以下では、本明細書に開示する発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本明細書に開示する発明は以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。また、本明細書に開示する発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、図において、明示的にはソース電極やドレイン電極を有しない場合があるが、便宜上、このような状態を含めてトランジスタと呼ぶ場合がある。また、この場合、トランジスタの接続関係を説明するために、ソース領域やドレイン領域を含めてソース電極やドレイン電極と表現することがある。つまり、本明細書において、ソース電極との記載には、ソース領域が含まれうる。
また、「ソース」および「ソース領域」ならびに「ドレイン」および「ドレイン領域」の機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書等においては、「ソース」や「ドレイン」という用語は、入れ替えて用いることができるものとする。また本明細書等において、チャネル領域とは、ソース領域(ソース電極)およびドレイン領域(ドレイン電極)の対向する領域をいう。
また、本明細書等において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、85°以上95°以下の場合も含まれる。
また、本明細書等において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置の構成例について、図1および図2を参照して説明する。
まず、図1(A)に示すトランジスタ201を有する半導体装置の断面図を参照して説明する。
<<半導体装置の構成>>
トランジスタ201は、加熱により酸素供給可能な絶縁膜105と接する酸化物半導体膜107と、ゲート絶縁膜115と、酸化物半導体膜107とゲート絶縁膜115を介して重畳するゲート電極117と、酸化物半導体膜107と電気的に接続されるソース電極113aおよびドレイン電極113bと、を有する。
トランジスタ201は導電層101および加熱により酸素供給可能な絶縁膜105上に設けられている。酸素供給可能な絶縁膜105はコンタクトホール109を有する。コンタクトホール109において導電層101とソース電極113aは電気的に接続されている。
加熱により酸素供給可能な絶縁膜105は、ソース電極113aおよびドレイン電極113bとの界面近傍に、内部よりも窒素を多く含む領域111を有する。また酸化物半導体膜107は、ソース電極113aおよびドレイン電極113bとの界面近傍に、内部よりも窒素を多く含む領域111を有する。また導電層101は、ソース電極113aまたはソース電極113aと電気的に接続されている界面近傍に、内部よりも窒素を多く含む領域111を有する。
本明細書等において、膜の内部とは、膜の界面から遠い部分、たとえば界面から膜厚の1/2程度の深さの部分をいう。また界面近傍に、内部よりも窒素を多く含むとは、ある膜について、その膜の内部と比較して、界面近傍に窒素が多く含むことをいう。
なお上記において膜とは、絶縁膜や絶縁層の場合もあり、導電層の場合もある。そのため、内部よりも窒素を多く含む領域の組成は、該領域を含む膜の組成によって異なる。たとえば酸化シリコン膜が、他の膜との界面近傍に窒素を多く含む領域を有する場合、該領域は酸化窒化シリコンとなる。またタングステン膜が、他の膜との界面近傍に窒素を多く含む領域を有する場合、該領域は窒化タングステンとなる。
<<各構成要素>>
<導電層>
導電層101としては、タングステン、銅、モリブデン、チタン、タンタル、クロム、ネオジム、スカンジウム等の金属、窒化タンタル、窒化チタン、窒化ニオブ等の遷移金属の窒化物を用いることができる。また酸化インジウム酸化スズ、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、酸化インジウム酸化亜鉛、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を用いてもよい。さらにこれらを主成分とする合金、これらを積層したもの等を用いてもよい。積層構造の例としては、銅の周囲に窒化タンタル、窒化チタンおよび窒化ニオブ等の遷移金属の窒化物を設ける構造が挙げられる。このような構造とすることで、抵抗を低減しつつ銅の拡散を抑制することができ、消費電力が低く信頼性の高い半導体装置とすることができる。
導電層101は、トランジスタ201のソース電極113aと電気的に接続されている。導電層101の窒素を多く含む領域111における窒素濃度は、ソース電極113aおよびドレイン電極113bとの界面近傍から内部に向かって連続的に減少する。
なお、仮に加熱により酸素供給可能な絶縁膜105と、ソース電極113aおよびドレイン電極113bの間に窒化シリコン膜を設けると、窒素濃度の変化は非連続的となる。これは本発明の一態様とは異なる状態である。さらにこの場合、導電層101と、ソース電極113aの間に窒化シリコン膜という絶縁層が設けられることとなり、両者を電気的に接続することができない。
また後述するが、導電層101を介して、ソース電極113aと、トランジスタ201の下部に設けられた導電層、半導体装置等と電気的に接続してもよい。導電層101は、たとえばトランジスタ201のバックゲートとして機能する導電層と電気的に接続されていてもよいし、他のトランジスタと電気的に接続されていてもよい。トランジスタ201を他の導電層、半導体装置等に積層して設け、これらと電気的に接続することで、集積度の高い半導体装置とすることができる。
<加熱により酸素供給可能な絶縁膜>
加熱により酸素供給可能な絶縁膜105としては、酸化物半導体膜107と接して酸化物絶縁層を含む、単層又は積層構造とすることが好ましい。具体的には酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウム、またはこれらの混合材料を含む膜の単層又は積層構造とすることができる。なお酸化物半導体膜107と接する層が酸化物絶縁層であればよいため、積層構造とする場合は、酸化物半導体膜107と接さない層に窒化シリコン、窒化アルミニウム等を用いてもよい。
加熱により酸素供給可能な絶縁膜105は、ソース電極113aおよびドレイン電極113bとの界面近傍に、内部よりも窒素を多く含む領域111を有する。加熱により酸素供給可能な絶縁膜105が有するコンタクトホール109の側壁も、同様に窒素を多く含む領域111を有する。
窒素を多く含む領域111は不純物の拡散を抑制しやすいため、加熱により酸素供給可能な絶縁膜105と、ソース電極113aおよびドレイン電極113bとの間に窒素を多く含む領域111を設けることによって、酸素の授受が生じにくくなる。そのため、加熱により酸素供給可能な絶縁膜105中の酸素によりソース電極113aおよびドレイン電極113bが酸化されることを抑制できる。また加熱により酸素供給可能な絶縁膜105中の過剰酸素が減少することを抑制できる。
窒素を多く含む領域111における窒素濃度は、15atomic%以上60atomic%以下が好ましく、25atomic%以上60atomic%以下がより好ましく、35atomic%以上60atomic%以下がさらに好ましい。
また窒素を多く含む領域111における窒素濃度は、ソース電極113aおよびドレイン電極113bとの界面近傍から内部に向かって連続的に減少する。例えば界面近傍から内部に向かっての深さ2nmにおいて30atomic%以上であった窒素濃度が、深さ7nmで2atomic%以下に連続的に減少する。
また、加熱により酸素供給可能な絶縁膜105が有する窒素を多く含む領域111では、窒素濃度と対照的に、酸素濃度が界面から内部に向かって連続的に増加していてもよい。また加熱により酸素供給可能な絶縁膜105が有する窒素を多く含む領域111では、界面近傍から内部に向かっての深さ1nm、好ましくは2nmにおいて、酸素濃度より窒素濃度が高くなっていてもよい。酸素濃度よりも窒素濃度が高くなることで、より不純物の拡散を抑制することができる。
なお、加熱により酸素供給可能な絶縁膜105のXPS(X−ray Photoelectron Spectroscopy)、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)等のプロファイルにおいて、自然酸化または測定誤差等のため、最もソース電極113aおよびドレイン電極113bと近い領域で窒素濃度が低下、または横ばいとなる可能性がある。
また、仮に加熱により酸素供給可能な絶縁膜105と、ソース電極113aおよびドレイン電極113bの間に窒化シリコン膜を設けた場合は、窒素濃度の変化は非連続的となる。これは本発明の一態様とは異なる状態である。
酸化物半導体膜107と接して、加熱により酸素供給可能な絶縁膜105を設けることで、酸化物半導体を用いたトランジスタ201の信頼性を向上させることができる。酸化物半導体膜への酸素の供給は、酸化物半導体を用いたトランジスタの電気特性と信頼性の向上に極めて重要な要素である。これは、酸素がシリコンを用いたトランジスタにとって不純物であり悪影響を与えるのと対照的な効果である。
なお本明細書等において「加熱処理により酸素を放出する」とは、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy:昇温脱離ガス分光法)分析にて放出される酸素が酸素原子に換算して1.0×1018atoms/cm3以上、または3.0×1020atoms/cm3以上であることをいう。
ここで、TDS分析を用いた酸素の放出量の測定方法について、以下に説明する。
TDS分析したときの気体の全放出量は、放出ガスのイオン強度の積分値に比例する。そしてこの積分値と標準試料との比較により、気体の全放出量を計算することができる。
例えば、標準試料である所定の密度の水素を含むシリコンウェハのTDS分析結果、および絶縁膜のTDS分析結果から、絶縁膜の酸素分子の放出量(NO2)は、数式1で求めることができる。ここで、TDS分析で得られる質量数32で検出されるガスの全てが酸素分子由来と仮定する。質量数32のものとしてほかにCH3OHがあるが、存在する可能性が低いものとしてここでは考慮しない。また、酸素原子の同位体である質量数17の酸素原子および質量数18の酸素原子を含む酸素分子についても、自然界における存在比率が極微量であるため考慮しない。
NO2=NH2/SH2×SO2×α (数式1)
NH2は、標準試料から脱離した水素分子を密度で換算した値である。SH2は、標準試料をTDS分析したときのイオン強度の積分値である。ここで、標準試料の基準値を、NH2/SH2とする。SO2は、絶縁膜をTDS分析したときのイオン強度の積分値である。αは、TDS分析におけるイオン強度に影響する係数である。数式1の詳細に関しては、特開平6−275697公報を参照する。なお、上記絶縁膜の酸素の放出量は、電子科学株式会社製の昇温脱離分析装置EMD−WA1000S/Wを用い、標準試料として1×1016atoms/cm2の水素原子を含むシリコンウェハを用いて測定した。
また、TDS分析において、酸素の一部は酸素原子として検出される。酸素分子と酸素原子の比率は、酸素分子のイオン化率から算出することができる。なお、上述のαは酸素分子のイオン化率を含むため、酸素分子の放出量を評価することで、酸素原子の放出量についても見積もることができる。
なお、NO2は酸素分子の放出量である。酸素原子に換算したときの放出量は、酸素分子の放出量の2倍となる。
「加熱により酸素を放出する」絶縁膜とするためには、絶縁膜が過剰酸素を有すればよい。過剰な酸素によって、後に形成される酸化物半導体膜107の酸素欠損を補償することが可能である。そのため加熱により酸素を放出する絶縁膜は、「加熱により酸素が放出される酸素を含む」絶縁膜と言い換えることもできる。
加熱により酸素供給可能な絶縁膜105が積層構造の場合は、少なくとも酸化物半導体膜107と接する層において過剰酸素を有することが好ましい。
また、過剰酸素を有する領域の下側に、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜又は酸化アルミニウム膜を有することが好ましい。過剰酸素を有する領域の下側に窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜又は酸化アルミニウム膜を有することで、酸化物半導体膜107への不純物の拡散を防止することができる。
<酸化物半導体膜>
トランジスタ201において、酸化物半導体膜107は、ソース電極113aおよびドレイン電極113bとの界面近傍に、内部よりも窒素を多く含む領域111を有している。
また酸化物半導体膜107の、ソース電極113aおよびドレイン電極113bと重畳しない領域は、ソース電極113aおよびドレイン電極113bの加工の際に窒素を多く含む領域111が除去される。そのためチャネル形成領域においては窒素を多く含む領域111を有さない構成とすることができる。
酸化物半導体膜107中の窒素はドナーとして振る舞うため、窒素を含んだ酸化物半導体膜107はキャリア密度が高まり低抵抗化する。チャネル形成領域が低抵抗化すると、トランジスタのオフ電流を低減することが難しくなる。そのため、ソース電極113aおよびドレイン電極113bの加工の際、酸化物半導体膜107の窒素を多く含む領域111を除去することで、オフ電流の低いトランジスタとすることが容易となる。
以下では、酸化物半導体膜の構造について説明する。
酸化物半導体膜は、非単結晶酸化物半導体膜と単結晶酸化物半導体膜とに大別される。非単結晶酸化物半導体膜とは、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜、多結晶酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、非晶質酸化物半導体膜などをいう。
まずは、CAAC−OS膜について説明する。
CAAC−OS膜は、c軸配向した複数の結晶部を有する酸化物半導体膜の一つである。
CAAC−OS膜を透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって観察すると、明確な結晶部同士の境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することができない。そのため、CAAC−OS膜は、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
CAAC−OS膜を、試料面と概略平行な方向からTEMによって観察(断面TEM観察)すると、結晶部において、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子の各層は、CAAC−OS膜の膜を形成する面(被形成面ともいう。)または上面の凹凸を反映した形状であり、CAAC−OS膜の被形成面または上面と平行に配列する。
一方、CAAC−OS膜を、試料面と概略垂直な方向からTEMによって観察(平面TEM観察)すると、結晶部において、金属原子が三角形状または六角形状に配列していることを確認できる。しかしながら、異なる結晶部間で、金属原子の配列に規則性は見られない。
断面TEM観察および平面TEM観察より、CAAC−OS膜の結晶部は配向性を有していることがわかる。
なお、CAAC−OS膜に含まれるほとんどの結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさである。従って、CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、一辺が10nm未満、5nm未満または3nm未満の立方体内に収まる大きさの場合も含まれる。ただし、CAAC−OS膜に含まれる複数の結晶部が連結することで、一つの大きな結晶領域を形成する場合がある。例えば、平面TEM像において、2500nm2以上、5μm2以上または1000μm2以上となる結晶領域が観察される場合がある。
CAAC−OS膜に対し、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)装置を用いて構造解析を行うと、例えばInGaZnO4の結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnO4の結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OS膜の結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に概略垂直な方向を向いていることが確認できる。
一方、CAAC−OS膜に対し、c軸に概略垂直な方向からX線を入射させるin−plane法による解析では、2θが56°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnO4の結晶の(110)面に帰属される。InGaZnO4の単結晶酸化物半導体膜であれば、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)として試料を回転させながら分析(φスキャン)を行うと、(110)面と等価な結晶面に帰属されるピークが6本観察される。これに対し、CAAC−OS膜の場合は、2θを56°近傍に固定してφスキャンした場合でも、明瞭なピークが現れない。
以上のことから、CAAC−OS膜では、異なる結晶部間ではa軸およびb軸の配向は不規則であるが、c軸配向性を有し、かつc軸が被形成面または上面の法線ベクトルに平行な方向を向いていることがわかる。従って、前述の断面TEM観察で確認された層状に配列した金属原子の各層は、結晶のab面に平行な面である。
なお、結晶部は、CAAC−OS膜を成膜した際、または加熱処理などの結晶化処理を行った際に形成される。上述したように、結晶のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面または上面の法線ベクトルに平行な方向に配向する。従って、例えば、CAAC−OS膜の形状をエッチングなどによって変化させた場合、結晶のc軸がCAAC−OS膜の被形成面または上面の法線ベクトルと平行にならないこともある。
また、CAAC−OS膜中において、c軸配向した結晶部の分布が均一でなくてもよい。例えば、CAAC−OS膜の結晶部が、CAAC−OS膜の上面近傍からの結晶成長によって形成される場合、上面近傍の領域は、被形成面近傍の領域よりもc軸配向した結晶部の割合が高くなることがある。また、CAAC−OS膜に不純物を添加する場合、不純物が添加された領域が変質し、部分的にc軸配向した結晶部の割合の異なる領域が形成されることもある。
なお、InGaZnO4の結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC−OS膜中の一部に、c軸配向性を有さない結晶が含まれることを示している。CAAC−OS膜は、2θが31°近傍にピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さないことが好ましい。
CAAC−OS膜は、不純物濃度の低い酸化物半導体膜である。不純物は、水素、炭素、シリコン、遷移金属元素などの酸化物半導体膜の主成分以外の元素である。特に、シリコンなどの、酸化物半導体膜を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸化物半導体膜から酸素を奪うことで酸化物半導体膜の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半径(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体膜内部に含まれると、酸化物半導体膜の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。なお、酸化物半導体膜に含まれる不純物は、キャリアトラップやキャリア発生源となる場合がある。
また、CAAC−OS膜は、欠陥準位密度の低い酸化物半導体膜である。例えば、酸化物半導体膜中の酸素欠損は、キャリアトラップとなることや、水素を捕獲することによってキャリア発生源となることがある。
不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低い(酸素欠損の少ない)ことを、高純度真性または実質的に高純度真性と呼ぶ。高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。従って、当該酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、しきい値電圧がマイナスとなる電気特性(ノーマリーオンともいう。)になることが少ない。また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、キャリアトラップが少ない。そのため、当該酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとなる。なお、酸化物半導体膜のキャリアトラップに捕獲された電荷は、放出するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、不純物濃度が高く、欠陥準位密度が高い酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
また、CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動が小さい。
次に、微結晶酸化物半導体膜について説明する。
微結晶酸化物半導体膜は、TEMによる観察像では、明確に結晶部を確認することができない場合がある。微結晶酸化物半導体膜に含まれる結晶部は、1nm以上100nm以下、または1nm以上10nm以下の大きさであることが多い。特に、1nm以上10nm以下、または1nm以上3nm以下の微結晶であるナノ結晶(nc:nanocrystal)を有する酸化物半導体膜を、nc−OS(nanocrystalline Oxide Semiconductor)膜と呼ぶ。また、nc−OS膜は、例えば、TEMによる観察像では、結晶粒界を明確に確認できない場合がある。
nc−OS膜は、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc−OS膜は、異なる結晶部間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。従って、nc−OS膜は、分析方法によっては、非晶質酸化物半導体膜と区別が付かない場合がある。例えば、nc−OS膜に対し、結晶部よりも大きいプローブ径のX線を用いるXRD装置を用いて構造解析を行うと、out−of−plane法による解析では、結晶面を示すピークが検出されない。また、nc−OS膜に対し、結晶部よりも大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子線回折(制限視野電子線回折ともいう。)を行うと、ハローパターンのような回折像が観測される。一方、nc−OS膜に対し、結晶部の大きさと近いか結晶部より小さいプローブ径(例えば1nm以上30nm以下)の電子線を用いる電子線回折(ナノビーム電子線回折ともいう。)を行うと、スポットが観測される。また、nc−OS膜に対しナノビーム電子線回折を行うと、円を描くように(リング状に)輝度の高い領域が観測される場合がある。また、nc−OS膜に対しナノビーム電子線回折を行うと、リング状の領域内に複数のスポットが観測される場合がある。
nc−OS膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも規則性の高い酸化物半導体膜である。そのため、nc−OS膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも欠陥準位密度が低くなる。ただし、nc−OS膜は、異なる結晶部間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、nc−OS膜は、CAAC−OS膜と比べて欠陥準位密度が高くなる。
なお、酸化物半導体膜は、例えば、非晶質酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、CAAC−OS膜のうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
酸化物半導体膜107は、少なくともインジウム(In)を含む。特に、インジウムと亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。また、該酸化物を用いたトランジスタの電気特性のばらつきを減らすためのスタビライザーとして、それらに加えてガリウム(Ga)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてスズ(Sn)、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)のいずれか一種または複数種を有することが好ましい。
また、他のスタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)のいずれか一種または複数種を有してもよい。
例えば、酸化物半導体膜107として、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、二元系金属の酸化物であるIn−Zn系酸化物、In−Mg系酸化物、In−Ga系酸化物、三元系金属の酸化物であるIn−Ga−Zn系酸化物(IGZOとも表記する)、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、四元系金属の酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。
例えば、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを主成分として有する酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素が入っていてもよい。
また、酸化物半導体膜107として、InMO3(ZnO)m(m>0、且つ、mは整数でない)で表記される材料を用いてもよい。なお、Mは、Ga、Fe、MnおよびCoから選ばれた一の金属元素または複数の金属元素を示す。また、酸化物半導体として、In2SnO5(ZnO)n(n>0、且つ、nは整数)で表記される材料を用いてもよい。
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1、In:Ga:Zn=2:2:1、あるいはIn:Ga:Zn=3:1:2の原子数比のIn−Ga−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いることができる。あるいは、In:Sn:Zn=1:1:1、In:Sn:Zn=2:1:3あるいはIn:Sn:Zn=2:1:5の原子数比のIn−Sn−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いることができる。
なお、例えば、In、Ga、Znの原子数比がIn:Ga:Zn=a:b:c(a+b+c=1)である酸化物の組成が、原子数比がIn:Ga:Zn=A:B:C(A+B+C=1)の酸化物の組成の近傍であるとは、a、b、cが、(a−A)2+(b−B)2+(c−C)2≦r2を満たすことをいう。rとしては、例えば、0.05とすればよい。他の酸化物でも同様である。
しかし上記に限られず、必要とするトランジスタの電気的特性(電界効果移動度、しきい値電圧、ばらつき等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とする電気的特性を得るために、キャリア濃度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
例えば、In−Sn−Zn系酸化物半導体を用いたトランジスタでは比較的容易に高い電界効果移動度が得られる。しかしながら、In−Ga−Zn系酸化物半導体を用いたトランジスタでも、バルク内欠陥密度を低くすることにより電界効果移動度を上げることができる。
さらに酸化物半導体膜107は、単層構造としてもよいし、複数の酸化物半導体膜が積層された構造としてもよい。例えば、酸化物半導体膜107を、第1の酸化物半導体膜と第2の酸化物半導体膜の積層として、第1の酸化物半導体膜と第2の酸化物半導体膜に、異なる組成の金属酸化物を用いてもよい。例えば、第1の酸化物半導体膜に三元系金属の酸化物を用い、第2の酸化物半導体膜に二元系金属の酸化物を用いてもよい。また、例えば、第1の酸化物半導体膜と第2の酸化物半導体膜を、どちらも三元系金属の酸化物としてもよい。
また、第1の酸化物半導体膜と第2の酸化物半導体膜の構成元素を同一とし、両者の組成を異ならせてもよい。例えば、第1の酸化物半導体膜の原子数比をIn:Ga:Zn=1:1:1またはその組成の近傍とし、第2の酸化物半導体膜の原子数比をIn:Ga:Zn=3:1:2またはその組成の近傍としてもよい。また、第1の酸化物半導体膜の原子数比をIn:Ga:Zn=1:3:2またはその組成の近傍とし、第2の酸化物半導体膜の原子数比をIn:Ga:Zn=2:1:3またはその組成の近傍としてもよい。
この時、第1の酸化物半導体膜と第2の酸化物半導体膜のうち、ゲート電極に近い側(チャネル側)の酸化物半導体膜のInとGaの含有率をIn>Gaとするとよい。またゲート電極から遠い側(バックチャネル側)の酸化物半導体膜のInとGaの含有率をIn≦Gaとするとよい。
酸化物半導体では主として重金属のs軌道がキャリア伝導に寄与しており、Inの含有率を多くすることによりs軌道のオーバーラップが多くなる傾向があるため、In>Gaの組成となる酸化物はIn≦Gaの組成となる酸化物と比較して高い移動度を備える。また、GaはInと比較して酸素欠損の形成エネルギーが大きく酸素欠損が生じにくいため、In≦Gaの組成となる酸化物はIn>Gaの組成となる酸化物と比較して安定した特性を備える。
チャネル側にIn>Gaの組成となる酸化物半導体を適用し、バックチャネル側にIn≦Gaの組成となる酸化物半導体を適用することで、トランジスタの移動度および信頼性をさらに高めることが可能となる。
また、第1の酸化物半導体膜と第2の酸化物半導体膜に、結晶性の異なる酸化物半導体膜を適用してもよい。すなわち、単結晶酸化物半導体膜、多結晶酸化物半導体膜、アモルファス酸化物半導体膜、またはCAAC−OS膜を適宜組み合わせた構成としてもよい。また、第1の酸化物半導体膜と第2の酸化物半導体膜の少なくともどちらか一方にアモルファス酸化物半導体膜を適用すると、酸化物半導体膜107の内部応力や外部からの応力を緩和し、トランジスタの特性ばらつきが低減され、また、トランジスタの信頼性をさらに高めることが可能となる。
一方で、アモルファス酸化物半導体膜は水素などのドナーとなる不純物を吸収しやすく、また、酸素欠損が生じやすいためn型化されやすい。このため、チャネル側の酸化物半導体膜は、CAAC−OS膜などの結晶性を有する酸化物半導体膜を適用することが好ましい。
CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動が小さい。よって、当該トランジスタは、信頼性が高い。
<ソース電極およびドレイン電極>
ソース電極113aおよびドレイン電極113bには、導電層101と同様の材料を用いることができる。
ソース電極113aは、加熱により酸素供給可能な絶縁膜105が有するコンタクトホール109において、導電層101と電気的に接続されている。なお図1(A)では、ソース電極113aが直接、導電層101と接しているが、これに限らない。他の導電層を介してソース電極113aと導電層101が電気的に接続されていてもよい。
ソース電極113aおよびドレイン電極113bは、酸素供給可能な絶縁膜105の窒素を多く含む領域111と接している。窒素を多く含む領域111を介して接することで酸素の授受が生じにくくなり、上記構成とすることで、酸素供給可能な絶縁膜105中の酸素によりソース電極113aおよびドレイン電極113bが酸化されることを抑制できる。
<ゲート絶縁膜>
ゲート絶縁膜115には、加熱により酸素供給可能な絶縁膜105と同様の材料を用いることができる。また、窒化シリコン、窒化アルミニウム等を用いてもよい。
<ゲート電極>
ゲート電極117には、導電層101と同様の材料を用いることができる。またゲート電極117としてリン等の不純物をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜、ニッケルシリサイドなどのシリサイド膜を用いてもよい。ゲート電極117は、単層構造としてもよいし、積層構造としてもよい。
また、ゲート絶縁膜115と接するゲート電極117の一層として、窒素を含む金属酸化物、具体的には、窒素を含むIn−Ga−Zn−O膜や、窒素を含むIn−Sn−O膜や、窒素を含むIn−Ga−O膜や、窒素を含むIn−Zn−O膜や、窒素を含むSn−O膜や、窒素を含むIn−O膜や、金属窒化膜(InN、SnNなど)を用いることができる。これらの膜は5eV(電子ボルト)、好ましくは5.5eV(電子ボルト)以上の仕事関数を有し、ゲート電極として用いた場合、トランジスタの電気特性のしきい値電圧をプラスにすることができ、所謂ノーマリーオフのトランジスタを実現できる。
<<他の半導体装置の構成>>
次に、図1(B)〜(D)、および図2(A)〜(C)を参照して、本発明の一態様に係る半導体装置の他の構成例について説明する。
図1(B)に示すトランジスタ202を有する半導体装置は、ゲート電極117がソース電極113aおよびドレイン電極113bと重畳せず、酸化物半導体膜107がチャネル形成領域107aおよび一対の低抵抗領域107bを有する点がトランジスタ201と異なる。ゲート電極117がソース電極113aおよびドレイン電極113bと重畳しない構造とすることで、寄生容量を低減することができる。低抵抗領域107bは、不純物を有することで低抵抗化した領域である。チャネル形成領域107aおよび低抵抗領域107bは、ゲート電極117をマスクとして不純物をドーピングすることで形成することができる。不純物としては、例えばリン、窒素、炭素、ホウ素などを用いることができる。
また導電層119を有する点がトランジスタ201を有する半導体装置と異なる。導電層119は、トランジスタ202のバックゲートと呼ぶこともできる。
より具体的には、トランジスタ202は、加熱により酸素供給可能な絶縁膜105と接し、チャネル形成領域107aおよび一対の低抵抗領域107bを有する酸化物半導体膜107と、ゲート絶縁膜115と、酸化物半導体膜107とゲート絶縁膜115を介して重畳するゲート電極117と、酸化物半導体膜107と電気的に接続されるソース電極113aおよびドレイン電極113bと、絶縁膜105と、絶縁膜105を介して酸化物半導体膜107と重畳する導電層119を有する。
トランジスタ202は導電層101および加熱により酸素供給可能な絶縁膜105上に形成される。酸素供給可能な絶縁膜105は、コンタクトホール109を有し、コンタクトホール109において導電層101とソース電極113aは電気的に接続されている。
加熱により酸素供給可能な絶縁膜105は、ソース電極113aおよびドレイン電極113bとの界面近傍に、内部よりも窒素を多く含む領域111を有する。また酸化物半導体膜107は、ソース電極113aおよびドレイン電極113bとの界面近傍に、内部よりも窒素を多く含む領域111を有する。また導電層101は、ソース電極113aと電気的に接続されている界面近傍に、内部よりも窒素を多く含む領域111を有する。
ここで導電層119はゲート電極117と同様の材料および作製方法を適用することができる。導電層119は電気的に絶縁しているフローティングの状態であってもよいし、電位が他から与えられている状態であってもよい。後者の場合、ゲート電極117と同じ高さの電位が与えられていてもよいし、導電層101と同じ高さの電位が与えられていてもよいし、導電層119にのみ接地電位などの固定の電位が与えられていてもよい。導電層119に与える電位の高さを制御することで、トランジスタ201のしきい値電圧を制御が容易となる。なお導電層119に与える電位の高さを制御する場合、窒素を含む金属酸化物を用いることで、トランジスタ204のしきい値電圧をプラスにすることができ、所謂ノーマリーオフのスイッチング素子を実現することがより容易となる。
図1(C)に示すトランジスタ203を有する半導体装置は、トランジスタの構成要素の積層順がトランジスタ201を有する半導体装置と異なる。
より具体的には、トランジスタ203は、ソース電極113aおよびドレイン電極113bと、ソース電極113aおよびドレイン電極113b上に設けられて電気的に接続される酸化物半導体膜107と、ゲート絶縁膜115と、酸化物半導体膜107とゲート絶縁膜115を介して重畳するゲート電極117を有する。酸化物半導体膜107は加熱により酸素供給可能な絶縁膜105と少なくとも一部が接する。
トランジスタ203は、導電層101および加熱により酸素供給可能な絶縁膜105上に形成される。酸素供給可能な絶縁膜105は、コンタクトホール109を有し、コンタクトホール109において導電層101とソース電極113aは電気的に接続されている。
加熱により酸素供給可能な絶縁膜105は、ソース電極113aおよびドレイン電極113bとの界面近傍に、内部よりも窒素を多く含む領域111を有する。また導電層101は、ソース電極113aと電気的に接続されている界面近傍に、内部よりも窒素を多く含む領域111を有する。
なお、トランジスタ203は、酸化物半導体膜107は窒素を多く含む領域111は有さない構成である。
図1(D)に示すトランジスタ204を有する半導体装置は、ボトムゲート構造のトランジスタである点がトランジスタ201を有する半導体装置と異なる。
より具体的には、トランジスタ204は、ゲート電極117上に、加熱により酸素供給可能な絶縁膜からなるゲート絶縁膜115と、ゲート絶縁膜115を介してゲート電極117と重畳する酸化物半導体膜107と、酸化物半導体膜107と電気的に接続されるソース電極113aおよびドレイン電極113bを有する。
加熱により酸素供給可能な絶縁膜からなるゲート絶縁膜115は、コンタクトホール109を有し、コンタクトホール109において導電層101とソース電極113aは電気的に接続されている。また酸化物半導体膜107は、ソース電極113aおよびドレイン電極113bとの界面近傍に、内部よりも窒素を多く含む領域111を有する。また導電層101は、ソース電極113aと電気的に接続されている界面近傍に、内部よりも窒素を多く含む領域111を有する。
トランジスタ204のゲート電極117は、導電層101と同一の導電層から形成されていてもよい。またゲート電極117と導電層101が電気的に接続されていてもよい。
図2(A)に示すトランジスタ205を有する半導体装置は、加熱により酸素供給可能な絶縁膜105における窒素を多く含む領域111が、トランジスタ201を有する半導体装置と異なる。
より具体的には、図2(A)における加熱により酸素供給可能な絶縁膜105は、コンタクトホール109の側壁に、内部よりも窒素を多く含む領域111を有する。図2(A)における加熱により酸素供給可能な絶縁膜105は、ドレイン電極113bとの界面近傍には、窒素を多く含む領域111を有さない構成である。また酸化物半導体膜107も窒素を多く含む領域111を有さない構成である。
図2(A)のような構成としても、コンタクトホール109の側壁を介して酸素供給可能な絶縁膜105中の過剰酸素が減少すること抑制することができる。また酸化物半導体膜107が窒素を多く含む領域111を有さない構成であるため、低抵抗化がより生じにくくなる。
図2(B)に示すトランジスタ206を有する半導体装置は、導電層101が、導電層121を介してゲート電極117と電気的に接続されている点がトランジスタ201を有する半導体装置と異なる。
さらに、ゲート絶縁膜115およびトランジスタ206上に設けられている絶縁膜123も、コンタクトホール109を有し、ゲート絶縁膜115および絶縁膜123と導電層121との界面近傍に、内部よりも窒素を多く含む領域111を有する。
また、酸化物半導体膜107がチャネル形成領域107aおよび一対の低抵抗領域107bを有する点もトランジスタ201を有する半導体装置と異なる。
より具体的には、トランジスタ206は、加熱により酸素供給可能な絶縁膜105と接しチャネル形成領域107aおよび一対の低抵抗領域107bを有する酸化物半導体膜107と、ゲート絶縁膜115と、酸化物半導体膜107とゲート絶縁膜115を介して重畳するゲート電極117と、酸化物半導体膜107と電気的に接続されるソース電極113aおよびドレイン電極113bと、絶縁膜105と、絶縁膜105を介して酸化物半導体膜107と重畳する導電層119を有する。
トランジスタ206は導電層101および加熱により酸素供給可能な絶縁膜105上に形成される。またトランジスタ206上に絶縁膜123が設けられる。酸素供給可能な絶縁膜105、ゲート絶縁膜115および絶縁膜123は、コンタクトホール109を有し、コンタクトホール109に設けられた導電層121を介して導電層101とゲート電極117は電気的に接続されている。
加熱により酸素供給可能な絶縁膜105は、ソース電極113aおよびドレイン電極113bとの界面近傍に、内部よりも窒素を多く含む領域111を有する。またゲート絶縁膜115および絶縁膜123は、導電層121との界面近傍に、内部よりも窒素を多く含む領域111を有する。
酸化物半導体膜107は、ソース電極113aおよびドレイン電極113bとの界面近傍に、内部よりも窒素を多く含む領域111を有する。また導電層101は、導電層121と電気的に接続されている界面近傍に、内部よりも窒素を多く含む領域111を有する。
図2(C)に示すトランジスタ207を有する半導体装置は、容量素子208が設けられている点がトランジスタ206を有する半導体装置と異なる。
ソース電極113a上に絶縁膜を介して導電層121を設けることで、容量素子208を構成することができる。
より具体的には、加熱により酸素供給可能な絶縁膜105と接する酸化物半導体膜107と、ゲート絶縁膜115と、酸化物半導体膜107とゲート絶縁膜115を介して重畳するゲート電極117と、酸化物半導体膜107と電気的に接続されるソース電極113aおよびドレイン電極113bと、絶縁膜105と、絶縁膜105を介して酸化物半導体膜107と重畳する導電層119を有する。
トランジスタ207は導電層101および加熱により酸素供給可能な絶縁膜105上に形成される。またトランジスタ207上に絶縁膜123が設けられる。酸素供給可能な絶縁膜105、ゲート絶縁膜115および絶縁膜123は、コンタクトホール109を有する。コンタクトホール109に設けられた導電層121は、ゲート絶縁膜115および絶縁膜123を介してソース電極113a上に設けられている。
加熱により酸素供給可能な絶縁膜105は、ソース電極113aおよびドレイン電極113bとの界面近傍に、内部よりも窒素を多く含む領域111を有する。また絶縁膜123は、導電層121との界面近傍に、内部よりも窒素を多く含む領域111を有する。
酸化物半導体膜107は、ソース電極113aおよびドレイン電極113bとの界面近傍に、内部よりも窒素を多く含む領域111を有する。また導電層101は、ソース電極113aと電気的に接続されている界面近傍に、内部よりも窒素を多く含む領域111を有する。
本実施の形態で示したそれぞれの半導体装置の特徴は、他の半導体装置の特徴と組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法の一例について、図3および図4を参照して説明する。
本実施の形態では、図1(A)に示すトランジスタ201を有する半導体装置の作製方法について述べる。他の半導体装置の作製方法は、トランジスタ201を有する半導体装置の作製方法を参酌することができる。
まず、絶縁層103、導電層101および加熱により酸素供給可能な絶縁膜105を形成する(図3(A)参照)。
絶縁層103は、実施の形態1に記載の材料を用いて、プラズマCVD法又はスパッタリング法等により形成することができる。また導電層101も、実施の形態1に記載の材料を用いて、プラズマCVD法又はスパッタリング法等により形成した導電膜を加工することで形成することができる。
加熱により酸素供給可能な絶縁膜105は、プラズマCVD法又はスパッタリング法等により形成することができ、プラズマCVD法を適用する場合、原料のガスとしては金属およびシリコンの水素化合物、金属化合物、ハロゲン化物等を用いることができる。たとえば酸化窒化シリコンを形成する場合、材料ガスとしてはシランおよび亜酸化窒素を用いることができる。酸化ガリウムを形成する場合、トリメチルガリウム等を用いることができる。加熱により酸素供給可能な絶縁膜105を設けるには、例えば、酸素雰囲気下にて成膜すればよい。又は、成膜後の加熱により酸素供給可能な絶縁膜105に、酸素(少なくとも、酸素ラジカル、酸素原子、酸素イオンのいずれかを含む)を導入して、過剰酸素を含有させてもよい。酸素の導入方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオン注入法、プラズマ処理などを用いることができる。
次に、加熱により酸素供給可能な絶縁膜105上に酸化物半導体膜を形成し、島状に加工して酸化物半導体膜107を形成する(図3(B)参照)。酸化物半導体膜107の膜厚は、例えば、1nm乃至30nm、好ましくは5nm乃至10nmとする。酸化物半導体膜107の膜厚を30nm以下、好ましくは10nm以下とすることで、トランジスタ201のオフ電流を低くすることが容易となる。
酸化物半導体膜は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。また、アモルファス構造であってもよいし、結晶性を有していてもよい。酸化物半導体膜をアモルファス構造とする場合には、後の作製工程において、酸化物半導体膜に熱処理を行うことによって、結晶性酸化物半導体膜としてもよい。アモルファス酸化物半導体膜を結晶化させる熱処理の温度は、250℃以上700℃以下、好ましくは、400℃以上、より好ましくは500℃以上、さらに好ましくは550℃以上とする。なお、当該熱処理は、作製工程における他の熱処理を兼ねることも可能である。
酸化物半導体膜の成膜方法は、スパッタリング法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、プラズマCVD法、パルスレーザ堆積法、ALD(Atomic Layer Deposition)法、ミストCVD法等を適宜用いることができる。
酸化物半導体膜を成膜する際、できる限り酸化物半導体膜に含まれる水素濃度を低減させることが好ましい。水素濃度を低減させるために、例えばスパッタリング法を用いて成膜を行う場合には、スパッタリング装置の処理室内に供給する雰囲気ガスとして、水素、水、ヒドロキシ基又は水素化物などの不純物が除去された高純度の希ガス(代表的にはアルゴン)、酸素、及び希ガスと酸素との混合ガスを適宜用いることが好ましい。
また、成膜室内の残留水分を除去しつつ水素及び水分が除去されたスパッタガスを導入して成膜を行うことで、成膜された酸化物半導体膜の水素濃度を低減させることができる。成膜室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプ、例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好ましい。また、ターボ分子ポンプにコールドトラップを加えたものを用いてもよい。クライオポンプを用いて排気した成膜室は、例えば、水素分子、水など水素原子を含む化合物、さらには炭素原子を含む化合物等の排気能力が高いため、当該成膜室で成膜した酸化物半導体膜に含まれる不純物の濃度を低減できる。
また、酸化物半導体膜をスパッタリング法で成膜する場合、成膜に用いる金属酸化物ターゲットの相対密度(充填率)は90%以上100%以下、好ましくは95%以上99.9%以下とする。相対密度の高い金属酸化物ターゲットを用いることにより、成膜した酸化物半導体膜を緻密な膜とすることができる。
また、基板を高温に保持した状態で酸化物半導体膜を形成することも、酸化物半導体膜中に含まれうる不純物濃度を低減するのに有効である。基板を加熱する温度としては、150℃以上450℃以下とすればよく、好ましくは基板温度が200℃以上350℃以下とすればよい。また、成膜時に基板を高温で加熱することで、酸化物半導体膜の結晶性高めることができる。
また、酸化物半導体膜107に、当該酸化物半導体膜107に含まれる過剰な水素(水やヒドロキシ基を含む)を除去(脱水化又は脱水素化)するための熱処理を行うことが好ましい。熱処理の温度は、300℃以上700℃以下、又は基板の歪み点未満とする。熱処理は減圧下又は窒素雰囲気下などで行うことができる。
この熱処理によって、例えば、脱水化又は脱水素化処理後の酸化物半導体膜107に含まれる水素濃度を、5×1019/cm3以下、好ましくは5×1018/cm3、より好ましくは5×1017atoms/cm3以下とすることができる。
なお、脱水化又は脱水素化のための熱処理は、酸化物半導体膜の成膜後であればトランジスタ201の作製工程においてどのタイミングで行ってもよい。また、脱水化又は脱水素化のための熱処理は、複数回行ってもよく、他の熱処理と兼ねてもよい。
なお、脱水化又は脱水素化のための熱処理を、酸化物半導体膜を島状に加工する前に行うと、加熱により酸素供給可能な絶縁膜105に含まれる酸素が熱処理によって外部へ放出されるのを防止することができるため好ましい。
熱処理においては、窒素、又はヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスに、水、水素などが含まれないことが好ましい。又は、熱処理装置に導入する窒素、又はヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスの純度を、6N(99.9999%)以上好ましくは7N(99.99999%)以上(即ち不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。
また、熱処理で酸化物半導体膜107を加熱した後、加熱温度を維持、又はその加熱温度から徐冷しながら同じ炉に高純度の酸素ガス、高純度の亜酸化窒素ガス、又は超乾燥エア(CRDS(キャビティリングダウンレーザー分光法)方式の露点計を用いて測定した場合の水分量が20ppm(露点換算で−55℃)以下、好ましくは1ppm以下、より好ましくは10ppb以下の空気)を導入してもよい。酸素ガス又は亜酸化窒素ガスに、水、水素などが含まれないことが好ましい。又は、熱処理装置に導入する酸素ガス又は亜酸化窒素ガスの純度を、6N以上好ましくは7N以上(即ち、酸素ガス又は亜酸化窒素ガス中の不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。酸素ガス又は亜酸化窒素ガスの作用により、脱水化又は脱水素化処理による不純物の排除工程によって同時に減少してしまった酸化物半導体を構成する主成分材料である酸素を供給するができる。酸素を供給することによって、酸化物半導体膜107を高純度化及びi型(真性)化することができる。i型(真性)化した酸化物半導体を有するトランジスタは、電気特性変動が抑制されており、電気的に安定である。
また、脱水化又は脱水素化処理を行った酸化物半導体膜に、酸素(少なくとも、酸素ラジカル、酸素原子、酸素イオン、のいずれかを含む)を導入して膜中に酸素を供給してもよい。
なお、酸化物半導体膜への酸素導入は、酸化物半導体膜に直接行ってもよいし、後に形成されるゲート絶縁膜115などの他の膜を通過して酸化物半導体膜107に行ってもよい。酸素を他の膜を通過して酸素を導入する場合は、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオン注入法などを用いればよい。露出された酸化物半導体膜107へ直接酸素を導入する場合は、上記の方法に加えてプラズマ処理なども用いることができる。
酸素の供給ガスとしては、Oを含有するガスを用いればよく、例えば、O2ガス、N2Oガス、CO2ガス、COガス、NO2ガス等を用いることができる。なお、酸素の供給ガスに希ガス(例えばAr)を含有させてもよい。
例えば、イオン注入法で酸化物半導体膜107へ酸素イオンの注入を行う場合、ドーズ量を1×1013ions/cm2以上5×1016ions/cm2以下とすればよい。
酸化物半導体膜への酸素の供給は酸化物半導体膜の成膜後であれば、そのタイミングは特に限定されない。また、酸化物半導体膜への酸素の導入は複数回行ってもよい。また、酸化物半導体膜を複数層の積層構造とする場合には、脱水化又は脱水素化のための熱処理及び/又は酸素の供給は、各酸化物半導体膜に対して別々に行ってもよいし、積層構造を形成した後の酸化物半導体膜に対して行ってもよい。
加熱により酸素供給可能な絶縁膜105を形成する場合は、加熱により酸素供給可能な絶縁膜105と酸化物半導体膜107とを大気に曝露せずに連続的に形成することが好ましい。加熱により酸素供給可能な絶縁膜105と酸化物半導体膜107とを大気に曝露せずに連続して形成すると、加熱により酸素供給可能な絶縁膜105表面に水素や水分などの不純物が吸着することを防止することができる。
次に、加熱により酸素供給可能な絶縁膜105にコンタクトホール109を形成する(図3(C)参照)。コンタクトホール109は、フォトレジスト等によりマスク108を形成し、マスク108を用いて加熱により酸素供給可能な絶縁膜105の一部を選択的にエッチングすることで形成することができる。
次に、酸素供給可能な絶縁膜105および酸化物半導体膜107に窒化処理を行い、窒素を多く含む領域111を形成する(図3(D)参照)。
窒化処理としては、高密度プラズマ装置、高密度プラズマCVD等による窒素プラズマを用いた処理、プラズマエッチング装置による窒素プラズマを用いた処理、イオン注入装置による窒素イオン注入処理等を適用することができる。
高密度プラズマCVD装置による窒素プラズマを用いた処理を行う場合は、ガス流量比Ar:N2=5:1(体積比)、圧力40Paといった条件や、ガス流量比Ar:N2:H2=50:10:1(体積比)、圧力40Paといった条件等を適用することができる。
窒化処理を行うことで、酸素供給可能な絶縁膜105および酸化物半導体膜107の露出した表面から内部に向かって窒素濃度を連続的に減少させることができる。仮にこれらの露出した表面に窒化シリコン膜を設けると、窒素濃度の変化は非連続的となる。これは本発明の一態様とは異なる状態である。
なお図3(D)ではマスク108を除去した後に窒化処理を行う場合を示したが、これに限らない。マスク108を除去する前に窒化処理を行い、窒素を多く含む領域111を形成してもよい。この方法により、コンタクトホール109の側壁にのみ窒素を多く含む領域111を形成することができる。
次に、窒化処理によって表面に内部よりも窒素を多く含んだ、加熱により酸素供給可能な絶縁膜105および酸化物半導体膜107上に、導電層113を形成する(図4(A)参照)。
次に、導電層113を加工してソース電極113aおよびドレイン電極113bを形成する(図4(B)参照)。
このとき、酸化物半導体膜107および加熱により酸素供給可能な絶縁膜105の、ソース電極113aおよびドレイン電極113bと重畳しない領域は、窒素を多く含む領域が除去される。そのため酸化物半導体膜107のチャネル形成領域においては窒素を多く含む領域111を有さない構成とすることができる。また酸素供給可能な絶縁膜105の、ソース電極113aおよびドレイン電極113bと重畳しない領域は、窒素を多く含む領域111を有さない構成とすることができる。
次に、酸化物半導体膜107、ソース電極113aおよびドレイン電極113b上にゲート絶縁膜115およびゲート電極117を形成する(図4(C)参照)。このようにして、トランジスタ201を有する半導体装置を作製することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る実施の形態1と異なる半導体装置、より具体的には酸化物半導体とそれ以外の半導体材料(たとえば単結晶シリコン)を組み合わせた半導体装置の構成例について、図5および図6を参照して説明する。
まず、トランジスタ301およびトランジスタ302上にトランジスタ201を有する半導体装置について、図5に示す断面図を参照して説明する。
トランジスタ301およびトランジスタ302は、酸化物半導体以外の半導体材料を用いたトランジスタである。酸化物半導体以外の半導体材料としては、シリコン(非晶質シリコン、多結晶シリコン、微結晶シリコン等)、炭化シリコン、ゲルマニウムなどの単結晶半導体、多結晶半導体、シリコンゲルマニウム、砒化ガリウム、リン化インジウムなどの化合物半導体、有機半導体等を用いることができる。本実施の形態では、トランジスタ301およびトランジスタ302について単結晶シリコンを用いたトランジスタとして説明する。
トランジスタ301は、nチャネル型トランジスタであり、シリコン基板311上にpウェル315、pウェル315中に形成されたn+領域である一対のソース領域およびドレイン領域325、ゲート絶縁膜319、ゲート絶縁膜319上のゲート電極321を有する。ソース領域およびドレイン領域325の一方は電極329bと電気的に接続され、ソース領域およびドレイン領域325の他方は電極329aと電気的に接続されている。
トランジスタ302は、pチャネル型トランジスタであり、シリコン基板311上にnウェル317、nウェル317中に形成されたp+領域である一対のソース領域およびドレイン領域327、ゲート絶縁膜319、ゲート絶縁膜319上のゲート電極323を有する。ソース領域およびドレイン領域327の他方は電極329bと電気的に接続され、ソース領域およびドレイン領域325の一方は電極329cと電気的に接続されている。
トランジスタ202は、図1(B)で説明した酸化物半導体を用いたトランジスタである。導電層101は、電極329bと電気的に接続されている。
トランジスタ301のソース領域およびドレイン領域325の一方、トランジスタ302のソース領域およびドレイン領域327の他方、並びに導電層101は電気的に接続されている。
トランジスタ301とトランジスタ302は1つのCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)として機能させることができる。すなわち、シリコンを用いたCMOSのゲートに、酸化物半導体を用いたトランジスタのソース電極113aが電気的に接続されているということができる。そのため、たとえば単結晶シリコンを用いたトランジスタの移動度が高いという特徴と、酸化物半導体を用いたトランジスタのオフ電流が極めて低いという特徴を併せ持った半導体装置とすることができる。
酸素は、酸化物半導体を用いたトランジスタに好影響を与えるのに対し、シリコンを用いたトランジスタには悪影響を与える。また水素は、酸化物半導体を用いたトランジスタにはドナーとして振る舞いオフ電流を増大させる等の悪影響を与えるのに対して、シリコンを用いたトランジスタには好影響を与える。
そのためシリコンを用いたトランジスタ301およびトランジスタ302を有する層では、トランジスタの周囲の絶縁膜328として水素を含む絶縁膜を用いることが好ましい。しかし絶縁膜328に含まれる水素がトランジスタ202に達すると、トランジスタ202に悪影響を与える恐れがある。
また酸化物半導体を用いたトランジスタを有する層では、加熱により酸素供給可能な絶縁膜105を用いる。しかし加熱により酸素供給可能な絶縁膜105に含まれる酸素がトランジスタ301およびトランジスタ302に達すると、上記のような悪影響を与える恐れがある。
そこでシリコンを用いたトランジスタを有する層と、酸化物半導体を用いたトランジスタを有する層の間に、酸素および水素の拡散を抑制できる材料を含む絶縁膜104を設けることが好ましい。酸素および水素の拡散を抑制できる材料としては、例えば酸化アルミニウムが挙げられる。
絶縁膜104を設けることで、水素および酸素の拡散を防止することができる。これにより、トランジスタ301およびトランジスタ302、並びにトランジスタ201の信頼性を向上させることができる。
また、酸化物半導体を用いたトランジスタを有する層の上にも、酸素および水素の拡散を抑制できる材料を含む絶縁膜124を設けることが好ましい。絶縁膜124を設けることで、外部からの水素、水等の不純物の侵入を防止することができる。これによりトランジスタ301およびトランジスタ302、並びにトランジスタ201の信頼性を向上させることができる。
次に、トランジスタ501上に積層された複数のトランジスタ201を有する半導体装置について、図6(A)に示す上面図および図6(B)に示す断面図を参照して説明する。
トランジスタ501は、酸化物半導体以外の半導体材料を用いたトランジスタである。酸化物半導体以外の半導体材料としては、トランジスタ301およびトランジスタ302と同様の材料を用いることができる。本実施の形態では、トランジスタ501についてSOI(Silicon on Insulator)基板を用いて形成された、単結晶シリコンを用いたトランジスタとして説明する。
複数のトランジスタ201(トランジスタ201_1、トランジスタ201_2、トランジスタ201_3)は、図1(A)で説明した酸化物半導体を用いたトランジスタである。
図6に示す半導体装置は、トランジスタ501を有する層401の上に、トランジスタ201_1を有する層403_1、トランジスタ201_2を有する層403_2、トランジスタ201_3を有する層403_3を有する。
図6(A)は、トランジスタ201_1を有する層403_1の上面図である。トランジスタ201_1は、絶縁膜413上に、ソース電極415a、ドレイン電極415b、酸化物半導体膜、ゲート絶縁膜、ゲート電極409を有する。
トランジスタ501、トランジスタ201_1、トランジスタ201_2およびトランジスタ201_3は電気的に接続されている。
より具体的には、トランジスタ501のゲート電極は、トランジスタ201_1のドレイン電極415b、トランジスタ201_2のドレイン電極およびトランジスタ201_3のドレイン電極と電気的に接続されている。
ここで、トランジスタ201の酸化物半導体膜に接する絶縁膜413を、加熱により酸素供給可能な絶縁膜とする。また絶縁膜413の、トランジスタ201のソース電極およびドレイン電極との界面近傍に、内部よりも窒素を多く含む領域を設ける。
また、トランジスタ501とトランジスタ201_1の間に設けられる絶縁膜104は、酸素および水素の拡散を抑制できる材料を含むことが好ましい。酸素および水素の拡散を抑制できる材料を含む絶縁膜104を設けることで、トランジスタ501およびトランジスタ201の信頼性を向上させることができる。
図5および図6のように、酸化物半導体と、それ以外の半導体材料を組み合わせて用いることで、それぞれの半導体材料の利点を併せ持った半導体装置とすることができる。また複数のトランジスタを積層して用いることで、集積度の高い半導体装置とすることができる。
本実施の形態で示した半導体装置は、他の実施の形態で示した半導体装置と組み合わせて用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1で説明した半導体装置を有する回路の例について、図7を用いて説明する。
実施の形態1で説明した半導体装置、たとえば図2(C)で示した、ソース電極上に絶縁膜を介して配線を設けることで容量素子を構成した半導体装置を用いて、記憶素子を構成することが可能である。
図7(A)に示す半導体装置は、トランジスタ601、トランジスタ602および容量素子603を有する。
トランジスタ601のゲート電極は、トランジスタ602のソース電極またはドレイン電極の一方および容量素子の電極の一方と電気的に接続されている。図7(A)に示す半導体装置は、トランジスタ601のゲート電極の電位が保持可能という特徴を生かすことで、記憶素子として用いることができる。
トランジスタ601は、酸化物半導体以外の半導体材料を用いたトランジスタである。酸化物半導体以外の半導体材料としては、トランジスタ301およびトランジスタ302と同様の材料を用いることができる。本実施の形態では、トランジスタ501についてSOI(Silicon on Insulator)基板を用いて形成された、単結晶シリコンを用いたトランジスタとして説明する。
トランジスタ602および容量素子603としては、実施の形態1の図2(C)で示したトランジスタ207および容量素子208を用いることができる。
なお図7(A)ではトランジスタ601としてpチャネル型のトランジスタを適用しているが、nチャネル型トランジスタとpチャネル型トランジスタのどちらを用いても構わない。単結晶シリコンを用いたトランジスタ601は高速動作が可能である。このため、当該トランジスタを読み出し用のトランジスタとして用いることで、情報の読み出しを高速に行うことができる。
トランジスタ602は酸化物半導体を用いたトランジスタであり、オフ電流を極めて小さくすることができるため、これを用いることにより長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作を必要としない、或いは、リフレッシュ動作の頻度が極めて少ない半導体記憶装置とすることが可能となるため、消費電力を十分に低減することができる。
また実施の形態1で説明した半導体装置、たとえば図1(B)で示したバックゲートを有する酸化物半導体を用いたトランジスタ202を用いて、論理回路を構成することが可能である。
図7(B−1)、(B−2)、(C−1)および(C−2)において、入力信号A、入力信号B、出力信号Xについて”0”を低電位、”1”を高電位とし、バックゲート電位Vbgをたとえば接地電位とする。各信号および電位の入出力端子は、各信号および電位と同じ符号で示す。
このとき、図7(B−1)はOR回路、図7(B−2)はNOR回路、図7(C−1)はAND回路、図7(C−2)は、NAND回路として機能させることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態1で説明した半導体装置を有する表示装置について説明する。
<EL素子を用いた表示装置の例>
まず図8および図9を用いて、EL素子を用いた表示装置の例について説明する。
図8(A)に、トランジスタ716および容量素子718を有する、EL素子を用いた画素の断面図を示す。トランジスタ716には、たとえば図1(B)で説明したトランジスタを用いることができる。
トランジスタ716および容量素子718上には、トランジスタ716のソース電極またはドレイン電極に達する開口部を有する平坦化絶縁膜780が設けられる。
平坦化絶縁膜780上には、アノード781が設けられる。アノード781は、平坦化絶縁膜780の有する開口部でトランジスタ716のソース電極と接する。
アノード781上には、アノード781に達する開口部を有する隔壁784が設けられる。
隔壁784上には、隔壁784に設けられた開口部でアノード781と接する発光層782が設けられる。
発光層782上には、カソード783が設けられる。
アノード781、発光層782およびカソード783の重畳する領域が、有機EL素子719となる。
発光層782は、一層に限定されず、複数種の発光材料などを積層して設けてもよい。例えば、図8(B)に示すような構造とすればよい。図8(B)は、中間層785a、発光層786a、中間層785b、発光層786b、中間層785c、発光層786cおよび中間層785dの順番で積層した構造である。このとき、第1の発光層786a、発光層786bおよび発光層786cに適切な発光色の材料を用いると演色性の高い、または発光効率の高い、有機EL素子719を形成することができる。
発光材料を複数種積層して設けることで、白色光を得てもよい。図8(A)には示さないが、白色光を、着色層を介して取り出す構造としても構わない。
ここでは発光層782を3層および中間層を4層設けた構造を示しているが、これに限定されるものではなく、適宜発光層の数および中間層の数を変更することができる。例えば、中間層785a、発光層786a、中間層785b、発光層786bおよび中間層785cのみで構成することもできる。また、中間層785a、発光層786a、中間層785b、発光層786b、発光層786cおよび中間層785dで構成し、中間層785cを省いた構造としても構わない。
また、中間層は、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層および電子注入層などを積層構造で用いることができる。なお、中間層は、これらの層を全て備えなくてもよい。これらの層は適宜選択して設ければよい。なお、同様の機能を有する層を重複して設けてもよい。また、中間層としてキャリア発生層のほか、電子リレー層などを適宜加えてもよい。
アノード781は、可視光透過性を有する導電膜を用いればよい。可視光透過性を有するとは、可視光領域(例えば400nm〜800nmの波長範囲)における平均の透過率が70%以上、特に80%以上であることをいう。
アノード781としては、例えば、In−Zn−W系酸化物膜、In−Sn系酸化物膜、In−Zn系酸化物膜、In系酸化物膜、Zn系酸化物膜およびSn系酸化物膜などの酸化物膜を用いればよい。また、前述の酸化物膜は、Al、Ga、Sb、Fなどが微量添加されてもよい。また、光を透過する程度の金属薄膜(好ましくは、5nm〜30nm程度)を用いることもできる。例えば5nmの膜厚を有するAg膜、Mg膜またはAg−Mg合金膜を用いてもよい。
または、アノード781は、可視光を効率よく反射する膜が好ましい。アノード781は、例えば、リチウム、アルミニウム、チタン、マグネシウム、ランタン、銀、シリコンまたはニッケルを含む膜を用いればよい。
カソード783は、アノード781として示した膜から選択して用いることができる。ただし、アノード781が可視光透過性を有する場合は、カソード783が可視光を効率よく反射すると好ましい。また、アノード781が可視光を効率よく反射する場合は、カソード783が可視光透過性を有すると好ましい。
なお、アノード781およびカソード783を図8(A)に示す構造で設けているが、アノード781とカソード783を入れ替えても構わない。アノードとして機能する電極には、仕事関数の大きい材料を用いることが好ましく、カソードとして機能する電極には仕事関数の小さい材料を用いることが好ましい。ただし、アノードと接してキャリア発生層を設ける場合には、仕事関数を考慮せずに様々な導電性材料を陽極に用いることができる。
有機EL素子719と接続するトランジスタ716は、電気的特性のばらつきが小さいため、表示装置の表示品質を高めることができる。
<液晶素子を用いた表示装置の例>
図8では、表示素子として有機EL素子を用いた表示装置について詳細に示したが、これに限らない。例えば、表示素子として、液晶素子を用いた表示装置に本実施の形態を適用することは、当業者であれば容易に想到しうるものである。
具体的な例として、液晶素子を用いた表示装置に適用可能な画素の構成について、図9を用いて以下に説明する。
図9(A)は、液晶素子を用いた表示装置の画素の構成例を示す回路図である。図9(A)に示す画素750は、トランジスタ751と、容量素子752と、一対の電極間に液晶材料の充填された素子(以下液晶素子ともいう)753とを有する。
ここで、トランジスタ751に、たとえば図1(B)で説明したトランジスタを適用することができる。先の実施の形態で示したトランジスタを適用することで、画素750が有する回路の消費電力を低減し、集積度を向上させることができる。
トランジスタ751では、ソースおよびドレインの一方が信号線755に電気的に接続され、ゲートが走査線754に電気的に接続されている。
容量素子752では、一方の電極がトランジスタ751のソースおよびドレインの他方に電気的に接続され、他方の電極が共通電位を供給する配線に電気的に接続されている。
液晶素子753では、一方の電極がトランジスタ751のソースおよびドレインの他方に電気的に接続され、他方の電極が共通電位を供給する配線に電気的に接続されている。なお、上述の容量素子752の他方の電極が電気的に接続する配線に与えられる共通電位と、液晶素子753の他方の電極に与えられる共通電位とが異なる電位であってもよい。
図9(B)に、画素750の断面のうちトランジスタ751および容量素子752を含む部分を示す。
トランジスタ751および容量素子752上には、トランジスタ751のソース電極またはドレイン電極に達する開口部を有する平坦化絶縁膜790が設けられる。
平坦化絶縁膜790上には、電極791が設けられる。電極791は、平坦化絶縁膜790の有する開口部でトランジスタ751のソース電極と接する。
電極791上には、配向膜として機能する絶縁膜792が設けられる。
絶縁膜792上には、液晶層793が設けられる。
液晶層793上には、配向膜として機能する絶縁膜794が設けられる。
絶縁膜794上には、スペーサ795が設けられる。
スペーサ795および絶縁膜794上には、電極796が設けられる。
電極796上には、基板797が設けられる。
液晶層793は、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶などを用いればよい。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相などを示す。
なお、液晶層793として、ブルー相を示す液晶材料を用いてもよい。その場合、配向膜として機能する絶縁膜792、794を設けない構成とすることができる。
電極791は、可視光透過性を有する導電膜を用いればよい。
電極791としては、例えば、In−Zn−W系酸化物膜、In−Sn系酸化物膜、In−Zn系酸化物膜、In系酸化物膜、Zn系酸化物膜およびSn系酸化物膜などの酸化物膜を用いればよい。また、前述の酸化物膜は、Al、Ga、Sb、Fなどが微量添加されてもよい。また、光を透過する程度の金属薄膜(好ましくは、5nm〜30nm程度)を用いることもできる。
または、電極791は、可視光を効率よく反射する膜が好ましい。電極791は、例えば、アルミニウム、チタン、クロム、銅、モリブデン、銀、タンタルまたはタングステンを含む膜を用いればよい。
電極796は、電極791として示した膜から選択して用いることができる。ただし、電極791が可視光透過性を有する場合は、電極796が可視光を効率よく反射すると好ましい。また、電極791が可視光を効率よく反射する場合は、電極796が可視光透過性を有すると好ましい。
なお、電極791および電極796を図9(B)に示す構造で設けているが、電極791と電極796を入れ替えても構わない。
絶縁膜792、794は、有機化合物材料または無機化合物材料から選択して用いればよい。
スペーサ795は、有機化合物材料または無機化合物材料から選択して用いればよい。なお、スペーサ795の形状は、柱状、球状など様々にとることができる。
液晶素子753と接続するトランジスタ751は、電気的特性のばらつきが小さいため、表示装置の表示品質を高めることができる。
電極791、絶縁膜792、液晶層793、絶縁膜794および電極796の重畳する領域が、液晶素子753となる。
基板797は、ガラス材料、樹脂材料または金属材料などを用いればよい。基板797は可撓性を有してもよい。
トランジスタ751は、電気的特性のばらつきが小さいため、表示装置の表示品質を高めることができる。
本実施の形態に示したように、先の実施の形態で示したトランジスタを表示装置の一部に適用することができる。当該トランジスタは電気的特性のばらつきが小さいため、表示装置の表示品質を高めることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、実施の形態1で説明した半導体装置を有するCPU(Central Processing Unit(中央処理装置、又は中央演算処理装置))の構成について説明する。
図10に、本実施の形態のCPUの構成を示す。図10に示すCPUは、基板800上に、ALU801、ALU・Controller802、Instruction・Decoder803、Interrupt・Controller804、Timing・Controller805、Register806、Register・Controller807、Bus・I/F808、書き換え可能なROM809、ROM・I/F820と、を主に有している。なお、ALUはArithmetic logic unitであり、Bus・I/Fはバスインターフェースであり、ROM・I/FはROMインターフェースである。ROM809及びROM・I/F820は、別チップに設けても良い。勿論、図10に示すCPUは、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、実際のCPUはその用途によって多種多様な構成を有している。
Bus・I/F808を介してCPUに入力された命令は、Instruction・Decoder803に入力され、デコードされた後、ALU・Controller802、Interrupt・Controller804、Register・Controller807、Timing・Controller805に入力される。
ALU・Controller802、Interrupt・Controller804、Register・Controller807、Timing・Controller805は、デコードされた命令に基づき、各種制御を行なう。具体的にALU・Controller802は、ALU801の動作を制御するための信号を生成する。また、Interrupt・Controller804は、CPUのプログラム実行中に、外部の入出力装置や、周辺回路からの割り込み要求を、その優先度やマスク状態から判断し、処理する。Register・Controller807は、Register806のアドレスを生成し、CPUの状態に応じてRegister806の読み出しや書き込みを行なう。
またTiming・Controller805は、ALU801、ALU・Controller802、Instruction・Decoder803、Interrupt・Controller804、Register・Controller807の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えばTiming・Controller805は、基準クロック信号CLK1を元に、内部クロック信号CLK2を生成する内部クロック生成部を備えており、クロック信号CLK2を上記各種回路に供給する。
本実施の形態のCPUでは、Register806に、上記実施の形態で示した構成を有する記憶装置が設けられている。実施の形態で示した構成を有する記憶装置は不揮発性記憶装置であるため、CPUの動作を停止し、電源電圧の供給を停止した場合においてもデータを保持することが可能であり、消費電力の低減を行うことができる。具体的には、例えば、パーソナルコンピュータのユーザーが、キーボードなどの入力装置への情報の入力を停止している間でも、CPUを停止することができ、それにより消費電力を低減することができる。
本実施の形態では、CPUを例に挙げて説明したが、本発明の信号処理回路はCPUに限定されず、マイクロプロセッサ、画像処理回路、DSP、FPGA等のLSIにも応用可能である。
本実施の形態は、他の実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態7)
本実施の形態では、上述の実施の形態で説明した半導体装置を電子機器に適用する場合について、図11を用いて説明する。本実施の形態では、コンピュータ、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯情報端末(携帯型ゲーム機、音響再生装置なども含む)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、電子ペーパー、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)などの電子機器に、上述の半導体装置を適用する場合について説明する。
図11(A)は、ノート型のパーソナルコンピュータであり、筐体901、筐体902、表示部903、キーボード904などによって構成されている。筐体901と筐体902の内部には、電子回路が設けられており、電子回路には、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため小型でコストが低く、信頼性の高いノート型のパーソナルコンピュータが実現される。
図11(B)は、タブレット型端末910である。タブレット型端末910は、表示部912を有する筐体911と、表示部914を有する筐体913と、操作ボタン915を有する。また、タブレット型端末910を操作するスタイラス917などを備えている。筐体911と筐体913の内部には、電子回路が設けられており、電子回路には、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため小型でコストが低く、信頼性の高い携帯情報端末が実現される。
図11(C)は、電子ペーパーを実装した電子書籍920であり、筐体921と筐体923の2つの筐体で構成されている。筐体921および筐体923には、それぞれ表示部925および表示部927が設けられている。筐体921と筐体923は、軸部937により接続されており、該軸部937を軸として開閉動作を行うことができる。また、筐体921は、電源931、操作キー933、スピーカー935などを備えている。筐体921、筐体923の少なくとも一つの内部には、メモリ回路が設けられており、メモリ回路には、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため小型でコストが低く、信頼性の高い電子書籍が実現される。
図11(D)は、携帯電話機であり、筐体940と筐体941の2つの筐体で構成されている。さらに、筐体940と筐体941は、スライドし、図11(D)のように展開している状態から重なり合った状態とすることができ、携帯に適した小型化が可能である。また、筐体941は、表示パネル942、スピーカー943、マイクロフォン944、操作キー945、ポインティングデバイス946、カメラ用レンズ947、外部接続端子948などを備えている。また、筐体940は、携帯電話機の充電を行う太陽電池セル949、外部メモリスロット950などを備えている。また、アンテナは、筐体941に内蔵されている。筐体940と筐体941の少なくとも一つの内部には、電子回路が設けられており、電子回路には、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため小型でコストが低く、信頼性の高い携帯電話機が実現される。
図11(E)は、デジタルカメラであり、本体961、表示部967、接眼部963、操作スイッチ964、表示部965、バッテリー966などによって構成されている。本体961内部には、電子回路が設けられており、電子回路には、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため小型でコストが低く、信頼性の高いデジタルカメラが実現される。
図11(F)は、テレビジョン装置970であり、筐体971、表示部973、スタンド975などで構成されている。テレビジョン装置970の操作は、筐体971が備えるスイッチや、リモコン操作機980により行うことができる。筐体971およびリモコン操作機980の内部には、電子回路が設けられており、電子回路には、先の実施の形態に示す半導体装置が搭載されている。そのため小型でコストが低く、信頼性の高いテレビジョン装置が実現される。
以上のように、本実施の形態に示す電子機器には、先の実施の形態に係る半導体装置が搭載されている。このため、小型でコストが低、信頼性の高い電子機器が実現される。
本実施例では、酸化シリコン膜に窒化処理を行い、該酸化シリコン膜中の窒素、酸素およびシリコンの濃度を測定した。
<サンプル作製条件>
まず126.6mm角のn型のシリコン基板上に、酸化シリコン膜を形成した。酸化シリコン膜はシリコン基板を、高密度プラズマ装置を用いて酸化することで形成した。
次に酸化シリコン膜に窒化処理を行った。窒化処理としては、高密度プラズマ装置による窒素プラズマを用いた処理を適用した。
ガス流量比Ar:N2=5:1(体積比)、圧力40Paの条件で窒化処理を行ったサンプルを、サンプルAとした。ガス流量比Ar:N2:H2=50:10:1(体積比)、圧力40Paの条件で窒化処理を行ったサンプルを、サンプルBとした。
<測定結果>
サンプルAおよびサンプルBについて、XPSを用いて該酸化シリコン膜中の窒素、酸素およびシリコンの差分デプスプロファイルを得た。サンプルAのプロファイルを図12(A)、サンプルBのプロファイルを図12(B)に示す。
図12(A)に示すように、サンプルAでは最表面の窒素濃度は30atomic%程度であり、最表面から表面近傍1nm程度にかけて43atomic%程度まで上昇していた。1nm以降は表面近傍から内部に向かって連続的に窒素濃度が減少し、深さ7nmでは1atomic%程度となった。
サンプルAの酸素濃度は窒素とほぼ対照的なプロファイルを示した。最表面の酸素濃度は40atomic%程度であり、最表面から表面近傍1nm程度にかけて20atomic%程度まで減少していた。1nm以降は表面近傍から内部に向かって連続的に酸素濃度が増加し、深さ7nmでは70atomic%以上となった。最表面の酸素濃度が高くなったのは、自然酸化または測定誤差等によるものと考えられる。
図12(B)に示すように、サンプルBでは最表面の窒素濃度は48atomic%程度であり、最表面から内部に向かって連続的に窒素濃度が減少し、深さ7nmでは1atomic%以下となった。
サンプルBでも酸素濃度は窒素とほぼ対照的なプロファイルを示した。最表面の酸素濃度は25atomic%程度であり、表面近傍から内部に向かって連続的に酸素濃度が増加し、深さ7nmでは70atomic%以上となった。
本実施例より、窒化処理を行った酸化シリコンは、表面近傍から内部に向かって窒素が連続的に減少することが明らかとなった。