JP6076929B2 - 作業手順管理システム - Google Patents

Description

本発明は、作業手順管理システムに係わり、作業者の作業手順を作業現場で柔軟に管理する技術に関する。

作業手順管理に関して、特許文献１がある。特許文献１に、「作業手順を厳密に管理し人為的ミスを排除しつつ、状況に応じて作業手順を変更可能とし作業の手戻りの排除、工数減を可能とする。」と記載されている。

特開２０１３−７３５１１号公報

作業手順を厳密に管理し製品を製造するが、状況に応じて作業手順を変更する場合がある。作業手順の変更は、製品不良を生じかねないので、厳しく管理される。そこでは、作業手順の変更が問題を生じないことを確認した上での承認が必要となる。一般に、作業手順の変更は、作業現場の責任者によって承認される。しかしながら、承認の度に作業が停滞するので、承認作業を効率的に実行することが求められる。

開示する作業手順管理システムは、標準作業規定に基づいた、製品の製造過程の作業工程の作業、各作業の所定の順序および各作業の作業状況を格納する標準作業規定詳細テーブルと、標準作業規定詳細テーブルにおける各作業の所定の順序に従った一覧および各作業の一覧の各作業に対応する作業状況を表示装置に表示する標準作業実行順制御処理部と、作業工程の作業状況が「未」である作業を、所定の順序と異なる順序で実行する指定入力に応答して、所定の順序と異なる順序で作業を実行することを承認し、承認した作業の承認情報を承認パタンデータテーブルに登録する承認パタン登録処理部とを備える。

開示する作業手順管理システムによれば、作業手順の変更の承認作業が効率的に実行される。

作業手順管理システムの概要を示す構成図である。 作業手順指示画面の例である。 ＳＯＰ実行順制御処理部および承認パタン登録処理部の処理フローチャートである。 標準作業規定詳細テーブルの例である。 承認パタンデータテーブルの例である。 承認パタン削除画面の例である。

図１は、作業手順管理システムの概要を示す構成図である。作業手順管理システムは、加工工程や組立工程などの製造工程を有する工場において、予め指定された標準作業規定（ＳＯＰ）に従って、製造工程の一連の作業が行われることを支援するシステムである。作業手順管理システムは、図１に示すように、製造記録データや各種製造指図マスタ等を記憶するデータベースを有し、データベースの検索や更新の処理を実行するＡＰ・ＤＢサーバ１と複数のクライアント端末２が、ネットワーク３を介して接続されて構成されている。

ＡＰ・ＤＢサーバ１は、クライアント端末２に対応して設置されているコンピュータであり、アプリケーションサーバ、データベースサーバとして動作する。ＡＰ・ＤＢサーバ１は、データベースの検索や更新を実行するデータベース検索・更新処理部（ＤＢ検索・更新処理部）１５、記録データや各種製造指図情報を記憶しておくための、製造記録データデータベース（製造記録データＤＢ）１１、各種製造指図マスタデータベース（各種製造指図マスタＤＢ）１２、製品マスタデータベース（製品マスタＤＢ）１３、および、承認パタンデータデータベース（承認パタンデータＤＢ）１４を有している。

例えば、製造記録データＤＢ１１は、製品ＩＤ、指示ＩＤ、ＳＯＰＩＤ、順序、更新日時、ユーザＩＤなどの製造記録に係る項目を含むテーブルである。製品マスタＤＢ１３は、製品ＩＤ、製品名などの製品に係る項目を含むテーブルである。各種製造指図マスタＤＢ１２及び承認パタンデータＤＢ１４については、後述する。

なお、ＡＰ・ＤＢサーバ１を、ＤＢ検索・更新処理部１５を備えるアプリケーションサーバと、製造記録データＤＢ１１、各種製造指図マスタＤＢ１２、製品マスタＤＢ１３、および承認パタンデータＤＢ１４を備えるデータベースサーバに分けて構成してもよい。

クライアント端末２は、作業手順の表示、作業実績の入力、画面表示処理、ＳＯＰ実行順制御処理、承認パタン登録処理、及び承認パタン削除処理を、ＡＰ・ＤＢサーバ１と連携して実行する端末であり、製造現場の管理責任者、製造作業者毎に設けられるコンピュータである。クライアント端末２は、当該クライアント端末２のメモリ上に保持されるローカルデータ記憶部２１を有し、ＳＯＰ実行順制御処理部２２、承認パタン登録処理部２３、及び画面表示処理部２４で構成されている。また、クライアント端末２には、液晶表示パネルなどの表示装置２５と、キーボードまたはマウスなどの入力装置２６が接続され、画面表示処理及び操作入力処理が行われる。

ＳＯＰ実行順制御処理２２及び承認パタン登録処理部２３の概要を説明する。各種製造指図マスタＤＢ１２の内容は、クライアント端末２からの要求に応じて、ローカルデータ記憶部２１に展開される。その中には、標準作業規定に基づいた、製品の製造過程の作業工程の作業、作業の所定の順序および作業の作業状況を定義した標準作業規定詳細テーブル５０（図４の５０）及び承認パタンデータテーブル６０（図５の６０）を含んでいる。標準作業規定詳細テーブル５０における作業の所定の作業順序（図４の５３）に従った一覧および作業の一覧の各作業に対応する作業状況が、ＳＯＰ実行順制御部２２によって表示装置２５に表示される。

承認パタン登録処理部２３は、作業工程の作業状況が「未」である作業を所定の順序と異なる順序で実行する指定入力に応答して、承認パタンテーブル６０を参照し、指定入力された作業の承認情報が承認パタンテーブル６０に登録されていない場合は、所定の順序と異なる順序で作業を実行することを承認し（作業承認処理）、承認した作業の承認情報を、ローカルデータ記憶部２１に格納されている承認パタンデータテーブル６０（図５の６０）に登録する。後述するように、所定の順序と異なる順序での作業の実行が承認されない場合もある。

承認パタン登録処理部２３は、所定の順序とは異なる順序で実行する作業の指定入力に応答して、承認パタンテーブル６０を参照し、指定入力された作業の承認情報が承認パタンテーブル６０に登録されている場合は、所定の順序とは異なる順序で作業を実行することの承認（作業承認処理）を省略する。

承認パタン登録処理部２３は、所定の順序とは異なる順序で作業を実行することを承認するための画面を表示装置２５に表示する。この表示内容は、ＡＰ・ＤＢサーバ１を経由して、作業現場の責任者が利用するクライアント端末２の表示装置２５にも表示される。作業現場の責任者による表示画面への承認入力によって、所定の順序とは異なる順序で作業を実行することが承認される。承認結果は、作業現場の責任者が利用するクライアント端末２から、ＡＰ・ＤＢサーバ１を経由して、所定の順序とは異なる順序で実行する作業を指定入力したクライアント端末２の表示装置２５に表示される。作業者と責任者とで１台のクライアント端末２が兼用されてもよい。承認パタン登録処理部２３は、画面への承認入力に応答して、所定の順序とは異なる順序で実行する作業の承認情報を承認パタンデータテーブル６０へ登録する。

承認情報の承認パタンデータテーブル６０への登録は、後述するように各クライアント端末２とＡＰ・ＤＢサーバ１との間でデータ同期されているので、作業現場の責任者が利用するクライアント端末２、所定の順序とは異なる順序で実行する作業を指定入力したクライアント端末２、およびＡＰ・ＤＢサーバ１のいずれかで実行されればよいが、ここでは所定の順序とは異なる順序で実行する作業を指定入力したクライアント端末２の承認パタン登録処理部２３が登録するものとして説明する。

工程の状況の変化に対応した、作業を所定の順序とは異なる順序で実行することを禁じる状態に応じるために、承認パタン登録処理部２３は、作業の承認情報の削除の指示入力に応答して、承認パタンデータテーブル６０から、禁じられた作業の承認情報を削除する。承認情報を削除に関しては、製造現場の責任者が利用するクライアント端末２によって実行されるが、承認情報の承認パタンデータテーブル６０への登録と同様に、クライアント端末２のいずれかで実行されればよい。

クライアント端末２は、そのハードウェアやソフトウェアの構成を同じように構成することが望ましく、製造現場の責任者が利用するクライアント端末２及び所定の順序とは異なる順序で実行する作業を指定入力したクライアント端末２は、製造現場の責任者や作業者個人がクライアント端末２を利用する際に入力する、個人を識別するＩＤによって識別される。

以上に述べた概要を補足する形で、ＳＯＰ実行順制御処理部２２及び承認パタン登録処理部２３の動作を説明する。

図２（Ａ）〜（Ｃ）は、ＳＯＰ実行順制御処理部２２または承認パタン登録処理部２３の制御の下で、画面表示処理部２４により表示装置２５に表示される作業手順指示画面の例である。図２（Ａ）は、ＳＯＰ実行順制御処理２２が表示装置２５に表示する作業指示画面であり、次に実施する作業（図中の作業順３の作業）を示している。図２（Ｂ）は、ＳＯＰ実行順制御処理２２が表示した作業指示画面で、所定の順序とは異なる順序で実行する作業（図中の作業順５の作業）を指定入力した場合を示している。この指定入力に応答して、承認パタン登録処理部２３が動作する。図２（Ｃ）は、所定の順序とは異なる順序で実行する作業の指定入力に応答して、承認パタン登録処理部２３が表示する、作業現場の責任者が承認するための、責任者のユーザＩＤとパスワードを入力する作業承認画面の例である。図２の各画面の表示に伴い、図示する確認ボタンまたは終了ボタンの押下により、それぞれ引き続く処理が実行される。

図３は、ＳＯＰ実行順制御処理部２２および承認パタン登録処理部２３の処理フローチャートである。なお、ＳＯＰ実行順制御処理部２２および承認パタン登録処理部２３は、図３に示すように一連の処理として実行される。

作業者が入力装置２７を操作して製造指図を選択すると、クライアント端末２のＳＯＰ実行順制御処理部２２は、ネットワーク３を経由して、選択した製造指図の作業指示情報を取得するための要求をＡＰ・ＤＢサーバ１へ送信する。ＡＰ・ＤＢサーバ１のＤＢ検索・更新処理部１５は、各種製造指図マスタＤＢ１２および承認パタンデータＤＢ１４から、要求されたＳＯＰ情報（製造指図データ）およびこのＳＯＰ情報に対応する承認パタンデータを取得し、クライアント端末２のＳＯＰ実行順制御処理部２２へ送信する（ステップＳ１）。ＳＯＰ実行順制御処理部２２は、ローカルデータ記憶部２１に取得したＳＯＰ情報（製造指図データ）を、図４に示す標準作業規定詳細テーブル５０として展開する。同様に、承認パタン登録処理部２３は、承認パタンデータＤＢ１４の内容を、承認パタンデータテーブル６０としてローカルデータ記憶部２１に展開する。

クライアント端末２のローカルデータ記憶部２１に展開される承認パタンデータテーブル６０は、承認パタンデータＤＢ１４の内容のすべてではなく、選択された製造指図に対応する承認パタンデータテーブル６０が含まれていれば良く、その承認パタンデータテーブル６０の内容は承認パタンデータＤＢ１４の内容とデータ同期され、一致した内容を持つ。すなわち、いずれかのクライアント端末２において承認パタンデータテーブル６０の内容に変更が生じた場合、その変更内容はＡＰ・ＤＢサーバ１の承認パタンデータＤＢ１４に反映され、ＡＰ・ＤＢサーバ１によって、同じ承認パタンデータテーブル６０を各種製造指図ローカルデータ記憶部２１に展開している他のクライアント端末２において承認パタンデータテーブル６０に反映される。

ＳＯＰ実行順制御処理部２２は、作業指示画面（図２（Ａ））を表示装置２５に表示する。（ステップＳ２）。ＳＯＰ実行順制御処理部２２は、標準作業規定詳細テーブル５０の一連の作業が完了しているかを判定し（ステップＳ３）、完了しているならば処理を終了する。

ＳＯＰ実行順制御処理部２２は、入力装置２６からの確認入力（作業指示画面の確認ボタンの押下）に応答して、作業者からの所定の順序とは異なる順序で実行する作業を判定する（ステップＳ４）。この判定は、確認入力された時点で、指定入力されている作業順序が、ＳＯＰ実行順制御処理部２２がＳＯＰの作業順序に従って表示したままか、指定入力されている作業順序が所定の順序とは異なる順序の作業（指定入力された作業順序より前に未作業の作業が有る作業（図２（Ｂ））があるかを判定する。所定の順序の作業であるならば、ステップＳ８へ移る。

指定入力されている作業順序が所定の順序とは異なる順序の場合は、承認パタンデータテーブル６０（図５）を参照し、指定入力されている作業順序の作業が承認パタンデータテーブル６０に登録されているかを判定する（ステップＳ５）。この判定は、指定入力されている作業順序の作業が過去に承認されたことのある作業かの判定である。指定入力されている作業順序の作業が承認パタンデータテーブル６０に登録されているならば、ステップＳ８へ移る。

所定の順序とは異なる順序の作業の指定入力の場合、承認パタン登録処理部２３は、作業現場の責任者のクライアント端末２に作業承認画面（図２Ｃ）を表示し、前述のように、作業現場の責任者はユーザＩＤとパスワードを入力し、終了ボタンを押下することで、実行順序を変更する作業の実行を承認する（ステップＳ６）。実行順序の変更が拒否された場合、ステップＳ８へ移り、ＳＯＰ実行順制御処理部２２は、作業指示画面（図２（Ａ））を表示装置２５に表示する。

一方、所定の順序とは異なる順序の作業の実行が承認された場合、承認パタン登録処理部２３は、前述のように、承認パタンデータテーブル６０に承認情報を登録する（ステップＳ７）。承認情報が登録された承認パタンデータテーブル６０は、前述したようにデータ同期されるので、承認パタンデータＤＢ１４に反映され、さらに同じ承認パタンデータテーブル６０の内容を記憶しているクライアント端末２にも反映される。

承認パタンデータテーブル６０に登録されている若しくは作業現場の責任者に承認された作業、又は所定の順序の作業を実行し、製造記録テーブル（図示略）に作業実績を、入力装置２６を用いて登録する（ステップＳ８）。

ＳＯＰ実行順制御処理部２２は、製造記録テーブルに登録された作業実績の可否を判定し、判定結果がＯＫ（可）の場合、ローカルデータ記憶部２１のＳＯＰ詳細データテーブル５０のステータス（作業状態）５６を「未」から「済」に更新する。登録された作業実績は、ＡＰ・ＤＢサーバ１のＤＢ検索・更新処理部１５によって、製造記録データＤＢ１１に反映され（ステップＳ９）、ステップＳ２に戻る。ＳＯＰに従った作業のすべてが完了しないと、最終的な作業実績確認画面や作業実績承認画面を表示しないようにすることにより、作業の漏れの発生を防止する。

所定の順序とは異なる順序で実行することが承認された作業であっても、製品や部品の規格や製造現場の運用ルールが変更になり、その作業を所定の順序とは異なる順序で実行することを禁止しなければならない状況が発生する。このような状況に対応するために、作業手順管理システムは、図６に示す承認パタン削除画面７１を用意する。承認パタン削除画面７１は、製造現場の責任者が使用するクライアント端末２の表示装置２５に表示される。図６に示す承認パタン削除画面７１は、削除対象の承認パタンとして承認パタンＩＤ（図５の６１）が「２」の番号「３」が選択されている例を示している。このように承認パタンを選択し、「削除」ボタンを押下することにより承認パタンデータテーブル６０の該当する承認パタンデータが削除され、削除結果が承認パタンデータＤＢ１４に反映される。

説明した作業手順管理システムによれば、各工程の実行順にＳＯＰの１手順ずつ実行画面を表示することにより、作業者に作業手順を遵守させることができるため、人為的ミスを排除できる。

さらに、現場の状況に応じて作業手順を責任者の承認を得て変更してもよいとされる場合、現場の状況に応じて作業が可能となり、責任者の承認作業も自動化されることで作業の停滞をなくし、作業時間を低減することができる。

説明した実施形態の作業手順管理システムによれば、作業手順の変更の承認作業が効率的に実行される。

１：ＡＰ・ＤＢサーバ、２：クライアント端末、３：ネットワーク、１１：製造記録データＤＢ、１２：各種製造指図マスタＤＢ、１３：製品マスタＤＢ、１４：承認パタンデータＤＢ、１５：ＤＢ検索・更新処理部、２１：ローカルデータ記憶部、２２：ＳＯＰ実行順制御処理部、２３：承認パタン登録処理部、２４：画面表示処理部、２５：表示装置、２６：入力装置、５０：標準作業規定詳細テーブル、６０：承認パタンデータテーブル、７１：承認パタン削除画面。

Claims (5)

1. 標準作業規定に基づいた、製品の製造過程の作業工程の作業、前記作業の所定の順序および前記作業の作業状況を格納する標準作業規定詳細テーブルと、前記標準作業規定詳細テーブルにおける前記作業の前記所定の順序に従った一覧および前記作業の一覧の前記作業に対応する前記作業状況を表示装置に表示する標準作業実行順制御処理部と、前記作業工程の前記作業状況が「未」である前記作業を、前記所定の順序と異なる順序で実行する指定入力に応答して、前記所定の順序と異なる順序で前記作業を実行することを承認し、承認した前記作業の承認情報を承認パタンデータテーブルに登録する承認パタン登録処理部とを備えることを特徴とする作業手順管理システム。
2. 前記承認パタン登録処理部は、前記所定の順序と異なる順序で実行する前記作業の指定入力に応答して、前記承認パタンテーブルを参照し、前記作業の前記承認情報が前記承認パタンテーブルに登録されている場合は、前記所定の順序と異なる順序で前記作業を実行することの承認を省略することを特徴とする請求項１に記載の作業手順管理システム。
3. 前記標準作業実行順制御処理部は、前記所定の順序と異なる順序で前記作業を実行することを承認するための画面を前記表示装置に表示することを特徴とする請求項２に記載の作業手順管理システム。
4. 前記承認パタン登録処理部は、前記所定の順序と異なる順序での前記作業の実行の承認に応答して、前記作業の前記承認情報を前記承認パタンデータテーブルへ登録することを特徴とする請求項３に記載の作業手順管理システム。
5. 前記承認パタン登録処理部は、前記作業の前記承認情報の削除の指示入力に応答して、前記承認パタンデータテーブルから前記作業の前記承認情報を削除することを特徴とする請求項４に記載の作業手順管理システム。

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