JP6079124B2 - カメラモジュール及びカメラ付き携帯端末 - Google Patents

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Description

本発明は、携帯電話、スマートフォン等の携帯端末に搭載されるカメラモジュール及びカメラ付き携帯端末に関し、特に、半導体撮像素子が実装される空間とその外部とを連通させる脱気口を備えるカメラモジュール及びカメラ付き携帯端末に関する。
近年、携帯電話、携帯型ゲーム端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯電話にパーソナルコンピュータやPDA等機能が備わるスマートフォン等、標準機能としてカメラ機能を備えた携帯端末が普及している。このような携帯端末のカメラ機能を実現するために、携帯端末には、カメラモジュールと呼ばれる小型の電子部品が搭載されている。
一般的なカメラモジュールは、半導体撮像素子を実装するベースユニットと、半導体撮像素子に被写体の像を結像させるレンズユニットと、レンズユニットを収容し、且つ、ベースユニットに固定されるモジュール本体とを有する。
半導体撮像素子(以下、「撮像素子」と称する)は、CCDイメージセンサ(Charge Coupled Device Image Sensor)、COMS(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)等からなる。
撮像素子は、プリント配線基板(PWB:printed wiring board、以下、センサ基板)上に、枠状のベース枠部材によって囲まれた状態で、そのほぼ中央に位置して、実装されている。撮像素子は、レンズユニットにより受光面上に結像した被写体像の光信号を電気信号に変換して出力する。なお、センサ基板上には、撮像素子の外側で、且つ、ベース枠部材で囲まれる領域に、図示しないCSP(Chip Size Package)部品、回路部品を実装可能な領域が設けられている。この枠状のベース枠部材の上面側開口部は、透光性フィルタ(例えば赤外線カットフィルタ:IRCF)によって被覆されている。
透光性フィルタは、センサ基板及びベース枠部材とともに、撮像素子が配置される中空の実装空間(センサ封止空間)を画成している。ベース枠部材の上面側開口部は、透光性フィルタを介して、モジュール本体により閉塞されている。モジュール本体には、このレンズユニットを光軸方向に変位自在に駆動するレンズ駆動機構部が設けられている。このモジュール本体とベース枠部材との間に接着剤を塗布し、モジュール全体(モジュール本体及びベースユニット)を紫外線(UV)照射或いは加熱・冷却などで硬化させ、両者を接合することによってカメラモジュールが組み立てられる。
このようにレンズユニットを収容するモジュール本体とベースユニットと接着剤を介して接合する際には、モジュール全体に対して紫外線(UV)照射或いは加熱・冷却などを行う。このため、センサ基板上の撮像素子、ベース枠部材及び透光性フィルタによって囲まれたセンサ封止空間では、空気が膨張・収縮を行うこととなる。よって、センサ封止空間の内部空気を外部に放出しないと、センサ封止空間の内圧が高くなり、透光性フィルタを破損させる虞がある。
このため、従来のカメラモジュールでは、例えば、特許文献1、2で示すように、センサ封止空間と外部とを繋ぐ空気抜きのための穴(脱気口)を有する構成が採用されている。
特許文献1では、ベース枠部材において、モジュール本体に接着される平面部(上面)に、ベース枠部材の内外を連通させるラビリンス構造の溝を設けている。この平面部において溝以外の部位に接着剤を塗布して、透光性フィルタ(IRCF)を貼着することで形成された脱気口を有するカメラモジュールが形成されている。
また、特許文献2では、固体撮像素子と、固体撮像素子を覆う覆部とを接着剤で接合して固体撮像素子と覆部との間に中空部が形成された半導体装置が開示されている。この半導体装置では覆部の内面(中空部内)に生じる結露防止のために、接着部剤からなる接着部に中空部から外部に通じる通気路が形成されている。
特許第3981348号公報 特許第4378394号公報
ところで、カメラモジュール自体に対して、搭載される携帯端末の小型化に伴い、より小型化・薄型化が望まれるとともに、高画素化が図られている。
特許文献1の構成では、接着剤が塗布される平面部に溝が形成されているため、接着剤を介してモジュール本体に接合する際に、溝は、侵入する接着剤で埋まらないように、接着剤の流入量を予め想定した深さで形成されている。つまり、溝は、塗布される接着剤厚+形成後の脱気口の深さとして形成される深さで形成しておくため、その深さの分、組み立てられるカメラモジュール自体は厚く(高く)なり、薄型化しにくいという問題がある。また、溝には、その深さに相当する長さのダストが侵入する虞がある。侵入したダストは、高画素化に伴いよりサイズが小さくなった半導体撮像素子に付着し、そのピクセルに対して黒点になりやすい等の大きな影響を及ぼしやすい(ダスト不良を生じさせる)という問題がある。
また、特許文献2の構成では、接着剤による接着部に通気路が形成されるため、接着剤のみで通気路が形成されるように接着剤を所定箇所に塗布する必要があり、手間がかかる構成となっている。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、脱気とダスト流入防止の双方を容易で、且つ、効果的に両立させることができるとともに、薄型化を実現できるカメラモジュール及びカメラ付き携帯端末を提供することを目的とする。
本発明のカメラモジュールの一つの態様は、センサ基板に実装される撮像素子と、前記センサ基板に取り付けられ、前記撮像素子の周囲を囲み、且つ、前記撮像素子の撮像面側で開口するベース枠部材と、前記開口を覆い前記撮像素子の実装空間を封止する透光性フィルタとを有するベースユニットと、前記撮像素子に被写体の像を結像させるレンズユニットを収納し、且つ、前記ベース枠部材において前記撮像素子の周囲を囲む開口側の端面部の接着領域に塗布した接着剤からなる接着層を介して固着され、前記レンズユニットが前記透光性フィルタを介して前記撮像素子と対向するモジュール本体と、を備え、前記ベース枠部材を前記レンズユニットの光軸方向と平行に貫通して設けられ、前記実装空間の脱気を行う脱気通路部を有し、前記脱気通路部は、前記端面部において前記接着領域よりも内側の領域で開口し、且つ、前記実装空間内で、前記撮像素子より側方に外れた位置に向かって開口する構成を採る。また、本発明のカメラ付き携帯端末の一つの態様は、上記構成のカメラモジュールを組み込んだ構成を採る。
本発明によれば、脱気とダスト流入防止の双方を容易で、且つ、効果的に両立させることができるとともに、薄型化を実現できる。
本発明の一実施の形態に係るカメラモジュールの外観を示す図 同カメラモジュールを2つのユニットに分解した分解図 図1のA−A線矢視断面図 本発明の一実施の形態に係るカメラモジュールにおけるベース枠部材の斜視図 図3に示す同ベース枠部材における脱気通路部の拡大断面図 図4に示すカメラモジュールにおける脱気通路部の拡大図 本実施の形態に係るカメラモジュールにおけるダストの移動経路を示す断面図 調整ギャップを流れるダストの経路を示すベースユニットにおける角部の斜視図 図6において枠壁部における接着剤の塗布量が多い場合の一例を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るカメラモジュール100の外観を示す図である。図2は、カメラモジュール100を2つのユニットに分割した斜視図である。カメラモジュール100は、携帯電話等のカメラ付き携帯端末に搭載される電子部品である。
図1及び図2に示すように、カメラモジュール100は、フレキシブル基板(FPC:Flexible Printed Circuit)11の一端部側に取り付けられている。ここでは、カメラモジュール100は、レンズユニット12及びレンズ駆動ユニット13を有する本体ユニット10と、ベースユニット20である下部ユニットとを備える。
FPC11は、柔軟性を有する絶縁基板を用いたプリント配線基板であり、帯状に形成され、一端部にベースユニット20のセンサ基板21が接続されている。このFPC11の他端部には、携帯端末本体側とのコネクタ(図示省略)が実装されており、このFPC11を介して、センサ基板21は、図示しない携帯端末本体の基板に電気的に接続される。
図3は、図1のA−A線断面図である。
レンズユニット12は、図3に示すように、複数枚のレンズかなるレンズ群12aと、これらレンズ群を内部に収容するレンズホルダ12bとを有し、被写体の像をベースユニット20における撮像素子24の受光面に結像させる。なお、レンズホルダ12bの外周面には、コイル131が巻回されている。
レンズ駆動ユニット13は、レンズユニット12を収容するモジュール本体であって、レンズ駆動部(図示省略)によりレンズユニット12を光軸方向、ここでは、撮像素子24に対して垂直な方向に移動させる。本実施の形態では、レンズ駆動ユニット13のレンズ駆動部は、VCM方式のレンズ駆動装置で構成される。ここでは、コイル131の外周側にマグネット(永久磁石)132を対向配置し、コイル131に通電することで、レンズユニット12を、撮像素子24の上方で、上下方向に移動させる。なお、レンズ駆動ユニット13の駆動部を、ピエゾ方式やMEMS方式、電磁力方式やステッピングモータ方式などのレンズ駆動装置で構成することもできる。
図1及び図2に戻り、レンズ駆動ユニット13は、カメラモジュール100に要求される外形サイズに合わせて、平面視正方形の略直方体状に形成される。なお、図2に示すように、レンズ駆動ユニット13の一側面の下側縁部の両側には、VCMに接続された2つのアクチュエータ端子13a(図2参照)が突出して設けられている。これらアクチュエータ端子13aがベースユニット20におけるセンサ基板21のパット(図示省略)に半田13b(図1参照)で接続されることにより、カメラモジュール100におけるオートフォーカス機能が実現される。
このレンズユニット12を収容したレンズ駆動ユニット13、つまり、本体ユニット10が、ベースユニット20に接着層40を介して接合される(図2及び図3参照)。なお、レンズ駆動ユニット13は、内部に撮像素子24(図5及び図6参照)が実装されたベースユニット20(詳細には、ベース枠部材22)において、その上部に塗布された接着剤による層の上に載置される。そして、光軸位置を調整した後、全体を加熱する工程を経て接着剤を硬化することで固着される。
ベースユニット20では、内部に撮像素子24(図5及び図6参照)が配置されたベース枠部材22を透光性フィルタ30で覆うことで、撮像素子24を実装する空間(実装空間)、つまりセンサ封止空間を封止している。
図2及び図3に示すようにベースユニット20は、裏面でFPC11(図1、図2参照)に接続されるセンサ基板21と、ベース枠部材22と、撮像素子24と、透光性フィルタ30と、透光性フィルタ30をベース枠部材22に接着する接着層40とを備える。
なお、図2に示す接着層40は、透光性フィルタ30とベース枠部材22とを接着した状態である硬化した形状の状態で示す。また、図示しないが、ベースユニット20は、更に、センサ基板21に実装され、且つ、ベース枠部材22により囲まれたCSP部品及び回路部品等を備える。
センサ基板21は、レンズ駆動ユニット13の平面視形状と略同一の正方形状に形成されたプリント配線基板であり、FPC11に実装されている。センサ基板21には、各種配線パターンが形成され、CSP部品、回路部品等のチップ部品等とともに、撮像素子24が表面実装されている。なお、CSP部品は、例えばEEPROMやレンズ駆動ユニット13の駆動ドライバ等のチップ部品である。また、回路部品は、例えばチップコンデンサやチップ抵抗等のチップ部品である。これらCSP部品及び回路部品は、撮像素子24の周辺の実装可能な領域に、リフロー方式の半田付けにより実装される。
撮像素子24は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の固体撮像素子である。撮像素子24は、レンズユニット12により受光面上に結像した被写体像の光信号を電気信号に変換して、携帯端末本体側の信号処理部(DSP:Digital Signal Processor、図示省略)に出力する。
撮像素子24は、センサ基板21の略中央に実装される。撮像素子24は、例えば樹脂系接着剤によりセンサ基板21に固定(ダイボンディング)された後、撮像素子24の電極とセンサ基板21の接続パッドが金属ワイヤーで接続(ワイヤボンディング)されることで、センサ基板21に実装される。
この撮像素子24の周縁部を囲むように、ベース枠部材22がセンサ基板21に取り付けられている。
図4は、ベース枠部材22の斜視図である。
図2及び図4に示すベース枠部材22は、撮像素子24の周縁部を覆うとともに中央部に形成された開口部22aにより、撮像素子24の上方(図3で示す撮像素子24の撮像面242側)で開口する枠状体である。このベース枠部材22は、側面視して凸形状に成形されており、センサ基板21の周縁部に沿って樹脂系接着剤により接着されている。なお、ベース枠部材22は、ここでは、平面視略正方形状の枠体である。
ベース枠部材22は、側面視して凸形状に成形(図5〜7参照)された枠本体220と、枠本体220の内側から撮像素子24の外縁部の上方に張り出し、且つ、開口部22aを囲む内側枠板部224と、脱気通路部50と、を有する。
枠本体220は、枠状の枠壁部221の四方の外側面から、上面が枠壁部221より低い張り出し部222が張り出すことで、側面視凸形状(図3参照)をなしている。この凸形状の枠本体220の上部に、レンズ駆動ユニット13が載置される。レンズ駆動ユニット13(図1及び図2参照)の下端部(下面135)は、接着層40(図1〜図3参照)を介して、上面部(端面部)221aに固着される。接着層40は、枠本体220の枠壁部221の上面部(端面部)221aにおける枠状の接着領域に塗布された接着剤により構成される。
これにより、レンズ駆動ユニット13は、上面部221aに、接着剤による接着層40を介して固着されている。これにより、レンズユニット12は、レンズ駆動ユニット13とベース枠部材22とで、密閉するように囲まれる。
なお、接着層40は、図2及び図3に示すように、枠本体220における枠壁部221の上面部221aと、レンズ駆動ユニット13において、レンズユニット12を囲む下面135との間に介設されている。これによりカメラモジュール100では、接着層40(つまり、上面部221aにおける接着領域)よりも内側の領域に、光軸位置を調整するために設けられた接着層40の厚み分の空間、つまり、調整ギャップ60が形成される。なお、調整ギャップ60の厚みGは、好ましくは0<G≦100μmである。
内側枠板部224は、ベース枠部材22において、撮像素子24の上方で開口する部分(開口部22a)を囲む。すなわち、内側枠板部224は、枠本体220の上面(詳細には、枠壁部221の上面部221aよりも低い位置に配置されている。これにより、ベース枠部材22全体としては、平面視して中央部分が凹む形状をなしており、内側枠板部224は凹む形状の底面部を構成する。なお、この凹む部分内を、本体ユニット10のレンズユニット12の下部が挿入自在となる。
この内側枠板部224の上面には、内側枠板部224により囲まれた開口部22aを閉塞するように、透光性フィルタ30が貼着される。ここでは、透光性フィルタ30は、接着剤を介して、内側枠板部224に貼着され、開口部22aを密閉する。
透光性フィルタ30は、IR領域の光信号を除去するIRカットフィルタ(「IRCF」ともいう)であり、撮像素子24の上方に配置される。この透光性フィルタ30がベース枠部材22(詳細には、内側枠板部224)に貼着されることによって、開口部22aを覆い、センサ基板21及びベース枠部材22とで、撮像素子24の実装空間であるセンサ封止空間Sを画成するとともに封止状態にする。なお、このようなセンサ封止空間Sを画成する部分は、センサパッケージ(センサpkg)とも称される。
このセンサ封止部Sは、ベース枠部材22に設けられた脱気通路部50を介してのみ、外部、つまり、ベース枠部材22の上面部221aの上方と連通する。
脱気通路部50は、センサ封止空間S内でモジュール駆動により発生する内圧を下げるために脱気するものであり、ベース枠部材22に貫通して設けられ、センサ封止空間Sの内外を連通させる。脱気通路部50は、上面部221aにおいて接着層40が設けられる接着領域よりも内側の領域で開口する。また、脱気通路部50は、センサ封止空間S側で、撮像素子24より側方に外れた位置に向かって開口する。すなわち、脱気通路部50は、撮像素子24側では、撮像素子24上に開口せず、上面部221a側では調整ギャップ60内で開口する。この脱気通路部50を具体的に説明する。
脱気通路部50は、ここでは、図4に示すように、ベース枠部材22の角部に設けられる。具体的には、脱気通路部50は、撮像素子24の撮像面242から離間する位置に設けられ、ベース枠部材22の枠壁部221において所定の肉厚を確保できる部分、つまり、角部に設けられている。
ここでは、脱気通路部50は、上面部221aにおける角部のうち、一つの角部2211の内側を切り欠いて設けられている。
この脱気通路部50について詳細に説明する。図5は、図3に示すベース枠部材22における脱気通路部50の拡大断面図であり、図6は、図4における脱気通路部50の拡大図である。
脱気通路部50は、ここでは、枠本体220(詳細には、矩形枠状の枠壁部221)の角部に、光軸方向と平行に貫通して設けられたスルーホールである。
脱気通路部50は、上方に開口する開口通路部51と、枠壁部221内で開口通路部51に連通し、センサ封止空間Sに向かって拡径する円錐状通路部52とを有する。
円錐状通路部52のセンサ封止空間S側の開口は、センサ封止空間S内において、撮像素子24より外側の領域の真上に配置されており、撮像素子24の縁部(チップ端241)から側方に位置する。すなわち、円錐状通路部52は、センサ封止空間S側で、撮像素子24より側方に外れた位置に向かって開口する。また、この円錐状通路部52の内周面が、センサ封止空間S側に向かって拡径しているため、センサ封止空間S内において、撮像素子24から外れた撮像素子24の側方の広い領域と調整ギャップ60とを連通させることができる。
すなわち、円錐状通路部52は、ベース枠部材22において、撮像素子24の撮像面242から離間する位置に配置されている。脱気通路部50は、上面部221aとセンサ封止空間Sとを、センサ封止空間Sでは、撮像素子24の側方で撮像面242から離間する位置で、つまり、撮像素子24より外側の撮像素子24が配置されていない領域で、連通させている。
また、開口通路部51における、上面部221aで開口する部位(領域)には、図6に示すように、上面部221aにおいて、その周囲に、開口通路部51を囲む溝部54、ダスト溝部(ダスト貯留溝)55が設けられている。
溝部54は、開口通路部51と、枠壁部221において接着剤が塗布される上面部221aの領域とを仕切る。この溝部54は、上面部221aの内側部分を切り欠いて形成され、上面部221aに塗布された接着剤が、開口通路部51側に流れることを防止する。
また、この溝部54には、上面部221aの内辺に沿って形成された連絡溝部56、57が接続されている。これら連絡溝部56、57は、溝部54と同様に上面部221aに塗布される接着剤が開口通路部51側に流れることを防止する。
ダスト溝部55は、開口通路部51よりもベース枠部材22の中央側、つまり、光軸側で、開口通路部51に隣接して設けられている。
このダスト溝部55により、ベース枠部材22の中央側の、ベース枠部材22の凹部の上面側からダストが流れる場合、このダストを開口通路部51に進入させる前に貯留する。
このカメラモジュール100の製造は、まず、レンズユニット12及びレンズ駆動ユニット13からなる本体ユニット10と、ベースユニット20とをそれぞれ別個で組み立てる。
そして、ベースユニット20において枠壁部221の矩形枠状の上面部221aに接着剤を塗布する。これにより、上面部221a上には接着層40が設けられる。
このように上面部221a上に、接着剤による接着層40を介してレンズ駆動ユニット13を載置することで、接着層40の厚み分の調整ギャップ60が形成される。調整ギャップ60は、ベースユニット20側の撮像素子24に対して、レンズ駆動ユニット13が保持するレンズユニット12のレンズの位置や傾きを調整するために、レンズのθ、XY調整を行うためのギャップである。
この調整ギャップ60を用いて、調整した後、カメラモジュール100の全体を加熱する工程を経て接着剤を硬化することで、レンズ駆動ユニット13をベースユニット20に固定してカメラモジュール100が組み立てられる。
このように構成されるカメラモジュール100において脱気通路部50の作用効果について説明する。
カメラモジュール100では、図5に示すように、本体ユニット10が接着層40を介して固着されるベースユニット20のベース枠部材22に、センサ封止空間Sと、ベース枠部材22の上方の調整ギャップ60とを連通させる脱気通路部50が設けられている。調整ギャップ60は、透光性フィルタ30の上面側の空間S2に連続する。
これにより、ベース枠部材22内のセンサ封止空間Sは、脱気通路部50を介して、カメラモジュール100内で調整ギャップ60に連通し、調整ギャップ60を介して透光性フィルタ30の上面側の空間S2と連続する。
このように、カメラモジュール100では、脱気通路部50を介して、センサ封止空間Sでの空気の出入りを行うことができる。これにより、レンズユニット12の駆動によりセンサ封止空間S内で発生する内圧による不具合、具体的には、温湿度変化や外気圧変化による、センサpkg内の結露や圧力変化による物理的損傷を防止することができる。
また、図7に示すように、カメラモジュール100において、レンズユニット12が駆動した場合、矢印F1で示すように、レンズユニット12(詳細にはレンズバレル)とレンズ駆動ユニット13との間から数μmサイズのダストが透光性フィルタ30側に落下することがある。
そして、透光性フィルタ30上の空間S2に落下したダストが、調整ギャップ60内に進入するとする。なお、調整ギャップ60は、透光性フィルタ30を囲む部位の一部(本体ユニット10とベースユニット20と接着層40で囲まれる一角部)に設けられ、且つ、数十μmに調整されており、この調整ギャップ60内にダストが侵入する確率は極めて低い。
図8は、調整ギャップ60を流れるダストの経路を示すベースユニット20における角部2211の斜視図である。なお、この図8では、便宜上、カメラモジュール100において調整ギャップ60の上部の本体ユニット10を省略している。
カメラモジュール100では、この調整ギャップ60と、センサ封止空間Sとを連通する脱気口としても機能する脱気通路部50は、センサ封止空間S側の開口を、撮像素子24の側方に位置させている。すなわち、脱気通路部50のセンサ封止空間S側の開口は、撮像素子24の撮像面242からは、更に離間した位置で、センサ基板21側に開口している。
これにより、ダストが調整ギャップ60を通り(矢印F2方向で示す)、脱気通路部50内に進入したとしてのダストが落下する場所は、図7の矢印F3で示すように、撮像素子24のチップ端241外となる。よって、撮像素子24の撮像面242上にダストが乗る確立を略0にする、つまり、センサ封止空間S内にダストが仮に流入する場合でも、ダストが撮像面242に付着すること(所謂ダスト不良)を防止でき、高品質画像を取得できる。
このように、カメラモジュール100では、センサ封止空間S内の脱気と、ダスト流入防止の双方を容易で、且つ、効果的に両立させることができる。
また、カメラモジュール100では、脱気通路部50は、センサ封止空間Sと、透光性フィルタ30の上面側の空間S2とを、レンズ駆動ユニット13とベースユニット20との間で接着層40により画成されるギャップ領域(調整ギャップ60)を用いて連通させる。すなわち、センサ封止空間Sの脱気のために、脱気通路部50と、空間S2とを接続する流路を別途設ける必要が無く、レンズユニット12の光軸調整に必要な調整ギャップ60の厚み範囲内に収めることで、薄型化を実現している。
また、ベース枠部材22の上面部221aにおいて、脱気通路部50の周囲には、溝部54、連絡溝部56、57が設けられている。
これにより、図9に示すように、ベースユニット20と、本体ユニット10とを上面部221a上に塗布した接着剤を介して固着する際に、接着剤が潰されて、脱気通路部50側に流れても、溝部54、連絡溝部56、57に案内されて、脱気通路部50に至らない。これにより、接着剤の脱気通路部50への流入を防止することができる。
また、脱気通路部50に隣接して、脱気通路部50よりもベース枠部材22の中央側、つまり、光軸側に、ダスト溝部55が設けられている。このダスト溝部55は、透光性フィルタ30の上面側の空間S2側から、調整ギャップ60内にダストが流れても(図7及び図8の矢印F2で示す)、このダストを開口通路部51に進入させる前に貯留することができる。
なお、上記本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り、種々の改変をなすことができ、そして本発明が該改変させたものに及ぶことは当然である。
本発明に係るカメラモジュールは、脱気とダスト流入防止の双方を容易で、且つ、効果的に両立させることができるとともに、薄型化を実現できる効果を有し、携帯電話、携帯型ゲーム端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯電話にパーソナルコンピュータやPDA等機能が備わるスマートフォン等の携帯端末に用いられるものとして有用である。
10 本体ユニット
12 レンズユニット
13 レンズ駆動ユニット
20 ベースユニット
21 センサ基板
22 ベース枠部材
22a 開口部
24 撮像素子
30 透光性フィルタ
40 接着層
50 脱気通路部
51 開口通路部
52 円錐状通路部
54 溝部
55 ダスト溝部
56、57 連絡溝部
60 調整ギャップ
100 カメラモジュール
220 枠本体
221 枠壁部
221a 上面部(端面部)
222 張り出し部
224 内側枠板部
241 チップ端
242 撮像面
2211 角部

Claims (6)

  1. センサ基板に実装される撮像素子と、前記センサ基板に取り付けられ、前記撮像素子の周囲を囲み、且つ、前記撮像素子の撮像面側で開口するベース枠部材と、前記開口を覆い前記撮像素子の実装空間を封止する透光性フィルタとを有するベースユニットと、
    前記撮像素子に被写体の像を結像させるレンズユニットを収納し、且つ、前記ベース枠部材において前記撮像素子の周囲を囲む開口側の端面部の接着領域に塗布した接着剤からなる接着層を介して固着され、前記レンズユニットが前記透光性フィルタを介して前記撮像素子と対向するモジュール本体と、
    を備え、
    前記ベース枠部材を前記レンズユニットの光軸方向と平行に貫通して設けられ、前記実装空間の脱気を行う脱気通路部を有し、
    前記脱気通路部は、前記端面部において前記接着領域よりも内側の領域で開口し、且つ、前記実装空間側で、前記撮像素子より側方に外れた位置に向かって開口する、
    カメラモジュール。
  2. 前記ベース枠部材の端面部には、前記脱気通路部の開口が設けられる前記内側の領域と前記接着領域とを仕切る溝部が設けられている、
    請求項1記載のカメラモジュール。
  3. 前記端面部における前記内側の領域には、前記開口より内側にダスト貯留溝が設けられている、
    請求項1又は2記載のカメラモジュール。
  4. 前記脱気通路部の内周面は、前記ベース枠部材内で、前記実装空間側に向かって拡径する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
  5. 前記脱気通路部は、前記ベース枠部材の角部に形成されている、
    請求項1から4のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のカメラモジュールを組み込んだことを特徴とするカメラ付き携帯端末。
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