JP6078653B2 - スライドパッケージ - Google Patents

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Description

本発明は、スライドパッケージに関する。
たばこのような被収容物を収容するパッケージの1つとして、外箱と内箱とを備えるシェルアンドスライド型のスライドパッケージが知られている。シェルアンドスライド型のスライドパッケージとは、例えば、両端が開口した筒状(「スリーブ状」とも呼ぶ)の外箱と、回動可能なヒンジで接続され外箱の開口部を塞ぐことができる蓋部を有する内箱とを備えたものである。
また、外箱と内箱とを備えるシガレットパックにおいて、スライドする範囲をストッパによって制限するものは提案されている(特許文献1)。
特表2005−523848号公報
パッケージが紙のような素材で形成される場合、蓋部のヒンジ等の反発により、蓋部を閉じても蓋部と外箱の開口との間に隙間があいてしまうことがあった。特にたばこのような物品を収容するときは、隙間からたばこ刻がこぼれてしまうという問題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされてものであって、蓋閉まり性能の向上したパッケージを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るスライドパッケージは、略矩形の開口を有する筒状の外箱と、開口から外箱内にスライドして収容可能であり、開口を閉じる略矩形の蓋部を有する内箱とを備え、蓋部は、一端を中心に回動可能であるとともに、蓋部の対向する2辺が外箱の内側と接触して回動が抑制されるようにした。
このようにすれば、内箱が外箱に収容された状態において蓋部を回動させようとしても、蓋部の対向する2辺が外箱の内側に接触するため、蓋部の一部と外箱の内側とが干渉して、又は蓋部の一部と外箱の内側との間に抵抗が働き、回動が抑制される。したがって、蓋閉まり性能を向上させることができる。なお、蓋部の対向する2辺が外箱の内側と接触する場合には、各辺の少なくとも一部が突出していて外箱の内側と接触する場合を含む。
また、スライドパッケージは、被収容物を載置する内箱の底面の1辺と、蓋部の1辺とが回動可能なヒンジを形成し、ヒンジと略平行な外箱の開口の2辺間の長さよりもヒンジに直交する方向の蓋部の長さの方が長くなるようにしてもよい。さらに、スライドパッケージは、閉蓋時に内箱の底面と蓋部とは鋭角をなすようにしてもよい。このようにすれば、内箱が外箱に収容された状態において蓋部を回動させようとしても、蓋部のヒンジに対向する辺と外箱の内側とが干渉して、回動が抑制される。したがって、蓋閉まり性能を向上させることができる。
さらに、スライドパッケージは、内箱の底面が略矩形であり、ヒンジと略直交する底面の辺に側面が連設され、ヒンジと略直交する底面の辺に平行な方向の側面の長さは、底面側よりも上面側の方が短くなるようにしてもよい。このようにすれば、内箱の底面と蓋部とが鋭角をなす場合であっても、蓋部と側面とが干渉するのを避けることができる。
さらに、スライドパッケージは、内箱の側面が略台形であり、当該台形の蓋部側の辺の長さは、蓋部のヒンジから当該ヒンジに対向する辺までの長さとほぼ等しくなるようにしてもよい。このようにすれば、内箱の側面は、蓋部と側面とが干渉するのを避けるために十分な形状となる。
また、スライドパッケージは、内箱の側面の蓋部側端部にフラップが連設され、フラップの底面側には、底面との干渉を避けるための切欠きが設けられるようにしてもよい。このようにすれば、さらに側面にフラップを設ける場合にも、フラップが他の部分と干渉するのを避けることができる。
また、スライドパッケージは、内箱の底面が略矩形であり、ヒンジと略直交する略矩形の側面が連設されており、蓋部の底面に平行な方向の長さ及び側面の厚みの和は、外箱の開口の底面に平行な方向の内寸と略同一になるようにしてもよい。このようにしても、内箱の蓋部と側面とが干渉することなく、外箱の内部に収容することができる。
なお、本発明に係るパッケージに収容する被収容物は特に限定されるものではないが、例えば、たばこ商品を被収容物として好適に例示できる。たばこ商品とは、例えば紙巻たばこ(フィルタシガレット、両切シガレット(フィルタ無し))、シガー(葉巻)、シガリロ、スヌース、嗅ぎたばこ、チューイングたばこ、電子たばこ等が例示できる。また、本発明に係るパッケージは、例えば、キャラメルのような菓子、ステープラーの針のような文房具、マッチ等、たばこ商品以外を収容するパッケージであってもよい。
また、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせて採用することができる。
本発明によれば、蓋閉まり性能の向上したパッケージを提供することができる。
実施形態に係るパッケージの一例を示す分解斜視図である。 実施形態に係る外箱の一例を示す斜視図である。 実施形態に係る内箱の一例を示す斜視図である。 実施形態に係るパッケージの一例を示す断面図である。 比較例に係るパッケージの一例を示す断面図である。 実施形態に係るパッケージの動作を説明するための断面図である。 実施形態に係る外箱を形成するためのブランクの一例を示す図である。 実施形態に係る内箱を形成するためのブランクの一例を示す図である。 変形例に係る内箱の一例を示す斜視図である。 変形例に係る内箱を形成するためのブランクの一例を示す図である。 変形例に係るパッケージの一例を示す正面図である。 変形例に係る内箱の一例を示す斜視図である。 変形例に係る内箱の一例を示す斜視図である。 変形例に係る内箱の一例を示す斜視図である。 変形例に係るパッケージの一例を示す断面図である。 変形例に係る外箱の一例を示す斜視図である。
次に、本発明に係るパッケージの実施形態について、図面に基づいて説明する。本発明が適用されるパッケージに収容する被収容物は特定のものに限定されないが、ここでは、たばこ商品をパッケージに収容する場合を例に説明する。
<パッケージの構成>
図1〜3を用いて、パッケージの構成について説明する。図1は、実施の形態に係るスライドパッケージ(単に「パッケージ」とも呼ぶ)1の分解斜視図である。図2は、パッケージ1が備える外箱11の斜視図である。図3は、パッケージ1が備える内箱12の斜視図である。なお、パッケージ1に収容される被収容物2として、図1にはアルミ蒸着紙で包装されたたばこ商品を示している。また、内箱12は、外箱11の開口111(図2では、111A又は111B)から外箱11の内側へスライドして収容される。外箱11及び内箱12のスライド方向の長さは、ほぼ同じになっている。そして、収容時には、パッケージ1の外形は略直方体となる。また、パッケージ1の素材として、カード紙、マニラボール紙、コート紙等の紙材が好適に用いられるが、これらには限定されない。例えば、パッケージ1の素材として、プラスチック等の樹脂材料、その他の材料を適宜用いることができる。
本実施形態に係る外箱11は、ほぼ矩形の開口111を有する筒状(「スリーブ状」とも呼ぶ)の箱である。外箱11は、長手方向の両端が開口111となっており、パッケージ1の4つの面をそれぞれ形成する略矩形の面を4つ有している。本実施の形態では、図1に方向を示すように、開口111の一方を正面(前)、他方を背面(後)とする。また、外箱11の4面のうち、四方に壁面を有する凹形状の内箱12の開いた側に位置する面を上面112(上)、上面112に対向する面(すなわち、凹形状の内箱12の底に接する面)を底面113(下)とする。そして、正面から見た左右方向をそれぞれ左側面114A(左)、右側面114B(右)とする。以降、斜視図の方向については同様とする。なお、外箱11は、上下、前後、左右にそれぞれほぼ対称(鏡像対称)であり、それぞれ逆にしても使用することができる。
本実施形態では、底面113と上面112とは略平行であり、底面113から上面112までの長さを、外箱11の高さとも呼ぶ。特に開口111部分においては、開口111の高さとも呼ぶ。同様に、左側面114Aと右側面114Bとの長さを、外箱11の幅とも呼ぶ。特に開口111部分においては、開口111の幅とも呼ぶ。また、2つの開口111を結ぶ長さ(すなわち、内箱12がスライドする方向の外箱11の長さ)を外箱11の奥行きとも呼ぶ。
内箱12は、被収容物2を載置するトレイ状(凹形状)の箱である。内箱12は、被収容物2を載置する略矩形の底面121、及び底面121の4辺にそれぞれ連設された壁面を有している。壁面のうち、内箱12が外箱11へ収容された状態において外箱11の開口111を塞ぐ、対向する2つの面を蓋部122(図3では、122A及び122B)と呼ぶ。蓋部122の形状も、略矩形である。また、蓋部122は、底面121と接続される辺123(「ヒンジ123」とも呼ぶ。図3では、123A及び123B)を中心に回動可能である。本実施の形態では、ヒンジ123からヒンジ123と対向する辺までの長さが、開口111の高さよりも長くなっている。すなわち、ヒンジ123に直交する方向の蓋部122の長さの方が、ヒンジ123と略平行な開口111の2辺間の長さよりも長くなっている。また、蓋部122の4辺のうち、ヒンジ123と対向する辺には、フラップ124(図3では、124A及び124B)が連設されている。フラップ124は、閉蓋時に外箱11の内側に挿入される。また、底面121の4辺のうちヒンジ123と略直交する2辺に接続された、対向する2つの面を側面125(図3では、125A及び125B)と呼ぶ。
本実施の形態では、図3に示すように、蓋部122の一方を正面側蓋部122A(前)、他方を背面側蓋部122B(後)とする。また、凹形状の開いている方向を上、その反対方向にある、被収容物を載置する面を底面121(下)とする。そして、正面から見て左右方向をそれぞれ左側面125A(左)、右側面125B(右)とする。また、底面121と側面125との間には切込み126が設けられ、切込み126の端点を結ぶ辺を中心に回動するようになっている。ただし、切込み126を設けないようにしてもよい。なお、内箱12は、上下、前後、左右にそれぞれほぼ対称(図1の例ではフラップ124、切込み126を除く)であり、上下、前後、左右をそれぞれ逆にしても使用することができる。
<動作>
図4は、本実施形態に係る内箱12が外箱11に収容された状態のパッケージ1の断面図である。具体的には、パッケージ1を左右の幅方向の中央付近で切断し、断面をパッケージ1の側面側(右側)から見た図である。また、図4の断面図には、図1から図3に示した斜視図と対応する方向を示した。具体的には、図4の縦・横にそれぞれパッケージ1の上下・前後が対応している。以降、断面図の方向については同様とする。なお、被収容物2は図示を省略している。また、図5は、比較例に係る、内箱が外箱に収容された状態のパッケージ3の断面図である。
図4に示す本実施形態に係るパッケージ1は、蓋部122の底面側の一端(すなわち、ヒンジ123)から、当該一端に対向する蓋部122の他端までの長さLLが、外箱11の開口111の内側の寸法(すなわち、内寸)IDよりも長くなっている。ここで、開口111の内寸とは、開口111の高さの内寸であり、すなわち、ヒンジ123と略平行な、開口111の2辺間の内寸である。また、閉蓋時(すなわち、内箱12を外箱11の内部に収容したとき)において、蓋部122と底面121とは鋭角をなしている。また、側面125Aのうち開口側の両端を結ぶ長さ(側面125Aの幅とも呼ぶ)は、底面から上方に向かうにつれて短くなっている。すなわち、側面125Aは台形であり、側面125Aの幅(すなわち、側面125Aの底面側の辺に平行な方向の長さ)は、底面側よりも上面側の方が短い。また、側面125Aの蓋部側の2辺(台形の脚)は底面側の1辺との間でそれぞれ鋭角をなしている。よって、閉蓋時において蓋部122と底面121とが鋭角をなす場合であっても、蓋部122と側面125Aとが干渉しない。ここで、干渉とは、蓋部122の動作範囲において、側面125Aが蓋部122の動作を妨げることをいうものとする。図示していない側面125Bも同様である。なお、台形の蓋部側の辺の長さは、蓋部122のヒンジ123からヒンジ123に対向する辺までの長さとほぼ等しくすれば、側面125は、蓋部122と側面125とが干渉するのを避けるために十分な形状となる。
一方、図5に示す比較例に係るパッケージ3は、蓋部322の底面側のヒンジ323からヒンジ323に対向する他端までの長さが、外箱31の開口311の内寸以下になっている。パッケージ3の蓋部322を開閉すると、ヒンジ323等の反発により、蓋部322と外箱の開口との間に隙間があいてしまうことがある。
図4に示すパッケージ1のようにすれば、内箱12が外箱11に収容された状態において、蓋部122を開蓋させようとしても、蓋部122のヒンジ123に対向する辺とヒンジ123とが外箱11の内側に接触し、回動が抑制される。すなわち、パッケージ1の蓋閉まり性能が向上する。また、パッケージ1にたばこを収容する場合は、蓋部122と開口111との隙間からたばこ刻がこぼれてしまうようなことが抑制される。
本実施形態に係るパッケージ1は、蓋部122を回動させることができるとともに、外箱11に対して内箱12をスライドさせることもできる。図4に示した閉蓋時の状態から、内箱12を前方にスライドさせると、図6に示すような状態になる。図6のように、内箱12の一部が外箱11から突出した状態であれば、蓋部122は外箱11の内側に接触することなく回動可能となる。すなわち、パッケージ1に無理な力を加えることなく蓋部122を開閉することができる。
このとき、図3に示した切込み126の端点を結ぶ辺を中心に底面121の一部も回動するため、開蓋時には使用者にとって被収容物2がつかみやすくなる。また、開蓋時にはヒンジ123と切込み126の端点を結ぶ辺との2辺が回動するため、1辺のみが回動する場合よりも、開蓋に必要な1辺あたりの動作角度は少なくなっている。したがって、切込み126を設けた方が容易に蓋を開けることができ、被収容物を取り出し易くなっている。
なお、蓋部122のいずれか一方(例えば、蓋部122A)のみについて、ヒンジ123とヒンジ123に対向する辺との間の長さが、開口111の内寸よりも長くなるようにしてもよい。また、パッケージ1の外側をさらにフィルムで包装しておき、フィルムのうち一方の開口側(例えば、前方側)の一部を切り離すことができるようにしてもよい。すなわち、例えばパッケージ1の後方側はフィルムで包装された状態としておけば、蓋部122Bのヒンジ123Bとヒンジ123Bに対向する辺との間の長さが、開口111Bの内寸以下であっても、蓋部122Bの開閉は抑制される。
また、パッケージ1は、ヒンジ123とヒンジ123に対向する辺との間の長さが、開口111の内寸よりも長くなっていれば、蓋閉まり性能を向上させる効果があるが、特に基材厚(内箱12の厚さ)以上長いことが好ましい。また、基材は、紙とプラスチックフィルム又はアルミ箔などからなる積層体などでもよい。基材の坪量は、例えば紙の場合、60g/m2〜400g/m2が好ましい。
<製造方法>
本実施の形態に係るパッケージ1は、外箱11を形成する外箱ブランクB1と、内箱12を形成する内箱ブランクB2とを用いて製造することができる。図7に、外箱ブランクB1の一例を示す。また、図8に、内箱ブランクB2の一例を示す。ブランクは、紙材を図7及び図8の実線で示すような形状に打ち抜いたものである。ブランクを、例えば一点鎖線で示す折込み線に沿って谷折りに折り、外箱11及び内箱12が形成される。なお、二点鎖線は、使用者が山折りに折ることにより、被包装物を取り出し易くするための折込み線を示している。また、図7及び図8に方向を示した通り、便宜上、図面の上下左右に基づいてブランクに含まれる領域の接続関係を説明する。
外箱ブランクB1は矩形であり、外箱11の4面を形成する4つの矩形領域と、端部同士を接着するための糊しろ領域とを有している。外箱11の底面となる底面領域1001の一端に、外箱11の側面114Aとなる側面領域1002の一端が連なっている。また、側面領域1002の反対側には、外箱11の上面となる上面領域1003の一端が連なっている。さらに、上面領域1003の反対側には、外箱11の側面114Bとなる側面領域1004の一端が連なっている。また、側面領域1004の反対側には、糊しろ領域1005の一端が連なっている。糊しろ領域1005は、底面領域1001の端部と重ね合わされ、例えば接着剤で接着される。
内箱ブランクB2は十字形状である。十字形状の中央に、内箱12の底面121を形成する矩形の底面領域2001が存在する。なお、底面領域2001は、二点鎖線で示した折込み線を含んでいる。また、底面領域2001の一端(図8では左端)には、内箱12の壁面のうち正面側の蓋部122Aを形成する蓋部領域2002の一端が連なっている。さらに、蓋部領域2002の反対側には、フラップ124Aを形成するフラップ領域2003が連なっている。また、底面領域2001の右端には、背面側の蓋部122Bを形成する蓋部領域2004の一端が連なっている。さらに、蓋部領域2004の反対側には、フラップ124Bを形成するフラップ領域2005が連なっている。また、底面領域2001の上端には、内箱12の左側面125Aを形成する側面領域2006が連なっている。なお、底面領域2001と側面領域2006との境界のうち、内箱12の正面側(図8では左側)の一部に切り込みが設けられている。また、底面領域2001の下端には、内箱12の右側面125Bを形成する側面領域2007が連なっている。底面領域2001と側面領域2007との境界のうち、内箱12の正面側(図8では左側)の一部にも切込みが設けられている。本実施の形態に係る内箱12の壁面同士(すなわち、蓋部領域2002、側面領域2006、蓋部領域2004及び側面領域2007の間)は接着されない。
以上のような外箱ブランクB1、内箱ブランクB2からそれぞれ外箱11、内箱12が形成される。上記のブランクは一例であり、パッケージ1を形成するためのブランクは、様々なものを採用することができる。外箱11、内箱12を異なる形状に展開したブランクを用いるようにしてもよいし、各ブランクはさらに複数のブランクから構成されるようにしてもよい。
<変形例1>
図9に、パッケージ1の変形例に係る内箱12Aを示す。なお、図3に示した内箱12と構成が同じ部分については、図3と同一の符号を付し、説明を省略する。内箱12Aは、側面125の開口側端部にフラップ127(「側面フラップ127」とも呼ぶ。図9では、127A、127B、127C及び127D)を有している。また、側面125のうち開口側の両端を結ぶ長さ(側面125の幅とも呼ぶ)は、底面121から上方に向かうにつれて短くなっている。すなわち、側面125の蓋部側の辺と底面側の辺とが鋭角をなすように、フラップ127は斜めに折られている。よって、蓋部122と底面121とが鋭角をなす場合であっても、フラップ127は閉蓋動作を妨げない。ここで、側面125のうちフラップ127と接する辺と底面121と接する辺とが鋭角をなしているため、側面125とフラップ127とを1つの矩形領域から形成する場合、フラップ127を折るとフラップ127と底面121とが接触してしまう。図9の例では、フラップ127の底面側に切欠きを設け、フラップ127と底面121との接触を避けている。
図10に、変形例1に係る内箱12AのブランクB3を示す。なお、図8に示したブランクB2と構成が同じ部分については、図8と同一の符号を付し、説明を省略する。ブランクB3は、側面領域2006の左端(すなわち、内箱12を形成した後の前面側)に、側面フラップ127Aを形成するフラップ領域2008が連設されている。同様に、側面領域2007の左端に、側面フラップ127Bを形成するフラップ領域2009が連設されている。また、側面領域2006の右端(すなわち、内箱12を形成した後の背面側)に、側面フラップ127Cを形成するフラップ領域2010が連設されている。同様に、側面領域2007の右端に、側面フラップ127Dを形成するフラップ領域2011が連設されている。また、フラップ領域2008からフラップ領域2011は、それぞれ蓋部領域2002又は2004との間(すなわち、内箱12を形成した際の底面側)に切欠きが設けられている。本変形例では、側面フラップ127の底面側に切欠きを設け、パッケージ1形成時に側面フラップ127と底面121とが接触することを避けている。
<変形例2>
図11に、変形例に係るパッケージ1Aの正面図を示す。図1から図4、図7及び図8に示した内箱12は、蓋部122と底面121とが鋭角をなす場合であっても蓋部122と側面125とが干渉しないように、側面125の蓋部側の両端が斜めになっていた。図11の例では、蓋部122の幅(すなわち、ヒンジと略平行な方向の長さ)が側面125A及び側面125Bの厚み程度短くなっている。すなわち、蓋部122の底面121に平行な方向の長さ並びに側面125Aの厚み及び側面125Bの厚みの和は、底面121に平行な方向の外箱11の開口111の内寸と略同一である。このようにしても、蓋部122と側面125との干渉を避けることができる。
<変形例3>
図12に、パッケージ1の変形例に係る内箱12Bを示す。なお、図3に示した内箱12と構成が同じ部分については、図3と同一の符号を付し、説明を省略する。図12の例では、蓋部122C及び蓋部122Dは、それぞれ側面125A及び側面125Bの開口側の一端に連設されている。すなわち、蓋部122と側面125とが接続される1辺がヒンジ123(図12では、123C及び123D)となっている。また、蓋部122の4辺のうちヒンジ123からヒンジ123と対向する辺までの長さは、外箱11の開口111の幅方向の内寸よりも長くなっている。このような場合も、内箱12Bが外箱11に収容された状態において蓋部122を開蓋させようとしても、蓋部122のヒンジ及びヒンジに対向する辺が外箱11の内側に接触して回動が抑制され、パッケージ1の蓋閉まり性能が向上する。
<変形例4>
図3に示した蓋部122は、ヒンジ123と対向する辺の全体が外箱11の内箱に接触するようになっていたが、このような例には限られない。例えば、蓋部122は略矩形であって、ヒンジ123と対向する側の端部の少なくとも一部からヒンジ123までの長さが外箱11の内寸よりも長くなるようにしてもよい。図13に、ヒンジ123と対向する側の端部の一部からヒンジ123までの長さが外箱11の内寸よりも長くなるようにした内箱12Cを示す。図13の例では、蓋部122(122E及び122F)は凸形状になっている。具体的には、ヒンジ123と対向する辺のうち幅方向の中央付近に突出部1221(図13では、1221A及び1221B)を有している。突出部1221の端からヒンジ123までの長さが開口111の内寸より長い場合であっても、内箱12が外箱11に収納された状態において、ヒンジ123とヒンジ123に対向する辺の一部(突出部1221)とが外箱11の内側に接触する。すなわち、蓋部122Eの回動が抑制され、パッケージ1の蓋閉まり性能が向上する。
<変形例5>
また、上述した例はいずれも、蓋部122のうちヒンジ123とヒンジに対向する辺との間の長さが開口111の内寸よりも長くなっていた。しかしながら、例えば図14に示すように、蓋部122(122G及び122H)のうちヒンジ123と略直交する辺同士の間の長さが開口111の内寸(すなわち、開口111の幅方向の内寸)より長くなるようにしてもよい。図14の例では、ヒンジ123と略直交する辺の中央付近に、ヒンジ123に平行な方向に突出した突出部1222(1222A及び1222B)を有する。そして、ヒンジ123と略直交する辺同士の間の長さのうち、突出部1222間の長さは、開口111の幅方向の内寸よりも長くなっている。このような場合であっても、略矩形である蓋部122のうちヒンジと略直交する2辺の一部(突出部1222)が外箱11の内側に接触するため蓋部122の開閉時に抵抗が働き、開蓋が抑制される。すなわち、本発明に係るパッケージ1は、蓋部122の対向する2辺が外箱11の内側と接触するようになっており、蓋部122の回動が抑制され、パッケージ1の蓋閉まり性能が向上する。
<その他の変形>
また、図3に示した蓋部122は、平面であったが、図15に断面図を示すような曲面であってもよい。図15は、変形例に係るパッケージ1Bを正面から見て幅方向の中央付近で切断し、断面を右側から見た図である。蓋部122(122I及び122J)は、高さ方向の中央付近がパッケージの外側に膨らんだ形状である。例えば、弾性変形する蓋部122のヒンジ123とヒンジ123の対辺とが外箱11の内側に接触して上面112及び底面113との間で突っ張り、蓋閉まり性能を向上させことができる。
また、図2等には両端が開口したスリーブの外箱11を示したが、このような例には限定されない。例えば図16に示すように、外箱11は、一端(前方の一面)が開口し、これに対向する他端が側面114Cによって閉じられていてもよい。さらに、外箱11の側面114Cは、使用者が指で内箱12を押してスライドさせられるように貫通した孔115を備えていてもよい。
また、上述した例では、パッケージに収容する被収容物として、フィルタシガレットや両切シガレット等のたばこ商品を挙げた。しかしながら、被収容物はこれらには限定されず、例えば菓子、文房具、マッチ等であってもよい。
1、1A、1B パッケージ
11 外箱
111(111A、111B) 開口
112 上面
113 底面
114(114A〜114C) 側面
115 孔
12 内箱
121 底面
122(122A〜122J) 蓋部
123(123A〜123D) ヒンジ
124(124A〜124D) フラップ
125(125A、125B) 側面
126 切込み
127(127A〜127D) 側面フラップ
2 被収容物

Claims (5)

  1. 略矩形の開口を有する筒状の外箱と、
    前記開口から前記外箱内にスライドして収容可能であり、前記開口を閉じる略矩形の蓋部を有する内箱と、
    を備え、
    被収容物を載置する前記内箱の底面又は側面の1辺と、前記蓋部の1辺とが回動可能なヒンジを形成し、当該ヒンジと略平行な前記開口の2辺間の長さよりも前記ヒンジに直交する方向の前記蓋部の長さの方が長く、
    前記蓋部は、一端を中心に回動可能であるとともに、前記蓋部の対向する2辺が前記外箱の内側と接触して回動が抑制され
    閉蓋時に前記底面又は側面と前記蓋部とは鋭角をなす
    スライドパッケージ。
  2. 前記内箱の底面は略矩形であり、前記ヒンジと略直交する辺に側面が連設され、前記ヒンジと略直交する辺に平行な方向の前記側面の長さは、前記底面側よりも上面側の方が短い
    請求項に記載のスライドパッケージ。
  3. 前記側面は略台形であり、当該台形の蓋部側の辺の長さは、蓋部のヒンジから当該ヒンジに対向する辺までの長さとほぼ等しい
    請求項に記載のスライドパッケージ。
  4. 前記側面の蓋部側端部にフラップが連設され、
    前記フラップの底面側には、前記底面との干渉を避けるための切欠きが設けられている
    請求項1又は2に記載のスライドパッケージ。
  5. 前記内箱の底面は略矩形であり、前記ヒンジと略直交する略矩形の側面が連設されており、前記蓋部の前記底面に平行な方向の長さ及び前記側面の厚みの和は、前記開口の前記底面に平行な方向の内寸と略同一である
    請求項に記載のスライドパッケージ。
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