JP6079497B2 - 半導体基板の評価方法及び半導体基板の評価装置 - Google Patents
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Description
非特許文献1はコロナチャージを載せたときの高電界領域でのFNトンネル電流の解析を行い、酸化膜中の導電機構について議論したものであり、コロナチャージであっても、高電界印加が可能で、金属電極形成を行ったときと同じような効果があることが報告されている。
一方、水銀やアルミのような低融点金属をそのまま、又は、蒸着で形成し電極として使用することも行われているが、低融点金属特有のセルフヒーリングに代表される問題があり、ポリシリコン電極と比較して得られる結果に差が出てしまう。
このように、半導体基板の各点における電流値から、酸化膜の絶縁特性を評価することができる。
前述のように、酸化膜耐圧分布の測定を行う場合には、一般的にCVDで堆積したポリシリコンが電極として用いられるが、このようなポリシリコン電極を用いると、被測定素子を作製するために多くの工数を要するという問題があった。
その結果、半導体基板をコロナチャージに対して相対的に水平方向に移動させつつ、半導体基板の各点において酸化膜を通じて流れる電流を電流計で測定することで、CVD膜を形成するための装置やフォトリソグラフィー工程及びエッチング工程を用いることなく、簡便かつ迅速な酸化膜耐圧分布の測定を行うことができることを見出し、本発明をなすに至った。
まず、図2及び図3を参照しながら、本発明の半導体基板の評価装置を説明する。
図2に示すように、本発明の半導体基板の評価装置10は、酸化膜が形成された被評価ウェーハ4を載せる基板保持台1と、金属線電極3aを介して被評価ウェーハ4にコロナチャージを印加するコロナチャージ発生装置3と、基板保持台1に接続され、酸化膜を通じて流れる電流を測定する電流計2を有している。
基板保持台1は、例えばウェーハチャックであり、被評価ウェーハ4を載せる面は、導電性を有している。
また、基板保持台1、コロナチャージ発生装置3の両方が水平方向に移動可能に構成されていてもよい。
上記のような構成になっているので、被評価ウェーハ4をコロナチャージに対して相対的に水平方向に移動させつつ、被評価ウェーハ4の面内の各点において酸化膜を通じて流れる電流を電流計2で測定することができる。
まず、半導体基板表面に酸化膜を形成する(図1のステップS11参照)。
具体的には、シリコンからなる被評価ウェーハ4の表面に熱酸化によりシリコン酸化膜を形成する。
次に、半導体基板の裏面に形成されたシリコン酸化膜を除去する(図1のステップS12参照)。
裏面に形成された酸化膜の除去は、例えば内径が被評価ウェーハ4より小さいポリテトラフルオロエチレン製の容器に50%フッ酸を入れ、このポリテトラフルオロエチレン製の容器の上に被評価ウェーハ4を載せて、フッ酸蒸気により裏面の酸化膜を除去してから水洗する。
(図1のステップS13参照)。
具体的には、上面にのみシリコン酸化膜を形成した被評価ウェーハ4を、電流計2に接続された基板保持台1の上に載せる。このとき、シリコン酸化膜が除去された被評価ウェーハ4の裏面が基板保持台1に接触するように載せる。
具体的には、コロナチャージ発生装置3から金属線電極3aを介して、シリコン酸化膜の上から被評価ウェーハ4にコロナチャージを印加しながら、基板保持台1、コロナチャージ発生装置3、又は、基板保持台1及びコロナチャージ発生装置3を水平方向に移動させることで、被評価ウェーハ4をコロナチャージに対して相対的に水平方向に移動させつつ、被評価ウェーハ4の各点において酸化膜を通じて流れる電流を電流計2によって測定する。
ここで、コロナチャージ発生装置の水平方向の移動は、発生装置全体を移動させてもよいが、金属線電極3aだけを移動させるようにすることができる。また、被評価ウェーハ4に印加するコロナチャージは、酸化膜直下のシリコン層が蓄積層を形成するような極性を持たせることが好ましい。すなわち、p型基板ではマイナスのコロナチャージ、n型基板ではプラスのコロナチャージを印加することが好ましい。
このように蓄積側とすることで、酸化膜直下にキャリアが蓄積し、酸化膜中の欠陥が検出しやすくすることが可能となる。
すなわち、酸化膜中に欠陥が存在する場合には、実質的な酸化膜厚が薄くなり、またシリコン表面にBMD(Bulk Micro Defect)のようなものが存在した場合には、酸化膜にBMD周辺のストレスが取り込まれ、酸化膜に電界集中が起こる。これらにより、ウェーハ上に載せたコロナチャージ電荷が欠陥箇所を通じて基板側へ流れることで欠陥解析が可能となる。
また、欠陥密度は、本方法で基板側への電流漏れが確認された点数をウェーハ面積で割ることで欠陥密度として算出することができ、面内分布も容易に測定することができる。
試料として、ボロンをドープした抵抗率が10Ω・cmで直径200mmのp型シリコンウェーハを用いた。このウェーハに900℃の乾燥酸素雰囲気中で10nmの厚さのゲート酸化膜の形成を行なった。その後、フッ酸蒸気を用いて、シリコンウェーハの裏面の酸化膜のみを除去した。
図2の評価装置10を用い、図1に示す評価フローにしたがって、上記のシリコンウェーハの酸化膜耐圧分布の測定を行った。ただし、コロナチャージを印加する際には、マイナスのコロナチャージを印加した。
また、コロナチャージ発生装置3を固定したままで、ウェーハチャック1を5mmピッチでX方向又はY方向に移動させながら、測定を行った。
さらに、コロナチャージ発生装置3は市販のものを使った。
上記のようにして測定された各点の漏れ電流は、おおよそ100pAであった。
また、中心部では1μA以上の高い電流値が検出されている。これについては、中心部においてシリコン基板表面にキズが存在することが確認され、この影響で局所的に酸化膜が破壊されたためと考えられる。
試料として、実施例と同様にして、表面にゲート酸化膜が形成され、裏面の酸化膜が除去されたシリコンウェーハを準備した。
上記のシリコンウェーハにリンドープされたポリシリコンをCVDにより300nm堆積し、フォトリソグラフィー工程、及び、フッ硝酸によるエッチング工程により、X方向及びY方向に5mmピッチで電極形成を行い、MOS構造を形成した。
電極形成を行ったシリコンウェーハを用いて、電極にプローブ針を介して10Vの電圧を印加し、シリコンウェーハの各点の漏れ電流を測定した。
従って、本発明による酸化膜耐圧分布において、ポリシリコン電極を用いた酸化膜耐圧分布と同等の結果が得られることがわかる。
3…コロナチャージ発生装置、 3a…金属線電極、 4…被測定ウェーハ、
10…評価装置。
Claims (4)
- 半導体基板上に形成した酸化膜の絶縁特性を評価することで前記半導体基板の評価を行う半導体基板の評価方法であって、
前記半導体基板表面に酸化膜を形成する工程と、
前記半導体基板の裏面に形成された前記酸化膜を除去する工程と、
前記酸化膜を形成した半導体基板を電流計に接続された基板保持台の上に保持する工程と、
前記酸化膜の上からコロナチャージを印加しながら、前記半導体基板を前記コロナチャージに対して相対的に水平方向に移動させつつ、前記半導体基板の各点において前記酸化膜を通じて流れる電流を前記電流計で測定する工程と
を有することを特徴とする半導体基板の評価方法。 - 前記半導体基板の前記各点における前記電流の値に基づいて、前記酸化膜の絶縁特性を評価する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の評価方法。
- 前記半導体基板に印加するコロナチャージは、前記酸化膜の直下のシリコン層が蓄積層を形成するような極性を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体基板の評価方法。
- 半導体基板上に形成した酸化膜の絶縁特性を評価することで前記半導体基板の評価を行う半導体基板の評価装置であって、
酸化膜を形成した前記半導体基板を保持する基板保持台と、
コロナチャージを前記酸化膜上に印加するコロナチャージ発生装置と、
前記基板保持台に接続され、前記酸化膜を通じて流れる電流を測定する電流計と
を有し、
前記基板保持台及び/又は前記コロナチャージ発生装置は水平方向に移動可能に構成されているものであることを特徴とする半導体基板の評価装置。
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