JP2013110593A - カメラモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】脱気とダスト流入防止の双方を容易で、且つ、効果的に両立させることができるとともに、薄型化を実現すること。
【解決手段】レンズ駆動ユニット13が取り付られるベースユニット20では、ベース枠部材22が、撮像素子24を覆い上方で開口する。透光性フィルタ30は、ベース枠部材22の一内側枠部224Aに接着剤を介して接着され、撮像素子24の実装空間Sを封止する。実装空間Sの脱気を行う脱気口部60は、一内側枠部224Aに形成され、一端部がベース枠部材22の開口に連続し他端部が透光性フィルタ30により覆われる溝部62、63、一端部が実装空間Sの外部と連続し他端部が透光性フィルタ30により覆われる溝部61、及び、接着剤の接着層40に形成され、且つ、溝部62、63及び実装空間Sと、溝部61とを連通させる連通形成部64とを有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、携帯電話、スマートフォン等の携帯端末に搭載されるカメラモジュールに関し、特に、半導体撮像素子が実装される空間とその外部とを連通させる脱気口を備えるカメラモジュールに関する。
近年、携帯電話、携帯型ゲーム端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯電話にパーソナルコンピュータやPDA等機能が備わるスマートフォン等、標準機能としてカメラ機能を備えた携帯端末が普及している。このような携帯端末のカメラ機能を実現するために、携帯端末には、カメラモジュールと呼ばれる小型の電子部品が搭載されている。
一般的なカメラモジュールは、半導体撮像素子を実装するベースユニットと、半導体撮像素子に被写体の像を結像させるレンズユニットと、レンズユニットを収容し、且つ、ベースユニットに固定されるモジュール本体とを有する。
半導体撮像素子(以下、「撮像素子」と称する)は、CCDイメージセンサ(Charge Coupled Device Image Sensor)、COMS(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)等からなる。
撮像素子は、プリント配線基板(PWB:printed wiring board、以下、センサ基板)上に、枠状のベース枠部材によって囲まれた状態で実装されている。撮像素子は、レンズユニットにより受光面上に結像した被写体像の光信号を電気信号に変換して出力する。このベース枠部材で囲まれた領域が、図示しないCSP(Chip Size Package)部品、回路部品を実装可能な領域となっており、この領域の略中央に撮像素子が実装される。この枠状のベース枠部材の上面側開口部は、透光性フィルタ(例えば赤外線カットフィルタ:IRCF)によって被覆されている。
透光性フィルタは、センサ基板及びベース枠部材とともに、撮像素子が配置される中空の実装空間(センサ封止空間)を画成している。ベース枠部材の上面側開口部は、透光性フィルタを介して、モジュール本体により閉塞されている。モジュール本体には、このレンズユニットを光軸方向に変位自在に駆動するレンズ駆動機構部が設けられている。このモジュール本体とベース枠部材との間に接着剤を塗布し、モジュール全体(モジュール本体及びベースユニット)を紫外線(UV)照射或いは加熱・冷却などで硬化させ、両者を接合することによってカメラモジュールが組み立てられる。
このようにレンズユニットを収容するモジュール本体とベースユニットと接着剤を介して接合する際には、モジュール全体に対して紫外線(UV)照射或いは加熱・冷却などを行う。このため、センサ基板上の撮像素子、ベース枠部材及び透光性フィルタによって囲まれたセンサ封止空間では、空気が膨張・収縮を行うこととなり、センサ封止空間の内部空気を外部に放出しないと、センサ封止空間の内圧が高くなり、透光性フィルタを破損させる虞がある。
このため、従来のカメラモジュールでは、例えば、特許文献1、2で示すように、センサ封止空間と外部とを繋ぐ空気抜きのための穴(脱気口)を有する構成が採用されている。
特許文献1では、ベース枠部材において、モジュール本体に接着される平面部(上面)に、ベース枠部材の内外を連通させるラビリンス構造の溝を設けている。この平面部において溝以外の部位に接着剤を塗布して、透光性フィルタ(IRCF)を貼着することで形成された脱気口を有するカメラモジュールが形成されている。
また、特許文献2では、固体撮像素子と、固体撮像素子を覆う覆部とを接着剤で接合して固体撮像素子と覆部との間に中空部が形成された半導体装置が開示されている。この半導体装置では覆部の内面(中空部内)に生じる結露防止のために、接着部剤からなる接着部に中空部から外部に通じる通気路が形成されている。
特許第3981348号公報 特許第4378394号公報
ところで、カメラモジュール自体に対して、搭載される携帯端末の小型化に伴い、より小型化・薄型化が望まれるとともに、高画素化が図られている。
特許文献1の構成では、接着剤が塗布される平面部に溝が形成されているため、接着剤を介してモジュール本体に接合する際に、溝は、侵入する接着剤で埋まらないように、接着剤の流入量を予め想定した深さで形成されている。つまり、溝は、塗布される接着剤厚+形成後の脱気口の深さとして形成される深さで形成しておくため、その深さの分、組み立てられるカメラモジュール自体は厚く(高く)なり、薄型化しにくいという問題がある。また、溝には、その深さ分の長さのダストが侵入する虞があり、侵入したダストは、高画素化に伴いよりサイズが小さくなった半導体撮像素子のピクセルに対して大きな影響を及ぼしやすい(黒点になりやすい)という問題がある。
また、特許文献2の構成では、接着剤による接着部に通気路が形成されるため、接着剤のみで通気路が形成されるように接着剤を所定箇所に塗布する必要があり、手間がかかる構成となっている。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、脱気とダスト流入防止の双方を容易で、且つ、効果的に両立させることができるとともに、薄型化を実現できるカメラモジュールを提供することを目的とする。
本発明のカメラモジュールの一つの態様は、センサ基板に実装される撮像素子の周縁部を覆うとともに前記撮像素子の上方で開口するベース枠部材と、前記ベース枠部材において前記開口を囲む枠状部に接着剤を介して接着され、前記撮像素子の実装空間を封止する透光性フィルタとを有するベースユニットを備え、このベースユニットに、前記撮像素子に被写体の像を結像させるレンズユニットを収容するモジュール本体を取り付けてなるカメラモジュールであって、前記実装空間の脱気を行う脱気口部を備え、前記脱気口部は、前記枠状部に形成され、一端部が前記開口に連続するとともに、他端部が前記透光性フィルタにより覆われる第1溝部と、前記枠状部に前記第1溝部と並べて形成され、前記開口と離間する側の一端部が前記実装空間の外部と連続するとともに、前記開口側の他端部が前記透光性フィルタにより覆われる第2溝部と、前記枠状部と前記透光性フィルタの間に塗布される前記接着剤の接着層に形成され、且つ、前記第1溝部及び前記開口のうち少なくとも前記第1溝部と、前記第2溝部とを連通させる連通形成部とを備える構成を採る。
本発明によれば、脱気とダスト流入防止の双方を容易で、且つ、効果的に両立させることができるとともに、薄型化を実現できる。
本発明の一実施の形態に係るカメラモジュールの外観を示す図 同カメラモジュールの分解斜視図 同カメラモジュールにおけるベースユニットの分解斜視図 同カメラモジュールにおいて接着剤を介して透光性フィルタを取り付けたベース枠部材の平面図 図4のA−A線矢視断面図 図4のB−B線矢視断面図 図4のC−C線矢視断面図 図5のD部分の拡大断面図 図7のE部分の拡大断面図 図3の溝部を示す図 接着剤が固化して形成された接着層を示すベース枠部材の平面図 図11のF−F線矢視断面斜視図 図12において、透光性フィルタを取り付けた状態の断面斜視図 図12のG部分の拡大図 図13のH部分の拡大図 脱気口部の拡大平面図 本発明の一実施の形態に係るカメラモジュールの変形例を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るカメラモジュール10の外観を示す図である。図2は、カメラモジュール10の分解斜視図である。カメラモジュール10は、携帯電話等のカメラ付き携帯端末に搭載される電子部品である。
図1及び図2に示すように、カメラモジュール10は、フレキシブル基板(FPC:Flexible printed circuits)11に取り付けられるベースユニット20、レンズユニット12、レンズ駆動ユニット13等を備える。
FPC11は、柔軟性を有する絶縁基板を用いたプリント配線基板であり、センサ基板21を携帯端末本体側に接続する。FPC11は、帯状に形成され、一端部にベースユニット20のセンサ基板21が接続されている。このFPC11の他端部には、携帯端末本体側とのコネクタ(図示省略)が実装される。
レンズユニット12は、複数枚のレンズかなるレンズ群と、これらレンズ群を内部に収容するレンズホルダとを有し、被写体の像をベースユニット20における撮像素子24の受光面に結像させる。
レンズ駆動ユニット13は、レンズユニット12を収容するモジュール本体であって、レンズ駆動部(図示省略)によりレンズユニット12を光軸方向に移動させる。本実施の形態では、レンズ駆動ユニット13のレンズ駆動部は、VCM方式のレンズ駆動装置で構成される。なお、レンズ駆動ユニット13の駆動部を、ピエゾ方式やMEMS方式、電磁力方式やステッピングモータ方式などのレンズ駆動装置で構成することもできる。
レンズ駆動ユニット13は、カメラモジュール10に要求される外形サイズに合わせて、平面視正方形の略直方体状に形成される。なお、レンズ駆動ユニット13の一側面の下側縁部の両側には、VCMに接続された2つのアクチュエータ端子13a(図2参照)が突出して設けられている。これらアクチュエータ端子13aがベースユニット20におけるセンサ基板21のパット(図示省略)に接続されることにより、カメラモジュールにおけるオートフォーカス機能が実現される。
このレンズユニット12を収容したレンズ駆動ユニット13が、内部に撮像素子24が実装されたベースユニット20(ベース枠部材22)に載置され、ベース枠部材22の上部に接着剤を塗布し、全体を加熱する工程を経て接着剤を硬化する。このように、レンズ駆動ユニット13をベースユニット20に固定することによって、カメラモジュール10が組み立てられる。
ベースユニット20では、内部に撮像素子が配置されたベース枠部材22を透光性フィルタ30で覆うことで、撮像素子24を実装する空間(実装空間)、つまりセンサ封止空間を封止している。
図3は、ベースユニット20の分解斜視図である。
図3に示すようにベースユニット20は、裏面でFPC11(図1、図2参照)に接続されるセンサ基板21と、ベース枠部材22と、撮像素子24と、透光性フィルタ30と、透光性フィルタ30をベース枠部材22に接着する接着層40とを備える。なお、図3に示す接着層40は、透光性フィルタ30とベース枠部材22とを接着した状態である硬化した形状の状態で示す。また、図示しないが、ベースユニット20は、更に、センサ基板21に実装され、且つ、ベース枠部材22により囲まれたCSP部品及び回路部品等を備える。
センサ基板21は、レンズ駆動ユニット13の平面視形状と略同一の正方形状に形成されたプリント配線基板であり、FPC11に実装されている。センサ基板21には、各種配線パターンが形成され、CSP部品、回路部品等のチップ部品等とともに、撮像素子24が表面実装されている。なお、CSP部品は、例えばEEPROMやレンズ駆動ユニット13の駆動ドライバ等のチップ部品である。また、回路部品は、例えばチップコンデンサやチップ抵抗等のチップ部品である。これらCSP部品及び回路部品は、撮像素子24の周辺の実装可能な領域に、リフロー方式の半田付けにより実装される。
撮像素子24は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の固体撮像素子である。撮像素子24は、レンズユニット12により受光面上に結像した被写体像の光信号を電気信号に変換して、携帯端末本体側の信号処理部(DSP:Digital Signal Processor、図示省略)に出力する。
撮像素子24は、センサ基板21の略中央に実装される。撮像素子24は、例えば樹脂系接着剤によりセンサ基板21に固定(ダイボンディング)された後、撮像素子24の電極とセンサ基板21の接続パッドが金属ワイヤーで接続(ワイヤボンディング)されることで、センサ基板21に実装される。
この撮像素子24の周縁部を囲むように、ベース枠部材22がセンサ基板21に取り付けられている。
ベース枠部材22は、撮像素子24の周縁部を覆うとともに撮像素子24の上方で開口する。このベース枠部材22は、側面視して凸形状に成形された枠体であり、センサ基板21の周縁部に沿って樹脂系接着剤により接着されている。センサ基板21上においてベース枠部材22により囲まれた領域内に、撮像素子24に加えてチップ部品(図示省略)が実装されている。ベース枠部材22は、中央に略正方形状の開口部が形成された矩形状の枠体であり、ここでは、平面視略正方形状の枠体である。
ベース枠部材22は、側面視して凸形状に成形(図5〜7参照)された枠本体222と、枠本体222の内側で撮像素子24を囲み、且つ、接着層40が配設される内側枠部(枠状部)224とを有する。
枠本体222は、凸形状の上部で、レンズ駆動ユニット13が載置される。この載置されたレンズ駆動ユニット13(図1及び図2参照)の下端部は、枠本体222の上面222aに塗布されてなる図示しない接着剤を介して、固着される。
内側枠部224は、ベース枠部材22において、撮像素子24の上方で開口する部分を囲む。内側枠部224は、枠本体222の上面よりも低い位置に配置され、これにより、ベース枠部材22全体としては、平面視して中央部分が凹む形状をなしている。
この内側枠部224の上面には、接着剤を塗布して成る接着層40を介して、内側枠部224により囲まれた開口を閉塞することによって、センサ封止空間Sを封止する透光性フィルタ30が貼着されている。
透光性フィルタ30は、IR領域の光信号を除去するIRカットフィルタであり、撮像素子24の上方に配置され、且つ、ベース枠部材22の内側枠部に接着層40を介して貼着されている。
この透光性フィルタ30がベース枠部材22に貼着されることによって、ベース枠部材22とで、センサ基板21上の撮像素子24を封止するセンサ封止空間Sが画成される。
このベース枠部材22は、センサ封止空間Sと外部空間とを直接連通させず、透光性フィルタ30の接着用として塗布される接着剤の広がりを止めるための溝部61、62、63を備える。言い換えれば、これら溝部61、62、63は、透光性フィルタ30をベース枠部材22に貼着した際に、接着層40の連通形成部64とともに、センサ封止空間Sとセンサ封止空間Sの外部とを連通させる。つまり、溝部61、62、63は、連通形成部64とともに、センサ封止空間Sの脱気を行う脱気口部60を形成する。
脱気口部60を形成する溝部61、62、63は、内側枠部224の上面において内側辺部224a及び外側辺部224bの一方側から切り欠いて形成されている。
溝部(第2溝部)61は、内側枠部224のうちの内側枠部(一内側枠部224A)に溝部(第1溝部)62、63と並べて形成されている。溝部61は、ベース枠部材22の開口と離間する側の一端部がセンサ封止空間Sの外部と連続するとともに、開口側の他端部が透光性フィルタ30により覆われている。また、溝部62、63は、内側枠部224のうちの内側枠部(一内側枠部224A)に形成され、一端部がベース枠部材22の開口に連続するとともに、他端部が透光性フィルタ30により覆われている。
ここでは、溝部61、62、63は、それぞれ内側枠部224において、センサ封止空間S側の内側辺部224a及び外部空間側の外側辺部224bのうち、一方の辺部から他方の辺部に向かって延在している。また、これら溝部61、62、63は、内側枠部224において、センサ封止空間側の内側辺部224a及び外部空間側の外側辺部224bのうち、一方の辺部とは連続し、他方の辺部とは連続していない。つまり、溝部61、6263は、内側枠部224に、センサ封止空間S及び外部空間の一方にのみ連続して形成されている。
具体的には、溝部61は、内側枠部224に、外部空間に連続し、且つ、センサ封止空間Sには連続しないように形成されている。また、この溝部61を挟む位置で、センサ封止空間Sに連続し、且つ、外部空間には連続しない溝部62、63が形成されている。
ここで、溝部61、62、63と、接着層40とで形成する脱気口部60についてベース枠部材22の構成とともに説明する。
図4は、接着剤による接着層40を介して透光性フィルタ30を取り付けたベース枠部材22の平面図であり、図5は、図4のA−A線矢視断面図であり、図6は、図4のB−B線矢視断面図である。また、図7は、図4のC−C線矢視断面図であり、図8は、図5のD部分の拡大断面図、図9は、図7のE部分の拡大断面図である。
図4に示すように、溝部61の一端部(基端部)61aは、平面視してベース枠部材22の内側枠部224に貼着された透光性フィルタ30の外方(外縁から外側)で上方に露出する。
ベース枠部材22の内側枠部224は、図5〜図7に示すように、枠本体222の内周面から内方に略水平方向に突出して形成されている。
この内側枠部224の裏面と、枠本体222の下部空間とで、センサ封止空間Sの下部空間であり、且つ、撮像素子24の配設領域S2を形成している。
この内側枠部224の上面に接着層40を介して透光性フィルタ30が、内側枠部224における中央開口部を閉塞するように貼着されている。
この内側枠部224のうち、一内側枠部224Aの中央部に溝部61〜63が形成されている。なお、溝部61〜63は、ここでは、50μmの深さで形成されている。
一内側枠部224A上には、溝部62、63の間に配置され、且つ、溝部61の内側辺部224a側の端部に連続し、一内側枠部224Aの上面と面一である面で底部が画成される連通形成部64が形成されている。この連通形成部64は、一内側枠部224Aと透光性フィルタ30の間に塗布される接着剤の接着層40に形成されている。また、連通形成部64は、溝部(第1溝部)62、63及びベース枠部材22の開口のうち少なくとも溝部62、63と、溝部(第2溝部)61とを連通させる。
図10に図3の溝部61〜63を示す。
図3及び図10に示すように、連通形成部64は、溝部62、63間に形成されており、溝部61、62、63の形状で規定される接着剤の塗布領域によって画成される。
溝部62、63は、内側辺部224aから外側辺部224bに向かって延在し、外側辺部224bには至っていない。各溝部61〜63は、それぞれ一内側枠部224Aにおいて、内側辺部224aと外側辺部224bの一方には至っていないため、センサ封止空間Sと外部空間とを直接連通させていない。
これら溝部62、63は、図10に示すように、一内側枠部224Aにおいて、溝部61と並行に延在する溝本体621、631と、これら溝本体621、631の外側辺部224b側の端から溝部61側に折曲する折曲部622、632とを有する。この構成により、溝部62,63では、折曲部622、632の端部で複数の角部62a、62b、63a、63bが形成されている。
言い換えれば、溝部62、63は、一内側枠部224Aに、所定間隔を空けて並べて形成され、互いの透光性フィルタ30に覆われる端部を、互いに対向する方向に折曲した形状の折曲部(第1溝部の他端部に相当)622、632を有する。そして、これら溝部62、63の折曲部622、632間に、溝部62,63と並べて、直線状の溝部61が形成されている。この溝部61において透光性フィルタ30に覆われる端部(第2溝部の他端部に相当)は、溝部62、63の折曲部622、632間に配置されている。
複数の角部62a、62b、63a、63bは、ベース枠部材22の内側枠部224の数カ所に接着剤を塗布した際、または、内側枠部224の数カ所に接着剤を塗布した後で透光性フィルタ30を貼着した際の接着剤の塗布領域(広がる領域)を規定する。
具体的には、ベース枠部材22の内側枠部224上における所定の数カ所に塗布した接着剤は、透光性フィルタ30を取り付けた際、内側枠部224と透光性フィルタ30との間で毛細管現象によって広がる。このように内側枠部224上で広がる接着剤が、一内側枠部224Aに広がって(図10矢印M参照)、複数の角部62a、62b、63a、63bに至った際に、表面張力が高くなり停止する。これにより連通形成部64まで接着剤は広がらない。すなわち、カメラモジュール10では、接着層40は、接着剤の塗布位置、塗布量によって管理されている。この管理に加えて、内側枠部224に透光性フィルタ30を、接着剤を介して接着する際に、内側枠部224上に塗布される接着剤の塗布領域を、溝部61〜63が規定することによって連通形成部64を形成する。
このように内側枠部224と透光性フィルタ30との間で、規定された塗布範囲に広がった接着剤が固化して形成された接着層40を図11に示す。
図11に示すように、内側枠部224上において毛細管現象で広がる(矢印M1で示す)接着剤は、溝部61、62、63で挟まれる領域では、角部62a、62b、63a、63bで表面張力が高くなり停止して硬化している。これにより、接着層40において連通形成部64を仕切る接着層40の端部41が形成されている。つまり、連通形成部64は、内側枠部224上において角部62a、62b、63a、63bの近傍に形成される。
端部41は各溝部61、62、63間に位置する部位であり、一内側枠部224Aの長手方向で隣り合う溝部61〜63どうしを一内側枠部224Aの延在方向で仕切っている。端部41は、内側枠部224と透光性フィルタ30との間に塗布される接着剤の塗布領域が、溝部61、62、63によって規定されることによって形成される。
このように内側枠部224上に塗布される接着剤により形成される接着層40は、溝部61、62、63上には配設されないのは勿論のこと、角部62a、62b、63a、63bによって、連通形成部64の位置には形成されていない。
このように溝部61〜63は、図3〜図9に示すように、ベース枠部材22と透光性フィルタ30との間で硬化した接着剤による接着層40を介して、互いに連結され、センサ封止空間Sと外部空間とを連通させている。
すなわち、外部空間に連続する溝部61とセンサ封止空間Sに連続する溝部62、63とは、連通形成部64と、接着層40が位置する高さで且つ溝部62、63上の接着剤が塗布されない領域と、を介して連通している。
図12は、図11のF−F線矢視断面斜視図であり、図13は、図12において、透光性フィルタ30を取り付けた状態の断面斜視図である。また、図14は、図12のG部分の拡大図であり、図15は、図13のH部分の拡大図である。
図12、図14に示すように、センサ封止空間Sに連続する溝部62(溝部63も同様)内を通る空気は、接着層40の側方に形成され、且つ、接着剤が塗布されてない連通形成部64内であり透光性フィルタ30の下の空間を通る。
この空間は、図13及び図15に示すように、外部空間に連続する溝部61と透光性フィルタ30の下で連通している。つまり、透光性フィルタ30の裏面側で、連通形成部64は、溝部61を介して外部空間に連通する。よって、連通形成部64の空気は、溝部61内と、接着層40における溝部61上方の空間を通ることができる。これにより外部空間に連続して、センサ封止空間Sと外部空間とは連通した状態となっている。
このように本実施の形態のカメラモジュール10は、センサ基板上に実装された撮像素子24を覆うベース枠部材22と、ベース枠部材22の開口を覆う透光性フィルタ30とを接着剤により形成される接着層40で接着して画成したセンサ封止空間Sを備える。
そして、ベース枠部材22において撮像素子24の周縁部上に配置される枠状の内側枠部224のうち、一内側枠部224Aには、溝部61〜63が形成されている。溝部61は、外部空間、ここでは、ベース枠部材22の上方空間に連続するように、一内側枠部224Aの外側辺部224bを切り欠いて、内側辺部224aに向かって延在するようにスリット状に形成されている。また、溝部62、63は、センサ封止空間Sに連続するように、一内側枠部224Aの内側辺部224aを切り欠いて、外側辺部224bに向かって延在し、外側辺部224b側の端部を溝部61側に折曲させた形状に形成されている。
このような溝部61〜63が形成された一内側枠部224A、つまり、内側枠部224上に、接着剤を塗布して、透光性フィルタ30を載置する。
すると、接着剤は、透光性フィルタ30と一内側枠部224Aとの間を毛細管現象によって広がり、内側枠部224全体に広がっていく。そして、溝部61〜63に至る接着剤は、溝部61〜63を避けて広がる。このとき、溝部61〜63内に流れることも考えられるが、接着剤は、その厚みを、溝部61〜63の深さより薄くなるように塗布されるため、溝部61〜63が塞がれることはない。例えば、溝部61〜63の深さが50μmの場合、接着剤による接着層40の厚みは、10μmとする。
そして、溝部62と溝部61との間、溝部63と溝部61との間に至る接着剤は、角部62a、62b、63a、63bに至ると表面張力が高くなるため、その広がりが抑制され、角部62b、63bで止まる。これにより接着剤(接着層40)の端部41は、連通形成部64の近傍に配置される。
図16は、脱気口部60の拡大平面図である。
図16に示すように、一内側枠部224A上の接着層40において溝部61と溝部62、溝部61と溝部63間に位置する接着剤(接着層40)の端部41は、連通形成部64の外側(センサ封止空間Sとは反対側)で隣接する位置に配置している。このような接着層40上には透光性フィルタ30が貼着されている。
よって、ベース枠部材22の内側枠部224(一内側枠部224Aも含む)と、透光性フィルタ30との間では、連通形成部64と溝部61、連通形成部64とセンサ封止空間S及び溝部62、63がそれぞれ連続する空間を形成する。これら空間を用いてセンサ封止空間Sと外部空間とが連通して、センサ封止空間Sから外部空間へ脱気する脱気口部60が構成されている。
具体的には、センサ封止空間Sと、センサ封止空間Sに連続する溝部62、63と溝部62、63上方に位置する接着層40の内部領域と、を介した空気は、連通形成部64を介して溝部61に流れて外部空間に脱気される(矢印K1参照)。
また、連通形成部64を介してセンサ封止空間Sからの空気(矢印K2)は溝部61と溝部61の上方に位置する接着層40の内部領域を介して外部空間に脱気される。
逆に、脱気口部60を介してダストが侵入する場合、先ず外部空間に連続する溝部61を通った後で、連通形成部64、つまり、溝部61よりも深さの浅い接着層40内の空間を通ってからセンサ封止空間S内に侵入することとなる。
よって、外部からダストが溝部61内に侵入しても、連通形成部64と透光性フィルタ30の間の空間である接着層40内の空間に侵入することがない。これにより、外部からセンサ封止空間S内へのダストの侵入を防止できる。
このように構成されたカメラモジュール10では、センサ封止空間と外部空間とを連通した状態で連続させる脱気口部60を、所定の深さを有する溝部61〜63と、溝部61〜63よりも薄い接着層40とにより形成している。すなわち、脱気口部60の高さは、接着剤厚さ(連通形成部64の高さ、つまり、接着層40の厚さ)を有するものとなり、接着剤の塗布量、塗布箇所で管理できる。
これにより、センサ封止空間と外部空間とを直線で直接接続する溝部を形成した構成と比較して、脱気口部60によって、効果的な脱気を行えるとともに接着層40の厚さ以上であるダストなどの侵入を防止できる。例えば、接着層40の厚みを10μmとし、溝部61〜63の深さをそれぞれ50μmとする。カメラモジュール10が1/3インチで10メガピクセル以上の撮像素子を有するカメラである場合、1ピクセルのサイズは約1μmとなり、1μmのダストでも一画素潰れ、黒点となりうる。仮にφ50μmのダストが侵入する場合、溝部61内で止まり連通形成部64内には侵入できない。この構成の脱気口部60を備える場合、仮にダストが侵入しても、高さ60μmの通気口を形成した場合と比較して、黒点が発生する画素数を3%以下にまで低減できる。
また、カメラモジュール10によれば、接着剤の広がりを止めるための十分な深さの溝部61〜63を有しつつ、脱気口高さを接着層40の厚み(例えば、10μm程度)で規定できる。このため、極限まで脱気口部60の高さを低くできる、つまりカメラモジュール10自体の高さを極力低くできる。
このようにカメラモジュール10によれば、脱気とダスト流入防止の双方を容易で、且つ、効果的に両立させることができるとともに、薄型化を実現できる。
なお、本実施の形態のカメラモジュール10では、一内側枠部224Aに設けられる溝部61〜63を、外部空間に連続する溝部61とし、センサ封止空間Sに連続する溝部62、63としたが、これに限らず、それぞれの溝部の数はいくつ設けられても良い。例えば、溝部61〜63の位置を変更して、溝部61をセンサ封止空間Sに連続して設け、溝部62、63を外部空間に連続して設けた構成としてもよい。センサ封止空間Sと外部空間のそれぞれに連続する溝部の組み合わせはどのような組み合わせでもよい。
また、本実施の形態のカメラモジュール10では、脱気口部60は、3つの溝部61〜63を設けた構成としたが、これに限らない。カメラモジュール10は、複数の溝部を有し、これら溝部が、それぞれセンサ封止空間Sと外部空間とを直接接続しない構成であれば、いくつの溝部を有してもよい。
<変形例>
図17に、カメラモジュール10の変形例として、2つの溝部を有する脱気口部60Aを備えるカメラモジュールを示す。なお、図17では、接着層40Aを便宜上ハッチングで示している。
なお、図17に示す脱気口部60Aを備えるカメラモジュールは、溝部の形状以外は、カメラモジュール10と同様に形成される。よって、カメラモジュール10の構成要件と同じ構成要件には同名称、同符号を付して説明は省略する。
図17に示すカメラモジュールでは、カメラモジュール10のベース枠部材22と同様に図示しない撮像素子(撮像素子24と同様)の周囲を囲むように、図示しないセンサ基板(センサ基板21と同様)に取り付けられたベース枠部材22Aを有する。このベース枠部材22Aは、ベース枠部材22と同様の枠本体222と、枠本体222の内側に配設され、撮像素子の周縁部を覆う内側枠部224と比較して溝部の形状のみ異なる内側枠部2240とを有する。
内側枠部2240のうち撮像素子の一辺の縁部を覆う一内側枠部2241には、センサ封止空間S側の内側辺部224aを切り欠いて外側辺部224b側に延びる溝部65と、外部空間側の外側辺部224bを切り欠いて内側辺部224a側に延びる溝部66とが形成されている。これら、溝部65、66は、溝部61〜63と同様の深さである。溝部65は、内側辺部224aからベース枠部材22の中央に向かって延びており、その外側辺部224b側の端部651を、溝部66側に折曲した鈎状をなしている。一方、溝部66は、外側辺部224bからベース枠部材22の中央に向かって延びており、その内側辺部224a側の端部661を、溝部65側に折曲した鈎状をなしている。
これら溝部65、66は、センサ封止空間Sと外部空間とを直接連通させず、透光性フィルタ30の接着用として塗布される接着剤の広がりを止めるためのものである。溝部65、66は、それぞれ、一端側が互いに鈎状に折曲しており、複数の角部65a、65b、66a、66bを有する。
このベース枠部材22Aの内側枠部2240上に塗布される接着層40Aを介して透光性フィルタ30が貼着されている。
接着層40Aには、溝部65と溝部66とを連通させる連通路となる連通形成部67が形成されている。
すなわち、一内側枠部2241と透光性フィルタ30との間では、接着層40は連通形成部67を避けた位置に形成されている。
この連通形成部67は、内側枠部2240に透光性フィルタ30を載置した際に、内側枠部2240と透光性フィルタ30との間で毛細管現象により広がる接着剤により形成される。すなわち、カメラモジュール10の接着層40と同様に、毛細管現象で広がる接着剤は、一内側枠部2241(内側枠部2240一部)上で広がる際に、溝部65、66における複数の角部65a、65b、66a、66bに至った際に、表面張力が高くなり停止する。この状態で硬化することによって、溝部65、66間に接着層40の端部41Aが形成され、連通形成部67を備える接着層40Aを形成する。
これにより脱気口部60Aでは、連通形成部67を介して、センサ封止空間に連続する溝部65と、外部空間に連続する溝部66が連通する。これにより、センサ封止空間Sに連続する溝部65と、接着層40Aにおける溝部65上方の空間とを介した空気(矢印K3)は、連通形成部67を介して溝部66に流れて外部空間に脱気される。
逆に、脱気口部60Aを介してダストが侵入する場合、先ず外部空間に連続する溝部66を通った後で、連通形成部67、つまり、溝部61よりも深さの浅い接着層40内の空間を通ってから溝部65を通って、センサ封止空間S内に侵入することとなる。
よって、外部からダストが溝部66内に侵入しても、連通形成部67に侵入することがない。これにより、外部からセンサ封止空間S内へのダストの侵入を防止できる。
なお、上記本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り、種々の改変をなすことができ、そして本発明が該改変させたものに及ぶことは当然である。
本発明に係るカメラモジュールは、脱気とダスト流入防止の双方を容易で、且つ、効果的に両立させることができるとともに、薄型化を実現でき、小型化・薄型化が望まれるカメラ付き携帯端末に用いられるものとして有用である。
10 カメラモジュール
12 レンズユニット
13 レンズ駆動ユニット(モジュール本体)
20 ベースユニット
21 センサ基板
22、22A ベース枠部材
24 撮像素子
30 透光性フィルタ
40、40A 接着層
41、41A 端部
60、60A 脱気口部
61、65 溝部(第2溝部)
62、63、66 溝部(第1溝部)
62a、62b、63a、63b、65a、65b、66a、66b 角部
64、67 連通形成部
222 枠本体
222a 上面
224、2240 内側枠部
224A、2241 一内側枠部
224a 内側辺部
224b 外側辺部
621、631 溝本体
622、632 折曲部
651、661 端部
S センサ封止空間(実装空間)

Claims (5)

  1. センサ基板に実装される撮像素子の周縁部を覆うとともに前記撮像素子の上方で開口するベース枠部材と、前記ベース枠部材において前記開口を囲む枠状部に接着剤を介して接着され、前記撮像素子の実装空間を封止する透光性フィルタとを有するベースユニットを備え、このベースユニットに、前記撮像素子に被写体の像を結像させるレンズユニットを収容するモジュール本体を取り付けてなるカメラモジュールであって、
    前記実装空間の脱気を行う脱気口部を備え、
    前記脱気口部は、
    前記枠状部に形成され、一端部が前記開口に連続するとともに、他端部が前記透光性フィルタにより覆われる第1溝部と、
    前記枠状部に前記第1溝部と並べて形成され、前記開口と離間する側の一端部が前記実装空間の外部と連続するとともに、前記開口側の他端部が前記透光性フィルタにより覆われる第2溝部と、
    前記枠状部と前記透光性フィルタの間に塗布される前記接着剤の接着層に形成され、且つ、前記第1溝部及び前記開口のうち少なくとも前記第1溝部と、前記第2溝部とを連通させる連通形成部とを備える、
    カメラモジュール。
  2. 前記第1溝部及び前記第2溝部の双方の他端部のうち少なくとも一方の他端部は、前記枠状部と前記透光性フィルタを接着する際に、前記枠状部と前記透光性フィルタとの間で毛細管現象によって広がる接着剤の塗布領域を規定する複数の角部を有する、
    請求項1記載のカメラモジュール。
  3. 前記角部を有する前記第1溝部及び前記第2溝部のうち少なくとも一方の溝部の他端部は、他方の溝部に向かって折曲した形状をなし、その折曲した先端部に前記角部が形成される、
    請請求項2記載のカメラモジュール。
  4. 前記連通形成部は、前記枠状部において前記角部近傍に形成されている、
    請求項2記載のカメラモジュール。
  5. 前記第1溝部は、前記枠状部に、所定間隔を空けて複数並べて形成され、互いの他端部を互いに対向する方向に折曲した形状をなし、
    前記複数の第1溝部の他端部間に、前記複数の第1溝部と並べて、直線状の前記第2溝部が形成され、
    この第2溝部の他端部は、前記複数の第1溝部の他端部間に配置されている、
    請求項1記載のカメラモジュール。
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