JP6079359B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、硬化性樹脂組成物に関する。
従来、シーリング材や接着剤に用いられる組成物として、加水分解性シリル基を有する有機重合体を含有し、錫触媒等を用いて水分により硬化する硬化性樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2007−39548号公報
本発明者らは、上述したような硬化性樹脂組成物に含まれる「加水分解性シリル基を有する有機重合体」として、両末端にアルコキシシリル基を有するポリイソブチレン(以下、「シリル変性ポリイソブチレン」という。)に着目して検討を行なった。
その結果、上記シリル変性ポリイソブチレンからなる硬化性樹脂組成物については、硬化後において、引張強さ(TB)や切断時伸び(EB)などの力学的性質が不十分であることが分かった。
そこで、この組成物に適宜フィラーを配合して評価したところ、力学的性質の向上が不十分であることが明らかとなった。これは、フィラーの分散性が悪く、良好な補強効果が得られなかったためと考えられる。
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、フィラーの分散性が良好で、硬化後の力学的性質に優れる硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、シリル変性ポリイソブチレンに対して、特定のフィラーどうしを組み合わせて配合し、かつ、特定の界面活性剤を分散剤として添加することで、フィラーの分散性が良好となり、硬化後の力学的性質が向上することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(4)を提供する。
(1)両末端にアルコキシシリル基を有するシリル変性ポリイソブチレンと、重質炭酸カルシウムと、疎水化処理された疎水化処理シリカと、HLB値が9〜15.5であるノニオン系界面活性剤と、を含有し、上記重質炭酸カルシウムの含有量が、上記シリル変性ポリイソブチレン100質量部に対して5〜60質量部であり、上記ノニオン系界面活性剤の含有量が、上記シリル変性ポリイソブチレン100質量部に対して3〜10質量部である、硬化性樹脂組成物。
(2)上記疎水化処理シリカの含有量が、上記シリル変性ポリイソブチレン100質量部に対して20〜50質量部である、上記(1)に記載の硬化性樹脂組成物。
(3)上記疎水化処理シリカの疎水化処理に用いられる処理剤が、シリコーンオイルである、上記(1)または(2)に記載の硬化性樹脂組成物。
(4)上記ノニオン系界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテルである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
本発明によれば、フィラーの分散性が良好で、硬化後の力学的性質に優れる硬化性樹脂組成物を提供できる。
本発明の硬化性樹脂組成物(以下、単に「本発明の組成物」ともいう。)は、両末端にアルコキシシリル基を有するシリル変性ポリイソブチレンと、重質炭酸カルシウムと、疎水化処理された疎水化処理シリカと、HLB値が9〜15.5であるノニオン系界面活性剤と、を含有し、上記重質炭酸カルシウムの含有量が、上記シリル変性ポリイソブチレン100質量部に対して5〜60質量部であり、上記ノニオン系界面活性剤の含有量が、上記シリル変性ポリイソブチレン100質量部に対して3〜10質量部である、硬化性樹脂組成物である。
本発明の組成物は、フィラーとして上記重質炭酸カルシウムと上記疎水化処理シリカとを組み合わせて使用し、かつ、上記ノニオン系界面活性剤を特定量で配合することにより、フィラー分散性が良好となり、引張強さや切断時伸び等の力学的性質に優れる。
以下、本発明の組成物が含有する各成分について、詳細に説明する。
〔シリル変性ポリイソブチレン〕
本発明の組成物が含有するシリル変性ポリイソブチレンは、その両末端にアルコキシシリル基を有するポリイソブチレンである。
本発明の組成物は、上記シリル変性ポリイソブチレンが有するアルコキシシリル基の加水分解・縮合反応により架橋して、硬化が進行する。
上記シリル変性ポリイソブチレンにおける「ポリイソブチレン」とは、単量体単位のすべてがイソブチレン単位から形成されているものに限定されず、さらに、イソブチレンと共重合性を有する単量体を含んでいてもよい。このような単量体としては、例えば炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエ−テル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類などが挙げられる。
もっとも、イソブチレンと共重合性を有する単量体は、良好なガスバリア性の観点から、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、単量体単位のすべてがイソブチレン単位から形成されたものであるのが特に好ましい。
また、上記シリル変性ポリイソブチレンが有するアルコキシシリル基としては、例えば、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリフェノキシシリル基などのトリアルコキシシリル基;ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基などのジアルコキシシリル基;メトキシジメチルシリル基、エトキシジメチルシリル基などのモノアルコキシシリル基;等が挙げられる。
なお、上記シリル変性ポリイソブチレンの製造方法としては、特に限定されず、例えば、両末端にアリル基を有するジアリル末端ポリイソブチレンと、このアリル基と反応性を有する官能基および上記アルコキシシリル基を有する化合物とを反応させて、上記シリル変性ポリイソブチレンを得る方法が挙げられる。
上記シリル変性ポリイソブチレンの重量平均分子量は、特に限定されないが、加工性が容易である必要があるというの観点から、1,000〜100,000が好ましく、2,000〜50,000がより好ましい。
なお、重量平均分子量は、クロロホルムを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量であるものとする。
このような上記シリル変性ポリイソブチレンとしては、市販品を用いることができ、具体的には、例えば、下記のものを好適に用いることができる。
・エピオン200S(両末端のアルコキシシリル基:ジメトキシメチルシリル基、重量平均分子量:10,000、カネカ社製)
・エピオンEP500S(可塑剤含有、両末端のアルコキシシリル基:ジメトキシメチルシリル基、重量平均分子量:10,000、カネカ社製)
〔重質炭酸カルシウム〕
本発明の組成物が含有する重質炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウムであれば特に限定されない。
ここで、重質炭酸カルシウムとは、天然のチョーク(白亜)、石灰石、大理石などを機械的に粉砕・加工して得られるものであって、化学的沈殿反応等によって製造される合成炭酸カルシウム(例えば、白石カルシウム社製の白艶華CCR)とは明確に区別される。なお、粉砕方法には乾式法と湿式法とがあるが、コスト等の観点からは、乾式法が好ましい。
上記重質炭酸カルシウムは、例えば脂肪酸エステル等を用いて表面処理されたものであってもよいが、本発明の組成物のフィラー分散性がより優れ、硬化後の力学的性質がより良好になるという理由から、表面処理がされていない未処理のものが好ましい。
また、上記重質炭酸カルシウムの平均粒子径は、本発明の組成物の硬化物の引裂強さがより優れるという理由から、2μm以下が好ましく、0.5〜2μmがより好ましい。
なお、上記重質炭酸カルシウムの平均粒子径は、JIS M−8511に準じた空気透過法による比表面積の測定結果から計算した値をいう。測定機器としては、島津製作所社製の比表面積測定装置SS−100型を用いるのが好ましい。
本発明の組成物において、上記重質炭酸カルシウムの含有量は、上記シリル変性ポリイソブチレン100質量部に対して、5〜60質量部である。上記重質炭酸カルシウムの含有量が少なすぎるとフィラーの補強効果による力学的性質の改善が不十分であり、多すぎるとフィラー分散性が劣り、やはり力学的性質が不十分となるが、上記範囲内であれば、補強効果が得られる範囲でフィラー分散性が良好となり、引張強さや切断時伸び等の力学的性質に優れる。
また、上記重質炭酸カルシウムの含有量は、力学的性質がより優れるという理由から、上記シリル変性ポリイソブチレン100質量部に対して、20〜50質量部が好ましく、30〜50質量部がより好ましい。
〔疎水化処理シリカ〕
本発明の組成物が含有する疎水化処理シリカは、親水性のシリカを、シランやシロキサン等の処理剤を用いて化学的に表面処理(疎水化処理)することによって製造されるものであり、上記処理剤が化学的に結合している。したがって、上記疎水化処理シリカは、単なる親水性のシリカ(例えば、日本アエロジル社製のアエロジル200)とは明確に区別されるものである。
上記疎水化処理シリカにおける「シリカ」としては、特に限定されず、ヒュームドシリカ(フュームドシリカ)、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ等が挙げられるが、ヒュームドシリカが好ましい。
また、上記処理剤としては、例えば、ジメチルジクロロシランなどのメチルクロロシラン;ヘキサメチルジシロキサンなどのジシロキサン;ジメチルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような上記疎水化処理シリカとしては、市販品を用いることができ、具体的には、例えば、日本アエロジル社製の疎水性フュームドシリカが好適に用いられる。
上記疎水化処理シリカの平均粒子径は、特に限定されないが、0.007〜0.05μmが好ましく、0.007〜0.02μmがより好ましい。
なお、上記疎水化処理シリカの平均粒子径は、BET法による比表面積の測定結果から計算した値をいう。
上記疎水化処理シリカの含有量は、本発明の組成物のフィラー分散性がより良好となり、補強効果がより優れるという理由から、上記シリル変性ポリイソブチレン100質量部に対して、20〜50質量部が好ましく、20〜40質量部がより好ましく、25〜40質量部がさらに好ましい。
〔ノニオン系界面活性剤〈分散剤〉〕
本発明の組成物は、HLB値が9〜15.5であるノニオン系界面活性剤を、上記シリル変性ポリイソブチレン100質量部に対して、3〜10質量部含有する。
上記シリル変性ポリイソブチレンに対して、フィラーとして単に上記重質炭酸カルシウムおよび上記疎水化処理シリカを配合するのみでは、上記シリル変性ポリイソブチレンに対するフィラーの分散性が悪く、十分な補強効果が得られないが、さらに分散剤として上記ノニオン系界面活性剤を上記含有量で配合することにより、フィラー分散性が良好となり、引張強さや切断時伸び等の力学的性質に優れる。
これは、親水部および疎水部を有する上記ノニオン系界面活性剤が、疎水性である上記シリル変性ポリイソブチレンおよび上記疎水化処理シリカと、親水性である上記重質炭酸カルシウムとを結び付けることで、フィラーの分散性が改善され、補強効果が良好になるためと考えられる。
上記ノニオン系界面活性剤とは、親水部がイオン化しない非電解質の構造をとる界面活性剤であり、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリエチレングルコールモノラウレート、ポリチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエートなどのポリオキシエチレン脂肪酸エステル;オキシエチレン/オキシプロピレンブロックコポリマー;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、フィラー分散性がより優れるという理由から、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、例えば、疎水部として炭素数12〜22のアルキル基を有し、かつ、親水部として有するオキシエチレン基の繰り返し単位数が4〜50,000である化合物が挙げられる。
このようなポリオキシエチレンアルキルエーテルの具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等が挙げられる。
また、本発明においては、上記ノニオン系界面活性剤のHLB値が、9〜15.5である。ここで、HLB(親水親油バランス:Hydrophile−Lipophile Balance)値は、一般的に界面活性剤の水および油への親和性を示す値であり、グリフィン法により求められる。
上記ノニオン系界面活性剤のHLB値としては、本発明の組成物のフィラー分散性がより優れ、硬化後の力学的性質もより良好になるという理由から、9〜15が好ましく、9〜13がより好ましい。
本発明に用いられる上記ノニオン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、具体的には、例えば、下記のものを好適に用いることができる。
・エマルゲン104P(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、オキシエチレン基の繰り返し単位数:4、HLB値:9.6、花王社製)
・エマルゲン109P(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、オキシエチレン基の繰り返し単位数:9、HLB値:13.6、花王社製)
・エマルゲン120(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、オキシエチレン基の繰り返し単位数:20、HLB値:15.3、花王社製)
本発明において、上記ノニオン系界面活性剤の含有量は、上記シリル変性ポリイソブチレン100質量部に対して3〜10質量部であるが、硬化後の力学的性質もより良好になるという理由から、5〜10質量部が好ましい。
〈硬化触媒〉
本発明の組成物は、上記シリル変性ポリイソブチレンの加水分解を促進する観点から、さらに、従来公知の硬化触媒を用いることができ、従来公知の有機錫化合物および/または無機錫化合物である錫触媒が好適に用いられる。
有機錫化合物としては、例えば、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイドなどのジアルキル錫オキサイド;ジブチル錫ジメトキシドなどのジアルキル錫ジアルコキシド;ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジオクタノエート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ラウレートなどのジアルキル錫カルボキシレート;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機錫化合物としては、オクチル酸錫等が挙げられる。
上記硬化触媒の含有量は特に限定されないが、例えば、上記シリル変性ポリイソブチレン100質量部に対して、1〜5質量部が好ましい。
〈助触媒〉
本発明の組成物は、上記硬化触媒に併用させて、さらに助触媒を含有できる。
上記助触媒としては、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンなどのアミン化合物が挙げられ、硬化性の観点から、第一級アミンが好ましい。
上記第一級アミンとしては、例えば、ラウリルアミン、メタキシリレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ノルボルナンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、ジメチルベンジルアミン、ケチミン化合物等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記助触媒の含有量は特に限定されないが、例えば、上記シリル変性ポリイソブチレン100質量部に対して、0.3〜1.0質量部が好ましい。
さらに、本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、例えば可塑剤などの添加剤を含有することができる。
〈製造方法、用途等〉
本発明の組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば、上述した必須成分および任意成分を混合することによって製造する方法が挙げられる。
本発明の組成物は、施工後に空気中の湿気により硬化する1液型の硬化性樹脂組成物として使用できる。1液型の場合、すべての成分をあらかじめ配合して密封保存する。
また、本発明の組成物は、主剤と硬化剤とからなる2液型の硬化性樹脂組成物としても使用できる。2液型の場合、主剤として、上記シリル変性ポリイソブチレン、上記フィラーおよび上記分散剤ならびに水を配合し、硬化剤として、上記硬化触媒および上記助触媒を可塑剤等と共に配合し、使用前に主剤と硬化剤とを混合する。
なお、本発明の組成物を硬化させて硬化物を得る際には、例えば、本発明の組成物を養生してもよい。
本発明の組成物の用途は特に限定されないが、本発明の組成物は上述したような優れた特性を有することから、土木建築用、コンクリート用、木材用、金属用、ガラス用、プラスチック用等のシーリング材、接着剤、シール剤、ポッティング剤、弾性接着剤、コーティング材、ライニング材、コンクリートやモルタル中の構造用接着剤、ひび割れ注入材等に好適に用いられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔配合例1〜20〕
下記第1表に示す成分を同表に示す量(単位:質量部)で用い、これらを遊星型撹拌機で混合して硬化性樹脂組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)を製造した。
より詳細には、まず、同表に示す主剤成分のうち炭酸カルシウム(重質炭酸カルシウム1、合成炭酸カルシウムX1)を除く成分を遊星型撹拌機の容器に仕込み、2000rpmで10分間混合した後、炭酸カルシウムを追加し、2000rpmで10分間混合した。次に、内温が30℃以下になったことを確認した後、同表に示す硬化剤成分を追加し、2000rpmで1分間混合して、組成物を得た。
〔フィラー分散性〕
得られた各配合例の組成物について、粒ゲージ(グラインドゲージ)を用いてJIS K5600に準拠して、フィラーの分散性を下記基準で評価した。
「×」:1μm以上の粒子が10個超であった。
「△」:1μm以上の粒子が1〜10個であった。
「○」:1μm以上の粒子が確認されなかった。
結果が「△」または「○」であれば、フィラー分散性に優れるものとして評価できる。なお、フィラーを配合しなかった配合例の場合、下記第1表には「−」を記載した。
〔力学的性質〕
得られた各配合例の組成物を、離型処理したPET基材上でシート状に成形し、50℃で3日間養生し硬化させて、シート(硬化物)を得た。
得られたシートから3号ダンベル状の試験片を打ち抜き、引張速度300mm/分での引張試験をJIS K6251に準拠して行い、引張強さ(TB)(単位:MPa)および切断時伸び(EB)(単位:%)を室温にて測定した。測定結果を下記第1表に示す。
なお、各試験は2回ずつ行ない、その平均値を測定結果とした。
上記第1表に示されている各成分の詳細は以下のとおりである。
・シリル変性ポリイソブチレン1:エピオン200S(カネカ社製)
・疎水化処理シリカ1:アエロジルRY200S(疎水性フュームドシリカ、処理剤:シリコーンオイル、平均粒子径:0.007μm、日本アエロジル社製)
・重質炭酸カルシウム1:ホワイトンSSB(平均粒子径:1.25μm、白石カルシウム社製)
・合成炭酸カルシウムX1:白艶華CCR(一次粒子径:0.08μm、白石カルシウム社製)
・ノニオン系界面活性剤1:エマルゲン104P(HLB値:9.6、花王社製)
・ノニオン系界面活性剤2:エマルゲン109P(HLB値:13.6、花王社製)
・ノニオン系界面活性剤3:エマルゲン120(HLB値:15.3、花王社製)
・ノニオン系界面活性剤Y1:エマルゲン123P(HLB値:16.9、花王社製)
・ノニオン系界面活性剤Y2:エマルゲン150(HLB値:18.4、花王社製)
・アニオン系界面活性剤Z1:エマール10PT(ドデシル硫酸ナトリウム、花王社製)
・カチオン系界面活性剤Z2:コータミン24P(ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、花王社製)
・水:水
・錫触媒:ネオスタンU−28(オクチル酸錫、日東化成社製)
・アミン化合物:ファーミン20D(ラウリルアミン、花王社製)
・ヒマシ油:ヒマシ油工1(伊藤製油社製)
上記第1表に示す結果から明らかなように、配合例2〜4および14〜17は、フィラー分散性が優れており、フィラーおよび分散剤を使用しなかった配合例20を基準として、引張強さおよび切断時伸びが優れていた。
また、配合例2〜4を対比すると、ノニオン系界面活性剤3(HLB値:15.3)を使用した配合例4よりも、ノニオン系界面活性剤1(HLB値:9.6)またはノニオン系界面活性剤2(HLB値:13.6)を使用した配合例2および3の方が、フィラー分散性が良好で、引張強さおよび切断時伸びもより優れていた。
また、配合例2,14および15を対比すると、配合例2よりも、ノニオン系界面活性剤1の配合量がより多い配合例14および15の方が、引張強さおよび切断時伸びがより良好であった。
これに対して、分散剤を配合しなかった配合例1は、フィラー分散性が劣り、引張強さおよび切断時伸びも不十分であった。
また、ノニオン系界面活性剤Y1(HLB値:16.9)またはノニオン系界面活性剤Y2(HLB値:18.4)を使用した配合例5および6、ならびに、アニオン系界面活性剤Z1またはカチオン系界面活性剤Z2を使用した配合例7〜10は、フィラー分散性が劣り、引張強さおよび切断時伸びも不十分であった。
また、重質炭酸カルシウム1に代えて合成炭酸カルシウムX1を使用した配合例11は、フィラー分散性が劣り、引張強さおよび切断時伸びも不十分であった。
また、ノニオン系界面活性剤1の配合量が少なすぎる配合例12および13、重質炭酸カルシウム1の配合量が多すぎる配合例18、ならびに、ノニオン系界面活性剤1の配合量が多すぎる配合例19は、フィラー分散性が劣り、引張強さおよび切断時伸びも不十分であった。

Claims (4)

  1. 両末端にアルコキシシリル基を有するシリル変性ポリイソブチレンと、
    重質炭酸カルシウムと、
    疎水化処理された疎水化処理シリカと、
    HLB値が9〜15.5であるノニオン系界面活性剤と、を含有し、
    前記重質炭酸カルシウムの含有量が、前記シリル変性ポリイソブチレン100質量部に対して5〜60質量部であり、
    前記ノニオン系界面活性剤の含有量が、前記シリル変性ポリイソブチレン100質量部に対して3〜10質量部である、硬化性樹脂組成物。
  2. 前記疎水化処理シリカの含有量が、前記シリル変性ポリイソブチレン100質量部に対して20〜50質量部である、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記疎水化処理シリカの疎水化処理に用いられる処理剤が、シリコーンオイルである、請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記ノニオン系界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテルである、請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
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