JP2012124633A - 撮像装置及び携帯端末 - Google Patents
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Abstract
【課題】外部からの塵埃が撮像素子に付着しないように接着剤により封止して外気と流通しない気密空間を形成し、該気密空間の温度上昇によって生ずる内圧の増加を簡単な構成で吸収した撮像装置。
【解決手段】少なくとも、撮像光学系と、撮像素子が実装されたプリント配線板と、該プリント配線板が接合された枠体とを有し、該撮像光学系内の所定の光学素子と、該プリント配線板と、該枠体とにより囲まれた気密空間が形成された撮像装置において、
前記気密空間が外気と通気する通気孔を設け、該通気孔にゴム製の球体を圧入したことを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】少なくとも、撮像光学系と、撮像素子が実装されたプリント配線板と、該プリント配線板が接合された枠体とを有し、該撮像光学系内の所定の光学素子と、該プリント配線板と、該枠体とにより囲まれた気密空間が形成された撮像装置において、
前記気密空間が外気と通気する通気孔を設け、該通気孔にゴム製の球体を圧入したことを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、少なくとも撮像光学ユニットと撮像素子が実装されたプリント配線板とを有する撮像装置、及び該撮像装置を備えた携帯端末に関する。
従来より、小型で薄型の撮像装置が携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)等の小型で薄型の電子機器である携帯端末に搭載されるようになり、これにより遠隔地へ音声情報だけでなく画像情報も相互に伝送することが可能となっている。
これらの撮像装置には、CCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサやCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等の撮像素子が使用されている。
このような撮像装置の一例を図7の断面図に示す。
本撮像装置において、撮像光学系61は撮像レンズL6及び赤外カットフィルタF6により構成される。そして、被写体の光像は撮像光学系61により撮像素子62に結像する。
撮像光学系61の中の撮像レンズL6は鏡枠63に接合され保持されている。
撮像素子62はワイヤーボンディングによってプリント配線板64に実装され、更にプリント配線板64は枠体65に接合されている。また、赤外カットフィルタF6も枠体65に接合され保持されている。
そして、鏡枠63に枠体65が接合されて一体化し、撮像装置が形成される。
ここで、各部材は接着剤により接合されているが、その方法が接合部所により異なる。即ち、外気中の塵埃が撮像素子62に付着すると画像不良が生ずるので、枠体65に赤外カットフィルタF6及びプリント配線板64を接合する際には接着剤を全周にわたって滴下して間隙を完全に封止する。この結果、赤外カットフィルタF6、枠体65及びプリント配線板64により囲まれた空間S61は気密空間となり、撮像素子62は空間S61の中に配置されているので塵埃が付着することが防止される。
なお、撮像レンズL6、鏡枠63、枠体65及び赤外カットフィルタF6に囲まれた空間S62に塵埃が侵入しても大きな問題は生じないので、鏡枠63に撮像レンズL6及び枠体65を接合する際には接着剤を周方向の数カ所に滴下すればよく、間隙を完全に封止する必要はない。
使用する接着剤は熱硬化型や紫外線熱硬化併用型であるために、組み立てて接着剤を滴下した撮像装置を高温の恒温槽内で加熱して接着剤を硬化させることになる。また、撮像装置を組み込んだ携帯電話機等の携帯端末は、炎天下の車内等に放置されて高温に加熱されることがある。この結果、気密状態の空間S61内の空気は高温に上昇して膨張する。
これにより、赤外カットフィルタF6は空間S61の内圧を受け、接着剤が剥がれて赤外カットフィルタF6が浮いたり、赤外カットフィルタF6が割れたりする。この結果、画像性能に重大な影響を及ぼすと共に、撮像素子62に塵埃等が付着する虞が生ずる。
一方、鏡胴内部の温度上昇による内圧の影響を防止する特許公報が開示されている。
例えば、鏡胴の一部に伸縮する蛇腹を設け、鏡胴内部の空気の膨張に対処できるようにしたテレビカメラ用レンズユニットが知られている(特許文献1参照)。
また、鏡胴に外部と通気する溝を形成したレンズ鏡胴が知られている(特許文献2参照)。
特許文献1においては、鏡胴内部の温度上昇による内圧の影響を防止するため、鏡胴に蛇腹を設けているが、テレビカメラに用いる大型の鏡胴では可能であっても、本発明の如く携帯端末に用いるような小型な撮像装置の場合では、非常に小型な蛇腹を設けることになって、実現性が困難である。また、伸縮する蛇腹を設けると原価高にもなる。
特許文献2においては、鏡胴に外部と通気する溝を形成しているが、この溝を通して外部から塵埃が侵入する可能性がある。従って、フィルムを用いるカメラならともかく、本発明の如き撮像素子を有する撮像装置においては、侵入した塵埃が撮像素子に付着して画像性能に影響を及ぼす虞がある。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、外部からの塵埃が撮像素子に付着しないように接着剤により封止して外気と流通しない気密空間を形成し、該気密空間の温度上昇によって生ずる内圧の増加を簡単な構成で吸収した撮像装置及び該撮像装置を備えた携帯端末を提案することを目的とする。
上記目的は下記に記載した発明により達成される。
1.少なくとも、撮像光学系と、撮像素子が実装されたプリント配線板と、該プリント配線板が接合された枠体とを有し、該撮像光学系内の所定の光学素子と、該プリント配線板と、該枠体とにより囲まれた気密空間が形成された撮像装置において、
前記気密空間が外気と通気する通気孔を設け、該通気孔にゴム製の球体を圧入したことを特徴とする撮像装置。
前記気密空間が外気と通気する通気孔を設け、該通気孔にゴム製の球体を圧入したことを特徴とする撮像装置。
2.前記気密空間から前記通気孔の中の球体までの空間に位置する空気が所定の温度に上昇したときの膨張量より、前記通気孔の中の球体から前記通気孔の出口までの空間の容積の方が大きくなるように設定したことを特徴とする前記1に記載の撮像装置。
3.前記所定の光学素子はフィルタであり、前記枠体に接合されていることを特徴とする前記1又は前記2に記載の撮像装置。
4.前記通気孔は前記枠体に形成されていることを特徴とする前記3に記載の撮像装置。
5.前記通気孔は前記撮像光学系の中の撮像レンズを保持する鏡枠に形成されていることを特徴とする前記3に記載の撮像装置。
6.前記通気孔は前記撮像光学系の光軸と平行に形成されていることを特徴とする前記1〜5の何れか1項に記載の撮像装置。
7.前記通気孔は前記撮像光学系の光軸と直交して形成されていることを特徴とする前記1〜4の何れか1項に記載の撮像装置。
8.前記通気孔は複数本形成されていることを特徴とする前記6に記載の撮像装置。
9.前記1〜8の何れか1項に記載の撮像装置を備えたことを特徴とする携帯端末。
本発明の撮像装置及び携帯端末によれば、外部からの塵埃が撮像素子に付着しないように接着剤により封止して外気と流通しない気密空間を形成し、該気密空間の温度上昇によって生ずる内圧の増加を簡単な構成で吸収することができる。
本発明の撮像装置及び携帯端末の実施の形態を図を参照して詳細に説明する。
先ず、撮像装置を備えた携帯端末として携帯電話機の一例を図1の外観図に基づいて説明する。なお、図1(A)は折り畳んだ携帯電話機を開いて内側から見た図であり、図1(B)は折り畳んだ携帯電話機を開いて外側から見た図である。
図1において、携帯電話機は、表示画面D1,D2を備えたケースとしての上筐体71と、操作ボタンBを備えた下筐体72とがヒンジ73を介して連結されている。撮像装置は、上筐体71内の表示画面D2の下方に内蔵されていて、上筐体71の外表面に撮像レンズLが露出している。
なお、この撮像装置の位置は上筐体71内の表示画面D2の上方や側面に配置してもよい。また、携帯電話機は折り畳み式に限定されるものではない。
次に、撮像装置に関する3種の実施の形態を説明する。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態を図2の撮像装置の断面図を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態を図2の撮像装置の断面図を参照して説明する。
本撮像装置において、撮像光学系1は撮像レンズL及び赤外カットフィルタF(所定の光学素子)により構成される。そして、被写体の光像は撮像光学系1により撮像素子2に結像する。
撮像光学系1の中の撮像レンズLは鏡枠13に接合され保持されている。
撮像素子2はワイヤーボンディングによってプリント配線板4に実装され、更にプリント配線板4は枠体15に接合されている。また、赤外カットフィルタFも枠体15に接合され保持されている。
そして、鏡枠13に枠体15が接合されて一体化し、撮像装置が形成されている。
ここで、各部材は接着剤により接合されているが、その方法が接合部所により異なる。即ち、外気中の塵埃が撮像素子2に付着すると画像不良が生ずるので、枠体15に赤外カットフィルタF及びプリント配線板4を接合する際には接着剤を全周にわたって滴下して間隙を完全に封止する。この結果、赤外カットフィルタF、枠体15及びプリント配線板4により囲まれた空間S11は気密空間となり、撮像素子2は空間S11の中に配置されているので塵埃が付着することが防止される。
なお、撮像レンズL、鏡枠13、枠体15及び赤外カットフィルタFに囲まれた空間S12に塵埃が侵入しても大きな問題は生じないので、鏡枠13に撮像レンズL及び枠体15を接合する際には接着剤を周方向の数カ所に滴下すればよく、間隙を完全に封止する必要はない。
使用する接着剤は熱硬化型や紫外線熱硬化併用型であるために、組み立てて接着剤を滴下した撮像装置を高温の恒温槽内で加熱して接着剤を硬化させることになる。また、撮像装置を組み込んだ携帯電話機等の携帯端末は、炎天下の車内等に放置されて高温に加熱されることがある。この結果、気密状態の空間S11内の空気は高温に上昇して膨張する。
これにより、赤外カットフィルタFは空間S11の内圧を受け、接着剤が剥がれ赤外カットフィルタFが浮いたり、赤外カットフィルタFが割れたりする。この結果、画像性能に重大な影響を及ぼすと共に、撮像素子2に塵埃等が付着する虞が生ずる。
この問題を解決するために、空間S11と外気とが通気する通気孔15aを枠体15に設けている。通気孔15aは撮像光学系1の光軸Oと平行に配置され、小孔15bにより空間S11と連通している。
但し、単に通気孔15aを設けたままでは、外気中の塵埃が通気孔15aから空間S11に侵入する虞がある。そこで、シリコンゴム等により球状に形成された球体17を通気孔15aの出口15cから圧入し、塵埃の侵入を防止する。なお、球体17を僅かに弾性変形させて通気孔15aに圧入するので、球体17は撮像装置を逆さにしても出口15cから飛び出すことはなく、更に撮像装置に振動や衝撃が掛かっても出口15cから飛び出すことはない。
ここで、枠体15にプリント配線板4を接合する接着剤を硬化させるために高温の恒温槽内で加熱した場合に、空間S11の空気、小孔15b内の空気、及び通気孔15a内における球体17と小孔15bとの空間S13の空気も温度上昇する。これにより、空間S11から空間S13までの空気は加圧されるが、その圧力に応じて球体17が出口15cの方向に移動する。従って、内圧によって赤外カットフィルタFに悪影響が生ずることがない。また、撮像装置が携帯電話機等に組み込まれて炎天下の車内等に放置されて高温に加熱される場合も同様である。
なお、撮像装置が高温に加熱される温度は最大80℃程度と想定されるので、球体17が圧入された位置と出口15cとの間の空間S14の容積は、空間S11から空間S13までの空気が常温から80℃に加熱されて膨張したときの膨張量(80℃での空気体積−常温での空気体積)以上にする必要がある。
その後、撮像装置の温度が低下し常温に戻ったときは、空間S11から空間S13までの空気の温度も常温に戻るので、内圧も低下する。従って、球体17は外気圧によって押圧され、小孔15bの方に移動して元の位置に戻る。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態を図3の撮像装置の断面図を参照して説明する。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態を図3の撮像装置の断面図を参照して説明する。
本撮像装置において、撮像レンズL及び赤外カットフィルタFにより構成される撮像光学系1、撮像素子2及びプリント配線板4は第1の実施の形態に示したものと同様である。従って、重複した詳細な説明は省略する。
撮像レンズLは鏡枠23に保持され、赤外カットフィルタF及びプリント配線板4は枠体25に接合されている。そして、鏡枠23に枠体25が接合されて一体化し、撮像装置が形成されている。
本実施の形態においては、鏡枠23に通気孔23aを撮像光学系1の光軸Oと平行に設けると共に、枠体25に光軸Oと平行に小孔25aを設けている。そして、通気孔23aは小孔25aを介し、赤外カットフィルタF、枠体25及びプリント配線板4により囲まれて気密空間となった空間S21と連通している。なお、通気孔23aは第1の実施の形態の通気孔15aより細く、複数本、例えば4本設けられている。また、枠体25の外周形状が四角の場合は角部に各々設けられている。
各通気孔15aにはシリコンゴム等により球状に形成された球体27が各々圧入され、球体27は第1の実施の形態と同様に、塵埃の侵入防止と空間S21の空気膨張に対する対策になっている。
以上の如く、通気孔23aを鏡枠23に設けることにより、通気孔23aの壁が二重になることがないので、撮像装置の外径の増大を抑えることができる。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態を図4の撮像装置の断面図、図5のA−Aで切断したときの枠体等の断面図及び図6の枠体等の斜視図を参照して説明する。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態を図4の撮像装置の断面図、図5のA−Aで切断したときの枠体等の断面図及び図6の枠体等の斜視図を参照して説明する。
本撮像装置において、撮像レンズL及び赤外カットフィルタFにより構成される撮像光学系1、撮像素子2及びプリント配線板4は第1の実施の形態に示したものと同様である。従って、重複した詳細な説明は省略する。
撮像レンズLは鏡枠33に保持され、赤外カットフィルタF及びプリント配線板4は枠体35に接合されている。そして、鏡枠33に枠体35が接合されて一体化し、撮像装置が形成される。
なお、図4の断面図は図2,3の断面図と比較して断面位置が90°異なっているので、撮像素子2からプリント配線板4にボンディングするワイヤーは表示していない。また、撮像素子における撮像面の中心は撮像素子の外形に対する中心からずれていることが多いので、図4における撮像素子2は右方にずれて配置してある。このため、左方にデッドスペースが生ずるので、図5及び図6に示す如く、枠体35の左部に撮像光学系1の光軸Oと直交する通気孔35aを設けている。通気孔35aは小孔35bを介し、赤外カットフィルタF、枠体35及びプリント配線板4により囲まれて気密空間となった空間S31と連通している。
通気孔35aにはシリコンゴム等により球状に形成された球体37が圧入され、球体37は第1の実施の形態と同様に、塵埃の侵入防止と空間S31の空気膨張に対する対策になっている。
なお、以上の説明では温度上昇に伴う内圧の上昇によって影響を受ける光学素子を赤外カットフィルタとした。しかし、赤外カットフィルタに限定されるものではなく、他のフィルタや撮像レンズの一部であってもよい。
また、プリント配線板に実装されるのは撮像素子だけである必要はなく、抵抗、コンデンサ、ICチップ等が適宜実装されていてもよい。
1 撮像光学系
2 撮像素子
4 プリント配線板
13,23,33 鏡枠
15,25,35 枠体
15a,23a,35a 通気孔
15b,25a,35b 小孔
15c 出口
17,27,37 球体
L 撮像レンズ
F 赤外カットフィルタ
S11,S12,S13,S14,S21,S31 空間
O 光軸
2 撮像素子
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13,23,33 鏡枠
15,25,35 枠体
15a,23a,35a 通気孔
15b,25a,35b 小孔
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17,27,37 球体
L 撮像レンズ
F 赤外カットフィルタ
S11,S12,S13,S14,S21,S31 空間
O 光軸
Claims (9)
- 少なくとも、撮像光学系と、撮像素子が実装されたプリント配線板と、該プリント配線板が接合された枠体とを有し、該撮像光学系内の所定の光学素子と、該プリント配線板と、該枠体とにより囲まれた気密空間が形成された撮像装置において、
前記気密空間が外気と通気する通気孔を設け、該通気孔にゴム製の球体を圧入したことを特徴とする撮像装置。 - 前記気密空間から前記通気孔の中の球体までの空間に位置する空気が所定の温度に上昇したときの膨張量より、前記通気孔の中の球体から前記通気孔の出口までの空間の容積の方が大きくなるように設定したことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記所定の光学素子はフィルタであり、前記枠体に接合されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
- 前記通気孔は前記枠体に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
- 前記通気孔は前記撮像光学系の中の撮像レンズを保持する鏡枠に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
- 前記通気孔は前記撮像光学系の光軸と平行に形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の撮像装置。
- 前記通気孔は前記撮像光学系の光軸と直交して形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の撮像装置。
- 前記通気孔は複数本形成されていることを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
- 請求項1〜8の何れか1項に記載の撮像装置を備えたことを特徴とする携帯端末。
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2010
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