22dからなり、各ブーム部材22a,22b,22cの内部に先端側に隣り合うブーム部材22b,22c,22dが収納可能なテレスコープ式に構成されている。最基端側のブーム部材22aは、基端部が旋回台21のブラケット21cに揺動自在に連結されている。ブーム部材22aとブラケット21cとの間には、油圧式の起伏シリンダ22eが連結されており、起伏シリンダ22eの伸縮動作によってブーム22を起伏させる。また、最基端側のブーム部材22aの内部には、図示しない油圧式の伸縮シリンダが設けられ、伸縮シリンダの伸縮によってブーム22を伸縮させる。
フックブロック23aは、ワイヤロープ23の先端側に設けられ、ブーム22の先端部から垂下される。フックブロック23aには吊荷を係止可能であり、フックブロック23aに係止された吊荷がブーム22の先端部から吊り下げられる。
ウインチ24は、ワイヤロープ23が巻き掛けられるドラム24aを有し、ドラム24aは図示しない油圧式のウインチモータによって正逆回転可能に構成されている。
運転キャブ25は、旋回台21上のブラケット21cの側方に設けられ、旋回台21と共に旋回する。
各ジャッキシリンダ13、旋回モータ、起伏シリンダ22e、伸縮シリンダおよびウインチモータ等のアクチュエータ70は、作動油によって作動する。各アクチュエータ70を作動させる作動油は、図2に示す油圧供給装置30によって供給される。
油圧供給装置30は、図2に示すように、油圧を生じさせるための油圧ポンプ31と、油圧ポンプ31から吐出された作動油を各アクチュエータ70に供給するための作動油回路32と、を備えている。
油圧ポンプ31は、図2に示すように、車両10に設けられ、車両10を走行させる動力を発生させて車輪11に伝達するための動力装置40から取出された動力によって駆動する。
作動油回路32には、クレーン装置20に設けられたアクチュエータ70(起伏シリンダ、伸縮シリンダ、ウインチモータ)がロータリージョイント33を介して接続されている。また、作動油回路32には、複数のコントロールバルブ(図示せず)が設けられ、各コントロールバルブによって各アクチュエータ70に流入する作動油の流量および流通方向が制御される。各コントロールバルブは、運転キャブ25内の操作レバーや操作ペダル等の後述する操作入力部61によって操作され、操作入力部61の操作量に応じて作動油の流量の調整が可能である。各コントロールバルブは、ソレノイド等の切換手段を有し、後述するコントローラ60からの信号によって操作が可能である。
動力装置40は、動力を発生させるための動力源ユニット41と、動力源ユニット41から出力される動力を、トルクを転換して車輪11側に伝達するためのトルクコンバータ42と、トルクコンバータ42から出力される動力の回転速度およびトルクを変更するためのトランスミッション43と、トランスミッション43から出力される動力を車輪11に伝達するプロペラシャフト44と、プロペラシャフト44に設けられた電気式のリターダ45と、を備えている。
動力源ユニット41は、車両走行用の動力源であるエンジン41aと、供給された電力によって電動モータとして機能するとともに、エンジン41aの動力によって、または走行中の減速時等に発電機として機能するモータジェネレータ41bと、モータジェネレータ41bで発電された電力を蓄えるとともに、モータジェネレータ41bを電動モータとして機能させる場合に電力を供給可能なバッテリ41cと、バッテリ41cの出力を制御したり、モータジェネレータ41bの動作を制御したりするためのモータジェネレータ駆動制御部41dと、エンジン41aの出力軸とモータジェネレータ41bの入出力軸との連結および連結の解除を切換可能なクラッチ41eと、を備えている。
モータジェネレータ41bは、エンジン41aとトルクコンバータ42との間に設けられている。エンジン41aの動力は、クラッチ41eによってエンジン41aの出力軸とモータジェネレータ41bの入出力軸とを連結することにより、モータジェネレータ41bの入出力軸を介してトルクコンバータ42に伝達される。
モータジェネレータ駆動制御部41dは、インバータ、昇圧コンバータ、モータ制御部、ジェネレータ制御部等を有している。モータジェネレータ駆動制御部41dは、バッテリ41cの出力を制御してモータジェネレータ41bや後述する電動モータ51に電力を供給したり、後述するコントローラ60からの信号に応じてモータジェネレータ41bの機能を発電機または電動モータに切換えたりする。また、モータジェネレータ駆動制御部41dには、外部電源に接続するための電源ケーブル41fが接続可能に設けられている。モータジェネレータ駆動制御部41dは、電動モータとして機能するモータジェネレータ41bと電動モータ51の電源をバッテリ41cまたは外部電源に切換えることが可能である。
トルクコンバータ42は、入力軸に設けられたポンプインペラと、出力軸に設けられたタービンライナと、ポンプインペラとタービンライナとの間に固定されたステータと、を有し、入力軸に入力された動力がオイルを介してトルクが増幅されて出力軸から出力されるものである。トルクコンバータ42の出力側には、トランスミッション43に伝達される動力を取出し可能なPTO(パワーテイクオフ)機構46が設けられ、PTO機構46を介して油圧ポンプ31が連結可能である。PTO機構46は、油圧ポンプ31に対するエンジン41aの出力軸およびトルクコンバータ42の入出力軸との連結と連結の解除の切換えが可能に設けられている。
また、移動式クレーン1は、運転キャブ25内の空気を冷却または除湿するための空調装置50を備え、バッテリ41cの電力または電源ケーブル41fを介して供給される外部電源の電力によって駆動される。
空調装置50は、バッテリ41cまたは外部電源の電力によって駆動する電動モータ51と、電動モータ51の動力によって駆動される圧縮機52と、圧縮機52から吐出された冷媒を凝縮させるための凝縮器53と、凝縮器53において凝縮した冷媒を膨張させるための膨張弁54と、膨張弁54において膨張した冷媒を蒸発させるための蒸発器55と、を有し、ヒートポンプサイクルを構成している。
電動モータ51は、例えば、三相200ボルトの交流電源の電力で駆動する電動モータであり、クレーン装置20側に設けられている。電動モータ51には、バッテリ41cまたは外部電源の電力を供給するための電源ケーブル51aがロータリージョイント33に備えられたスリップリングを介して接続されている。
圧縮機52には、プーリおよびVベルトからなる動力伝達装置52aと、動力の伝達と動力の伝達の遮断とを切換え可能なクラッチ52bと、によって電動モータ51の動力が伝達される。
凝縮器53には、冷媒と熱交換させる空気を流通させるための凝縮器用送風機53aが設けられている。凝縮器用送風機53aは、バッテリ41cまたは外部電源の電力によって駆動される。
蒸発器55には、冷媒と熱交換して運転キャブ25内に供給する空気を流通させるための蒸発器用送風機55aが設けられている。蒸発器用送風機55aは、バッテリ41cまたは外部電源の電力によって駆動される。
また、移動式クレーン1は、車両10の走行時やクレーン装置20による作業時における油圧供給装置30および動力装置40の制御を行うためのコントローラ60を有している。
コントローラ60は、CPU、ROM、RAM等を有している。コントローラ60は、入力側に接続された装置からの入力信号を受信すると、CPUが、入力信号に基づいてROMに記憶されたプログラムを読み出すとともに、入力信号によって検出された状態をRAMに記憶したり、出力側に接続された装置に出力信号を送信したりする。
コントローラ60には、各アクチュエータ70に対応するコントロールバルブ(図示せず)と、油圧ポンプ31と、動力源ユニット41と、電動モータ51と、クラッチ52bと、が接続され、操作レバーやアクセルペダル等の車両10およびクレーン装置20の操作を行うための操作入力部61と、空調装置50の蒸発器55の温度を検出するための蒸発温度検出器62と、からの信号により制御される。ここで、車両10とクレーン装置20との間で信号を伝達するための信号線は、ロータリージョイント33に備えられたスリップリングを介して接続されている。
以上のように構成された作業機械としての移動式クレーン1において、車両10による走行を行う場合には、主にエンジン41aの動力がプロペラシャフト44に伝達される。また、車両10の走行中において、車両10の走行中に車速を上げる場合や坂道を上る場合等、大きな出力を要する場合には、電力によってモータジェネレータ41bを駆動させることによりモータジェネレータ41bの動力をアシスト出力としてプロペラシャフト44に伝達する。さらに、車両10の走行中において、車両10の走行中に車速を下げる場合や坂道を下る場合等、エンジン41aに対する負荷が負となる場合には、プロペラシャフト44によってモータジェネレータ41bを駆動させて発電し、発電された電力をモータジェネレータ駆動制御部41dを介してバッテリ41cに充電してもよい。その際、PTO機構46は、油圧ポンプ31に対してエンジン41aの出力軸およびモータジェネレータ41bの入出力軸の連結が解除された状態とする。また、エンジン41aは、モータジェネレータ41bの動力によって始動される。さらに、車両10による走行中に減速させる際には、リターダ45においても発電してもよく、この場合発電された電力がモータジェネレータ駆動制御部41dを介してバッテリ41cに充電される。
また、クレーン装置20による作業を行う場合には、トランスミッション43をニュートラルの状態とし、クラッチ41eによってエンジン41aとモータジェネレータ41bとを連結した状態で、PTO機構46によって油圧ポンプ31に対してエンジン41aの出力軸とモータジェネレータ41bの入出力軸を連結した状態とする。
クレーン装置20による作業を行う場合のエンジン41aの回転数は、使用者の操作入力部61に対するアクセル操作によって調整され、使用者の操作入力部61に対するアクセル操作がない状態では作業アイドル回転数で駆動される。また、クレーン装置20による作業を行う場合においては、バッテリ41cは外部電源の電力によっても充電が可能である。
さらに、車両10による走行およびクレーン装置20による作業を行う場合おいて、運転キャブ25内は、空調装置50によって所定の温度または湿度に調整される。電動モータ51を駆動させて圧縮機52を駆動させると、圧縮機52から吐出された冷媒は、凝縮器53において放熱すると共に蒸発器55において吸熱することにより、運転キャブ25内の空気を冷却または除湿する。
空調装置50は、蒸発温度検出器62の検出温度に基づいて電動モータ51の駆動と駆動の停止、クラッチ52bの動力の伝達と動力の伝達の遮断、を切換えることにより制御される。電動モータ51によって圧縮機52が駆動されている状態で、蒸発温度検出器62の検出温度が所定温度以下になると、電動モータ51の駆動を停止するとともに、クラッチ52bの動力の伝達を遮断し、圧縮機52を停止する。また、圧縮機52が停止している状態で、蒸発温度検出器62の検出温度が所定温度よりも高くなると、電動モータ51を駆動するとともに、クラッチ51bの動力の伝達を開始し、圧縮機52の駆動を開始する。
また、車両10走行中における停車状態やクレーン装置20による作業中の待機状態等において、エンジン停止条件として、例えば、操作入力部61の操作がなされない状態が所定時間以上継続した場合など、所定の条件が成立した場合に、コントローラ60は、アイドリングストップ機能によってエンジン41aを停止させる。また、アイドリングストップ機能によって停止したエンジン41aは、エンジン始動条件として、例えば、操作入力部61のアクセル操作が行われた場合など、所定の条件が成立した場合に、コントローラ60は、モータジェネレータ41bによってエンジン41aを始動させる。
空調装置50は、圧縮機52が電動モータ51の動力によって駆動されることから、アイドリングストップ機能によってエンジン41aが停止した場合にも、運転キャブ25内の温湿度の調整が可能である。
このように、本実施形態の作業機械によれば、アイドリングストップ機能を有するエンジン41aと、クレーン装置20の複数の駆動部の一部である空調装置50を駆動するための電動モータ51を備え、車両10側からバッテリ41cまたは外部電源の電力を、スリップリング56を介して電動モータ51に供給するようにしている。これにより、エンジン41aがアイドリングストップ機能によって停止している場合においても、空調装置50を運転することが可能となるので、エンジン41aの駆動状態にかかわらず継続的な運転が要求される空調装置50の運転を継続することができ、低燃費化および静音性を促進することが可能となる。また、モータジェネレータ41bおよびバッテリ41cを小型化することができるとともに、大きなスリップリング56を必要とせず、移動式クレーン1の小型化を図ることが可能となる。
また、電動モータ51によって空調装置50の圧縮機52を駆動するようにしている。これにより、エンジン41aの駆動状態にかかわらず、運転キャブ25内の温湿度を継続的に制御することができるので、運転キャブ25内の環境を良好に維持することが可能となる。
また、圧縮機52は、Vベルトおよびプーリとからなる動力伝達装置52aを介して電動モータ51に連結されている。これにより、電動モータ51と圧縮機52とが互いに離れた位置に配置されていても動力の伝達が可能となるため、電動モータ51および圧縮機52のそれぞれの配置の自由度が大きくなる。
また、圧縮機52は、Vベルトおよびプーリとからなる動力伝達装置52aおよびクラッチ52bを介して電動モータ51に連結されている。これにより、既存の移動式クレーンの空調装置のような油圧モータで圧縮機52を駆動するものに対して、油圧モータを電動モータ51で置き換えることによって空調装置50を構成することが可能となる。
図3は本発明の第2実施形態を示すものである。なお、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
本実施形態の移動式クレーン1は、第1実施形態において、圧縮機52に対する電動モータ51の動力の伝達と動力の伝達の遮断とを切換え可能なクラッチ52bを有していないものである。
以上のように構成された移動式クレーン1において、電動モータ51によって圧縮機52が駆動されている状態で、蒸発温度検出器62の検出温度が所定温度以下になると、電動モータ51の駆動を停止し、圧縮機52を停止する。また、圧縮機52が停止している状態で、蒸発温度検出器62の検出温度が所定温度よりも高くなると、電動モータ51を駆動し、圧縮機52の駆動を開始する。
このように、本実施形態の作業機械によれば、第1実施形態と同様に、エンジン41aがアイドリングストップ機能によって停止している場合においても、空調装置50を運転することが可能となるので、エンジン41aの駆動状態にかかわらず継続的な運転が要求される空調装置50の運転を継続することができ、低燃費化および静音性を促進することが可能となる。また、モータジェネレータ41bおよびバッテリ41cを小型化することができるとともに、大きなスリップリング56を必要とせず、移動式クレーン1の小型化を図ることが可能となる。
図4は本発明の第3実施形態を示すものである。なお、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
本実施形態の移動式クレーン1は、第1実施形態のように、動力伝達装置52aおよびクラッチ52bを有しておらず、電動モータ51と圧縮機52が直に連結されている。
以上のように構成された移動式クレーン1において、第2実施形態と同様に、電動モータ51によって圧縮機52が駆動されている状態で、蒸発温度検出器62の検出温度が所定温度以下になると、電動モータ51の駆動を停止し、圧縮機52を停止する。また、圧縮機52が停止している状態で、蒸発温度検出器62の検出温度が所定温度よりも高くなると、電動モータ51を駆動し、圧縮機52の駆動を開始する。
このように、本実施形態の作業機械によれば、前記実施形態と同様に、エンジン41aがアイドリングストップ機能によって停止している場合においても、空調装置50を運転することが可能となるので、エンジン41aの駆動状態にかかわらず継続的な運転が要求される空調装置50の運転を継続することができ、低燃費化および静音性を促進することが可能となる。また、モータジェネレータ41bおよびバッテリ41cを小型化することができるとともに、大きなスリップリング56を必要とせず、移動式クレーン1の小型化を図ることが可能となる。
また、圧縮機52は、電動モータ51と直に連結されている。これにより、Vベルトとプーリのような動力伝達装置を必要としないため、構造が簡単で部品点数が小さくなり、製造コストの低減を図ることができる。
なお、前記実施形態では、エンジン41aの動力で駆動するクレーン装置20と、アイドリングストップ機能と、を備えた移動式クレーン1を作業機械として示したがこれに限られるものではない。エンジンの動力で駆動する作業装置と、アイドリングストップ機能と、を備えたものであれば、例えば、高所作業車や掘削機等の作業機械に本発明を適用可能である。
また、前記実施形態では、空調装置50を、アイドリングストップ機能によってエンジン41aが停止している場合においても、継続的な運転が可能な駆動部として示したが、これに限られるものではない。例えば、車両10に対するクレーン装置20の旋回を、電動モータで行うようにしてもよい。
また、車両10側からクレーン装置20に設けられた電動モータ51に電力を供給するようにしたものを示したが、車両10およびクレーン装置20の一方側から他方に設けられた電動モータに電力を供給するものであれば、クレーン装置20側から車両10に設けられた電動モータに電力を供給するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、作動油の油圧によってアクチュエータ70を駆動させるようにしたものを示したが、これに限られるものではない。例えば、空気圧によってアクチュエータを駆動させるようにしてもよいし、エンジンの出力軸および電動機の出力軸に直接アクチュエータを連結してアクチュエータを駆動させるようにしてもよい。
また、前記実施形態では、PTO機構46をトルクコンバータ42に設けたものを示したが、エンジン41aおよびモータジェネレータ41bの動力が取出し可能であれば、例えば、トランスミッション43やその他ギヤボックスにPTO機構を設けてもよい。また、駆動機構としては、トルクコンバータ42を有さないトランスミッション方式であってもよい。
1…移動式クレーン、10…車両、13…ジャッキシリンダ、20…クレーン装置、22…ブーム、22e…起伏シリンダ、30…油圧供給装置、31…油圧ポンプ、40…動力装置、41…動力源ユニット、41a…エンジン、41b…モータジェネレータ、50…空調装置、51…電動モータ、52…圧縮機、60…コントローラ、61…操作入力部、62…蒸発温度検出器、70…アクチュエータ。

Claims (2)

  1. エンジンの動力によって走行する走行体と、走行体に対して旋回可能であり、エンジンの動力によって駆動する作業装置が設けられた旋回体と、を備えた作業機械であって、
    所定のエンジン停止条件が成立した場合にエンジンを停止するエンジン停止手段と、
    エンジン停止手段によってエンジンが停止しているときに所定のエンジン始動条件が成立した場合にエンジンを始動させるエンジン始動手段と、
    走行体および旋回体の一方に設けられ、複数の駆動部のうちの一部の駆動部を駆動する電動機と、
    走行体および旋回体の他方側から電動機に電力を供給する電力供給手段と、
    使用者が作業装置の運転操作を行う運転キャブと、を備え
    電動機によって駆動される装置は、運転キャブ内の温湿度を調整するヒートポンプサイクルの構成要素としての圧縮機であり、
    電力供給手段は、走行体及び旋回体の一方に対して他方から電力を供給するスリップリングを有し、
    スリップリングは、圧縮機を駆動する電動機のみに対して電力を供給するものである
    ことを特徴とする作業機械。
  2. ヒートポンプサイクルの構成要素としての蒸発器と、
    蒸発器の温度を検出する蒸発温度検出手段と、
    電動機が駆動している状態において蒸発温度検出手段の検出温度が所定温度以下になると電動機の駆動を停止し、電動機の駆動が停止している状態において蒸発温度検出手段の検出温度が所定温度よりも高くなると電動機を駆動する電動機駆動切換手段と、を備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の作業機械。
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